説明

環境保護光学シート

本発明は環境に優しく、かつ高屈折率を有し、耐光性に優れて、バックライトユニットの光学シートアセンブリとして有用な光学シートを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境保護光学シートに係り、より詳しくは集光効率を向上させることができる光学シートに関する。
【背景技術】
【0002】
産業社会が高度の情報化時代に発展するにつれて、多様な情報を表示、伝達するための媒体としての電子ディスプレイ装置の重要性は日増しに増大している。CRT(Cathode Ray Tube)は従来広く使用されて来たが、設置空間上の制約が大きくて大型化が大変難しいという限界に直面している。このため、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界放射ディスプレイ(FED)、及び有機ELのような多様なフラットパネルディスプレイ装置に代替されている。このようなフラットパネルディスプレイ装置の中で、特にLCDは液晶と半導体技術が複合された技術集約的装置であり、薄くて軽く、消費電力が低い、という利点から、その構造及び製造技術が研究開発されて来た。液晶ディスプレイ装置は、ノートブックコンピューター、デスクトップコンピューターのモニター、携帯用個人通信装置(PDA及び携帯電話)など、既存に液晶ディスプレイが広く使用された領域に適用され、大きなサイズで製造されているので、HD(High Definition)のような大型TVに応用できる。このため、ディスプレイの代名詞であったCRTを代替することができる新しいディスプレイ装置として脚光を浴びている。
このような液晶ディスプレイ装置は液晶自体が発光できないため、装置の後面に別途の光源を設置し、それぞれの画素(pixel)における液晶によって通過光の強度を調節してコントラストを具現する。より具体的には、液晶ディスプレイ装置は、液晶物質の電気的特性を用いて光の透過率を調節する装置であり、その装置背面または側面の光源ランプから発せられた光は、各種の機能性光学フィルムまたはシートを通過することにより均一度及び方向性を付与され、このような調整された光はさらにカラーフィルターなどを通過することによって、赤、青、緑(R、G、B)の色相を具現する。またLCDは、電気的な方法で各画素のコントラストを制御して画像を具現する間接発光方式のディスプレイ装置である。このように、光源を有する発光装置は、液晶ディスプレイ装置の輝度及び均一度などの画質を決定する重要な部品である。
このような発光装置の主な例は、バックライトユニットである。典型的には、バックライトユニットは、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)などの光源を使用して光を発し、この光は、順次、導光板、拡散シート及びプリズムシートを含む光学シートを通過して、液晶パネルに到達する。
ここで、導光板は光源から放出される光を平面状の液晶パネルの前面に分布するように伝達させる働きを有する。拡散シートは、スクリーン前面全体にわたる均一な光度を実現する働きを有する。プリズムシートは、光経路を制御して、拡散シートを経た多様な光線の方向を、使用者が画像を見やすい視野角範囲内に変換させる働きを有する。また、反射板は、導光板の下部に設けられて、最適経路を外れて液晶パネルに伝達されなかった光をさらに反射させて利用できるようにし、光源の利用効率を増加させる。
バックライトユニットを構成する光学シートの開発において、光源から放出された光を集光し、光の方向を調節して正面輝度を向上させるための努力が続いている。光の波動性と粒子性に基づき、干渉、回折、偏光などの光粒子の現象を適切に変化させることができる立体構造を使用することにより、光の流れを制御することができる。また、このような3D構造面を形成する物質の物理的特性を変化させることにより、光の流れをさらに制御することができ、それによって、使用者が所望の方向に光粒子の放出方向を整列させ、その方向の輝度を向上させることができる。
光学シート上での3D構造面を形成に関しては、アメリカ特許第4,542,449号、同第4,906,070号が開示されている。
また、輝度の向上に関連した光学シート物質の主要な物理的特性としては、屈折率を挙げることができる。屈折率が高いほど光学シートの性能は向上する。
光学シート上に立体構造面を形成することができる高屈折率の樹脂の典型例としては、高分子鎖内に臭素のようなハロゲン元素を含む光硬化型樹脂を挙げることができる。
一方、製品の設計から製造、使用、および廃棄までの製品のライフサイクル全体にわたる汚染発生とリサイクル障害要因を考慮すれば、企業の持続的な競争力確保と生存のためには、環境に優しい製品設計や清浄生産技術(Cleaner Production)が必要である。
このような趨勢から見て、高分子樹脂鎖内に臭素のようなハロゲン元素が置き換えされた光硬化型樹脂層を有する光学シートは環境規制への対応に適さないと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、有害物質の発生がない電気電子製品に有用な光学シートを提供する。
また、本発明は、有害物質の発生がなく、屈折率が高くて輝度向上に寄与することができる光学シートを提供する。
また、本発明は、特に電気電子製品に対する特定有害物質の発生がなく、屈折率が高くて輝度向上に寄与することができる光学シートを提供する。
また、本発明は、電気電子製品に対する特定有害物質の発生がなく、屈折率が高くて輝度向上に寄与することができる立体構造面を含む光学シートを提供する。
また、本発明は、電気電子製品に対する特定有害物質の発生がなく、屈折率が高くて輝度向上に寄与することができる立体構造面と光拡散層を含む光学シートを提供する。
また、本発明は、有害物質の発生がなく、ディスプレイに適用されたとき、外部衝撃の影響を受けないように立体構造面の損傷を防止することができる表面特性を満たす光学シートを提供する。
また、本発明は、立体構造層が適正な表面特性を満たすことで、取り扱いがより容易な光学シートを提供する。
また、本発明は、不良率を減少させるとともに生産原価を節減し生産効率を高めることができる光学シートを提供する。
また、本発明は、造液過程中に屈折率と粘度を調節することで、高屈折率を有しながらも適正な表面硬度特性を満たすことができる光学シートの製造方法を提供する。
また、本発明は、電気電子製品に対する特定有害物質の発生がなく、高輝度を達成することができるバックライトアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、光学シートは、原子価電子数7の元素を含まず、屈折率が1.49〜1.70であり、かつ構造化表面を有する樹脂硬化層を含む。
本発明による光学シートは、樹脂硬化層に接して形成された基材層を含むことができる。
本発明による光学シートは、樹脂硬化層に接して形成された光拡散層;及び基材層をさらに含むことができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は屈折率が1.54〜1.68であることができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層はアクリレート系光硬化型樹脂硬化層であることができる。
アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体;光開始剤;及び添加剤を含む光重合性組成物から形成されることができる。
また、アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、架橋結合性誘導体としてフルオレン(ジ)アクリレート系誘導体、ビスフェノール(ジ)アクリレート系誘導体及びチオール(thiol)基を有する(ジ)アクリレート系誘導体の中から選択される1種以上を含む光重合性組成物から形成されることができる。
本発明による光学シートにおいて、アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、その樹脂の主鎖が下記の化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体から形成される繰り返し単位を含むことができる。
化学式1

