説明

環境試験装置のパレット搬送方法

【課題】試験槽内に被試験品を出し入れする際の外気の侵入を最小限に抑制できるようにした環境試験装置を提案すること。
【解決手段】ライン型環境試験装置1のパレット搬送機構20は送りピン23が同一のピッチで取り付けられた搬送シャフト24、25を有し、各送りピン23を搬送路15上の各パレット4に係合させ、1ピッチずつで間欠的に一括して搬送する。搬送シャフト24、25の送りピン23のうち、試験槽5の搬入口6の手前の送り位置4−2,4−12から次の送り位置4−3、4−13にパレットを送る送りピンを取り除き、これらの間の1ピッチ分のパレットの送りはパレット送り部材50によって行う。試験槽5へのパレット4の搬入と搬出が交互に行なわれるので、試験槽5の搬入口6、搬出口7を同時に開く必要がなく、試験槽5への外気の侵入を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品、電子部品などの被試験品に対して様々な環境温度に設定された試験槽内で通電試験などの各種の環境試験を行う環境試験装置に関し、特に、試験槽を経由して被試験品を載せたパレットを間欠的に一括して搬送するパレット搬送方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境試験装置、例えばライン型環境試験装置は、温度や湿度が調整された各試験槽に被試験品を順次に搬入して、当該被試験品に対して異なる条件で環境試験を行うものである。このようなライン型環境試験装置では、各試験槽の一方の端に形成された搬入口から被試験品を載せたパレットを搬入して、各試験槽内を搬送する間に被試験品を所定温度に到達させて通電などの試験を行ない、各試験槽の他方の端に形成された搬出口から搬出して、次の試験槽に向けて搬送するようになっている。搬入口および搬出口には試験槽への外気の侵入を防止するための搬入口シャッタ、搬出口シャッタが取り付けられており、パレットの搬入、搬出に同期して一時的に開くようになっている。
【0003】
パレットの搬送機構としては、各試験槽を通るパレット搬送路に沿って、被試験品を載せた各パレットを、同一のピッチを保持したまま、当該ピッチと同一の送りピッチで間欠的に搬送して、各試験槽の搬入口から新たなパレットを搬入する動作と、各試験槽の搬出口から試験終了後のパレットを搬出する動作を同時に行う機構のものが知られている。例えば、特許文献1にこの形式のパレット搬送機構が開示されている。
【0004】
図3は特許文献1に開示のパレット搬送機構を示す説明図である。この図に示すように、従来のパレット搬送機構は搬送路を規定する水平案内レールに沿って所定のストロークで前後に往復移動可能であると共に中心軸線の回りに回転可能な搬送シャフト80と、この搬送シャフト80における中心軸線方向に沿って所定の間隔で取り付けられた送りピン81と、前記送りシャフトを前後に往復移動させるシャフト送り機構82と、当該送りシャフトを回転させるシャフト回転機構83とを備えている。パレット90には、送りピン81が所定の角度位置にあるときに当該送りピン81に係合する係合部が形成されている。
【0005】
搬送シャフト80を回転して送りピン81をパレット90の係合部に係合させ、この状態で搬送シャフト80を前方に送りだせば、パレット90が搬送路に沿ってスライドするので、所定ストロークだけ前方に前進させることができる。その後、搬送シャフト80を回転して送りピン81とパレットの係合部との係合を解除して、搬送シャフト80を後方に所定ストロークだけ戻す。かかる動作を繰り返し行うことにより、各パレット90を間欠的に所定ストロークずつ一括して送り出すことができる。
【特許文献1】特開2004−212091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この形式のパレット搬送機構では、搬送路上にある各パレット90が同一のタイミングで前進と停止を繰り返す。このため、パレット搬送時には、試験槽100において、その搬入口91からのパレット90(A)の搬入と、その搬出口92からのパレット90(Z)の搬出が同時に行われる。したがって、パレット搬送時には、搬入口シャッタ93および搬出口シャッタ94が同時に開くので、試験槽100に外気が侵入しやすい。
【0007】
