説明

生体吸収性星型ポリマーを含む埋め込み型用具及び製造方法

生物学的に吸収可能なポリマーまたは耐久性ポリマーを含む、埋め込み可能な医療用具用コーティング、及びこの製造方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤溶出血管ステント等の薬剤送達用具のコーティング剤及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経皮的冠動脈形成術(PTCA)は心臓疾患治療の処置である。バルーン部位を有するカテーテルアセンブリは鰓弓動脈又は大腿動脈を経由して患者の心臓血管系に経皮的に導入される。カテーテルアセンブリは、バルーン部位が閉塞性病変にまたがる位置に来るまで環状動脈の脈管構造中を前進させられる。病変をまたがる位置に来ると、バルーンを所定の大きさに膨らませ、病変のアテローム硬化症プラークを半径方向に圧迫し、管腔壁を再構築する。その後、バルーンを収縮することにより、患者の脈管構造からカテーテルを引き出せるよう、より小さな大きさにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の処置における問題には、バルーンを収縮した後に崩壊して導管を閉塞し得る内膜フラップもしくは血管内壁の裂けの形成が含まれる。さらに、動脈の血栓形成や再狭窄は処置の数ヶ月後に起こリ得、これはさらなる血管形成術の処置もしくは外科的なバイパス手術を必要とする。血管内壁の崩壊による動脈の部分的もしくは完全な閉塞を低減するため、および血栓形成と再狭窄が起こる可能性を低減するため、ステントを管腔に埋め込むことにより血管の開存性を維持する。
【0004】
ステントは、機械的な処置だけでなく、生物学的な治療を提供に使用される。機械的な処置としては、ステントは足場として働き、通路の壁を物理的に開いた状態に保つように機能し、また、所望により通路の壁を拡張するように機能する。通常、ステントは圧縮することが可能であり、カテーテルを経由して細い血管に挿入することが出来、所望の位置に来た時により大きな経に拡張することが出来る。PTCAの処置に適用されたステントを開示している特許文献の例には、Palmazに発行された米国特許No.4,733,665、Gianturcoに発行された米国特許No.4,800,822、及びWiktorに発行された米国特許No.4,886,062に記載されているステントが含まれる。
【0005】
生物学的治療はステントに投薬することによって達成され得る。投薬されたステントは、患部における治療物質の局所投与を提供する。治療部位に効果的な濃度を提供するためには、そのような薬剤の全身投与はしばしば患者にとって逆の、もしくは有毒な副作用をもたらす。全身投与と比べて薬剤の全体量は少ないが、特定の部位において濃縮されているという点において、局所投与は好ましい治療方法である。このため、局所投与では副作用が少なく、より好ましい結果を達成する。提案されているステントに投薬する方法は、ステントの表面にコートされた高分子キャリアを使用することを伴う。溶媒、溶媒に溶解されたポリマー、及びブレンドに分散された治療物質を含む溶液がステントに塗布される。溶媒は蒸発され、ステントの表面にはポリマー及びポリマーに浸透した治療物質のコーティングが残される。
【0006】
ステントを経由した治療物質の局所投与により、再狭窄の減少において好ましい結果が得られている。しかしながら、近年ステントの機能が最適化された範囲においても、ステントは未だいくつかの好ましくない作用を生じ得る。例えば、ステントを継続的に血液にさらすことは血栓形成に至り得、また、ステントが血管内に長期間にわたって存在すると、血管壁を弱体化させ、動脈の破裂や動脈瘤の形成の可能性を生じる。また、ステントは移植の後に組織に覆われることによってその有用性が大きく損なわれ得るものであり、更に、ステントが継続的に存在することによって種々の問題もしくは合併症を引き起こし得る。このため、治療部位におけるステントの有用性が一旦終了もしくは少なくとも実質上減少したにも関わらずステントが存在することによって生じる副作用のリスクを減じるためには、ステントは生体分解性もしくは生体吸収性であることが望ましい。
【0007】
このような合併症を未然に防ぐために、ステントは生体分解性もしくは生体吸収性の材料によって製造され得る。生体分解性でありかつ生体適合性であり、さらに、充分な強度、ステントの膨張に要求される半径方向の柔軟性、及びステントがゆがんだ脈管構造の中を前進し非直線的な展開部位に適合するのに要求される長手方向の柔軟性、等の適切な物理的、機械的性質を有する材料を選択することが必要である。また、生体有益性を有する生体吸収性ステントコーティングは、さらに調節可能な吸収速度、調節可能な薬剤放出速度、及び良好な機械的性質を有することが望ましい。
【0008】
また、ステントコーティングを製造するのに従来のポリマーをしようすることは他の困難を生ずる可能性がある。例えば、ステント上にコーティングを被膜するのに一般的に使用されるポリマー溶液の粘度は、溶液中のポリマーの濃度が比較的低い場合においてさえもかなり高くなり得る。これは、極限伸び等に関して良好な機械的特性を有するためには、ポリマーはある特定の、例えばMn=50Kダルトン以上の分子量でなければならないためである。さらに、薬剤放出ステントのコーティングにおける製造時間のかなりの部分は、コーティングの塗布をを複数回行い、この合間に感想を行うことによって所望の厚さを得ることからなるものであり得る。コーティングの欠陥や支柱の間においてくもの巣状になること等の問題により、コーティングを一度に全て塗布することは出来ない。より高い固形分率で塗布可能なコーティングは、コーティング時間を短縮するであろう。薬剤放出ステントのいくつかの実施の形態においては、薬剤/ポリマー槽はステント上のなんらかの貯留箇所に置かれる。これらの貯留箇所を満たすことは、多くのポリマーコーティング組成物はたった数パーセント(<10%)の固形分しか有さないため、複数の充填及び乾燥のサイクルを必要とする。このため、ステントコーティングを製造するのに適しており、かつ溶液を形成することが可能なポリマーが、従来のポリマーと比較して同等もしくはより高いポリマー濃度を有し、かつ低減された粘度を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本文書の発明は人体もしくは動物の体内に埋め込むことが可能な基質を含む物品を対象としている。これらの基質は、
星型ポリマーと、
側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である櫛型ポリマーもしくは、
側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%であるブラシ型ポリマーと、
を含む材料により部分的にコーティングされ得る。
【0010】
いくつかの実施の形態において、前記基質は、例えば血管内のステントのような、ステントである。前記ポリマーは、耐久性もしくは生物学的に吸収可能であり得、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み得る。
【0011】
いくつかの実施の形態において、前記ポリマーはホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む。いくつかの実施の形態においては、ここに記載されるポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを具体的に排除するように前記ポリマーが選択される。これらのいくつかは、ポリ(n−ブチルメタクリレート)及び(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体から選択される。いくつかの実施の形態においては、ここに記載されるポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを具体的に排除するように前記ポリマーが選択される。
【0012】
前記ポリマーは、
開環(共)重合、
ラジカル(共)重合、
イオン(共)重合、
リビングカチオン(共)重合、
アニオン重合、もしくは
リビング重合技術(、原子移動(共)重合、メタロセン触媒技術、Ziegler−Natta触媒技術、窒素酸化物媒介重合、またはイニファタ技術を含む)、
による生成物であり、前記重合は1またはこれ以上の種類のモノマーを反応させる。
【0013】
ブラシ型ポリマー及び櫛型ポリマーを含む物品いおいては、いくつかの実施の形態においては1から1000、もしくは5から500の側鎖を含む。
【0014】
これらの物品を製造する方法及びこれらの物品をしようする法王も本開示に含まれる。
