生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラム
【課題】ユーザ(医療従事者)が、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することのできる生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムを提供すること。
【解決手段】生体情報モニタは、第1の生体情報の一例であるSpO2の測定処理と、第2の生体情報の一例である血圧の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって(ta1〜ta2において重複)、SpO2の測定処理の方が血圧の測定処理よりも先に終了した場合に、血圧の測定処理が終了(ta3)してから特定時間(ΔT)経過したと判定された時点で(ta4)、表示中の血圧値を消去する。SpO2の測定値は、測定が開始されてから終了されるまでの間(ta1〜ta2)、リアルタイムで表示される。
【解決手段】生体情報モニタは、第1の生体情報の一例であるSpO2の測定処理と、第2の生体情報の一例である血圧の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって(ta1〜ta2において重複)、SpO2の測定処理の方が血圧の測定処理よりも先に終了した場合に、血圧の測定処理が終了(ta3)してから特定時間(ΔT)経過したと判定された時点で(ta4)、表示中の血圧値を消去する。SpO2の測定値は、測定が開始されてから終了されるまでの間(ta1〜ta2)、リアルタイムで表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムに関し、特に、被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療従事者が患者の生体の状態を看護するために、患者の血圧、体温、心電、動脈血酸素飽和度(「SpO2」ともいう)、呼吸数などの複数種類の生体情報(バイタルサイン)が、生体情報モニタを用いて測定される。測定された生体情報は生体情報モニタに備わった表示部に表示されることで、医療従事者は生体の状態に応じた処置を患者に対して行なうことができる。
【0003】
このような生体情報モニタは、病院内を巡回しながら患者ひとりひとりの生体の状態を看護するために用いられ得る。つまり、生体情報モニタは、被測定者ごとに順次、複数種類の生体情報を測定することができる。このような場合、患者ひとりに対して測定が終わる度に、表示中の測定結果を消去する必要がある。
【0004】
非特許文献1には、生体情報モニタに、表示中の測定結果を消去するための専用のボタンが設けられることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"Vital signs monitor 5300 Acuracy by Omron from Cardiac Science", [online], 2009, Cardiac Science Corporation, [2009年12月25日検索],インターネット<URL:http://www.cardiacscience.com/cardiology-products/vital-signs-monitor/the-cardiac-science-5300.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生体情報モニタに設けられたクリアボタンによって表示中の生体情報の測定値を消去する場合、医療従事者は、ひとりの患者の測定が終わる度に、このクリアボタンを押下しなければならない。
【0007】
一つの病室に複数の患者がいる場合、クリアボタンを押下したかどうかによって、表示部に表示されている情報が一つ前の患者の情報なのか、今の患者の情報なのか、医療従事者に混乱を生じさせる。その結果、患者に対して誤った処置を施してしまう恐れがある。もしくは、再度測定し直す必要が生じる場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザ(医療従事者)が、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することのできる生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う生体情報モニタは、被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタであって、表示手段と、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと、複数の生体信号それぞれに基づいて、複数種類の生体情報を測定するための測定手段とを備え、複数種類の生体情報は、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を含み、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理と第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するための判定手段と、第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示手段に表示し、かつ、第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示手段に表示するための処理を行なう表示処理手段とをさらに備え、表示処理手段は、判定手段により第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0010】
好ましくは、測定手段による測定結果を記憶するための記憶手段と、被測定者を識別するための識別情報を特定するための特定手段と、特定手段により特定された識別情報と対応付けて、第1の測定処理による第1の生体情報の測定値、および、第1の測定処理と時間的に重複して行なわれた第2の測定処理による第2の生体情報の測定値を、記憶手段に格納するための格納処理手段とをさらに備える。
【0011】
好ましくは、表示処理手段は、第2の測定処理の方が第1の測定処理よりも先に終了した場合には、第1の測定処理が終了するまで第2の生体情報の測定値情報を表示し、第1の測定処理の終了に応じて表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0012】
好ましくは、判定手段は、さらに、第2の測定処理の方が第1の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過したか否かを判定し、表示処理手段は、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過したと判定された場合に、第1の測定処理の終了に応じて表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去し、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過していないと判定された場合には、第1の測定処理が終了してから特定時間経過したときに、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0013】
好ましくは、第2の生体情報は、複数のバイタルサインを含み、判定手段は、さらに、第1の測定処理が行われることなく複数のバイタルサインの測定処理のみが時間的に重複して行なわれた場合には、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定し、表示処理手段は、複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過するまで継続して表示し、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の、複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を消去する。
【0014】
好ましくは、コード情報を読取るための読取り手段をさらに備え、特定手段は、読取られたコード情報により識別情報を特定する。
【0015】
好ましくは、第1の生体情報は、酸素飽和度、および、体温の実測値の少なくとも1つを含み、第2の生体情報は、血圧、および、体温の予測値の少なくともいずれか1つを含む。
【0016】
この発明の他の局面に従う生体情報表示方法は、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示方法であって、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示部に表示し、かつ、第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示部に表示するステップと、第1の測定処理と第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む。
【0017】
この発明のさらに他の局面に従う生体情報表示プログラムは、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示プログラムであって、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示部に表示し、かつ、第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示部に表示するステップと、第1の測定処理と第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、ユーザ(医療従事者)の指示がなくても、表示中の測定値情報が自動的に消去される。したがって、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における生体情報モニタを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における生体情報モニタを斜め後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における生体情報モニタの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が表示されている際の画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が消去されている際の画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において、スポットモードの際に記憶部に記憶される測定結果データのデータ構造例を示す図である。
【図9】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図10】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図11】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図12】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図13】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図14】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図15】血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合の他のタイミング例を示す図である。
【図16】SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【図17】SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【図18】血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
[実施の形態1]
本実施の形態における生体情報モニタは、一人の患者について複数種類の生体情報を一定期間継続して測定しその変化を監視する機能(「モニタ機能」という)と、回診や外来診療などにおいて、複数の患者に接続し替えて、患者ごとに複数種類の生体情報を順次測定する機能(「スポットチェック機能」という)とが搭載されている。
【0022】
1台の生体情報モニタにモニタ機能とスポットチェック機能との両機能が搭載される場合、生体情報モニタは、測定モードとして、モニタ機能を用いて一人の患者の生体情報を一定期間継続して測定するモードであるモニタモードと、スポットチェック機能を用いて複数の患者の各生体情報を順次測定するモードであるスポットチェックモード(以下「スポットモード」と略す)とを有する。
【0023】
スポットモードにて患者(被測定者)ごとに生体情報を測定する場合、生体情報の測定は、医療従事者が患者ひとり一人に対して行なう。そして、通常は、患者ひとりの測定が終わると、専用のボタンの押下といったユーザ(医療従事者)からの指示に応じて、表示された情報(代表的に、生体情報の測定値)がクリアされる。これに対し、本実施の形態に係る生体情報モニタにおいては、表示された情報は、ユーザからの指示がなくても、患者の切り替わりの際には、自動的に消去される。
