説明

環状IDマーク生成装置,環状IDマーク生成方法及びその方法を実装したプログラム

【課題】位置を示すIDを表記したマークであって、ユーザの位置および視線方向の検出に活用でき、かつ、ユーザに方向を指示する際に役立つようデザインされた環状IDマークを自動的に生成する環状IDマーク生成装置,環状IDマーク生成方法を提供する。
【解決手段】ID,環状IDマークを設置する位置情報などを含む位置方向ID情報を管理する管理手段1dで情報を管理する。前記環状IDマークの位置情報を指定する。次に、前記指定された位置に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定し、前記管理手段1dに既に格納されてる位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する。そして、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システムにおいて、方向を指示するマークを生成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末に搭載されたGPS(Global Position(Positioning) System)を用いて、携帯端末の位置を取得し、周辺情報の提供や目的地までの経路指示などの案内サービスを行うシステムが実用化されている。
【0003】
一方、GPSが利用できない屋内で、同様のサービスを実現するためには、携帯端末の位置を取得するための別の仕組みを必要とする。このような仕組みを有するシステムは、携帯端末が主体的に位置を検出するシステムと、ネットワークシステム側で端末位置を検出するシステムに分類できる。
【0004】
前者のシステムは、屋内各所にID(Identifier;識別子)を付与し、携帯端末側に搭載したIDリーダによって、携帯端末周囲のIDを検出して位置を特定する。
【0005】
後者のシステムは、携帯端末に周囲から読み取り可能なIDを付与し、屋内各所に配置したIDリーダによって、ネットワークシステムが該携帯端末位置を認識する。
【0006】
後者のシステムの実現には、屋内各所にIDリーダを配置し、それらを接続するネットワークを構築する必要がある。後者のシステムは一般に構築コストが高いため、前者のシステムの方が実現性に優れている。
【0007】
前者のシステムでは、携帯端末がIDリーダを有する必要がある。利用されるIDとしては、RFID(Radio Frequency Identification)、無線LAN(Local Area Network)基地局ID,カメラ画像を画像処理することによって取得可能な画像ID(ビジュアルタグ,電子透かしID,文字列認識により得られる文字列など)が挙げられる。
【0008】
しかし、既存の携帯電話は、RFIDや無線LAN基地局IDを取得するためのリーダ装置を有していない。携帯電話に内蔵されたカメラを利用して周囲に掲示された画像IDを認識することは可能である。しかし、利用者が逐次カメラを起動して認識処理を実行する必要があり利用操作が煩雑となる。また、より低コストになる方法(例えば、特許文献1参照)では、汎用性を有し、低コストに導入できるシステムとして、IDリーダを用いずにユーザが手入力したキーを用いて場所を特定するシステムも提案されている。
【特許文献1】特開2003−140585号公報(段落[0018]〜[0026]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、位置を特定するために、各場所に位置を示すIDを文字列として表記しておき、ユーザに入力させる仕組み(例えば、特許文献1)は、ユーザの視線方向が検出できないため、視線方向へ配慮してコンテンツを構成し提示することができない。また、前記仕組みは、ユーザに対する目的地の方向指示を効率的に行えない。
【0010】
この問題を解決するために、位置を示すIDを単に文字列として表記するのではなく、視線方向の検出や、方向指示に都合がよい構成で表記したマークを生成し用いることが考えられる。
【0011】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであって、位置を示すIDを表記したマークであって、ユーザの位置および視線方向の検出に活用でき、かつ、ユーザに方向を指示する際に役立つようデザインされた環状IDマークを自動的に生成する環状IDマーク生成装置,環状IDマーク生成方法及びその方法を実装したプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成する環状IDマーク生成装置であって、前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段と、前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定手段と、前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定手段と、前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定手段と、前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納手段と、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記文字列決定手段が、前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成する手段、を備え、前記位置方向ID格納手段が、前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納する手段、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、地図情報における経路情報を含む地図経路情報を管理する地図経路情報管理手段と、前記文字数決定手段が、前記地図経路情報管理手段を使って、前記指定された位置情報を起点として移動できる経路の数を特定し、特定できた経路の数を、位置方向IDを構成する文字数と見做して決定する手段、を備える、