説明

生体再生カプセル

【課題】骨欠損などの治療において、簡便に調製でき、安全かつ操作性の優れた治療用材料を提供することを、本発明の課題とする。さらに、組織再生治療において、細胞を移植するために良好な材料を提供すること、および、骨再生に利用可能な細胞移植用の材料を提供することを、本発明の課題とする。
【解決手段】本発明者らは、水溶性カプセルの内壁を、水を遮断する内壁用コーティング剤でコーティングすることによって、上記課題を解決する材料を提供することができた

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の少なくとも一部を再生する方法および材料の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従前、(1)外傷、腫瘍摘出後の骨欠損の治療、(2)先天性骨格疾患(口蓋裂、短指症、先天性の脛骨欠損、大腿骨形成不全)の治療、(3)歯周病や歯牙喪失による歯槽堤退縮へのインプラント埋入前の骨増生治療、(4)加齢による骨の脆弱化(骨粗しょう症、骨折予防)、ならびに、(5)その他成長因子を含んだ組織再生誘導体を含む薬剤の局所投与などの医療においては、大規模な手術を行い、自家骨移植をするか、または、無細胞性の自己効果型の骨セメントを注入してきた。しかし、前者は侵襲が大きく、後者は、治療成績が芳しくない。ウシや他人から採取した骨を凍結乾燥した商品も米国を中心として販売されている。しかし、プリオンをはじめ未知の病原体からの様々な感染の恐れがあるために、日本ではその使用は認可されていない。近年、様々な顆粒状の担体が開発されている。その中のいくつかは、細胞と組み合わせて臨床応用されているが、顆粒状の担体は手術時に拡散しやすく、操作性が著しく悪いという欠点を有する。
【0003】
一方、細胞は以下の特許文献1〜3に記載されるように、過去にも様々な封入法が検討されてきた。しかし、その多くはアガロースと細胞を懸濁して移植する方法である。細胞が産生する物質の徐放化が主目的で、組織再生に用いるためにはアガロースの吸収と組織再生の速度のバランス調整が困難である。しかも圧力に対しても抵抗性が無いため、骨再生などに用いることはできないという欠点も有する。
【0004】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【特許文献1】特開平7−252157
【特許文献2】特表2004−533234
【特許文献3】特開2005−137376
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
骨欠損などの治療において、簡便に調製でき、安全かつ操作性の優れた治療用材料を提供することを、本発明の課題とする。さらに、組織再生治療において、細胞を移植するために良好な材料を提供すること、および、骨再生に利用可能な細胞移植用の材料を提供することを、本発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、水溶性カプセルの内壁を、水を遮断する内壁用コーティング剤でコーティングすることによって、上記課題を解決する材料を提供することができた。
【0007】
従って、本発明に従って、以下が提供される:
(項目1) 水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【0008】
(項目2) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0009】
(項目3) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、項目2に記載の水溶性カプセル。
(項目4) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がカカオ脂である、項目2に記載の水溶性カプセル。
【0010】
(項目5) 前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0011】
(項目6) 前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、項目5に記載の水溶性カプセル。
【0012】
(項目7) 前記水溶性カプセルがプルランから製造される、項目5に記載の水溶性カプセル。
【0013】
(項目8) 前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、項目5に記載の水溶性カプセル。
【0014】
(項目9) 前記水溶性カプセルがポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で、少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体から製造される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0015】
(項目10) 前記水溶性カプセルがポリビニルアルコールの存在下で、少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体から製造される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0016】
(項目11) 前記水溶性カプセルがポリビニルアルコールの誘導体が、末端にチオール基を有しているポリビニルアルコールから製造される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0017】
(項目12) 項目1に記載の水溶性カプセルであって、抗菌剤で外壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【0018】
(項目13) 項目1に記載の水溶性カプセルであって、外壁用コーティング剤で外壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【0019】
(項目14) 生体再生のための組成物であって、水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルを含有する組成物。
【0020】
(項目15) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、項目1に記載の水溶性カプセル。
【0021】
(項目16) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、項目15に記載の組成物。
【0022】
(項目17) 前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、項目14に記載の組成物。
【0023】
(項目18) 前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、項目17に記載の組成物。
【0024】
(項目19) 前記水溶性カプセルがプルランから製造される、項目17に記載の組成物。
【0025】
(項目20) 前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、項目17に記載の組成物。
【0026】
(項目21) さらに、リン酸カルシウムの顆粒を含有する、項目14に記載の組成物。
【0027】
(項目22) 前記リン酸カルシウムの顆粒が、約0.5mm〜2mm径の大きさである、項目21に記載の組成物。
【0028】
(項目23) 前記リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、β−TCP、および、炭酸アパタイトからなる群から選択される物質から製造される、項目21に記載の組成物。
