説明

環状接着構造体

【課題】患者が受ける外傷を減少させ、ステープル止め部位の間または個々のステープル部位のギャップの数を減少させ、流体の漏出を減少させ、出血を減少させる外科手術用ステープル止め器具を提供する。
【解決手段】シャフト1020aに沿って互いに対して隣接するアンビルアセンブリ1030および本体部分1020であって、互いに対して接近させられるように配置されている、アンビルアセンブリ1030および本体部分1020;ならびに本体部分1020とアンビルアセンブリ1030との間に配置されたアプリケータ500であって、該アプリケータ500は、該アプリケータ500の内部に創傷処置材料を保持するように構成されており、該アプリケータ510は、該創傷処置材料を該アプリケータ510から該組織部分の間の界面へと分配するために配置されたチャネル506aを有するアプリケータ510、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2005年10月12日に出願された、米国特許出願番号11/248,846に対する利益および優先権を主張する一部継続出願である。この米国特許出願は、米国仮出願60/620,268(2004年10月18日出願);米国仮出願60/620,269(2004年10月18日出願);米国仮出願60/620,066(2004年10月18日出願);米国仮出願60/620,140(2004年10月18日出願);および米国仮出願60/669,104(2005年4月7日出願)に対する利益および優先権を主張する。これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本開示は、ステープル止めデバイスと共に使用されるかまたはステープル止めデバイスと共には使用されない、組織を接合するため、ならびに漏出、出血および/または狭窄の発生を減少させるための、組成物(創傷処置材料、接着剤および/または封止組成物が挙げられる)を塗布するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
何年もの間にわたって、医療分野は、身体組織を一緒に接合または結合させる努力において、種々の技術を利用してきた。歴史的に、縫合は、切断された組織を再度接合して創傷を閉鎖するための、認容された技術であった。縫合は、外科手術用針および縫合糸を用いて達成され、そしてより最近は、以下に議論されるような、種々のポリマーステープルまたは金属ステープルを用いて達成されている。縫合糸の意図される機能は、治癒プロセスの間、創傷部または組織の縁部を互いに対して保持して、不快、疼痛、瘢痕形成、および治癒のために要する時間を減少させることである。
【0004】
最近、過去には従来の縫合を必要とした多くの手順が、ステープル縫合に取って代わられている。ステープル縫合は、外科手術用ステープラーを使用して、創傷部または組織の縁部に、ステープルを適用することを包含する。外科手術用ステープラーは、隣接する組織を接合するため、隣接する組織の止血を提供するため、および隣接する組織の切断と共に止血を提供するために開発された。このような外科手術用ステープラーとしては、線型と環型との両方の構成が挙げられる。代表的な線状ステープラーおよびカッターは、切断手段がステープルの列の間を移動するためのスロットを有する、平行なステープルの列を備える。
【0005】
ステープルは、従来、種々の身体構造体(例えば、腸または気管支)を接合または吻合させる場合に、縫合の代わりに使用されている。これらのステープルを適用するために使用される外科手術用ステープル止めデバイスは、一般に、患者における組織の延長したセグメントを切断と同時に接合するように設計されており、従って、このような手順の時間および危険を、大いに減少させる。
【0006】
線状または環状の外科手術用ステープル止めデバイスは、身体組織のセグメントを一緒に接合するため、そして/または吻合の作製のために、外科医によって、1列以上の外科手術用ファスナー(例えば、ステープルまたは2部品ファスナー)を身体組織に連続的にかまたは同時に適用するために、使用されている。線状の外科手術用ステープル止めデバイスは、一般に、1対の顎部またはフィンガー様構造体を備え、これらの間に、接合されるべき身体組織が配置される。この外科手術用ステープル止めデバイスが、作動および/または「発射」される場合、発射棒が長手軸方向に移動し、そしてステープル駆動部材をこれらの顎部のうちの一方に接触させ、そして外科手術用ステープルが、身体組織を通して押され、反対側の顎部のアンビルに入り/押し付けられ、これによって、ステープルを折って閉じる。ナイフブレードが、ステープルの列/線の間を切断するために、提供され得る。このような外科手術用ステープル止めデバイスの例は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載されており、これらの各々の全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0007】
環状の外科手術用ステープル止めデバイスは、一般に、環状のステープルカートリッジアセンブリ、アンビルアセンブリ、および環状ブレードを備え、このステープルカートリッジアセンブリは、ステープルの複数(代表的には、2つ)のステープルの環状の列を備え、このアンビルアセンブリは、この環状カートリッジアセンブリと作動的に関連し、そしてこの環状ブレードは、ステープルの列の内側に配置される。このような環状の外科手術用ステープル止めデバイスの例は、特許文献4および特許文献5(Robertsonら)に記載されており、これらの各々の全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0008】
ほとんどの手順のために、ステープルを患者の組織に直接接触させる、むき出しのステープルの使用が、一般的に認容可能である。組織の一体性は、通常、これらのステープルが組織を裂いて出てくること、および治癒が起こる前に密封が損なわれることを防止するように働く。しかし、いくつかの外科手術において、外科手術用支持体(例えば、メッシュ)が、外科医によって使用されて、患者の組織欠陥(特に、腹壁、胸壁、横隔膜および身体の他の筋腱膜の領域に生じた)を橋渡しし、修復し、そして/または補強する。外科手術用支持体の例は、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、および特許文献11に開示されており、これらの各々の全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0009】
ステープルが、外科手術用のメッシュ、支持体、支持具など(すなわち、補強材料)を利用する外科手術手順において適用される場合、ステープルの脚部は、代表的に、カートリッジの顎部から外科手術用支持体の層を通り、そして患者の組織を通り、その後、アンビル顎部に遭遇する。代替の手順において、ステープルの脚部は、代表的に、カートリッジの顎部から、外科手術用支持体の第一の層を通り、次いで、患者の組織を通り、そして最後に、この外科手術用支持体の第二の層を通り、その後、アンビル顎部に遭遇する。ステープルが適所にある状態で、ステープル止めされた組織は、外科手術用支持体の層の間に挟まれる。外科手術用ステープル止め器具と協働する外科手術用支持体の使用のより詳細な議論については、特許文献12が参照され、この全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0010】
外科手術用ステープルの使用に加えて、生物学的組織接着剤が、組織を接合するために開発されている。一般に、生物学的接着剤は、分離された組織を一緒に結合する。このような接着剤は、例えば、外科手術手順において、組織の修復または吻合の作製のために、縫合およびステープル止めの代わりに使用され得る。
【0011】
生物学的接着剤の使用に加えて、吻合の形成後に、別の器具またはデバイスが使用されて、生物学的封止剤が、この吻合部の外側表面に塗布される。代表的に、別の工程において、生物学的封止剤が、この吻合部の外側表面に塗布される。この生物学的封止剤は、この吻合部からの漏出の発生を減少させ、そして/または止めることを意図される。
【0012】
任意の端端腸吻合の1つの可能な副作用は、経時的に狭窄する傾向であり、この狭窄は、経時的に、管腔の直径を減少させ得る。従って、任意の端端吻合デバイスと組み合わせて作動し、そして吻合された腸または他の管状器官の管腔を長時間にわたって開いたままに維持することを補助する、外科手術用支持構造体が必要とされている。
【0013】
適切な生体適合性接着剤の塗布は、患者および外科医に同様に多くの利点を与える。例えば、使用されるステープルの数の可能な減少、処置される組織の即時の封止、吻合の強化、ならびに血管からの出血の発生の減少、組織の接合部を通る漏出の発生の減少、および狭窄の発生の減少である。さらに、生体適合性接着剤の使用は、異物の反応および瘢痕形成を最小にする傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4,354,628号明細書
【特許文献2】米国特許第5,014,899号明細書
【特許文献3】米国特許第5,040,715号明細書
【特許文献4】米国特許第5,799,857号明細書
【特許文献5】米国特許第5,915,616号明細書
【特許文献6】米国特許第3,054,406号明細書
【特許文献7】米国特許第3,124,136号明細書
【特許文献8】米国特許第4,347,847号明細書
【特許文献9】米国特許第4,655,221号明細書
【特許文献10】米国特許第4,838,884号明細書
【特許文献11】米国特許第5,002,551号明細書
【特許文献12】米国特許第5,542,594号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
患者が受ける外傷を減少させ、ステープル止め部位の間または個々のステープル部位のギャップの数を減少させ、流体の漏出を減少させ、出血を減少させ、そして/または隣接する身体組織の間(例えば、ステープル線および組織の継ぎ目に沿って)に比較的強い結合を作製する、外科手術用ステープル止め器具およびデバイスが必要とされている。
【0016】
従って、接合された組織を維持すること(管状器官の開存性または開口を長時間維持することを包含する)を補助する、外科手術用ステープルと共に作動するかまたは外科手術用ステープルと共には作動しない、構造体および組成物を適用するためのデバイスが、必要とされている。
【0017】
患者が受ける外傷を減少させ、漏出の例を減少させ、出血の例を減少させ、そして隣接する身体組織の間に比較的強い結合を作製する、外科手術用ステープルと共に作動するかまたは外科手術用ステープルと共には作動しない構造体が、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明は、以下を提供する:
(項目1)
組織部分を接合するためのアセンブリであって、
シャフトに沿って互いに対して隣接する、アンビルアセンブリおよび本体部分であって、互いに対して接近させられるように配置されている、アンビルアセンブリおよび本体部分;ならびに
該本体部分とアンビルアセンブリとの間に配置されたアプリケータであって、該アプリケータは、該アプリケータの内部に創傷処置材料を保持するように構成されており、該アプリケータは、該創傷処置材料を、該アプリケータから該組織部分の間の界面へと分配するために配置されたチャネルを有する、アプリケータ、
を備える、アセンブリ。
【0019】
(項目2)
前記創傷処置材料が、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つである、項目1に記載のアセンブリ。
【0020】
(項目3)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブを備え、前記創傷処置材料が、該スリーブの内部に保持され、そして該スリーブから分配される、項目2に記載のアセンブリ。
【0021】
(項目4)
前記アプリケータが、前記スリーブの内部で選択的に位置決め可能なアンプルを備え、前記創傷処置材料が、該アンプル内に保持され、そして該アンプルから分配される、項目3に記載のアセンブリ。
【0022】
(項目5)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドを備え、該マニホルドは、前記創傷処置材料の流れを前記組織部分の界面に方向付けるための前記チャネルを内部に規定する、項目4に記載のアセンブリ。
【0023】
(項目6)
前記マニホルドが、前記シャフト上に支持されている、項目5に記載のアセンブリ。
【0024】
(項目7)
前記マニホルドの各チャネルが、前記スリーブおよび前記アンプルと流体連絡している、項目6に記載のアセンブリ。
【0025】
(項目8)
前記マニホルドが、前記シャフトから半径方向外向きに延びており、そして該マニホルド内に形成された各チャネルが放射状に配向している、項目7に記載のアセンブリ。
【0026】
(項目9)
前記アプリケータが、前記スリーブと前記アンプルとの間に介在するシールを備える、項目8に記載のアセンブリ。
【0027】
(項目10)
前記アプリケータおよび前記シャフトが、該アプリケータと該シャフトとの間に解放可能な接続を形成するように、相補的に構成されている、項目1に記載のアセンブリ。
【0028】
(項目11)
前記本体部分が、環状の配置で、複数の外科手術用ステープルを保有し、該外科手術用ステープルが、前記アンビルに押し付けられるように展開可能である、項目1に記載のアセンブリ。
【0029】
(項目12)
前記ステープルの半径方向内側に配置された環状ナイフをさらに備える、項目11に記載のアセンブリ。
【0030】
(項目13)
前記シャフトおよび前記スリーブが、前記アンプルを圧縮して前記創傷処置材料を分配するためのプランジャーを形成している、項目4に記載のアセンブリ。
【0031】
(項目14)
前記管状スリーブが、該管状スリーブの内部が見える部分を備える、項目13に記載のアセンブリ。
【0032】
(項目15)
前記管状スリーブの部分が、開口部分を備える、項目14に記載のアセンブリ。
【0033】
(項目16)
前記管状スリーブの部分が、窓を備える、項目14に記載のアセンブリ。
【0034】
(項目17)
前記アンプルが、前記創傷処置材料を収容するためのカートリッジを備える、項目14に記載のアセンブリ。
【0035】
(項目18)
前記カートリッジが、前記創傷処置材料を遠位方向に方向付けるように配置されている、項目17に記載のアセンブリ。
【0036】
(項目19)
組織部分を接合するためのアセンブリであって、
シャフトに沿って互いに対して隣接する、アンビルアセンブリおよび本体部分であって、互いに対して接近されるように配置されている、アンビルアセンブリおよび本体部分;ならびに
該本体部分とアンビルアセンブリとの間に配置されたアプリケータであって、該アプリケータは、該アプリケータの内部に創傷処置材料のアンプルを保持するためのチャンバを規定し、該アプリケータは、該アプリケータから該創傷処置材料を分配するために配置されたチャネルを有する、アプリケータ、
を備える、アセンブリ。
【0037】
(項目20)
前記創傷処置材料が、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つである、項目19に記載のアセンブリ。
【0038】
(項目21)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブを備え、該スリーブは、チャンバを規定し、前記創傷処置材料が、該スリーブ内に保持され、そして該スリーブから分配される、項目20に記載のアセンブリ。
【0039】
(項目22)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドを備え、該マニホルドは、創傷処置材料の流れを方向付けるためのチャネルを内部に規定する、項目19に記載のアセンブリ。
【0040】
(項目23)
前記マニホルドが、創傷処置材料を前記組織部分の間の界面に分配するように配置されている、項目22に記載のアセンブリ。
【0041】
(項目24)
前記マニホルドの各チャネルが、前記スリーブおよび前記アンプルと流体連絡している、項目22に記載のアセンブリ。
【0042】
(項目25)
前記マニホルドが、前記シャフトから半径方向外向きに延びており、そして該マニホルド内に形成された各チャネルが、放射状に配向している、項目22に記載のアセンブリ。
【0043】
(項目26)
前記アプリケータが、前記スリーブと前記アンプルとの間に介在するシールを備える、項目19に記載のアセンブリ。
【0044】
