生体パラメータ表示装置
【課題】生体から同時又は同じ時間区間に異なるセンサにより測定された二つの生体パラメータに係るデータをXY座標において自動的にプロットする。
【解決手段】第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段11と、第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段12と、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段31と、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段32と、前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段33とを具備する。
【解決手段】第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段11と、第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段12と、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段31と、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段32と、前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段33とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体から同時又は同じ時間区間に測定された異なる種類の二つの生体パラメータ(特に血圧や心拍出量といった循環器系パラメータ)に係るデータをXY座標において自動的にプロットするとともに、プロットされた時系列が明瞭となるようにトレンド表示可能な生体パラメータ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
循環動態のトレンドを把握するため、図8のようなトレンド表示をする装置が存在する。トレンド表示は、縦軸を各生体パラメータの値、横軸を時間として表示するものであり、図8のトレンド表示により、各生体パラメータの中長期間の経時的変化が容易に把握でき、医療従事者に有益な情報を提供する。
【0003】
また、異なる2つの生体パラメータの関連を示すものとして、生体から得られる二つの生体パラメータに係るデータをXY座標において表示する心機能曲線やForrester分類といったグラフが知られている。
【0004】
心機能曲線とは、心係数CIをY軸(縦軸)にとり、肺動脈楔入圧PCWPをX軸(横軸)にとり、図7に示すようにXY座標にプロットするものである。医療従事者は、この描かれる曲線により心機能が正常、低下、亢進しているかをといった循環動態を容易に把握できる。
【0005】
Forrester分類とは、同様に図7に示すように、例えば心機能曲線を表示するXY座標を4つの事象に区分し、例えば各事象を“I 正常”、“II 軽度”、“III 低心拍出量”、“IV 低心拍出量+肺うっ血”と分類するものであり、医療従事者は、患者のデータ(丸印で示す)がどこにプロットされているかで、心原性ショックによる病態などの循環動態を容易に把握できる。
【0006】
図8に示す従来の装置によるトレンド表示では、横軸が時間軸であり、各パラメータの経時的変化しか把握できず、異なる2つの生体パラメータによる連動性に基づく循環動態についてまでは把握できなかった。
【0007】
図7のようなグラフの作成は、異なる2つの生体パラメータの測定をそれぞれ別個に行ってから、グラフにプロットされるのが通常であり、適切な時間的関係を有する異なる2つの生体パラメータのデータがプロットされたものであるとは必ずしも言えなかった。
【0008】
なぜなら、図7に示す心係数CIや肺動脈楔入圧PCWPを測定する場合に、先端にバルーンの付いた肺動脈カテーテルを患者の心臓内に挿入して行う侵襲的な手法によるものである。更に、心係数CIは心拍出量COを除算して求められる値であり、心拍出量COを求めるため、その度に医療従事者が所定の溶液を患者に挿入する熱希釈法や色素希釈法などによる必要があった。また、肺動脈楔入圧PCWPは、肺動脈カテーテルの先端に付いたバルーンを膨らませた際の血圧であり、肺動脈楔入圧PCWPを求めるため、その度に医療従事者がバルーンを膨らませる必要があり、医療従事者の操作により得られる縦軸と横軸に係るデータは連続測定ができなかったためである。
【0009】
最近では連続的に心拍出量COを算出できる装置が登場しているが、時間的に同時性を持たせて座標にプロットするには、複数の医療従事者が分担して測定したり、一人の医療従事者が同時に測定するなどの必要があり、作業効率が良いとは言えなかった。
【0010】
特に、生体の循環動態などのトレンド表示として、図7のようなグラフを応用するには、異なる2つの生体パラメータの時間的な同時性といった要素も加味してプロットする必要がある。しかし、仮に同時に測定して座標にプロットできたとしても、時系列を示す態様で表記するために、図7のように時間を直接記載する手法も検討されるが、プロットされるデータが増加すれば、見づらくなるなどの表示上においても問題がある。
【0011】
更に、異なる2つの生体パラメータを座標に表示するものとして、特許文献1や特許文献2に係る発明が知られている。
【0012】
特許文献1に係る発明は、一つの心電図センサによる測定結果を誘導毎に縦軸と横軸にプロットするものであり、特許文献2に係る発明は、一つの血圧センサによる測定結果である最高血圧と最低血圧を縦軸と横軸にプロットするものであり、いずれも異なる2つのパラメータとはいえず、連動性に基づく循環動態までは把握できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7542795号明細書
【特許文献2】特許第3656642号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような生体パラメータ表示に関する現状に鑑みてなされたもので、その目的は、生体から同時又は同じ時間区間に異なるセンサにより測定された二つの生体パラメータに係るデータをXY座標において自動的にプロットするとともに、プロットされた時系列が明瞭となるようにトレンド表示可能な生体パラメータ表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段と、第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段と、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段と、前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段と、前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
生体パラメータ表示装置では、前記プロット表示手段は、設定された間隔及び/又は最新の測定値で前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0017】
前記プロットデータ生成手段は、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成することを特徴とする。
【0018】
前記代表値とは、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれか一つであることを特徴とする.