【0029】
(項目24) 前記リン酸カルシウムが、β−TCPである、項目23に記載の組成物。
【0030】
(項目25) さらに、細胞を含有する、項目14に記載の組成物。
【0031】
(項目26) 前記細胞が、間葉系幹細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、滑膜細胞、および、羊膜幹細胞からなる群から選択される、項目25に記載の組成物。
【0032】
(項目27) 前記細胞が、間葉系幹細胞である、項目26に記載の組成物。
【0033】
(項目28) さらに、成長因子を含有する、項目14に記載の組成物。
【0034】
(項目29) 前記成長因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子−α(TGF−α)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、単球走化性タンパク質−1 (MCP−1)、レプチン、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)、ストロマ細胞由来因子−1α(SDF−1α)、幹細胞因子(SCF)、幹細胞成長因子−α(SCGF−α)、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子(HB−EGF)、白血病抑制因子(LIF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子−β(NGF−β)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、トロンビン、骨形成タンパク質(BMP)および、繊維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)からなる群から選択される、項目28に記載の組成物。
【0035】
(項目30) 項目14に記載の組成物であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、組成物。
【0036】
(項目31) 項目14に記載の組成物であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、組成物。
【0037】
(項目32) 生体再生のためのキットであって、水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルを含有するキット。
【0038】
(項目33) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、項目32に記載のキット。
【0039】
(項目34) 前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、項目33に記載のキット。
【0040】
(項目35) 前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、項目32に記載のキット。
【0041】
(項目36) 前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、項目35に記載のキット。
【0042】
(項目37) 前記水溶性カプセルがプルランから製造される、項目35に記載のキット。
【0043】
(項目38) 前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、項目35に記載のキット。
【0044】
(項目39) さらに、リン酸カルシウムの顆粒を含有する、項目32に記載のキット。
【0045】
(項目40) 前記リン酸カルシウムの顆粒が、約0.5mm〜2mm径の大きさである、項目35に記載のキット。
【0046】
(項目41) 前記リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、β−TCP、および、炭酸アパタイトからなる群から選択される物質から製造される、項目39に記載のキット。
【0047】
(項目42) 前記リン酸カルシウムが、β−TCPである、項目41に記載のキット。
【0048】
(項目43) さらに、細胞を含有する、項目32に記載のキット。
【0049】
(項目44) 前記細胞が、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、滑膜細胞、および、羊膜幹細胞からなる群から選択される、項目43に記載のキット。
【0050】
(項目45) 前記細胞が、間葉系幹細胞である、項目44に記載のキット。
【0051】
(項目46) さらに、細胞培養用培地の成分を含有する、項目32に記載のキット。
【0052】
(項目47) 前記細胞培養用培地の成分が、間葉系幹細胞を培養するための培地成分である、項目46に記載のキット。
【0053】
(項目48) さらに、指示書を含む、項目32に記載のキット。
【0054】
(項目49) 項目32に記載のキットであって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、水溶性カプセル。
【0055】
(項目50) 項目32に記載のキットであって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、水溶性カプセル。
【0056】
(項目51) 生体を再生する方法であって、以下:
(a)水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた、水溶性カプセルであって、その内部に、リン酸カルシウムの顆粒および細胞を含有するカプセルを提供する工程;ならびに
(d)工程(a)において提供された該カプセルを、生体に移植する工程;
を包含する方法。
【0057】
(項目52) 項目51に記載の方法であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、方法。
【0058】
(項目53) 項目51に記載の方法であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、方法。
【発明の効果】
【0059】
本発明に従って、骨欠損などの治療において、簡便に調製でき、安全かつ操作性の優れた治療用材料を提供することができた。さらに、本発明に従って、組織再生治療において、細胞を移植するために良好な材料をし、そして、骨再生に利用可能な細胞移植用の材料を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
【0061】
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
【0062】
本明細書において使用する場合、用語「水溶性カプセル」とは、内部空間を外部から隔離する形状を有する物質であり、かつ、水溶液中で少なくともその一部が分解し得る特性を有する物質から構成される物をいう。水溶性カプセルのうちで、好ましくは硬質カプセルが用いられる。また、本明細書の「カプセル」は、必要に応じて、内部空間と外部空間との間を物質(全ての物質、または、制限された物質)が移動することを可能にする孔を有してもよい。本発明の水溶性カプセルは、ゼラチン、プルラン、水溶性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体、ポリビニルアルコールの存在下で少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体、および、ポリビニルアルコールの誘導体が末端にチオール基を有しているポリビニルアルコールからなる群から選択される物質から製造することができる。
