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生きた反応媒体の分析のための方法及び装置
説明

生きた反応媒体の分析のための方法及び装置

本発明は、1つ以上の細胞を含む反応媒体の分析のための方法及び装置に関し、これは、自動化された高スループットの分析を実施するために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の細胞を含む反応媒体の分析のための方法及び装置に関し、この方法及びこの装置は、自動化された高スループット分析を実施することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
現在、生物学的研究において、特に薬学的分野において、細胞集団の表現型、より詳細には、これらの細胞集団に及ぼされる1つ以上の刺激に反応したプロテオームを分析する試みが、それらが適用された細胞上のこれらの刺激の影響を評価するために、なされてきた。この分析は、生きた反応媒体(細胞集団)上での反応、及びこれらの反応媒体の分析を、情報の損失又は変質(transformation)を制限するために、これら2つのステップの間で反応媒体にゆがみ(distortion)が無い(又は可能は限り小さい)ような条件下で、実施するための道具を必要とする。
【0003】
この研究分野において、サンプルプロセシングの処理量に関して増大する要求が存在する。増大する数の分子が、試験されるために利用可能であり、益々多様な細胞系(組織、ネットワーク、細胞)が、研究されるために利用可能である。
【0004】
従って、生きた反応媒体を分析するための道具についての必要性が存在し、それは、可能な限りの客観性(objectivity)、及び可能な限り高いプロセシング速度で、これらの反応媒体を研究することを可能にする。
【0005】
マトリクス支持体上で細胞集団を培養すること及び質量分析法による分析を連合する本発明は、これらの期待を満足すことを可能にする。
【0006】
現在、表現型のスクリーニングは、事実上、比色法、或いは、蛍光又は放射性分子を用いて実施される。これらの方法は、特定の分子のラベリングを必要とし、これは、調査されるタンパク質が、事前に知られていなければならないことを意味する。本発明は、刺激の後の細胞の予想される変化の如何なる事前の知識をも必要としない。
【0007】
今日の多くの方法は、ある程度(more or less)速いスループットで、1つ以上の細胞の表現型をある程度直接的に分析することを可能にする。
【0008】
細胞を直接的に使用する分析は全て、共通の作動原理(operating principle)を有するが、アウトプットにおいて分析されるシグナルに関して異なり、それは以下の表現型を示す:
− 光学的なシグナル:蛍光、ルミネセンス、比色。
【0009】
− 放射性シグナル: ラベルされた分子。
【0010】
− 電気的シグナル: 電気生理学。
【0011】
これらの様々な分析方法は、一般的にプラスチックウェルフォーマット(プレート毎に96又は384のウェル)において実施され、これはまた、多量の試薬を必要とし(96−ウェルのプレートにおいて、ウェル毎に、0.1〜0.5ml)、中程度のスループットのみを可能にする。
【0012】
更に、シグナルは、表現型を直接的に表すのではなく、多くの場合複雑である較正を必要とする。
【0013】
更に、抗体取り込み法(antibody uptake methods)の手段以外、細胞の分泌物を直接的に分析することは困難である。
【0014】
種々の表現型の分析は、単一のパラメーター(既知の分子)に基づいてのみ行われ、これについて、目的はそれが存在するか否かを実証することである:初めにどの分子が探索されているのかを知ることが必要である。例えば、目的が、細胞中の分子の存在を研究することである場合、特定の抗体に結びつける、又は分子を蛍光処理するために、開始時に、この分子の種々の性質のかなり正確な知識を有することが必要である。タンパク質の翻訳後の変化を探すことも可能であるが、特定の変化をターゲットにすることによる。
【0015】
これら種々の方法の性能及び処理速度の限界(limit)に関する研究が、非常に高いスループットの取扱いにより適したフォーマットの開発に導いた。この研究結果の第一の例は、DNAチップである:細胞集団(刺激後)によって発現されたメッセンジャーRNAは、この発現に潜在的に相補的なDNA断片を含むマトリクス支持体(又はチップ)上のデポジット(deposits)の形態としてスクリーニングされる。この方法は、チップ上の数千の遺伝子の発現レベルを評価することを可能にする。
【0016】
しかし、結果は、多くの場合、第一の分析の後のより詳細な調査を伴わずに、満足し得る程十分に実証的ではない。事実、この方法は、サンプルのプロセシングステップ(RNAの量の回収及び増幅、逆PCR)を含み、これは、目的の細胞モデルから遠ざかる。更に、それは、RNAの発現レベルを分析することのみを可能にし、特に、翻訳後の変化(非定型的スプライシング、変化された四次3Dコンフォーメーション(quaternary 3D conformation)、リン酸化、会合(assembly))に起因して、それは、生産されたタンパク質の量にも、その質にも直接的に関連しない。
【0017】
他の分子チップは、細胞培養物中の種々の分子の発現レベルを直接的に分析することを試みることによって、このディスタンシング(distancing)を克服しようと試みる。従って、種々の分子が、チップフォーマットにおいて、支持体上のマトリクスの形態で配置された:例えば、RNA、タンパク質、糖。残念ながら、使用された技術は、それ程信頼できるものではなく、細胞の表現型よりもむしろ分子間の相互反応を分析することを意図される。
【0018】
最後に、チップ上で分析される異なる分子の数が大きいが、選択は、支持体上に配置される分子と関連して既に決定されている。このアプローチは、探索される表現型の事前の知識を意味し、これは、分析の可能性を制限する。
【0019】
細胞チップに関して、それらは、Sabatini等によって説明されてきた。これらの細胞チップは、以下の方法で機能する:DNAが、スライドガラス上のゼラチン中に(マトリクスとして)分散液の形態で配置される。乾燥後、DNAを含むポジションは、脂質ベースのトランスフェクション試薬で処理され、プレートは、次いで、細胞が分配される媒体中に置かれる。スライドガラス上で、ゼラチン化したDNAは、固形状で存在し、トランスフェクションは、準固形相において、DNAデポジット近傍の分子を、DNAデポジット近傍の細胞中へのDNAの浸透を促進する脂質に結合させることによって、起こる。DNAデポジットに対応するポジションのトランスフェクトした細胞のマトリクスが得られる。この方法は、あまり正確でなく、再現性がないという欠点を有する。ゼラチンによる付着は、トランスフェクトしたDNAの脱着を調節することを可能にしない。それは、トランスフェクションに効率を改善することも可能にしない。この方法を使用して、十分な量のタンパク質の発現又は発現のブロッキングを得ることは困難である。各スライドガラスについて、1タイプの細胞のみが使用し得る。この手段によって、細胞間の相互作用又は細胞とDNA以外の試薬の間の相互作用を研究することは、可能ではない。
【0020】
上記に列挙した分析方法と比較して、質量分析法は、検出されるシグナルと細胞の表現型(細胞によって発現される分子及びそれら各々の量)の間の関係について非常により有利であるツールを構成する。実際、それは、分子の完全な状態を変化することを必要とせずに(例えば、分子のラベリングによって)、サンプル中に存在するタンパク質の量を直接的に測定することを可能にする。原理は、固体の支持体から脱着すること及び分析されるサンプルの分子をイオン化することにある。次いで、このようにして生み出された粒子の質量/電荷比が、記録される;それは、脱着した分子の特徴を示す。
【0021】
細胞生物学及びプロテオミクスにおける、現在それによって作られる用途において、多くのサンプル処理が必要であり(例えば、細胞溶解、サンプルの精製、MALDI分光分析のためのマトリクスの導入)、なぜなら計測(instrumentation)によって差し当たり与えられる特異性及び正確さは、サンプルの直接の分析を可能にせず、その質は、十分高いレベルに制御されない。これらの処理は、分析に偏りをもたらし、これはもはや細胞の表現型を実際に示さない。
【0022】
更に、これらの方法の実施及び既存の器具の使用は、非常に低いサンプル処理のスループットのみを可能にする。
【0023】
細胞モデルに少しより近い、多少複雑なサンプルについて質量分析法を使用する、新たなシステム(“表面増強レーザ脱離イオン化(surface enhanced laser desorptionionization)としてSELDI)が、近年開発された。このシステムの長所は、正確な分析を得るために必要な幾つかの精製を、マシンへ入る支持体上で直接的に実施する能力によりもたらされ(支持体の表面における、選択的且つ方向付けられた吸着)、これはサンプル処理を短縮すること及び簡単にすることを可能にする。
【0024】
このシステムは、疾患のマーカーの発見において特に使用される:病気の集団からのサンプルは、正常な集団からの他のものに対して分析され、その違いが独自のプログラムの手段によって分析される;これは、疾患についてのマーカー(従って、潜在的に有利な標的)を同定することを可能にする。この方法は、サンプルの実際に全体的な分析を実施することを可能にする:疾患についてのマーカーとなる分子は、事前に知られていない。
【0025】
しかし、優れた結果を得るために、サンプル処理は、依然として必要である(細胞溶解、洗浄、及び精製)。例えば、細胞は基質から離れて培養され、これは、制御されないサンプルの移動バイアスを意味する。更に、分析のスループットは、依然として低い:このシステムにおいて使用され得るチップは、今日まで16の異なるプロットしか含むことができない。
【0026】
質量分析法に関する幾つかの文献が、生きた反応媒体の分析に関連する:
− 文献US−2002/0160420は、幾つかの精製ステップを経たヒトの血清のサンプルの質量分析法による分析を記載する。
【0027】
− 文献US−2002/0076739は、混合物中のタンパク質を分析するための方法を記載する。あるペプチドに特異的にラベルされた試薬が、タンパク質混合物と反応し、反応した分子が単離され、次いで質量分析法によって分析される。
【0028】
− 文献DE10038684は、MALDI−TOF−MSシステムを使用して微生物を同定するための方法を記載し、そこにおいて、同定される微生物のサンプルのスペクトルは、参照スペクトルのデータベースと比較される。
