説明

環境温度制御装置

【課題】生体の睡眠のリズムに合わせて環境温度を制御し、快眠、すなわちより快適な覚醒と深い睡眠を、効率良く得ることが目的とされる。
【解決手段】環境温度制御装置1は、睡眠深度測定手段41と、温度制御手段51とを備えている。睡眠深度測定手段41は、人体9の入眠時点T0を検出する機能と、入眠後の人体9の睡眠深度を測定する機能とを有し、入眠時点T0の検出と入眠後の睡眠深度の測定とを行う。入眠時点T0と睡眠深度は温度制御手段51に与えられる。温度制御手段51は、入眠時点T0から少なくとも所定期間で、環境温度を単調に低下させることにより、睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。所定期間は、入眠時点T0から、睡眠深度が深くなる極値のうち二つ目の極値を睡眠深度が得るまでの間隔である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境温度制御技術に関し、例えば空調技術に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来から、快眠を得るために睡眠時の環境を制御することが空調技術等により行われている。例えば室温等の環境温度を一定に保つことや、入眠後に環境温度を上昇させること等により環境温度を制御している。これらの制御技術は、睡眠中の冷え(寝冷え)や寒気を解消するために有効である反面、睡眠中の体温が十分に低下せず睡眠中の発汗量が増加するといった問題があった。これに伴って、喉の渇きや水分損失による体のだるさ、暑さによる睡眠途中での覚醒等を引き起す場合もあった。このため、快眠を得るための環境制御という本来の目的が達成されていない可能性があった。
【0003】
近年、これらの問題を解消するために、生体が本来持っている体温リズムを考慮して、睡眠時の環境を制御する技術が開発されている。例えば特許文献1〜3ではいずれにおいても、入眠時及びその後所定時間が経過するまでは環境温度を単調に低下させ、覚醒時及び覚醒の所定時間前から環境温度を単調に上昇させている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−303840号公報
【特許文献2】特開2003−10230号公報
【特許文献3】特許2987981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の制御技術はいずれにおいても、睡眠時の睡眠深度という観点から体温リズムを考慮した技術ではない。このため、従来の制御技術では十分な睡眠深度累積時間を得ることができない可能性があった。また、十分な睡眠深度累積時間を得ることができたとしても、そのためには長時間の睡眠を必要とし、効率性が悪いといった問題もあった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、生体が持つ体温リズムを睡眠深度という観点から考慮することにより、生体の睡眠のリズムに合わせて環境温度を制御し、快眠、すなわちより快適な覚醒と深い睡眠を、効率良く得ることが目的とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる環境温度制御装置は、人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0008】
この発明の請求項1にかかる環境温度制御装置は、前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能と、入眠後の前記睡眠深度を測定する機能とを有する睡眠深度測定手段(41)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(51)とを備える。前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも所定期間で、前記環境温度を単調に低下させ、前記所定期間は、前記入眠時点から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得るまでの間隔である。
【0009】
この発明の請求項2にかかる環境温度制御装置は、前記睡眠深度の時間依存性が予め測定され、前記睡眠深度が二つ目の極値を得る時点(T2)と、入眠時点(T*0)とを記憶する記憶部(62)と、前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)とを備える。前記温度制御手段は、前記睡眠深度測定手段によって検出された前記入眠時点から少なくとも所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させ、前記所定期間は、記憶された前記入眠時点と記憶された前記時点との間隔である。
【0010】
