説明

環境配慮型桟橋

【課題】 桟橋の上部構造体の下側領域に、海藻類の生育に必要な十分な量の太陽光を取込むことができるようにする。
【解決手段】 杭11により上部構造体12を支持する杭式桟橋10において、前記上部構造体12の床版部15をプレキャスト版6により形成して、これに透明板17を備えて窓18を設ける。一方、前記床版部15の下側領域に杭11を利用して棚20を架設すると共に、該棚20上に岩礁性海藻類の着生に適した着生基盤22を敷設する。そして、上部構造体12上に設置した太陽追尾機構を備えた集光装置30からケーブル31を介して延ばした多数の光ファイバー32から前記棚20上の着生基盤22に向けて太陽光を照射し、前記床版部15の窓18からの採光と協働して、着生基盤22上で、海藻類の生育に必要な光量を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭により上部構造体を支持する杭式桟橋に係り、より詳しくは上部構造体の下側領域を動植物の生息に適した環境に改善した環境配慮型桟橋に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、船舶の接岸に利用される杭式桟橋は、図8に符号10にて示されるように、水底地盤Gに打設した杭(鋼管杭)11上の上部構造体12を護岸1に接合させる形態で構築される。より詳しくは、前記上部構造体12は、杭11上に配置される柱状部13と、この柱状部13の相互間を格子状に連接する梁部14と、この梁部14の格子内部に配置される薄肉の床版部15とからなっており、その片側の梁部14が、例えば、護岸1を構成する矢板壁(鋼管矢板壁)2の上端部を包む縁ブロック3と接合される。
【0003】
ところで、上記した桟橋10の上部構造体12の下方水域は、該上部構造体12と護岸1とが接合されていることもあって太陽光が入りにくい暗黒域となっており、海藻類や魚介類の着生、生息に適さない。このため、例えば、特許文献1には、桟橋の床版(上部構造体)の下側領域に杭を利用して棚を架設し、この棚上に割栗石等の石を積み上げ、さらに前記床版の一部に採光用のスリットを設けて、前記棚上を動植物の生息域とすることが提案されている。しかし、この石積みをした棚を海藻類(岩礁性海藻類)が繁茂する藻場棚とするには、前記したスリットからの採光だけでは光量が不足する、という問題があった。
【0004】
そこで、特許文献2に記載されたものでは、浮体上に石積みした浮磯を対象にしているが、浮体の外洋面側と桟橋の床版(上部構造体)の下面とに反射鏡を取付け、前記外洋面側の反射鏡で受光した太陽光を前記床版下面の反射鏡で反射させて浮磯上に照射させるようにしている。しかしながら、このように反射鏡を利用して藻場棚(浮磯)に太陽光を照射する対策によれば、反射鏡からの反射によって太陽光が拡散するため、藻場棚上で所望の光量を確保することは困難で、藻場棚の形成は依然として困難となる。また、太陽の移動によって入・反射角度が変化するため、藻場棚に一様に太陽光を照射することは困難で、この面からも藻場棚の形成は困難となる。
【0005】
なお、太陽光の集光照明に光ファイバーを利用する技術は従来より知られており、例えば、特許文献3に記載のものでは、太陽追尾機構を有する集光部で集光した太陽光を光ファイバーにより建物内の照明端末に伝送するようにしている。
【特許文献1】特開平9−165725号公報
【特許文献2】特開平10−295214号公報
【特許文献3】特開平6−300925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、上部構造体の下側領域に、海藻類の着生、生育に必要な十分な量の太陽光を取込むことができるようにし、もって藻場棚の確実な形成を可能にする環境配慮型桟橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、杭により上部構造体を支持する桟橋において、前記上部構造体の下側領域に前記杭を利用して棚を架設すると共に、該棚上に岩礁性海藻類の着生に適した着生基盤を敷設し、太陽追尾機構を備えた集光装置から延ばした多数の光ファイバーから前記棚上の着生基盤に向けて太陽光を照射することを特徴とする。
【0008】
