説明

生体情報収集システム

【課題】本発明は、測定された生体情報に応じて迅速に対応することのできる生体情報収集システムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る生体情報収集システム91は、生体情報入力装置11と、データベースサーバ12と、双方向通信装置13と、を備える。生体情報入力装置11と双方向通信装置13とが通信網51を介して接続されている。又、データベースサーバ12と双方向通信装置13とがLAN52で接続されており、生体情報、端末の通信アドレスや生体情報入力装置11の通信アドレス等の生体情報に関する情報をデータベースサーバ12上で管理し、データベースサーバ12の記憶内容が更新されると、更新後の最新情報を、予めデータベースサーバ12に記憶されている通信アドレスに向けて通信網51を介して自動的に送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して血圧等の生体情報を管理する生体情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進み、成人の生活習慣病への対応が社会的に大きな課題となっている。特に高血圧値に関連する疾患の場合、長期の血圧値の収集が非常に重要である点が認識されている。このような観点から、血圧値を始めとして、脈拍、脈波、心電、体温又は動脈血酸素飽和度等の生体情報の継続的な測定が求められている。
【0003】
医者用端末と患者用端末との間で医療情報や生体情報の更新を、インターネットを用いて行う健康診断ネットワークが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、患者用端末と医者用端末の双方からの情報をデータベースサーバに蓄積し、双方の端末がデータベースサーバに蓄積された情報を閲覧する構成が採られている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−83066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来では、異常な測定値の生体情報が測定されても、医者や看護婦がその測定値が記録されているデータベースサーバにアクセスしなければ、生体情報の測定値を知ることはできなかった。そのため、測定された生体情報の測定値が異常であっても迅速に対応することができなかった。
【0006】
よって、本発明は、測定された生体情報に応じて迅速に対応することのできる生体情報収集システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、生体情報に関する情報をデータベース上で管理し、データベースサーバの記憶内容が更新されると、更新後の最新情報を、予めデータベースサーバに記憶されている通信アドレスに向けて通信網を介して自動的に送信することを特徴とする。
【0008】
具体的には、本発明に係る生体情報収集システムは、生体情報を測定し、通信網を介して生体情報を送信する生体情報入力装置と、通信網を介して前記生体情報入力装置の送信する生体情報を受信し、受信した生体情報、前記生体情報入力装置の動作を制御する制御情報及び前記生体情報入力装置の通信アドレスを、前記生体情報入力装置の識別情報に対応させて記憶するデータベースサーバと、前記データベースサーバの記憶する制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の通信アドレスを抽出し、更新された最新の制御情報を、抽出する前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて通信網を介して送信する双方向通信装置と、を備える生体情報収集システムであって、前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する制御情報に従って生体情報を測定し、測定した生体情報を前記データベースサーバへ通信網を介して送信することを特徴とする。
【0009】
生体情報入力装置が測定した生体情報及び制御情報をデータベースサーバが記憶するので、遠隔地からデータベースサーバにアクセスし、データベースサーバに記憶されている生体情報に応じて制御情報を変更することができる。データベースサーバの記憶情報を更新すれば、双方向通信装置が変更後の制御情報を自動的に生体情報入力装置へ送信するので、生体情報を測定値に応じた生体情報入力装置の設定に迅速に変更することができる。これにより、測定された生体情報に応じて迅速に対応することのできる生体情報収集システムを提供することができる。
【0010】
前記通信網は公衆網であって、前記データベースサーバは、前記生体情報入力装置の電話番号を前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、前記双方向通信装置は、前記データベースサーバの記憶する制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の電話番号をさらに抽出し、抽出する前記生体情報入力装置の電話番号をダイアルアップし、前記生体情報入力装置との回線を開通させ、更新された最新の制御情報を、前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて送信することが好ましい。
【0011】
双方向通信装置が制御情報を送信する際にダイアルアップするので、電話回線の回線接続をする必要のある場合であっても、双方向通信装置は自動的に制御情報を生体情報入力装置へ送信することができる。
【0012】
前記データベースサーバに記憶されている生体情報及び制御情報を通信網を介して読み出して表示し、前記データベースサーバに記憶されている制御情報を更新する端末装置をさらに備え、前記データベースサーバは、前記端末装置の通信アドレスを前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、前記双方向通信装置は、前記データベースサーバに記憶されている制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスをさらに抽出し、更新された最新の制御情報を、抽出する前記端末装置の通信アドレスへ向けてさらに送信することが好ましい。
【0013】
データベースサーバに記憶されている制御情報を更新すると自動的に生体情報入力装置へ更新後の制御情報が送信されるので、端末装置は、遠隔地から生体情報入力装置の制御情報を変更することができる。
【0014】
前記データベースサーバは、さらに、前記端末装置の通信アドレスごとに予め定められた前記生体情報入力装置の生体情報及び制御情報を前記端末装置に読み出させることが好ましい。
【0015】
データベースサーバが端末装置の通信アドレスに応じて読み出すことのできる情報を選択するので、端末装置が医師、被検者又はデータベース管理者のいずれが用いるものであるかによって閲覧及び変更を制限することができる。
【0016】
前記データベースサーバは、記憶している前記生体情報入力装置の制御情報の更新時刻が所定時間内であるか否かを前記所定時間ごとに判定し、前記データベースサーバが制御情報の更新時刻が所定時間内であると判定すると、前記双方向通信装置は、最新の制御情報を前記生体情報入力装置へ通信網を介して送信することが好ましい。
【0017】
双方向通信装置が所定時間内に更新された制御情報を当該所定時間ごとに生体情報入力装置に送信する。これにより、生体情報入力装置は、所定時間内に更新された最新の制御情報を用いて生体情報を測定することができる。
【0018】
前記データベースサーバは、記憶している生体情報の更新時刻が所定時間内であるか否かを定期的に判定し、前記データベースサーバが生体情報の更新時刻が所定時間内でないと判定すると、前記双方向通信装置は、前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて前記生体情報入力装置の制御情報を通信網を介して送信し、前記生体情報入力装置に最新の生体情報を通信網を介して前記データベースサーバへ送信させることが好ましい。
【0019】
データベースサーバが所定時間内に測定された生体情報が記憶されているか否かを判定し、双方向通信装置が生体情報入力装置から取得した最新の生体情報をデータベースサーバへ向けて送信させるので、生体情報入力装置からデータベースサーバへの送信に失敗した場合でも、最新の生体情報を生体情報入力装置から取得することができる。
【0020】
前記生体情報入力装置は、測定した生体情報があらかじめ定められた数値範囲外であることを異常値と判定する生体情報判定部と、前記生体情報判定部が異常値と判定すると、注意を促す旨のアラーム情報を、前記データベースサーバへ通信網を介して送信するアラーム情報送信部と、をさらに備え、前記データベースサーバは、前記アラーム情報送信部の送信するアラーム情報を前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、前記双方向通信装置は、前記データベースサーバがアラーム情報を記憶すると、当該アラーム情報を送信する前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信することが好ましい。
【0021】
生体情報入力装置が生体情報判定部を備えるので、異常な数値が測定された場合に、生体情報とアラーム情報をデータベースサーバへ送信することができる。生体情報入力装置で異常か否かを判定するので、被検者自身が迅速に対応することができると共に、データベースサーバの負担を軽減することができる。又、データベースサーバがアラーム情報を通信網を介して受信すると、自動的に双方向通信装置がアラーム情報を端末装置に送信するので、異常な数値が測定されたことを、被検者とは離れた位置にある端末装置へ迅速に通知することができる。
【0022】
前記生体情報入力装置は、機械的な変化を検出するアラームスイッチをさらに備え、前記アラーム情報送信部は、前記アラームスイッチが機械的な変化を検出すると、アラーム情報を、前記データベースサーバへ通信網を介してさらに送信することが好ましい。
