生体情報モニタ装置
【課題】 検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報を表示部に表示する生体情報モニタ装置を実現する。
【解決手段】 患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備えることを特徴とする生体情報モニタ装置。
【解決手段】 患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備えることを特徴とする生体情報モニタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置(いわゆるベッドサイドモニタやセントラルモニタ)であって、特に、前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報を前記表示部に表示することが可能な生体情報モニタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体から検出された検出信号を処理した生体情報を表示部に表示する生体情報モニタ装置としては、
「患者の心臓を通る血流を示す患者からの信号を獲得することができる非侵襲性心拍出量センサと、患者からの複数の心電図(ECG)信号を獲得することができる複数のECG電極を備える多重リードECGセンサと、前記非侵襲性心拍出量センサと、前記多重リードECGセンサとに連結され、前記血流を示す患者からの信号を処理して、心拍出量に関する値を生成する分析モジュールと、前記分析モジュールに連結され、前記心拍出量に関する値と、前記ECG信号に基づいて生成されたECG波形とを表示するディスプレイと、を含む患者監視コンソールとを備えることを特徴とする患者監視システム。」が知られている。(特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1には以下のことが記載されている。
「図8に示される最上位のIGCメニュー300が表示される。最上位のICGメニュー300は、患者情報ボタン302と、早見ボタン304と、2次パラメータボタン306と、制限ボタン308と、傾向ボタン310と、ヘルプボタン312と、波形ボタン314と、速度ボタン316と、信号品質ボタン318と、脈動平均ボタン320と、正常範囲変更ボタン322と、リード確認ボタン324とを備える。」(段落0032)
【0004】
また、上記特許文献1において測定値の異常に対する警報としては、その段落(0039)に、
「制限ボタンを選択して、オペレータ入力が受信された場合、制限メニューが、表示される。制限メニューは、TFC及びCIにおいての警報制限をオペレータが調整することを可能にする。上限及び下限は、両方のパラメータについて調整することができる。現在の制限設定が情報ウィンドウに示され、監視されている患者についてのパラメータの現在の値も、矢印を用いて示される。値が上限と下限との間にあり続ける限り警報は鳴らない。制限を越えた場合に警報が鳴る。」旨の記載がなされている。
【0005】
また、上記特許文献1には、測定値の異常に対する警報に関する対処情報としては、表示画面に「ヘルプ」ボタンが形成されていて、当該「ヘルプ」ボタンの選択に応じて段落(0041)には、
「ヘルプボタン312を選択して、オペレータ入力が受信された場合、ヘルプ情報ウィンドウが表示される。
図9のヘルプ情報ウィンドウ370には、「始めに、十分に皮膚の準備がされているかどうかを確認する!センサ部位の毛を剃る。確実に、皮膚が清潔で完全に乾燥しているようにする。 ICGのR及びLケーブルを患者の解剖学的右側及び左側に対応させて確かめる。身長、体重、年齢、性別を含む、必要とされる患者情報を入力する。MAP、CVP及びPAW値についての源を、患者情報メニューを介して確認する。」旨の表示と共に、「次のウィンドウ」「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。」旨の記載がなされている。
【0006】
また、図10のヘルプ情報ウィンドウ372には、「適切なセンサの配置として、図解入りで、首:首センサを首の両側に沿って垂直に、耳たぶの直ぐ下に配置する。胸部:上位の胸部センサを中央補助線に沿って胸部の両側の上の剣状突起と一致させて配置する。センサの対は、互いに正反対に配置されなければならない。」旨の表示と共に、「次のウィンドウ」「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。
【0007】
更に、図11のヘルプ情報ウィンドウ374には、「ICG監視のヘルプとして、問題:パラメータ値がXを表示する。解決法:身長、体重、年齢、性別、MAP源及びCVP及びPWA値を含む患者情報が入力されたかどうかを確かめる。パラメータ入力値が範囲内であるかもしれない。問題:信号品質がよくない。解決法:データ品質に影響を与えることがあるため、患者の運動及び会話を最小限にする。センサジェル及びケーブル連結を含むリードを完全性を確認する。最高の波形及び信号強度指針を表示する信号品質オプションを選択する。」旨の表示と共に、「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−220045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記文献に記載の患者監視システムでは、測定値の異常に対する警報と表示画面の「ヘルプ」ボタンの選択に応じて画面上にヘルプ情報ウィンドウが表示されるものであるが、ヘルプ情報ウィンドウは、「次のウィンドウ」「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンをユーザが選択してユーザの希望する表示画面を選択するいわゆるウィザード形式によるものであり、測定値の異常等により発生したアラームと画面上に表示されるヘルプ情報ウィンドウの間には、密接な関係を示すものではない。
【0010】
また、従来の生体情報モニタ装置の検出信号若しくは、機器本体及び患者に装着するセンサ等に異常が発生した際にアラームとして可視的及び/又は聴覚的なアラームを発生させる機能を備えているが、当該アラームは現時点での状況を示すのみで、過去のアラームの発生状況をも考慮したアラームとは異なるメッセージを発生するものでもない。
【0011】
特に、生体情報モニタ装置の機器本体及び患者に装着するセンサ等に異常としては、センサであるSpO2プローブやECG電極の如く、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一端外れても直ぐに戻る等の現象が生じることがある。
さらに、測定環境の異常としては、例えば測定した生体信号を無線送信するにあたって電波切れや受信不良となる状態や、電極の接触インピーダンスが上がり、ノイズが混入するといった現象などが挙げられる。
このような場合でも、機器本体及び患者に装着するセンサや測定環境に異常が発生したことを検出して、テクニカルアラームとして可視的及び/又は聴覚的なアラームを発生させる。
しかし、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れても直ぐに戻る場合には、ナースステーションで生体情報モニタ装置で監視している医療従事者が直ちに患者の病室へ行く必要があるとは限らないが、一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れてた場合と、直ぐに戻る場合との区別ができなかった。
【0012】
さらに、医療技術の向上や医療機器の高度化に伴い、医療従事者は幅広い知識を有するだけでなく、迅速な対応をも求められ、経験の浅い医療従事者にとっては、アラームが発生した場合にどのような対応をすべきか判断に迷ったり、アラームが何に起因するものなのか把握できない場合も想定されうる。
【0013】
本発明の課題(目的)は、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報を表示部に表示する生体情報モニタ装置を提供することにある。
ここで、測定環境の異常とは、測定した生体情報を無線で生体情報モニタ装置に送信する際に、電波切れや受信不良で受信できない場合や、生体へ装着した電極の装着状態が不良といった場合があげられる。
また、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した対処情報の出力が可能な生体情報モニタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の生体情報モニタ装置は、患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、
前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記表示される対処情報は、表示されたアラームに係る異常を解消するための手段や指示や示唆に関するものであることを特徴とする。
また、前記アラーム表示制御部により表示されるアラームと、前記対処情報表示制御部により表示される対処情報とは、重ならない形態で表示することを特徴とする。
また、前記対処情報は、文字及び/又は図解から構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記対処情報が表示される際、音が出力されることを特徴とする。
また、前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、自動的に情報として表示部に表示することを特徴とする。
