説明

環状同芯撚りビードコード

【課題】環状同芯撚りビードコードの環状コアに低コストで長期間にわたって安定した耐食性を付与することである。
【解決手段】環状コア1の鋼線表面にAl−Zn合金またはZnの厚いめっき層3を形成して、環状コア1と側線ワイヤ2との間でフレッチングが発生しても鋼線表面が露出しにくいようにするか、あるいは環状コア1の材質をステンレス鋼とすることにより、低コストで環状コア1が長期間にわたって安定した耐食性を得られるようにしたのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤのビード部を補強するためにビード部に埋め込まれるビードコード、特に、環状コアの周囲に側線ワイヤを螺旋状に巻き付けて形成したシース層を1層または複数層設けた環状同芯撚りビードコードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
環状同芯撚りビードコードは、各種車両用タイヤのビード部の補強材として広く使用されている。その構造は、安定した形状と十分な剛性を確保できるように、太径の鋼線の両端を突合せ溶接して形成した環状コアの周りに細径の側線ワイヤを1層または複数層螺旋状に巻き付けたものが多い。
【0003】
上記のようなビードコードでは、一般に、側線ワイヤにはタイヤのゴムとの接着性を高めるために黄銅や青銅等のめっきが施されている。このめっきは、通常、電気めっき法や置換めっき法によって行われ、その層厚は0.2〜0.3μm程度である。これは、ゴムとの強固な接着性を得るには、めっき層の厚みが薄い方が有利だからである。ところが、環状コアは裸線のままで使用されることが多く、ゴムが湿潤状態になったときに腐食しやすいという問題がある。このため、近年、タイヤの安全性向上や高性能化の要求が強まるにつれて、環状コアの耐食性向上の要求も強くなってきている。
【0004】
これに対して、特許文献1には、環状コアのゴムとの接着性を高めるために、コアを形成する鋼線に側線ワイヤと同様のめっきを施すとともに、側線ワイヤどうしの間隔を従来よりも広くとってゴムがコアまで浸透して接着するようにしたビードコードが記載されており、このビードコードでは、ゴムが湿潤状態になっても、環状コアがゴムとの接着により腐食しにくいとされている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のビードコードは、実際には、側線ワイヤどうしの間隔が均一にならず、環状コアのゴム被覆にバラツキが生じやすい。このため、ゴムが湿潤状態になると、環状コアのゴムで被覆されていない部分では、ゴムとの接着を目的とした薄いめっき層だけでは十分な耐食性が得られず、すぐに鋼線に錆が発生してしまい、この錆がゴム被覆部にも広がっていく可能性が高い。特に、車両用タイヤに使用された場合は、環状コアと側線ワイヤとの間でフレッチングが生じると、短時間でめっき層が摩滅して耐食性が低下してしまい、腐食域が広がりやすくなるという問題がある。なお、鋼線へのめっき処理を繰り返せば、めっき層の厚みをある程度厚くできるが、電気めっき法や置換めっき法は厚めっきを形成するのに不向きなため、作業効率が悪くコストアップが大きい。
【0006】
一方、特許文献2には、軽量化を目的として環状コアの材質を高機能の合成樹脂としたビードコードが記載されている。このビードコードでは、環状コア材質の樹脂化により、コアの耐食性は確実に向上する。しかし、高機能の材料を使用することで高コストとなるし、保管管理が容易でない等、使い勝手の面での課題も多い。また、その材料として特許文献2の実施例にあげられている6ナイロンやPEN(ポリエチレンナフタレート)等を採用した場合は、従来の環状コアの鋼線と同じ径に形成するとビードコードに必要な剛性を確保できないため、実用化が難しい。
【特許文献1】特開平05−163686号公報
【特許文献2】特開平11−321247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、環状同芯撚りビードコードの環状コアに低コストで長期間にわたって安定した耐食性を付与することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するための第一の手段として、環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線表面にAl−Zn合金めっきを施したものである。
【0009】
すなわち、環状コアの鋼線表面に、厚めっきが可能で高い耐食性を有するAl−Zn合金めっきを施し、環状コアと側線ワイヤとの間でフレッチングが発生しても鋼線表面が露出しにくいようにすることにより、低コストで環状コアが長期間にわたって安定した耐食性を得られるようにしたのである。
【0010】
前記環状コアの鋼線表面に施すAl−Zn合金めっきの組成としては、Alを3.5〜15%含有しているのが好ましい。このAlの含有率は、高いほど耐食性が良くなるが、Alが高価であることと加工性を考慮して、15%を上限とした。一方、Alの含有率が3.5%を下回ると、より安価に厚めっきができるZnめっきと耐食性に大差がなくなるので、3.5%を下限とした。