(項目27)
前記アプリケータおよび前記シャフトが、該アプリケータと該シャフトとの間に解放可能な接続を形成するように相補的に構成されている、項目19に記載のアセンブリ。
【0045】
(項目28)
前記本体部分が、環状の配置で複数の外科手術用ステープルを保有し、該外科手術用ステープルは、前記アンプルに押し付けられるように展開可能である、項目19に記載のアセンブリ。
【0046】
(項目29)
前記ステープルの半径方向内側に配置された環状ナイフをさらに備える、項目28に記載のアセンブリ。
【0047】
(項目30)
前記シャフトおよび前記スリーブが、前記アンプルを圧縮して前記創傷処置材料を分配するためのプランジャーを形成している、項目19に記載のアセンブリ。
【0048】
(項目31)
第一の組織セクションと第二の組織セクションとを接合するためのシステムであって、
装置であって、
ステムを備えるアンビルアセンブリ;
シャフトに沿って該アンビルアセンブリに隣接して配置された本体部分であって、該アンビルアセンブリに対して接近させられるように配置されている、本体部分;および
該アンビルアセンブリと該本体部分との間に配置されたアプリケータであって、創傷処置材料を内部に保持し、そして該創傷処置材料を該アプリケータから分配するように構成されており、これによって、創傷処置材料を、該第一の組織セクションと該第二の組織セクションとの間の界面に分配する、アプリケータ、
を備える、装置、ならびに
該第一の組織セクションと該第二の組織セクションとが互いに接触するように、該アンビルアセンブリと該本体部分とを互いに接近させるための手段、
を備える、システム。
【0049】
(項目32)
前記創傷処置材料が、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つである、項目31に記載のシステム。
【0050】
(項目33)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブを備え、アンプルが、該スリーブの内部で選択的に位置決め可能であり、前記創傷処置材料が、該アンプル内に保持され、そして該アンプルから分配される、項目31に記載のシステム。
【0051】
(項目34)
前記創傷処置材料を分配するために、アンプルを圧縮するための手段をさらに備える、項目33に記載のシステム。
【0052】
(項目35)
前記創傷処置材料が、前記アンプルから分配されて各チャネルを通って出るために適している、項目34に記載のシステム。
【0053】
(項目36)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドを備え、該マニホルドが、創傷処置材料の流れを方向付けるための少なくとも1つのチャネルを内部に規定している、項目31に記載のシステム。
【0054】
(項目37)
前記マニホルドが、前記アンビルアセンブリの前記ステムから半径方向外向きに延びており、そして該マニホルド内に形成された各チャネルが、放射状に配向している、項目36に記載のシステム。
【0055】
(項目38)
前記創傷処置材料が、半径方向外向きの方向に分配されるために適している、項目31に記載のシステム。
【0056】
(項目39)
前記創傷処置材料が、前記マニホルドの少なくとも1つのチャネルから分配されるために適している、項目36に記載のシステム。
【0057】
(項目40)
前記創傷処置材料が、前記アンプルから分配されて、前記マニホルドの少なくとも1つのチャネルを通って出るために適している、項目36に記載のシステム。
【0058】
(項目41)
前記本体部分が、接続部材を備え、そして前記アプリケータおよび該接続部材が、該アプリケータと該接続部材との間に差込型に結合するために相補的に構成されている、項目31に記載のシステム。
【0059】
(項目42)
前記アプリケータを前記本体部分に接続するための手段をさらに備える、項目41に記載のシステム。
【0060】
(項目43)
前記本体部分が、環状の配置で複数の外科手術用ステープルを保有するように構成されており、該外科手術用ステープルは、前記アンビルアセンブリに押し付けられるように展開可能である、項目31に記載のシステム。
【0061】
(項目44)
前記第一の組織セクションを前記第二の組織セクションにステープル止めするための手段をさらに備える、項目43に記載のシステム。
【0062】
(項目45)
前記装置が、前記ステープルの半径方向内側に配置された環状ナイフをさらに備える、項目31に記載のシステム。
【0063】
(項目46)
前記第一の組織セクションおよび第二の組織セクションを、前記ステープルの半径方向内側の位置で切断するための手段をさらに備える、項目45に記載のシステム。
【0064】
(項目47)
第一の組織セクションと第二の組織セクションとを接合する方法であって、
装置を提供する工程であって、該装置は、
ステムを備えるアンビルアセンブリ;
シャフトに沿って該アンビルアセンブリに隣接して配置された本体部分であって、該アンビルアセンブリに対して接近させられるように配置されている、本体部分;および
該アンビルアセンブリと該本体部分との間に配置されたアプリケータであって、創傷処置材料を内部に保持し、そして該創傷処置材料を該アプリケータから分配するように構成されている、アプリケータ、
を備える、工程、
創傷処置材料を、該第一の組織セクションと該第二の組織セクションとの間の界面に分配するように、該創傷処置材料を該アプリケータから分配する工程、
該第一の組織セクションと該第二の組織セクションとが互いに接触するように、該アンビルアセンブリと該本体部分とを互いに接近させる工程、
を包含する、方法。
【0065】
(項目48)
前記創傷処置材料が、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つである、項目47に記載の方法。
【0066】
(項目49)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブを備え、アンプルが、該スリーブの内部で選択的に位置決め可能であり、前記創傷処置材料が、該アンプル内に保持され、そして該アンプルから分配される、項目47に記載の方法。
【0067】
(項目50)
前記創傷処置材料を分配するために、アンプルを圧縮する工程をさらに包含する、項目49に記載の方法。
【0068】
(項目51)
前記創傷処置材料を、前記アンプルから分配して各チャネルを通して出す工程をさらに包含する、項目50に記載の方法。
【0069】
(項目52)
前記アプリケータが、前記アンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドを備え、該マニホルドが、創傷処置材料の流れを方向付けるための少なくとも1つのチャネルを内部に規定している、項目47に記載の方法。
【0070】
(項目53)
前記マニホルドが、前記アンビルアセンブリの前記ステムから半径方向外向きに延びており、そして該マニホルド内に形成された各チャネルが、放射状に配向している、項目52に記載の方法。
【0071】
(項目54)
前記創傷処置材料を、半径方向外向きの方向に分配する工程をさらに包含する、項目47に記載の方法。
【0072】
(項目55)
前記創傷処置材料を、前記マニホルドの少なくとも1つのチャネルから分配する工程をさらに包含する、項目52に記載の方法。
【0073】
(項目56)
前記創傷処置材料を、前記アンプルから分配して、前記マニホルドの少なくとも1つのチャネルを通して出す工程をさらに包含する、項目52に記載の方法。
【0074】
(項目57)
前記本体部分が、接続部材を備え、そして前記アプリケータおよび該接続部材が、該アプリケータと該接続部材との間に差込型に結合するために相補的に構成されている、項目47に記載の方法。
【0075】
(項目58)
前記アプリケータを前記本体部分に接続する工程をさらに包含する、項目57に記載の方法。
【0076】
(項目59)
前記本体部分が、環状の配置で複数の外科手術用ステープルを保有しており、該外科手術用ステープルは、前記アンビルアセンブリに押し付けられるように展開可能である、項目47に記載の方法。
【0077】
(項目60)
前記第一の組織セクションを前記第二の組織セクションにステープル止めする工程をさらに包含する、項目59に記載の方法。
【0078】
(項目61)
前記装置が、前記ステープルの半径方向内側に配置された環状ナイフをさらに備える、項目47に記載の方法。
【0079】
(項目62)
前記第一の組織セクションおよび第二の組織セクションを、前記ステープルの半径方向内側の位置で切断する工程をさらに包含する、項目61に記載の方法。
【0080】
組織を接合するためのアセンブリが提供され、このアセンブリは、シャフトに沿って互いに対して隣接するアンビルアセンブリおよび本体部分、ならびにこのアンビルアセンブリに支持されるアプリケータを備え、これらのアンビルアセンブリおよび本体部分は、互いに対して接近するように配置されており、そしてこのアプリケータは、内部に創傷処置材料を保持するように、そしてこのアプリケータからこの創傷処置材料を分配するように、構成されている。組織を接合するための方法が提供され、この方法は、創傷処置材料を第一の組織セクションおよび第二の組織セクションのうちの少なくとも一方に分布させるように、創傷処置材料をアプリケータから分配する工程;ならびに第一の組織セクションと第二の組織セクションとが、これらの間に分配された創傷処置材料が介在する状態で互いに接触するように、アンビルアセンブリと本体部分とを互いに接近させる工程を包含する。
【0081】
(要旨)
本開示は、組織を接合するため、ならびに漏出、出血および/または狭窄の発生を減少させるための、ステープル止めデバイスと共に使用されるかまたはステープル止めデバイスと共には使用されない、創傷処置材料を塗布するための、デバイスおよび方法に関する。
【0082】
本開示の局面によれば、組織を接合するためのアセンブリが提供され、このアセンブリは、シャフトに沿って互いに対して隣接するアンビルアセンブリおよび本体部分、ならびにアプリケータを備え、これらのアンビルアセンブリおよび本体部分は、互いに対して接近させられるように配置されており、そしてこのアプリケータは、このアンビルアセンブリ上に支持されており、そしてこのアプリケータ内に創傷処置材料を保持するため、およびこのアプリケータからこの創傷処置材料を分配するように、構成されている。
【0083】
このアプリケータは、アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブを備え得、創傷処置材料は、このスリーブ内に保持され、そしてこのスリーブから分配される。このアプリケータは、スリーブ内で選択的に位置決め可能なアンプルをさらに備え得、創傷処置材料は、このアンプル内に保持され、そしてこのアンプルから分配される。このアプリケータは、アンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドをさらに備え得、このマニホルドは、創傷処置材料の流れを方向付けるための少なくとも1つのチャネルを、内部に規定する。このマニホルドは、シャフト上に支持され得る。
【0084】
マニホルドの各チャネルは、スリーブおよびアンプルと流体連絡し得る。このマニホルドは、シャフトから半径方向外向きに延び、そしてこのマニホルドに形成される各チャネルは、放射状に配向する。
【0085】
アプリケータは、スリーブとアンプルとの間に介在するシールを備え得る。アプリケータおよびシャフトは、これらの間を差込型に結合するように、相補的に構成され得る。
【0086】
本体部分は、複数の外科手術用ステープルを、環状の配置で保有し得る。これらの外科手術用ステープルは、アンビルに押し付けられるように展開可能であり得る。このアセンブリは、これらのステープルの半径方向内側に配置された、環状ナイフをさらに備え得る。
【0087】
本開示の別の局面によれば、組織を接合する方法が提供される。この方法は、装置を提供する工程を包含し、この装置は、ステムを備えるアンビルアセンブリ;このアンビルアセンブリのステムに支持されて、創傷処置材料を内部に保有し、そしてこの創傷処置材料を分配するために構成された、アプリケータ;およびこのアンビルアセンブリに隣接して、このアンビルアセンブリに対して接近するように配置されている本体部分を備える。
【0088】
この方法は、創傷処置材料を第一の組織セクションおよび第二の組織セクションのうちの少なくとも一方に分配するように、創傷処置材料をアプリケータから分配する工程;ならびに分配された創傷処置材料が第一の組織セクションと第二の組織セクションとの間に介在する状態で、これらの組織セクションが接触するように、アンビルアセンブリと本体部分とを互いに接近させる工程をさらに包含する。
【0089】
創傷処置材料は、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つであり得る。
【0090】
アプリケータは、アンビルアセンブリに作動的に接続されたスリーブ;このスリーブ内で選択的に位置決め可能なアンプルであって、創傷処置材料がこのアンプル内に保持され、そしてこのアンプルから分配される、アンプル;およびアンビルアセンブリ上に支持されたマニホルドであって、創傷処置材料の流れを方向付けるための少なくとも1つのチャネルを内部に規定する、マニホルドを備え得る。この方法は、創傷処置材料を、アンプルから分配して各チャネルに通して出す工程をさらに包含し得る。
【0091】
マニホルドは、アンビルアセンブリのステムから半径方向外向きに延び得、そしてこのマニホルドに形成された各チャネルは、放射状に配向し得る。このアプリケータは、スリーブとアンプルとの間に介在するシールを備え得る。
【0092】
この方法は、創傷処置材料を、半径方向外向きの方向に分配する工程をさらに包含し得る。この方法は、創傷処置材料を、マニホルドの少なくとも1つのチャネルから分配する工程を包含し得る。この方法は、創傷処置材料を、アンプルから分配して、マニホルドの少なくとも1つのチャネルを通して出す工程を、さらに包含し得る。
【0093】
本体部分は、接続部材を備え得る。従って、アプリケータおよび接続部材は、これらの間を差込型に結合するために、相補的に構成され得る。
【0094】
本体部分は、複数の外科手術用ステープルを、環状の配置で保有し得、これらの外科手術用ステープルは、アンビルアセンブリに押し付けられるように展開可能である。上記方法は、第一の組織セクションを第二の組織セクションにステープル止めする工程をさらに包含し得る。
【0095】
上記装置は、ステープルの半径方向内側に配置された環状ナイフをさらに備え得る。従って、上記方法は、第一の組織セクションおよび第二の組織セクションを、ステープルの半径方向内側の位置で切断する工程をさらに包含し得る。
【発明の効果】
【0096】
本発明により、患者が受ける外傷を減少させ、ステープル止め部位の間または個々のステープル部位のギャップの数を減少させ、流体の漏出を減少させ、出血を減少させ、そして/または隣接する身体組織の間(例えば、ステープル線および組織の継ぎ目に沿って)に比較的強い結合を作製する、外科手術用ステープル止め器具およびデバイスが提供される。
【0097】
本発明により、接合された組織を維持すること(管状器官の開存性または開口を長時間維持することを包含する)を補助する、外科手術用ステープルと共に作動するかまたは外科手術用ステープルと共には作動しない、構造体および組成物を適用するためのデバイスが、提供される。
【0098】
本発明により、患者が受ける外傷を減少させ、漏出の例を減少させ、出血の例を減少させ、そして隣接する身体組織の間に比較的強い結合を作製する、外科手術用ステープルと共に作動するかまたは外科手術用ステープルと共には作動しない構造体が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、例示的な環状外科手術用ステープル止めデバイスの斜視図である。
【図2】図2は、図1の環状外科手術用ステープル止めデバイスとともに使用するための、本開示の実施形態に従う支持構造体の斜視図である。
【図3】図3は、図1の環状外科手術用ステープル止めデバイスと共に使用するための、図2の3−3を通して見た、本開示の代替の実施形態に従う支持構造体の断面図である。
【図4】図4は、図1の環状外科手術用ステープル止めデバイスと共に使用するための、本開示の別の実施形態に従う支持構造体の斜視図である。
【図5】図5は、図1の環状外科手術用ステープル止めデバイスとともに使用するための、本開示のなお別の実施形態に従う支持構造体の斜視図である。
【図6】図6は、図5の支持構造体の分解斜視図である。
【図7】図7は、図5の7−7を通して見た、図5および図6の支持構造体の断面図である。