また、前記対処情報は、予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に表示され、予め定めた条件をから外れた際に表示が解除されることを特徴とする。
【0017】
また、前記対処情報表示の条件は、アラームの種類毎に設定が可能であることを特徴とする。
また、前記対処情報は、点滅表示もしくは反転表示されることを特徴とする。
また、前記アラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に、前記表示部に表示されるガイドキーを使用者が操作することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする。
また、前記表示されたアラームを使用者が選択することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする。
また、前記対処情報は、複数ページから構成されるダイアログウィンドウであり、表示されたアラームに対応したページが最前面として表示されることを特徴とする。
【0018】
また、前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、使用者が操作可能な表示態様で更なる対処情報を表示部に表示することを特徴とする。
また、前記更なる対処情報は少なくとも一つ以上が表示可能であることを特徴とする。
また、前記対処情報表示制御部は、現在測定されている生体情報の有無をもとに、表示する更なる対処情報を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報として、アクションメッセージ又はガイド情報又は更なる対処情報としてポップアップナビゲーションを表示部に表示することが可能である。
また、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した対処情報の出力が可能である。
また、本発明では、バイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報として、アクションメッセージ又はガイド情報又は更なる対処情報としてポップアップナビゲーションを表示部に表示されるため、経験の浅い医療従事者でも、発生したアラームに迷うことなく迅速に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の生体情報モニタ装置のアラームの発生タイミングとアクションメッセージの関係を説明する図である。
【図2】本発明の生体情報モニタ装置における表示部に表示されたテクニカルアラーム「SpO2プローブ確認」と、「ガイド」ボタンとの関係を示す図である。
【図3】図2の状態で、「ガイド」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図4】本発明の生体情報モニタ装置における表示部に表示されたテクニカルアラーム「SpO2コネクタ抜け」と、「ガイド」ボタンとの関係を示す図である。
【図5】図4の状態で、「ガイド」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図6】生体情報モニタ装置の表示エリアに当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面から「メニュー」ボタンの選択(クリック)した後のメニュー画面において表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合のガイド画面を表示例を示す図である。
【図7】図4の状態で、「ヘルプ 電極確認」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図8】従来の生体情報モニタ装置の表示エリアに患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面に「ヘルプ」ボタンが表示された状況を示す図である。
【図9】図8の状態で、「ヘルプ」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図10】図9の状態で、「ヘルプ」ボタンの下に表示された↑を選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図11】図10の状態で、更に「ヘルプ」ボタンの下に表示された↑を選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図12】本発明のアクションメッセージが表示された際の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図13】本発明のポップアップナビゲーションが表示される前の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図14】本発明のポップアップナビゲーションが表示された際の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図15】本発明の「一時退床」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「一時退床」の設定画面を示す図である。
【図16】本発明の「退室」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「退室」の設定画面を示す図である。
【図17】本発明の「ECG OFF」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「ECG OFF」の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第一の対処情報(以下、アクションメッセージ)に係る構成を図1を用いて説明する。
図1は、本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した第一の対処情報の出力が可能な生体情報モニタ装置のアラームの発生タイミングとアクションメッセージの関係を説明する図である。
【0022】
図1の左側は、生体情報モニタ装置の患者一人分のSpO2及びECGに関するテクニカルアラームの発生タイミングを示している。
図示のテクニカルアラームが発生する度に、生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに例えば、「プローブ確認」「電極確認」「脈波検出不能」等の視覚的アラームが表示されると共に、必要に応じて聴覚的アラームも発せられる。
【0023】
しかしこの状態では、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れた場合なのか、一時的に接触状態が悪くなったり、一端外れてが患者の動きによってまた正常状態に戻ったのかの区別ができない。
【0024】
本発明の生体情報モニタ装置では、図1の左側に示す如きテクニカルアラームは発生した場合に次の動作によって本発明に特有のアクションメッセージを生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示する。
【0025】
図1におけるテクニカルアラームの発生の、発生頻度、継続時間、積算時間等に基づく、アクションメッセージの表示のための条件としては、1時間以内に個々のアラーム毎の積算回数を5回と同一アラームが一分間継続のいずれかを満たした場合としている。(この条件は必ずしもこの例である必要はなく、適宜設定可能である。)
【0026】
SpO2又はECGに関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回までは、アクションメッセージが図1の右側の(a)〜(b)に示す如く生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されない。
【0027】
SpO2に関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回になった時点で、図1の右側(c)に示す如く、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」という発生したテクニカルアラームに対応したアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。アクションメッセージが表示される際に音が鳴っても良い。さらに、テクニカルアラームによりアラーム音が発生している場合、アクションメッセージが表示される際に鳴る音は、アラーム音とは異なる音であることが望ましい。
【0028】
この際に表示されるアクションメッセージは、発生したテクニカルアラームの状態を脱するために、医療従事者にSpO2プローブの確認を促すように指示/示唆をするものであれば良く、「SpO2プローブを装着し直してください」や「SpO2プローブのテープを交換してください」などより具体的なものであってもなお良い。
よって、たとえ経験の浅い医療従事者であっても、発生したテクニカルアラームへの対処すべき事項が容易に把握できるため、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0029】
次に、SpO2に関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が6回になった時点でも、図1の右側(d)に示す如く、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0030】