この発明の請求項3にかかる環境温度制御装置は、入眠後から前記睡眠深度が二つ目の極値を得る時点迄の間隔が、所定期間(ΔT0,2)として予め測定され、前記所定期間を記憶する記憶部(62)と、前記人体の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)とを備える。前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも前記所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させる。
【0011】
この発明の請求項4にかかる環境温度制御装置は、前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能と、入眠後の前記睡眠深度を測定する機能とを有する睡眠深度測定手段(41)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(51)とを備える。前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも所定期間で、前記環境温度を単調に低下させ、前記所定期間は、前記入眠時点から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行するまでの間隔である。
【0012】
この発明の請求項5にかかる環境温度制御装置は、前記睡眠深度の時間依存性が予め測定され、前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行する時点(Tt)と、入眠時点(T*0)とを記憶する記憶部(62)と、前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)とを備える。前記温度制御手段は、前記睡眠深度推定手段によって検出された前記入眠時点から少なくとも所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させ、前記所定期間は、記憶された前記入眠時点と記憶された前記時点との間隔である。
【0013】
この発明の請求項6にかかる環境温度制御装置は、入眠後から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行する時点迄の間隔が、所定期間(ΔT0,t)として予め測定され、前記所定期間を記憶する記憶部(62)と、前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)とを備える。前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも前記所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させる。
【0014】
この発明の請求項7にかかる環境温度制御装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の環境温度制御装置であって、前記温度制御手段(51;52)は、前記入眠時点(T0)から、前記所定期間を経過した後は環境温度を低下させない。
【0015】
請求項1乃至請求項7に記載のいずれの環境温度制御装置においても、前記入眠時点(T0)での前記環境温度を29.5℃に制御することが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
この発明にかかる環境温度制御装置によれば、人体のリズムに合わせて環境温度を制御するので、より快適な覚醒と深い睡眠とを効率良く得ることができる。
【0017】
この発明の請求項1にかかる環境温度制御装置によれば、深睡眠累積時間に大きな影響を与える入眠後1番目と2番目の深睡眠のうち、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くすることができるので、深睡眠累積時間を短期に増大させることができる。
【0018】
この発明の請求項2及び請求項3のいずれかに一つにかかる環境温度制御装置によれば、睡眠毎に睡眠深度を測定することなく、深睡眠累積時間に大きな影響を与える入眠後1番目と2番目の深睡眠のうち、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くすることができる。よって、深睡眠累積時間を短期に増大させることができる。
【0019】
この発明の請求項4にかかる環境温度制御装置によれば、深睡眠累積時間に大きな影響を与える入眠後1番目と2番目の深睡眠のうち、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くすることができる。さらに、人体が二つ目の深睡眠の状態にある時間を長くすることができる。よって、深睡眠累積時間をより短期に増大させることができる。
【0020】