【0011】
前記Al−Zn合金めっきのめっき厚は、厚いほど環状コアと側線ワイヤとのフレッチングに対して有利であるが、あまり厚くすると、鋼線の断面積の減少によりビードコードが必要な強度を確保しにくくなるため、上限を35μmとした。一方、下限は、十分な耐食性を確保できるように1μmとすることが好ましい。
【0012】
また、環状コアの耐食性を向上させる第二の手段として、本発明では、環状コアの鋼線表面にZnめっきを施すようにした。Znめっきは、Al−Zn合金めっきよりも耐食性は劣るものの、厚めっきを経済的に実施することができる。
【0013】
前記Znめっきを環状コアの鋼線表面に施す場合、その厚みの上限は、Al−Zn合金めっきの場合と同様に35μmとするが、下限は、十分な耐食性を確保するために、Al−Zn合金めっきの2倍の厚さの2μmとすることが好ましい。
【0014】
また、環状コアの鋼線の材質は、その両端を突合せ溶接した後に焼鈍処理を行わなくても十分な延性が得られ、使用中に溶接部の折損が生じないよう、溶接性に優れたものを採用することが望ましい。さらに、鋼線表面に上述したような溶融金属めっきを施す場合には、鋼線を450〜500℃のめっき浴槽に通すため、加熱による引張り強さの低下を抑制する観点から、耐熱性に優れたものであることが望ましい。
【0015】
そこで、本発明では、環状コアの鋼線の材質として、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、他に、Mo:0.01〜1.00wt%、Ni:0.10〜2.00wt%、Co:0.10〜2.00wt%およびW:0.01〜1.00wt%の少なくとも1種を含有し、さらに、Al、Nb、TiおよびVをそれぞれ0.001〜0.10wt%の範囲で少なくとも1種含有し、残部がFeおよび不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼を採用するようにした。
【0016】
上記の組成の合金鋼は、C含有量を軟鋼線レベルに抑えることによって溶接性の向上を図るとともに、SiおよびMnを一般的な炭素鋼よりも多く含有させ、Crを適量加えることにより、強度および耐熱性を向上させている。そして、Mo、Ni、CoおよびWの少なくとも1元素を適量添加して、加熱による引張り強さの低下を抑え、さらに、Al、Nb、TiおよびVの少なくとも1元素を適量添加して、溶接部の延性低下を抑えるようにしている。ここで、Si、Mn、Crの3成分は、上記の下限を下回ると強度不足となり、上限を超えると、Siでは熱間圧延時に疵が発生しやすくなり、Mnでは加工性が低下する。また、Crは焼入れ性の向上と経済性を考慮して上記範囲とした。また、Mo、Ni、CoおよびWは、下限に満たないと強度に対する効果が認められなくなり、上限を超えると延性を低下させる作用が顕著になる。さらに、Al、Nb、TiおよびVは、下限に満たないと延性を向上させる効果が少なく、上限を超えるとこれらの元素の窒化物および硫化物による延性劣化作用が顕著になるので、好ましくない。
【0017】
従って、この合金鋼で形成した鋼線は、溶接性および耐熱性に優れ、突合せ溶接後にも十分な延性が得られるし、厚めっきを施すためにめっき浴槽内を通過させた時の引張り強さの低下が極めて少ない。
【0018】
また、上記の合金鋼に代えて、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、残部がFeおよび不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼を採用してもよい。この合金鋼でも、C含有量が軟鋼線レベルで、強度および耐熱性を向上させるSi、Mn、Crを含有しているので、環状コアの鋼線に必要とされる溶接後の延性およびめっき後の強度を確保できる。
【0019】
次に、環状コアの耐食性を向上させる第三の手段として、本発明では、環状コアの材質としてステンレス鋼を選択するようにした。ステンレス鋼は、引張り強さが高いうえ、耐食性および耐熱性に優れ、溶接性も良好である。すなわち、ステンレス鋼は、耐食性および耐熱性の向上に有効な元素であるNiおよびCrを多量に含むので、上述した厚めっきと合金鋼の2つの役目を十分果たす材料である。好ましいステンレス鋼としては、耐食性に優れ、汎用性の高いSUS304やSUS316がある。
【発明の効果】
【0020】
本発明の環状同芯撚りビードコードは、上述したように、環状コアの鋼線表面にAl−Zn合金めっきまたはZnの厚めっきを施すか、あるいは環状コアの材質としてステンレス鋼を採用したものであるから、低コストで長期間にわたって安定した耐食性が得られるうえ、前述のコア材質を樹脂化したもののような保管管理の面倒さや剛性確保の面での不安もなく、安全性の向上や高性能化が要求される車両用タイヤへの使用に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この実施形態の環状同芯撚りビードコードは、図1(a)〜(c)に示すように、鋼線の両端を突合せ溶接して形成した環状コア1の周りに、側線ワイヤ2を螺旋状に6周巻き付けたものである。なお、図1の例では、側線ワイヤ2を巻き付けて形成したシース層を1層だけ設けたが、シース層は複数層設けるようにしてもよい。
