生体情報測定装置
【課題】皮膚ガスを逃がさず集め、短時間にかつ安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定することができる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】開放された一部分が被測定者の測定部位SBにおける皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間VCを形成する筐体12と、筐体を非圧着状態および圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体14と、筐体と動作体とを、被測定者の測定部位に装着するための装着部22と、装着部によって装着された状態にある動作体の動作を制御して筐体を非圧着状態および圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部41と、動作体の動作によって圧着状態となった筐体に内包された皮膚から閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定するガス測定部31と、を備える。
【解決手段】開放された一部分が被測定者の測定部位SBにおける皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間VCを形成する筐体12と、筐体を非圧着状態および圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体14と、筐体と動作体とを、被測定者の測定部位に装着するための装着部22と、装着部によって装着された状態にある動作体の動作を制御して筐体を非圧着状態および圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部41と、動作体の動作によって圧着状態となった筐体に内包された皮膚から閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定するガス測定部31と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の生体情報を測定する生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被測定者の健康状態を把握するために、生体サンプル(例えば、尿、汗、呼気、唾液など)を用いた分析が行われている。これらの分析では痛みを伴う採血等をしなくて済む非侵襲で生体サンプルを取得でき、その生体サンプルに含まれる微量成分を分析することにより様々な生体情報を得ることが可能である。そして、近年では、人体の皮膚表面から微量のガス(「皮膚ガス」と称す)が放出していることがわかり、この皮膚ガスを生体サンプルとして採取して成分分析することで、被測定者の健康状態を把握することが行われている。
【0003】
ところで、皮膚ガスは呼気ガスに比べて微量であるため、その採取は非常に困難である。そのため、皮膚ガスを生体サンプルとした成分分析に際しては、一般的に行われるガス分析のように、一旦皮膚ガスを袋のような採取容器に集め、それをガスクロマトグラフィーで分析して行う方法が考えられるが、これは簡便な方法ではない。
【0004】
そこで、簡便な分析方法として、特許文献1には、皮膚ガスからアンモニアを検出する測定装置が開示されている。また、特許文献2には、皮膚からの発汗量を測定する構成として、蔽体をゴムバンドによって皮膚に固定して蔽体内を外気と遮断する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−230353号公報
【特許文献2】実開昭61−142009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の測定装置の構成は、ガスを採取する部分を被測定者の皮膚に密着させるための手段についての具体的な構成が開示されていない。従って、ガスを採取する部分が皮膚から離れることによって、採取した皮膚ガスを逃がす可能性がある。一方、特許文献2には、固定手段としてゴムバンドを用いる構成が開示されているが、蔽体を皮膚に固定して取り付けた状態では、被測定者がゴムバンドによって腕が締め付けられた状態になっている。従って、このゴムバンドによる締め付けを回避するためには測定終了後において蔽体を取り外す必要があり、再び測定を行うときには蔽体を被測定者の腕に改めて取り付ける必要がある。この結果、測定の都度、蔽体を被測定者に取りつける時間を要するために測定が終了するまで時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、皮膚ガスを逃がさず集め、短時間にかつ安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定することができる生体情報測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の生体情報測定装置は、一部分が開放され、前記開放された一部分が被測定者の測定部位における皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間を形成する筐体と、前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体と、前記筐体と前記動作体とを、前記被測定者の前記測定部位に装着するための装着部と、前記装着部によって装着された状態にある前記動作体の動作を制御して前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部と、前記動作体の動作によって前記圧着状態となった前記筐体に内包された前記皮膚から前記閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定するガス測定部と、を備える。
【0009】
また、上記生体情報測定装置において、前記動作体は、流体の出入りによって膨張および収縮のいずれかの動作をする流体袋で構成され、前記動作体制御部の制御により、膨張させられることによって前記筐体を前記圧着状態にする一方、収縮させられることによって前記筐体を前記非圧着状態にすることが好ましい。
【0010】
また、上記生体情報測定装置は、前記流体袋と流路を介して接続され、前記流体袋が膨張させられた状態であるとき前記被測定者の前記測定部位における血圧を測定する血圧測定部を備えることが好ましい。
【0011】
また、上記生体情報測定装置は、前記筐体が形成する前記閉空間と流路を介して接続され、該流路が連通する前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定する発汗量測定部を備えることが好ましい。
【0012】
また、上記生体情報測定装置において、前記発汗量測定部は、前記ガス測定部が前記皮膚から前記閉空間内に放出される前記ガスの成分を測定すると同時に、前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定することが好ましい。
【0013】
