説明

瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置

【課題】焼成前にファンによって起風される横方向の乾燥風によって瓦形状又は板状の素地を乾燥させるにあたって、乾燥斑を低減させて、高品質の瓦又は板状陶磁器を安定的に製造可能な瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、焼成用の粘土又は粘土が含有された混合物が成形されることによりなる瓦形状又は板状の素地Kを乾燥室2に保持する保持手段と、該保持手段によって保持された乾燥室2内の前記素地Kに対して横方向の乾燥風を起風するファン8A,8Bとを備え、該乾燥風によって焼成前の前記素地Kを乾燥させる瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置であって、保持手段によって保持された前記素地Kと、ファン8A,8Bとの間に、ファン8A,8Bによる乾燥風の吹出し方向又は吸込み方向に該乾燥風を整流する整流部を位置させて設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、湿式成形後の瓦形状又は板状の素地を乾燥させる瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陶磁器用の粘土又は粘土が含有された混合物が成形されることによりなる瓦形状又は板状の素地(具体的には、瓦素地)を乾燥室に保持する保持手段と、該保持手段によって保持された乾燥室内の素地に対して横方向の乾燥風を起風するファンとを備え、該乾燥風によって、焼成前の素地を乾燥させる特許文献1に示す瓦製造用乾燥装置が公知になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−231263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献では、乾燥風によって素地の乾燥を促進させることが可能な一方で、乾燥風の流速が均一でないことに起因して、素地に乾燥斑が生じ、乾燥後の変形やひび割れ、或いは焼成後の変形やひび割れ等の原因になる場合がある。
本発明は、焼成前にファンによって起風される横方向の乾燥風によって瓦形状又は板状の素地を乾燥させるにあたって、乾燥斑を低減させて、高品質の瓦又は板状陶磁器を安定的に製造可能な瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、第1に、焼成用の粘土又は粘土が含有された混合物が成形されることによりなる瓦形状又は板状の素地Kを乾燥室2に保持する保持手段と、該保持手段によって保持された乾燥室2内の前記素地Kに対して横方向の乾燥風を起風するファン8A,8Bとを備え、該乾燥風によって焼成前の前記素地Kを乾燥させる瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置であって、保持手段によって保持された前記素地Kと、ファン8A,8Bとの間に、ファン8A,8Bによる乾燥風の吹出し方向又は吸込み方向に該乾燥風を整流する整流部を位置させて設けたことを特徴としている。
【0006】
第2に、乾燥風の上下方向の流れを規制することにより整流を行うように整流部を構成したことを特徴としている。
【0007】
第3に、ファン8A,8Bによる乾燥風の吹出し方向又は吹込み方向に対して交差し且つ水平方向に沿う方向への乾燥風の流動を規制することにより整流を行うように整流部を構成したことを特徴としている。
【0008】
第4に、厚み方向が横方向を向けられた整流板22に表裏を貫く通気孔22aを複数形成することによって、前記整流部を構成したことを特徴としている。
【0009】
第5に、通気孔22aが方形状をなすことを特徴としている。
【0010】
第6に、方形状に形成された複数の通気孔22aを格子状に配置したことを特徴としている。
【0011】
第7に、素地Kを載置して保持する棚4を有するとともに横方向の通気性が確保されたラック6によって保持手段を構成し、該ラック6の側方に前記ファン8A,8Bを配置したことを特徴としている。
【0012】
第8に、ラック6の両側方にそれぞれ位置させることが可能な一対のファン8A,8Bによって乾燥セットを構成し、該乾燥セットの一方のファン8Aを吹出しファンとするとともに、他方のファン8Bを吸込みファンとすることにより、該一対のファン8A,8Bによって起風される乾燥風の方向を同一方向に設定したことを特徴としている。
【0013】
第9に、搬送可能に構成されたラック6の搬送経路に沿って複数の該ファン8A,8Bを配置し、搬送経路方向で隣合うファン8A,8Bの一方で起風される乾燥風の方向と、他方で起風される乾燥風の方向とを、ラック6を基準として、反対方向に設定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、ファンの吹出し方向又は吸込み方向に乾燥風を整流する整流部によって、空気の乱れを抑制して、横方向の乾燥風を安定的に起風することが可能になるため、乾燥斑が低減され、高品質の瓦又は板状陶磁器を安定的に製造することが可能になる。