太陽追尾機構を備えた集光装置は、上記特許文献3にも記載されるように周知であり、本発明は、このような集光装置と光ファイバーとを利用して、上部構造体の下側領域に太陽光を取込むようにしている。この場合、光ファイバーの設置数並びにその端末照射部の設置高さを適当に設定することで、上部構造体下の棚上の着生基盤に対して、海藻類の着生、生育に必要な十分な量の太陽光を一様に照射することができる。
【0009】
本第1の発明においては、前記上部構造体の床版部に、透明板を備えた円形または多角形の採光用窓を設けるようにしてもよい。この場合は、透明板を備えた窓を通して太陽光が上部構造体下に取込まれるので、着生基盤上における光量はより一層増大する。
【0010】
上記課題を解決するための第2の発明は、杭により上部構造体を支持する杭式桟橋において、前記上部構造体の下側領域に前記杭を利用して棚を架設すると共に、該棚上に岩礁性海藻類の着生に適した着生基盤を敷設し、前記上部構造体の床版部に、透明板を備えた円形または多角形の採光用窓を設け、前記床版部の下側領域に、前記窓から採光された太陽光を前記棚上の着生基盤に導く光伝達ダクトを配設したことを特徴とする。
【0011】
本第2の発明においては、透明板を備えた窓を通して上部構造体下に取込まれた太陽光が、光伝達ダクトを通して拡散することなく着生基盤に導かれるので、着生基盤上で、海藻類の着生、生育に必要な十分な量の太陽光が確保される。
【0012】
本第1および第2の発明において、上部構造体の床版部はプレキャスト版により形成してもよい。このようにプレキャスト版により床版部を形成した場合は、該プレキャストキャスト版を脱着することで、採光用窓に付着するゴミ、カビ、塩等の除去を簡単に行うことができる。
【0013】
本第1および第2の発明で用いる着生基盤は、岩礁性海藻類の着生に適していれば、特にその種類を問わないが、本出願人により既に明らかにされている(特願2004−271772)ものを用いるのが望ましい。この着生基盤は、少なくとも上部側が多孔質性状をなし、しかも、事前に炭酸処理を行って、生物生育に有害なアルカリ成分を水に不溶な成分として固定しており、海藻類の着生、生長が促進されるようになっている。本第1および第2の発明は、この着生基盤に、予め陸上水槽において岩礁性海藻類の幼芽体を発芽させるようにしてもよいもので、この場合は、上部構造体下に海藻類の繁殖する藻場棚が早期に形成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る環境配慮型桟橋によれば、上部構造体の下側領域に十分なる量の太陽光を取込むことができるので、海藻類の着生に適した着生基盤の使用と相俟って、上部構造体下に藻場棚を確実に形成することができ、環境改善に大きく寄与するものとなる。
特に、第1の発明によれば、太陽追尾機構を備えた集光装置で集光した太陽光を光ファイバーを通じて着生基盤上に導くので、終日はもちろん、年間を通して効率よく太陽光を取込むことができ、藻場棚の形成に極めて有用となる。一方、第2の発明によれば、窓から取込んだ太陽光を光伝達ダクトを通じて着生基盤上に太陽光を導くので、高価な集光装置や光ファイバーを用いる場合に比し、コスト負担が低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基いて説明する。
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態としての環境配慮型桟橋を示したものである。なお、本桟橋は、船舶の接岸に利用されるもので、その全体構造は、前出図8に示したものと同じであるので、ここでは、図8に示した部分と同一部分には、同一符号を付すこととする。本実施形態において、上部構造体12の床板部15は、別体に形成されたプレキャスト版16からなっており、各プレキャスト版16は、杭11上の柱状部14に形成した段部14a(図3)に支承されている。
【0016】
