説明

生体情報測定システム

【課題】効率よく信頼性の高い生体情報を確実に記録すること。
【解決手段】生体情報測定システムによって、特定の患者の複数種類の生体情報がそれぞれ測定され、所定の選択基準に基づいて、測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択され(ステップS112)、選択された記録生体情報が、事後的に確認可能なように記録される(ステップS118)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体情報測定システムに関し、特に、生体情報を記録するのに適した生体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病棟に入院している患者の体温を計測する検温業務などの生体情報計測業務における、生体情報を計測する複数の生体情報計測機器(たとえば血圧計、体温計、および、パルスオキシメータなど、)からそれぞれ得られる複数の生体情報(たとえば、血圧、体温、および、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)など)の記録においては、一旦、生体情報計測機器から生体情報を目で読取って、読取った生体情報を記録用紙等に手書きで記録し、その後、電子カルテシステムなどのシステムに、記録用紙等に記録した生体情報を入力するという流れが主流である。
【0003】
また、ペン型のポインティングデバイス等で入力された医療情報を保存するシステムがあった(特許文献1の段落[0075]、[図14])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−171528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、主流の方法では、1つの生体情報の記録のために複数回の読取りや書込みが必要なため、生体情報の記録忘れや記録ミスが生じるだけでなく、手書きで記録したものを、再度、システムに入力するという二重の手間が掛かるため、無駄な時間が生じるといった問題があった。
【0006】
また、特許文献1の技術によれば、入力者が誤記をすれば、誤記を含む情報がそのまま保存されてしまうといった問題があった。
【0007】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、効率よく信頼性の高い生体情報を確実に記録することが可能な生体情報測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、生体情報測定システムは、患者の生体情報を測定するシステムであって、特定の患者の複数種類の生体情報をそれぞれ測定する複数の測定部と、所定の選択基準に基づいて、測定部によって測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報を選択する選択部と、選択部によって選択された記録生体情報を、事後的に確認可能なように記録する記録部とを備える。
【0009】
好ましくは、生体情報測定システムは、選択部によって選択された記録生体情報を記録するか否かの確認の入力を受付ける確認受付部をさらに備える。記録部は、確認受付部によって記録するとの入力が受付けられた記録生体情報を記録する。
【0010】
好ましくは、選択部は、生体情報の種類ごとに各時間帯ごとの最新の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、生体情報を選択する。
【0011】
好ましくは、生体情報測定システムは、測定部によって測定された生体情報の信頼度を算出する算出部をさらに備え、選択部は、算出部によって算出された信頼度が所定値以上の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、生体情報を選択する。
【0012】
好ましくは、生体情報測定システムは、複数の測定部をそれぞれ備える複数の測定装置と、記録部を備えるサーバとを含む。
【0013】
好ましくは、生体情報測定システムは、複数の測定部をそれぞれ備える複数の測定装置を含み、測定装置のうちの1つは、さらに、選択部を備える。
【0014】
さらに好ましくは、測定装置は、計時機能付測定装置と計時機能無測定装置とを含み、計時機能付測定装置は、さらに、測定部によって生体情報が測定された時刻を特定する計時部を備え、記録部は、選択部によって選択された記録生体情報のうち、計時機能付測定装置の測定部によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時部によって特定された時刻を記録するとともに、計時機能無測定装置の測定部によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時部によって特定された時刻を記録する。
【0015】
さらに好ましくは、測定装置は、計時機能付測定装置と計時機能無測定装置とを含み、計時機能付測定装置は、さらに、測定部によって生体情報が測定された時刻を特定する計時部を備え、記録部は、選択部によって選択された記録生体情報のうち、計時機能付測定装置の測定部によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時部によって特定された時刻を記録するとともに、計時機能無測定装置の測定部によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時機能無測定装置から計時機能付測定装置に生体情報が送信された時刻を記録する。
【発明の効果】
【0016】
この発明に従えば、生体情報測定システムによって、特定の患者の複数種類の生体情報がそれぞれ測定され、所定の選択基準に基づいて、測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択され、選択された記録生体情報が、事後的に確認可能なように記録される。
