生体情報測定装置
【課題】インピーダンスの測定値の校正作業を簡単に行うことが可能な生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】本体11の測定面には、右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dが設けられる。表示ユニット20には、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)と、複数の基準抵抗と、
複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択する選択部70Aと、が設けられる。表示ユニット20が測定面上に載せられると、本体11内の測定部制御ボード60は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から選択部70Aで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路のインピーダンスを測定するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する。そして、測定部制御ボード60は、その測定結果に基づいて校正用データを生成する。
【解決手段】本体11の測定面には、右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dが設けられる。表示ユニット20には、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)と、複数の基準抵抗と、
複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択する選択部70Aと、が設けられる。表示ユニット20が測定面上に載せられると、本体11内の測定部制御ボード60は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から選択部70Aで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路のインピーダンスを測定するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する。そして、測定部制御ボード60は、その測定結果に基づいて校正用データを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の生体情報を測定するための生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被験者の生体インピーダンスの値に基づいて、被験者の生体情報を測定するという技術が知られている。例えば特許文献1には、被験者の手や足に測定電極を接触させて測定されるインピーダンスに基づいて、被験者の体脂肪などの体組成情報を測定する体組成測定装置(生体情報測定装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−11906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような生体情報測定装置では、被験者の生体インピーダンスの測定結果に基づいて体脂肪などの生体情報を導き出すので、インピーダンスの測定精度が十分に確保されていることが重要である。従来は、サービス業者が、インピーダンスの測定誤差の校正を行うための校正用装置を用いて校正作業を行っていたが、校正作業のたびに、生体情報測定装置とは別の校正用装置を持ち込んで作業を行う必要があるために、校正作業自体が煩わしいものになっていた。
【0005】
以上の事情に鑑みて、本発明は、インピーダンスの測定値の校正作業を簡単に行うことが可能な生体情報測定装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の形態に係る生体情報測定装置は、被験者の生体インピーダンスに基づいて被験者の生体情報を測定する本体と、被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、本体は、測定面上に配置され、被験者の右足に接触する第1電極(右足用電流電極14a)および第2電極(右足用電圧電極14b)と、測定面上に配置され、被験者の左足に接触する第3電極(左足用電流電極14c)および第4電極(左足用電圧電極)と、第1電極と第3電極との間に測定電流を出力する電流出力部と、第2電極と第4電極との間の電圧を検出する電圧検出部と、測定電流と、電圧検出部で検出された電圧とに基づいて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、表示ユニットは、一方の面に設けられた表示部と、一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、第1校正用電極と第2校正用電極とを短絡させる第1配線と、第3校正用電極と第4校正用電極とを短絡させる第2配線と、それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗(第1基準抵抗Rf1,第2基準抵抗Rf2)と、複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、第1配線上の第1ノードと、第2配線上の第2ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、第1ないし第4校正用電極は、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられた場合に、第1校正用電極は第1電極と、第2校正用電極は第2電極と、第3校正用電極は第3電極と、第4校正用電極は第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられたとき、インピーダンス測定部は、第1電極および第3電極のうちの何れか一方の電極から、選択部で選択された基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定し、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成することを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の形態においては、第1校正用電極が第1電極と、第2校正用電極が第2電極と、第3校正用電極が第3電極と、第4校正用電極が第4電極とそれぞれ接触するように、表示ユニットが本体の測定面に載せられると、インピーダンス測定部は、第1電極および第3電極のうちの何れか一方の電極から、選択部で選択された基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定する。そして、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成する。すなわち、第1の形態によれば、表示ユニットを本体の測定面に載せるだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う場合に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【0008】
上述の第1の形態の態様として、本体は、被験者が測定面に載って、当該被験者の右足が第1電極および第2電極に接触する一方、当該被験者の左足が第3電極および第4電極に接触したときに、インピーダンス測定部にて測定されたインピーダンスの値を、校正用データを用いて校正する校正部をさらに備える。これにより、インピーダンスの測定値の誤差が校正されるので、インピーダンスの測定精度を十分に確保できる。
【0009】
上述の第1の形態の態様として、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられたとき、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、当該判定処理の結果が否定である場合は、校正用データの生成を行わない。
【0010】
また、表示ユニットは、上記判定処理の結果が否定である場合は、第1ないし第4校正用電極と、第1ないし第4電極とのそれぞれの接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを表示部に表示するように制御する。これにより、ユーザーは、本体の測定面上における表示ユニットの位置が適切であるか否かを知ることができる。
【0011】
一方、表示ユニットは、上記判定処理の結果が肯定である場合は、インピーダンス測定部による測定結果を表示部に表示するように制御する。これにより、ユーザーは、本体の測定面上における表示ユニットの位置が適切である場合は、インピーダンス測定部による測定結果を知ることができるという具合である。
【0012】
また、本発明に係る生体情報測定装置の第2の形態として、被験者の生体インピーダンスに基づいて被験者の生体情報を測定する本体と、本体に接続される第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと、被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、第1把持電極ユニットは、被験者の右手に接触する第5電極(右手用電流電極26a)および第6電極(右手用電圧電極27a)と、第5電極と接続された第1端子と、第6電極と接続された第2端子と、を有し、第2把持電極ユニットは、被験者の左手に接触する第7電極(左手用電流電極26b)および第8電極(左手用電圧電極27b)と、第7電極と接続された第3端子と、第8電極と接続された第4端子と、を有し、本体は、測定面上に配置され、被験者の右足に接触する第1電極(右足用電流電極14a)および第2電極(右足用電圧電極14b)と、測定面上に配置され、被験者の左足に接触する第3電極(左足用電流電極14c)および第4電極(左足用電圧電極14d)と、第1、3、5および7電極のうち何れか2つの間に測定電流を出力する電流出力部と、第2、4、6および8電極のうち何れか2つの間の電圧を検出する電圧検出部と、測定電流を供給する2つの電極と電圧を検出する2つの電極とを切り替えて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、表示ユニットは、一方の面に設けられた表示部と、一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、第1端子と接続可能な第5校正用電極、第2端子と接続可能な第6校正用電極、第3端子と接続可能な第7校正用電極、および、第4端子と接続可能な第8校正用電極と、第1校正用電極と第2校正用電極とを短絡させる第1配線、第3校正用電極と第4校正用電極とを短絡させる第2配線、第5校正用電極と第6校正用電極とを短絡させる第3配線、および、第7校正用電極と第8校正用電極とを短絡させる第4配線と、第1配線上の第1ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第1の基準抵抗群と、第2配線上の第2ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第2の基準抵抗群と、第3配線上の第3ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第3の基準抵抗群と、第4配線上の第4ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第4の基準抵抗群と、第1ないし第4の基準抵抗群の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、当該基準抵抗群に対応するノードと共通ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、第1ないし第4校正用電極は、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられた場合に、第1校正用電極は第1電極と、第2校正用電極は第2電極と、第3校正用電極は第3電極と、第4校正用電極は第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられ、かつ、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されて、第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットが表示ユニットに接続されたとき、インピーダンス測定部は、第1、3、5および7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、第2、4、6および8電極のうちの何れか2つの間の電圧とに基づいてインピーダンスを測定し、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の形態においては、第1校正用電極が第1電極と、第2校正用電極が第2電極と、第3校正用電極が第3電極と、第4校正用電極が第4電極とそれぞれ接触するように、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられ、かつ、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されると(第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと表示ユニットが接続されると)、インピーダンス測定部は、第1、3、5、7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、第2、4、6、8電極のうちの何れか2つの間の電位差とに基づいてインピーダンスを測定する。そして、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成する。すなわち、第2の形態によれば、表示ユニットの裏面を本体の測定面上に載せるとともに、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とをそれぞれ接続する(第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと表示ユニットを接続する)だけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う場合に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置の外観を示す斜視図である。
【図2】表示ユニットを裏面側から見たときの平面図である。
【図3】第1実施形態に係る生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態におけるインピーダンス測定ボードの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】複数の基準抵抗と、第1ないし第4校正用電極との接続関係を説明するための図である。
【図6】校正用データ生成処理の具体的な内容を示すフローチャートである。
【図7】校正用データ生成処理で得られた校正用データの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る生体情報測定装置の外観を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態におけるインピーダンス測定ボードの詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態における生体電気インピーダンスの測定を説明するための図である。
【図12】複数の基準抵抗群と、第1ないし第8校正用電極との接続関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、生体情報測定装置100は、本体11と、本体11に固定された支柱12と、支柱12に対して分離可能な表示ユニット20とを備える。平たい本体11は、水平な測定面13を有する。測定面13上には、測定用電極14が設置される。より具体的には、測定面13上には、左右一対の右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cと、左右一対の右足用電圧電極14bおよび左足用電圧電極14dとが設置される。右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dの各々は、例えばステンレス鋼といった金属材料その他の導電材から形成される。生体情報測定装置100の利用者(ユーザー)が測定面13上に載ると、ユーザーの右足の足裏は右足用電流電極14aおよび右足用電圧電極14bに接触する一方、ユーザーの左足の足裏は左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dに接触するという具合である。
【0016】
図1に示すように、測定面13の前方で本体11には支柱12が固定される。支柱12は、本体11から鉛直方向の上向きに立ち上がる(延在する)。ここで、鉛直方向の下向きは重力方向に一致する。支柱12の延在方向の先端には、表示ユニット20が分離可能に連結される。略板状の表示ユニット20は、支柱12に連結される側の面21(「裏面21」)と、裏面21に対向する面22(「表面22」と呼ぶ)とを有する。表示ユニット20の表面22には、表示部23と、入力キー(図示省略)とが設けられる。表示部23には様々な情報が表示される。情報には、例えばユーザーの体重、体脂肪率、生体インピーダンスといった情報が含まれる。また、ユーザーが入力キーを操作すると、その操作に応じて、表示ユニット20には指令やデータが入力され得る。
【0017】
