説明

環境測定装置

【課題】
フィルタ交換時において、異常動作、装置劣化および欠測を極力回避して、測定能力を高めた環境測定装置を提供する。
【解決手段】
フィルタ交換時にはポンプ4を停止し、異物が含む試料気体が測定部3やポンプ4内へ侵入しないようにして、異常動作を回避する。さらに、測定部3に含まれる各種機器のうち、例えば、オゾン発生器のように環境測定装置に悪影響を及ぼす機器を停止して、装置劣化を回避する。また、フィルタ交換時間を極力短縮するようなメッセージを表示部7に出力させてフィルタ交換時間を短くし、さらに、フィルタ交換期間が所定期間内である場合は、フィルタ交換中の異常測定値に代えて直前の測定値で代用して欠測を回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大気汚染物質等を測定するための環境測定装置に関し、詳しくは、試料に含まれる異物捕集用のフィルタを交換する際の機能を改良した環境測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境測定装置の一種である大気汚染測定装置では、気体試料としての大気を測定部内へ取り込み、気体試料に含まれる物質の濃度を測定している。この場合、測定前に気体試料がフィルタを通過するようにして、気体試料に含まれる異物(主にダスト(塵埃))を捕集するのが一般的である。このような環境測定装置の先行技術として、例えば特許文献1,2が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特表平8−506901号公報
【特許文献2】特開平2−93392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記フィルタは時間が経過するにつれて付着する異物数が増加するため気体試料の通過量が少なくなり、環境測定装置では試料大気を吸引する能力が経時的に劣化していく。そこで、フィルタは定期的に交換されて、吸引能力の劣化を防止している。
しかしながら、フィルタを交換することで環境測定装置の動作・性能が影響を受けることがあった。例えば、環境測定装置は連続して測定を続ける必要上、動作停止ができないものであり、動作中にフィルタを交換すると、一時的にフィルタを通過しないで異物を含む気体試料が測定部内に導入され、異常測定値の測定という異常動作、および、測定性能を左右する箇所での異物の付着による測定性能の変化や配管の目詰まりという装置劣化につながるという問題があった。
【0005】
また、環境測定装置を停止させてフィルタを交換すれば、上記のような異常動作や装置劣化は起こらないが、停止期間中は測定値が得られず、一定期間の測定値を用いる加工値(例えば一時間にわたり濃度を測定し、この一時間の濃度平均を算出した一時間平均値)が無効になり、さらに、温調部が停止して再起動後に正常な測定値が得られるまで時間を要するため、測定値の大幅な欠測が生じるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、フィルタ交換時において、異常動作、装置劣化および欠測を極力回避して、測定能力を高めた環境測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る環境測定装置は、
環境について測定を行う環境測定装置において、
試料中に含まれる異物を捕集するフィルタと、
フィルタを通過した試料に含まれる物質の濃度を測定する測定部と、
試料を吸引するための吸引部と、
測定部および吸引部に接続される制御部と、
を備え、この制御部は、
フィルタ交換時に吸引部による測定部への試料の吸引を停止させる手段と、
フィルタ交換時の異常測定値を除く測定値に基づいて加工値を生成して保存を行う手段と、して機能することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る環境測定装置は、
請求項1に記載の環境測定装置において、
前記加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値出現期間は異常測定値に代えて異常測定値検出直前の測定値、および、異常測定値非出現期間はそのままの測定値、をそれぞれ用いて積算した積算値を、所定期間で除して平均することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る環境測定装置は、
請求項1に記載の環境測定装置において、
前記加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値を除く測定値の積算値を、所定期間から異常測定値出現期間を引いた期間で除して平均することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る環境測定装置は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