【0019】
生体パラメータ表示装置では、前記プロット表示手段は、時系列を示す態様で前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0020】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の輝度を最も高くし、それ以前のプロット点の輝度を一律に又は徐々に低く表示することを特徴とする。
【0021】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を最も大きくし、それ以前のプロット点を一律に又は徐々に小さく表示することを特徴とする。
【0022】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点と前記座標上の表示される最も古い時間にプロット点との間に所定の色階調を設け、徐々に色階調を変化させることを特徴とする。
【0023】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、あるプロット点とその前のプロット点との間を矢印又は線分で結ぶことを特徴とする。
【0024】
生体パラメータ表示装置では、前記矢印又は線分は、あるプロット点とその前のプロット点とを結ぶ線分が所定長より短い場合は表示しないことを特徴とする。
【0025】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の形状を、既に表示される他のプロット点と異なる形状でプロットすること
を特徴とする。
【0026】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においいては、直近のプロット点を点滅させることを特徴とする。
【0027】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、複数のプロット点が重なった場合、時系列順に新しいプロット点を前面にプロットすることを特徴とする。
【0028】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が、生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報を表示する判断基準表示手段を具備することを特徴とする。
【0029】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が生体状態として適正又は危険であることを示す領域を明示して表示可能な領域表示手段を具備することを特徴とする。
【0030】
前記生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータとして第1の循環器系パラメータを用い、第2の生体パラメータとして第2の循環器系パラメータを用い、前記第1の循環器系パラメータは、連続測定可能な心拍出量/心機能を示すパラメータと連続測定可能な心臓の前負荷/後負荷を示すパラメータのいずれか一方であり、前記第2の循環器系パラメータは、前記いずれか他方であることを特徴とする。
【0031】
前記生体パラメータ表示装置は、前記座標に複数人のプロットデータをプロット可能であることを特徴とする。
【0032】
前記生体パラメータ表示装置は、所定の時刻を選択する時刻選択手段を更に備え、前記プロット表示手段は、前記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0033】
前記生体パラメータ表示装置は、第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段を更に備え、 前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第一の測定手段と前記第三の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0034】
前記生体パラメータ表示装置は、第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段と、第4の生体パラメータを測定する第四の測定手段を更に備え、前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第4の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第三の測定手段と前記第四の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすることを特徴とする
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、同時又は同じ時間区間に測定された異なる2つのパラメータに係るデータがXY座標上に自動的にプロットされるので、生体状態の経過(特に循環動態)を容易かつ適切に把握する場合に極めて好適である。
【0036】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれかに基づきプロットデータを生成されるので、測定値に突発的なノイズが混入していたとしても、プロットされるデータへの影響を低減ないしは除外でき、安定かつ高精度なデータがプロットされる。
【0037】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、直近のプロットデータの輝度や大きさや色や形状が他のデータと異なったり、直近のデータが点滅したりなど、時系列を示す態様でプロットされるので、プロットされた各データを時系列で追跡することが可能となり最新の生体状態を容易に把握できる。
【0038】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、データが離間している場合に、表示された各データを時系列で追跡できるため、最新の生体状態を容易に把握できる。さらに、データが近接する場合には、矢印又は線分は表示されないため、表示が見づらくなることがない。
【0039】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、複数のデータが座標上で重なった場合、時系列順に新しいプロット点が前面に表示されるため、最新の生体状態を容易に把握できる。
【0040】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、正常又は異常を示す情報や適正又は危険な領域を座標上に表示するので、生体状態が正常であるか異常であるかを容易に把握できる。
【0041】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、座標上に複数人のデータを同時にプロットできるので、複数人の生体状態を同時に把握可能となるだけでなく、医療従事者の監視業務に関する作業効率が向上する。
【0042】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、第1の座標と第2の座標を同時に表示できるため、より的確な循環動態の把握だけでなく、適切な輸液管理をも実現可能とする。
【0043】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、時刻選択手段により使用者が所望の時刻のプロットデータを座標に再生できるため、見落しなどを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図3】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図4】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図5】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図6】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図7】Forrester分類の一例を示す図。
【図8】従来の生体パラメータ表示装置により表示されるトレンド表示の例を示す図。
【図9】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図であり、プロット点間を線分により結合した例を示す図。
【図10】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図であり。画面上に複数の座標を表示し、時刻選択手段による時刻選択を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下添付図面を参照して、本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1に示すように、生体パラメータ表示装置は、第一の測定手段11、第二の測定手段12を備えている。
【0046】
第一の測定手段11と第二の測定手段12として、中心静脈圧(CVP)、肺動脈圧(PAP)、肺動脈楔入圧(PCWP)、動脈圧(ART)、心内圧(RAP,RVP,LAP,LVP)などの観血血圧を測定する血圧測定手段、心臓より一分間に拍出される血液量を示す心拍出量COを測定する心拍出量測定手段、肺動脈楔入圧(PCWP)、CVP−ET、PPVといった心臓の前負荷や後負荷を測定可能な測定手段が望ましい。なお測定手段はこれに限られるものでなく、該パラメータと同等、ないしは該パラメータを反映する測定値を取得できる測定手段であればよい。特に上記パラメータを連続的に測定可能な測定手段であることが望ましい。通常これらのパラメータは観血的手法により測定されることが多いが、非観血的手法により測定されるものであっても良い。いずれにせよ、第一の測定手段11と第二の測定手段12とは異なる測定手段であればよい。