【0015】
また、素地を載置して保持する棚を有するとともに横方向の通気性が確保されたラックによって保持手段を構成し、ラックの両側方にそれぞれ位置させることが可能な一対のファンによって乾燥セットを構成し、該乾燥セットの一方のファンを吹出しファンとするとともに、他方のファンを吸込みファンとすることにより、該一対のファンによって起風される乾燥風の方向を同一に設定すれば、乾燥セットによって、さらに安定的に、横方向の乾燥風を起風できる。
【0016】
さらに、搬送可能に構成されたラックの搬送経路に沿って複数の該ファンを配置し、搬送経路方向で隣合うファンの一方で起風される乾燥風の方向と、他方で起風される乾燥風の方向とを、ラックを基準とした反対方向に設定すれば、搬送中のラックに対して、乾燥風の方向が交互に反対向きになるため、乾燥斑がさらに低減される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】粘土瓦の製造工程を示すフロー図である。
【図2】本発明を適用した乾燥装置の概念図である。
【図3】乾燥装置の乾燥室内の構成を示す正面図である。
【図4】パレットの構成を示す側面図である。
【図5】可動ファンの各部の構成を示す正面図である。
【図6】可動ファンの各部の構成を示す側面図である。
【図7】(A),(B)は、整流板の側面図及び正面図である。
【図8】(A),(B)は、整流板の別実施形態を示す側面図及び正面図である。
【図9】乾燥装置の別実施形態に示す概念図である。
【図10】乾燥装置の別実施形態に示す概念図である。
【図11】(A),(B)は、整流板を用いた場合と、用いない場合とを比較した乾燥後の瓦素地反り量平均値の比較グラフ及び瓦素地反り量標準偏差の比較グラフである。
【図12】整流板を設けない場合における乾燥風の鉛直成分の風速を示すものであり、(A)は上から2段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(B)は上から9段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(C)は上から15段目における各部の鉛直成分の風速を示している。
【図13】整流板を設けた場合における乾燥風の鉛直成分の風速を示すものであり、(A)は上から2段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(B)は上から9段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(C)は上から15段目における各部の鉛直成分の風速を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、粘土瓦の製造工程を示すフロー図である。瓦又は陶磁器(具体的には、瓦)の製造では、まず最初に、ステップS1に進む。ステップS1では、瓦に適した複数種類の粘土を混合し、ステップS2に進む。ちなみに、ステップS1において、上記複数の粘土に長石、石英、陶石又は規格外瓦粉砕物等の必要成分を加えて、これらを混合してもよい。ステップS2では、押出成形を行い、ステップS3に進む。ステップS3では、押出成形された成形物を金型でプレス成形し、瓦の形状を有する瓦素地(素地)を形成し、ステップS4に進む。ちなみに、ステップS2及びステップS3で想定される瓦の形状としては、平板桟瓦や、丸瓦の他、該平瓦と丸瓦を一体化した桟瓦等、種々のものがあり、その成形は湿式成形である。
【0019】
ステップS4では、室温(季節によって変化するが概ね25℃前後)〜80℃程度の温度で瓦素地の乾燥を行い、ステップS5に進む。ステップS5では、乾燥された瓦素地の品質をチェックし、乾燥によるねじれ等の変形が大きい等、品質が一定水準に達していないものを取除き、ステップS6に進む。ステップS6では、乾燥された瓦素地に釉薬を塗る施釉を行い、ステップS7に進む。ステップS7では、焼成を行い、ステップS8に進む。ステップS8では、焼成された完成品である瓦の品質をチェックし、焼成によるねじれ等の変形が大きい等、品質が一定水準に達していないものを取除き、ステップS9に進む。ステップS9では、一定水準以上の品質を有する完成品である瓦の出荷処理を行う。ちなみに、乾燥後に破棄する瓦素地は、再び原料粘土として使用される。
【0020】
上記のような瓦の製造工程において、本発明を適用した乾燥装置は、ステップS4における瓦素地の乾燥に用いられる。ちなみに、ステップS5の工程は、省略することも可能であるが、乾燥後且つ焼成前の品質チェックを行うことにより、さらに、精度高く、製造工程のチェックを行うことが可能になるとともに、焼成後の歩留まりを上げることが可能になる。
【0021】