この発明の請求項5及び請求項6のいずれか一つにかかる環境温度制御装置によれば、深睡眠累積時間に大きな影響を与える入眠後1番目と2番目の深睡眠のうち、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くすること、更には人体が二つ目の深睡眠の状態にある時間を長くすることが、睡眠毎に睡眠深度を測定することなく可能になる。よって、深睡眠累積時間をより短期に増大させることができる。
【0021】
この発明の請求項7にかかる環境温度制御装置によれば、寝冷えを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
第1の実施の形態.
本実施の形態では、入眠後の環境温度を制御することで深い睡眠を得る。図1は、本実施の形態にかかる環境温度制御装置1を概念的に示す図である。
【0023】
環境温度制御装置1は、睡眠深度測定手段41と、温度制御手段51とを備えている。睡眠深度測定手段41は、人体9の入眠時点T0を検出する機能と、入眠後の人体9の睡眠深度を測定する機能とを有する。温度制御手段51は睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0024】
入眠時点T0は、例えば深部体温センサーや皮膚温センサー、心拍数センサー、体動センサー、脳波センサー、血圧センサー等により検出することができる。
【0025】
睡眠深度は、例えば脳波を測定することにより得ることができる。睡眠深度は、睡眠の深さの程度によって、睡眠が浅いREM睡眠と、睡眠が比較的に深いNon−REM睡眠とに区分される。更にNon−REM睡眠は、睡眠が浅い睡眠段階1から睡眠が深い睡眠段階4まで4段階に区分されている。
【0026】
図2は、時間に対する睡眠深度の変化(a)及び体温の変化(b)がそれぞれ概念的に示されている。図2(a)に示される曲線101は睡眠深度の変化を表している。睡眠深度は、入眠後に深まって、睡眠段階4に達するような最も深い極値(以下、「第1の極値」と称す)を得る。そして、睡眠深度は、浅くなって行きREM睡眠のピークを経て、再び深くなって行き第2の極値を得る。その後、睡眠深度は、REM睡眠のピークと、睡眠が深くなる時に現れる極値とを交互に繰り返して変化する。睡眠の深さを示す極値は、一般に睡眠時間が経つとともに徐々に浅くなっていく。そして、睡眠深度は覚醒に至る。覚醒は、目覚めている状態である。
【0027】
図2(b)で示される体温は、入眠からの時間が300分に達するまで単調に低下し、その後、単調に上昇している。図2(b)で示される横軸(時間)は、図2(a)で示される横軸(時間)に対応している。
【0028】
時間に対する睡眠深度の変化に対応させて、深睡眠累積時間の睡眠時間に対する変化を調べ、これにより深い睡眠がどの程度効率良く得られているかを確認することができる。
深睡眠累積時間は、睡眠深度が睡眠段階3よりも深い状態(以下、「深睡眠」と称す)にある時間を、睡眠時間に対して累積して得られる。
【0029】
例えば、図2(a)に示される睡眠深度の変化に対応させて表した深睡眠累積時間の変化が図3に示されている。図3では、入眠後睡眠深度が第2の極値を得た直後に位置する深睡眠状態から脱する時点、すなわち睡眠時間が約150分となる時点までに、深睡眠累積時間が75分程度となる。その後は、深睡眠累積時間が睡眠時間に対してあまり増加していない。
【0030】
一般的に、睡眠深度は、第2の極値付近で現れる深睡眠の状態を過ぎると、深睡眠の状態が現れにくくなる。すなわち、第3以降の極値で深睡眠の状態が現れたとしても、第1の極値や第2の極値に現れる深睡眠状態に比べると、深睡眠の状態にある時間は非常に短い。よって、入眠後睡眠深度が、第2の極値を得た直後であって深睡眠状態から脱する時点までは、深睡眠累積時間が睡眠時間に対して増加するが、その後は深睡眠累積時間が睡眠時間に対してあまり増加しない。
【0031】
一般的に第1の極値は環境温度等にあまり影響されることなく睡眠段階4に達する程度に深い。このことと、第2の極値で現れる深睡眠状態を脱し後は深睡眠累積時間があまり増加しないこととを考慮すると、第2の極値ができるだけ深くなることが、深い睡眠を効率良く得ることにとって望ましい。
【0032】
また、図2(b)で示される体温の変化を考慮すると、第二の極値ができるだけ深くなるためには、睡眠深度が少なくとも第2の極値を得るまでは体温が単調に低下すればよい。よって、図2(b)で示されるような体温の単調な低下を誘導するように、環境温度を制御することが望ましい。つまり、睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御することが望ましい。
【0033】
そこで、図1に示される環境温度制御装置1を用いて環境温度を制御する。睡眠深度測定手段41は、入眠時点T0の検出と入眠後の睡眠深度の測定とを行う。入眠時点T0と睡眠深度は温度制御手段51に与えられる。温度制御手段51は、入眠時点T0から少なくとも所定期間で、環境温度を単調に低下させる。所定期間は、入眠時点T0から、睡眠深度が第2の極値を得るまでの間隔である。ここで単調とは、環境温度を時間で微分した値の符号が変化しないことを意味し、低下途中での上昇や、上昇途中での低下を除く。但し、環境温度を時間で微分した値の大きさが変動してもよい。つまり低下速度や上昇速度が変動しても「単調」である。そして例えば、低下する前の環境温度よりも温度の低い空気201等を継続して与えることで、環境温度を単調に低下することができる。
