説明

環境試験装置

【課題】階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置を提供することにある。
【解決手段】環境試験装置では、操作部3でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う。操作部3には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるクイックボタン20と、クイックボタン20における所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する設定入力変更手段とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置に関するものであり、詳細には、運転操作及び設定変更操作に適用し得るショートカットボタンを備えた環境試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の寿命や耐久性等を試験するために、環境試験装置を用いて各種の温度条件下、及び各種の湿度条件下等の負荷を一定時間かけた例えばサイクル試験による環境試験が行なわれている。
【0003】
近年では、そのサイクル試験における環境条件も多様化しており、環境試験装置も高機能化されていることから、運転操作のための設定項目も多くなっており、環境試験に際してサイクル試験における全工程の環境条件を設定する作業も複雑となっている。
【0004】
通常、環境試験装置の操作パネルにおける環境条件の設定は、階層構造になっているので、具体的な環境条件の設定は、下位の階層レベルで行われることが多い。このため、操作部でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う場合には、何度もボタン操作を行う必要がある。
【0005】
一方、一旦設定した環境条件の設定において、その一部を変更したい場合も多い。この場合、その環境条件を設定する設定モードの表示画面が、階層構造における下位の階層レベルであるときには、設定時と同様に、その環境条件を設定する設定モードの表示画面になるまで何度もボタン操作を行う必要があり、従来においては、その環境条件の変更は容易ではなかった。
【0006】
上記環境条件の設定を変更する場合の操作について、本発明の実施の形態の説明図である図5(a)(b)(c)に基づいて説明する。
【0007】
例えば、環境試験装置において、設定変更プロテクトが「OFF」となっていたのを「ON」に変更する操作手順について説明する。ここで、設定変更プロテクトとは、環境試験装置の操作パネルにて設定を行った各種の環境条件を、変更できないように、その設定変更をプロテクト(書き込み保護)する操作である。設定変更プロテクトを「ON」することにより、設定変更ができなくなる一方、通常は、設定変更プロテクトは「OFF」となっており、設定変更ができる状態となっている。
【0008】
例えば、設定変更プロテクトを「ON」に変更する場合には、まず、図5(a)に示すように、プログラム設定ボタン15を長押しして管理設定モードに入る。この管理設定モードに入ると、管理設定メニュー画面において、最初に、「タイマ設定」の管理設定項目が表示され、ボタンを繰り返し押すことによって、各種の管理設定項目が順次表示される。ここで、プロテクト設定は、図5(b)に示すように、各種の管理設定項目において、例えば6番目となっている。したがって、この管理設定メニュー画面において、項目が順次下に行くように、ボタンを6回押す。そして、表示部2がプロテクト設定モードの表示になれば、確定次項ボタンを押すことによって、図5(c)に示すように、プロテクト設定画面(設定変更)が表示される。したがって、このプロテクト設定画面(設定変更)で設定変更プロテクトを「OFF」から「ON」に変更する。これによって、設定変更プロテクトを「ON」にすることができる。尚、この設定変更プロテクトを再度「OFF」にする場合には、上述した図5(a)(b)(c)の工程を経て、プロテクト設定画面(設定変更)を表示させ、このプロテクト設定画面(設定変更)で設定変更プロテクトを「ON」からに「OFF」に変更すればよい。
【0009】
ところで、このような環境条件の設定変更は、前述したように、階層構造において順を追って、その設定モードにまで到達しなければならないので、変更が容易ではない。
【0010】
そこで、このような問題に対応するために、例えば、特許文献1では、階層構造の段階的操作を経ないでも変更操作を可能とするショートカットボタンを設けている。
【0011】
すなわち、特許文献1の技術は、グラフィカルなユーザーインターフェースを持つ製造装置において、通常では複数の操作を行って起動するパラメータ変更画面を、一度の操作で起動できるようにするショートカットボタンの作成方法を開示するものである。具体的には、パラメータ変更の履歴を保存し、一定回数以上変更されたパラメータの変更用に自動的にショートカットボタンを作成するようになっている。
【0012】
上記ショートカットボタンの作成方法としては、特許文献1の技術は、グラフィカルなユーザーインターフェースを持つパソコンでの操作変更であるので、図15(a)に示すように、パラメータ変更のログファイルにおいて、変更パラメータIDが「00234」及び「0023B」がそれぞれ5回以上となっているので、図15(b)に示すように、この変更パラメータID「00234」及び「0023B」を自動的に抜き出すようになっている。そして、図16に示すように、例えば、パソコン画面におけるスタートジョブ画面において、変更パラメータID「00234」である「露光中のジョブ/レクチルファイルのロード」が、自動的に表示されるので、容易に、変更パラメータID「00234」である「露光中のジョブ/レクチルファイルのロード」を「ON」に設定可能となっている。
【0013】
また、特許文献2では、階層メニューを有する業務用コンピュータプログラムにおいて、図17に示すように、あらかじめ定められたスケジュールにしたがって当日又は近日中に実行すべき業務の実行ボタンに対応するショートカットボタン101…をパソコン画面における業務初期メニューの表示画面102に表示する。そして、ショートカットボタン101…が押下されたときに、各ショートカットボタン101…に対応する業務の識別番号、業務実行ボタンの属するメニュー番号及びメニュー内位置を規定するショートカットマスタを参照することにより、階層メニューを辿るようにしてショートカットボタン101…に対応する業務の実行ボタンが属する処理メニューを表示した後に業務を実行し、業務を終了したときに業務の実行ボタンが属する処理メニューを表示するようになっている。
