説明

生体センサーおよび生体情報検出装置

【課題】発光部と受光部とを備える生体センサーにおいて迷光の影響を低く抑える。
【解決手段】光透過性を有する基板21、22と、被験体に、基板22の裏面に設けられ、基板22、21を順に介して光を照射する発光部24と、基板21のうち被験体との対向面側に、受光面を被験体に向けて設けられ、被験体からの受光に応じた信号を出力する受光部26と、平面視したときに受光面26aの内周縁部での開口部27aを除き、受光部26のを覆うように形成された遮光部27とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈波数や酸素飽和度などの生体情報を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光部によって生体に光を照射する一方、当該生体の血液で反映した光を受光部によって受光し、電気信号に変換して出力する生体センサーが知られている(例えば特許文献1、2参照)。血液で反射された光は、脈拍数や酸素飽和度などの生体情報を反映しているので、当該生体センサーから出力された信号を処理することによって、生体情報を非侵襲で検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−231577号公報
【特許文献2】特開2004−173826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、血液は、生体の細血管を流れているために、実際には出射光に対して微弱である。このため、発光部と受光部とを同一基板の同一面に設けた構成では、当該発光部から照射された光が、当該受光部に漏れ光として入射してしまうことがある。この漏れ光は、生体情報を全く反映していないので、生体情報を反映した光にとってみれば、ノイズ成分として作用する。このため、上記生体センサーでは、微弱な光成分を精度良く検出することができない、という点が指摘された。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、生体情報を反映した微弱な光成分を精度良く検出することが可能な生体センサーおよび生体情報検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る生体センサーにあっては、光透過性を有する第1基板と、被験体に、前記第1基板を介して光を照射する発光部と、前記第1基板のうち前記被験体との対向面側に、受光面を前記被験体に向けて設けられ、前記被験体からの受光に応じた信号を出力する受光部と、平面視したときに前記受光面を露出させるように設けられた開口部を有し、前記受光部を覆うように形成された遮光部と、を具備することを特徴とする。
本発明では、発光部が第1基板を介して被験者に光を照射する一方、第1基板の対向面に、受光面を被験者に向けた受光部が、遮光部の開口部を通過する光を受光する。このため、被験者で反射した成分以外の光、すなわち生体情報を反映した光成分以外の光については、開口部を通過しにくくなる。したがって、本発明によれば、生体情報を反映した微弱な光成分を精度良く検出することが可能になる。
【0006】
ところで、発光部と受光部とを同一の基板に設ける構成では、製造プロセスの長期化や歩留まりの低下などを招きやすい。そこで、本発明において、前記発光部は、光透過性を有する第2基板に設けられ、前記被験体に、前記第2基板および前記第1基板を順に介して光を照射し、前記第1基板および前記第2基板が互いに貼り合わせられた構成が好ましい。この構成によれば、受光部が設けられた第1基板とは別の第2基板に発光部が設けられるので、製造プロセスの短縮化や歩留まりの改善を図ることができる。
【0007】
この構成において、前記発光部は、前記第2基板から順に、第1電極層、発光層および第2電極層を少なくとも含んだ積層体である態様としても良い。この態様によれば、発光部を、薄膜形成技術を用いて第2基板に形成することができる。なお、発光部としては例えばOLEDが好適である。
この態様において、前記遮光部における開口部の直径を、当該開口部の深さよりも小さくすると、受光面に対して斜め45度以上の角度で入射する光の受光を抑えることができる。
上記態様において、前記遮光部における開口部に、前記受光面から順に第1受光部保護層および第2受光部保護層を形成し、前記第1受光部保護層の屈折率を、前記第2受光部保護層の屈折率よりも低くしても、受光面に対して斜め方向の角度で入射する光成分の受光を抑えることができる。
また、平面視したときに、前記発光部は、前記受光部を囲むように複数個に設けられた構成も好ましい。この構成によれば、被験者に照射される光量が増加するので、その分、生体情報を反映した光成分も増加するからである。
