説明

環境負荷量表示装置、その計算方法、およびプログラム

【課題】ユーザが所在している場所の消費エネルギーを取得して、同じ尺度で評価して表示することにより、利用者に対してエネルギーの使用状況をよりわかりやすくする装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる環境負荷表示装置は、ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を取得する外部情報取得部201と、屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数に基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で算出する環境負荷評価部301と、前記環境負荷評価部が算出した所定単位の前記環境負荷量を表示する表示部401とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境負荷量表示装置、その計算方法、およびプログラムに関し、特にエネルギー消費に関する環境負荷量表示装置、その計算方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を解決する手段の1つとして省エネルギーが着目されている。省エネルギーを行う上では、現時点でどの程度エネルギーを消費しているかを把握することが重要である。加えて、消費エネルギーを表示する、すなわち消費エネルギーの見える化(モニタリング)を実施することにより、省エネを促し、環境に与える負荷量を示す環境負荷量の削減を促すことが可能となる。
【0003】
特許文献1には、太陽光発電手段で発電される直流電力の瞬時値と積算値、及び消費された消費電力を取得し、リアルタイムに表示する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2には、電気、ガス、水道等の測定メーターからカウントされた消費量の数値をコンピュータに送信し、二酸化炭素の排出量の数値や、料金を算出してテレビ等のディスプレイに表示する技術が記載されている。
【0005】
ところで、家庭外においても、人間の移動手段や、人間が快適に過ごすための環境構築にエネルギーが消費されている。よって、省エネルギーの対象は家庭内に限らない。
【0006】
特許文献3には、移動手段を推定し環境負荷量を計算する技術が記載されている。特許文献3に記載の技術は、移動方法と当該移動方法で移動した距離を特定し、移動距離当たりの環境負荷量を表示する。
【0007】
特許文献4には、ハイブリット自動車の走行効率を表示する技術が記載されている。これは、エコメータと呼ばれる燃費計をダッシュボードへ表示することで、エコドライブを推奨するものである。
【0008】
また、屋外及び屋内において、人間等の運動を電気エネルギーに変換し、利用する技術がある。特許文献5に記載の技術は、人、生物及び機械の運動を電気エネルギーに変換して蓄電する手段を有する。そして、当該蓄電された電気を需要家に送電する。さらに、変換され送電された電力を記録し、当該電力を供給した人等について、エコポイントを設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−314752号公報
【特許文献2】特開2009−187532号公報
【特許文献3】特開2006−190001号公報
【特許文献4】特開2007−253727号公報
【特許文献5】特開2009−273332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、太陽光発電により発電された電力と、消費された電力とを表示するものであり、特定の場所における環境負荷量しか表示できないという問題がある。
【0011】
特許文献2に記載の技術は、屋内に設置して、電気等の消費により発生する二酸化炭素の量を表示し、フィードバックするものであって、自宅外においての移動手段や自宅外の屋内においての環境負荷量を表示することはできないという問題がある。
【0012】
特許文献3の技術は、GPSやPHSにて移動を推定し環境負荷を計算するものであり、屋外や屋内等の特定の場所における環境負荷量を計算することはできない。
【0013】
特許文献4に記載の技術は、自動車に取り付けるものであって、例えば電気やガスを消費した場合や、移動に電車を用いた場合の環境に対する負荷を表示することはできない。
【0014】
さらに、特許文献1乃至4に記載の技術は、すべてが独自のシステムまたは装置である。そのため、人間の行動における消費エネルギーの見える化を促進するためには、屋内や車内、屋外などの滞在場所によって、異なる表示装置を用意しなければならないという問題がある。
【0015】
また、特許文献5に記載の技術は、人間の行動に伴う運動エネルギーを電気エネルギーに変換してエコポイントとする。しかし例えば自動車で移動した場合、自動車による振動が電気エネルギーに変換され、当該自動車の振動により発生した電気エネルギーもエコポイントに換算されてしまう。従って、エコポイントが必ずしも環境負荷量と一致するわけではないという問題がある。
【0016】
またさらに、例えば特許文献2に記載の電力モニタリングシステムでは、環境に与える負荷は二酸化炭素排出量で表示され、特許文献4に記載の車載のエコメータでは燃料の消費について燃費で表示される。このように、各場所や乗り物によって環境に与える負荷に対する表示形式が異なる。そのため、特許文献1乃至4においては、環境負荷量が同じ尺度で評価されず、どの程度の環境負荷量が排出されているかが利用者にわかりにくいという課題がある。
【0017】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが所在している場所の消費エネルギーを取得して、同じ尺度で取得した消費エネルギーを評価して表示することにより、利用者に対してエネルギーの使用状況をよりわかりやすくする装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明にかかる環境負荷表示装置は、ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を取得する外部情報取得部と、屋外の環境の情報である環境情報と、消費エネルギー情報と、管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、環境負荷量を所定の単位で算出する環境負荷評価部と、環境負荷評価部が算出した所定単位の環境負荷量を表示する表示部とを有するものである。