【0023】
生体情報入力装置がアラームスイッチをさらに備えるので、生体情報の測定値に関係なく、被検者は、アラームスイッチを入力することで、注意を促す旨のアラーム情報をデータベースサーバへ入力することができる。これにより、被検者とは離れた位置にある端末装置へアラーム情報を迅速に通知することができる。
【0024】
前記データベースサーバに記憶されている生体情報が予め定められた数値範囲外であるか否かを判定する解析サーバをさらに備え、前記双方向通信装置は、前記解析サーバの判定結果を通知する解析通知情報を、前記解析サーバの解析する生体情報の前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信することが好ましい。
【0025】
解析サーバがデータベースサーバに記憶されている生体情報が正常な値であるか異常な値であるかを判定し、判定結果を自動的に端末装置へ通知することができる。
【0026】
前記解析通知情報は、前記解析サーバが数値範囲外であると判定した旨又は前記解析サーバが数値範囲内であると判定した旨であることが好ましい。
【0027】
解析通知情報が、予め定められた数値範囲内であるか又は予め定められた数値範囲外であるかであれば、生体情報が正常な値であるか異常な値であるかを通知することができる。
【0028】
前記双方向通信装置は、前記解析サーバの判定結果を通知する解析通知情報を、前記解析サーバの解析する生体情報の前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信し、前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する解析通知情報を表示する解析通知情報表示部をさらに備えることが好ましい。
【0029】
解析通知情報をさらに生体情報入力装置に送信するので、解析サーバの解析結果を被検者は迅速に取得することができる。さらに、生体情報入力装置が解析通知情報を表示するので、被検者は迅速に解析結果を確認することができる。
【0030】
複数の前記データベースサーバと、前記複数のデータベースサーバのそれぞれの通信アドレスと前記生体情報入力装置の通信アドレス又は識別情報とを対応させて記憶する管理サーバと、をさらに備え、前記双方向通信装置は、前記生体情報入力装置の送信する生体情報を通信網を介して受信すると、前記管理サーバを参照し、受信した前記生体情報入力装置の通信アドレスに対応する識別情報に対応する前記データベースサーバの通信アドレス又は受信した識別情報に対応する前記データベースサーバの通信アドレスを抽出し、抽出した通信アドレスの前記データベースサーバに受信した生体情報を記憶させることが好ましい。
【0031】
管理サーバを設けることで、データベースサーバを複数に分散することができる。これにより、データベースサーバの増設を容易にすることができる。
【0032】
前記生体情報入力装置の送信する生体情報を前記双方向通信装置が通信網を介して受信すると、識別情報とパスワードを前記生体情報入力装置へ問い合わせ、前記生体情報入力装置から受信した識別情報及びパスワードが互いに対応して前記データベースサーバに記憶されていることを生体情報認証として判定する認証サーバをさらに備え、前記双方向通信装置は、前記認証サーバが生体情報認証と判定すると、受信した生体情報を前記データベースサーバに生体情報を記憶させることが好ましい。
【0033】
認証サーバが双方向通信装置の受信した生体情報の送信元の通信アドレスに関連付けて記憶されている識別情報及びパスワードが入力された識別情報及びパスワードと一致することを確認したうえで、双方向通信装置がデータベースサーバへ生体情報を記憶させるので、識別情報を知る被検者から送信された生体情報以外の生体情報がデータベースサーバに記憶されるのを防ぐことができる。
【0034】
前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する制御情報を表示する制御情報表示部をさらに備えることが好ましい。
【0035】
制御情報表示部が双方向通信装置の送信する制御情報を表示するので、どのような制御情報を用いて生体情報入力装置が生体情報を測定するのかを被検者に表示することができる。
【0036】
前記生体情報入力装置は、測定した生体情報を定期的に前記データベースサーバへ通信網を介して送信することが好ましい。
【0037】
生体情報入力装置が定期的に生体情報をデータベースサーバへ送信するので、生体情報入力装置が頻繁に生体情報を測定する場合に、生体情報を効率よくデータベースサーバへ送信することができる。また、データベースサーバの記憶する内容を定期的に更新することができる。又、生体情報が頻繁に送信されないので、生体情報が盗聴される危険性を減少させることができる。
【0038】
前記生体情報入力装置の生体情報を共通の通信アドレスを用いて送信する中継装置をさらに備え、複数の前記生体情報入力装置は前記中継装置の通信アドレスを共有し、前記データベースサーバは、前記中継装置の通信アドレスを複数の前記生体情報入力装置の識別情報に対応させて記憶し、前記双方向通信装置は、前記中継装置の通信アドレスへ向けて通信網を介して送信することが好ましい。
【0039】
中継装置が複数の生体情報入力装置へ制御情報を分配するので、同一の被検者が複数の生体情報入力装置を装着する場合に、複数の生体情報入力装置へ制御情報をまとめて送信することができる。
【0040】
本発明に係る生体情報収集システムでは、前記端末装置は、電子メール、ポケットベル、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ又は固定電話の少なくとも2以上の通信機能を備え、前記双方向通信装置は、送受信する情報に応じて異なる通信機能を用いることが好ましい。端末装置が2以上の通信機能を備えることで、アラームや解析通知情報などの送受信する内容に応じて使い分けることができる。また、異なる通信機能による多ルート化を行うことができるので、緊急時においてより早くまた確実に送受信を行うことができる。
【0041】
本発明に係る生体情報収集システムでは、前記公衆網は、電話網、DoPa(登録商標)網、インターネット又はIP網であることが好ましい。公衆網を電話網とすることで、山間の電波の届きにくい地域や、通信設備の十分でない地域においても本発明に係る生体情報収集システムを提供することが可能となる。また、公衆網がDoPa網であれば、移動可能な端末装置と通信を行うことができるので、関係者に迅速に通知することができる。また、公衆網がインターネット又はIP網であれば、端末装置や生体情報入力装置を複数にするなど生体情報収集システムの設計を自在に構築することが簡単にできる。また、伝送容量の大きな情報であっても送受信することができるので、緊急時における対処方法を説明する映像や、詳細な説明を公開しているサイトにリンクされている文書を端末装置に提供することができる。
【0042】
本発明に係る生体情報収集システムでは、前記生体情報は、血圧、脳波、脈波、心電、呼吸、尿、血糖又は汗に関する情報であることが好ましい。血圧、脳波、脈波、心電、呼吸、尿、血糖又は汗を測定することで、患者の様態を数値によって判断することができる。このため様態を常時監視することが必要な患者であっても、必要最小限の情報の収集によって患者の様態を把握することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明により、データベースサーバの記憶内容が更新されると、予め定められた通信アドレスへ向けて更新内容に応じた情報を自動的に送信するので、測定された生体情報に応じて迅速に対応することのできる生体情報収集システムを提供することができる。さらに、生体情報に関する情報をデータベースサーバ上で一元管理できるので、情報の錯綜を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0045】
図1は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第1例を示す構成図である。図1に示す生体情報収集システム91は、生体情報入力装置11と、データベースサーバ12と、双方向通信装置13と、を備える。生体情報入力装置11と双方向通信装置13とが通信網51を介して接続されている。又、データベースサーバ12と双方向通信装置13とがLAN(Local Area Network)52で接続されている。
【0046】
生体情報収集システム91は、さらに、生体情報測定装置11及び双方向通信装置13と通信網51を介して接続される端末装置14A、14Bをさらに備えていてもよい。又、生体情報収集システム91は、LAN52内に、解析サーバ31と、管理サーバ32と、認証サーバ33と、管理者用端末装置34がさらに接続されていてもよい。生体情報収集システム91は、本実施形態において、端末装置14Aは生体情報測定装置11を装着する被検者の使用する端末装置とし、端末装置14Bは病院において医師の使用する端末装置とする。
【0047】
ここで、通信網51は、生体情報入力装置11と、双方向通信装置13と、端末装置14A、14Bとの間を互いに通信接続する情報伝達経路である。情報伝達経路としては、例えば、電話網、DoPa(登録商標)網、インターネット又はIP(Internet Protocol)網がある。DoPa(登録商標)とは、パケット通信方式を採用したデジタル携帯電話のデータ通信サービスである。通信網51は、公衆網であってもよい。公衆網とは、加入電話回線ネットワークである。
【0048】
通信網51は、生体情報入力装置11と、双方向通信装置13と、端末装置14A、14Bとの間で送受信する信号を伝送する。伝送する信号は、例えば、生体情報1又は制御情報2等の情報内容を含む。情報内容は、生体情報入力装置の通信アドレス3、生体情報入力装置の識別情報4、生体情報入力装置の電話番号5、アラーム情報6、解析通知情報7であってもよい。図1では、伝送する信号ではなく、伝送される情報内容を例示した。
【0049】
