生体信号測定装置および生体信号測定方法
【課題】アーチファクト成分などのノイズ成分が重畳された測定信号から被測定者の脈動成分を正確に抽出して検出することができる。
【解決手段】2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部10と、照射部10から照射されて生体組織500を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部20と、電気信号をヒルベルト変換して包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部34,35と、生成した包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて生体組織500における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部40とを備えることを特徴とする生体信号測定装置100を提供する。
【解決手段】2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部10と、照射部10から照射されて生体組織500を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部20と、電気信号をヒルベルト変換して包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部34,35と、生成した包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて生体組織500における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部40とを備えることを特徴とする生体信号測定装置100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の動脈血の酸素飽和度や脈拍数を測定する生体信号測定装置および生体信号測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定者の動脈血中の酸素飽和度や脈拍数を非侵襲的に求めることにより当該被測定者の末梢循環の状態を推定する酸素飽和度測定装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
酸素飽和度測定装置は、酸素化ヘモグロビン等の対象物質に対する吸光性が異なる複数の波長の光を生体組織に透過又は反射させ、その透過光又は反射光の光量を連続的に測定することにより得られる脈波データ信号から動脈血中の酸素飽和度(SpO2)を求めるようにしたパルスオキシメータが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−216114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のパルスオキシメータは、測定中における被測定者の体の動きや咳などに起因するアーチファクト成分などのノイズ成分が測定信号に重畳されることにより、脈動成分が正確に検出できないことがあった。このようなノイズ成分は、場合によっては脈動成分よりもピーク強度が大きくなることがあるので、ピーク強度の最も大きな成分を脈動成分として検出する方式では脈動成分を正確に捉えることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部と、前記照射部から照射されて前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部と、前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部と、前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部とを備えることを特徴とする生体信号測定装置を提供する。
【0007】
また、上記生体信号測定装置は更に、前記包絡線データの値を正規化する正規化処理部と、正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部とを備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射段階と、前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光段階と、前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換段階と、前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出段階とを含むことを特徴とする生体信号測定方法を提供する。
【0009】
また、上記生体信号測定方法は更に、前記包絡線データの値を正規化する正規化処理段階と、正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出段階とを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、アーチファクト成分などのノイズ成分が重畳された測定信号から被測定者の脈動成分を正確に抽出して検出することができる。また、酸素飽和度算出部が、抽出部におけるヒルベルト変換部で生成された各波長の測定信号の包絡線データに基づいて減光度比を算出することにより、各波長の測定信号から直接減光度比を算出する場合に比べて、減光度比の算出値が異常値となることがなく、血中酸素飽和度をより正確に算出することができる。
【0011】
従来の減光度比φ(酸素飽和度)は、R(赤色光の信号)をIR(赤外光の信号)で除算するφ=R/IRの式で算出され、分母がゼロになる場合に異常値を示す欠点があった。しかし、本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、ヒルベルト変換による処理を行うため、分母がゼロを取らず、減光度比が異常値となる場合が少ない。