図2は、表示ユニット20を、その裏面21側から見たときの平面図である。図2に示すように、表示ユニット20の裏面21には、校正用電極30が設けられる。より具体的には、表示ユニット20の裏面21には、第1校正用電極30a、第2校正用電極30b、第3校正用電極30cおよび第4校正用電極30dの4つからなる校正用電極30が設けられる。本実施形態では、支柱12から取り外した表示ユニット20は、本体11の測定面13上に載せることが可能である。第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)は、表示ユニット20の裏面21が本体11の測定面13上に載せられた場合に、第1校正用電極30aは右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bは右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cは左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dは左足用電圧電極14dと、それぞれ接触できるように配置される。
【0018】
図3は、本実施形態に係る生体情報測定装置100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本体11内には重量測定ボード40が組み込まれる。重量測定ボード40には、重量センサ42が接続される。被験者(ユーザー)が本体11の測定面13に載ると、重量センサ42は、当該被験者の重量に応じた電気信号を出力する。重量センサ42から出力された電気信号は重量測定ボード40に供給される。重量測定ボード40は、重量センサ42から出力された電気信号に基づいて、当該被験者の重量値を示す重量信号を生成する。このようにして、重量測定ボード40は、測定面13上に載せられた対象物の重量値を示す重量信号(測定値データ)を生成する。
【0019】
図3に示すように、本体11内にはインピーダンス測定ボード50Aが組み込まれる。インピーダンス測定ボード50Aには、本体11の測定面13上に設けられた右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dが接続される。インピーダンス測定ボード50Aは、いわゆる4電極法によって被験者の生体インピーダンスを測定することができる。
【0020】
図4は、第1実施形態に係るインピーダンス測定ボード50Aの詳細な構成を示すブロック図である。図4に示すように、インピーダンス測定ボード50Aは、交流電流出力回路51と、基準電流検出回路52と、電圧検出回路53と、A/D変換器54と、インピーダンス測定ボード50A全体の動作を統括するとともに各種の制御処理を実行する制御部55とを備える。交流電流出力回路51は基準電流Irefを生成する。交流電流出力回路51は、基準電流Irefの実効値が予め定められた値となるように、当該基準電流Irefを生成する。基準電流検出回路52は、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に流れる基準電流Irefの大きさを検出して電流データDiとして制御部55に出力するとともに、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに接触する導電体(例えば人体)に基準電流Irefを通電する。右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに人体などの導電体が接触した場合は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、当該導電体を介して他方の電極へ至る電流経路が形成され、当該電流経路には基準電流Irefが流れる。すなわち、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに導電体が接触している場合は、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に基準電流Irefが流れる。他方、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに導電体が接触していない場合は、電流経路が形成されず、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に基準電流Irefは流れないという具合である。
【0021】
さらに、電圧検出回路53は、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出して電圧信号ΔVを生成する。A/D変換器54は、電圧信号ΔVをアナログ信号からデジタル信号に変換し電圧データDvとして制御部55に出力する。制御部55は、電圧データDvと電流データDiとに基づいて、インピーダンス(=Dv/Di)を算出する。このようにして、インピーダンス測定ボード50Aは、インピーダンス値を示すインピーダンス信号(測定値データ)を生成する。
【0022】
再び図3に戻って説明を続ける。図3に示すように、本体11内には測定部制御ボード60が組み込まれる。測定部制御ボード60には、重量測定ボード40およびインピーダンス測定ボード50Aが接続される。測定部制御ボード60は、重量測定ボード40およびインピーダンス測定ボード50Aから測定値データである重量信号とインピーダンス信号とを取得する。測定部制御ボード60は、重量信号およびインピーダンス信号を用いて、生体に関する生体情報を算出する。算出される生体情報としては、生体の体組成に関する指標が含まれる。体組成に関する指標としては、体脂肪率などが挙げられる。この算出にあたって前述の重量値およびインピーダンス値が用いられる。算出方法は、例えばソフトウェアプログラムに基づき設定される。ソフトウェアプログラムは例えば不揮発性メモリ(図示省略)に格納されればよい。
【0023】
図3に示すように、表示ユニット20内には、それぞれの抵抗値が互いに異なる第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の何れか一方を選択する選択部70Aとが設けられる。図5は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)との接続関係を説明するための図である。図5に示すように、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2は、第1校正用電極30aと第2校正用電極30bとを短絡させる第1配線L1上の第1ノードND1と、第3校正用電極30cと第4校正用電極30dとを短絡させる第2配線L2上の第2ノードND2との間に配置される。本実施形態では、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ノードND1との間には、選択用スイッチSWが設けられる。選択用スイッチSWは、選択部70Aから出力される選択信号SELに応じて、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうちの何れか一方を、第1ノードND1に導通させる。つまり、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうち選択部70Aによって選択された基準抵抗は、第1配線L1上の第1ノードND1と、第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるという具合である。
【0024】
再び図3に戻って説明を続ける。図3に示すように、表示ユニット20内には、表示部制御ボード80が組み込まれる。表示部制御ボード80には、表示部23と入力キー24と選択部70Aとが接続される。ユーザーが入力キー24を操作することで、各種のデータや指令が表示部制御ボード80に入力される。表示部制御ボード80は、その入力されたデータや指令に応じて、表示部23や選択部70Aを制御する。また、表示部制御ボード80は、ケーブル1を介して本体20内の測定部制御ボード60と接続される。表示部制御ボード80にはコネクタ2、測定部制御ボード60にはコネクタ3が実装される。ケーブル1の両端にはコネクタ4、5が接続される。コネクタ2、3はそれぞれコネクタ4、5に着脱自在に接続される。こうして、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60との間に信号線が確立され、表示部制御ボード80および測定部制御ボード60の間で信号のやり取りが行われる。
【0025】
また、図3に示すように、本体11内には、電源ボード90が組み込まれる。電源ボード90は、測定部制御ボード60と接続される。電源ボード90からの電力は測定部制御ボード60に供給される。そして、測定部制御ボード60から、重量測定ボード40、インピーダンス測定ボード50Aおよび表示部制御ボード80に電力が供給されるという具合である。
【0026】
次に、生体情報測定装置100のユーザーまたはサービス業者が、インピーダンス測定ボード50Aの校正作業を行う場面を想定する。まず、ユーザーまたはサービス業者は、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せる。具体的には、ユーザーまたはサービス業者は、第1校正用電極30aが右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bが右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cが左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dが左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20の裏面21を測定面13上に載せるという具合である。続いて、ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して電源を投入すると、表示ユニット20の表示部23には、ユーザー(被験者)の生体情報の測定を実行する測定モード、および、インピーダンス測定ボード50Aの校正に用いられる校正用データを生成する校正モードのうちの何れかを選択することを促す画面が表示される。ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して校正モードを選択すると、表示ユニット20内の表示部制御ボード80は、校正モードが選択されたことを示す情報を本体11内の測定部制御ボード60へ送信する。測定部制御ボード60は、その情報を受信すると、生体情報測定装置100の動作モードを校正モードに設定して、校正用データを生成する処理(「校正用データ生成処理」と呼ぶ)を開始する。
【0027】
図6は、本実施形態に係る生体情報測定装置100が実行する校正用データ生成処理の具体的な内容を示すフローチャートである。まず、測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗RF2のうち第1基準抵抗Rf1を選択するように表示ユニット20を制御する(ステップS1)。具体的には、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1の選択を指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、第1基準抵抗Rf1を選択するように選択部70Aを制御する。前述したように、選択部70Aにて選択された第1基準抵抗Rf1は、第1配線L1上の第1ノードND1と第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるので、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、第1基準抵抗Rf1を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。
【0028】
ステップS1の後、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する(ステップS2)。インピーダンス測定ボード50Aは、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から第1基準抵抗Rf1を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出し、その測定値データを測定部制御ボード60へ送る。このときの測定値データの理想値は、第1基準抵抗Rf1の抵抗値に等しい値となる。
【0029】
測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の結果が否定である場合、つまり、インピーダンスの測定値データが所定の範囲外の値を示すものであった場合、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止する。そして、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS4)。具体的には、測定部制御ボード60は、エラーメッセージの表示を指示する信号を表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、エラーメッセージを表示するように表示部23を制御する。これにより、ユーザーまたはサービス業者は、表示ユニット20が測定面13上の適切な位置に載せられていないことを認識できる。この場合、ユーザーまたはサービス業者は、測定面13上における表示ユニット20の位置を修正したうえで、再び入力キー24を操作して校正モードを選択する。これにより、再び校正用データ生成処理が開始されるという具合である。
【0030】
一方、ステップS3の結果が肯定である場合、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS5)。具体的には、測定部制御ボード60は、当該測定値データの表示を指示する信号を表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、当該測定値データを表示するように表示部23を制御するという具合である。
【0031】
ステップS5の後、測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうち第2基準抵抗Rf2を選択するように表示ユニット20を制御する(ステップS6)。具体的には、測定部制御ボード60は、第2基準抵抗Rf2の選択を指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、第2基準抵抗Rf2を選択するように選択部70Aを制御する。選択部70Aにて選択された第2基準抵抗Rf2は、第1配線L1上の第1ノードND1と第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるので、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、第2基準抵抗Rf2を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。
【0032】
ステップS6の後、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する(ステップS7)。インピーダンス測定ボード50Aは、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から第2基準抵抗Rf2を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出し、その測定値データを測定部制御ボード60へ送る。このときの測定値データの理想値は、第2基準抵抗Rf2の抵抗値に等しい値となる。
【0033】
測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであるか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の結果が否定である場合、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止する。そして、測定部制御ボード60は、前述のステップS4と同様に、エラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS9)。一方、ステップS8の結果が肯定である場合、測定部制御ボード60は、前述のステップS5と同様に、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS10)。
【0034】
ステップS10の後、測定部制御ボード60は、上述のインピーダンスの測定結果に基づいて、校正用データを作成するとともに、その校正用データをメモリ(不図示)に記憶する(ステップS11)。より具体的には、以下のとおりである。いま、第1基準抵抗Rf1の値が100Ω、第2基準抵抗Rf2の値が300Ωである一方、図6のステップS2のインピーダンス測定処理での測定値データが90Ωを示し、図6のステップS7のインピーダンス測定処理での測定値データが320Ωを示す場合を想定する。この場合、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の値(つまり真のインピーダンス値)と、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データとに基づいて、校正用データを作成する。校正用データは、測定値データと真のインピーダンス値との関係を示すデータである。より具体的には、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の値と、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データとに基づいて、以下の式(1)で表される校正用データを作成し、その作成した式をメモリ(不図示)に記憶する。