【0014】
これにより、ショートカットボタン101…による効率的な操作を可能とするメニュー画面制御方法を提供するものとなっている。
【特許文献1】特開2001−22493号公報(平成13年1月26日公開)
【特許文献2】特開2004−302522号公報(平成16年10月28日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記従来のショートカットボタンは、いずれもパソコン画面でのショートカットボタンの作成であるので、ショートカットボタンの作成を容易に行うことができるものとなっている。
【0016】
しかしながら、操作条件の設定を、パソコンの画面全体で行うという機能を有しないために、各種ボタンを順次押すことにより、階層構造になった設定条件を設定するものも多い。したがって、従来の環境試験装置においては、階層構造の設定画面において、少ないボタンを何度も押すことにより、操作条件の設定入力及び設定変更を行っているという現状がある。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の環境試験装置は、上記課題を解決するために、操作部でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う環境試験装置において、上記操作部には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるショートカットボタンと、上記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する設定入力変更手段とが設けられていることを特徴としている。
【0019】
上記の発明によれば、環境試験装置は、操作部でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う。
【0020】
この場合、設定画面は階層構造となっているので、例えば、一部の操作条件を変更する場合には、所望の設定画面を表示させるために、操作部でのボタン操作を何回も行わなければならない場合があり、煩わしい作業となる。
【0021】
これに対して、本発明では、操作部には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるショートカットボタンと、上記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する設定入力変更手段とが設けられている。
【0022】
このため、変更したい一部の操作条件が頻出する操作条件である場合には、ショートカットボタンを押すことによって、変更したい一部の操作条件を設定入力及び設定変更する所望の設定画面を直ちに表示させることができるので、変更が容易である。
【0023】
したがって、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置を提供することができる。
【0024】
また、本発明の環境試験装置では、前記階層構造における各設定画面には、IDコードが割り当てられていると共に、前記設定入力変更手段は、上記IDコードの入力に基づいて、階層構造における所望の設定画面を設定することが好ましい。
【0025】
これにより、設定画面が階層構造になっていても、階層構造における各設定画面に割り当てられたIDコードを用いることにより、所望の設定画面を容易に設定することができる。
【0026】
また、本発明の環境試験装置では、前記設定入力変更手段は、複数の操作条件を設定入力及び設定変更することが好ましい。
【0027】
これにより、例えば、温度の操作条件と湿度の操作条件との複数の操作条件をまとめて設定入力及び設定変更することができる。
【0028】
また、本発明の環境試験装置では、設定された操作条件を、設定時刻を含めて経時的に記憶しておく操作履歴記憶手段が設けられていると共に、前記設定入力変更手段は、上記操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更することが好ましい。
【0029】
これにより、操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更することができる。
【0030】
したがって、以前に実施した環境試験の操作プログラムを引用して操作条件を設定することができるので、操作条件の設定作業が容易となる。
【0031】
また、本発明の環境試験装置では、前記操作履歴記憶手段に記憶された操作条件の設定時刻から各操作条件での運転時間を演算する演算手段を備えていると共に、前記設定入力変更手段は、上記操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、上記演算手段にて演算された各操作条件での運転時間を含めて設定入力及び設定変更することが好ましい。
【0032】
すなわち、操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、各操作条件での運転操作時間を含めて設定入力及び設定変更できることが好ましい。
【0033】
しかし、操作履歴記憶手段には、以前に設定した操作条件が、その設定時刻を含めて経時的に記憶されているだけであるので、運転時間は直ぐには設定できない。
【0034】
この点、本発明では、操作履歴記憶手段に記憶された操作条件の設定時刻から各操作条件での運転時間を演算する演算手段を備えているので、演算手段にて各操作条件での運転時間を演算して求めることができる。
【0035】
したがって、操作履歴記憶手段に記憶された操作条件の設定時刻に基づいて、温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、その温度条件及び湿度条件における運転時間も含めて設定することが可能となる。
【0036】
また、本発明の環境試験装置では、パーソナルコンピュータとの通信を行う通信手段と、上記パーソナルコンピュータにて設定入力及び設定変更された前記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、上記通信手段を介して入力する制御手段とが設けられていることが好ましい。
