説明

生体情報イメージング装置、生体情報の解析方法、及び生体情報のイメージング方法

【課題】 新規な生体情報イメージング装置、生体情報のイメージング方法、生体情報の解析方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る被検体情報取得装置は、被検体に第一の光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を検出し、第一の電気信号に変換する音響波検出器と、前記被検体に照射され、前記被検体内を伝播した第二の光を検出し、第二の電気信号に変換する光検出器と、前記第二の電気信号に基づき前記被検体内の光量を取得し、前記被検体内の光量と、前記第一の電気信号とに基づき、前記被検体内の光学特性情報を取得する信号処理部とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報イメージング装置、生体情報の解析方法に関する。さらに、本発明は生体情報のイメージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーなどの光源から生体に照射した光を生体内に伝播させ、その伝播光を検知することで、生体内の情報を得る光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。
【0003】
この光イメージングの一つとして、非特許文献1に記載されているように、拡散光イメージングと呼ばれているDOT(Diffuse Optical Tomography)という技術がある。拡散光イメージングは、光源から生体に光を照射して、生体内を伝播・拡散した微弱光を高感度な光検出器により検知し、その検知信号から生体内の光学特性値分布をイメージングする技術である。
【0004】
比較的厚い組織を通った光源から照射された光は、強く散乱される結果、光の直進性などの波動性を失い、生体組織内を拡散的に伝播する。そのため、このような拡散光の強度を多点で光計測し、計算機で処理することで生体組織の光学特性値(吸収係数μ、等価散乱係数μ’)を求めることができる。さらには、それらの光学特性値を異なる波長で計測することで、生体組織を構成する物質の濃度分布を求めることができる。
【0005】
一方、DOT以外の光イメージングの一つとして、光音響イメージングと呼ばれているPAT(Photo Acoustic Tomography)という技術がある。光音響イメージングは、光に比べて生体内での散乱が少ない超音波の特性を利用して、生体内の光学特性値分布を高解像度に求める手法である。
【0006】
この方法では、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出する。この検出信号を解析処理することにより、生体内の光学特性分布、特に、光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。この光音響イメージングを用いることで、前述した拡散光イメージングに比べて、解像度の高い光学特性値分布が得られるとされている。
【0007】
非特許文献2によれば、光音響イメージングにおいて、光吸収により生体内の吸収体から得られる音響波の音圧Pは以下の式(1)で与えられる。
P=Γ・μ・Φ (1)
ここで、Γは弾性特性値であるグリューナイセン(Grunesen)係数であり、体積膨張係数βと音速cの二乗の積を比熱Cpで割ったものである。μは吸収体の吸収係数、Φは吸収体に照射された光量である。
【0008】
Γは組織が決まればほぼ一定の値をとることが知られているので、音響波の大きさである音圧Pの変化を時分割で測定することによりμとΦの積、すなわち、光エネルギー吸収密度分布Hを得ることができる(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A.P.Gibson,et al.¨Recent advances in diffuse optical imagin¨,Phys.Med.Biol.50(2005)R1−R43
【非特許文献2】M,Xu,L.V.Wang¨Photoacoustic imaging in biomedicine¨,Review of scientific instruments,77,041101(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、新規な生体情報イメージング装置、生体情報のイメージング方法、生体情報の解析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る被検体情報取得装置は、被検体に第一の光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を検出し、第一の電気信号に変換する音響波検出器と、前記被検体に照射され、前記被検体内を伝播した第二の光を検出し、第二の電気信号に変換する光検出器と、前記第二の電気信号に基づき前記被検体内の光量を取得し、前記被検体内の光量と、前記第一の電気信号とに基づき、前記被検体内の光学特性情報を取得する信号処理部とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る被検体情報取得方法は、被検体に第一の光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を検出して第一の電気信号を取得する工程と、前記被検体に照射され、前記被検体内を伝播した第二の光を検出して第二の電気信号を取得する工程と、前記第二の電気信号に基づき前記被検体内の光量を取得する工程と、前記被検体内の光量と前記第一の電気信号とに基づき、前記被検体内の光学特性情報を取得する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、新規な生体情報イメージング装置、生体情報のイメージング方法、生体情報の解析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態3における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態4で説明するフローチャートを示すものである。
