説明

生体情報検出システム

【課題】生体情報に基づいて車両の乗員の体調を判断し、乗員および/または医療機関等へ警告または通報する。
【解決手段】ヘルメット1に体温センサ2および心拍センサ3を組み入れ、乗員の体温・心拍数を測定する。生体異常検出部32は、体温・心拍数をパラメータとして体調判断テーブル検索し、体調を判断する。体温・心拍数または体調は警告装置39(スピーカ5等を含む)で警告される。警告後、対応待ち時間内にキャンセルスイッチ6が操作されると、警告は停止され、キャンセルスイッチ6の操作がなされないときは、体温・心拍数等は、医療機関等、外部の通報先に無線機や携帯電話機44を通じて通報される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報検出システムに関し、特に、ヘルメットに装着されたセンサによって検出された生体情報に応じて予め設定されて処理を行う生体検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
居眠りなど、運転者の体調を監視し、異常検出したときに運転者に異常を知らせることができるシステムが知られている。例えば、特許文献1では、ヘルメット内部のこめかみ部位に取り付けられたセンサで運転者の脳波を監視し、居眠りが始まるときの異常脳波を検出したときにヘルメット内のスピーカやイヤホンを通じて警告音を発生させる居眠り防止装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、体温、動脈圧、心拍等、生体医学的パラメータ(生体情報)を検知するセンサを衣服やヘルメット等に装着し、このセンサで検出されたパラメータを処理して特定のオペレータ(医師等)に送信するシステムが記載されている。
【特許文献1】特開平10−201727号公報
【特許文献2】特表2006−528521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置では、居眠りを検出することはできるが、運転者の体調を示すその他の生体情報を得ることはなされていなかった。また、特許文献2に記載されたシステムでは、複数の生体情報を検出し、その検出結果を遠隔送信手段で送信することができるが、運転者自身に個々の生体情報および該情報に基づく体調の様々な段階を認識させることができなかった。また、検出された生体情報を外部に送信するか否かの判断基準について配慮されていなかったり、運転者が所持する携帯電話機を利用したりされていなかった。また、運転者の体調不良による生体情報の異常や運転者が強い衝撃を受けたことによる生体情報の異常等、特定の異常に応じた対処への配慮もなされていなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、車両を運転中の乗員の、想定される体調を判断して乗員および/または外部に有効、かつ効率的に知らせることができる生体情報検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明は、運転者が着用するヘルメットに取り付けられて、少なくとも体温と心拍数をそれぞれ運転者の生体情報として検出する生体情報検出段と、前記生体情報検出手段によって検出された生体情報に基づいて運転者に異常があるかどうかを検出する異常検出手段とを有する生体情報検出装置において、前記異常検出手段で異常が検出されたときに、運転者に警告をする警告手段(例えばヘルメットに装着されたスピーカ)を具備し、前記警告手段の警告内容が、前記生体情報検出手段で検出された運転者の異常状態に応じて決定される点に第1の特徴がある。
【0007】
また、本発明は、前記警告を解除する警告キャンセル手段が、例えば、前記ヘルメットに設けられていて、予定の対応待ち時間内に該警告キャンセル手段により警告解除されなかった場合に、生体情報を含む異常情報を予定の通報先に通報する通報手段を具備した点に第2の特徴がある。
【0008】
また、本発明は、異常検出手段が、検出された前記生体情報を、各生体情報毎に基準値と比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されている点に第3の特徴がある。
【0009】
また、本発明は、前記生体情報検出手段によって所定時間間隔で検出されたそれぞれの生体情報の最新の検出分を複数記憶し、該記憶されたそれぞれの生体情報の平均値を、基準値と比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されている点に第4の特徴があり、前記基準値が、ヘルメット着用直後に検出されたそれぞれの生体情報の複数の検出値の平均値で更新される点に第5の特徴がある。
また、本発明は、前記異常検出手段が、記憶されたそれぞれの生体情報の線形近似の傾きを、基準の傾きと比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されている点に第6の特徴があり、前記線形近似が、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報のうち、最新の一部を使用して計算されたものであり、基準の傾きは、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報のすべての線形近似の傾きである点に第7の特徴がある。