SpO2に関するテクニカルアラームの発生積算回数が6回になった後に、「プローブ確認」の2回目の発生時点から1時間以内に更なるSpO2に関するテクニカルアラームが発生しなかった場合には、1時間以内に発生積算回数5の条件が満たされなくなるので、図示はされていないが、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」というアクションメッセージは生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されなくなる。
【0031】
次に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回になった時点で、図1の右側(e)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。
前述同様にこの際に表示されるアクションメッセージは、発生したテクニカルアラームの状態を脱するために、医療従事者にECG電極の確認を促すように指示/示唆をするものであれば良く、「新しい電極に張り替えてください」や「電極の装着位置を変えてください」などより具体的なものであってもなお良い。
【0032】
次に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が6回になった時点でも、図1の右側(f)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0033】
更に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が7回になった時点でも、図1の右側(g)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0034】
また、SpO2又はECGに関するテクニカルアラームが1時間以上何も発生しなかった場合には、アクションメッセージは図1の右側の(h)に示す如く生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されない。
【0035】
また、SpO2に関する「プローブ確認」のテクニカルアラームが1分以上継続した場合には、図1の右側(i)に示す如く、「SpO2プローブを確認する。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。
【0036】
上記の如く、本発明の生体情報モニタ装置では、生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のテクニカルアラームの発生状況を考慮したアクションメッセージの出力が可能であるので、患者が測定中に寝返り等で動いた際にセンサ(プローブ,電極等)が一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れてた場合と、直ぐに戻った場合とが明確に区別ができるので、ナースステーションで生体情報モニタ装置で監視している医療従事者の対応が適切になる。
【0037】
なお、上記説明では、生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを対象にして説明しているが、患者の生体情報の検出値又は検出値を処理した値の異常時に出力されるバイタルアラームにも適用することが可能であることはいうまでもない。
【0038】
また、上記の説明では、「アクションメッセージ」を文字表示する例で説明しているが、文字表示のみではなく、図形、グラフ、写真等の他の表示形態を併用してもよい。
【0039】
また、アクションメッセージの表示部における表示画面は、アラーム表示に重ならない形態で表示するがアラーム表示の邪魔にならないので望ましい。
【0040】
また、アクションメッセージの表示部における表示としては、前記アクションメッセージの表示のための条件として複数のレベルを設定して、設定した複数のレベルに応じて異なった色表示、点滅表示、反転表示等の視覚的表示といった、医療従事者への注意喚起を目的とする表示態様を採用することも可能である。
【0041】
図12は、ナースステーション等に配置され複数の患者の生体情報を同時にモニタリング可能な生体情報モニタ装置(いわゆる、セントラルモニタ)におけるアクションメッセージの表示の一例である。
【0042】
上述したとおり、本発明の第一の対処情報は、医療従事者は特段の操作することなく、発生したアラームに対応した対処情報を、自動的に取得可能とする。
【0043】
次に、本発明の第二の対処情報(以下、ガイド画面)に係る構成を説明する。
本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示された後の医療従事者の対応を容易にするためのガイド機能を付与した例を図2〜図5を用いて説明する。
【0044】
図2は本発明の生体情報モニタ装置において、図1の右側に示すテクニカルアラームの1つであるSpO2に関するアラームである「SpO2プローブ確認」という視覚的アラームが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアの一部(図2では右上)に表示されている状態である。
【0045】
図2の表示エリアには、当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている。
また、図2の表示画面には、上記「SpO2プローブ確認」という表示の上部に「?」ボタン(以下、ガイドキー)が表示されている。
この状態で、医療従事者が、ガイドキーを選択(クリック)すると、本発明の生体情報モニタ装置の表示画面は、図3の状態に変化する。
図3では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2プローブ確認」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
なお、ガイド情報が表示される際に音が鳴っても良い。さらに、テクニカルアラームによりアラーム音が発生している場合、ガイド情報が表示される際に鳴る音は、アラーム音とは異なる音であることが望ましい。
この図3の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「SpO2プローブ確認」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。特に経験の浅い医療従事者にとっては有益な情報と言える。
【0046】
なお、ガイドキーは表示される代わりに、“表示されたアラームを使用者が選択して”、図3の状態に変化しても良い。ここで、“表示されたアラームを使用者が選択して”とは、図2の表示画面における「SpO2プローブ確認」を、使用者が選択(クリック)することである。
【0047】
図4の本発明の生体情報モニタ装置の表示エリアには、当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている。
また、図4の表示画面には、上記「SpO2コネクタ抜け」というテクニカルアラームの表示の上部にガイドキーが表示されている。
この状態で、医療従事者が、ガイドキーを選択(クリック)すると、本発明の生体情報モニタ装置の表示画面は、図5の状態に変化する。
図5では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2コネクタ抜け」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
この図5の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「SpO2コネクタ抜け」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。
【0048】
ここで、表示されるガイド画面は、前記第一の対処情報と同様に、既に表示されているアラームと重ならないように表示されるのが望ましい。
さらに、ガイド画面が複数ページから構成される図3や図5に示すようなダイアログウィンドウである場合、表示されたアラームに対応したページ(?SpO2)が最前面で表示されることが望ましい。
【0049】
図2〜図5の例では、表示画面の、「SpO2プローブ確認」又は「SpO2コネクタ抜け」等のテクニカルアラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に表示されるガイドキーの選択(クリック)によって、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2プローブ確認」又は「SpO2コネクタ抜け」に対応したガイド情報が図解入りで表示される例を示しているが、別の手順でガイド画面を表示する例を以下に説明する。
【0050】
図6は、生体情報モニタ装置の表示エリアに当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面から「メニュー」ボタンの選択(クリック)した後のメニュー画面において表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合のガイド画面を表示例である。
【0051】
図6は、メニュー画面から表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合の画面の例であって、この画面ではECG、SpO2及びNIBP別のファイルがあって、図ではECGのファイルを選択した状態である。
この状態では画面上に「ヒント」の項目として「電極の装着」が、「ヘルプ」の項目として「ノイズ」「解析不能」及び「電極確認」が表示されている。
【0052】
この状態で、「電極確認」のボタンを選択(クリック)すると、生体情報モニタ装置の表示画面は、図7の状態に変化する。