【図5】本発明の実施形態5で説明するフローチャートを示すものである。
【図6】光音響イメージングおよび拡散光イメージングを用いた画像化技術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るイメージング装置、イメージング方法、解析方法は、拡散光イメージング(DOT)と光音響イメージング(PAT)で得たデータを相互に利用することを特徴とする。
【0016】
拡散光イメージングと光音響イメージングは、共に生体内に存在する吸収体の吸収係数値分布を求める手法である。そのため、拡散光イメージングまたは光音響イメージングと他のイメージング方法を組合せるのであれば、MRIやX線などの吸収係数値分布以外の情報を得られるイメージング方法を選択するのが通常である。これに対して、本発明は吸収係数値分布を求める手法同士を組合せている点において、斬新な発想の下でなされた新規なイメージング方法であるといえる。
【0017】
具体的には、光音響イメージングにより超音波を測定すると共に、拡散光イメージングにより拡散光を測定する。そして、一方のイメージングで得た解析結果を他方のイメージングにおける解析に利用する。本発明者らは、このように拡散光イメージングと光音響イメージングを融合させることにより、以下のような様々な効果があることを見出した。
【0018】
(DOT:拡散光イメージング)
上記した拡散光イメージングによれば、吸収係数などの光学特性を測定し、生体組織を構成する物質の濃度分布を求めることができる。
【0019】
しかし、この拡散光イメージングは、光を検出するため、媒質中で光の多重散乱が生じ、高解像度の画像を得ることが難しい。
【0020】
また、一般に、光拡散イメージングでは拡散光を検出する複数の各検出器からの検出結果と、計算に基づく各検出器での出力との比較により画像化すること、すなわち、非適切逆問題を解くため、一般に長い計算時間が必要となる。
【0021】
そこで、非適切逆問題を計算するときに、予め光音響イメージングで得られた被対象物の光学特性分布情報(例えば、吸収係数分布)を使用する。これにより、上記拡散方程式に拘束条件を加え、解を限定することができ、計算時間を短縮化することが可能となる。
【0022】
また、光音響イメージングにより事前に得られた情報に基づき、計算対象領域を限定することで上記拡散方程式の計算量を削減し計算時間を短縮化することもできる。
【0023】
さらに、光音響イメージングで得た情報を光の逆問題計算において使用すれば、通常の光拡散イメージングよりも高解像度の画像を得ることができる。
【0024】
(PAT:光音響イメージング)
上記した光音響イメージングによれば、生体内での音響波の散乱が光に比べて少ないことから、数mm以下の空間的な生体情報を高解像度で得ることが可能である。
【0025】
この光音響イメージングは、上記の式(1)から分かるように、音圧(P)変化の計測から生体内の吸収係数(μ)分布を求めるためには、吸収体に照射された光量の分布(Φ)を何らかの方法で求める必要がある。
【0026】
しかし、複雑な生体内の場合、吸収体に照射された光量の推定が難しく、一般的な音響波の音圧測定だけでは、光エネルギー吸収密度分布(μ・Φ)しか画像化することができないという問題がある。
【0027】
すなわち、音響波のみの測定から、吸収体に照射される光量の分布(Φ)を算出し、生体内の吸収係数分布(μ)を正確に分離・画像化することは困難である。
【0028】
この結果、光音響イメージングだけでは、正確な吸収係数(μ)の分布を求めることができず、生体組織の構成物質特定や濃度測定を行うことができないという課題がある。
【0029】
そこで、拡散光イメージングにより得たデータを用いて、光音響イメージングで用いる吸収係数とすることができる。具体的には、下記の拡散方程式近似(光伝播モデル式の一つ)から、超音波測定とは独立に光量(Φ)を決めることが可能となる。
【0030】
【数1】

【0031】
ここで、▽は空間に関する微分、μs’は等価散乱係数、μは吸収係数、νは生体内の光の伝播速度、S(r,t)は組織内の光源である。
【0032】
すなわち、拡散光イメージングによれば、光音響イメージングでは直接測定することのできなかった光量(Φ)の分布を直接決定することができる。そのため、拡散光イメージングで求めた光量(Φ)と、光音響イメージングで求めた光エネルギー吸収密度分布(μ・Φ)を利用すれば、吸収係数分布を定量的かつ、高解像度に求めることができる。
【0033】
このように、光音響イメージングと拡散光イメージングを融合して用いることで、吸収係数分布の定量性及び解像度を上げることができる。これにより、生体を構成している物質の濃度を求めることも可能となる。また、通常の音響波イメージングでは定数として扱われているグリューナイセン係数(Γ)分布の正確な値を求めることも可能となる。
【0034】