本発明で用いる硬質カプセルは、定法の浸漬法を利用して製造することができる、具体的には後述する成分を含有する水溶液(ここでは、以下「カプセル調製溶液」という)を浸漬液とし、これにカプセル成型用ピンを浸漬し、次いで引き上げてカプセル成型用ピンの外表面に形成されたカプセル調製溶液からなる皮膜を冷却してゲル化させる工程を経て製造することができる。
【0063】
カプセル調製溶液中に含まれる上記各成分の濃度は、具体的には、ゼラチンについては、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。プルランについては、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。水溶性セルロース誘導体については、5〜30重量%、好ましくは10〜28重量%、より好ましくは16〜24重量%を挙げることができる。ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体については、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。ポリビニルアルコールの存在下で少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体については、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。ポリビニルアルコールの誘導体が末端にチオール基を有しているポリビニルアルコールについては、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。
【0064】
カプセル調製溶液中に含まれる水の量は、制限されないが、カプセル成型用ピンの浸漬時に採用される温度(浸漬液の温度)条件下(30〜80℃、好ましくは40〜60℃)で、カプセル調製溶液の粘度が100〜20000mPa・s、好ましくは300〜10000mPa・sとなるような割合を挙げることができる。通常、水含有量として60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%を挙げることができる。
【0065】
カプセル調製溶液(浸漬液)の調製方法は、特に制限されない。例えば約70〜80℃程度に加熱した精製水に、必要に応じてゲル化剤やゲル化補助剤を溶解した後、ゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質を溶解し、これを所望の浸漬液の温度(通常35〜60℃、より好ましくは40〜60℃)まで冷却して均一なカプセル調製溶液(浸漬液)を調製する方法などを制限なく使用することができる。
【0066】
本発明の硬質カプセルは、カプセル調製溶液(浸漬液)にカプセル成型用ピンを浸漬した後、これを引き上げ、カプセル成型用ピンに付着した溶液をゲル化させ、その後、ゲル化した皮膜を20〜80℃で乾燥することによって製造される。具体的には、本発明で用いる硬質カプセルは下記の工程を経て製造することができる。
【0067】
(1)カプセル調製溶液(浸漬液)に、カプセル成型用ピンを浸漬する工程(浸漬工程)、
(2)カプセル調製溶液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル調製溶液をゲル化する工程(ゲル化工程)、
(3)カプセル成型用ピンの外表面に被覆形成されたゲル化カプセルフィルム(ゲル化皮膜)を乾燥する工程(乾燥工程)、
(4)乾燥したカプセルフィルム(皮膜)をカプセル成型用ピンから脱離する工程(脱離工程)。
本発明で用いられる水溶性セルロース誘導体としては、アルキル基またはヒドロキシアルキル基の少なくとも1つの基で置換されたセルロースエーテルを挙げることができる。ここで上記アルキル基またはヒドロキシアルキル基でいう「アルキル基」としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖または分岐状の低級アルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基およびプロピル基を挙げることができる。水溶性セルロース誘導体として具体的には、メチルセルロースなどの低級アルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシ低級アルキルセルロース;ならびにヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシ低級アルキルアルキルセルロースなどを挙げることができる。なかでも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは皮膜成形性および低水分下での機械的強度が優れている点で、最適な水溶性セルロース誘導体である。
【0068】
また本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)には、上記成分に加えて、ゲル化剤を配合することもできる。ここで用いられるゲル化剤としては、カラギーナン、タマリンド種子多糖、ペクチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ゼラチン、ファーセレラン、寒天、およびジェランガムなどを例示することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、また、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0069】
上記ゲル化剤のなかでもカラギーナンは、ゲル強度が高く、しかも特定イオンとの共存下で少量の使用で優れたゲル化性を示すことから最適なゲル化剤である。なお、カラギーナンには、一般にカッパ−カラギーナン、イオタ−カラギーナンおよびラムダ−カラギーナンの3種が知られている。本発明では、ゲル化能を有するカッパおよびイオタ−カラギーナンを好適に使用することができる。またペクチンはエステル化度の違いでLMペクチンとHMペクチンとに分類でき、ジェランガムもアシル化の有無によってアシル化ジェランガム(ネイティブジェランガム)と脱アシル化ジェランガムに分類することができるが、本発明ではいずれも区別することなく使用することができる。
【0070】
PVAは高分子化合物であり、種々の重合度のものが知られているが、その平均重合度は用途に応じた、濃度、粘度で最適なものを選択すればよいのであって、限定されるものでない。すなわち、硬カプセルの製造方法は以下の項に示したように種々の方法があり、それらの方法によって至適の粘度も異なり、そのために使用可能なPVAの分子量も適宜選択されうる。
【0071】
本明細書において使用する場合、「ポリビニルアルコール誘導体」とは、分子の一部にメチルエステルを含むポリビニルアルコールをいう。
【0072】
本発明において使用される重合性ビニル単量体は、例えば、
(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸
(2)(1)の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩又はアルキルアミン塩、及び
(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ボリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル、N−ピニルピロリドン、アクリロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1種であるか、一般式[1]
C=C(R)−COOR [1]
〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子または1−4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。〕で表される化合物などである。
【0073】
好ましくは、(1)及び(2)の少なくとも1種と(3)の少なくとも1種とを使用する。さらに好ましくは、アクリル酸又はメタクリル酸とメチルメタクリレートとを使用する。
【0074】
PVA及び/又はその誘導体と重合性ビニル単量体の使用量は、特に制限されないが、好ましくは、PVA及び/又はその誘導体が20から95重量%、重合性ビニル単量体が5から80重量%である。さらに好ましくは、PVA及び/又はその誘導体が50から90重量%、重合性ビニル単量体が10から50重量%である。
【0075】
PVAおよび/またはその誘導体の使用量が20重量%未満だと、カプセルが水に溶解または分散する能力が、20重量%以上使用した場合と比較して、若干低下するおそれがある。一方、使用量が95重量%を超えると、95重量%以下使用した場合と比較して、カプセルが湿度の影響を若干受け、高温度下での強度が若干低下し軟化するおそれがある。
【0076】
また、重合性ビニル単量体として、(1)及び(2)の少なくとも1種と(3)の少なくとも1種とを使用する場合には、重合性ビニル単量体合計量に対し、(1)及び(2)の少なくとも1種の使用量は5から50重量%、好ましくは10から40重量%であり、(3)の少なくとも1種の使用量は50から95重量%、好ましくは60から90重量%である。
【0077】
重合又は共重合の方法は、公知の方法を使用できるが、例えば、水にPVA及び/又はその誘導体を添加し、加温して溶解し、次いで重合性ビニル単量体の少なくとも1種と重合開始剤とを添加し、重合又は共重合させて樹脂を得ることができる。
【0078】
重合開始剤は、必要に応じて使用され、従来使用されているものを用いることができる。例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、AIBN(アゾイソブチロニトリル)などのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−酒石酸ナトリウムなどのレドックス開始剤等が使用される。
【0079】
本発明の硬質カプセル(カプセルフィルム)には、使用するゲル化剤の種類に応じてゲル化補助剤を使用することもできる。ゲル化剤としてカラギーナンを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、カッパ−カラギーナンについては水中でカリウムイオン、アンモニウムイオンおよびカルシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化カリウム、リン酸カリウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウムを挙げることができる。またイオタ−カラギーナンについては水中でカルシウムイオンを与えることのできる、例えば塩化カルシウムを挙げることができる。またゲル化剤としてジェランガムを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、水中でナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムを挙げることができる。加えて有機酸やその水溶性塩としてクエン酸またはクエン酸ナトリウムを使用することもできる。
【0080】
水溶性セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる場合、併用するゲル化剤としてはカラギーナン、特にカッパ−カラギーナン、またこれと併用するゲル化補助剤としては塩化カリウムを好適に挙げることができる。
【0081】
なお、本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)が上記ゲル化剤を含む場合、その含有量としては、水分を除いたカプセルフィルムの重量を100重量%とした場合、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜9.5重量%、より好ましくは0.2〜9重量、さらに好ましくは0.3〜8重量%を挙げることができる。さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.2重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜2.1重量%、より好ましくは0.2〜1.9重量%、さらに好ましくは0.3〜1.6重量%を挙げることができる。
【0082】
なお、硬質カプセル(カプセルフィルム)には、必要に応じて、可塑剤、金属封鎖剤、不透明化剤、着色料または香料などを配合することもできる。
【0083】
ここで可塑剤としては、医薬品または食品に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、アジピン酸ジオクチル,アジピン酸ポリエステル,エポキシ化ダイズ油,エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル,カオリン,クエン酸トリエチル,グリセリン,グリセリン脂肪酸エステル,ゴマ油,ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物,D-ソルビトール,中鎖脂肪酸トリグリセリド,トウモロコシデンプン由来糖アルコール液,トリアセチン,濃グリセリン,ヒマシ油,フィトステロール,フタル酸ジエチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジブチル,ブチルフタリルブチルグリコレート,プロピレングリコール,ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール,ポリソルベート80,マクロゴール1500,マクロゴール400,マクロゴール4000,マクロゴール600,マクロゴール6000,ミリスチン酸イソプロピル,綿実油・ダイズ油混合物,モノステアリン酸グリセリン,リノール酸イソプロピルなどを挙げることができる。なお、可塑剤を用いる場合、本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)中の含有量として、水分を除いたカプセルフィルムの重量を100重量%とした場合、通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
【0084】
金属封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、酒石酸、またはこれらの塩、メタホスフェート、ジヒドロキシエチルグリシン、レシチン、β−シクロデキストリン、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0085】
また不透明化剤および香料としては、医薬品または食品に使用できるものであれば特に制限されない。
本明細書において使用する場合、「動植物油」とは、動物または植物に由来する油脂類またはそれらの塩をいい、以下のものには限定されないが、トウモロコシ油、ミツロウ、カカオ脂、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ナタネ油、ヤシ油、ユーカリ油、ラッカセイ油、小麦胚芽油、オリーブ油、オレンジ油、カルナウバロウ、牛脂、豚油、硬化油(たとえば、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油、ただしこれらには限定されない)、レシチン、ラノリン、油糧種子ロウ、モクロウ、メラロイカ精油、ホホバロウ、魚油、ステロール、シェラックロウ、コメヌカロウ、ゲイロウ、グアヤク脂、ウルシロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、またはこれらの塩を挙げることができる。なかでも好ましくは、カルナウバロウ、牛脂、豚油、硬化油、レシチン、ラノリン、高級脂肪酸、高級アルコール、トウモロコシ油、ミツロウ、カカオ脂である。さらに好ましくは、トウモロコシ油、ミツロウ、カカオ脂である。これらは、1種単独で使用してもよいし、また、2種以上を任意に組み合わせて使用することも出来る。