図2は、本発明を適用した乾燥装置の概念図であり、図3は、乾燥装置の乾燥室内の構成を示す正面図である。瓦製造用の乾燥装置1では、内部にトンネルとなる乾燥室2を形成し、トンネル2の全長方向(前後方向)に延びる搬送レール3を、乾燥室2の床面2a側に固定設置し、瓦素地Kを載置して保持する水平状の載置棚(棚)4を複数段有する搬送ラック(保持手段,ラック)6を、上記搬送レール3によって、乾燥室1内にスライド自在に係合支持し、最右端の搬送レール3の右側方と、最左端の搬送レール3の左側方とに搬送レール3に対して平行な可動レール7をそれぞれ各別に設置し、搬送レール7よりも左寄りに位置する可動レール7上に複数の可動ファン(ファン)8をスライド自在に係合支持するとともに、搬送レール7よりも右寄りに位置する可動レール7上にも複数の可動ファン8をスライド自在に係合支持し、乾燥室2内の温度及び湿度を制御する制御手段(図示しない)を設けている。
【0022】
そして、乾燥装置1は、最適な湿度に保持され、室温から80℃程度に昇温される乾燥室2において、可動ファン8により起風される水平方向(横方向)の乾燥風によって瓦素地を乾燥させる。
【0023】
上記搬送ラック6は、複数の上下方向の分割支柱4aが形成された方形状の複数の載置棚4を、該四隅を揃えて上方に積上げることにより、前後及び左右の四方が開放された直方体枠状のラックフレーム6aを形成し、該ラックフレーム6aを搬送レール3上にスライド搬送可能に支持する搬送装置9と、各載置棚4に複数個(図示する例では8個)設置されたパレット11とを備えている。ちなみに、載置棚4の左右の各端側には、それぞれ複数の分割支柱4aが設けられており、具体的には該各端側の前部と、中間部と、後部とにそれぞれ分割支柱4aが1本づつ上下方向に形成されている。このため、各載置棚4には計6本の分割支柱4aが設けられている。
【0024】
載置棚4を積上げ支持することにより、ラックフレーム6aを形成している際、上下で近接する載置棚4,4の対応箇所の分割支柱4a,4a同士は、一方側に他方が係合挿入され、該載置棚4,4同士は、互いに水平移動が規制された状態で、所定間隔を介して、対向し、この上下で向い合う載置棚4,4の間のスペースによって、搬送ラック6は水平方向の通気性(横方向の通気性)が確保されている。
【0025】
搬送装置9は、ラックフレーム6aの下端部に軸支される左右一対の車輪12,12によって構成され、この搬送装置9がラックフレーム6a下端側の左右対称位置にそれぞれ前後2組づつ設置され、計8個の車輪12によって、搬送ラック6が支持されている。各搬送装置9の左右一対の車輪12,12は、左右一対の搬送レール3,3に係合されて左右動が規制され且つ回転自在な状態で、該搬送レール3,3上に載置されている。
【0026】
すなわち、搬送レール3は、平面視で可動ラック6の左右対称位置に、それぞれ2本づつ設置されている。ちなみに、搬送ラック6の左右方向中央部と、乾燥室2の左右方向中央部とが、一致又は略一致するように、各部材が配置構成されている。
【0027】
図4は、パレットの構成を示す側面図である。パレット11は、搬送経路に沿って前後方向に長い方形状をなし、パレット11上には、瓦素地Kを載置して位置決め保持する保持部13が、前後方向に、所定間隔(等間隔)毎に、複数(図示する例では6つ)形成されている。各載置棚4には、該パレット11が、前後位置が揃えられ且つ互いに平行な状態で、左右方向に複数(図示する例では8個)並列配置されている。すなわち、水平な各載置棚4には、8×6で、計48枚の瓦素地Kをマス目状に保持させることが可能である。
【0028】
ちなみに、図示する例では、瓦素地Kが、F型と称される平板桟瓦(以下、単に「平瓦」)用の瓦素地であり、この平瓦用瓦素地Kは、保持部13の図示しない位置決め部材により、水平となる倒伏状態で、該保持部13に位置決め保持される。これに加えて、載置棚4の左側半部で保持された平瓦用瓦素地Kと、右側半部で保持された平瓦用瓦素地Kとは、互いに左右対称な状態になるように、各パレット11が構成されている。
【0029】
なお、パレット11を、表裏が反転された状態で載置棚4に固定した場合には、保持部13に桟瓦用の瓦素地Kを位置決め保持させることも可能である。具体的には、表裏を反転させた保持部13には、桟瓦用瓦素地Kの波形状に沿って高さの異なる複数の突起部13aが突出形成されており、この各保持部13の複数の突起部13a上に一枚の桟瓦用瓦素地Kを載置して保持させる。このように、ラックフレーム6aに着脱自在に取付けられ、水平な表裏面を上下で反転可能なパレット11によって、種類の異なる瓦素地Kを保持させることが可能である。
【0030】
次に、図2,図3,図5〜7に基づき、可動ファン8の構成について詳述する。
複数の搬送レール3,3,3,3群の左側と、右側とには、上述したように、搬送レール3の形成方向(搬送経路)に沿って同数の可動ファン8が、それぞれ配置されており、前後位置が同一又は略同一になる左右の可動ファン8,8によって、互いに向い合う乾燥ユニット(乾燥セット)14を構成している。言換えると、乾燥ユニット14の左右の可動ファン8,8は、平面視で上記並列された搬送レール3,3,3,3を挟んで、対向配置されている。