前記式で、a、b及びcは同一または異なる0〜15の整数であり、n及びzは同一または異なる0〜15の整数であり、a+b+c+n+z≧1であり、m、x及びyは同一または異なる0〜30の整数であり、a、b及びcが0でないとき、これに対応するm、x及びyも0ではなく、Rは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基である。
また、架橋結合性誘導体は、下記の化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体を含むことができる。
化学式1

前記式で、a、b及びcは同一または異なる0〜15の整数であり、n及びzは同一または異なる0〜15の整数であり、a+b+c+n+z≧1であり、m、x及びyは同一または異なる0〜30の整数であり、a、b及びcが0でないとき、これに対応するm、x及びyも0ではなく、Rは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基である。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は、複数の立体構造が線形または非線形に配列されている構造表面を有することができる。
【0005】
本発明の第2の態様によれば、光学シートは、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む液体組成物から形成され、かつ構造化表面を付与された樹脂硬化層を含み;構造化表面に、平面圧子を用いて、0.2031mN/secの荷重付加速度で最大圧1gfになるまで加圧し、最大圧で5秒間維持し、その後、荷重付加を解除した場合、下記の数式1で表現される圧縮変形率が40%以上である。
数式1

前記式で、Dは外部圧力が加わって押し込まれた深さを意味し、Dは外部圧力が加わらない状態の光学シートの高さと外部圧力が除去されて回復したときの光学シートの高さとの差を意味する。
本発明による光学シートにおいて、圧縮変形率が50%以上であることができる。
本発明による光学シートにおいて、圧縮変形率が60%以上であることができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は、25℃での粘度が1cps〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型アクリレート系単量体を含む液体組成物から形成されることができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は、表面硬度が鉛筆硬度1H〜3Hであることができる。
本発明による光学シートにおいて、非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、25℃での屈折率が1.55以上であることができる。
本発明による光学シートにおいて、非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、主鎖を有し、その少なくとも一つの炭素原子に少なくとも2以上のベンゼン環が結合し、かつ、その少なくとも一末端は架橋結合性不飽和二重結合を有することができる。
本発明による光学シートにおいて、非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、主鎖にフルオレン基をそれぞれ有するフルオレンアクリレート系誘導体またはフルオレンジアクリレート系誘導体であることができる。
本発明による光学シートにおいて、光硬化型アクリレート系単量体は、25℃での屈折率が1.44〜1.55であることができる。
本発明による光学シートにおいて、液体組成物は、25℃での屈折率が1.52以上、25℃での粘度が1cps〜100,000cpsであることができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は、25℃での塗膜屈折率が1.54以上であることができる。
本発明による光学シートにおいて、樹脂硬化層は、原子価電子数7の元素を含まないことができる。
本発明による光学シートは、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む光硬化型アクリレート系単量体及び光開始剤を含み、粘度が10cps〜100,000cps、屈折率が1.52以上である液体組成物を調製すること;立体構造物が型彫りされたフレームに前記液体組成物を塗布すること;透明基材フィルムの一表面を前記型彫りされたフレームに塗布された液体組成物の面と接触させ、紫外線を照射して液体組成物を硬化させて樹脂硬化層を形成すること;及び型彫りされたフレームから樹脂硬化層面を分離することによって製造できる。
さらに、本発明の例示的態様によれば、バックライトアセンブリは前記光学シートを含むことができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、原子価電子数7の元素を含まず、一定範囲の屈折率を満たすことで、有害物質を含まない部品として有用な光学シートを提供することができ、これから得られた電気電子製品、特にディスプレイ製品は環境に優しい製品であると考えられる。また、高屈折率を有する光学シートを提供することができるので、輝度が向上したバックライトユニットアセンブリを提供することができる。
本発明の他の一態様によれば、光学シートは非ハロゲン系架橋結合性誘導体から形成された樹脂硬化層を有することにより、有害物質の発生がない電気電子製品の提供に有用であり、かつディスプレイに適用されたとき、外部衝撃の影響を受けないように構造層の損傷を防止することができる表面特性を満たすことで、究極には高輝度を達成することができ、構造層が適正な表面特性を満たすことで、取り扱いがより容易であり、不良率を減少させながら生産原価を節減し、生産効率を高めることができる。特に、本発明の光学シートは、光学部材の輝度を向上させるための高屈折率の光学シートとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は圧縮変形率を説明するための模式図である。
【図2】図2は耐スクラッチ性評価方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一態様は、環境に優しく、かつ高屈折率を有する光学シートに関するものであり、特に原子価電子数7の元素を含まず、25℃での屈折率が1.49〜1.70の樹脂硬化層を含む光学シートを提供する。
特に、本発明の一態様による光学シートは、表面が構造化され、原子価電子数7の元素を含まず、25℃での屈折率が1.49〜1.70である樹脂硬化層を含むものである。
光学シートの樹脂硬化層が原子価電子数7の元素を含み、屈折率が高い樹脂硬化層を有する光学シートは、環境規制に対応しにくく、特に環境ホルモンが発生するので環境に優しくない。
また、原子価電子数7の元素を含まず、屈折率が前記範囲より低い場合、光学シートの性能が落ちるため、輝度を向上させることが難しいという問題点がある。
特に、構造化表面を有するように樹脂硬化層を形成する場合、より効果的な輝度向上のためには25℃での屈折率が1.54〜1.68である必要がある。
本発明の一態様による光学シートがこのような樹脂硬化層を有する場合、環境に有害性がなく、かつ輝度の向上に寄与することができる。
【0009】
一方、本発明の一態様による、環境に優しく、かつディスプレイ装置の正面輝度をより向上させることができる光学シートは、原子価電子数7の元素を含まず、25℃での屈折率が1.49〜1.70であり、かつ構造化表面を有する樹脂硬化層と、樹脂硬化層に接して形成された基材層とを含む光学シートであることができる。
この際、基材層はポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはポリエポキシ樹脂製のフィルムであり、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムである。その厚さは、優れた機械的強度、熱安定性及びフィルムの柔軟性を得るため、および透過光の損失を防止するために、10μm〜1,000μm程度に設定される。
【0010】
本発明の一態様による環境に優しく、かつ屈折率が高い光学シートは、原子価電子数7の元素を含まず、屈折率が1.49〜1.70であり、かつ構造化表面を有する樹脂硬化層;樹脂硬化層に接して形成された光拡散層;及び基材層を含む光学シートであることができ、このような光学シートは、複数の光学シートを組み合わせることに起因する従来の問題を改善することができ、また輝度向上と、構造化表面による輝線露出を調節することができるなどの効果も得ることができる。
ここで、光拡散層はバインダー樹脂に光拡散性粒子を分散させて得た液体組成物から形成される。光拡散層は樹脂硬化層に比べて屈折率が低いことができる。この際、バインダー樹脂は基材層との接着性に優れ、分散される光拡散粒子と混和性が良い樹脂を使用することができる。すなわち、光拡散性粒子が樹脂に均一に分散されて分離や沈澱が起こらないバインダー樹脂が有利である。このような樹脂の例としては、不飽和ポリエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ブチルメチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートの単独重合体、これらの共重合体または三元共重合体などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ならびにメラミン系樹脂などを挙げることができる。
光拡散性粒子は、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜1,000重量部を使用することが光拡散効果の点でも白濁現象及び粒子の離脱防止などの点でも有利である。
光拡散性粒子の大きさは光拡散層の厚さによって異なる。例えば、平均粒径0.1〜200μmのものが光拡散層からの粒子離脱を防止することができ、光拡散効果を期待することができるので有利である。
光拡散性粒子としては、複数の有機粒子または無機粒子を使用することができる。有機粒子としては、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの単独重合体または共重合体であるアクリル系粒子、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系粒子、アクリル−オレフィン系の共重合体粒子、及び単一重合体の粒子の層を形成した後、その層の上に他種の単量体の層を形成してなる多層多成分系粒子を挙げることができ、無機粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びフッ化マグネシウムなどを挙げることができる。前記有機及び無機粒子はただ例示的なものに過ぎず、前述した有機または無機系の粒子に限定されず、単に本発明の主目的を達成することができる限り、公知の材料のいずれにも代替することができるのは当業者には明らかであり、このような材質変更の場合も本発明の技術的思想の範疇内にある。
【0011】
前述した多様な光学シートの例において、樹脂硬化層は集光効率の点で、25℃での屈折率が1.54〜1.68であることが好ましい。
このような樹脂硬化層は溶媒で溶出させたとき、粘着性無しに膜特性を有し、汚染がなく、再加工が容易である点で、好ましい。溶媒の例としては、エタノール、イソプロピルアルコールまたはアセトンなどを挙げることができる。
このような膜特性は樹脂硬化層を形成する高分子樹脂材料によって異なりうる。このような点で、本発明による樹脂硬化層は特にアクリレート系光硬化型樹脂硬化層であることができる。特に、前記屈折率を満たすためには、フルオレン(ジ)アクリレート系誘導体、ビスフェノール(ジ)アクリレート系誘導体またはチオール(thiol)基を有する(ジ)アクリレート系誘導体を架橋結合性誘導体として含む光硬化型単量体で構成された光重合性組成物から形成されたものが有利である。高屈折率の点では、フルオレン誘導体ジアクリレート単量体を光硬化型単量体として含む光重合性組成物から樹脂硬化層を形成することがより有利である。
好ましいフルオレン(ジ)アクリレート系誘導体の例としては、下記の化学式1で表示されるものが挙げられる。
化学式1