LAN52は、例えば、データベースサーバ12の設置されるデータセンタ53内に構築されているLANである。通信網51は、双方向通信装置13とデータベースサーバ12との間で送受信する信号を伝送する。伝送する信号は、例えば、生体情報1又は制御情報2等の情報内容を含む。情報内容は、生体情報入力装置の通信アドレス3、生体情報入力装置の識別情報4、生体情報入力装置の電話番号5、アラーム情報6、解析通知情報7、端末装置の通信アドレス8又は中継装置の通信アドレス61であってもよい。図1では、伝送する信号ではなく、伝送される情報内容を例示した。
【0050】
生体情報入力装置11は、生体情報1を測定するものである。例えば、生体情報1が血圧であれば、血圧を測定する血圧計である。生体情報1としては、血圧だけでなく、脳波、脈波、心電、呼吸、尿、血糖又は汗に関する情報とすることができる。生体情報入力装置11の測定する生体情報1は1種のみに限らず、血圧、脈拍数、呼吸、脳波、血糖又は汗に関する情報のいずれか2以上の組み合わせであってもよい。
【0051】
図2は、生体情報入力装置の一例を示す構成図である。図2に示す生体情報入力装置11は、生体情報測定部28と、送受信部27と、を備える。生体情報入力装置11は、さらに、生体情報判定部21と、アラーム情報送信部22と、アラームスイッチ23と、解析通知情報表示部25と、制御情報表示部26と、識別情報及びパスワード入力部29とを備えていてもよい。
【0052】
生体情報測定部28は、生体情報1を測定するものである。例えば、生体情報1が血圧であれば、脈波を検出する光電センサを備え、光電センサの検出する脈波から血圧を算出することによって血圧を測定するものである。さらに、測定した生体情報1を記憶することが好ましい。生体情報測定部28は、生体情報1と制御情報2とを対応させて記憶してもよい。生体情報測定部28は、生体情報入力装置11に備わるメモリーに生体情報1を記憶してもよい。
【0053】
さらに、生体情報測定部28は、図1に示す双方向通信装置13の送信する制御情報2に従って生体情報1を測定する。例えば、生体情報測定部28は、記憶している制御情報2を送受信部27から入力された新たな制御情報2に更新し、新たな制御情報2に従って生体情報1を測定する。ここで、制御情報2は、例えば、生体情報入力装置11の測定する生体情報1が血圧であれば、被検者を圧迫する際の最大の圧力とすることができる。又、血圧を測定する時間間隔であってもよい。制御情報2は生体情報1を測定する際に用いる情報に限定するものではなく、生体情報入力装置11の動作全般について指示する情報とすることもできる。例えば、制御情報2は、生体情報入力装置11に記憶されている生体情報1をデータベースサーバ12へ送信させる旨であってもよい。又、制御情報2は、制御情報表示部26に識別情報とパスワードを入力するよう表示する旨であってもよい。
【0054】
送受信部27は、図1に示す通信アドレス3を固有のアドレスに用いて通信網51を介して送受信するものである。例えば、送受信部27は、生体情報1を、データベースサーバ12へ、通信網51を介して送信するものである。さらに、送受信部27は、図1に示す双方向通信装置13の送信する御情情報2を、通信網51を介して受信するものである。生体情報入力装置11がアラーム情報送信部22を備える場合、送受信部27はアラーム情報6を送信するものとすることができる。又、図1に示す生体情報収集システム91が解析サーバ31を備える場合、送受信部27は、双方向通信装置13の送信する解析通知情報7を受信するものとすることができる。
【0055】
送受信部27としては、例えば、無線信号を用いてインターネットに接続する無線LAN装置を用いることができる。送受信部27は、有線信号を送受信するものであってもよいし、無線信号を送受信するものであってもよい。生体情報入力装置11が被検者に常時装着される場合には、送受信部27は無線信号を送受信するものであることが好ましい。又、通信網51が公衆網である場合は、送受信部27は、図1に示す双方向通信装置13の電話番号をダイアルアップし、双方向通信装置13との回線を開通させ、制御情報2を送信することが好ましい。例えば、ダイアルアップルータを用いることができる。
【0056】
生体情報入力装置11は、測定した生体情報1を所定時間ごとに図1に示すデータベースサーバ12へ通信網51を介して送信することが好ましい。例えば、送受信部27は、定期的に生体情報測定部28に記憶されている生体情報1を図1に示すデータベースサーバ12へ送信することが好ましい。所定時間は、あらかじめ定められた時間である。この所定時間が制御情報2として図1に示すデータベースサーバ12に記憶されている場合は、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2を変更することで、所定時間を変更することができる。送信する生体情報1は、例えば、最新の生体情報1である。送信する生体情報1は、最新のものに限定されるものではなく、所定時間内に測定された生体情報1のすべてとしてもよい。このように、生体情報入力装置11が所定時間ごとに生体情報1を図1に示すデータベースサーバ12へ送信すれば、データベースサーバ12の記憶する生体情報1を所定時間ごとに更新することができる。
【0057】
以上、生体情報入力装置11が送受信部27と生体情報測定部28を備えれば、図1に示す双方向通信装置13の送信する制御情報2を送受信部27が受信し、受信した制御情報2を用いて生体情報測定部28が生体情報1を測定し、生体情報測定部28の測定した生体情報1を送受信部27がデータベースサーバ12へ送信することができる。
【0058】
図2に示す生体情報入力装置11は生体情報判定部21をさらに備えることが好ましい。生体情報判定部21は、測定した生体情報1があらかじめ定められた数値範囲外であることを異常値と判定するものである。例えば、生体情報判定部21は、生体情報1を記憶する生体情報測定部28から最新の生体情報1を取得し、取得する生体情報1があらかじめ定められた数値の範囲内か範囲外かを判定し、範囲外であれば異常値と判定する。ここで、取得する生体情報1は、最新のものに限定しない。例えば、送受信部27で説明した所定時間の間に測定された生体情報1について取得し、それぞれについて判定してもよい。又、判定する数値が2種以上であってもよい。例えば、血圧及び脈拍数についてそれぞれ判定してもよい。
【0059】
生体情報判定部21は、異常値であると判定すると、アラーム情報送信部22にアラーム情報6を出力する。アラーム情報6は、例えば、異常値と判定した生体情報1の数値を含むことが好ましい。判定する値が複数である場合には、生体情報判定部21が複数となってもよい。例えば、血圧と脈拍数のそれぞれについて、生体情報判定部21を設けてもよい。生体情報判定部21としては、生体情報測定装置11に備わる中央処理装置(CPU)を用いることができる。
【0060】
生体情報入力装置11はアラームスイッチ23をさらに備えることが好ましい。アラームスイッチ23は、機械的な変化を検出するものである。機械的な変化を検出するものとしては、例えば、ボタンを押すと信号を出力する押ボタンスイッチを用いることができる。アラームスイッチ23は、機械的な変化を検出すると、アラーム情報送信部22にアラーム情報6を出力する。アラーム情報6は、例えば、アラームスイッチ23が押されたことを通知する情報である。これにより、緊急を要するとき、被検者がアラームスイッチ23を押下すれば、緊急を要する旨の通知をアラーム情報6を用いてデータセンタ53に設置されているデータベースサーバ12へ送信することができる。
【0061】
生体情報入力装置11はアラーム情報送信部22をさらに備えることが好ましい。アラーム情報送信部22は、アラーム情報6を、図1に示すデータベースサーバ12へ通信網51を介して送信する。アラーム情報送信部22は、前述の送受信部27と同様のものを用いることができる。又、アラーム情報送信部22は、送受信部27を用いてもよい。
【0062】
患者がアラームスイッチ23を入力することで、生体情報入力装置11はアラーム情報6をデータベースサーバ12へ入力することができる。これにより、生体情報入力装置11を装着している被検者とは離れた位置にある図1に示す端末装置14A、14Bへアラーム情報6を迅速に通知することができる。
【0063】
生体情報入力装置11は解析通知情報表示部25をさらに備えることが好ましい。解析通知情報表示部25は、図1に示す双方向通信装置13の送信する解析通知情報7を表示する。解析通知情報表示部25としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機若しくは無機のEL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。解析通知情報表示部25が解析通知情報7を表示すれば、生体情報入力装置11を装着する被検者は解析サーバ31の解析結果を視認することができる。
【0064】
生体情報入力装置11は、図1に示す双方向通信装置13の送信する制御情報2を表示する制御情報表示部26をさらに備えることが好ましい。制御情報表示部26は、例えば前述の解析通知情報表示部25と同様のものを用いることができる。又、解析通知情報表示部25と共通のものを用いてもよい。制御情報表示部26が双方向通信装置13の送信する制御情報2を表示するので、生体情報入力装置11を装着している被検者は、どのような制御情報2を用いて生体情報測定部28が生体情報1を測定しているかを視認することができる。なお、解析通知情報表示部25又は制御情報表示部26は、さらに、生体情報1を表示してもよい。又、端末装置14A、14Bからのコメントを表示してもよい。
【0065】
図3は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第2例を示す構成図である。図3に示す生体情報収集システム92は、図1に示す生体情報測定装置11が3台備わり、中継装置24がさらに備わっている。
【0066】