外気が侵入すると試験槽内の温度が大きく変動してしまうので、試験槽内の温度状態を効率良く維持することができない。また、外気が侵入すると、試験槽内を所定温度にするための温度制御機構の構成部品である冷却器に霜が付いて冷却性能が低下してしまうなどの弊害も発生する。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、試験槽内に被試験品を出し入れする際の外気の侵入を最小限に抑制できるようにした環境試験装置のパレット搬送方法、および当該パレット搬送方法を採用した環境試験装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、試験槽を経由するパレット搬送路に沿って被試験品を載せた各パレットを搬送し、試験槽において各パレット上の被試験品に環境試験を順次に行う環境試験装置におけるパレット搬送方法において、送りピンが一定のピッチで取り付けられている搬送シャフトを、各送りピンが前記パレット搬送路上の各パレットに係合した状態で、当該パレット搬送路に沿って前進させて各パレットを前方に1ピッチ分だけ送り出す動作と、当該搬送シャフトを、各送りピンが各パレットから外れた状態で、元の位置まで後退させる動作とを繰り返して、前記パレット搬送路上に位置している各パレットを間欠的に1ピッチずつ一括して搬送し、前記搬送シャフトの前記送りピンのうち、試験槽におけるパレット搬入口の手前の送り位置から、当該パレット搬入口を通過し終えた次の送り位置まで、前記パレットを送り出すための送りピンを省略しておき、当該送り位置間の1ピッチ分の前記パレットの送りを、前記搬送シャフトとは別個に設けたパレット送り部材を用いて行ない、前記搬送シャフトによる送り動作と前記パレット送り部材による送り動作を交互に行うことを特徴としている。
【0010】
本発明のパレット搬送方法では、パレット搬入口の手前の送り位置まで搬送されてきたパレットは、その位置に留まり、搬送シャフトの送り動作によって次の送り位置に送り出されることはない。この送り位置まで搬送されてきたパレットは、搬送シャフトとは別個に設けたパレット送り部材による送り動作によって次の送り位置まで送り出される。パレット送り部材によって次の送り位置まで送り出されたパレットは、再び、搬送シャフトによって順次に1ピッチずつ次の送り位置に送り出される。
【0011】
したがって、搬送シャフトによるパレット送り動作を、パレット搬入口を閉じ、パレット搬出口のみを開けた状態で行ない、当該パレット搬出口から1枚のパレットを試験槽外に搬出することができる。パレット搬入口とパレット搬出口とを同時に開けなくても済むので、試験槽内への外気の侵入を抑制できる。
【0012】
また、パレット送り部材による送り動作時には、パレット搬入口のみを開けた状態で行うことができる。この場合にも、パレット搬入口とパレット搬出口とを同時に開けなくても済むので、試験槽内への外気の侵入を抑制できる。
【0013】
さらに、本発明の搬送方法は、送りピンが一定のピッチで取り付けられている搬送シャフトから、試験槽のパレット搬入口手前の送り位置から次の送り位置にパレットを送るための送りピンを省略し、この1ピッチ分の送りのみを行う小型の送り部材を配置するだけで実現できる。よって、大幅な設計変更を伴うことなく既存の環境試験装置に適用することができる。
【0014】
次に、本発明は環境試験装置に関するものであり、本願発明による環境試験装置は、上記のパレット搬送方法により被試験品を載せたパレットを試験槽を経由させて搬送することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パレットの送り動作時には、試験槽のパレット搬入口あるいはパレット搬出口の一方のみを開けておくだけで良い。したがって、パレット搬入口および搬出口の双方が開放状態になる場合に比べて、試験槽内への外気の侵入を抑制できるので、試験槽内の温度状態を効率良く維持することができる。また、外気の侵入によって、試験槽内を所定温度にするための温度制御機構の構成部品である冷却器に霜が付いて冷却性能が低下してしまうなどの弊害の発生も抑制あるいは回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態に係るライン型環境試験装置を説明する。
【0017】
(全体構成)
図1は、本実施の形態に係るライン型環境試験装置を示す概略構成図であり、(a)はパレットが搬送路の上流端に投入された状態を示し、(b)はパレットが試験槽から搬出された状態を示し、(c)はパレットが試験槽に搬入された状態を示し、(d)は各パレットの送り位置を示す。
【0018】
これらの図に示すように、ライン型環境試験装置1は、被試験品に対して所定の温度で環境試験を行う2つの環境試験装置2、3を直列に連結したものである。各環境試験装置2、3は同一の構成を備えているので、共通部分には同一の符号を付して説明する。
【0019】
各環境試験装置2、3は、それぞれ環境試験を行うための試験槽5を備えており、試験槽5の一方の端に形成された搬入口6から被試験品を載せたパレット4を搬入して、試験槽5内を搬送する間に被試験品を所定温度に到達させて通電試験を行ない、試験槽5の他方の端に形成された搬出口7から搬出するようになっている。矢印はパレット4の搬送方向である。