【0022】
前記環状コア1は、鋼線表面にAl−Zn合金の厚いめっき層3を有しており、長期間にわたって安定した耐食性が得られるようになっている。
【0023】
前記各側線ワイヤ2は、環状コア1の鋼線よりも小径の高炭素鋼ワイヤからなり、環状コア1への巻き付けを行う際には、タイヤと同材質の未加硫ゴムシートで予めその端末を環状コア1へ仮止めしてから、連続して所定回数巻き付け、巻き終わり端と巻き始めの仮止め端を真鍮製スリーブで繋ぐようにしている。
【0024】
次に、本発明の効果を確認するために実施した評価試験について説明する。まず、表1に示す各種の環状コア用材料を作製し、これらの材料で形成した環状コアについて、コア単体で、めっき浴槽通過による引張り強さ低下率、耐食性および溶接部の耐折損性を評価した。これらの試験条件および評価結果をまとめて表2に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
なお、表2中の各特性の計測や評価は、次のように行った。
【0028】
(1)引張り強さ
裸線:通常の乾式連伸機で通常の加工度で冷間加工して得られる強度を示している。
めっき処理後:上記裸線を溶融めっき浴槽に通して、Al−Zn合金めっきまたはZnめっきのいずれかの処理を行った後、破断荷重を測定し、この破断荷重とめっき前の線径とを用いて算出した計算値を示している。
なお、ステンレス鋼にめっきは不要であるが、引張り強さの低下の有無を確認するため、ダミー線をめっき浴槽に通して、上記めっき処理後と同様に算出した。
【0029】
(2)めっき厚
本発明実施時のめっき厚が比較的厚く、めっき付着量も多いことから、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によりめっき付着量を測定し、この測定値と裸線の線径およびめっきする金属の比重を用いて、下記の簡易式によりめっき厚を算出した。
C=2×W×d/ρ
ここで、C:めっき厚(μm)
W:めっき付着量(g/kg)
d:裸線の線径(mm)
ρ:めっき金属の比重
(合金めっきの場合は、各金属の含有比率から求めた値を使用)
【0030】
(3)耐食性
JIS Z 2371の塩水噴霧試験方法に基づき、暴露時間を120時間、480時間、1000時間の3段階として、下記内容で評価した。
◎:全長にわたり、全表面で発錆が認められない。
○:全長にわたり、局所的に発錆が認められ、全表面積に占める発錆部の表面積の
割合が10%未満である。
△:全長にわたり、局所的に発錆が認められ、全表面積に占める発錆部の表面積の 割合が10%以上、30%未満である。
×:全長にわたり、局所的に発錆が認められ、全表面積に占める発錆部の表面積の 割合が30%以上である。
【0031】
(4)溶接部の耐折損性
1条件につき20本の鋼線の突合せ溶接を周囲温度30℃の環境下で行い、1週間放置後、溶接部に曲げ負荷をかけて折れなかったものの本数によって下記のように評価した。
◎:全て折れない。
○:折れなかったものが18本以上である。
×:折れなかったものが18本未満である。
【0032】
表2からわかるように、環状コアの鋼線の材質を溶接性および耐熱性に優れた合金鋼とし、その表面にAl−Zn合金またはZnの厚いめっき層を形成するか、あるいはコア材質をステンレス鋼とすることにより、溶接部での折損がなく、高強度で耐食性に優れたビードコードを作製できる。特に、全ての条件が好ましい範囲にあるもの(コアNo.13、14、17、18、21、22、25、26、29〜32の12例)は、3つの評価項目がいずれも高いものになっている。これらの好ましい例を車両用タイヤに使用すれば、高寿命で高性能のタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】aは実施形態のビードコードの外観図、bはaの拡大斜視図、cはaの拡大断面図
【符号の説明】
【0034】
1 環状コア
2 側線ワイヤ
3 めっき層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線表面にAl−Zn合金めっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項2】
前記環状コアの鋼線表面に施すAl−Zn合金めっきの組成がAlを3.5〜15%含有していることを特徴とする請求項1に記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項3】
前記環状コアの鋼線表面に施すAl−Zn合金めっきの厚さが1.0〜35μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項4】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線表面にZnめっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項5】