Y=a×X+b ・・・(1)
上記式(1)において、Yは真のインピーダンス値を示し、Xは測定値データを示す。なお、aおよびbは定数である。
本実施形態では、測定部制御ボード60が作成する校正用データは、図7に示されるような直線を表す式であるが、これに限らず、測定部制御ボード60は、測定値データと真のインピーダンス値とが対応付けられたデータテーブルを校正用データとして作成してもよい。以上で、校正用データ生成処理は終了する。
【0035】
測定部制御ボード60は、測定モードにおいてインピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、上述の校正用データ生成処理で作成した校正用データを用いて校正する。より具体的には、以下のとおりである。ユーザーが、表示ユニット20の入力キー24を操作して測定モードを選択すると、本体11内の測定部制御ボード60は、生体情報測定装置100の動作モードを測定モードに設定する。そして、ユーザーが本体11の測定面13上に載って、当該ユーザーの右足が右足用電流電極14aおよび右足用電圧電極14bに接触する一方、当該ユーザーの左足が左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dに接触すると、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極からユーザー(人体)を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。このとき、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、メモリ(不図示)に記憶されている校正用データを用いて校正する。より具体的には、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、メモリ(不図示)に記憶されている上記式(1)に代入して、真のインピーダンス値を求めるという具合である。これにより、インピーダンスの測定精度が十分に確保されるという具合である。
【0036】
以上に説明したように、本実施形態では、第1校正用電極30aが右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bが右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cが左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dが左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20が本体11の測定面13上に載せられると、本体11内の測定部制御ボード60は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から選択部70Aで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路のインピーダンスを測定するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する。そして、測定部制御ボード60は、その測定結果と基準抵抗の値とに基づいて校正用データを生成する。すなわち、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せるだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置100とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う態様に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。また、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せるだけで校正用データが得られるので、サービス業者に限らず、生体情報測定装置100のユーザーであっても簡単に校正作業を行うことができるという利点もある。
【0037】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。本発明の第2実施形態に係る生体情報測定装置200は、両手用の電極を備え、これを用いてより正確に体幹部の生体電気インピーダンスを測定できる点で上述の第1実施形態と相違する。
【0038】
図8は、第2実施形態に係る生体情報測定装置200の外観を示す斜視図である。図8に示すように、支柱12には、所定の高さで、右手用の第1把持電極ユニット25aおよび左手用の第2把持電極ユニット25bが着脱自在に支持される。第1把持電極ユニット25aには、電流電極26および電圧電極27が取り付けられる。同様に、第2把持電極ユニット25bには、電流電極26および電圧電極27が取り付けられる。生体情報測定装置200のユーザー(被験者)が右手で第1把持電極ユニット25aを掴むと、電流電極26および電圧電極27は右手の手のひらに接触する。同様に、ユーザーが左手で第2把持電極ユニット25bを掴むと、電流電極26および電圧電極27は左手の手のひらに接触する。
【0039】
図9は、第2実施形態に係る生体情報測定装置200の構成を示すブロック図である。図9に示すように、第1把持電極ユニット25aには、右手用電流電極26aと、右手用電圧電極27aと、導線28を介して右手用電流電極26aが接続される第1端子T1と、導線28を介して右手用電圧電極27aと接続される第2端子T2とが設けられる。また、第2把持電極ユニット25bには、左手用電流電極26bと、左手用電圧電極27bと、導線28を介して左手用電流電極26bに接続される第3端子T3と、導線28を介して左手用電圧電極27bに接続される第4端子T4とが設けられる。
【0040】
第1把持電極ユニット25aは、1本のケーブル29aを介して本体11に搭載されたコネクタ32aに接続される。当該ケーブル29a内には、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aごとに信号線が設けられており、ケーブル29aの先端にはコネクタ33aが結合される。一方、本体11に搭載されたコネクタ32aはインピーダンス測定ボード50Bに接続される。コネクタ32aとインピーダンス測定ボード50Bとの間は、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aごとに信号線で接続されている。本体11に搭載されたコネクト32aと、ケーブル29aの先端に結合されたコネクタ33aとが連結されると、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aからインピーダンス測定ボード50Bまで個別の信号線が確立する。
【0041】
同様に、第2把持電極ユニット25bは、1本のケーブル29bを介して本体11に搭載されたコネクタ32bに接続される。当該ケーブル29b内には、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bごとに信号線が設けられており、ケーブル29bの先端にはコネクタ33bが結合される。一方、本体11に搭載されたコネクタ32bはインピーダンス測定ボード50Bに接続される。コネクタ32bとインピーダンス測定ボード50Bとの間は、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bごとに信号線で接続されている。本体11に搭載されたコネクト32bと、ケーブル29bの先端に結合されたコネクタ33bとが連結されると、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bからインピーダンス測定ボード50Bまで個別の信号線が確立する。このようにして、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bの各々は、本体11に対して着脱自在に接続されうる。
【0042】
図10は、第2実施形態におけるインピーダンス測定ボード50Bの詳細な構成を示すブロック図である。インピーダンス測定ボード50Bは、電極切替回路251および252を備える点を除いて、第1実施形態に係るインピーダンス測定ボード50Aと同様に構成されている。電極切替回路251および252は、制御部55の制御の下、インピーダンス測定に用いる電極を選択する。
【0043】
インピーダンス測定ボード50Bは、ユーザーの両手および両足に接触される8個の電極(14a,14b,14c,14d,26a,26b,27a,27b)を適宜選択することによって、当該ユーザーの所定の部位における生体インピーダンスを測定することが可能となる。例えば図11(A)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、左足用電圧電極14dと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、全身の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(B)に示すように、基準電流Irefを右足用電流電極14aと右手用電流電極26aとの間に供給し、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出すれば、右足の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(C)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出すれば、左足の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(D)に示すように、基準電流Irefを右足用電流電極14aと右手用電流電極26aとの間に供給し、右手用電圧電極27aと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、右手の生体インピーダンスを計測することができる。さらに、図11(E)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、右手用電圧電極27aと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、左手の生体インピーダンスを計測することができるという具合である。
【0044】
再び図9に戻って説明する。第2実施形態では、表示ユニット20は、第5校正用電極30e、第6校正用電極30f、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hを備える点で第1実施形態と相違する。第5校正用電極30eは、第1把持電極ユニット25aに設けられた第1端子T1と接続可能であり、第6校正用電極30fは、第1把持電極ユニット25aに設けられた第2端子T2と接続可能である。本実施形態では、第5校正用電極30eおよび第6校正用電極30fの各々は、オスのコネクタとして構成される一方、第1端子T1および第2端子T2の各々は、メスのコネクタとして構成される。そして、第5校正用電極30eおよび第6校正用電極30fが第1端子T1および第2端子T2とそれぞれ嵌合するように、第1把持電極ユニット25aが表示ユニット20に接続されると、第5校正用電極30eは第1端子T1を介して右手用電流電極26aと接続される一方、第6校正用電極30fは第2端子T2を介して右手用電圧電極27aと接続されるという具合である。このようにして、第1把持電極ユニット25aは表示ユニット20に対して着脱自在に接続され得る。
【0045】
同様に、第7校正用電極30gは、第2把持電極ユニット25bに設けられた第3端子T3と接続可能であり、第8校正用電極30hは、第2把持電極ユニット25bに設けられた第4端子T4と接続可能である。本実施形態では、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hの各々は、オスのコネクタとして構成される一方、第3端子T3および第4端子T4の各々は、メスのコネクタとして構成される。そして、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hが第3端子T3および第4端子T4とそれぞれ嵌合するように、第2把持電極ユニット25bが表示ユニット20に接続されると、第7校正用電極30gは第3端子T3を介して左手用電流電極26bと接続される一方、第8校正用電極30hは第4端子T4を介して左手用電圧電極27bと接続されるという具合である。このようにして、第2把持電極ユニット25bは表示ユニット20に対して着脱自在に接続され得る。
【0046】
図9に示すように、表示ユニット20内には、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗で各々が構成される複数の基準抵抗群Rgが設けられる。また、表示ユニット20内には、複数の基準抵抗群Rgの各々を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択する選択部70Bが設けられる。
【0047】
図12は、複数の基準抵抗群Rgと、第1ないし第8校正用電極(30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h)との接続関係を説明するための図である。図12に示すように、複数の基準抵抗群Rgは、第1の基準抵抗群Rg1、第2の基準抵抗群Rg2、第3の基準抵抗群Rg3および第4の基準抵抗群Rg4からなる。第1の基準抵抗群Rg1は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf11およびRf12からなる。第1の基準抵抗群Rg1は、第1校正用電極30aと第2校正用電極30bとを短絡させる第1配線L1上の第1ノードND1に対応して設けられる。より具体的には、図12に示すように、第1の基準抵抗群Rg1は、第1ノードND1と、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)が共通に接続される共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。
【0048】
図12に示すように、第1の基準抵抗群Rg1と第1ノードND1との間には、第1の選択用スイッチSW1が設けられる。第1の選択用スイッチSW1は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf11およびRf12のうちの何れか一方を、第1ノードND1に導通させる。つまり、基準抵抗Rf11およびRf12のうち選択部70Bによって選択された基準抵抗は、第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続されるという具合である。
【0049】
同様に、第2の基準抵抗群Rg2は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf13およびRf14からなる。第2の基準抵抗群Rg2は、第3校正用電極30cと第4校正用電極30dとを短絡させる第2配線L2上の第2ノードND2に対応して設けられる。より具体的には、第2の基準抵抗群Rg2は、第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第2の基準抵抗群Rg2と第2ノードND2との間には、第2の選択用スイッチSW2が設けられる。第2の選択用スイッチSW2は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf13およびRf14のうちの何れか一方を、第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0050】
また、第3の基準抵抗群Rg3は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf15およびRf16からなる。第3の基準抵抗群Rg3は、第5校正用電極30eと第6校正用電極30fとを短絡させる第3配線L3上の第3ノードND3に対応して設けられる。より具体的には、第3の基準抵抗群Rg3は、第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第3の基準抵抗群Rg3と第3ノードND3との間には、第3の選択用スイッチSW3が設けられる。第3の選択用スイッチSW3は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf15およびRf16のうちの何れか一方を、第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0051】
さらに、第4の基準抵抗群Rg4は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf17およびRf18からなる。第4の基準抵抗群Rg4は、第7校正用電極30gと第8校正用電極30hとを短絡させる第4配線L4上の第4ノードND4に対応して設けられる。より具体的には、第4の基準抵抗群Rg4は、第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第4の基準抵抗群Rg4と第4ノードND4との間には、第4の選択用スイッチSW4が設けられる。第4の選択用スイッチSW4は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf17およびRf18のうちの何れか一方を、第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0052】