上記の原理を図6(a)から(c)を用いて説明する。図6(a)は、光を用いたイメージング技術により内部の画像化を行う被検体62の一例を示しており、被検体内部には光吸収体63が存在する。61は光源から被検体に照射される光を表しており、この光を用いて、内部の光吸収体を画像化する。なお、64は図6(a)中の点線部分の吸収係数値分布を示している。図6(b)は従来の光音響イメージング技術を用いて、図6(a)の被検体を画像化した例を示している。66はイメージング画像であり、65は図中の点線部分での光エネルギー吸収密度分布(μ・Φ)を示している。この図から分かるように、従来の光音響イメージングで画像化することができる光エネルギー吸収密度分布(μ・Φ)画像は、実際の吸収係数分布(μ)画像とは大きく異なる。つまり、生体などでは、局所的な光量が光拡散により、伝搬距離に比例して大きく減衰するため、光照射領域から遠くにある光吸収体と近くにある光吸収体の吸収係数及び大きさが同じ場合であっても遠くにある光吸収体は低いコントラストとして画像化されてしまう。
【0035】
一方、本発明の光音響イメージングと拡散光イメージングの融合技術を用いれば、図6(c)のような画像を得ることも可能である。図6(c)において、68はイメージング画像であり、67は図中の点線部分の吸収係数値分布を示している。このように、本発明では、光吸収体が光照射領域から遠くあるいは近くに存在しても、大きさ及び吸収係数が同じであれば、ほぼ同じコントラストで画像化できる。つまり、実際の吸収係数分布に比例した画像を得ることができる。
【0036】
(画像再構成アルゴリズム)
画像化に際しては、例えば拡散光イメージング装置により得られた各光検出器での検出結果と、上記のようにパラメータを推定して前記光拡散方程式から各検出器での出力結果を計算した結果とを比較する。両結果が一致しているのであれば、その結果を画像化する。
【0037】
一方、両結果が不一致の場合は、等価散乱係数分布と吸収係数分布を仮定し、再度、拡散方程式から各検出器での検出結果を計算し直して、再度PATによる測定結果と比較する。
【0038】
以上のような動作を繰り返して、画像化を行うこともできる。なお、比較処理に際しては、両者の数値が完全一致する場合は勿論、予め許容される誤差範囲を定めておき、当該誤差範囲内であれば、両者一致と判断するように設定しておくことも可能である。
【0039】
また、対象物の画像を再構成する際には、以下のようなアルゴリズムにしてもよい。
1)光音響イメージングにより吸収体の大きさ(d)と位置(x,y,z)を決定する。
2)拡散光イメージングにより、上記(1)により取得された位置と大きさの情報を使い、各場所での光量(Φ)・吸収係数(μ)、等価散乱係数(μ’)を逆問題計算により算出する。
3)光音響イメージングの結果に対して、上記の光量(Φ)を使い、吸収係数(μa)を計算する。
【0040】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0041】
[実施形態1]
まず、本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置について説明する。図1に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。本実施形態の生体情報イメージング装置は、乳癌などの腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、生体内の光学特性値あるいは弾性特性値分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の画像化を可能とするものである。
【0042】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、光を生体18に照射する光源11と、光源11から照射された光を生体18に導く光導波路12を備える。
【0043】
また、生体内における腫瘍、血管、またはこれらに類する生体内の光吸収体19が光のエネルギーの一部を吸収して発生した音響波21を検出し第一の電気信号に変換する音響波検出器13を備える。
【0044】
また、前記光が生体内を拡散した後の光20の強度を検出し、第二の電気信号に変換する光検出器14を備える。
【0045】
また、第一の電気信号の解析により、第一の光学特性値分布情報を得る演算部22を備える。第一の光学特性値分布情報としては、吸収体の大きさ、吸収体が存在する位置、吸収係数の大きさに関連する値(例えば、吸収係数と光量の積(μ・Φ)の分布である光エネルギー吸収密度分布)がある。
【0046】
また、演算部22は、第一の光学特性値分布情報を利用して、第二の電気信号を解析し、第二の光学特性値分布情報あるいは、弾性特性値分布を求めることができる。第二の光学特性値分布情報としては、吸収体に照射された光量(Φ)、吸収体の吸収係数(μ)、等価散乱係数(μ´)がある。また、弾性特性値分布とは、グリューナイセン係数(Γ)の分布のことである。
【0047】
このように、光音響イメージングで得た情報を、光拡散方程式における非適切逆問題の計算で用いることにより、計算時間の短縮化を図ることができる。
【0048】
ところで、拡散光イメージングは光音響イメージングに比べて解像度の点では劣るものの、定量性の点では有利である。そこで、第一の信号処理部15で得られた定量性の低い吸収係数分布を光の逆問題計算において使用すれば、解像度は光音響イメージングにより決定されるため、拡散光イメージングよりも解像度の高いイメージングを実現することができる。
【0049】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、以下の各部によって構成される。