また、本発明は、ヘルメットに装着された加速度センサで検出された加速度が予定値より大きく、かつ、前記生体情報検出手段によって異常が検出された場合に、生体情報を含む異常情報を、医療機関等、予定の通報先に携帯電話機や車載無線通信機等の通報手段で通報することができるようにした点に第8の特徴がある。
【0010】
また、本発明は、ナビゲーションシステム等、自己位置検出手段で検出された自己位置を、前記異常情報に含めて通報するようにした通報手段を備えている点に第9の特徴がある。
【0011】
また、本発明は、前記ヘルメットに設けたカメラで撮影された画像の情報を記憶する画像メモリとを備え、前記画像メモリには、前記加速度センサで予定値より大きい衝撃が与えられたときの前後の予定時間分の画像情報を保存させる点に第10の特徴がある。
【0012】
さらに、本発明は、前記異常検出手段で異常が検出されたときに、生体情報に応じて特定される運転者の体調を改善するため、乗車している車両の空調装置もしくは加熱装置を駆動する手段、または平常時の心拍数と同じ周期でリズム音を発音させるか光を明滅させる手段を備えた点に第11の特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
第1、第3の特徴を有する本発明によれば、生体情報に応じて異なる警告を行うことができるので、運転者は、この警告に応じて、運転を停止させる等、適切な処置をすることができる。
【0014】
第2の特徴を有する本発明によれば、運転者は、警告を解除させる警告キャンセル手段を操作できるので、生体情報を誤検出する等、一時的な異常動作を停止させることができる。
【0015】
第4、第5の特徴を有する本発明によれば、複数回に亘って検出された生体情報の平均値を基準値と比較して異常であることを検出するので、検出値のばらつきを排除して検出精度を向上させられる。特にヘルメット着用時に基準値を測定し、運転者に特有の生体情報を基準値として使用するので、検出精度が向上する。
【0016】
第6、第7の特徴を有する本発明によれば、複数回に亘って測定された生体情報の線形近似を求めて、基準の線形近似と比較するので、高い異常検出精度が得られる。
【0017】
第8の特徴を有する本発明によれば、ヘルメットが受ける衝撃と生体情報の異常の双方を検出したときに警告を行うので、単に、ヘルメットを落下させたことによる衝撃や生体情報の異常のみでは通報先への通報が行われない。したがって、通報の必要性が正確に認識された場合にだけ、医療機関等に、生体情報に基づく運転者の異常を通報することができる。
【0018】
第9の特徴を有する本発明によれば、運転者の異常と、車両の位置とを併せて通報できるので、例えば、救急車等を迅速に車両まで到着させられる。
【0019】
第10の特徴を有する本発明によれば、ヘルメットに大きな衝撃が与えられた前後の経緯を生体情報と共に確認することができる。
【0020】
第11の特徴を有する本発明によれば、運転者の体調を改善する効果が期待できる。例えば、体温に応じてヒータを駆動したり通風口を開放したりして、運転者を暖めたり、運転者に風を当てたりすることができるし、心拍数に応じてリズム音や光の明滅によるリラクゼーション効果を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明に係る生体情報検出装置の一実施形態に係る自動二輪車運転用ヘルメットの斜視図である。本実施形態ではフルフェイス型のヘルメットを示しているが、本発明は、これに限らず、ジェット型、キャップ型等、他のタイプのヘルメットに適用することができる。
【0022】
図1において、ヘルメット1は、視野部分を除いた頭部ならびに顎および頸部を覆う外殻部材としての帽体11と、帽体11の内側に配された内装材12と、視野部分に、開閉自在に設けられたシールド13とからなる。このヘルメット1には、少なくとも二つ以上の生体情報を感知するためのセンサが取り付けられる。
【0023】
生体情報センサの一例として、体温センサ2と心拍センサ3とがヘルメット1に装着される。体温センサ2は、ヘルメット1の前面において、シールド13の上縁に近接する位置、つまりヘルメット使用時に、使用者の額が対向する位置に配置される。体温センサ2は、サーミスタ等、電子体温計に使用される周知の温度検知素子を使用することができ、熱伝導性の良好なハウジングに格納されて、ヘルメットの内装材12に取り付けられる。
【0024】
心拍センサ3は、ヘルメット1の側部、好ましくは、ヘルメット1を着用した運転者の耳またはこめかみ部に対向する位置に配置される。心拍センサ3としては、例えば、耳またはこめかみ部等に光または磁界を作用させて、透過光もしくは反射光または磁力の強さにより、血管中のヘモグロビン(鉄分)の量に応じた血液流量を検出し、該血液流量の変化に基づいて心拍を測定するものを使用することができる。
【0025】
なお、温度センサ2や心拍センサ3の装着位置は、額や耳もしくはこめかみに向かい合う位置に限らず、身体のうち、ヘルメット1で覆われる部分に向かい合う位置であって、温度センサ2や心拍センサ3が肌に近接ないし接触可能な位置であればよい。例えば、運転者の頬に対向する位置に配置すれば、髪などが邪魔になりやすい。