【0031】
この乾燥ユニット14は、上述の構成により、搬送経路に沿って、乾燥室2内に、前後複数設けられ、各乾燥ユニット14を構成する左右一対の可動ファン8,8は、互いの前後位置関係が保持されるように、一体的に前後にスライド移動される。
【0032】
これに加えて、前後方向に複数並列された乾燥ユニット14の内、前後で隣接する乾燥ユニット14,14同士は、可動範囲が重複しないように、その可動範囲が設定されるとともに、各乾燥ユニット14は、自身の可動範囲内で、前後に往復スライド移動し、左右の可動ファン8,8の間に搬送ラック6を位置させ、該搬送ラック6に保持された複数の瓦素地Kに対して、横方向(具体的には左右方向)の乾燥風を起風して該瓦素地Kの乾燥を行う。
【0033】
ラック6に保持された瓦素地Kに対して、この乾燥風を、起風する際、各乾燥ユニット14の一方の可動ファン8はラック6側(瓦素地K側)にエアを吹出す排出ファン(吹出しファン)8Aになり、他方の可動ファン8はラック6側(瓦素地K側)からエアを吹込む吸引ファン(吸込みファン)8Bになり、該2つのファン8A,8Bによって起風される乾燥風の方向は、同一方向に設定される。
【0034】
また、搬送経路方向である前後方向で隣合う乾燥ユニット14,14同士は、起風する乾燥風の方向が、搬送ラック6を基準として、互いに左右反対方向になるように、各乾燥ユニット14の排出ファン8A及び吸引ファン8Bが配置されている。すなわち、下流側である前方側に順次搬送される搬送ラック6は、所定の乾燥ユニット14に達すると、一方の側面から他方の側面に向かって搬送ラック6内を乾燥風が流動し、続いて、該乾燥ユニット14の次の乾燥ユニット14に達すると、該他方の側面から該一方の側面に向かって搬送ラック6内を乾燥風が流動し、この乾燥風の反転が相互に繰返される。
【0035】
図5,6は、可動ファンの各部の構成を示す正面図及び側面図である。図3、図5及び図6に示す通り、排出ファン8Aや吸引ファン8Bとして機能する可動ファン8は、左右一対の車輪16,16を前後に1組づつ有する前後方向の可動台17と、可動台17上に立設された支持枠18と、支持枠18に回転軸19を介して軸支された複数枚の羽根21と、起風された乾燥風を整流する鉄、アルミ又はステンレス等からなる金属製(図示する例では鉄製)の整流板(整流部)22とを備えている。
【0036】
可動台17における前後に配置された左右一対の車輪16,16は、左右一対の可動レール7,7に左右動が規制された状態で係合し、該可動レール7に回転自在な状態で載置支持される(図3参照)。そして、搬送ラック6の搬送経路を挟んだ左右対称箇所には、それぞれ2つの可動レール7,7が左右に並べられて設置されている。言換えると、乾燥室2の床面側には、計4つの可動レール7,7,7,7が設置されており、搬送経路の右側に2つの可動レール7,7が配され、左側に2つの可動レール7,7が配置されている。
【0037】
支持枠18は、可動台17の前後の端部からそれぞれ上方に突設された前後一対の縦フレーム23,23と、前後の縦フレーム23,23間に架設固定された前後方向の横フレーム24と、横フレーム24の中途部と可動台17とを連結固定して補強する上下方向の連結フレーム26と、前後の縦フレーム23,23の中途部と、可動台17の中途部とを、それぞれ連結する斜め方向の前後一対の補強フレーム27とを備えている。
【0038】
回転軸19は、横フレーム24上の前後方向中央部に、軸受28を介して、自身の軸回りに回転自在に支持されており、この回転軸19の軸回りに等間隔毎に満遍なく羽根21が設置されている。そして、縦フレーム23に設置された駆動モータ29の出力軸29aと一体回転する主動プーリ31Aと、回転軸19と一体回転する従動プーリ31Bとに掛け回される伝動ベルト32によって、駆動モータ29の動力が回転軸19に伝動され、羽根21が回転駆動され、前記横方向の乾燥風が起される。
【0039】
ちなみに、支持枠18、軸受28、主動プーリ31A、従動プーリ31B及び伝動ベルト32は、羽根21に対して、搬送ラック6(又は搬送ラック6の搬送経路)から遠い側に配置され、駆動モータ29は、各羽根21の回転軌跡の外側に位置している。
【0040】
また、羽根21の回転軌跡の上側半部に沿うように側面視で回転軸19を中心として上方側に山形をなす半円弧状の上部カバー33Aと、羽根21の回転軌跡の下側半部に沿うように側面視で回転軸19を中心として下方側に谷形をなす半円弧状の下部カバー33Bとを、支持枠18に取付固定しており、この上部カバー33A及び下部カバー33Bによって、複数の羽根21を、回転軸19の軸回り全周に亘ってカバーしており、これによって、複数の羽根21の回転によって起風される乾燥風の方向が左右方向に設定される。言換えると、上部カバー33A及び下部カバー33Bの搬送ラック6側の端面(さらに正確には、搬送ラック6の搬送経路に近い側の端部)には、乾燥風が吹出される、或いは吹込まれる円状の吹出し面又は吸込み面が形成される。