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記環状IDマーク生成手段が、前記地図経路情報管理手段を用いて、前記指定された位置情報と、該位置情報を起点に移動できる経路方向を前記指示方向と見做し、該指示方向に基づいて、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報を出力する手段、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成し、前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段を備える装置、に使用される環状IDマーク生成方法であって、前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定ステップと、前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定ステップと、前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定ステップと、前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納ステップと、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成ステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記文字列決定ステップが、前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成するステップ、を有し、前記位置方向ID格納ステップが、前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納するステップ、を有する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成し、前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段と、地図情報における経路情報を含む地図経路情報を管理する地図経路情報管理手段と、を備える装置、に使用される環状IDマーク生成方法であって、前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定ステップと、前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定ステップと、前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定ステップと、前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納ステップと、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成ステップと、を有し、前記文字数決定ステップが、前記地図経路情報管理手段を使って、前記指定された位置情報を起点として移動できる経路の数を特定し、特定できた経路の数を、位置方向IDを構成する文字数と見做して決定するステップ、を有する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記文字列決定ステップが、前記位置方向ID管理手段に既に格納されてる位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成するステップ、を有し、前記位置方向ID格納ステップが、前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納するステップ、を有する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記環状IDマーク生成ステップが、前記地図経路情報管理手段を用いて、前記指定された位置情報と、該位置情報を起点に移動できる経路方向を前記指示方向と見做し、該指示方向に基づいて、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報を出力するステップ、を有することを特徴とする。
【0021】
請求項10記載の発明は、環状IDマーク生成プログラムであって、請求項5乃至9の何れかに記載の環状IDマーク生成方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする。
【0022】
前記請求項1,5記載の発明は、環状IDマークを構成する文字数及び文字を決定できる。
【0023】
前記請求項2,6記載の発明は、1つ以上の位置方向IDを生成できる。
【0024】
前記請求項3,7,8記載の発明は、前記指定した位置を起点とする経路の数を特定できる。
【0025】
前記請求項4,9記載の発明は、前記指定した位置を起点とする経路方向を指示方向と見做すことができる。
【0026】
前記請求項10記載の発明は、請求項5乃至9の何れかに記載の環状IDマーク生成方法をコンピュータプログラムとして記載できる。
【発明の効果】
【0027】
以上示したように請求項1,5の発明によれば、環状IDマークを設置する位置を指定し、ユーザの視線方向を検出するための適切な環状IDマークを自動的に生成できる。
【0028】
請求項2,6の発明によれば、1つ以上の位置方向IDを管理できる。
【0029】
請求項3,4,7,8,9の発明によれば、前記指定した位置を起点とする経路に適した構造の環状IDマークを自動的に生成できる。
【0030】
請求項10の発明によれば、請求項5乃至9の何れかに記載の環状IDマーク生成方法を実装したコンピュータプログラムを提供できる。
【0031】
これらを以って情報サービス分野に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本実施形態における環状IDマーク生成装置の構成を図1に基づいて説明する。図1の環状IDマーク生成装置1は、後述する環状IDマークを設置する位置を指定する位置指定手段1a,環状IDマークを構成する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定手段1b,前記位置方向IDの文字列を決定する文字列決定手段1c,決定された文字列に基づいて環状IDマークのデザイン情報を生成する環状IDマーク生成手段1eの各手段と、位置方向ID管理テーブル1d,地図経路情報データベース1fを具備する。