図7では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「ECG」の「電極の装着」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
この図7の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「ECG」の「電極の装着」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。
【0053】
図2〜図7の説明では、「ガイド情報」を生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に表示されるSpO2「プローブ確認」,ECG「電極確認」等の「テクニカルアラーム」に対応するガイド情報が生じされるものであるが、図1で示す「SpO2プローブ確認」,「ECG電極確認」等の「アクションメッセージ」に対応するガイド情報を表示するようにしてもよい。
【0054】
図2〜図7の説明では、「ガイド情報」を生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に表示されるSpO2「プローブ確認」,ECG「電極確認」等の「テクニカルアラーム」に対応するガイド情報が生じされるものであるが、患者から検出された生体情報の検出値及び当該検出値を処理したデータの異常時に画面上に表示されるバイタルアラームに対応するガイド情報を表示するようにしてもよい。
【0055】
上述したとおり、本発明の第二の対処情報は、医療従事者は自らの操作により、発生したアラームに対応した対処情報を、自発的に取得可能とする。
【0056】
次に、本発明の第三の対処情報(以下、ポップアップナビゲーション)に係る構成を説明する。
本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームが一定の条件を満たした場合、使用者が必要とする操作を指示又は示唆するためのポップアップナビゲーション機能を付与した例を図13〜図14を用いて説明する。
【0057】
図13は、例えば光電二郎に「電波切れ」、光電松子に「電極確認」、光電梅子に「電極確認」、光電三郎に「電極確認」のアラームが発生している状態である。
図14は、前述のアクションメッセージと同様に、アラーム発生の、発生頻度、発生件数、継続時間、積算時間等の少なくともいずれか一つの条件を具備したことに基づき、「一時退室」、「退床」、「ECG OFF」の更なる対処情報が表示された状態である。
【0058】
ここで、「一時退室」とは、患者が検査などで生体情報モニタでの測定を中断する際に使用する設定であり、「退床」とは、患者が退院などで生体情報モニタでの測定が終了した際に使用する設定であり、「ECG OFF」とは、患者の重症度等に応じて、一時的、又は恒久的にECG測定が不要な場合に使用する設定である。
図14に示す「一時退室」、「退床」、「ECG OFF」は、前述のガイドキーと同様に使用者が選択(操作)可能であり、使用者が選択(クリック)すると、従来の生体情報モニタ装置が有する図15〜図17の設定画面が起動する。該設定画面に表示に従って使用者が操作することで、アラームは解消される。
【0059】
光電二郎は、「電波切れ」のアラームが発生し、このアラームが例えば5分以上継続したため、使用者が次に操作すると考えられる(又は操作して欲しい)「一時退室」と「退床」が表示されている。
【0060】
光電松子と光電梅子と光電三郎は、いずれも「電極確認」のアラームが発生し、このアラームが例えば5分以上継続したが、いずれも異なる対処情報が表示されている。対処情報表示制御部が、それぞれの状態に応じて表示する更なる対処情報を決定できることを示す例である。
【0061】
光電松子は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部がECGや脈波などの生体情報の測定が行われていないことを検知し、「一時退室」と「退床」の更なる対処情報を表示する。
また、光電梅子は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部がECGは測定されていないが、脈波などの他の生体情報の測定が行われていることを検知し、「一時退室」と「退床」ではなく、「ECG OFF」の更なる対処情報を表示する。
さらに、光電三郎は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部が表示すべき対処情報を決定できなかった場合、可能性のある全ての更なる対処情報を表示する。
以上のとおり、ポップアップナビゲーションとして、表示される更なる対処情報は、対処情報表示制御部が決定する構成であってもよいし、使用者が予め設定できる構成であってもよい。
【0062】
図14における「一時退床」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図15に示す「一時退床」の設定画面が表示される。
【0063】
図14における「退室」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図16に示す「退室」の設定画面が表示される。
【0064】
図14における「ECG OFF」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図17に示す「ECG OFF」の設定画面が表示される。
【0065】
上述したとおり、本発明の第三の対処情報は、発生したアラームに対応した次に操作される可能性のある更なる対処情報を、医療従事者が選択的に取得可能となり、アラームを解消するために必要な操作を促されることで、最終的にアラームを解消することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置(いわゆるベッドサイドモニタやセントラルモニタ)であって、特に、前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報を前記表示部に表示することが可能な生体情報モニタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体から検出された検出信号を処理した生体情報を表示部に表示する生体情報モニタ装置としては、
「患者の心臓を通る血流を示す患者からの信号を獲得することができる非侵襲性心拍出量センサと、患者からの複数の心電図(ECG)信号を獲得することができる複数のECG電極を備える多重リードECGセンサと、前記非侵襲性心拍出量センサと、前記多重リードECGセンサとに連結され、前記血流を示す患者からの信号を処理して、心拍出量に関する値を生成する分析モジュールと、前記分析モジュールに連結され、前記心拍出量に関する値と、前記ECG信号に基づいて生成されたECG波形とを表示するディスプレイと、を含む患者監視コンソールとを備えることを特徴とする患者監視システム。」が知られている。(特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1には以下のことが記載されている。
「図8に示される最上位のIGCメニュー300が表示される。最上位のICGメニュー300は、患者情報ボタン302と、早見ボタン304と、2次パラメータボタン306と、制限ボタン308と、傾向ボタン310と、ヘルプボタン312と、波形ボタン314と、速度ボタン316と、信号品質ボタン318と、脈動平均ボタン320と、正常範囲変更ボタン322と、リード確認ボタン324とを備える。」(段落0032)
【0004】
また、上記特許文献1において測定値の異常に対する警報としては、その段落(0039)に、
「制限ボタンを選択して、オペレータ入力が受信された場合、制限メニューが、表示される。制限メニューは、TFC及びCIにおいての警報制限をオペレータが調整することを可能にする。上限及び下限は、両方のパラメータについて調整することができる。現在の制限設定が情報ウィンドウに示され、監視されている患者についてのパラメータの現在の値も、矢印を用いて示される。値が上限と下限との間にあり続ける限り警報は鳴らない。制限を越えた場合に警報が鳴る。」旨の記載がなされている。
【0005】
また、上記特許文献1には、測定値の異常に対する警報に関する対処情報としては、表示画面に「ヘルプ」ボタンが形成されていて、当該「ヘルプ」ボタンの選択に応じて段落(0041)には、
「ヘルプボタン312を選択して、オペレータ入力が受信された場合、ヘルプ情報ウィンドウが表示される。
図9のヘルプ情報ウィンドウ370には、「始めに、十分に皮膚の準備がされているかどうかを確認する!センサ部位の毛を剃る。確実に、皮膚が清潔で完全に乾燥しているようにする。 ICGのR及びLケーブルを患者の解剖学的右側及び左側に対応させて確かめる。身長、体重、年齢、性別を含む、必要とされる患者情報を入力する。MAP、CVP及びPAW値についての源を、患者情報メニューを介して確認する。」旨の表示と共に、「次のウィンドウ」「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。」旨の記載がなされている。
【0006】
また、図10のヘルプ情報ウィンドウ372には、「適切なセンサの配置として、図解入りで、首:首センサを首の両側に沿って垂直に、耳たぶの直ぐ下に配置する。胸部:上位の胸部センサを中央補助線に沿って胸部の両側の上の剣状突起と一致させて配置する。センサの対は、互いに正反対に配置されなければならない。」旨の表示と共に、「次のウィンドウ」「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。