【0026】
このほか、ヘルメット1には、衝撃を感知する加速度センサ4や警告音を発生させるためのスピーカ5、発生した警告音を停止させるためのキャンセルスイッチ6、および電子制御装置7、ならびに電源としての二次電池8が設けられる。電子制御装置7は、マイクロコンピュータを含んでいる。キャンセルスイッチ6は、警告音の解除だけでなく、電子制御装置7の電源のオン・オフスイッチとして兼用することができる。電源オフ状態でキャンセルスイッチ6を押せば、電源が投入されるし、警告中にキャンセルスイッチ6を押せば、警告が解除される。そして、電源オン時に、警告解除より長時間の長押しによって電源をオフにすることができる。キャンセルスイッチ6とは別に電源オン・オフスイッチを設けてもよい。
【0027】
スピーカ5は、ヘルメット1着用者の耳の近傍、例えば、内装材12の、シールド13の支持部近傍に設けるのがよい。また、加速度センサ4、キャンセルスイッチ6、電子制御装置7、および二次電池8は、ヘルメット1の下部分に図示のように配置するのがよい。重量物を下方に配置する方が、ヘルメット1の使用時の安定性がよいからである。
【0028】
電子制御装置7は、二次電池8から電力供給されて動作するもので、マイクロコンピュータおよび無線送受信装置を含んでいる。
【0029】
生体情報検出装置はヘルメットに取り付けられた要素のみで構成するのに限らず、ヘルメット1を着用した運転者が乗車する自動二輪車に搭載される部品と組み合わせてもよい。例えば、電子制御装置7による処理や処理結果の表示には、自動二輪車に設けられた表示装置を使用することができる。
【0030】
図2を参照して、生体情報検出装置の一部を構成することができる自動二輪車の例を説明する。図2は、自動二輪車の右後方斜視図である。自動二輪車50は、図示しないヘッドパイプから左右斜め下後方に延びる左右一対のチューブフレーム8をメインフレームとして有している。チューブフレーム8は、ヘッドパイプから車体幅方向に拡がり、そこから後方に延びてピボットプレート9に連結されている。ピボットプレート9は後輪10を上下方向に揺動自在に軸支するための軸を保持する部材である。チューブフレーム8の下方には、エンジン14が配置される。エンジン14はそれ自体が強度部材としてチューブフレーム8に連結されている。
【0031】
ヘッドパイプに回動自在に支持されたフロントフォーク15の下端には前輪16が回転自在に支持される。また、フロントフォーク15の上部には操向ハンドル17が取り付けられる。操向ハンドル17のグリップ17aにはグリップヒータ(図示せず)を設けることができる。エンジン14の上には燃料タンク18が配され、燃料タンク18の後方には乗員シート19と同乗者シート20が設けられる。乗員シート19にはシートヒータ19aを設けることができる。同乗者シート20の後方にはメイントランク21が配置され、その下方左右には、サイドバッグ22が取り付けられている。
【0032】
操向ハンドル17の前方にはメータユニット23が設けられ、操向ハンドル17の前部(つまりヘッドパイプ前部)および燃料タンク18の前側部にかけて配置されるフロントカウル24が設けられる。フロントカウル24の上面は、メータユニット23で覆われると共に、メータユニット23の左右両側から車体後方に延び、かつ斜め下方に延長されているサイドパネル25で覆われる。
【0033】
サイドパネル25の略水平面には、内部メンテナンス用のリッド26が取り付けられている。リッド26上には、例えば、メータパネル操作用のスイッチや暖房用ヒータのスイッチ等が配置される。また、サイドパネル25の傾斜面には、例えば、ナビゲーションパネルスイッチ27を設けることができる。
【0034】
車体左側のサイドパネルの略水平面にもリッド28が設けられる。このリッド28は、車体右側のリッド26とは異なり、その下部に設けられる収納ポケット(図示しない)を覆う。
【0035】
車体右側のサイドパネル25の裏面つまりフロントカウル24の内側には、ヘルメット1の電子制御装置7から送信される情報を受信機29が取り付けられる。自動二輪車50には、ナビゲーションシステムや運転者の携帯電話等のGPSセンサ(図示せず)も搭載される。受信機29で受信された情報は、メータユニット23に設けられるLCDやLED等の表示器を使って表示することができる。
【0036】
メータユニット23の下方とサイドパネル25の下部に設けられるベンチレーション48、49は走行風やエンジン14で暖められた空気を乗員シート19側に排風させる。
【0037】
図3は、生体情報検出装置のシステム構成図である。生体情報検出装置30は、生体情報記憶部31と、生体異常検出部32と、生体異常処理部33と、衝撃情報検出部34と、通報判断部35と、異常通報部36と、警告装置駆動部37とを備える。
【0038】
生体情報記憶部31は、生体情報センサ(体温センサ2や心拍センサ3)で、所定時間毎に感知された体温や心拍数を予定数記憶する。例えば、最新の10回の測定分の生体情報(体温、心拍数をそれぞれ10個)を蓄積できる。生体異常検出部32は生体情報記憶部31に蓄積された生体情報に基づいて運転者の体調の異常有無を検出する。