【0037】
これにより、前記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、パーソナルコンピュータにて、設定入力及び設定変更することができる。このため、パーソナルコンピュータでは、キーボードにて設定入力及び設定変更の入力操作ができるので、入力操作が容易となる。
【0038】
また、本発明の環境試験装置では、前記制御手段は、前記パーソナルコンピュータにて設定入力及び設定変更されかつ移動可能な記録媒体に記憶された前記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、入力することが好ましい。
【0039】
これにより、環境試験装置とパーソナルコンピュータとを通信ケーブルで接続する必要がなく、かつ、パーソナルコンピュータにて、キーボードを用いて設定入力及び設定変更の入力操作を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の環境試験装置は、以上のように、操作部には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるショートカットボタンと、上記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する設定入力変更手段とが設けられているものである。
【0041】
それゆえ、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置を提供するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0043】
本実施の形態の環境試験装置は、製品の寿命や耐久性等を試験するために、各種の温度条件下、及び各種の湿度条件下等の負荷を一定時間かけた例えばサイクル試験による環境試験を行うものである。
【0044】
上記環境試験装置は、図1に示すように、操作パネル1を備えており、この操作パネル1には、表示部2及び操作部3が設けられている。
【0045】
上記表示部2は、例えば2行程度で、例えば「管理設定」、「定値運転中」等の見出しと、「タイマ設定」、「設定温度」等の操作条件と、「S01」、「300℃」等の定値が表示できるようになっている。すなわち、本実施の形態では、例えば4項目表示できるようになっている。ただし、本発明では、必ずしもこれに限らず、より多くの項目が表示できるものであってもよい。
【0046】
上記操作部3には、図1に示すように、例えば、電源ボタン11と、運転開始/終了ボタン12と、モニタボタン13と、定値設定ボタン14と、プログラム設定ボタン15と、上ボタン16a・下ボタン16b及び左ボタン16cと、確定次項ボタン17aと、前項ボタン17bと、警報/ブザーボタン18と、ショートカットボタンとしてのクイックボタン20とが設けられている。尚、本実施の形態では、プログラム設定ボタン15を例えば1秒以上の長押しすることによって、管理設定モードにすることが可能となっている。
【0047】
上記の操作パネル1では、図2に示すように、電源ボタン11を押すと、電源「ON」となり、モニタボタン13を押すことによって、表示部2に、例えば「モニタ M01 停止」が表示される。このモニタボタン13は、各種のモニタモードを表示するものである。すなわち、表示部2に「モニタ M01 停止」が表示されているときに、確定次項ボタン17aを繰り返し押すことにより、「モニタ M02 設定温度 200℃」、「モニタ M03 ヒーター 0%」が順に表示される。また、前項ボタン17bを押すことにより、表示を前の状態に戻すことができる。尚、上記「M01」、「M02」、「M03」…はモニタモードの種類を示すIDコードを示している。
【0048】
一方、電源ボタン11が既に押されて環境試験装置が「ON」状態であるときに、電源ボタン11を押すと表示部2に「デンゲン OFF?」「YES」が表示される。したがって、確定次項ボタン17aを押すことによって、電源が「OFF」される。尚、表示部2に「デンゲン OFF?」「YES」が表示されているときに、下ボタン16bで、「YES」を「NO」に変えることができる一方、「NO」の状態で確定次項ボタン17aを押すことにより、元の画面に戻るようになっている。
【0049】
また、図2に示すように、定値設定ボタン14は、各種の定値設定モードを表示しかつ定値設定の入力を可能とするものである。定値設定ボタン14を押すことにより、例えば、表示部2に「定値設定 C01 温度℃ 10」が表示される。この表示において、確定次項ボタン17aを繰り返し押すことにより、「定値設定 C02 ダンパ% 10」…が順に表示される。尚、上記「C01」、「C02」…は定値設定モードの種類を示すIDコードを示している。
【0050】
ここで、上記定値設定モードの表示部2における「定値設定 C01 温度℃ 10」において、左ボタン16cを押すことにより、温度の桁移動をロータリー式に行うことができるようになっている。また、上ボタン16a・下ボタン16bで、数字を0〜9に変更可能となっている。
【0051】
さらに、図2に示すように、上記プログラム設定ボタン15は、各種のプログラム編集モードを表示しかつプログラムの編集入力を可能とするものである。プログラム設定ボタン15を押すことにより、表示部2に例えば「プログラム編集 LOCK! PGM01(03)」が表示される。そして、確定次項ボタン17aを繰り返し押すことにより、「プログラム編集 PGM01 新規作成」、「プログラム編集 PGM01 PGM削除 YES」、「プログラム編集 PGM01 ステップ」…が順に表示される。また、上ボタン16a・下ボタン16bで、「プログラム編集 PGM01 編集」、及び「プログラム編集 PGM01 詳細」に変更可能となっている。尚、上記「PGM」は、プログラム編集モードを示し、「新規作成」、「PGM削除」及び「ステップ」等は、プログラム編集メニューを示す。
【0052】
次に、上記運転開始/終了ボタン12は、図3に示すように、各種の運転操作モードを表示しかつ運転操作モードの設定を可能とするものである。上記運転操作モードは、例えば、定値運転開始と運転停止との2つに大きく分かれている。
【0053】