光源11は、生体を構成する成分のうち特性の成分に吸収される特定の波長の光を照射する手段として用いられる。
【0050】
光源11は、一つまたは複数の光源によって構成することができ、少なくとも一つがパルス光を発生する光源とする。
【0051】
すなわち、数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源を少なくとも一つを備える。その際、パルス光の波長が、400nm以上、1600nm以下の範囲であることが好ましい。
【0052】
光源としてはレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。
【0053】
レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。
【0054】
本実施の形態においては、前述したように複数の光源を用いても良いが、その場合は、生体に照射する光の照射強度を上げるため、同じ波長を発振する光源を複数用いても良い。
【0055】
また、光学特性値分布の波長による違いを測定するために、発振波長の異なる光源を複数個用いても良い。
【0056】
なお、光源11が一つである場合において、発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いることができれば、光学特性値分布の波長による違いを測定することも可能になる。使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。
【0057】
比較的生体表面付近の生体組織の光学特性値分布を求める場合は、上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域を使用することも可能である。
【0058】
図1の光導波路12は光源から照射された光を検査対象である生体18に導く役目をする。光導波路12としては、光ファイバが好ましいが、光源11を検査対象である生体近傍に配置できる場合は使用しなくても問題はない。
【0059】
光ファイバを用いる場合は、それぞれの光源に対して、複数の光ファイバを使用して、生体表面に光を導くことも可能であるし、複数の光源からの光を一本の光ファイバに導き、一本の光ファイバのみを用いて、すべての光を生体に導いても良い。
【0060】
本実施形態の音響波検出器13は、光源から生体に照射された光のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体から発生する音響波を検出し、第一の電気信号に変換する。すなわち、音響波検出器13は、音響波を受信し、受信した音響波の圧力に応じて第一の電気信号を出力する。音響波検出器13としては、圧電現象を用いたトランスデューサー、光の共振を用いたトランスデューサー、容量の変化を用いたトランスデューサーなどを用いることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、複数の音響波検出器13を生体表面に配置させた場合を示しているが、このような配置に限らず、複数の個所で音響波が検知可能に構成されていればよい。
【0062】
すなわち、複数の個所で音響波を検知できれば同じ効果が得られるため、1個の音響波検出器13を生体表面上で2次元に走査してもよい。また、エリア型の音響波検出器13を設けてもよく、光源11と音響波検出器13を生体に対して対向して配置してもよい。
【0063】
また、音響波検出器13から得られた電気信号が小さい場合は増幅器を用いて、信号強度を増幅することが好ましい。また、音響波検出器13と測定対象である生体18との間には、音波の反射を抑えるための音響インピーダンスマッチング剤を使うことが望ましい。
【0064】
本実施形態の光検出器14は、光源11から生体に照射された光における生体内を伝播する光20の光強度を検出し、第二の電気信号に変換する。すなわち、光検出器14は、伝播光を受信し、受信した伝播光の強度に応じて第二の電気信号を出力する。
【0065】
光検出器14としては、フォトダイオード(PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子増倍管(PMT)などを用いることができる。
【0066】
なお、検査対象である生体18の近傍に光検出器14を配置できない場合は、光ファイバを用いて光を光検出器に導くことも可能である。
【0067】
また、本実施の形態では、複数の光検出器14を用いた例を示しているが、このような構成に限られず、音響波検出器13と同様に1個の光検出器14を生体表面上で2次元に走査してもよい。また、エリア型の光検出器14を設けてもよく、光源11と光検出器14を対向して配置してもよい。
【0068】
演算部22は、音響波の強さとその時間変化を記憶し、その情報を光学特性値分布のデータに変換できるものである。また、光強度を記憶し、それを演算手段により、光学特性値分布のデータに変換できるものである。そして、音響波イメージングまたは拡散光イメージングの一方により得られた光学特性値分布のデータを他方のイメージングに利用する演算処理を行う。演算部22としては、例えばオシロスコープとオシロスコープに記憶されたデータを解析できるコンピュータなどが使用できる。
【0069】
なお、第一の電気信号の解析により光学特性値分布情報を得る処理部を第一の情報処理部とし、第二の電気信号の解析により光学特性値分布情報を得る処理部を第二の情報処理部とすることもできる。
【0070】