前記式で、a、b及びcは同一または異なる0〜15の整数であり、n及びzは同一または異なる0〜15の整数であり、a+b+c+n+z≧1であり、m、x及びyは同一または異なる0〜30の整数であり、a、b及びcが0でないとき、これに対応するm、x及びyも0ではなく、Rは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基である。
化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体は高屈折率の物質であって、硬化後の樹脂硬化層の屈折率を1.54〜1.68程度に維持させることができる。また、耐熱性及び耐光性に優れて光学シートの硬化層を形成するのに適する。
化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体の含量は樹脂硬化層に要求される屈折率や輝度特性などによって適宜調節できるが、輝度向上の点で、好ましくは、光重合性組成物の全固形分含量を基準として5〜99.5重量%である。
【0012】
一方、樹脂硬化層を形成する光重合性組成物の組成物は、前述した架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体、光開始剤、及び必要な場合添加剤から主に構成される。
前述した架橋結合性誘導体の他のアクリレート系光硬化型単量体の例としては、多官能基を有することにより光硬化の際に架橋剤の役目をしてガラス転移温度を上昇させ、これによって硬化後の硬度を増加させることができる多官能性アクリレート単量体が挙げられる。その例としては、イソシアヌレート環を有する多官能性アクリレート単量体であり、イソシアヌレート環は電子密度が偏在化されていない化学構造を有する。これにより、電子密度の勾配による物理的な接着力を確保することにより硬化後の接着力を向上させる役目をすることができるという点で有利である。より具体的な例として、イソシアヌレート環を有する多官能性アクリレート単量体は、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートトリアクリレート単量体、特にトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートである。
その他の光硬化型単量体としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレートまたは1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどを挙げることができる。これら単量体は硬化の際に基材層表面の微細隙間に対する内部浸透能力を持っているので、基材層に対する接着力を向上させることに寄与することができる。
一方、溶解後の組成物の粘度を低めるための単量体として、屈折率を阻害しない範囲内で25℃での粘度が2,000cps以下のアクリレート系単量体をさらに含むことができる。具体的な例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエートアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートまたはフェニルフェノキシエタノールアクリレートなどを挙げることができる。
これら光硬化型単量体は、主に25℃での屈折率が1.44以上であることがより有利である。屈折率が高すぎると、液体組成物の粘度が高くなり、樹脂硬化層の表面硬度が高くなりすぎ、一方、屈折率が低すぎると、最終に得られる光学シートの屈折率が低くなり、高輝度の達成に悪影響を及ぼす恐れがある。具体的には、光硬化型単量体は25℃での屈折率が1.44〜1.55である。
25℃での粘度が1〜50,000cps及び/または25℃での屈折率が1.44以上の光硬化型単量体を利用するか利用しないで製造する場合において、液体組成物の25℃での粘度は、好ましくは10〜100,000の範囲内である。液体組成物の25℃での粘度は加工時の作業性に影響を及ぼすだけでなく、最終に得られる樹脂硬化層の表面硬度、光学シートの圧縮変形率の特性に影響を及ぼすことができる。粘度が高すぎると、樹脂硬化層が脆弱(brittle)になる恐れがあり、一方、液体組成物の粘度が低すぎると、樹脂硬化層の屈折率が低くなる恐れがある。
したがって、25℃での粘度が1〜50,000cpsである光硬化型単量体を含む場合、このような液体組成物の粘度を考慮してその含量を適宜調節することが好ましい。
また、光硬化型単量体の含量は、全体液体組成物の屈折率が1.52以上になるように調整される。これにより、最終硬化後の樹脂硬化層の塗膜屈折率がより好ましくなる。具体的には、光硬化型単量体の含量は、全体液体組成物の屈折率が1.52〜1.68になる量である。
前記のような屈折率、粘度の条件での光硬化型単量体の例としては、特に限定されるものではないが、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエートアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルフェノキシエタノールアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、フェニルエポキシ(メタ)アクリレートおよびアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
いろいろな理由で、架橋結合性誘導体としてフルオレン(ジ)アクリレート系誘導体を含む液体組成物は25℃での屈折率が1.52以上、25℃での粘度が1〜100,000cpsであると、樹脂硬化層の表面硬度、光学シートの圧縮変形率特性、屈折率などを満たすことができる。具体的には、液体組成物は25℃での屈折率が1.52〜1.68である。
【0013】
一方、光硬化型単量体の光重合を開始する光開始剤の例としては、ホスフィンオキサイド系、プロパノン系、ケトン系、ホルメート系光開始剤などを挙げることができる。
その他、樹脂硬化層組成物中には、光学シートを長期間使用するときに紫外線による黄変現象を防止するために、必要によって紫外線吸収剤をさらに含むことができる。その例としては、オキサリックアニリド系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
その他に、紫外線安定剤をさらに含むこともでき、その例としては、ヒンダードアミン系紫外線安定剤を挙げることができる。
また、添加剤として帯電防止制をさらに含むこともできる。
【0014】
本発明の一態様による光学シートは、樹脂硬化層の25℃での塗膜屈折率が特に1.54以上の場合に、輝度が向上した光学シートを実現できる。具体的には、樹脂硬化層の25℃での塗膜屈折率が1.54〜1.68である。
特に、有害物質の発生を防止するという面で、本発明の光学シートは、好ましくは、樹脂硬化層として非ハロゲン系樹脂層を含む。このような点を考慮し、光硬化型単量体や添加剤を選択することが環境的な面で有利である。
一方、本発明の光学シートにおいて、樹脂硬化層はその表面の複数の立体構造が線形または非線形に配列されて構造化された形状を有することができる。
【0015】
本発明による、表面に複数の立体構造が配列されて構造化された形状を有する光学シートを製造する方法は、架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体及び光開始剤を含む液体組成物を製造すること;立体構造物が型彫りされたフレームに前記液体組成物をコートすること;透明基材フィルムの一表面を前記型彫りされたフレームにコートされた液体組成物の面と接触させ、紫外線を照射して液体組成物を硬化させて樹脂硬化層を形成すること;及び型彫りされたフレームから樹脂硬化層面を分離することを含む。
本発明の液体組成物の製造の際、25℃での粘度が1〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型単量体を用いて、粘度及び屈折率を調節する。
非ハロゲン系架橋結合性誘導体と25℃での粘度が1〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型単量体を含む液体組成物を製造するに際して、最終的に得られる光学シートの望ましい圧縮変形率および表面硬度特性を得るために、液体組成物の屈折率を1.52以上、液体組成物の粘度を10〜100,000cpsに調節する。
フレームに型彫りされた立体構造物の形状によって樹脂硬化層の構造化表面形状を変えることができる。表面形状は断面多角形、半円形または半楕円形の多面体形状であることができ、あるいは断面多角形、半円形または半楕円形の柱形状であることができ、あるいは断面多角形、半円形または半楕円形の曲線柱形状であることができる。また、これらの1種以上のパターンが混合された形状であることもできる。さらに、樹脂硬化層を平面視したとき、少なくとも一つ以上の同心円状に配列された構造を有し、同心円に沿って山部及び谷部が形成された構造を有する場合も含まれる。
【0016】
一方、本発明の他の一態様は、環境に優しく、かつ所定の表面特性を満たす構造化表面を有する光学シートを提供する。
具体的には、構造化表面を有する樹脂硬化層を含む。この際、樹脂硬化層は、主鎖として非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む。この場合、光学シートは、下記のような特性値を満たすことが好ましい。ここで、特性値とは、構造層の構造化表面に平面圧子で0.2031mN/secの荷重付加速度で最大圧1gfになるまで加圧し、最大圧に到達したときに5秒間維持し、その後、荷重付加を解除した場合、下記の数式1で表現される圧縮変形率として定義される。この圧縮変形率は40%以上が好ましい。より好ましくは、圧縮変形率は、50%以上、更により好ましくは60%以上、最も好ましくは80%以上である。
数式1