【図8】図8は、図1の環状ステープル止めデバイスのアンビル棒上への、図2〜図7の支持構造体のいずれかの位置決めの方法を図示する、患者の腸領域の斜視図である。
【図9】図9は、図8の腸領域の概略斜視図であり、アンビル棒が環状ステープル止めデバイスに設置され、これらの間に、図2〜図7のいずれかの支持構造体が配置されているところを図示する。
【図10】図10は、未展開状態で示されている、本開示の別の実施形態による支持構造体の斜視図である。
【図11】図11は、図10の11−11を通して見た場合の、図10の支持構造体の断面図である。
【図12】図12は、展開状態で示されている、図10および図11の支持構造体の斜視図である。
【図13】図13は、図10〜図12の支持構造体の断面図である。
【図14】図14は、外科手術部位内の環状ステープル止めデバイスに設置されたアンビル棒、および未展開状態で、組織の並置された表面の間に配置された図10〜図13の支持構造体を図示する、長手軸方向の断面図である。
【図15】図15は、外科手術部位内の環状ステープル止めデバイスに設置されたアンビル棒、および展開状態で、組織の並置された表面の間に配置された図10〜図13の支持構造体を図示する、長手軸方向の断面図である。
【図16】図16は、本開示の代替の実施形態による支持構造体の斜視図である。
【図17】図17は、図16の17−17を通して見た場合の、図16の支持構造体の断面図である。
【図18】図18は、図17の示された細部の領域の拡大図である。
【図19】図19は、外科手術部位内の環状ステープル止めデバイスに設置されたアンビル棒、および未展開状態で、組織の並置された表面の間に配置された図16〜図18の支持構造体を図示する、長手軸方向の断面図である。
【図20】図20は、外科手術部位内の環状ステープル止めデバイスに設置されたアンビル棒、および展開状態で、組織の並置された表面の間に配置された図16〜図18の支持構造体を図示する、長手軸方向の断面図である。
【図21】図21は、本開示のなお別の代替の実施形態による支持構造体の斜視図である。
【図22】図22は、第一の状態で示されている、本開示の別の実施形態による支持構造体アセンブリを備えるアンビルアセンブリの斜視図である。
【図23】図23は、図22の支持構造体アセンブリの長手軸方向断面図である。
【図24】図24は、第二の状態で示されている、図22および図23の支持構造体アセンブリの斜視図である。
【図25】図25は、図24の支持構造体アセンブリの長手軸方向断面図である。
【図26】図26は、図22〜図25のアセンブリと共に使用するための、支持構造体の斜視図である。
【図27】図27は、図26の27−27を通して見た場合の、図26の支持構造体の断面図である。
【図28】図28は、図26および図27の支持構造体の分解斜視図である。
【図29】図29は、手術部位において展開される間の、外科手術用ステープル止め装置の遠位端の長手軸方向断面図であり、第一の状態にある間の、図22〜図28の支持構造体を図示する。
【図30】図30は、手術部位において展開される間の、外科手術用ステープル止め装置の遠位端の長手軸方向断面図であり、第二の状態にある間の、図22〜図28の支持構造体を図示する。
【図31】図31は、本開示の別の実施形態による外科手術用ステープル止め装置の斜視図を図示する。
【図32】図32は、本開示に従う支持構造体を備える、図31の外科手術用ステープル止め装置のアンビル部材の、部分的に分離された斜視図である。
【図33】図33は、図32の支持構造体の斜視図であり、拡張状態で図示されている。
【図34】図34は、図33の34−34を通して見た場合の、図33の支持構造体の断面図である。
【図35】図35は、図31の外科手術用ステープル止め装置の遠位端の側面立面図であり、手術部位内に位置決めされて示されており、第一の収縮した状態の図32〜図35の支持構造体を図示している。
【図36】図36は、図31の外科手術用ステープル止め装置の遠位端の側面立面図であり、手術部位内に位置決めされて示されており、創傷処置材料を吻合されるべき組織の表面に分配するために第二の膨張した状態の、図32〜図34の支持構造体を図示している。
【図37】図37は、図31の外科手術用ステープル止め装置の遠位端の側面立面図であり、手術部位内に位置決めされて示されており、創傷処置材料を吻合されるべき組織の表面に分配した後の第三の収縮した状態の、図32〜図34の創傷処置材料塗布構造体を図示している。
【図38】図38は、図31の環状外科手術用ステープル止めデバイスと共に使用するための、本開示の別の実施形態に従う支持構造体の、拡張状態の斜視図である。
【図39】図39は、図38の39−39を通して見た場合の、図38の支持構造体の断面図である。
【図40】図40は、本開示の別の実施形態に従う支持構造体の上平面図であり、展開された状態で示されている。
【図41】図41は、図40の41−41を通して見た場合の、図40の支持構造体の断面図である。
【図42】図42は、本開示のなお別の実施形態による支持構造体の斜視図であり、つぶされたまたは収縮した状態で示されている。
【図43】図43は、流体の遠隔供給源から充填または膨張されている、図42の支持構造体の斜視図である。
【図44】図44は、充填または膨張した状態で示されている、図42および図43の支持構造体の斜視図である。
【図45】図45は、外科手術用ステープル止め装置の遠位端の拡大斜視図であり、作動的に接続されたアプリケータを備えるアンビルアセンブリを図示する。
【図46】図46は、図45のアンビルアセンブリの遠位端の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、そして本開示の実施形態を図示し、そして上に開示される一般的な説明および以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する役に立つ。
【0101】
(実施形態の詳細な説明)
本開示のデバイスおよび構造体の実施形態が、ここで、図面を参照して詳細に記載される。図面において、同じ参照番号は、類似かまたは同一の要素を識別する。本明細書中で使用される場合、そして伝統的であるように、用語「遠位」とは、使用者から最も遠い部分をいい、一方で、用語「近位」とは、使用者に最も近い部分をいう。
【0102】
最初に図1を参照すると、本明細書中に開示される環状接着構造体とともに使用するための、環状外科手術用ステープルデバイスが、一般に、10として表されている。外科手術用ステープル止めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12を備え、このハンドルアセンブリは、少なくとも1つの旋回可能な作動ハンドル14、および前進部材16を備える。ハンドル部材12から延びて、管状本体部分20が提供され、この管状本体部分は、その長さに沿って湾曲した形状を有するように構成され得る。本体部分20は、ステープルカートリッジアセンブリ22で終了し、このステープルカートリッジアセンブリは、ステープル受容スロット36の1つ以上のアレイを備え、ステープル(図示せず)が、ステープル受容スロット36の各々1つの内部に配置されている。代表的に、ステープル受容スロット36の、1対の環状アレイが提供される。ステープルカートリッジアセンブリ22の遠位に配置されて、アンビルアセンブリ30が提供され、このアンビルアセンブリは、アンビル部材26および作動的に付随するシャフト28を備え、このシャフトは、アンビルアセンブリ30を、ステープルデバイス10の遠位端または接続部材40に取り外し可能に接続するためのものである。
【0103】
ステープルカートリッジアセンブリ22は、管状本体部分20の遠位端にしっかりと接続され得るか、または管状本体部分20の遠位端の内部に同心状にフィットされるように構成され得る。代表的に、ステープルカートリッジアセンブリ22は、ステープルプッシャ(図示せず)を備え、このステープルプッシャは、ほぼ切頭円錐形状を有する近位部分と、円周方向に間隔を空けたフィンガー(図示せず)の2つの同心リングを規定する遠位部分とを備え、これらのフィンガーの各々は、それぞれのステープル受容スロット36に受容される。
【0104】
代表的に、ナイフ(図示せず)(実質的に、縁がナイフエッジを規定している開いたカップの形態)が、ステープルカートリッジアセンブリ22の内部に配置され、そしてステープルプッシャ(図示せず)の遠位表面に設置される。このナイフエッジは、ステープルの1対の環状アレイの半径方向内側に配置される。従って、使用の際に、ステープルプッシャが進められると、このナイフもまた、軸方向外向きに進められる。
【0105】
環状ステープル止めデバイス10の詳細な議論について、Violaらに対する米国特許第5,915,616号が参照され得、この全内容は、本明細書中に参考として援用される。円形のステープル止め装置が、図1に示されているが、このステープル止めデバイスは、半円または他の望ましい形状で、ステープルを展開するように配置され得る。腸組織を参照して議論されるが、本開示によるデバイスは、他の手順で、他の組織を接合および/または処置するように、配置され得る。
【0106】
ここで図2を参照すると、本開示の実施形態に従う接着構造体または支持構造体が、一般に、100として表されている。構造体100は、望ましくは、ステープル受容スロット36のアレイに対応する形状を有する。好ましくは、構造体100は、ワッシャ様またはディスク様の本体部分102を備え、この本体部分は、この本体部分を通して形成された、実質的に中心に位置する開口部分104を備える。構造体100は、外側境界縁部106、あるサイズの開口部分104を規定する内側境界縁部108、上表面110、および下表面112によって、規定される。
【0107】
1つの実施形態において、構造体100は、以下により詳細に記載されるように、構造体100がステープル止めデバイス10と作動可能に結び付けられる場合に、外側境界縁部106がステープルカートリッジアセンブリ22のステープル保持ポケット36を越えて半径方向に延びるような大きさにされる。さらに、構造体100の開口部分104は、この開口部分を通してアンビルアセンブリ30のシャフト28を少なくとも受容するような大きさにされる。別の実施形態において、外側境界縁部106と内側境界縁部108との間の距離は、ステープルカートリッジアセンブリ22の組織接触表面24(図1を参照のこと)の幅と実質的に等しい。
【0108】
構造体100の本体部分102は、外科手術等級の、生体適合性の、非吸収性(すなわち、永久的な)材料から作成され得るか、またはこのような材料を含有し得ることが企図される。望ましくは、接着剤、封止剤および/または創傷処置材料を含浸されたメッシュである。例えば、本体部分102は、「TEFLON(登録商標)」から製造され得る。TEFLON(登録商標)は、DuPont de Nemours & Co.が所有する登録商標である。本体部分102は、生体適合性のポリマー発泡体、フェルト、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ゼラチン、布など、または他の任意の生体適合性材料から製造され得ることもまた、企図される。
【0109】
本体部分102のために使用される非吸収性材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのようなポリマーから製造される材料が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる非吸収性材料としては、ステンレス鋼、チタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
1つの実施形態において、構造体100の本体部分102は、生体吸収性材料から製造され得、この材料は、望ましくは、接着剤、封止剤、および/または他の創傷処置材料(例えば、医薬)を含浸される。従って、構造体100の封止剤成分は、組織から起こり得る任意の出血を遅延させるために使用され得、構造体100の接着剤成分は、接近させた組織を一緒に固定するために使用され得、そして構造体100の生体吸収性は、所定量の時間後に、構造体100が、身体に吸収されることを可能にする。例えば、構造体100は、構造体100が身体に吸収される前に吻合が充分に治癒するために、約2〜3週間にわたって、身体内の適所に残り得る。他の実施形態において、構造体100は、少なくとも一部が吸収性であり、そして少なくとも一部が吸収性ではない。
【0111】
構造体100の本体部分102のために使用される生体吸収性材料としては、グリコリド、グリコール酸、ラクチド、乳酸、p−ジオキサノン、α−カプロラクトンおよびトリメチレンカーボネートからなる群より選択される1種以上のモノマーから得られる、ホモポリマー、コポリマーまたはブレンドから製造されるものが挙げられるが、これらに限定されない。他の生体吸収性材料としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)およびポリ乳酸(PLA)が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、本体部分102は、生体吸収性のフェルト、ePTFE、ゼラチンまたは他の任意の生体吸収性材料から製造され得る。
【0112】
接着剤は、組織と接触すると硬化する接着剤、紫外(UV)光に曝露すると硬化する接着剤、2成分系であり、互いから隔離されて維持され、そして互いに接触すると硬化する接着剤、感圧性である接着剤、これらの任意の組み合わせである接着剤、または他の任意の公知の適切な接着剤が挙げられるが、これらに限定されない生体適合性接着剤であることが企図される。1つの実施形態において、約10秒〜約15秒の硬化時間を有する接着剤が使用され得ることが企図される。別の実施形態において、約30秒の硬化時間を有する接着剤が使用され得ることが企図される。
【0113】
構造体100の本体部分102は、予備硬化された接着剤または封止剤を含浸され得ることが、企図される。この予備硬化された封止剤または接着剤は、身体組織の水分および/または熱と反応し、これによって、この封止剤または接着剤の封止特性および/または接着特性を達成する。予備硬化された封止剤または接着剤は、ヒドロゲルなどであり得ることが企図される。
【0114】
創傷処置材料「W」は、接着剤、止血剤、封止剤、凝固剤、収れん剤、および医薬のうちの1つまたは組み合わせを含有し、これらに限定されないことが、企図される。外科手術用器具(外科手術用ステープラーが挙げられる)において使用され得るかまたは外科手術用器具によって塗布され得る、他の外科的に生体適合性の創傷処置材料「W」としては、器官、組織または構造体を付着させるかまたは保持することを機能とする接着剤;流体の漏出を防止するための封止剤;出血を止めるかまたは防止する止血剤;凝固剤、収れん剤(例えば、アルミニウムの硫酸塩)および医薬が挙げられる。使用され得る接着剤の例としては、タンパク質由来の接着材料、アルデヒドベースの接着材料(例えば、BioGlueTMの商号でCryolife,Inc.から販売されている市販のアルブミン/グルタルアルデヒド材料、ならびにIndermilTMおよびDerma BondTMの商号で、それぞれTyco Healthcare Group,LPおよびEthicon Endosurgery,Inc.により販売されているシアノアクリレートベースの材料)が挙げられる。使用され得る封止剤の例としては、フィブリン封止剤ならびにコラーゲンベースの組織封止剤および合成ポリマーベースの組織封止剤が挙げられる。市販の封止剤の例は、合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル材料であり、CoSealTMの商号でCohesion TechnologiesおよびBaxter International,Inc.により販売されている。使用され得る止血材料の例としては、フィブリンベースの局所止血剤、コラーゲンベースの局所止血剤、酸化された再生セルロースベースの局所止血剤、およびゼラチンベースの局所止血剤が挙げられる。市販の止血材料の例は、フィブリノーゲン−トロンビン組み合わせ材料であり、CoStasisTMの商号でTyco Healthcare Group,LPにより、そしてTisseelTMの商号でBaxter International,Inc.により販売されている。
【0115】
創傷処置材料は、架橋材料および/または反応性薬剤を含有し得、これらは、支持構造体、組織、またはこれらの両方と反応する。得られる材料は、非吸収性のシールまたは組織接合材料として働く。例えば、創傷処置材料は、インサイチュで反応して架橋し得る求電子基および求核基を有する、水溶性前駆体から形成された、生体適合性の架橋ポリマーに基づき得る(米国特許第6,566,406号に記載されるものが挙げられ、この全内容は、本明細書中に参考として援用される)。