【0029】
− 文献US−6,531,318は、生物学的組織を分析するための方法を記載し、この方法は、レーザーを用いた顕微解剖から成るステップを含み、この顕微解剖は、細胞凝集物を選択することを可能にし、質量分析が続く。
【0030】
− 文献WO00/48004は、細胞材料を分析するための装置を記載する。細胞は、培養され、クロマトグラフィー以外の方法によって精製され、次いで質量分析計中に注入される。
【0031】
この方法は、細胞培養サンプルの取扱いを必要とし;特に、精製はその方法において、サンプルの特定の成分を取り除くステップであり、取り除かれる成分の選択は、完全には制御されていない。
【0032】
− 文献WO02/103360は、細胞の表面におけるタンパク質を分析するための方法を記載し;この方法は、細胞をその表面において物質と反応させること及び、質量分析法によってそれを分析することを含む。
【0033】
− 文献WO01/65254は、種々の生物の組織又は細胞中に存在する物質の化学的構造を同定するための方法を記載し、この方法は、物質をイオン化し、そのマススペクトルを測定するための、生きた組織又は細胞のセクションの正確な領域の照射(irradiation)及びその構造を明確にするための、このスペクトルの分析を含む。
【0034】
− 文献WO02/101356は、ミトコンドリアタンパク質を分析するための方法を記載する。ミトコンドリアを構成するタンパク質は、2次元のゲル電気泳動によって分離され、次いで質量分析法によって分析される。
【0035】
− 文献WO01/84143は、少量の時間で多数のタンパク質を分析するための方法を記載する。細胞は、刺激に供され、溶解され、そして数百のタンパク質のバッチを得るために、サンプルは分割され、これらのバッチは、次いで同時に一連の分光計を用いた質量分析法によって分析される。
【0036】
質量分析法による生きた反応媒体を分析するための方法は、全て1つ以上の精製、及び/又は、ハンドリングステップを含み、それらは結果として情報の損失を生じ、及び/又は、それらは、十分に確立された分子の研究を意味し、一方で本発明の1つの目的は、生きた反応媒体によって発現されるデータに関する如何なる拘束のない分析を得ることであった。
【0037】
更に、先行技術のこれらの方法は、それらが包含する精製及び/又はハンドリングステップのために、高スループットの処理ためにあまり適していない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0038】
先行技術と比較して、本発明の方法及び装置は、多くの利点を有する:
− 同一のチップ上に配列される種々の細胞の分類(assortment)に働く可能性、
− 同時に配置される種々の細胞系
− 分析に偏りを生じさせる傾向のあるステップの除去又は制限(例えば、精製、細胞溶解、1つの媒体からもう1つへのサンプルの移動)、
− 少ない時間での非常に多くのサンプルを分析する可能性、
− 細胞によって発せられる情報に関してゆがみのないデータを得ること。
【0039】
従って、本発明の主題は、少なくとも1つの細胞Cを含む少なくとも1つの反応媒体を分析するための方法であり、前記の方法は、以下において特徴付けられる:

(i) 該細胞Cは、実質的に平坦な表面を含む支持体S上に、前記表面上の水滴の形態で配置される;
(ii) 該細胞Cを含む水滴が配置された支持体Sの実質的に平坦な表面は、必要に応じて分離フィルムFで覆われ、これは、ガスの通過を可能にし、支持体S上に配置された水滴の蒸発を妨げる;
(iii) 該細胞Cは、必要に応じて刺激に供される;
(iv) 該反応媒体は、調製され、質量分析計中に導入される;
(v) 該反応媒体は、脱着され、イオン化される;
(vi) 該反応媒体のマススペクトルは、記録され、分析される。
【0040】
本発明の主題はまた、少なくとも1つの細胞Cを含む少なくとも1つの反応媒体を分析するための装置であり、この装置は、それが以下を備えることにおいて特徴付けられる:
− 支持体Sは、必要に応じて、ガスが通過することを可能にし、支持体S上に置かれた液滴の蒸発を防ぐ分離フィルムFで覆われる実質的に平坦な表面含む、
− 前記の表面上、及び必要に応じて、フィルムFの下に、細胞Cを含む水滴を配置するための手段、
− 該反応媒体を脱着及びイオン化するための手段、
− 質量分析計。
【0041】
本発明の装置はまた、必要に応じて、細胞Cの生存を可能にするために、支持体Sが配置される、制御雰囲気のチャンバ(controlled- atmosphere chamber)を含み得る。
【0042】
細胞Cが供される刺激は、性質が変化し得る。それは、以下からなっていてもよい:
− 試薬Rの導入、
− 1つ以上の細胞と接触させられること、
− エネルギーの供給、
− 電場又は磁場の適用、
− 光学的処理による刺激。
【0043】
細胞Cへの試薬Rの導入のために、幾つかのバリアントが存在する:
第一のバリアントに従うと、細胞Cを含む水滴は、支持体S上に配置され、試薬Rを含む第二の水滴が、任意の適した注入手段を用いて、細胞Cを含む液滴中に直接的に注入される。このようなバリアントは、図1に図示される。
【0044】
第二のバリアントに従うと、第一の水滴は支持体S上に配置され、次いで第二の水滴が、同一の支持体上の第一の近傍に配置される;これらの液滴の1つは、細胞Cを含み、他方は試薬Rであり、試薬Rと細胞Cとの反応及び、必要に応じて、その細胞Cへのトランスフェクションは、2つの液滴の融合によって引き起される。これらの液滴の移動及び融合は、支持体中の振動によって、電気的にチャージした液滴の電気泳動移動(electrophoretic displacement)によって、又は機械的若しくは光学的なクランプ(clamps)の手段で得られ得る。それはまた、支持体の表面特性の修飾によって得られ、電場若しくは磁場の適用によって、又は適切な熱の若しくは光学的な処理によって引き起され得る。このようなバリアントは、図2において図示される。
【0045】
第三のバリアントに従うと、試薬Rは、支持体S又はフィルムFに付着され、細胞Cは、支持体S上へ水滴の形態で配置され、次いで試薬Rは支持体S又はフィルムFから脱着され、それが細胞と反応し、必要に応じて細胞中にトランスフェクトされるためである。このバリアントは、図3及び7において図示される。
【0046】
本発明において、“トランスフェクション”という用語は、試薬の分子の(それが何であれ)細胞中への浸透を示すために使用される。
【0047】
反応媒体の刺激が試薬Rの分子の導入を含む場合、Rと非混和性であるように、分離フィルムFが選択される(それが存在する場合)。
【0048】
エネルギーを供給するための手段の中で、熱処理の手段が特に挙げられ得、それは、例えば、支持体Sの近傍に配置され、又はこの支持体に付着され得る加熱装置からなり得、それは、小滴を適切な温度にすることを目的とする。例えば、加熱手段は、液滴を受容する手段としても働く導電性ワイヤからなり得る。
【0049】
光学的処理の手段は、特に、紫外線を用いた処理のための手段であり、後者は、DNAの相補鎖間又はDNA及びタンパク質の間の架橋を誘導すると知られている。
【0050】
1つ以上の他の細胞と接触させることは、相互作用する能力のある細胞のネットワークを構成するために、反応媒体中への1つ以上の他の細胞を導入することにある。
【0051】
第一のバリアントに従って、細胞Cを含む水滴は支持体S上に配置され、1つ以上の他の細胞を含む第二の水滴は、任意の適切な注入手段を用いて、細胞Cを含む液滴中に直接注入される。細胞の液滴のデポジションの順序は、勿論、逆にされ得る。
【0052】
第二のバリアントに従って、第一の水滴は、支持体S上に配置され、次いで第二の液滴は、同一の支持体上の第一の近傍に配置され、これらの液滴の1つは、細胞Cを含み、他方の液滴は1つ以上の他の細胞を含み、細胞間の相互作用は、2つの液滴の融合によって引き起される。液滴の移動及び融合は、支持体中の振動によって、電気的にチャージした液滴の電気泳動移動によって、又は機械的若しくは光学的なクランプの手段によって得られ得る。それはまた、支持体の表面特性の変化によって得られ、電場、磁場、熱処理、又は光学的処理の適用によって引き起こされ得る。
【0053】
好ましくは、支持体Sは、シリコン、ガラス、又は、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロカーボン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はポリスルホン等のポリマーで作られ得るプレートからなる。
【0054】
本発明に従って、液滴の支持体への付着は、表面張力に起因して起こる。好ましくは、支持体Sは、水滴を受容するための少なくとも1つの手段を備えた、実質的に平坦な表面を有する。
【0055】
好ましくは、水滴を受容するための手段は、サイズが5μm〜5mmの範囲である支持体Sの実質的に平坦な表面の領域で構成される。
【0056】
第一バリアントに従うと、支持体Sは、その平坦な表面上に疎水性の性質を示し、前記の受容手段を構成する1つ以上の親水性の領域を含むことが想定され得る。もう一つのバリアントに従うと、支持体Sが、その平坦な表面上に、深さが1ミクロン〜1ミリメーターの範囲のキャビティを含み、前記の受容手段を構成することも想定され得る。支持体Sが、その表面上に配列され、液滴の付着を促進することを目的した、1ミクロン〜1ミリメーターの小さな厚みのアウトグロース(outgrowth)を有するプレートであることも想定され得る。最後に、支持体Sは、液滴が付着する少なくとも1つのワイヤを有するプレートであることが想定され得る。同一の受容手段上に2つの液滴を配置することは、これら2つの液滴の融合、そして、従って、試薬Rと細胞Cの反応を促進する。好ましくは、支持体Sは、その平坦な表面上に疎水性の性質を示し、受容手段を構成する1つ以上の親水性の領域を含む。支持体の平坦な表面上に疎水性の性質を与えるために、前記表面は、好ましくは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、即ちテフロン(登録商標)(Teflon)等のポリフルオロカーボン、又は、例えばペルフルオロシラン(perfluorosilane)等のシラン等の疎水性物質で覆われている。支持体の疎水性領域は、例えば、光学において使用される“ブラックシリコン”等のナノメートル規模において窪みのある表面構造で、構成され得る。このタイプの商業的なスライドの例は、Merck Eurolab社のPolylabo事業部によって販売されるスーパーテフロン(登録商標)(superteflon)40−ウェル D2mm免疫蛍光法用スライド(immunofluorescence slides)である。更により好ましくは、支持体は、例えば、疎水性の平坦な表面及び小さな厚みの親水性のアウトグロース、又は図6において図示されるような、疎水性の平坦な表面及び親水性のウェル、又は疎水性の平坦な表面及び親水性のワイヤー等の、液滴を受容するための第一の上に重ねられた第二の手段も含む。