【0033】
なお、図示省略されているが、環状IDマーク生成装置1は、位置方向IDに関する情報(位置方向ID情報という)から構成された位置方向ID管理テーブル1dを管理する(例えば、位置方向ID情報を読み込む、または、書き出す)位置方向ID管理手段と、地図情報における経路情報(地図経路情報という)から構成された地図経路情報データベース1fを管理する地図経路情報管理手段と、を有する。図示省略されているが、位置方向IDと方向情報を組み合わせて位置方向ID管理テーブル1dに格納する位置方向ID格納手段も有する。なお、前記位置方向ID格納手段は、必然的に、位置方向ID管理手段を使うことになる。
【0034】
また、本実施形態における環状IDマーク生成装置に関するデータ(もしくは情報)やプログラムは、該環状IDマーク生成装置に予め備えられた汎用的な記憶部(例えば、メモリやハードディスク)に記憶され管理される。例えば、位置方向ID管理テーブル1d及び地図経路情報データベース1fは、前記汎用的な記憶部に記憶され、管理されて良い。
【0035】
まず、本実施形態における環状IDマーク生成装置が扱う位置方向IDと、環状IDマークについて説明する。
【0036】
位置方向IDは、異なる複数の文字を特定の順序で並べた文字列IDである。環状IDマークは、位置方向IDを時計回りに環状に並べたものである。
【0037】
図2中の符号2A,図3中の符号2B,図4中の符号2Cで示すものが環状IDマークの例である。これらの例は、携帯電話での利用を前提にしたものであり、携帯電話のテンキー(例えば、ダイアルキー)で入力可能な“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”(アスタリスク),“#”(シャープ)の文字を使って位置方向IDを構成する。
【0038】
位置方向IDを構成する文字数は、環状IDマークごとによって異なっても良い。環状IDマークは、IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するように(例えば、環の中心から文字への方向が、指示方向と同一になるように)デザインされる。各文字は、特定の方向に向くよう(例えば、文字が環の中心から外側方向に沿って上に向くよう)に配置される。すなわち、環状IDマークは、特定の向きから見ることを前提したものでなく、環状IDマーク周囲のどの向きから見ても良い構成とする。なお、指示すべき方向(指示方向)とユーザの視線方向は、観点が異なるだけで、同じ方向を指すことになる。
【0039】
図2では、3つの文字で位置方向IDを構成する環状IDマークの例として、環状IDマーク2Aを示している。図3では、4つの文字で位置方向IDを構成する環状IDマークの例として、環状IDマーク2Bを示している。図4では、8個の文字で位置方向IDを構成する例として、環状IDマーク2Cを示している。いずれの場合も、一つの位置方向IDに同じ文字が含まれないように構成する。これにより、該環状IDマーク上において一つの文字が一つの方向を明示するようにしている。例えば、環状IDマーク2Aにおける符号2Aa,2Ab,2Acで示される文字のように構成する。
【0040】
上述したように、環状IDマークに提示される位置方向IDを構成する文字数は、1文字以上であれば、何文字であってもよい。例えば、“123#”という4文字の位置方向IDや、“12”という2文字の位置方向IDや、“12345678”という8文字の位置方向IDを利用することも可能である。環状IDマークが指示するべき方向が、高々2つである場合には、2文字でIDを含む環状IDマークを用いることができる。一方、8つ方向へ分岐する地点などでは、環状IDマークを指示すべき方向が8つある。この場合、2文字のIDを含む環状IDマークを用いることができる。
【0041】
即ち、文字数は位置方向IDを固有化する特徴である。文字数、文字を並べる順序、含まれる文字の3つの要素を一意に定めることで一つ位置と方向を特定するための位置方向IDが決定される。
【0042】
環状IDマークの利用に際して、ユーザは、環状IDマークが配置されている各ポイントで、環状IDマーク上の文字を、ユーザの視点に基づいた所定の順序で携帯電話のテンキーを用いて入力する。例えば、ユーザは、環状IDマーク上の複数の文字を、利用者から見て環状IDマークの上部に位置する文字から時計周りの順に入力する。
【0043】
この場合、例えば、図3に示す4つの文字を含む環状IDマークについては、図5に示すように、利用者の視線方向に応じて、“123#”、“23#1”、“3#12”、“#123”のIDが入力される。これらの位置方向IDは、全て同じ位置を示す。さらに具体的には、図5に示す4つの文字を含む環状IDマーク2Aについては、利用者の視線方向に応じて、視線方向Aでは“123#”id1、視線方向Bでは“23#1”id2、視線方向Cでは“3#12”id3、視線方向Dでは“#123”id4のIDが入力される。なお、逆に反時計周りの順に入力するものとしても良い。
【0044】
また、“123#”id1は、図5中の環状IDマーク上において文字“1”が示す方向A(が視線方向であること)を特定する。同様に、“23#1”id2は、図5中の環状IDマーク上において文字“2”が示す方向Bを、“3#12”id3は文字“3”が示す方向Cを、“#123”id4は文字“#”が示す方向Dを特定する位置方向IDとなる。
【0045】
なお、“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”(アスタリスク),“#”(シャープ)の12文字を用いる場合、N文字のIDで識別可能な地点の数は、(12!/(12−N)!)/Nで与えられる。即ち、12文字から異なるN文字を取りだして構成される順列の種類が12!/(12−N)!となる。さらに、円周状に配置するため、N文字の順列の各文字を巡回シフトして得られるN種類の順列は同一の地点を示す。結果として、(12!/(12−N)!)/N個の異なる地点を識別するためのIDが既定できる。