【0019】
本発明にかかる環境負荷表示方法は、ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得し、屋外の環境の情報である環境情報と、消費エネルギー情報と、管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、環境負荷量を所定の単位で算出し、所定単位の環境負荷量を表示するものである。
【0020】
本発明にかかる環境負荷表示プログラムは、所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、外部情報取得部にユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得さる処理と、屋外の環境の情報である環境情報と、消費エネルギー情報と、管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、環境負荷量を所定の単位で環境負荷評価部に算出さる処理と、環境負荷評価部が算出した所定単位の環境負荷量を表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、ユーザが所在している場所の消費エネルギーを取得して、同じ尺度で評価して表示することにより、利用者に対してエネルギーの使用状況をよりわかりやすくする装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1にかかる環境負荷表示装置101を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる環境負荷表示装置101の実施の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1にかかる環境負荷表示装置101の詳細な構成を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる環境負荷係数のエネルギー種類毎の例を示す。
【図5】実施の形態1にかかる環境負荷係数の移動手段毎の例を示す。
【図6】実施の形態1にかかる表示部401への表示例を示した図である。
【図7】実施の形態1にかかる環境負荷表示装置101の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2にかかる環境負荷量表示までの動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2にかかる表示部401の表示例を示した図である。
【図10】実施の形態3にかかる環境負荷表示装置101を含むシステムのタイミングチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101を示す図である。環境負荷表示装置101は、外部情報取得部201と、環境負荷評価部301と、表示部401とを有する。
【0024】
外部情報取得部201は、環境負荷表示装置101が所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を取得する。
【0025】
環境負荷評価部301は、屋外の環境の情報である環境情報と、消費エネルギー情報と、管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量とを算出する環境負荷係数に基づいて、環境負荷量を所定の単位で算出する。
【0026】
表示部401は、環境負荷評価部が算出した所定単位の環境負荷量を表示する。これにより、本実施の形態にかかる環境負荷量表示装置101では、人の行動に伴い消費されるエネルギーを環境管理システムから取得、又は、外部の情報から消費エネルギーを推定することにより、総合的に消費エネルギー量を取得する。さらに、エネルギー種類が異なっていても、環境負荷量として同じ尺度により評価し、省エネルギー状況として利用者に対し簡易的に表示することを特徴としている。
【0027】
すなわち、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101は、ユーザが所在している場所の消費エネルギーを取得して、同じ尺度で評価して表示することができる。これにより、ユーザに対してエネルギーの使用状況をよりわかりやすくすることができる。
【0028】
このようにして、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101では、個々人の環境意識を向上させることができる。結果的に、個人および企業、地域社会といった広範囲で社会的な環境負荷低減に向けた活動、社会システムの変革を促す。
【0029】
本実施の形態について、更に詳細に説明する。図2は、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101の実施の一例を示す図である。環境負荷表示装置101は、管理システムとしての屋内エネルギー管理システム102及び車両エネルギー管理システム103と通信を行う。また、各種情報104を外部から取得する。
【0030】
屋内エネルギー管理システム102は、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building and Energy Management System)といった、屋内におけるエネルギー管理システムを示す。
【0031】
車両エネルギー管理システム103は、車両内における燃料使用量を管理するシステムを示す。
【0032】
各種情報104は、環境負荷量表示装置101が後述する外部情報取得部201を介して取得できる情報を示している。情報の内容については後述する。環境負荷量表示装置101と、屋内エネルギー管理システム102と、エネルギー管理システム102間、環境負荷量表示装置101と車両エネルギー管理システム103間の点線は無線通信を示している。また、環境負荷量表示装置101と各種情報104間の矢印については、環境負荷表示装置101が各種情報104を取得できることを示している。
【0033】