【0057】
支持体は、質量分析法のために慣用的に使用される支持体から採用され得る:それは、伝導性であっても(例えば、スチール)なくてもよい層を含み;それは、少なくとも受容手段上で、脱着を促進する物質で覆われていることが想定され得る。このような支持体は、市場に存在し、例えば:
− Ciphergen Inc.社によって販売されるSELDIチップ(“ProteinChip(登録商標)アレイ”)(例えば、NP20モデル)は、表面が活性のある(親水性)ホールをあけられた薄い疎水性層を含む;
− BrukerDaltonics Inc.社によって販売される“AnchorChipTM”支持体は、親水性のアウトグロースが配置された疎水性の表面を含む。
【0058】
液滴マイクロ流体(droplet microfluidics)の原理を用いて、液滴をその表面上で変化させるために、支持体は活性でもあり得る。これは、液滴を制御された様式で移動させるために、支持体の表面特性を動的に修飾することを意味する(例えば、表面張力/エネルギーにおける変化)。従って、細胞培養物の液滴は、支持体中で実施される種々の反応ステップを通過し得る:共に近い2つの液滴を融合することが可能である(例えば、1つは試薬を用いて、もう1つは細胞を用いて)。
【0059】
このタイプの支持体を生産するために、Shenderov等(“Electrowetting−based actuation of liquid droplets for microfluidic applications”, Applied Physics Letters, vol.77, No.11, P.1725−1726, September 2000)は、電場が適用される時の、疎水性層の表面エネルギーの変化の使用を説明する:該場の強度に伴って表面張力が減少し、表面は、より疎水性でなくなり、又は親水性にさえなる。電場の制御及び移動は、この表面上で液体の液滴を移動することを可能にする。この方法は、Nanolytics社によって特許化されているが(Shenderov et al., “Actuators for microfluidics without moving parts”, No. US6,565,727; 2003)が、細胞培養物の使用はない。
【0060】
これらの表面特性が変化され得るもう1つの方法は、支持体の表面層の物理化学的な修飾から成り、依然として電位を使用する。例えば、Lahann等(“A reversibly switching surface”, Science, Vol. 299, p.371−374, January 2003)によって実証されるSAM層のコンフォーメーションにおける変化(少なくとも1つの親水性末端及び1つの疎水性鎖を含む“自己組織化単層(self-assembled monolayer)”(例えば、修飾されたチオール)は、表面層中の分子の真っ直ぐなコンフォーメーション(その時は親水性の性質である)から、湾曲した構造(ここにおいて、それは疎水性の性質である)になることを可能にする。
【0061】
同様に、温度が、支持体の表面特性を変化させる手段として使用され得る。Liang等(“Preparation of Composite−Crosslinked Poly (N−Isopropylacrylamide) Gel Layer and Characteristics of Reverse Hydrophilic−Hydrophobic Surface” Journal of Applied Polymer Science 72:1, 1999)は、低温(<30℃)において親水性であり、これよりも高いと疎水性であるポリマーを記載する。基板の下の温度の局所的な制御のシステムを統合することによって、表面特性を制御することが可能である。
【0062】
光が当てられるか否かに従って(電磁場)、表面層の性質が変化する、支持体を設置することも可能である。Ichimura等(“Light−driven motion of Liquids on a photoresponsive surface”, Science Vol. 288, p. 1624−1626, June 2000)は、このような表面を記載する:ポリマーの層(カリックス[4]リゾルシナレン)(その末端基(アゾベンゼン)は、非対称な光照射(asymmetric photoirradiation)後に、異性コンフォーメーション(isometric conformation)を変化し得る)。トランスコンフォーメーション(親水性層)におけるこれらの環状基が、UV照射(365nm)に曝された場合、それらは、シスコンフォーメーション(疎水性)に変化する。この反応は、青色光(436nm)を使用して可逆的である。ポリマー層を選択的に及び漸進的に照らすことによって、制御された様式で液滴を移動することが可能である。
【0063】
本発明のバリアントに従って、試薬Rは、細胞Cを含む水滴を配置する前に、支持体Sに付着される。このような装置は、他の使用のために、当業者に知られている:それらは、以下に記載されるようなDNAチップである:
− Eisen M.B., Spellmann P.T., Brown P.O., Botstein D. Cluster analysis and display of genome−wide expression patterns, Proc Natl Acad Sci USA. 1998 Dec. 8; 95(25) 14863−8;
− Haab B.B., Dunham M.J., Brown P.O., Protein microarrays for highly parallel detecting and quantitation of specific proteins and antibodies in complex solutions, Genome Biol. 2001 Jan 22; 2(2): RESEARCH 0004.1−0004.13;
− Livache T., Bazin H., Caillat P., Roget A., Electroconducting Polymers for the construction of DNA or peptide arrays on silicon chips, Biosens Bioelectron. 1998 Sep 15; 13(6): 629−34.
同一の原理が、ポリヌクレオチド以外の分子に応用し得る。分子チップは、以下において記載される:Kuruvilla et al., Glucose signalling with small molecule microarrays, Nature (2002), 416 p. 653.全ての場合において、試薬分子は、第一にチップに付着される(例えば、スライドガラスへの共有結合(covalent attachment)による)。本発明に従って、分子は、必要に応じて、細胞を含む水滴を分子チップ上に配置した後に、脱着され得る。
【0064】
試薬分子の脱着は、以下の手段の一つによって、既知の方法において、実施され得る:
− 支持体に試薬を結合させるためのサイトを使用するUV−光開裂(UV-photocleavage)であり、これは、図5において図示されるように、光開裂可能である(photocleavable)。
【0065】
更に、試薬がポリヌクレオチドだけである場合:
− 制限酵素又は他のヌクレアーゼを用いた、二本鎖DNAの開裂、
− ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー(stringency)の変更:塩濃度、温度、又は媒体の酸化還元条件における変化は、2つのDNA鎖を分離することを可能にする。
【0066】
特定の場合において、試薬Rが基板に付着し続けることが想定される。
【0067】
本発明に従って、支持体Sの実質的に平坦な表面は、分離フィルムで覆われ得、これは、以下の3つの機能を行う:
− それは、水滴の所望されない融合を防止しなければならない、
− それは、支持体上に配置された水滴の蒸発を防止する、
− それは、ガス、特にO及びCOが通過することを可能にし、後者2つの機能は、細胞がそれらの液滴中で生き延びることを可能にするためである。
【0068】
フィルムFは、性質において変化し得る:
− それは、例えば、油等の水非混和性の液体であり得る。現在まで、特定の細胞を保存するために、油をどのように使用するのか知られていた;しかし、それは細胞上で反応を実施するために、決して使用されなかった。本発明に従った方法及び装置において、使用され得る油の中で、特に鉱油及びシリコーン油が挙げられ得る。液体として、例えば、オクタンなどの、処理される化合物(細胞及び試薬)と非混和性である有機溶媒を使用することも可能である。好ましくは、軽油が使用される;
− それは、例えば水分で飽和された空気等のガスでもあり得る;
− それは、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)フィルム、又はニトロセルロースフィルム等の、後に柔軟性のある(flexible)、固体のフィルムであり得る;
− 最後に、それは、多孔性材料で作られるハニカム状のカバーであり得、キャビティのサイズは、細胞及び、必要に応じて、試薬の液滴を包含し得るように、調節される。本発明のバリアントに従って、硬いハニカム状のカバーは、各々のキャビティにおいて、試薬分子を用いて官能化され得、従って、細胞の液滴がキャビティに対して対称的な(symmetric)様式で配置された支持体と接触するように定められた分子チップ又はヌクレオチドチップを構成し得る。本発明のこのバリアントは、図7において図示される。
【0069】
分析される反応媒体の質量分析計への導入の前に、分離フィルムが、それがこの分析のステップの実施を損なう傾向がある場合、除去される。
【0070】
分離フィルムが無い場合、或いは後者が気体又は液体である場合、細胞又は試薬を含む液滴は、図1において図示されるように、ファインキャピラリー(fine capillaries)の手段によって、有利に、支持体S上に配置される(必要に応じて、分離フィルムの下)。好ましくは、これらのキャピラリーは、液滴の容量の制御を可能にする、ポンプ又はシリンジポンプに接続される。