【0024】
このような生体情報モニタについて、以下、詳細に説明する。なお、本実施の形態における生体情報モニタは、モニタモードとスポットモードとを有するものとするが、少なくとも、スポットモードに対応する機能(スポットチェック機能)を搭載した、複数種類の生体情報を測定可能な装置であればよい。
【0025】
<概観について>
図1および図2を参照して、本実施の形態における生体情報モニタ(以下「モニタ」と略す)の概観について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態におけるモニタ1を斜め前方から見た斜視図である。図2は、本発明の実施の形態におけるモニタ1を斜め後方から見た斜視図である。
【0027】
モニタ1は、複数種類の生体情報として、血圧(最高血圧、最低血圧、および/または、平均血圧など)、酸素飽和度(SpO2)、心電(心電図)、体温を測定する機能を有している。これらの生体情報は、バイタルサインともいわれる。
【0028】
図1を参照して、モニタ1には、心電を測定するための電極部2、酸素飽和度を測定するためのSpO2センサ3、体温を実測するための実測式体温プローブ4、血圧を測定するための腕帯5、および体温を予測および実測するための予測または実測式体温プローブ6が接続される。電極部2、SpO2センサ3、体温プローブ4、腕帯5、体温プローブ6は、それぞれ、被測定者の複数の身体部位に接触される。これにより、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号が検出される。本実施の形態において、これらのような複数の生体信号を検出するためのデバイスを、「検出ユニット」とも称する。
【0029】
図2を参照して、体温プローブ6は、モニタ1の本体1Aの裏側に取り付けられた体温測定モジュール6Aに含まれる。体温プローブ6は、体温測定モジュール6Aの筐体から引き出されて患者(被測定者)の口内または耳に接触されることで、体温の予測モードに入る。体温の予測モードでは、一定時間に得られた生体信号より体温が予測される。予測モードにおいて体温が適切に求められなかった場合などに、自動的に体温の実測モードに移行される。体温の実測モードでは、体温プローブ6より得られる生体信号の値に応じて連続的に(リアルタイムで)体温が測定される。体温の予測および実測は、公知の手法により実行されてよい。体温プローブ4による体温の実測値の測定も、体温プローブ6による実測モードと同様の手法により実現されてよい。
【0030】
<構成について>
図3は、本発明の実施の形態におけるモニタ1の構成例を示すブロック図である。図3を参照して、モニタ1は、操作ボタンなどを含む操作部10と、生体情報測定部20と、バーコードを読取るためのバーコードリーダ30と、測定結果などを表示するLCD(Liquid Crystal Display)を含む表示部40と、警報報知部50と、測定結果やプログラム等を記憶する記憶部60と、他の装置との間でデータやプログラムの通信を行なうための通信部70と、記録媒体71Aに記録されたデータやプログラムを読出したり書込んだりするための読出/書込部71と、電源部80と、これらを制御する制御部90とを含む。
【0031】
生体情報測定部20は、腕帯5に接続されて腕帯5内の空気袋の圧力変化に基づいて血圧を測定するための血圧測定部21、SpO2センサ3に接続されてSpO2センサ3からのセンサ信号に基づいて酸素飽和度を測定するための酸素飽和度測定部22、電極部2に接続されて電極部2間の電位差に基づいて心電を測定するための心電測定部23、体温プローブ4に接続されて体温プローブ4からの信号に基づいて体温の実測値を測定するための体温測定部24、および体温プローブ6に接続されて体温プローブ6からの信号に基づいて体温の予測値および実測値を測定するための体温測定部25を含む。なお、これら測定部の具体的な構成は、いずれも特定の構成に限定されず、すでに広く用いられている構成を採用することができる。
【0032】
生体情報測定部20は、制御部90からの制御信号に従って、上記測定部のうち指定された測定部において生体情報を測定し、測定結果を制御部90に入力する。なお、生体情報測定部20内の各測定部が実行する機能のうちの少なくとも一部は、制御部90によって実現されてもよい。
【0033】
制御部90は、たとえばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにより構成される。制御部90は操作部10から入力される操作信号に基づいて記憶部60に記憶されているプログラムを読み出して実行し、それに伴って制御信号を生成して各部に出力することによって、全体を制御する。
【0034】
モニタ1は、上述のように、モニタモードおよびスポットモードを有している。そのため制御部90は、その機能として、モニタモードの際に測定や表示を制御するためのモニタモード制御部91と、スポットモードの際に測定や表示を制御するためのスポットモード制御部92とを含む。モニタモード制御部91は、生体情報測定部20に含まれる各測定部のうち、当該モードで用いると設定されている測定部の機能を有効とする。具体的には、たとえば、心電はモニタモードのみで測定し、スポットモードでは測定しないと設定されている。
【0035】
スポットモード制御部92は、生体情報測定部20に含まれる各測定部のうち、当該モードで用いると設定されている、または操作信号によって指定された測定部の機能を有効とする。そして、有効とされた測定部から測定結果を取得する。なお、モニタモードとスポットモードとの切替えは、たとえば、操作部10からの操作信号により行なわれてよい。
【0036】
スポットモードの際には、心電以外の生体情報、すなわち、血圧、酸素飽和度、体温(予測値および実測値)が測定され得る。酸素飽和度および体温の実測値は、対応の生体信号(SpO2センサ3からのセンサ信号,体温プローブ4または6からの信号)が検出されている期間に、連続的に測定値が得られる生体情報(以下「第1の生体情報」ともいう)である。つまり、第1の生体情報の測定値は、対応の生体信号の値に応じて変化する。これに対し、血圧と体温の予測値は、第1の生体情報のように連続的に測定値が得られるものではなく、このような生体情報をここでは「第2の生体情報」という。第2の生体情報は、ある時間かけて得られた生体信号(圧力信号,体温プローブ6からの信号,体温プローブ6からの信号)に所定のアルゴリズムを適用することで、1つの測定値(固有値)が得られる生体情報といえる。なお、第2の生体情報が血圧である場合には、血圧指標(最高血圧、最低血圧など)ごとに、1つの測定値が得られるものとする。
【0037】
スポットモード制御部92は、その機能として、特定部93、判定部94、表示処理部95および格納処理部96を含む。
【0038】
特定部93は、バーコードリーダ30により読取られたバーコードの情報を取得し、取得した情報に基づいて、被測定者である患者の識別情報(「患者ID」という)を特定する。具体的には、記憶部60には、バーコードの情報と患者IDとが1対1で対応付いて記憶されており、特定部93は、記憶部60において、読取られた情報と対応付けられている患者IDを検索することで、被測定者である患者の患者IDを特定(抽出)する。
【0039】
なお、本実施の形態では、バーコード(一次元コード)を読取ることで患者IDを特定することとしたが、限定的ではなく、二次元コードなどの他のコード情報により患者IDが特定されてもよい。または、ユーザが操作部10を操作して手入力された情報により、患者IDが特定されてもよい。
【0040】
判定部94は、複数の生体情報が時間的に重複して行なわれた場合であって、予め定められた測定条件を満たした場合に、最後に終了された測定処理が終了してから、特定時間経過したか否かを判定する。「特定時間」は、たとえば、ユーザにより事前に設定された時間(以下「設定時間」ともいう)である。なお、特定時間は、予め定められた時間であってもよい。判定部94は、具体的には、第1の生体情報の一つであるSpO2の測定処理と、第2の生体情報として血圧および/または体温(予測値)の測定処理(以下「固有値測定処理」ともいう)とが時間的に重複して行なわれた場合であって、SpO2の測定処理の方が固有値測定処理よりも先に終了した場合に、固有値測定処理が終了してから設定時間(特定時間)経過したか否かを判定する。他の測定条件での判定の詳細は後述する。
【0041】
なお、SpO2の測定処理の期間は、たとえば、概ね、SpO2センサ3からのセンサ信号が検出されている期間に相当する。血圧の測定処理の期間は、たとえば、腕帯5からの圧力信号が検出されはじめてから、各血圧値(最高血圧,最低血圧など)が算出されるまでの期間に相当する。体温の測定処理の期間は、たとえば、体温プローブ6からの信号が検出されはじめてから、体温が算出されるまでの期間に相当する。
【0042】
表示処理部95は、複数種類の生体情報の測定値情報を表示部に表示する処理を行なう。具体的には、SpO2の測定処理が継続している間、すなわち、SpO2センサ3からのセンサ信号が検出されている間、SpO2の測定値情報を表示部40に順次表示させる。なお、センサ信号が不安定な間は、SpO2の測定値情報は表示されなくてもよい。表示処理部95は、また、固有値測定処理が終了された場合に、すなわち、測定値が得られた場合に、測定値情報(血圧および/または体温)を表示部40に表示させる。
【0043】
本実施の形態において、「測定値情報」とは、測定値に関する情報であり、たとえば、測定値そのもの、測定値の大きさを示すバーグラフ、時間軸に沿って連続的に得られた測定値をプロットした測定トレンドグラフなどを含む。
【0044】
表示処理部95は、SpO2の測定処理よりも後に固有値測定処理が終了された場合、固有値測定処理が終了してから設定時間経過するまでの間、測定値情報を表示し続ける。その後、判定部94により設定時間経過したと判定された場合に、表示中の測定値情報を消去する。SpO2の測定の方が後に終わった場合には、表示処理部95は、たとえば、SpO2の測定終了に応じて、表示中の測定値情報を消去する。
【0045】
従来は、血圧や体温の表示は、ユーザによる明示的な操作によって消去されるなどしていたが、本実施の形態によると、血圧や体温の表示は、設定時間経過すると消去される。したがって、次の患者についての生体情報を測定する際に、前の表示を消し忘れた結果、どの患者の測定値が表示されているのか分からなくなるという不具合をなくすことができる。
【0046】
なお、SpO2の測定の方が後に終わった場合の表示処理等については後述する。
格納処理部96は、SpO2の測定処理が開始されると、直前または測定中に特定部93により特定された患者IDと対応付けて、SpO2の測定値を記憶部60の所定の領域に格納する。また、SpO2の測定処理と時間的に重複して行なわれた固有値測定処理による測定値(血圧および/または体温)を、特定された患者IDと対応付けて記憶部60に格納する。これにより、患者IDにより識別される患者について測定された生体情報(SpO2、血圧および/または体温)がSpO2の測定期間との重なりを条件とすることで、同一患者についての複数の生体情報の測定値が容易に関連付けられる。したがって、本実施の形態によると電子カルテの生成も支援することができる。
【0047】
通常、SpO2の測定は、SpO2センサ3を患者の指先に装着されると開始され、SpO2センサ3が患者の指先から外された時点で終了される。そのため、医療従事者は、表示中のSpO2の測定値情報(測定値または測定トレンドグラフ)がどの患者のものか分からなくなることはない。これに対し、たとえば血圧の場合、通常、操作部10に含まれる血圧測定ボタン(図示せず)の押下に応じて開始され、血圧値が算出された時点で終了される。そのため、腕帯5を患者から外した後もいつまでも測定値が表示されていれば、どの患者の測定結果かが分からなくなる恐れがある。しかし、本実施の形態では、第1の生体情報であるSpO2の測定期間と時間的に重複して測定された生体情報については、同一患者の測定結果と判断することで、測定値情報の自動消去を実現する。
【0048】
制御部90に含まれるとして説明した各機能部に対応するモジュールを含んだプログラムが、記憶部60に格納されていてよい。なお、これらのうちの少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0049】
本実施の形態におけるスポットモードの際に上記各機能部の機能を実現するためのプログラムは、通信部70を介したダウンロードによって記憶部60に格納されてもよいし、読出/書込部71が記録媒体71Aより読出すこと記憶部60に格納されてもよい。
【0050】
<動作について>
本実施の形態において、モニタ1がスポットモードの際に実行する動作の典型例を説明する。ここでは説明の簡単のために、SpO2と血圧のみが測定される場合を例にする。
【0051】
図4および図5は、本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。図4および図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして記憶部60に格納されており、制御部90(CPU)がこのプログラムを読み出して実行することにより、生体情報表示処理の機能が実現される。