次に、環境負荷表示装置101の構成について更に詳細に説明する。図3は、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101の詳細な構成を示す図である。環境負荷表示装置101は、外部情報取得部201と、環境負荷評価部301と、表示部401とを有する。外部情報取得部201は、通信部としての無線通信部202と、測定部としての環境センサ部203と、移動手段推定部204を有する。環境負荷評価部301は、環境負荷算出部302と、環境係数データベース303と、環境評価尺度データベース304とを有する。さらに環境負荷表示装置101は、環境負荷操作部205と、環境情報記憶部としての環境情報保持データベース305とを有する。
【0034】
外部情報取得部201は、消費エネルギー情報、測定部が測定した測定結果、及び移動手段推定部が推定した移動手段に関する情報のうち少なくとも1以上を外部情報として環境負荷評価部301に出力する。この外部情報を含む情報が、図2における各種情報104である。
【0035】
環境負荷評価部301は、外部情報取得部201から受け取った外部情報に基づき、環境負荷量を算出する。
【0036】
無線通信部202は、ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムとしての屋内エネルギー管理システム102(HEMSやBEMS)または、車両内エネルギー管理システム103と無線通信し、管理システムが消費したエネルギー量及びエネルギーの種類の情報である消費エネルギー情報を外部情報として取得する。なお、本実施の形態では、屋内エネルギー管理システム102や車両エネルギー管理システム103と無線通信するとしているが、例えば環境に与える負荷量を算出する環境計測システムなどが設置されていた場合、環境計測システムと無線通信するようにしてもよい。
【0037】
環境センサ部203は、ユーザが現在所在している場所の気温、湿度及び照度のうち1以上を測定する。環境センサ部203は、温度センサや湿度センサ、照度センサといった環境情報を取得するセンサで構成され、本装置筐体に設置される。ここで、例えば本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101が携帯電話等の機能として適用された場合には、本体装置がユーザである利用者の身体に近い部分に保持されることが予測される。このような場合、例えば気温等を測定しても、ユーザの体温に影響されて、ユーザが現在所在している場所の環境を正しく測定できないことが予測されるが、そういった場合には、環境センサ部203を本体装置と離れた位置に設置し、無線通信または有線通信を利用して本体装置と通信するようにしてもよい。
【0038】
更に、環境センサ部203は、赤外線センサまたは超音波センサのいずれか1以上を有するようにしてもよい。これにより、ユーザがある空間内にいる場合、赤外線センサまたは超音波センサにより、その空間の大きさを測定することができる。
【0039】
照度については照度センサではなくイメージセンサを用いるようにしてもよい。イメージセンサを用いることにより、蛍光灯の光であるか、太陽の光であるか判別できる。そのため、蛍光灯の光であると判断された場合には、蛍光灯を使用することによる電力の消費を環境負荷量として算出でき、それにより、より正確に環境負荷量が算出できる。
【0040】
また、本実施の形態では、環境センサ部203として、温度や湿度、照度を取得するとしているが、それら以外にもCO濃度などのガス濃度や黒煙粒子、花粉、ホコリ、揮発性有機化合物(VOC: volatile organic compounds)、気圧を取得し、環境負荷量と同時に表示部401に出力して表示させるようにしてもよい。この場合例えばCOの濃度をグラフにして表示するなどしてもよい。更に、環境センサ部203として、環境情報に関連するセンサのみを有しているが、部屋の大きさを測定することができる赤外線センサや超音波センサを用いて、部屋の大きさを測定し、部屋の大きさにより環境負荷係数を変更して、より厳密な環境負荷量を計算できようにしてもよい。また、気圧を測定することにより、屋外と屋内の気圧差から空調機器の稼働状況を推定するよう、気圧差に関する環境負荷係数をデータベースに持ち合わせ、環境負荷量として計算、表示するようにしてもよい。
【0041】
移動手段推定部204は、ユーザが移動手段に乗っている場合、当該移動手段の現在地を取得し、地図情報を参照して、当該移動手段を推定する。例えばGPS(Global Positioning System)衛星との通信により位置情報を取得する。地下鉄等を利用している場合にはPHS(Personal Handy-phone System)等を利用して位置情報を取得する。ここで、移動手段推定部204は、現在地と時刻から、移動の速度を計算する。移動の速度により、電車、新幹線、乗用車等の判断をする。そして、停止した場所と地図情報とを比較し、電車の駅等で停車していれば電車に乗車していると判断し、交差点で発進・停止している場合は自動車を利用していると推定する。
【0042】
環境負荷量操作部205は、環境負荷量の表示や装置の電源、時刻情報の設定、各種データベースの更新、位置情報の調整及び補正を行うための操作インタフェースであり、スイッチやタッチパネルで構成される。
【0043】
環境負荷係数データベース303は、外部情報取得部201が取得した外部情報を、所定の単位の環境負荷量に換算するための環境係数を記憶する。環境負荷係数データベース303は、装置内のHDDやRAM、ROMで構成される。環境係数データベース303は、消費エネルギーの種類毎に設定された第1の環境負荷係数と、移動手段の種類及び利用時間毎に設定された第2の環境負荷係数と、環境情報と測定部である環境センサ部203の測定結果との差に基づいて設定された第3の環境負荷係数を記憶している。
【0044】
図4及び図5では、エネルギー種類毎の環境負荷係数と移動手段毎の環境負荷量が保持されている。エネルギー種類毎の環境負荷係数は、エネルギーの種類ごとに二酸化炭素に換算するための係数が保持されている。移動手段毎の環境負荷係数は、移動手段の種類毎に1時間あたりの二酸化炭素排出量が保持されている。この移動手段毎の環境負荷量402は、移動手段の取得304により移動手段が特定している場合において使用される。
【0045】