【0015】
1.用語と定義
「ポリマー」という用語は、下記のいずれかを含む、ホモポリマー及びコポリマー(以下により詳細に定義される)を含むものとして定義される。
ランダムコポリマー;
交互コポリマー;
架橋ポリマー;
線状ポリマー;
熱可塑性ポリマー;及び
ブロックコポリマー。
【0016】
「ポリマー」という用語は、さらに「重合による化合物」の同意として定義される。「コポリマー」という用語は、1種より多いモノマーから得られるポリマーとして定義され、2種のモノマーの共重合により得られるコポリマー、3種のモノマーから得られるもの(3元重合体)、その他が含まれる。
【0017】
「ランダムコポリマー」という用語は、主鎖中のあるモノマー単位の存在確率が隣接するモノマー単位に依存しないような高分子からなるコポリマーとして定義される。
【0018】
「交互コポリマー」という用語は、2種の単量体単位が交互に配列している高分子からなるコポリマーとして定義される。
【0019】
「架橋ポリマー」という用語は、架橋を含むポリマーとして定義される。「架橋」は、少なくとも4本の分子鎖が出ている高分子中の領域として定義され、高分子中のサイトまたは官能基の反応によって、または、高分子間の相互作用によって形成される。「架橋」を定義する領域は、結合、原子団、あるいはオリゴマー鎖によって連結した原子、原子団、あるいは分岐点であり得る。
【0020】
「線状ポリマー」という用語は、相対分子質量の小さい分子に由来する単位が線状に数多く繰り返された構造を持つ高分子として定義される。
【0021】
「熱可塑性ポリマー」という用語は、架橋化触媒の存在の有無に関わらず、加熱した場合においてさえも容易い架橋しないポリマーとして定義される。一般的に、熱可塑性ポリマーはその高分子中に、架橋に必要な反応性化学フラグメントを実質的に有さないため、架橋が形成されない。結果として、熱可塑性ポリマーは加熱すると軟化及び溶融され得、冷却すると硬化され得る。熱可塑性ポリマーにおける溶融と硬化のサイクルは、相当な化学的変化を起こすことなく何回も繰り返すことが可能である。また、溶媒に溶解可能な熱可塑性ポリマーは、溶融―硬化サイクルを何度も繰り返した後でも、その溶媒に溶解可能である。
【0022】
線状であり、かつ熱可塑性であるポリマーは、「線状熱可塑性ポリマー」として定義される。本発明のいくつかの実施の形態においては、「線状ポリマー」、「熱可塑性ポリマー」、もしくは「線状熱可塑性ポリマー」という用語が使用された場合には、これらの用語は特に架橋のある材料を排除する。言い換えれば、本発明のいくつかの実施の形態において使用されているように、「線状ポリマー」及び「熱可塑性ポリマー」は架橋フラグメントを実質的に有さない。
【0023】
「ブロックコポリマー」という用語は、線状に連結したブロックを含むコポリマーとして定義され、ブロックは高分子の一部で、単量体単位が、その隣接する部分には存在しない少なくとも1つの構成上のもしくは立体配置的な特徴を有するものとして定義される。例えば、部分Aと部分BによるブロックコポリマーはーA−A−A−B−B−B−B−と標記され得る。このようなブロックコポリマーはしばしば「ABブロックコポリマー」と呼ばれる。ブロックコポリマーは、各ブロックが通常充分に長くそれ自身でポリマーとみなされ得るため、その末端で結合していなくてもよい。ABブロックコポリマーは、従って、ポリ(AブロックーBブロック)と命名され得る。「ブロックコポリマー」という用語は、例えばジーブロックコポリマー及びトリーブロックコポリマーのように、2つ以上の種類のブロックを有するコポリマーを広く含むものである。
【0024】
「生物学的に吸収可能、生体吸収性、生体分解性、生体再吸収性、生体侵食性、吸収性、分解性、再吸収性、もしくは侵食性コーティング及び/又はポリマー」という用語は、例えば血液や生体によって次第に再吸収され、吸収され、もしくは除去されるもの等の体液にさらされた場合に、実質的に完全に分解、溶解、もしくは侵食され得るコーティングもしくはポリマーとして定義される。コーティングもしくはポリマーの分解、溶解、侵食、及び最終的な吸収と除去の工程は、例えば、加水分解、酵素反応、酸化、貪食、代謝プロセス、大部分もしくは表面の侵食、等によって引き起こされる。
【0025】
「生物学的に吸収可能、生体吸収性、生体分解性、生体再吸収性、生体侵食性、吸収性、分解性、再吸収性、もしくは侵食性」なステントコーティングもしくはそのようなステントコーティングをけいせいするポリマーに言及する場合には、実質的に分解、溶解、侵食、吸収、もしくは再吸収の工程の後には、実質的にステント上にはコーティングが残留しないものとする。
【0026】
「耐久性ポリマー」という用語は、永久に、もしくはいくつかの実施の形態においては1、2、もしくは3年以上体内に残るポリマーとして定義される。これらは、生体内で加水分解的、酵素反応的、もしくは酸化的手段によりポリマー主鎖が切断され得るような機構が限られている。これらは、上記に定義されるような「生物学的吸収性」ではない。
【0027】
「星型ポリマー」という用語は、IUPACの定義2.32によると、星型高分子からなるポリマーとして定義される。「星型高分子」は、実質的に線状の分子鎖もしくは腕が出ている比較的少ない分岐点を有する高分子として定義される。
【0028】
本発明においては、「星型高分子」は「n−星型高分子」、「規則性星型高分子」、及び「混合鎖星型高分子」を含むものとする。「n−星型高分子」は、分岐点に結合した
n個の実質的に線状の分子鎖もしくは腕を含み、例えば、ん=3であれば3−星型高分子である。「規則性星型高分子」は、実質的に同一の腕を含む。「混合鎖星型高分子」は、例えば腕を構成する単量体の構成が異なっている等により実質的に異なる腕を有し、例えば、構成や重合度に関して腕が異なり得る。
【0029】
星型ポリマーを使用する利点は、これらは(ある固体分率において)より低い溶液粘度もしくはより低い溶融粘度をゆうすることにある。さらに、これらは絡み合いにより良好な機械特性を保持する。これらの特徴は、櫛型ポリマーやブラシ状ポリマーにおいてポリマー主鎖から伸びるブラシもしくは櫛が主鎖そのものと同様の鎖長を有する場合にも見られる。いくつかの実施の形態においては、側鎖であるブラシもしくは櫛の全長はポリマー主鎖の全長の少なくとも10、20、30、40、60、80、もしくは90%である。
【0030】
このようなタイプの櫛型およびブラシ状ポリマーは、ポリマー主鎖から伸びるブラシもしくは櫛が少なくともポリマー主鎖自体の全長の少なくとも10%であれば、星型ポリマーの代わりに使用することが出来る。
【0031】
「開環重合もしくは共重合」という用語は、「開環(共)重合」のようにも使用され、
開環重合に関しては、環状モノマーがアクリルもしくはモノマーに含まれる環構造の数の少ないモノマー単位になる重合のプロセスにより定義され、
開環共重合に関しては、少なくとも1つのモノマーに関して開環重合である共重合として定義される。
【0032】
「ラジカル重合もしくは共重合」という用語は、「ラジカル(共)重合」のようにも使用され、それぞれ速度論的連鎖伝達体がラジカルである連鎖重合もしくは共重合として定義される。「連鎖重合もしくは共重合」は、ポリマー分子鎖の成長が、実質上モノマーと
ポリマー分子鎖上の連鎖伝達体との反応によってのみ進行し、各々成長反応の起こるごとに連鎖伝達体が再生される連鎖反応をいう。
【0033】
「イオン重合もしくは共重合」という用語は、「イオン(共)重合」のようにも使用され、それぞれ速度論的連鎖伝達体が実質上全てイオン又はイオン対である連鎖重合もしくは共重合として定義される。「アニオン重合もしくは共重合」(又は「アニオン(共)重合」)及び「カチオン重合もしくは共重合」(又は「カチオン(共)重合」)はそれぞれイオンもしくはイオン対がアニオン及びカチオンである「イオン(共)重合」の具体例である。
【0034】
「リビング重合もしくは共重合」(又は「リビング(共)重合」)という用語は、連鎖移動および停止反応の無い連鎖重合もしくは共重合として定義される。
【0035】
「重縮合もしくは共重縮合」という用語は、「(共)重縮合」のようにも使用され、ポリマー分子鎖の成長が実質上あらゆる重合度のポリマー分子間の縮合反応によって進行する重合反応として定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
2.本発明の実施形態
本発明の実施形態によれば、ステントコーティングを形成するために、少なくともステントの一部に星型ポリマーが被覆され得る。一般構造の好ましい例の一つは構造Iにより模式的に表される。構造Iにおいて、Xは高分子鎖もしくは腕が出る分岐の中心点として機能する中心部位である。
【化1】