【0012】
更に、本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、ヒルベルト変換した信号を正規化処理するため、生体信号(脈波)の周波数スペクトルを求めた際に、振幅が大きいアーチファクトは抑圧され、振幅が小さい脈波は伸長される結果、脈波スペクトルが明瞭となり、精度良く測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る生体信号測定装置100の機能ブロック図である。
【図2】IRの時間波形の一部を示す。
【図3】図2に示すIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【図4】従来の方法で算出された減光度比の時間波形の一例を示す。
【図5】IRの時間波形(IR)と、当該時間波形をヒルベルト変換して求めた包絡線(HIR)の波形の一例を示す。
【図6】図5に示すIRの時間波形を同図に示す包絡線で正規化した時間波形を示す。
【図7】図6に示す正規化されたIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【図8】Rの時間波形から生成された包絡線データとIRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて算出される減光度比の時間波形の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る生体信号測定装置100の機能ブロック図である。図1に示すように、生体信号測定装置100は、被測定者の動脈血中の酸素飽和度を測定する装置であり、照射部10と、受光部20と、抽出部30と、演算処理部40と、記憶部50と、表示部60とを備える。なお、演算処理部40は、後述のように、本発明における酸素飽和度算出部、および脈拍数算出部として機能する。
【0016】
照射部10は、発光素子11、発光素子12、および駆動回路13を有する。発光素子11および発光素子12は、2つの異なる波長の光を交互に発光するように駆動回路13によって駆動される。本例において、発光素子11は、波長がおよそ940nmの赤外光(IR)を発光する発光ダイオードであり、また、発光素子12は、波長がおよそ660nmの赤色光(R)を発光する発光ダイオードである。
【0017】
なお、発光素子11および発光素子12が発光する光の波長は上記の波長に限られない。発光素子11が発光する光の波長は、例えば、血中の酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも大きい領域、具体的には800nmよりも短波長側の帯域内の値であって可及的に高い値に設定されることが好ましい。また、発光素子12が発光する光の波長は、例えば、血中の酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも小さい領域、具体的には800nmよりも長波長側の領域内の値であって可及的に低い値に設定されることが好ましい。
【0018】
受光部20は、受光素子21および増幅器22を有する。受光素子21は、照射部10から被測定者の生体組織500に向けて上記の異なる2波長の光が交互に照射されると、当該生体組織500を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する。増幅器22は、受光素子21からの電気信号を所定に増幅する。本例において、受光素子21は、フォトダイオードである。また、生体組織500は、例えば被測定者の指先や耳朶でよい。
【0019】
抽出部30は、マルチプレクサ31、A/D変換器32,33、ヒルベルト変換部34,35、正規化処理部36,37、および前処理部38を有する。マルチプレクサ31は、増幅器22において増幅された上記電気信号をそれぞれの光波長(R又はIR)に対応した電気信号毎に分離する。そして、分離された電気信号の一方はA/D変換器32に入力され、他方はA/D変換器33に入力される。本例では、A/D変換器32にはRの光の受光強度に応じたアナログの電気信号が入力され、A/D変換器32は、当該電気信号をデジタル化する。また、A/D変換器33にはIRの光の受光強度に応じたアナログの電気信号が入力され、A/D変換器33は、当該電気信号をデジタル化する。
【0020】
前処理部38は、A/D変換器32およびA/D変換器33の各々でデジタル化された電気信号に対して所定の処理を実行する。ここで、所定の処理とは、酸素飽和度(減光度比φ)や脈拍数(PR)を算出するにあたって必要な既知の処理である。具体的には、所定の帯域でのバンドパスフィルタなどによるフィルタリング、RとIRにおける脈波の直流成分と交流成分の分離などがある。また、前処理部38は、必要に応じて、さらに、上記の入力信号に対して、一回差分や二重回転(例えば特許第4196209号公報に記載の処理)や一重回転(例えば特許第4352315号公報に記載の処理)などの既知の処理を実行することにより、入力する電気信号に含まれるアーチファクトに起因する成分を除去しても良い。
【0021】
ヒルベルト変換部34は、A/D変換器32でデジタル化されて前処理部38において上記の処理がなされたRの受光強度に応じた電気信号をヒルベルト変換して当該電気信号の時間波形の包絡線を構成する包絡線データを生成する。また、ヒルベルト変換部35は、A/D変換器33でデジタル化されて前処理部38において上記の処理がなされたIRの受光強度に応じた電気信号をヒルベルト変換して当該電気信号の時間波形の包絡線を構成する包絡線データを生成する。ここで、ヒルベルト変換部34およびヒルベルト変換部35の各々は、より具体的には、前処理部38から入力される各光の受光強度に応じた電気信号の値を二乗した値とヒルベルト変換後の値を二乗した値の和の平方根を算出する。そして、ヒルベルト変換部34およびヒルベルト変換部35の各々は、算出した上記平方根の値を包絡線データとして出力する。