【0052】
なお、以下に説明する生体情報表示処理と並行して、複数種類の生体情報の測定処理が実行されているものとする。測定処理は、生体情報測定部20に含まれる測定部によって実行される。
【0053】
図4を参照して、特定部93は、患者IDを特定する(ステップS2)。具体的には、バーコードリーダ30により読取られたバーコード情報を取得し、取得した情報に基づいて患者IDを特定する。
【0054】
次に、スポットモード制御部92によって、SpO2の測定が開始されたか否かが判断される(ステップS4)。SpO2の測定が開始されると(ステップS4においてYES)、ステップS2で特定された患者IDとSpO2とを関連付ける(ステップS6)。つまり、たとえば、特定された患者IDと関連付けて、SpO2の測定実行を示すフラグがセットされる。また、表示処理部95は、酸素飽和度測定部22により測定された患者のSpO2をリアルタイムで表示部40に表示する(ステップS8)。
【0055】
続いて、スポットモード制御部92は、現在、血圧測定中であるか否かを判断する(ステップS10)。血圧測定中と判断されると(ステップS10においてYES)、ステップS16に進む。血圧測定中でないと判断された場合(ステップS10においてNO)、血圧測定が開始されたか否かを判断する(ステップS12)。血圧測定が開始されると(ステップS12においてYES)、ステップS16に進む。血圧測定が開始されていないと判断された場合(ステップS12においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かを判断する(ステップS14)。つまり、ここでは、SpO2の測定中に血圧測定が開始されることなくSpO2の測定が終了したか否かが判断される。SpO2の測定が終了していないと判断した場合(ステップS14においてNO)、ステップS12に戻る。ステップS14においてSpO2の測定が終了したと判断された場合には(ステップS14においてYES)、図5に示すステップS34に進む。
【0056】
ステップS16において、スポットモード制御部92は、さらに、ステップS2で特定された患者IDと血圧とを関連付ける。つまり、たとえば、特定された患者IDと関連付けて、血圧の測定実行を示すフラグがセットされる。
【0057】
血圧測定部21による処理の結果、血圧値が算出されて血圧測定が終了したか否かが判断される(ステップS18)。血圧測定が終了していないと判断された場合には(ステップS18においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS20)。SpO2の測定が終了していなければ(ステップS20においてNO)、ステップS18に戻る。SpO2の測定が終了したと判断された場合(ステップS20においてYES)、再度、血圧測定が終了したか否かが判断される(ステップS22)。ここでは、血圧測定が終了されるまで待機する。SpO2の測定よりも後に血圧測定が終了したと判断された場合(ステップS22においてYES)、血圧値を表示して(ステップS23)、図5に示すステップS24に進む。
【0058】
ステップS24では、設定時間経過したか否かが判断される。つまり、SpO2測定の方が血圧測定より早く終了した場合に、血圧測定が終了してから設定時間経過したか否かが判断される。血圧測定が終了してから設定時間経過したと判断された場合(ステップS24においてYES)、ステップS34に進む。
【0059】
これに対し、SpO2の測定が終了する前に血圧測定が終了した場合(ステップS18においてYES)、表示処理部95は、血圧を表示し(ステップS19)、図5に示すステップS26に進む。
【0060】
ステップS26では、判定部94が、血圧測定が終了してから設定時間経過したか否かを判断する。設定時間経過していない場合(ステップS26においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS28)。SpO2の測定が終了していない場合(ステップS28においてNO)、ステップS26に戻る。SpO2の測定が、設定時間経過する前に終了した場合(ステップS28においてYES)、ステップS34に進む。
【0061】
上記ステップS26において、血圧測定が終了してから設定時間経過したと判断された場合(ステップS26においてYES)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS32)。血圧測定の終了から設定時間経過した後にSpO2の測定が終了したと判断された場合(ステップS32においてYES)、ステップS34に進む。
【0062】
ステップS34において、表示処理部95は、それまで表示していた血圧値を消去するための制御信号を表示部40に送信する。これにより、表示部40より、測定値情報の全てが自動的に消去される。
【0063】
最後に、格納処理部96は、SpO2および血圧の測定結果を記憶部60に記録する(ステップS36)。具体的には、ステップS2で特定された患者IDと対応付けて、SpO2の測定結果および血圧測定結果を所定の記憶領域に格納する。記憶部60に記憶される測定結果データのデータ構造例は後述する。
【0064】
なお、上記フローチャートでは、第2の生体情報として血圧が測定される場合について例示したが、体温プローブ6を用いて体温の予測値が測定される場合にも同様の処理が行なわれてよい。
【0065】
また、第2の生体情報として血圧および体温の両方が測定される場合にも、上記フローチャートを応用することで対応可能である。これらの固有値測定処理とSpO2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合に、最後に測定が終了した生体情報の種類がSpO2かそれ以外かによって、設定時間経過した後に表示中の血圧および体温の値を消去するか否かを判断することができる。
【0066】
<表示例>
モニタ1の表示部40の画面例を図6および図7に示す。
【0067】
図6は、本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が表示されている際の画面例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が消去されている際の画面例を示す図である。
【0068】
SpO2の測定が続いている場合に、他の生体情報の測定が終了した場合(たとえば図4のステップS19に対応)、図6のような画面が表示部40に表示される。
【0069】
図6を参照して、表示領域401には、SpO2の測定トレンドグラフが表示され、領域403には、現在のSpO2が更新して表示される。表示領域402には、血圧の測定結果として、最高血圧(SYS)、平均血圧(MAP)、最低血圧(DIA)が表示される。表示領域404には、体温(予測値)が表示される。表示領域405には、SpO2測定または血圧測定に関連して算出可能な脈拍数(心拍数)が表示され、表示領域406には、現在の測定モードがスポット(チェック)モードであることが表示される。
【0070】
図6では、SpO2、血圧および体温の全てが測定された場合の画面例を示したが、これらのうちの一部のみが測定された場合には、測定された生体情報の種類に対応する領域にのみ、測定値情報が表示される。
【0071】
なお、生体情報の測定中、表示画面の所定の表示領域に、特定された患者ID、および/または、患者IDにより識別される患者名などがさらに表示されてもよい。これにより、医療従事者は、より確実に、表示中の測定値情報がどの患者のものであるかが把握できる。
【0072】
図7を参照して、表示処理部95より測定値消去のための制御信号が出力されると(図5のステップS34に対応)、各表示領域401〜405の測定値情報(測定トレンドグラフおよび測定値)が消去される。なお、本実施の形態では、SpO2の測定処理の方が他の生体情報よりも先に終了された場合には、SpO2の測定が終了した時点で表示領域401および403に表示されていたSpO2のトレンドグラフおよび測定値が先に消去されてよい。
【0073】
<測定結果データの構造例>
図8は、本発明の実施の形態において、スポットモードの際に記憶部60に記憶される測定結果データのデータ構造例を示す図である。
【0074】
図8を参照して、各測定結果データは、6つの項目601〜606を含む。項目601には、特定された患者IDが記録される。項目602には、測定日時(たとえば、患者IDが特定されたときの日時)が記録される。測定日時は、図示しない計時部(クロック)からの信号に基づいて得られる。項目603には、血圧測定部21によって測定された血圧(最高血圧、平均血圧および最低血圧)が記録される。項目604には、体温測定部24によって測定された体温が記録される。項目605には、酸素飽和度測定部22によって測定されたSpO2が時系列に記録される。
【0075】
3つの生体情報のうちの一部のみが測定された場合には、測定が行なわれた生体情報の種類に対応する項目にのみ測定値が記録される。
【0076】
なお、患者IDと各生体情報とが対応付けられて記憶されれば、測定結果データは、このような記憶形態に限定されない。
【0077】
<測定値情報の表示/消去タイミングの具体例>
スポットモードの際にモニタ1の表示部40に測定値情報が表示および消去されるタイミングの具体例を以下に説明する。
【0078】
図9〜図11は、SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。図9は、血圧測定の方がSpO2よりも後に終了した場合、図10および図11は、血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合のタイミング例を示している。
【0079】
図9を参照して、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始されたとする(ta1)。つまり、血圧測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。なお、ここでは、両測定がほぼ同時に開始された例を示したが、両測定が時間的に重複して行なわれていれば、どちらかが先に行なわれても構わない。以下に示す他の例においても同様である。
【0080】
SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(ta1〜ta2)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。これに対し、血圧については、血圧の測定処理が終了した場合、すなわち、表示処理部95が血圧データを受取った場合に(ta3)、血圧値(および脈拍数)が表示される。図9の例では、SpO2の測定の方が血圧測定よりも先に終了しているので、血圧値は、血圧測定が終了した時点(ta3)から設定時間(ΔT)経過したときに(ta4)消去される。
【0081】
図10を参照して、図9の例と同様、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始されたとする(ta11)。つまり、血圧測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(ta11〜ta13)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。この例では、血圧の測定がSpO2の測定よりも先に終了している。その場合、血圧測定が終了してからSpO2測定終了までの間(ta12〜ta13)、血圧値の表示が継続される。つまり、この例では、血圧測定が終了してから設定時間(ΔT)経過したとしても、SpO2測定が終了するまでは、血圧値の表示が継続される。これにより、医療従事者は、同一の患者に対して測定された血圧値を確実に確認することができる。
【0082】
また、図11を参照して、図10と同様、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始され(ta21)、血圧測定の方がSpO2測定よりも先に終了している。この例では、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(ta22〜ta23)が、設定時間(ΔT)未満であったとする。その場合でも、SpO2測定終了と同時に、血圧値の表示が消去されてよい。
【0083】
図12〜図14は、SpO2と体温(予測値)とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。図12は、体温測定の方がSpO2よりも後に終了した場合、図13および図14は、体温測定の方がSpO2よりも先に終了した場合のタイミング例を示している。
【0084】
なお、図12〜図14は、それぞれ、上記図9〜図11で示した「血圧」を「体温」に代えただけである。つまり、図12のタイミングtb1〜tb4は、それぞれ、図9のタイミングta1〜ta4に対応している。図13のタイミングtb11〜tb13は、それぞれ、図10のタイミングta11〜ta13に対応している。図14のタイミングtb21〜tb23は、それぞれ、図11のタイミングta21〜ta23に対応している。したがって、図12〜図14に示した測定値情報の表示/消去タイミングについて、詳細な説明は繰返さない。