【0047】
ここで、前負荷とは心収縮前(拡張終末期)の心室と大血管の内腔を維持している血液量を指す。CVP−ETとは、呼気終末のタイミングで中心静脈圧(CVP)を測定したもので、右心室の前負荷の指標となる。詳細は本願発明者が既に出願した特願2009−048321にて記載されている。PPVとは、脈圧の呼吸性変動のことであり、脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)の変動率で脈圧から演算して求められ、右心室の前負荷の指標となる。
【0048】
上述の各種センサにより得られた信号は処理され、CPU30へ送られるように構成する。
【0049】
CPU30には、表示手段31、プロットデータ生成手段32、プロット表示手段33、判断基準表示手段34、領域表示手段35が備えられている。
【0050】
CPU30には、タッチパネルやキーボードなどにより構成される入力部50が接続されており、ここからプロットデータ生成手段32において取得された生体パラメータからXY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータが選択入力され、また、データの間隔(時間区間)を、ここでは、1m、10m、30m、1h、4hの中から選択することができる。また、この入力部50からトレンド表示とXY座標へのプロット表示のいずれを行うか選択することもできる。もちろん数字はこれに限られない。
【0051】
CPU30に備えられている表示手段31は、第一の測定手段11により測定された第1の生体パラメータに係るデータをX軸とし、第二の測定手段12により測定された第2の生体パラメータに係るデータをY軸とするXY座標によるグラフを表示部40に描画するものである。
【0052】
さらに、プロットデータ生成手段32は、第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成し、生成されたプロットデータはプロット表示手段33によってXY座標上にプロット表示される。第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値が、同時又は同じ時間区間に測定されたことは、リアルタイム測定ではデータの入力時刻に基づき検出し、リアルタイム測定でなければ、測定開始時刻とデータのサンプリング間隔をCPU30が取得して、これに基づき検出を行う。プロットされる間隔は、前述の入力部50で設定された間隔であり、この値は図2から図6に示す画面の領域Wに表示される。また、後述する時系列を示す態様でプロットされても良い。
【0053】
ここで、“同時”とは、プロットするタイミングとして、プロットデータ生成手段32が第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより同時に測定された測定値に基づいて、プロットデータを作成する場合の時間関係を指し、また、同時ではないにしても第一の測定手段11による測定時刻と第二の測定手段12による測定時刻が最も近接する二つの測定値やそれぞれの測定手段により測定された最新の測定値に基づき、プロットデータを作成する場合の時間関係を含む。
【0054】
更に、生体信号パラメータをリアルタイムで測定しながらプロット表示手段33がプロットする場合、第一の測定手段11と第二の測定手段12により最も近接する時刻に測定された二つのデータに基づき、プロットするのが望ましい。
【0055】
また、“同じ時間区間”とは、プロットされる直前の所定時間内における、それぞれ測定された各パラメータの測定値群より代表値を求めて、プロットデータ生成手段32がプロットデータを作成する場合の時間関係を指すものとする。ここで、代表値とは、例えば各パラメータの測定値群の最頻値や平均値や中間値などが挙げられる。
【0056】
更に、前述の通り、プロットデータ生成手段32は、同時に第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成する。ここに、“同時に第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値群より求められる代表値”とは、例えば11時のプロットデータは、測定手段が1秒ごとに測定値をサンプリングしていた場合、11時から11時1分の間に測定された60個の測定値群より求められる最頻値や平均値や中間値などとすることを意味する。
【0057】
さらに、“同じ時間区間”とは、プロットされる間隔(上述のデータの間隔)の間にそれぞれ測定された各パラメータの測定値群の最頻値や平均値や中間値といった数学的手法を用いて、プロットデータ生成手段32がプロットデータを作成する場合の時間関係を指してもよい。
【0058】
時系列を示す態様としては、データの経時時間単位に、輝度を所定階調変化させるもの、矢印又は線分を用いるもの、順次に色により変化を与えるもの、プロット点の形状や大きさを変化させるものなどを単独で或いは組み合わせて用いることができる。そして、データを時系列で追跡可能となるように、上記態様に加えまたは上記態様とは別に、相前後するプロット点について適宜な大きさとして重ね合せたり、重ね合わせないまでも近接させるほか、矢印又は線分によりプロット点をつなぐように画像を作成しても良い。これらの表示態様については、図2から図6、図9に示している。
【0059】
ここで、線分の表示態様の例を図9(a)〜図9(d)に示す。図9(a)は、プロット点の間を結ぶ線分の両端がプロット点と接するものである。図9(b)は、プロット点の間を結ぶ線分の両端がいずれもプロット点と接しないものである。図9(c)と図9(d)は、プロット点の間を結ぶ線分のいずれか一端のみがプロット点と接するものである。
【0060】
さらに上記態様に加えまたは上記態様とは別に、最新のプロット点が明確となるように、プロットされる形状を他のプロット点と異なるもの(例えば最新のプロット点を△とし、その他のプロット点は○にするなど)としたり、点滅するなどしても良い。またプロット点が密集し、重なってしまった場合には、新しいプロット点から順に最前面に表示しても良い。
【0061】
CPU30には、さらに判断基準表示手段34が備えられている。判断基準表示手段34は、プロット点について生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報(例えば、XY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータに応じて予め記憶されている)を前記座標上に表示するものであり、具体的には図2や図3に示す曲線L1、L2が一例として挙げられる。心機能が正常の場合に曲線L1のような軌跡を描き、心機能が異常の場合に曲線L2のような軌跡を描くので、プロット点とこれら曲線L1、L2がともに表示されることで、生体の心機能の状態を容易に把握できる。
【0062】
判断基準表示手段34は、縦軸と横軸のパラメータを変更した場合、それに対応し図4に示すように2種のパラメータのデータに応じてXY座標上に時系列が明らかとなる表示形態において、プロット点が表示される。この場合にも、判断基準表示手段34が、この図4のパラメータにおけるプロット点について生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報(図3とは異なる線分等)を表示しても良い。
【0063】
CPU30には、さらに領域表示手段35が備えられている。領域表示手段35は、座標上のプロット点が生体状態として正常である領域(例えば、XY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータに応じて予め記憶されている)を、他の領域と明確に区別するように図5のように表示するものである。明確に区別するために、領域の枠を囲ったり、正常である領域の色を他の領域と変えたりするなど、正常領域が明確に把握できる表示態様であればよい。
【0064】
判断基準表示手段34や領域表示手段35に関する設定は、個人差や施設の運用など考慮し、自由に設定可能であることが望ましい。
【0065】
図5において、生体パラメータのデータにプロット点が、MAPが65mmHg以上で、CVP−ETが8mmHgから12mmHgまでの方形枠Sにより囲まれている範囲に入るように医療従事者は処置をすればよくするために、行うべき各種医療処置等を表示しても良い。
【0066】
前記範囲は、重症敗血症や肺血性ショックの患者に対して、循環動態の適正化と組織低酸素状態の改善を図るため、初期治療開始6時間以内に達成すべき指針であるEGDT(Early Goal Direct Therapy)を例示したが、これに限られるものではない。
【0067】
さらに前記範囲は、領域表示手段35は図6に示すように、座標を“目標ゾーン”、“循環血液量減少”、“心筋収縮出能低下”、“肺水腫危険ゾーン”、“心タンポナーデ”などの複数の領域に区分してもよい。この際、生体状態として適正な“目標ゾーン”とそれ以外の特に危険な“心タンポナーデ”や“肺水腫危険ゾーン”などは異なる表示態様で表示されるとより好適である。図6においては、右傾斜のハッチングと左傾斜のハッチングにより識別可能として示しているが、他の領域と明確に区別するように表示するものであればよく、領域の枠を囲ったり、領域の色を他の領域と変えたりするなど適宜な態様を採用し得る。
【0068】