【0116】
創傷処置材料は、構造体100内に配置され得るか、または構造体100に含浸され得る。医薬は、1種以上の医学的および/または外科的に有用な物質を含有し得、これらの物質は、例えば、薬物、酵素、増殖因子、ペプチド、タンパク質、色素、診断剤または止血剤、モノクローナル抗体、あるいは狭窄の防止において使用される他の任意の医薬品である。
【0117】
創傷処置材料「W」は、断粘性フィルム形成材料、架橋反応性試薬、およびエネルギー硬化性接着剤を含有し得る。創傷措置材料「W」、および特に、接着剤は、水および/またはグリセリン(例えば、1,2,3−プラナテトリオール(pranatetriol)であり、グリセロールおよびグリセリンとしてもまた公知)の塗布により、硬化し得ることが企図される。この様式で、水および/またはグリセリンは、接着剤を硬化させ、そして創傷部を水和させる。
【0118】
1つの実施形態において、構造体100の本体部分102は、2成分接着剤の第一の成分を含浸され得ること、およびこのデバイスが、この2成分接着剤の第二の成分を配置することが、企図される。例えば、外科手術用ステープラー10において、ステープルカートリッジアセンブリ22のステープル受容スロット36内に保持されるステープルは、この2成分接着剤の第二の成分(例えば、反応剤)でコーティングされる。この様式で、この接着剤の第一の成分は、外科手術用ステープル止めデバイス10の発射手順の間にステープルが構造体100の本体部分102に貫入してこの本体部分を捕捉し、そしてこの接着剤の2つの成分が互いに接触すると、活性化される。
【0119】
図2に見られるように、構造体100は、1層の本体部分102を備え得、この本体部分は、生体吸収性愛量もしくは非吸収性材料の均一なアレイ、または生体吸収性材料および/もしくは非吸収性材料の不均一なアレイを備える。特定の実施形態において、本体部分102は、感圧性接着剤を含浸され、この接着剤は、組織の隣接する層が接近され、本体部分102がこれらの組織の層の間に配置されると、活性化される。
【0120】
代替の実施形態において、図3および図4に見られるように、構造体100は、少なくとも2つの層(第一の層、フィルムまたはウエハ102a、および第二の層、フィルムまたはウエハ102bによって示される)を有する、層状の本体部分を備える。この実施形態において、各層102a、102bは、生体吸収性材料および/もしくは非吸収性材料の、均一なアレイまたは不均一なアレイを備え得る。各層102a、102bは、外科手術手順の前に、図4に見られるように、互いから分離され得ることが企図される。
【0121】
以下により詳細に記載されるように、構造体100の第一の層102aは、吻合されるべき第一の組織の表面に押し付けて、吻合されるべき第二の組織に隣接して配置され、そして構造体100の第二の層102bは、吻合されるべき第二の組織の表面に押し付けて、吻合されるべき第一の組織に隣接して配置される。この様式で、第一の組織および第二の組織が互いに接触すると、構造体100の第一の層102aおよび第二の層102bは、互いに接触して、混合および/または反応が可能になる。例えば、構造体100の第一の層102aは、2成分接着剤または封止剤の第一の成分を備え、一方で、構造体100の第二の層102bは、2成分接着剤または封止剤の第二の成分を備える。従って、使用の際に、第一の層102aおよび第二の層102bが互いに接触すると、2成分接着剤または封止剤の第一の成分および第二の成分は、接触して混合され、これによって、接着剤または封止剤を形成する。
【0122】
第一の層102aおよび第二の層102bは、生体吸収性のフィルム様膜から製造され得、この膜は、互いに接触し、そして/または流体(例えば、水、生理食塩水、血液、活性化流体など)と接触すると、活性化する。第一の層102aと第二の層102bとの、不慮および/または尚早の接触を防止するために、破壊経路または引き裂き分割部または障壁(図示せず)が、第一の層102aと第二の層102bとの間に配置され得ることが企図される。第一の層102aおよび第二の層102bの各々は、その上部表面および下部表面のうちの少なくとも一方に除去可能に配置された、ライナー(図示せず)を備え得ることが、さらに企図される。これらの実施形態のいずれにおいても、接着剤の活性化を起こすために、第一の層102aと第二の層102bとの互いとの接触の前に、分割部および/またはライナーが除去されなければならない。
【0123】
構造体は、接着剤を満たされた吸収性ゲルパックの形態であり得ることが、さらに企図される。例えば、この構造体は、以下により詳細に記載される環状接着構造体200と類似の、管状リングであり得る。
【0124】
本開示の実施形態に従って、図4に見られるように、構造体100の各層102a、102bは、フックおよびループ型のファスナー120(例えば、VelcroTM)の一部を備えることが企図される。例えば、第一の層102aは、その表面に配置された、フックおよびループ型のファスナー120のフック部分120aを備え、そして第二の層120bは、その表面に配置された、フックおよびループ型のファスナー120のループ部分120bを備える。従って、使用の際に、第一の層102aおよび第二の層102bは、フックおよびループ型のファスナーを介して互いに固定され、これによって、2成分接着剤または封止剤の2つの成分が互いと反応するための、より長い時間を提供する。望ましくは、フックおよびループ型のファスナーは、生体吸収性材料から製造される。
【0125】
図5から図7に見られるように、構造体100の第一の層102aおよび第二の層102bの各々は、それぞれ、外側境界縁部106a、106b、および内側境界縁部108a、108bを備え、これらの内側境界縁部は、これらの層を通して形成される、実質的に中心に位置する開口部分104a、104bを規定する。開口部分104aおよび104bは、互いに軸方向に整列しており、そしてこれらの開口部分を通してのアンビルアセンブリ30のシャフト28の位置決めを可能にする大きさにされる。
【0126】
第一の層102aおよび第二の層102bは、構造体100が拡張状態にある場合に、第一の層102aおよび第二の層102bの外側境界縁部106a、106bが、ステープルカートリッジアセンブリ22のステープル受容スロット36を越えて半径方向に延びるような大きさにされる。第一の層102aおよび第二の層102bは、柔軟な材料(例えば、ePTFE)の積層された2つの片から製造され得る。
【0127】
構造体100は、第一の層102aと第二の層102bとの間に固定されたかまたは配置された、リング、フープまたは他の円形部材130をさらに備える。フープ130は、弾性材料、または形状記憶ワイヤ(例えば、NITINOL)から作製され得、ここで、フープ130は、リング様に記憶された形状を有する。
【0128】
補強メッシュなどの層(図示せず)が、第一の層102aと第二の層102bとの間に配置され得るか、または第一の層102aおよび/もしくは第二の層102bに組み込まれ得ることが企図される。この様式で、この補強メッシュは、吻合された組織の間の管腔の開存性を維持するために、構造体100に、増加した強度および構造的一体性を提供し得る。
【0129】
構造体100の内側境界縁部108a、108bは、アンビルアセンブリ30のシャフト28に作動的に接続され、そして構造体100は、フープ130がシャフト28に押し付けられた状態でつぶされ、これによって、アンビルアセンブリ30を標的外科手術部位に挿入する間に、低いプロフィールを提供する。構造体100は、破壊可能なスリーブまたは除去可能な部材によって、シャフト28に押し付けてつぶされた状態を維持し得る。使用の際に、アンビルアセンブリ30は、外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20の接続部材40に接続される。アンビルアセンブリ28(構造体100を含む)を、標的外科手術部位に挿入し、そして外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20の遠位端まで挿入した後に、フープ130は、その記憶された形状に戻され、これによって、構造体100を拡張させ、その結果、第一の層102aおよび第二の層102bの外側境界縁部106a、106bは、ステープルカートリッジアセンブリ22のステープル受容スロット36を越えて、半径方向に拡張する。破壊可能なスリーブは、創傷処置材料を構造体100に導入する際に破壊され得るか、またはこのデバイスの近位端のアクチュエータに接続され得る。
【0130】
構造体100の第一の層102aおよび/または第二の層102bは、生体吸収性材料から製造され得、この材料は、創傷処置材料(例えば、接着剤、封止剤、および/または医薬)を含浸され、使用の際に、封止剤成分は、組織から起こり得るあらゆる出血を遅らせるように機能し、接着剤成分は、接近された組織を一緒に固定するように機能し、そして構造体100の生体吸収性は、構造体100の少なくとも一部が、所定量の時間後に、身体に吸収されることを可能にする。フープ130もまた同様に、生体吸収性材料から製造され得ることが企図される。この様式で、フープ130は、最終的に、身体に吸収される。例えば、このような実施形態において、構造体100は、管腔の開存性を維持することを補助するために、吻合が充分に治癒し、その後のいくらかの時間にわたって、フープ130が身体内の適所に残るように、第一の層102aおよび第二の層102bが、約2〜3週間、身体内の適所に残るように構成され得る。
【0131】
ここで図8を参照すると、腸セクション66および68の接合を行うための吻合手順における、外科手術用ステープル止めデバイス10および取り外し可能なアンビルアセンブリ30の使用が図示されている。この吻合手順は、代表的に、最小侵襲性の外科技術(腹腔鏡の手段および器具類)を使用して実施される。図8に示される手順の時点において、罹患した腸セクションが、予め除去されており、アンビルアセンブリ30が、外科的切開を通してかまたは経肛門でかのいずれかで手術部位に適用され、そして腸セクション68の内部に位置決めされており、そして外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20は、経肛門で、腸セクション66に挿入されている。腸セクション66および68はまた、それぞれの構成要素(例えば、アンビルアセンブリ30のシャフト28、および管状本体部分20の遠位端)の周りで、巾着縫合「P」(図9を参照のこと)のような従来の手段により、一時的に固定されて示されている。
【0132】
1つの方法によれば、図9に見られるように、望ましい場合、または外科手術手順が必要とする場合、アンビルアセンブリ30を管状本体部分20の遠位端に結合する前に、構造体100は、アンビルアセンブリ30のシャフト28上に配置され得る。構造体100をアンビルアセンブリ30のシャフト28上に位置決めした後に、外科医は、シャフト28の近位端が外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20の遠位端に挿入されるまで、アンビルアセンブリ30を操作する。ここで、管状本体部分20で遠位端の接続部材40内の設置構造体が、シャフト28と係合して、設置を行う。
【0133】
その後、アンビルアセンブリ30および管状本体部分20は、ハンドル部材12の回転可能な把持部材18を使用して接近させられ、腸セクション66および68を接近させ、そしてこれらの腸セクションの間に、構造体100を捕捉する。次いで、外科手術用ステープル止めデバイス10が、ハンドル部材12の操作によって発射され、これによって、腸セクション66、68を互いにステープル止めし、そしてナイフの半径方向内側に位置する組織および構造体100の部分を切断して、吻合が完了する。次いで、構造体100は、含浸された接着剤を放出し得、これによって、腸セクション66および68を、互いに接着する。
【0134】
第一の層102aおよび第二の層102bの各々が2成分接着剤組成物の一方の成分を含む、構造体100が使用される場合、外科手術用ステープル止めデバイスの接近および発射が行われるまで、第一の層102aおよび第二の層102bが、互いから分離および/または隔離されて維持されることが企図される。従って、使用において、第一の層102aおよび第二の層102bのうちの一方は、アンビルアセンブリ30のシャフト28上で、腸セクション68の表面に押し付けられて配置され得、一方で、第一の層102aおよび第二の層102bのうちの他方は、腸セクション66の表面に押し付けられて配置される。ピン(図示せず)が、管状本体部分20の遠位端から遠位に延び得、そして腸セクション66に貫入し得ることが企図される。この様式で、第一の層102aおよび第二の層102bのうちの他方は、腸セクション66を通って延びるピンにピン止めされ得る。
【0135】
あるいは、第一の層102aおよび第二の層102bの各々が、2成分接着剤組成物の一方の成分を含む、構造体100が使用される場合、各層102a、102bが、第一の層102aおよび第二の層102bを互いから分離および/または隔離して維持するための、引き裂きライナーまたは除去可能なライナーを備え得ることが企図される。従って、第一の層102aと第二の層102bとの両方が、アンビルアセンブリ30のシャフト28上に配置され得る。
【0136】
第一の層102aおよび第二の層102bの各々が、2成分接着剤組成物の一方の成分を含む、構造体100が使用される場合、この接着剤組成物は、第一の層102aおよび第二の層102bが互いに接触すると、活性化される。
【0137】
ここで図10〜図15を参照すると、支持構造体の1つの実施形態において、支持構造体100は、少なくとも1つの、好ましくは1対の、ドレープ、スカートまたは膜140、142(例えば、第一の膜140および第二の膜142)を備え、これらの膜は、本体部分102の外側境界縁部106から延びる。望ましくは、膜140、142は、ポリマーフィルムまたはプラスチックフィルムから製造され、このフィルムとしては、ポリエチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。各膜140、142は、第一の外側表面140a、142a、および第二の内側表面140b、142bを、それぞれ備える。
【0138】
図10および図11に見られるように、膜140、142は、第一の未展開状態を有し、この状態において、膜140、142は、巻かれているか、または他の様式で、本体部分102の方へとつぶされている。望ましくは、膜140、142は、図11の矢印「A」によって示されるように、第一の外側表面140a、142aに向かう方向で、下向きに巻かれる。図12および図13に見られるように、膜140、142は、第二の展開状態を有し、この状態において、膜140、142は、巻きを解かれるかまたは広げられて、中心の「X」軸に対して実質的に平行な配向に広がる。以下により詳細に記載されるように、第一の膜140は、第一の方向(好ましくは、遠位方向(例えば、本体部分102の上表面110から離れて延びる方向))に巻きを解かれ、そして第二の膜142は、第二の方向(好ましくは、近位方向(例えば、本体部分102の下表面112から離れて延びる方向))に巻きを解かれる。
【0139】
図10および図11に見られるように、支持構造体100は、望ましくは、膜140、142に巻き込まれた、1つ以上の開き綱またはつなぎ綱144、146を備える。開き綱144、146は、自由端144a、146aを備え、これらの自由端は、膜140、142が巻かれた状態にある場合に、膜140、142から延びる。この様式で、以下により詳細に記載されるように、開き綱144、146が、望ましくは、遠位方向および近位方向に引かれると、膜140、142は、これに従って巻きを解かれるか、または広がる。
【0140】
1つの実施形態において、支持構造体100の本体部分102は、膜またはスリーブ140、142と一体的な、比較的薄い可撓性材料またはフィルム上にオーバーモールドされた、発泡体材料から形成される。望ましくは、巻きを解かれるかまたは広がる場合に、各膜140、142は、本体部分102から約2.0cm延びる。換言すれば、巻きを解かれるかまたは広がる場合、第一の膜140は、本体部分102の上表面110から約2.0cmだけ、本体部分102から延び、そして第二の膜142は、本体部分102の下表面112から約2.0cmだけ、本体部分102から延びる。
【0141】