まず、運転開始/終了ボタン12を押すことにより、表示部2に「運転操作 O01 定値運転」が表示される。この表示において、確定次項ボタン17aを押すことにより、「運転操作 O02 定値運転開始? Yes」が表示される。また、表示部2の初期画面「運転操作 O01 定値運転」において、下ボタン16bを押すことによって、「運転操作 O01 運転停止」が表示され、この画面において、さらに確定次項ボタン17aを押すことにより、「運転操作 O03 定値運転停止? Yes」が表示される。尚、上記「O01」、「O02」、「O03」は運転操作モードの種類を示すIDコードを示している。
【0054】
次に、上記プログラム設定ボタン15を長押しすることによって、表示部2に表示される管理設定モードについて、図4(a)に基づいて説明する。
【0055】
この管理設定モードは、図4(a)に示すように、各種の管理項目の設定モードを表示しかつ管理項目の設定を可能とするものである。
【0056】
まず、プログラム設定ボタン15を長押しすることによって、表示部2に「管理設定 S01 タイマ設定」が表示される。この表示において、確定次項ボタン17aを押すことにより、「タイマ設定 T01 クイックタイマ」が表示され、再度、確定次項ボタン17aを押すことにより、タイマ設定に関する項目が表示される。また、「タイマ設定 T01 クイックタイマ」の表示がされているときに、下ボタン16bを繰り返し押すことによって、「タイマ設定 T01 開始タイマ」、「タイマ設定 T01 終了タイマ」のように、クイックタイマに関する項目が順次表示される。
【0057】
さらに、表示部2の初期画面「管理設定 S01 タイマ設定」において、下ボタン16bを押すことによって、「管理設定 S01 RS−485設定」等の各種の管理項目の表示及び設定入力の画面となる。尚、上記「S01」、「S02」、…、「T01」…は管理設定モードの種類を示すIDコードを示している。
【0058】
上記の構成を備えた環境試験装置において、環境条件の設定を変更する場合の通常の操作について、図5(a)(b)(c)に基づいて説明する。
【0059】
ここでは、例えば、環境試験装置において、設定変更プロテクトが「OFF」となっていたのを「ON」に変更する操作手順について説明する。ここで、設定変更プロテクトとは、環境試験装置の操作パネルにて設定を行った各種の環境条件を、変更できないように、その設定変更をプロテクト(書き込み保護)する操作である。設定変更プロテクトを「ON」することにより、設定変更ができなくなる一方、通常は、設定変更プロテクトは「OFF」となっており、設定変更ができる状態となっている。
【0060】
例えば、設定変更プロテクトを「ON」に変更する場合には、まず、図5(a)に示すように、プログラム設定ボタン15を長押しして管理設定モードに入る。この管理設定モードに入ると、管理設定メニュー画面において、最初に、「タイマ設定」の管理設定項目が表示され、下ボタン16bを繰り返し押すことによって、各種の管理設定項目が順次表示される。ここで、プロテクト設定は、図5(b)に示すように、各種の管理設定項目において、例えば6番目となっている。したがって、この管理設定メニュー画面において、項目が順次下に行くように、下ボタン16bを6回押す。そして、表示部2がプロテクト設定モードの表示になれば、確定次項ボタン17aを押すことによって、図5(c)に示すように、プロテクト設定画面(設定変更)が表示される。具体的には、表示部2に「プロテクト設定 S22 設定変更 OFF」と表示される。上記「S22」は、プロテクト設定モードのIDコードを示している。
【0061】
したがって、このプロテクト設定画面(設定変更)で設定変更プロテクトを「OFF」から「ON」に変更する。これによって、設定変更プロテクトを「ON」にすることができる。尚、この設定変更プロテクトを再度「OFF」にする場合には、上述した図5(a)(b)(c)の工程を経て、プロテクト設定画面(設定変更)を表示させ、このプロテクト設定画面(設定変更)で設定変更プロテクトを「ON」からに「OFF」に変更すればよい。
【0062】
上述のように、本実施の形態では、環境条件の設定変更をする場合に、各設定モードが階層構造となっているので、所望の設定画面に到達するために、上ボタン16a・下ボタン16b及び確定次項ボタン17aを何度も押さなければならず、手間がかかる。
【0063】
そこで、本実施の形態では、この設定変更容易に行うために、クイックボタン20を設けている。このクイックボタン20は、本発明における、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるショートカットボタンとしての機能を有するものである。
【0064】
本実施の形態のクイックボタン20について、以下に詳述する。尚、説明においては、最初にクイックボタン20の使用方法についての説明を行い、次に、クイックボタン20の設定方法について説明する。
【0065】
上記クイックボタン20は、図1に示すように、操作パネル1における操作部3に一つのボタンとして設けられている。尚、本発明においては、必ずしもこれに限らず、複数のクイックボタン20が設けられていてもよい。
【0066】
まず、クイックボタン20の使用方法として、このクイックボタン20を押すことにより、設定変更プロテクトが「OFF」となっていたのを「ON」に変更する操作手順について、図6(a)(b)に基づいて説明する。
【0067】
図6(a)に示すように、クイックボタン20を押すと、表示部2にプロテクト設定画面(設定変更画面)が表示される。すなわち、この画面は、前記図5(c)に示すプロテクト設定画面(設定変更画面)と同じである。
【0068】
したがって、図6(b)に示すように、このプロテクト設定画面(設定変更)で下ボタン16bにて、「OFF」から「ON」に変更する。これによって、直ちに、設定変更プロテクトをONにすることができる。
【0069】
次に、上記クイックボタン20の設定手順について、図7(a)(b)(c)及び図4に基づいて説明する。
【0070】
本実施の形態では、クイックボタン20を設定するモードとして、図4(a)(b)に示すように、管理設定モードの管理項目の一つとして、「クイックオペレーション」という管理項目が設けられており、この「クイックオペレーション」の管理設定モードで、クイックボタン20の内容を設定できるようになっている。したがって、管理設定モードは、本発明の設定入力変更手段としての機能を有している。
【0071】