表示部40は、CPU30の表示手段31やプロット表示手段33や判断基準表示手段34や領域表示手段35から与えられた情報を表示するLCDなどにより構成される。
【0069】
なお、本発明に係る生体パラメータ表示装置は、いわゆるベットサイド型生体情報モニタ装置だけでなく、複数のベットサイド型生体情報モニタ装置から送信される患者の生体情報を受信し、表示するナースステーション等に配置されたステーション型生体情報モニタ装置(セントラルモニタ)に用いられてもよい。この場合、当該生体パラメータ表示装置は、各ベッドサイド型生体情報モニタ装置から送信される情報を座標上にプロットすることで、複数の患者の生体状態を同時に表示可能となる。また、複数の患者を同時に表示する場合は、患者毎にプロットの色や形状などを変えて表示するのが望ましい。
【0070】
生体パラメータ表示装置による表示の一例を図10に示す。図10の上段にはトレンド表示が表示されている。図10の下段にはプロット表示手段33により複数の座標が表示されている。
【0071】
図10のトレンド表示の右端のカーソルC1は現在の時刻におけるARTやPPVなどの生体パラメータの値を表示するものである。生体パラメータ表示装置には、使用者が図10のトレンド表示の気になる時刻のデータに専用のカーソルC2(図10のトレンド表示中央近傍)を設定したり、(図示しないが)気になる時刻のトレンドデータをクリックしたり、気になる時刻を直接入力するなどの操作を可能とする時刻選択手段が備えられている。プロット表示手段33は、上記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータを、第1の座標と第2の座標との少なくとも一方に表示する。
【0072】
図10の下段の座標は、第1の座標と第2の座標の一例であり、上記選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータを再生表示可能とすることを示している。なお、上記の「選択された時刻に対応した」とは、選択された時刻の近傍時刻を意味し、近傍時刻の範囲(時間幅)に関する設定は使用者が自由にできることが望ましい。
【0073】
図10の下段左の座標には、縦軸をCCI、横軸をPPVとした生体データに基づくプロットデータがプロットされて表示されており、図10の下段右の座標には、縦軸をCCI、横軸をCVPとした生体データに基づくプロットデータがプロットされて表示されている。図10においては、縦軸はCCIという同一の生体パラメータを用いた例を示しているが、横軸が同一の生体パラメータであってもよいし、縦軸と横軸それぞれ異なる生体パラメータであってもよい。
【0074】
例えば、図10の下段左の座標における横軸はPPVである。PPVは患者に投与された輸液に対する応答性を好適に反映するため、輸液の投与に対する指標となる。さらに、図10の下段右の座標の横軸はCVPである。CVPは投与された輸液の量が適切であるか否かの指標となり得る。よって、図10の下段のように、同一の患者に対して複数の座標を表示することで、より的確な循環動態の把握だけでなく、輸液管理をも効果的に把握することができることが分かるが、本実施形態の生体パラメータ表示装置は、このような表示を行うための構成を備えている。
【符号の説明】
【0075】
11 第一の測定手段
12 第二の測定手段
30 CPU
31 表示手段
32 プロットデータ生成手段
33 プロット表示手段
34 判断基準表示手段
35 領域表示手段
40 表示部
50 入力部
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体から同時又は同じ時間区間に測定された異なる種類の二つの生体パラメータ(特に血圧や心拍出量といった循環器系パラメータ)に係るデータをXY座標において自動的にプロットするとともに、プロットされた時系列が明瞭となるようにトレンド表示可能な生体パラメータ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
循環動態のトレンドを把握するため、図8のようなトレンド表示をする装置が存在する。トレンド表示は、縦軸を各生体パラメータの値、横軸を時間として表示するものであり、図8のトレンド表示により、各生体パラメータの中長期間の経時的変化が容易に把握でき、医療従事者に有益な情報を提供する。
【0003】
また、異なる2つの生体パラメータの関連を示すものとして、生体から得られる二つの生体パラメータに係るデータをXY座標において表示する心機能曲線やForrester分類といったグラフが知られている。
【0004】
心機能曲線とは、心係数CIをY軸(縦軸)にとり、肺動脈楔入圧PCWPをX軸(横軸)にとり、図7に示すようにXY座標にプロットするものである。医療従事者は、この描かれる曲線により心機能が正常、低下、亢進しているかをといった循環動態を容易に把握できる。
【0005】
Forrester分類とは、同様に図7に示すように、例えば心機能曲線を表示するXY座標を4つの事象に区分し、例えば各事象を“I 正常”、“II 軽度”、“III 低心拍出量”、“IV 低心拍出量+肺うっ血”と分類するものであり、医療従事者は、患者のデータ(丸印で示す)がどこにプロットされているかで、心原性ショックによる病態などの循環動態を容易に把握できる。
【0006】
図8に示す従来の装置によるトレンド表示では、横軸が時間軸であり、各パラメータの経時的変化しか把握できず、異なる2つの生体パラメータによる連動性に基づく循環動態についてまでは把握できなかった。
【0007】
図7のようなグラフの作成は、異なる2つの生体パラメータの測定をそれぞれ別個に行ってから、グラフにプロットされるのが通常であり、適切な時間的関係を有する異なる2つの生体パラメータのデータがプロットされたものであるとは必ずしも言えなかった。
【0008】
なぜなら、図7に示す心係数CIや肺動脈楔入圧PCWPを測定する場合に、先端にバルーンの付いた肺動脈カテーテルを患者の心臓内に挿入して行う侵襲的な手法によるものである。更に、心係数CIは心拍出量COを除算して求められる値であり、心拍出量COを求めるため、その度に医療従事者が所定の溶液を患者に挿入する熱希釈法や色素希釈法などによる必要があった。また、肺動脈楔入圧PCWPは、肺動脈カテーテルの先端に付いたバルーンを膨らませた際の血圧であり、肺動脈楔入圧PCWPを求めるため、その度に医療従事者がバルーンを膨らませる必要があり、医療従事者の操作により得られる縦軸と横軸に係るデータは連続測定ができなかったためである。
【0009】
最近では連続的に心拍出量COを算出できる装置が登場しているが、時間的に同時性を持たせて座標にプロットするには、複数の医療従事者が分担して測定したり、一人の医療従事者が同時に測定するなどの必要があり、作業効率が良いとは言えなかった。
【0010】
特に、生体の循環動態などのトレンド表示として、図7のようなグラフを応用するには、異なる2つの生体パラメータの時間的な同時性といった要素も加味してプロットする必要がある。しかし、仮に同時に測定して座標にプロットできたとしても、時系列を示す態様で表記するために、図7のように時間を直接記載する手法も検討されるが、プロットされるデータが増加すれば、見づらくなるなどの表示上においても問題がある。
【0011】
更に、異なる2つの生体パラメータを座標に表示するものとして、特許文献1や特許文献2に係る発明が知られている。
【0012】
特許文献1に係る発明は、一つの心電図センサによる測定結果を誘導毎に縦軸と横軸にプロットするものであり、特許文献2に係る発明は、一つの血圧センサによる測定結果である最高血圧と最低血圧を縦軸と横軸にプロットするものであり、いずれも異なる2つのパラメータとはいえず、連動性に基づく循環動態までは把握できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7542795号明細書
【特許文献2】特許第3656642号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような生体パラメータ表示に関する現状に鑑みてなされたもので、その目的は、生体から同時又は同じ時間区間に異なるセンサにより測定された二つの生体パラメータに係るデータをXY座標において自動的にプロットするとともに、プロットされた時系列が明瞭となるようにトレンド表示可能な生体パラメータ表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段と、第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段と、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段と、前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段と、前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
生体パラメータ表示装置では、前記プロット表示手段は、設定された間隔及び/又は最新の測定値で前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0017】
前記プロットデータ生成手段は、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成することを特徴とする。
【0018】
前記代表値とは、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれか一つであることを特徴とする.