【0046】
例えば、1文字のIDでは12地点、2文字では66地点、3文字では440地点、4文字では2970地点、5文字では19008地点、6文字では110880地点、7文字では570240地点、8文字では2494800地点を識別できる。
【0047】
展示ホール,博物館,美術館など各施設内に本実施形態における環状IDマーク生成装置が生成する環状IDマークのデザイン情報を応用した案内サーバ装置を設置し、案内サービスを実施する場合、施設の規模にも依存するが、設置される環状IDマークの数(すなわち、識別すべき地点数)は、多くても1000個程度であると予測される。したがって、4文字のIDでも十分に実用的である。また、3文字以下のIDを用いる場合でも、12+66+440=518地点にIDを付与でき、多くの施設をサポートできる。
【0048】
次に、位置方向ID管理テーブルを図6に基づいて説明する。上述したように、一つの位置方向IDは、一つの位置と方向を特定する。位置方向ID管理テーブルでは、位置方向ID毎に、対応する位置座標と、方向を管理している。
【0049】
例えば、図6中の位置方向ID管理テーブル1dは、連番フィールドF11、IDフィールドF12、位置情報フィールドF13、方向情報フィールドF14、経路終点位置情報フィールドF15を含む位置方向ID情報を有する。
【0050】
IDフィールドF12は、既に定義された全ての位置方向IDの値を保持する。
【0051】
位置情報フィールドF13は、各位置方向IDに対応する位置を示す情報を保持する。すなわち、該IDを有する環状IDマークの位置を保持する。位置情報は、(緯度,経度,高度)や(緯度,経度,フロア番号)を用いて表現してよい。また、特定のスペースで実施する場合、そのスペースの基準座標を原点とし、所定の距離(1m(メートル),10mなど)を単位として、(x座標,y座標,z座標)といった形で表現しても良い。なお、図6の例では、(x座標,y座標,フロア番号)で、位置情報を示している。
【0052】
方向情報フィールドF14は、視線方向を示すためのフィールドである。位置情報と同じ座標系において、対応する視線方向を示すベクトル情報を保持している。例として、図5には、4文字の位置方向IDを示す環状IDマークを用いて入力される4種類の位置方向IDと、それぞれの方向情報(図5中の符号v1〜v4で示す方向情報)の記述例を示す。なお、図5中の符号VSで示すものが方向情報に関する方向ベクトル座標系を表す。
【0053】
次に、地図経路情報データベース1fを説明する。地図経路情報データベース1fとは、GPSを用いたナヴィゲーションシステムやGIS(Geographical Information System)で広く利用されている道路などの経路グラフを含んだ地図データベースである。この地図データベースは、屋外の道路情報に限らず、建物内の経路情報を管理するものであってよい。建物内についても、GISで利用されるものと同じように経路情報を含んだ地図データベースを構成できる。このようなデータベースでは、道路上の任意位置を指定すれば、そこから分岐される経路がいくつあるかということや、経路の方向が特定できる。
【0054】
[実施例1]
以下に、本実施例1における環状IDマーク生成装置の動作を図7に基づいて具体的に説明する。なお、以下の説明で図1中の符号と同じものの説明は省略する。
【0055】
まず、位置指定手段1aは、ユーザに対して環状IDマークを配置する手段を提供する。具体的な位置指定のための手段は、環状IDマークの位置を指定できる手段であれば、どのようなものであっても良い。
【0056】
例えば、世界座標系の座標値を直接入力させる形式でも良い。あるいは、図7に示すように、画面上に地図経路情報画面100を表示し、ポインティングデバイス(例えば、マウス)による操作によって、環状IDマークを配置する位置を指定する形式でよい。
【0057】
より具体的には、図7に示すように、環状IDマークを示すアイコンIcnで、地図経路情報画面100の所望の位置Pに置く(例えば、ドラッグアンドドロップを行って置く)ことによって、環状IDマークを配置する位置を指定する。
【0058】
上述のようなユーザ操作によって、位置指定手段1aは、環状IDマークが新たに配置される位置の位置情報を取得し、文字数決定手段1bへ送信する。
【0059】
次に、文字数決定手段1bは、前記指定された位置に関する指示すべき方向の数(即ち、指示方向数;例えば、経路方向の数や広告などの掲示物がある方向、案内すべき方向)を特定するための位置方向IDの文字数を決定する。実施例1においては、文字数決定手段1bは、位置方向IDの文字数を、単に予め既定された文字数に設定する。
【0060】
なお、以下の説明では、既に位置方向IDは常に4文字で構成することが規定されているものとする。文字数決定手段1bは、前記規定に従って、新たに生成する位置方向IDの文字数を4文字とする。さらに、文字数と、前記位置情報を文字列決定手段1cに送信する。
【0061】
次に、文字列決定手段1cは、前述の位置方向ID管理テーブル(図6)を参照し、既に定義されている位置方向IDと重複しない新たな位置方向IDを生成する。例えば、以下のような手順で生成する。
(ステップ1)文字数決定手段1cにより決定された文字数が4であるので、4文字の異なる文字をランダムに選択して並べた文字列を生成する。
(ステップ2)前記位置方向ID管理テーブルを参照し、生成した文字列と同じ文字列(例えば、完全一致する文字列)が位置方向ID管理テーブル中の位置方向IDに在れば、ステップ1に戻る。無ければ、生成した文字列を新しい位置方向IDとして採用する。
【0062】
なお、他の位置方向ID生成手順は上述以外に、ランダムでなく、所定の規則に従って、文字列を生成し、重複がなければ採用するといった方法でもよい。
【0063】
また、テンキーで入力可能な文字“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”,“#”を用いた文字列を生成する際に、できるかぎりユーザが覚えやすい位置方向IDを生成するために、まず、“*”,“#”以外の文字を使った文字列を優先的に生成することもできる。
【0064】