なお、本発明は、このような生体センサーから出力される信号に基づいて生体情報を出力する演算処理回路を持たせた生体情報検出装置としても概念することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る生体センサーを用いた生体情報検出装置を示す図である。
【図2】生体情報検出装置の構造を示す要部断面図である。
【図3】実施形態に係る生体センサーを示す平面図である。
【図4】図3におけるD−d線で切断した断面図等である。
【図5】生体センサーにおける光の出射・入射を示す図である。
【図6】生体センサーにおける遮光部の一例を示す図である。
【図7】生体センサーにおける遮光部の他の例を示す図である。
【図8】生体情報検出装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る生体センサー等について図面を参照して説明する。
なお、以下の各図については、各部、特に各層については認識可能な大きさとするために、縮尺を異ならせている場合がある。
【0010】
図1は、実施形態に係る生体センサーを適用した生体情報検出装置を示す図である。この生体情報検出装置1は、被験者の生体情報として例えば脈拍数を検出して出力するものである。
図に示されるように、生体情報検出装置1の筐体10は、腕時計を模した形状となっている。筐体10の外周部のうち、中心部を挟んで対向する部分には、被験者(被験体)の左手首に巻回されたリストバンド12の一端と他端とが取り付けられている。これによって、筐体10の裏側が被験者に接触して状態で、装着されることになる。
【0011】
図2は、生体情報検出装置1の要部構成を示す断面図である。図に示されるように、筐体10の内部は中空部15を有する形状となっている。中空部15には、生体センサー20が取り付けられている。生体センサー20は、発光部24、受光部26および遮光部27を含み、筐体10が被験者に装着されたときに、受光部26を覆う遮光部27が当該被験者に接触するように構成されている。
なお、中空部15には、図示省略されているが、実際には上述した演算処理回路なども実装される。また、説明の便宜上、生体センサー20において被験者に接触する側を装着側と呼んでいる。
【0012】
図3は、生体情報検出装置1に取り付ける前の生体センサー20の構成を装着側から見た平面図であり、図4の(B)は、図3におけるD−d線で破断した断面図である。図4の(A)は、生体センサー20について基板同士を貼り合わる前の構造を示す図である。
これらの図に示されるように、生体センサー20は、第1基板としての基板21と、第2基板としての基板22とを互いに貼り合わせた構成となっており、装着側からみたときに、基板21が手前側に、基板22が奥側に、それぞれ位置する。基板21、22は、いずれも光透過性を有する
発光部24と受光部26とについては、図3に示されるように、装着側から平面視したときに、受光部26を囲むように例えば8個の発光部24が配置している。
【0013】
発光部24は、図4の(A)または(B)に示されるように、装着側からみて奥側に位置する基板22のうち、基板21との非対向面(裏面)に、種々の薄膜を積層することによって形成されている。詳細には、発光部24を有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)とする場合、基板22を起点として順に、第1電極層241、有機層242、第2電極層243を順に積層した構成となっている。
ここで、第1電極層241は、OLEDの陽極であり、光透過性を有する導電層、例えばITO(Indium Tin Oxide)などからなる。
有機層242は、少なくとも発光層を含むものであり、当該発光層は、例えばアルミノウムキノリノール錯体(Alq)等をホスト材料とし、ルブレン等をドーパントとした発光層をインクジェット法によって形成したものである。ここで、インクジェット法とは、層材料を、溶媒に溶解または分散させるとともに、そのインク組成物をインクジェットヘッドから吐出させ、さらに、乾燥処理を経てパターン形成する、という方法である。
第2電極層243は、OLEDの陰極であり、反射性を有する導電層、例えばアルミニウムや銀などのように反射性を有する金属層または合金層などからなる。
封止層25は、酸素や水分の侵入によるOLEDの劣化を防ぐために、発光部24を含む基板22の裏面を覆うように設けられている。封止層25は、例えばシリコン酸窒化膜(SiON)からなる。
【0014】
このように構成される発光部24において、陽極から陰極に向かって順方向にバイアスがかかると、陽極側から注入される正孔と陰極側から注入される電子とが有機層242に含まれる発光層で結合して、当該発光層の材料に応じたスペクトルの光が発生する。この光は、基板22、21を順に透過して、被験者に向けて出射される。このため、発光部24は、自身が形成された基板22を介して光を出射する、いわゆるボトムエミッション構造となる。