【0086】
本明細書において使用する場合、カプセルの「内壁」とは、カプセルの内部空間側のカプセル壁面をいう。また、本明細書において使用する場合、カプセルの「外壁」とは、カプセルの外部側のカプセル壁面をいう。
【0087】
本明細書において使用する場合、用語「水を遮断する内壁用コーティング剤」とは、水を透過し得るメンブレンまたは壁面にコーティングした場合、そのメンブレンまたは壁面が水を透過させることができなくなる物質であって、本発明のカプセルの内壁のコーティングに使用可能な物質をいう。水を遮断する内壁用コーティング剤は、疎水性の固形または半固形物質、あるいはペースト状物質であり、好ましくは、ワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質、あるいは、これらの混合物である。
【0088】
本明細書において使用する場合、用語「抗菌剤」とは、微生物、細菌、および/または、真菌を殺傷する作用を有する任意の物質をいい、好ましくは、β−ディフェンシン、ヒスタチン、ラクトフェリシン、マガイニン、セクロピンが挙げられるが、これに限定されない。
【0089】
本明細書において使用する場合、用語「外壁用コーティング剤」とは、カプセルの外壁の生体親和性を高める作用、すなわち、移植後のカプセルと生体とのなじみを良くする作用を有する任意の物質をいい、好ましくは、例えば、細胞接着や創傷治癒に関与する細胞外基質であり、より好ましくは、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲン、ヒアルロン酸(ヒアルロナン)、トロンビン、フィブロン、ゼラチンが挙げられるが、これに限定されない。
【0090】
本明細書において使用する場合、「間葉系幹細胞」または「MSC」は、本明細書において互換可能に使用される。「間葉系幹細胞」または「MSC」とは、哺乳類の骨髄等に存在し、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞に分化する多能性の幹細胞をいう。
【0091】
本発明において、間葉系幹細胞は、大腿骨、脛骨、腸骨、顎骨等いずれに由来するものであってもよい。間葉系幹細胞とは、それらのいずれかから採取し培養を行ったとき、培養皿に接着する性質を有し、線維芽細胞様の形態を有する細胞をいう。このようにして得られた間葉系幹細胞は継代培養される。なお、継代培養とは、取得した細胞を所定の稠密状態になるまで培養し、その後その培養環境から一旦取り出し、他の培養環境に移し換えて培養することをいう。初代培養から1回目の継代培養、1回目から2回目移行の継代培養はそれぞれ同一の培養条件としてもよく、異なる培養条件としてもよい。すなわち、培地組成、培養温度等が異なる培養条件で培養するものであってもよい。
【0092】
本明細書において使用する場合、用語「成長因子」または「増殖因子」とは、互換可能に使用され、真核生物細胞の増殖を促進、増進、および/または増強する物質をいう。好ましくは、成長因子としては、
本明細書において「生体再生」とは、生体において欠失された組織もしくは器官またはこれらの一部を再生することを意味する。
【0093】
本明細書において「組織」(tissue)とは、多細胞生物において、実質的に同一の機能および/または形態をもつ細胞集団をいう。通常「組織」は、同じ起源を有するが、異なる起源を持つ細胞集団であっても、同一の機能および/または形態を有するのであれば、組織と呼ばれ得る。通常、組織は、器官の一部を構成する。植物では、構成細胞の発達段階によって分裂組織と永久組織とに大別され、また構成細胞の種類によって単一組織と複合組織とに分けるなど、いろいろな分類が行われている。動物の組織は,形態的、機能的または発生的根拠に基づき、上皮組織、結合組織、筋肉組織、神経組織などに区別される。本発明の放射線測定においては、細胞のみならず、組織も使用することができる。また、本明細書中において、用語「組織」は、どの生物由来のどの組織でもよい。
【0094】
用語「器官」は、生物個体のある機能が個体内の特定の部分に局在して営まれ,かつその部分が形態的に独立性をもっている構造体をいう。一般に動物においては、器官は特定の空間的配置をもついくつかの組織からなり、組織は多数の細胞からなる。そのような器官としては、動物の場合には、皮膚、心臓、血管、角膜、網膜、腎臓、肝臓、膵臓、腸、胎盤、臍帯、肺、脳、神経、四肢末梢などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0095】
本発明において生体再生の対象となる組織は、限定されることなく、例えば、骨、軟骨、腱、筋肉、肝臓が挙げられるが、これに限定されない。
【0096】
生体再生の組織として骨を選択した場合、例えば、(1)外傷、腫瘍摘出後の骨欠損の治療、(2)先天性骨格疾患(口蓋裂、短指症、先天性の脛骨欠損、大腿骨形成不全)の治療)、(3)歯周病や歯牙喪失による歯槽堤退縮へのインプラント埋入前の骨増生治療、(4)加齢による骨の脆弱化に対する対策(骨粗しょう症、骨折の予防)が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0097】
生体再生の組織として軟骨を選択した場合、例えば、変性関節軟骨摘出術後の関節軟骨再生、膝関節の半月板損傷に対する軟骨再生、顎関節症の関節円板や関節頭の軟骨変性に対する軟骨再生、椎間板ヘルニアに対する線維軟骨再生が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0098】
生体再生の組織として腱を選択した場合、例えば、離断した腱(例えば、スポーツ外傷時のアキレス腱)の再生が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0099】
生体再生の組織として神経と筋肉を選択した場合、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で萎縮してしまった筋肉の再生、および、筋ジストロフィーで萎縮した筋肉の再生が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0100】
生体再生の組織として心筋を選択した場合、例えば、心筋梗塞等で切除した梗塞部の心筋再生が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0101】
生体再生の組織として肝臓を選択した場合、例えば、肝臓癌、肝硬変等で切除した肝臓に対する、低侵襲で内視鏡下での肝臓再生術が可能となるが、適用例はこれらに限定されない。
【0102】
本明細書において使用される場合、「キット」とは、複数の容器、および製造業者の指示書を含み、そして各々の容器が、本発明の薬学的組成物、その他の薬剤、およびキャリアを含む製品をいう。
【0103】
(薬学的組成物)
本発明の水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルを含有する組成物は、生体再生のための薬学的組成物として利用可能である。再生すべき細胞または再生すべき細胞の前駆細胞を、水溶性カプセルに封入して、薬学的組成物として利用することができる。必要に応じて、所望の細胞に適合する培地および増殖因子を水溶性カプセル内に細胞とともに封入してもよい。また、カプセル内および/またはカプセル外に、薬学的に受容可能なキャリアを用いてもよい。