【0085】
なお、本実施の形態では、SpO2よりも先に血圧または体温の測定が終了した場合には、血圧または体温の表示が設定時間(ΔT)継続したか否かにかかわらず、SpO2測定の終了と同時に表示中の値を消去することとした。しかし、血圧または体温の測定が終了してから設定時間(ΔT)未経過のうちにSpO2測定が終了した場合には、たとえばSpO2測定の終了時から設定時間(ΔT)の間は、血圧または体温の測定値を継続して表示してもよい。この場合のタイミング例を図15に示す。
【0086】
図15は、血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合の他のタイミング例を示す図である。
【0087】
図15を参照して、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始され(td1)、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(td2〜td3)が、設定時間(ΔT)未満であったとする。その場合、SpO2測定終了から設定時間(ΔT)経過するまで(td3〜td4)、血圧値の表示が継続され、SpO2測定終了から設定時間(ΔT)経過した時点で、表示中の血圧値が消去される。なお、この例のように、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(td2〜td3)が設定時間(ΔT)未満の場合、血圧測定終了時(td2)から設定時間(ΔT)経過した時点で、血圧値を消去することとしてもよい。
【0088】
図16および図17は、SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【0089】
図16を参照して、血圧、体温およびSpO2の測定がほぼ同時に開始されたとする(tc1)。つまり、血圧測定と体温測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(tc1〜tc3)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。
【0090】
SpO2測定が終了する前に体温測定が終了した場合、体温測定が終了してから(tc2)設定時間(ΔT)経過したとしても、SpO2測定が終了するまでの間(tc2〜tc3)、体温の表示を継続する。SpO2測定が終了した後に血圧測定が終了した場合、血圧測定終了時(tc4)から設定時間(ΔT)経過するまで血圧の表示を継続し、血圧測定終了時(tc4)から設定時間(ΔT)経過した時点(tc5)で、血圧の表示は消去される。
【0091】
なお、血圧および体温の表示/消去タイミングは、SpO2測定の終了よりも先に終了したか後に終了したかに応じて決定されるため、図16において、血圧の測定終了タイミングと体温の測定終了タイミングとが入れ替わった場合でも、同様の処理が行なわれる。
【0092】
図17を参照して、血圧、体温およびSpO2の測定がほぼ同時に開始され(tc11)、血圧および体温の両方ともSpO2測定よりも先に終了したとする(tc12,tc13)。その場合、それぞれの終了時からSpO2測定が終了するまでに設定時間(ΔT)経過したとしても、継続的に血圧および体温を表示し(tc14〜tc15)、SpO2測定が終了した時点(tc15)で、表示中の血圧および体温を消去する。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によると、SpO2測定を基準として、同一患者の第2の生体情報の測定値を関連付けることで、表示中の測定値情報の消去タイミングが判定される。したがって、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することができる。
【0094】
また、判定された消去タイミングで測定値情報が自動的に消去されるため、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報を消去するための操作をする必要がない。その結果、モニタモードとスポットモードとが共に備わったモニタであれば必要となる、専用のボタンを余計に備える必要がなくなる。つまり、医療従事者に表示中の情報を誤って消去させないようにするために、他の機能と共通で使用することのない専用のボタンをスポットモードのために設ける必要がなくなる。
【0095】
なお、上記実施の形態では、第1の生体情報としてSpO2を例に挙げたが限定的ではない。第1の生体情報は、検出ユニットを患者に接触させている間、連続的に測定値が得られるような生体情報であればよく、たとえば、SpO2に代えて、体温の実測値(体温プローブ4または6による体温のリアルタイム測定)を採用してもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、必ず、第1の生体情報と第2の生体情報とが重複して測定される例を示したが、第2の生体情報に含まれるバイタルサインのみが重複して測定される場合には、次のような処理が行なわれてよい。
【0097】
図18は、血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【0098】
図18を参照して、血圧測定と体温測定とがほぼ同時に開始され(te1)、両者が時間的に重複して測定されたとする。体温測定終了時(te2)には測定値としての体温値が表示され、血圧測定終了時(te3)には測定値としての血圧値が表示される。体温および血圧の表示は、ともに、後の測定終了時より設定時間(ΔT)経過した時点(te4)で消去される。
【0099】
本実施の形態のモニタが行なう、生体情報表示方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体に記録される。このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどの磁気記録媒体などを含む。また、このようなプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0100】
なお、本実施の形態に係るプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態に係るプログラムに含まれ得る。
【0101】
また、本実施の形態に係るプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態に係るプログラムに含まれ得る。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 モニタ、2 電極部、3 SpO2センサ、4 実測式体温プローブ、5 腕帯、6 予測または実測式体温プローブ、6A 体温測定モジュール、10 操作部、20 生体情報測定部、21 血圧測定部、22 酸素飽和度測定部、23 心電測定部、24,25 体温測定部、30 バーコードリーダ、40 表示部、50 警報報知部、60 記憶部、70 通信部、71 読出/書込部、71A 記録媒体、80 電源部、90 制御部、91 モニタモード制御部、92 スポットモード制御部、93 特定部、94 判定部、95 表示処理部、96 格納処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムに関し、特に、被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療従事者が患者の生体の状態を看護するために、患者の血圧、体温、心電、動脈血酸素飽和度(「SpO2」ともいう)、呼吸数などの複数種類の生体情報(バイタルサイン)が、生体情報モニタを用いて測定される。測定された生体情報は生体情報モニタに備わった表示部に表示されることで、医療従事者は生体の状態に応じた処置を患者に対して行なうことができる。
【0003】
このような生体情報モニタは、病院内を巡回しながら患者ひとりひとりの生体の状態を看護するために用いられ得る。つまり、生体情報モニタは、被測定者ごとに順次、複数種類の生体情報を測定することができる。このような場合、患者ひとりに対して測定が終わる度に、表示中の測定結果を消去する必要がある。
【0004】
非特許文献1には、生体情報モニタに、表示中の測定結果を消去するための専用のボタンが設けられることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"Vital signs monitor 5300 Acuracy by Omron from Cardiac Science", [online], 2009, Cardiac Science Corporation, [2009年12月25日検索],インターネット<URL:http://www.cardiacscience.com/cardiology-products/vital-signs-monitor/the-cardiac-science-5300.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生体情報モニタに設けられたクリアボタンによって表示中の生体情報の測定値を消去する場合、医療従事者は、ひとりの患者の測定が終わる度に、このクリアボタンを押下しなければならない。
【0007】
一つの病室に複数の患者がいる場合、クリアボタンを押下したかどうかによって、表示部に表示されている情報が一つ前の患者の情報なのか、今の患者の情報なのか、医療従事者に混乱を生じさせる。その結果、患者に対して誤った処置を施してしまう恐れがある。もしくは、再度測定し直す必要が生じる場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザ(医療従事者)が、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することのできる生体情報モニタ、生体情報表示方法および生体情報表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う生体情報モニタは、被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタであって、表示手段と、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと、複数の生体信号それぞれに基づいて、複数種類の生体情報を測定するための測定手段とを備え、複数種類の生体情報は、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を含み、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理と第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するための判定手段と、第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示手段に表示し、かつ、第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示手段に表示するための処理を行なう表示処理手段とをさらに備え、表示処理手段は、判定手段により第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0010】
好ましくは、測定手段による測定結果を記憶するための記憶手段と、被測定者を識別するための識別情報を特定するための特定手段と、特定手段により特定された識別情報と対応付けて、第1の測定処理による第1の生体情報の測定値、および、第1の測定処理と時間的に重複して行なわれた第2の測定処理による第2の生体情報の測定値を、記憶手段に格納するための格納処理手段とをさらに備える。
【0011】
好ましくは、表示処理手段は、第2の測定処理の方が第1の測定処理よりも先に終了した場合には、第1の測定処理が終了するまで第2の生体情報の測定値情報を表示し、第1の測定処理の終了に応じて表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0012】
好ましくは、判定手段は、さらに、第2の測定処理の方が第1の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過したか否かを判定し、表示処理手段は、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過したと判定された場合に、第1の測定処理の終了に応じて表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去し、第2の測定処理が終了してから第1の測定処理が終了するまでに特定時間経過していないと判定された場合には、第1の測定処理が終了してから特定時間経過したときに、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去する。
【0013】