【0017】
その結果、効率よく信頼性の高い生体情報を確実に記録することが可能な生体情報測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第1の実施の形態における生体情報測定システムのシステム構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における生体情報測定システムに含まれる生体情報測定機器の構成の概略を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における生体情報測定システムに含まれるサーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器で実行される記録情報確定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の未測定時の表示画面を示す図である。
【図6】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の測定終了時の表示画面を示す図である。
【図7】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の確定候補の表示画面を示す図である。
【図8】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の測定し直し後の確定候補の表示画面を示す図である。
【図9】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の確定を確認する表示画面を示す図である。
【図10】第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の確定後の確定候補の表示画面を示す図である。
【図11】第2の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の確定候補の表示画面を示す図である。
【図12】第3の実施の形態における生体情報測定システムのシステム構成を示す図である。
【図13】第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の未測定時の表示画面を示す図である。
【図14】第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の測定終了時の表示画面を示す図である。
【図15】第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器の確定候補の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の第1の実施の形態における生体情報測定システム10Aのシステム構成を示す図である。図1を参照して、生体情報測定システム10Aは、ホストの生体情報測定機器100としての血圧計100Aと、体温計100Bと、パルスオキシメータ100Cと、サーバ200とを含む。
【0021】
血圧計100Aは、カフ151を被測定者の腕に巻付けることで、被測定者の最高血圧、最低血圧および脈拍等を測定する生体情報測定機器100である。
【0022】
体温計100Bは、被測定者の体温を測定する生体情報測定機器100である。パルスオキシメータ100Cは、プローブを被測定者の指先などに装着して、非侵襲で経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)等を測定する生体情報測定機器100である。
【0023】
この実施の形態においては、後述するように、血圧計100A、体温計100Bおよびパルスオキシメータ100Cで測定された生体情報が、ホストの生体情報測定機器100である血圧計100Aで収集されて、選択確定された生体情報が、サーバ200に送信されて蓄積される。
【0024】
図2は、第1の実施の形態における生体情報測定システム10Aに含まれる生体情報測定機器100の構成の概略を示すブロック図である。図2を参照して、この実施の形態における血圧計100A、体温計100Bおよびパルスオキシメータ100Cなどの生体情報測定機器100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、測定部150と、通信部190とを含む。
【0025】
操作部130は、操作ボタンなどの操作デバイスが操作者によって操作されたことに応じて、操作された内容に応じた操作信号を制御部110に送信する。
【0026】
測定部150は、血圧計100Aの血圧等を測定するためのセンサを内蔵するカフ151、体温計100Bのサーミスタまたは赤外線検知回路を内蔵する検温部、パルスオキシメータ100Cの発光部と受光部とを備えるプローブなどの生体情報を測定するためのセンサを含む部分であり、センサによる検知信号を制御部110に送信する。
【0027】
メモリ120は、生体情報測定機器100を制御するためのプログラムのデータ、生体情報測定機器100を制御するために用いられるデータ、生体情報測定機器100の各種機能を設定するための設定データ、および、測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0028】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶された生体情報測定機器100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、測定部150からの検知信号に基づいて、メモリ120、表示部140、および、通信部190を制御する。
【0029】