【0007】
更に、図11のヘルプ情報ウィンドウ374には、「ICG監視のヘルプとして、問題:パラメータ値がXを表示する。解決法:身長、体重、年齢、性別、MAP源及びCVP及びPWA値を含む患者情報が入力されたかどうかを確かめる。パラメータ入力値が範囲内であるかもしれない。問題:信号品質がよくない。解決法:データ品質に影響を与えることがあるため、患者の運動及び会話を最小限にする。センサジェル及びケーブル連結を含むリードを完全性を確認する。最高の波形及び信号強度指針を表示する信号品質オプションを選択する。」旨の表示と共に、「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンの表示がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−220045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記文献に記載の患者監視システムでは、測定値の異常に対する警報と表示画面の「ヘルプ」ボタンの選択に応じて画面上にヘルプ情報ウィンドウが表示されるものであるが、ヘルプ情報ウィンドウは、「次のウィンドウ」「前のウィンドウ」「「ウィンドウを閉じる」というアイコンをユーザが選択してユーザの希望する表示画面を選択するいわゆるウィザード形式によるものであり、測定値の異常等により発生したアラームと画面上に表示されるヘルプ情報ウィンドウの間には、密接な関係を示すものではない。
【0010】
また、従来の生体情報モニタ装置の検出信号若しくは、機器本体及び患者に装着するセンサ等に異常が発生した際にアラームとして可視的及び/又は聴覚的なアラームを発生させる機能を備えているが、当該アラームは現時点での状況を示すのみで、過去のアラームの発生状況をも考慮したアラームとは異なるメッセージを発生するものでもない。
【0011】
特に、生体情報モニタ装置の機器本体及び患者に装着するセンサ等に異常としては、センサであるSpO2プローブやECG電極の如く、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一端外れても直ぐに戻る等の現象が生じることがある。
さらに、測定環境の異常としては、例えば測定した生体信号を無線送信するにあたって電波切れや受信不良となる状態や、電極の接触インピーダンスが上がり、ノイズが混入するといった現象などが挙げられる。
このような場合でも、機器本体及び患者に装着するセンサや測定環境に異常が発生したことを検出して、テクニカルアラームとして可視的及び/又は聴覚的なアラームを発生させる。
しかし、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れても直ぐに戻る場合には、ナースステーションで生体情報モニタ装置で監視している医療従事者が直ちに患者の病室へ行く必要があるとは限らないが、一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れてた場合と、直ぐに戻る場合との区別ができなかった。
【0012】
さらに、医療技術の向上や医療機器の高度化に伴い、医療従事者は幅広い知識を有するだけでなく、迅速な対応をも求められ、経験の浅い医療従事者にとっては、アラームが発生した場合にどのような対応をすべきか判断に迷ったり、アラームが何に起因するものなのか把握できない場合も想定されうる。
【0013】
本発明の課題(目的)は、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報を表示部に表示する生体情報モニタ装置を提供することにある。
ここで、測定環境の異常とは、測定した生体情報を無線で生体情報モニタ装置に送信する際に、電波切れや受信不良で受信できない場合や、生体へ装着した電極の装着状態が不良といった場合があげられる。
また、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した対処情報の出力が可能な生体情報モニタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の生体情報モニタ装置は、患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、
前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記表示される対処情報は、表示されたアラームに係る異常を解消するための手段や指示や示唆に関するものであることを特徴とする。
また、前記アラーム表示制御部により表示されるアラームと、前記対処情報表示制御部により表示される対処情報とは、重ならない形態で表示することを特徴とする。
また、前記対処情報は、文字及び/又は図解から構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記対処情報が表示される際、音が出力されることを特徴とする。
また、前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、自動的に情報として表示部に表示することを特徴とする。
また、前記対処情報は、予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に表示され、予め定めた条件をから外れた際に表示が解除されることを特徴とする。
【0017】
また、前記対処情報表示の条件は、アラームの種類毎に設定が可能であることを特徴とする。
また、前記対処情報は、点滅表示もしくは反転表示されることを特徴とする。
また、前記アラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に、前記表示部に表示されるガイドキーを使用者が操作することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする。
また、前記表示されたアラームを使用者が選択することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする。
また、前記対処情報は、複数ページから構成されるダイアログウィンドウであり、表示されたアラームに対応したページが最前面として表示されることを特徴とする。
【0018】
また、前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、使用者が操作可能な表示態様で更なる対処情報を表示部に表示することを特徴とする。
また、前記更なる対処情報は少なくとも一つ以上が表示可能であることを特徴とする。
また、前記対処情報表示制御部は、現在測定されている生体情報の有無をもとに、表示する更なる対処情報を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、当該バイタルアラーム又はテクニカルアラームの表示後にバイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報として、アクションメッセージ又はガイド情報又は更なる対処情報としてポップアップナビゲーションを表示部に表示することが可能である。
また、検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した対処情報の出力が可能である。
また、本発明では、バイタルアラーム又はテクニカルアラームに対応する対処情報として、アクションメッセージ又はガイド情報又は更なる対処情報としてポップアップナビゲーションを表示部に表示されるため、経験の浅い医療従事者でも、発生したアラームに迷うことなく迅速に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の生体情報モニタ装置のアラームの発生タイミングとアクションメッセージの関係を説明する図である。
【図2】本発明の生体情報モニタ装置における表示部に表示されたテクニカルアラーム「SpO2プローブ確認」と、「ガイド」ボタンとの関係を示す図である。
【図3】図2の状態で、「ガイド」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図4】本発明の生体情報モニタ装置における表示部に表示されたテクニカルアラーム「SpO2コネクタ抜け」と、「ガイド」ボタンとの関係を示す図である。
【図5】図4の状態で、「ガイド」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図6】生体情報モニタ装置の表示エリアに当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面から「メニュー」ボタンの選択(クリック)した後のメニュー画面において表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合のガイド画面を表示例を示す図である。
【図7】図4の状態で、「ヘルプ 電極確認」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図8】従来の生体情報モニタ装置の表示エリアに患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面に「ヘルプ」ボタンが表示された状況を示す図である。