好ましくは、第2の生体情報は、複数のバイタルサインを含み、判定手段は、さらに、第1の測定処理が行われることなく複数のバイタルサインの測定処理のみが時間的に重複して行なわれた場合には、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定し、表示処理手段は、複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過するまで継続して表示し、最後に終了された測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の、複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を消去する。
【0014】
好ましくは、コード情報を読取るための読取り手段をさらに備え、特定手段は、読取られたコード情報により識別情報を特定する。
【0015】
好ましくは、第1の生体情報は、酸素飽和度、および、体温の実測値の少なくとも1つを含み、第2の生体情報は、血圧、および、体温の予測値の少なくともいずれか1つを含む。
【0016】
この発明の他の局面に従う生体情報表示方法は、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示方法であって、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示部に表示し、かつ、第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示部に表示するステップと、第1の測定処理と第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む。
【0017】
この発明のさらに他の局面に従う生体情報表示プログラムは、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示プログラムであって、対応の生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、第1の生体情報の測定値情報を表示部に表示し、かつ、第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、第2の生体情報の測定値情報を表示部に表示するステップと、第1の測定処理と第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、第1の測定処理の方が第2の測定処理よりも先に終了した場合に、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、第2の測定処理が終了してから特定時間経過したと判定された場合に、表示中の第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、ユーザ(医療従事者)の指示がなくても、表示中の測定値情報が自動的に消去される。したがって、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における生体情報モニタを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における生体情報モニタを斜め後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における生体情報モニタの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が表示されている際の画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が消去されている際の画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において、スポットモードの際に記憶部に記憶される測定結果データのデータ構造例を示す図である。
【図9】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図10】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図11】SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図12】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図13】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図14】SpO2と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。
【図15】血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合の他のタイミング例を示す図である。
【図16】SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【図17】SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【図18】血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
[実施の形態1]
本実施の形態における生体情報モニタは、一人の患者について複数種類の生体情報を一定期間継続して測定しその変化を監視する機能(「モニタ機能」という)と、回診や外来診療などにおいて、複数の患者に接続し替えて、患者ごとに複数種類の生体情報を順次測定する機能(「スポットチェック機能」という)とが搭載されている。
【0022】
1台の生体情報モニタにモニタ機能とスポットチェック機能との両機能が搭載される場合、生体情報モニタは、測定モードとして、モニタ機能を用いて一人の患者の生体情報を一定期間継続して測定するモードであるモニタモードと、スポットチェック機能を用いて複数の患者の各生体情報を順次測定するモードであるスポットチェックモード(以下「スポットモード」と略す)とを有する。
【0023】
スポットモードにて患者(被測定者)ごとに生体情報を測定する場合、生体情報の測定は、医療従事者が患者ひとり一人に対して行なう。そして、通常は、患者ひとりの測定が終わると、専用のボタンの押下といったユーザ(医療従事者)からの指示に応じて、表示された情報(代表的に、生体情報の測定値)がクリアされる。これに対し、本実施の形態に係る生体情報モニタにおいては、表示された情報は、ユーザからの指示がなくても、患者の切り替わりの際には、自動的に消去される。
【0024】
このような生体情報モニタについて、以下、詳細に説明する。なお、本実施の形態における生体情報モニタは、モニタモードとスポットモードとを有するものとするが、少なくとも、スポットモードに対応する機能(スポットチェック機能)を搭載した、複数種類の生体情報を測定可能な装置であればよい。
【0025】
<概観について>
図1および図2を参照して、本実施の形態における生体情報モニタ(以下「モニタ」と略す)の概観について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態におけるモニタ1を斜め前方から見た斜視図である。図2は、本発明の実施の形態におけるモニタ1を斜め後方から見た斜視図である。
【0027】
モニタ1は、複数種類の生体情報として、血圧(最高血圧、最低血圧、および/または、平均血圧など)、酸素飽和度(SpO2)、心電(心電図)、体温を測定する機能を有している。これらの生体情報は、バイタルサインともいわれる。
【0028】
図1を参照して、モニタ1には、心電を測定するための電極部2、酸素飽和度を測定するためのSpO2センサ3、体温を実測するための実測式体温プローブ4、血圧を測定するための腕帯5、および体温を予測および実測するための予測または実測式体温プローブ6が接続される。電極部2、SpO2センサ3、体温プローブ4、腕帯5、体温プローブ6は、それぞれ、被測定者の複数の身体部位に接触される。これにより、接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号が検出される。本実施の形態において、これらのような複数の生体信号を検出するためのデバイスを、「検出ユニット」とも称する。
【0029】
図2を参照して、体温プローブ6は、モニタ1の本体1Aの裏側に取り付けられた体温測定モジュール6Aに含まれる。体温プローブ6は、体温測定モジュール6Aの筐体から引き出されて患者(被測定者)の口内または耳に接触されることで、体温の予測モードに入る。体温の予測モードでは、一定時間に得られた生体信号より体温が予測される。予測モードにおいて体温が適切に求められなかった場合などに、自動的に体温の実測モードに移行される。体温の実測モードでは、体温プローブ6より得られる生体信号の値に応じて連続的に(リアルタイムで)体温が測定される。体温の予測および実測は、公知の手法により実行されてよい。体温プローブ4による体温の実測値の測定も、体温プローブ6による実測モードと同様の手法により実現されてよい。
【0030】
<構成について>
図3は、本発明の実施の形態におけるモニタ1の構成例を示すブロック図である。図3を参照して、モニタ1は、操作ボタンなどを含む操作部10と、生体情報測定部20と、バーコードを読取るためのバーコードリーダ30と、測定結果などを表示するLCD(Liquid Crystal Display)を含む表示部40と、警報報知部50と、測定結果やプログラム等を記憶する記憶部60と、他の装置との間でデータやプログラムの通信を行なうための通信部70と、記録媒体71Aに記録されたデータやプログラムを読出したり書込んだりするための読出/書込部71と、電源部80と、これらを制御する制御部90とを含む。
【0031】
生体情報測定部20は、腕帯5に接続されて腕帯5内の空気袋の圧力変化に基づいて血圧を測定するための血圧測定部21、SpO2センサ3に接続されてSpO2センサ3からのセンサ信号に基づいて酸素飽和度を測定するための酸素飽和度測定部22、電極部2に接続されて電極部2間の電位差に基づいて心電を測定するための心電測定部23、体温プローブ4に接続されて体温プローブ4からの信号に基づいて体温の実測値を測定するための体温測定部24、および体温プローブ6に接続されて体温プローブ6からの信号に基づいて体温の予測値および実測値を測定するための体温測定部25を含む。なお、これら測定部の具体的な構成は、いずれも特定の構成に限定されず、すでに広く用いられている構成を採用することができる。
【0032】
生体情報測定部20は、制御部90からの制御信号に従って、上記測定部のうち指定された測定部において生体情報を測定し、測定結果を制御部90に入力する。なお、生体情報測定部20内の各測定部が実行する機能のうちの少なくとも一部は、制御部90によって実現されてもよい。
【0033】
制御部90は、たとえばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにより構成される。制御部90は操作部10から入力される操作信号に基づいて記憶部60に記憶されているプログラムを読み出して実行し、それに伴って制御信号を生成して各部に出力することによって、全体を制御する。
【0034】
モニタ1は、上述のように、モニタモードおよびスポットモードを有している。そのため制御部90は、その機能として、モニタモードの際に測定や表示を制御するためのモニタモード制御部91と、スポットモードの際に測定や表示を制御するためのスポットモード制御部92とを含む。モニタモード制御部91は、生体情報測定部20に含まれる各測定部のうち、当該モードで用いると設定されている測定部の機能を有効とする。具体的には、たとえば、心電はモニタモードのみで測定し、スポットモードでは測定しないと設定されている。
【0035】
スポットモード制御部92は、生体情報測定部20に含まれる各測定部のうち、当該モードで用いると設定されている、または操作信号によって指定された測定部の機能を有効とする。そして、有効とされた測定部から測定結果を取得する。なお、モニタモードとスポットモードとの切替えは、たとえば、操作部10からの操作信号により行なわれてよい。
【0036】
スポットモードの際には、心電以外の生体情報、すなわち、血圧、酸素飽和度、体温(予測値および実測値)が測定され得る。酸素飽和度および体温の実測値は、対応の生体信号(SpO2センサ3からのセンサ信号,体温プローブ4または6からの信号)が検出されている期間に、連続的に測定値が得られる生体情報(以下「第1の生体情報」ともいう)である。つまり、第1の生体情報の測定値は、対応の生体信号の値に応じて変化する。これに対し、血圧と体温の予測値は、第1の生体情報のように連続的に測定値が得られるものではなく、このような生体情報をここでは「第2の生体情報」という。第2の生体情報は、ある時間かけて得られた生体信号(圧力信号,体温プローブ6からの信号,体温プローブ6からの信号)に所定のアルゴリズムを適用することで、1つの測定値(固有値)が得られる生体情報といえる。なお、第2の生体情報が血圧である場合には、血圧指標(最高血圧、最低血圧など)ごとに、1つの測定値が得られるものとする。
【0037】
スポットモード制御部92は、その機能として、特定部93、判定部94、表示処理部95および格納処理部96を含む。
【0038】