表示部140は、ディスプレイおよびインジケータ等を含み、制御部110からの制御信号に従って所定の情報を表示する。
【0030】
通信部190は、制御部110によって制御されて所定の情報を、通信ネットワーク900を介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、通信ネットワーク900を介して受信して制御部110に受け渡したりする。
【0031】
図3は、第1の実施の形態における生体情報測定システム10Aに含まれるサーバ200の構成の概略を示すブロック図である。図3を参照して、この実施の形態におけるサーバ200は、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部290とを含む。
【0032】
この実施の形態において、通信ネットワーク900は、病院内LAN(Local Area Network)であるが、これに限定されず、インターネットを介したネットワークのような他の種類のネットワークであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを用いた1対1の通信であってもよい。
【0033】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)およびその補助回路を含み、サーバ200の各部を制御し、記憶部220に記憶されたプログラムおよびデータに従って所定の処理を実行し、操作部230、および、通信部290から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部220に記憶させたり、表示部240で表示させたり、通信部290から出力させたりする。
【0034】
記憶部220は、制御部210でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部210で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、記憶部220の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、磁気ディスク(HD(Hard Disk)、FD(Flexible Disk))、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc))、光磁気ディスク(MO(Magneto-Optical disk))、または、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
【0035】
操作部230は、キーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる操作を示す操作信号を制御部210に送信する。また、操作部230は、キーボードおよびマウスに替えて、または、加えて、タッチパネルなどの他の操作デバイスで構成されるようにしてもよい。
【0036】
表示部240は、ディスプレイ(たとえば、LCD(Liquid Crystal Display))を含む。表示部240は、制御部210によって制御されて、所定の映像をディスプレイに表示させる。
【0037】
通信部290は、制御部210からの情報を通信ネットワーク900を介して他の装置に送信するとともに、他の装置から通信ネットワークを介して送信されてきた情報を受信して制御部210に受渡す。
【0038】
図4は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100で実行される記録情報確定処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、生体情報測定機器100のホスト(本実施の形態においては、血圧計100A)の制御部110は、ステップS101で、データ収集のタイミング(たとえば、1時間ごと)であるか否かを判断する。データ収集のタイミングであると判断した場合(ステップS101でYESと判断した場合)、自機および通信ネットワーク900を介して接続されている他の生体情報測定機器100、ここでは、体温計100Bおよびパルスオキシメータ100Cから、生体情報を収集する。
【0039】
図5は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の未測定時の表示画面を示す図である。図5を参照して、各生体情報測定機器100を接続して電源を投入した直後など、いずれの生体情報測定機器100の生体情報も測定されていない場合は、ホストの生体情報測定機器100(本実施の形態においては、血圧計100A)の表示部140には、被測定者である患者を識別するための患者ID、患者名、および、各生体情報の名称が表示される。そして、それぞれの生体情報のデータの表示箇所に「未測定」との文字が表示される。
【0040】
図6は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の測定終了時の表示画面を示す図である。図6を参照して、上述した図4のステップS102で、各生体情報測定機器100からデータが収集されると、ホストの生体情報測定機器100(本実施の形態においては、血圧計100A)の表示部140の「未測定」と表示されていた生体情報のデータの表示箇所に、それぞれの生体情報のデータが表示される。
【0041】
図4に戻って、ステップS102の後、および、データ収集のタイミングでないと判断した場合(ステップS101でNOと判断した場合)、ステップS111で、制御部110は、収集された生体情報の履歴を確認する操作が、操作者(たとえば、看護師)によって操作部130で行なわれたか否かを判断する。
【0042】