図4はエネルギー種類毎の環境負荷係数の例を示す。本実施の形態では、環境負荷量として、消費エネルギーを二酸化炭素排出量に換算する。例えば、電力を1(kWh)消費した場合、0.435(kg)のCOが排出され、ガスを1(m)消費した場合には、2.277(kg)のCOが排出される。
【0046】
次に、移動手段毎のCOの排出量について説明する。図5は、動手段毎のCO排出量を示す表である。図5に示すように、COの排出量は、移動手段の種類と、移動手段の利用時間とに基づいて算出することができる。ここで、徒歩及び自転車のCO排出量は、0である。
【0047】
次に、自動車等のCOを排出する移動手段について説明する。図5は、自動車、バス、電車、新幹線、飛行機の時速をそれぞれ40km、40km、80km、270km、800kmとしたときの、1kmあたりのCO排出量を示している。この場合、自動車、バス、電話、新幹線、飛行機の1時間あたりのCO排出量は、それぞれ6.72kg、2.04kg、1.429kg、5.13kg、87.2kgとなる。
【0048】
なお、本実施の形態では、移動手段毎及びその移動手段の利用時間に基づいて大まかなCOの排出量を換算するが、例えば自動車が高速道路を利用した場合等には、自動車の平均時速を80(km/h)にして環境負荷係数を変更する等するようにしてもよい。
【0049】
環境評価尺度データベース304は、環境負荷算出部302が算出した環境負荷量と比較するための環境閾値を記憶している。環境評価尺度データベース304は、一般的な平均環境負荷量、または利用者が閾値として設定する環境負荷量を保持する。また、環境評価尺度データベース304は、予め定められた1年当たりの二酸化炭素排出量の値に基づいて、1日当たり、又は1時間当たりの二酸化炭素排出量を算出したものを環境閾値として記憶するようにしてもよいし、利用者の設定により自由に設定可能とするようにしてもよい。
【0050】
環境評価尺度データベース304は具体的には、装置内のHDDやRAM、ROMで構成される。本実施の形態においては、環境評価尺度として、1人が年間消費する二酸化炭素排出量を日割りし、それを2倍した二酸化炭素排出量を評価尺度とし、この評価尺度が最大の環境負荷量となるように5段階で環境閾値を設定し、当該閾値に基づいて表示する。
【0051】
環境情報保持データベース305は、それぞれの位置に対応づけられた環境情報を記憶している。具体的には、環境情報とは、公的機関が公開する気象統計情報の過去1年間分の日時情報、位置情報、及び気象の情報である。環境情報保持データベース305は、環境情報を保持する機能と装置自体が取得した時刻情報や位置情報及び環境負荷表示装置101が過去に算出した環境負荷量を保持する機能を有する。環境情報保持データベース305は、装置内のHDDやRAM、ROMで構成される。
【0052】
環境負荷量算出部302は、外部情報取得部201から外部情報である消費エネルギー量、環境情報、及び移動手段のうち1以上を取得し、環境負荷係数データベース303から得られるそれぞれのエネルギー種類や環境情報、移動手段に対する環境負荷係数を積算して環境負荷量を求める。そして、環境評価尺度データベース304から得られる環境閾値と比較して、当該比較結果を表示部401へ出力する。
【0053】
表示部401は、環境負荷量算出部302において計算された環境負荷量が環境閾値と比較された結果を表示する。表示部401は、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される。図6は表示部401への表示例を示した図である。表示部401では、上段に現在地と移動手段推定部204から得られる移動手段を表示する。下段には環境負荷量の増減を5段階で表示し、その下には二酸化炭素の排出量に換算された環境負荷量を表示している。5段階表示では、網かけの部分が多いほど環境負荷量が少ないこと(Good)を示す。二酸化炭素の時間当たりの排出量(kg)は、二酸化炭素の排出量が多いほど下の棒グラフが左に伸びる。5段階表示と二酸化炭素排出量のグラフは連動しており、二酸化炭素排出量が増えるほど、5段階評価は低く(Bad)になる。ここでは、現在地は奈良県奈良市、移動手段は自動車、環境負荷量の評価は3、二酸化炭素の排出量は0.5kgである状態を示している。
【0054】
図6の表示方法は一例であり、例えば過去の環境負荷量を環境情報保持データベース305に保持するようにし、過去の情報を活用し、比較して表示するようにしてもよい。これにより、過去の記録と比較してどれだけ環境負荷量を節約したか表示することができる。なお、本実施の形態では5段階に丸めるとしているが、環境負荷係数を二酸化炭素排出量に換算する係数ではなく、金額や植物(杉やブナの木など)、食べ物(ハンバーガーやビールなど)に換算する係数とし、金額、植物、及び食べ物のような人間生活に近い尺度で環境負荷を表示する方法にしてもよい。例えば金額で表示する場合は、電気代を1(kW)あたり16円とし、ガス1(m)あたり144円とし、ガソリン1(l)あたり125円として、それぞれのエネルギーの消費量に基づき、金額に換算して表示する。また、食物に換算する方法としては、エネルギーの消費を金額に換算し、その金額をハンバーガー1個分の値段(例えば200円)で割り、ハンバーガーの個数で表示するなどすればよい。また、植物に換算する場合、例えば杉の木1本が吸収する二酸化炭素は、1か月で約1.14kg、または1年で約14kgであるから、例えば、二酸化炭素の排出量1.14kgあたりは杉の木1本として、環境負荷量として求めた二酸化炭素が杉の木何本分に相当するか計算し、表示するようにすればよい。
【0055】
次に環境負荷量表示装置101の動作を説明する。図7は環境負荷表示装置101の動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、ユーザから環境負荷量操作部205を介し環境負荷量表示の指示があった場合か、又は定時刻(1時間おきや5分間おきなど)に環境負荷量の表示が実施される。
【0056】
まず、外部情報取得通信確認ステップS61を実施する。外部情報取得通信確認ステップS61では、図2中の屋内エネルギー管理システム102及び車両エネルギー管理システム103と、無線通信部202との通信が可能かの確認を行う。
【0057】