特定部93は、バーコードリーダ30により読取られたバーコードの情報を取得し、取得した情報に基づいて、被測定者である患者の識別情報(「患者ID」という)を特定する。具体的には、記憶部60には、バーコードの情報と患者IDとが1対1で対応付いて記憶されており、特定部93は、記憶部60において、読取られた情報と対応付けられている患者IDを検索することで、被測定者である患者の患者IDを特定(抽出)する。
【0039】
なお、本実施の形態では、バーコード(一次元コード)を読取ることで患者IDを特定することとしたが、限定的ではなく、二次元コードなどの他のコード情報により患者IDが特定されてもよい。または、ユーザが操作部10を操作して手入力された情報により、患者IDが特定されてもよい。
【0040】
判定部94は、複数の生体情報が時間的に重複して行なわれた場合であって、予め定められた測定条件を満たした場合に、最後に終了された測定処理が終了してから、特定時間経過したか否かを判定する。「特定時間」は、たとえば、ユーザにより事前に設定された時間(以下「設定時間」ともいう)である。なお、特定時間は、予め定められた時間であってもよい。判定部94は、具体的には、第1の生体情報の一つであるSpO2の測定処理と、第2の生体情報として血圧および/または体温(予測値)の測定処理(以下「固有値測定処理」ともいう)とが時間的に重複して行なわれた場合であって、SpO2の測定処理の方が固有値測定処理よりも先に終了した場合に、固有値測定処理が終了してから設定時間(特定時間)経過したか否かを判定する。他の測定条件での判定の詳細は後述する。
【0041】
なお、SpO2の測定処理の期間は、たとえば、概ね、SpO2センサ3からのセンサ信号が検出されている期間に相当する。血圧の測定処理の期間は、たとえば、腕帯5からの圧力信号が検出されはじめてから、各血圧値(最高血圧,最低血圧など)が算出されるまでの期間に相当する。体温の測定処理の期間は、たとえば、体温プローブ6からの信号が検出されはじめてから、体温が算出されるまでの期間に相当する。
【0042】
表示処理部95は、複数種類の生体情報の測定値情報を表示部に表示する処理を行なう。具体的には、SpO2の測定処理が継続している間、すなわち、SpO2センサ3からのセンサ信号が検出されている間、SpO2の測定値情報を表示部40に順次表示させる。なお、センサ信号が不安定な間は、SpO2の測定値情報は表示されなくてもよい。表示処理部95は、また、固有値測定処理が終了された場合に、すなわち、測定値が得られた場合に、測定値情報(血圧および/または体温)を表示部40に表示させる。
【0043】
本実施の形態において、「測定値情報」とは、測定値に関する情報であり、たとえば、測定値そのもの、測定値の大きさを示すバーグラフ、時間軸に沿って連続的に得られた測定値をプロットした測定トレンドグラフなどを含む。
【0044】
表示処理部95は、SpO2の測定処理よりも後に固有値測定処理が終了された場合、固有値測定処理が終了してから設定時間経過するまでの間、測定値情報を表示し続ける。その後、判定部94により設定時間経過したと判定された場合に、表示中の測定値情報を消去する。SpO2の測定の方が後に終わった場合には、表示処理部95は、たとえば、SpO2の測定終了に応じて、表示中の測定値情報を消去する。
【0045】
従来は、血圧や体温の表示は、ユーザによる明示的な操作によって消去されるなどしていたが、本実施の形態によると、血圧や体温の表示は、設定時間経過すると消去される。したがって、次の患者についての生体情報を測定する際に、前の表示を消し忘れた結果、どの患者の測定値が表示されているのか分からなくなるという不具合をなくすことができる。
【0046】
なお、SpO2の測定の方が後に終わった場合の表示処理等については後述する。
格納処理部96は、SpO2の測定処理が開始されると、直前または測定中に特定部93により特定された患者IDと対応付けて、SpO2の測定値を記憶部60の所定の領域に格納する。また、SpO2の測定処理と時間的に重複して行なわれた固有値測定処理による測定値(血圧および/または体温)を、特定された患者IDと対応付けて記憶部60に格納する。これにより、患者IDにより識別される患者について測定された生体情報(SpO2、血圧および/または体温)がSpO2の測定期間との重なりを条件とすることで、同一患者についての複数の生体情報の測定値が容易に関連付けられる。したがって、本実施の形態によると電子カルテの生成も支援することができる。
【0047】
通常、SpO2の測定は、SpO2センサ3を患者の指先に装着されると開始され、SpO2センサ3が患者の指先から外された時点で終了される。そのため、医療従事者は、表示中のSpO2の測定値情報(測定値または測定トレンドグラフ)がどの患者のものか分からなくなることはない。これに対し、たとえば血圧の場合、通常、操作部10に含まれる血圧測定ボタン(図示せず)の押下に応じて開始され、血圧値が算出された時点で終了される。そのため、腕帯5を患者から外した後もいつまでも測定値が表示されていれば、どの患者の測定結果かが分からなくなる恐れがある。しかし、本実施の形態では、第1の生体情報であるSpO2の測定期間と時間的に重複して測定された生体情報については、同一患者の測定結果と判断することで、測定値情報の自動消去を実現する。
【0048】
制御部90に含まれるとして説明した各機能部に対応するモジュールを含んだプログラムが、記憶部60に格納されていてよい。なお、これらのうちの少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0049】
本実施の形態におけるスポットモードの際に上記各機能部の機能を実現するためのプログラムは、通信部70を介したダウンロードによって記憶部60に格納されてもよいし、読出/書込部71が記録媒体71Aより読出すこと記憶部60に格納されてもよい。
【0050】
<動作について>
本実施の形態において、モニタ1がスポットモードの際に実行する動作の典型例を説明する。ここでは説明の簡単のために、SpO2と血圧のみが測定される場合を例にする。
【0051】
図4および図5は、本発明の実施の形態における生体情報表示処理を示すフローチャートである。図4および図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして記憶部60に格納されており、制御部90(CPU)がこのプログラムを読み出して実行することにより、生体情報表示処理の機能が実現される。
【0052】
なお、以下に説明する生体情報表示処理と並行して、複数種類の生体情報の測定処理が実行されているものとする。測定処理は、生体情報測定部20に含まれる測定部によって実行される。
【0053】
図4を参照して、特定部93は、患者IDを特定する(ステップS2)。具体的には、バーコードリーダ30により読取られたバーコード情報を取得し、取得した情報に基づいて患者IDを特定する。
【0054】
次に、スポットモード制御部92によって、SpO2の測定が開始されたか否かが判断される(ステップS4)。SpO2の測定が開始されると(ステップS4においてYES)、ステップS2で特定された患者IDとSpO2とを関連付ける(ステップS6)。つまり、たとえば、特定された患者IDと関連付けて、SpO2の測定実行を示すフラグがセットされる。また、表示処理部95は、酸素飽和度測定部22により測定された患者のSpO2をリアルタイムで表示部40に表示する(ステップS8)。
【0055】
続いて、スポットモード制御部92は、現在、血圧測定中であるか否かを判断する(ステップS10)。血圧測定中と判断されると(ステップS10においてYES)、ステップS16に進む。血圧測定中でないと判断された場合(ステップS10においてNO)、血圧測定が開始されたか否かを判断する(ステップS12)。血圧測定が開始されると(ステップS12においてYES)、ステップS16に進む。血圧測定が開始されていないと判断された場合(ステップS12においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かを判断する(ステップS14)。つまり、ここでは、SpO2の測定中に血圧測定が開始されることなくSpO2の測定が終了したか否かが判断される。SpO2の測定が終了していないと判断した場合(ステップS14においてNO)、ステップS12に戻る。ステップS14においてSpO2の測定が終了したと判断された場合には(ステップS14においてYES)、図5に示すステップS34に進む。
【0056】
ステップS16において、スポットモード制御部92は、さらに、ステップS2で特定された患者IDと血圧とを関連付ける。つまり、たとえば、特定された患者IDと関連付けて、血圧の測定実行を示すフラグがセットされる。
【0057】
血圧測定部21による処理の結果、血圧値が算出されて血圧測定が終了したか否かが判断される(ステップS18)。血圧測定が終了していないと判断された場合には(ステップS18においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS20)。SpO2の測定が終了していなければ(ステップS20においてNO)、ステップS18に戻る。SpO2の測定が終了したと判断された場合(ステップS20においてYES)、再度、血圧測定が終了したか否かが判断される(ステップS22)。ここでは、血圧測定が終了されるまで待機する。SpO2の測定よりも後に血圧測定が終了したと判断された場合(ステップS22においてYES)、血圧値を表示して(ステップS23)、図5に示すステップS24に進む。
【0058】
ステップS24では、設定時間経過したか否かが判断される。つまり、SpO2測定の方が血圧測定より早く終了した場合に、血圧測定が終了してから設定時間経過したか否かが判断される。血圧測定が終了してから設定時間経過したと判断された場合(ステップS24においてYES)、ステップS34に進む。
【0059】
これに対し、SpO2の測定が終了する前に血圧測定が終了した場合(ステップS18においてYES)、表示処理部95は、血圧を表示し(ステップS19)、図5に示すステップS26に進む。
【0060】
ステップS26では、判定部94が、血圧測定が終了してから設定時間経過したか否かを判断する。設定時間経過していない場合(ステップS26においてNO)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS28)。SpO2の測定が終了していない場合(ステップS28においてNO)、ステップS26に戻る。SpO2の測定が、設定時間経過する前に終了した場合(ステップS28においてYES)、ステップS34に進む。
【0061】
上記ステップS26において、血圧測定が終了してから設定時間経過したと判断された場合(ステップS26においてYES)、SpO2の測定が終了したか否かが判断される(ステップS32)。血圧測定の終了から設定時間経過した後にSpO2の測定が終了したと判断された場合(ステップS32においてYES)、ステップS34に進む。
【0062】
ステップS34において、表示処理部95は、それまで表示していた血圧値を消去するための制御信号を表示部40に送信する。これにより、表示部40より、測定値情報の全てが自動的に消去される。
【0063】
最後に、格納処理部96は、SpO2および血圧の測定結果を記憶部60に記録する(ステップS36)。具体的には、ステップS2で特定された患者IDと対応付けて、SpO2の測定結果および血圧測定結果を所定の記憶領域に格納する。記憶部60に記憶される測定結果データのデータ構造例は後述する。
【0064】
なお、上記フローチャートでは、第2の生体情報として血圧が測定される場合について例示したが、体温プローブ6を用いて体温の予測値が測定される場合にも同様の処理が行なわれてよい。
【0065】
また、第2の生体情報として血圧および体温の両方が測定される場合にも、上記フローチャートを応用することで対応可能である。これらの固有値測定処理とSpO2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合に、最後に測定が終了した生体情報の種類がSpO2かそれ以外かによって、設定時間経過した後に表示中の血圧および体温の値を消去するか否かを判断することができる。
【0066】
<表示例>
モニタ1の表示部40の画面例を図6および図7に示す。
【0067】
図6は、本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が表示されている際の画面例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態において、複数の生体情報の測定値情報が消去されている際の画面例を示す図である。
【0068】
SpO2の測定が続いている場合に、他の生体情報の測定が終了した場合(たとえば図4のステップS19に対応)、図6のような画面が表示部40に表示される。
【0069】
図6を参照して、表示領域401には、SpO2の測定トレンドグラフが表示され、領域403には、現在のSpO2が更新して表示される。表示領域402には、血圧の測定結果として、最高血圧(SYS)、平均血圧(MAP)、最低血圧(DIA)が表示される。表示領域404には、体温(予測値)が表示される。表示領域405には、SpO2測定または血圧測定に関連して算出可能な脈拍数(心拍数)が表示され、表示領域406には、現在の測定モードがスポット(チェック)モードであることが表示される。
【0070】