したがって、上述したように基板21、22には光透過性を有するガラス等が用いられる。ここでいう光透過性とは、発光部24から出射される光の波長帯域に含まれる光成分を透過する性質をいう。
なお、上記有機層242については、第1電極層241から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電位輸送層、電子注入層というように、多層化しても良い。また、図4において、第1電極層241および第2電極層243は、それぞれパターニングされているが、いわゆるベタ状であっても構わない。
【0015】
一方、受光部26および遮光部27は、図4に示されるように、装着側からみて手前側に位置する基板21のうち、装着側の面(被験者との対向面)に形成されている。
詳細には、図3および図4に示されるように、遮光部27は、平面視したときに、受光部26のうち、被験者に対向する受光面26aの開口部27aを除き、受光部26の全体を覆うように形成されている。開口部27aは、受光面26aの内周縁を開口するように設けられている。
【0016】
遮光部27は、例えば次のような複数プロセスに分けて形成される。すなわち、第1に、基板21の装着側の面に、遮光層(1層目)を成膜して、円形にパターニングする。第2に、円形にパターニングした遮光層を、いわば座布団にして、受光部26を形成する。第3に、基板21の装着側の面および受光部26を覆うように、再び遮光層(2層目)を成膜する。第4に、2層目の遮光層のうち、基板21において発光部24の光を透過させるための領域、および、開口部27aに相当する領域を、フォトリソグラフィ技術によって除去する。
これによって、1層目の遮光層に2層目の遮光層が合体するので、図3、図4に示されるように、遮光部27が受光部26を覆うように形成されることになる。
なお、遮光部27の材料としてはアルミニウムやクロムなどの遮光材料を用いることができる。
【0017】
受光部26は、基板21の装着面側に、種々の薄膜を積層することによって形成される。 詳細には、受光部26を例えば光吸収型の有機フォトダイオード(Organic Photodiode)とする場合、基板21の装着面に上記1層目の遮光層に対する絶縁性の下地となる保護層を形成した上で、順に陰極層、受光層、光透明性を有する陽極層を積層した構造とすれば良い。このような構成において、受光層に、開口部27aを通過して光が入射すると、電子および正孔の対が発生する。ここで、陰極と陽極とで逆方向にバイアスをかけると、電子および正孔が分離・移動するので、受光部26には、入射光量に応じた電流が流れることになる。
【0018】
本実施形態では、最終的には、図4(B)に示されるように、発光部24と受光部26とが背中合わせとなるように、基板21と基板22とが接着剤によって貼り合わせられて、生体センサー20が構成されることになる。ここで接着剤としては、紫外線硬化型やエポキシ系などが用いられる。
本実施形態では、基板21、22の良品同士を貼り合わせれば良いので、1つの基板の一方の面に発光部24を設けるとともに他方の面に受光部26を設ける構成と比較して、製造プロセスの短縮化や製造時における歩留まり改善を図ることができる。
【0019】
図5は、生体センサー20における光の出射・入射の経路を示す図である。
上述したように、遮光部27は、受光面26aの開口部27aを除き、受光部26の全体を覆うように形成されている。ここで、符号27b、27c、27dは、それぞれ遮光部27の上面、底面、側面である。遮光部27は、基板21の側から形成されるために、基板21を基準にして捉える。このため、図において上側が底面27c(下側が上面27b)としている。
なお、図5の構成では受光部26の受光面26aを除いて、上面27b、底面27cおよび側面27dを遮光しているが、必ずしもこれら全ての面を覆うように遮光する必要はなく、受光部26にとってノイズとなる光の入射方向に応じて、受光部26の必要な面を覆うように遮光部を設ければよい。
筐体10(図1参照)が被験者に装着されたとき、遮光部27が当該被験者に接触する。このため、図5に示されるように、被験者の皮膚40が、遮光部27において開口部27aが設けられた上面27bに接触することになる。
【0020】
有機層242の発光層から発せられた光は、四方に放射されるが、上側に向かう光は第2電極層243によって反射する。このため、発光部24からの光は、図においてほぼ下側に向かって出射するので、基板22、21の順に通過する。
この出射光のうち、受光部26の背面に到達した成分は、遮光部27の底面27cによって遮光されるので、受光部26の受光に影響を与えることはない。同様に、受光部26の側面に到達した成分は、遮光部27の側面27dによって遮光されるので、受光部26の受光に影響を与えることはない。