次に、確認結果を確認する(ステップS62)。通信可能なシステムが存在する場合(ステップS62:Yes)は、そのシステムからエネルギー使用量を取得する。(ステップS63)。ここで、通信可能なシステムが複数ある場合は、電波強度を比較することにより、より近いシステムを選択したり、あらかじめ設定された優先度の高いシステムを選択したりするようにしてもよい。これにより、環境負荷量表示装置101が存在する場所において、他のエネルギー管理システムと通信可能であれば、そのエネルギー管理システムから得られるエネルギー使用量がその場所におけるエネルギー使用量とみなし、その場所におけるエネルギー使用量を得ることができる。
【0058】
通信可能なシステムが存在しない場合は(ステップS62:No)、エネルギー使用量を取得できないため、移動手段推定部204を利用して移動手段の推定を実施する(ステップS64)。次に、環境センサ部203から得られる測定値と、環境情報保持データベース305の有する環境情報とを元に温度差、湿度差、照度差を求める(ステップS35)。これにより、環境負荷量表示装置101が存在する場所において消費されているエネルギー使用量を推測し、その場所におけるエネルギー使用量を得ることができる。なお、取得するエネルギー使用量は決められた時間毎に積算されたエネルギー使用量を取得できることとする。
【0059】
次に、環境係数を読み込む(ステップS66)。この際、環境負荷係数データベース303に保持されているエネルギーの種類毎の環境負荷係数、移動手段と当該移動手段の利用時間毎による環境負荷係数、及び環境情報保持データベース305の記憶した環境情報と環境センサ部203の測定値との差に基づく環境負荷係数のいずれか1以上を取得する。
【0060】
次に、環境負荷量の計算を実施する(ステップS67)。環境負荷量のは、ステップS63乃至65で取得したエネルギー量等と、ステップS66で取得した環境負荷係数とを積算する。
【0061】
次に、ステップS67で計算した環境負荷量を環境情報保持データベース305に書き込む(ステップS68)。これは、環境負荷量を過去の情報として保持しておくために、これまでの環境負荷量を書き込むものである。
【0062】
最後に、環境負荷量の表示を実施する(ステップS69)。環境負荷量の表示は、ステップS67の計算で得られた環境負荷量を表示部401に表示する。表示する際の形式は、図6に示すように環境負荷量を環境評価尺度データベース304から取得した環境閾値と比較して、エコ度合いとして5段階に丸めて表示を行う。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態においては、以下のような効果を奏する。
【0064】
第1の効果は、外部の環境を管理するエネルギー管理システムから消費エネルギーを取得しているので、利用者が別途表示装置を用意することなく、環境負荷量を表示できることである。
【0065】
第2の効果は、エネルギー種類に関わらず、同じ尺度で表示しているので、利用者がエネルギー種類によらず、環境負荷量を把握できることである。
【0066】
第3の効果は、環境負荷量を5段階評価で表示しているので、利用者が容易に環境負荷量を把握できることである。
【0067】
実施の形態2
実施の形態1では、環境負荷係数について、エネルギーの種類毎に予め設定されている。しかし、例えば電力の場合、火力発電による環境負荷量は大きいが、水力発電や風力発電、原子力発電による環境負荷量は小さい。そのため、各発電量の割合によって、環境負荷係数は変化する。今後は、環境負荷量が小さい発電方式である、クリーンエネルギー(本明細書においては、太陽光発電、水力発電、風力発電又はこれらと同等の、環境負荷量が少ない方法で取得できるエネルギーを、クリーンエネルギーということとする。)の割合が増加することが予測され、従って、環境負荷係数が減少することが予測される。また、各家庭、会社等に太陽光発電等環境負荷の少ない発電方式による発電施設が設置されることにより、さらに環境負荷が減少することが予測される。
【0068】
さらにまた、電力の効率的、且つ、安定的な供給のために、地域毎にエネルギーを管理するエネルギー管理システムが普及することが予測される。このような地域毎にエネルギーの管理を行う場合には、地域毎に電力の供給元の管理を行うため、地域毎に環境負荷を排出が少ない発電方式の割合が異なることになる。
【0069】
このように、今後は、同じエネルギーの種類であっても、地域毎、家庭や会社、地区などにより環境負荷係数が異なるという状況が予測される。よって本実施の形態では、地域毎に環境係数が異なる場合に、それぞれに応じた環境負荷係数を取得し、更に正確に環境負荷量を計算する。
【0070】
本実施の形態では、環境負荷表示装置101の構成は実施の形態1と同様である。しかし、本実施の形態では、環境負荷の低いエネルギーについての情報を取得し、当該環境負荷の低いエネルギーの割合を活用した表示をする点が実施の形態1と異なる。
【0071】
図8は、環境負荷量表示までの動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、エネルギー割合取得ステップS70で、屋内エネルギー管理システム102又は車両エネルギー管理システム103と、無線通信部202を介して通信する。ここで、屋内エネルギー管理システム102等は、消費されるエネルギーについて一括して管理しているものとし、例えば、各施設等で環境負荷量の低いエネルギーであるクリーンエネルギーの供給装置(例えば太陽光発電装置等)が設置されている場合には、消費エネルギーの情報と、各施設に設置されたクリーンエネルギーの供給装置から供給されるエネルギーの情報とを有するものとする。
【0072】
無線通信部202は、屋内エネルギー管理システム102または車両エネルギー管理システム103に問い合わせを行い、屋内エネルギー管理システム102等が管理するエネルギーの中に、太陽光発電、風力発電等の環境負荷の低い発電方法により発電されているエネルギー量の割合を取得する。そして、通信部202が取得したエネルギーに含まれている太陽光発電等の環境負荷の排出量が少ないクリーエネルギーの割合を環境負荷算出部302に出力する。そして、表示の際にクリーエネルギーと、それ以外のエネルギーの割合とを分けて、両者のエネルギーの割合を表示する。基本的な動作は実施の形態1と同様であるため、動作の異なる部分についてのみ説明を行う。ここで、エネルギーの割合の取得は、必ずしも割合でなくともよく、割合から求められる環境負荷係数を直接取得することとしてもよい。
【0073】