上記した各プレキャスト版16の中央部には、透明板17を備えた円形の(多角形でもよい)窓18が設けられており、透明板17は、各プレキャスト版16の開口内に突設した環状突起16a(図3)に外周縁部を載せた状態で該プレキャスト板16に嵌合固定されている。透明板17は、適度の透明性および強度を有していれば、プラスチック製であってもガラス製であってもよいが、コスト面を考慮すれば、プラスチック製のもの、例えばアクリル板を選択するのが望ましい。また、この透明板17の大きさすなわち窓18の大きさは、プレキャスト版16の大きさに応じて適宜の大きさとする。一例として、プレキャスト版16が、一辺4mの正方形である場合、透明板17としては、直径2m程度の大きさを有するものが選択される。なお、図示しないが、プレキャスト版16には吊り用の係止部材が埋設されており、各プレキャスト版16は前記係止部材に係合させた吊り具の操作により上部構造体12に着脱される。
【0017】
一方、上部構造体12の床版部15の下側領域には、杭11を利用して棚20が架設されている。棚20は、相隣接する杭11の相互間に橋渡した支持梁21の上に載置固定されており、ここでは、桟橋の長手方向へ延ばして2列に配設されている。棚20は、干潮時の潮位(LWL)よりも所定深さだけ深い位置(一例として、−4m程度)に位置決めされており、その上には、後に詳述する着生基盤22が敷設されている。
【0018】
また、上部構造体12の上面には、太陽追尾機構を備えた集光装置30が設置されると共に、上部構造体12の床版部15(プレキャスト版16)とその下方の棚20との間の領域には、前記集光装置30からケーブル31を介して延ばした多数の光ファイバー32が配設されている。集光装置30は多数のレンズを備えた多眼構造となっており、光ファイバー32はこの集光装置30内のレンズに対応して設けられている。
【0019】
本第1の実施形態において、上記集光装置30としては、レンズの数が多い(例えば、198眼)ものが選択されており、したがって、集光装置30から延ばされる光ファイバー32の数も多く(198本)なっている。一方、1本のケーブル31には、通常、6本程度の光ファイバー32が収められており、したがって、ここでは、ケーブル31の本数も多くなっている(198眼の場合は33本)。本実施形態においては、必要数のケーブル31を束ねた集合ケーブルを集光装置30から引出し、この集合ケーブルを4系列に分岐して、そのうちの2系列を各棚20に沿って平行に配列し、各系列のケーブル31から光ファイバー32の端末照射部を露出させて、棚20上の着生基盤22に向けて太陽光を照射させるようにしている。この場合、着生基盤22上で少なくとも1000Lxの照度が得られるように光ファイバー32の端末照射部の設置高さを設定し、かつ着生基盤22上にほぼ一様に太陽光が照射されるように光ファイバー32の端末照射部の配列ピッチを設定するのが望ましい。なお、図示されるケーブル31は、実際には複数本のケーブルを束ねた集合ケーブルであり、該集合ケーブルは、分岐に応じてその径が細くなる。また、これらケーブル31は、適宜の支持手段を用いてその位置が固定されるが、該支持手段については図示を省略している。
【0020】
着生基盤22は、図5に示されるように、ポーラス性状部23と非ポーラス性状部24とを上下に配した二層構造となっており、そのポーラス性状部23の上面は波形形状となっている。この着生基盤22は、岩礁性海藻類の着生に適したもので、前記特願2004−271772にその詳細が記載されており、したがって、ここでは概略の説明にとどめることとする。なお、岩礁性海藻類としては、アカモク、ヤツマタモク等のホンダワラ類、カジメ、アラメ等のコンブ類などがある。着生基盤22は、骨材、セメントおよび水を混練した混合物を成型した後、成型体を炭酸と接触させてアルカリ成分を水に不溶な成分として固定して製造される。また、所望により前記セメントの一部を人工ゼオライトで置換し、あるいは炭酸と接触させる前に前記成型体にミネラル分および鉄イオンを含む酸性溶液を含浸させるようにしている。
【0021】
上記のように製造された着生基盤22は、上側がポーラス性状部23となり、しかも生物育成に有害となるアルカリ成分が水に不溶な成分として固定されているので、海藻類の着生、生長が促進される。また、人工ゼオライトの混入、あるいはミネラル分および鉄イオンなどの栄養分の吸着により、海藻類の着生、生長がより一層促進される。さらには、上面の波形形状が水流による洗浄作用を促し、海藻類の着生に有害な浮泥の堆積が防止される。なお、この着生基盤22の製造に用いる骨材の種類は任意であり、小石はもちろん、貝殻、木材チップ、廃プラスチック片等を用いることができる。