そして、文字列決定手段1cは、上述の手順によって新たな位置方向IDを一つ決定すると、その新たな位置方向IDを巡回シフトして他の新たな位置方向IDを生成する。例えば、位置方向IDが“123#”、位置情報が(5,5,1)であった場合、“123#”と同じ位置(5,5,1)を示し、別の方向を指示する位置方向IDである“23#1”,“3#12”,“#123”を、前記“123#”を巡回シフトして生成し、それぞれに対応する方向情報(例えば、図5中の符号v2,v3,v4で示すような方向情報)を加えて、前記新たな位置方向IDと他の新たな位置方向IDを、位置方向ID格納手段を使って、位置方向ID管理テーブル1dへ格納する。その後、環状IDマーク生成手段1eへ、前記新たな位置方向IDを送信する。
【0065】
環状IDマーク生成手段1eは、受信された前記新たな位置方向IDを用いて、環状IDマークをデザインし、そのデザイン情報を出力する。例として、位置方向IDとして“123#”が受信された場合を考える。この場合、環状IDマーク生成手段は、図3に示すような位置方向IDを構成する各文字“1”,“2”,“3”,“#”が4方向に配置された環状IDマーク2Bのデザイン情報を生成する。
【0066】
実際には、例えば、そのデザイン情報に基づいた印刷物を作成し、その印刷物を位置情報と方向情報に従って、設置することになる。なお、デザイン情報の実体としては、Postscript(登録商標)データやCAD(Computer Aided Design)用データなどが考えられる。例えば、デザイン情報は、位置方向IDを含むPostscript(登録商標)データが考えられる。このデータ(あるいは、そのデータを含むファイル)をPostscript(登録商標)用プリンタで印刷すれば、所望の環状IDマークの実体が得られる。
【0067】
位置指定手段1aが図7に示すような地図経路情報画面100を有したGUI(Graphical User Interface)を有する場合、環状IDマーク生成手段1eは、位置方向ID,位置情報を位置方向ID管理テーブル1dから読み出し、前記生成された環状IDマークのデザイン情報に基づいた画像を地図経路情報画面100内の指定位置に提示する。
【0068】
[実施例2]
本実施例2における環状IDマーク生成装置は、さらに、地図経路情報を活用して、自動的に、生成する位置方向IDの文字数や、環状IDマーク上の文字配置を行う。この実施例2における環状IDマーク生成装置の動作を以下に説明する。
【0069】
まず、ユーザは、実施例1のように、位置指定手段1aを用いて新たに環状IDマークを配置する位置を指定する。
【0070】
次に、文字数決定手段1bは、地図経路情報データベース1fを参照し、前記指定された位置を起点として移動することができる経路の数を特定する。そして、検出された移動可能経路数を、位置方向IDを構成する文字数と見做して決定する。
【0071】
例えば、図8中の4方向(即ち、符号c11〜c14経路方向)に分岐する地点P1が環状IDマークの配置位置として指定された場合には、位置方向IDの文字数を4文字とする。また、図9中の3方向(即ち、符号c21〜c23経路方向)に分岐する地点P2が指定された場合には、位置方向IDの文字数を3文字とする。
【0072】
文字数決定手段1bは、上述のような手順で決定された位置方向IDの文字数と、前記位置情報を文字列決定手段1cに送信する。
【0073】
次に、文字列決定手段1cは、前述の位置方向ID管理テーブル1dを参照し、既に定義されている位置方向IDと重複しない新たな位置方向IDを生成する。この手順は、上述の実施例1と同様である。文字列決定手段1cは、新たな位置方向IDを一つ決定すると、環状IDマーク生成手段1eへ、該新たな位置方向IDと、前記位置情報を送信する。
【0074】
次に、環状IDマーク生成手段1eは、受信した前記新たな位置方向IDと、前記位置情報、さらに、地図経路情報データベース1fから得られる経路情報を用いて、環状IDマークをデザインする。この際、特に、環状IDマーク生成手段1eは、前記位置情報で示されたマーク配置位置と、そこから移動できる経路の存在方向を指示方向と見做し、該指示方向に基づいて、環状IDマーク上の各文字の配置位置を決める。
【0075】
例えば、図8に示すように、図中のマーク配置位置P1を基点として、上下左右に経路が存在に、各文字を上下左右に配置し、それぞれの経路方向c11〜c14を指示するようにする。また、図9に示すように、上方向一つ、下方向に二つとなる場合には、位置方向IDを構成する3文字を図9中に示すマークのように配置し、各文字がそれぞれの経路方向c21〜c23を指示するように構成する。
【0076】
そして、環状IDマーク生成手段1eは、上述のような方法で、マーク上の文字配置を行った後、各方向を指示する位置方向IDを生成し、それぞれに対応する方向情報を算出し、位置情報とともに位置方向ID管理テーブル1dへ登録する。
【0077】
[実施例3]
本実施例3における環状IDマーク生成装置は、機能的な図形と環状IDマークを組み合わせてデザイン情報を生成する。前記組み合せを図10〜図18に基づいて以下に説明する。
【0078】
本実施例3における環状IDマーク生成手段は、環状IDマークを利用するシステムのサービスサイトへユーザがアクセスしやすいように、所定のURLを埋め込んだ2次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)、例えば、図10中の2次元コードcd)を添付した環状IDマークのデザイン情報を生成する場合もある。
【0079】
また、位置情報IDを構成する文字を提示する部分以外のエリア(デザイン領域、例えば、図10中のデザイン領域dw)に様々なデザインを適用した環状IDマークのデザイン情報を生成しても良い。例えば、企業ロゴ,広告情報など添付した環状IDマークのデザイン情報を生成する場合もある。
【0080】
また、実施例3の環状IDマーク生成手段は、ユーザが、文字の入力順序を理解しやすいように、時計回りの方向への流れを、矢印などで明示したデザインを含む環状IDマークを構成する。
【0081】