有用なポリマー状の腕は、あらゆる構成の直線状ポリマーを含み得、これには直線状ホモポリマー、直線状コポリマー、もしくは直線状3元重合体が含まれる。いくつかの実施の形態においては、有用なポリマー状の腕は1種類以上のモノマーを使用した以下の重合プロセスのいずれかの結果として形成されるポリマーを含む。
開環重合もしくは共重合;
例えば、3官能フリーラジカル開始剤を使用するラジカル重合もしくは共重合;
カチオン重合もしくは共重合、及びアニオン重合もしくは共重合、とを含むイオン重合もしくは共重合;及び
リビング重合もしくは共重合。
【0037】
ステントコーティングは、以下の4つの層のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み得る多層構造であり得る。
下塗り層;
薬剤―ポリマー層(「貯留体」、もしくは「貯留層」とも言われる);
ポリマーを含まない薬剤層;及び
上塗り層。
【0038】
各ステントコーティング層は、星型ポリマーもしくは星型ポリマーブレンドを溶媒もしくは混合溶媒に溶解し、ステントをスプレーするか、溶液にステントを浸すことによりこの溶液をステントに塗布することで形成され得る。塗布の後、溶媒は蒸発し、材料は乾燥する。高温、低圧、もしくは両方の条件下で行うことによって乾燥を促進することが可能である。
【0039】
貯留層に薬剤を組み入れるには、薬剤は上述のようにポリマー溶液と組み合わせても良い。あるいは、ポリマーを含まない貯留体を作成しても良い。ポリマーを含まない貯留体を製造するには、薬剤を適切な溶媒もしくは混合溶媒に溶解し、得られる溶液をステントに塗布しても良い。
【0040】
薬剤を溶液として導入する代わりに、薬剤を適切な溶媒に懸濁もしくは分散させたコロイド系として導入しても良い。懸濁液を調整するには、従来のコロイド化学技術を用いて薬剤を溶媒に分散させることが可能である。薬剤の性質等のあらゆる要因に従って、当業者は分散液の適切な有機相を選択することが可能である。同様に、有機相に分散させる薬剤の量を選択することが可能である。分散液はポリマー溶液と混合しても良く、混合物を上述のようにステントに塗布しても良い。あるいは、薬剤分散液はポリマー溶液と混合させることなくステントに塗布しても良い。
【0041】
薬剤―ポリマー層は少なくともステント表面の一部に直接塗布することが可能であり、少なくとも1種類の活性物質もしくは薬剤の貯留体として機能し、これは貯留層に組み込まれる。任意の下塗り層はステントと貯留体との間に塗布され得、薬剤―ポリマー層のステントへの密着性を向上する。上塗り層は、使用される場合には、貯留体の少なくとも一部に塗布され得、薬剤の放出の制御に役立つ速度―制限膜として機能し得る。ある実施の形態においては、上塗り層は実質上いかなる活性物質もしくは薬剤をも含まない。別の実施の形態においては、上塗り層は、上塗り層の薬剤放出プロファイルもしくは薬剤の浸透性を調節するための活性物質を含んでいる。
【0042】
ある実施の形態においては、いずれかもしくは全てのステントコーティングは星型ポリマーから製造され得る。別の実施の形態においては、コーティングの最外層はそのようなポリマーに限定され得る。より詳細に記述すると、上述の3種類の層全て(下塗り層、貯留体、及び上塗り層)を有するステントコーティングにおいて、ステントコーティングの再外層は上塗り層であり、星型ポリマーを含み得る。この場合、任意で残る他の層(下塗り層及び貯留体)も星型ポリマーを含み得、各層は他の層と同じ星型ポリマーもしくは他の層と異なる星型ポリマーを含み得る。ステントコーティングは上塗り層、薬剤層、及び上塗り層のいかなる組み合わせをも含み得、これらの各々は同じもしくは異なるポリマーを含み得る。
【0043】
本発明の実施の形態によれば、ステントコーティングのいずれかもしくは全ての層を製造する際に2つの種類に属するポリマー:(1)生物学的に吸収性である星型ポリマー及び/もしくは(2)耐久性星型ポリマーを使用することが可能である。これら2種類の星型ポリマーは以下のように説明される。
【0044】
1.生物学的に吸収性の星型ポリマー
生物学的に吸収性の星型ポリマーを製造するには、特別な合成技術が用いられ得る。一般的に、有用な生物学的に吸収性の星型ポリマーは、中心部位が「X」である場合に3から24の間の数の腕を持ち得る。あるいは、ポリマーは5から20、もしくは10から15個の腕を有しても良い。特に、生物学的に吸収性の星型ポリマーは適切なモノマーもしくは複数のモノマーの開環(共)重合、フリーラジカル(共)重合、もしくはリビング(共)重合によって得られる。開環重合もしくは重縮合によって生物学的に吸収性の星型((コ)ポリマーを提供可能ないかなるモノマーも使用可能である。
【0045】
開環重合もしくは重縮合により得られ、使用可能な生物学的に吸収性の星型ポリマーの例には、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3−ヒドロキシ2−メチルプロピオネート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、(D.L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体が含まれる。開環重合の工程に続いて、得られた星型ポリマーを上述のようにステントに塗布してステントコーティングを得ることが可能である。
【0046】
これらのポリマーの各々は、多官能性開始剤の存在下で開環(共)重合もしくは(共)縮重合の技術を用いることにより合成可能である。n―星型ポリ(D,L−ラクチド)を得るための開環重合の工程は、以下のように示される。上記に述べた他の生物学的に吸収性の星型ポリマーの合成工程も同様である。
【0047】
n―星型(D,L−ラクチド)の合成は、m官能性開始剤の存在下におけるラクチド(乳酸の環状二量体)の開環重合を含む。これにより、規則性星型ポリマーと混合鎖星型ポリマーの双方を含むあらゆるn―星型ポリ(D,L−ラクチド)が形成される。「m官能性開始剤」という用語は、反応性官能基をm個有する開始剤として定義され、mは3以上の整数である。開始剤に存在する反応性官能基の例は、ヒドロキシル基である。
【0048】
最終的なn−星型ポリ(D,L−ラクチド)に存在する腕の数nは、mの値に対応し得る。例を挙げて説明すると、3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)(n=3)を得るには、3官能性開始剤(m=3)が使用され得る。4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)(n=4)を得るには、3官能性開始剤(m=4)が使用され得る。以降同様である。
【0049】
合成及び使用され得る具体的なn−星型ポリ(D,L−ラクチド)の一例は、3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)であり、以下のポリマーIで示される3−星型ポリマーである。
【化2】