【0034】
睡眠深度が第2の極値を得るまでは環境温度を単調に低下させるアルゴリズムとして、例えば図4及び図5に示されるアルゴリズムが提案される。また、比較のために環境温度を一定にした場合が、図6に示されている。図4〜図6で示される時間(横軸)が0分のときは入眠時点に対応する。点線11,12,13は環境温度の設定値であり、実線21,22,23が環境温度の実測値である。環境温度は例えば寝床内温度が採用される。図4及び図5では、睡眠時間が入眠後180分まで環境温度を単調に、とりわけ線形に低下させる。その後、図4では環境温度を単調に上昇させ、図5では環境温度を60分間だけ保持してから単調に上昇させる。
【0035】
図4及び図5に示されるアルゴリズムを採用することにより、入眠後周期的に現れるREM睡眠のうち二番目のREM睡眠までは環境温度を低下させる。このようにしてこれらのアルゴリズムに従って制御することで、睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御することができる。
【0036】
図4〜図6に示されるアルゴリズムの下で得られる深睡眠累積時間の変化が、図7にそれぞれ示されている。曲線31は図4に、曲線32は図5に、曲線33は図6にそれぞれ対応した深睡眠累積時間の変化を表している。曲線31では、睡眠時間が約170分のときに深睡眠累積時間が約90分になる(時点311)。また、曲線32では、睡眠時間が約200分のときに深睡眠累積時間が約90分になる(時点321)。これに対し曲線33では、睡眠時間が約350分のときに深睡眠累積時間が約90分になる(時点331)。すなわち、曲線31,32は、曲線33よりも短時間で所定の深睡眠累積時間(ここでは約90分)を得ている。言い換えると、図4及び図5に示されるアルゴリズムを適用することで、図6のアルゴリズムを適用するよりも、効率良く深睡眠累積時間を得ることができる。また、1番目の深睡眠が経過したと考えられる入眠後120分の時点では、深睡眠累積時間に大きな差が見られないことから、図4、図5に示されるアルゴリズムは、図6のそれと比べ、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くしていると推測できる。
【0037】
上述の内容のようにして、図4及び図5で示されるように環境温度を単調に低下させることで、人体のリズムに合わせて環境温度を制御することにより、深睡眠累積時間を短期に増大させることができ、より深い睡眠を効率良く得ることができる。
【0038】
第2の実施の形態.
本実施の形態では、睡眠深度の時間依存性を予め測定して、環境温度を制御する。図8は、本実施の形態にかかる環境温度制御装置2を概念的に示す図である。
【0039】
環境温度制御装置2は、睡眠深度測定手段42と温度制御手段52、記憶部62とを備えている。睡眠深度測定手段42は、人体9の入眠時点T0を検出する機能を有する。温度制御手段52は睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0040】
睡眠深度測定手段42は、入眠時点T0を検出し、これを温度制御手段52へ与える。記憶部62は、予め測定された睡眠深度に基づいて得られる第二の極値の時点T2及び入眠時点T*0を入眠前に記憶し、これを温度制御手段52へ与える。入眠時点T*0、時点T2は予め睡眠深度測定手段42を用いて測定することが可能である。しかし、記憶部62に記憶される入眠時点T*0、時点T2を測定する手段を、入眠時点T0を検出する睡眠深度測定手段42に兼用させる必要性はない。温度制御手段52は、睡眠深度測定手段42によって検出された入眠時点T0から少なくとも所定期間が経過するまでは、環境温度を単調に低下させる。所定期間は、記憶された入眠時点T*0と記憶された時点T2との間隔である。
【0041】
上述の内容によれば、睡眠毎に睡眠深度を測定することなく、深睡眠累積時間に大きな影響を与える入眠後1番目と2番目の深睡眠のうち、2番目の深睡眠の睡眠深度をより深くすることができる。よって、深睡眠累積時間を短期に増大させることができる。
【0042】
本実施の形態において、入眠後から睡眠深度が第二の極値を得る時点迄の間隔を、所定期間ΔT0,2として予め測定して、図8に示される環境温度制御装置2を用いて環境温度を制御してもよい。このとき、記憶部62には、時点T2に替えて、予め測定された所定期間ΔT0,2が記憶される。そして、温度制御手段52は、入眠時点T0から少なくとも所定期間ΔT0,2が経過するまでは、環境温度を単調に低下させる。
【0043】
第3の実施の形態.