ステップS63において、エネルギー情報を取得した後、環境負荷の低いエネルギーの割合を取得するステップS70を実施する。ステップS70は、図1中の屋内エネルギー管理システム102や車両エネルギー管理システム103から環境負荷を排出が少ない発電方式の割合を取得する。環境負荷の低い発電方式の割合に基づき、環境負荷量の表示309の際に、環境負荷の排出が少ないエネルギー量(クリーンエネルギー量)を表示する。本実施の形態では、クリーンエネルギー量を表示するが、屋内エネルギー管理システム102等から取得したクリーンエネルギーの割合及び全体の消費エネルギーに基づいて、クリーンエネルギーの消費量を算出し、クリーンエネルギーの消費量を消費エネルギー全体量から減算して、クリーンエネルギー以外のエネルギーの消費量のみ表示するようにしてもよい。
【0074】
図9は表示部401の表示例を示した図である。図9の概要は図6と同様であるが、図においてはハイブリッド車を想定しており、本実施の形態では、例えばハイブリット車が、搭載されたバッテリーを使用して走行した割合を40%として、その部分の表示を、下段の二酸化炭素排出量のグラフでは白抜きにして表示している。この結果、環境負荷量としてはCOの排出量が0.3kgとなる。図6と図9とを比較すると、環境負荷の低いエネルギーの割合を含む前の評価である図6においては、環境負荷量の評価は5段階評価で3となっている。しかし、図9においては、ハイブリッド車では、環境負荷の排出量が、従来のガソリンエンジンのみで駆動する自動車よりも小さいためにCOの排出量が減少し、5段階評価では4に向上している。
【0075】
また、例えば、ハイブリットカーが充電式であった場合について説明する。屋内エネルギー管理システム102は、屋内で消費されるエネルギー、すなわち電気、ガス等の消費量を管理する。また、ハイブリットカーはプラグに接続されて充電される。そのため、屋内エネルギー管理システム102は、ハイブリットカーに充電された電力量の情報を有する。そしてこの場合には、環境負荷表示装置105は、無線通信部202を介して屋内エネルギー管理システム102と通信し、ハイブリットカーに充電された電力量と、当該充電された電力のうち、環境負荷量の少ないエネルギー(クリーンエネルギー)の割合を取得する。そして、ハイブリットカーが充電された電力で走行している際には、屋内エネルギー管理システム102から取得したクリーンエネルギーの割合及びクリーンエネルギー以外のエネルギーの割合から、環境負荷量を算出し、算出された環境負荷量のうち、クリーンエネルギーの割合が、全体のエネルギー消費量に対してどれだけを占めるかを表示するようにする。これにより、消費者の環境負荷の排出量を削減するための意識を高めることができる。
【0076】
このように、本実施例では、環境負荷を排出が少ない発電方式の割合を考慮して環境負荷量を表示しているので、環境負荷を排出が少ない発電方式を利用している家庭や会社、地区では、環境負荷量が少なく表示することができる。これにより、企業では環境に配慮しているという印象を受けるという効果が得られる。
【0077】
実施の形態3
本実施の形態においては、環境負荷量を表示するだけではなく、エネルギー管理システムへ環境負荷量を通知し、環境負荷量を低減する方向へ制御することで、他のエネルギー管理システムと連携する。
【0078】
本実施の形態にかかる環境負荷表示装置105は、実施の形態1の環境負荷表示装置101と環境システムとしての屋内エネルギー管理システム102及び車両エネルギー管理システム103を制御する環境システム制御部(不図示)を更に有する点が異なる。
【0079】
環境システム制御部(不図示)は、環境閾値より合計の環境負荷量の方が高い場合、無線通信部202を介して屋内エネルギー管理システム102等のシステムの環境負荷量を小さくするように当該屋内エネルギー管理システム102等を制御する。
【0080】
本実施の形態について更に説明する。環境負荷表示装置105は、屋内エネルギー管理システム102と通信が可能な状態とする。図10は、本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101を含むシステムのタイミングチャートを示す。環境負荷量表示装置105は、図10に示す環境負荷量の計算S81を実施後、環境負荷量の通知ステップS82により、環境負荷量を屋内エネルギー管理システム102に通知する。
【0081】
屋内エネルギー管理システム102は、環境負荷量を比較し、通知された環境負荷量をある一定の閾値と比較する(ステップS83)。比較した結果、閾値を上回っている場合には、屋内エネルギー管理システム102が管理する機器の一つである空調機器801に対して、環境負荷量を低減するよう制御を行う(ステップS84)。
【0082】
このように、本実施例では、環境負荷量表示装置が環境負荷量を表示するだけではなく、環境負荷量を他のエネルギー管理システムへ通知する。これにより、エネルギー管理システム内において、環境負荷量を低減するために機器を制御し、環境負荷量を低減させるため、自動的に環境負荷量を低減させることができるという効果が得られる。また、環境負荷表示装置105が環境閾値と環境負荷量とを比較し、環境負荷量が大きい場合には、屋内エネルギー管理システム102を制御するようにしてもよい。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0084】
また、説明の明確化のため、上記の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。また、以下の図面に示す各装置の構成は、例えば記憶装置に読み込まれたプログラムをコンピュータ(PC(personal computer)や携帯端末装置等)上で実行することにより実現される。
【0085】
(付記1)
ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を取得する外部情報取得部と、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で算出する環境負荷評価部と、
前記環境負荷評価部が算出した所定単位の前記環境負荷量を表示する表示部とを有する環境負荷表示装置。
(付記2)
前記外部情報取得部は、
前記管理システムと通信する通信部と、
ユーザが現在所在している場所の気温、湿度及び照度のうち1以上を測定する測定部と、