【0022】
本第1の実施形態としての桟橋10においては、集光装置30で集められた太陽光がケーブル31内の光ファイバー32を通して棚20上に分配され、各光ファイバー32の端末照射部から棚20の着生基盤22に向けて照射される。また、これと同時に上部構造体12の床版部15(プレキャスト版16)に設けた、透明板17を備えた窓18から取込まれた太陽光が棚20の着生基盤22に向けて照射される。すなわち、光ファイバー32からの照射と床版部15の窓18からの採光により棚20上の着生基盤22上には、岩礁性海藻類の着生、生育に必要な十分な光量が確保される。一方、着生基盤22は、海藻類の着生に適したものとなっており、これにより、着生基盤22の上面には早期に海藻類が着生し、この結果、上部構造体12の下方水域には、海藻類が繁茂する藻場棚が早期に出現する。
【0023】
本第1の実施形態においては特に、太陽追尾機構を備えた集光装置30で集光した太陽光を光ファイバー32を通じて着生基盤22上に導くので、終日はもちろん、年間を通して効率よく太陽光を取込むことができ、海藻類が繁茂する藻場棚が確実に出現する。また、本第1の実施形態においては、上部構造体12の床版部15をプレキャスト版16により形成しているので、適当なタイミングで該プレキャスト版16を取外して、窓18(透明板17)に付着するゴミ、カビ、塩等の除去を簡単に行うことが、これにより窓18からの採光は長期的に維持される。
【0024】
なお、上記実施形態においては、1台の集光装置30を設置した例を示したが、形成すべき藻場棚の広さに応じて、複数台の集光装置30を用いることはもちろんである。また、この集光装置30の設置場所は任意であり、護岸1上に設置してもよい。さらに、上記床版部15に設ける窓18は省略してもよいもので、この場合は、光ファイバー32の本数やその端末照射部の設置高さを適当に設定して、着生基盤22上で必要な光量を確保する。
【0025】
図6は、本発明の第2の実施形態としての環境配慮型桟橋を示したものである。本第2の実施形態の特徴とするところは、上記第1の実施形態で必須の要件とする太陽追尾機構を備えた集光装置30および光ファイバー32を省略し、床版部15を構成するプレキャスト版16の下側領域に、各窓18に対応して光伝達ダクト40を配設した点にある。この光伝達ダクト40は、窓18から取込んだ太陽光を棚20上の着生基盤22に導く役割をなすもので、その内径は窓18の口径とほぼ同じ大きさに設定されている。また、光伝達ダクト40は、その上端をプレキャスト版16の背面に接触させた状態で、その下端(先端)が着生基盤22から所定距離(一例として、1m程度)だけ離間する高さに位置するように全体長さが設定されている。この場合、棚20は、前記したように干潮時の潮位(LWL)よりも4m程度深い位置に設定されており、したがって、光伝達ダクト40の先端部は、常時海中に没した状態となる。
【0026】
図7に示されるように、上記光伝達ダクト40の上端部の外周には、コ字形断面をなす環状の取付部材(溝形鋼)41が固結されおり、光伝達ダクト40は、プレキャストキャスト版16を表面側から通した長ボルト42にボルト43を螺合することで、その上端部がプレキャスト版16に脱着可能に固定されている。また、光伝達ダクト40の先端部の外周には、コ字形断面をなす環状の支持部材(溝形鋼)44が固結されており、この支持部材44には、L字形断面をなす支持アーム(山形鋼)45の基端部がボルト46を用いて取付けられている。支持アーム45は、周辺の杭11に対応して放射状に4本設けられ、それぞれの先端が杭11に突当てられている。すなわち、光伝達ダクト40の先端部は、4本の支持アーム45を杭11に突当てることで、その位置が固定されている。本第2の実施形態において、前記光伝達ダクト40の種類は任意であり、鋼管、アルミニウム管等の金属管であっても、ポリスチレン管、塩ビ管等のプラスチック管であってもよい。
【0027】