【0039】
運転者の体調の異常有無を検出する手法は種々考えられる。例えば、生体情報記憶部31に蓄積された最新に測定された10回分の体温または心拍数の平均値をそれぞれの基準値と比較して、体温および心拍数のうち少なくとも一方について、平均値と基準値との差が予定値以上である場合に異常有りと判断する。また、前記最新の10個の体温または心拍数の標準偏差を求め、その大きさによって異常の有無を判断してもよい。さらに、10個の体温や心拍数によって、体温や心拍数の線形近似を求め、その傾きが基準の傾きより大きくなったときに体調の異常有りと判断することもできる。なお、生体情報記憶部31に複数の生体情報を記憶することなく、検出した最新の1個ずつの体温や心拍数に基づいて体調の異常有無を判断しても良い。
基準値は、運転者がヘルメット1を着用してから、複数の体温および心拍数計測値がそれぞれ生体情報記憶部31に蓄積されたときに、その複数の計測値の平均値を、体温および心拍数のそれぞれれの基準値とする。線形近似の傾きを判断する場合は、生体情報記憶部31に記憶された全ての計測値を使って求めた線形近似を基準とする。なお、ヘルメット1の着用直後は、正確な値が測定されていないことがあるので、例えば、キャンセルスイッチ6を押して電源をオンにして、生体情報の測定が開始されると、1個目の測定値は採用せず、2個目以降の測定値を平均値の算出に使用することもできる。
【0040】
生体異常処理部33では、生体異常検出部32で検出された運転者の体調を警告装置39のみで警告するか、自動二輪車50から外部の所定通報先にも通報するかを区別することができる。この区別は、警告後、キャンセルスイッチ6が予定の対応待ち時間内にオン操作されたか否かに応じて行われる。警告装置39は、スピーカ5やメータユニット23の表示器、あるいは自動二輪車50に設けられるオーディオ装置のスピーカ等を含むことができる。
【0041】
すなわち、警告は、スピーカ5で警告音を発生させるか、メータユニット23の警告表示器に文字や絵・記号でメッセージを表示させるか、所定のランプを点灯させるか、あるいは、これらすべてによって行うことができる。警告音やメッセージ、ランプの点灯状態(ランプの輝度や、明滅もしくは点滅周期等)は、体温・心拍数、およびこれらに基づく体調等に応じて異なるものとする。
【0042】
生体異常処理部33で外部の所定通報先に通報すると判断した場合は、通報のための指令を異常通報部36に送出する。警告装置39で警告する場合は、生体異常処理部33が、警告装置39で警告音を発生させるための指令を警告装置駆動部37に送出する。
【0043】
警告装置駆動部37は、ヘルメット1のスピーカ5で警告するか、自動二輪車50上の表示器等を使って警告するかによって構成が異なる。スピーカ5で警告する場合は、スピーカ5を直接駆動すればよい。一方、表示器等、自動二輪車50の装備を使って警告する場合は、警告装置駆動部37は、受信機29で受信可能な警告指令を出力する。受信機23は、この警告指令を、自動二輪車50上の警告指令処理装置40に入力し、この警告指令処理装置40は、警告指令に応じてメータユニット23の警告表示器やランプ等を駆動して警告を行わせる。
【0044】
衝撃情報検出装部34は、加速度センサ4で感知された衝撃情報に基づいて衝撃の大きさを検出し、通報判断部35に入力する。通報判断部35は、生体異常検出部32からの情報と衝撃情報検出部34から入力される情報の有無とに基づいて、外部(自動二輪車50から外部)への通報の要否を判断する。
【0045】
通報判断部35で外部への通報が必要と判断されたときに、異常通報部36は、異常情報を外部に送出する。異常情報は、生体異常処理部33で形成される。外部に送出される異常情報は、自動二輪車50の受信機29で受信される。
【0046】
警告処理装置40は、入力された情報が、自動二輪車50の外部に異常を通報する異常情報である場合は、当該運転者の識別情報(運転者名や運転者のIDコード等)を加えて車載無線機41を通じて、消防署、医療機関等、予め設定された施設や人等の通報先42に異常を通報する。また、自動二輪車50に搭載されているナビゲーションシステム等に含まれるGPSセンサ43で自動二輪車50の位置情報を検出して通報先42に通報することもできる。
【0047】
なお、自動二輪車50から外部への通報手段として、携帯電話機を利用するようにしてもよい。例えば、ヘルメット1の警告装置駆動部37から送出される異常情報を運転者が携帯している携帯電話機44が直接受信できるように構成し、この携帯電話機44が、異常情報に応答して通報先42である予定の施設や、人等にメッセージを自動発信するようにできる。つまり、携帯電話機44を、異常情報に含まれる命令に応答して予定の電話番号に発呼し、かつ異常情報に含まれる生体情報や体調情報に応じて予め登録されている音声メッセージを予定の通報先42に送信するように構成するとよい。ここで、音声の通報に代えて、文字情報をメール送信してもよい。これによれば、携帯電話番号から運転者が識別できるため、運転者の識別情報を送信する必要がない。
【0048】
ヘルメット1の電子制御装置7および携帯電話機間の近接通信は、例えば、ブルートゥース規格に従った通信機能により実現できる。