【0104】
培養培地としては、IMDM、DMEM及びMEM等の当業者に公知の任意の培地を使用することが出来る。更に、無血清培地には、例えば、タイプIまたはIVコラーゲン及びフィブロネクチン等の当業者に公知の任意の細胞接着因子及び/または細胞外基質;インシュリン(Insulin)、トランスフェリン(Transferrine)及びセレナイト(Selenite)(これら三種類をまとめて「ITS」と略す);FGF及びEGF等の当業者に公知の任意の成長因子;デキサメサゾン(dexamethasone)等の合成ステロイド及び/又はホルモン類;アスコルビン酸及びNEAA(Non Essential Amino Acid)等の当業者に公知の任意のビタミン類及びアミノ酸;白血病阻害因子;並びにメルカプトエタノール、ソディウムボロハイドライド、ポリフェノール及び/又はセレン等から選択された各種物質を適当量添加できる。
【0105】
本発明の水溶性カプセルを骨再生および/または軟骨再生に利用する場合には、リン酸カルシウムを水溶性カプセル内に封入することができる。リン酸カルシウムは、限定されることなく、例えば、ハイドロキシアパタイト、β−TCP、および、炭酸アパタイトが挙げられるが、これに限定されない。リン酸カルシウムを本発明の水溶性カプセル内に封入する場合は、粉末状であっても、顆粒状であっても、任意の形状の固形であってもよいが、好ましくは、顆粒状であり、さらに好ましくは、約0.5mm〜2mm径の大きさの顆粒である。
【0106】
本明細書において「薬学的に受容可能なキャリア」は、医薬または動物薬のような農薬を製造するときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのような薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、賦形剤および/または薬学的アジュバント。
【0107】
本発明の水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルは、生体再生に利用することが可能である。
【0108】
(薬学的組成物の調製)
様々な種類の顆粒状担体(約1mm径)のリン酸カルシウム系の顆粒(ハイドロキシアパタイト、β−TCPなど)とともに移植用の細胞を培地に懸濁したまま、市販のハードカプセル(ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)に填塞する。培地の中に、細胞の活性を高める因子を加えることも出来る。ハードカプセルは培地など、水溶性の物質に接触すると数秒以内に溶解する。そこで、カプセルの内面にはワセリンなどの水を遮断するものでコーティングすることで、溶解を5分以上延長させることが可能となった。顆粒状担体と細胞をこのワセリン塗布カプセル内に填塞し、キャップで封入することで、賦形性のある骨増生カプセルが調製できた。また、ワセリンを塗布したハードカプセルは皮下に移植しても速やかに吸収されて、なんら為害作用を示さなかった。この骨増生カプセルをラット頭頂骨上へ挿入すると、数週間後には移植された骨と連続した新生骨が増生された。また手術野に顆粒状担体が溢出することは全く無く、規定した量の移植剤を確実に移植でき、極めて鮮やかな手術が行なえた。従来技術と異なる点は、細胞自身は顆粒状担体とともに本来の培地に懸濁されることができる点である。従って培地中に組織再生能を促進するサイトカイン、細胞拡散を防止する因子などを封入することもできる。しかもハードカプセルは極めて薄い材質で作られているため、吸収が極めて早いために、骨再生の妨げとならない
以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、以下の実施例は、例示の目的のみに提供される。従って、本発明の範囲は、上記発明の詳細な説明にも下記実施例にも限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0109】
(実施例1:水溶性カプセルへの水耐性の付与)
水溶性カプセルの内壁を、水を遮断する内壁用コーティング剤でコーティングすることによって、水溶性カプセルに水耐性を付与した。
【0110】
水溶性カプセルとしては、
(1)ゼラチンカプセル(クオリカプス製,サイズ1号,無色透明)
(2)HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(クオリカプス製,サイズ1号,無色透明)
(3)プルランカプセル(カプスゲル製,サイズ1号,無色透明)、および
(4)PONDACカプセル(クオリカプス製,サイズ2号,無色透明;ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で、少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体から製造した水溶性カプセル)
を用いた。
【0111】
(水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた、水溶性カプセルの調製)
ゼラチンカプセル、HPMCカプセル、プルランカプセルおよびPONDACカプセルの内壁に流動パラフィン、トウモロコシ油、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、ワセリン、および、カカオ脂のそれぞれを綿棒で塗布後、ゼラチンカプセル、HPMCカプセル、およびプルランカプセルは、水を400μL充填し、PONDACカプセルは、水を300μL充填しカプセル剤を調製した。ミツロウは80℃であらかじめ溶解させ実験に使用した。
【0112】
(水耐性の評価)
カプセル剤を水平に静置し、水が漏出し始めるまでの時間、あるいはカプセルが変形を開始するまでの時間を計測した。この際、計測時間は以下の基準に基づいた:
HPMCカプセル、プルランカプセルおよびPONDACカプセルは室温の水に溶解する。このため、カプセルに水を充填した場合、カプセルは溶解により変形すると同時に水が漏出する。よって、HPMCカプセル、プルランカプセルおよびPONDACカプセルの場合は、基準を水の漏出開始時間とした。一方、ゼラチンカプセルは室温の水に溶解しない。このため、カプセルに水を充填しても水が漏出することはない。このため、ゼラチンカプセルの場合は、カプセルが通常の状態からへこみ、あるいはふくらみを生じ始めること(これを変形の開始とした)を目視により確認できた時間を基準とした。なお、室温とは20℃〜30℃を意味する。
【0113】
無塗布と比較して水が漏出し始める時間、あるいはカプセルが変形を開始する時間が増加した場合に水耐性が有ると判定した。
【0114】
(結果)
いずれのカプセル剤においても、水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングすることによって、水耐性が増した。特に室温でペースト状であるワセリンを30mg塗布した場合に水耐性が顕著に増した。一方、室温で液体である流動パラフィンとトウモロコシ油とジメチルポリシロキサン、および室温で固体であるミツロウ、カカオ脂は水耐性付与の効果はワセリンよりも低かった。カプセル内面に塗布する物質および物質量とカプセルの水耐性の関係の結果を、以下の表1に示す。
【0115】
【表1】

上記の結果から、本発明によって水溶性カプセルに水分抵抗性を付与したことが明らかである。また、その結果として、本発明は、以下の利点を提供する:
本発明の内壁を水を遮断する内壁用コーティング剤でコーティングした水溶性カプセルは、顆粒そのものではないため、手術時に拡散するという問題を生じない。また、賦形性を有するため、アガロースの場合のように、組織再生に用いるために吸収と組織再生の速度のバランス調整が必要となるというような困難性もない。また、圧力に対する抵抗性を有するため、骨再生などにも用いることが可能であるというような一連の顕著な効果を奏する。
【0116】
(実施例2:ラットへの移植実験)
実施例1と同様の方法を用いて、水溶性カプセル(HPMC、プルラン、およびゼラチン;ワセリンによるコーティングなし、およびコーティングあり)を調製し、ラットの背中に移植し、その1日後(図1)、4日後(図2)、および、23日後(図3)に、肉眼で観察した。水溶性カプセルは、従来より、皮下に移植しても速やかに吸収され、何ら組織に対して悪影響を与えないことが知られている。本実施例の結果から、ワセリンによるコーティングを行った場合であっても、コーティングを行わなかった場合と同様に、何ら組織に対して悪影響を与えないことが明らかとなった。
【0117】
移植の1日後に、移植組織の断面をH&E染色後、顕微鏡観察を行った。その結果、ワセリンでコーティングしたHPMCの周辺には、何らの異常も観察されなかった(図4)。
【0118】
(実施例3:内壁用コーティング剤であるワセリンの、細胞発育、配向に対する影響)
培養皿に内壁用コーティング剤であるワセリンを塗布し、MSCを播種して10%のウシ胎児血清含有DMEM培地中で10日間培養し、位相差顕微鏡で観察し、細胞の発育・配向に対する影響を観察した。その結果、ワセリンによる、細胞の発育障害も、配向障害も確認できなかった(図5)。
【0119】
(実施例4:本発明の賦形性)
本発明による賦形性を検討した。実施例1と同様に、HPMCの水溶性カプセル(No.4)の内壁を、内壁用コーティング剤であるワセリンでコーティングした。その後、β-TCP(OSferion)100mgをカプセルに封入し、22週齡の雄性SDラットの背中皮下へ移植した。対照として、水溶性カプセルに封入しない骨補填剤をスパーテルで組織中に押し込んだ。
【0120】
図6の結果から明らかなように、本発明の水溶性カプセルは骨補填剤に賦形性を与える。
【0121】
(実施例5:本発明において使用した内壁用コーティング剤が、組織連続性に影響を与えるか否かについて)
本発明において使用した内壁用コーティング剤が、組織連続性に影響を与えるか否かについて検討した。
【0122】
HPMC(No.4)カプセルの内壁をワセリンでコーティングし、さらに、リン酸カルシウムであるハイドロキシアパタイト150mg(粒径300〜700μm)、および、SDラットの脛骨から採取したMSCを10%のウシ胎児血清含有DMEM培地中で10日間培養した未分化MSC(500万細胞)を封入し、ラットの頭頂骨上かつ骨膜下に挿入した。7週間後には、移植された骨と連続した新生骨が増生された(図7)。従って、本発明において使用した内壁用コーティング剤が、組織連続性に影響を与えないことが判明した。
【0123】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明に従って、骨欠損などの治療において、簡便に調製でき、安全かつ操作性の優れた治療用材料を提供することができた。さらに、本発明に従って、組織再生治療において、細胞を移植するために良好な材料をし、そして、骨再生に利用可能な細胞移植用の材料を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】図1は、水溶性カプセル(HPMC、プルラン、およびゼラチン)(ワセリンによるコーティングなし、およびコーティングあり)を調製し、ラットの背中に移植し、その1日後に、肉眼で観察した結果である。
【図2】図2は、水溶性カプセル(HPMC、プルラン、およびゼラチン)(ワセリンによるコーティングなし、およびコーティングあり)を調製し、ラットの背中に移植し、その4日後に、肉眼で観察した結果である。
【図3】図3は、水溶性カプセル(HPMC、プルラン、およびゼラチン)(ワセリンによるコーティングなし、およびコーティングあり)を調製し、ラットの背中に移植し、その23日後に、肉眼で観察した結果である。
【図4】図4は、水溶性カプセル(HPMC、プルラン、およびゼラチン)(ワセリンによるコーティングなし、およびコーティングあり)を調製し、ラットの背中に移植し、その1日後に、移植組織の断面を染色後、顕微鏡観察を行った結果である。
【図5】図5は、ワセリンでコーティングした培養皿でMSCを培養した結果である。
【図6】図6は、本発明の水溶性カプセルを用いた場合(上図左)、および用いなかった場合(上図右)の形態上の差異を示す結果である。
【図7】図7は、リン酸カルシウムおよびMSCを含む、ワセリンでコーティングされた水溶性カプセルを頭頂骨上に挿入した結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【請求項2】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項3】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、請求項2に記載の水溶性カプセル。
【請求項4】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がカカオ脂である、請求項2に記載の水溶性カプセル。
【請求項5】
前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項6】
前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、請求項5に記載の水溶性カプセル。
【請求項7】
前記水溶性カプセルがプルランから製造される、請求項5に記載の水溶性カプセル。
【請求項8】
前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、請求項5に記載の水溶性カプセル。
【請求項9】
前記水溶性カプセルがポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で、少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体から製造される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項10】
前記水溶性カプセルがポリビニルアルコールの存在下で、少なくとも1種の重合性ビニル単量体を重合又は共重合した重合体又は共重合体から製造される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項11】
前記水溶性カプセルがポリビニルアルコールの誘導体が、末端にチオール基を有しているポリビニルアルコールから製造される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項12】
請求項1に記載の水溶性カプセルであって、抗菌剤で外壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【請求項13】
請求項1に記載の水溶性カプセルであって、外壁用コーティング剤で外壁をコーティングされた、水溶性カプセル。
【請求項14】
生体再生のための組成物であって、水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルを含有する組成物。
【請求項15】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、請求項1に記載の水溶性カプセル。