【0019】
生体パラメータ表示装置では、前記プロット表示手段は、時系列を示す態様で前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0020】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の輝度を最も高くし、それ以前のプロット点の輝度を一律に又は徐々に低く表示することを特徴とする。
【0021】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を最も大きくし、それ以前のプロット点を一律に又は徐々に小さく表示することを特徴とする。
【0022】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点と前記座標上の表示される最も古い時間にプロット点との間に所定の色階調を設け、徐々に色階調を変化させることを特徴とする。
【0023】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、あるプロット点とその前のプロット点との間を矢印又は線分で結ぶことを特徴とする。
【0024】
生体パラメータ表示装置では、前記矢印又は線分は、あるプロット点とその前のプロット点とを結ぶ線分が所定長より短い場合は表示しないことを特徴とする。
【0025】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の形状を、既に表示される他のプロット点と異なる形状でプロットすること
を特徴とする。
【0026】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においいては、直近のプロット点を点滅させることを特徴とする。
【0027】
生体パラメータ表示装置では、前記時系列を示す態様においては、複数のプロット点が重なった場合、時系列順に新しいプロット点を前面にプロットすることを特徴とする。
【0028】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が、生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報を表示する判断基準表示手段を具備することを特徴とする。
【0029】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が生体状態として適正又は危険であることを示す領域を明示して表示可能な領域表示手段を具備することを特徴とする。
【0030】
前記生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータとして第1の循環器系パラメータを用い、第2の生体パラメータとして第2の循環器系パラメータを用い、前記第1の循環器系パラメータは、連続測定可能な心拍出量/心機能を示すパラメータと連続測定可能な心臓の前負荷/後負荷を示すパラメータのいずれか一方であり、前記第2の循環器系パラメータは、前記いずれか他方であることを特徴とする。
【0031】
前記生体パラメータ表示装置は、前記座標に複数人のプロットデータをプロット可能であることを特徴とする。
【0032】
前記生体パラメータ表示装置は、所定の時刻を選択する時刻選択手段を更に備え、前記プロット表示手段は、前記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0033】
前記生体パラメータ表示装置は、第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段を更に備え、 前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第一の測定手段と前記第三の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすることを特徴とする。
【0034】
前記生体パラメータ表示装置は、第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段と、第4の生体パラメータを測定する第四の測定手段を更に備え、前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第4の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第三の測定手段と前記第四の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすることを特徴とする
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、同時又は同じ時間区間に測定された異なる2つのパラメータに係るデータがXY座標上に自動的にプロットされるので、生体状態の経過(特に循環動態)を容易かつ適切に把握する場合に極めて好適である。
【0036】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれかに基づきプロットデータを生成されるので、測定値に突発的なノイズが混入していたとしても、プロットされるデータへの影響を低減ないしは除外でき、安定かつ高精度なデータがプロットされる。
【0037】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、直近のプロットデータの輝度や大きさや色や形状が他のデータと異なったり、直近のデータが点滅したりなど、時系列を示す態様でプロットされるので、プロットされた各データを時系列で追跡することが可能となり最新の生体状態を容易に把握できる。
【0038】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、データが離間している場合に、表示された各データを時系列で追跡できるため、最新の生体状態を容易に把握できる。さらに、データが近接する場合には、矢印又は線分は表示されないため、表示が見づらくなることがない。
【0039】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、複数のデータが座標上で重なった場合、時系列順に新しいプロット点が前面に表示されるため、最新の生体状態を容易に把握できる。
【0040】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、正常又は異常を示す情報や適正又は危険な領域を座標上に表示するので、生体状態が正常であるか異常であるかを容易に把握できる。
【0041】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、座標上に複数人のデータを同時にプロットできるので、複数人の生体状態を同時に把握可能となるだけでなく、医療従事者の監視業務に関する作業効率が向上する。
【0042】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、第1の座標と第2の座標を同時に表示できるため、より的確な循環動態の把握だけでなく、適切な輸液管理をも実現可能とする。
【0043】
本発明に係る生体パラメータ表示装置によれば、時刻選択手段により使用者が所望の時刻のプロットデータを座標に再生できるため、見落しなどを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図3】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図4】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図5】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図6】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図。
【図7】Forrester分類の一例を示す図。
【図8】従来の生体パラメータ表示装置により表示されるトレンド表示の例を示す図。
【図9】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図であり、プロット点間を線分により結合した例を示す図。
【図10】本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例により表示される画像の例を示す図であり。画面上に複数の座標を表示し、時刻選択手段による時刻選択を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下添付図面を参照して、本発明に係る生体パラメータ表示装置の実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1に示すように、生体パラメータ表示装置は、第一の測定手段11、第二の測定手段12を備えている。
【0046】
第一の測定手段11と第二の測定手段12として、中心静脈圧(CVP)、肺動脈圧(PAP)、肺動脈楔入圧(PCWP)、動脈圧(ART)、心内圧(RAP,RVP,LAP,LVP)などの観血血圧を測定する血圧測定手段、心臓より一分間に拍出される血液量を示す心拍出量COを測定する心拍出量測定手段、肺動脈楔入圧(PCWP)、CVP−ET、PPVといった心臓の前負荷や後負荷を測定可能な測定手段が望ましい。なお測定手段はこれに限られるものでなく、該パラメータと同等、ないしは該パラメータを反映する測定値を取得できる測定手段であればよい。特に上記パラメータを連続的に測定可能な測定手段であることが望ましい。通常これらのパラメータは観血的手法により測定されることが多いが、非観血的手法により測定されるものであっても良い。いずれにせよ、第一の測定手段11と第二の測定手段12とは異なる測定手段であればよい。