ここで図14および図15を参照すると、腸セクション66および68の接合を行うための吻合手順における、外科手術用ステープル止めデバイス10および支持構造体100の使用が図示されている。この吻合手順は、代表的に、最小侵襲性の外科技術(腹腔鏡の手段および器具類を包含する)を使用して、実施される。図14および図15に示される、この手順の時点において、罹患した腸セクションは、予め除去されており、アンビルアセンブリ30は、外科的切開を通してかまたは経肛門でかのいずれかで手術部位に導入され、そして腸セクション68の内部に位置決めされており、そして外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20は、経肛門で、腸セクション66に挿入されている。腸セクション66および68はまた、それぞれの構成要素(例えば、アンビルアセンブリ30のシャフト28、および管状本体部分20の遠位端)の周りで、巾着縫合「P」のような従来の手段により、一時的に固定されて示されている。
【0142】
次いで、支持構造体100は、アンビルアセンブリ30のシャフト28上に配置され、その後、アンビルアセンブリ30が、管状本体部分20の遠位端に結合される。具体的には、アンビルアセンブリ30のシャフト28は、本体部分102の開口部分104に挿入される。構造体100をアンビルアセンブリ30のシャフト28上で位置決めした後に、外科医は、シャフト28の近位端が外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20の遠位端で接続部材40に挿入されるまで、アンビルアセンブリ30を操作する。ここで、接続部材40の内部の設置構造体(図示せず)が、シャフト28に係合して、設置を行う。
【0143】
その後、図15に見られるように、アンビルアセンブリ30および管状本体部分20が接近させられて、腸セクション66、68を接近させ、そしてこれらのセクションの間に、構造体100の本体部分102を捕捉する。本体部分102が、図15に見られるように、腸セクション66と68との間に捕捉された状態で、膜140、142が、上記のように展開される(すなわち、巻きを解かれるかまたは広げられる)。具体的には、第一の膜140が、矢印「B」によって示されるように、遠位方向に巻きを解かれるかまたは広げられ、これによって、腸セクション68を覆うように重なり、そして第二の膜142が、矢印「C」によって示されるように、近位方向に巻きを解かれるかまたは広げられ、これによって、腸セクション66を覆うように重なる。望ましくは、第一の膜140および第二の膜142は、開き綱144、146を、必要とされるように遠位方向または近位方向に引くことによって、巻きを解かれるかまたは広げられる。
【0144】
膜140、142は、腸セクション66および68を越えて所定の距離だけ(例えば、約2cm)広がる。巻きを解かれるかまたは広げられる場合に、膜140、142は、望ましくは、腸セクション66、68の表面に接着する。これらの膜は、膜に組み込まれるかまたは膜にコーティングされた、感圧性接着剤または他の接着材料を組み込み得る。膜140および142は、吻合部位からの漏出を阻止するように機能し、そして/または腸セクション66、68を強化もしくは補強するように機能する。図15に見られるように、膜140、142が展開されると、外科手術用ステープル止めデバイス10が発射され得、これによって、腸セクション66、68が互いにステープル止めされ、そして組織および構造体100の、ナイフの半径方向内側に位置する部分が切断されて、この吻合が完了する。
【0145】
ここで図16〜図21を参照すると、構造体100は、少なくとも1つ、好ましくは1対の膜150、152(例えば、第一の膜150および第二の膜152)を備え、これらの膜は、本体部分102の外側縁部106から延びる。各膜150および152は、2つの層(それぞれ、内側層150a、152a、および外側層150b、152b)を備える。望ましくは、膜150、152の構築のために選択される材料は、水分または流体の存在下で、異なる速度で膨潤する。この様式で、膜150、152は、比較的遅い速度の流体膨潤または流体吸収を有する層の周りに、曲がるかまたはカールする傾向がある。この様式で、支持構造体100は、第一の未展開状態(この状態において、膜150、152は、本体部分102から実質的に半径方向外向きに延びている)、および第二の展開状態(この状態において、膜150、152は、本体部分102の中心の「X」軸と実質的に整列する)を有する。
【0146】
1つの実施形態に従って、膜150、152の内側層150a、152aは、水分を実質的に吸収しない材料または非膨張性(すなわち、静的)材料(例えば、ポリグリコール酸から製造される生体吸収性メッシュであり、DexonTMの商標の下で販売されており、Tyco Healthcare Group LP,Norwalk,Connecticutから入手可能である)から構成される。膜150、152の外側層150b、152bが、水分吸収性材料または膨張性(すなわち、動的)材料(例えば、ヒドロゲルなど)から構成されることもまた、企図される。
【0147】
望ましくは、各膜150、152は、生体吸収性メッシュの内側層150a、152aに積層された、ヒドロゲルの外側層150b、152bを備える。さらに、支持構造体100は、層状の膜150、152の材料の上に積層された、発泡体の本体部分102を備える。各膜150、152は、望ましくは、1対の層を備えるが、膜150、152が任意の数の層を備えることが企図され、そして本開示の範囲内である。
【0148】
従って、図18を参照すると、膜150、152の内側層150a、152aと、外側層150b、152bとの間の材料特性の差は、膜150、152を、その未展開状態(この状態において、膜150、152は、実質的に放射状の方向に広がっている)からカールさせるかまたは屈曲させて、展開状態(この状態において、膜150、152は、中心の「X」軸に対して実質的に平行な方向に延びる(図18に想像で示されるように))にする。
【0149】
ここで図19および図20を参照すると、腸セクション66および68の接合を行うための吻合手順における、外科手術用ステープル止めデバイス10、ならびに膜150、152を備える支持構造体100の使用が図示されている。図19に示される手順の時点において、アンビルアセンブリ30および管状本体部分20は、腸セクション66と68との間に環状支持構造体100の本体部分102を捕捉するように、互いに接近されて示されている。ここで、腸セクション66および68は、それらのそれぞれの構成要素(例えば、アンビルアセンブリ30のシャフト28、および管状本体部分20の遠位端)の周りで、巾着縫合「P」のような従来の手段によって、予め固定され、環状支持構造体100は、腸セクション66と68との間に位置決めされ、そしてアンビルアセンブリ30は、管状本体部分20の遠位端に連結された。
【0150】
支持構造体100の本体部分102が、図12および図13に見られるように、腸セクション66と68との間に捕捉されている状態で、膜150、152は、上記のように、展開し始める(すなわち、実質的に半径方向に拡張した配向から、中心の「X」軸に対して実質的に平行な配向までカールするかまたは屈曲する)。具体的には、第一の膜150および第二の膜152の外側層150b、152bが流体を吸収し、そして膨潤(すなわち、拡張)すると、第一の膜150および第二の膜152は、膜150、152(これらは、より遅い速度で膨潤または拡張する)の側に(すなわち、内側層150a、152aの方に)カールするかまたは屈曲する。矢印「B」によって示されるように、膜150、152が展開されるにつれて、第一の膜150が腸セクション68を覆うように上に重なり、そして第二の膜152が、矢印「C」によって示されるように、腸セクション66を覆うように重なる。
【0151】
望ましくは、膜150、152は腸セクション66および68を越えて所定の距離だけ(例えば、約2cm)広がる。膜150、152は、これらの膜が腸セクション66、68の表面に接着するように、配置される。膜150、152は、吻合部位からの漏出を阻止するように機能し、そして/または腸セクション66、68を強化もしくは補強するように機能する。図20に見られるように、膜150、152が展開されると、外科手術用ステープル止めデバイス10が発射され得、これによって、腸セクション66、68を互いにステープル止めし、そしてナイフの半径方向内側に位置する組織または構造体100の部分を切断して、この吻合が完了する。
【0152】
さらなる実施形態において、図21に見られるように、構造体100は、各膜150、152の表面および/または内部にそれぞれ提供される、一連のリブ156、158を備える。望ましくは、リブ156、158は、膜150、152の外周または周囲の周りで、半径方向に間隔を空ける。リブ156、158は、実質的に軸方向に配向する。
【0153】
リブ156、158は、形状記憶材料、合金など(好ましくは、NITINOLTMなど)から製造される。あるいは、これらのリブは、ポリマー材料から製造され得る。リブ156、158は、生体吸収性材料または非吸収性材料から製造され得ることが、さらに企図される。
【0154】
リブ156、158は、記憶された形状を有し、この形状は、支持構造体100の中心の「X」軸に対して実質的に平行に配向する。この様式で、支持構造体100は、第一の未展開状態(この状態において、リブ156、158は、付勢されたか、巻かれたか、または他の様式でつぶされた状態にあり、そして膜150、152もまた、巻かれたかまたは他の様式でつぶされた状態にある)、および第二の展開状態(この状態において、リブ156、158は、その記憶された形状または非付勢状態にあり、そして膜150、152は、広がっている)を有する。
【0155】
使用において、支持構造体が未展開状態にある場合に、支持構造体100は、アンビルアセンブリ30のシャフト28上に位置決めされる。支持構造体100がこのように位置決めされると、支持構造体100は、リブ156、158がその記憶された状態に戻ると、展開される。具体的には、リブ156、158が、それらの記憶された状態に戻ることにより、膜150、152が腸セクション66および68を覆うように、そして/または中心の「X」軸に対して実質的に平行に広がる。
【0156】
ここで図22〜図30を参照すると、支持構造体アセンブリは、本開示の実施形態に従って、一般に、180で表され、そしてアンビルアセンブリ30のシャフト28に作動的に支持される。上述のように、アンビルアセンブリ30は、アンビル部材26およびシャフト28を備え、このシャフトは、アンビル部材26から延びており、そしてステープル止めデバイス10の遠位端部分と作動的に接続可能である。
【0157】
アンビルアセンブリ30は、そのシャフト28に作動的に配置された支持構造体アセンブリ180を備える。支持構造体アセンブリ180は、アンビルアセンブリ30のシャフト28に作動的に配置されたスリーブ160を備える。スリーブ160は、近位部分160a(シャフト28の直径よりわずかに大きい直径を有する)および遠位部分160b(近位部分160aの直径より大きい直径を有する)を備え、シャフト28と遠位部分160bとの間に、チャンバ162を規定する。
【0158】
スリーブ160は、第一の位置から第二の位置へと、シャフト28の長さに沿って可動である。この第一の位置において、スリーブ160は、アンビル部材30に近く接近しており(図22および図23を参照のこと)、そしてこの第二の位置において、スリーブ160は、アンビル部材28からある距離で間隔を空けている(図24および図25を参照のこと)。望ましくは、カム表面164が、スリーブ160の近位部分160aの内側表面161aに形成される。さらに、カム従動節166が、シャフト28上に提供され、そしてスリーブ160のカム表面164と作動的に係合する。望ましくは、使用の間に、アンビル26は、上で議論されたように、管状本体部分20の近くに引かれる。スリーブ160がシャフト28に対して軸方向に(例えば、第一の位置と第二の位置との間で)配置されるように、カム従動節166は、カム表面164に載る。好ましくは、シャフト28が近位に引かれると、カム従動節166およびカム表面164は、相互作用し、その結果、スリーブ160は、シャフト28よりも迅速に近位に移動する。
【0159】
支持構造体アセンブリ180は、シャフト28に作動的に支持された支持構造体170をさらに備える。支持構造体170は、図23に見られるような、つぶれた第一の状態、ならびに図24および図25に見られるような、拡張した第二の状態を有する。このつぶれた第一の状態において、支持構造体170は、スリーブ160のチャンバ162の内部に保持され、そしてこの拡張した第二の状態において、支持構造体170は、スリーブ160のチャンバ162から解放されており、そしてシャフト28から半径方向外向きに広がる。
【0160】
図23〜図28に見られるように、特に、図26〜図28に見られるように、支持構造体170は、好ましくは、中心ハブ172、ハブ172から延びる複数のスポーク174、およびスポーク174の遠位端に作動的に接続されるディスク176を備える。望ましくは、支持構造体170は、各スポーク174の遠位端に作動的に接続された、リング178を備える。リング178およびスポークは、望ましくは、弾性であり、そしてつぶれることが可能であり、そしてディスク176に、増加した程度の構造的一体性を提供する。好ましくは、スポーク174およびリング178は、広範な形状記憶材料(例えば、NITINOLなど)から作製され、ここで、スポーク174および/またはリング178は、記憶された形状を有し、スポークは、ハブ172に対して放射状に配向し、そしてリング178は、フープ様形状を有する。
【0161】
図27および図28に最もよく見られるように、ディスク176は、好ましくは、リング178の第一の側に配置された第一のディスク176a、およびリング178の第二の側に配置された第二のディスク176bを備える。好ましくは、ディスク176a、176bは、ステープル受容スロット36を横切って延びるために十分な幅を有する。この様式で、以下でより詳細に議論されるように、外科用縫合糸デバイス10が発射されると、ステープル38(図29、図30を参照のこと)は、ディスク176a、176bを通して駆動される。
【0162】
第一のディスク176aおよび第二のディスク176bは、上に開示された材料のいずれかから製造され得ることが企図される。1つの実施形態において、第一のディスク176aおよび第二のディスク176bは、創傷処置材料を含浸される。
【0163】
ここで図29および図30を参照すると、支持構造体アセンブリ180を使用する方法が示され、そして記載される。吻合手順は、代表的に、最小侵襲性外科技術(腹腔鏡の手段および器具類を包含する)を使用して、実施される。図29に示される手順の時点において、罹患した腸セクションは、予め除去されており、アンビルアセンブリ30は、手術部位に適用され、そして外科手術用ステープル止め装置10の本体部分20(すなわち、管状本体部分)の遠位端22は、第二の腸セクション68に挿入されている。
【0164】
本発明の方法によれば、アンビルアセンブリ30および管状本体部分20の遠位端の、それぞれ腸セクション66および68の内部での位置決めの後に、外科医は、シャフト28の近位端が、外科手術用ステープル止めデバイス10の管状本体部分20の遠位端に提供された接続部材40に挿入されるまで、アンビルアセンブリ30を操縦する。接続部材40は、望ましくは、管状本体部分20へのアンビルアセンブリ30の設置を行うために、シャフト28の近位端と、スリーブ160の近位部分160aとを接続する。接続部材40は、管状本体部分20の内部に配置された棒41を備え得、この棒は、シャフト28を係合するための、窪んだ構造を有する。
【0165】
その後、アンビルアセンブリ30および管状本体部分20は、接近させられて、腸セクション66、68を接近させ、そしてスリーブ160を、第一の位置から第二の位置へと移動させ、支持構造体170を展開させる。具体的には、アンビルアセンブリ30と管状本体部分20とを接近させる間に、図29に見られるように、スリーブ160は、上で議論されたように、第一の位置から第二の位置へと(矢印「A」によって示されるように)、シャフト28に対して近位方向に移動させられる。
【0166】
スリーブ160がシャフト28に対して近位の方向に移動されると、支持構造体170は、スリーブ160の遠位端から露出される。図30に見られるように、一旦、スリーブ160が、このスリーブの遠位端が支持構造体170を完全に越えるために充分な量だけ、またはスリーブ160の近位部分160aが、シャフト28の近位端に適用された拡大ヘッド28aに当接する(例えば、底に当たる)まで、シャフト28に対して近位方向に移動させると、支持構造体170が展開される(すなわち、スポーク174およびリング178が、その記憶された状態または予め付勢された状態に戻る)。