【0020】
上流側の環境試験装置2の試験槽5は低温槽になっており、その上流には冷却槽へ搬入される被試験品に結露が発生することを防止するための結露防止槽8が設けられている。下流側の環境試験装置3の試験槽5は高温槽となっており、その下流には試験槽5内で高温状態になった被試験品を冷却するための冷却槽9が設けられている。
【0021】
試験槽5は、断熱パネルで形成された直方体形状をしており、試験槽5の内部は冷却器および加熱器を備えた温度制御機構(不図示)によって所定の温度状態に保持されている。搬入口6および搬出口7は搬入口シャッタ10および搬出口シャッタ11によって封鎖されている。これらのシャッタ10、11は、搬入口6および搬出口7をパレット4が通過する際に開くようになっている。
【0022】
試験槽5内には、搬送されてくる被試験品に対して通電試験を行う試験装置12が配置されている。試験装置12は、搬送路の下方で待機している通電用端子を待機位置と通電位置との間で昇降させるための試験用エアシリンダ13と、通電用端子とは対向する方向からパレット4または被試験品を保持する冶具などを昇降させるバックアップ用エアシリンダ14とを備えている。
【0023】
次に、ライン型環境試験装置1は、2つの環境試験装置2、3の試験槽5を貫通して延びる搬送路15を備えている。また、搬送路15に沿って、被試験品を載せた各パレット4を一定の送りピッチで間欠的に一括して搬送するパレット搬送機構20を備えている。
【0024】
(パレット搬送機構)
図2(a)〜(c)はパレット搬送機構20を示す説明図であり、(a)はパレットが搬送路の上流端に投入された状態を示し、(b)はパレットが試験槽から搬出された状態を示し、(c)はパレットが試験槽に搬入された状態を示す。これらの図において、一点鎖線Lは試験槽5の搬入口6の位置を示すものであり、一点鎖線Lの左側が試験槽5の内側であり、右側が外側である。
【0025】
図1および図2を参照して説明すると、パレット搬送機構20は、搬送路15に沿ってパレット4を水平方向にスライドさせるために平行に配置された一対の水平案内レール21、22と、複数の送りピン23が送りピッチと同一のピッチで軸線方向に取り付けられた一対の搬送シャフト24、25を有している。搬送シャフト24、25は、軸受部材26により、前後方向にスライド自在、且つその中心軸線を中心として回転自在に支持されている。
【0026】
また、パレット搬送機構20は、搬送路15の下流端に配置した送り用エアシリンダ27および左右一対の回転用エアシリンダ28を備えている。送り用エアシリンダ27によって、搬送シャフト24、25は前後方向に1ピッチ分のストロークで往復移動される。回転用エアシリンダ28によって、搬送シャフト24、25は、各送りピン23が垂直に起立した姿勢、および内側に水平に倒れた姿勢となるように、それらの軸線回りに回転される。
【0027】
各パレット4は一定厚さの長方形の平板であり、その幅方向の両端部が水平案内レール21、22に載せられ、当該水平案内レール21、22に沿って前後方向にスライド可能である。各パレット4の表面には、その幅方向の両端に、それぞれ垂直に起立した係合突起40が形成されている。搬送シャフト24、25を、その送りピン23を内側に水平に倒した姿勢で前方に送り出すと、左右の送りピン23がパレット4の係合突起40に係合し、パレット4が水平案内レール21、22に沿って前方に送り出されるようになっている。
【0028】
ここで、搬送シャフト24、25に取り付けた送りピン23が全て一定のピッチpで取り付けられている場合には、搬送シャフト24、25の送り動作によって、図1に示す各送り位置4−1〜4−22・・・に順次にパレット4が送り出される。しかしながら、本例の搬送シャフト24、25には、各搬入口6の手前の送り位置4−2および4−12から次の送り位置4−3および4−13にパレット4を送り出すための送りピンが省略されている。すなわち、図2(a)において想像線で示す位置に送りピンが無く、その前後の送りピン23の間隔が2ピッチ2pとされている。
【0029】
本例のパレット送り機構20は、送り位置4−2、4−12から送り位置4−3、4−13にパレット4を1ピッチ分だけ送り出すために、2組のパレット送り部材50を備えている。パレット送り部材50はプッシャー51によって、搬送路15に沿って1ピッチ分のストロークで前後に移動させられる。プッシャー51は昇降用エアシリンダ52によって昇降され、搬送シャフト24、25によるパレット4の送り動作時には、それらの下側の位置に退避し、パレット送り部材50が送り出されるパレット4に干渉しないようにしている。