【図9】図8の状態で、「ヘルプ」ボタンを選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図10】図9の状態で、「ヘルプ」ボタンの下に表示された↑を選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図11】図10の状態で、更に「ヘルプ」ボタンの下に表示された↑を選択した場合の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図12】本発明のアクションメッセージが表示された際の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図13】本発明のポップアップナビゲーションが表示される前の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図14】本発明のポップアップナビゲーションが表示された際の生体情報モニタ装置における表示部に表示された内容を示す図である。
【図15】本発明の「一時退床」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「一時退床」の設定画面を示す図である。
【図16】本発明の「退室」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「退室」の設定画面を示す図である。
【図17】本発明の「ECG OFF」のポップアップナビゲーションを押下後に生体情報モニタ装置における表示部に表示された「ECG OFF」の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第一の対処情報(以下、アクションメッセージ)に係る構成を図1を用いて説明する。
図1は、本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示すると共に、過去のバイタルアラーム又はテクニカルアラームの発生状況を考慮した第一の対処情報の出力が可能な生体情報モニタ装置のアラームの発生タイミングとアクションメッセージの関係を説明する図である。
【0022】
図1の左側は、生体情報モニタ装置の患者一人分のSpO2及びECGに関するテクニカルアラームの発生タイミングを示している。
図示のテクニカルアラームが発生する度に、生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに例えば、「プローブ確認」「電極確認」「脈波検出不能」等の視覚的アラームが表示されると共に、必要に応じて聴覚的アラームも発せられる。
【0023】
しかしこの状態では、患者が測定中に寝返り等で動いた際に一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れた場合なのか、一時的に接触状態が悪くなったり、一端外れてが患者の動きによってまた正常状態に戻ったのかの区別ができない。
【0024】
本発明の生体情報モニタ装置では、図1の左側に示す如きテクニカルアラームは発生した場合に次の動作によって本発明に特有のアクションメッセージを生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示する。
【0025】
図1におけるテクニカルアラームの発生の、発生頻度、継続時間、積算時間等に基づく、アクションメッセージの表示のための条件としては、1時間以内に個々のアラーム毎の積算回数を5回と同一アラームが一分間継続のいずれかを満たした場合としている。(この条件は必ずしもこの例である必要はなく、適宜設定可能である。)
【0026】
SpO2又はECGに関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回までは、アクションメッセージが図1の右側の(a)〜(b)に示す如く生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されない。
【0027】
SpO2に関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回になった時点で、図1の右側(c)に示す如く、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」という発生したテクニカルアラームに対応したアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。アクションメッセージが表示される際に音が鳴っても良い。さらに、テクニカルアラームによりアラーム音が発生している場合、アクションメッセージが表示される際に鳴る音は、アラーム音とは異なる音であることが望ましい。
【0028】
この際に表示されるアクションメッセージは、発生したテクニカルアラームの状態を脱するために、医療従事者にSpO2プローブの確認を促すように指示/示唆をするものであれば良く、「SpO2プローブを装着し直してください」や「SpO2プローブのテープを交換してください」などより具体的なものであってもなお良い。
よって、たとえ経験の浅い医療従事者であっても、発生したテクニカルアラームへの対処すべき事項が容易に把握できるため、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0029】
次に、SpO2に関するテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が6回になった時点でも、図1の右側(d)に示す如く、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0030】
SpO2に関するテクニカルアラームの発生積算回数が6回になった後に、「プローブ確認」の2回目の発生時点から1時間以内に更なるSpO2に関するテクニカルアラームが発生しなかった場合には、1時間以内に発生積算回数5の条件が満たされなくなるので、図示はされていないが、「SpO2プローブの装着状態を改善してください。」というアクションメッセージは生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されなくなる。
【0031】
次に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が5回になった時点で、図1の右側(e)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。
前述同様にこの際に表示されるアクションメッセージは、発生したテクニカルアラームの状態を脱するために、医療従事者にECG電極の確認を促すように指示/示唆をするものであれば良く、「新しい電極に張り替えてください」や「電極の装着位置を変えてください」などより具体的なものであってもなお良い。
【0032】
次に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が6回になった時点でも、図1の右側(f)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0033】
更に、ECGに関する「電極確認」のテクニカルアラームの1時間内の発生積算回数が7回になった時点でも、図1の右側(g)に示す如く、「電極の装着状態を改善してください。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに継続して表示される。
【0034】
また、SpO2又はECGに関するテクニカルアラームが1時間以上何も発生しなかった場合には、アクションメッセージは図1の右側の(h)に示す如く生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示されない。
【0035】
また、SpO2に関する「プローブ確認」のテクニカルアラームが1分以上継続した場合には、図1の右側(i)に示す如く、「SpO2プローブを確認する。」というアクションメッセージが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアに表示される。
【0036】
上記の如く、本発明の生体情報モニタ装置では、生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示するに際して、過去のテクニカルアラームの発生状況を考慮したアクションメッセージの出力が可能であるので、患者が測定中に寝返り等で動いた際にセンサ(プローブ,電極等)が一時的に接触状態が悪くなったり、一時的に外れてた場合と、直ぐに戻った場合とが明確に区別ができるので、ナースステーションで生体情報モニタ装置で監視している医療従事者の対応が適切になる。
【0037】
なお、上記説明では、生体情報モニタ装置又はセンサの異常時に出力されるテクニカルアラームを対象にして説明しているが、患者の生体情報の検出値又は検出値を処理した値の異常時に出力されるバイタルアラームにも適用することが可能であることはいうまでもない。
【0038】
また、上記の説明では、「アクションメッセージ」を文字表示する例で説明しているが、文字表示のみではなく、図形、グラフ、写真等の他の表示形態を併用してもよい。
【0039】
また、アクションメッセージの表示部における表示画面は、アラーム表示に重ならない形態で表示するがアラーム表示の邪魔にならないので望ましい。
【0040】
また、アクションメッセージの表示部における表示としては、前記アクションメッセージの表示のための条件として複数のレベルを設定して、設定した複数のレベルに応じて異なった色表示、点滅表示、反転表示等の視覚的表示といった、医療従事者への注意喚起を目的とする表示態様を採用することも可能である。
【0041】
図12は、ナースステーション等に配置され複数の患者の生体情報を同時にモニタリング可能な生体情報モニタ装置(いわゆる、セントラルモニタ)におけるアクションメッセージの表示の一例である。
【0042】
上述したとおり、本発明の第一の対処情報は、医療従事者は特段の操作することなく、発生したアラームに対応した対処情報を、自動的に取得可能とする。