前記式で、Dは外部圧力が加わって押し込まれた深さを意味し、Dは外部圧力が加わらない状態の光学シートの高さと外部圧力が除去されて回復されたときの光学シートの高さとの差を意味する。
光学シート、特にその構造化表面を有する樹脂硬化層を有する光学シートにおいて、圧縮変形特性は、光学シートをディスプレイに装着したとき、外部から加わる力による構造層の損傷に関与する。これはディスプレイの輝度に影響を及ぼし、さらに光学シートの生産の際に生産性向上や原価低減に寄与することができるので、重要な物性である。
したがって、本発明の好適な一態様では、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を主骨格とし、前記数式1で表わされる圧縮変形率が40%以上になるように最適化される。
光学シートの圧縮変形率が40%未満の場合、外部から衝撃が加わると、構造層の損傷がかなり大きくなる恐れがある。構造層の損傷は、これを含むディスプレイ装置において、高輝度を発現するのに悪影響を及ぼし、究極には高品質の画像を提供することができなくしてしまう。
一方、このような圧縮変形率特性を達成するための一手段として、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む液体組成物を形成するに際して、屈折率と粘度を適切に調節する方法を挙げることができる。非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む液体組成物において、前記のような圧縮変形率特性を満たすように、光硬化型単量体としては25℃での粘度が1〜50,000cpsのものを選択し、さらに、非ハロゲン系架橋結合性誘導体の屈折率及び粘度によって、光硬化型単量体の屈折率、粘度及び含量などを調節する。
例えば、非ハロゲン系架橋結合性誘導体の屈折率が高い場合、25℃での粘度が1〜50,000cps範囲であり、屈折率が多少低い光硬化型単量体を選択することができる。この場合には、光硬化型単量体の含量を通常の場合に比べて少なくすることができる。その一方、光硬化型単量体は屈折率が一定水準以上のものを選択することができる。この場合には、光硬化型単量体の含量を通常の場合に比べて多少多くすることができる。
【0017】
また、本発明の一態様による光学シートは、前記のような圧縮変形率特性を満たすとともに、樹脂硬化層の表面硬度が鉛筆硬度1H〜3Hである。表面硬度が大きすぎると、構造化表面の損傷を防止する点では有利であるが、柔軟性が低下する恐れがあり、後に構造化表面上に他のフィルムを配置する過程でフィルム背面に損傷を与える場合もある。
非ハロゲン系架橋結合性誘導体が一定水準以上の屈折率を満たす高屈折率の樹脂である場合、通常は粘度が高い。他の光硬化型単量体と組み合わせる場合に、その粘度を調節しなければ、上記の表面硬度特性を外れた高硬度の樹脂硬化層が生じることになる。このような表面硬度値を達成するため、非ハロゲン系架橋結合性誘導体と他の光硬化型単量体を含有する液体組成物を製造する際、粘度を調節しなければならない。
本発明において、高屈折率を有する樹脂硬化層を得るため、樹脂硬化層の形成に使用可能な非ハロゲン系架橋結合性誘導体は25℃での屈折率が1.55以上である。究極には、光学シートは高屈折率を有し、その高い輝度を達成するできる。
一方、非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、前記屈折率を満たすか満たさないもので、主鎖を成す少なくとも一つの炭素原子に少なくとも2以上のベンゼン環が結合されており、主鎖の少なくとも一末端は架橋結合性不飽和二重結合を有するものである。
誘導体主鎖に2以上のベンゼン環が結合された場合、適正以上の屈折率を表すことができる。上記の誘導体は、ベンゼン環の数が増加するほど屈折率が向上する傾向を示す。
特に、非ハロゲン系架橋結合性誘導体は主鎖にフルオレン基をそれぞれ有するフルオレンアクリレート系誘導体またはフルオレンジアクリレート系誘導体であることができる。
前記及び以下の説明において、“非ハロゲン系架橋結合性誘導体”とは、実質的にハロゲン元素、特に臭素元素、を含まず、紫外線などの照射によって架橋結合をなし得る末端基を有して架橋結合可能な単量体またはオリゴマーとして定義できる。
本発明の光学シートにおいて、樹脂硬化層を形成する光硬化型単量体は、前述したように、25℃での屈折率が1.44以上、好ましくは25℃での屈折率が1.44〜1.55である。
25℃での粘度が1〜50,000cps及び/または25℃での屈折率が1.44以上の光硬化型単量体を利用するか利用しないで造液することにおいて、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む液体組成物の25℃での粘度が10〜100,000である。液体組成物の25℃での粘度は加工時の作業性に影響を及ぼすだけでなく、最終に得られる樹脂硬化層の表面硬度、光学シートの圧縮変形率特性に影響を及ぼす。粘度が高すぎると、樹脂硬化層が脆弱になる恐れがあり、一方、液体組成物の粘度が低すぎると、樹脂硬化層の屈折率が低くなる恐れがある。
したがって、25℃での粘度が1〜50,000cpsである光硬化型単量体を含む場合、このような液体組成物の粘度を考慮して、その含量を適宜調節する。
また、光硬化型単量体の含量は、全体液体組成物の屈折率が1.52以上になる量に調整される。これにより、最終硬化後の樹脂硬化層の塗膜屈折率が、より好ましいものになる。具体的には、光硬化型単量体の含量は液体組成物全体の屈折率が1.52〜1.68になる量に調整される。
前記のような屈折率、粘度の条件を満たす光硬化型単量体を選択することにおいて、非ハロゲン系架橋結合性誘導体の構造的特性を考慮して具体的な化合物の例は変わりうるが、例えば、非ハロゲン系架橋結合性誘導体がフルオレン基を有するフルオレンジアクリレート系誘導体の場合は、その以外の光硬化型単量体としてはテトラヒドロフルフリルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエートアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルフェノキシエタノールアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、フェニルエポキシ(メタ)アクリレートまたはアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
いろいろな理由で、非ハロゲン系架橋結合性化合物を含む液体組成物は、25℃での屈折率が1.52以上、25℃での粘度が1〜100,000cpsであると、樹脂硬化層の表面硬度、光学シートの圧縮変形率特性、屈折率などを満たすことができる。具体的には、液体組成物は25℃での屈折率が1.52〜1.68である。
樹脂硬化層を形成する液体組成物は非ハロゲン系架橋結合性誘導体や光硬化型単量体の光重合を開始する光開始剤を含むことができるが、これに限定されるものではない。その例としては、ホスフィンオキサイド系、プロパノン系、ケトン系、ホルメート系の光開始剤などを挙げることができる。
その他に、必要によって液体組成物は添加剤を含むことができる。その例としては、紫外線吸収剤及び紫外線安定剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本発明の一態様による光学シートは、樹脂硬化層の25℃での塗膜屈折率が特に1.54以上の場合に輝度が向上する光学シートとして有用である。具体的には、樹脂硬化層の25℃での塗膜屈折率が1.54〜1.68である。
特に、有害物質の発生を防止する目的では、本発明の光学シートは樹脂硬化層が非ハロゲン系樹脂層である。このような点を考慮して、環境的な配慮から、光硬化型単量体や添加剤を選択する。
【0019】
本発明の一態様による光学シートを製造する方法は、非ハロゲン系架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体及び光開始剤を含み、粘度が10〜100,000cpsであり、屈折率が1.52以上である液体組成物を製造すること;立体構造物が型彫りされたフレームに前記液体組成物を塗布すること;透明基材フィルムの一表面を前記型彫りされたフレームにコートされた液体組成物の面と接触させ、紫外線を照射して液体組成物を硬化させて樹脂硬化層を形成すること;及び型彫りされたフレームから樹脂硬化層面を分離することを含む。
液体組成物の製造の際、25℃での粘度が1cps〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型単量体を用いて、粘度及び屈折率を調節する。
非ハロゲン系架橋結合性誘導体と25℃での粘度が1cps〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型単量体を含む液体組成物を調製する際、最終的な光学シートが、所望する圧縮変形率および表面硬度特性を有するように、液体組成物の屈折率を1.52以上に、かつ液体組成物の粘度を10cps〜100,000cpsに調節する。
最終的な光学シートの圧縮変形率が40%以上になるようにして、それにより樹脂硬化層の損傷による輝度低下を防止し、取り扱いを容易にし、生産性を向上させるために、造液時の屈折率及び粘度の考慮に加えて、他の製造条件も制御される。光学シートは、その圧縮変形率を、好ましくは50%以上に、より好ましくは60%以上に、最も好ましくは80%以上に制御される。
【実施例】
【0020】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、これらに本発明が限定されるものではない。
実施例1
