説明

環状化合物の製造方法

【課題】触媒を再利用することができる簡単な方法で、求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化できる工業的な方法を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)
[化1]


(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアルキル基又はアルコキシ基を示す。Aはアルキレン基を示し、XはOH基、SH基、NH基及びCOOH基からなる群より選ばれるいずれか1種の求核基を示す。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。RとAは一つの環を形成していてもよい。)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させることを特徴とする環状化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化してなる環状化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、α−アルキルスチレン誘導体のα位を環化する方法としては、例えば下記式(8)で表される化合物にオキシ水銀−脱水銀を行う(マルコウニコフ型反応)ことにより、下記式(9)で表される環状化合物を得る方法(以下、「反応A」という)が知られている(非特許文献1)。
【0003】
【化1】

【0004】
【非特許文献1】J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,1997,1143−1146
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記反応Aを用いる方法は、以下のような問題点を有する。すなわち、酢酸水銀(Hg(OAc))を使用することから、反応終了後水銀をろ過等により除去する必要がある。また、該反応で試薬として用いるNaBHは、吸湿性が強く、空気中の水分を吸って分解する等安定性が悪いうえに高価であるという問題がある。更にまた、NaBHを添加する際、室温から0℃まで冷却する必要がある。また、触媒としてNaBHを再利用するのは容易でない。また、生成物を得るために溶媒抽出をしなければならない等の多くの問題点がある。更に、式(8)中のアルキレン鎖が長くなると、二重結合のβ位が攻撃されて環の大きさが異なる異性体が生成しやすくなることから、工業的に不利な製造方法である。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、触媒を再利用することができ、かつ簡単な方法で、求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化できる工業的な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、アルミノシリケートを環化反応の触媒として使用することで、水銀や電解反応を使用することなく求核基を有するアルケン化合物の環状化(マルコウニコフ型反応)が進行し、触媒が再利用でき、環の大きさが異なる異性体等の副生成物の生成も少なくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化2】