【0043】
次に、本発明の第二の対処情報(以下、ガイド画面)に係る構成を説明する。
本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを表示部に表示された後の医療従事者の対応を容易にするためのガイド機能を付与した例を図2〜図5を用いて説明する。
【0044】
図2は本発明の生体情報モニタ装置において、図1の右側に示すテクニカルアラームの1つであるSpO2に関するアラームである「SpO2プローブ確認」という視覚的アラームが生体情報モニタ装置の当該患者の表示エリアの一部(図2では右上)に表示されている状態である。
【0045】
図2の表示エリアには、当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている。
また、図2の表示画面には、上記「SpO2プローブ確認」という表示の上部に「?」ボタン(以下、ガイドキー)が表示されている。
この状態で、医療従事者が、ガイドキーを選択(クリック)すると、本発明の生体情報モニタ装置の表示画面は、図3の状態に変化する。
図3では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2プローブ確認」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
なお、ガイド情報が表示される際に音が鳴っても良い。さらに、テクニカルアラームによりアラーム音が発生している場合、ガイド情報が表示される際に鳴る音は、アラーム音とは異なる音であることが望ましい。
この図3の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「SpO2プローブ確認」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。特に経験の浅い医療従事者にとっては有益な情報と言える。
【0046】
なお、ガイドキーは表示される代わりに、“表示されたアラームを使用者が選択して”、図3の状態に変化しても良い。ここで、“表示されたアラームを使用者が選択して”とは、図2の表示画面における「SpO2プローブ確認」を、使用者が選択(クリック)することである。
【0047】
図4の本発明の生体情報モニタ装置の表示エリアには、当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている。
また、図4の表示画面には、上記「SpO2コネクタ抜け」というテクニカルアラームの表示の上部にガイドキーが表示されている。
この状態で、医療従事者が、ガイドキーを選択(クリック)すると、本発明の生体情報モニタ装置の表示画面は、図5の状態に変化する。
図5では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2コネクタ抜け」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
この図5の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「SpO2コネクタ抜け」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。
【0048】
ここで、表示されるガイド画面は、前記第一の対処情報と同様に、既に表示されているアラームと重ならないように表示されるのが望ましい。
さらに、ガイド画面が複数ページから構成される図3や図5に示すようなダイアログウィンドウである場合、表示されたアラームに対応したページ(?SpO2)が最前面で表示されることが望ましい。
【0049】
図2〜図5の例では、表示画面の、「SpO2プローブ確認」又は「SpO2コネクタ抜け」等のテクニカルアラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に表示されるガイドキーの選択(クリック)によって、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「SpO2プローブ確認」又は「SpO2コネクタ抜け」に対応したガイド情報が図解入りで表示される例を示しているが、別の手順でガイド画面を表示する例を以下に説明する。
【0050】
図6は、生体情報モニタ装置の表示エリアに当該患者の生体から検出された検出信号の波形及び検出信号を処理した生体情報が表示されている画面から「メニュー」ボタンの選択(クリック)した後のメニュー画面において表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合のガイド画面を表示例である。
【0051】
図6は、メニュー画面から表示されている「ガイド」ボタンを選択(クリック)した場合の画面の例であって、この画面ではECG、SpO2及びNIBP別のファイルがあって、図ではECGのファイルを選択した状態である。
この状態では画面上に「ヒント」の項目として「電極の装着」が、「ヘルプ」の項目として「ノイズ」「解析不能」及び「電極確認」が表示されている。
【0052】
この状態で、「電極確認」のボタンを選択(クリック)すると、生体情報モニタ装置の表示画面は、図7の状態に変化する。
図7では、生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に一部を重ねてガイド画面に「ECG」の「電極の装着」に対応したガイド情報が図解入りで表示されている。
この図7の図解入りのガイド情報によって、医療従事者に対して、「ECG」の「電極の装着」というテクニカルアラームに対する最適な対応情報を与えることが可能になる。
【0053】
図2〜図7の説明では、「ガイド情報」を生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に表示されるSpO2「プローブ確認」,ECG「電極確認」等の「テクニカルアラーム」に対応するガイド情報が生じされるものであるが、図1で示す「SpO2プローブ確認」,「ECG電極確認」等の「アクションメッセージ」に対応するガイド情報を表示するようにしてもよい。
【0054】
図2〜図7の説明では、「ガイド情報」を生体から検出された波形及び検出信号を処理した生体情報の表示画面に表示されるSpO2「プローブ確認」,ECG「電極確認」等の「テクニカルアラーム」に対応するガイド情報が生じされるものであるが、患者から検出された生体情報の検出値及び当該検出値を処理したデータの異常時に画面上に表示されるバイタルアラームに対応するガイド情報を表示するようにしてもよい。
【0055】
上述したとおり、本発明の第二の対処情報は、医療従事者は自らの操作により、発生したアラームに対応した対処情報を、自発的に取得可能とする。
【0056】
次に、本発明の第三の対処情報(以下、ポップアップナビゲーション)に係る構成を説明する。
本発明の生体情報モニタ装置において、患者からの検出信号の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームが一定の条件を満たした場合、使用者が必要とする操作を指示又は示唆するためのポップアップナビゲーション機能を付与した例を図13〜図14を用いて説明する。
【0057】
図13は、例えば光電二郎に「電波切れ」、光電松子に「電極確認」、光電梅子に「電極確認」、光電三郎に「電極確認」のアラームが発生している状態である。
図14は、前述のアクションメッセージと同様に、アラーム発生の、発生頻度、発生件数、継続時間、積算時間等の少なくともいずれか一つの条件を具備したことに基づき、「一時退室」、「退床」、「ECG OFF」の更なる対処情報が表示された状態である。
【0058】
ここで、「一時退室」とは、患者が検査などで生体情報モニタでの測定を中断する際に使用する設定であり、「退床」とは、患者が退院などで生体情報モニタでの測定が終了した際に使用する設定であり、「ECG OFF」とは、患者の重症度等に応じて、一時的、又は恒久的にECG測定が不要な場合に使用する設定である。
図14に示す「一時退室」、「退床」、「ECG OFF」は、前述のガイドキーと同様に使用者が選択(操作)可能であり、使用者が選択(クリック)すると、従来の生体情報モニタ装置が有する図15〜図17の設定画面が起動する。該設定画面に表示に従って使用者が操作することで、アラームは解消される。
【0059】
光電二郎は、「電波切れ」のアラームが発生し、このアラームが例えば5分以上継続したため、使用者が次に操作すると考えられる(又は操作して欲しい)「一時退室」と「退床」が表示されている。
【0060】
光電松子と光電梅子と光電三郎は、いずれも「電極確認」のアラームが発生し、このアラームが例えば5分以上継続したが、いずれも異なる対処情報が表示されている。対処情報表示制御部が、それぞれの状態に応じて表示する更なる対処情報を決定できることを示す例である。
【0061】
光電松子は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部がECGや脈波などの生体情報の測定が行われていないことを検知し、「一時退室」と「退床」の更なる対処情報を表示する。
また、光電梅子は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部がECGは測定されていないが、脈波などの他の生体情報の測定が行われていることを検知し、「一時退室」と「退床」ではなく、「ECG OFF」の更なる対処情報を表示する。
さらに、光電三郎は「電極確認」のアラームが発生した際、対処情報表示制御部が表示すべき対処情報を決定できなかった場合、可能性のある全ての更なる対処情報を表示する。