次に、生体情報測定装置100のユーザーまたはサービス業者が、インピーダンス測定ボード50Bの校正作業を行う場面を想定する。まず、ユーザーまたはサービス業者は、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)が右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20の裏面21を測定面13上に載せ、かつ、第1ないし第4端子(T1,T2,T3,T4)が第5ないし第8校正用電極(30e,30f,30g,30h)とそれぞれ嵌合するように、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bを表示ユニット20に接続する。この状態で、ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して電源を投入すると、表示ユニット20の表示部23には、測定モードおよび校正モードのうちの何れかを選択することを促す画面が表示される。ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して校正モードを選択すると、測定部制御ボード60は校正用データ生成処理を開始する。
【0053】
第2実施形態における校正用データ生成処理では、測定部制御ボード60は、人体の各部位の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データを生成する。一例として、ここでは、全身の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データ(以下、「全身校正用データ」と呼ぶ)を生成する場合を想定する。測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1ないし第4の基準抵抗群(Rg1,Rg2,Rg3,Rg4)の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択するように表示ユニット20を制御するとともに、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Bを制御する。そして、測定部制御ボード60は、インピーダンスの測定結果に基づいて、全身校正用データを生成する。より具体的には以下のとおりである。
【0054】
まず、測定部制御ボード60は、第1の基準抵抗群Rg1の基準抵抗Rf11、第2の基準抵抗群Rg2の基準抵抗Rf13、第3の基準抵抗群Rg3の基準抵抗Rf15、および、第4の基準抵抗群Rg4の基準抵抗Rf17を選択することを指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、基準抵抗Rf11、Rf13、Rf15およびRf17を選択するように選択部70Bを制御する。これにより、基準抵抗Rf11は第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf13は第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf15は第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf17は第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続される。
【0055】
そして、測定部制御ボード60は、左足用電流電極14cおよび左手用電流電極26bのうちの一方の電極から、選択部70Bで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、左足用電圧電極14dと左手用電圧電極27bとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出するように、インピーダンス測定ボード50Bを制御する。上述の第1実施形態と同様に、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Bから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲外の値を示すものであった場合は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止してエラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する。一方、インピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであった場合は、その測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御するという具合である。
【0056】
次に、測定部制御ボード60は、第1の基準抵抗群Rg1の基準抵抗Rf12、第2の基準抵抗群Rg2の基準抵抗Rf14、第3の基準抵抗群Rg3の基準抵抗Rf16、および、第4の基準抵抗群Rg4の基準抵抗Rf18を選択することを指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、基準抵抗Rf12、Rf14、Rf16およびRf18を選択するように選択部70Bを制御する。これにより、基準抵抗Rf12は第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf14は第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf16は第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf18は第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続される。そして、上記と同様に、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Bを制御する。
【0057】
第1実施形態と同様に、測定部制御ボード60は、上述のインピーダンスの測定結果と、基準抵抗の値(真のインピーダンス値)とに基づいて、校正用データ(全身校正用データ)を作成するとともに、その校正用データをメモリ(不図示)に記憶する。同様にして、測定部制御ボード60は、人体の各部位(右足、左足、右手、左手等)の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データを生成するという具合である。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せ、かつ、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bを表示ユニット20に接続するだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置100とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う態様に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【0059】
<C:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0060】
(1)変形例1
上述の第1実施形態では、表示ユニット20は、2つの基準抵抗(Rf1,Rf2)を有する態様が例示されているが、これに限らず、表示ユニット20が有する基準抵抗の数は任意である。要するに、表示ユニット20は、それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗を有するものであればよい。また、各基準抵抗の抵抗値も任意に設定可能である。
【0061】
また、上述の第2実施形態では、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)は、2つの基準抵抗からなる態様が例示されているが、これに限らず、各基準抵抗群を構成する基準抵抗の数やその抵抗値は任意である。要するに、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)は、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなるものであればよい。
【0062】
(2)変形例2
上述の第1実施形態では、選択用スイッチSWは、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ノードND1との間に設けられているが、これに限らず、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第2ノードND2との間に選択用スイッチSWが設けられてもよい。
【0063】
また、上述の第2実施形態では、第1の選択用スイッチSW1は、第1の基準抵抗群Rg1と第1ノードND1との間に設けられているが、これに限らず、第1の基準抵抗群Rg1と共通ノードNDcとの間に第1の選択用スイッチSW1が設けられてもよい。同様に、第2の基準抵抗群Rg2と共通ノードNDcとの間に第2の選択用スイッチSW2が設けられてもよいし、第3の基準抵抗群Rg3と共通ノードNDcとの間に第3の選択用スイッチSW3が設けられてもよいし、第4の基準抵抗群Rg4と共通ノードNDcとの間に第4の選択用スイッチSW4が設けられてもよい。
【0064】
(3)変形例3
上述の各実施形態では、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60とがケーブル1を介して通信可能に接続されているが、これに限らず、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60とが無線により通信可能に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
11……本体、12……支柱、13……測定面、14a……右足用電流電極、14b……右足用電圧電極、14c……左足用電流電極、14d……左足用電圧電極、20……表示ユニット、21……裏面、22……表面、23……表示部、24……入力キー、25a……第1把持電極ユニット、25b……第2把持電極ユニット、26a……右手用電流電極、26b……左手用電流電極、27a……右手用電圧電極、27b……左手用電圧電極、28……導線、29a,29b……ケーブル、30a……第1校正用電極、30b……第2校正用電極、30c……第3校正用電極、30d……第4校正用電極、30e……第5校正用電極、30f……第6校正用電極、30g……第7校正用電極、30h……第8校正用電極、32a,32b,33a,33b……コネクタ、40……重量測定ボード、42……重量センサ、50A,50B……インピーダンス測定ボード、51……交流電流出力回路、52……基準電流検出回路、53……電位差検出回路、54……A/D変換器、55……制御部、60……測定部制御ボード、70A,70B……選択部、80……表示部制御ボード、90……電源ボード、100,200……生体情報測定装置、251,252……電極切替回路、ND1……第1ノード、L1……第1配線、L2……第2配線、L3……第3配線、L4……第4配線、ND2……第2ノード、ND3……第3ノード、ND4……第4ノード、NDc……共通ノード、Rf1……第1基準抵抗、Rf2……第2基準抵抗、Rf11〜Rf18……基準抵抗、Rg1……第1の基準抵抗群、Rg2……第2の基準抵抗群、Rg3……第3の基準抵抗群、Rg4……第4の基準抵抗群、SW1……第1の選択用スイッチ、SW2……第2の選択用スイッチ、SW3……第3の選択用スイッチ、SW4……第4の選択用スイッチ、SEL……選択信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の生体情報を測定するための生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被験者の生体インピーダンスの値に基づいて、被験者の生体情報を測定するという技術が知られている。例えば特許文献1には、被験者の手や足に測定電極を接触させて測定されるインピーダンスに基づいて、被験者の体脂肪などの体組成情報を測定する体組成測定装置(生体情報測定装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−11906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような生体情報測定装置では、被験者の生体インピーダンスの測定結果に基づいて体脂肪などの生体情報を導き出すので、インピーダンスの測定精度が十分に確保されていることが重要である。従来は、サービス業者が、インピーダンスの測定誤差の校正を行うための校正用装置を用いて校正作業を行っていたが、校正作業のたびに、生体情報測定装置とは別の校正用装置を持ち込んで作業を行う必要があるために、校正作業自体が煩わしいものになっていた。
【0005】
以上の事情に鑑みて、本発明は、インピーダンスの測定値の校正作業を簡単に行うことが可能な生体情報測定装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の形態に係る生体情報測定装置は、被験者の生体インピーダンスに基づいて被験者の生体情報を測定する本体と、被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、本体は、測定面上に配置され、被験者の右足に接触する第1電極(右足用電流電極14a)および第2電極(右足用電圧電極14b)と、測定面上に配置され、被験者の左足に接触する第3電極(左足用電流電極14c)および第4電極(左足用電圧電極)と、第1電極と第3電極との間に測定電流を出力する電流出力部と、第2電極と第4電極との間の電圧を検出する電圧検出部と、測定電流と、電圧検出部で検出された電圧とに基づいて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、表示ユニットは、一方の面に設けられた表示部と、一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、第1校正用電極と第2校正用電極とを短絡させる第1配線と、第3校正用電極と第4校正用電極とを短絡させる第2配線と、それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗(第1基準抵抗Rf1,第2基準抵抗Rf2)と、複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、第1配線上の第1ノードと、第2配線上の第2ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、第1ないし第4校正用電極は、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられた場合に、第1校正用電極は第1電極と、第2校正用電極は第2電極と、第3校正用電極は第3電極と、第4校正用電極は第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられたとき、インピーダンス測定部は、第1電極および第3電極のうちの何れか一方の電極から、選択部で選択された基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定し、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成することを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の形態においては、第1校正用電極が第1電極と、第2校正用電極が第2電極と、第3校正用電極が第3電極と、第4校正用電極が第4電極とそれぞれ接触するように、表示ユニットが本体の測定面に載せられると、インピーダンス測定部は、第1電極および第3電極のうちの何れか一方の電極から、選択部で選択された基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定する。そして、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成する。すなわち、第1の形態によれば、表示ユニットを本体の測定面に載せるだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う場合に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【0008】
上述の第1の形態の態様として、本体は、被験者が測定面に載って、当該被験者の右足が第1電極および第2電極に接触する一方、当該被験者の左足が第3電極および第4電極に接触したときに、インピーダンス測定部にて測定されたインピーダンスの値を、校正用データを用いて校正する校正部をさらに備える。これにより、インピーダンスの測定値の誤差が校正されるので、インピーダンスの測定精度を十分に確保できる。
【0009】
上述の第1の形態の態様として、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられたとき、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、当該判定処理の結果が否定である場合は、校正用データの生成を行わない。
【0010】
また、表示ユニットは、上記判定処理の結果が否定である場合は、第1ないし第4校正用電極と、第1ないし第4電極とのそれぞれの接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを表示部に表示するように制御する。これにより、ユーザーは、本体の測定面上における表示ユニットの位置が適切であるか否かを知ることができる。