この場合、第一の情報処理部により得た情報を第二の情報処理部での情報処理に用いることもできるし、また第二の情報処理部により得た情報を第一の情報処理部での情報処理に用いることもできる。例えば、第一の情報処理部により、第一の電気信号を解析し、生体の光学特性値分布情報を得た後に、第二の情報処理部により、該光学特性値分布情報と第二の電気信号を解析して生体の光学特性値分布情報を得るように構成してもよい。
【0071】
なお、光源11として複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の吸収係数(μ)と、等価散乱係数(μ´)を算出することにより、生体組織を構成する物質の濃度分布を画像化することができる。すなわち、これらの光学的特性の値と、グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなどの生体組織を構成する物質固有の波長依存性とを比較することによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化することも可能である。
【0072】
さらには、第一の電気信号より得られた光学特性値分布値と、第二の電気信号より得られた光学特性値分布値を解析することで、従来技術では困難であった生体内の弾性特性値分布、すなわちグリューナイセン係数分布も測定可能になる。
【0073】
具体的には、第二の電気信号により得られた吸収体に照射された光量(Φ)と、第一の電気信号により得られた光吸収係数と光量の積(μ・Φ)から、吸収体の吸収係数(μ)を求める。そして第一の電気信号により得られた音圧を式(1)に当てはめることにより、グリューナイセン係数分布を演算する。なお、光量(Φ)は、上記のように、第一の電気信号により得た光学特性値分布値を利用して、第二の電気信号を解析することにより得ることも可能であるし、また、第二の電気信号のみを解析することにより得ることも可能である。
【0074】
また、本発明の実施形態では演算部22の処理により得られた画像情報を表示する画像表示部17を備えることが望ましい。
【0075】
[実施形態2]
つぎに、本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置について説明する。
【0076】
図2に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。なお、図1と同じ構成については同じ符号を付している。
【0077】
本実施形態における光源は、パルス光を発生する第一の光源11と、前記パルス光とは別の波形の光を発生する第二の光源23による少なくとも2つの光源で構成される。
【0078】
また、前記第一の光源11から生体に照射された光が、音響波検出器13により前記第一の電気信号に変換可能に構成される。また、前記第二の光源23から生体に照射された光が、光検出器14により前記第二の電気信号に変換可能に構成される。
【0079】
また、第一の電気信号の解析により得られた光学特性値分布情報と第二の電気信号を解析し、生体の光学特性値分布を求める演算部22が設けられている。なお、この演算部22は、第二の電気信号の解析により得られた光学特性値分布情報と第一の電気信号を解析することにより生体の光学特性値分布を求めることもできる。
【0080】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、以上の各部によって構成される。
【0081】
第一の光源11は生体を構成する成分のうち特性の成分に吸収される特定の波長のパルス光を照射する。
【0082】
第一の光源としては数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なレーザーが好ましく、実施形態1の光源と同様なものを使用することができる。なお、本実施形態では第一の光源は一つであるが複数の光源を用いることも可能である。
【0083】
第二の光源23も第一の光源と同様に生体を構成する成分のうち特性の成分に吸収される特定の波長の光を照射する。
【0084】
第二の光源から発生する光は連続光、強度変調光、第一のパルス光源から照射されたパルス幅とは異なるパルス光のいずれかである。
【0085】
連続光を用いる場合は、半導体レーザーや発光ダイオードなど様々なコヒーレント光及び非コヒーレント光源を利用することができる。
【0086】
強度変調光及び、パルス光を発振する光源でも同様に半導体レーザーや発光ダイオードなど様々なコヒーレント光及び非コヒーレント光源を利用することができる。
【0087】
なお、本実施形態では第一の光源は一つであるが複数の光源を用いることも可能である。図2の光導波路12、音響波検出器13、光検出器14、演算部22に関しては、第一の実施形態と同様のものを使用することができる。
【0088】
このように、本実施形態では、光音響イメージング用のパルス光と、拡散光イメージング用の光を個別に設けたことから、様々な領域の光学特性値分布を高解像度に求めることが可能となる。
【0089】
[実施形態3]
つぎに、本発明の実施形態3における生体情報イメージング装置について説明する。
【0090】
図3に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。本実施形態の生体情報イメージング装置は、悪性腫瘍の診断やアルツハイマー病や頚動脈プラークなど、造影剤を用いた様々な疾患の診断のため、生体内に導入された造影剤集積場所及び、濃度分布など画像化を可能とするものである。
【0091】
その際、前記した第二の電気信号に変換する光検出器が、生体内を伝播した光の強度を検出するに当たり、光源の光とは波長の異なる光の光強度を検出可能に構成されている。
【0092】