【0041】
図7(A),(B)は、整流板の側面図及び正面図である。ユニット化された金属製の整流板22は、前後方向に長く、厚み方向が乾燥風の流動方向である左右方向(横方向)を向いた方形プレート状部材であって、全体がユニット化された整流板ユニットになっている。この整流板22は、全体の外形に沿う方形状の枠フレーム34内において、正面視で上下方向に長い方形状の縦板36を前後方向に所定間隔毎(図示する例では、等間隔毎)に複数配置するとともに、平面視で前後方向に長い方形状の横板37を上下方向に所定間隔毎(図示する例では、等間隔毎)に複数配置することにより、該複数の縦板36と複数の横板37とが互いに格子状に交差し、これによって側面視で碁盤の目状に並べられた複数の方形状の通気孔22aが形成されている。
【0042】
なお、図示する例では、通気孔22aが正方形状に形成されているが、これを水平方向(具体的には前後方向)に長い方形状乃至スリット状に形成することにより、後述する整流効果をさらに高めることも可能である。また、乾燥風の流速が速くなるような部分では、縦板36又は横板37を、他の部分よりも密に配置してもよい。
【0043】
このようにして、格子状に並べられた複数の通気孔22aによって、整流板22は、厚み方向である左右方向に通気性を有する。すなわち、各通気孔22aは、整流板22の表裏を最短で貫く左右方向の孔であり、前記乾燥風は、この無数の通気孔22aを通過する際、上下方向への流動が規制され、これによって、乾燥風の風速の上下成分が弱まり、水平成分(具体的には、左右成分)のみがその強さを確保された状態になる。すなわち、整流板22は、ファン8による乾燥風の吹出し又は吹込み方向から外れる方向(ここでは、上下方向)への乾燥風の流動(乱れ)を規制し、該吹出し又は吹込み方向に乾燥風を整流するように構成されている。
【0044】
ちなみに、この整流板22は、通気孔22aが格子状に配されているため、ファン8による乾燥風の吹出し又は吹込み方向に対して交差する方向であって且つ水平方向に沿う方向(図示する例、前後方向)への乾燥風の流動を規制する作用も有している。
【0045】
この整流板22は、図示する例では、可動ファン8の吹出し面又は吸込み面の下側半部を覆うようにして、可動ファン8の支持枠18に取付固定されている(図3参照)。好ましくは、吹出し面又は吸込み面の全体を覆った方が好ましい。ただし、搬送ラック6内の上側半部では、乾燥風が乱れ難い傾向にあることが風速計測の結果、判明している。このため、可動ファン8の吹出し面又は吸込み面に対して、上側半部を覆わず、下側半部のみを整流板22で覆った場合には、上側半分を省略した影響を最小限に留めることが可能になり、その結果として、全体を軽量化することも容易になる。ちなみに、各可動ファン8の上端は、乾燥室2の天井2bに近接し、可動ファン8の上端の高さは、搬送ラック6の上端の高さによりも若干高くなるように設定される。
【0046】
整流板22の取付構造について、さらに説明すると、整流板22の枠フレーム34の前後の各端部には、チャネル状の上下方向に長いベース部材38が固設され、この前後のベース部材38,38を、夫々、上下一対の左右方向に延びる角柱状の固定フレーム39,39を介して前後の縦フレーム23,23に取付固定している。この取付状態時、整流板22は、可動ファン8の下部カバー33Bに近接又は接触した状態になる。
【0047】
この際、載置棚4の一段上の載置棚4の下面側に形成された天井面4aが、所定高さに位置する通気孔22aの上端面と同一平面状に位置するように、整流板22の取付位置及び各横板37の配置が定められ、これによって、整流板22の整流作用をさらに高めることが可能になる。ちなみに、この整流板22への取付の際には、治具等を用いて、取付位置の調整を行ってもよい。
【0048】
上述の構成によって、整流板22は、乾燥ユニット14を、搬送ラック6に位置させた際、瓦素地Kと、可動ファン8との間に位置し、該可動ファン8によって起風される乾燥風の整流を行い、これによって、乾燥装置1は、横方向に倒伏した複数の各瓦素地Kに対して、横方向から乾燥風を当てることにより、各瓦素地Kの乾燥斑を抑止するものである。
【0049】
以上のように構成される乾燥装置1の作動について、説明すると、多数の瓦素地Kを保持した搬送ラック6は、乾燥室2に導入されると、所定時間停止される停止状態と、所定距離分搬送される搬送作動とを交互に繰返す。この際、1回の搬送作動では、搬送ラック9が、自身の長さ1個分、出口側に搬送される。一方、各乾燥ユニット14は、羽根21を回転駆動させた状態で、自身の可動範囲内で、絶え間無く、往復スライド移動を繰返す。このような作動によって、均一で斑の無い、瓦素地Kの乾燥を行う。
【0050】