【0008】
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアルキル基又はアルコキシ基を示す。Aはアルキレン基を示し、XはOH基、SH基、NH基及びCOOH基からなる群より選ばれるいずれか1種の求核基を示す。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。RとAは一つの環を形成していてもよい。)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させることを特徴とする環状化合物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法は、触媒としてアルミノシリケートを用いて接触させるだけで、求核基を有するアルケン化合物を環状化することができ、また触媒であるアルミノシリケートを容易に再利用することができ、さらに環の大きさが異なる異性体やアルデヒド体等の副生成物の生成も少なく、かつ安価で経済的な方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の製造方法は、下記一般式(1)
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアルキル基又はアルコキシ基を示す。Aはアルキレン基を示し、XはOH基、SH基、NH基及びCOOH基からなる群より選ばれるいずれか1種の求核基を示す。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。RとAは一つの環を形成していてもよい。)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させることを特徴とする環状化合物の製造方法である。
【0013】
一般式(1)中のRは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基である。
アルキル基としては、特に制限されるものではないが、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、特に制限されるものではないが、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、特に制限されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、特に制限されるものではないが、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、特に制限されるものではないが、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
これらのなかでも、Rとしてはアルキル基又はアリール基が好ましく、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
【0014】
また、前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。該置換基の種類としては特に制限されるものではないが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。ここで、置換基としてのアルキル基及びアルコキシ基としては、前記Rとしてのアルキル基及びアルコキシ基と同様のものが挙げられる。またハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
【0015】
一般式(1)中のRはアルキル基又はアルコキシ基を示し、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。より具体的には、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
また、前記Rのアルキル基又はアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。該置換基の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ハロゲン原子が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、前記Rの置換基としてのハロゲン原子と同様のものが挙げられる。なお、Rの立体配置は、Z、Eのいずれでもよい.
これらのなかでも、Rとしてはメチル基が特に好ましい。
【0016】
一般式(1)においては、前記条件を満たせば、R及びRは同一でも異なってもよい。
【0017】
一般式(1)中のAはアルキレン基を示し、炭素数3〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数3〜10のアルキレン基がより好ましい。
一般式(1)中のXはOH基、SH基、NH基及びCOOH基からなる群より選ばれるいずれか1種の求核基を示す。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物において、RとAは一つの環を形成していてもよい。すなわち、Rを構成する炭素原子とAを構成する炭素原子とが結合して、環を形成していてもよい。このように形成される環は特に制限されるものではないが、例えば、五員環、六員環および七員環等が挙げられる。
【0018】
本発明で環化反応の触媒として使用するアルミノシリケートは、合成品に限らず天然品であっても差し支えないが、品質上の面からA型、P型、X型またはY型結晶系の合成ゼオライト、その他ソーダライト、アナルサイム、モルデナイト、ハイシリカゼオライト等の合成品が好適に用いられる。これらは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属で一部置換したものであってもよい。かかるアルミノシリケートは、結晶質であっても非晶質であってもよい。
【0019】
更にまた、アルミノシリケートは、原料となる前記求核基を有するアルケン化合物(以下、「アルケン化合物」と略記することがある)の求核基の酸性度に応じて適宜選択することが好ましい。
即ち、一般式(1)中のXがOH基、SH基又はCOOH基であるときは、酸性アルミノシリケートを使用することが好ましい。酸性アルミノシリケートとしては、H型アルミノシリケートが好ましく、特にH型モルデナイトが好ましい。
一方、一般式(1)中のXがNH基であるときは、中性乃至塩基性のアルミノシリケートを使用することが好ましい。中性乃至塩基性のアルミノシリケートとしては、フォージャサイト型のアルカリ金属ゼオライトが好ましい。
【0020】
アルミノシリケートの添加量は、特に制限されないが、原料となる前記アルケン化合物1質量部に対し、100質量部以下、特に20質量部以下が好ましい。
また、該アルミノシリケートは、反応に使用する前に加熱処理等により脱水したものが好ましい。加熱処理は使用する前記アルケン化合物の種類によって異なるが、アルミノシリケート中に存在する有機物が焼失すればよく、例えば、500℃で15時間程度焼成すればよい.
該アルミノシリケートを再使用する場合は、加熱処理をすればよい.
【0021】
反応は、例えば、原料となる前記アルケン化合物を溶媒に溶解させ、該溶液にアルミノシリケートを粉末として添加し、攪拌させることで、前記アルケン化合物をアルミノシリケートと接触させながら環化反応を行う方法が適用できる。かかる反応において、アルミノシリケートは、原料を溶解させた溶液に予め添加すればよい。なお、該アルミノシリケートをカラムに充填し、原料を含む溶液をポンプでカラムへ送液しカラム内を循環させながら反応を行ってもよい。
【0022】
前記アルケン化合物を溶解させる溶媒は、該アルケン化合物を溶解することができ、該アルケン化合物と反応生成物に対して不活性な溶媒であれば特に制限されるものではないが、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、アセトン、ジクロロメタン等が挙げられる。このうち、シクロヘキサン、ジクロロメタンが好ましい。
【0023】
反応は、窒素ガス等の不活性雰囲気下又は大気中で行うことができる。原料の前記アルケン化合物の構造によっては、反応中に副反応を抑える必要がある場合があるため、不活性雰囲気下で反応を行うことが好ましい.不活性雰囲気とは、例えば窒素雰囲気等が挙げられる.
更に、反応は暗所下で攪拌することにより行うことが好ましく、このようにすることで、反応中に副反応を抑えることができる。暗所での反応とは、反応容器を光から遮断して反応させることを意味する。
【0024】
反応温度は、使用する前記アルケン化合物の種類によって異なるが、多くの場合、20℃〜使用する溶媒の沸点までで行うことが好ましい。
また、反応時間は、環化反応が進行すれば特に制限されないが、多くの場合、10分以上、好ましくは30分〜24時間程度である。反応の終了は、例えば、薄層クロマトグラムすることにより判断することができる。
【0025】
反応終了後、反応溶液をろ過し、アルミノシリケートを分離することにより、目的とする環状化合物を得ることができる。ろ過を行う時は、大気中で特に光を遮断しなくてよい。
【0026】
本発明の環状化合物の製造方法は、下記反応式(A1)〜(A3)で示す反応に対して特に好適に用いることができる。
反応式(A1);下記一般式(2)で表される求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化して、下記一般式(3)で表される環状化合物を製造する反応。
【0027】
【化4】