【0071】
細胞及び試薬は、例えば、DNAチップの製作のために使用されるもの等の慣用のシステムを用いても分配され得る。例えば、キャビティを圧縮し、液滴をノズルを介して排出するための圧電システムが挙げられ得る。この主題について、N. Takada et al., Proceeding of the SID, Vol. 27/1, 1986, 31−35が参照され得る。
【0072】
好ましくは、排出された液滴は、それらの排出速度によって、及び/又は重力によって液体又は気体のフィルムを通過し、この液体又はこの気体は、配置される溶液よりも軽い。分離膜が、固体のフィルム又は硬いカバーである場合、それは、細胞及び、必要に応じて、試薬の水滴の、上記に説明されるのと同一の手法による配置の後、支持体上に配置される。
【0073】
水滴の移動及び融合は、支持体中の振動、電荷を帯びた液滴の電気泳動的又は電磁気的な変位、又は機械的又は光学的なクランプの手段によって、得られ得る。それはまた、支持体の表面特性の変化によって得られ、電場又は磁場の適用によって、熱処理又は光学的処理等によって引き起こされ得る。
【0074】
好ましくは、装置の支持体Sは可動であり、それを第一の配置手段から第二の配置手段へ、そして必要に応じて他の配置手段へ移動させるためであり、更に、それを質量分析計に移動させるためでもある。支持体Sは、特定の場合において、その2つの末端において、ローラーに付着した固体のフィルムで構成され得、このローラーは、フィルムの変位、及び、従って、その上に配置された液滴の移動を可能にするために、巻き上げる手段を備えている。
【0075】
一般的に、本発明に従った方法は、第一のシリーズの液滴の支持体S上への配置後に(それらが細胞の液滴、又は試薬の液滴であることに関係なく)、支持体Sの移動を想定する。本発明に従って、支持体Sは、制御された雰囲気のチャンバ中の配置され得、その温度、湿度、及びCO含量は、細胞が生き延びることができるように調節される。
【0076】
このような装置は、特に、制御された雰囲気のインキュベータである。このような装置における温度は、35〜42℃の範囲であり得、好ましい温度は、36.5〜37.5℃である。温度の変化は、特に、細胞分化を誘導するために使用され得る。
【0077】
COレベルは、好ましくは、3〜5%に維持される。酸素Oのレベルは、好ましくは、周囲の空気(ambient air)のものである。
【0078】
例えば、37℃、95%の空気、5%のCO及び97%の湿度のインキュベータ中の支持体S上の水滴中に細胞を維持することを、想定し得る。
【0079】
一般的に、細胞の液滴及び分離フィルムが配置された支持体のみが、制御された雰囲気のチャンバ中に配置されることが想定される。しかし、本発明の装置の他のエレメントが、必要な場合、このチャンバ中に配置され得る。
【0080】
有利なことに、1つ以上の細胞、細胞組織、又は細胞ネットワーク(cell network)を含む水滴が、培養培地を含むことを想定することができる。
【0081】
事実、細胞培養物の確立は、細胞のそれらの増殖を維持する能力、及び、従って、それらの生育に必須の条件に依存する。
【0082】
有利なことに、細胞の水滴は、Gibco BRLによって、カタログリフェレンス第12000−022として販売される、MEM,即ち最小必須培地を含むことが想定される。
【0083】
培養培地は、例えば、子牛の血清などの他の成分、培地の無菌性を制御するための、例えば、ペニシリン等の、1つ以上の抗生物質も含み得る。
【0084】
細胞分化を誘発する、例えば、ブロモデオキシウリジン等の、化学薬剤(chemical agent)を、培養培地中で使用することも、想定することができる。
【0085】
細胞Cが培養される水滴が、例えば、寒天又はゼラチン等の任意の公知ゲル化剤を使用して、ゲル化されることも想定することができる。
【0086】
有利なことに、細胞、又は細胞組織、又は細胞ネットワークを含む水滴、及び/又は試薬を含む水滴が、例えば、リポソーム等のトランスフェクションを促進するための1つ以上の成分を含む。このようなトランスフェクション剤は、特に文献WO01/20015及びWO98/33932において記載される。
【0087】
トランスフェクションを促進するための他の手段も本発明の装置において使用され得、例えば:エレクトロポレーション又はマイクロプレシピテーション(microprecipitation)である。当業者に十分に知られる、これらのトランスフェクション方法は、http://opbs.okstate.edu/~melcher/MG/MGW4/MG43.html.において特に説明される。
【0088】
この装置が、支持体上に配置される1つ以上の液滴に焦点を合せた検出の手段を含むことも想定され得る。
【0089】
この検出の手段は、特に、1つ以上の液滴中に含まれる細胞、又は1つ以上の液滴の蛍光又は放射能を測定するための装置である。
【0090】
本発明に従った装置において使用される手段は、好ましくは、制御装置に接続され、本発明に従った装置及び方法を自動化することを可能にする。
【0091】
本発明に従った装置及び/又は方法の使用は、多くの利点を有する:非常に少量の材料が、使用され得る:液滴毎の単一の細胞が、トランスフェクション実験を実施することを可能にし、マススペクトル分析(mass spectrometry analysis)を実施するために十分である。1マイクロリットルよりも少ない、好ましくは、1〜500の細胞を含む0.1〜1000ナノリットル、更により好ましくは、1〜10の細胞を含む0.1〜10ナノリットルの非常に小さな液滴の容量で、実施することが可能である。有利には、1〜100の細胞を含む液滴が使用される。より大きな容量、特に、1マイクロリットルよりも大きい(500〜100000の細胞を含む10〜100μl)もので実施することを想定することも可能である。この方法は、少量の試薬を使用することも可能にする。分離フィルムFは、細胞の培養培地のガス交換及びその無菌性を制御することを可能にする。それは、共に反応することが意図されない液滴を分離することも可能にする。分離フィルム下の液滴の形態の細胞培養物は、それらの細胞活性の如何なる顕著な変更が観察されることなく、少なくとも24時間、そして数日に及ぶまで保存され得る(細胞の増殖及び生育に対する顕著な影響なく)。
【0092】
本発明に従った方法及び装置は、一連の反応を実施することも可能にする:
各々が、少なくとも1つの細胞を含む幾つかの水滴が、支持体S上に配置され得、前記の液滴は、互いに分離されている。好ましくは、これらの液滴の各々は、異なる受取り手段に配置される。全ての細胞が同一であり得るが、異なる細胞(少なくとも2種類の異なる細胞)を種々の液滴中に配置することを想定することも可能である。適切な試薬を含む1つの液滴と目的の細胞を含む液滴との融合を可能にするために、試薬を含む液滴は、細胞を含む各々の液滴の近傍に配置される。試薬の液滴を、細胞の液滴各々の中に直接的に注入することを想定することも可能である。多数の反応を実施するために、マトリクスの形態において、均一に配列された、液滴を受取るための手段を含む支持体が、有利なことに、この方法を自動化させるために想定される。
【0093】
有利なことに、細胞及び試薬の水滴を配置するための支持体及びキャピラリーは、この方法が自動化されることを可能にするために、制御手段と接続される。
【0094】
本発明に従った方法及び装置は、従って、同時に且つ自動化された様式において、細胞上での試薬の多数の反応を実施し(試薬及び細胞の性質を変化させながら、一方で同時に極めて少量で実施ながら)、次いでこれらの反応の結果を分析することを可能にする。
【0095】
この方法を用いて研究することが有利であり得るこれらの細胞の中で、特に以下が挙げられ得る:
− 初代細胞(primary cells)、
− ハイブリドーマ、
− 細胞系:細胞は、際限なく永続し、このようにして、系を形成し得る、
− 幹細胞:それらは、動物又はバイオプシーから採取したサンプルから得られる。
【0096】
− 細胞組織片(この細胞は、個別化されていない)、
− 上記の示される種々のタイプの細胞の混合物。
【0097】
細胞は、公知の様式で(水性)培養培地において培養される。異種の細胞を数日間培養すること、及びこの混合物を使用することも可能である。
【0098】
本発明のバリアントによれば、同一の支持体上で反応される全ての細胞が同一である場合、その手順は、以下の方法で実施され得る:支持体は、親水性領域を備える疎水性プレートであり、それは細胞を含む水溶液中に浸漬され、次いで、それをこの溶液から取り出され、過剰な液体を流出させる。細胞を含む培地の液滴は、親水性領域中に保持される。このステップに、分離フィルムFの層を配置すること、及び試薬または他の細胞を含む液滴を配置することが続く。フィルムFの性質(流体又は固体)に依存して、それは、試薬又は他の細胞の液滴の配置の前または後に、配置される。
【0099】
本発明に従った方法及び装置において使用され得る試薬Rの中で、以下が挙げられ得る:
全ての性質の化学分子、特に無機分子、天然の有機分子、有機合成及びコンビナトリアル合成から誘導される分子、生物学的サンプルから抽出される分子、並びに合成によって修飾された、生物学的サンプルから抽出される分子。特に、以下のポリヌクレオチドが挙げられ得る:一本鎖及び二本鎖のRNA分子、一本鎖及び二本鎖DNA分子;ペプチド−核酸キメラであるPNA(ペプチド核酸)分子;リボザイム;二本鎖干渉RNA又はタンパク質及びペプチド。タンパク質の中で、転写因子が最も特別に挙げられ得る。
【0100】
試薬分子が、配置される用意のある溶液中で配合され得る。これらは、支持体上への配置の後に、例えば、インサイチュでの合成、特に、有機合成、又は液滴中でのインビトロでの転写によって、直接的にも調製され得る。プリオンタイプ分子もまた、細胞へのそのトランスフェクションの前に、ペプチドポリメラーゼ連鎖反応、即ちPCRによって、液滴中で得られ得る。核酸分子が使用される場合、それらは、核酸PCRによって調製され得る。既に上記に開示されるように、この試薬も支持体に付着され得る。
【0101】
DNAが試薬として使用される場合、それは、有利には、沈降形態である。例えば、リン酸カルシウムが、公知の様式において使用され得る。DNA沈降は、支持体上に配置された水滴中で、適切な試薬の液滴との融合によっても実施され得る。
【0102】
本発明に従った装置及び方法のバリアントに従って、融合させることを意図した幾つかの連続的なデポジットを作ることを想定することが可能である:
同一の細胞をトランスフェクトすることを意図した幾つかの試薬を連続的に配置すること、及びそれらの累積的な効果を観察することを想定することが可能である;
インビボで遭遇する条件に可能な限り近づけるために、同一または異なる細胞の細胞ネットワークを再構成するために、幾つかの細胞の液滴を配置すること、及びそれらを融合させることを想定することも可能である。例えば、数個の細胞のスケールで、ニューロンのネットワークを再構成することは、図4において図示されるように、同一の液滴中でこれらを連絡させるために、ニューロンに遭遇する(encountering)グリア細胞か、又は細胞スケールでその挙動(behavior)を模倣するために、皮膚を構成する種々のタイプの細胞の間の相互作用を用いて可能である。
【0103】
コラーゲン層上でケラチノサイトを、同じ液滴中で、共に培養することによって、表皮の挙動を模倣することを目的とした細胞組織を再構成することも可能である。毛包細胞の存在下で皮膚の幹細胞を一緒に培養して、これらの相互作用を研究することも可能である。
【0104】
例えば、組換えタンパク質の生成等の細胞性反応を引き起こすために、第一のタイプの細胞への試薬のトランスフェクションを用いること、次いで別の液滴との融合によって、この第一の細胞集団と別のタイプの細胞集団とを反応させることが可能である。
【0105】
図8において図示される本発明のバリアントによれば、2つの異なる細胞タイプを分離することを可能にするが、これら細胞間の小さい分子の通過を可能にする、分離手段を支持体が備えることを想定することも可能である。このような分離手段は、例えば、血液および頸部細胞の間に存在するバリア等の生物学的バリアを模倣することを意図される。このような分離手段は、有利には、支持体上の受容手段上に配列される。これらを使用するために、分離手段の一方のサイド上に少なくとも1つの第一タイプの細胞を含む水滴を、そして分離手段の他方のサイド上に少なくとも1つの第二タイプの細胞を含む水滴を配置することが想定される。分離手段の何れかサイド上の液滴の融合は、分離手段を通って拡散することができる分子を用いて、細胞間の連絡を可能にする。次いで、この連絡は、任意の手段によって、特に、細胞液滴の融合前または後の、水滴形態における試薬の添加によって研究され得る。これらの液滴の自動化されたトランスフェクションを介して、生物学的多層中でトランスフェクトされた因子の生物学的役割を解析することが可能である。
【0106】
本発明のこのバリアントに従って使用され得る分離手段は、例えば、ニトロセルロースフィルター、ナノホールであなの開いたシリコン、ブロッティングペーパー、クロスフィルター等の人工膜であり;例えば、アガロース、コラーゲン又はゼラチンゲル等の固体ゲルの使用も想定され得る。
【0107】
本発明に従った装置及び方法は、細胞へのコーディングDNAの侵入によって得られる組換えタンパク質の自動化された発現を研究すること、細胞内の遺伝子発現を改変すること(ブロックすること、又は逆に、増加させること)が意図される核酸分子のスクリーニングを実施すること、及びゲノムプロモーター配列を検索することを可能にする。本発明は、異なるタイプの細胞間の相互作用(この相互作用は、液滴の混合によって引き起こされる)を研究することも可能にする。本発明に従った装置及び方法は、全タイプの分子の細胞との反応、特に、全てタイプの分子の細胞への自動化された侵入、の生物学的効果の全体的な観察を得ることを可能にする。
【0108】
本発明のバリアントに従って、支持体S上の反応媒体を、その質量分析計への導入の前に、直接的に処理することを包含する1つ以上のステップを想定することが可能である。これらの処理ステップは、細胞溶解、1以上の洗浄、存在を検出することを目的とする分子に対する親和性を有する分子の吸着又は付着から構成され得る。
【0109】
次に、支持体S上に配置される反応媒体は、それを質量分析計に導入する目的で調製される。
【0110】
この調製は、その特性を保持するために、反応媒体を凍結することにあり得る。それは、熱処理を用いた、又は用いない、バキュームを用いた、又は用いない、例えば、凍結乾燥による乾燥にあり得る。また、例えば、メタノール又はホルムアルデヒド等の薬剤を用いた処理によってそれらを固定することが想定され得る。幾つかの一連の調製ステップの適用が、想定され得る。
【0111】
本発明の方法に従って、質量分析計が、MALDIタイプである場合、質量分析計へそれを導入する目的で反応媒体を調製することは、公知の様式で、例えば、アルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、ニコチン酸、又はシナピン酸等のサイズが小さく、且つ光を吸収する、1つ以上の酸分子の添加を含む。溶液中の前記分子は、分析されるサンプルが、乾燥の後、この分子によって形成される結晶マトリクス中に包含されるように、分析される反応媒体に添加され、これはサンプルの好結果の脱着及びイオン化を確実にすることを可能にする。
【0112】
結晶マトリクスを形成することを意図される分子の溶液は、有利に、混合物全体の風乾(air-drying)時の結晶マトリクスの形成を促進するために、非常に大過剰モルの反応媒体に添加される。他のタイプの分光計が使用される場合、脱着を促進する他の分子が、当業者に知られる様式において使用される。
【0113】
反応媒体が、次いで、脱着され、そしてイオン化される。このステップは、以下から選択される脱着の手段を用いて実施される:レーザービーム、イオンビーム、中性原子のビーム、電子ビーム。脱着/イオン化はまた、液体サンプルの噴霧によって実施され得る。分解能は、ビームのサイズのオーダーであり、脱着することが望ましい反応媒体の非常に正確な標的化を可能にする。複数の反応媒体が支持体S上にある場合、各々のデポジットが標的にされ得、そして従って、連続的に脱着/イオン化され得る。
【0114】
支持体S上に配置される反応媒体各々は、個別に脱着及びイオン化され、そのマススペクトルはまた、個別的及び標的とされる様式において、生成される。
【0115】
支持体Sは、質量分析計中に配置され、この支持体上に配置された各々の反応媒体は、個別に処理される。同一の反応媒体は、検討中の表現型のより完全な分析を与えるために、幾度か処理され得る(数千回のレーザー処理)。
【0116】
マトリクス形態における支持体S上のデポジットの配列は、脱着及びイオン化が自動化されることを可能にする。
【0117】
− 脱着/イオン化の手段として以下の既知のシステムが挙げられ得る:
・ MALDI:マトリクス支援レーザー脱着イオン化及びその対応物
・ SELDI:表面増強レーザー脱着イオン化
・ SIMS:二次イオン質量分析
・ SNMS:二次中性質量分析
・ ESI:エレクトロスプレーイオン化
・ FAB:高速原子衝撃
・ APCI:大気圧化学イオン化。
【0118】
質量測定手段として以下の既知のシステムが挙げられ得る:
・ TOF:飛行時間、
・ MS/MS:MS/MS/MS等について、タンデム質量分析計又は多次元MS
・ 四重極(又は、イオントラップ)
・ FT−MS又はFT−ICR: フーリエ変換質量分析計−イオンサイクロトロン共鳴。
【0119】
少なくとも1つの脱着手段及び少なくとも1つの分析手段を含むこれらの種々の手段の任意の組み合わせが、質量分析計として本発明に従って考えられ得る。
【0120】
各々の反応媒体について得られるマススペクトルは、反応媒体中の公知の分子の同定を可能にするために、マススペクトルのデータベースと比較され得る。
【0121】
細胞培養物のマススペクトルとこの培養物から誘導される反応媒体のものとの比較は、それに適用された刺激の後に細胞培養中に伴った変化を特定することを可能にする。
【0122】
与えられた刺激への細胞又は1セットの細胞の応答における時間にわたる変化は、本発明の方法及び装置を用いて研究され得る:実際、同一の刺激が、同一の支持体S上に連続して配置される一連の同一の反応媒体への時間にわたる間隔において適用され得る。
【0123】
本発明の方法及び装置は、質量分析計イメージングを実施することを可能にする:サンプル中に存在する分子は、サイズの小さい(100μmよりも小さい−使用されるビームのサイズのオーダー)の領域上で選択的に脱着/イオン化され、連続的にサンプルの表面全体に亘る。表面の各々の“ポイント”について、次いで、スペクトルが得られ、これは、サンプルのこのポイント中に存在する分子の相対的な存在量(abundance)(濃度)を説明する。分子の存在量は、得られるスペクトル中のピークの高さ(又はこのピークの下の曲線の領域)によって示される。全てのスペクトルにおいて、1つのピークが選択される場合、蛍光スキャナーについてと同一の方法において、この分子に対するサンプルの“イメージ”を再現することを想定することが可能である:例えば、色のピクセルによってポイントが示され、色のコードが付随し、これは、このポイントにおいて選択されるピークによって説明される分子の存在量を評価することを可能にする;ピクセルのセットは、直ちに解釈可能なイメージを与える。本発明のこのバリアントは、図10において図示される。
【0124】
このプロセスは、スペクトル中に存在する各々のピークについて実施され得、従って、ビームによる表面の単一のスキャンから、サンプル中に検出される関心の分子各々についてサンプルのイメージを再現することが可能である。蛍光スキャナーによる分析は、一般的に、スキャンする前にラベルされた分子を、連続的な様式において、視覚化することのみを可能にする(一分子及び1つのスキャンについて1つのラベリング)。
【0125】
サンプル全体について幾つかのピークを選択することも可能であり、色によって示される各々は、分子の存在量について、より強い又はより弱い。2つの色の重ね合せは、互いに対する物質の濃度割合のイメージを与える。
【0126】
本発明の方法及び装置は、サンプルの全体の分析を実施することを可能にする:
細胞培養物は、それらの分光計への導入のために調製される(例えば、乾燥、低温処理、脱着/イオン化を促進するためのマトリクスの添加)。サンプルは、ビームによって全体がスキャンされる。数多くのスペクトルが記録され、これはサンプル中の種々の物質の存在量の平均を与えるために、合算される。
【0127】
本発明の方法及び装置は、単純化されたサンプルの全体の分析を実施することを可能にする:
表面の全体のスキャニング時に得られるスペクトルの分析を促進するために、それが分光計に導入される前に、活性表面を使用して、チップの上で直接的にサンプルを単純化することが可能である。これらの表面は、図9において図示されるように、洗浄の後、サンプルの特定の物質を多少特異的に保持することを可能にし得る。