【0030】
(パレットの送り動作)
次に、図1および図2を参照して、ライン型環境試験装置1におけるパレット送り動作を説明する。
【0031】
パレット4は例えば不図示のパレット投入機構によって、搬送路15の上流端の送り位置4−1に投入される。図1(a)、図2(a)に示すように、パレット4(A)が投入されると、搬送シャフト24、25がその軸線回りに回転して送りピン23が内側に水平に倒れ、この状態で搬送シャフト24、25が前方に1ピッチ分だけ送り出される。水平に倒れた送りピン23はパレット4(A)の左右の係合突起40の後側に係合し、パレット4(A)を1ピッチ分だけ送り出して次の送り位置4−2に位置させる。
【0032】
ここで、搬送シャフト24、25には、当該送り位置4−2から次の送り位置4−3にパレット4(A)を送り出すための送りピンが取り付けられてない。すなわち、搬送シャフト24、25をその軸線回りに回転して送りピン23を垂直に起立させ、しかる後に、元の位置まで1ピッチ分後退させた後に、再び搬送シャフト24、25をその軸線回りに回転させて送りピン23を水平に倒しても、当該送り位置4−2に位置しているパレット4(A)に係合する送りピンが存在しない。
【0033】
先に述べたように、送り位置4−2に到ったパレット4(A)の送りは、搬送シャフト24、25とは別の部材であるパレット送り部材50によって行われる。図1(b)、図2(b)に示すように、パレット4(A)が送り位置4−2に送り出された後は、搬送シャフト24、25が元の位置に戻る動作が行われる間に、パレット送り部材50が上昇してパレット4(A)の後端を1ピッチ分だけ送り出し、次の送り位置4−3に位置させる。図1(c)、図2(c)に示すように、パレット4(A)が送り位置4−3まで送り出されると、その後、搬送シャフト24、25は元の位置まで後退する。
【0034】
この後は、新たなパレット4が送り位置4−1に投入され、次に、搬送シャフト24、25によって新たなパレット4および送り位置4−3に位置しているパレット4(A)が1ピッチ分だけ送り出されて、それぞれ次の送り位置4−2および4−4に至る。
【0035】
このようにして、搬送シャフト24、25による送り動作と、パレット送り部材50による送り動作を交互に行うことにより、パレット4は搬送路15の上流端の送り位置4−1から1ピッチずつ次の送り位置に送り出される。かかる送り動作を繰り返すことにより、図1に示すように、搬送路15上の各送り位置にパレット4が位置した状態になり、搬送路15の下流端からは、試験が終了した試験品が載っているパレット4に順次に間欠的に送り出される。
【0036】
ここで、各試験槽5の搬入口6および搬出口7は同時に開閉する必要がなく、一方のみを開けるだけでよい。上記のように、各試験槽5の搬入口手前の送り位置4−2および4−12から各試験槽内にパレット4を送る搬入動作はパレット送り部材50によって行われる。パレット送り部材50による送り動作時には搬送シャフト24、25による送り動作が行われていない。したがって、各試験槽5にパレットを搬入する際には、各試験槽5の搬出口7を搬出口シャッタ11で閉じたままでよい。
【0037】
逆に、各試験槽5の搬出口からパレットを送り出す動作は搬送シャフト24、25によって行われる。すなわち、送り位置4−10、4−20から次の送り位置4−11、4−21にパレットを送る動作は、送り位置4−2および4−12に位置する2枚のパレット以外のパレットが一括して1ピッチ分送り出される。したがって、各試験槽5からパレットを搬出する際には、各試験槽5の搬入口6を搬入口シャッタ10で閉じたままでよい。
【0038】
以上説明したように、ライン型環境試験装置1の搬送シャフト24、25には、搬入口6の手前の送り位置4−2、4−12からパレット4を1ピッチ分送り出すための送りピン23aが備わっていない。よって、搬送シャフト24、25によるパレット送り動作によって、搬入口6の手前の送り位置4−2、4−12にあるパレット4が試験槽5内へ搬入されることがない。これらの送り位置4−2、4−12にあるパレットは、別個に設けたパレット送り部材50によって次の送り位置4−3、4−13に送られる。
【0039】
したがって、搬送シャフト24、25による送り動作と、パレット送り部材50により送り動作を交互に行うことにより、各試験槽5へのパレット4を搬入する送り動作時に各試験槽5からパレット4を搬出する送り動作が行われず、各試験槽5からパレットを搬出する送り動作時に各試験槽5にパレット4を搬入する送り動作が行われない。よって、各試験槽5において搬入口6および搬出口7を同時に開状態にする必要がない。このため、試験槽5内への外気の侵入を抑制でき、試験槽5内の温度状態を効率良く維持することができる。また、外気の侵入によって、試験槽5内を所定温度にするための温度制御機構の構成部品である冷却器に霜が付いて冷却性能が低下してしまうなどの弊害が発生することがない。