【0021】
一方、発光部24から出射されて基板22、21を順に通過した光のうち、遮光部27によって遮光されなかった光は、被験者の皮膚40に侵入する。皮膚40に侵入した光は、血管42に到達して、当該血管42を流れる血液によって反射されたり、吸収されたり、あるいは血液を透過したりする。血管42に流れる血液によって反射した光のうち、開口部27aを通過する光だけが受光部26に入射する。
ここで、血管42は、心拍と同じ周期で膨張・収縮を繰り返している。したがって、血管42の膨張・収縮の周期と同じ周期で、光の反射量が増減するので、受光部26から出力される電流の変化は、血管42の容積変化を示すことになる。
【0022】
本実施形態に係る生体センサー20によれば、生体情報を反映した光成分に対して、生体情報を反映していないノイズとなる光成分が、受光部26によって受光されてしまうのが抑えられるので、生体情報を反映した微弱な光成分を精度良く検出することができるのである。
【0023】
また、筐体10が被験者に装着されている場合に、なんらかの理由により、例えば被験者が運動することにより、筐体10が振れて上面27bが皮膚40から離れて隙間が生じるときがある。このとき生じた隙間を介した光は、深い角度で、すなわち皮膚40の表面沿った方向から侵入するが、開口部27aを通過することができない。このため、本実施形態に係る生体センサー20によれば、体動があっても、生体情報の検出精度が低下しにくくすることができる。
【0024】
具体的には、図6(A)に示されるように、開口部27aの直径をRとし、開口部27aの深さ(遮光部27の厚さ)をdとしたときに、
R<d
となるように遮光部27が形成される。この遮光部27では、上面27bが皮膚40から離れて隙間が生じても、図6(B)に示される入射角θが45度以上である光は、開口部27aを通過することができず、受光部26への入射が阻止される。また、上面27bが皮膚40から離れていなくても、入射角θが45度以上であるような光は、生体情報を反映していない光成分である場合もありえる。
本実施形態によれば、このような光成分が受光部26に入射しないので、この意味においても、生体情報を精度良く検出することができるのである。
【0025】
また、図7(A)に示されるように、開口部27aにおいて、受光面26aの側に保護層261(第1受光部保護層)を設け、その次に保護層262(第2受光部保護層)を設けて、保護層261の屈折率n1を保護層262の屈折率n2より小さくしても良い。このようにすると、保護層261、262の界面に対し、図7(B)に示される角度θaで入射した光は、角度θaよりも大きな角度θbで出射するので、受光部26への入射を阻止しやすくなる。このため、生体情報を精度良く検出することができる。
【0026】
図8は、実施形態に係る生体センサー20を用いた生体情報検出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。なお、この構成については、概略的に説明にとどめることにする。
この図において、駆動回路50は、演算処理回路60による指示にしたがって電流を常時または間欠的に供給して、発光部24を駆動するものである。ここで、電流を間欠的に駆動する方が低消費電力化を図る上で好ましい。一方、変換回路55は、受光部26に流れる電流を電圧に変換するとともに、当該電圧を予め定められたサンプリング間隔でデジタルデータに変換するものである。
【0027】
演算処理回路60は、発光部24から光が出射された場合に受光部26によって受光された信号、すなわち生体情報を反映した光の信号を処理する。例えば、演算処理回路60は、当該デジタルデータから脈拍数を算出したり、内部タイマーで計測された時刻に関連付けて脈拍数を逐一記録したりする。なお、これらの情報・データを外部のコンピューターに転送したり、図示省略した表示部に表示させたり、音声合成によって出力したりしても良い。
【0028】
本発明は、上述した実施形態のほかにも、種々の応用・変形が可能である。
発光部24と受光部26とについては、互いに異なる面に形成されるとともに、発光部24が光を被験者に向けて出射し、受光部26が開口部27aを通過した光を受光する構成であれば、配列・個数や、発光面・受光面の形状については任意である。
例えば、実施形態では、受光部26を囲むように複数の発光部24を配置したが、発光部24と受光部26をそれぞれ1個ずつとしても良い。ただし、実施形態と比較して、被験者に照射される光が弱くなり、それだけ受光量も減る。また、開口部27aの平面的な形状についても、円形に限られない。
【0029】