図3に示す生体情報測定装置11a、11b、11nは、図1に示す生体情報測定装置11と同様のものである。例えば、生体情報測定装置11nは、制御情報2nに従って生体情報1nを測定し、生体情報1nをデータベースサーバ12へ送信するものである。生体情報測定装置11a、11bは、生体情報測定装置11a、11bのそれぞれと双方向通信装置13との間に中継装置24が配置され、生体情報1a、1bを測定し、生体情報1a、1bを中継装置24へ出力する。生体情報測定装置11a、11bは、それぞれ独自のIPアドレスを所有する。
【0067】
中継装置24は、生体情報入力装置11a、11bの生体情報1a、1bを共通の通信アドレスを用いて送信するものである。中継装置24としては、ネットワーク上を流れるデータを他のネットワークに中継するルータを用いることができる。通信網51が公衆網である場合、中継装置24は、モデムを内蔵するダイアルアップルータを用いることが好ましい。中継装置24は、双方向通信装置13から制御情報2を受信し、それぞれのIPアドレスへ制御情報2を送信する。又、中継装置24は、生体情報測定装置11a、11bの測定する生体情報1a、1bを、通信網51を介してデータベースサーバ12へ送信する。
【0068】
中継装置24は、表示部を備えることが好ましい。表示部としては、例えば、例えば、液晶ディスプレイ、有機若しくは無機のELディスプレイを用いることができる。表示部は、例えば、生体情報測定装置11a、11bの出力するアラーム情報を表示する。又、図1に示す解析サーバ31の送信する解析通知情報を表示する。表示部は、アラーム情報及び解析通知情報を表示してもよい。表示部は、さらに、生体情報測定装置11a、11bの制御情報を表示してもよい。
【0069】
図1に示すデータベースサーバ12は、生体情報1、制御情報2及び生体情報入力装置11の通信アドレス3を、生体情報入力装置11ごとの識別情報4に関連付けて記憶するものである。生体情報1とは、生体情報入力装置11の測定する生体情報である。制御情報2は、生体情報入力装置11の動作を制御する情報である。通信アドレス3は、生体情報入力装置11の通信アドレスである。例えば、図2に示す送受信部27の通信アドレスである。ここで、通信アドレスは、例えばIPアドレスである。又、IPアドレスとの相互変換が可能なDNS(Digital Nervous System)であってもよい。又、IPアドレスでない固有のアドレスであってもよい。関連付けは、例えば、識別情報4をヘッダとして、その後に、予め定められた順に記憶することで行うことができる。
【0070】
図4は、データベースサーバの記憶する情報の第1例を示す表である。図4に示す表は、図3に示す生体情報入力装置11a、11b、11nが、それぞれ識別情報4a、4b、4nを有する場合に、データベースサーバ12の記憶する情報の一例を示す。生体情報1a、1b、1nは、それぞれ、生体情報入力装置11a、11b、11nの測定する生体情報である。制御情報2a、2b、2nは、それぞれ、生体情報入力装置11a、11b、11nの動作を制御する制御情報である。通信アドレス3a、3b、3nは、それぞれ、生体情報入力装置11a、11b、11nの通信アドレスである。電話番号5a、5b、5nは、それぞれ、生体情報入力装置11a、11b、11nの電話番号である。アラーム情報6a、6b、6nは、生体情報入力装置11a、11b、11nから送信されたアラーム情報である。解析通知情報7a、7b、7nは、それぞれ、解析サーバ31が生体情報1a、1b、1nを判定した結果を通知する解析通知情報である。通信アドレス8a、8b、8nは、生体情報入力装置11a、11b、11nの生体情報1a、1b、1nを読み出すことのできる端末装置の通信アドレスである。
【0071】
図4に示す生体情報1a及び制御情報2aは、識別情報4aと対応して記憶されている。同様に、生体情報1b及び制御情報2bは、識別情報4bと対応して記憶されている。同様に、生体情報1n及び制御情報2nは、識別情報4nと対応して記憶されている。このように、生体情報1及び制御情報2は識別情報4ごとに対応して記憶されている。さらに、同一の識別情報4と対応する生体情報1と制御情報2が互いに対応して記憶されていてもよい。例えば、図4において、生体情報1nと制御情報2nが対応して記憶されていてもよい。
【0072】
データベースサーバ12の記憶する生体情報測定装置11の通信アドレス3、生体情報測定装置11の電話番号5、生体情報測定装置11の送信するアラーム情報6、解析サーバの出力する解析通知情報7又は端末装置14A、14Bの通信アドレス8の少なくともいずれかは、識別情報4と対応して記憶されていることが好ましい。例えば、図4において、通信アドレス3n、電話番号5n、アラーム情報6n、解析通知情報7n又は通信アドレス8nが識別情報4nと対応して記憶されていることが好ましい。さらに、データベースサーバ12の記憶する生体情報測定装置11の電話番号5、生体情報測定装置11の送信するアラーム情報6、解析サーバの出力する解析通知情報7又は端末装置14A、14Bの通信アドレス8のいずれかが互いに対応して記憶されていてもよい。例えば、図4において、電話番号5nと通信アドレス3nとが対応して記憶されていてもよい。
【0073】
図1に示す生体情報入力装置11が、図2に示す生体情報判定部21とアラーム情報送信部22とを備える場合、データベースサーバ12は、図2に示すアラーム情報送信部22の送信するアラーム情報6を生体情報入力装置11の識別情報4に対応させてさらに記憶することが好ましい。例えば、図4において、アラーム情報6nを識別情報4nに対応させて記憶することが好ましい。
【0074】
図1に示す通信網51が公衆網である場合、データベースサーバ12は、生体情報入力装置11の電話番号5を生体情報入力装置11の識別情報4に対応させてさらに記憶することが好ましい。例えば、図4において、生体情報入力装置の電話番号5nは、対応する識別情報4nに対応してデータベースサーバに記憶されていることが好ましい。又、図1に示す生体情報収集システム91が端末装置14A、14Bを備える場合、データベースサーバ12は、端末装置14A、14Bの通信アドレスを生体情報入力装置11の識別情報に対応させてさらに記憶することが好ましい。例えば、図1において、端末装置14A、14Bが生体情報入力装置11の測定する生体情報1を読み出すことができるのであれば、図4において生体情報入力装置の識別情報4nに対応して記憶される端末装置の通信アドレス8nは端末装置14A及び端末装置14Bの通信アドレスとなる。
【0075】
図1に示すデータベースサーバ12は、記憶している生体情報入力装置11の制御情報2の更新時刻が所定時間内であるか否かを所定時間ごとに判定することが好ましい。所定時間は、一定時間でもよいが、管理者用端末装置34から変更できることが好ましい。
【0076】
図1に示すデータベースサーバ12は、記憶している生体情報1の更新時刻が所定時間内であるか否かを定期的に判定することが好ましい。例えば、更新時刻が所定時間内である生体情報1を所定時間ごとに抽出することが好ましい。生体情報1だけでなく、制御情報2、通信アドレス3、電話番号5、アラーム情報6、解析通知情報7又は通信アドレス8の更新時刻が所定時間内であるか否かを所定時間ごとに判定してもよい。
【0077】
図1に示す生体情報収集システム91が中継装置24をさらに備える場合、すなわち、図3に示す生体情報収集システム92において、データベースサーバ12は、中継装置24の通信アドレスを複数の生体情報入力装置11の識別情報4に対応させて記憶することが好ましい。例えば、図4に示す識別情報4a及び識別情報4bは、共通の通信アドレス3a及び共通の電話番号5aと対応してデータベースサーバ12に記憶されていることが好ましい。
【0078】
図1に示す双方向通信装置13は、データセンタ53内のLAN52と通信網51とを通信接続する中継装置である。中継装置としては、例えば、ルータがある。通信網51が公衆網であるときは、中継装置は、データ列と音声信号の相互変換を行なうモデムを備える。この場合、双方向通信装置13としては、例えばダイアルアップルータを用いることができる。双方向通信装置13は、複数から構成されていてもよい。例えば、通信網51とLAN52とを中継するものと、個人用の端末装置14AとLAN52とを中継するものと、病院用の端末装置14BとLAN52とを中継するものと、から構成されていてもよい。
【0079】
双方向通信装置13は、さらに、データベースサーバ12の記憶する生体情報入力装置11の制御情報2が更新されると、生体情報入力装置11の制御情報2に対応する生体情報入力装置11の識別情報4と同一の識別情報に対応する生体情報入力装置11の通信アドレス3をデータベースサーバ12から抽出する。例えば、図4において、制御情報2nが更新されると、識別情報4nに対応する通信アドレス3nを抽出する。
【0080】
双方向通信装置13は、データベースサーバ12の記憶する制御情報2が更新されたことを、例えば、データベースサーバ12が制御情報2が更新されたときに双方向通信装置13に信号を出力することによって認識することができる。又、双方向通信装置13がデータベースサーバ12を参照し、データベースサーバ12の記憶している制御情報2の更新時刻が所定時間内であることを判定することによって認識することができる。データベースサーバ12は、さらに、制御情報2の更新時刻が所定時間内であることを判定し、所定時間内であると判定したことをトリガーとして双方向通信装置13に信号を出力することが好ましい。
【0081】
ここで、通信網51が公衆網である場合、双方向通信装置13は、データベースサーバ12の記憶する制御情報2が更新されると、当該制御情報2に対応する生体情報入力装置11の識別情報4と同一の識別情報に対応する生体情報入力装置11の電話番号5をさらに抽出することが好ましい。例えば、図4において、制御情報2nが更新されると、識別情報4nに対応する電話番号5nをさらに抽出することが好ましい。
【0082】
さらに、双方向通信装置13は、生体情報入力装置11の通信アドレス3を抽出すると、抽出する生体情報入力装置11の通信アドレス3へ向けて通信網51を介して制御情報2を送信する。このように、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2が更新されると、双方向通信装置13は自動的に制御情報2を生体情報入力装置11へ送信する。
【0083】