フィルタ交換時に測定部の停止を行う手段として機能することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る環境測定装置は、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
アラームを停止する手段として機能することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る環境測定装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
フィルタ交換に要する期間が所定期間を超過した場合に警告を発するとともにフィルタ交換時の測定値または加工値を無効化する手段として機能することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に係る環境測定装置は、
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部に接続され、操作入力信号を制御部へ入力する操作入力部と、
前記制御部に接続され、制御部からの表示信号に応じて映像表示する表示部と、
を備え、前記制御部は、
操作入力部を介してフィルタ交換が選択されたことを検出する手段と、
表示部にフィルタ交換推奨時間を表示させる手段と、して機能することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のような本発明によれば、フィルタ交換時において、異常動作、装置劣化および欠測を極力回避して、測定能力を高めた環境測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
続いて本発明を実施するための最良の形態の環境測定装置について、図を参照しつつ説明する。なお、この環境測定装置は大気汚染測定装置を想定したものである。
図1は本形態の環境測定装置100の構成図、図2はフィルタ交換部10の構成図、図3は表示部の表示画面の説明図で、図3(a)は測定時の表示画面、図3(b)はフィルタ交換選択時の表示画面、図3(c)はフィルタ交換中の表示画面、図3(d)はフィルタ交換期間超過時の表示画面である。
【0016】
環境測定装置100は、図1で示すように、気体試料導入口1、フィルタ2、測定部3、ポンプ4、制御部5、操作入力部6、表示部7を備えている。
制御部5は、通常測定を行う場合、設定手段501、測定手段502、測定値処理手段503、加工保存手段504として機能する。また、制御部5は、フィルタ交換時の処理を行う場合、フィルタ交換選択手段511、ポンプ停止手段512、測定部停止手段513、アラーム停止手段514、復帰手段515、フィルタ交換時加工保存手段516として機能する。また、制御部5は、フィルタ交換時間が所定期間より超過した場合、交換期間超過時処理手段521として機能する。
【0017】
続いて、各部について説明する。
気体試料導入口1は、環境測定装置100内に気体試料を導入するための導入口である。この気体試料導入口1には図示しない導入管が接続される。
フィルタ2は、この導入管を介して気体試料導入口1の後段に設けられるものであり、導入管から流入する気体試料中に浮遊する異物を捕集する。フィルタ2は、図2で示すように、通常は環境測定装置100の前面に形成されるケース11内に収容されており、中ぶた12、ふた13により固定されている。中ぶた12には導入管14が接続されている。これらのケース11、フィルタ2、中ぶた12、ふた13はフィルタ交換部10を構成する。このフィルタ交換部10は、環境測定装置100の前面に形成される前扉20により、通常では装置内に収納されている。このようなフィルタ交換部10では短時間でフィルタ2が交換できるように配慮されている。
【0018】
図1における測定部3は、導入管14を介してフィルタ2の後段に設けられるものであり、気体試料についての各種測定を行う。この測定は、具体的には気体試料に含まれる物質の濃度測定であり、例えば、ケミルミネッセンス法(化学発光法)により大気中に含まれるNO(窒素酸化物)の濃度測定、紫外線蛍光方式により大気中に含まれるSO(二酸化硫黄)の濃度測定、紫外線吸光方式により大気中に含まれるO(オゾン)の濃度測定、非分散赤外線吸収法により大気中に含まれるCO(一酸化炭素)の濃度測定、ガスクロマトグラフ法により大気中に含まれるNMHC(非メタン炭化水素)という物質の濃度測定、などである。なお、これらは一例であり、各種物質にそれぞれ最適な測定部3を採用できる。この測定部3の後段には図示しない導入管が接続される。
【0019】
図1のポンプ4は、導入管を介して測定部3の後段に設けられるものであり、気体試料を吸引する。上記した気体試料導入口1、フィルタ2、測定部3、ポンプ4は流体回路を形成し、ポンプ4の吸引動作により、気体試料が気体試料導入口1→フィルタ2→測定部3→ポンプ4と通流して外部へ排気される。
【0020】