【0050】
ポリマーIにおいて、3本の腕の長さは互いに異なる、もしくは同じ値である「m」、「n」、及び「p」の整数の値によって決定される。
【0051】
3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)(A)は1,1,1−トリメチロールプロパンまたはグリセロール等の3官能開始剤の存在下、ラクチドを開環重合することによって得られる。この工程はオクチル酸スズ(II)によって触媒され、その概要は反応Iとして模式的に示される。
【化3】

【0052】
重合は、無溶媒(ニート)もしくはトルエン等の溶媒中で行える。典型的な開環重合の条件は60℃から140℃の温度、1から24時間である。有用な触媒はオクチル酸スズ(II)であるが、当業者であれば他の触媒を適用し得る。有用な触媒対開始剤比は、モルを基準として0.1/1から2/1である。
【0053】
合成され、使用され得るn−星型ポリ(D,L−ラクチド)別の具体例は、4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)であり、4−星型ポリマーである(ポリマーII)。
【化4】

【0054】
ポリマーIIにおいて、4本の腕の長さは互いに異なる、もしくは同じ値である「m」、「n」、「p」、及び「q」の整数の値によって決定される。
【0055】
4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)ポリマーIIはラクチドの開環重合により得られる。この工程は反応Iに示される工程に似ているが、反応Iで使用した3官能開始剤にかわり、この工程は例えばペンタエリスレイトール(テトラメチロールメタン)等のような4官能開始剤の存在下で行い得る。この工程も、オクチル酸スズ(II)によって触媒され、この概要は反応IIとして模式的に示される。
【化5】

【0056】
より多くの本数の腕を有する星型ポリ(D,L−ラクチド)は、上述の方法に類似した手法により製造され得る。例えば、6本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)は、α―シクロデキストリン等の6官能開始剤を使用することにより製造され得る。他の6官能もしくはこれ以上の多水素化開始剤は低分子量のポリ(3−ヒドロキシメチルプロピオネート)もしくは2,2−ビスーヒドロキシメチループロピオン酸のデンドリマーであり得る。
【0057】
2.耐久性星型ポリマー
一般的に、製造され使用され得る耐久性星型ポリマーは、3から24本の間の腕を有する。耐久性星型ポリマーは、例えばイオン(共)重合、リビング(共)重合、もしくはフリーラジカル(共)重合等のあらゆる技術を用いて合成することが出来る。例えば、耐久性星型ポリマーは例えばリビングカチオン(共)重合又はアニオン(共)重合等のイオン(共)重合、もしくは原子移動(共)重合、メタロセン触媒技術、Ziegler−Natta触媒技術、窒素酸化物媒介重合、もしくはイニファタ技術を、これらの技術により(共)重合可能なモノマーもしくは複数種類のモノマーに適用するを含むリビング重合技術によって合成され得る。
【0058】
典型的には、耐久性星型ポリマーの形成に至る(共)重合の工程は、上述のようなm官能開始剤の存在下で行える。最終的な耐久性n−星型ポリマーに存在する腕の数nは、mの値に対応し得る。例を挙げて説明すると、3本の腕を有する耐久性n−星型ポリマー(n=3)を得るには、3官能性開始剤(m=3)が使用され得る。4本の腕を有する耐久性n−星型ポリマー(n=4)を得るには、3官能性開始剤(m=4)が使用され得る。以降同様である。当業者であれば、重合により耐久性星型ポリマーを形成し得るモノマーと、合成を行う条件を選択することが可能である。典型的な条件は、適切な開始剤、触媒、温度、反応時間、その他の種類と量を選択することが含まれる。
【0059】
合成及び使用され得る具体的な耐久性n−星型ポリマーの一例は、例えば3本の腕を有するポリ(n−ブチルメタクリレート)(PBMA)等のn−星型PBMAであり、以下のポリマーIIIで示される3−星型ポリマーである。
【化6】