ここで、通信網51が公衆網である場合、双方向通信装置13は、抽出する生体情報入力装置11の電話番号をダイアルアップし、生体情報入力装置11との回線を開通させ、更新された最新の制御情報2を、生体情報入力装置11の通信アドレス3へ向けて送信する。例えば、図4において、制御情報2nが更新されると、識別情報4nに対応する電話番号5nとの回線を開通させ、更新後の制御情報2nを通信アドレス3nへ向けて送信する。このように、通信網51が公衆網である場合であっても、双方向通信装置13は、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2が更新されると、自動的に制御情報2を生体情報入力装置11へ送信する。
【0084】
図1に示す生体情報収集システム91が端末装置14A、14Bを備える場合、双方向通信装置13は、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2が更新されると、当該制御情報2に対応する生体情報入力装置11の識別情報と同一の識別情報に対応する端末装置14A、14Bの通信アドレスをさらに抽出する。更新された最新の制御情報2を、抽出する端末装置14A、14Bの通信アドレスへ向けてさらに送信することが好ましい。例えば、図4において、制御情報2nが更新されると、識別情報4nに対応する通信アドレス8nへ向けて制御情報2nを送信する。通信アドレス8nが端末装置14A及び端末装置14Bの通信アドレスであれば、制御情報2nを端末装置14A及び端末装置14Bへ送信する。このように、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2を更新すると、更新後の制御情報2を端末装置14A、14Bへ自動的に送信するので、生体情報入力装置11を携帯する被検者がどこにいる場合でも最新の制御情報を端末装置14A、14Bの所有者に迅速に通知することができる。
【0085】
図1に示す生体情報収集システム91において、データベースサーバ12が生体情報1の更新時刻が所定時間内でないと判定すると、双方向通信装置13は、生体情報入力装置11の通信アドレスへ向けて生体情報入力装置11の制御情報2を通信網51を介して送信することが好ましい。この場合、制御情報2は、生体情報入力装置11が最新の生体情報1を通信網51を介してデータベースサーバ12へ送信する旨を指示する情報となる。この制御情報2を生体情報入力装置11に送信し、生体情報入力装置11に最新の生体情報1を通信網51を介してデータベースサーバ12へ送信させる。データベースサーバ12は、最新の生体情報1を受信し、受信した生体情報1を、送信元の生体情報入力装置11の識別情報4と対応させて記憶する。このように、データベースサーバ12が所定時間内に測定された生体情報1が記憶されているか否かを判定し、双方向通信装置13が生体情報入力装置11から取得した最新の生体情報1をデータベースサーバ12に記憶させるので、生体情報入力装置11からデータベースサーバ12への送信に失敗した場合でも、最新の生体情報1を生体情報入力装置11から取得することができる。
【0086】
図1に示す生体情報収集システム91において、生体情報入力装置11が図2に示すアラーム情報送信部22を備える場合、双方向通信装置13は、データベースサーバ12がアラーム情報送信部22の送信するアラーム情報6を記憶すると、当該アラーム情報6を送信する生体情報入力装置11の識別情報4に対応する端末装置14A、14Bの通信アドレスへ向けて通信網51を介してさらに送信することが好ましい。例えば、図4に示すアラーム情報6nが更新されると、双方向通信装置13は、図4に示す識別情報4nに対応する通信アドレス8nを抽出し、通信アドレス8nへ向けてアラーム情報6nを送信する。このように、データベースサーバ12がアラーム情報6を通信網51を介して受信すると、双方向通信装置13がアラーム情報6を端末装置14A、14Bに送信するので、異常な数値が測定されたことを、端末装置14A、14Bへ迅速に通知することができる。
【0087】
このように、アラーム情報6を用いて緊急を要する旨の通知がデータベースサーバ12の設置されているデータセンタ53へ行われた場合に、データセンタ53から自動的にその旨を病院用の端末装置14Bへ送信することができる。端末装置14Bを使用する医師等の専門家へ、被検者が緊急を要する状態であることを迅速に通知することができる。端末装置14Bを使用する専門家はデータベースサーバ12の制御情報を更新することで、診断や指示をリアルタイムで個人用の端末装置14A及び生体情報入力装置11へ送信することができる。このとき、端末装置14Bを使用する専門家は、データベースサーバ12に記憶されている情報を読み出すアプリケーションから個人用の端末装置14Aへ電子メールを送信する機能を選択し、選択により表示されたウィンドウにコメントを入力して送信することもできる。入力されたコメントは、データベースサーバ12に識別情報と関連付けて記憶し、コメントを閲覧することの許可された通信アドレスを所有する端末装置のみ閲覧することができる。
【0088】
又、緊急を要する旨のアラーム情報6がデータセンタ53へ通知された場合に、データセンタ53がアラーム情報6を個人用の端末装置14Aへ自動で送信することができる。個人用の端末装置14Aは、生体情報入力装置11からアラーム情報6が送信されたことを表示する。これにより、端末装置14Aを所持する被験者の家族などへ、生体情報入力装置11を付帯している被検者が緊急を要する状態であることを通知することができる。
【0089】
図1に示す生体情報収集システム91が解析サーバ31を備える場合、双方向通信装置13は、解析サーバ31の判定結果を通知する解析通知情報7を、端末装置14の通信アドレス8へ向けてさらに送信することが好ましい。ここで、端末装置14の通信アドレス8とは、解析サーバ31の解析する生体情報1に対応する端末装置14の通信アドレス8である。例えば、図4で説明した生体情報1nに対応する識別情報4nと同一の識別情報に対応する端末装置の通信アドレス8nである。通信アドレス8nとは、例えば、図1に示す個人用の端末装置14A及び病院用の端末装置14Bである。
【0090】
ここで、解析通知情報7は、例えば、図1に示す解析サーバ31が数値範囲外であると判定した旨である。又、解析サーバ31が数値範囲内であると判定した旨であってもよい。解析通知情報7が、予め定められた数値範囲内であるか又は予め定められた数値範囲外であるかであれば、生体情報1が正常な値であるか異常な値であるかを通知することができる。このように、解析サーバ31が生体情報1を自動で解析し、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1が正常な値であるか異常な値であるかを迅速に端末装置14へ通知することができる。
【0091】
図1に示す生体情報収集システム91が解析サーバ31を備える場合、双方向通信装置13は、さらに、解析サーバ31の判定結果を通知する解析通知情報7を、生体情報入力装置11の通信アドレス3へ向けてさらに送信することが好ましい。ここで、生体情報入力装置11の通信アドレス3とは、解析サーバ31の解析する生体情報1に対応する生体情報入力装置11の通信アドレスである。例えば、図4で説明した生体情報1nに対応する識別情報4nと同一の識別情報に対応する生体情報入力装置の通信アドレス3nである。
【0092】
図1に示す生体情報収集システム91において、中継装置を備える場合、すなわち前述の図3に示す生体情報収集システム92の場合、双方向通信装置13は、中継装置24の通信アドレス3へ向けて通信網51を介して制御情報2a、2bを送信することが好ましい。中継装置24の通信アドレス3は生体情報入力装置11a、11bの共通の通信アドレスであり、図4では、識別情報4a、4b共に通信アドレス3aと示されている。中継装置24は複数の生体情報入力装置11a、11bのそれぞれへ制御情報2a、2bを分配する。このように、複数の生体情報入力装置11の通信アドレスを共通とすることで、同一の被検者が複数の生体情報入力装置11a、11bを装着する場合であっても、共通の通信アドレス3aへ向けて制御情報2a、2bを送信することができる。
【0093】
図1に示す生体情報収集システム91において、双方向通信装置13は、送受信する情報に応じて異なる通信機能を用いることが好ましい。例えば、データベースサーバ12が、端末装置14Aの通信アドレスとして、携帯電話への通信アドレス及びパソコンの通信アドレスを記憶している場合、双方向通信装置13は、例えば、アラーム情報6を端末装置14Aへ送信する場合は携帯電話の通信アドレスへ送信し、制御情報2を端末装置14Aへ送信する場合はパソコンの通信アドレスへ送信することができる。双方向通信装置13が送信する情報に応じて異なる通信機能を用いれば、緊急性の高い情報を携帯することのできる端末装置へ送信して迅速に通知し、生体情報1や緊急時の対処方法、生体情報の分析結果のグラフなどの詳細な情報をパソコンへ送信することができる。
【0094】
図5は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第3例を示す構成図である。図5に示す生体情報収集システム93は、図1に示す生体情報入力装置11が6台であり、生体情報入力装置11a−11fとして示されている。又、図1に示す端末装置14Aが3台備わり、端末装置14A1−14A3として示されている。又、図1に示す病院に配置される端末装置14Bが2台備わり、端末装置14B1、14B2として示されている。又、図1に示す双方向通信装置13は、生体情報入力装置11a−11fと通信網を介して接続される双方向通信装置13aと、端末装置14A1−14A3と通信網を介して接続される双方向通信装置13bと、端末装置14B1−14B2と通信網を介して接続される双方向通信装置13cと、で構成されている。さらに、生体情報収集システム93は、図1に示すデータベースサーバ12が複数のデータベースサーバ12a、12bから構成されている。さらに、複数のデータベースサーバ12a、12bのそれぞれの通信アドレスと生体情報入力装置11a−11fの通信アドレス又は識別情報とを対応させて記憶する管理サーバ32をさらに備える。