図7(a)に示すように、クイックボタン20の内容を設定するときには、まず、プログラム設定ボタン15を長押しして、管理設定モードに入る。この管理設定モードに入ると、前記図4(a)に示すように、表示部2の管理設定メニュー画面において、「管理設定 S01 タイマ設定」が表示される。この表示において、下ボタン16aを例えば7回押すことにより、図7(b)及び図4(b)に示すように、「管理設定 クイックオペレーション」が表示される。
【0072】
次いで、この画面で確定次項ボタン17aを押すと、図7(c)に示すように、クイックボタン20での飛び先の画面を選択する設定入力モードとなる。
【0073】
具体的には、表示部2に、「クイックオペレーション S25 設定 モニタ M――」と表示されている。尚、この画面は、クイックボタン20の飛び先として、モニタモードMの任意の画面を指定する画面である。
【0074】
この画面において、下ボタン16bを2回押すことによって、「クイックオペレーション S26 設定 管理 S――」が表示され、クイックボタン20の飛び先として、管理設定モードSの任意の画面を指定可能な状態となる。
【0075】
この表示にて確定次項ボタン17aを押すと、「―」にカーソルが移動するので、左ボタン16cで桁移動し、上ボタン16a・下ボタン16bで0〜9をそれぞれ選択して、「クイックオペレーション S26 設定 管理 S22」となるように設定する。そして、「S22」を選択した後、確定次項ボタン17aを押す。これにより、クイックボタン20での飛び先の画面として画面S22を選択することができる。尚、上記のS22は、前述したように、プロテクト設定モードのIDコードであり、プロテクト設定の設定変更画面を示す。
【0076】
このように、クイックボタン20での飛び先の画面を選択する設定入力モードでは、IDコードを用いているので、容易に所望の飛び先の画面を設定することができる。
【0077】
ここで、本実施の形態では、クイックボタン20を設定できる項目は、図8に示すように、モニタ(IDコード=M01〜M13)、定値設定(IDコード=C01〜C08)、管理設定(IDコード=S01〜S32)、タイマ設定(IDコード=T01)及びUSB設定(IDコード=U01〜)となっている。
【0078】
本実施の形態の環境試験装置では、このようなクイックボタン20を設けたことによって、環境試験装置の運転操作や設定操作をワンタッチですぐに行うことができるので、作業時間を短縮することができる。また、複雑な操作であっても、少ないボタン操作で簡単に行うことができるので、誤操作の防止を図ることができる。さらに、簡単な操作になるので、専門的なスキルがなくても操作可能である。このため、例えばパートタイマ等のオペレータでも安心して操作できる。また、ソフトウェアの開発環境が無くても、ボタン機能を変更することができるので、用途に合わせたボタン機能を提供するものとなっている。
【0079】
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、クイックボタン20の設定は、操作パネル1の操作部3から行うようになっているが、特にこれに限定するものではなく、例えば、図9(a)に示すように、パーソナルコンピュータ30から設定することが可能である。
【0080】
具体的には、本実施の形態では、環境試験装置には、この環境試験装置の全体の駆動制御を行う制御手段としてのコントローラ40が設けられており、このコントローラ40は、図9(b)に示すように、制御部41と、通信部42と、データ記憶部43とを有している。そして、パーソナルコンピュータ30と環境試験装置の通信部42とは、通信ケーブル31にて接続されている。尚、上記通信部42及び通信ケーブル31は、本発明の通信手段としての機能を有している。
【0081】
したがって、操作パネル1の操作部3からクイックボタン20の設定を行った場合には、コントローラ40のデータ記憶部43にクイックボタン20の設定データが記憶されるのに対し、このような設定は、パーソナルコンピュータ30においても設定可能である。
【0082】
そして、パーソナルコンピュータ30にて設定した場合には、通信ケーブル31を介して、環境試験装置のコントローラ40におけるデータ記憶部43にそのデータを転送する。これにより、環境試験装置において、クイックボタン20を押したときに、クイック操作が可能となる。
【0083】
また、本実施の形態では、図9(b)に示すように、操作パネル1にメモリ媒体挿入部4を設けることが可能である。
【0084】
これにより、図10(a)(b)に示すように、パーソナルコンピュータ30にて設定したクイックボタン設定データの入ったファイルを携帯可能な例えばフラッシュメモリ等の移動可能な記録媒体としてのメモリ媒体32に格納し、環境試験装置の操作パネル1におけるメモリ媒体挿入部4にメモリ媒体32を挿入することにより、環境試験装置のデータ記憶部43に格納させることが可能である。
【0085】
これにより、パーソナルコンピュータ30と環境試験装置とを通信ケーブル31で接続しなくても、パーソナルコンピュータ30で作成したクイックボタン設定データを環境試験装置のデータ記憶部43に格納することができる。
【0086】
前述のように、環境試験装置は、操作部3でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う。
【0087】
この場合、設定画面は階層構造となっているので、例えば、一部の操作条件を変更する場合には、所望の設定画面を表示させるために、操作部3でのボタン操作を何回も行わなければならない場合があり、煩わしい作業となる。
【0088】
これに対して、本実施の形態では、操作部3には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるクイックボタン20と、クイックボタン20における所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する管理設定モードとが設けられている。
【0089】
このため、変更したい一部の操作条件が頻出する操作条件である場合には、クイックボタン20を押すことによって、変更したい一部の操作条件を設定入力及び設定変更する所望の設定画面を直ちに表示させることができるので、変更が容易である。
【0090】
したがって、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置を提供することができる。
【0091】