【0011】
一方、表示ユニットは、上記判定処理の結果が肯定である場合は、インピーダンス測定部による測定結果を表示部に表示するように制御する。これにより、ユーザーは、本体の測定面上における表示ユニットの位置が適切である場合は、インピーダンス測定部による測定結果を知ることができるという具合である。
【0012】
また、本発明に係る生体情報測定装置の第2の形態として、被験者の生体インピーダンスに基づいて被験者の生体情報を測定する本体と、本体に接続される第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと、被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、第1把持電極ユニットは、被験者の右手に接触する第5電極(右手用電流電極26a)および第6電極(右手用電圧電極27a)と、第5電極と接続された第1端子と、第6電極と接続された第2端子と、を有し、第2把持電極ユニットは、被験者の左手に接触する第7電極(左手用電流電極26b)および第8電極(左手用電圧電極27b)と、第7電極と接続された第3端子と、第8電極と接続された第4端子と、を有し、本体は、測定面上に配置され、被験者の右足に接触する第1電極(右足用電流電極14a)および第2電極(右足用電圧電極14b)と、測定面上に配置され、被験者の左足に接触する第3電極(左足用電流電極14c)および第4電極(左足用電圧電極14d)と、第1、3、5および7電極のうち何れか2つの間に測定電流を出力する電流出力部と、第2、4、6および8電極のうち何れか2つの間の電圧を検出する電圧検出部と、測定電流を供給する2つの電極と電圧を検出する2つの電極とを切り替えて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、表示ユニットは、一方の面に設けられた表示部と、一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、第1端子と接続可能な第5校正用電極、第2端子と接続可能な第6校正用電極、第3端子と接続可能な第7校正用電極、および、第4端子と接続可能な第8校正用電極と、第1校正用電極と第2校正用電極とを短絡させる第1配線、第3校正用電極と第4校正用電極とを短絡させる第2配線、第5校正用電極と第6校正用電極とを短絡させる第3配線、および、第7校正用電極と第8校正用電極とを短絡させる第4配線と、第1配線上の第1ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第1の基準抵抗群と、第2配線上の第2ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第2の基準抵抗群と、第3配線上の第3ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第3の基準抵抗群と、第4配線上の第4ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第4の基準抵抗群と、第1ないし第4の基準抵抗群の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、当該基準抵抗群に対応するノードと共通ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、第1ないし第4校正用電極は、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられた場合に、第1校正用電極は第1電極と、第2校正用電極は第2電極と、第3校正用電極は第3電極と、第4校正用電極は第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられ、かつ、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されて、第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットが表示ユニットに接続されたとき、インピーダンス測定部は、第1、3、5および7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、第2、4、6および8電極のうちの何れか2つの間の電圧とに基づいてインピーダンスを測定し、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の形態においては、第1校正用電極が第1電極と、第2校正用電極が第2電極と、第3校正用電極が第3電極と、第4校正用電極が第4電極とそれぞれ接触するように、表示ユニットの他方の面が本体の測定面に載せられ、かつ、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されると(第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと表示ユニットが接続されると)、インピーダンス測定部は、第1、3、5、7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、第2、4、6、8電極のうちの何れか2つの間の電位差とに基づいてインピーダンスを測定する。そして、校正用データ生成部は、インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、校正用データを生成する。すなわち、第2の形態によれば、表示ユニットの裏面を本体の測定面上に載せるとともに、第1ないし第4端子と第5ないし第8校正用電極とをそれぞれ接続する(第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと表示ユニットを接続する)だけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う場合に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置の外観を示す斜視図である。
【図2】表示ユニットを裏面側から見たときの平面図である。
【図3】第1実施形態に係る生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態におけるインピーダンス測定ボードの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】複数の基準抵抗と、第1ないし第4校正用電極との接続関係を説明するための図である。
【図6】校正用データ生成処理の具体的な内容を示すフローチャートである。
【図7】校正用データ生成処理で得られた校正用データの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る生体情報測定装置の外観を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態におけるインピーダンス測定ボードの詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態における生体電気インピーダンスの測定を説明するための図である。
【図12】複数の基準抵抗群と、第1ないし第8校正用電極との接続関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、生体情報測定装置100は、本体11と、本体11に固定された支柱12と、支柱12に対して分離可能な表示ユニット20とを備える。平たい本体11は、水平な測定面13を有する。測定面13上には、測定用電極14が設置される。より具体的には、測定面13上には、左右一対の右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cと、左右一対の右足用電圧電極14bおよび左足用電圧電極14dとが設置される。右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dの各々は、例えばステンレス鋼といった金属材料その他の導電材から形成される。生体情報測定装置100の利用者(ユーザー)が測定面13上に載ると、ユーザーの右足の足裏は右足用電流電極14aおよび右足用電圧電極14bに接触する一方、ユーザーの左足の足裏は左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dに接触するという具合である。
【0016】
図1に示すように、測定面13の前方で本体11には支柱12が固定される。支柱12は、本体11から鉛直方向の上向きに立ち上がる(延在する)。ここで、鉛直方向の下向きは重力方向に一致する。支柱12の延在方向の先端には、表示ユニット20が分離可能に連結される。略板状の表示ユニット20は、支柱12に連結される側の面21(「裏面21」)と、裏面21に対向する面22(「表面22」と呼ぶ)とを有する。表示ユニット20の表面22には、表示部23と、入力キー(図示省略)とが設けられる。表示部23には様々な情報が表示される。情報には、例えばユーザーの体重、体脂肪率、生体インピーダンスといった情報が含まれる。また、ユーザーが入力キーを操作すると、その操作に応じて、表示ユニット20には指令やデータが入力され得る。
【0017】
図2は、表示ユニット20を、その裏面21側から見たときの平面図である。図2に示すように、表示ユニット20の裏面21には、校正用電極30が設けられる。より具体的には、表示ユニット20の裏面21には、第1校正用電極30a、第2校正用電極30b、第3校正用電極30cおよび第4校正用電極30dの4つからなる校正用電極30が設けられる。本実施形態では、支柱12から取り外した表示ユニット20は、本体11の測定面13上に載せることが可能である。第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)は、表示ユニット20の裏面21が本体11の測定面13上に載せられた場合に、第1校正用電極30aは右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bは右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cは左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dは左足用電圧電極14dと、それぞれ接触できるように配置される。
【0018】
図3は、本実施形態に係る生体情報測定装置100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本体11内には重量測定ボード40が組み込まれる。重量測定ボード40には、重量センサ42が接続される。被験者(ユーザー)が本体11の測定面13に載ると、重量センサ42は、当該被験者の重量に応じた電気信号を出力する。重量センサ42から出力された電気信号は重量測定ボード40に供給される。重量測定ボード40は、重量センサ42から出力された電気信号に基づいて、当該被験者の重量値を示す重量信号を生成する。このようにして、重量測定ボード40は、測定面13上に載せられた対象物の重量値を示す重量信号(測定値データ)を生成する。
【0019】
図3に示すように、本体11内にはインピーダンス測定ボード50Aが組み込まれる。インピーダンス測定ボード50Aには、本体11の測定面13上に設けられた右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dが接続される。インピーダンス測定ボード50Aは、いわゆる4電極法によって被験者の生体インピーダンスを測定することができる。
【0020】
図4は、第1実施形態に係るインピーダンス測定ボード50Aの詳細な構成を示すブロック図である。図4に示すように、インピーダンス測定ボード50Aは、交流電流出力回路51と、基準電流検出回路52と、電圧検出回路53と、A/D変換器54と、インピーダンス測定ボード50A全体の動作を統括するとともに各種の制御処理を実行する制御部55とを備える。交流電流出力回路51は基準電流Irefを生成する。交流電流出力回路51は、基準電流Irefの実効値が予め定められた値となるように、当該基準電流Irefを生成する。基準電流検出回路52は、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に流れる基準電流Irefの大きさを検出して電流データDiとして制御部55に出力するとともに、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに接触する導電体(例えば人体)に基準電流Irefを通電する。右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに人体などの導電体が接触した場合は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、当該導電体を介して他方の電極へ至る電流経路が形成され、当該電流経路には基準電流Irefが流れる。すなわち、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに導電体が接触している場合は、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に基準電流Irefが流れる。他方、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cに導電体が接触していない場合は、電流経路が形成されず、右足用電流電極14aと左足用電流電極14cとの間に基準電流Irefは流れないという具合である。
【0021】
さらに、電圧検出回路53は、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出して電圧信号ΔVを生成する。A/D変換器54は、電圧信号ΔVをアナログ信号からデジタル信号に変換し電圧データDvとして制御部55に出力する。制御部55は、電圧データDvと電流データDiとに基づいて、インピーダンス(=Dv/Di)を算出する。このようにして、インピーダンス測定ボード50Aは、インピーダンス値を示すインピーダンス信号(測定値データ)を生成する。
【0022】
再び図3に戻って説明を続ける。図3に示すように、本体11内には測定部制御ボード60が組み込まれる。測定部制御ボード60には、重量測定ボード40およびインピーダンス測定ボード50Aが接続される。測定部制御ボード60は、重量測定ボード40およびインピーダンス測定ボード50Aから測定値データである重量信号とインピーダンス信号とを取得する。測定部制御ボード60は、重量信号およびインピーダンス信号を用いて、生体に関する生体情報を算出する。算出される生体情報としては、生体の体組成に関する指標が含まれる。体組成に関する指標としては、体脂肪率などが挙げられる。この算出にあたって前述の重量値およびインピーダンス値が用いられる。算出方法は、例えばソフトウェアプログラムに基づき設定される。ソフトウェアプログラムは例えば不揮発性メモリ(図示省略)に格納されればよい。
【0023】
図3に示すように、表示ユニット20内には、それぞれの抵抗値が互いに異なる第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の何れか一方を選択する選択部70Aとが設けられる。図5は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)との接続関係を説明するための図である。図5に示すように、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2は、第1校正用電極30aと第2校正用電極30bとを短絡させる第1配線L1上の第1ノードND1と、第3校正用電極30cと第4校正用電極30dとを短絡させる第2配線L2上の第2ノードND2との間に配置される。本実施形態では、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ノードND1との間には、選択用スイッチSWが設けられる。選択用スイッチSWは、選択部70Aから出力される選択信号SELに応じて、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうちの何れか一方を、第1ノードND1に導通させる。つまり、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうち選択部70Aによって選択された基準抵抗は、第1配線L1上の第1ノードND1と、第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるという具合である。
【0024】
再び図3に戻って説明を続ける。図3に示すように、表示ユニット20内には、表示部制御ボード80が組み込まれる。表示部制御ボード80には、表示部23と入力キー24と選択部70Aとが接続される。ユーザーが入力キー24を操作することで、各種のデータや指令が表示部制御ボード80に入力される。表示部制御ボード80は、その入力されたデータや指令に応じて、表示部23や選択部70Aを制御する。また、表示部制御ボード80は、ケーブル1を介して本体20内の測定部制御ボード60と接続される。表示部制御ボード80にはコネクタ2、測定部制御ボード60にはコネクタ3が実装される。ケーブル1の両端にはコネクタ4、5が接続される。コネクタ2、3はそれぞれコネクタ4、5に着脱自在に接続される。こうして、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60との間に信号線が確立され、表示部制御ボード80および測定部制御ボード60の間で信号のやり取りが行われる。
【0025】