ユーザが移動手段に乗っている場合、当該移動手段の現在地を取得し、地図情報を参照して、当該移動手段を推定する移動手段推定部とを有する付記1記載の環境負荷表示装置。
(付記3)
それぞれの位置に対応づけられた前記環境情報を記憶した環境情報記憶部を更に有し、
前記環境負荷評価部は、前記環境情報記憶部から前記環境情報を取得する付記1又は2記載の環境負荷表示装置。
(付記4)
前記通信部は、前記管理システムが消費したエネルギー量及びエネルギーの種類の情報である消費エネルギー情報を前記外部情報として取得する付記1乃至3記載の環境負荷表示装置。
(付記5)
前記外部情報取得部は、
前記消費エネルギー情報、前記測定部が測定した測定結果、及び前記移動手段推定部が推定した移動手段に関する情報のうち少なくとも1以上を外部情報として前記環境負荷評価部に出力し、
前記環境負荷評価部は、前記外部情報取得部から受け取った外部情報に基づき、前記環境負荷量を算出する付記2乃至5記載の環境負荷表示装置。
(付記6)
前記環境負荷評価部は、
前記環境負荷量を算出する環境負荷算出部と、
前記外部情報取得部が取得した前記消費エネルギー情報を、所定の単位の前記環境負荷量に換算するための環境係数を記憶した環境係数記憶部と、
前記環境負荷量と比較するための環境閾値を記憶した環境評価尺度記憶部とを有し、
前記環境負荷算出部は、前記外部情報と、前記環境負荷係数とに基づいて環境負荷量を算出し、当該環境負荷量を前記環境閾値と比較した結果を、前記表示部に出力し、
前記表示部は、前記環境負荷算出部から受け取った前記比較結果を表示する付記1乃至5記載の環境負荷表示装置。
(付記7)
前記環境係数記憶部は、前記消費エネルギーの種類毎に設定された第1の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記消費エネルギー量と前記第1の環境負荷係数とを積算して第1の環境負荷量を算出する付記6記載の環境負荷表示装置。
(付記8)
前記環境係数記憶部は、前記移動手段の種類及び利用時間毎に設定された第2の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記移動手段の利用時間と前記第2の環境負荷係数とを積算して第2の環境負負荷量を算出する付記6又は7記載の環境負荷表示装置。
(付記9)
前記環境係数記憶部は、前記環境情報と前記測定部の前記測定結果との差に基づいて設定された第3の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、現在地における前記環境情報と前記測定部の測定結果との差を算出して、当該それぞれの差と前記第3の環境負荷係数とを積算して第3の環境負荷量を算出する付記6乃至8記載の環境負荷表示装置。
(付記10)
前記環境負荷算出部は、前記第1乃至第3の環境負荷量を算出する処理のうち可能な処理を実施し、算出された環境負荷量の合計を、合計の環境負荷量として算出し、前記環境評価尺度記憶部から取得した前記環境閾値と、前記合計の環境負荷量とを比較し前記表示部に出力する付記9記載の環境負荷表示装置。
(付記11)
前記環境係数記憶部は、前記消費エネルギーの種類毎、前記移動手段及び利用時間毎、及び前記測定値の差毎に、各値を二酸化炭素排出量に換算するための係数として前記第1から第3の環境負荷係数を記憶する付記9又は10記載の環境負荷表示装置。
(付記12)
前記環境評価尺度記憶部は、予め定められた二酸化炭素の排出量を環境閾値として記憶する付記6乃至11記載の環境負荷表示装置。
(付記13)
前記環境評価尺度記憶部は、予め定められた1年当たりの二酸化炭素排出量の値に基づいて、1日当たり、又は1時間当たりの二酸化炭素排出量を算出したものを記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記環境評価尺度記憶部に記憶された当該1日または1時間当たりの二酸化炭素排出量の値と前記合計の環境負荷量とを比較して前記表示部に出力し、
前記表示部は、当該比較結果を表示する付記6乃至12記載の環境負荷表示装置。
(付記14)
前記測定部は、赤外線センサまたは超音波センサのいずれか1以上を更に有し、
ユーザがある空間内にいる場合、前記赤外線センサまたは前記超音波センサにより、その空間の大きさを測定し、
前記環境係数記憶部は、前記環境情報と前記測定部の前記測定結果との差に基づいて設定され、かつ前記空間の大きさに応じて設定された前記第3の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記第3の環境係数を用いて前記第3の環境負荷量を算出する付記8乃至13記載の環境負荷表示装置。
(付記15)
前記測定部は、さらに花粉及び/又はホコリを含む、予め定められた特定の物質の量を測定し、
前記表示部は、前記特定物質量の測定結果を前記環境負荷量と共に表示する付記2乃至14記載の環境負荷表示装置。
(付記16)
前記環境システムを制御する環境システム制御部を更に有し、
前記環境システム制御部は、前記環境閾値より前記合計の環境負荷量の方が高い場合、前記通信部を介して前記外部のシステムの環境負荷量を小さくするように当該外部システムを制御する付記6乃至15記載の環境負荷表示装置。
(付記17)
ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得し、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で算出し、
所定単位の前記環境負荷量を表示する環境負荷表示方法。
(付記18)
前記外部情報を取得する際、
前記管理システムと通信し、
ユーザが現在所在している場所の気温、湿度及び照度のうち1以上を測定し、
ユーザが移動手段に乗っている場合、当該移動手段の現在地を取得し、地図情報を参照して、当該移動手段を推定する付記17記載の環境負荷表示方法。
(付記19)
前記環境負荷量を算出する際、環境情報記憶部が記憶した、それぞれの位置に対応づけられた前記環境情報を取得する付記17又は18記載の環境負荷表示方法。
(付記20)
前記管理システムと通信する際、前記管理システムが消費したエネルギー量及びエネルギーの種類の情報である消費エネルギー情報を外部情報として取得する付記17乃至19記載の環境負荷表示方法。
(付記21)
前記外部情報を取得する際は、
前記消費エネルギー情報、前記測定部が測定した測定結果、及び前記移動手段推定部が推定した移動手段に関する情報のうち少なくとも1以上を外部情報とし、