【0022】
そして、ヒルベルト変換部34は、前処理部38から入力されるRの光の受光強度に応じたデジタルの電気信号をそのまま後段の正規化処理部36へと出力するとともに、当該電気信号をヒルベルト変換して生成した包絡線データを正規化処理部36と演算処理部40へと出力する。また、ヒルベルト変換部35は、前処理部38から入力されるIRの光の受光強度に応じたデジタルの電気信号をそのまま後段の正規化処理部37へと出力するとともに、当該電気信号をヒルベルト変換して生成した包絡線データを正規化処理部37と演算処理部40へと出力する。
【0023】
正規化処理部36,37は、ヒルベルト変換部34,35から入力される上記電気信号を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データに基づいて正規化する。より具体的には、正規化処理部36,37は、一のタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される上記電気信号の値を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データの値で除した値を算出し、その算出値を正規化する。
【0024】
演算処理部40は、CPUなどの演算処理回路を有し、RAMあるいはハードディスクドライブなどで構成される記憶部50に格納されたプログラムに基づいて種々の演算処理を実行する。本例では、演算処理部40は、正規化された上記2波長のそれぞれの光に対応する周波数成分の振幅に基づいて、被測定者の動脈の脈動周波数(脈拍数)を算出する。また、演算処理部40は、ヒルベルト変換部34,35から入力される上記2波長のそれぞれの光に対応する上記包絡線データに基づいて、減光度比(Hφ)を算出する。
【0025】
より具体的には、演算処理部40には、ヒルベルト変換部34からRの光の受光強度に応じた電気信号の時間波形から生成された包絡線データ(HR)が入力され、また、ヒルベルト変換部34からIRの光の受光強度に応じた電気信号の時間波形から生成された包絡線データ(HIR)が入力される。そして、演算処理部40は、これらの包絡線データから、以下の式(1)に基づいて減光度比(Hφ)を算出する。
Hφ=HR/HIR ・・・(1)
【0026】
演算処理部40は、算出した減光度比に基づいて被測定者の動脈における生体信号を算出し、その算出結果を時系列のデータとして表示部60に出力する。表示部60は、例えばLCDなど公知の表示装置のいずれかであって、演算処理部40からの上記データ列を時間波形として表示する。また、表示部60は、演算処理部40で算出された上記脈拍数を併せて表示してもよい。なお、血中酸素飽和度の算出方法については、公知の種々の方法の何れを用いてもよい。
【0027】
ここで、本実施形態に係る生体信号測定装置100を用いて被測定者の動脈血の酸素飽和度を測定する際の生体信号測定装置100における特徴的な機能についてより詳細に説明する。
【0028】
図2は、A/D変換器33においてデジタル化された信号波形の一例であるIRの時間波形の一部を示す。図2に示すように、IRの時間波形は、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分の他に、被測定者の体の動きや咳などに起因するアーチファクト成分など様々なノイズ成分が重畳している。とりわけ、図2に「T1」および「T2」を付して示す時間幅においては、脈動成分に比べて振幅が大きくかつ周波数のより小さなノイズ成分が重畳している。
【0029】
図3は、図2に示すIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。図3に示すように、図2に示すIRの時間波形をFFT解析すると、図3に「P」を付して示す脈動成分のピーク以外に様々な周波数成分が含まれていることが分かる。とりわけ、図3に「X」を付して示す帯域の成分は、上記ノイズ成分に対応するものであるが、振幅のピークが脈動成分の振幅のピークを上回るものが含まれている。
【0030】
そして、このようなノイズ成分の重畳は、以上に例示したIRの時間波形のみならずRの時間波形においても同様である(すなわち、A/D変換器32においてデジタル化されたRの時間波形においても同様である)。したがって、これらの時間波形をそのまま利用すると、上記FFTの結果からも明らかなように、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分を正確に特定することが難しい。また、従来のように、RおよびIRの各時間波形における受光タイミング毎のIRの値でRの値を除して減光度比を算出すると、例えば図4に示すように、減光度比の値が算出タイミングによって上下に大きく振れることから、血中酸素飽和度の時間変化を正確に捉えることが難しい。
【0031】
これに対し、本実施形態に係る生体信号測定装置100では、A/D変換器32,33においてデジタル化されたRおよびIRの電気信号の時間波形を上記のようにヒルベルト変換部34,35においてヒルベルト変換して当該時間波形の包絡線に変換する処理を実行する。そして、後段の正規化処理部36,37において、A/D変換器32,33においてデジタル化されたRおよびIRの電気信号を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データに基づいて正規化する。
【0032】
図5は、IRの時間波形(IR)と、当該時間波形をヒルベルト変換して求めた包絡線(HIR)の波形の一例を示す。また、図6は、図5に示すIRの時間波形を同図に示す包絡線で正規化した時間波形を示す。また、図7は、図6に示す正規化されたIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【0033】