【0060】
3本の腕を有するPBMA、ポリマーIIIは、例えば1,3,5−トリスー(シクロヘキサノイルー2−ブロモーイソブチレート)等の3官能開始剤の存在下、n−ブチルメタクリレートモノマーを原子移動重合することによって得られうる。この開始剤は、遊離HBrを捕捉するためのトリエチルアミン等の塩基の存在下、3等量の2−ブロモイソブチリルブロマイドを1,3,5−シクロヘキサントリオールと反応させることによって、先に別に合成することが出来る。重合は、臭素銅(I)/2,2’―ビピリジン錯体によって触媒され得、この概要は反応IIIとして模式的に示される。
【化7】

【0061】
適切な条件は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、室温から110℃の温度、0.5から4時間である。反応は、無溶媒(ニート)もしくはベンゼン、2−ブタノン、クロロベンゼン、又はジフェニルエーテル等の溶媒中で行える。有用なモノマー対開始剤比は、10/1から1000/1である。合成に関する他の詳細はV.Coessens等、Prog.Polym.Sci.26(2001)337−377に記載されている。
【0062】
合成され、使用され得る耐久性n−星型ポリマーの他の例は、直線状分岐腕が、例えば下記ポリマーIVで示される、3−星型ブロックポリマーである星型(イソブチレンーブロックスチレン)共重合体(PIBS)等のブロックコポリマー等のコポリマーを含むn−星型ポリマーを含む。
【化8】

【0063】
3本の腕を有するPIBS、ポリマーIVは、1,3,5−トリスー(2−プロピルー2−クロロ)ベンゼン等の3官能開始剤の存在下、イソブチレンとスチレンのリビングカチオン共重合の工程によって得られる。この工程は、4塩化チタンによって触媒され、この概要は反応IVとして模式的に示される。
【化9】