本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なるアルゴリズムで、入眠後の環境温度を制御することにより深い睡眠を得る。本実施の形態で採用される環境温度制御装置は、図1に示される環境温度制御装置1と同じ要素を含む。本実施の形態では、温度制御手段51が有する機能が、第1の実施の形態と異なる。
【0044】
温度制御手段51は、第1の実施の形態と異なり、入眠時点T0から少なくとも所定期間で、環境温度を単調に低下させる。所定期間は、睡眠深度が第2の極値を得た後であって睡眠深度が睡眠段階3から睡眠段階2へ移行するまでの間隔である。
【0045】
本実施の形態において、睡眠深度の時間依存性を予め測定して、図9に示される環境温度制御装置3を用いて環境温度を制御してもよい。図9において図8と同符号が付されているものは同じ要素を示す。本実施の形態では、記憶部62が記憶する内容と、温度制御手段52が有する機能とが、第1の実施の形態と異なる。
【0046】
記憶部62は、予め測定された睡眠深度に基づいて得られる時点Tt及び入眠時点T*0を記憶する。ここで時点Ttは、睡眠深度が2の極値を得た後であって睡眠段階3から睡眠段階2へ移行する時点である。入眠時点T*0、時点Ttは予め睡眠深度測定手段42を用いて測定することが可能である。しかし、記憶部62に記憶させる入眠時点T*0、時点Ttを測定する手段を、入眠時点T0を検出する睡眠深度測定手段42に兼用させる必要性はない。そして、温度制御手段52は、睡眠深度測定手段42によって検出された入眠時点T0から少なくとも所定期間を経過するまでは、環境温度を単調に低下させる。所定期間は、記憶された入眠時点T*0と時点Ttとの間隔である。
【0047】
また、入眠後から、睡眠深度が第2の極値を得た後であって睡眠段階3から睡眠段階2へ移行する時点までの間隔を、所定期間ΔT0,tとして予め測定して、図9に示される環境温度制御装置3を用いて環境温度を制御してもよい。このとき、記憶部62には、時点Ttに替えて、予め測定された所定期間ΔT0,tが記憶される。そして、温度制御手段52は、入眠時点T0から少なくとも所定期間ΔT0,tが経過するまでは、環境温度を単調に低下させる。
【0048】
上述の内容によれば、第1の実施の形態で説明した環境温度制御装置1,2を用いて環境温度を制御した場合と同様の効果を得るのみならず、人体9が入眠後、二つ目の深睡眠の状態を脱するまで環境温度が単調に低下するので、人体9が二つ目の深睡眠の状態にある時間を長くすることができる。よって、深睡眠累積時間をより短期に増大させることができる。また、環境温度制御装置3によれば睡眠毎に睡眠深度を測定しなくてもよい。
【0049】
上述いずれの実施の形態においても、入眠時点T0から所定期間(ΔT0,2,ΔT0,t等)を経過した後は環境温度を低下させないことが望ましい。これにより、睡眠時の寝冷えを回避することができる。例えば、入眠時の環境温度を29.5℃に制御してもよい。
【0050】
第4の実施の形態.
本実施の形態では、覚醒前の環境温度を制御することで快適な覚醒を得る。図10は、本実施の形態にかかる環境温度制御装置4を概念的に示す図である。また図11(a)〜(c)は、本実施の形態に関係する時点および所定期間を概念的に示す図である。
【0051】
環境温度制御装置4は、睡眠深度測定手段44と温度制御手段54、記憶部64とを備えている。睡眠深度測定手段44は、睡眠深度を測定する機能を有する。温度制御手段54は睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0052】
睡眠深度測定手段44は、睡眠深度の測定により、入眠後J番目及び(J+1)番目のREM睡眠の時点TJ,TJ+1(図11(b))をそれぞれ検出する(J≧2)。時点TJは記憶部64へ、時点TJ+1は温度制御手段54と記憶部64へ、それぞれ与えられる。
【0053】
図11(a)では、環境温度の変化を表す曲線14と、その環境温度に対する人体の体温の変化を表す曲線24が示されている。曲線14,24によれば、環境温度が時点TSから上昇し始めると、時点TSから所定期間ΔTだけ遅れた時点TPから人体9の体温が上昇を開始する。この所定期間ΔTは、入眠後の環境温度の最低値からの上昇開始後、入眠後の体温の上昇開始迄の間隔と把握することもできる。そして、所定期間ΔTは予め測定される。当該所定期間ΔTは、人体の熱容量による体温変化の遅延や、寝具や着衣による遅れに依存する。よって日毎に等、頻回に測定することにより、季節の相違による寝具や着衣の相違の影響を小さくすることが可能である。