図1の制御部5は、測定部3、ポンプ4、操作入力部6、表示部7との間で信号の送受が可能に接続され、各種処理を行う。この制御部5による処理については、環境測定装置100の一連の動作として後に詳述する。
操作入力部6は、オペレータが環境測定装置100に対する各種操作を入力したときに、制御部5へ各種の操作入力信号を出力する。制御部5は操作入力信号に応じた処理を行う。操作内容についても環境測定装置100の一連の動作として後に詳述する。
表示部7は、制御部5から出力される表示信号に応じて各種情報を表示する。表示内容についても環境測定装置100の一連の動作として後に詳述する。
なお、操作入力部6および表示部7の具体例として、本形態では図3(a)で示すようなタッチパネル8を採用するものとして説明する。タッチパネル8には、周知のように、表示部7の画面中に操作入力部6が含まれるものである。
【0021】
続いて環境測定装置100の動作について説明する。
まず、測定動作について説明する。ここでは、説明の具体化のため大気中に含まれるNO(窒素酸化物)についての物質濃度を測定するものとして説明する。
操作入力部6から制御部5へパラメータや操作内容を設定する各種の操作入力信号が出力されたとき、制御部5は設定手段501として機能する。設定手段501による設定内容としては、例えば、NOの測定範囲として0〜50ppm/100ppb/200ppb/500ppb/1000ppbの選択や、校正などがある。これらは、図3(a)に示すタッチパネル8の「校正」ボタン・「設定」ボタンを選択し、さらに図示しない画面の案内に応じて数値入力・選択等の操作を行うことにより入力される。
【0022】
続いて、オペレータがタッチパネル8の測定開始スイッチ(図示せず)を押下して制御部5へ測定開始の操作入力信号が出力されたとき、制御部5は測定手段502として機能する。この場合、制御部5は、測定部3およびポンプ4にそれぞれ稼働信号を送信して稼働させ、所定期間にわたる暖気運転経過後に測定を開始させる。
続いて制御部5は、測定値処理手段503として機能する。この場合、測定部3から出力される測定信号を入力し、物質濃度を表す測定値を算出する。この測定値はCPUなどが処理するため、ディジタルデータとして表される。
【0023】
続いて、制御部5は、加工保存手段504として機能する。この場合、制御部5は、測定値から加工値を算出する。加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、測定値を積算した積算値を、所定期間で除して算出する。加工値の具体例として、例えば、一分毎に算出した測定値を蓄積し、一時間にわたる測定値の平均となる一時間平均値が挙げられる。制御部5は、これら測定値や加工値(一時間平均値)を、制御部5に接続された図示しない記憶部(メモリ・ハードディスク・テープ・FD・MOなど)にデータとして保存したり、あるいは、制御部5に接続された図示しない記録計にグラフとしてプロットしたりして測定値・加工値を保存する。
環境測定装置100はこのような測定動作を長期間連続して繰り返し行う。
【0024】
続いて、環境測定装置100のフィルタ交換処理動作について説明する。
まず制御部5は、フィルタ交換選択手段511として機能する。オペレータが図3(a)で示すタッチパネル8の「フィルタ交換」ボタンを押下すると、続いて、図3(b)で示すように、フィルタ交換時の注意事項が表示される。注意事項の中にはフィルタ交換推奨時間も表示される。フィルタ交換推奨時間は、例えば1分である。オペレータが、図3(b)で示す「はい」ボタンを押下するとフィルタ交換が選択され、図3(c)で示すようにフィルタ交換が終了することが望ましい時間(残り時間)がカウントダウン表示される。
【0025】
なお、上記「フィルタ交換」ボタンは、通常は表示されないが前のフィルタ交換時から所定期間経過したときに表示するようにしてフィルタ交換を促すようにしても良い。
また、フィルタ2の後段の流体回路内(例えば導入管内)の圧力を測定する圧力測定手段を別途設けてフィルタ2に付着した異物により圧力が通常より下がるような場合を制御部5が検出できるようにし、「フィルタ交換」ボタンを、通常は表示せずに圧力が通常より低下した場合に表示してフィルタ交換時期を通知するようにしても良い。
さらにまた、「フィルタ交換」ボタンを常時表示し、オペレータが自己管理により、所定周期ごとのフィルタ交換時期に「フィルタ交換」ボタンを操作するようにしても良い。
【0026】
続いて、制御部5は、ポンプ停止手段512として機能する。制御部5はポンプ4に停止信号を送信し、ポンプ4が動作を停止する。これにより、異物を含む試料気体を測定部3やポンプ4内に流入させないようにする。
続いて、制御部5は、測定部停止手段513として機能する。制御部5は測定部3に停止信号を送信し、測定部3が動作を停止する。これにより、ポンプ4の停止時に測定部3が不要な動作をしないようにして、測定部3を保護する。なお、測定部3の停止とは、測定部3全体を停止する場合と、測定部3の一部を停止する場合とが挙げられる。具体的には、後者は測定に使用する各種装置の一部を停止するものである。