【0167】
図30に見られるように、支持構造体170が展開すると、ディスク176が、第一の腸セクション66と第二の腸セクション68との間で拡張し、そしてステープルカートリッジアセンブリ22のステープル受容スロット36を実質的に覆い、そして/またはこれらのスロットと位置合わせされる。支持構造体170が、第一の腸セクション66と第二の腸セクション68との間で展開されると、アンビルアセンブリ30は、管状本体部分20の方へとさらに接近させられ、これによって、第一の腸セクション66と第二の腸セクション68との間に、ディスク176を挟む。アンビルアセンブリ30が、本体部分20の方へと完全に接近させられると、外科手術用ステープル止めデバイス10が発射され、これによって、ディスク176を、腸セクション66と68との間にステープル止めする。さらに、これと同時に、ナイフ(図示せず)が起動されて、腸セクション66、68およびスポーク174の、このナイフより半径方向内側に位置する部分を切断し、これによって、この吻合が完了する。
【0168】
上記のことから、支持構造体170のディスク176は、吻合を強化し、そして出血、漏出、および狭窄の発生を減少させるように機能することが、理解される。本開示の環状接着構造体は、多数の他の用途において利用され得、そして腸または気管支の吻合のみに限定されないこともまた、理解される。
【0169】
ここで図31〜図37を参照すると、本開示の代替の実施形態に従う支持構造体200が、環状外科手術用ステープル止めデバイス1000のアンビル部材1026のステム1028に支持されて示されている。外科手術用ステープル止めデバイス1000は、外科手術用ステープル止めデバイス10と実質的に類似であるので、構成および操作の差異を確認するために必要な程度までのみが、詳細に議論される。
【0170】
図32〜図34に見られるように、支持構造体200は、外側の円形リム、管またはドーナツ状部品202、円形管202から半径方向内向きに延びる複数のスポーク204、およびスポーク204を作動的に接合する中心ハブ206を備える。円形管202は、拡張応対にある場合に、ほぼ円環の形状である。中心ハブ206は、このハブを通して管腔208を規定し、この管腔は、アンビル部材1026のステム1028を受容するためのものであり、中心長手方向「X」軸を有する。
【0171】
図34に見られるように、支持構造体200の円形管202は、その内部に空洞202aを規定し、そしてスポーク204は、円形管202の空洞202aに流体(例えば、創傷処置材料「W」)を送達するための導管として働く。中心ハブ206は、内部に形成された複数の開口部分206aを備え、これらの開口部分は、スポーク204と流体連絡する。中心ハブ206の開口部分206aは、アンビル部材1026のステム1028に形成された、ポート1028a(図32を参照のこと)と流体連絡する。ポート1028aは、アンビルアセンブリ1026のステム1028を軸方向に通って延びる導管または通路1028bと流体連絡する。導管1028bは、アンビル部材1026が接続手段1040(図31を参照のこと)と結合される場合に、流体の供給源(図示せず)に流体的に接続され、流体(例えば、創傷処置材料「W」)を、円形管202の空洞202aに送達する。
【0172】
支持構造体200は、第一の未拡張状態または収縮状態を有し、この状態において、円形管202の空洞202aは満たされておらず、そして円形管202およびスポーク204は、巻き付けられるか、つぶされるか、または他の様式で、アンビル部材1026のステム1028の近くに接近する。支持構造体200は、拡張状態を有し、この状態において、円形管202の空洞202aは、創傷処置材料「W」で満たされている。
【0173】
図32〜図34に見られるように、円形管202は、それに形成された複数のミシン目210を備える。好ましくは、ミシン目210は、円形管202の上表面または遠位表面203に沿って、形成される。さらに、ミシン目210は、円形管202の周囲または外周を少なくとも部分的に巡って、そして好ましくは完全に巡って広がる。この様式で、以下により詳細に記載されるように、創傷処置材料「W」は、円形管202が創傷処置材料「W」で拡張または膨張されると、ミシン目210から分配される。
【0174】
図34に見られるように、スポーク204は、ハブ206の長手方向「X」軸に対して、「Θ」°だけ角度を有する。望ましくは、スポーク204は、支持構造体200が膨張状態にある場合に、遠位方向に角度を付けられる。1つの実施形態において、支持構造体200が膨張状態にある場合に、スポーク204は、「Θ」°だけ角度を付けられ、そして円形管202がアンビル部材1026の組織接触表面に近く接近するために充分である。好ましくは、以下により詳細に記載されるように、指示構造体200が、膨張状態にある場合に、円形管202は、巾着縫合された組織「T」を、アンビル部材1026に実質的に接触させる。
【0175】
支持構造体200は、ハブ206を備えるように図示および記載されたが、スポーク204がステム1028に直接接続され、そしてより具体的には、ステム1028のポート1028aと流体的に接続されることは、本開示の範囲内であることが企図される。
【0176】
創傷処置材料「W」は、創傷処置材料(例えば、上記のような接着剤、止血剤、封止剤、医薬など)の1種または組み合わせを包含し得ることが、企図される。
【0177】
ここで図35〜図37を参照すると、創傷処置材料を分散および/または分配するために、支持構造体200を使用する方法が、図示および記載されている。吻合手順は、代表的に、最小侵襲性の外科技術(腹腔鏡の手段および器具類を包含する)を使用して、実施される。図35に示される手順の時点において、罹患した腸セクションは、予め除去されており、アンビルアセンブリ1030は、手術部位に適用されており、そして外科手術用ステープル止め装置1000の本体部分1020(すなわち、管状本体部分)の遠位端1022は、第二の腸セクション「T2」に挿入されている。
【0178】
アンビルアセンブリ1030および本体部分1020の遠位端1022を、腸セクション「T1およびT2」内に位置決めした後に、外科医は、ステム1028の近異端が接続手段1040の遠位端に挿入されて、接続手段1040へのアンビルアセンブリ1030の設置を行うまで、アンビルアセンブリ1030を操縦する。図35に見られるように、アンビルアセンブリ1030が接続手段1040に設置されると、創傷処置材料「W」を、ステム1028の導管1028bに通し、スポーク204に通し、そして円形管202の空洞202aに入れることによって、支持構造体200が膨張状態まで拡張される。管状本体部分の近位端は、望ましくは、創傷処置材料を支持構造体200に分配するための、ボタン、プランジャー、または他のアクチュエータを備える。
【0179】
創傷処置材料「W」の、支持構造体200内での圧力が増加すると、図36に見られるように、円形管202は、第一の腸セクション「T1」と接触するかまたはかなり接近し、そして創傷処置材料「W」は、開口部分210から分配される。創傷処置材料「W」が支持構造体200から分配されるにつれて、創傷処置材料「W」は、第一の腸セクション「T1」上に沈着する。好ましくは、創傷処置材料「W」は、第一の腸セクション「T1」の周囲に完全に沈着させられる。
【0180】
支持構造体200は、創傷処置材料「W」を、第一の腸セクション「T1」に沈着させるように構成されていることが図示および記載されるが、支持構造体200が、創傷処置材料「W」を第二の腸セクション「T2」に分配するように構成されることが企図され、そして本開示の範囲内である。
【0181】
図36および図37に見られるように、創傷処置材料「W」を第一の腸セクション「T1」上に沈着させた後に、支持構造体、および特に、円形管202が、創傷処置材料「W」を導管28bおよびスポーク204に通して引き抜くことによって、収縮させられる。支持構造体200は、円形管202に取り付けられた縫合糸を備え得、この縫合糸は、管状本体部分1022を通って、装置1000の近位端へと延び、これによって、この縫合糸を引く使用者は、構造体200をつぶし得、そして/または取り出し得る。あるいは、支持構造体200は、弾性の拡張可能な材料を含有し得る。創傷処置材料「W」が、第一の組織セクション「T1」に沈着され、そして支持構造体200が収縮させられると、アンビル部材1026および管状本体部分1022が接近させられて、第一の腸セクション「T1」と第二の腸セクション「T2」とを接近させる。アンビル部材1026と管状本体部分1022とを接近させるために、回転可能な把持部材1018が使用される。第一の腸セクション「T1」が第二の腸セクション「T2」と接触すると、創傷処置材料「W」は、これらのセクションの間に挟まれる。
【0182】
次いで、外科手術用ステープル止め装置1000は、ハンドル部材1012を操作することによって発射され、これによって、第一の腸セクション「T1」を、第二の腸セクション「T2」にステープル止めする。外科手術用ステープル止め装置1000の発射の際に、これらのステープルは、ステープルプッシャ部材(図示せず)によって、本体部分1020の遠位端1022から排出され、そして第一の腸セクションおよび第二の腸セクション「T1およびT2」を通して駆動される。さらに、ステープルポケット1024の半径方向内側に位置する環状のナイフが、腸組織をステープルポケット1024の半径方向内側を切断し、これによって、この吻合が完了する。
【0183】
代替の方法において、外科手術用吻合手順は、ステープルを使用せずに達成され得ることが、企図される。従って、創傷処置材料「W」を第一の腸セクション「T1」および/または第二の腸セクション「T2」に沈着させた後に、アンビル部材1026は、第一の腸セクション「T1」が第二の腸セクション「T2」と接触するまで、本体部分1020の遠位端1022の方に接近させられ、これによって、創傷処置材料「W」をこれらのセクションの間に絞る。使用される特定の創傷処置材料「W」(例えば、接着剤)に依存して、アンビル部材1026は、創傷処置材料「W」が硬化して、第一の腸セクション「T1」および第二の腸セクション「T2」を互いに接着させ始めるために充分な時間にわたって、本体部分1020の遠位端1022に接近させて維持される。創傷処置材料「W」(例えば、接着剤)の選択は、本体部分1020の遠位端1022に接近させてアンビル部材1026を維持するために必要とされる時間を決定する。
【0184】
上記のことから、支持構造体200は、吻合を強化し、そして出血、漏出および狭窄の発生を減少させるように機能することが、理解される。本開示の創傷処置材料塗布構造体は、他の多くの用途において利用され得、そして腸または気管支の吻合のみに限定されないこともまた、理解される。
【0185】
1つの実施形態において、開口部分210は、管202が弱体化した領域であり得ることが企図される。この様式で、管202内の圧力が膨張の間に増加するにつれて、これらの弱体化した領域が開き、そして開口部分210になり、そして創傷処置材料「W」がこの開口部分から分配されることを可能にする。
【0186】
図38および図39に示されるように、支持構造体200は、ポリマー材料から製造され得、そして膨張状態にある場合に、円形または「ワゴンの車輪」の形状の構造を形成し得る。望ましくは、スポーク204は、中心ハブ206から放射状に延びる。この実施形態において、支持構造体200の円形管202は、そこに形成された開口部分210を備えない。
【0187】
使用において、構造体200は、吻合されるべき組織の2つの層の間の位置で、膨張させられる。この様式で、以下により詳細に記載されるように、外科手術ステープル止めデバイス1000が発射されると、ステープルが、円形本体202に貫入し、そして/または穿孔し、これによって、創傷処置材料「W」を、これらの組織の2つの層の間に放出し、そしてこれらの組織の2つの層の間に、円形管202を捕捉するように働く。次いで、外科手術用ステープル止めデバイス1000の発射は、ナイフを駆動して、捕捉された円形管202からスポーク204を切断させ、これによって、円形管202を適所に残す。円形管202、および構造体200のほかの部分は、生体吸収性材料から形成され得る。代替の方法において、ステープルが円形本体202を穿孔する場合、支持構造体200の弾性は、割れた風船の様式で、円形本体202およびスポーク204をつぶし、そして/または収縮させてアンビルアセンブリ1030のシャフト1028のハブ206上に戻す。
【0188】
円形管202は、構造体100の製造について上で列挙された材料のいずれかから、構成され得る。円形管202は、さらなる構造的一体性および強度を提供するために、メッシュまたは他の材料で強化され得る。さらに、ステープルが円形管202に貫入する場合、これのステープルは、このメッシュを捕捉し得、これによって、吻合される組織の2つの層の間の管腔の開存性を維持することを、さらに補助する。
【0189】
構造体200は、空洞202aを2つの別々のチャンバに分割し、各チャンバに、2成分接着剤組成物のそれぞれの成分を受容させることによって、2成分接着剤組成物と共に使用され得ることが、企図される。あるいは、1対の構造体200が、アンビルアセンブリ1030のシャフト1028に設置され得、各構造体200が、2成分接着剤組成物のそれぞれの成分に流体接続されることが、企図される。
【0190】
代替例において、図38および図39の構造体200は、つぶれることが可能な発泡体を備え得、これは、シャフト1028に取り付けられ、そしてつぶれた状態に維持される。創傷処置材料が、この発泡体構造体に、開口部分1028aを通して送達され、これによって、この発泡体を拡張させる。望ましくは、創傷処置材料は、架橋性物質を含有するか、またはこの発泡体と、接着剤もしくは封止剤物質を形成するように反応性である。
【0191】
ここで図40および図41を参照すると、本開示の代替の実施形態に従う支持構造体は、一般に、300で示されている。支持構造体300は、第一の端部302aおよび第二の端部302bにおいて、アンビル部材1026のステム1028に固定された、ほぼ環状のバルーン302である。望ましくは、環状バルーン302の第一の端部302aは、ポート1028aの遠位の位置で、ステム1028に固定されるかまたは取り付けられ得(例えば、接着)、そして環状バルーン302の第二の端部302bは、ポート1028aの近位の位置で、ステム1028に固定されるかまたは取り付けられる(例えば、接着)。この様式で、創傷処置材料「W」は、ステム1028の通路1028bを通って伝達されると、創傷処置材料「W」は、ポート1028aを通って出、そして環状バルーン302の空洞304を満たす。
【0192】
図41に見られるように、環状バルーン302は、その外周縁部310に沿って形成された、複数の開口部分または穿孔部分306を備える。従って、創傷処置材料「W」が空洞304を満たし、そして空洞304内の圧力が上昇すると、創傷処置材料「W」は、穿孔部分306から分配され始める。望ましくは、本開示によれば、環状バルーン302は、外周縁部310および穿孔部分306が、互いに固定されるべき組織の隣接する層「T1、T2」(図41に想像で示される)の間に配置されるような構成および寸法にされる。
【0193】
図42から図44を参照すると、本開示のなお別の実施形態による支持構造体が、一般に、400で示されている。構造体400は、構造体100の製造について上で列挙された材料のいずれかから、製造され得る。構造体400は、平坦なディスク様の、第一の収縮または非膨張状態(図42および図43に見られるような)、ならびに円環状の第二の膨張または拡張した状態(図44に見られるような)を有し得る。
【0194】
構造体400は、実質的に中心に位置する開口部分404が形成された、管状本体部分402を備える。構造体400は、外側境界縁部406、およびあるサイズの開口部分404を規定する内側境界縁部408によって、規定される。構造体400は、構造体400がステープル止めデバイス1000と作動的に付随する場合に、外側境界縁部406がステープルカートリッジアセンブリ1022のステープル保持ポケット1036を越えて延びるような大きさにされる。さらに、構造体400の開口部分404は、この開口部分を通してアンビルアセンブリ1030のシャフト1028を少なくとも受容するような大きさにされる。
【0195】
構造体400の本体部分402は、創傷処置材料(例えば、封止剤、接着剤、医薬などが挙げられるが、これらに限定されない)を内部に受容するための、内部空洞またはチャンバ(図示せず)を規定する。ポート420は、本体部分402に提供され得、このポートを通して、流体が、その空洞に注入され得る。
【0196】