例えば、実際の環境において床面に添付される環状IDマークのサイズを縦長h1×横長w1が1.0(m(メートル))×1.0(m)とし、このサイズで、4文字(文字L1〜L4)の位置方向IDを示す環状IDマークをデザインし、そのデザイン情報を生成する場合、以下の条件を満たすように、環状IDマークのデザイン情報をデザインし出力する。図10に基づいて、前記条件を説明する。
【0082】
まず、ユーザが位置方向IDを構成する文字を視認しやすいように、各文字のサイズは、縦長h3×横長w3=0.2(m)×0.2(m)程度とする。少なくとも、縦長h3×横長w3=0.18(m)×0.18(m)以上の文字サイズを利用し、かつ、この範囲で縦長及び横長のデザインフォントを使って文字を表記しても良い。
【0083】
また、二次元コードを添付する場合においては、ユーザが、立った状態で検出できるようにするため、例えば、QRコード(登録商標)のような二次元コードcdの場合は、枠(ホワイトマージン)を含めて縦長h2×横長w2=0.25(m)×0.25(m)以上のサイズにして添付する。なお、二次元コードcdの配置位置は、位置方向IDを示す文字と重ならなければどこでも良い。これらの文字および二次元コードの添付範囲以外はデザイン領域として、事前に設定された多様なデザインや広告情報を埋め込むことができる。
【0084】
環状IDマーク生成手段が既定のデザイン情報(テンプレートのデザイン情報)を活用して生成する環状IDマークの例を図11〜図18に示す。
【0085】
図11〜図18の環状IDマークを構成する文字は、図11では文字L11〜L14、図12では文字L21〜L24、図13では文字L31〜L34、図14ではL41〜L44、図15では文字L51〜L54、図16では文字L61〜L64、図17では文字L71〜L74,図18ではL81〜L84である。
【0086】
二次元コードは、図11では符号cd1、図12では符号cd2、図13では符号cd2、図13では符号cd3、図14では符号cd4、図15では符号cd5,図16では符号cd6である。
【0087】
文字入力順序を示す矢印は、図11では符号rv1、図12では符号rv2、図13では符号rv3、図14では符号rv4、図15では符号rv5、図16では符号rv6、図17では符号rv7、図18では符号rv8である。
【0088】
なお、本実施形態の環状IDマーク生成装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の環状IDマーク生成方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもない。
【0089】
本実施形態における環状IDマーク生成装置は、複数の異なる文字の列を位置方向IDとし、位置方向IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報を生成することを特徴とする。
【0090】
この環状IDマークは、通常、床面に添付され利用される。環状IDマークの利用時、ユーザは、視点から見て環状マーク上の上部にある文字より時計回りの順で各文字を入力する。結果、入力されるID(位置方向ID)は、利用者がどの方向から環状IDマークを見るかによって異なる。環状IDマークを活用する各種システムは、この点を利用して、利用者の視線方向を検出し、提供するコンテンツ表示方法を変換するなどユーザインタフェースの利便性改善を行える。さらに、当該システムでは、検出された視線方向を利用して提供する情報が関連する場所の方向を指示することができる。また、環状IDマーク上の文字を案内情報選択のための指示記号として利用することで、ユーザが、場所に連携された案内情報へスムーズにアクセスできる。
【0091】
各位置に配置される環状IDマークを適切に構成することにより、各種サービスシステムが上述した機能を実現でき、単に文字列としてIDを表記するシステム(特許文献1参照)に係る課題が改善される。
【0092】
各位置に配置される環状IDマークのデザイン情報を適切に生成するために、本実施形態における環状IDマーク生成装置は、既に登録された位置方向IDを管理する位置方向IDテーブルと、新たに、環状IDマークを配置する位置を指定する位置指定手段と、該位置に対応する位置方向IDを構成する文字数を決定する文字数決定手段と、位置方向IDテーブルを参照し、他の位置に対応する位置方向IDと重複しないように、該位置に対応する位置方向IDを構成する文字の列を決定する文字列決定手段と、該位置に対応する環状IDマークを構成する環状IDマーク生成手段を具備した。
【0093】
また、経路構造に応じて、最適な位置方向IDの文字数を自動的に決定するために、本発明の環状IDマーク生成装置は、さらに、地図経路情報データベースを具備し、前記文字数決定手段は、前記位置指定手段により指定された位置を起点に移動できる経路方向の数を、地図経路情報データベースを参照して検出し、検出された経路の数に基づいて位置方向IDを構成する文字数を決定するものとした。
【0094】
また、マーク上の文字が各経路方向を適切に示すように配置する処理を自動化するために、本発明の環状IDマーク生成装置の環状マーク生成手段は、地図経路情報データベースを参照して、前記指定された位置と、該位置を起点に移動できる経路方向に基づいて、環状マーク上の文字配置を行うものとした。
【0095】
携帯電話を用いて簡単に入力可能な位置方向IDを生成するために、前記環状IDマーク生成装置は、テンキーで入力可能な“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”,“9”,“*”,“#”を用いて前記位置方向IDを構成するものとした。
【0096】
以上のように、本実施形態における環状IDマーク生成装置が生成する環状IDマークは、主にGPSの利用できない屋内で、携帯電話を中心とする既存端末に各種案内サービスを提供するために利用できる。
【0097】
また、生成される環状IDマークのデザイン情報上のIDを構成する文字は、テンキーなどを用いて直接入力できるので、例えば、携帯電話での利用を容易にできる。
【0098】
例えば、イベント会場、博物館、美術館などの床面に、本発明の装置で生成した環状IDマークのデザイン情報に基づいた環状IDマークの実体を設置し、案内サービスシステムが、ユーザの位置と視線方向を検出するための手段として活用する。同様に、環状IDマークは、地下街、ショッピングモールなどに設置し、利用者周囲の店舗情報の提供や、所望の店舗までのナビゲーションサービスなどに利用できる。