前記外部情報に基づき、前記環境負荷量を算出する付記18乃至20記載の環境負荷表示方法。
(付記22)
前記環境負荷量を算出する際は、
前記環境負荷量を算出する環境負荷算出部と、
前記消費エネルギー情報を、所定の単位の前記環境負荷量に換算するための環境係数を記憶した環境係数記憶部と、
前記環境負荷量と比較するための環境閾値を記憶した環境評価尺度記憶部とを有し、
前記環境負荷量を算出する際は、前記外部情報と、前記環境負荷係数とに基づいて環境負荷量を算出し、当該環境負荷量を前記環境閾値と比較し、
前記比較結果を表示する付記16乃至21記載の環境負荷表示方法。
(付記23)
所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
外部情報取得部にユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得さる処理と、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で環境負荷評価部に算出さる処理と、
前記環境負荷評価部が算出した所定単位の前記環境負荷量を表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させる環境負荷表示プログラム。
【符号の説明】
【0086】
101 環境負荷表示装置
102 屋内エネルギー管理システム
103 車両エネルギー管理システム
104 各種情報
105 環境負荷表示装置
201 外部情報取得部
202 無線通信部
203 環境センサ部
204 移動手段推定部
205 環境負荷操作部
301 環境負荷評価部
302 環境負荷算出部
303 環境係数データベース
304 環境評価尺度データベース
305 環境情報保持データベース
401 表示部
402 環境システム制御部
801 空調機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を取得する外部情報取得部と、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で算出する環境負荷評価部と、
前記環境負荷評価部が算出した所定単位の前記環境負荷量を表示する表示部とを有する環境負荷表示装置。
【請求項2】
前記外部情報取得部は、
前記管理システムと通信する通信部と、
ユーザが現在所在している場所の気温、湿度及び照度のうち1以上を測定する測定部と、
ユーザが移動手段に乗っている場合、当該移動手段の現在地を取得し、地図情報を参照して、当該移動手段を推定する移動手段推定部とを有する請求項1記載の環境負荷表示装置。
【請求項3】
それぞれの位置に対応づけられた前記環境情報を記憶した環境情報記憶部を更に有し、
前記環境負荷評価部は、前記環境情報記憶部から前記環境情報を取得する請求項1又は2記載の環境負荷表示装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記管理システムが消費したエネルギー量及びエネルギーの種類の情報である消費エネルギー情報を前記外部情報として取得する請求項1乃至3記載の環境負荷表示装置。
【請求項5】
前記外部情報取得部は、
前記消費エネルギー情報、前記測定部が測定した測定結果、及び前記移動手段推定部が推定した移動手段に関する情報のうち少なくとも1以上を外部情報として前記環境負荷評価部に出力し、
前記環境負荷評価部は、前記外部情報取得部から受け取った外部情報に基づき、前記環境負荷量を算出する請求項2乃至5記載の環境負荷表示装置。
【請求項6】
前記環境負荷評価部は、
前記環境負荷量を算出する環境負荷算出部と、
前記外部情報取得部が取得した前記消費エネルギー情報を、所定の単位の前記環境負荷量に換算するための環境係数を記憶した環境係数記憶部と、
前記環境負荷量と比較するための環境閾値を記憶した環境評価尺度記憶部とを有し、
前記環境負荷算出部は、前記外部情報と、前記環境負荷係数とに基づいて環境負荷量を算出し、当該環境負荷量を前記環境閾値と比較した結果を、前記表示部に出力し、
前記表示部は、前記環境負荷算出部から受け取った前記比較結果を表示する請求項1乃至5記載の環境負荷表示装置。
【請求項7】
前記環境係数記憶部は、前記消費エネルギーの種類毎に設定された第1の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記消費エネルギー量と前記第1の環境負荷係数とを積算して第1の環境負荷量を算出する請求項6記載の環境負荷表示装置。
【請求項8】
前記環境係数記憶部は、前記移動手段の種類及び利用時間毎に設定された第2の環境負荷係数を記憶し、
前記環境負荷算出部は、前記移動手段の利用時間と前記第2の環境負荷係数とを積算して第2の環境負負荷量を算出する請求項6又は7記載の環境負荷表示装置。
【請求項9】
ユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得し、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で算出し、
所定単位の前記環境負荷量を表示する環境負荷表示方法。
【請求項10】
所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
外部情報取得部にユーザが現在所在している場所の環境を管理する管理システムで消費されているエネルギーの情報を外部情報として取得さる処理と、
屋外の環境の情報である環境情報と、前記消費エネルギー情報と、前記管理システムが環境に与える負荷量を示す環境負荷量を算出する環境負荷係数とに基づいて、前記環境負荷量を所定の単位で環境負荷評価部に算出さる処理と、
前記環境負荷評価部が算出した所定単位の前記環境負荷量を表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させる環境負荷表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−79271(P2012−79271A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226637(P2010−226637)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)