生体情報の履歴を確認する操作が行なわれたと判断した場合(ステップS111でYESと判断した場合)、ステップS112で、制御部110は、前回、確定操作が行なわれた時間以降の、収集した生体情報の履歴を表示部140に表示させ、その履歴のうち各生体情報の最新のものを確定候補として表示させる。本実施の形態においては、図7で示すように、確定候補のデータを枠付きで表示させる。しかし、これに限定されず、確定候補のデータを他のデータと区別可能なように表示させるのであれば、他の方法であってもよく、文字の色を異ならせてもよいし、網掛けであってもよいし、反転表示であってもよい。
【0043】
図7は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の確定候補の表示画面を示す図である。本実施の形態においては、血圧計100Aが、生体情報が測定された時刻を特定可能な計時機能を有する。体温計100Bおよびパルスオキシメータ100Cは、計時機能を有さない。
【0044】
図7を参照して、履歴の1行目では、血圧計100Aで、2010年4月1日の12時0分に測定された最高血圧、最低血圧および脈拍がそれぞれ128mmHg、78mmHg、68bpmであることが示される。2行目では、体温計100Bから、2010年4月1日の12時1分に受信された体温が36.5℃であることが示される。
【0045】
3行目では、血圧計100Aで、2010年4月1日の17時30分に測定された最高血圧、最低血圧および脈拍がそれぞれ120mmHg、68mmHg、65bpmであること、および、これらのデータが、現在の時点で最新のデータであるので枠付きで表示され、確定候補であることが示される。
【0046】
4行目では、体温計100Bから、2010年4月1日の17時31分に受信された体温が36.2℃であること、および、このデータが、現在の時点で最新のデータであるので枠付きで表示され、確定候補であることが示される。
【0047】
5行目では、パルスオキシメータ100Cから、2010年4月1日の17時32分に受信されたSpO2が99%であること、および、このデータが、現在の時点で最新のデータであるので枠付きで表示され、確定候補であることが示される。
【0048】
この確定候補を操作者(たとえば、看護師)が確認して疑義を持った場合は、疑義を持った生体情報の生体情報測定装置100で再度、被測定者の生体情報を測定し直す。そして、再測定された生体情報測定装置100がホストでなければ、測定された生体情報がホストの生体情報測定装置100に送信される。
【0049】
図4に戻って、ステップS112の後、および、生体情報の履歴の確認操作がないと判断した場合(ステップS111でNOと判断した場合)、ステップS113で、制御部110は、当該機器で測定し直しされたか否か、または、他の生体情報測定機器100から測定し直したデータを受信したか否かを判断する。
【0050】
測定し直しされたと判断した場合(ステップS113でYESと判断した場合)、ステップS114で、制御部110は、測定し直した生体情報を確定候補として表示部140に表示する。
【0051】
図8は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の測定し直し後の確定候補の表示画面を示す図である。ここでは、生体情報のうち図7の履歴の4行目の確定表示の体温の36.2℃に疑義を持った場合を示す。この場合は、体温計100Bで体温が再度、計測され、計測された体温のデータがホストの生体情報測定機器100の血圧計100Aに送信される。
【0052】
図8を参照して、図7で確定表示であった3行目の体温のデータの枠が外され、新たに、6行目で、体温計100Aから、2010年4月1日の17:33に受信された体温が36.5℃であること、および、このデータが、現在の時点で最新のデータであるので枠付きで表示され、確定候補であることが示される。
【0053】
図4に戻って、ステップS114の後、および、測定し直しされていないと判断した場合(ステップS113でNOと判断した場合)、ステップS115で、確定候補の生体情報を確定させる確定操作が、操作者(たとえば、看護師)によって操作部130で行なわれたか否かを判断する。
【0054】
確定操作が行なわれたと判断した場合(ステップS115でYESと判断した場合)、ステップS116で、制御部110は、確定確認画面を表示部140に表示させる。
【0055】
図9は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の確定を確認する表示画面を示す図である。図9を参照して、図8で説明した画面での確定候補が、1つの行にまとめて表示される。このとき、計時機能を有する生体情報測定機器100の測定時刻が、代表の時刻とされる。そして、確定確認画面には、確定候補の生体情報を確定してもよいか否かを確認する表示が含まれる。
【0056】
図4に戻って、ステップS117で、制御部110は、確定確認画面が表示されているときに確定候補の生体情報を確定させる確定操作が、操作者(たとえば、看護師)によって操作部130で行なわれたか否かを判断する。確定操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS117でNOと判断した場合)、制御部110は、ステップS117の処理を繰返す。
【0057】
一方、確定操作が行なわれたと判断した場合(ステップS117でYESと判断した場合)、ステップS118で、制御部110は、確定候補の生体情報を、当該被測定者の確定生体情報として、通信ネットワーク900を介してサーバ200に送信するよう通信部190を制御する。
【0058】
ステップS118の後、および、確定確認画面が表示されていない状態で確定操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS115でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0059】