以上のとおり、ポップアップナビゲーションとして、表示される更なる対処情報は、対処情報表示制御部が決定する構成であってもよいし、使用者が予め設定できる構成であってもよい。
【0062】
図14における「一時退床」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図15に示す「一時退床」の設定画面が表示される。
【0063】
図14における「退室」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図16に示す「退室」の設定画面が表示される。
【0064】
図14における「ECG OFF」のポップアップナビゲーションを押下した際には生体情報モニタ装置の表示部には図17に示す「ECG OFF」の設定画面が表示される。
【0065】
上述したとおり、本発明の第三の対処情報は、発生したアラームに対応した次に操作される可能性のある更なる対処情報を、医療従事者が選択的に取得可能となり、アラームを解消するために必要な操作を促されることで、最終的にアラームを解消することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、
前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、
表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備える
ことを特徴とする生体情報モニタ装置。
【請求項2】
前記表示される対処情報は、表示されたアラームに係る異常を解消するための手段や指示や示唆に関するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項3】
前記アラーム表示制御部により表示されるアラームと、前記対処情報表示制御部により表示される対処情報とは、重ならない形態で表示することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の生体情報モニタ装置。
【請求項4】
前記対処情報は、文字及び/又は図解から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項5】
前記対処情報が表示される際、音が出力されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項6】
前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、自動的に情報として表示部に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項7】
前記対処情報は、予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に表示され、予め定めた条件をから外れた際に表示が解除されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項8】
前記対処情報表示の条件は、アラームの種類毎に設定が可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項9】
前記対処情報は、点滅表示もしくは反転表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項10】
前記アラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に、前記表示部に表示されるガイドキーを使用者が操作することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項11】
前記表示されたアラームを使用者が選択することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項12】
前記対処情報は、複数ページから構成されるダイアログウィンドウであり、表示されたアラームに対応したページが最前面として表示されることを特徴とする請求項1〜5、10、11のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項13】
前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、使用者が操作可能な表示態様で更なる対処情報を表示部に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項14】
前記更なる対処情報は少なくとも一つ以上が表示可能であることを特徴とする請求項1〜5、13のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項15】
前記対処情報表示制御部は、測定されている生体情報の有無をもとに、表示する更なる対処情報を決定することを特徴とする請求項1〜5、13、14のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項1】
患者に装着された生体情報検出部によって測定された生体情報を直接、若しくは前記生体情報をネットワークを介して受信し、表示部に表示する生体情報モニタ装置であって、
前記生体情報の異常時に出力されるバイタルアラーム、若しくは前記生体情報モニタ装置やセンサや測定環境の異常時に出力されるテクニカルアラームを前記表示部に表示するアラーム表示制御部と、
表示されたアラームに対応した対処情報を、前記表示部に表示させる対処情報表示制御部とを備える
ことを特徴とする生体情報モニタ装置。
【請求項2】
前記表示される対処情報は、表示されたアラームに係る異常を解消するための手段や指示や示唆に関するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項3】
前記アラーム表示制御部により表示されるアラームと、前記対処情報表示制御部により表示される対処情報とは、重ならない形態で表示することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の生体情報モニタ装置。
【請求項4】
前記対処情報は、文字及び/又は図解から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項5】
前記対処情報が表示される際、音が出力されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項6】
前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、自動的に情報として表示部に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項7】
前記対処情報は、予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に表示され、予め定めた条件をから外れた際に表示が解除されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項8】
前記対処情報表示の条件は、アラームの種類毎に設定が可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項9】
前記対処情報は、点滅表示もしくは反転表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項10】
前記アラームの発生と同時、又は所定時間ないしは所定回数を経過した場合に、前記表示部に表示されるガイドキーを使用者が操作することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項11】
前記表示されたアラームを使用者が選択することで、前記対処情報は表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項12】
前記対処情報は、複数ページから構成されるダイアログウィンドウであり、表示されたアラームに対応したページが最前面として表示されることを特徴とする請求項1〜5、10、11のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項13】
前記対処情報表示制御部は、表示されたアラームが、発生頻度、継続時間、発生件数、積算時間等の予め定めた少なくともいずれか一つ以上の条件を満たした際に、使用者が操作可能な表示態様で更なる対処情報を表示部に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項14】
前記更なる対処情報は少なくとも一つ以上が表示可能であることを特徴とする請求項1〜5、13のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【請求項15】
前記対処情報表示制御部は、測定されている生体情報の有無をもとに、表示する更なる対処情報を決定することを特徴とする請求項1〜5、13、14のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。
【図1】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−98189(P2011−98189A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155911(P2010−155911)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
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