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン100重量部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート20重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3重量部、フェノキシエチルアクリレート63重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド6重量部、2(2−ヒドロキシ−5−t−オクトキシベンゾトリアゾール)3.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート3重量部を混合して樹脂硬化層用組成物を製造した。
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に入れ、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ(Dバルブ)、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
実施例2
エポキシアクリレート(CN120、Sartomer社)39重量部、エトキシビスフェノールAジアクリレート(SR−349、Sartomer社)39重量部、1,6−ヘキサジオールジアクリレート(SR−238、Sartomer社)7.5重量部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(SR−368、Sartomer社)11.5重量部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocure TPO、CIBA社)3重量部を混合して樹脂硬化層組成物を製造した。
厚さ125μmのPETフィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に投入し、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
実施例3
アクリル樹脂(52−666、Aekyung Chemical社)100重量部にメチルエチルケトン100重量部およびトルエン100重量部で希薄してバインダー樹脂を製造した後、平均粒径20μmの球形ポリメチルメタクリレート粒子(MH20F、KOLON社)を前記バインダー樹脂に対して130重量部混合してミリング機で分散させた。
得られた液体組成物を、厚さ125μmのPETフィルム(T600、三菱社)の一表面にグラビアコーターを用いてコートした後、120℃で60秒間硬化させ、乾燥させて、乾燥厚さ23μmの光拡散層を形成した。
これとは別に、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン100重量部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート20重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3重量部、フェノキシエチルアクリレート63重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド6重量部、2(2−ヒドロキシ−5−t−オクトキシベンゾトリアゾール)3.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート3重量部を混合して樹脂硬化層用組成物を製造した。
前記光拡散層が形成された厚さ125μmのPETフィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に入れ、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
実施例4
アクリル樹脂(52−666、Aekyung Chemical社)100重量部にメチルエチルケトン100重量部およびトルエン100重量部で希薄してバインダー樹脂を製造した後、平均粒径20μmの球形ポリメチルメタクリレート粒子(MH20F、KOLON社)を前記バインダー樹脂に対して130重量部混合してミリング機で分散させた。
得られた液体組成物を厚さ125μmのPETフィルム(T600、三菱社)の一表面にグラビアコーターを用いてコートした後、120℃で60秒間硬化させ、乾燥させて、乾燥厚さ23μmの光拡散層を形成した。
これとは別に、エポキシアクリレート(CN120、Sartomer社)39重量部、エトキシビスフェノールAジアクリレート(SR−349、Sartomer社)39重量部、1,6−ヘキサジオールジアクリレート(SR−238、Sartomer社)7.5重量部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(SR−368、Sartomer社)11.5重量部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocure TPO、CIBA社)3重量部を混合して樹脂硬化層組成物を製造した。
前記光拡散層が形成された厚さ125μmのPETフィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に入れ、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
【0021】
比較例1
臭化エポキシジアクリレート(RDX 51027、UCB社)40重量部、6官能ウレタンアクリレート(EB220、UCB社)30重量部、ベンジルメタクリレート(Kongyoung社)27重量部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocure TPO、CIBA社)3重量部を混合して樹脂硬化層用組成物を製造した。
厚さ125μmのPETフィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に入れ、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
比較例2
アクリル樹脂(52−666、Aekyung Chemical社)100重量部にメチルエチルケトン100重量部およびトルエン100重量部で希薄してバインダー樹脂を製造した後、平均粒径20μmの球形ポリメチルメタクリレート粒子(MH20F、KOLON社)を前記バインダー樹脂に対して130重量部混合してミリング機で分散させた。
得られた液体組成物を厚さ125μmのPETフィルム(T600、三菱社)の一表面にグラビアコーターを用いてコートした後、120℃で60秒間硬化させ、乾燥させて、乾燥厚さ23μmの光拡散層を形成した。
これとは別に、臭化エポキシジアクリレート(RDX 51027、UCB社)40重量部、6官能ウレタンアクリレート(EB220、UCB社)30重量部、ベンジルメタクリレート(Kongyoung社)27重量部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocure TPO、CIBA社)3重量部を混合して樹脂硬化層用組成物を製造した。
前記光拡散層が形成された厚さ125μmのPETフィルムと前記樹脂硬化層用組成物を円筒金型(断面が二等辺三角形で、頂角が90゜、底辺が50μm、高さが25μmの三角柱が線形に配列されて型彫りされた金型)に入れ、50〜500mJ/m(600W/inchのDバルブ、Fusion社)の紫外線を照射して硬化させた後、金型から分離して光学シートを得た。
【0022】
前記実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた光学シートの、樹脂硬化層の屈折率、および樹脂硬化層の基材層に対する接着力を測定した。さらに、光学シートの輝度を測定した。その結果を下記の表1に示した。
また、樹脂硬化層中の元素を分析して原子価電子数7の元素の検出有無を評価し、下記の表2〜7に定量分析結果として示した。
【0023】
具体的な評価方法は以下の通りである。
(1)樹脂硬化層の屈折率:組成物の硬化後の屈折率を評価するために、PETフィルム上に組成物をコートした後、表面上に表面の滑らかな金属板を重ね、全体厚さが20μmになるように圧力をかけた後、無電極型紫外線照射装置(600W/inch、Fusion社、アメリカ)にType−Dバルブを装着し、700mJ/cmのエネルギーをPETフィルムの方向に照射し、金属板を分離した。組成物が硬化したPETフィルムを屈折計(モデル名:1T、ATAGO ABBE社、日本)を使用して測定した。測定のための光源は589.3nmのD光線ナトリウムランプを利用した。ここで、屈折率は25℃での屈折率である。
(2)接着力(分離した個数/100):透明PET基材フィルムに実施例1〜2及び比較例1〜2による樹脂硬化層用組成物を塗布した後、表面上に表面の滑らかな金属板を重ね、全体厚さ3μmになるように圧力をかけた後、硬化させ、金属板を除去した後、所定の厚さの硬化層のみを10×10cmの領域内で100個のマトリックス片に切断した後、その上にテープを接着し、接着面に垂直に強く離型させるときに分離したマトリックスの個数で表記した。
(3)輝度
17インチ液晶ディスプレーパネル用バックライトユニット(モデル名:LM170E01、Heesung Electronics社、大韓民国)に前記実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られたそれぞれの光学シート2枚を直交方向に積層して固定し、輝度計(モデル名:BM−7、TOPCON社、日本)を使用してランダムな13地点の輝度を測定し、その平均値を求めた。
(4)元素分析:イオンクロマトグラフィーを用いて元素分析を行った。
【0024】
【表1】