図10は、第1の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の確定後の確定候補の表示画面を示す図である。図10を参照して、確定生体情報がサーバ200に送信された後に、ステップS111で確認操作が行なわれたと判断されると、確定操作後の履歴が画面に表示可能な件数に達するまでの間は、1行目で示されるように、前回確定された確定生体情報が表示される。
【0060】
以上説明したように、第1の実施の形態の生体情報測定システム10Aによれば、次のような効果が奏される。
【0061】
(1) 生体情報測定システム10Aは、患者などの被測定者の生体情報を測定するシステムである。生体情報測定システム10Aは、特定の患者の複数種類の生体情報をそれぞれ測定する複数の生体情報測定装置100を備える。生体情報測定システム10Aによって、図4のステップS112で説明したように、所定の選択基準(本実施の形態においては、最新の生体情報を選択するという基準)に基づいて、生体情報測定装置100によって測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択され、図4のステップS118で説明したように、選択された記録生体情報が、事後的に確認可能なようにサーバ200で記録される。
【0062】
このように、生体情報測定システム10Aによって、特定の患者の複数種類の生体情報がそれぞれ測定され、所定の選択基準に基づいて、測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択され、選択された記録生体情報が、事後的に確認可能なように記録される。その結果、効率よく信頼性の高い生体情報を確実に記録することができる。
【0063】
(2) また、生体情報測定システム10Aによって、図4のステップS117で説明したように、選択された記録生体情報を記録するか否かの確認の入力を受付けられ、図4のステップS118で説明したように、記録するとの入力が受付けられた記録生体情報が記録される。
【0064】
(3) また、生体情報測定システム10Aは、複数の測定部150をそれぞれ備える複数の生体情報測定装置100と、記録部220を備えるサーバ200とを含む。
【0065】
(4) また、生体情報測定システム10Aは、複数の測定部150をそれぞれ備える複数の生体情報測定装置100を含み、そのうちの1つによって、さらに、所定の選択基準に基づいて、生体情報測定装置100によって測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択される。
【0066】
(5) また、生体情報測定システム10Aは、複数の測定部150をそれぞれ備える複数の生体情報測定装置100を含み、生体情報測定装置100のうちの1つ(本実施の形態においては血圧計100A)によって、さらに、所定の選択基準(本実施の形態においては、最新の生体情報を選択するという基準)に基づいて、生体情報測定装置100によって測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報が選択される。
【0067】
(6) さらに、生体情報測定装置100は、計時機能付の生体情報測定装置(本実施の形態においては血圧計100A)と計時機能無の生体情報測定装置(本実施の形態においては体温計100B、パルスオキシメータ100C)とを含む。計時機能付の生体情報測定装置によって、測定部150によって生体情報が測定された時刻が特定される。サーバ200によって、ホストの生体情報測定装置100によって選択された記録生体情報のうち、計時機能付の生体情報測定装置の測定部150によって測定された記録生体情報の測定時刻として、特定された時刻が記録されるとともに、計時機能無の生体情報測定装置の測定部150によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時機能無の生体情報測定装置から計時機能付の生体情報測定装置に生体情報が送信された時刻が記録される。
【0068】
(7) なお、次のようにしてもよい。生体情報測定装置100は、計時機能付の生体情報測定装置(本実施の形態においては血圧計100A)と計時機能無の生体情報測定装置(本実施の形態においては体温計100B、パルスオキシメータ100C)とを含む。計時機能付の生体情報測定装置によって、測定部150によって生体情報が測定された時刻が特定される。サーバ200によって、ホストの生体情報測定装置100によって選択された記録生体情報のうち、計時機能付の生体情報測定装置の測定部150によって測定された記録生体情報の測定時刻として、特定された時刻が記録されるとともに、計時機能無の生体情報測定装置の測定部150によって測定された記録生体情報の測定時刻として、計時機能無の生体情報測定装置から計時機能付の生体情報測定装置に生体情報が送信された時間に最も近い生体情報の測定時刻として特定された時刻が記録される。
【0069】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、時間帯を特に区切ることなく、前回確定後の生体情報から、図4のステップS112で確定候補が選択され、ステップS118で確定された確定生体情報がサーバ200に送信されるようにした。第2の実施の形態においては、前回確定後、現在までの複数の時間帯(たとえば、複数の2時間の時間帯)ごとに、生体情報から確定候補が選択され、確定生体情報がサーバ200に送信されるようにする。
【0070】
第2の実施の形態の場合は、図4のステップS112で、時間帯ごとに、履歴のうち書く生体情報の最新のものを確定候補として表示させるようにする。
【0071】
