説明

環境制御装置および環境制御型分析装置

【課題】 カバー付きウエルプレートのカバーの結露を防止できる環境制御装置を提供すること。
【解決手段】 温度調節装置1は、調温プレート1aと調温プレート1aを保持する保持部1bとを備えている。調温プレート1aを、生物試料Sを収容するカバーCが付いたウエルプレートWの上面に密着設置し、ガラス基板2の上面に形成された透明導電膜3に電流を流して調温プレート1aを発熱させ、温度センサー6でモニターすることにより、ウエルプレートWの表面温度を調節する。調温プレート1aは、保持部1bの電磁ソレノイド8により、上下移動が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡観察用容器内の環境を調節制御する環境制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生物試料を培養中に観察したり分析するためには、所定の環境が必要である。そのために、生物試料を収納する培養容器が配置された閉鎖空間を所定の環境に制御する顕微鏡観察用容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この閉鎖空間の上下には、ヒータが配設されており、上方に配設されるヒータは、閉鎖空間を形成するスライドカバーに組み込まれ、スライドカバーの結露を防止する。
【0003】
【特許文献1】特開2003−107364号公報(第8頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生物試料を培養しながら観察したり分析する場合、培養容器に雑菌などの異物が混入するのを防止するために、蓋付きの顕微鏡観察用培養容器が使用される。このような培養容器を用いると、容器内は密閉された状態あるいは密閉に近い状態となるため、水分などが蒸発して蓋の内面に曇りや結露を生じ易い。上記特許文献1の技術では、閉鎖空間の上面全体を覆うスライドカバーにヒータが取り付けられているので、スライドカバー自体の結露防止の効果はあるが、顕微鏡観察用容器の蓋の結露を防止することができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記問題を解決するために、請求項1に係る発明の環境制御装置は、試料室内の環境を調節する空調手段と、試料室内に収納される蓋付き培養容器の蓋の外表面温度を調節する調温手段と、空調手段および調温手段を制御する制御手段と、調温手段を蓋付き培養容器の蓋に密着または近接させて保持する保持手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2に係る発明の環境制御装置は、請求項1の環境制御装置において、保持手段は、調温手段と培養容器との距離を変えるように、調温手段を移動させる駆動機構を有することが好ましい。
【0006】
(3)請求項3に係る発明の環境制御装置は、請求項1または2の環境制御装置において、調温手段は、蓋の上面と対峙するプレート状であって、蓋付き培養容器内の試料を照明する照明光の光束入射部分が透明であることが好ましい。上記の調温手段は、透明基板と、この透明基板に形成された透明導電膜とを有するものでもよく、また、透明基板と、この透明基板に形成されて照明光の光束入射部分を取り囲む環状のパターン形状をなす電気抵抗体膜とを有するものでもよい。
(4)請求項6に係る発明の環境制御型分析装置は、請求項1〜5のいずれかの環境制御装置と、顕微鏡装置または光学的分析装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、調温手段を培養容器の蓋に密着または近接させて配置したので、培養容器の蓋の結露を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態による環境制御装置について、図1〜6を参照しながら説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は、本発明の第1の実施の形態による環境制御装置の構成を模式的に示す全体構成図である。図2は、図1のI−I断面を拡大した矢視断面図である。図3は、図1のII−II断面を拡大した矢視断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態による環境制御装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0009】