【0047】
ここで、前負荷とは心収縮前(拡張終末期)の心室と大血管の内腔を維持している血液量を指す。CVP−ETとは、呼気終末のタイミングで中心静脈圧(CVP)を測定したもので、右心室の前負荷の指標となる。詳細は本願発明者が既に出願した特願2009−048321にて記載されている。PPVとは、脈圧の呼吸性変動のことであり、脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)の変動率で脈圧から演算して求められ、右心室の前負荷の指標となる。
【0048】
上述の各種センサにより得られた信号は処理され、CPU30へ送られるように構成する。
【0049】
CPU30には、表示手段31、プロットデータ生成手段32、プロット表示手段33、判断基準表示手段34、領域表示手段35が備えられている。
【0050】
CPU30には、タッチパネルやキーボードなどにより構成される入力部50が接続されており、ここからプロットデータ生成手段32において取得された生体パラメータからXY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータが選択入力され、また、データの間隔(時間区間)を、ここでは、1m、10m、30m、1h、4hの中から選択することができる。また、この入力部50からトレンド表示とXY座標へのプロット表示のいずれを行うか選択することもできる。もちろん数字はこれに限られない。
【0051】
CPU30に備えられている表示手段31は、第一の測定手段11により測定された第1の生体パラメータに係るデータをX軸とし、第二の測定手段12により測定された第2の生体パラメータに係るデータをY軸とするXY座標によるグラフを表示部40に描画するものである。
【0052】
さらに、プロットデータ生成手段32は、第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成し、生成されたプロットデータはプロット表示手段33によってXY座標上にプロット表示される。第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値が、同時又は同じ時間区間に測定されたことは、リアルタイム測定ではデータの入力時刻に基づき検出し、リアルタイム測定でなければ、測定開始時刻とデータのサンプリング間隔をCPU30が取得して、これに基づき検出を行う。プロットされる間隔は、前述の入力部50で設定された間隔であり、この値は図2から図6に示す画面の領域Wに表示される。また、後述する時系列を示す態様でプロットされても良い。
【0053】
ここで、“同時”とは、プロットするタイミングとして、プロットデータ生成手段32が第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより同時に測定された測定値に基づいて、プロットデータを作成する場合の時間関係を指し、また、同時ではないにしても第一の測定手段11による測定時刻と第二の測定手段12による測定時刻が最も近接する二つの測定値やそれぞれの測定手段により測定された最新の測定値に基づき、プロットデータを作成する場合の時間関係を含む。
【0054】
更に、生体信号パラメータをリアルタイムで測定しながらプロット表示手段33がプロットする場合、第一の測定手段11と第二の測定手段12により最も近接する時刻に測定された二つのデータに基づき、プロットするのが望ましい。
【0055】
また、“同じ時間区間”とは、プロットされる直前の所定時間内における、それぞれ測定された各パラメータの測定値群より代表値を求めて、プロットデータ生成手段32がプロットデータを作成する場合の時間関係を指すものとする。ここで、代表値とは、例えば各パラメータの測定値群の最頻値や平均値や中間値などが挙げられる。
【0056】
更に、前述の通り、プロットデータ生成手段32は、同時に第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成する。ここに、“同時に第一の測定手段11と第二の測定手段12とにより測定された測定値群より求められる代表値”とは、例えば11時のプロットデータは、測定手段が1秒ごとに測定値をサンプリングしていた場合、11時から11時1分の間に測定された60個の測定値群より求められる最頻値や平均値や中間値などとすることを意味する。
【0057】
さらに、“同じ時間区間”とは、プロットされる間隔(上述のデータの間隔)の間にそれぞれ測定された各パラメータの測定値群の最頻値や平均値や中間値といった数学的手法を用いて、プロットデータ生成手段32がプロットデータを作成する場合の時間関係を指してもよい。
【0058】
時系列を示す態様としては、データの経時時間単位に、輝度を所定階調変化させるもの、矢印又は線分を用いるもの、順次に色により変化を与えるもの、プロット点の形状や大きさを変化させるものなどを単独で或いは組み合わせて用いることができる。そして、データを時系列で追跡可能となるように、上記態様に加えまたは上記態様とは別に、相前後するプロット点について適宜な大きさとして重ね合せたり、重ね合わせないまでも近接させるほか、矢印又は線分によりプロット点をつなぐように画像を作成しても良い。これらの表示態様については、図2から図6、図9に示している。
【0059】
ここで、線分の表示態様の例を図9(a)〜図9(d)に示す。図9(a)は、プロット点の間を結ぶ線分の両端がプロット点と接するものである。図9(b)は、プロット点の間を結ぶ線分の両端がいずれもプロット点と接しないものである。図9(c)と図9(d)は、プロット点の間を結ぶ線分のいずれか一端のみがプロット点と接するものである。
【0060】
さらに上記態様に加えまたは上記態様とは別に、最新のプロット点が明確となるように、プロットされる形状を他のプロット点と異なるもの(例えば最新のプロット点を△とし、その他のプロット点は○にするなど)としたり、点滅するなどしても良い。またプロット点が密集し、重なってしまった場合には、新しいプロット点から順に最前面に表示しても良い。
【0061】
CPU30には、さらに判断基準表示手段34が備えられている。判断基準表示手段34は、プロット点について生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報(例えば、XY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータに応じて予め記憶されている)を前記座標上に表示するものであり、具体的には図2や図3に示す曲線L1、L2が一例として挙げられる。心機能が正常の場合に曲線L1のような軌跡を描き、心機能が異常の場合に曲線L2のような軌跡を描くので、プロット点とこれら曲線L1、L2がともに表示されることで、生体の心機能の状態を容易に把握できる。
【0062】
判断基準表示手段34は、縦軸と横軸のパラメータを変更した場合、それに対応し図4に示すように2種のパラメータのデータに応じてXY座標上に時系列が明らかとなる表示形態において、プロット点が表示される。この場合にも、判断基準表示手段34が、この図4のパラメータにおけるプロット点について生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報(図3とは異なる線分等)を表示しても良い。
【0063】
CPU30には、さらに領域表示手段35が備えられている。領域表示手段35は、座標上のプロット点が生体状態として正常である領域(例えば、XY座標にプロットして表示すべき2種のパラメータに応じて予め記憶されている)を、他の領域と明確に区別するように図5のように表示するものである。明確に区別するために、領域の枠を囲ったり、正常である領域の色を他の領域と変えたりするなど、正常領域が明確に把握できる表示態様であればよい。
【0064】
判断基準表示手段34や領域表示手段35に関する設定は、個人差や施設の運用など考慮し、自由に設定可能であることが望ましい。
【0065】
図5において、生体パラメータのデータにプロット点が、MAPが65mmHg以上で、CVP−ETが8mmHgから12mmHgまでの方形枠Sにより囲まれている範囲に入るように医療従事者は処置をすればよくするために、行うべき各種医療処置等を表示しても良い。
【0066】
前記範囲は、重症敗血症や肺血性ショックの患者に対して、循環動態の適正化と組織低酸素状態の改善を図るため、初期治療開始6時間以内に達成すべき指針であるEGDT(Early Goal Direct Therapy)を例示したが、これに限られるものではない。
【0067】
さらに前記範囲は、領域表示手段35は図6に示すように、座標を“目標ゾーン”、“循環血液量減少”、“心筋収縮出能低下”、“肺水腫危険ゾーン”、“心タンポナーデ”などの複数の領域に区分してもよい。この際、生体状態として適正な“目標ゾーン”とそれ以外の特に危険な“心タンポナーデ”や“肺水腫危険ゾーン”などは異なる表示態様で表示されるとより好適である。図6においては、右傾斜のハッチングと左傾斜のハッチングにより識別可能として示しているが、他の領域と明確に区別するように表示するものであればよく、領域の枠を囲ったり、領域の色を他の領域と変えたりするなど適宜な態様を採用し得る。