すなわち、光源から生体に照射された光のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体(造影剤)から発生する、前記光源の光とは波長の異なる光の光強度を検出可能に構成されている。
【0093】
具体的には、本実施形態における生体情報イメージング装置は、第一の光を発生するための光源11、前記光源から照射された第一の光を生体18に導く光導波路12を備える。
【0094】
また、光導波路12を通り生体18に照射された第一の光エネルギーの一部を、生体内に導入された造影剤30により吸収されて発生した音響波21を検出し、第一の電気信号に変換する音響波検出器13を備える。
【0095】
また、光導波路から生体に照射された第一の光エネルギーの一部を吸収して発生した第二の光31が生体内を伝播した後の強度を検出し、第二の電気信号に変換する光検出器14を備える。
【0096】
また、第一の電気信号の解析により得られた光学特性値分布情報と第二の電気信号を解析し、生体の光学特性値分布を求める演算部22が設けられている。なお、この演算部22は、第二の電気信号の解析により得られた光学特性値分布情報を利用して第一の電気信号を解析することにより生体の光学特性値分布を求めることもできる。
【0097】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、以上の各部によって構成される。
【0098】
図3の光源11は生体内に導入された造影剤30に吸収される特定の波長のパルス光(第一の光)を照射する。
【0099】
光源11としては数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なレーザーが好ましく、実施形態1の光源と同様なものを使用することができる。
【0100】
なお、本実施形態では光源11は一つであるが複数の光源を用いることも可能である。
【0101】
図2の光導波路12、音波検出器13、光検出器14、演算部22に関しては、実施形態1と同様のものを使用することができる。
【0102】
なお、第二の光31とは造影剤30から発生されるものであり、光源11から照射される第一の光とは波長の異なる光のことである。
【0103】
望ましくは造影剤30から発せられる蛍光であることが望ましい。造影剤30としては典型的にインドシニアングリーン(ICG)などが用いられるが、パルス光照射により、音響波を発し、かつ、パルス光とは別の波長の光を発光するものであれば、どのような物質を用いてもかまわない。
【0104】
このような実施形態に示された生体情報イメージング装置を用いることで、従来技術よりも生体内に導入された造影剤の光学特性分布を正確に得て、画像化することが可能になる。
【0105】
[実施形態4]
本実施形態では音響波検出器と光検出器とから得られた電気信号による生体情報の解析方法について説明する。
【0106】
以下、図4を用いて、生体内の光学特性値分布である吸収係数(μ)と等価散乱係数(μ´)、及び生体の弾性的な特性であるグリューナイセン係数分布(Γ)を求めるためのフローチャートの一例を説明する。
【0107】
光検出器により生体内部を伝播した光20の強度を検出し、電気信号に変換する(S100)。
【0108】
音響波検出器により生体内部にある光吸収体19から発生した音響波信号を検出し、電気信号に変換する(S101)。
【0109】
S101のステップで得た電気信号を解析して、生体内の吸収係数(μ)分布を仮定する(S102)。前述したように、生体内にある光吸収体から発生した音波の音圧Pは次式であらわすことができる。
P=Γ・μ・Φ
ここで、Γはグリューナイセン係数、μは吸収体の吸収係数、Φは光吸収体に照射された光量である。
【0110】
グリューナイセン係数を組織内でほぼ一定とみなすと、音圧(P)の時間分解計測により、吸収係数(μ)と光量(Φ)の積、すなわち光エネルギー吸収密度(H)の分布を求めることができる。ここで、光量(Φ)は光源からの距離に応じて指数関数的に減衰するため、生体の平均的な値を使うなど指数関数内の係数を仮定することにより、生体内における定性的な吸収係数(μ)の分布も仮定することができる(S102)。
【0111】
また、S102のステップで求めた吸収係数(μ)の分布を基に、等価散乱係数(μ´)の分布も仮定する(S103)。
【0112】
S102とS103のステップで仮定した吸収係数(μ)と等価散乱係数(μ´)を用いて、放射輸送方程式(ボルツマン方程式)あるいは拡散方程式を用いた光伝播モデルを解き、各光検出器で計測されうる光強度を計算する(S104)。
【0113】
S104のステップで求めた光強度の値と、S100のステップで実際に計測された光強度を比較する(S105)。不一致の場合はS102のステップに戻り、新たに生体内の吸収係数(μ)、等価散乱係数(μ´)を仮定し、その差が小さくなるまで繰り返す。すなわち、S105のステップにおける比較は、常に完全一致するまで繰り返さなければならないわけではなく、計算の残差が収束条件を満たすか否かを基準として一致すると判断してもよい。
【0114】
S105のステップで計算により求めた光強度と計測により求めた光強度が一致、あるいは計算の残差が収束条件を満たした場合は、仮定した吸収係数分布と等価散乱係数分布を生体内の吸収係数と等価散乱係数分布と決定する(S106)。
【0115】
S106のステップで決定した生体内の吸収係数(μ)と等価散乱係数(μ´)の分布を用いて、光量(Φ)の分布を求め、生体内の吸収係数(μ)と光量(Φ)の積、すなわち光エネルギー吸収密度(H)の分布を求める(S107)。
【0116】
S101のステップで計測された音圧の大きさと、S107のステップで求めた光エネルギー吸収密度の分布から、生体内のグリューナイセン係数(Γ)分布を求める(S108)。