【0054】
記憶部64は、予め測定された所定期間ΔTと、時点TJ,TJ+1とを記憶する。そして、時点TJ,TJ+1及び所定期間ΔTは温度制御手段54に与えられる。そして、温度制御手段54は、時点TJ+1の経過後、時点TJ,TJ+1及び所定期間ΔTに基づいて求められる時点TWから、環境温度を最低値から単調に上昇させる。このときの環境温度の変化は、図11(c)に示される曲線25によって表されている。図11(c)では、環境温度の最低値に27.5℃が採用されている。
【0055】
時点TWは、次のようにして求められる。時点TJ+1から時点TJ迄の間隔を整数倍した期間を時点TJ+1に加え、これを時点T*J+2とする。図11(b)では、時点TJ+1から時点TJ迄の間隔を2倍した期間2・(TJ+1‐TJ)を採用している。そして、図11(c)に示されるように、時点T*J+2から所定期間ΔTよりも長い期間ΔT*だけ遡った時点を時点TWとする。
【0056】
上述の内容は、時点T*J+2を第一時点、時点TWを第二時点とすると、次のように把握することもできる。すなわち、温度制御手段54は、(J+1)番目のREM睡眠の時点TJ+1から前記J番目のREM睡眠の時点TJ迄の間隔を整数倍した期間を(J+1)番目のREM睡眠の時点TJ+1に加えた第一時点T*J+2から所定期間ΔTよりも長い期間ΔT*だけ遡った第二時点TWから、環境温度を最低値から単調に上昇させる。
【0057】
例えば、環境温度の最低値よりも温度の高い空気202等を継続して与えることで、温度制御手段は環境温度を単調に上昇できる。
【0058】
人体の体温は環境温度の上昇に対して所定期間遅れて上昇を開始するので、REM睡眠のタイミングで覚醒させるに際して体温の上昇を伴う。覚醒の際に体温の上昇を伴うことは、快適な覚醒を得るための一つの要因である。よって上述のように環境温度を制御することにより、スムーズな覚醒を得ることができる。
【0059】
第5の実施の形態.
本実施の形態では、入眠後J番目及び(J+1)番目のREM睡眠の時点T*J,T*J+1と、第3の実施の形態で説明した所定期間ΔTとを予め測定して、環境温度を制御する。図12は、本実施の形態にかかる環境温度制御装置5を概念的に示す図である。
【0060】
環境温度制御装置5は、睡眠深度測定手段45と温度制御手段55、記憶部65とを備えている。睡眠深度測定手段45は、睡眠深度を測定する機能を有する。温度制御手段55は睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0061】
睡眠深度測定手段45は、睡眠深度の測定により、入眠後(J+1)番目のREM睡眠の時点TJ+1を検出する。時点TJ+1は温度制御手段54へ与えられる。
【0062】
記憶部65は、予め測定された所定期間ΔT及び時点T*J,T*J+1を記憶する。時点T*J、時点T*J+1は予め睡眠深度測定手段45を用いて測定することが可能である。しかし、記憶部65に記憶させる時点T*J、時点T*J+1を測定する手段を、時点TJ+1を検出する睡眠深度測定手段45に兼用させる必要性はない。
【0063】
温度制御手段55は、時点TJ+1の経過後、記憶された時点T*J,T*J+1及び所定期間ΔT並びに時点TJ+1に基づいて求められる時点TWから、環境温度を最低値から単調に上昇させる。
【0064】
時点TWは、次のようにして求められる。記憶された時点T*J+1から時点T*J迄の間隔を整数倍した期間を、睡眠深度測定手段によって検出された時点TJ+1に加え、これを時点T*J+2とする。そして、時点T*J+2から所定期間ΔTよりも長い期間ΔT*だけ遡った時点を時点TWとする。
【0065】
上述の内容は、時点T*J+2を第一時点、時点TWを第二時点とすると、次のように把握することもできる。すなわち、記憶部65に記憶された(J+1)番目のREM睡眠の時点T*J+1とJ番目のREM睡眠の時点T*Jとの間隔を整数倍した期間を、睡眠深度測定手段45によって検出された(J+1)番目のREM睡眠の時点TJ+1に加えた第一時点T*J+2から所定期間ΔTよりも長い期間ΔT*だけ遡った第二時点TWから、温度制御手段55は環境温度を最低値から単調に上昇させる。
【0066】
睡眠毎に人体の体温は環境温度の上昇に対して所定期間遅れて上昇を開始するので、REM睡眠のタイミングで覚醒させるに際して体温の上昇を伴う。覚醒の際に体温の上昇を伴うことは、快適な覚醒を得るための一つの要因である。よって上述のように環境温度を制御することにより、スムーズな覚醒を得ることができる。
【0067】
第6の実施の形態.