前記表1の結果から明らかなように、原子価電子数7の元素を含まずに、一定範囲の屈折率を満たす樹脂硬化層を有する光学シートが、適正の輝度値を達成した。また、樹脂硬化層は、硬化後の基材層との接着力に優れることが分かった。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0025】
実施例5〜21及び参考例1〜2
下記の表8〜10の組成及び組成比で光重合性組成物を製造し、これを公知の方法で、輝度向上機能を有する3D構造物(プリズム層)が型彫りされたフレームにコートし、透明基材フィルム(PETフィルム)の一表面を前記型彫りされたフレームに塗布されたコーティング面と接触させた状態で、前記透明基材フィルムの外側表面に紫外線を照射して、フレームに塗布された組成物を光硬化させ、前記透明基材フィルムに接着されて硬化したコーティング層を型彫りされたフレームから分離することで、前記透明基材フィルムの一表面に樹脂硬化層が形成されたプリズムフィルムを製造した。
紫外線システムとしては、アメリカのFusion社の無電極型紫外線照射装置(600W/inch)にType−Dバルブを装着して用い、900mJ/cmでUV光を照射した。
下記の表8〜10に示すように、光硬化型単量体として化学式1で表示される架橋結合性化合物及び光開始剤から構成される液体組成物を調整した。しかし、これは化学式1で示される化合物が屈折率に及ぼす影響を確認するための単なる例であり、当該技術分野における通常の知識を有する者に公知の他の成分及び添加剤を含んでもよい。
【0026】
これらの実施例に対する評価方法は下記の通りである。
(1)組成物の屈折率
組成物の屈折率を測定するために、屈折計(モデル番号:1T、ATAGO ABBE社、日本)を使用して屈折率を測定した。測定のための光源は589.3nmのD光線ナトリウムランプを利用した。ここで、屈折率は25℃での屈折率である。
(2)硬化後の塗膜屈折率
組成物の硬化後の屈折率を測定するために、PETフィルム上に組成物をコートした後、表面上に表面の滑らかな金属板を重ね、厚さが20μmになるように圧力をかけた後、D型バルブ(Type−D bulb)を備えた無電極型紫外線照射装置(600W/inch、Fusion社、アメリカ)を用いて、700mJ/cmのエネルギーをPETフィルムの方向に照射し、その後金属板を分離した。PETフィルム上の硬化した組成物の屈折率を屈折計(モデル名:1T、ATAGO ABBE社、日本)を使用して測定した。測定のための光源は589.3nmのD光線ナトリウムランプを利用した。ここで、屈折率は25℃での屈折率である。
【0027】
【表8】