図11は、第2の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の確定候補の表示画面を示す図である。図11を参照して、ここでは、測定履歴には、15時から17までの時間帯、および、17時から19までの時間帯の2つの時間帯のものが含まれ、それぞれの時間帯ごとに、確定候補の生体情報が枠付きで表示されている。なお、それぞれの時間帯ごとの確定候補を色分けをして表示するようにしてもよい。
【0072】
以上説明したように第2の実施の形態の生体情報測定システムによれば、第1の実施の形態で説明した効果に加えて、次のような効果が奏される。
【0073】
(1) 生体情報測定システムによって、生体情報の種類ごとに各時間帯ごとの最新の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、生体情報が選択される。
【0074】
このため、時間帯ごとに生体情報を測定する必要がある場合であっても、複数の時間帯について、一度に、生体情報を自動選択することが可能になる。
【0075】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態においては、図4のステップS112で行なわれる生体情報の選択は、最新の生体情報を選択するという基準に基づいて行なわれるようにした。第3の実施の形態においては、生体情報の選択は、測定された生体情報の算出された信頼度が高い生体情報を選択するという基準に基づいて行なわれるようにする。
【0076】
図12は、第3の実施の形態における生体情報測定システム10Bのシステム構成を示す図である。図12を参照して、第3の実施の形態における生体情報測定システム10Bにおいては、第1の実施の形態における生体情報測定システム10Aに含まれる各生体情報測定機器100で、さらに、測定した生体情報の信頼度を算出するようにする。
【0077】
図13は、第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の未測定時の表示画面を示す図である。図14は、第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の測定終了時の表示画面を示す図である。図13および図14を参照して、これらの画面図においては、それぞれ、図5および図6で説明した画面図に加えて、各生体情報の信頼度の表示領域を設けるようにする。
【0078】
図15は、第3の実施の形態におけるホストの生体情報測定機器100の確定候補の表示画面を示す図である。図15を参照して、血圧計100Aで測定される生体情報(最高血圧、最低血圧、脈拍)は、12時0分および17時30分に測定されているが、12時0分に測定された生体情報の方が信頼度が高いため、12時に測定された生体情報が確定候補として枠付きで表示されている。
【0079】
また、体温計100Bで測定される生体情報(体温)は、12時1分および17時31分に測定されているが、12時1分に測定された生体情報の方が信頼度が高いため、12時1分に測定された生体情報が確定候補として枠付きで表示されている。
【0080】
以上説明したように第3の実施の形態の生体情報測定システムによれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した効果に加えて、次のような効果が奏される。
【0081】
(1) 生体情報測定システム10Bによって、測定部150によって測定された生体情報の信頼度が算出され、算出された信頼度が高い生体情報を選択するという選択基準に基づいて、生体情報が選択される。
【0082】
これにより、より良い生体情報のデータがサーバ200で蓄積されるようにすることができる。
【0083】
なお、生体情報測定システム10Bによって、測定部150によって測定された生体情報の信頼度が算出され、算出された信頼度が所定値以上の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、生体情報が選択されるようにしてもよい。
【0084】
[変形例]
次に、前述した実施の形態の変形例を説明する。
【0085】
(1) 前述した実施の形態においては、図4のステップS101、ステップS102で説明したように、データ収集タイミングであると判断された場合に各生体情報測定機器100から生体情報を収集するようにした。
【0086】
しかし、これに限定されず、各生体情報測定機器100が、それぞれのタイミングで、生体情報を測定し、測定した生体情報をホストの生体情報測定機器100に送信し、ホストの生体情報測定機器100は、送信されてきた生体情報を収集するようにしてもよい。
【0087】
(2) 前述した実施の形態においては、計時機能を有さない生体情報測定機器100から受信した生体情報の計測時刻は、当該生体情報が計時機能付きのホストの生体情報測定機器100で受信された時刻であることとした。
【0088】
しかし、これに限定されず、計時機能を有さない生体情報測定機器100から受信した生体情報の計測時刻は、ホストの生体情報測定機器100で確定操作がされた時刻とするようにしてもよいし、当該生体情報が計時機能付きのホストの生体情報測定機器100で受信された時刻に最も近い時刻に測定された生体情報の測定時刻とするようにしてもよい。
【0089】
(3) 前述した実施の形態においては、複数のホストの生体情報測定機器100から受信した、被測定者ごとに確定された生体情報を、サーバ200で記憶するようにした。しかし、これに限定されず、さらに、複数のサーバ200で記憶されている、被測定者ごとの確定された生体情報を、さらに上位サーバで記憶するようにしてもよい。
【0090】
(4) 前述した実施の形態においては、ホストの生体情報測定機器100から受信した、被測定者ごとに確定された生体情報を、サーバ200で記憶するようにした。しかし、これに限定されず、いずれかのホストの生体情報測定機器100が、サーバ200の機能を有するようにしてもよい。
【0091】