本実施の形態では、第4の実施の形態もしくは第5の実施の形態で説明された第二時点TWと、入眠時点T*0とを予め測定して、環境温度を制御する。図13は、本実施の形態にかかる環境温度制御装置6を概念的に示す図である。
【0068】
環境温度制御装置6は、睡眠深度測定手段46と温度制御装手段56、記憶部66とを備える。睡眠深度測定手段46は、人体9の入眠時点T0を検出する機能を有する。温度制御手段56は睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する。
【0069】
睡眠深度測定手段46は、入眠時点T0を検出し、これを温度制御手段56へ与える。記憶部66は、予め測定された第二時点TW及び入眠時点T*0を記憶し、これを温度制御手段56へ与える。入眠時点T*0、時点TWは予め睡眠深度測定手段46を用いて測定、算出することが可能である。しかし、記憶部66に記憶される入眠時点T*0、時点TWを測定、算出する手段を、入眠時点T0を検出する睡眠深度測定手段46に兼用させる必要性はない。
【0070】
温度制御手段56は、記憶された第二時点TWと入眠時点T*0との間隔である所定期間が、睡眠深度測定手段によって検出された入眠時点T0から経過した時点から、環境温度を最低値から単調に上昇させる。
【0071】
上述の内容によれば、睡眠毎に睡眠深度を測定することなく、人体の体温は環境温度の上昇に対して所定期間遅れて上昇を開始させて、REM睡眠のタイミングで覚醒させるに際して体温上昇を伴わせることができる。よってスムーズな覚醒を得ることができる。
【0072】
本実施の形態若しくは第4、第5の実施の形態で説明した環境温度制御装置が備える温度制御手段が、第1〜第3の実施の形態に説明した入眠後の環境温度の制御をも行ってもよい。
【0073】
例えば図13に示される環境温度制御装置6(本実施の形態)において、記憶部66及び温度制御手段56が、図8に示される記憶部62及び温度制御手段52の機能(第2の実施の形態)を更に有してもよい。すなわち、記憶部66は時点T*0,T2,TWをそれぞれ記憶し、それらの時点は温度制御手段56に与えられる。そして、温度制御手段56は、入眠時においては、睡眠深度測定手段46によって検出された入眠時点T0から、記憶された入眠時点T*0と時点T2との間隔である所定期間が経過するまで環境温度を単調に低下させる。また、覚醒時においては、記憶された第二時点TWと入眠時点T*0との間隔である所定期間が、睡眠深度測定手段46によって検出された入眠時点T0から経過した時点から、環境温度を最低値から単調に上昇させる。このとき、環境温度の低下を妨げないために、第二時点TWは時点T2が経過した後に位置することが望ましい。
【0074】
上述の内容は、次のように把握することもできる。すなわち、温度制御手段56は、入眠後、睡眠深度が第二の極値を得る第三時点T2まで環境温度を低下させる機能を更に有する。そして、第二時点TWは第三時点T2を経過した後に位置する。
【0075】
また、本実施の形態若しくは第4、第5の実施の形態で説明した環境温度制御装置が備える温度制御手段が、第3の実施の形態で説明した環境温度の制御をも行う場合には、次のように把握することができる。すなわち、温度制御手段は、入眠後、睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行する第三時点Ttまで環境温度を単調に低下させる機能を更に有する。そして、第二時点TWは第三時点Ttを経過した後に位置する。
【0076】
このような環境温度制御装置を用いることで、スムーズな覚醒を得ることができるとともに、環境温度を第三時点まで単調に低下させることができるので、深睡眠累積時間を短期に増大させることができ、深い睡眠を得ることも可能になる。
【0077】
本実施の形態もしくは第4、第5の実施の形態において、環境温度の最低値を27.5℃とすることが望ましい。これにより、睡眠時の寝冷えを回避することができる。例えば、環境温度の最高値を29.5℃に制御したり、環境温度の最低値を1時間保持させてもよい。
【0078】
上述のような環境温度制御装置を用いることで、入眠から覚醒まで人体のリズムに合わせて環境温度を制御するので、より快適な覚醒と深い睡眠とを効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【図2】(a)時間に対する睡眠深度の変化、(b)時間に対する体温の変化を、それぞれ概念的に示す図である。
【図3】睡眠時間に対する深睡眠累積時間の変化を示す図である。
【図4】第1の実施の形態で説明される、環境温度のアルゴリズムを示す図である。
【図5】第1の実施の形態で説明される、環境温度のアルゴリズムを示す図である。
【図6】第1の実施の形態で説明される、環境温度のアルゴリズムを示す図である。
【図7】睡眠時間に対する深睡眠累積時間の変化を示す図である。
【図8】第2の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【図9】第3の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【図10】第4の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【図11】種々の期間及び時点を概念的に示す図である。
【図12】第5の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【図13】第6の実施の形態で説明される、環境温度制御装置を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0080】
9 人体
41,42,44〜46 睡眠深度測定手段
51,52,54〜56 温度制御手段