【0128】
本発明の方法及び装置は、刺激の効果の下での生きた反応媒体における変化を研究することを可能にする。このアプローチは、マトリクスにおける反応媒体を分析するための他の方法の場合のように、事前に知られるべきこの刺激によって生じる変化(例えば、タンパク質発現)を必要としない。更に、起こる全ての反応が生細胞内でin vivo試験と同一の影響因子の存在下で、起こる。最後に、精製及び/又は抽出及び/又は反応媒体の移送から構成される操作及び処理は、本発明の方法を用いて回避され得、これは、in vitroでの研究システムに特有であるアーティファクト及び偏った観察を回避することを可能にする。
【0129】
より詳細には、本発明の装置は、質量分析計を用いてサンプルの質量を測定するための少なくとも1つの器具(前記器具は分光計チューブを含む)、前記チューブ中にバキュームを生成するための装置、分析されるサンプルの分子を加速させるためにチューブ中に加速電位(electrically acceleration potential)を印加するための電気的手段、形成されるイオンの質量を検出するための手段、分光計における脱着を促進するための分子に関連した反応媒体の導入を可能にするためにチューブ中に支持体Sを導入する手段、及びこのサンプルの分子の幾つかの脱着及びイオン化のための手段を含む。
【0130】
マトリクス又はチップの形態の支持体S上に配置された、分析される複数のサンプルの連続的な処理を可能にするために、脱着及びイオン化のための前記手段は、データ取得システムに接続される。
【0131】
本発明の方法は、以下のステップを含む:
− 分析されるために準備されたサンプルを生成するために、脱着を促進する手段を用いた、支持体S上に配置される生きた反応媒体の処理;
− 支持体S上に配置されるサンプル(反応媒体)の質量分析計チューブ中への導入;加速電位を形成するために、分光計導入チューブ(spectrometer introduction tube)におけるバキューム及び電場の適用;サンプルへの、制御された連続した様式での、脱着及びイオン化処理の適用;形成されたイオンの質量の検出、必要に応じた、マススペクトルバンクと記録されたデータの比較。
【0132】
本発明の方法及び装置は、多くの利点を有する:
この技術は、実際、小型フォーマットにおいて、数千の独立した実験条件を実現することを可能にする。
【0133】
ミクロ液滴(microdrop)のフォーマットは、実施される種々のプロセスを通して、細胞モデルの培養条件の積極的な(vigorous)制御を可能にする。この制御は、チップ上の直接的な全てのサンプル処理の統合によって強化され、ことによると(possibly)、表面化学の手段による:培養、刺激、精製(必要に応じて)。
【0134】
全ての存在する方法について、この制御を妥協しないために、サンプルの移送は、培養ステップと最終のシグナルの記録の間実施されない。
【0135】
この記録は、質量分析計の精密度及び特異性を利用する。後者はまた、それらの特性を予断せずに、システムにおける関心を有することができるように、マルチパラメーター様式でサンプルを分析することを可能にする(単一の実験において、幾つかの分子が分析される、又は関心のプロテオーム全体さえも)。
【0136】
細胞培養に可能な限り近くサンプルを維持することによって、本発明は、記録されたデータの非常により迅速な分析を可能にする:単一のチップ上の数千のマルチパラメーター実験。これは、非常により明白且つ信頼性のある、表現型における解釈に追加される。例えば、タンパク質の存在の定量化(quantification)に関して、偏りが導入されない(例えば、ラベリングが無い)。
【0137】
更に、チップ又は細胞を含むアレイにおけるマススペクトル分析を直接的に統合することによって、本発明は、装置の高い分解能を利用し、高いスループットの局所的な表現型の分析を可能にする(発現マッピング及び細胞イメージング)。
【0138】
これらの分析はまた、定量的であり、従って時間経過の発現のモジュレーションを研究することを可能にする。
【0139】
この分析の質は、細胞サンプルに存在する全ての分子に適用される:分泌された分子、細胞の内側に存在する分子(分泌デバイスとインターフェイスで接続していることも想定され得る)、構造分子。
【0140】
分子の化学のみが、実際的な分光計の実施において役割を果たすため、細胞によって生成される如何なるタイプの分子も検出することが可能である:脂質、タンパク質、ペプチド、修飾されたタンパク質、糖、循環RNA(circulating RNAs)。
【0141】
チップ上の刺激を受けた細胞の直接的なフェノタイピング(phenotyping)は、細胞反応のキャラクタリゼーションに関連する全ての分野に応用される。
【0142】
・ 生物学的研究:細胞、及び細胞内又は細胞間の機能化についてのメカニズムについての臨床的及び基礎的研究は、細胞を直接的に使用し、高い精度と共に高いスループットの分析を可能にする道具の使用によって非常に加速される。
【0143】
・ 薬学的研究:生きた細胞上の新規な(治療の、毒の)分子の活性を迅速且つマルチパラメーター様式において、試験することによって、本発明の方法は、in vivo条件に近い試験を非常により早く実施することによって、スクリーニングプロセスを加速することを可能にする。更に、治療の関心である新規な標的の研究はまた、それらの関連性が完全且つ比較的平穏な細胞環境において評価されるので、加速される。
【0144】
・ 毒物学/バイオセンサー:細胞の毒素に対する、例えば、軍事産業又は環境産業等の複数のパラメーター(例えば、同一チップ上の幾つかの細胞モデル)に関する反応の迅速な分析。
【0145】
・ 植物又は動物細胞の遺伝子操作の研究
【実施例】
【0146】
実験のセクション
実施例1:Tリンパ球分泌の分析:サイトカインIL−2
利点:種々のウイルス(例えば、C型肝炎、HIV)又は癌を患う患者からのサンプルのキャラクタリゼーション。分析されるサイトカイン(IL−2)は、Tリンパ球増殖のプロモーターである;それは、免疫システムを強化するための治療として使用され得る。サイトカインの量の測定は、疾患及び又は治療の進行の指標である。
【0147】
この実験の原理は、Tリンパ球を刺激することによるサイトカインIL−2の分泌/産生を質量分析法によって検出することを試みることである(DO10.11ライン、INSERM U548の所有物)。刺激は、直接的に(刺激抗原の溶液への添加)又は、付随する抗原提示Bリンパ球を用いて(提示のためにそれら自体が刺激される)、実施され得る。
【0148】
Tリンパ球細胞培養物の液滴(RPMI培地+10%のFCS(ウシ胎児血清)+1%PSの4μlの液滴中1500の細胞)が、MALDI−TOF分光計チップ上に配置される。コントロールとして、溶液中に抗原だけ、溶液中にサイトカインだけ、培養培地だけ、又は培養物中の刺激を受けていない細胞を含む液滴が同一の様式で配置される。サイトカインの産生は、後に、問題の液滴において刺激される。
【0149】
マトリクス(シナピン酸又はアルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸の飽和溶液)が、各々のスポットに添加し、乾燥される。チップは、分光計中に配置され、スペクトルが記録され、分析される。
【0150】
幾つかのバリアントが想定され、組み合わされ得る:
− マトリクスは、細胞の前に配置される、
− デポジットが作製される前の、抗−サイトカイン抗体を用いた表面の機能化、そして細胞は、おそらく、刺激の後に溶解される、
− マトリクスは、配置されない。
【0151】
実施例2:分子シグネチャー(signature)の分析
この実験の目的は、チップフォーマット上の細胞培養物を分析すること、より詳細には、分子シグネチャーを区別することが可能であることを実証することである。
【0152】
サンプルとして、我々は細胞培養(ジャーカット株(jurkat line)、それらの培養培地RPMI+10%FCS(ウシ胎児血清)における2×10細胞/mlの濃度)、及び組換えタンパク質のサンプル(リファレンス202−IL−050として、R&Dシステムから入手可能なIL−2)を使用した。
【0153】
使用されたチップは、一部Ciphergen Inc.社によって販売される、SELDIを使用するProteinChip(登録商標)システムである。それは、親水性のホールであなを開けられた疎水性層で覆われるスライドであり、ここで活性のある表面はシリカで作成されており、商業リファレンスNP20を有し、これは親水性の性質のタンパク質を選択的に保持することを可能にする。このチップは、A〜Hと記される8つのスポットを含む。
【0154】
目的は、第一チップ上の細胞なしで、タンパク質のスペクトルのシグネチャーを研究することであった。このために、スポットAのための5000U/ml〜スポットHのための1U/mlの範囲(2500,1000,500,100,50及び10をコードする)のタンパク質の特定希釈溶液が、各々のスポットに配置された。
【0155】
マトリクスの調製:
・ Ciphergenによって販売されるマトリクス(商業的リファレンス“EAM SPA”)、シナピン酸、は75μlのアセトニトリル及び75μlの1%TFA中に溶解される。
【0156】
・ この溶液は、5分間ボルテックスされる。
【0157】
・ この溶液は、10000rpmにおいて2分間遠心分離される。
【0158】
装置の較正
・ 1μlの“オールインワンペプチドミックス”及び1μlのマトリクスの混合物が、チップのスポット上に配置される。
【0159】
・ これは、周囲空気において乾燥される。
【0160】
・ ProteinChip(登録商標)プログラムの較正手順が続く。
【0161】
チップの調製:
・ スライドは、蒸留水を用いてプレインキュベートされる(スポット毎に5μlで、1分間)、
・ スポットは、吸取り紙を使用して乾燥される(表面を触ることなく)、
・ 5μlのサンプルはスポット毎に配置される、
・ これは、オープンエアーにおいて、乾燥される、
・ 蒸留水を用いてすすぎが実施される(液体は、ピペットを用いて、幾度か、スポットの端から採取される)、
・ スポットは、乾燥される、
・ 脱着/イオン化を促進するためのマトリクス(0.8μl)が添加される、
・ それは、乾燥される、
・ 脱着/イオン化マトリクスを添加し、引続く乾燥するステップが繰り返される。
【0162】
・ チップを読むこと:グレノブルのCHU(University Hospital Teaching Center)のSELDIシステムの使用(inserm U318)。
【0163】