【0064】
この反応は、不活性雰囲気下、−120℃から0℃の温度において、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、ベンゼン、又はトルエン等の適切な溶媒中、1から24時間の反応時間で行われる。更なる詳細は、Kennedy,J.P等、「Desing of Polymers by Carbocationic Molecular Engineering」、Hanser,NY,Munich(1992)に記載されている。
【0065】
両方の種類のポリマー溶液がほぼ同じポリマー濃度である場合、上述の星型ポリマーの一つを含むポリマー溶液の粘度は、同じポリマーであって星型ではないものを含むポリマー溶液の粘度より低いと予想される。分岐が多くなるほど、溶液中のポリマーの充填は一般的により密になり、結果として同じ分子量であるとき、星型ポリマーはより低い固有粘度を有する。
【0066】
クロマトグラフィー(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー法又はGPC)によって決定される数平均分子量(MnGPC)は、上述の星型ポリマーにおいて、浸透圧法によって毛低された分子量(Mnosm)と異なり得る。MnGPC/Mnosmの比は、約0.5から約1の間の範囲であり得る。同じポリマーであって星型でないものは、この比は約0.7から約1.2の間である。
【0067】
ステントコーティングのいずれの層も、上述の星型ポリマー(複数種類の星型ポリマー)、もしくは一つより多くのこのようなポリマーを含むブレンドをいかなる量で含み得る。この層のうち上述の星型ポリマー(複数種類の星型ポリマー)による部分が100%より少ない場合には、他の星型ポリマー以外のポリマーがその差分を構成し得る。使用され得る他のポリマーの例には、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、(エチルメタクリレートーブチルメタクリレート)共重合体、ポリ(アクリロニトリル)、(エチレンーメチルメタクリレート)共重合体、(アクロロニトリルースチレン)共重合体、及びポリ(シアノアクリレート)等のポリアクリレート;ポリ(フッ化ビニリデン)及び(フッ化ビニリデンーヘキサフルオロプロペン)共重合体等のフッ化ポリマー及び/又は共重合体;ポリ(N−ビニルピロリドン);ポリオルソエステル;ポリ無水物;(グリコール酸―トリメチレンカーボネート)共重合体;ポリホスホエステル;ポリホスホエステルウレタン;ポリ(アミノ酸);(エーテルーエステル)共重合体;ポリアルキレンオキサレート;ポリホスファゼン;フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、でんぷん、コラーゲン、及びヒアルロン酸等の生体分子;ポリウレタン;シリコン;ポリエステル;ポリオレフィン;ポリイソブチレン及び/又はエチレンーαオレフィンの共重合体;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニルポリマー及び共重合体;ポリビニルメチルエーテル等のポリビニルエーテル;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルケトン;ポリスチレン等のポリビニル芳香族;ポリビニルアセテート等のポリビニルエステル;例えば(エチレンービニルアルコール)共重合体(EVAL)等のビニルモノマー同士およびオレフィンとの共重合体;ABS樹脂;(エチレンービニルアセテート)共重合体;ナイロン6、6及びポリカプロラクタム等のポリアミド;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂;ポリウレタン;レーヨン;レーヨンートリアセテート;セルロース;セルロースアセテート;セルロースブチレート;セルロースアセテートブチレート;セロファン;硝酸セルロース;セルロースプロピオネート;セルロースエーテル;及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。
【0068】
ステントコーティングを製造するのに適切な溶媒のいくつかの代表例は、N,N―ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、アセトン、i−プロパノール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルブチルケトン、酢酸エチル、n−ブチルアセテート、及びジオキサンを含む。いくつかの混合溶媒も同様に使用され得る。混合物の代表例は以下を含む。
DMACとメタノール(例えば、質量比で50:50の混合物)
水、i−プロパノール、及びDMAC(例えば、質量比で10:3:87の混合物)
i−プロパノールとDMAC(例えば、質量比で80:20、50:50、20:80の混合物)
アセトンとシクロヘキサノン(例えば、質量比で80:20、50:50、20:80の混合物)
アセトン、FLUX REMOVER AMS、及びキシレン(例えば、質量比で10:50:40の混合物)
1,1,2−トリクロロエタンとクロロホルム(例えば、質量比で80:20の混合物)
【0069】
FLUX REMOVER AMSはテキサス州、アマリリオのTechSpray,Inc.により製造される溶媒の商品名であり、3,3−ジクロロー1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロー1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物97.3%、差分のメタノール、及び検出量のニトロメタンを含んでいる。当業者であれば、溶解する特定のポリマーに適した溶媒もしくは混合溶媒を選択するであろう。
【0070】
貯留層中で使用可能な治療物質は、患者にとって治療的もしくは予防的効果を発揮することが可能ないかなる物質をも含み得る。治療物質は、例えば、低分子量物質、ペプチド、たんぱく質、オリゴヌクレオチド等を含み得る。治療物質は、例えば、血管の平滑筋細胞の活性を抑制するように設計することが出来る。治療物質は再狭窄を抑制するために、異常なもしくは不適切な、平滑筋細胞の転移及び/又は増殖を抑制することを目的としてもよい。
【0071】
ここに記載される高分子コーティング又は高分子材料は任意で一つ以上の生体活性薬剤を含み得る。これらの生体活性薬剤は、治療用、予防用、又は診断用の薬剤のいずれであってもよい。これらの薬剤は非増殖性または非炎症性の性質を有してもよく、または、抗悪性腫瘍性、抗血小板性、抗凝血性、抗フィブリン性、抗トロンビン性、抗有糸分裂性、抗生物質、抗アレルギー性、酸化防止性、及び細胞成長抑制性等の他の性質を有してもよい。治療及び予防の薬剤に適した例には、治療的、予防的、または診断的活性を有する合成された無機及び有機化合物、たんぱく質、ペプチド、多糖類及び他の糖類、脂肪質、DNA及びRNA核酸配列が含まれる。核酸配列には、遺伝子、転写を阻害するために相補DNAと結合するアンチセンス分子、及びリボザイムが含まれる。他の生体活性薬剤の他の例には、抗体、レセプターリガンド、酵素、接着性ペプチド、血液凝固因子、阻害剤又はストレプトキナーゼや細胞プラスミノーゲン活性化因子等の塊溶解性薬剤、免疫のための抗原、ホルモンや成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチドやリボザイム等のオリゴヌクレオチド、遺伝子治療に用いられるレトロウイルスベクター等が含まれる。非増殖性の薬剤の例には、ラパマイシン及びこの機能的または構造的誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)及びこの機能的または構造的誘導体、パクリタキセルおよびこの機能的または構造的誘導体が含まれる。ラパマイシン誘導体の例は、メチルラパマイシン(ABT−578)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンが含まれる。パクリタキセル誘導体の例には、ドセタキセルが含まれる。抗悪性腫瘍薬及び/又は抗有糸分裂薬の例には、メソトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、ドキソルビシン塩酸塩(たとえば、ニュージャージー州、ピーパックのファルマシア&アップジョンのアドリアマイシン(登録商標))、及びマイトマイシン(たとえば、コネチカット州、スタムフォードのブリストル・マイヤーズ・スクイブのムタマイシン(Mutamycin)(登録商標))が挙げられる。そのような抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、及び抗血栓性物質の例には、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリン様物質、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類縁体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗血栓剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗剤、抗体、組換えヒルジン、アンギオマックス(マサチューセッツ州、ケンブリッジ、バイオゲン社)のようなトロンビン阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗薬、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミン拮抗薬、ロバスタチン、(例えば、HMG-CoA還元酵素阻害剤であり、コレステロール低下剤である、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルク社のメバコール(登録商標))、モノクローン抗体(例えば、血小由来成長因子(PDFG)レセプターを特異的に対象としたもの)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタクランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾピリミジン(PDGF拮抗剤)、一酸化窒素又は一酸化窒素ドナー、スーパーオキシドジムスターゼ、スーパーオキシドジムスターゼ模倣体、4−アミノ2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、エストラジオール、抗がん剤、あらゆるビタミン等の栄養補助食品、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症性薬剤を含む抗炎症性薬剤の例には、タクロリムス、デキサメタソン、クロベタゾール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。細胞成長抑止物質の例には、アンギオペプチン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、たとえば、カプトプリル(たとえば、コネチカット州、スタムフォードのブリストル・マイヤーズ・スクイブのカポテン(登録商標)及びカポジド(登録商標))、シラザプリル又はリシノプリル(たとえば、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルク社のプリニビル(登録商標)及びプリンジド(登録商標))、抗アレルギー薬の例には、ペルミロラスト(permirolast)カリウムが挙げられる。他の適当な治療物質又は薬剤には、アルファインターフェロン、生体活性RGD、及び遺伝子改変の類上皮細胞が含まれる。前述の物質は、これらのプロドラッグや二薬効成分ドラッグの形態で使用することも可能である。前述の物質は例として挙げられたものであり、これらに限定されるものではない。現在入手可能な活性薬剤や将来において開発される活性薬剤も同様に適用可能である。