図6では、SpO2、血圧および体温の全てが測定された場合の画面例を示したが、これらのうちの一部のみが測定された場合には、測定された生体情報の種類に対応する領域にのみ、測定値情報が表示される。
【0071】
なお、生体情報の測定中、表示画面の所定の表示領域に、特定された患者ID、および/または、患者IDにより識別される患者名などがさらに表示されてもよい。これにより、医療従事者は、より確実に、表示中の測定値情報がどの患者のものであるかが把握できる。
【0072】
図7を参照して、表示処理部95より測定値消去のための制御信号が出力されると(図5のステップS34に対応)、各表示領域401〜405の測定値情報(測定トレンドグラフおよび測定値)が消去される。なお、本実施の形態では、SpO2の測定処理の方が他の生体情報よりも先に終了された場合には、SpO2の測定が終了した時点で表示領域401および403に表示されていたSpO2のトレンドグラフおよび測定値が先に消去されてよい。
【0073】
<測定結果データの構造例>
図8は、本発明の実施の形態において、スポットモードの際に記憶部60に記憶される測定結果データのデータ構造例を示す図である。
【0074】
図8を参照して、各測定結果データは、6つの項目601〜606を含む。項目601には、特定された患者IDが記録される。項目602には、測定日時(たとえば、患者IDが特定されたときの日時)が記録される。測定日時は、図示しない計時部(クロック)からの信号に基づいて得られる。項目603には、血圧測定部21によって測定された血圧(最高血圧、平均血圧および最低血圧)が記録される。項目604には、体温測定部24によって測定された体温が記録される。項目605には、酸素飽和度測定部22によって測定されたSpO2が時系列に記録される。
【0075】
3つの生体情報のうちの一部のみが測定された場合には、測定が行なわれた生体情報の種類に対応する項目にのみ測定値が記録される。
【0076】
なお、患者IDと各生体情報とが対応付けられて記憶されれば、測定結果データは、このような記憶形態に限定されない。
【0077】
<測定値情報の表示/消去タイミングの具体例>
スポットモードの際にモニタ1の表示部40に測定値情報が表示および消去されるタイミングの具体例を以下に説明する。
【0078】
図9〜図11は、SpO2と血圧とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。図9は、血圧測定の方がSpO2よりも後に終了した場合、図10および図11は、血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合のタイミング例を示している。
【0079】
図9を参照して、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始されたとする(ta1)。つまり、血圧測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。なお、ここでは、両測定がほぼ同時に開始された例を示したが、両測定が時間的に重複して行なわれていれば、どちらかが先に行なわれても構わない。以下に示す他の例においても同様である。
【0080】
SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(ta1〜ta2)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。これに対し、血圧については、血圧の測定処理が終了した場合、すなわち、表示処理部95が血圧データを受取った場合に(ta3)、血圧値(および脈拍数)が表示される。図9の例では、SpO2の測定の方が血圧測定よりも先に終了しているので、血圧値は、血圧測定が終了した時点(ta3)から設定時間(ΔT)経過したときに(ta4)消去される。
【0081】
図10を参照して、図9の例と同様、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始されたとする(ta11)。つまり、血圧測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(ta11〜ta13)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。この例では、血圧の測定がSpO2の測定よりも先に終了している。その場合、血圧測定が終了してからSpO2測定終了までの間(ta12〜ta13)、血圧値の表示が継続される。つまり、この例では、血圧測定が終了してから設定時間(ΔT)経過したとしても、SpO2測定が終了するまでは、血圧値の表示が継続される。これにより、医療従事者は、同一の患者に対して測定された血圧値を確実に確認することができる。
【0082】
また、図11を参照して、図10と同様、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始され(ta21)、血圧測定の方がSpO2測定よりも先に終了している。この例では、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(ta22〜ta23)が、設定時間(ΔT)未満であったとする。その場合でも、SpO2測定終了と同時に、血圧値の表示が消去されてよい。
【0083】
図12〜図14は、SpO2と体温(予測値)とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミングを示す図である。図12は、体温測定の方がSpO2よりも後に終了した場合、図13および図14は、体温測定の方がSpO2よりも先に終了した場合のタイミング例を示している。
【0084】
なお、図12〜図14は、それぞれ、上記図9〜図11で示した「血圧」を「体温」に代えただけである。つまり、図12のタイミングtb1〜tb4は、それぞれ、図9のタイミングta1〜ta4に対応している。図13のタイミングtb11〜tb13は、それぞれ、図10のタイミングta11〜ta13に対応している。図14のタイミングtb21〜tb23は、それぞれ、図11のタイミングta21〜ta23に対応している。したがって、図12〜図14に示した測定値情報の表示/消去タイミングについて、詳細な説明は繰返さない。
【0085】
なお、本実施の形態では、SpO2よりも先に血圧または体温の測定が終了した場合には、血圧または体温の表示が設定時間(ΔT)継続したか否かにかかわらず、SpO2測定の終了と同時に表示中の値を消去することとした。しかし、血圧または体温の測定が終了してから設定時間(ΔT)未経過のうちにSpO2測定が終了した場合には、たとえばSpO2測定の終了時から設定時間(ΔT)の間は、血圧または体温の測定値を継続して表示してもよい。この場合のタイミング例を図15に示す。
【0086】
図15は、血圧測定の方がSpO2よりも先に終了した場合の他のタイミング例を示す図である。
【0087】
図15を参照して、血圧測定とSpO2測定とがほぼ同時に開始され(td1)、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(td2〜td3)が、設定時間(ΔT)未満であったとする。その場合、SpO2測定終了から設定時間(ΔT)経過するまで(td3〜td4)、血圧値の表示が継続され、SpO2測定終了から設定時間(ΔT)経過した時点で、表示中の血圧値が消去される。なお、この例のように、血圧測定が終了してからSpO2測定が終了するまでの時間(td2〜td3)が設定時間(ΔT)未満の場合、血圧測定終了時(td2)から設定時間(ΔT)経過した時点で、血圧値を消去することとしてもよい。
【0088】
図16および図17は、SpO2と血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【0089】
図16を参照して、血圧、体温およびSpO2の測定がほぼ同時に開始されたとする(tc1)。つまり、血圧測定と体温測定とSpO2測定とが時間的に重複して行なわれたとする。SpO2の測定が開始されてから終了するまでの間(tc1〜tc3)、SpO2の測定値がリアルタイム表示される。
【0090】
SpO2測定が終了する前に体温測定が終了した場合、体温測定が終了してから(tc2)設定時間(ΔT)経過したとしても、SpO2測定が終了するまでの間(tc2〜tc3)、体温の表示を継続する。SpO2測定が終了した後に血圧測定が終了した場合、血圧測定終了時(tc4)から設定時間(ΔT)経過するまで血圧の表示を継続し、血圧測定終了時(tc4)から設定時間(ΔT)経過した時点(tc5)で、血圧の表示は消去される。
【0091】
なお、血圧および体温の表示/消去タイミングは、SpO2測定の終了よりも先に終了したか後に終了したかに応じて決定されるため、図16において、血圧の測定終了タイミングと体温の測定終了タイミングとが入れ替わった場合でも、同様の処理が行なわれる。
【0092】
図17を参照して、血圧、体温およびSpO2の測定がほぼ同時に開始され(tc11)、血圧および体温の両方ともSpO2測定よりも先に終了したとする(tc12,tc13)。その場合、それぞれの終了時からSpO2測定が終了するまでに設定時間(ΔT)経過したとしても、継続的に血圧および体温を表示し(tc14〜tc15)、SpO2測定が終了した時点(tc15)で、表示中の血圧および体温を消去する。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によると、SpO2測定を基準として、同一患者の第2の生体情報の測定値を関連付けることで、表示中の測定値情報の消去タイミングが判定される。したがって、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報がどの患者の生体情報の測定結果であるかを容易に把握することができる。
【0094】
また、判定された消去タイミングで測定値情報が自動的に消去されるため、ユーザ(医療従事者)は、表示中の測定値情報を消去するための操作をする必要がない。その結果、モニタモードとスポットモードとが共に備わったモニタであれば必要となる、専用のボタンを余計に備える必要がなくなる。つまり、医療従事者に表示中の情報を誤って消去させないようにするために、他の機能と共通で使用することのない専用のボタンをスポットモードのために設ける必要がなくなる。
【0095】
なお、上記実施の形態では、第1の生体情報としてSpO2を例に挙げたが限定的ではない。第1の生体情報は、検出ユニットを患者に接触させている間、連続的に測定値が得られるような生体情報であればよく、たとえば、SpO2に代えて、体温の実測値(体温プローブ4または6による体温のリアルタイム測定)を採用してもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、必ず、第1の生体情報と第2の生体情報とが重複して測定される例を示したが、第2の生体情報に含まれるバイタルサインのみが重複して測定される場合には、次のような処理が行なわれてよい。
【0097】
図18は、血圧と体温とが測定された場合の測定値情報の表示/消去タイミング例を示す図である。
【0098】
図18を参照して、血圧測定と体温測定とがほぼ同時に開始され(te1)、両者が時間的に重複して測定されたとする。体温測定終了時(te2)には測定値としての体温値が表示され、血圧測定終了時(te3)には測定値としての血圧値が表示される。体温および血圧の表示は、ともに、後の測定終了時より設定時間(ΔT)経過した時点(te4)で消去される。
【0099】
本実施の形態のモニタが行なう、生体情報表示方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体に記録される。このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどの磁気記録媒体などを含む。また、このようなプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0100】
なお、本実施の形態に係るプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態に係るプログラムに含まれ得る。
【0101】
また、本実施の形態に係るプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態に係るプログラムに含まれ得る。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 モニタ、2 電極部、3 SpO2センサ、4 実測式体温プローブ、5 腕帯、6 予測または実測式体温プローブ、6A 体温測定モジュール、10 操作部、20 生体情報測定部、21 血圧測定部、22 酸素飽和度測定部、23 心電測定部、24,25 体温測定部、30 バーコードリーダ、40 表示部、50 警報報知部、60 記憶部、70 通信部、71 読出/書込部、71A 記録媒体、80 電源部、90 制御部、91 モニタモード制御部、92 スポットモード制御部、93 特定部、94 判定部、95 表示処理部、96 格納処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタであって、
表示手段と、