前記実施例5〜12及び参考例1では、化学式1の化合物のうち、エチレングリコール鎖の数が増加するにつれて屈折率は多少落ち、鎖数が15を超えると塗膜屈折率1.54の範囲を外れることが分かった。
【0028】
【表9】

前記実施例6、13〜18及び参考例2から明らかなように、化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体において、mが30以下の範囲であることが高屈折性の点でより有利であることが分かった。
【0029】
【表10】

前記実施例19〜21から明らかなように、多様なアルキレン基が付け加わったフルオレンジアクリレート系誘導体を含む光重合性組成物の場合にも高屈折性の効力を有することが分かる。
【0030】
実施例22
下記の表11に示したような特性を満たす非ハロゲン系架橋結合性誘導体、光硬化型アクリレート系単量体及び光開始剤を50℃で3時間混合して、下記の表11の特性を満たす樹脂硬化層用液体組成物を製造した。
液体組成物を構成する各成分の屈折率及び液体組成物の屈折率は屈折計(モデル名:1T、ATAGO ABBE社、日本)を使用して測定し、測定のための光源は589.3nmのD光線ナトリウムランプを利用した。
粘度はブルックフィールド粘度測定器を用いて測定した。
前記の液体組成物を基材層のPETフィルム(厚さ188μm)一表面に塗布し、50℃のプリズム状ローラーのフレーム上に置き、Type−Dバルブを備えた紫外線照射装置(600Watt/inch、Fusion社)を用いて、900mJ/cmでUV光を照射し、プリズムの頂角が90゜、ピッチが50μm、高さが28μmの線形三角プリズムを形成させ、光学シートを製造した。
得られた光学シートのプリズム層の屈折率を測定し、その結果を下記の表11に示した。この際、プリズム層の屈折率は屈折計(モデル番号:1T、ATAGO ABBE社、日本)を用いて測定した。
また、収得された光学シートを日本シマズ社の微小圧縮硬度計(Shimadzu DUH−W201S)を使用し、‘Load−Unload test’項目を用いて圧縮変形率を測定した。
具体的な測定条件は以下の通りである。
a.最大圧:1gf(=9.807mN)
b.単位時間当りの圧力:0.2031mN/sec
c.最大圧での停止時間:5sec
圧縮変形率の測定方法を図1に示す。平面圧子11を用いて光学シートの構造層10に力を加えれば、(B)のように構造層10の上面が圧縮される。この際、押し込まれた深さをDという。
その後、平面圧子11を除去すれば、(C)のように構造層10の上面が損傷なしにできるだけ元の状態へと回復する。この際、元の状態へと回復した光学シートの高さと外部圧力が加える前の状態の光学シートの高さ(D)との差がDである。
この際、圧縮変形率が高くなるためには、Dの値が大きく、かつDが小さい場合は、材料が弾性を有し、元の高さに近くに回復する。また、Dが小さく、かつDも小さい場合も、このような結果になりうる。
また、樹脂硬化層の表面硬度を測定し、その結果を下記の表11に示した。表面硬度は鉛筆硬度測定法で測定した。
【表11】