図1において、試料室10は、蓋(カバー)付きのウエルプレートWとウエルプレートWの表面温度を調整する温度調節装置1とを収納しており、試料室10全体は、密閉容器20の中に収納されている。ウエルプレートWは、生物試料Sを培養液や試薬とともに収容する複数のウエル(小室)を有し、生物試料などが収容された後に上面を密閉するカバーCが付いている。
【0010】
試料室10は、天井部分が開放面10Aで示されるように開放され、底板11には開口11Aが形成されている。カバー付きのウエルプレートWは、各ウエルに生物試料Sと培養液が入れられた後、雑菌などの混入を防ぐためにカバーCで上面を覆われ、試料室10の開口11Aを閉鎖するように底板11上に載置される。試料室10は、二次元移動ステージ12上に載置され、水平面に沿って2次元的に移動可能である。また、試料室10の側面には、ウエルプレートWを出し入れしたり、試料室内部のメンテナンスをするための開閉窓13が設けられている。
【0011】
密閉容器20は、試料室10、二次元移動ステージ12および顕微鏡装置の対物レンズ22を収納している。観察光学系23、撮像装置24および透過照明光学系25は、密閉容器20の外に配置されている。試料室10の開放面10Aは、密閉容器20の上板21の下面に近接して平行をなしている。試料室10が水平面に沿って2次元移動したときでも、試料室10の開放面10Aと密閉容器20の上板21の下面とは近接した平行状態を保つので、試料室10の内部は、密閉容器20内および外界に対して気密性が保持される。
【0012】
密閉容器20の上板21には、開口20Aが設けられ、開口20Aを開閉したり部材を切り換えるシャッタ機構26が設けられている。これにより、外部から開口20Aを通して生物試料Sや培養液などを注入したり、透過照明光学系25からの照明光を透過させることができる。密閉容器20の上板21の下面には、試料室10内の温度、湿度およびガス濃度を検出するための温度/湿度センサー14とCOガスセンサー15とが設けられている。密閉容器20の側面には、ウエルプレートWを出し入れしたり、試料室10や密閉容器20の内部のメンテナンスをするための開閉窓27が設けられ、密閉容器20の下部には、対物レンズ22等の光学系を湿気から保護するための除湿器28が設けられている。
【0013】
上記のように構成された試料室10の内部は、外部に配置された空調装置30と配管接続されており、所定の環境に維持される。空調装置30は、所望の温度、湿度および組成のガスを生成し、このガスを試料室10内へ循環させる装置であり、加熱/冷却器31と、加湿器32と、送風機(循環ポンプ)33と、COガスボンベ34と、温度/湿度センサー35およびリザーブタンク36とを備えている。
【0014】
空調装置30は、加熱/冷却器31、加湿器32を収納する筺体30aを有し、筺体30a内には、COガスボンベ34からCOガスが供給される。空調装置30は、ガス供給チューブ37とガス排出チューブ38とによって密閉容器20の上板21に配管接続されている。
【0015】
加熱/冷却器31は、例えばペルチエ素子を用いて加熱と冷却の両方を行うことができる。加湿器32は、例えば超音波霧化素子を用いて水槽内の水32aから超音波振動によって水蒸気を発生させることができる。また、加湿器32は、COガスボンベ34から電磁弁34aを介してCOガスを導入し、リザーブタンク36から水の供給を受け、除湿器28からドレインチューブ32bを介して除湿により貯められた水を回収するように構成されている。以上により、空調装置30の筺体30a内で調整された調整ガスは、送風機33によりガス供給チューブ37を通って試料室10へ供給され、試料室10内の雰囲気ガスは、ガス排出チューブ38によって空調装置30へ戻されるという循環系が形成される。
【0016】
上述した空調装置30に加えて、本実施の形態の環境制御装置では、ウエルプレートWの温度を調整する温度調節装置1をさらに備えている。
【0017】
図2および図3を参照すると、温度調節装置1は、調温プレート1aと調温プレート1aを保持する保持部1bとを備えている。調温プレート1aは、ガラス基板2と、ガラス基板2の上面に形成された透明導電膜3と、透明導電膜3を保護する透明樹脂層4と、上蓋5と、温度センサー6とが一体化された構造である。調温プレート1aの下面の面積は、ウエルプレートWの上面の面積(カバーCの面積)にほぼ等しい。なお、ガラス基板2は、透明プラスチック基板に置き換えてもよい。