【0028】
(式中、R及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示す。XはOH基、SH基又はNH基を示す。nは2以上の整数を示す。YはO、S又はNHを示す。)
【0029】
反応式(A2);下記一般式(4)で表される求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化して、下記一般式(5)で表される環状化合物を製造する反応。
【0030】
【化5】

【0031】
(式中、R及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示す。nは2以上の整数を示す。)
【0032】
反応式(A3);下記一般式(6)で表される求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化して、下記一般式(7)で表される環状化合物を製造する反応。
【0033】
【化6】

【0034】
(式中、R、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、XはOH基、SH基又はNH基を示す。YはO、S又はNHを示す。)
【0035】
<反応式(A1)の反応>
反応式(A1)の反応は、前記一般式(2)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させて、前記一般式(3)で表される環状化合物を得る反応である。反応式(A1)において、原料となる一般式(2)で表されるアルケン化合物は、前記一般式(1)で表されるアルケン化合物に包含されるものである。
前記一般式(2)及び(3)中のR及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示し、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。より具体的には、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。RとRは、同一でも異なっていてもよい。このうち、Rがメトキシ基であり、Rがメチル基である場合が特に好ましい。
がベンゼン環に結合する位置は、2位、3位、4位のいずれでもよいが、4位が好ましい。Rの立体配置は、Z、Eのいずれでもよい。
【0036】
一般式(2)中、XはOH基、SH基又はNH基を示す。
また、一般式(3)中、Yは、O(酸素)、S(硫黄)又はNHを示し、このO、S、NHは、一般式(2)中のXのOH基、SH基又はNH基にそれぞれ対応したものになる。
また、一般式(2)及び(3)中、nは2以上の整数であり、好ましくは2〜6の整数であり、特に好ましくは2〜4の整数である。nが2〜6であれば、環の大きさが異なる異性体やアルデヒド体等の副生成物の生成が少なく、高い転化率、収率で環状化合物を製造することができる。
【0037】
反応条件は前述したとおりであり、アルミノシリケートは、一般式(2)中のXがOH基又はSH基のときは、酸性アルミノシリケートを用いることが好ましく、特に好ましくはH型モルデナイトである。一方、XがNH基のときは、アルミノシリケートは中性乃至塩基性のアルミノシリケートを用いることが好ましく、特に好ましくはフォージャサイト型のアルカリ金属ゼオライトである。
また、反応温度は、一般式(2)中のアルキレン鎖長によって変わるが、鎖長が長い程、高温で反応する必要がある。例えば、一般式(2)中のnが2の場合は、室温付近でも環状化が十分進み、nが4の場合は、50℃程度の温度で反応が十分進む。
【0038】
<反応式(A2)の反応>
反応式(A2)の反応は、前記一般式(4)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させて、前記一般式(5)で表される環状化合物を得る反応である。反応式(A2)において、原料となる一般式(4)で表されるアルケン化合物は、前記一般式(1)で表されるアルケン化合物に包含されるものである。
前記一般式(4)及び(5)中のR及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示し、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。より具体的には、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。RとRは、同一でも異なっていてもよい。このうち、Rがメトキシ基であり、Rがメチル基である場合が特に好ましい。
がベンゼン環に結合する位置は、2位、3位、4位のいずれでもよいが、4位が好ましい。Rの立体配置は、Z、Eのいずれでもよい。
また、一般式(4)及び(5)中、nは2以上の整数であり、好ましくは2〜6の整数であり、特に好ましくは2〜4の整数である。nが2〜6であれば、環の大きさが異なる異性体やアルデヒド体等の副生成物の生成が少なく、高い転化率、収率で環状化合物を製造することができる。
【0039】
また、反応条件は前述したとおりであり、アルミノシリケートは、酸性アルミノシリケートを用いることが好ましく、特に好ましくはH型モルデナイトである。
また、反応温度は、前記反応式(A1)の反応と同様に一般式(4)中のアルキレン鎖長によって変わるが、鎖長が長い程、高温で反応する必要がある.例えば、一般式(4)中のnが2の場合は、室温付近でも環状化が十分進み、nが4の場合は、50℃程度の温度で反応が十分進む.