なお、上述の例では、搬送経路方向である前後方向で隣合う乾燥ユニット14,14同士は、起風する乾燥風の方向が、搬送ラック6を基準として、互いに左右反対方向になるが、全ての可動ファン8が各搬送ラック6に対して同一方向の乾燥風を起風するようにし、所定時間毎に、各可動ファン8の羽根21の回転方向を逆転させ、この乾燥風の方向を反転させてもよい。
【0051】
さらに、図示する乾燥装置1は、瓦製造用の乾燥のみならず、タイルや平皿や等の板状陶磁器を焼成する前段階において、該形状に成形された粘土製の板状素地を乾燥させるために用いてもよい。
【0052】
次に、図8に基づき、整流板22の別実施形態について上述の例と異なる点を説明する。
図8(A)(B)は、整流板の別実施形態を示す側面図及び正面図である。枠フレーム34内に、縦板36を前後方向に所定間隔毎(図示する例では等間隔毎)に複数配置することにより、前後方向に複数配列された方形状の通気孔22aが整流板22に形成されている。隣合う縦板36同士の間隔は、図7に示す例よりも狭く設定されており、具体的には、通気孔22aが上下方向に長いスリット状をなす程度に、隣接する縦板36,36同士の間隔が設定されている。
【0053】
そして、この整流板22は、上下方向に積重ねて使用することが可能なように構成されており、このため、上下幅は、図7に示す例に比べて短く設定されている。
【0054】
また、該整流板22は、フック状部材によって、搬送ラック6の側面側に着脱自在に引掛けて係止してもよいし、可動ファン8側の吹出し面又は吸込み面側に着脱自在に引掛けて係止してもよく、さらに、上述したベース部材38や固定フレーム39を用いて、可動ファン8の支持枠18に固定してもよい。
【0055】
以上のように構成された整流板22は、上下方向にスリット状をなす複数の通気孔22aによって、ファン8による乾燥風の吹出し又は吹込み方向に対して交差する方向であって且つ水平方向に沿う方向(図示する例、前後方向)への乾燥風の流動を規制し、これによって、乾燥風を該吹出し又は吹込み方向に整流する。
【0056】
なお、本例では前後方向に複数配置された縦板36によって、通気孔22aが上下方向に長いスリット状に形成されているが、枠フレーム34内に、横板37を上下方向に所定間隔毎(図示する例では等間隔毎)に複数配置することにより、通気孔22aを水平方向に長いスリット状に形成してもよい。整流板22は、該構成によって、上下方向への乾燥風の流動を規制し、これによって、乾燥風を該吹出し又は吹込み方向に整流する。
【0057】
次に、図9に基づき乾燥装置1の別実施形態について、上述した例と異なる点を説明する。
図9は、乾燥装置の別実施形態を示す概念図である。同図に示す例では、乾燥装置1の乾燥室2内に、搬送レール3等によって、平面視長円形をなす環状の搬送経路Xを形成し、この搬送経路X又はその近傍には、搬送経路X方向に沿って複数のファン8が所定間隔毎に固定設置されている。具体的には、搬送経路Xの環状内に長手方向に沿ってファン8を配置している。
【0058】
そして、この固定されたファン8によって、この搬送経路X上を循環搬送される搬送ラック6に対し、側方から、水平方向の乾燥風を起し、瓦素地Kの乾燥を行う。具体的には、ファン8は、一方からエアを吹込むとともに他方からエアを吹出し、両面側に乾燥風を起すように構成されており、図示する例では、隣合うファン8同士の乾燥風が交互に反対になるように各ファン8が構成されている。この際、ファン8と、瓦素地Kとの間に、上述の整流板22が位置するように、各ファン8の両面側に整流板22を個別に設置している。
【0059】
このように、乾燥装置1の形態を変更しても、図7や図8に示す整流板22を用いれば、整流効果によって、より質の高い乾燥作業を行うことが可能になる。なお、各ファン8によって起風される乾燥風の向きを、同一に設定し、所定時間毎に、向きが反転されるようにしてもよいし、常に同一方向に乾燥風の向きを設定してもよい。
【0060】
次に、図10に基づき乾燥装置1の別実施形態について、上述した例と異なる点を説明する。
図10は、乾燥装置の別実施形態を示す概念図である。同図に示す例では、図2に示す1列の搬送経路を複数例(具体的には3列)左右方向に設けている。そして、搬送経路の列の間と、左右最外端の搬送経路の列のさらに外側とに、それぞれ可動ファン8を配置している。
【0061】
この可動ファン8は、左右方向に列状に配置されて、上述の乾燥ユニット14を構成しており、この乾燥ユニット14は、その間に位置した各搬送ラック6に対して、同一方向の乾燥風を起すように構成されている。そして、この際、各可動ファン8と各搬送ラック6との間に整流板22が位置するように、該整流22を各可動ファン8の片面又は両面にそれぞれ設置している。
【0062】
該構成によって、大量の瓦素地Kを、品質を保持させながら、一気に乾燥させることが容易になる。
【0063】
次に、図11に基づき、整流板22の効果を説明する。