図6および図7に示すように、正規化処理部36,37においてRおよびIRの時間波形をその包絡線で正規化することで、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分(脈動成分)以外の成分が相対的に減衰される。したがって、図3に「X」を付して示す帯域に対応する図7に「X」を付して示す帯域の成分が抑えられ、結果として図7に「P」を付して示す脈動成分が相対的に強調されるので、当該脈動成分を正確に特定することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る生体信号測定装置100では、演算処理部40において、Rの時間波形から生成された包絡線データと、IRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて減光度比を算出している。図8は、演算処理部40において算出される減光度比の波形の一例を示す。図8に示すように、Rの時間波形から生成された包絡線データとIRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて算出される減光度比の値は、算出タイミングによらず値の変動がほとんどないことから、当該減光度比に基づいて算出される被測定者の動脈における血中酸素飽和度の信頼性が向上し、その時間変化をより正確に捉えることができる。
【0035】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0036】
10 照射部
11、12 発光素子
13 駆動回路
20 受光部
21 受光素子
22 増幅器
30 抽出部
31 マルチプレクサ
32,33 A/D変換器
34,35ヒルベルト変換部
36,37 正規化処理部
38 前処理部
40 演算処理部(酸素飽和度算出部、脈拍数算出部)
50 記憶部
60 表示部
100 生体信号測定装置
500 生体組織
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の動脈血の酸素飽和度や脈拍数を測定する生体信号測定装置および生体信号測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定者の動脈血中の酸素飽和度や脈拍数を非侵襲的に求めることにより当該被測定者の末梢循環の状態を推定する酸素飽和度測定装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
酸素飽和度測定装置は、酸素化ヘモグロビン等の対象物質に対する吸光性が異なる複数の波長の光を生体組織に透過又は反射させ、その透過光又は反射光の光量を連続的に測定することにより得られる脈波データ信号から動脈血中の酸素飽和度(SpO2)を求めるようにしたパルスオキシメータが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−216114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のパルスオキシメータは、測定中における被測定者の体の動きや咳などに起因するアーチファクト成分などのノイズ成分が測定信号に重畳されることにより、脈動成分が正確に検出できないことがあった。このようなノイズ成分は、場合によっては脈動成分よりもピーク強度が大きくなることがあるので、ピーク強度の最も大きな成分を脈動成分として検出する方式では脈動成分を正確に捉えることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部と、前記照射部から照射されて前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部と、前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部と、前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部とを備えることを特徴とする生体信号測定装置を提供する。
【0007】
また、上記生体信号測定装置は更に、前記包絡線データの値を正規化する正規化処理部と、正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部とを備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射段階と、前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光段階と、前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換段階と、前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出段階とを含むことを特徴とする生体信号測定方法を提供する。
【0009】
また、上記生体信号測定方法は更に、前記包絡線データの値を正規化する正規化処理段階と、正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出段階とを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、アーチファクト成分などのノイズ成分が重畳された測定信号から被測定者の脈動成分を正確に抽出して検出することができる。また、酸素飽和度算出部が、抽出部におけるヒルベルト変換部で生成された各波長の測定信号の包絡線データに基づいて減光度比を算出することにより、各波長の測定信号から直接減光度比を算出する場合に比べて、減光度比の算出値が異常値となることがなく、血中酸素飽和度をより正確に算出することができる。
【0011】