【0040】
<反応式(A3)の反応>
反応式(A3)の反応は、前記一般式(6)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させて、前記一般式(7)で表される環状化合物を得る反応である。反応式(A3)において、原料となる一般式(6)で表されるアルケン化合物は、前記一般式(1)で表されるアルケン化合物に包含されるものである。
前記一般式(6)及び(7)中のR、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。より具体的には、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
、R及びRは、全てが同一、或いは2種が同一でもよく、それぞれが異なっていてもよい。このうち、R、R及びRがいずれもメチル基である場合が特に好ましい。
【0041】
一般式(6)中、XはOH基、SH基又はNH基を示す。
また、一般式(7)中、Yは、O(酸素)、S(硫黄)又はNHを示し、このO、S、NHは、一般式(6)中のXのOH基、SH基又はNH基にそれぞれ対応したものになる。
【0042】
反応条件は前述したとおりであり、アルミノシリケートは、一般式(6)中のXがOH基又はSH基のときは、酸性アルミノシリケートを用いることが好ましく、特に好ましくはH型モルデナイトである。一方、XがNH基のときは、アルミノシリケートは中性乃至塩基性のアルミノシリケートを用いることが好ましく、特に好ましくはフォージャサイト型のアルカリ金属ゼオライトである。
また、反応温度は、特に制限されるものではなく、一般式(6)で表されるアルケン化合物の種類に応じて、溶解性等を考慮しながら適宜選択すればよい。
【0043】
反応式(A3)の反応で得られる、一般式(7)で表される化合物のうち、特にR、R及びRがいずれもメチル基で、YがOである化合物は、1,8−シネオールであり、香料、化粧品、呼吸器系医薬として特に有用な化合物である。
【実施例】
【0044】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
(合成例1)
50.0gの無水コハク酸を60mLのエタノール中で還流させ、45.6gのハーフエステルを得た。得られたハーフエステルを74.2gの塩化チオニルで処理し、酸塩化物37.7gに変換した。
36.7gの塩化アルミニウム存在下、29.7gのアニソールのジクロロメタン溶液を100mL加え、ケトエステル52.8gを得た。10.1gのケトエステルのエーテル溶液にn−BuLiを40.6mL加え、トリフェニルエチルブロミド23.8gとのWitting反応を行い、アルケニルエステル(3.3g)を得た。1.2gのアルケニルエステルをエーテル100mL中でLiAlH 1.0gを用いて還元し、4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エン−1−オル(一般式(2)中、n=2、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)0.8gを合成した。
【0046】
(合成例2)
合成例1と同様に調製した1.03gの(E)体と(Z)体を含む4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エン−1−オル(一般式(2)中、n=2、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)と、2.48gのテトラブロモメタンを、ジクロロメタン20mL中において窒素雰囲気下で攪拌しながら−18℃まで冷却した。そこへ1.97gのトリフェニルホスフィンをジクロロメタン10mLに溶かして加え、−18℃、窒素雰囲気下攪拌した。2時間後攪拌を止め、反応を終了し、ブロモ置換体である(E)−1−ブロモ−4−(4−メトキシ−フェニル)ヘクス−4−エンと(Z)−1−ブロモ−4−(4−メトキシ−フェニル)ヘクス−4−エンとの混合物0.970gへと変換した。
DMF30mL中68℃で、0.970gの上記ブロモ置換体と0.706gのフタルイミドカリウム塩によるGabriel合成を行い、(E)−2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エニル]−イソインドール−1,3−ジオンと(Z)−2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エニル]−イソインドール−1,3−ジオンとの混合物1.03gを得た。このアルキルフタルイミドをエタノール70mL中で0.436mLのヒドラジン一水和物と70℃で2時間、その後7.50mLの酢酸を加えて70℃で0.5時間反応させ、下記化学式(2a)で表される(E)−4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エニルアミンと(Z)−4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エニルアミンとの混合物(以下、化合物(2a)と略記する)を0.555g合成した。得られた化合物のNMRのデータを表1に、IRのデータを表2に示した。
【0047】
【化7】