前記環状コアの鋼線表面に施すZnめっきの厚さが2.0〜35μmであることを特徴とする請求項4に記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項6】
前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、他に、Mo:0.01〜1.00wt%、Ni:0.10〜2.00wt%、Co:0.10〜2.00wt%及びW:0.01〜1.00wt%の少なくとも1種を含有し、さらに、Al、Nb、Ti及びVをそれぞれ0.001〜0.10wt%の範囲で少なくとも1種含有し、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項7】
前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項8】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの材質がステンレス鋼であることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項9】
前記ステンレス鋼がSUS304又はSUS316であることを特徴とする請求項8に記載の環状同芯撚りビードコード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、他に、Mo:0.01〜1.00wt%、Ni:0.10〜2.00wt%、Co:0.10〜2.00wt%及びW:0.01〜1.00wt%の少なくとも1種を含有し、さらに、Al、Nb、Ti及びVをそれぞれ0.001〜0.10wt%の範囲で少なくとも1種含有し、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であり、前記環状コアの鋼線表面に溶融Al−Zn合金めっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項2】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であり、前記環状コアの鋼線表面に溶融Al−Zn合金めっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項3】
前記環状コアの鋼線表面に施すAl−Zn合金めっきの組成がAlを3.5〜15%含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項4】
前記環状コアの鋼線表面に施すAl−Zn合金めっきの厚さが1.0〜35μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環状同芯撚りビードコード。
【請求項5】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、他に、Mo:0.01〜1.00wt%、Ni:0.10〜2.00wt%、Co:0.10〜2.00wt%及びW:0.01〜1.00wt%の少なくとも1種を含有し、さらに、Al、Nb、Ti及びVをそれぞれ0.001〜0.10wt%の範囲で少なくとも1種含有し、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であり、前記環状コアの鋼線表面に溶融Znめっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項6】
環状コアの周りに側線ワイヤを1層又は複数層螺旋状に巻き付けた環状同芯撚りビードコードにおいて、前記環状コアの鋼線の材質が、C:0.08〜0.27wt%、Si:0.30〜2.00wt%、Mn:0.50〜2.00wt%、Cr:0.20〜2.00wt%を含み、残部がFe及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼であり、前記環状コアの鋼線表面に溶融Znめっきを施していることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
【請求項7】
前記環状コアの鋼線表面に施すZnめっきの厚さが2.0〜35μmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の環状同芯撚りビードコード。


【図1】
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【公開番号】特開2006−62641(P2006−62641A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−177763(P2005−177763)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(302061613)住友電工スチールワイヤー株式会社 (163)
【出願人】(504211429)栃木住友電工株式会社 (50)
【Fターム(参考)】