従来の減光度比φ(酸素飽和度)は、R(赤色光の信号)をIR(赤外光の信号)で除算するφ=R/IRの式で算出され、分母がゼロになる場合に異常値を示す欠点があった。しかし、本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、ヒルベルト変換による処理を行うため、分母がゼロを取らず、減光度比が異常値となる場合が少ない。
【0012】
更に、本発明の生体信号測定装置および生体信号測定方法によれば、ヒルベルト変換した信号を正規化処理するため、生体信号(脈波)の周波数スペクトルを求めた際に、振幅が大きいアーチファクトは抑圧され、振幅が小さい脈波は伸長される結果、脈波スペクトルが明瞭となり、精度良く測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る生体信号測定装置100の機能ブロック図である。
【図2】IRの時間波形の一部を示す。
【図3】図2に示すIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【図4】従来の方法で算出された減光度比の時間波形の一例を示す。
【図5】IRの時間波形(IR)と、当該時間波形をヒルベルト変換して求めた包絡線(HIR)の波形の一例を示す。
【図6】図5に示すIRの時間波形を同図に示す包絡線で正規化した時間波形を示す。
【図7】図6に示す正規化されたIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【図8】Rの時間波形から生成された包絡線データとIRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて算出される減光度比の時間波形の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る生体信号測定装置100の機能ブロック図である。図1に示すように、生体信号測定装置100は、被測定者の動脈血中の酸素飽和度を測定する装置であり、照射部10と、受光部20と、抽出部30と、演算処理部40と、記憶部50と、表示部60とを備える。なお、演算処理部40は、後述のように、本発明における酸素飽和度算出部、および脈拍数算出部として機能する。
【0016】
照射部10は、発光素子11、発光素子12、および駆動回路13を有する。発光素子11および発光素子12は、2つの異なる波長の光を交互に発光するように駆動回路13によって駆動される。本例において、発光素子11は、波長がおよそ940nmの赤外光(IR)を発光する発光ダイオードであり、また、発光素子12は、波長がおよそ660nmの赤色光(R)を発光する発光ダイオードである。
【0017】
なお、発光素子11および発光素子12が発光する光の波長は上記の波長に限られない。発光素子11が発光する光の波長は、例えば、血中の酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも大きい領域、具体的には800nmよりも短波長側の帯域内の値であって可及的に高い値に設定されることが好ましい。また、発光素子12が発光する光の波長は、例えば、血中の酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも小さい領域、具体的には800nmよりも長波長側の領域内の値であって可及的に低い値に設定されることが好ましい。
【0018】
受光部20は、受光素子21および増幅器22を有する。受光素子21は、照射部10から被測定者の生体組織500に向けて上記の異なる2波長の光が交互に照射されると、当該生体組織500を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する。増幅器22は、受光素子21からの電気信号を所定に増幅する。本例において、受光素子21は、フォトダイオードである。また、生体組織500は、例えば被測定者の指先や耳朶でよい。
【0019】
抽出部30は、マルチプレクサ31、A/D変換器32,33、ヒルベルト変換部34,35、正規化処理部36,37、および前処理部38を有する。マルチプレクサ31は、増幅器22において増幅された上記電気信号をそれぞれの光波長(R又はIR)に対応した電気信号毎に分離する。そして、分離された電気信号の一方はA/D変換器32に入力され、他方はA/D変換器33に入力される。本例では、A/D変換器32にはRの光の受光強度に応じたアナログの電気信号が入力され、A/D変換器32は、当該電気信号をデジタル化する。また、A/D変換器33にはIRの光の受光強度に応じたアナログの電気信号が入力され、A/D変換器33は、当該電気信号をデジタル化する。
【0020】
前処理部38は、A/D変換器32およびA/D変換器33の各々でデジタル化された電気信号に対して所定の処理を実行する。ここで、所定の処理とは、酸素飽和度(減光度比φ)や脈拍数(PR)を算出するにあたって必要な既知の処理である。具体的には、所定の帯域でのバンドパスフィルタなどによるフィルタリング、RとIRにおける脈波の直流成分と交流成分の分離などがある。また、前処理部38は、必要に応じて、さらに、上記の入力信号に対して、一回差分や二重回転(例えば特許第4196209号公報に記載の処理)や一重回転(例えば特許第4352315号公報に記載の処理)などの既知の処理を実行することにより、入力する電気信号に含まれるアーチファクトに起因する成分を除去しても良い。
【0021】
ヒルベルト変換部34は、A/D変換器32でデジタル化されて前処理部38において上記の処理がなされたRの受光強度に応じた電気信号をヒルベルト変換して当該電気信号の時間波形の包絡線を構成する包絡線データを生成する。また、ヒルベルト変換部35は、A/D変換器33でデジタル化されて前処理部38において上記の処理がなされたIRの受光強度に応じた電気信号をヒルベルト変換して当該電気信号の時間波形の包絡線を構成する包絡線データを生成する。ここで、ヒルベルト変換部34およびヒルベルト変換部35の各々は、より具体的には、前処理部38から入力される各光の受光強度に応じた電気信号の値を二乗した値とヒルベルト変換後の値を二乗した値の和の平方根を算出する。そして、ヒルベルト変換部34およびヒルベルト変換部35の各々は、算出した上記平方根の値を包絡線データとして出力する。