また、図3に示すように、本体11内には、電源ボード90が組み込まれる。電源ボード90は、測定部制御ボード60と接続される。電源ボード90からの電力は測定部制御ボード60に供給される。そして、測定部制御ボード60から、重量測定ボード40、インピーダンス測定ボード50Aおよび表示部制御ボード80に電力が供給されるという具合である。
【0026】
次に、生体情報測定装置100のユーザーまたはサービス業者が、インピーダンス測定ボード50Aの校正作業を行う場面を想定する。まず、ユーザーまたはサービス業者は、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せる。具体的には、ユーザーまたはサービス業者は、第1校正用電極30aが右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bが右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cが左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dが左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20の裏面21を測定面13上に載せるという具合である。続いて、ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して電源を投入すると、表示ユニット20の表示部23には、ユーザー(被験者)の生体情報の測定を実行する測定モード、および、インピーダンス測定ボード50Aの校正に用いられる校正用データを生成する校正モードのうちの何れかを選択することを促す画面が表示される。ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して校正モードを選択すると、表示ユニット20内の表示部制御ボード80は、校正モードが選択されたことを示す情報を本体11内の測定部制御ボード60へ送信する。測定部制御ボード60は、その情報を受信すると、生体情報測定装置100の動作モードを校正モードに設定して、校正用データを生成する処理(「校正用データ生成処理」と呼ぶ)を開始する。
【0027】
図6は、本実施形態に係る生体情報測定装置100が実行する校正用データ生成処理の具体的な内容を示すフローチャートである。まず、測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗RF2のうち第1基準抵抗Rf1を選択するように表示ユニット20を制御する(ステップS1)。具体的には、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1の選択を指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、第1基準抵抗Rf1を選択するように選択部70Aを制御する。前述したように、選択部70Aにて選択された第1基準抵抗Rf1は、第1配線L1上の第1ノードND1と第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるので、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、第1基準抵抗Rf1を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。
【0028】
ステップS1の後、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する(ステップS2)。インピーダンス測定ボード50Aは、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から第1基準抵抗Rf1を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出し、その測定値データを測定部制御ボード60へ送る。このときの測定値データの理想値は、第1基準抵抗Rf1の抵抗値に等しい値となる。
【0029】
測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の結果が否定である場合、つまり、インピーダンスの測定値データが所定の範囲外の値を示すものであった場合、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止する。そして、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS4)。具体的には、測定部制御ボード60は、エラーメッセージの表示を指示する信号を表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、エラーメッセージを表示するように表示部23を制御する。これにより、ユーザーまたはサービス業者は、表示ユニット20が測定面13上の適切な位置に載せられていないことを認識できる。この場合、ユーザーまたはサービス業者は、測定面13上における表示ユニット20の位置を修正したうえで、再び入力キー24を操作して校正モードを選択する。これにより、再び校正用データ生成処理が開始されるという具合である。
【0030】
一方、ステップS3の結果が肯定である場合、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS5)。具体的には、測定部制御ボード60は、当該測定値データの表示を指示する信号を表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、当該測定値データを表示するように表示部23を制御するという具合である。
【0031】
ステップS5の後、測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2のうち第2基準抵抗Rf2を選択するように表示ユニット20を制御する(ステップS6)。具体的には、測定部制御ボード60は、第2基準抵抗Rf2の選択を指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、第2基準抵抗Rf2を選択するように選択部70Aを制御する。選択部70Aにて選択された第2基準抵抗Rf2は、第1配線L1上の第1ノードND1と第2配線L2上の第2ノードND2との間に電気的に接続されるので、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から、第2基準抵抗Rf2を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。
【0032】
ステップS6の後、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する(ステップS7)。インピーダンス測定ボード50Aは、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から第2基準抵抗Rf2を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出し、その測定値データを測定部制御ボード60へ送る。このときの測定値データの理想値は、第2基準抵抗Rf2の抵抗値に等しい値となる。
【0033】
測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであるか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の結果が否定である場合、測定部制御ボード60は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止する。そして、測定部制御ボード60は、前述のステップS4と同様に、エラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS9)。一方、ステップS8の結果が肯定である場合、測定部制御ボード60は、前述のステップS5と同様に、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御する(ステップS10)。
【0034】
ステップS10の後、測定部制御ボード60は、上述のインピーダンスの測定結果に基づいて、校正用データを作成するとともに、その校正用データをメモリ(不図示)に記憶する(ステップS11)。より具体的には、以下のとおりである。いま、第1基準抵抗Rf1の値が100Ω、第2基準抵抗Rf2の値が300Ωである一方、図6のステップS2のインピーダンス測定処理での測定値データが90Ωを示し、図6のステップS7のインピーダンス測定処理での測定値データが320Ωを示す場合を想定する。この場合、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の値(つまり真のインピーダンス値)と、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データとに基づいて、校正用データを作成する。校正用データは、測定値データと真のインピーダンス値との関係を示すデータである。より具体的には、測定部制御ボード60は、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2の値と、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データとに基づいて、以下の式(1)で表される校正用データを作成し、その作成した式をメモリ(不図示)に記憶する。
Y=a×X+b ・・・(1)
上記式(1)において、Yは真のインピーダンス値を示し、Xは測定値データを示す。なお、aおよびbは定数である。
本実施形態では、測定部制御ボード60が作成する校正用データは、図7に示されるような直線を表す式であるが、これに限らず、測定部制御ボード60は、測定値データと真のインピーダンス値とが対応付けられたデータテーブルを校正用データとして作成してもよい。以上で、校正用データ生成処理は終了する。
【0035】
測定部制御ボード60は、測定モードにおいてインピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、上述の校正用データ生成処理で作成した校正用データを用いて校正する。より具体的には、以下のとおりである。ユーザーが、表示ユニット20の入力キー24を操作して測定モードを選択すると、本体11内の測定部制御ボード60は、生体情報測定装置100の動作モードを測定モードに設定する。そして、ユーザーが本体11の測定面13上に載って、当該ユーザーの右足が右足用電流電極14aおよび右足用電圧電極14bに接触する一方、当該ユーザーの左足が左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dに接触すると、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極からユーザー(人体)を介して他方の電極へ至る電流経路が形成される。このとき、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、メモリ(不図示)に記憶されている校正用データを用いて校正する。より具体的には、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Aから取得した測定値データを、メモリ(不図示)に記憶されている上記式(1)に代入して、真のインピーダンス値を求めるという具合である。これにより、インピーダンスの測定精度が十分に確保されるという具合である。
【0036】
以上に説明したように、本実施形態では、第1校正用電極30aが右足用電流電極14aと、第2校正用電極30bが右足用電圧電極14bと、第3校正用電極30cが左足用電流電極14cと、第4校正用電極30dが左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20が本体11の測定面13上に載せられると、本体11内の測定部制御ボード60は、右足用電流電極14aおよび左足用電流電極14cのうちの一方の電極から選択部70Aで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路のインピーダンスを測定するようにインピーダンス測定ボード50Aを制御する。そして、測定部制御ボード60は、その測定結果と基準抵抗の値とに基づいて校正用データを生成する。すなわち、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せるだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置100とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う態様に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。また、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せるだけで校正用データが得られるので、サービス業者に限らず、生体情報測定装置100のユーザーであっても簡単に校正作業を行うことができるという利点もある。
【0037】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。本発明の第2実施形態に係る生体情報測定装置200は、両手用の電極を備え、これを用いてより正確に体幹部の生体電気インピーダンスを測定できる点で上述の第1実施形態と相違する。
【0038】
図8は、第2実施形態に係る生体情報測定装置200の外観を示す斜視図である。図8に示すように、支柱12には、所定の高さで、右手用の第1把持電極ユニット25aおよび左手用の第2把持電極ユニット25bが着脱自在に支持される。第1把持電極ユニット25aには、電流電極26および電圧電極27が取り付けられる。同様に、第2把持電極ユニット25bには、電流電極26および電圧電極27が取り付けられる。生体情報測定装置200のユーザー(被験者)が右手で第1把持電極ユニット25aを掴むと、電流電極26および電圧電極27は右手の手のひらに接触する。同様に、ユーザーが左手で第2把持電極ユニット25bを掴むと、電流電極26および電圧電極27は左手の手のひらに接触する。
【0039】
図9は、第2実施形態に係る生体情報測定装置200の構成を示すブロック図である。図9に示すように、第1把持電極ユニット25aには、右手用電流電極26aと、右手用電圧電極27aと、導線28を介して右手用電流電極26aが接続される第1端子T1と、導線28を介して右手用電圧電極27aと接続される第2端子T2とが設けられる。また、第2把持電極ユニット25bには、左手用電流電極26bと、左手用電圧電極27bと、導線28を介して左手用電流電極26bに接続される第3端子T3と、導線28を介して左手用電圧電極27bに接続される第4端子T4とが設けられる。
【0040】
第1把持電極ユニット25aは、1本のケーブル29aを介して本体11に搭載されたコネクタ32aに接続される。当該ケーブル29a内には、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aごとに信号線が設けられており、ケーブル29aの先端にはコネクタ33aが結合される。一方、本体11に搭載されたコネクタ32aはインピーダンス測定ボード50Bに接続される。コネクタ32aとインピーダンス測定ボード50Bとの間は、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aごとに信号線で接続されている。本体11に搭載されたコネクト32aと、ケーブル29aの先端に結合されたコネクタ33aとが連結されると、右手用電流電極26aおよび右手用電圧電極27aからインピーダンス測定ボード50Bまで個別の信号線が確立する。
【0041】
同様に、第2把持電極ユニット25bは、1本のケーブル29bを介して本体11に搭載されたコネクタ32bに接続される。当該ケーブル29b内には、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bごとに信号線が設けられており、ケーブル29bの先端にはコネクタ33bが結合される。一方、本体11に搭載されたコネクタ32bはインピーダンス測定ボード50Bに接続される。コネクタ32bとインピーダンス測定ボード50Bとの間は、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bごとに信号線で接続されている。本体11に搭載されたコネクト32bと、ケーブル29bの先端に結合されたコネクタ33bとが連結されると、左手用電流電極26bおよび左手用電圧電極27bからインピーダンス測定ボード50Bまで個別の信号線が確立する。このようにして、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bの各々は、本体11に対して着脱自在に接続されうる。
【0042】
図10は、第2実施形態におけるインピーダンス測定ボード50Bの詳細な構成を示すブロック図である。インピーダンス測定ボード50Bは、電極切替回路251および252を備える点を除いて、第1実施形態に係るインピーダンス測定ボード50Aと同様に構成されている。電極切替回路251および252は、制御部55の制御の下、インピーダンス測定に用いる電極を選択する。
【0043】