図4(A)において、発光部24を、基板21のうち受光部26および遮光部27が形成された面と反対側の裏面に形成した構成としても良い。ただし、この構成では、基板21において装着側からみて表面に受光部26、遮光部27を形成し、裏面に発光部24を形成する必要があるので、製造プロセスが長期化しやすい。また、いずれかの面の形成プロセスにおいて欠陥が発生してしまうと、その時点で不良品となってしまうので、実施形態と比較して製造時の歩留まりが低下して、その分、コストアップを招きやすい。
なお、実施形態においては、遮光部27が受光部26に接する構造となっているが、受光部26と遮光部27との間に別の層などを介在させてもよい。ただし、接する構造の方が受光部に対する遮光性は高い。
【0030】
また、本実施形態に係る生体センサー20において、発光部24としてOLEDを用いたが、これに限られず、LEDなど、種々の素子が適用可能である。
また、受光部26として有機フォトダイオードに限られない。例えば、受光部26としては、CCD(Charge Coupled Device)などを用いても良いし、ナノ(マイクロ)クリスタル薄膜や、CGIS(Copper:銅、Gallium:ガリウム、Indium:インジウム、Selenium:セレン)の化合物からなる薄膜を受光層に用いた太陽電池でも良い。いずれにしても、受光部26としては、受光に応じた信号を出力する光電変換素子であれば良い。
【0031】
また、実施形態では、被験者の測定部位を左手首としたが、例えばカフ体に生体センサーを組み込むことによって、指先を測定部位にしても良い。換言すれば、指尖脈波を検出するようにしても良い。
【0032】
生体センサー20は、脈波を検出する構成を例示したが、動脈血の酸素飽和度を検出するセンサーにも適用可能である。血液中のヘモグロビンは、酸素との結合の有無により赤色光と赤外光の吸光度が異なる。そこで、赤色光の発光・受光部、赤外光の発光・受光部、などのように発光波長および受光波長を異ならせた発光・受光部の組を複数用意する一方、これらの反射光を測定・解析することによって酸素飽和度を検出することができる。
また、血管としては、動脈・静脈のいずれでも良い。
生体情報としては、生体の血管のパターンでも良く、この血管パターンから当該生体を認証する認証装置にも適用可能である。
測定対象は、ヒトに限らず、動物でも良いのはもちろんである。
【符号の説明】
【0033】
1…生体情報検出装置、20…生体センサー、21、22…基板、24…発光部、26…受光部、26a…受光面、27…遮光部、42…血管、50…演算処理回路、261、262…保護層。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する第1基板と、
被験体に、前記第1基板を介して光を照射する発光部と、
前記第1基板のうち前記被験体との対向面側に、受光面を前記被験体に向けて設けられ、前記被験体からの受光に応じた信号を出力する受光部と、
平面視したときに前記受光面を露出させるように設けられた開口部を有し、前記受光部を覆うように形成された遮光部と、
を具備することを特徴とする生体センサー。
【請求項2】
前記発光部は、光透過性を有する第2基板に設けられ、
前記被験体に、前記第2基板および前記第1基板を順に介して光を照射し、
前記第1基板および前記第2基板が互いに貼り合わせられた
ことを特徴とする請求項1記載の生体センサー。
【請求項3】
前記発光部は、
前記第2基板から順に、第1電極層、発光層および第2電極層を少なくとも含んだ積層体である
ことを特徴とする請求項2に記載の生体センサー。
【請求項4】
前記遮光部における開口部の直径は、当該開口部の深さよりも小さい
ことを特徴とする請求項3に記載の生体センサー。
【請求項5】
前記遮光部における開口部には、前記受光面から順に第1受光部保護層および第2受光部保護層が形成され、
前記第1受光部保護層の屈折率は、前記第2受光部保護層の屈折率よりも低い
ことを特徴とする請求項3に記載の生体センサー。
【請求項6】
平面視したときに、前記発光部は、前記受光部を囲むように複数個に設けられた
を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の生体センサー。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の生体センサーと、
前記受光部から出力される信号に基づいて生体情報を出力する演算処理回路と、
を備える生体情報検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−158(P2013−158A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130985(P2011−130985)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】