また、本実施の形態の環境試験装置では、階層構造における各設定画面には、IDコードが割り当てられていると共に、管理設定モードでは、IDコードの入力に基づいて、階層構造における所望の設定画面を設定する。これにより、設定画面が階層構造になっていても、階層構造における各設定画面に割り当てられたIDコードを用いることにより、所望の設定画面を容易に設定することができる。
【0092】
また、本実施の形態の環境試験装置では、クイックボタン20は、複数個設けることが可能である。これにより、階層構造における所望の設定画面を複数個直接表示させることができる。
【0093】
また、本実施の形態の環境試験装置では、パーソナルコンピュータ30との通信を行う通信ケーブル31及び通信部42と、このパーソナルコンピュータ30にて設定入力及び設定変更されたクイックボタン20における所望の設定画面を、上記通信ケーブル31及び通信部42を介して入力するコントローラ40とが設けられている。
【0094】
これにより、クイックボタン20における所望の設定画面を、パーソナルコンピュータ30にて、設定入力及び設定変更することができる。このため、パーソナルコンピュータ30では、キーボードにて設定入力及び設定変更の入力操作ができるので、入力操作が容易となる。
【0095】
また、本実施の形態の環境試験装置では、コントローラ40は、パーソナルコンピュータ30にて設定入力及び設定変更されかつ移動可能なメモリ媒体32に記憶されたクイックボタン20における所望の設定画面を、入力する。
【0096】
これにより、環境試験装置とパーソナルコンピュータ30とを通信ケーブル31で接続する必要がなく、かつ、パーソナルコンピュータ30にて、キーボードを用いて設定入力及び設定変更の入力操作を容易に行うことができる。
【0097】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
前記実施の形態1の操作パネル1は、表示部2及び操作部3を備えていたが、本実施の形態の環境試験装置では、図11(a)に示すように、操作部は、例えば液晶を用いたタッチパネルからなる操作パネル50にて構成されている。尚、タッチパネルは、液晶に限らず、例えば有機EL(Electro Luminescence)やその他のものでもよい。したがって、各操作ボタンが液晶表示画面内に表示されており、それぞれの表示操作ボタンを押すことによって操作設定ができるものとなっている。
【0099】
具体的には、操作パネル50には、図示しない電源ボタンを押すことによってメインメニュー画面が表示されると共に、図11(a)に示すように、運転操作表示ボタン51と、モニタ表示ボタン52と、定値設定表示ボタン53と、プログラム設定表示ボタン54と、管理設定表示ボタン55とカスタムメニュー表示ボタン56等とが設けられている。
【0100】
上記運転操作表示ボタン51、モニタ表示ボタン52、定値設定表示ボタン53、プログラム設定表示ボタン54、及び管理設定表示ボタン55は、前記実施の形態1における運転開始/終了ボタン12、モニタボタン13、定値設定ボタン14、及びプログラム設定ボタン15、プログラム設定ボタン15の長押しにそれぞれ相当している。
【0101】
そして、例えば、図11(b)に示すように、定値設定表示ボタン53によって、85℃及び85%RHの設定を行うことができる。また、運転操作表示ボタン51を押すことによって、図11(c)に示すように、運転操作画面にて定値運転を開始することができる。
【0102】
次に、本実施の形態のカスタムメニュー表示ボタン56における環境条件の設定方法について、図12(a)(b)に基づいて説明する。尚、ここでは、例えば85℃及び85%RHの定値運転開始を設定するショートカットボタンとして設定する場合について説明する。
【0103】
図12(a)に示すように、まず、メインメニューにて管理設定表示ボタン55を押す。これにより、図12(b)に示すように、操作パネル50に管理設定メニューが表示されるので、この管理設定メニューにて、操作履歴表示ボタン61を押す。この結果、図13(a)に示すように、過去に操作した操作履歴が表示される。この操作履歴の一部には、例えば、
2 2007/09/10 10:20 温度85℃設定
3 2007/09/10 10:22 湿度85%RH設定
4 2007/09/10 10:23 定値運転開始
と表示されている。
【0104】
そこで、本実施の形態では、この履歴No.2、履歴No.3、及び履歴No.4を選択して、クイック設定表示ボタン62を押す。尚、本実施の形態ではクイック設定表示ボタン62が本発明の設定入力変更手段としての機能を有している。
【0105】
これにより、図13(b)に示すように、カスタムメニュー画面が表示される。ここで、本実施の形態では、カスタムメニュー画面には、ショートカットボタンは複数としての例えば4個の第1クイック表示ボタン63a、第2クイック表示ボタン63b、第3クイック表示ボタン63c、及び第4クイック表示ボタン63dが設けられている。尚、ショートカットボタンの個数は、必ずしも4個に限らず、他の複数であってもよい。
【0106】
そして、例えば、第2クイック表示ボタン63bを押すことによって、上述のように選択された履歴No.2、履歴No.3、及び履歴No.4が、第2クイック表示ボタン63bに登録されるようになっている。
【0107】
上述のようにして設定登録された第2クイック表示ボタン63bにより、操作を行う場合には、まず、図14(a)に示すように、操作パネル50におけるメインメニューからカスタムメニュー表示ボタン56を押してカスタムメニューを開く。次いで、図14(b)に示すように、第2クイック表示ボタン63bを押すことにより、温度85℃設定、湿度85%RH設定、定値運転開始の操作を行うことができる。
【0108】
尚、本実施の形態においては、第2クイック表示ボタン63bでの設定内容として、例えば、温度85℃設定、湿度85%RH設定、定値運転開始からなるプログラムを設定登録したが、必ずしも項目だけに限定されない。
【0109】
すなわち、例えば、図13(a)に示すように、この操作履歴には、各定値設定条件である項目が設定された時間が残っている。したがって、この各定値設定条件である項目について時間を含めて設定することが可能である。
【0110】
この場合には、図13(a)に示す操作履歴表示画面に、例えば、クイック設定表示ボタン62と共に、各定値設定条件である項目について運転時間を含めて設定登録することを示す図示しないクイック設定表示ボタン(時間を含む)を設けておく。
【0111】