(5) 前述した実施の形態においては、図4のステップS117で説明したように、ホストの生体情報測定機器100で、被測定者ごとの生体情報が確定され、サーバ200に送信されるようにした。しかし、これに限定されず、ホストの生体情報測定機器100で収集されたすべての生体情報が、サーバ200に送信されるようにして、サーバ200で、被測定者ごとの生体情報が確定され、サーバ200の上位サーバに送信されるようにしてもよい。
【0092】
(6) 前述した実施の形態においては、図4のステップS117で説明したように、ホストの生体情報測定機器100で、他の生体情報測定機器100からの生体情報が収集されるようにした。しかし、これに限定されず、サーバ200が、ホストの生体情報測定機器100で行われている生体情報の収集を行なうようにしてもよい。つまり、サーバ200で、すべての生体情報測定機器100からの生体情報が収集されるようにしてもよい。
【0093】
(7) 前述した実施の形態においては、生体情報測定システムの発明として説明した。しかし、これに限定されず、生体情報測定システムで実行される生体情報を測定するための方法の発明として捉えることができる。
【0094】
(8) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
10A,10B 生体情報測定システム、100 生体情報測定機器、100A 血圧計、100B 体温計、100C パルスオキシメータ、110 制御部、120 メモリ、130 操作部、140 表示部、150 測定部、151 カフ、190 通信部、200 サーバ、210 制御部、220 記憶部、230 操作部、240 表示部、290 通信部、900 通信ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生体情報を測定する生体情報測定システムにおいて、
特定の患者の複数種類の生体情報をそれぞれ測定する複数の測定手段と、
所定の選択基準に基づいて、前記測定手段によって測定された複数種類の生体情報それぞれのうちから記録として残す生体情報の種類ごとの記録生体情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された記録生体情報を、事後的に確認可能なように記録する記録手段とを備えた、生体情報測定システム。
【請求項2】
前記選択手段によって選択された記録生体情報を記録するか否かの確認の入力を受付ける確認受付手段をさらに備え、
前記記録手段は、前記確認受付手段によって記録するとの入力が受付けられた記録生体情報を記録する、請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項3】
前記選択手段は、生体情報の種類ごとに各時間帯ごとの最新の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、前記生体情報を選択する、請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項4】
前記測定手段によって測定された生体情報の信頼度を算出する算出手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記算出手段によって算出された信頼度が所定値以上の生体情報を選択するという選択基準に基づいて、前記生体情報を選択する、請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項5】
前記生体情報測定システムは、複数の前記測定手段をそれぞれ備える複数の測定装置と、前記記録手段を備えるサーバとを含む、請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項6】
前記生体情報測定システムは、複数の前記測定手段をそれぞれ備える複数の測定装置を含み、
前記測定装置のうちの1つは、さらに、前記選択手段を備える、請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項7】
前記測定装置は、計時機能付測定装置と計時機能無測定装置とを含み、
前記計時機能付測定装置は、さらに、
前記測定手段によって生体情報が測定された時刻を特定する計時手段を備え、
前記記録手段は、前記選択手段によって選択された記録生体情報のうち、前記計時機能付測定装置の前記測定手段によって測定された記録生体情報の測定時刻として、前記計時手段によって特定された時刻を記録するとともに、前記計時機能無測定装置の前記測定手段によって測定された記録生体情報の測定時刻として、前記計時手段によって特定された時刻を記録する、請求項5または請求項6に記載の生体情報測定システム。
【請求項8】
前記測定装置は、計時機能付測定装置と計時機能無測定装置とを含み、
前記計時機能付測定装置は、さらに、
前記測定手段によって生体情報が測定された時刻を特定する計時手段を備え、
前記記録手段は、前記選択手段によって選択された記録生体情報のうち、前記計時機能付測定装置の前記測定手段によって測定された記録生体情報の測定時刻として、前記計時手段によって特定された時刻を記録するとともに、前記計時機能無測定装置の前記測定手段によって測定された記録生体情報の測定時刻として、前記計時機能無測定装置から前記計時機能付測定装置に前記生体情報が送信された時刻を記録する、請求項5または請求項6に記載の生体情報測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−17729(P2013−17729A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154665(P2011−154665)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】