本第2の実施形態としての桟橋10においては、透明板17を備えた窓18を通して上部構造体12下に取込まれた太陽光は、光伝達ダクト40を通して拡散することなく着生基盤22の近傍に導かれる。したがって、棚20上の着生基盤22上には、岩礁性海藻類の着生、生育に必要な十分な光量が確保され、この結果、第1の実施形態におけると同様、上部構造体12の下方水域には、海藻類が繁茂する藻場棚が早期に出現する。本第2の実施形態においては特に、床版部15の下方領域に、単純形状の光伝達ダクト40を配設するだけなので、高価な集光装置30や光ファイバー32を用いる第1の実施形態に比してコスト的に有利である。
【0028】
ここで、上記各実施形態において、床版部15をプレキャスト版16としたが、本発明は、該床版部15を柱状部13や梁部14と一体に現場打ちしてもよいことはもちろんである。
また、上記各実施形態においては、着生基盤22に海藻類の種子を自然着生させるものとして説明したが、この着生基盤22には、予め陸上の水槽において海藻類の種子を着生発芽させるようにしてもよく、この場合は、人工的にかつ早期に藻場棚を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態としての環境配慮型桟橋の構造を一部断面として示す斜視図である。
【図2】図1に示した環境配慮型桟橋の構造を示す平面図である。
【図3】図2のA−A矢視線に沿う断面図である。
【図4】図2のB−B矢視線に沿う断面図である。
【図5】本発明で用いる着生基盤の構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態としての環境配慮型桟橋の構造を示す断面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示したもので、(P)は図6のP部拡大断面図、(Q)は図6のQ部拡断面図である。
【図8】船舶の接岸に利用される従来一般の桟橋構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 岸壁 2 矢板壁
10 杭式桟橋、 11 杭
12 上部構造体
13 柱状部、 14 梁部
15 床版部、 16 プレキャスト版
17 透明板、 18 窓
20 棚、 22 着生基盤
30 太陽追尾機構を備えた集光装置
31 ケーブル
32 光ファイバー
40 光伝達ダクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭により上部構造体を支持する杭式桟橋において、前記上部構造体の下側領域に前記杭を利用して棚を架設すると共に、該棚上に岩礁性海藻類の着生に適した着生基盤を敷設し、太陽追尾機構を備えた集光装置から延ばした多数の光ファイバーから前記棚上の着生基盤に向けて太陽光を照射することを特徴とする環境配慮型桟橋。
【請求項2】
上部構造体の床版部に、透明板を備えた円形または多角形の採光用窓を設けたことを特徴とする請求項1に記載の環境配慮型桟橋。
【請求項3】
杭により上部構造体を支持する杭式桟橋において、前記上部構造体の下側領域に前記杭を利用して棚を架設すると共に、該棚上に岩礁性海藻類の着生に適した着生基盤を敷設し、前記上部構造体の床版部に、透明板を備えた円形または多角形の採光用窓を設け、前記床版部の下側領域に、前記窓から採光された太陽光を前記棚上の着生基盤に導く光伝達ダクトを配設したことを特徴とする環境配慮型桟橋。
【請求項4】
上部構造体の床版部をプレキャスト版により形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の環境配慮型桟橋。
【請求項5】
着生基盤に、予め陸上水槽において岩礁性海藻類の幼芽体を発芽させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の環境配慮型桟橋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−63822(P2007−63822A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249871(P2005−249871)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【Fターム(参考)】