図11(A),(B)は、整流板を用いた場合と、用いない場合とを比較した乾燥後の瓦素地反り量平均値の比較グラフ及び瓦素地反り量標準偏差の比較グラフである。この実験では、乾燥室2の温度及び湿度の条件や乾燥風の条件や乾燥時間や瓦素地Kの形状等、種々の状態を同じにして、整流板22の有無による比較を行った。
【0064】
乾燥装置1は、図2に示すものを用い、整流板22は、図8に示すものを用い、整流板22を上下4枚連ねてユニット化したものを、搬送ラック6の各側面の下側半部に設置した。この各整流板22の前後長は2425mm、上下幅は375mm、厚みは38mmであり、各通気孔22aの上下長は315mm、前後幅は39mmであり、乾燥ユニット14や、搬送ラック6等も、これに応じたサイズに設置されている。
【0065】
図11に示された結果によれば、整流板22を設けた上から8段目から15段目の載置棚4の瓦素地Kは、整流板22の無いものに比べて、乾燥後の反り量が全体的に低減されている(品質が全体的に向上している)とともに(同図(A)参照)、品質のばらつき(反り量のばらつき)も全体的に低減されている(同図(B)参照)。特に、乾燥における瓦素地Kの品質のばらつきは、整流板22の設置によって飛躍的に改善されている。
【0066】
次に、図12,図13に基づき、整流板22の効果を説明する。
図12は、整流板を設けない場合における乾燥風の鉛直成分の風速を示すものであり、(A)は上から2段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(B)は上から9段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(C)は上から15段目における各部の鉛直成分の風速を示している。また、図13は、整流板を設けた場合における乾燥風の鉛直成分の風速を示すものであり、(A)は上から2段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(B)は上から9段目における各部の鉛直成分の風速を示し、(C)は上から15段目における各部の鉛直成分の風速を示している。
【0067】
この実験では、図2に示す乾燥装置1を用い、図7に示す整流板22を用い、具体的には、各整流板22の前後長は3200mm、上下幅は1502mm、厚みは50mmであり、各通気孔22aの上下長は190mm、前後長は182mmであり、乾燥ユニット14や、搬送ラック6等も、これに応じたサイズに設置されており、その他、乾燥室2の温度及び湿度の条件や乾燥風の条件等、種々の状態を同じにして、実験を行った。
【0068】
図12及び図13に示す結果によれば、上から9段目の載置棚4及び上から15段目の載置棚4では、整流板22を設けない場合には、各部における鉛直成分の風速にばらつきがあるが、整流板22を設けた場合には、各部における鉛直成分の風速にばらつきが抑制され、その値も全体的に抑制されており、良好な結果が得られた。ちなみに、これらの図示に示す例では、紙面における左側から右側に向って乾燥風が流動している。
【0069】
また、これと同一の条件で、瓦の製造を所定期間行った。その結果、焼成後の完成品において、整流板22の無い場合の反り等の変形による不良品の割合から、整流板22の有る場合の反り等の変形による不良品の割合を引いた値は、+3.7%になり、大きな改善が見られるとともに、整流板22の無い場合の亀裂による不良品の割合から、整流板22の有る場合の亀裂による不良品の割合を引いた値は、+4.2%になり、これも大きな改善が見られた。
【0070】
さらに、図7に示す整流板22を用いた場合と用いない場合で、瓦素地Kを乾燥させた後の歩留まりを調査した結果、整流板22を用いた場合の方が、用いない場合よりも、11.7%の歩留まりが上昇した。そして、整流板22を用いた場合に良品の判断された乾燥後の瓦素地Kを焼成することにより得られる完成品の歩留まりは、整流板22を用いない場合に良品の判断された瓦素地Kを焼成することにより得られる完成品の歩留まりと比べて、8.0%高くなった。
【0071】
また、図8に示す整流板22を用いた場合と用いない場合で、瓦素地Kを乾燥させた後の歩留まりを調査した結果、整流板22を用いた場合の方が、用いない場合よりも8.7%歩留まりの値が高くなっていた。
【0072】
以上の良好な結果によって、瓦素地Kその他の板状素地を、質を保持しながら安定的に乾燥可能であることが立証された。このように24時間連続稼動しない乾燥装置1によって、高品質な乾燥済み素地を安定的に供給できれば、所定数量の乾燥済素地を確保するための時間が短縮され、人件費が削除できるばかりで無く、焼成後の完成品において、不良品の割合も減少させることができるため、24時間連続稼動の焼成工程において、無駄な焼成が減り、高品質の完成品を所定量確保するための二酸化炭素の排出量を減少させることもできる。このため、環境にも優しい。
【符号の説明】
【0073】
1 乾燥装置(瓦製造用乾燥装置)
2 乾燥室(トンネル)
2a 床面
2b 天井