【0095】
図6は、管理サーバの記憶する情報の一例を示す表である。図6に示す表は、図5に示す生体情報収集システム93に備わる管理サーバ32の記憶する情報の一例である。識別情報4a−4fは、生体情報入力装置11a−11fのそれぞれの識別情報である。通信アドレス3a−3fは、生体情報入力装置11a−11fのそれぞれの通信アドレスである。通信アドレス9a、9bは、それぞれ、データベースサーバ12a、12bのそれぞれの通信アドレスである。識別情報4a−4fのそれぞれは、通信アドレス9a、9bのいずれかと対応している。又、通信アドレス3a−3fのそれぞれは、通信アドレス9a、9bのいずれかと対応している。
【0096】
図5に示す生体情報収集システム93において、双方向通信装置13aは、生体情報入力装置11fの送信する生体情報を通信網を介して受信すると、管理サーバ32を参照する。そして、図6に示す管理サーバ32の記憶する情報から、受信した生体情報入力装置11fの通信アドレス3fに対応するデータベースサーバの通信アドレス9bを抽出し、抽出した通信アドレス9bのデータベースサーバ12bに受信した生体情報1fを記憶させる。ここで、通信アドレス3fでなく識別情報4fであってもよい。又、管理サーバ32は、生体情報入力装置11fの送信する生体情報だけでなく、生体情報入力装置11a−11fのいずれについても同様にデータベースサーバの通信アドレス9を抽出し、抽出した通信アドレスのデータベースサーバに受信した生体情報を記憶させる。このように、管理サーバ32を設けることで、図1に示す生体情報収集システム91及び図3に示す生体情報収集システム92において、データベースサーバ12を複数に分散することができる。これにより、データベースサーバ12の増設を容易にすることができる。なお、管理サーバ32は、入力された識別情報に対応するデータベースサーバの通信アドレス9を抽出し、抽出したデータベースサーバの通信アドレス9へ受信した生体情報1を記憶させてもよい。
【0097】
図7は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第4例を示す構成図である。図7に示す生体情報収集システム94は、図5に示す生体情報収集システム93に備わる管理サーバ32の代わりに解析サーバ31を備える。又、生体情報収集システム94は、データベースサーバ12が1つのみ備わる。又、生体情報入力装置11a、11bは被検者81aの生体情報1a、1bを測定し、生体情報入力装置11c、11dは被検者81bの生体情報1c、1dを測定し、生体情報入力装置11e、11fは被検者81cの生体情報1e、1fを測定する。又、端末装置14A1は被検者81aの使用する端末であり、端末装置14A2は被検者81bの使用する端末であり、端末装置14A3は被検者81cの使用する端末とする。
【0098】
解析サーバ31は、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1fが予め定められた数値範囲外であるか否かを判定するものである。例えば、解析サーバ31は、データベースサーバ12を参照し、あらかじめ定められた時間内に記憶された生体情報1fを抽出し、抽出した生体情報1fが予め定められた数値範囲外であるか否かを判定する。生体情報1fは、生体情報入力装置11fの測定した生体情報である。そして、解析サーバ31は、生体情報1fの判定結果である解析通知情報7fを、双方向通信装置13b又は双方向通信装置13cの少なくともいずれかへ出力する。予め定められた数値範囲は、生体情報の測定値が正常である範囲とすることができる。この場合、解析通知情報は、解析サーバ31が数値範囲外であると判定した旨であることが好ましい。これにより、解析通知情報は異常な値の生体情報が測定されたことを通知することができる。解析通知情報は、さらに、解析サーバ31が数値範囲内であると判定した旨であってもよい。これにより、正常な生体情報が測定されているときはその旨を通知し、異常があればその旨を通知することができる。
【0099】
なお、解析サーバ31は、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1fが予め定められた数値範囲内であるか否かを判定するものであってもよい。この場合、予め定められた数値範囲が生体情報の測定値が正常である範囲であれば、解析サーバ31は、生体情報1fの測定値が正常であることを判定することができる。このため、解析通知情報は、解析サーバ31が数値範囲外であると判定した旨であることが好ましい。解析通知情報は異常な値の生体情報1fが測定されたことを通知することができる。さらに、解析サーバ31が数値範囲外であると判定した旨であってもよい。これにより、正常な生体情報が測定されているときはその旨を通知し、異常があればその旨を通知することができる。
【0100】
ここで、解析サーバ31は、例えば、定期的に生体情報1fが予め定められた数値範囲外であるか否かを判定する。又、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1fが更新されたことをトリガーとして、更新後の最新の生体情報1fが予め定められた数値範囲外であるか否かを判定してもよい。又、データベースサーバ12に記憶されているアラーム信号が更新されたことをトリガーとして、更新後の最新の生体情報1fが予め定められた数値範囲外であるか否かを判定してもよい。アラーム信号は、生体情報入力装置11fの送信するアラーム信号である。データベースサーバ12に記憶されている生体情報1f又はアラーム信号6が更新されたことは、前述の双方向通信装置13で述べた制御情報2が更新されたことを認識する構成と同様の構成とすることができる。
【0101】
このとき、双方向通信装置13b、13cは、解析通知情報7fに対応する端末装置の通信アドレスをデータベースサーバ12から抽出し、抽出した通信アドレスへ向けて通信網を介して解析通知情報7fを送信する。図7では、一例として、双方向通信装置13bは、生体情報入力装置11fを装着する被検者81cの所有する端末装置14A3へ解析通知情報7fを送信している。又、双方向通信装置13cは、被検者81cの担当医の使用する端末装置14B2へ解析通知情報7fを送信している。なお、解析サーバ31は、データベースサーバ12及び双方向通信装置13とLAN52を介して接続されているが、データベースサーバ12及び双方向通信装置13と直接接続されていてもよい。又、図7では、生体情報1fについてのみ説明したがこれに限定されない。解析サーバ31は、生体情報1a−1fのすべてについて判定することが好ましい。
【0102】
図8は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第5例を示す構成図である。図8に示す生体情報収集システム95は、図7に示す生体情報収集システム94に備わる解析サーバ31の代わりに認証サーバ33を備える。又、生体情報収集システム95において、データベースサーバ12は、さらに、パスワードを識別情報4に対応させて記憶している。
【0103】
認証サーバ33は、生体情報入力装置11fの送信する生体情報1fを双方向通信装置13aが通信網を介して受信すると、識別情報4fとパスワード63fを生体情報入力装置11fへ問い合わせる。例えば、生体情報入力装置11fに識別情報4fとパスワード63fを入力するよう表示させる制御情報2fを送信する。そして、認証サーバ33は、生体情報入力装置11fの入力した識別情報4f及びパスワード63fを受信すると、受信した識別情報4f及びパスワード63fの組み合わせがデータベースサーバ12に記憶されているか否かを照合する。照合の結果、生体情報入力装置11fから受信した識別情報4f及びパスワード63fの組み合わせが互いに対応してデータベースサーバ12に記憶されていれば、生体情報認証として判定する。そして、認証サーバ33は、生体情報認証と判定すると、双方向通信装置13aにデータベースサーバ12と生体情報入力装置11fとの間での通信を開始させ、受信した生体情報1fをデータベースサーバ12に記憶させる。
【0104】
このように、認証サーバ33が双方向通信装置13aの受信した生体情報1fの送信元の通信アドレス3fと関連付けて記憶されている識別情報4fとパスワード63fが一致することを確認した上で、データベースサーバ12が生体情報1fを記憶する。これにより、識別情報識別情報4f及びパスワード63fを知る被検者から送信された生体情報1f以外の生体情報1a−1eが生体情報1fとしてデータベースサーバ12に記憶されるのを防ぐことができる。なお、図8では、生体情報1fについてのみ説明したがこれに限定されない。認証サーバ33は、生体情報1a−1fのすべてについて判定することが好ましい。
【0105】
図1に示す生体情報収集システム91は、端末装置14A、14Bを備えることが好ましい。端末装置14A、14Bは、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1及び制御情報2を通信網51を介して読み出して表示し、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2を更新する。端末装置14A、14Bとしては、例えば、パソコンを用いることができる。又、携帯情報端末や携帯電話でもよい。端末装置14は、電子メール、パソコン通信、LAN、広域情報通信網(WAN)、インターネット、ポケットベル、携帯電話、ファクシミリ又は固定電話の少なくとも2以上の通信機能を備えることが好ましい。ここで、パソコン通信は、パソコンやその他の機器を公衆網を使ってサービス業者の通信センターに設置されたコンピュータと接続して情報のやりとりをする通信方法である。
【0106】
さらに、生体情報収集システム91は、複数の端末装置14A、14Bを備えることが好ましい。例えば、端末装置14Aは生体情報入力装置11を装着する被検者が使用する個人用端末であり、端末装置14Bは病院に配置されて医師が使用する病院用端末であることが好ましい。さらに、データベースサーバ12に記憶されている生体情報1及び制御情報2をLAN52を介して読み出して表示し、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2を更新する管理者用端末装置34が備わっていてもよい。