【0117】
なお、S101のステップによる音圧測定をS100のステップによる光強度測定よりも先に行ってもよい。
【0118】
また、S103のステップによる等価散乱係数(μ´)の仮定をS102のステップによる吸収係数(μ)の仮定よりも先に行ってもよい。
【0119】
さらに、生体内の吸収係数分布のみを求めたい場合は、S106のステップで終了させることも可能である。
【0120】
このような計算を演算部で行うことで、計測対象である生体の吸収係数、等価散乱係数のような光学特性値分布及び、グリューナイセン係数のような生体の弾性特性分布を正確に画像化することが可能となる。
【0121】
また、それらの値を用いて、生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)の濃度分布の画像化することも可能である。
【0122】
[実施形態5]
次に図5を用いて、生体内の光学特性値分布である吸収係数(μ)と散乱係数(μs´)の分布を求めるためのフローチャートの一例を説明する。なお、図5において、実施形態4と同様のステップに関しては同じ符号を付している。
【0123】
実施形態4と同様の処理により、光伝播モデルを解き、各光検出器で計測されうる光強度を計算する(S104)。
【0124】
S104のステップで求めた生体内の吸収係数(μ)と等価散乱係数(μ´)の分布を用いて、生体内の光量(Φ)の分布を求める(S200)。
【0125】
S101のステップで計測された音響波の大きさと、S200のステップで求めた光量(Φ)の分布から生体内の吸収係数(μ)の分布を決定する。
【0126】
このような計算を演算部で行うことで、計測対象である生体の吸収係数分布画像を正確に形成することが可能となる。
【0127】
さらには、それらの値を用いて、生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)の濃度分布の画像化することも可能である。
【0128】
なお、実施形態4と実施形態5で説明した方法は、実施形態1から3で説明した装置を用いることにより実現することが可能である。
【0129】
また、上記では音響波のデータを用いて拡散光イメージングから光量(Φ)を求めたが、拡散光イメージングから直接的に光量(Φ)の分布を求めておき、音響波イメージングにより、吸収係数(μ)の分布を求めることも可能である。
【0130】
なお、ここでは上記のフローチャートに基づいて、光吸収係数、等価拡散係数、グリューナイセン係数分布を求める方法を用いたが、本発明はこれらのフローチャートに限定されるものではない。
【0131】
本発明の本質は、光源から生体に照射された光のエネルギー吸収によって生じた音響波と、生体に照射された光が生体内を伝播した後の光強度を検出し、それぞれの情報を相互に利用して解析することで、生体内の光学特性値分布を正確に求めることにある。
【0132】
したがって、本発明は以上で説明したフローチャートに限定されるものではない。
【0133】
次に、本発明に係る生体情報のイメージング方法に係る発明について説明する。
当該方法の骨子は、生体内に入射した光の拡散光を複数の箇所で測定することにより、該生体内のイメージング対象物の光学特性に関する分布情報を取得し、該分布情報を用いて、前記イメージング対象物に関する情報を画像化する際に、以下の工夫を行う。
【0134】
即ち、前記イメージング対象物により出力される弾性波に基づく情報を用いて、前記画像化を行うのである。ここで、イメージング対象物の光学特性に関する分布情報とは、吸収係数及び/又は等価散乱係数である。勿論、本発明におけるイメージング方法は、それ以外の光学的特性を排除するものではない。
【0135】
以下、本発明について実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0136】
本発明の実施例の一つを説明する。生体中の血管の吸収係数分布を求めることを目的とした生体情報イメージング装置の例について図2を用いて説明する。
【0137】
光源11としては1064nmのナノ秒パルス光を発振できるQスイッチNd:YAGレーザーを用いる。パルスの幅は約5ナノ秒であり、繰り返し速度は10Hzである。もう一つの光源23として、1060nmの半導体レーザーを用いる。このとき、光は変調される。変調周波数は100MHzである。また、複数の位置から光源23を照射するため、光源23は移動可能である。ここでは8ヶ所で光源23を照射できるようにする。
【0138】
音響波検出器13としては中心周波数1MHzのピエゾタイプのトランスデューサーを256個用いる。なお、このアレイは2次元的に配列している。
【0139】
光検出器14として、光電子倍増管(PMT)を8個使用する。生体内を伝播した光を光検出器に入れるため、図1には示されていない光ファイバを生体表面にカップリングさせ、そこから伝播光を光検出器14まで導く。
【0140】
電気信号に変換された音響波信号及び光信号は、それぞれオシロスコープで記録されたのち、コンピュータに送られ、解析する。
【0141】
このような装置を用いて、軟組織内に埋め込まれた血管を模擬した試料で測定を行えば、従来技術である音波のみの計測で吸収係数分布を画像化する方法よりも、正確に吸収係数の分布を再現することが可能になる。
【符号の説明】
【0142】
11 光源
12 光導波路
13 音響波検出器
14 光検出器
17 画像表示部
18 生体
19 光吸収体
20 生体内を伝播している光
21 音響波
22 演算部
23 第二の光源
30 造影剤
31 生体内を伝播する第二の光