設定: 強度: 210
高質量 100000Da
デフレクター 自動(10000Da)
感度 10
最適化範囲 10000−20000Da
センター質量 15400Da
スペクトルは、ProteinChip(登録商標)Softwareを使用して測定される。
【0164】
第二ステップにおいて、関心のサンプルを含むチップは、以下の表において説明されるように調製される:
【0165】
【表1】

【0166】
サンプル(B〜G)は、上記のプロトコルに従って、チップ上に配置される。
【0167】
実施例3: UV照射後の細胞(3T3繊維芽細胞)のプロテオームの部分のイメージング
目的:UV照射に対する皮膚細胞の反応における薬剤の効果を非常に迅速に測定するため、及びこれらの薬剤を特定の細胞区画に標的化することを補助するために、これらの細胞によって発現される幾つかのタンパク質の分布を研究することは有利である。
【0168】
方法:
細胞(3T3繊維芽細胞)は、ステンレス鋼MALDIターゲット(例えば、Bruker Daltonics Inc.から入手可能である)上の液滴中で培養される。細胞のない培養培地の液滴は、コントロールとして、同様の様式でチップ上に配置される。このチップは、制御雰囲気及び制御温度のチャンバ(37℃、100%、HO、5%CO)中に配置される。
【0169】
幾つかのチップが、このようにして作製される。
【0170】
細胞が付着するように、このチップは24時間インキュベートされる。
【0171】
この液滴は、後に、UV照射をそれを受容するべきスポット上にだけ通過させる、適切なマスクを通して、幾らかの照射時間(実験中にマスクを変えることによって)及び/又は幾らかの強度(多少不透明なマスク)を用いて、選択的に照射される。
【0172】
刺激の後、細胞は、表現型における変化を分析するために、例えば、0,1時間、4時間、24時間、及び48時間等の幾らかのインキュベーション時間培地中に残される(インキュベーション時間毎に1つのチップ)。
【0173】
サンプルは次いで凍結され、マトリクスがそこに添加され(例えば、シナピン酸)、それらは、乾燥され、そこで分析されるために、次いで質量分析計中に導入される。
【0174】
ポイント(又はピクセル)毎の50スペクトル(50レーザーバースト(laser bursts)に等しい)の平均が記録され、1つのポイントは、レーザービームのサイズの分解能を有する(25μmよりも小さい直径)。各々のポイントについて、スペクトルは、我々にピークのセットを与える。適切なプログラムは、関心のピークを選択することを可能にし、サンプル全体に対する、このピークによって説明される化合物の分布のイメージが、再転写される(retranscribed)。
【0175】
関心のある化合物の質量は、我々がその性質を言及し戻すことを可能にし(データベースを調べることによって)、或いは、それが未知の化合物である場合、そこにより完全な分析を加えながら、実験が繰返され得る(例えば、第一スペクトルに、多次元のMS分析が続くことによって)。
【0176】
実施例4:TOF−SIMS及びレーザーSNMSによる細胞培養物におけるカルシウムイオンの分布のイメージング
利点: カルシウムイオンは、損傷を受けた細胞中に蓄積する傾向がある。
【0177】
方法:
細胞は、シリコンチップ上で培養され、1以上の機械的ストレスに供されるか、供されず、次いでサンプルは低温処理される。
【0178】
それらは、後に、バキューム(直径50〜200nmのイオンビーム)下で分光計中に導入され、実施例3と同一の条件下でビームを用いてスキャンされる。
【0179】
結果は、前実施例と同一のステップに従って展開される。
【0180】
実施例5:特定の表現型に対応するスペクトルプロフィールの実証
この実験の目的は、細胞培養液滴上の質量分析法による幾つかの表現型間の識別を明示することである。我々は、CDDP(シスプラチン=CIS−DIAMINEDICHLOROPLATINUM,INSERMユニット318の所有物)(これは化学療法において使用される抗癌剤である)を使用して細胞毒性現象を、またTNF(腫瘍壊死因子)を使用してアポトーシス(プログラム細胞死)を研究した。
【0181】
使用されるチップは、SELDIシステムを使用する、Ciphergen Inc.社によって販売されるProteinChip(登録商標)システムの一部である(実施例2を参照)。チップは、より詳細には、NP20チップであり(商業的リファレンス:C553−0043 NP20 ProteinChip Array, A−H Format)、その親水性の表面は、シリカで作られる。
【0182】
我々は、U373細胞系を使用した(番号89081403として供給元ECACCから入手可能である)。
【0183】
続く全てのステップは、無菌条件下で実施された。
【0184】
最初に、NP20チップは、70%アルコールに20分間浸され、フード下で周囲温度において乾燥された。細胞培養物(DMEM培養培地+10%ウシ胎児血清における)は、以下の表において示されるように、2つのチップ上に5μlの液滴において配置された。
【0185】
【表2】

【0186】
チップは、後に、5%CO下、37℃において水で飽和した雰囲気中のインキュベーターにおいて、1日間インキュベートされた。
【0187】
次いで、表において開示される条件に従って、細胞培養培地中に希釈された1μlのCDDPは、約5×10−6Mの終濃度チップを達成するために、チップNo.1の液滴A,B,C,及びD中に置かれた。チップNo.2において、0.2μlのTNFは、約0.01μg/mlの終濃度を得るために、液滴A,B,C及びD中に置かれた。
【0188】
該デバイスは、次いで、上記のように、インキュベーター中で1日間インキュベートするために放置された。
【0189】
続く操作が、無菌でない条件下で実施された。
【0190】
チップの質量分析計への導入前に、それらは2mMのHepes溶液中に浸された。それらは、周囲温度において乾燥された(10−15分)。
【0191】
マトリクス溶液(シナピン酸)は、Ciphergen Inc.によって推奨されるプロトコルに従って事前に調製された:マトリクスは、75μlのアセトニトリル及び75μlの1%トリフルオロ酢酸水溶液中に溶解された。この溶液は、後に、ボルテックス上で15分間混合され、次いで、それが使用される直前に2分間遠心分離された(10000rpm)。
【0192】
各々のスポットに、2回の0.8μlのマトリクスが添加された(各々のデポジット間に乾燥するための時間を与えた)(3〜5分)。
【0193】
チップの読取り:
チップは次いで、Ciphergen SELDI−TOF質量分析計において分析された。
【0194】
目的は、分光計に利用可能な全質量範囲を分析することであった。従って、各々のチップにおいて、3つの質量範囲について、3つの分析が実施された(低、中、及び高)。スペクトルは、Ciphergen Inc.からのProteinChip(商標登録)Softwareを使用して生成される。
【0195】
設定は、以下の表において説明されるように、実行された。
【0196】
【表3】

【0197】
レーザーショットが、5つのステップにおいて、ポジション毎に2つの加熱バースト(heating bursts)を用いて、“低い”パッセージ(passage)に関してポジション21〜81に発射された。それらは、ポジション毎の15ショット(添加された時、最終スペクトルを形成する)の平均に含まれなかった。中間のパッセージは、ポジション22〜82を使用し、“高い”パッセージは、ポジション23〜83を使用する。
【0198】
分析の結果は、図11、12及び13中に与えられる。
【0199】
図11:CDDP及びTNF無しで得られるスペクトルの例である。x−軸に沿うのは、ダルトン(Da)における質量電荷比である;y−軸に沿うのは、シグナルの強度である(100は、検出器の飽和に対応する)。
【0200】
図12:TNFを用いない場合及びTNFを用いた場合の2つの表現型のスペクトル間の違いの表示。
【0201】
図12は、対数目盛における、スペクトルの各々のピークについて、2つの表現型間の強度の違いを示す:青は、TNFで刺激された細胞のプロフィールであり(従って、アポトーシス);赤は、刺激を受けていない細胞のプロフィールである。図13は、同様に、青は、TNFで刺激された細胞のプロフィール;赤はCDDPで刺激された細胞のもの;そして緑は、刺激を受けていない細胞のものを示す。
【0202】
図13:TNF又はCDDPのいずれかを用いない、TNFを用いた、及びCDDPを用いた、3つの表現型のスペクトル間の違いの表示。
【0203】
これらの結果は、刺激を受けていない細胞と刺激を受けた細胞を区別するだけでなく、2つの顕著に異なる表現型を同定することも可能であることを実証する。
【0204】
更に、これらの表現型は、幾日かのインキュベーションの前に従来の様式において(細胞毒性について3日後に、アポトーシスについて6日後にラベリングが実施される)研究することはできなかった。
【0205】
得られるスペクトルは(例えば、図11を参照)、後に、特有の表現型シグネチャーが得られたことを立証するために、分析された。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】液滴の注入によるトランスフェクション:RをG1中へ
【図2】液滴の融合によるトランスフェクション:G1+R
【図3】試薬Rの脱着による液滴G1におけるトランスフェクション
【図4】トランスフェクション後の細胞液滴G1+G2の融合
【図5】光開裂装置
【図6】TOC細胞サスペンションデバイス
【図7】バイオスクリーニングA
【図8】2つの細胞液滴G1及びG2間の膜
【図9】表面の全体のスキャニング時に得られるスペクトルの分析を促進するために、それが分光計に導入される前に、活性表面を使用してチップの上で直接的にサンプルを単純化することが可能である。
【図10】本発明のバリアントを示す。
【図11】CDDP及びTNF無しで得られるスペクトルの例
【図12】TNFを用いない場合、及びTNFを用いた場合の2つの表現型のスペクトル間の違いの表示
【図13】TNF又はCDDPを用いない、TNFを用いた、及びCDDPを用いた、3つの表現型のスペクトル間の違いの表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの細胞Cを含む少なくとも1つの反応媒体を分析するための方法であり、前記方法は、以下において特徴付けられる:
(i) 該細胞Cは、実質的に平坦な表面を含む支持体S上に、前記表面上の水滴の形態で配置される;
(iv) 該反応媒体は、調製され、質量分析計中に導入される;