【0018】
透明導電膜3は、図3に示されるように、ガラス基板2の上面のほぼ全域にわたってパターン状に形成されており、導線3aにより不図示の電源に接続され、電流を流すことによって発熱する。透明導電膜3としては、例えば既知のITO(In−SnO)膜が用いられる。ITO膜3は、ガラス基板2上に厚さ0.1μmで蒸着され、可視領域の波長の光に対し平均約80%の透過率を有するので、ウエルの位置によらず、任意のパターン形状で形成しても、生物試料Sの観察や分析に支障はない。温度センサー6は、ガラス基板2の下面に形成された凹部に嵌め込まれ、導線6aにより不図示の測定回路に接続されている。
【0019】
保持部1bは、フレーム7と電磁ソレノイド8を備えている。フレーム7は、電磁ソレノイド8の軸心8aに固定され、調温プレート1aがフレーム7の枠内に落とし込まれると、上蓋5と係合して調温プレート1aを支持する。ガラス基板2の下面に面取り部2aを形成しておくと、落とし込み作業が容易になる。電磁ソレノイド8は、試料室10の底板11に固設され、電磁力により軸心8aを昇降できる。従って、調温プレート1aとウエルプレートWのカバーCとの距離を調節でき、調温プレート1aをカバーCに密着または近接させることができる。また、保持部1bは、電磁ソレノイド8により調温プレート1aを昇降できるので、ウエルプレートWの交換作業をも容易に行うことができる。ウエルプレートWの交換は、図1において、アクチュエータ29によりウエルプレートWを左右方向に移動させることで実行できる。
【0020】
再び、図1を参照して、ウエルプレートW中の生物試料Sの顕微鏡観察について説明する。透過像観察では、透過照明装置25からの照明光がシャッタ機構26、開口20Aを通過し、調温プレート1aを透過してウエル中の生物試料Sを照射する。生物試料Sを透過した光は、ウエルプレートWの底板を介して対物レンズ22に入射する。対物レンズ31に入射した光は、観察光学系23により撮像装置24へ至り、撮像装置24の撮像素子上に結像する。別のウエルに注入された生物試料Sを観察する場合は、二次元移動ステージ12によりウエルプレートWを水平面に沿って移動させる。
【0021】
以下、図4を参照しながら、空調装置30および温度調節装置1の調温プレート1aの制御について説明する。図4では、試料室10、密閉容器20、空調装置30および温度調節装置1は、図1に示すものと同じであるが、図1に比べて簡略化されている。
【0022】
制御装置40は、温度制御回路41と、湿度制御回路42と、COガス濃度制御回路43と、これら3つを統括して制御する全体制御マイコン44とを備えている。全体制御マイコン44は、温度制御回路41、湿度制御回路42およびCOガス濃度制御回路43と電気的に接続されている。温度制御回路41は、結線41aにより加熱/冷却器31に、結線41bにより温度/湿度センサー35に、結線41cにより温度/湿度センサー14に、結線41dにより調温プレート1aに、結線41eにより温度センサー6にそれぞれ接続されている。
【0023】
湿度制御回路42は、結線42aにより加湿器32に、結線42bにより温度/湿度センサー35に、結線42cにより温度/湿度センサー14にそれぞれ接続されている。COガス濃度制御回路43は、結線43aにより電磁弁34aに、結線43bによりCOガスセンサー15にそれぞれ接続されている。
【0024】
先ず、空調装置30による試料室10内の環境調節について説明する。温度の調整は、温度制御回路41を用いて、空調装置30内の温度/湿度センサー35と試料室10内の温度/湿度センサー14の温度測定値をフィードバックして、加熱/冷却器31のペルチエ素子に印加する電圧を制御することにより行われる。湿度の調整は、湿度制御回路42を用いて、空調装置30内の温度/湿度センサー35と試料室10内の温度/湿度センサー14の湿度測定値をフィードバックして、加湿器32の超音波霧化素子への駆動電圧を増減することにより行われる。COガス濃度の調整は、COガス濃度制御回路43を用いて、試料室10内のCOガスセンサー15の測定値をフィードバックして電磁弁34aの開放量(バルブの回転数、回転角度)を増減することにより行われる。
【0025】
このようにして調整されたガスは、試料室10内で例えば、37℃、80%以上のRH、5%のCOガス濃度であり、空調装置30からガス供給チューブ37によって試料室10へ供給され、試料室10からガス排出チューブ38によって空調装置30へ戻る。この循環経路により、試料室10内は常に所定の環境に維持される。