【0022】
そして、ヒルベルト変換部34は、前処理部38から入力されるRの光の受光強度に応じたデジタルの電気信号をそのまま後段の正規化処理部36へと出力するとともに、当該電気信号をヒルベルト変換して生成した包絡線データを正規化処理部36と演算処理部40へと出力する。また、ヒルベルト変換部35は、前処理部38から入力されるIRの光の受光強度に応じたデジタルの電気信号をそのまま後段の正規化処理部37へと出力するとともに、当該電気信号をヒルベルト変換して生成した包絡線データを正規化処理部37と演算処理部40へと出力する。
【0023】
正規化処理部36,37は、ヒルベルト変換部34,35から入力される上記電気信号を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データに基づいて正規化する。より具体的には、正規化処理部36,37は、一のタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される上記電気信号の値を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データの値で除した値を算出し、その算出値を正規化する。
【0024】
演算処理部40は、CPUなどの演算処理回路を有し、RAMあるいはハードディスクドライブなどで構成される記憶部50に格納されたプログラムに基づいて種々の演算処理を実行する。本例では、演算処理部40は、正規化された上記2波長のそれぞれの光に対応する周波数成分の振幅に基づいて、被測定者の動脈の脈動周波数(脈拍数)を算出する。また、演算処理部40は、ヒルベルト変換部34,35から入力される上記2波長のそれぞれの光に対応する上記包絡線データに基づいて、減光度比(Hφ)を算出する。
【0025】
より具体的には、演算処理部40には、ヒルベルト変換部34からRの光の受光強度に応じた電気信号の時間波形から生成された包絡線データ(HR)が入力され、また、ヒルベルト変換部34からIRの光の受光強度に応じた電気信号の時間波形から生成された包絡線データ(HIR)が入力される。そして、演算処理部40は、これらの包絡線データから、以下の式(1)に基づいて減光度比(Hφ)を算出する。
Hφ=HR/HIR ・・・(1)
【0026】
演算処理部40は、算出した減光度比に基づいて被測定者の動脈における生体信号を算出し、その算出結果を時系列のデータとして表示部60に出力する。表示部60は、例えばLCDなど公知の表示装置のいずれかであって、演算処理部40からの上記データ列を時間波形として表示する。また、表示部60は、演算処理部40で算出された上記脈拍数を併せて表示してもよい。なお、血中酸素飽和度の算出方法については、公知の種々の方法の何れを用いてもよい。
【0027】
ここで、本実施形態に係る生体信号測定装置100を用いて被測定者の動脈血の酸素飽和度を測定する際の生体信号測定装置100における特徴的な機能についてより詳細に説明する。
【0028】
図2は、A/D変換器33においてデジタル化された信号波形の一例であるIRの時間波形の一部を示す。図2に示すように、IRの時間波形は、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分の他に、被測定者の体の動きや咳などに起因するアーチファクト成分など様々なノイズ成分が重畳している。とりわけ、図2に「T1」および「T2」を付して示す時間幅においては、脈動成分に比べて振幅が大きくかつ周波数のより小さなノイズ成分が重畳している。
【0029】
図3は、図2に示すIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。図3に示すように、図2に示すIRの時間波形をFFT解析すると、図3に「P」を付して示す脈動成分のピーク以外に様々な周波数成分が含まれていることが分かる。とりわけ、図3に「X」を付して示す帯域の成分は、上記ノイズ成分に対応するものであるが、振幅のピークが脈動成分の振幅のピークを上回るものが含まれている。
【0030】
そして、このようなノイズ成分の重畳は、以上に例示したIRの時間波形のみならずRの時間波形においても同様である(すなわち、A/D変換器32においてデジタル化されたRの時間波形においても同様である)。したがって、これらの時間波形をそのまま利用すると、上記FFTの結果からも明らかなように、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分を正確に特定することが難しい。また、従来のように、RおよびIRの各時間波形における受光タイミング毎のIRの値でRの値を除して減光度比を算出すると、例えば図4に示すように、減光度比の値が算出タイミングによって上下に大きく振れることから、血中酸素飽和度の時間変化を正確に捉えることが難しい。
【0031】
これに対し、本実施形態に係る生体信号測定装置100では、A/D変換器32,33においてデジタル化されたRおよびIRの電気信号の時間波形を上記のようにヒルベルト変換部34,35においてヒルベルト変換して当該時間波形の包絡線に変換する処理を実行する。そして、後段の正規化処理部36,37において、A/D変換器32,33においてデジタル化されたRおよびIRの電気信号を、同じタイミングでヒルベルト変換部34,35から入力される包絡線データに基づいて正規化する。
【0032】
図5は、IRの時間波形(IR)と、当該時間波形をヒルベルト変換して求めた包絡線(HIR)の波形の一例を示す。また、図6は、図5に示すIRの時間波形を同図に示す包絡線で正規化した時間波形を示す。また、図7は、図6に示す正規化されたIRの時間波形を高速フーリエ変換(FFT)したときの周波数分布と振幅との関係を示す。
【0033】