前記表11の記載において、液体組成物の含量は液体組成物の全体重量に対する百分率、つまり重量%で表示されたものである。
【0031】
実験例
前記実施例22で得られたそれぞれの光学シートをIMOTO社のBig Heartテスト装置による基本重量を用いて最小限の圧力をかけたとき、構造層のスクラッチ発生有無を測定した。その結果は下記の表12に示した。損傷の程度は肉眼で判断した。基準は以下の通りである。
液体組成物1〜液体組成物5から得られたそれぞれの光学シートを光学シート1〜5と称する。
悪い耐スクラッチ性 ← ×<△<○<◎ → 良い耐スクラッチ性
【表12】

前記表12の結果から明らかなように、光学シートが非ハロゲン系架橋結合性誘導体と25℃での粘度が1〜50,000cpsを満たす光硬化型単量体とを含む液体組成物から形成された樹脂硬化層を有し、40%以上の圧縮変形率を示す場合(光学シート1〜3)スクラッチに対する適切な抵抗性を有することが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子価電子数7の元素を含まず、屈折率が1.49〜1.70であり、かつ構造化表面を有する樹脂硬化層を含むことを特徴とする、光学シート。
【請求項2】
樹脂硬化層に接して形成された基材層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
樹脂硬化層に接して形成された光拡散層;及び基材層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学シート。
【請求項4】
樹脂硬化層は屈折率が1.54〜1.68であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項5】
樹脂硬化層はアクリレート系光硬化型樹脂硬化層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項6】
アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体;光開始剤;及び添加剤を含む光重合性組成物から形成されることを特徴とする、請求項5に記載の光学シート。
【請求項7】
アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、架橋結合性誘導体としてフルオレン(ジ)アクリレート系誘導体、ビスフェノール(ジ)アクリレート系誘導体及びチオール基を有する(ジ)アクリレート系誘導体の中から選択される1種以上を含む光重合性組成物から形成されることを特徴とする、請求項5または6に記載の光学シート。
【請求項8】
アクリレート系光硬化型樹脂硬化層は、その樹脂の主鎖が下記の化学式1で示されるフルオレンジアクリレート系誘導体から形成される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項5に記載の光学シート。
化学式1

前記式で、a、b及びcは同一または異なる0〜15の整数であり、n及びzは同一または異なる0〜15の整数であり、a+b+c+n+z≧1であり、m、x及びyは同一または異なる0〜30の整数であり、a、b及びcが0でないとき、これに対応するm、x及びyも0ではなく、Rは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基である。
【請求項9】
架橋結合性誘導体は、下記の化学式1で表示されるフルオレンジアクリレート系誘導体を含むことを特徴とする、請求項6に記載の光学シート。
化学式1

前記式で、a、b及びcは同一または異なる0〜15の整数であり、n及びzは同一または異なる0〜15の整数であり、a+b+c+n+z≧1であり、m、x及びyは同一または異なる0〜30の整数であり、a、b及びcが0でないとき、これに対応するm、x及びyも0ではなく、Rは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基である。
【請求項10】
樹脂硬化層は、複数の立体構造が線形または非線形に配列されている構造化表面を有することを特徴とする、請求項1に記載の光学シート。
【請求項11】
非ハロゲン系架橋結合性誘導体を含む液体組成物から形成され、かつ構造化表面を付与された樹脂硬化層を含み;
構造化表面に、平面圧子を用いて、0.2031mN/secの荷重付加速度で最大圧1gfになるまで加圧し、最大圧で5秒間維持し、その後、荷重付加を解除した場合、下記の数式1で表現される圧縮変形率が40%以上であることを特徴とする、光学シート。
数式1

前記式で、Dは外部圧力が加わって押し込まれた深さを意味し、Dは外部圧力が加わらない状態の光学シートの高さと外部圧力が除去されて回復したときの光学シートの高さとの差を意味する。
【請求項12】
圧縮変形率が50%以上であることを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項13】
圧縮変形率が60%以上であることを特徴とする、請求項12に記載の光学シート。
【請求項14】
樹脂硬化層は、25℃での粘度が1cps〜50,000cpsである少なくとも1種の光硬化型アクリレート系単量体を含む液体組成物から形成されることを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項15】
樹脂硬化層は、表面硬度が鉛筆硬度1H〜3Hであることを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項16】
非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、25℃での屈折率が1.55以上であることを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項17】
非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、主鎖を有し、その少なくとも一つの炭素原子に少なくとも2以上のベンゼン環が結合し、かつ、その少なくとも一つの末端は架橋結合性不飽和二重結合を有することを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項18】
非ハロゲン系架橋結合性誘導体は、主鎖にフルオレン基をそれぞれ有するフルオレンアクリレート系誘導体またはフルオレンジアクリレート系誘導体であることを特徴とする、請求項11に記載の光学シート。
【請求項19】
光硬化型アクリレート系単量体は、25℃での屈折率が1.44〜1.55であることを特徴とする、請求項14に記載の光学シート。
【請求項20】
液体組成物は、25℃での屈折率が1.52以上、25℃での粘度が1cps〜100,000cpsであることを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項21】
樹脂硬化層は、25℃での塗膜屈折率が1.54以上であることを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項22】
樹脂硬化層は、原子価電子数7の元素を含まないことを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項23】
非ハロゲン系架橋結合性誘導体を包含する光硬化型アクリレート系単量体及び光開始剤を含み、粘度が10cps〜100,000cpsであり、屈折率が1.52以上である液体組成物を製造すること;
立体構造物が型彫りされたフレームに前記液体組成物を塗布すること;
透明基材フィルムの一表面を、前記型彫りされたフレームに塗布された液体組成物の面と接触させ、その上に紫外線を照射して液体組成物を硬化させて樹脂硬化層を形成すること;及び
型彫りされたフレームから樹脂硬化層を分離すること
によって製造されることを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の光学シートを含むバックライトアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−530985(P2010−530985A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511104(P2010−511104)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002991
【国際公開番号】WO2008/150081
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(507190961)コーロン インダストリーズ,インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】