【0049】
図3に示したシステム構成に基づいた処理例を図4のフローチャートを参照して説明する。図4において、ステップS1では、フラグやカウンタを初期化する。カウンタの初期化では、生体情報記憶部31に記憶された生体情報数を計数するカウンタのカウンタ値C1が「0」に初期化される。ステップS2で体温センサ2から入力された体温をバッファに入力する。ステップS3では、心拍センサ3から入力された心拍数をバッファに入力する。ステップS4では、カウンタ値C1が予定値以上か否かが判断される。カウンタ値C1と比較される予定値は例えば「10」とする。この場合、10組以上の体温および心拍数が生体情報記憶部31に記憶されたときにステップS4は肯定となる。
【0050】
最初は、カウンタ値C1が「0」に初期化されているので、ステップS4の判断は否定となり、ステップS10に進み、前記バッファの体温と心拍数とをそれぞれ生体情報記憶部31の体温記憶エリアおよび心拍数記憶エリアに記憶する。ステップS11では、生体情報記憶部31に記憶された生体情報数を示すカウンタ値C1をインクリメントする。
【0051】
生体情報記憶部31に生体情報が繰り返し記憶されてカウンタ値C1が予定値(例えば「10」)になると、ステップS4での判断は肯定に変化し、ステップS5に進む。ステップS5では、生体情報記憶部31に蓄積された体温が異常か否か(正常か)を判断する。体温が体調異常を示す条件を満足したか否かで体温が異常かどうかを判断する。ここでは、複数個(最近の5個)の体温測定値を一次関数を用いた線形近似により複数の体温測定値の傾向(傾き)を求め、その傾きが基準の傾きより大きい場合に異常体温と判断する。基準の傾きは、ヘルメット1の着用直後を除いて、生体情報記憶部31に蓄積されているすべての体温測定値(10個)を使用して線形近似により求めた直線の傾きとする。
【0052】
ステップS5が肯定ならば、ステップS6に進んで体温異常フラグをオンにする。ステップS5が否定ならば、ステップS7に進んで生体情報記憶部31に蓄積された心拍数が、体調の異常を示す予定の条件を満足したか否かで心拍が異常かどうかを判断する。心拍数による体調判断は体温によるものと同様に行う。
【0053】
ステップS7が肯定ならば、ステップS8に進んで心拍異常フラグをオンにする。ステップS7が否定ならば、ステップS9に進んで、体温異常フラグまたは心拍異常フラグがオンか否かを判断する。体温異常フラグまたは心拍異常フラグがオンでなければ、ステップS10に進む。
【0054】
ステップS9が肯定ならば、ステップS12に進んで警告発生処理を行う。例えば、スピーカ5またはメータユニット23で予定の警告メッセージを発音または表示させるための警告指示を警告装置駆動部37に入力する。警告指示は、体温異常フラグ又は心拍異常フラグがオンの場合に「体温異常」、または「心拍異常」等、体調情報を乗員に認識させるメッセージを出力するための指示である。また、体温および/または心拍が異常と判断された場合に、最新の体温と心拍数とに応じてさらに細かな警告を行うことができる(具体的な例は後述する)。
【0055】
ステップS13では、対応待ちカウンタ値C2を「0」にリセットする。対応待ちカウンタC2は、自動二輪車50から外部への通報を行うか否かの判断時間を計数するカウンタである。ステップS14では、キャンセルスイッチ6の状態を読み込む。ステップS15では、キャンセルスイッチ6がオンか否かを判断する。キャンセルスイッチ6がオンならば、ステップS2に進む。
【0056】
キャンセルスイッチ6がオンになっていない場合は、ステップS16に進んで、対応待ちカウンタ値C2をインクリメントする。ステップS17では、対応待ちカウンタ値C2が閾値C2refを超えたか否かが判断される。ステップS17が否定ならば、ステップS14に進む。ステップS17が肯定ならばステップS18に進んで異常通報部36により外部へ異常を通報する処理を行う。つまり、電子制御装置7によって、自動二輪車50から外部への通報を可能にするための情報を送出する。この情報は、自動二輪車50の受信機29で受信されて自動二輪車50上の警告処理装置40で処理されて、無線機41や携帯電話機44によって予定の通報先42へ異常を示す通報に変換されて送信される。
【0057】
キャンセルスイッチ6が操作されてステップS15が肯定になれば、ステップS2に進む。
【0058】
このように、図4に示した処理では、体温または心拍数が異常と判断されれば、スピーカ15またはメータユニット23等を使用して乗員に体調異常を知らせることができる。また、この体調異常の警告の後、対応待ち時間を経過するまでにキャンセルスイッチ6がオン操作されない場合は、外部の予定通報先に通報できる。対応待ち時間を設けることにより、乗員が処置可能な状態では、警告や生体情報を外部通報先に必要以上に通報がなされるのを防止することができる。
【0059】
図5は、生体情報に加えて加速度センサ4による加速度情報を併せて取り入れた場合の処理を示すフローチャートである。図5において、ステップS20では、衝撃フラグをオフにする。衝撃フラグは加速度センサ4が予定値以上の大きい衝撃を検出したときにオンにするフラグである。ステップS21では、体温センサ2から入力された体温をバッファに入力する。ステップS22では、心拍センサ3から入力された心拍数をバッファに入力する。ステップS23では、自動二輪車50や携帯電話等に搭載されるGPSセンサ43から自動二輪車50の位置情報を取得する。