【0027】
例えば、NO(窒素酸化物)の測定では、オゾン発生器が測定部3に含まれているが、オゾンを生成すると、オゾンの影響により測定部3が劣化するおそれが出てくるため、オゾン発生器を停止させるものである。なお、測定部3に含まれる例えば蛍光灯などは、停止させなくとも問題がないためそのまま点灯させておいても良い。また、測定部3に含まれる温調部なども再起動に時間を要するためそのままにしても良い。このように測定部3の一部を停止させて再開後の暖気運転を不要とすることにより、即座の測定再開を可能とする。
【0028】
続いて、制御部5はアラーム停止手段514として機能する。通常時では、測定部3内に異物が混入して測定値が異常と判定される測定値異常が発生したり、ポンプ4が停止したときに判定される装置異常が発生したとき、制御部5は異常を検知してアラームを発生するようになされているが、フィルタ交換途中ではポンプ4が停止するため、アラーム停止手段514によりポンプが停止してもアラーム検知しないようにする。これにより、無用なアラームを抑制する。
フィルタ交換時には、これらポンプ停止・測定部停止・アラーム停止が即座に行われる。また、なおもオペレータによるフィルタ交換が続けられているものとする。
【0029】
そして、フィルタ交換が終了してオペレータが図3(c)で示す「完了」ボタンを押下したとき、フィルタ交換期間が終了する。
続いて、制御部5は復帰手段515として機能する。制御部5は、フィルタ交換前の状態に復帰させるものであり、すなわち、測定部3およびポンプ4を再び通常稼働させたり、表示部7の表示を図3(a)で示すような測定中の表示に戻す。なお、「フィルタ交換」ボタンの表示は測定中に表示しない形態では消し、測定中でも表示する形態では表示したままとする。
【0030】
続いて、制御部5はフィルタ交換時加工保存手段516として機能する。フィルタ交換時の測定値は信頼性がない異常測定値である。そこで、長期間にわたる測定値を使用して算出される加工値を有効にするため、フィルタ交換時の異常測定値を除いた測定値に基づいて加工値を生成する。
【0031】
例えば、加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値出現期間は異常測定値に代えて異常測定値検出直前の測定値、および、異常測定値非出現期間はそのままの測定値、をそれぞれ用いて積算した積算値を、所定期間で除して平均した値とする。ここで異常測定値に代えて異常測定値検出直前の測定値とするため、フィルタ交換直前の測定値をホールドし続けるようにしても良い。
また、他の加工値の例として、所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値を除く測定値の積算値を、所定期間から異常測定値出現期間を引いた期間で除して平均した値としても良い。
【0032】
これらの処理により、異常な測定値が混入しないため測定値・加工値(特に一時間平均値)の信頼性を高めることができる。
そして、制御部5はこれら測定値や加工値(一時間平均値)を、制御部5に接続された図示しない記憶部にデータとして保存したり、あるいは、制御部5に接続された図示しない記録計にグラフとしてプロットしたりして測定値・加工値を保存する。
この後、制御部5は、通常の測定動作に戻り、先に説明した測定手段502、測定値処理手段503、加工保存手段504として機能することで、通常測定を行う。
【0033】
なお、フィルタ交換が所定期間内に終了しないで、図3(c)で示す「完了」ボタンが押下されなかったとき、制御部5は交換期間超過時処理手段521として機能する。制御部5はタッチパネル8に表示信号を出力して、図3(d)で示すような警告メッセージを表示させるとともに、測定値や加工値はもはや信頼性がないものとして測定値や加工値を無効化するように機能する。無効化の具体例として、例えば先に説明した一時間平均値を破棄してリセットしたり、または、「error」というような文字データを入力する。
【0034】
このような環境測定装置100によれば、フィルタ交換時にはポンプ4を停止してフィルタ2を通過しないで異物を含む気体試料が環境測定装置内100に導入されないようにできるため、異常測定値の測定という異常動作や、異物の付着による測定性能の変化や配管の目詰まりという装置劣化が起こるおそれが著しく少なくなる。
【0035】
また、ポンプ停止や測定部停止に伴い異常測定値が検出される場合でも、この異常測定値に変えてポンプ停止直前の測定値をホールドして用いることで、長期間にわたる測定値を用いる加工値(例えば一時間にわたり濃度を測定し、この一時間の濃度平均を算出した一時間平均値)が無効にならないようにして、欠測が生じないようにすることもできる。
このように本発明では、フィルタ交換時において、異常動作、装置劣化および欠測を極力回避して、測定能力を高めた環境測定装置を提供することができる。