図43に見られるように、注射器「S」の形態の流体送達デバイスが、封止剤、接着剤、違約などの形態の流体を、本体部分402の空洞に注入および/または送達するために使用され得る。図44に見られるように、構造体400が流体で膨張させられると、構造体400は、円環状の形状を有し得る。構造体400は、図44において、円環状の形状を有するように示されるが、膨張状態にある場合に、構造体400は、ワッシャ様、円筒形、球状、または他の形状を有し得ることが企図され、そして本開示の範囲内である。
【0197】
構造体200と同様に、使用において、接着剤構造体400が膨張状態にあり、そしてアンビルアセンブリ1030のシャフト1028上に位置決めされた状態で、管座本体部分1020およびアンビルアセンブリ1030は、接近させられ、そして腸セクション66、68を接近させ、そしてこれらのセクションの間に、環状接着剤構造体400を捕捉する。次いで、外科手術用ステープル止めデバイス1000が発射され、これによって、腸セクション66、68を一緒にステープル止めする。外科手術用ステープル止めデバイス1000の発射の際に、ステープルは、ステープルカートリッジアセンブリ1022から排出され、そして腸セクション66、68および本体部分402を通して駆動され、これによって、本体部分402を穿孔し、そしてこの本体部分から流体を排出する。
【0198】
ここで図45および図46を参照すると、本開示の実施形態に従うアプリケータ500が、外科手術用ステープル止めデバイス1000のアンビルアセンブリ1030のステム1028に支持されて示されている。
【0199】
図45および図46に見られるように、アプリケータ500は、アンビル部材1026を備え、管状スリーブ502は、外科手術用ステープル止めデバイス1000の接続部材1040を選択的に係合するように、構成および適合されている。接続部材1040は、管状本体部分1020のシャフト1020aに取り付けられる。管状本体部分1020はまた、ステープルの列の内側に形成された凹部1020bを有する。外科手術用ステープル止めデバイス1000の残りの部分は、実質的に、上で議論されたとおりである。
【0200】
スリーブ502の近位端502aは、移動止め、1/4回転ロック、螺合接続、ラッチ、または差込型接続を使用して、接続部材1040と接続するように構成される。例えば、外科手術用ステープル止め器具1000の接続部材1040は、スリーブ502の近位端に挿入され、そしてアプリケータ500とアンビルアセンブリ1030とを外科手術用ステープルデバイス1000の接続部材1040にロックするために、回転させられる。具体的には、スリーブ502は、L字型スロット504を備え得、このスロットは、接続部材1040のこぶ1040aをスライド可能に受容するような構成および寸法にされる。
【0201】
アプリケータ500は、アンビル部材1026と本体部分1020との間に配置され他マニホルド506を備える。マニホルド506は、スリーブ502の遠位端に支持される。マニホルド506は、中心がアンビルアセンブリ1030のステム1028の長手方向軸と実質的に整列している、ディスクの形態であり得る。マニホルド506は、アンビル1026の外径より小さい外径を有することが、企図される。
【0202】
マニホルド506は、そこに形成された、放射状に配向する複数のチャネル506aを備える。各チャネル506aは、スリーブ502の内部と流体連絡する。マニホルド506のチャネル506aは、アンビルアセンブリ1030のステム1028に形成されたポート1028a(図32を参照のこと)と流体連絡し得、このポート1028aは、スリーブ502と流体連絡し得る。実質的に剛性の材料から望ましくは形成される、このマニホルドは、ステープルの列の内側で終了するような寸法にされる。図45において、チャネル506aは、マニホルド506の横側で開いている。他の実施形態において、チャネル506aは、このマニホルドの最遠位または最近位の表面で、開口し得る。
【0203】
管状スリーブ502の内部は、アプリケータ500のアンプルのためのチャンバ502bを形成する。アンプル510は、ある量の創傷処置材料を内部に保持するように構成および適合される。例えば、創傷処置材料は、創傷処置材料(例えば、上に記載されたような、接着剤、止血剤、封止剤、医薬など)の1つまたは組み合わせを含有し得ることが、企図される。管状スリーブ502は、開口部分または窓502cを備え得、これを通して、アンプル510が見える。アンプル510の、充分に分配された状態、部分的に分配された状態、または完全に分配された状態は、開口部分または窓502cを通して見える。アンプル510は、望ましくは、創傷処置材料を遠位方向に、マニホルド506に向けて、そして開口部分または窓502cから離れるように方向付けるように配置された、プラスチックのカートリッジを備える。
【0204】
アンプル510は、内部に収容された創傷処置材料を、スリーブ502内に分配するように起動可能であることが企図され、そして予測される。具体的には、アンプル510の起動の際に、その内部に収容された創傷処置材料は、スリーブ502内に分配され、そしてマニホルド506のチャネル506a内に、さらに分配される。この様式で、創傷処置材料は、標的手術部位に分配され得る。
【0205】
アプリケータ500は、創傷処置材料がマニホルド506のチャネル506aに効率的に方向付けられることを確実にするために、アンプル510とスリーブ502との間に介在するシール512をさらに備え得る。
【0206】
創傷処置材料をアンプル510から出し、そしてマニホルド506のチャネル506aに通すために、ドライバ(図示せず)が、アンプル510に通してプランジャー(図示せず)を進め得ることが企図され、そして予測される。あるいは、雌ねじを有するシャフトが、スリーブ502をシャフト1020aに対して接近させるために使用され得、これによって、アンプル510を圧縮し、創傷処置材料をアンプル510から出す。
【0207】
創傷処置材料を内部に保持するために構成されたアンプルの、より詳細な記載については、2005年10月14日に出願された、米国特許出願番号11/250,277が参照され得、この米国特許出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0208】
外科手術用ステープル止めデバイス1000(アプリケータ500を含む)を使用する方法が、ここで記載される。アンビルアセンブリ1030および本体部分1020の遠位端1022を、腸セクション「T1」および「T2」の内部に位置決めし、そしてアンビルアセンブリ1030および遠位端1022を腸セクション「T1」および「T2」に固定した後に、外科医は、スリーブ502の近位端が接続部材1040上をスライドし、そしてアンビルアセンブリ1030を外科手術用ステープル止めデバイス1000の接続部材1040にロックするまで、アンビルアセンブリ1030を操縦する。
【0209】
アンビルアセンブリ1030が接続手段1040に設置された状態で、アンビル部材1026および管状本体部分1022が接近され、第一の腸セクション「T1」および第二の腸セクション「T2」を接近させる。回転可能な把持部材1018が、アンビル部材1026および管状本体部分1022を接近させるために使用される。第一の腸セクション「T1」および第二の腸セクション「T2」は、マニホルド506の半径方向外側の縁部が、第一の腸部分「T1」と第二の腸部分「T2」との少なくとも一方、および/またはこれらのセクションの間の界面に近く接近して位置するように接近させられることが、企図される。
【0210】
第一の腸セクション「T1」が第二の腸セクション「T2」に近く接近したら、アプリケータ500が起動されて、創傷処置材料を、第一の腸セクション「T1」および/または第二の腸セクション「T2」に分配し得る。例えば、ボタン、プランジャーまたは他のアクチュエータが、デバイス100のハンドルアセンブリに提供され得る。このアクチュエータは、創傷処置材料をアンプル510から出し、スリーブ502に入れ、ポート1028aに通し、そしてマニホルド506のチャネル506aに通して出すためのものである。
【0211】
創傷処置材料「W」がアプリケータ500から分配されると、創傷処置材料「W」は、第一の腸セクション「T1」に沈着する。好ましくは、創傷処置材料「W」は、第一の腸セクション「T1」および/または第二の腸セクション「T2」の全周にわたって沈着する。特定の実施形態において、創傷処置材料は、マニホルド506から外向きに分配される。他の実施形態において、創傷処置材料は、チャネル506aの位置に依存して、マニホルド506から遠位方向および/または近位方向に分配される。
【0212】
創傷処置材料を、第一の腸セクション「T1」および/または第二の腸セクション「T2」に分配した後に、アンビル部材1026および管状本体部分1022は、さらに接近させられて、第一の腸セクション「T1」および第二の腸セクション「T2」を接近させ、互いに接触させる。このマニホルドは、凹部1020bを収容する。回転可能な把持部材1018が、再度使用されて、アンビル部材1026および管状本体部分1022を接近させる。第一の腸セクション「T1」が第二の腸部分「T2」と接触すると、創傷処置材料が、これらのセクションの間に挟まれる。
【0213】
次いで、外科手術用ステープル止め装置1000は、ハンドル部材1012を操作することによって発射され得、これによって、第一の腸セクション「T1」を第二の腸セクション「T2」にステープル止めする。外科手術用ステープル止め装置1000の発射の際に、これらのステープルは、ステープルプッシャ部材(図示せず)によって本体部分1020の遠位端1022から排出され、そして第一の腸セクション「T1」および第二の腸セクション「T2」を通して駆動される。さらに、ステープルポケット1024の半径方向内側に配置された環状ナイフが、ステープルポケット1024の半径方向内向きの腸組織を切断し、これによって、この吻合が完了する。他の実施形態において、創傷処置材料は、接近および/またはステープルの発射の後に、分配される。
【0214】
代替の方法に置いて、外科的吻合手順は、ステープルなしで達成され得ることが企図される。従って、創傷処置材料を、第一の腸セクション「T1」および/または第二の腸セクション「T2」に分配した後に、アンビル部材1026は、第一の腸セクション「T1」が第二の腸セクション「T2」に接触するまで、本体部分1020の遠位端1022のほうへと接近させられ、これによって、創傷処置材料をこれらのセクションの間に搾る。使用される特定の創傷処置材料(例えば、接着剤)に依存して、アンビル部材1026は、創傷処置材料が硬化して第一の腸セクション「T1」と第二の腸セクション「T2」とを互いに接着させ始めるために充分な時間にわたって、本体部分1020の遠位端1022に接近して維持される。創傷処置材料(例えば、接着剤)の選択は、アンビル部材1026を本体部分1020の遠位端1022に接近させて維持すために必要とされる時間を決定する。
【0215】
上記のことから、本開示の構造体は、吻合を強化し、そして出血、漏出および狭窄の発生を減少させるように機能することが、理解される。本開示の構造体はまた、他の多数の用途において利用され得、そして腸または気管支の吻合のみに限定されないこともまた、理解される。
【0216】
さらなる実施形態において、上に開示された構造体は、ステープルを使用せずに、腸セクションを互いに接着するために利用される。この構造体の本体部分によって運ばれるかまたはこの本体部分に組み込まれる接着材料は、腸セクションを接合し、そしてまた、漏出に対するシールを提供し得る。デバイス10は、腸セクションを接近させ、そして腸セクションの間に構造体を配置するために、利用される。ただし、デバイス1000は、ステープルを内部に収容する必要がない。
【0217】
上に記載された各構造体は、所定の量の創傷処置材料を標的手術部位に送達するように構成される。送達されるべき材料の量は、部位に特異的である。従って、異なる大きさ(例えば、異なる厚さまたは異なる厚さ)の構造体が、異なる体積または量の接着剤を内部に保持するために企図される。この様式で、特定の必要性および特定の外科手順に依存して、外科医は、必要とされそして/または所望される体積または量の接着剤を内部に収容する構造体を選択し得る。
【0218】
数種の特定の形態の構造体が図示および記載されたが、種々の改変が、本開示の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、明らかである。例えば、エネルギーにより活性化される創傷処置材料(例えば、紫外線活性化接着剤)が、上に記載される構造体のいずれかと組み合わせて使用されることは、企図され、そして本開示の範囲内である。使用において、外科手術用ステープル止めデバイス10の発射の前後のいずれかに、エネルギーが、この構造体に付与される。例えば、UV光硬化性の接着剤を含有する構造体が、UV光で照射され、これによって、接着剤を活性化する。
【0219】
本開示の1つの局面によれば、腸セクションの間に支持構造体を配置するためのアセンブリが提供される。このアセンブリは、アンビルアセンブリおよび管状本体部分を有する、環状外科手術用ステープル止めデバイスを備える。このアンビルアセンブリは、アンビル部材および第一のシャフトを有する。この管状本体部分は、複数の外科手術用ステープルを、環状の配置で保有する。この管状本体部分は、外科手術用ステープルの半径方向内側に配置された、第二のシャフトを有する。アンビル部材の第一のシャフトは、管状本体の第二のシャフトに取り付け可能である。このアセンブリは、ほぼ中心に位置する開口部分を有する支持構造体をさらに備え、この構造体は、第一のシャフトと第二のシャフトとのうちの一方に配置される。この支持構造体は、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つからなる群より選択される、材料を含有する。
【0220】
この支持構造体は、材料を含浸される。この支持構造体は、膨張可能な環状構造体を備え、そして第一のつぶれた位置から第二の拡張した位置へと展開可能である。ここで、拡張した位置において、この支持構造体は、材料を受容するための内側空間を規定する円環状形状を有する。この環状構造体は、円形管、およびこの円形管から半径方向内向きに延びる複数のスポークを備え得る。この支持構造体の内部空間は、材料を収容する。
【0221】
この材料は、2成分接着剤の第一の部分を含有し得、そして支持構造体の内部空間の第一のチャンバ内に配置される。この2成分接着剤の第二の部分は、支持構造体の内部空間の第二のチャンバ内に配置される。この材料の第一の部分および第二の部分は、ステープルの展開の際に、支持構造体から放出される。これらのステープルは、この2成分接着剤の第二の成分を有し得る。
【0222】
この支持構造体は、形状記憶材料を含有し、そして第一のつぶれた状態から第二の拡張した状態へと展開可能である。この支持構造体は、形状記憶合金を含有する。
【0223】
この支持構造体は、第一の層および第二の層を備え得る。この第一の層は、2成分接着剤の第一の成分を含有し、そしてこの第二の層は、この2成分接着剤の第二の成分を含有する。
【0224】
この支持構造体は、2成分接着剤の第一の部分を含有し得、そしてこの2成分接着剤の第二の成分は、この支持構造体に塗布されるべき液体を含有し得る。
【0225】
本開示の別の局面によれば、組織セクションの間に構造体を配置する方法が提供される。この方法は、アンビルアセンブリおよび本体部分を有する外科手術楊ステープル止めデバイスを提供する工程を包含する。このアンビルアセンブリは、アンビル部材を有し、そしてこの本体部分は、複数の外科手術用ステープルおよび1つのナイフを保有する。この方法は、このアンビルアセンブリを第一の組織セクションに挿入する工程;この本体部分を第二の組織セクションに挿入する工程;およびこの第一の組織セクションと第二の組織セクションとの間に支持構造体を配置する工程であって、この環状構造体は、創傷処置材料を含有する、工程を、さらに包含する。この方法は、アンビルアセンブリと本体部分とを互いに接近させる工程であって、その結果、第一の組織セクションの端部分、第二の組織セクションの端部分、および支持構造体が、アンビル部材と本体部分との間に配置され、支持構造体が、第一の組織セクションと第二の組織セクションとの間に配置される、工程;ステープルを、本体部分から展開する工程;ならびに第一の組織セクションと第二の組織セクションとをナイフで切断する工程を、さらに包含する。
【0226】
このアンビルアセンブリは、第一のシャフトを有し得、そしてこの本体部分は、第二のシャフトを有し得、この第一のシャフトは、この第二のシャフトに取り付け可能である。上記方法は、接近させる工程の前に、この第一のシャフトをこの第二のシャフトに取り付ける工程を、さらに包含する。