【0060】
ステップS24では、衝撃フラグがオンか否かを判断する。衝撃フラグがオンでない場合は、ステップS25に進んで、加速度センサ4の計測値を取り込む。ステップS26では、加速度センサ4の計測値が予定値より大きいか否かによって、ヘルメット1が強い衝撃を受けたか否かを判断する。
【0061】
強い衝撃を受けたと判断されないときは、ステップS2に進む。強い衝撃を受けたと判断された場合は、ステップS27に進んで、衝撃フラグをオンにする。ステップS28では、ステップS21、S22で入力された体温または心拍数が予定値を外れているか(異常か)否かを判断する。ステップS28の判断は、図4のステップS9と同じ処理を行う。したがって、図4のステップS5〜S8と同様の処理が別ルーチンで行われる。この別ルーチンは、ステップS22とS23との間に行ってもよい。
【0062】
ステップS28が否定のときは、ステップS21に進む。ステップS28が肯定のときは、ステップS29に進んで警告発生処理を行う。警告処理は図4のステップS12と同様である。
【0063】
ステップS30〜S34は、図4のステップS13〜S17と同様、予定時間内にキャンセルスイッチ6のオン操作がなされたどうかで異常通報部36から外部の通報先へ通報をするかどうかの判断処理である。
【0064】
ステップS35では、体温または心拍数による乗員の体調に加えて、GPSセンサ43で検出した位置情報およびヘルメット1が強い衝撃を受けた状況を予定されている外部の通報先へ通報する。
【0065】
図5に示した処理では、ヘルメット1が強い衝撃を受けた場合、つまり乗員が頭部に衝撃を受けたと判断した場合、体温や心拍数による体調の異常を判断し、さらに、乗員がキャンセルスイッチ6を操作できない状態を検出したときに、外部への体調および現在位置等が外部に通報される。
【0066】
これにより、ヘルメット1を落下させたとき等、乗員がヘルメット1をかぶっていないときに発生した衝撃のみを検出して外部への通報がなされるのを回避することができる。
【0067】
なお、図5に示した処理の中では、予定の対応待ち時間内にキャンセルスイッチ6のオン操作がない場合に外部への通報をするようにしているが、この処理(ステップS30〜S34)は省略してもよい。つまり、ヘルメット1が大きい衝撃を受け、かつ体調異常が検出されれば、直ちに外部に通報するようにしてもよい。
【0068】
また、図5に示した処理の中で、ヘルメット1が大きい衝撃を受けたと判断された場合は、ステップS28を省略して、予定の対応待ち時間内のキャンセルスイッチ6の操作の有無の処理(ステップS30〜S34)でステップS34が肯定の場合に外部への通報(ステップS35)を行うようにしてもよい。
【0069】
図6は、検出された体温および心拍数をパラメータとした乗員の体調判断テーブルの一例を示す図である。図6では、体温を「高体温」、「微高体温」、「通常体温」、「微低体温」、「低体温」に区分し、心拍数を「高心拍」、「微高心拍」、「通常心拍」、「微低心拍」、「低心拍」に区分し、それぞれの組み合わせに応じて体調を定義した。そして、予め設定されたゾーン毎に異なる処置を対応付けた。例えば、「通常体温」かつ「通常心拍」が検出された第1のゾーンは、図中中央部に示すように体調は「通常」であり、なんらの警告も外部への通報も行わない。
【0070】
一方、その中央部の「通常」を取り囲む第2のゾーンでは、例えば、「微高体温」かつ「微高心拍」時は、体調は「発熱」状態と判断される。また、「通常体温」かつ「微低心拍」時は、体調は「眠気」を催している状態と判断される。
【0071】
そして、さらに最も外周に示した第3のゾーン、つまり「高体温」、「高心拍」、「低体温」、「低心拍」を含むゾーンでは、体調になんらかの異常があると定義される。例えば、「高体温」かつ「高心拍」、あるいは「低体温」かつ「低心拍」では、体調が「異常」と判断される。また、「高心拍」や「低心拍」の場合は、体温が微高〜微低であっても「心拍異常」と判断されるし、「高体温」や「低体温」の場合は、心拍が微高〜微低であっても「体温異常」と判断される。
【0072】
図6に従って、第2のゾーンの体調と判断されたときは、乗員に休憩を促す。例えば、スピーカ5で「そろそろ休憩をとりましょう」と発音して休憩を促したり、メータユニット23に同様のメッセージを表示したりする。
【0073】
第3のゾーンの体調と判断されたときは、車両停止を促し、警告を行うと同時に、(対応待ち時間の後)外部への通報も行う。例えば、スピーカ5で「車両停車させてください。」と発音して停車を促したり、メータユニット23に同様のメッセージを表示したりすると同時に、外部へ「救急を要請します」等のメッセージを送信する。
【0074】
ヘルメット1内および自動二輪車50内での警告メッセージは、体調に応じて「発熱しています」、「疲れが出ています」、「落ち着きましょう」等、種々変形できる。要は、体調を乗員に認識させて、体調異常のまま運転を継続しないよう注意を促すものとする。