【0040】
さらに、本例のパレット搬送機構20は、搬送シャフト24、25に一定のピッチで取り付けられている送りピンの一部を取り去り、1ピッチ分だけパレットを搬送するための送り機構を配置することにより構築できる。したがって、大幅な設計変更を伴うことなく、また、コスト高を招くことがない。
【0041】
なお、本例では、搬送シャフト24、25をその軸線回りに回転させることにより、各送りピン23をパレット4に係合した位置および係合が解除された位置に切り替えるようにしている。この代わりに、搬送シャフトを上下あるいは左右に移動させることにより、送りピンの係合および係合解除を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用したライン型環境試験装置を示す概略構成図であり、(a)はパレットが搬送路の上流端に投入された状態を示し、(b)はパレットが試験槽から搬出された状態を示し、(c)はパレットが試験槽に搬入された状態を示し、(d)は搬送路上のパレットの各送り位置を示す。
【図2】図1のパレット搬送機構を示す説明図であり、(a)はパレットが搬送路の上流端に投入された状態を示し、(b)はパレットが試験槽から搬出された状態を示し、(c)はパレットが試験槽に搬入された状態を示す。
【図3】従来のパレット搬送機構を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ライン型環境試験装置
2、3 環境試験装置
4、4(A)、90、90(A)、90(Z) パレット
5、100 試験槽
6、91 搬入口
7、92 搬出口
10、93 搬入口シャッタ
11、94 搬出口シャッタ
12 試験装置
13 試験用エアシリンダ
14 バックアップ用エアシリンダ
15 搬送路
20 搬送機構
21、22 水平案内レール
23、23a、81 送りピン
24、25、80 搬送シャフト
27、82 送り用エアシリンダ
28、83 回転用エアシリンダ
40 係合突起
50 パレット送り部材
51 プッシャー
52 昇降用エアシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験槽を経由するパレット搬送路に沿って被試験品を載せた各パレットを搬送し、試験槽において各パレット上の被試験品に環境試験を順次に行う環境試験装置におけるパレット搬送方法において、
送りピンが一定のピッチで取り付けられている搬送シャフトを、各送りピンが前記パレット搬送路上の各パレットに係合した状態で、当該パレット搬送路に沿って前進させて各パレットを前方に1ピッチ分だけ送り出す動作と、当該搬送シャフトを、各送りピンが各パレットから外れた状態で、元の位置まで後退させる動作とを繰り返して、前記パレット搬送路上に位置している各パレットを間欠的に1ピッチずつ一括して搬送し、
前記搬送シャフトの前記送りピンのうち、試験槽におけるパレット搬入口の手前の送り位置から、当該パレット搬入口を通過し終えた次の送り位置まで、前記パレットを送り出すための送りピンを省略しておき、
これらの送り位置間の1ピッチ分の前記パレットの送りを、前記搬送シャフトとは別個に設けたパレット送り部材を用いて行ない、
前記搬送シャフトによる送り動作と前記パレット送り部材による送り動作を交互に行うことを特徴とする環境試験装置のパレット搬送方法。
【請求項2】
前記パレット搬入口を閉じ、前記パレット搬出口を開けた状態で、前記搬送シャフトによる送り動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置のパレット搬送方法。
【請求項3】
前記パレット搬入口を開き、前記パレット搬出口を閉じた状態で、前記パレット送り部材による送り動作を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の環境試験装置のパレット搬送方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のパレット搬送方法により被試験品を載せたパレットを試験槽を経由させて搬送することを特徴とする環境試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−232680(P2008−232680A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69735(P2007−69735)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】