(v) 該反応媒体は、脱着され、イオン化される;
(vi) 該反応媒体のマススペクトルは、記録され、分析される。
【請求項2】
第二ステップ(ii)において、該細胞Cを含む水滴が配置される該支持体Sの実質的に平坦な表面が、ガスの通過を可能にし、かつ、該支持体S上に配置される水滴の蒸発を防ぐ分離フィルムFで覆われることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第三ステップ(iii)において、該細胞Cが、刺激に供されることにおいて特徴付けられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該細胞Cが供される該刺激が、以下から選択されることにおいて特徴付けられる、請求項3に記載の方法:
− 試薬Rの導入
− 1つ以上の細胞と接触させられること、
− エネルギーの供給、
− 電場又は磁場の適用
− 光学的処理。
【請求項5】
該滴の該支持体Sへの付着が、表面張力に起因して起こることにおいて特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
支持体S上への試薬又は細胞を含む水滴を配置することが、必要に応じて、該分離フィルム下で、ファインキャピラリー(fine capillaries)を用いて実施されることにおいて特徴付けられる、請求項1〜5のいずれか1つに記載される方法。
【請求項7】
該支持体S上への試薬又は細胞を含む水滴の配置が、圧電システムを用いて実施されることにおいて特徴付けられる、請求項1〜5のいずれか1つに記載される方法。
【請求項8】
無機分子、天然有機分子、有機合成又はコンビナトリアル(combinatorial)合成から誘導される分子、生物学的サンプルから抽出された分子、合成によって改質された生物学的サンプルから抽出された分子、特に、一本鎖及び二本鎖のDNA,一本鎖及び二本鎖のRNA、タンパク質、及びペプチド:
以上から該試薬Rが選択されることにおいて特徴付けられる、請求項4〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
該支持体S上の該反応媒体を直接的に、それが該質量分析計に導入される前に、処理することを包含する1つ以上のステップを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
細胞溶解、1以上の洗浄、分子の吸着又は付着:
以上から選択される少なくとも1つの処理ステップを含むことにおいて特徴付けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該支持体S上に配置される該反応媒体を、脱着を促進する分子の溶液を用いて処理することを包含する少なくとも1つのステップを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
該質量分析計への導入を目的とした調製が、以下から選択される少なくとも1つのステップを含むことにおいて特徴付けられる請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法:
該反応媒体を凍結すること;熱処理を用いて、又は用いないで、そしてバキュームを用いて、又は用いないで乾燥すること;メタノール又はホルムアルデヒド等の薬剤を用いた処理で固定すること(fixing)。
【請求項13】
該質量分析計への導入を目的とした該調製が、サイズが小さく、光を吸収する1つ以上の酸分子を該反応媒体へ添加し、乾燥が続くことを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜12のいずれか1つに記載される方法。
【請求項14】
以下のステップ:
− 該支持体S上に配置される該反応媒体の質量分析計チューブへの導入;
− 該分析計チューブにおける、バキューム及び電場の適用;
− 該サンプル上の、制御され且つ連続的な様式での、脱着/イオン化処理の適用;
− 形成されるイオンの質量の検出
を少なくとも含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
記録されるデータをマススペクトルバンクと比較することを包含する少なくとも1つのステップを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの細胞Cを含む、少なくとも1つの反応媒体を分析するための装置であって、この装置は、以下を備えることにおいて特徴付けられる。
− 実質的に平坦な表面を備える支持体S、
− 該細胞Cを含む水滴を前記表面上に配置するための手段、
− 該反応媒体を脱着及びイオン化するための手段、
− 質量分析計。
【請求項17】
該細胞Cの生存を可能にするために、該支持体Sが配置される制御雰囲気(controlled-atmosphere)のチャンバも備えることにおいて特徴付けられる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
該制御雰囲気チャンバが、35〜42℃、好ましくは、36.5〜37.5℃の範囲の温度で、COレベルが、好ましくは、3〜5%に維持され、酸素Oレベルが、好ましくは、周囲空気のものであるインキュベータであることにおいて特徴付けられる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
該支持体Sの該表面が、ガスの通過を可能にし、そして該支持体S上に配置される水滴の蒸発を防止する、分離フィルムFで覆われることにおいて特徴付けられる、請求項16〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項20】
該フィルムFが、以下から選択されることにおいて特徴付けられる、請求項19に記載の装置:
− 非水混和性の液体;
− ガス;
− 可撓性の固形フィルム;
− 多孔質材料で作られる固いハニカム状のカバーであり、該細胞の液滴及び、必要に応じて、試薬の液滴を含むことができるように、キャビティーのサイズが調節される。
【請求項21】
該支持体Sが、シリコン、ガラス、又はポリマーから作製されるプレートからなることにおいて特徴付けられる、請求項16〜20のいずれか1つに記載の装置。
【請求項22】
該支持体が、電導性層を含むことにおいて特徴付けられる、請求項16〜21のいずれか1つに記載の装置。
【請求項23】
該支持体Sが、該水滴を受容するための少なくとも1つの手段を備えた、実質的に平坦な表面を有することにおいて特徴付けられる、請求項16〜22のいずれか1つに記載の装置。
【請求項24】
該水滴を受容するための該手段が、以下の手段の1つからなることにおいて特徴付けられる、請求項23に記載の装置:
− 該支持体Sが、その平坦な表面上に疎水性を示し、且つ1つ以上の親水性の領域を含む;
− 該支持体Sが、その平坦な平面上に1ミクロン〜1ミリメーターの範囲の深さのキャビティーを含む;
− 該支持体Sが、1ミクロン〜1ミリメーターの小さな厚みであり、その表面上に配列され、且つ該液滴の付着を促進することを目的とした、アウトグロース(outgrowth)を備えたプレートである;
− 該支持体Sが、少なくとも1つのワイヤー(その上に該液滴が付着する)を備えたプレートである
【請求項25】
該装置の該支持体Sが、可動性であることにおいて特徴付けられる、請求項16〜24のいずれか1つに記載の装置。
【請求項26】
1つ以上の細胞を含む該水滴が、培養培地を含むことにおいて特徴付けられる、請求項16〜25のいずれか1つに記載の装置。
【請求項27】
該手段が、それが自動化されることを可能にする制御装置に接続されることにおいて特徴付けられる、請求項16〜26のいずれか1つに記載の装置。
【請求項28】
該支持体Sが、マトリクスの形態で、規則正しく整列した、該液滴を受容するための手段を備えることにおいて特徴付けられる、請求項16〜27のいずれか1つに記載の装置。
【請求項29】
質量分析計を用いてサンプルの質量を測定するための少なくとも1つの器具(前記器具は分光計チューブを含む)、前記チューブにおいてバキュームを生み出すための装置、分析されるサンプルの分子を加速するために、該チューブにおいて、加速電位を印加するための電気的手段、形成されるイオンの質量を検出するための手段、該支持体Sを該チューブ中に導入する手段、及び処理されるサンプルの脱着及びイオン化するための手段を含むことにおいて特徴付けられる、請求項16〜28のいずれか1つに記載の装置。
【請求項30】
該脱着手段が、以下から選択されることにおいて特徴付けられる、請求項16〜29のいずれか1つに記載の装置:レーザービーム、イオンビーム、中性原子ビーム、電子ビーム、及び液体サンプルのスプレー。
【請求項31】
該脱着/イオン化手段が、以下から選択されることにおいて特徴付けられる、請求項16〜30のいずれか1つに記載の装置:
・ MALDI:マトリクス支援レーザー脱着イオン化
・ SELDI:表面増強レーザー脱着イオン化
・ SIMS:二次イオン質量分析
・ SNMS:二次中性質量分析
・ ESI:エレクトロスプレーイオン化
・ FAB:高速原子衝撃
・ APCI:大気圧化学イオン化。
【請求項32】
該質量を測定する該手段が、以下から選択されることにおいて特徴付けられる、請求項16〜31のいずれか1つに記載の装置:
・ TOF:飛行時間、
・ MS/MS:タンデム質量分析又は多次元質量分析
・ 四重極(又は、イオントラップ)
・ FT−MS又はFT−ICR: フーリエ変換(Fourrier-Transform)質量分析−イオンサイクロトロン共鳴(ion cyclotron resonance)。
【請求項33】
刺激の後、細胞培養物に関する変化を同定するための、請求項16〜32のいずれか1つに記載の装置の使用。
【請求項34】
1つの細胞又は、1セットの細胞の刺激に対する応答の、時間経過における変化を研究するための、請求項16〜32のいずれか1つに記載の装置の使用。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−525656(P2007−525656A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518304(P2006−518304)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001810
【国際公開番号】WO2005/008238
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(500511590)
【Fターム(参考)】