【0075】
なお、警告は言葉や文字によるものでなく、音量や発生間隔を予め体調によって設定した「ビープ音」を発生させるものであってもよい。
【0076】
次に、線形近似による体温の異常判断の手法について説明する。図7は、体温の測定値および体温変化の傾向を線形近似で求めた例を示す図である。図7において、体温測定値は最新の10回の測定値である。この体温の測定値の全部をすべて使った線形近似の直線を細線(近似線A)で示す。この近似線Aの傾きが基準の傾きである。そして、最新の5回の測定値を使った線形近似の直線は太い線(近似線B)で示す。この例では、体温が異常領域に上昇している場合を示しており、近似線Aより近似線Bの方が傾むきが大きくなっている。したがって、近似線Aより近似線Bとの傾きが予定値より大きい場合に、体温が異常に上昇していると判断する。近似線Aと近似線Bとのそれぞれの傾きに大きい変化がない場合は、最新の5回または10回の計測値の平均値が乗員の通常体温であると判断できる。
【0077】
なお、基準の傾きを、測定値のすべてを使って決定しているが、これに限らず、基準として十分なだけの測定値によって決定されたものであればよい。心拍数についても同様にして、変化の状況を検出することができる。
【0078】
上述の実施形態では、体温や心拍数に応じて判断された体調に応じて異なる警告を発するようにした。しかし、単に警告を発するだけでなく、積極的に乗員の体調を改善する処置をしてもよい。
【0079】
例えば、体調に応じてグリップヒータやシートヒータ19aを駆動して、乗員の体を温めるようにしてもよいし、ベンチレーション48、49から空気を導入したり、空気の流入を停止させたりしてもよい。
【0080】
また、興奮状態の体調を鎮めたり、眠気を催している状態では、スピーカ5から平常時の心拍数と同じ拍数のリズム音を流して、リラックス効果を上げたり、覚醒を促すのもよい。これはリズム音によらず、メータユニット23上の表示器を使った光の明滅によってもよい。
【0081】
また、体温、心拍数、およびこれらに基づく体調に応じて乗員に警告したり、体温、心拍数、体調、および自動二輪車50の現在位置を外部の予定通報先に通報したりするのに加えて、体調に変化が起こったときの状況を記憶させる手段を設けてもよい。
【0082】
つまり、ヘルメット1に、前方を撮影することができるカメラを装着し、このカメラで所定時間毎、あるいは連続的に撮影した画像情報をメモリ等の記憶手段に記憶させるようにする。画像情報は、例えば、最新の2分間分を記憶できるようにし、ヘルメット1が予定値以上の大きい衝撃を受けた場合には、直前の1分間は上書きを禁止して保存し、記憶手段の残り1分間に、直後の1分間を記憶して録画を停止する。こうすることによって、ヘルメット1が大きい衝撃を受けた前後の記録を残して、ヘルメットに大きな衝撃が与えられた前後の経過を生体情報と共に確認することができる。
【0083】
上記実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明はこれに限定されない。生体情報には、体温や心拍数に限らず、呼吸回数や血圧等を含めてもよい。要は、乗員が車両乗車時に着用するヘルメットに装着できるセンサで検出した生体情報毎の警告または生体情報に基づいて判断された体調等をヘルメット内の警告手段もしくは車両に搭載された警告・表示手段によって警告するか、外部の通報先に通知できるように構成してあればよい。なお、本発明における生体情報検出手段は、ヘルメットに装着するものに限らず、リストバンドや着衣、グローブ等に組み入れて、運転者の肌に直接接触して生体情報を検出できるように設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体情報検出装置を備えたヘルメットの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る生体情報検出装置の一部を構成する自動二輪車の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る生体情報検出装置のシステム構成図である。
【図4】生体情報検出装置の第1の処理例を示すフローチャートである。
【図5】生体情報検出装置の第2の処理例を示すフローチャートである。
【図6】検出された体温および心拍数をパラメータとした乗員の体調判断テーブルの一例を示す図である。
【図7】体温の測定値および体温変化の傾向を線形近似で求めた例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1…ヘルメット、 2…体温センサ、 3…心拍センサ、 4…加速度センサ、 5…スピーカ、 6…キャンセルスイッチ、 7…電子制御装置、 8…二次電池、 30…生体情報検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者が着用するヘルメットと、前記ヘルメットに取り付けられて、少なくとも体温と心拍数をそれぞれ運転者の生体情報として検出する生体情報検出手段と、前記生体情報検出手段によって検出された生体情報に基づいて運転者に異常があるかどうかを検出する異常検出手段とを有する生体情報検出装置において、