【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
(合成例3)
合成例1と同様にアルケニルエステルを調製し、50mlナスフラスコに該アルケニルエステルを3mmol、水酸化バリウムを1.50mmol、エタノールを20ml加え、24時間攪拌した。塩酸で加水分解後、エーテル抽出、無水硫酸ナトリウムによる乾燥、減圧蒸留により精製し、下記化学式(4a)で表される化合物(以下、化合物(4a)と略記する)を得た(収率87.6%)。
【0051】
【化8】

【0052】
(実施例1)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。4−(4−メトキシ−フェニル)−ヘクス−4−エン−1−オルの0.25mmolのシクロヘキサン溶液50mLを調製した。そこへ、加熱活性化したモルデナイト0.5gを加え、暗所で、空気下、25℃で攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製した。分析は、水素および炭素に関する核磁気共鳴、赤外吸収スペクトル測定、質量分析により確認した。得られた化合物スペクトルデータは以下の通りである。
NMR/ppm:2(2.00,2.14)3(1.76,1.92)4(3.85,3.94)5(1.79)6(0.752)o(7.26)m(6.85)−oMe(3.80)
IR/cm−1:2968,2932,2872,1612,1512,1464,1412,1376,1248,1174,1098,1036,828
また、分子式はC1318、分子量は206、m/e−Etは177であった。
これらの結果から、得られた化合物は、下記構造式を有する2−エチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−テトラヒドロフラン(一般式(3)中、n=2、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、YがO)であることが確認された。
【0053】
【化9】

【0054】
得られた化合物の転化率および分離収率を表1に記載した。
【0055】
(実施例2)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。これを電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した.上記合成例1と同様の方法で得られた5−(4−メトキシ−フェニル)−ヘプト−5−エン−1−オル(一般式(2)中、n=3、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)0.25mmolのシクロヘキサン溶液50mLを調製した。そこへ、加熱活性化したH型モルデナイト0.5gを加え、暗所で、空気下、25℃で攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製した。得られた化合物スペクトルデータは以下の通りである。
NMR/ppm:3(1.69,1.82)4(1.47,1.65)5(1.41,1.65)6(3.49,1.68)Me(0.655)Met(1.66,2.26)o(7.26)m(6.89)−OMe(3.78)
IR/cm−1:2936、2860、1612、1512、1464、1414、1376、1246、1176、1106、1036、828
また分子式はC1420、分子量は220、m/eは220、m/e−Etは191であった。
これらの結果から、得られた化合物は、下記構造式を有する2−エチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−テトラヒドロピラン(一般式(3)中、n=3、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、YがO)であることが確認された。得られた化合物の転化率及び分離収率を表5に記載した。
【0056】
【化10】

【0057】
(実施例3)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。これを電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。上記合成例1と同様の方法で得られた6−(4−メトキシ−フェニル)−オクト−6−エン−1−オル(一般式(2)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)0.25mmolのシクロヘキサン溶液50mLを調製した。そこへ、加熱活性化したH型モルデナイト0.5gを加え、暗所で、空気下、25℃で攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製した。得られた化合物スペクトルデータは以下の通りである。
NMR/ppm:3(1.91,2.22)4(1.58)5(1.35,1.69)6(1.66)7(3.39,3.71)Me(0.614)Met(1.62,1.75)o(7.26)m(6.84)−OMe(3.80)
IR/cm−1:2928、2872、1728、1612、1512、1464、1374、1248、1176、1080、1036、828
また、分子式はC1522、分子量は234、m/eは233、m/e−Etは205であった。
これらの結果から、得られた化合物は、下記構造式を有する2−エチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキセパン(一般式(3)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、YがO)であることが確認された。得られた化合物の転化率及び分離収率を表5に記載した。
【0058】
【化11】