【0227】
上記支持構造体は、環状の形状を有し得、そしてほぼ中心に位置する開口部分を備える。上記方法は、第一のシャフトを第二のシャフトに取り付ける工程の前に、第一のシャフトおよび第二のシャフトのうちの一方を、この開口部分に挿入する工程を、さらに包含する。この支持構造体は、接近させる工程の前に、第一のシャフトおよび第二のシャフトのうちの一方に配置され得る。
【0228】
上記支持構造体は、形状記憶材料を含有し、そして第一のつぶれた状態から第二の拡張した状態へと、展開可能である。この支持構造体は、接近させる工程の前に、第一の位置から第二の位置へと展開される。
【0229】
上記支持構造体は、創傷処置材料を収容する内部空間を備える。この創傷処置材料は、ステープルの展開の際に、この内部空間から展開される。
【0230】
この創傷処置材料は、接着剤、封止剤、および医薬からなる群より選択される。
【0231】
上記方法は、接着材料を展開する工程をさらに包含する。上記支持構造体は、第一の層および第二の層を備え得る。接着材料を展開する工程は、第一の層と第二の層とを接触させる工程を包含し得る。この支持構造体は、2成分接着剤の第一の成分を含有し得る。従って、接着材料を展開する工程は、接近させる工程の前に、2成分接着剤の第二の成分を展開する工程を包含し得る。接着材料を展開する工程は、支持構造体を穿孔する工程を包含し、この支持構造体は、接着剤を収容する内部空間を有する。
【0232】
本開示のさらなる局面によれば、組織を接合させるためのアセンブリが提供される。このアセンブリは、シャフトに沿って互いに関して隣接する、アンビルおよび本体部分であって、互いに対して接近させられるように配置されている、アンビルおよび本体部分;ならびに弾性材料を含有する支持構造体を備える。
【0233】
この支持構造体は、メッシュ様材料を含有し得、そして上記弾性材料は、この支持構造体のメッシュに織り込まれている。この支持構造体は、第一の層および第二の層を備える。この弾性材料は、第一の層と第二の層との間に配置され得る。
【0234】
上記支持構造体の第一の層は、2成分創傷処置材料の第一の成分を含有し、そしてこの支持構造体の第二の層は、この2成分創傷処置材料の第二の成分を含有する。
【0235】
上記支持構造体は、2成分創傷処置材料の第一の成分を含有し、そしてこの2成分創傷処置材料の第二の成分は、この支持構造体に塗布されるべき液体を含有し得る。
【0236】
本開示の1つの局面によれば、組織を接合させるためのアセンブリが提供される。このアセンブリは、シャフトに沿って互いに対して隣接しているアンビルおよび本体部分であって、互いに対して接近させられるように配置されている、アンビルおよび本体部分;ならびにこのシャフト上の支持構造体であって、内部に創傷処置材料を収容するための空洞を規定している、支持構造体を備える。この支持構造体は、生体吸収性であり得る。
【0237】
この本体部分は、複数の外科手術用ステープルを、円形の配置で保有し得る。これらの外科手術用ステープルは、アンビルに押し付けられるように展開可能である。このアセンブリは、これらのステープルの半径方向内側に配置された、環状ナイフをさらに備える。
【0238】
上記支持構造体は、膨張可能な円形管を備える。この支持構造体は、第一のつぶれた状態から第二の拡張した状態へと展開可能である。このシャフトは、上記空洞と連絡している、創傷処置材料を送達するための少なくとも1つのポートを備える。この創傷処置材料は、第一のつぶれた状態から第二の拡張した状態へとこの支持構造体を拡張させる。円形管の内部空間は、2成分創傷処置材料の第一の成分を受容するための、第一のチャンバを規定する。この円形管の内部空間は、この2成分創傷処置材料の第二の成分を受容するための、第二のチャンバを規定する。
【0239】
複数の外科手術用ステープルが、この2成分創傷処置材料の第二の部分を有し得る。
【0240】
吻合を実施する際に環状ステープル止め装置と共に使用するための支持構造体が、提供される。この支持構造体は、ディスク形状の本体部分であって、上表面、下表面、外側境界縁部、および内側境界縁部を有し、この内側境界縁部は、内部に開口部分を規定しており、この本体部分は、この開口部分を通る中心軸を規定している、本体部分;ならびにこの本体部分の外側境界縁部から半径方向外向きに延びる、第一の膜および第二の膜を備える。
【0241】
この本体部分の内側境界縁部は、この支持構造体がステープル止め装置のアンビルアセンブリのシャフト上に位置決めされる場合に、このステープル止め装置のステープルカートリッジアセンブリの内部円周縁部の半径方向内向きに延びる。この本体部分の開口部分は、アンビルアセンブリのシャフトを受容するための寸法にされる。
【0242】
第一の膜および第二の膜の各々は、ポリマーフィルムから作製される。望ましくは、第一の膜および第二の膜の各々は、ポリエチレンから作製される。
【0243】
上記支持構造体は、未展開状態(この状態において、第一の膜および第二の膜は、本体部分のほうへと巻かれている)および展開状態(この状態において、第一の膜は、本体部分から実質的に遠位の方向に延び、そして第二の膜は、この本体部分から実質的に近位の方向に延びている)を有し得る。
【0244】
上記支持構造体は、この支持構造体が未展開状態にある場合に第一の膜および第二の膜の各々に巻き込まれている、開き綱をさらに備える。各開き綱は、支持構造体が未展開状態にある場合に巻き込まれた膜から延びる、自由端を備える。したがって、開き綱を引くことにより、第一の膜および第二の膜のそれぞれの巻きが解かれる。第一の膜および第二の膜の各々は、巻きを解かれると、約2.0cm広がる。
【0245】
各膜は、第一の内側層および第二の外側層を備える。各膜の第二の外側層は、第一の内側層より大きい速度で膨潤する。
【0246】
上記支持構造体は、未展開状態(この状態において、第一の膜および第二の膜は、本体部分から実質的に半径方向外向きに延びる)、ならびに展開状態(この状態において、第一の膜は、本体部分から実質的に遠位の方向に広がり、そして第二の膜は、この本体部分から実質的に近位の方向に広がる)を有し得る。従って、支持構造体が未展開状態にある場合、第一の膜および第二の膜の、第二の外側層は、互いに対して隣接している。
【0247】
第一の膜および第二の膜の第二の外側層は、ヒドロゲルから作製される。第一の膜および第二の膜の各々の第一の内側層は、実質的に非吸収性の材料から構成される。第一の膜および第二の膜の各々の第一の内側層は、生体吸収製のメッシュ布から製造される。従って、支持構造体がアンビルアセンブリのシャフト上で位置決めされ、そしてこのアンビルアセンブリがステープルカートリッジアセンブリに接近する場合、この支持構造体は、吻合されるべき隣接する組織セクションの間に配置される。さらに、この支持構造体が、隣接する組織セクションの間に配置される場合、第一の膜および第二の膜の第二の内側層は水分を吸収するので、第一の膜および第二の膜は、それぞれ第一の膜および第二の膜の第一の内側層の方向にカールし、その結果、第一の外側層が、それぞれの組織セクションに接触する。
【0248】
本発明のなお別の局面によれば、隣接する腸セクションの間に支持構造体を配置する方法が提供される。この方法は、環状の外科手術用吻合デバイスを提供する工程を包含する。この環状の外科手術用吻合デバイスは、アンビル部材および第一のシャフトを有するアンビルアセンブリ;ならびに内部に作動的に配置された環状ナイフおよびこの環状ナイフの半径方向内側に配置された第二のシャフトを有する管状本体部分を備える。このアンビルアセンブリの第一のシャフトは、この管状本体の第二のシャフトに選択的に取り付け可能である。
【0249】
上記方法は、アンビルアセンブリを第一の腸セクションに挿入する工程;管状本体部分を第二の腸セクションに挿入する工程;第一の腸セクションと第二の腸セクションとの間に支持構造体を配置する工程;アンビルアセンブリと管状本体部分とを互いに接近させる工程であって、これによって、第一の腸セクションの端部分と、支持構造体と、第二の腸セクションの端部分とが、アンビル部材と管状部分との間に配置され、支持構造体が、第一の腸セクションと第二の腸セクションとの間に配置される、工程;ならびに外科手術用吻合デバイスを発射して、環状ナイフの半径方向内側に位置する第一の腸セクションおよび第二の腸セクションの部分を切断し、そして環状ナイフの半径方向外側の、第一の腸セクションおよび第二の腸セクションの部分を、支持構造体に押し付けて接触させる工程を、さらに包含する。
【0250】
アンビルアセンブリは、第一のシャフトを備え得、そして管状本体部分は、環状ナイフの半径方向内側に配置された第二のシャフトを備え得る。アンビル部材の第一のシャフトは、管状本体部分の第二のシャフト部分に取り付け可能であり得る。上記方法は、アンビルアセンブリを管状本体部分に接近させる工程の前に、アンビルアセンブリの第一のシャフトを管状本体部分の第二のシャフトに取り付ける工程をさらに包含し得る。
【0251】
支持構造体は、内部に形成された開口部分を備え得る。従って、上記方法は、アンビルアセンブリの第一のシャフトを管状本体部分の第二のシャフトに取り付ける工程の前に、アンビルアセンブリの第一のシャフトおよび管状本体部分の第二のシャフトのうちの一方を、支持構造体の開口部分に挿入する工程をさらに包含し得る。
【0252】
管状本体部分は、複数の外科手術用ステープルを、円形の配置で保有し得る。これらの外科手術用ステープルは、環状ナイフの半径方向外側に配置される。従って、吻合デバイスの発射の際に、複数のステープルは、第一の腸セクションに貫入し、支持構造体に貫入し、次いで、第二の腸セクションに貫入する。
【0253】
望ましくは、外科手術用吻合デバイスを発射させる工程は、複数のステープルを、管状本体部分から、第二の腸セクションに通し、支持構造体に通し、第一の腸セクションに通し、そしてアンビル部材に押し付けて駆動する工程を包含する。
【0254】
支持構造体は、ディスク形状の本体部分であって、この本体部分は、上表面、下表面、外側境界縁部、および内部に開口部分を規定する内側境界縁部を備え、この本体部分は、この開口部分を通る中心軸を規定する、本体部分;ならびにこの本体部分の外側境界縁部から半径方向外向きに延びる第一の膜および第二の膜を備える。この支持構造体の本体部分の内側境界縁部は、この支持構造体が外科手術用吻合デバイスのアンビルアセンブリの第一のシャフト上に位置決めされる場合に、ステープル止め装置のステープルカートリッジアセンブリの内側の円形縁部の半径方向内側に延びる。この支持構造体の本体部分の開口部分は、アンビルアセンブリの第一のシャフトを受容するような寸法にされる。
【0255】
支持構造体の、第一の膜および第二の膜の各々は、ポリマーフィルム(好ましくは、ポリエチレン)から作製され得る。
【0256】
支持構造体は、未展開状態(この状態において、この支持構造体の第一の膜および第二の膜は、本体部分のほうに巻かれている)、ならびに展開状態(この状態において、第一の膜は、支持構造体の本体部分から実質的に遠位方向に広がり、そして第二の膜は、支持構造体の本体部分から実質的に近位の方向に広がっている)を有し得る。
【0257】
望ましくは、支持構造体が未展開状態にある場合に、開き綱が、この支持構造体の第一の膜および第二の膜の各々に巻き込まれ得る。各開き綱は、支持構造体が未展開状態にある場合に、巻き込まれた膜から延びる自由端を備え得る。
【0258】
上記方法は、各開き綱を引いて、第一の膜および第二の膜を、第一の腸セクションおよび第二の腸セクションを覆うように巻きを解く工程をさらに包含し得る。支持構造体の第一の膜および第二の膜の各々は、巻きを解かれると、約2.0cm広がる。支持構造体の各膜は、第一の内側層および第二の外側層を備える。支持構造体の各膜の第二の外側層は、第一の内側層より大きい速度で膨潤する。
【0259】
支持構造体は、未展開状態(この状態において、第一の膜および第二の膜が、その本体部分から実質的に半径方向外側に広がっている)、ならびに展開状態(この状態において、第一の膜は、その本体部分から実質的に遠位方向に広がり、そして第二の膜は、その本体部分の実質的に近位方向に広がっている)を有する。従って、支持構造体が未展開状態にある場合に、第一の膜および第二の膜の外側層は、互いに隣接した関係にある。
【0260】
第一の膜および第二の膜の、第二の外側層は、ヒドロゲルから作製される。支持構造体の第一の膜および第二の膜の各々の、第一の内側層は、実質的に非吸収性の材料から構成される。第一の膜および第二の膜の各々の第一の内側層は、生体吸収性のメッシュ布から製造される。
【0261】
支持構造体は、アンビルアセンブリの第一のシャフト上に位置決めされ、そしてこのアンビルアセンブリは、ステープルカートリッジアセンブリの方に接近させられ、この支持構造体は、吻合されるべき隣接する組織セクションの間に配置される。
【0262】
望ましくは、支持構造体が、隣接する組織セクションの間に配置される場合、第一の膜および第二の膜の、第二の内側層が、水分を吸収すると、これらの第一の膜および第二の膜は、これらの第一の膜および第二の膜の第一の内側層の方向にカールし、その結果、第一の外側層は、それぞれの腸セクションに接触する。
【0263】
支持構造体の第一の膜および第二の膜は、望ましくは、この支持構造体の本体部分の外側境界縁部から、約2.0cm広がる。
【0264】
本開示のなお別の局面によれば、環状外科手術用ステープル止めデバイスと共に使用されるための、このデバイスに作動的に接続可能なアンビルアセンブリが、提供される。このアンビルアセンブリは、アンビル部材;このアンビル部材から延びるシャフト;およびこのシャフトに作動的に支持される支持構造体アセンブリを備える。この支持構造体アセンブリは、内部にチャンバを規定するスリーブおよび支持構造体を備え、このスリーブは、このシャフトの長さに沿って可動である。この支持構造体は、このシャフトに作動的に支持されるハブ;このハブから延びる複数のスポーク;これらのスポーク上に支持されるディスク;およびこのディスクに付随する創傷処置材料を備える。
【0265】
上記スリーブは、シャフトの長さに沿って、第一の位置から第二の位置へと軸方向に可動である。この第一の位置において、支持構造体は、つぶれた状態であり、そしてスリーブのチャンバ内に収容されている。この第二の位置において、支持構造体は、拡張した状態にあり、そしてこのスリーブに束縛されていない。
【0266】
上記スポークは、形状記憶材料から製造される。上記ディスクは、メッシュから製造される、このディスクは、生体吸収性である。補強部材は、スポークに接続されたリングをさらに備え得る。このリングは、形状記憶材料から製造される。
【0267】
創傷処置材料は、接着剤、封止剤、止血剤、および医薬のうちの少なくとも1つである。この接着剤は、タンパク質由来の材料、アルデヒドベースの接着材料、およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つである。この封止剤は、フィブリン封止剤、コラーゲンベースの組織封止剤および合成ポリマーベースの組織封止剤、合成ポリエチレングリコールベースの封止剤、ならびにヒドロゲル材料のうちの少なくとも1つである。この止血材料は、フィブリンベースの局所止血剤、コラーゲンベースの局所止血剤、酸化された再生セルロースベースの局所止血剤、およびゼラチンベースの局所止血剤、ならびにフィブリノーゲンベースの局所止血剤のうちの少なくとも1つである。この医薬は、薬物、酵素、増殖因子、ペプチド、タンパク質、色素、診断剤、および止血剤のうちの少なくとも1つである。
【0268】
上記スリーブは、内部に形成されたカム表面を備え得、そして上記シャフトは、表面に提供されたカム従動節を備える。このカム従動節は、このカム表面に載るように構成される。
【0269】
本明細書中に記載された構造体の各々は、組織を一緒に固定するためのステープルをまったく備えず、組織を接近させ得、接着させ得、そして切断し得る、環状外科手術用吻合デバイスと共に使用され得ることが、さらに企図される。
【0270】
従って、本開示の構造体の形態、細部および用途の種々の変更が、本開示の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2012−183321(P2012−183321A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101059(P2012−101059)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2007−73562(P2007−73562)の分割
【原出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】