前記異常検出手段で異常が検出されたときに、運転者に警告をする警告手段を具備し、
前記警告手段の警告内容が、前記生体情報検出手段で検出された運転者の異常状態に応じて決定されることを特徴とする生体情報検出システム。
【請求項2】
前記警告手段により行われた警告を解除する警告キャンセル手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の生体情報検出システム。
【請求項3】
前記警告手段による警告が、前記警告キャンセル手段によって予定の対応待ち時間内に解除されなかった場合に、前記生体情報検出手段によって検出された生体情報を含む異常情報を予定の通報先に通報する通報手段を具備したことを特徴とする請求項2記載の生体情報検出システム。
【請求項4】
前記警告キャンセル手段が、前記ヘルメットに装着されているスイッチであることを特徴とする請求項2または3記載の生体情報検出システム。
【請求項5】
前記異常検出手段が、前記生体情報検出手段によって検出された生体情報を、各生体情報毎の基準値と比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の生体情報検出システム。
【請求項6】
前記生体情報検出手段によって所定時間間隔で検出された最新の生体情報をそれぞれ複数記憶する生体情報記憶手段を具備し、
前記異常検出手段が、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報の平均値を、基準値と比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の生体情報検出システム。
【請求項7】
前記基準値が、前記生体情報検出手段によって前記ヘルメット着用直後に検出されたそれぞれの生体情報の複数の検出値の平均値で更新されることを特徴とする請求項6記載の生体情報検出システム。
【請求項8】
前記生体情報検出手段によって所定間隔で検出された最新の生体情報をそれぞれ複数記憶する生体情報記憶手段を具備し、
前記異常検出手段が、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報の線形近似の傾きを、基準の傾きと比較することによって生体情報の異常を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の生体情報検出システム。
【請求項9】
前記線形近似が、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報のうち、最新の一部を使用して計算されたものであり、
前記基準の傾きが、前記生体情報記憶手段に記憶されたそれぞれの生体情報のすべての線形近似の傾きであることを特徴とする請求項8記載の生体情報検出システム。
【請求項10】
前記警告手段が、前記ヘルメットに組み入れられたスピーカであることを特徴とする請求項1記載の生体情報検出システム。
【請求項11】
前記ヘルメットに装着された加速度センサと、
前記加速度センサで検出された加速度が予定値より大きく、かつ、前記生体情報検出手段によって異常が検出された場合に、生体情報を含む異常情報を予定の通報先に通報する通報手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の生体情報検出システム。
【請求項12】
前記通報手段が、前記異常情報を受信して前記通報先に予定のメッセージを発信する携帯電話機または前記生体情報検出システムに備えられる車載無線通信手段であることを特徴とする請求項11記載の生体情報検出システム。
【請求項13】
前記予定の通報先は、予め登録された医療機関であることを特徴とする請求項3、11、12のいずれかに記載の生体情報検出システム。
【請求項14】
自己位置を示す情報を検出する自己位置検出手段を備え、
前記通報手段が、前記異常情報に前記自己位置を含めて通報するように構成されていることを特徴とする請求項3、11、12のいずれかに記載の生体情報検出システム。
【請求項15】
前記ヘルメットに、前方を撮影するカメラと、該カメラで撮影された画像の情報を記憶する画像メモリと備え、
前記画像メモリには、前記加速度センサで予定値より大きい衝撃が与えられたときの前後の予定時間分の画像情報を保存させることを特徴とする請求項11または12記載の生体情報検出システム。
【請求項16】
前記異常検出手段で異常が検出されたときに、生体情報に応じて特定される運転者の体調を改善するため、
乗車している車両の空調装置もしくは加熱装置を駆動する手段、または平常時の心拍数と同じ周期でリズム音を発音させるか光を明滅させる手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の生体情報検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−148718(P2010−148718A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331107(P2008−331107)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】