【0026】
次に、調温プレート1aによるウエルプレートWの表面温度の調節について説明する。ウエルプレートWの表面温度の調整は、温度制御回路41を用いて、調温プレート1aの温度センサー6の温度測定値をフィードバックして、透明導電膜3に流す電流を増減することにより行われる。ウエルプレートWの表面温度は、次のようにして設定される。
【0027】
図2に示したように、カバー付きのウエルプレートWは、各ウエルに生物試料Sと培養液Mが入れられた後にカバーCで上面を覆われているので、ウエル内の相対湿度は100%近くに達する。ウエルプレートWの外部あるいは外側表面の温度がウエル内の温度より低くなると、ウエル内の水蒸気などが過飽和に達して曇りや結露といった現象が生じる。曇りや結露を防止するためには、ウエルプレートWの外部あるいは外側表面の温度をウエル内の温度と同等以上にすればよい。温度制御上、安全を考えると、ウエルプレートWの外部あるいは外側表面の温度をウエル内の温度よりやや高めとし、例えば温度差を0.2℃とすればよい。すなわち、調温プレート1aの温度センサー6の測定温度を試料室10内の温度/湿度センサー14の測定温度よりも0.2℃だけ高く設定するように、全体制御マイコン44から入力すればよい。
【0028】
上述したように、本実施の形態では、調温プレート1aをウエルプレートWに密着ないし近接させてウエルプレートWの表面温度を調節するので、ウエルプレートWの曇りや結露を効率良く防止できる。また、保持部1bにより調温プレート1aを昇降できるので、ウエルプレートWの高さが変わっても調温プレート1aを常に所定の位置にセットでき、ウエルプレートWの試料室10への出し入れを容易に行うことができる。
【0029】
〈第2の実施の形態〉
図5は、本発明の第2の実施の形態による環境制御装置の温度調節装置の部分断面図である。図6は、図5のIII−III断面による矢視断面図である。
本実施の形態では、温度調節装置101のみが第1の実施の形態による温度調節装置1と異なるので、温度調節装置101のみを説明し、同じ構成部品には同一符号を付し、説明を省略する。なお、図5の部分断面図は、図1のI−I断面に相当するものであり、図6の部分断面図は、図1のII−II断面に相当するものである。
【0030】
図5において、カバー付きのウエルプレートWは、図2と同様、各ウエルに生物試料Sと培養液Mが注入され、カバーCで上面を覆われ、試料室10の開口11Aを閉鎖するように底板11上に載置される。温度調節装置101は、調温プレート101aと調温プレート101aを保持する保持部1bとを備えている。調温プレート101aは、Ni合金抵抗体膜103と、Ni合金抵抗体膜103を挟持するヒータ保持シート104と、上蓋5と、温度センサー6とが一体化された構造である。調温プレート101aの下面の面積は、ウエルプレートWの上面の面積(カバーCの面積)にほぼ等しい。
【0031】
Ni合金抵抗体膜103は、図6に示されるように、ウエルプレートWの各ウエルの位置と大きさに対応して円形パターン状に形成されており、導線3aにより不図示の電源に接続され、電流を流すことによって発熱する。Ni合金抵抗体膜103は、照明光に対して透明ではないので、照明光が透過する領域には成膜しない。ヒータ保持シート104は、環状パターンのNi合金抵抗体膜103を完全に挟み込み、図6に示されるように、6個の円形の開口102を有するシートである。従って、照明光は、調温プレート101aを通過するときには、光強度の低下は全然ない。ヒータ保持シート104は、例えばシリコーンゴムで作製される。シリコーンゴムは、ウエルプレートWのカバーCに密着し易く、Ni合金抵抗体膜103の発熱エネルギーを効率良くウエルプレートWへ伝達することができる。ヒータ保持シート104は、透明性は必要ないが可撓性は必要であり、シリコーンゴム以外の合成ゴムやプラスチックなどが使用可能である。
【0032】
調温プレート101aを保持する保持部1bは、第1の実施の形態と同一であり、温度制御回路41を用いた温度調節方法や温度設定方法も第1の実施の形態と同じであり、同様の効果を奏する。
【0033】
以上説明したように、本発明の環境制御装置は、空調装置30と温度調節装置1,101とを有するので、ウエルプレートWの温度を精密に設定することができ、ウエルプレートWの曇りや結露を有効に防止できる。カバーCにより、ウエル内が密閉状態に保たれている場合でも、わずかな隙間を残して密閉に近い状態に保たれている場合でも、カバーCの内面の曇りや結露を有効に防止できる。