【0072】
好ましい治療効果を発現するのに必要な生体活性薬剤の投薬量もしくは濃度は、生体活性物質が毒性を発現するレベルより少なく、非治療的な結果が得られるレベルより多くあるべきである。血管領域の所望の細胞活性を抑制するのに必要な生体活性薬剤の投薬量もしくは濃度は、患者の特定の状態、送達先の細胞の性質、望ましい治療の性質、投与された原料が血管において残留する時間等の要因に依存し、また、他の生体活性薬剤が投与される場合には、その物質の性質と種類、又は物質の組み合わせに依存する。治療効果のある投与は経験的に決定することが可能であり、例えば、適当な動物モデルシステムの血管に注入し、免疫組織化学的な、蛍光顕微鏡もしくは電子顕微鏡の手法を用いて薬剤とその作用を検出することで決定可能である。または、適切な生体外の研究を行うことによっても決定可能である。投薬量を決定するための標準的な薬理学試験手法は、当業者に既知である。
【0073】
例えばバルーン拡張型ステントもしくは自己拡張型ステント等のステントに言及して本発明のコーティングと方法が説明された。コーティングの使用は、ステントに限られることはなく、他のあらゆる医療用具と使用され得る。本実施の形態との組み合わせにより使用され得る埋め込み型医療用具の例には、ステントグラフト、グラフト(例えば、大動脈のグラフト)、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカー電極、AXIUS冠状動脈のシャント、及び内心膜性のリード(lead)(例えば、ガイダントコーポレイションによるファインライン、エンドタック等)が含まれる。用具の基礎構造は実質上いかなるデザインでもよい。用具は、コバルトクロム合金(エルギロイ)、ステンレス鋼(316L)、「MP35N」、「MP20N」、エラスチナイト(ニチノール)、タンタル、タンタルベースの合金、ニッケル−チタン合金、白金、例えば白金イリジウム合金等の白金ベースの合金、イリジウム、金、マグネシウム、チタン、チタンベースの合金、ジルコニウムベースの合金、又はこれらの組み合わせのような、しかし、これらに限定されない金属材料又は合金から作成することができる。生体吸収性もしくは生体安定性ポリマーから作られた腰部も本発明の実施の形態において使用可能である。
【0074】
「MP35N」及び「MP20N」は、ペンシルベニア州、ジェンキンタウンのスタンダードプレススチール社から入手可能なコバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金の商標名である。「MP35N」は、35%のコバルト、35%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成り、「MP20N」は、50%のコバルト、20%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成る。
【0075】
実施例
本発明の実施の形態をさらに説明するために以下の実施例が提供される。
【0076】
実施例1.上述の反応Iに従いポリマー(A)を製造する
マグネチックスターラー、オイルバス、受け器付きの蒸留カラム、真空ライン、及びアルゴン注入口を備えた500mlフラスコに、125mlの乾燥トルエン、D.L−ラクチド(125gm、0.868モル)、及びトリメチロールプロパン(0.2gm、0.0015モル)を加える。減圧下において攪拌しながら、トルエンを80℃で蒸留し、水を除く。アルゴンをパージした後、さらに125mlの乾燥トルエンを加え、この工程を繰り返す。最後の125mlの乾燥トルエンをオクチル酸スズ(II)(0.608gm、0.0015モル)と共に加え、反応混合物を90℃で14時間攪拌しながら加熱する。室温に冷却した後、反応混合物を、穏やかに攪拌しながら2lの冷メタノール中にゆっくりと注ぐ。ポリマーをろ過によって単離し、減圧下40℃にて乾燥する。
【0077】
実施例2.上述の反応IIに従いポリマー(B)を製造する
マグネチックスターラー、オイルバス、受け器付きの蒸留カラム、真空ライン、及びアルゴン注入口を備えた500mlフラスコに、125mlの乾燥トルエン、D.L−ラクチド(125gm、0.868モル)、及びペンタエリスリトール(0.2gm、0.0015モル)を加える。減圧下において攪拌しながら、トルエンを80℃で蒸留し、水を除く。アルゴンをパージした後、さらに125mlの乾燥トルエンを加え、この工程を繰り返す。最後の125mlの乾燥トルエンをオクチル酸スズ(II)(0.608gm、0.0015モル)と共に加え、反応混合物を90℃で14時間攪拌しながら加熱する。室温に冷却した後、反応混合物を、穏やかに攪拌しながら2lの冷メタノール中にゆっくりと注ぐ。ポリマーをろ過によって単離し、減圧下40℃にて乾燥する。
【0078】
実施例3.上述の反応IIIに従いポリマー(C)を製造する
マグネチックスターラー、真空ライン、アルゴン注入口、及びオイルバスを備えた250ml3径フラスコに125mlの乾燥トルエン、n−ブチルメタクリレート(25gm、0.176モル)、1,3,5−トリスーシクロヘキサノイルー2−ブロモーイソブチレート(0.112gm、3.35x10−4モル)、及び2,2’―ビピリジン(0.105gm、6.7x10−4モル)を加える。攪拌による溶解の後、真空引きしながら液体窒素バスを使用して反応混合物に3回の凍結・融解サイクルを施す。最後のアルゴンパージの後、臭素銅(0.048gm、3.35x10−4モル)を加え、ゆっくりと90℃まで昇温する。24時間攪拌した後、溶液を冷却してポリマーを1lのメタノール中に析出させる。ろ過による単離の後、ポリマーを減圧下40℃にて乾燥する。
【0079】
実施例5.星型ポリマーであるポリマーIIを含むステントコーティング
以下の成分を混合することにより、第一の組成が調整される。
約2重量%の(D,L−ラクチドーカプロラクトン)共重合体;
アセトンとシクロヘキサノンの混合液(それぞれ重量にて70%と30%)に溶解されている。
【0080】
むき出しの12mmVISIONステント(ガイダントコーポレーションから入手可能)の表面にスプレー塗布によって第一の組成を付与し、乾燥することによってステント下塗りコーティングを得る。0.014丸型ノズルを有し、室温に保たれ、約0.2atm(約3psi)のフィード圧、及び約1.3atm(約20psi)の噴霧圧を有するスプレーコーターが用いられる。パス毎に約20μgのウェットコーティングが付与される。パスとパスの間に、コーティングは約50℃にて約10秒間乾燥される。最終パスに続いて、コーティングを約60℃にて約1時間焼成し、乾燥下塗り層が得られる。乾燥下塗り層は約80μgの(D,L−ラクチドーカプロラクトン)共重合体を含む。
【0081】
以下の成分を混合することにより、第二の組成が調整される。
約6重量%の実施例2のポリマー;及び
約2重量%のエベロリムス;及び
差分、アセトンとシクロヘキサノンの混合液(それぞれ重量にて70%と30%)。
【0082】
第二の組成が乾燥下塗り層上に付与された。同じコーティング技術を使用し、パス毎に約60μgのウェットコーティングが付与される。パスとパスの間に、コーティングは約50℃にて約10秒間乾燥される。最終パスに続いて、コーティングを約50℃にて約1時間焼成し、乾燥貯留層が得られる。固形分量の多いものをスプレーできるため、8パスしか必要ない。乾燥貯留層は、役430μgの星型ポリマーBと140μgのエベロリムスを含む。コーティングの総重量は、約570μgである。
【0083】
本発明の特定の実施形態を提示し説明を行ったが、当業者にとって本発明のより広い側面から逸脱することなく変更や改良を行うことが可能であることは自明である。従って、追記の請求項の範囲には、そのような変更や改良を本発明の真の精神と範囲に相当するものであるとして含まれる。
【0084】
さらに、あらゆる実施の形態が上記に述べられた。利便性の都合上、本発明の実施の形態を構成するアスペクトの組み合わせ(例えばモノマーの種類やガスの流速等)は、当業者であれば、必ずしも排他的であることを意図していない場合でも互いに排他的であると解釈し得る。しかしながら、一つの実施の形態において記載されているアスペクトは、全ての実施の形態における使用の可能性を開示する意図があり、そのアスペクトは過度の実験の必要なく含まれうるものである。同様に、ある実施の形態の一部を構成するように記載されているアスペクトは、そのアスペクトがとくに排除されている追加の実施の形態が存在することを暗黙のうちに認識するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能な基質と、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは
星型ポリマーと、
側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である櫛型ポリマーもしくは側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%であるブラシ型ポリマーと、
を含む物品。
【請求項2】
前記埋め込み可能な基質はステントである請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記星型ポリマーは生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記星型ポリマーはn−星型ポリマーを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記星型ポリマーは、3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、5本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、または6本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む請求項3に記載の物品。
【請求項6】
前記星型ポリマーは、ポリマーIまたはポリマーIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【化1】