【0107】
図9は、データベースサーバの記憶する情報の第2例を示す表である。図9に示す表は、図8に示す生体情報収集システム95においてデータベースサーバ12が記憶する情報の一例を示す。通信アドレス8A1は端末装置14A1の通信アドレス、通信アドレス8A2は端末装置14A2の通信アドレス、通信アドレス8A3は端末装置14A3の通信アドレス、通信アドレス8B1は端末装置14B1の通信アドレス、通信アドレス8B2は端末装置14B2の通信アドレス、通信アドレス64は管理者用端末装置34の通信アドレスを示す。それぞれの通信アドレスは、生体情報1、制御情報2、解析通知情報7、生体情報入力装置の通信アドレス3に対応して記憶されている。
【0108】
図8に示すデータベースサーバ12が図9に示す表を記憶している場合、生体情報収集システム95に備わる端末装置の通信アドレスからアクセスされると、データベースサーバ12は、図9に示す表を参照し、アクセスされた通信アドレスに対応する情報のみを、アクセスしてきた端末装置に対して提供する。例えば、通信アドレス8A3からアクセスされた場合、データベースサーバ12は、生体情報入力装置11fの通信アドレス3fを通信アドレス8A3の端末装置14A3へ提供し、更新を許可する。一方、通信アドレス8B2の端末装置14B2へは生体情報入力装置11fの通信アドレス3fを提供せず、端末装置14B2は通信アドレス3fを表示することはない。図8に示すデータベースサーバ12は、端末装置ごとに読み出すことを許可する情報を制限してもよい。さらに、端末装置ごとに更新する情報を制限してもよい。
【0109】
以上、図8及び図9で説明したように、図1に示す端末装置14A、14Bは、それぞれ、読み出せる情報が端末装置14A、14Bの通信アドレスごとに異なることが好ましい。読み出せる情報が端末装置14A、14Bの通信アドレスごとに異なれば、端末装置14A、14Bを使用する人に応じて閲覧することのできる情報を制限したり、更新することのできる情報を制限したりすることができる。
【0110】
本実施形態に係る生体情報収集システム91の動作の一例について図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る生体情報収集システムの第1例を示す概略図である。図10では、簡単のため、生体情報入力装置11、データベースサーバ12、双方向通信装置13、解析サーバ31、管理者用端末装置34及び端末装置14Bを除いて省略した。
【0111】
生体情報入力装置11はセンシングした測定結果である生体情報1を通信網51経由でデータセンタ53のLAN52に通信接続されているデータベースサーバ12に保存する。一方、医者は端末装置14Bである遠隔ツールを使用して通信網51でデータベースサーバ12に保存されている生体情報1を調べると同時に、生体情報入力装置11に備わるインシュリン注射器の注入時間が最適な値になるようにデータベースサーバ12に記憶されている制御情報2を変更する。双方向通信装置13は、更新された制御情報2を生体情報入力装置11へ送信し、生体情報入力装置11に備わるインシュリン注射器の注入時間が最適な値に設定する。
【0112】
解析サーバ31がデータベースサーバ12に記憶されている生体情報1を調べ、異常を検出した場合には、双方向通信装置13が医者用閲覧ツールである端末装置14Bにそのことを解析通知情報7を用いて通知し、医者は端末装置14Bである医者用閲覧ツールを使用してインシュリン注入器の注入量・注入時間が最適な値になるようにデータベースサーバ12に記憶されている制御情報2を変更し、通信網51経由で制御情報2を生体情報入力装置11に送信し、生体情報入力装置11に備わるインシュリン注入器に対して設定する。
【0113】
誤作動を防止するために、データセンタ53に設置されているデータベースサーバ12から定期的に制御情報2が生体情報入力装置11に送られてこない場合には、バイブレータ、ブザー又は図2で説明した制御情報表示部等の出力手段を使って生体情報入力装置11を装着するユーザに異常を通知することとしてもよい。
【0114】
解析サーバ31は、生体情報1として血圧の異常を判定し、判定結果に応じて、データベースサーバ12に記憶されている制御情報2を更新して降圧剤注入器を制御してもよい。双方向通信装置13は、更新された制御情報2を生体情報入力装置11へ送信する。そして、生体情報入力装置11は制御情報2を受信し、制御情報2にしたがって降圧剤注入器を動作させる。
【0115】
医者用閲覧ツールである端末装置14Bもしくは自動解析ツールである解析サーバ31が、生体情報入力装置11を装着するユーザ固有の番号である識別情報を指定すると、双方向通信装置13は、データベースサーバ12に記憶されている識別情報から電話番号とIPアドレスに変換する。ここで、双方向通信装置13は生体情報入力装置11の電話番号をダイアルアップしてもよい。双方向通信装置13は、例えば、生体情報入力装置11との間で通信接続を確立し、双方向通信装置13は抽出したIPアドレスをデータベースサーバ12に通知し、データベースサーバ12が生体情報入力装置11に対してIPアドレスを指定して直接通信する。
【0116】
生体情報入力装置11からデータセンタ53に設置されるデータベースサーバ12に測定結果を送信する場合には、生体情報入力装置11が血糖値を測定する血糖センサ及びインシュリン注入器を備える場合、生体情報入力装置11は、保存されている双方向通信装置13の電話番号をダイアルアップする。回線が接続された後、データベースサーバ12のIPアドレスを指定して、IP通信によって生体情報入力装置11の測定データである血糖値をデータベースサーバ12に送信し、記録する。
【0117】
以上説明したように、本実施形態に係る生体情報収集システム91−95において、データベースサーバ12の設置されるデータセンタ53は、単に生体情報入力装置11からの情報を収集するだけでなく、(1)被検者によってアラームスイッチを押下される等の緊急性が高いことを通知するアラーム情報6を受信する場合には病院用の端末装置14Bに対してそのことを自動で通知するので、病院用の端末装置14Bを使用する医者はリアルタイムで診断する事が可能である。さらに、(2)(1)でアラーム情報6をデータベースサーバ12が通知されると、解析サーバ31がアラーム情報6を送信する生体情報入力装置11の測定する生体情報1が正常な値であるか異常な値であるかの判断を下し、問題があるか否かを被検者のもつ生体情報入力装置11もしくは中継装置のディスプレイ等にその事を表示することができる。さらに、(3)医者や管理者が必要と判断すれば、病院用の端末装置14B又は図7に示した管理者用端末装置34によって生体情報入力装置11の測定指示となる制御情報2をデータベースサーバ12に入力し、測定済みの生体情報1をデータセンタ53に設置されているデータベースサーバ12へ送信するよう双方向通信装置13及び生体情報入力装置11に対して制御情報2を用いて送信指示を発行することが可能である等の特徴がある。さらに、医者の使用する端末から患者へ直接アドバイスが送信されるため、患者へ提供する情報が錯綜するような自体を回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、遠隔地に記憶されている情報を更新すると、指定した通信アドレスへ更新された情報を自動で送信することができるので、コンピュータのデータが不正にアクセスされた場合のセキュリティサービスとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施形態に係る生体情報収集システムの第1例を示す構成図である。
【図2】生体情報入力装置の一例を示す構成図である。
【図3】本実施形態に係る生体情報収集システムの第2例を示す構成図である。
【図4】データベースサーバの記憶する情報の第1例を示す表である。
【図5】本実施形態に係る生体情報収集システムの第3例を示す構成図である。
【図6】管理サーバの記憶する情報の一例を示す表である。
【図7】本実施形態に係る生体情報収集システムの第4例を示す構成図である。
【図8】本実施形態に係る生体情報収集システムの第5例を示す構成図である。
【図9】データベースサーバの記憶する情報の第2例を示す表である。
【図10】本実施形態に係る生体情報収集システムの第1例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0120】
1 生体情報
2 制御情報
3 生体情報入力装置の通信アドレス
4 生体情報入力装置の識別情報
5 生体情報入力装置の電話番号
6 アラーム情報
7 解析通知情報
8 端末装置の通信アドレス
9 データベースサーバの通信アドレス
11 生体情報入力装置
12、12a、12b、12n データベースサーバ
13 双方向通信装置
14A、14B 端末装置
21 生体情報判定部
22 アラーム情報送信部
23 アラームスイッチ
24 中継装置
25 解析通知情報表示部
26 制御情報表示部
27 送受信部
28 生体情報測定部
29 識別情報及びパスワード入力部
31 解析サーバ
32 管理サーバ
33 認証サーバ
34 管理者用端末装置
51 通信網
52 LAN
53 データセンタ
61 中継装置の通信アドレス
63 パスワード
64 管理者用端末装置の通信アドレス
81a、81b、81c 被検者
91、92、92、94、95 生体情報収集システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を測定し、通信網を介して生体情報を送信する生体情報入力装置と、
通信網を介して前記生体情報入力装置の送信する生体情報を受信し、受信した生体情報、前記生体情報入力装置の動作を制御する制御情報及び前記生体情報入力装置の通信アドレスを、前記生体情報入力装置の識別情報に対応させて記憶するデータベースサーバと、