【0059】
(実施例4)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。これを電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。上記合成例1と同様の方法で得られた6−(4−メトキシ−フェニル)−オクト−6−エン−1−オル(一般式(2)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)0.25mmolのシクロヘキサン溶液50mLを調製した。そこへ、加熱活性化したH型モルデナイト0.5gを加え、暗所で、窒素雰囲気下、25℃で攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製した。得られた化合物の転化率および分離収率を表5に記載した。
NMR/ppm:3(1.91,2.22)4(1.58)5(1.35,1.69)6(1.66)7(3.39,3.71)Me(0.614)Met(1.62,1.75)o(7.26)m(6.84)−OMe(3.80)
IR/cm−1:2928、2872、1728、1612、1512、1464、1374、1248、1176、1080、1036、828
また、分子式はC1522、分子量は234、m/eは233、m/e−Etは205であった。
これらの結果から、得られた化合物は、2−エチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキセパン(一般式(3)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、YがO)であることが確認された。
【0060】
(実施例5)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。これを電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。上記合成例1と同様の方法で得られた6−(4−メトキシ−フェニル)−オクト−6−エン−1−オル(一般式(2)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、XがOH基)0.25mmolのシクロヘキサン溶液50mLを調製した。そこへ、加熱活性化したH型モルデナイト0.5gを加え、暗所で、空気下、50℃で攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製した。得られた化合物の転化率および分離収率を表5に記載した。
NMR/ppm:3(1.91,2.22)4(1.58)5(1.35,1.69)6(1.66)7(3.39,3.71)Me(0.614)Met(1.62,1.75)o(7.26)m(6.84)−OMe(3.80)
IR/cm−1:2928、2872、1728、1612、1512、1464、1374、1248、1176、1080、1036、828
また、分子式はC1522、分子量は234、m/eは233、m/e−Etは205であった。
これらの結果から、得られた化合物は、2−エチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキセパン(一般式(3)中、n=4、Rがメチル基、Rが4−メトキシ基、YがO)であることが確認された。
【0061】
(実施例6)
NaY型ゼオライト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。上記合成例2で調製した化合物(2a)の0.005mmolのジクロロメタン溶液10mLを調製した。そこへ、加熱活性化したNaY型ゼオライト0.5gを加え、暗所で、空気下、25℃で1時間攪拌した。グラスフィルターつきロートでゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。GC−MSにより下記化学式(3a)で表される化合物(以下、化合物(3a)と略記する)の生成を確認した。化合物(2a)と化合物(3a)の混合物で2.2mgを得た。留去した成分を分取用薄層で単離精製して化合物(3a)を回収した。得られた化合物スペクトルデータは以下の通りである。
同定データ;化合物(3a)は分子式C1319NO、分子量205、m/eは205、m/e−Etは175、−Cは147。
【0062】
【化12】

【0063】
(実施例7)
HYゼオライト1.0gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。上記合成例3で調製した化合物(4a)の0.11mmolのシクロヘキサン溶液20mLを調製した。そこへ、加熱活性化したHYゼオライト1.0gを加え、暗所で、空気下、25℃で1時間攪拌した。グラスフィルターつきロートでHYゼオライトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製して下記化学式(5a)で表される化合物(以下、化合物(5a)と略記する)を回収した。また、化合物(5a)のH−NMRと13C−NMRのデータを表3に、IRのデータを表4に示した。また、転換率および収率は表5に記した。
また、分子式はC1316、分子量は220で、GC−MSで測定の結果、m/eは220、m/e−Etは191であった。
【0064】
【化13】

【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】
(実施例8)
H型モルデナイト0.5gを、電気炉を用いて500℃空気下で15時間加熱活性化した。電気炉で200℃まで冷却後、デシケーターで減圧し、室温に戻した。市販のα−テルピネオール(下記化学式(6a)で表される化合物;東京化成社製)の0.34mmolのシクロヘキサン溶液0.34mLを調製した。そこへ、加熱活性化したH型モルデナイト0.5gを加え、暗所で、空気下、35℃で24時間攪拌した。グラスフィルターつきロートでモルデナイトを除去し、ろ液の溶媒を留去した。留去した成分を分取用薄層で単離精製して下記化学式(7a)で表される化合物(以下、化合物(7a)と略記する)を回収し、GC−MSでの分析結果より、m/eが154の1,8−シネオール(化合物(7a);分子式C1018O、分子量154)の生成が確認された。また、転換率および収率は表5に記した。
【0068】
【化14】