62,64〜66 記憶部
0 入眠時点
*0 予め測定された入眠時点
2,Tt 時点
ΔT0,2,ΔT0,t,ΔT 所定期間
J J番目のREM睡眠の時点
J+1 (J+1)番目のREM睡眠の時点
*J+2 第一時点
ΔT* ΔTよりも長い期間
W 第二時点
*J 予め測定されたJ番目のREM睡眠の時点
*J+1 予め測定された(J+1)番目のREM睡眠の時点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能と、入眠後の前記睡眠深度を測定する機能とを有する睡眠深度測定手段(41)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(51)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも所定期間で、前記環境温度を単調に低下させ、
前記所定期間は、前記入眠時点から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得るまでの間隔である環境温度制御装置。
【請求項2】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
前記睡眠深度の時間依存性が予め測定され、
前記睡眠深度が二つ目の極値を得る時点(T2)と、入眠時点(T*0)とを記憶する記憶部(62)と、
前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記睡眠深度測定手段によって検出された前記入眠時点から少なくとも所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させ、
前記所定期間は、記憶された前記入眠時点と記憶された前記時点との間隔である環境温度制御装置。
【請求項3】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
入眠後から前記睡眠深度が二つ目の極値を得る時点迄の間隔が、所定期間(ΔT0,2)として予め測定され、
前記所定期間を記憶する記憶部(62)と、
前記人体の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも前記所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させる環境温度制御装置。
【請求項4】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能と、入眠後の前記睡眠深度を測定する機能とを有する睡眠深度測定手段(41)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(51)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも所定期間で、前記環境温度を単調に低下させ、
前記所定期間は、前記入眠時点から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行するまでの間隔である環境温度制御装置。
【請求項5】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
前記睡眠深度の時間依存性が予め測定され、
前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行する時点(Tt)と、入眠時点(T*0)とを記憶する記憶部(62)と、
前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記睡眠深度推定手段によって検出された前記入眠時点から少なくとも所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させ、
前記所定期間は、記憶された前記入眠時点と記憶された前記時点との間隔である環境温度制御装置。
【請求項6】
人体(9)の睡眠深度の周期に基づいて環境温度を制御する、環境温度制御装置であって、
入眠後から、前記睡眠深度が二つ目の極値を得た後であって前記睡眠深度が睡眠深度3から睡眠深度2へ移行する時点迄の間隔が、所定期間(ΔT0,t)として予め測定され、
前記所定期間を記憶する記憶部(62)と、
前記人体(9)の入眠時点(T0)を検出する機能を有する睡眠深度測定手段(42)と、
前記睡眠深度の周期に基づいて前記環境温度を制御する温度制御手段(52)と
を備え、
前記温度制御手段は、前記入眠時点から少なくとも前記所定期間が経過するまでは、前記環境温度を単調に低下させる環境温度制御装置。
【請求項7】
前記温度制御手段(51;52)は、前記入眠時点(T0)から、前記所定期間を経過した後は環境温度を低下させない、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の環境温度制御装置。
【請求項8】
前記入眠時点(T0)での前記環境温度を29.5℃に制御する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の環境温度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−304181(P2008−304181A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188353(P2008−188353)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【分割の表示】特願2004−114199(P2004−114199)の分割
【原出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】