図6および図7に示すように、正規化処理部36,37においてRおよびIRの時間波形をその包絡線で正規化することで、被測定者の動脈の脈動に応じた周波数成分(脈動成分)以外の成分が相対的に減衰される。したがって、図3に「X」を付して示す帯域に対応する図7に「X」を付して示す帯域の成分が抑えられ、結果として図7に「P」を付して示す脈動成分が相対的に強調されるので、当該脈動成分を正確に特定することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る生体信号測定装置100では、演算処理部40において、Rの時間波形から生成された包絡線データと、IRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて減光度比を算出している。図8は、演算処理部40において算出される減光度比の波形の一例を示す。図8に示すように、Rの時間波形から生成された包絡線データとIRの時間波形から生成された包絡線データとに基づいて算出される減光度比の値は、算出タイミングによらず値の変動がほとんどないことから、当該減光度比に基づいて算出される被測定者の動脈における血中酸素飽和度の信頼性が向上し、その時間変化をより正確に捉えることができる。
【0035】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0036】
10 照射部
11、12 発光素子
13 駆動回路
20 受光部
21 受光素子
22 増幅器
30 抽出部
31 マルチプレクサ
32,33 A/D変換器
34,35ヒルベルト変換部
36,37 正規化処理部
38 前処理部
40 演算処理部(酸素飽和度算出部、脈拍数算出部)
50 記憶部
60 表示部
100 生体信号測定装置
500 生体組織
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部と、
前記照射部から照射されて前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部と、
前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部と、
前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と
を備えることを特徴とする生体信号測定装置。
【請求項2】
前記生体信号測定装置は更に、
前記包絡線データの値を正規化する正規化処理部と、
正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定装置。
【請求項3】
2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射段階と、
前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光段階と、
前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換段階と、
前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出段階と
を含むことを特徴とする生体信号測定方法。
【請求項4】
前記生体信号測定方法は更に、
前記包絡線データの値を正規化する正規化処理段階と、
正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出段階と
を含むことを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定方法。
【請求項1】
2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射部と、
前記照射部から照射されて前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光部と、
前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換部と、
前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と
を備えることを特徴とする生体信号測定装置。
【請求項2】
前記生体信号測定装置は更に、
前記包絡線データの値を正規化する正規化処理部と、
正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定装置。
【請求項3】
2つの異なる波長の光を被測定者の生体組織に照射する照射段階と、
前記生体組織を透過又は反射したそれぞれの波長の光を受光し、それぞれの光の受光強度に応じた電気信号に変換する受光段階と、
前記電気信号をヒルベルト変換して、包絡線を構成する包絡線データを生成するヒルベルト変換段階と、
前記包絡線データに基づいて減光度比を算出し、当該減光度比に基づいて前記生体組織における動脈の血中酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出段階と
を含むことを特徴とする生体信号測定方法。
【請求項4】
前記生体信号測定方法は更に、
前記包絡線データの値を正規化する正規化処理段階と、
正規化された前記包絡線データに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出段階と
を含むことを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−24320(P2012−24320A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165601(P2010−165601)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
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