【0069】
(比較例1)
(E)−5−アリルペント−4−エン−1−オル0.06molを溶媒10mLに溶かし、同じ溶媒50mLにHg(OAc)を23.5g(0.07mol)溶かし、これを加え、室温で24時間攪拌した。10mLのNaOH(3M)の水溶液を加え、0℃に保ちながらNaBH(0.2g、0.005mol)のNaOH(3M)水溶液を10mL加えた。水銀が沈殿してくるので、ろ過で除き、ジエチルエーテルで抽出し、カラムクロマトにより精製単離した。得られた化合物の転化率および分離収率を表1に記載した。
15bp105−108℃、(10mmHg)、σ(400MHz:CDCl3)、1.63(4H,m)、1.83(1H,brd,J10.2)、1.93(1H,dt,J8.1,2.0,6−H)、4.31(1H,dd,J10.2,2.0,2−H)、7.22−7.37(5H,m,aromatic)
これらの結果から得られた化合物は、2−フェニルテトラヒドロピランであることが確認された。
【0070】
【表5】

【0071】
表5から明らかなように、本発明の製造方法は、簡単な方法で一般式(1)の求核基を有するアルケン化合物を分子内環状化できるものであり、転化率、収率とも優れていることが分かる。触媒も加熱することにより再利用が可能である。これに対し、オキシ水銀−脱水銀を用いる従来法は、水銀を除去する必要があること、NaBHの取扱いに注意が必要であること、反応系を0℃まで冷却する必要があること、生成物を得るために溶媒抽出が必要であること等、多くの問題点があった。さらに、転化率、収率も十分ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、求核基を有するアルケン化合物の分子内環状化に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアルキル基又はアルコキシ基を示す。Aはアルキレン基を示し、XはOH基、SH基、NH基及びCOOH基からなる群より選ばれるいずれか1種の求核基を示す。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基は水素原子が置換されていてもよい。RとAは一つの環を形成していてもよい。)で表される求核基を有するアルケン化合物を、アルミノシリケートと接触させて分子内環状化させることを特徴とする環状化合物の製造方法。
【請求項2】
前記アルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルコキシ基の水素原子がアルキル基またはアルコキシ基で置換されていることを特徴とする請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【請求項3】
前記求核基を有するアルケン化合物が下記一般式(2)で表される化合物であり、前記環状化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【化2】

(式中、R及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示す。XはOH基、SH基又はNH基を示す。nは2以上の整数を示す。YはO、S又はNHを示す。)
【請求項4】
前記求核基を有するアルケン化合物が下記一般式(4)で表される化合物であり、前記環状化合物が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【化3】

(式中、R及びRはアルキル基又はアルコキシ基を示す。nは2以上の整数を示す。)
【請求項5】
前記求核基を有するアルケン化合物が下記一般式(6)で表される化合物であり、前記環状化合物が下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【化4】

(式中、R、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、XはOH基、SH基又はNH基を示す。YはO、S又はNHを示す。)
【請求項6】
前記アルミノシリケートが脱水したアルミノシリケートである請求項1〜5のいずれか1項記載の環状化合物の製造方法。
【請求項7】
前記一般式(1)中のXがOH基、SH基又はCOOH基であるときに、前記アルミノシリケートが酸性アルミノシリケートである請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【請求項8】
前記酸性アルミノシリケートがH型モルデナイトである請求項7記載の環状化合物の製造方法。
【請求項9】
前記一般式(1)中のXがNH基であるときに、前記アルミノシリケートが中性乃至塩基性アルミノシリケートである請求項1記載の環状化合物の製造方法。
【請求項10】
前記中性乃至塩基性アルミノシリケートがフォージャサイト型のアルカリ金属ゼオライトである請求項9記載の環状化合物の製造方法。
【請求項11】
前記求核基を有するアルケン化合物を、不活性雰囲気下で前記アルミノシリケートと接触させる請求項1〜10のいずれか1項記載の環状化合物の製造方法。
【請求項12】
前記求核基を有するアルケン化合物を、暗所下で前記アルミノシリケートと接触させる請求項1〜11のいずれか1項記載の環状化合物の製造方法。

【公開番号】特開2007−269777(P2007−269777A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35153(P2007−35153)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年9月24日 日本化学会東北支部主催の「化学系学協会東北大会」において文書をもって発表
【出願人】(000230593)日本化学工業株式会社 (296)
【Fターム(参考)】