インピーダンス測定ボード50Bは、ユーザーの両手および両足に接触される8個の電極(14a,14b,14c,14d,26a,26b,27a,27b)を適宜選択することによって、当該ユーザーの所定の部位における生体インピーダンスを測定することが可能となる。例えば図11(A)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、左足用電圧電極14dと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、全身の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(B)に示すように、基準電流Irefを右足用電流電極14aと右手用電流電極26aとの間に供給し、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出すれば、右足の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(C)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、右足用電圧電極14bと左足用電圧電極14dとの間の電圧を検出すれば、左足の生体インピーダンスを計測することができる。また、図11(D)に示すように、基準電流Irefを右足用電流電極14aと右手用電流電極26aとの間に供給し、右手用電圧電極27aと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、右手の生体インピーダンスを計測することができる。さらに、図11(E)に示すように、基準電流Irefを左足用電流電極14cと左手用電流電極26bとの間に供給し、右手用電圧電極27aと左手用電圧電極27bとの間の電圧を検出すれば、左手の生体インピーダンスを計測することができるという具合である。
【0044】
再び図9に戻って説明する。第2実施形態では、表示ユニット20は、第5校正用電極30e、第6校正用電極30f、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hを備える点で第1実施形態と相違する。第5校正用電極30eは、第1把持電極ユニット25aに設けられた第1端子T1と接続可能であり、第6校正用電極30fは、第1把持電極ユニット25aに設けられた第2端子T2と接続可能である。本実施形態では、第5校正用電極30eおよび第6校正用電極30fの各々は、オスのコネクタとして構成される一方、第1端子T1および第2端子T2の各々は、メスのコネクタとして構成される。そして、第5校正用電極30eおよび第6校正用電極30fが第1端子T1および第2端子T2とそれぞれ嵌合するように、第1把持電極ユニット25aが表示ユニット20に接続されると、第5校正用電極30eは第1端子T1を介して右手用電流電極26aと接続される一方、第6校正用電極30fは第2端子T2を介して右手用電圧電極27aと接続されるという具合である。このようにして、第1把持電極ユニット25aは表示ユニット20に対して着脱自在に接続され得る。
【0045】
同様に、第7校正用電極30gは、第2把持電極ユニット25bに設けられた第3端子T3と接続可能であり、第8校正用電極30hは、第2把持電極ユニット25bに設けられた第4端子T4と接続可能である。本実施形態では、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hの各々は、オスのコネクタとして構成される一方、第3端子T3および第4端子T4の各々は、メスのコネクタとして構成される。そして、第7校正用電極30gおよび第8校正用電極30hが第3端子T3および第4端子T4とそれぞれ嵌合するように、第2把持電極ユニット25bが表示ユニット20に接続されると、第7校正用電極30gは第3端子T3を介して左手用電流電極26bと接続される一方、第8校正用電極30hは第4端子T4を介して左手用電圧電極27bと接続されるという具合である。このようにして、第2把持電極ユニット25bは表示ユニット20に対して着脱自在に接続され得る。
【0046】
図9に示すように、表示ユニット20内には、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗で各々が構成される複数の基準抵抗群Rgが設けられる。また、表示ユニット20内には、複数の基準抵抗群Rgの各々を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択する選択部70Bが設けられる。
【0047】
図12は、複数の基準抵抗群Rgと、第1ないし第8校正用電極(30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h)との接続関係を説明するための図である。図12に示すように、複数の基準抵抗群Rgは、第1の基準抵抗群Rg1、第2の基準抵抗群Rg2、第3の基準抵抗群Rg3および第4の基準抵抗群Rg4からなる。第1の基準抵抗群Rg1は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf11およびRf12からなる。第1の基準抵抗群Rg1は、第1校正用電極30aと第2校正用電極30bとを短絡させる第1配線L1上の第1ノードND1に対応して設けられる。より具体的には、図12に示すように、第1の基準抵抗群Rg1は、第1ノードND1と、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)が共通に接続される共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。
【0048】
図12に示すように、第1の基準抵抗群Rg1と第1ノードND1との間には、第1の選択用スイッチSW1が設けられる。第1の選択用スイッチSW1は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf11およびRf12のうちの何れか一方を、第1ノードND1に導通させる。つまり、基準抵抗Rf11およびRf12のうち選択部70Bによって選択された基準抵抗は、第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続されるという具合である。
【0049】
同様に、第2の基準抵抗群Rg2は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf13およびRf14からなる。第2の基準抵抗群Rg2は、第3校正用電極30cと第4校正用電極30dとを短絡させる第2配線L2上の第2ノードND2に対応して設けられる。より具体的には、第2の基準抵抗群Rg2は、第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第2の基準抵抗群Rg2と第2ノードND2との間には、第2の選択用スイッチSW2が設けられる。第2の選択用スイッチSW2は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf13およびRf14のうちの何れか一方を、第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0050】
また、第3の基準抵抗群Rg3は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf15およびRf16からなる。第3の基準抵抗群Rg3は、第5校正用電極30eと第6校正用電極30fとを短絡させる第3配線L3上の第3ノードND3に対応して設けられる。より具体的には、第3の基準抵抗群Rg3は、第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第3の基準抵抗群Rg3と第3ノードND3との間には、第3の選択用スイッチSW3が設けられる。第3の選択用スイッチSW3は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf15およびRf16のうちの何れか一方を、第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0051】
さらに、第4の基準抵抗群Rg4は、それぞれの抵抗値が互いに異なる基準抵抗Rf17およびRf18からなる。第4の基準抵抗群Rg4は、第7校正用電極30gと第8校正用電極30hとを短絡させる第4配線L4上の第4ノードND4に対応して設けられる。より具体的には、第4の基準抵抗群Rg4は、第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に配置されるという具合である。図12に示すように、第4の基準抵抗群Rg4と第4ノードND4との間には、第4の選択用スイッチSW4が設けられる。第4の選択用スイッチSW4は、選択部70Bから出力される選択信号SELに応じて、基準抵抗Rf17およびRf18のうちの何れか一方を、第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続させる。
【0052】
次に、生体情報測定装置100のユーザーまたはサービス業者が、インピーダンス測定ボード50Bの校正作業を行う場面を想定する。まず、ユーザーまたはサービス業者は、第1ないし第4校正用電極(30a,30b,30c,30d)が右足用電流電極14a、右足用電圧電極14b、左足用電流電極14cおよび左足用電圧電極14dとそれぞれ接触するように、表示ユニット20の裏面21を測定面13上に載せ、かつ、第1ないし第4端子(T1,T2,T3,T4)が第5ないし第8校正用電極(30e,30f,30g,30h)とそれぞれ嵌合するように、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bを表示ユニット20に接続する。この状態で、ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して電源を投入すると、表示ユニット20の表示部23には、測定モードおよび校正モードのうちの何れかを選択することを促す画面が表示される。ユーザーまたはサービス業者が入力キー24を操作して校正モードを選択すると、測定部制御ボード60は校正用データ生成処理を開始する。
【0053】
第2実施形態における校正用データ生成処理では、測定部制御ボード60は、人体の各部位の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データを生成する。一例として、ここでは、全身の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データ(以下、「全身校正用データ」と呼ぶ)を生成する場合を想定する。測定部制御ボード60は、表示ユニット20内の第1ないし第4の基準抵抗群(Rg1,Rg2,Rg3,Rg4)の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択するように表示ユニット20を制御するとともに、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Bを制御する。そして、測定部制御ボード60は、インピーダンスの測定結果に基づいて、全身校正用データを生成する。より具体的には以下のとおりである。
【0054】
まず、測定部制御ボード60は、第1の基準抵抗群Rg1の基準抵抗Rf11、第2の基準抵抗群Rg2の基準抵抗Rf13、第3の基準抵抗群Rg3の基準抵抗Rf15、および、第4の基準抵抗群Rg4の基準抵抗Rf17を選択することを指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、基準抵抗Rf11、Rf13、Rf15およびRf17を選択するように選択部70Bを制御する。これにより、基準抵抗Rf11は第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf13は第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf15は第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf17は第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続される。
【0055】
そして、測定部制御ボード60は、左足用電流電極14cおよび左手用電流電極26bのうちの一方の電極から、選択部70Bで選択された基準抵抗を介して他方の電極へ至る電流経路を流れる基準電流Irefの大きさを示す電流データDiと、左足用電圧電極14dと左手用電圧電極27bとの間の電圧を示す電圧データDvとから、インピーダンス(=Dv/Di)を算出するように、インピーダンス測定ボード50Bを制御する。上述の第1実施形態と同様に、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定ボード50Bから取得したインピーダンスの測定値データが、所定の範囲外の値を示すものであった場合は、校正用電極30と測定用電極14との接触状態が不良であると判定し、校正用データ生成処理を中止してエラーメッセージを表示するように表示ユニット20を制御する。一方、インピーダンスの測定値データが、所定の範囲内の値を示すものであった場合は、その測定値データをメモリ(不図示)に記憶するとともに、その測定値データを表示するように表示ユニット20を制御するという具合である。
【0056】
次に、測定部制御ボード60は、第1の基準抵抗群Rg1の基準抵抗Rf12、第2の基準抵抗群Rg2の基準抵抗Rf14、第3の基準抵抗群Rg3の基準抵抗Rf16、および、第4の基準抵抗群Rg4の基準抵抗Rf18を選択することを指示する信号を、表示ユニット20内の表示部制御ボード80へ送信する。当該信号を受信した表示部制御ボード80は、基準抵抗Rf12、Rf14、Rf16およびRf18を選択するように選択部70Bを制御する。これにより、基準抵抗Rf12は第1ノードND1と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf14は第2ノードND2と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf16は第3ノードND3と共通ノードNDcとの間に電気的に接続され、基準抵抗Rf18は第4ノードND4と共通ノードNDcとの間に電気的に接続される。そして、上記と同様に、測定部制御ボード60は、インピーダンス測定処理を実行するようにインピーダンス測定ボード50Bを制御する。
【0057】
第1実施形態と同様に、測定部制御ボード60は、上述のインピーダンスの測定結果と、基準抵抗の値(真のインピーダンス値)とに基づいて、校正用データ(全身校正用データ)を作成するとともに、その校正用データをメモリ(不図示)に記憶する。同様にして、測定部制御ボード60は、人体の各部位(右足、左足、右手、左手等)の生体インピーダンスの測定値データの校正に用いられる校正用データを生成するという具合である。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態によれば、表示ユニット20を本体11の測定面13上に載せ、かつ、第1把持電極ユニット25aおよび第2把持電極ユニット25bを表示ユニット20に接続するだけで、校正用データが得られるので、生体情報測定装置100とは別個の校正用装置を持ち込んで校正作業を行う態様に比べて、校正作業を簡単に行うことができるという利点がある。
【0059】
<C:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0060】
(1)変形例1
上述の第1実施形態では、表示ユニット20は、2つの基準抵抗(Rf1,Rf2)を有する態様が例示されているが、これに限らず、表示ユニット20が有する基準抵抗の数は任意である。要するに、表示ユニット20は、それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗を有するものであればよい。また、各基準抵抗の抵抗値も任意に設定可能である。
【0061】
また、上述の第2実施形態では、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)は、2つの基準抵抗からなる態様が例示されているが、これに限らず、各基準抵抗群を構成する基準抵抗の数やその抵抗値は任意である。要するに、各基準抵抗群(Rg1〜Rg4)は、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなるものであればよい。
【0062】
(2)変形例2
上述の第1実施形態では、選択用スイッチSWは、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第1ノードND1との間に設けられているが、これに限らず、第1基準抵抗Rf1および第2基準抵抗Rf2と、第2ノードND2との間に選択用スイッチSWが設けられてもよい。
【0063】
また、上述の第2実施形態では、第1の選択用スイッチSW1は、第1の基準抵抗群Rg1と第1ノードND1との間に設けられているが、これに限らず、第1の基準抵抗群Rg1と共通ノードNDcとの間に第1の選択用スイッチSW1が設けられてもよい。同様に、第2の基準抵抗群Rg2と共通ノードNDcとの間に第2の選択用スイッチSW2が設けられてもよいし、第3の基準抵抗群Rg3と共通ノードNDcとの間に第3の選択用スイッチSW3が設けられてもよいし、第4の基準抵抗群Rg4と共通ノードNDcとの間に第4の選択用スイッチSW4が設けられてもよい。
【0064】
(3)変形例3
上述の各実施形態では、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60とがケーブル1を介して通信可能に接続されているが、これに限らず、表示部制御ボード80と測定部制御ボード60とが無線により通信可能に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