【請求項16】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記水溶性カプセルがプルランから製造される、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
さらに、リン酸カルシウムの顆粒、ヒアルロン酸、コラーゲン、ゼラチオンまたはフィブリンを含有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項22】
前記リン酸カルシウムの顆粒が、約0.5mm〜2mm径の大きさである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、β−TCP、および、炭酸アパタイトからなる群から選択される物質から製造される、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記リン酸カルシウムが、β−TCPである、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
さらに、細胞を含有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項26】
前記細胞が、間葉系幹細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、滑膜細胞、および、羊膜幹細胞からなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記細胞が、間葉系幹細胞である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
さらに、成長因子を含有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項29】
前記成長因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子−α(TGF−α)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、単球走化性タンパク質−1 (MCP−1)、レプチン、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)、ストロマ細胞由来因子−1α(SDF−1α)、幹細胞因子(SCF)、幹細胞成長因子−α(SCGF−α)、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子(HB−EGF)、白血病抑制因子(LIF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子−β(NGF−β)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、トロンビン、骨形成タンパク質(BMP)および、繊維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)からなる群から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
請求項14に記載の組成物であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、組成物。
【請求項31】
請求項14に記載の組成物であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、組成物。
【請求項32】
生体再生のためのキットであって、水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた水溶性カプセルを含有するキット。
【請求項33】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリン、流動パラフィン、ロウ、ジメチルポリシロキサン、動植物油、および、グリセロ脂質からなる群から選択される、請求項32に記載のキット。
【請求項34】
前記水を遮断する内壁用コーティング剤がワセリンである、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
前記水溶性カプセルがゼラチン、プルラン、および、水溶性セルロース誘導体からなる群から選択される物質から製造される、請求項32に記載のキット。
【請求項36】
前記水溶性カプセルがゼラチンから製造される、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記水溶性カプセルがプルランから製造される、請求項35に記載のキット。
【請求項38】
前記水溶性カプセルが水溶性セルロース誘導体から製造される、請求項35に記載のキット。
【請求項39】
さらに、リン酸カルシウムの顆粒を含有する、請求項32に記載のキット。
【請求項40】
前記リン酸カルシウムの顆粒が、約0.5mm〜2mm径の大きさである、請求項35に記載のキット。
【請求項41】
前記リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、β−TCP、および、炭酸アパタイトからなる群から選択される物質から製造される、請求項39に記載のキット。
【請求項42】
前記リン酸カルシウムが、β−TCPである、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
さらに、細胞を含有する、請求項32に記載のキット。
【請求項44】
前記細胞が、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、滑膜細胞、および、羊膜幹細胞からなる群から選択される、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
前記細胞が、間葉系幹細胞である、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
さらに、細胞培養用培地の成分を含有する、請求項32に記載のキット。
【請求項47】
前記細胞培養用培地の成分が、間葉系幹細胞を培養するための培地成分である、請求項46に記載のキット。
【請求項48】
さらに、指示書を含む、請求項32に記載のキット。
【請求項49】
請求項32に記載のキットであって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、水溶性カプセル。
【請求項50】
請求項32に記載のキットであって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、水溶性カプセル。
【請求項51】
生体を再生する方法であって、以下:
(a)水を遮断する内壁用コーティング剤で内壁をコーティングされた、水溶性カプセルであって、その内部に、リン酸カルシウムの顆粒および細胞を含有するカプセルを提供する工程;ならびに
(d)工程(a)において提供された該カプセルを、生体に移植する工程;
を包含する方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が抗菌剤でコーティングされる、方法。
【請求項53】
請求項51に記載の方法であって、ここで、前記水溶性カプセルの外壁が外壁用コーティング剤でコーティングされる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−208092(P2008−208092A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48174(P2007−48174)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(503328193)株式会社ツーセル (24)
【Fターム(参考)】