3 搬送レール
4 載置棚(棚)
4a 分割支柱
4b 天井面
6 搬送ラック(保持手段、ラック)
6a ラックフレーム
7 可動レール
8 可動ファン(ファン)
8A 排出ファン(吹出しファン)
8B 吸引ファン(吸込みファン)
9 搬送装置
11 パレット
12 車輪
13 保持部
13a 突起部
14 乾燥ユニット(乾燥セット)
16 車輪
17 可動台
18 支持枠
19 回転軸
21 羽根
22 整流板(整流部)
22a 通気孔
23 縦フレーム
24 横フレーム
26 連結フレーム
27 補強フレーム
28 軸受部
29 駆動モータ(駆動手段)
29a 出力軸
31A 主動プーリ
31B 従動プーリ
32 伝動ベルト
33A 上部カバー
33B 下部カバー
34 枠フレーム
36 縦板
37 横板
38 ベース部材
39 固定フレーム
K 瓦素地(素地,平瓦用瓦素地,桟瓦用瓦素地)
X 搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成用の粘土又は粘土が含有された混合物が成形されることによりなる瓦形状又は板状の素地(K)を乾燥室(2)に保持する保持手段と、該保持手段によって保持された乾燥室(2)内の前記素地(K)に対して横方向の乾燥風を起風するファン(8A),(8B)とを備え、該乾燥風によって焼成前の前記素地(K)を乾燥させる瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置であって、保持手段によって保持された前記素地(K)と、ファン(8A),(8B)との間に、ファン(8A),(8B)による乾燥風の吹出し方向又は吸込み方向に該乾燥風を整流する整流部を位置させて設けた瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項2】
乾燥風の上下方向の流れを規制することにより整流を行うように整流部を構成した請求項1記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項3】
ファン(8A),(8B)による乾燥風の吹出し方向又は吹込み方向に対して交差し且つ水平方向に沿う方向への乾燥風の流動を規制することにより整流を行うように整流部を構成した請求項1記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項4】
厚み方向が横方向を向けられた整流板(22)に表裏を貫く通気孔(22a)を複数形成することによって、前記整流部を構成した請求項1乃至3の何れかに記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項5】
通気孔(22a)が方形状をなす請求項4記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項6】
方形状に形成された複数の通気孔(22a)を格子状に配置した請求項5記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項7】
素地(K)を載置して保持する棚(4)を有するとともに横方向の通気性が確保されたラック(6)によって保持手段を構成し、該ラック(6)の側方に前記ファン(8A),(8B)を配置した請求項1乃至6の何れかに記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。
【請求項8】
ラック(6)の両側方にそれぞれ位置させることが可能な一対のファン(8A),(8B)によって乾燥セットを構成し、該乾燥セットの一方のファン(8A)を吹出しファンとするとともに、他方のファン(8B)を吸込みファンとすることにより、該一対のファン(8A),(8B)によって起風される乾燥風の方向を同一方向に設定した請求項7記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置
【請求項9】
搬送可能に構成されたラック(6)の搬送経路に沿って複数の該ファン(8A),(8B)を配置し、搬送経路方向で隣合うファン(8A),(8B)の一方で起風される乾燥風の方向と、他方で起風される乾燥風の方向とを、ラック(6)を基準として、反対方向に設定した請求項1乃至8の何れかに記載の瓦又は陶磁器製造用の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−214312(P2012−214312A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79610(P2011−79610)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(591282205)島根県 (122)
【出願人】(391008283)高浜工業株式会社 (12)
【出願人】(591091663)株式会社石州川上窯業 (8)
【Fターム(参考)】