61 光
62 被検体
63 光吸収体
64、67 光吸収係数分布
65 光エネルギー吸収密度分布
66、68 イメージング画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に第一の光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を検出し、第一の電気信号に変換する音響波検出器と、
前記被検体に照射され、前記被検体内を伝播した第二の光を検出し、第二の電気信号に変換する光検出器と、
前記第二の電気信号に基づき前記被検体内の光量を取得し、
前記被検体内の光量と、前記第一の電気信号とに基づき、前記被検体内の光学特性情報を取得する信号処理部とを有することを特徴とする被検体情報取得装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記被検体内の光学特性情報から画像表示部に表示させる画像情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
【請求項3】
前記第一の光を発する第一の光源を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
【請求項4】
前記第二の光を発する第二の光源を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
【請求項5】
前記第一の光および前記第二の光を発する光源を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
【請求項6】
前記第一の光および前記第二の光は同じ波形の光であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
【請求項7】
前記第一の光および前記第二の光は波形の異なる光であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の被検体情報取得装置。
【請求項8】
前記信号処理部は、前記第二の電気信号に基づき、前記被検体内の吸収係数および等価散乱係数を取得し、
前記吸収係数および前記等価散乱係数に基づき、前記被検体内の光量を取得することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
【請求項9】
前記音響波検出器は、複数の個所で音響波を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のイメージング装置。
【請求項10】
前記光検出器は、複数の個所で第二の光を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のイメージング装置。
【請求項11】
前記第一の光および前記第二の光の波長がいずれも、400nm以上、1600nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
【請求項12】
被検体に第一の光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を検出して第一の電気信号を取得する工程と、
前記被検体に照射され、前記被検体内を伝播した第二の光を検出して第二の電気信号を取得する工程と、
前記第二の電気信号に基づき前記被検体内の光量を取得する工程と、
前記被検体内の光量と前記第一の電気信号とに基づき、前記被検体内の光学特性情報を取得する工程とを有することを特徴とする被検体情報取得方法。
【請求項13】
前記被検体内の光学特性情報に基づき、画像表示部に表示させる画像情報を取得する工程を有することを特徴とする請求項12に記載の被検体情報取得方法。
【請求項14】
前記第一の光および前記第二の光は同じ波形の光であることを特徴とする請求項12または13に記載の被検体情報取得方法。
【請求項15】
前記第一の光および前記第二の光は波形の異なる光であることを特徴とする請求項12または13に記載の被検体情報取得方法。
【請求項16】
前記被検体内の光量を取得する工程において、
前記第二の電気信号に基づき、前記被検体内の吸収係数および等価散乱係数を取得し、
前記吸収係数および前記等価散乱係数に基づき、前記被検体内の光量を取得することを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。
【請求項17】
前記第一の電気信号を取得する工程において、複数の個所で音響波を検出することを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。
【請求項18】
前記第二の電気信号を取得する工程において、複数の個所で第二の光を検出することを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。
【請求項19】
前記第一の光および前記第二の光の波長がいずれも、400nm以上、1600nm以下の範囲であることを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−99590(P2013−99590A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18546(P2013−18546)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2011−31037(P2011−31037)の分割
【原出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】