11……本体、12……支柱、13……測定面、14a……右足用電流電極、14b……右足用電圧電極、14c……左足用電流電極、14d……左足用電圧電極、20……表示ユニット、21……裏面、22……表面、23……表示部、24……入力キー、25a……第1把持電極ユニット、25b……第2把持電極ユニット、26a……右手用電流電極、26b……左手用電流電極、27a……右手用電圧電極、27b……左手用電圧電極、28……導線、29a,29b……ケーブル、30a……第1校正用電極、30b……第2校正用電極、30c……第3校正用電極、30d……第4校正用電極、30e……第5校正用電極、30f……第6校正用電極、30g……第7校正用電極、30h……第8校正用電極、32a,32b,33a,33b……コネクタ、40……重量測定ボード、42……重量センサ、50A,50B……インピーダンス測定ボード、51……交流電流出力回路、52……基準電流検出回路、53……電位差検出回路、54……A/D変換器、55……制御部、60……測定部制御ボード、70A,70B……選択部、80……表示部制御ボード、90……電源ボード、100,200……生体情報測定装置、251,252……電極切替回路、ND1……第1ノード、L1……第1配線、L2……第2配線、L3……第3配線、L4……第4配線、ND2……第2ノード、ND3……第3ノード、ND4……第4ノード、NDc……共通ノード、Rf1……第1基準抵抗、Rf2……第2基準抵抗、Rf11〜Rf18……基準抵抗、Rg1……第1の基準抵抗群、Rg2……第2の基準抵抗群、Rg3……第3の基準抵抗群、Rg4……第4の基準抵抗群、SW1……第1の選択用スイッチ、SW2……第2の選択用スイッチ、SW3……第3の選択用スイッチ、SW4……第4の選択用スイッチ、SEL……選択信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体インピーダンスに基づいて前記被験者の生体情報を測定する本体と、前記被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、
前記本体は、
測定面上に配置され、前記被験者の右足に接触する第1電極および第2電極と、
前記測定面上に配置され、前記被験者の左足に接触する第3電極および第4電極と、
前記第1電極と前記第3電極との間に測定電流を出力する電流出力部と、
前記第2電極と前記第4電極との間の電圧を検出する電圧検出部と、
前記測定電流と、前記電圧検出部で検出された電圧とに基づいて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、
前記表示ユニットは、
一方の面に設けられた表示部と、
前記一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、
前記第1校正用電極と前記第2校正用電極とを短絡させる第1配線と、
前記第3校正用電極と前記第4校正用電極とを短絡させる第2配線と、
それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗と、
前記複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した前記基準抵抗を、前記第1配線上の第1ノードと、前記第2配線上の第2ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、
前記第1ないし第4校正用電極は、前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられた場合に、前記第1校正用電極は前記第1電極と、前記第2校正用電極は前記第2電極と、前記第3校正用電極は前記第3電極と、前記第4校正用電極は前記第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記インピーダンス測定部は、前記第1電極および前記第3電極のうちの何れか一方の電極から、前記選択部で選択された前記基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定し、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、前記校正用データを生成する、
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記本体は、
前記被験者が前記測定面に載って、当該被験者の右足が前記第1電極および前記第2電極に接触する一方、当該被験者の左足が前記第3電極および前記第4電極に接触したときに、前記インピーダンス測定部にて測定されたインピーダンスの値を、前記校正用データを用いて校正する校正部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、当該判定処理の結果が否定である場合は、前記校正用データの生成を行わない、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、
前記表示ユニットは、前記判定処理の結果が否定である場合は、前記第1ないし第4校正用電極と、前記第1ないし第4電極とのそれぞれの接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、
前記表示ユニットは、前記判定処理の結果が肯定である場合は、前記インピーダンス測定部による測定結果を前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
被験者の生体インピーダンスに基づいて前記被験者の生体情報を測定する本体と、前記本体に接続される第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと、前記被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、
前記第1把持電極ユニットは、
前記被験者の右手に接触する第5電極および第6電極と、前記第5電極と接続された第1端子と、前記第6電極と接続された第2端子と、を有し、
前記第2把持電極ユニットは、
前記被験者の左手に接触する第7電極および第8電極と、前記第7電極と接続された第3端子と、前記第8電極と接続された第4端子と、を有し、
前記本体は、
測定面上に配置され、前記被験者の右足に接触する第1電極および第2電極と、
前記測定面上に配置され、前記被験者の左足に接触する第3電極および第4電極と、
前記第1、3、5および7電極のうち何れか2つの間に測定電流を出力する電流出力部と、
前記第2、4、6および8電極のうち何れか2つの間の電圧を検出する電圧検出部と、
前記測定電流を供給する2つの電極と前記電圧を検出する2つの電極とを切り替えて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、
前記表示ユニットは、
一方の面に設けられた表示部と、
前記一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、
前記第1端子と接続可能な第5校正用電極、前記第2端子と接続可能な第6校正用電極、前記第3端子と接続可能な第7校正用電極、および、前記第4端子と接続可能な第8校正用電極と、
前記第1校正用電極と前記第2校正用電極とを短絡させる第1配線、前記第3校正用電極と前記第4校正用電極とを短絡させる第2配線、前記第5校正用電極と前記第6校正用電極とを短絡させる第3配線、および、前記第7校正用電極と前記第8校正用電極とを短絡させる第4配線と、
前記第1配線上の第1ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第1の基準抵抗群と、
前記第2配線上の第2ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第2の基準抵抗群と、
前記第3配線上の第3ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第3の基準抵抗群と、
前記第4配線上の第4ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第4の基準抵抗群と、
前記第1ないし第4の基準抵抗群の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、当該基準抵抗群に対応するノードと前記共通ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、
前記第1ないし第4校正用電極は、前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられた場合に、前記第1校正用電極は前記第1電極と、前記第2校正用電極は前記第2電極と、前記第3校正用電極は前記第3電極と、前記第4校正用電極は前記第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられ、かつ、前記第1ないし第4端子と前記第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されて、前記第1把持電極ユニットおよび前記第2把持電極ユニットが前記表示ユニットに接続されたとき、
前記インピーダンス測定部は、前記第1、3、5および7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、前記第2、4、6および8電極のうちの何れか2つの間の電圧とに基づいてインピーダンスを測定し、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、前記校正用データを生成する、
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項1】
被験者の生体インピーダンスに基づいて前記被験者の生体情報を測定する本体と、前記被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、
前記本体は、
測定面上に配置され、前記被験者の右足に接触する第1電極および第2電極と、
前記測定面上に配置され、前記被験者の左足に接触する第3電極および第4電極と、
前記第1電極と前記第3電極との間に測定電流を出力する電流出力部と、
前記第2電極と前記第4電極との間の電圧を検出する電圧検出部と、
前記測定電流と、前記電圧検出部で検出された電圧とに基づいて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、
前記表示ユニットは、
一方の面に設けられた表示部と、
前記一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、
前記第1校正用電極と前記第2校正用電極とを短絡させる第1配線と、
前記第3校正用電極と前記第4校正用電極とを短絡させる第2配線と、
それぞれが、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗と、
前記複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した前記基準抵抗を、前記第1配線上の第1ノードと、前記第2配線上の第2ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、
前記第1ないし第4校正用電極は、前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられた場合に、前記第1校正用電極は前記第1電極と、前記第2校正用電極は前記第2電極と、前記第3校正用電極は前記第3電極と、前記第4校正用電極は前記第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記インピーダンス測定部は、前記第1電極および前記第3電極のうちの何れか一方の電極から、前記選択部で選択された前記基準抵抗を介して、他方の電極へ至る経路のインピーダンスを測定し、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、前記校正用データを生成する、
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記本体は、
前記被験者が前記測定面に載って、当該被験者の右足が前記第1電極および前記第2電極に接触する一方、当該被験者の左足が前記第3電極および前記第4電極に接触したときに、前記インピーダンス測定部にて測定されたインピーダンスの値を、前記校正用データを用いて校正する校正部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、当該判定処理の結果が否定である場合は、前記校正用データの生成を行わない、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、
前記表示ユニットは、前記判定処理の結果が否定である場合は、前記第1ないし第4校正用電極と、前記第1ないし第4電極とのそれぞれの接触状態が不良であることを知らせるエラーメッセージを前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられたとき、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスの値が所定範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行し、
前記表示ユニットは、前記判定処理の結果が肯定である場合は、前記インピーダンス測定部による測定結果を前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
被験者の生体インピーダンスに基づいて前記被験者の生体情報を測定する本体と、前記本体に接続される第1把持電極ユニットおよび第2把持電極ユニットと、前記被験者の生体情報を表示する表示ユニットと、を具備する生体情報測定装置であって、
前記第1把持電極ユニットは、
前記被験者の右手に接触する第5電極および第6電極と、前記第5電極と接続された第1端子と、前記第6電極と接続された第2端子と、を有し、
前記第2把持電極ユニットは、
前記被験者の左手に接触する第7電極および第8電極と、前記第7電極と接続された第3端子と、前記第8電極と接続された第4端子と、を有し、
前記本体は、
測定面上に配置され、前記被験者の右足に接触する第1電極および第2電極と、
前記測定面上に配置され、前記被験者の左足に接触する第3電極および第4電極と、
前記第1、3、5および7電極のうち何れか2つの間に測定電流を出力する電流出力部と、
前記第2、4、6および8電極のうち何れか2つの間の電圧を検出する電圧検出部と、
前記測定電流を供給する2つの電極と前記電圧を検出する2つの電極とを切り替えて、インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンス測定部の測定結果の校正に用いられる校正用データを生成する校正用データ生成部と、を備え、
前記表示ユニットは、
一方の面に設けられた表示部と、
前記一方の面と対向する他方の面に設けられた第1校正用電極、第2校正用電極、第3校正用電極および第4校正用電極と、
前記第1端子と接続可能な第5校正用電極、前記第2端子と接続可能な第6校正用電極、前記第3端子と接続可能な第7校正用電極、および、前記第4端子と接続可能な第8校正用電極と、
前記第1校正用電極と前記第2校正用電極とを短絡させる第1配線、前記第3校正用電極と前記第4校正用電極とを短絡させる第2配線、前記第5校正用電極と前記第6校正用電極とを短絡させる第3配線、および、前記第7校正用電極と前記第8校正用電極とを短絡させる第4配線と、
前記第1配線上の第1ノードと共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第1の基準抵抗群と、
前記第2配線上の第2ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第2の基準抵抗群と、
前記第3配線上の第3ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第3の基準抵抗群と、
前記第4配線上の第4ノードと前記共通ノードとの間に設けられるとともに、互いに異なる抵抗値を有する複数の基準抵抗からなる第4の基準抵抗群と、
前記第1ないし第4の基準抵抗群の各々について、当該基準抵抗群を構成する複数の基準抵抗のうちの何れか1つを順番に選択し、その選択した基準抵抗を、当該基準抵抗群に対応するノードと前記共通ノードとの間に電気的に接続させる選択部と、を備え、
前記第1ないし第4校正用電極は、前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられた場合に、前記第1校正用電極は前記第1電極と、前記第2校正用電極は前記第2電極と、前記第3校正用電極は前記第3電極と、前記第4校正用電極は前記第4電極と、それぞれ接触できるように配置され、
前記表示ユニットの前記他方の面が前記本体の前記測定面に載せられ、かつ、前記第1ないし第4端子と前記第5ないし第8校正用電極とがそれぞれ接続されて、前記第1把持電極ユニットおよび前記第2把持電極ユニットが前記表示ユニットに接続されたとき、
前記インピーダンス測定部は、前記第1、3、5および7電極のうちの何れか2つの電極の間を流れる測定電流の値と、前記第2、4、6および8電極のうちの何れか2つの間の電圧とに基づいてインピーダンスを測定し、
前記校正用データ生成部は、前記インピーダンス測定部の測定結果に基づいて、前記校正用データを生成する、
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−217861(P2011−217861A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88350(P2010−88350)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】
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