説明

生のカットレモンの保存方法

本発明は、少なくとも以下の段階:(a)カットレモン部分の容器ハウジングへの、レモンジュース、ライムジュース、アスコルビン酸、クエン酸、食塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを組み合わせた浸漬液の添加;(b)浸漬液の脱気;および(c)真空包装、を含む生のカットレモンの保存方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、その天然の官能的特性の全てを保持したままで、缶またはプラスチック内で室温にて、生のカットレモンをスライス、房または小片で保存する方法である。その目的は、最低でも4ヶ月から、2年の間レモンの特性を保持する包装食品により達成される。
【背景技術】
【0002】
現在、小片およびスライスにカットされたレモンは、様々な方法によって保持される。これらのなかで最も一般的なものは生のレモンを冷凍し、0℃以下の温度にて小片またはスライスにカットされ、プラスチック内で2から5℃の間で冷蔵保存されながら、最大で1ヶ月の保存において持続するものである。
【0003】
20℃の温度での2から2.5ヶ月の保存の結果として、プラスチックおよびガラス容器で、室温にて生のカットレモンを保存することが試みられている。従って、本発明で解決される目的とする技術的課題は、包装に関係なく、官能特性を最小限6ヶ月以上保存する室温での生のカットレモンの保存である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の説明
記載された、目的とする技術的課題を解決するための、生のカットレモンを保存する方法として、本発明の目的は、少なくとも以下の段階:(a)カットレモンの容器ハウジングへの、レモンジュース、ライムジュース、アスコルビン酸、クエン酸、食塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを組み合わせた浸漬液の添加;(b)浸漬液の脱気;および(c)窒素または水蒸気雰囲気の添加による真空包装、を含む。
【0005】
任意に、脱気および包装の後、浸漬液に導入された生のカットレモンの、少なくとも300〜600MPの高圧での追加の処理段階があってもよい。
【0006】
このように記載された方法により、スライス、房または半月状の生のレモンを、室温で最低でも4ヶ月、および冷蔵温度で2年まで維持することを達成する。
【0007】
明細書および請求項を通して用いられる語「含む」およびその類義語は、他の技術的特徴、添加剤、成分または段階を除外することを意図しない。本発明の他の目的、利点および特徴は、部分的な明細書および部分的な本発明の実施からも当業者に理解されるであろう。以下の実施例および図は例示のために提供されており、本発明を限定することを意図するものではない。さらに、本発明は、本明細書に記載された特定の好ましい実施形態の全ての組合せを包含する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の詳細な説明
本発明の特定の実施形態では、生のカットレモンの保存方法は、少なくとも以下の工程:
(a)生のカットレモン部分の容器ハウジングへの、レモンジュース、ライムジュース、アスコルビン酸、クエン酸、食塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムから本質的に作成された浸漬液の添加;
(b)不活性ガスによる酸素の置換または真空を適用することによる浸漬液の脱気工程;および
(c)真空包装;
を含む。
【0009】
より具体的には、浸漬液は65%から75%のレモンジュース;25%から35%のライムジュース;5%から0.1%のアスコルビン酸;5%から0.1%のクエン酸;5%から0.1%のNaCl;および最終的に1g/Lから0.7g/Lの範囲のメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。
【実施例】
【0010】
浸漬液の形態:
本発明の実際の実施形態では、浸漬液は、65%のレモンジュース(6.25%レモン濃縮物)、30%のライムジュース(6.35%ライム濃縮物)、2%のアスコルビン酸(酸化防止剤 E−300)、1%のクエン酸(酸味料および酸化防止剤 E−330)、1%の食塩(NaCl)および1g/Lから0.7g/Lのメタ重亜硫酸ナトリウム(保存料 E−223)から作られる。このような組成の浸漬液は以下の特性を備える:
− 比重 1.0430g/L、
− pH 2.12
− 糖度(°Brix) 9.25および
− 25cp未満の粘度。
【0011】
アスコルビン酸の非酵素的な酸化を引き起こす要因の一つは、酸素の存在であるため、酸素が存在しないことは、生のカットレモンの保存のために不可欠である。製品調製の間に、次のいずれかの方法を使用して液体中の溶存酸素濃度を排除または削減する:
(i)酸素の不活性ガスによる置換、実施例における酸素の、希ガスおよび不活性ガス、すなわち反応性が無く、その使用が食品添加物として承認されている(RD1422002による)ものであるヘリウム(E−339)への置換。この置換は、溶存酸素を除去する多数のマイクロバブルを形成するような圧力にてヘリウムを注入することにより、調合された時点の浸漬液に実施された。
(ii)真空を適用することによる酸素の除去。ここでは、調合器としても使用される液貯め、真空ポンプおよびコンプレッサーから構成される、浸漬液への脱気適用のための脱気装置を用いた;浸漬液は、浸漬液の酸素濃度が2mg/L未満になるまで所定の圧力に供された。
【0012】
最後に、生のレモン部分を浸す浸漬液に存在する酸素を除去した時点で、窒素または水蒸気雰囲気の添加による真空包装に進む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の段階:(a)カットレモン部分の容器ハウジングへの、レモンジュース、ライムジュース、アスコルビン酸、クエン酸、食塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを組み合わせた浸漬液の添加;(b)浸漬液の脱気;および(c)真空包装、を含むことを特徴とする生のカットレモンの保存方法。
【請求項2】
浸漬液が、より具体的に、65%から75%のレモンジュース;25%から35%のライムジュース;5%から0.1%のアスコルビン酸;5%から0.1%のクエン酸;5%から0.1%の食塩;および最終的に1g/Lから0.7g/Lの範囲のメタ重亜硫酸ナトリウム、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
浸漬液が、65%のレモンジュース、30%のライムジュース、2%のアスコルビン酸、1%のクエン酸、1%のNaClおよび1g/Lから0.7g/Lのメタ重亜硫酸ナトリウムから作られることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
浸漬液の脱気が:(i)酸素の不活性ガスによる置換;および(ii)真空を適用することによる酸素の除去、から選択される方法によって実施されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
不活性ガスでの酸素置換による脱気が、溶存酸素を除去する多数のマイクロバブルを形成するような圧力にてヘリウムを注入することにより、調合された時点の浸漬液に実施されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
真空を適用することによる酸素の除去が、調合器としても使用される液貯め、真空ポンプおよびコンプレッサーを含む、浸漬液への脱気適用のための脱気装置を用いることによって実施され;かつ、浸漬液が、浸漬液の酸素濃度が2mg/L未満になるまで所定の圧力に供されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
窒素または水蒸気から選択される雰囲気の添加の後に真空包装がなされることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
脱気および包装の後、浸漬液に導入された生のカットレモンの、少なくとも300〜600MPの高圧での追加の処理段階を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2013−519388(P2013−519388A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553359(P2012−553359)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/ES2011/070072
【国際公開番号】WO2011/101517
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512216207)ルナシトリック・ソシエダッド・アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】LUNACITRIC,S.A.
【Fターム(参考)】