【0099】
近年、公共スペースにおける新しい広告媒体として、床面広告やフロアグラフィクスが注目されている。床面広告と融合した環状IDマークは、静的な広告媒体としてだけでなく、位置情報、視線方向情報に基づいて各種情報を提供するシステムと連携し、利用者が携帯電話へ広告関連情報を取得するための手段として活用できる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものでなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
【0101】
例えば、前記文字列決定手段は、4文字で構成され重複のない位置方向IDを格納した配列を予め生成しておき、その配列から位置方向IDを順次に払い出し、その払い出した位置方向IDを新しい位置方向IDとして扱っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施形態における環状IDマーク生成装置の基本構成図。
【図2】環状IDマークの構成例1を示す図。
【図3】環状IDマークの構成例2を示す図。
【図4】環状IDマークの構成例3を示す図。
【図5】環状IDマークに対する視線方向と入力ID、方向情報の関係を示す図。
【図6】位置方向ID管理テーブルの構成図。
【図7】位置指定手段のユーザインタフェース画面の一例を示す図。
【図8】経路が4分岐する地点に配置された環状IDマークの構成例を示す図。
【図9】経路が3分岐する地点に配置された環状IDマークの構成例を示す図。
【図10】4文字で構成される位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン条件の一例を示す図。
【図11】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例1を示す図。
【図12】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例2を示す図。
【図13】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例3を示す図。
【図14】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例4を示す図。
【図15】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例5を示す図。
【図16】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例6を示す図。
【図17】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例7を示す図。
【図18】4文字の位置方向IDを表記する環状IDマークのデザイン例8を示す図。
【符号の説明】
【0103】
1…環状IDマーク生成装置
1a…位置指定手段
1b…文字数決定手段
1c…文字列決定手段
1d…位置方向ID管理テーブル
1e…環状IDマーク生成手段
1f…地図経路情報データベース
2A,2B,2C,2D…環状IDマーク
2Aa,2Ab,2Ac…文字
100…地図経路情報画面
A,B,C,D…視線方向
id1,id2,id3,id4…位置方向ID
Icn…アイコン
P,P1,P2…環状IDマークを配置する位置(分岐地点)
F11…連番フィールド
F12…IDフィールド
F13…位置情報フィールド
F14…方向情報フィールド
F15…経路終点位置情報フィールド
L1〜L4,L11〜L14,L21〜L24,L31〜L34,L41〜L44,L51〜L54,L61〜L64,L71〜L74,L81〜L84…文字
VS…方向情報に関する方向ベクトル座標系
c11〜c14,c21〜c23…経路方向
cd,cd1〜cd6…二次元コード
dw…デザイン領域
h1…環状IDマークの縦長
h2…二次元コードの縦長
h3…文字の縦長
rv1〜rv8…文字入力順序を示す矢印
v1〜v4…方向情報
w1…環状IDマークの横長
w2…二次元コードの横長
w3…文字の横長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成する環状IDマーク生成装置であって、
前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段と、
前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定手段と、
前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定手段と、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定手段と、
前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納手段と、
前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成手段と、
を備えることを特徴とする環状IDマーク生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の環状IDマーク生成装置において、
前記文字列決定手段が、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成する手段、
を備え、
前記位置方向ID格納手段が、
前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納する手段、
を備える、
ことを特徴とする環状IDマーク生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の環状IDマーク生成装置において、
地図情報における経路情報を含む地図経路情報を管理する地図経路情報管理手段と、
前記文字数決定手段が、
前記地図経路情報管理手段を使って、前記指定された位置情報を起点として移動できる経路の数を特定し、特定できた経路の数を、位置方向IDを構成する文字数と見做して決定する手段、