これにより、このクイック設定表示ボタン(時間を含む)を押したときには、この操作履歴から各定値設定条件がどれほどの時間継続したのかを計算して、その時間を含めてショートカットボタンとして設定可能とすることができるようになる。
【0112】
具体的には、図13(a)に示す操作履歴表示画面においては、「2 2007/09/10 10:20 温度85℃設定」、「 4 2007/09/10 10:23 定値運転開始」、及び「5 2007/09/10 11:30 温度120℃設定」の履歴により、温度85℃は、定値運転開始の時刻10:23から温度120℃の設定時刻11:30まで維持されていたことが分かる。したがって、運転時間は、引き算により、67分であることが分かる。
【0113】
尚、本実施の形態では、第2クイック表示ボタン63bの設定操作において、操作履歴表示画面を用いて、操作条件を選択・抽出したが、必ずしもこれに限らず、操作履歴表示画面を用いないで、操作条件を設定することも可能である。
【0114】
このように、本実施の形態の環境試験装置では、第1クイック表示ボタン63a、第2クイック表示ボタン63b、第3クイック表示ボタン63c、及び第4クイック表示ボタン63dは、表示画面をタッチすることにより所望の設定画面を直接表示させるタッチパネルにてなっている。これにより、ショートカットボタンは、ハードウェアキーからなるボタンだけでなく、タッチパネルでのボタンも含まれることになる。
【0115】
また、本実施の形態の環境試験装置では、ショートカットボタンを第1クイック表示ボタン63a、第2クイック表示ボタン63b、第3クイック表示ボタン63c、及び第4クイック表示ボタン63dとして複数個設けている。これにより、階層構造における所望の設定画面を複数個直接表示させることができる。
【0116】
また、本実施の形態の環境試験装置では、クイック設定表示ボタン62は、複数の操作条件を設定入力及び設定変更するようになっている。これにより、例えば、温度の操作条件と湿度の操作条件と定値運転開始の操作条件との複数の操作条件をまとめて設定入力及び設定変更することができる。
【0117】
また、本実施の形態の環境試験装置では、設定された操作条件を、設定時刻を含めて経時的に記憶しておく操作履歴記憶手段としての前記図9(b)に示すデータ記憶部43が設けられていると共に、クイック設定表示ボタン62を押すことにより、データ記憶部43に記憶され、操作履歴表示画面に表示された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更できる。
【0118】
これにより、データ記憶部43に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更することができる。
【0119】
したがって、以前に実施した環境試験の操作プログラムを引用して操作条件を設定することができるので、操作条件の設定作業が容易となる。
【0120】
ところで、上記の場合に、データ記憶部43に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、各操作条件での運転操作時間を含めて設定入力及び設定変更できることが好ましい。
【0121】
この点、本実施の形態の環境試験装置では、データ記憶部43に記憶された操作条件の設定時刻から各操作条件での運転時間を演算する演算手段としての前記図9(b)に示す制御部41を備えていると共に、クイック設定表示ボタン62を押すことにより、データ記憶部43に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、制御部41にて演算された各操作条件での運転時間を含めて設定入力及び設定変更する。
【0122】
すなわち、データ記憶部43に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、各操作条件での運転操作時間を含めて設定入力及び設定変更できる。
【0123】
この場合、データ記憶部43には、以前に設定した操作条件が、その設定時刻を含めて経時的に記憶されているだけであるので、運転時間は直ぐには設定できない。
【0124】
この点、本実施の形態では、データ記憶部43に記憶された操作条件の設定時刻から各操作条件での運転時間を演算する演算手段としての制御部41を備えているので、制御部41にて各操作条件での運転時間を演算して求めることができる。
【0125】
したがって、データ記憶部43に記憶された操作条件の設定時刻に基づいて、温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、その温度条件及び湿度条件における運転時間も含めて設定することが可能となる。
【0126】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、階層構造になった設定画面をボタン操作にて順次表示させて操作条件の設定入力及び設定変更を行う場合に、容易に操作条件の設定入力及び設定変更を行い得る環境試験装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明における環境試験装置の実施の一形態を示すものであり、操作パネルの構成を示す正面図である。
【図2】上記環境試験装置における電源ボタン、モニタボタン、定値設定ボタン、及びプログラム設定ボタンを押したときの表示内容を示す説明図である。
【図3】上記環境試験装置における運転開始/終了ボタンを押したときの表示内容を示す説明図である。
【図4】(a)は上記環境試験装置におけるプログラム設定ボタンを長押ししたときに表示される管理設定モードの表示内容を示す説明図であり、(b)は管理設定モードの一つの項目として設けられているクイックオペレーション設定画面を示す説明図である。
【図5】(a)(b)(c)は、上記環境試験装置において、管理設定モードにより設定変更プロテクトをON/OFF設定する場合の設定手順を示す説明図である。
【図6】(a)(b)は、上記環境試験装置において、クイックボタンを用いて設定変更プロテクトをON/OFF設定する場合の設定手順を示す説明図である。
【図7】(a)(b)(c)は、上記環境試験装置におけるクイックボタンの設定手順を示す説明図である。
【図8】上記クイックボタンにて設定できる画面及び画面表示条件を示す説明図である。
【図9】(a)(b)は、パーソナルコンピュータにてクイックボタンの設定を行う場合の環境試験装置の構成を示すブロック図である。