【0036】
なお、停止させると再起動に時間を要するような測定部3の場合、フィルタ交換時でも測定部3を全部停止させないようにして、測定部停止手段513を省略しても良い。この場合、得られた測定値を異常測定値として扱い、制御部5における演算時に対処することができる。
また、例えば、NO用環境測定装置ではオゾン発生器が必要であったが、オゾン発生器のように環境測定装置を劣化させる機器を含まない測定部3であるときも、測定部停止手段513を省略しても良い。この場合も、得られた測定値を異常測定値として扱い、制御部5における演算時に対処可能である。
【0037】
さらに、上記の説明では本発明を大気汚染測定装置に適用した場合について述べたが、本発明は、液体試料が導入されるUV計測器やCOD計測器等の水質汚濁測定装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施するための最良の形態の環境測定装置の構成図である。
【図2】フィルタ交換部の構成図である。
【図3】表示部の表示画面の説明図で、図3(a)は測定時の表示画面、図3(b)はフィルタ交換選択時の表示画面、図3(c)はフィルタ交換中の表示画面、図3(d)はフィルタ交換期間超過時の表示画面である。
【符号の説明】
【0039】
100:環境測定装置
1:気体試料導入口
2:フィルタ
3:測定部
4:ポンプ
5:制御部
501:設定手段
502:測定手段
503:測定値処理手段
504:加工保存手段
511:フィルタ交換選択手段
512:ポンプ停止手段
513:測定部停止手段
514:アラーム停止手段
515:復帰手段
516:フィルタ交換時加工保存手段
521:交換期間超過時処理手段
6:操作入力部
7:表示部
8:タッチパネル
10:フィルタ交換部
11:ケース
12:中ぶた
13:ふた
14:導入管
20:前扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境について測定を行う環境測定装置において、
試料中に含まれる異物を捕集するフィルタと、
フィルタを通過した試料に含まれる物質の濃度を測定する測定部と、
試料を吸引するための吸引部と、
測定部および吸引部に接続される制御部と、
を備え、この制御部は、
フィルタ交換時に吸引部による測定部への試料の吸引を停止させる手段と、
フィルタ交換時の異常測定値を除く測定値に基づいて加工値を生成して保存を行う手段と、して機能することを特徴とする環境測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の環境測定装置において、
前記加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値出現期間は異常測定値に代えて異常測定値検出直前の測定値、および、異常測定値非出現期間はそのままの測定値、をそれぞれ用いて積算した積算値を、所定期間で除して平均することを特徴とする環境測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の環境測定装置において、
前記加工値は所定期間にわたる測定値の平均値であって、異常測定値を除く測定値の積算値を、所定期間から異常測定値出現期間を引いた期間で除して平均することを特徴とする環境測定装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
フィルタ交換時に測定部の停止を行う手段として機能することを特徴とする環境測定装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
アラームを停止する手段として機能することを特徴とする環境測定装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部は、さらに、
フィルタ交換に要する期間が所定期間を超過した場合に警告を発するとともにフィルタ交換時の測定値または加工値を無効化する手段として機能することを特徴とする環境測定装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の環境測定装置において、
前記制御部に接続され、操作入力信号を制御部へ入力する操作入力部と、
前記制御部に接続され、制御部からの表示信号に応じて映像表示する表示部と、
を備え、前記制御部は、
操作入力部を介してフィルタ交換が選択されたことを検出する手段と、
表示部にフィルタ交換推奨時間を表示させる手段と、して機能することを特徴とする環境測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−214813(P2006−214813A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26524(P2005−26524)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】