前記データベースサーバの記憶する制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の通信アドレスを抽出し、更新された最新の制御情報を、抽出する前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて通信網を介して送信する双方向通信装置と、を備える生体情報収集システムであって、
前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する制御情報に従って生体情報を測定し、測定した生体情報を前記データベースサーバへ通信網を介して送信することを特徴とする生体情報収集システム。
【請求項2】
前記通信網は公衆網であって、
前記データベースサーバは、前記生体情報入力装置の電話番号を前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、
前記双方向通信装置は、前記データベースサーバの記憶する制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の電話番号をさらに抽出し、抽出する前記生体情報入力装置の電話番号をダイアルアップし、前記生体情報入力装置との回線を開通させ、更新された最新の制御情報を、前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて送信することを特徴とする請求項1に記載の生体情報収集システム。
【請求項3】
前記データベースサーバに記憶されている生体情報及び制御情報を通信網を介して読み出して表示し、前記データベースサーバに記憶されている制御情報を更新する端末装置をさらに備え、
前記データベースサーバは、前記端末装置の通信アドレスを前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、
前記双方向通信装置は、前記データベースサーバに記憶されている制御情報が更新されると、当該制御情報に対応する前記生体情報入力装置の識別情報と同一の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスをさらに抽出し、更新された最新の制御情報を、抽出する前記端末装置の通信アドレスへ向けてさらに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報収集システム。
【請求項4】
前記データベースサーバは、さらに、前記端末装置の通信アドレスごとに予め定められた前記生体情報入力装置の生体情報及び制御情報を前記端末装置に読み出させることを特徴とする請求項3に記載の生体情報収集システム。
【請求項5】
前記データベースサーバは、記憶している前記生体情報入力装置の制御情報の更新時刻が所定時間内であるか否かを前記所定時間ごとに判定し、
前記データベースサーバが制御情報の更新時刻が所定時間内であると判定すると、前記双方向通信装置は、最新の制御情報を前記生体情報入力装置へ通信網を介して送信することを特徴とする請求項1から4に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項6】
前記データベースサーバは、記憶している生体情報の更新時刻が所定時間内であるか否かを定期的に判定し、
前記データベースサーバが生体情報の更新時刻が所定時間内でないと判定すると、前記双方向通信装置は、前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて前記生体情報入力装置の制御情報を通信網を介して送信し、前記生体情報入力装置に最新の生体情報を通信網を介して前記データベースサーバへ送信させることを特徴とする請求項1から5に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項7】
前記生体情報入力装置は、測定した生体情報があらかじめ定められた数値範囲外であることを異常値と判定する生体情報判定部と、
前記生体情報判定部が異常値と判定すると、注意を促す旨のアラーム情報を、前記データベースサーバへ通信網を介して送信するアラーム情報送信部と、をさらに備え、
前記データベースサーバは、前記アラーム情報送信部の送信するアラーム情報を前記生体情報入力装置の識別情報に対応させてさらに記憶し、
前記双方向通信装置は、前記データベースサーバがアラーム情報を記憶すると、当該アラーム情報を送信する前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信することを特徴とする請求項1から6に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項8】
前記生体情報入力装置は、機械的な変化を検出するアラームスイッチをさらに備え、
前記アラーム情報送信部は、前記アラームスイッチが機械的な変化を検出すると、アラーム情報を、前記データベースサーバへ通信網を介してさらに送信することを特徴とする請求項7に記載の生体情報収集システム。
【請求項9】
前記データベースサーバに記憶されている生体情報が予め定められた数値範囲外であるか否かを判定する解析サーバをさらに備え、
前記双方向通信装置は、前記解析サーバの判定結果を通知する解析通知情報を、前記解析サーバの解析する生体情報の前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記端末装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信することを特徴とする請求項3から8に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項10】
前記解析通知情報は、前記解析サーバが数値範囲外であると判定した旨又は前記解析サーバが数値範囲内であると判定した旨であることを特徴とする請求項9に記載の生体情報収集システム。
【請求項11】
前記双方向通信装置は、前記解析サーバの判定結果を通知する解析通知情報を、前記解析サーバの解析する生体情報の前記生体情報入力装置の識別情報に対応する前記生体情報入力装置の通信アドレスへ向けて通信網を介してさらに送信し、
前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する解析通知情報を表示する解析通知情報表示部をさらに備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の生体情報収集システム。
【請求項12】
複数の前記データベースサーバと、
前記複数のデータベースサーバのそれぞれの通信アドレスと前記生体情報入力装置の通信アドレス又は識別情報とを対応させて記憶する管理サーバと、をさらに備え、
前記双方向通信装置は、前記生体情報入力装置の送信する生体情報を通信網を介して受信すると、前記管理サーバを参照し、受信した前記生体情報入力装置の通信アドレスに対応する識別情報に対応する前記データベースサーバの通信アドレス又は受信した識別情報に対応する前記データベースサーバの通信アドレスを抽出し、抽出した通信アドレスの前記データベースサーバに受信した生体情報を記憶させることを特徴とする請求項1から11に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項13】
前記生体情報入力装置の送信する生体情報を前記双方向通信装置が通信網を介して受信すると、識別情報とパスワードを前記生体情報入力装置へ問い合わせ、前記生体情報入力装置から受信した識別情報及びパスワードが互いに対応して前記データベースサーバに記憶されていることを生体情報認証として判定する認証サーバをさらに備え、
前記双方向通信装置は、前記認証サーバが生体情報認証と判定すると、受信した生体情報を前記データベースサーバに生体情報を記憶させることを特徴とする請求項1から12に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項14】
前記生体情報入力装置は、前記双方向通信装置の送信する制御情報を表示する制御情報表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1から13に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項15】
前記生体情報入力装置は、測定した生体情報を定期的に前記データベースサーバへ通信網を介して送信することを特徴とする請求項1から14に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項16】
前記生体情報入力装置の生体情報を共通の通信アドレスを用いて送信する中継装置をさらに備え、
複数の前記生体情報入力装置は前記中継装置の通信アドレスを共有し、
前記データベースサーバは、前記中継装置の通信アドレスを複数の前記生体情報入力装置の識別情報に対応させて記憶し、
前記双方向通信装置は、前記中継装置の通信アドレスへ向けて通信網を介して送信することを特徴とする請求項1から15に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項17】
前記端末装置は、電子メール、ポケットベル、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ又は固定電話の少なくとも2以上の通信機能を備え、
前記双方向通信装置は、送受信する情報に応じて異なる通信機能を用いることを特徴とする請求項1から16に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項18】
前記公衆網は、電話網、DoPa(登録商標)網、インターネット又はIP網であることを特徴とする請求項1から16に記載のいずれかの生体情報収集システム。
【請求項19】
前記生体情報は、血圧、脳波、脈波、心電、呼吸、尿、血糖又は汗に関する情報であることを特徴とする請求項1から18に記載のいずれかの生体情報収集システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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