【図10】(a)(b)は、パーソナルコンピュータにてクイックボタンの設定を行い、かつ携帯型のメモリ媒体を用いて環境試験装置に入力する場合の環境試験装置の構成を示すブロック図である。
【図11】(a)(b)は、本発明における環境試験装置の他の実施の形態を示すものであり、「温度設定、湿度設定、運転開始」等の一連の運転操作を、定値設定表示ボタンを押すことによりマクロ登録する場合の設定方法を示す説明図である。
【図12】(a)は、上記環境試験装置において、「温度設定、湿度設定、運転開始」等の一連の運転操作を、操作履歴を用いてクイック設定表示ボタンにマクロ登録する場合の設定方法を示すものであって、メインメニュー画面を示す正面図であり、(b)は、メインメニュー画面において管理設定表示ボタンを押したときに表示される管理設定メニュー画面を示す正面図である。
【図13】(a)は、上記環境試験装置において、「温度設定、湿度設定、運転開始」等の一連の運転操作を、操作履歴を用いてクイック設定表示ボタンにマクロ登録する場合の設定方法を示すものであって、操作履歴画面を示す正面図であり、(b)は、操作履歴画面においてクイック設定表示ボタンを押したときに表示されるカスタムメニュー画面を示す正面図である。
【図14】(a)は、上記環境試験装置において、「温度設定、湿度設定、運転開始」等の一連の運転操作を、操作履歴を用いてクイック設定表示ボタンにマクロ登録する場合でのクイック設定表示ボタンでの操作手順を示すものであって、メインメニュー画面を示す正面図であり、(b)は、メインメニュー画面においてカスタムメニュー表示ボタンを押したときに表示されるカスタムメニュー画面を示す正面図である。
【図15】(a)は従来のショートカットボタンを示すものであって、ログファイルの内容を示す説明図であり、(b)は上記ログファイルにおいて頻出のIDコードを抜き出したショートカットファイルの内容を示す説明図である。
【図16】上記ショートカットファイルの内容をショートカットボタンとして登録したときにスタートジョブとして表示されるショートカットボタンを含むメインウインドウを示す正面図である。
【図17】従来の他のショートカットボタンを示すものであって、側部にショートカットボタンとしての項目を設けた表示画面を示す正面図である。
【符号の説明】
【0129】
1 操作パネル
2 表示部
3 操作部
11 電源ボタン
12 運転開始/終了ボタン
13 モニタボタン
14 定値設定ボタン
15 プログラム設定ボタン
16a 上ボタン
16b 下ボタン
16c 左ボタン
17a 確定次項ボタン
17b 前項ボタン
18 警報/ブザーボタン
20 クイックボタン(ショートカットボタン)
30 パーソナルコンピュータ
31 通信ケーブル(通信手段)
32 メモリ媒体(移動可能な記録媒体)
40 コントローラ(制御手段)
41 制御部
42 通信部(通信手段)
43 データ記憶部(操作履歴記憶手段)
50 操作パネル
51 運転操作表示ボタン
52 モニタ表示ボタン
53 定値設定表示ボタン
54 プログラム設定表示ボタン
55 管理設定表示ボタン
56 カスタムメニュー表示ボタン
61 操作履歴表示ボタン
62 クイック設定表示ボタン
63a 第1クイック表示ボタン(ショートカットボタン)
63b 第2クイック表示ボタン(ショートカットボタン)
63c 第3クイック表示ボタン(ショートカットボタン)
63d 第4クイック表示ボタン(ショートカットボタン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部でのボタン操作により、階層構造における設定画面を順次表示させて、操作条件の設定入力を行う環境試験装置において、
上記操作部には、階層構造における所望の設定画面を直接表示させるショートカットボタンと、
上記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、設定入力及び設定変更する設定入力変更手段とが設けられていることを特徴とする環境試験装置。
【請求項2】
前記階層構造における各設定画面には、IDコードが割り当てられていると共に、
前記設定入力変更手段は、上記IDコードの入力に基づいて、階層構造における所望の設定画面を設定することを特徴とする請求項1記載の環境試験装置。
【請求項3】
前記設定入力変更手段は、複数の操作条件を設定入力及び設定変更することを特徴とする請求項1又は2記載の環境試験装置。
【請求項4】
設定された操作条件を、設定時刻を含めて経時的に記憶しておく操作履歴記憶手段が設けられていると共に、
前記設定入力変更手段は、上記操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更することを特徴とする請求項3記載の環境試験装置。
【請求項5】
前記操作履歴記憶手段に記憶された操作条件の設定時刻から各操作条件での運転時間を演算する演算手段を備えていると共に、
前記設定入力変更手段は、上記操作履歴記憶手段に記憶された温度条件及び湿度条件を含む操作条件を抽出して設定入力及び設定変更するときに、上記演算手段にて演算された各操作条件での運転時間を含めて設定入力及び設定変更することを特徴とする請求項4記載の環境試験装置。
【請求項6】
パーソナルコンピュータとの通信を行う通信手段と、
上記パーソナルコンピュータにて設定入力及び設定変更された前記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、上記通信手段を介して入力する制御手段とが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の環境試験装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記パーソナルコンピュータにて設定入力及び設定変更されかつ移動可能な記録媒体に記憶された前記ショートカットボタンにおける所望の設定画面を、入力することを特徴とする請求項6記載の環境試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−168468(P2009−168468A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3665(P2008−3665)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】