【0068】
表示部40は、CPU30の表示手段31やプロット表示手段33や判断基準表示手段34や領域表示手段35から与えられた情報を表示するLCDなどにより構成される。
【0069】
なお、本発明に係る生体パラメータ表示装置は、いわゆるベットサイド型生体情報モニタ装置だけでなく、複数のベットサイド型生体情報モニタ装置から送信される患者の生体情報を受信し、表示するナースステーション等に配置されたステーション型生体情報モニタ装置(セントラルモニタ)に用いられてもよい。この場合、当該生体パラメータ表示装置は、各ベッドサイド型生体情報モニタ装置から送信される情報を座標上にプロットすることで、複数の患者の生体状態を同時に表示可能となる。また、複数の患者を同時に表示する場合は、患者毎にプロットの色や形状などを変えて表示するのが望ましい。
【0070】
生体パラメータ表示装置による表示の一例を図10に示す。図10の上段にはトレンド表示が表示されている。図10の下段にはプロット表示手段33により複数の座標が表示されている。
【0071】
図10のトレンド表示の右端のカーソルC1は現在の時刻におけるARTやPPVなどの生体パラメータの値を表示するものである。生体パラメータ表示装置には、使用者が図10のトレンド表示の気になる時刻のデータに専用のカーソルC2(図10のトレンド表示中央近傍)を設定したり、(図示しないが)気になる時刻のトレンドデータをクリックしたり、気になる時刻を直接入力するなどの操作を可能とする時刻選択手段が備えられている。プロット表示手段33は、上記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータを、第1の座標と第2の座標との少なくとも一方に表示する。
【0072】
図10の下段の座標は、第1の座標と第2の座標の一例であり、上記選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータを再生表示可能とすることを示している。なお、上記の「選択された時刻に対応した」とは、選択された時刻の近傍時刻を意味し、近傍時刻の範囲(時間幅)に関する設定は使用者が自由にできることが望ましい。
【0073】
図10の下段左の座標には、縦軸をCCI、横軸をPPVとした生体データに基づくプロットデータがプロットされて表示されており、図10の下段右の座標には、縦軸をCCI、横軸をCVPとした生体データに基づくプロットデータがプロットされて表示されている。図10においては、縦軸はCCIという同一の生体パラメータを用いた例を示しているが、横軸が同一の生体パラメータであってもよいし、縦軸と横軸それぞれ異なる生体パラメータであってもよい。
【0074】
例えば、図10の下段左の座標における横軸はPPVである。PPVは患者に投与された輸液に対する応答性を好適に反映するため、輸液の投与に対する指標となる。さらに、図10の下段右の座標の横軸はCVPである。CVPは投与された輸液の量が適切であるか否かの指標となり得る。よって、図10の下段のように、同一の患者に対して複数の座標を表示することで、より的確な循環動態の把握だけでなく、輸液管理をも効果的に把握することができることが分かるが、本実施形態の生体パラメータ表示装置は、このような表示を行うための構成を備えている。
【符号の説明】
【0075】
11 第一の測定手段
12 第二の測定手段
30 CPU
31 表示手段
32 プロットデータ生成手段
33 プロット表示手段
34 判断基準表示手段
35 領域表示手段
40 表示部
50 入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段と、
第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段と、
第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段と、
前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段と、
前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段と
を具備することを特徴とする生体パラメータ表示装置。
【請求項2】
前記プロット表示手段は、設定された間隔及び/又は最新の測定値で前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項3】
前記プロットデータ生成手段は、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成すること
を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項4】
前記代表値とは、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれか一つであること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項5】
前記プロット表示手段は、時系列を示す態様で前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項6】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の輝度を最も高くし、それ以前のプロット点の輝度を一律に又は徐々に低く表示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項7】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を最も大きくし、それ以前のプロット点を一律に又は徐々に小さく表示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項8】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点と前記座標上の表示される最も古い時間のプロット点との間に所定の色階調を設け、徐々に色階調を変化させること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項9】
前記時系列を示す態様においては、あるプロット点とその前のプロット点との間を矢印又は線分で結ぶこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項10】
前記矢印又は線分は、あるプロット点とその前のプロット点とを結ぶ線分が所定長より短い場合は表示しないこと
を特徴とする請求項9に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項11】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の形状を、既に表示される他のプロット点と異なる形状でプロットすること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項12】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を点滅させること
を特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項13】
前記時系列を示す態様においては、複数のプロット点が重なった場合、時系列順に新しいプロット点を前面にプロットすること
を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項14】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が、生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報を表示する判断基準表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項15】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が生体状態として適正又は危険であることを示す領域を明示して表示可能な領域表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項16】
前記生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータとして第1の循環器系パラメータを用い、第2の生体パラメータとして第2の循環器系パラメータを用い、前記第1の循環器系パラメータは、連続測定可能な心拍出量/心機能を示すパラメータと連続測定可能な心臓の前負荷/後負荷を示すパラメータのいずれか一方であり、前記第2の循環器系パラメータは、前記いずれか他方であること
を特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項17】
前記生体パラメータ表示装置は、前記座標に複数人のプロットデータをプロット可能であること
を特徴とする1乃至16のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項18】
前記生体パラメータ表示装置は、
所定の時刻を選択する時刻選択手段を更に備え、
前記プロット表示手段は、前記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項19】
前記生体パラメータ表示装置は、