を備える、
ことを特徴とする環状IDマーク生成装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の環状IDマーク生成装置において、
前記環状IDマーク生成手段が、
前記地図経路情報管理手段を用いて、前記指定された位置情報と、該位置情報を起点に移動できる経路方向を前記指示方向と見做し、該指示方向に基づいて、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報を出力する手段、
を備えることを特徴とする環状IDマーク生成装置。
【請求項5】
1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成し、
前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段を備える装置、
に使用される環状IDマーク生成方法であって、
前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定ステップと、
前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定ステップと、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定ステップと、
前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納ステップと、
前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成ステップと、
を有することを特徴とする環状IDマーク生成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の環状IDマーク生成方法において、
前記文字列決定ステップが、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成するステップ、
を有し、
前記位置方向ID格納ステップが、
前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納するステップ、
を有する、
ことを特徴とする環状IDマーク生成方法。
【請求項7】
1文字以上の異なる文字から構成され、位置と方向を特定するIDである位置方向IDを表示し、かつ、該IDを構成する各文字を環状に配置し、各文字が方向を指示するようにデザインされた環状IDマークのデザイン情報を生成し、
前記ID,環状IDマークを設置する位置情報,視線方向を示す方向情報を含む位置方向ID情報を管理する位置方向ID管理手段と、
地図情報における経路情報を含む地図経路情報を管理する地図経路情報管理手段と、
を備える装置、
に使用される環状IDマーク生成方法であって、
前記環状IDマークの位置情報を指定する位置指定ステップと、
前記指定された位置情報に関する指示方向の数を特定する位置方向IDの文字数を決定する文字数決定ステップと、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されている位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された新たな位置方向IDを生成する文字列決定ステップと、
前記位置情報,前記新たな位置方向ID,前記新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段に格納する位置方向ID格納ステップと、
前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報、を出力する環状IDマーク生成ステップと、
を有し、
前記文字数決定ステップが、
前記地図経路情報管理手段を使って、前記指定された位置情報を起点として移動できる経路の数を特定し、特定できた経路の数を、位置方向IDを構成する文字数と見做して決定するステップ、
を有する、
ことを特徴とする環状IDマーク生成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の環状IDマーク生成方法において、
前記文字列決定ステップが、
前記位置方向ID管理手段に既に格納されてる位置方向IDと重複しない、かつ、前記決定された文字数に基づいて構成された一つの新たな位置方向IDを生成し、該一つの新たな位置方向IDを巡回シフトして得られる他の新たな位置方向IDを生成するステップ、
を有し、
前記位置方向ID格納ステップが、
前記位置情報,前記一つの新たな位置方向ID,前記一つの新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を前記位置方向ID管理手段を使って格納し、前記位置情報,それぞれの他の新たな位置方向IDに応じた前記方向情報を組み合わせて前記位置方向ID管理手段を使って格納するステップ、
を有する、
ことを特徴とする環状IDマーク生成方法。
【請求項9】
前記請求項7または8に記載の環状IDマーク生成方法において、
前記環状IDマーク生成ステップが、
前記地図経路情報管理手段を用いて、前記指定された位置情報と、該位置情報を起点に移動できる経路方向を前記指示方向と見做し、該指示方向に基づいて、前記生成された新たな位置方向IDを構成する文字を環状に配置し、かつ、各文字が前記指示方向を指示するようにデザインした環状IDマークのデザイン情報を出力するステップ、
を有することを特徴とする環状IDマーク生成方法。
【請求項10】
請求項5乃至9の何れかに記載の環状IDマーク生成方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする環状IDマーク生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−122739(P2008−122739A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307465(P2006−307465)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】