【請求項7】
前記星型ポリマーは、ポリマーIまたはポリマーIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の物品。
【化2】

【請求項8】
前記星型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記星型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項10】
前記星型ポリマーは、n−星型ポリ(n−ブチルメタクリレート)及びn−星型(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項11】
前記星型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記星型ポリマーは、
開環(共)重合、
ラジカル(共)重合、
イオン(共)重合、
リビングカチオン(共)重合、
アニオン重合、もしくは
リビング重合技術、
による生成物であり、前記重合は1またはこれ以上の種類のモノマーを反応させる、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記リビング重合技術は、原子移動(共)重合、メタロセン触媒技術、Ziegler−Natta触媒技術、窒素酸化物媒介重合、またはイニファタ技術を含む、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
クロマトグラフィーにより測定された前記星型ポリマーの数平均分子量と、浸透圧法により測定された前記星型ポリマーの数平均分子量との比が、約0.5から約1.0である、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記櫛型ポリマーは1から1000の側鎖を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記櫛型ポリマーは5から500の側鎖を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記側鎖は、ポリマー主鎖の全長の少なくとも50%である、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
前記ブラシ型ポリマーは1から1000の側鎖を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
前記ブラシ型ポリマーは5から500の側鎖を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項21】
前記ブラシ型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項22】
前記ブラシ型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項23】
前記ブラシ型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の物品。
【請求項24】
前記櫛型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項25】
前記櫛型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項26】
前記櫛型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の物品。
【請求項27】
前記ブラシ型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項28】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記櫛型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項30】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項29に記載の物品。
【請求項31】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む星型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
物品。
【請求項32】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは
ポリマーIまたはポリマーIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む星型ポリマーを含む、
物品。
【化3】

【請求項33】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み、側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である、櫛型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
物品。
【請求項34】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み、側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である、ブラシ型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
物品。
【請求項35】
埋め込み可能な基質の少なくとも一部分にコーティングを付与することを含む、用具を製造する方法であって、前記コーティングは、
星型ポリマーと、
側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である櫛型ポリマーもしくは側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%であるブラシ型ポリマーと、
を含む、用具を製造する方法。
【請求項36】
前記埋め込み可能な基質はステントである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記星型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記星型ポリマーはn−星型ポリ(D,L−ラクチド)である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記星型ポリマーは、3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、5本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、及び6本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記星型ポリマーは、式(I)及び(II)の構造を有するポリマーからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【化4】

【請求項41】
前記星型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記耐久性ポリマーは、n−星型ポリ(n−ブチルメタクリレート)及びn−星型(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記星型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項43に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1種類のモノマーを、
開環(共)重合、
ラジカル(共)重合、
イオン(共)重合、
リビングカチオン(共)重合、
アニオン重合、もしくは
リビング重合技術、
によって重合することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記リビング重合技術は、原子移動(共)重合、メタロセン触媒技術、Ziegler−Natta触媒技術、窒素酸化物媒介重合、またはイニファタ技術を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
埋め込み可能な基質の少なくとも一部分をコーティングすることを含む方法であって、前記コーティングは、
星型ポリマーと、
側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である櫛型ポリマーもしくは側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%であるブラシ型ポリマーと、
を含む材料でコーティングすることである方法。
【請求項48】
前記埋め込み可能な基質はステントである請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記星型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記星型ポリマーはn−星型ポリ(D,L−ラクチド)を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記星型ポリマーは、3本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、4本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、5本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、または6本の腕を有するポリ(D,L−ラクチド)、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記星型ポリマーは、式I及びIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【化5】

【請求項53】
前記星型ポリマーは、式I及びIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項49に記載の方法。
【化6】

【請求項54】
前記星型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記星型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
前記星型ポリマーは、n−星型ポリ(nーブチルメタクリレート)及びn−星型(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
前記星型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項58】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項43に記載の方法。
【請求項59】
前記星型ポリマーは、
開環(共)重合、
ラジカル(共)重合、
イオン(共)重合、
リビングカチオン(共)重合、
アニオン重合、もしくは
リビング重合技術、
による生成物であり、前記重合は1またはこれ以上の種類のモノマーを反応させる、請求項47に記載の方法。
【請求項60】
前記リビング重合技術は、原子移動(共)重合、メタロセン触媒技術、Ziegler−Natta触媒技術、窒素酸化物媒介重合、またはイニファタ技術を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
クロマトグラフィーにより測定された前記星型ポリマーの数平均分子量と、浸透圧法により測定された前記星型ポリマーの数平均分子量との比が、約0.5から約1.0である、請求項47に記載の方法。
【請求項62】
前記櫛型ポリマーは1から1000の側鎖を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項63】
前記櫛型ポリマーは5から500の側鎖を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項64】
前記側鎖は、ポリマー主鎖の全長の少なくとも50%である、請求項47に記載の方法。
【請求項65】
前記ブラシ型ポリマーは1から1000の側鎖を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項66】
前記ブラシ型ポリマーは5から500の側鎖を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項67】
前記ブラシ型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項68】
前記ブラシ型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項69】
前記ブラシ型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記櫛型ポリマーは、生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項71】
前記櫛型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項72】
前記櫛型ポリマーは、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記ブラシ型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項74】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記櫛型ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項76】
前記ホモポリマー、コポリマー、もしくは3元重合体は、線状である請求項75に記載の方法。
【請求項77】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む星型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
方法。
【請求項78】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは
式IまたはIIの構造を有するポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む星型ポリマーを含む、
方法。
【化7】

【請求項79】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み、側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である、櫛型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
方法。
【請求項80】
ステントと、
前記基質の少なくとも一部分に付与されたコーティングと、
を含み、前記コーティングは、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーのいずれかもしくはこれらの組み合わせを含み、側鎖がポリマー主鎖の全長の少なくとも10%である、ブラシ型ポリマーを含み、
生物学的に吸収可能なポリマー及び耐久性ポリマーは、
ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、(L−ラクチド/D,L−ラクチド)共重合体、ポリ(グリコライド)、(D,L−ラクチド/グリコライド)共重合体、ポリ(カプロラクトン)、(D,L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(L−ラクチド/カプロラクトン)共重合体、(グリコライド/カプロラクトン)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、(ヒドロキシブチレート/バレレート)共重合体、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、及び(D,L−ラクチド/トリメチレンカーボネート)共重合体、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、又は(イソブチレン/ブロックスチレン)共重合体、のいずれかもしくはこれらの組み合わせを含む、
方法。

【公表番号】特表2008−517718(P2008−517718A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539008(P2007−539008)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/037987
【国際公開番号】WO2006/049907
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】