第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段を更に備え、
前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、
前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第一の測定手段と前記第三の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、
前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項20】
前記生体パラメータ表示装置は、
第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段と、
第4の生体パラメータを測定する第四の測定手段を更に備え、
前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第4の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、
前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第三の測定手段と前記第四の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、
前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項1】
第1の生体パラメータを測定する第一の測定手段と、
第1の生体パラメータとは異なる種類の第2の生体パラメータを測定する第二の測定手段と、
第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とする座標として表示する表示手段と、
前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータを生成するプロットデータ生成手段と、
前記座標上に前記プロットデータをプロットするプロット表示手段と
を具備することを特徴とする生体パラメータ表示装置。
【請求項2】
前記プロット表示手段は、設定された間隔及び/又は最新の測定値で前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項3】
前記プロットデータ生成手段は、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群より求められる代表値に基づきプロットデータを生成すること
を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項4】
前記代表値とは、同時又は同じ時間区間内に前記第一の測定手段と前記第二の測定手段とにより測定された測定値群の中央値、平均値、最頻値のいずれか一つであること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項5】
前記プロット表示手段は、時系列を示す態様で前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項6】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の輝度を最も高くし、それ以前のプロット点の輝度を一律に又は徐々に低く表示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項7】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を最も大きくし、それ以前のプロット点を一律に又は徐々に小さく表示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項8】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点と前記座標上の表示される最も古い時間のプロット点との間に所定の色階調を設け、徐々に色階調を変化させること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項9】
前記時系列を示す態様においては、あるプロット点とその前のプロット点との間を矢印又は線分で結ぶこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項10】
前記矢印又は線分は、あるプロット点とその前のプロット点とを結ぶ線分が所定長より短い場合は表示しないこと
を特徴とする請求項9に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項11】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点の形状を、既に表示される他のプロット点と異なる形状でプロットすること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項12】
前記時系列を示す態様においては、直近のプロット点を点滅させること
を特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項13】
前記時系列を示す態様においては、複数のプロット点が重なった場合、時系列順に新しいプロット点を前面にプロットすること
を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項14】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が、生体状態として正常であるか又は異常であるかを示す情報を表示する判断基準表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項15】
第1の生体パラメータと第2の生体パラメータとにより求められるプロット点が生体状態として適正又は危険であることを示す領域を明示して表示可能な領域表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項16】
前記生体パラメータ表示装置は、第1の生体パラメータとして第1の循環器系パラメータを用い、第2の生体パラメータとして第2の循環器系パラメータを用い、前記第1の循環器系パラメータは、連続測定可能な心拍出量/心機能を示すパラメータと連続測定可能な心臓の前負荷/後負荷を示すパラメータのいずれか一方であり、前記第2の循環器系パラメータは、前記いずれか他方であること
を特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項17】
前記生体パラメータ表示装置は、前記座標に複数人のプロットデータをプロット可能であること
を特徴とする1乃至16のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項18】
前記生体パラメータ表示装置は、
所定の時刻を選択する時刻選択手段を更に備え、
前記プロット表示手段は、前記時刻選択手段により選択された時刻に対応したプロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項19】
前記生体パラメータ表示装置は、
第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段を更に備え、
前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、
前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第一の測定手段と前記第三の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、
前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【請求項20】
前記生体パラメータ表示装置は、
第3の生体パラメータを測定する第三の測定手段と、
第4の生体パラメータを測定する第四の測定手段を更に備え、
前記表示手段は、第1の生体パラメータをX軸とし、第2の生体パラメータをY軸とした第1の座標と、第3の生体パラメータをX軸とし、第4の生体パラメータをY軸とした第2の座標とを表示可能とし、
前記プロットデータ生成手段は、さらに前記第三の測定手段と前記第四の測定手段とにより、同時又は同じ時間区間に測定された測定値に基づきプロットデータをも生成可能とし、
前記プロット表示手段は、第1の座標と第2の座標にそれぞれ前記プロットデータをプロットすること
を特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の生体パラメータ表示装置。
【図1】
【図7】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【図7】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【公開番号】特開2011−104341(P2011−104341A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169504(P2010−169504)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
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