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと、
前記複数の生体信号それぞれに基づいて、前記複数種類の生体情報を測定するための測定手段とを備え、
前記複数種類の生体情報は、対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を含み、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理と前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するための判定手段と、
前記第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示手段に表示し、かつ、前記第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示手段に表示するための処理を行なう表示処理手段とをさらに備え、
前記表示処理手段は、前記判定手段により前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、生体情報モニタ。
【請求項2】
前記測定手段による測定結果を記憶するための記憶手段と、
被測定者を識別するための識別情報を特定するための特定手段と、
前記特定手段により特定された前記識別情報と対応付けて、前記第1の測定処理による前記第1の生体情報の測定値、および、前記第1の測定処理と時間的に重複して行なわれた前記第2の測定処理による前記第2の生体情報の測定値を、前記記憶手段に格納するための格納処理手段とをさらに備える、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項3】
前記表示処理手段は、前記第2の測定処理の方が前記第1の測定処理よりも先に終了した場合には、前記第1の測定処理が終了するまで前記第2の生体情報の測定値情報を表示し、前記第1の測定処理の終了に応じて表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、請求項1または2に記載の生体情報モニタ。
【請求項4】
前記判定手段は、さらに、前記第2の測定処理の方が前記第1の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過したか否かを判定し、
前記表示処理手段は、
前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過したと判定された場合に、前記第1の測定処理の終了に応じて表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去し、
前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過していないと判定された場合には、前記第1の測定処理が終了してから前記特定時間経過したときに、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、請求項1または2に記載の生体情報モニタ。
【請求項5】
前記第2の生体情報は、複数のバイタルサインを含み、
前記判定手段は、さらに、前記第1の測定処理が行われることなく前記複数のバイタルサインの測定処理のみが時間的に重複して行なわれた場合には、最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過したか否かを判定し、
前記表示処理手段は、前記複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を、前記最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過するまで継続して表示し、前記最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の、前記複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を消去する、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項6】
コード情報を読取るための読取り手段をさらに備え、
前記特定手段は、読取られた前記コード情報により前記識別情報を特定する、請求項2に記載の生体情報モニタ。
【請求項7】
前記第1の生体情報は、酸素飽和度、および、体温の実測値の少なくとも1つを含み、
前記第2の生体情報は、血圧、および、体温の予測値の少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項8】
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示方法であって、
対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示し、かつ、前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示するステップと、
前記第1の測定処理と前記第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、
前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む、生体情報表示方法。
【請求項9】
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示プログラムであって、
対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示し、かつ、前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示するステップと、
前記第1の測定処理と前記第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、
前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む、生体情報表示プログラム。
【請求項1】
被測定者ごとに、順次、複数種類の生体情報を測定することのできる生体情報モニタであって、
表示手段と、
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと、
前記複数の生体信号それぞれに基づいて、前記複数種類の生体情報を測定するための測定手段とを備え、
前記複数種類の生体情報は、対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を含み、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理と前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するための判定手段と、
前記第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示手段に表示し、かつ、前記第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示手段に表示するための処理を行なう表示処理手段とをさらに備え、
前記表示処理手段は、前記判定手段により前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、生体情報モニタ。
【請求項2】
前記測定手段による測定結果を記憶するための記憶手段と、
被測定者を識別するための識別情報を特定するための特定手段と、
前記特定手段により特定された前記識別情報と対応付けて、前記第1の測定処理による前記第1の生体情報の測定値、および、前記第1の測定処理と時間的に重複して行なわれた前記第2の測定処理による前記第2の生体情報の測定値を、前記記憶手段に格納するための格納処理手段とをさらに備える、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項3】
前記表示処理手段は、前記第2の測定処理の方が前記第1の測定処理よりも先に終了した場合には、前記第1の測定処理が終了するまで前記第2の生体情報の測定値情報を表示し、前記第1の測定処理の終了に応じて表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、請求項1または2に記載の生体情報モニタ。
【請求項4】
前記判定手段は、さらに、前記第2の測定処理の方が前記第1の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過したか否かを判定し、
前記表示処理手段は、
前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過したと判定された場合に、前記第1の測定処理の終了に応じて表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去し、
前記第2の測定処理が終了してから前記第1の測定処理が終了するまでに前記特定時間経過していないと判定された場合には、前記第1の測定処理が終了してから前記特定時間経過したときに、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去する、請求項1または2に記載の生体情報モニタ。
【請求項5】
前記第2の生体情報は、複数のバイタルサインを含み、
前記判定手段は、さらに、前記第1の測定処理が行われることなく前記複数のバイタルサインの測定処理のみが時間的に重複して行なわれた場合には、最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過したか否かを判定し、
前記表示処理手段は、前記複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を、前記最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過するまで継続して表示し、前記最後に終了された測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の、前記複数のバイタルサインそれぞれの測定値情報を消去する、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項6】
コード情報を読取るための読取り手段をさらに備え、
前記特定手段は、読取られた前記コード情報により前記識別情報を特定する、請求項2に記載の生体情報モニタ。
【請求項7】
前記第1の生体情報は、酸素飽和度、および、体温の実測値の少なくとも1つを含み、
前記第2の生体情報は、血圧、および、体温の予測値の少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の生体情報モニタ。
【請求項8】
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示方法であって、
対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示し、かつ、前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示するステップと、
前記第1の測定処理と前記第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、
前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む、生体情報表示方法。
【請求項9】
接触された複数の身体部位それぞれから複数の生体信号を検出するための複数の検出ユニットと表示部とを備えた生体情報モニタにおいて実行される生体情報表示プログラムであって、
対応の前記生体信号が検出されている期間に連続的な測定値が得られる第1の生体情報、および、第2の生体情報を測定するステップと、
前記第1の生体情報の測定処理を表わす第1の測定処理が継続している間、前記第1の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示し、かつ、前記第2の生体情報の測定処理を表わす第2の測定処理が終了された場合に、前記第2の生体情報の測定値情報を前記表示部に表示するステップと、
前記第1の測定処理と前記第2の測定処理とが時間的に重複して行なわれた場合であって、前記第1の測定処理の方が前記第2の測定処理よりも先に終了した場合に、前記第2の測定処理が終了してから特定時間経過したか否かを判定するステップと、
前記第2の測定処理が終了してから前記特定時間経過したと判定された場合に、表示中の前記第2の生体情報の測定値情報を消去するステップとを含む、生体情報表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−136105(P2011−136105A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299089(P2009−299089)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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