【0034】
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。
第1、第2の実施の形態では、本発明の環境制御装置を顕微鏡装置と組み合わせて、環境を制御されたウエルプレートW中の生物試料Sを顕微鏡装置により観察する場合を説明したが、顕微鏡装置に限らず、光学的な分析や測定を行う装置と組み合わせて使用することもできる。例えば、生物試料の生化学反応による発光の波長分析を行う装置や蛍光強度の測定を行う装置と組み合わせて使用することができる。なお、上記の実施の形態の調温プレート1a,101aは、調温手段に対応し、保持部1bは、保持手段に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る環境制御装置の構成を模式的に示す全体構成図である。
【図2】図1のI−I断面を拡大した矢視断面図である。
【図3】図1のII−II断面を拡大した矢視断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による環境制御装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る環境制御装置の温度調節装置の部分断面図である。
【図6】図5のIII−III断面による矢視断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1,101:温度調節装置
1a,101a:調温プレート
1b:保持部
2:ガラス基板
3:透明導電膜
4:透明樹脂層
5:上蓋
6:温度センサー
7:フレーム
8:電磁ソレノイド
10:試料室
14,35:温度/湿度センサー
15:COガスセンサー
20:密閉容器
30:空調装置
40:制御装置
41:温度制御回路
42:湿度制御回路
43:COガス濃度制御回路
44:全体制御マイコン
102:開口
103:Ni合金抵抗体膜
104:ヒータ保持シート
S:生物試料
W:ウエルプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料室内の環境を調節する空調手段と、
前記試料室内に収納される蓋付き培養容器の蓋の外表面温度を調節する調温手段と、
前記空調手段および調温手段を制御する制御手段と、
前記調温手段を前記蓋付き培養容器の蓋に密着または近接させて保持する保持手段とを備えることを特徴とする環境制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の環境制御装置において、
前記保持手段は、前記調温手段と前記蓋付き培養容器との距離を変えるように、前記調温手段を移動させる駆動機構を有することを特徴とする環境制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の環境制御装置において、
前記調温手段は、前記蓋の上面と対峙するプレート状であって、前記蓋付き培養容器内の試料を照明する照明光の光束入射部分が透明であることを特徴とする環境制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の環境制御装置において、
前記調温手段は、透明基板と、この透明基板に形成された透明導電膜とを有することを特徴とする環境制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の環境制御装置において、
前記調温手段は、透明基板と、この透明基板に形成されて前記照明光の光束入射部分を取り囲む環状のパターン形状をなす電気抵抗体膜とを有することを特徴とする環境制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の環境制御装置と、
顕微鏡装置または光学的分析装置とを備えることを特徴とする環境制御型分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−39171(P2006−39171A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218346(P2004−218346)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】