また、上記生体情報測定装置において、前記動作体は、前記被測定者の前記測定部位において、前記筐体と対向する部位を含んでいることが好ましい。
また、上記生体情報測定装置において、前記装着部は、前記被測定者の測定部位に対して前記筐体と前記動作体とを着脱可能に装着させることが好ましい。
【0014】
また、上記生体情報測定装置において、前記筐体には、前記ガス測定部の測定結果を前記被測定者の生体情報として表示する表示部が備えられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、皮膚ガスを逃がさず集め、短時間にかつ安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の生体情報測定装置の使用態様を示す模式図。
【図2】同実施形態の生体情報測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施形態の生体情報測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】(a)(b)は、第1および第2実施形態の生体情報測定装置における装着部の変形例を示す模式図。
【図5】(a)(b)(c)は、第1および第2実施形態の生体情報測定装置における動作体の変形例を示す模式図。
【図6】第1および第2実施形態の生体情報測定装置における装着部の他の変形例を示す模式図。
【図7】第1および第2実施形態の生体情報測定装置における動作体の他の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態の生体情報測定装置100は、生体情報の測定の際に被測定者の測定部位SBに装着される端末部11と、端末部11と別体で形成された本体部30とを備えている。そして端末部11と本体部30との間は、流体の一例としての空気の流路となる第1通気管23および第2通気管24によって接続されている。また端末部11には生体情報を表示する表示部の一例としての表示体15が備えられ、この表示体15と本体部30との間が信号線25によって接続されている。
【0018】
端末部11は、外形が円柱形の筐体12と、この筐体12の外周壁に一端が固定されるとともに他端が自由端とされて測定部位SBを取り囲むように湾曲した一対の帯状をなす固定板13とを備えている。筐体12は、図2に示すように、測定部位SBと対向する側においてその一部分が開放され、開放された一部分から内側に窪んだ空間部が形成されるように、円筒形状の一端が平面部で塞がれ、他端が開放された略円形の端面部12aを有する容器形状となっている。また、固定板13の湾曲した帯状部分の内面に沿って、筐体12の両側に一対の動作体14が配設されている。
【0019】
本実施形態では、測定部位SBは手首近傍の前腕部を対象としており、端末部11は図1に示すように所謂腕時計のように測定部位SBに着脱可能に装着できるようになっている。このため、一対の固定板13は、筐体12に固定された側の端部とは反対側の自由端間に形成された間隔Gが広がることで曲率が大きくなるように変位可能であるとともに、変位後には変位前の状態に復帰させることが可能な弾性を有する所定幅の樹脂部材(あるいは金属部材)によって形成されている。そして、被測定者は間隔Gが広がるように一対の固定板13をそれぞれ変位させ、変位して広がった帯状部分の内側の空間領域に前腕を挿入するようになっている。なお、挿入後は、各固定板13の変位が弾性によって戻ることによって、筐体12と動作体14とが測定部位SBの近傍となる位置であって、測定部位SBを圧着しない位置に保持される。こうして、本実施形態では、固定板13は、筐体12および動作体14が測定部位SBに圧着されない非圧着の状態で保持された装着状態となるように、端末部11を測定部位SBに装着する装着部22として機能するようになっている。
【0020】
なお、固定板13は、装着状態において、筐体12の端面部12aおよび動作体14が皮膚と当接しない状態、もしくは皮膚を圧着しない状態となる位置に保持されるように、その変位前の湾曲形状が設定されている。
【0021】
動作体14は、本実施形態では流体の一例としての空気が流入および流出することによって、それぞれ膨張および収縮の動作を行う流体袋となっている。そして、この流体袋と連通するように第2通気管24が接続され、この第2通気管24を通して、本体部30から空気が流体袋に送られることによって動作体14が膨張するようになっている。逆に、流体袋から第2通気管24を介して本体部30へ空気が排出されることによって動作体14が収縮するようになっている。
【0022】
筐体12は、開放部分である端面部12aが、後述するように測定部位SBにおける皮膚に押し付けられて圧着状態となったとき、皮膚との間で閉空間VCが形成されるようになっている(図2参照)。そして、この閉空間VCと連通するように第1通気管23が接続され、この第1通気管23を通して閉空間VC内の空気が本体部30へ吸引されるようになっている。
【0023】
また、筐体12には、端面部12aと反対側の円形の平面部において、表示面DPを有する表示体15が取り付けられている。表示体15は、例えば液晶パネルやELパネルなどを備え、信号線25を介して本体部30から出力される画像信号によって、生体情報に関する画像を表示面DPに表示する表示部として機能するようになっている。
【0024】
次に、本体部30の構成について、図2を参照して詳しく説明する。図2に示すように、本体部30は、本実施形態では略直方体形状を呈するケース内に、ガス測定部31、動作体制御部41、生体情報表示処理部51、および吸引ポンプ32を、備えている。
【0025】
ガス測定部31は、吸引ポンプ32によって第1通気管23を介して吸引された皮膚ガスを貯蔵するガス貯蔵部33と、このガス貯蔵部33に貯蔵された皮膚ガスを検知するガス検知部34と、検知された皮膚ガスの濃度を求めるガス分析部35と、を備えている。
【0026】
動作体制御部41は、加圧ポンプ43と、排気弁44と、制御回路42とを備えている。そして制御回路42によって加圧ポンプ43を駆動することで第2通気管24を介して空気を動作体14に送り込む制御と、排気弁44を開閉する制御とを行うようになっている。具体的には、動作体制御部41は、排気弁44を閉じるとともに加圧ポンプ43を駆動して第2通気管24を介して動作体14に空気を送り込むことによって、動作体14を膨張させる。あるいは、加圧ポンプ43の駆動を停止するとともに排気弁44を開けて、膨張した動作体14から第2通気管24を介して空気を排出することによって、動作体14を収縮させる。なお、排気弁44としては、例えば電磁弁が採用可能である。
【0027】
生体情報表示処理部51は、ガス測定部31が分析した皮膚ガスに関する測定データを、表示体15の表示面DPに生体情報として表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。そして、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報が表示されるようになっている。
【0028】
次に、生体情報の測定において、このように構成された本体部30および端末部11の作用すなわち動作について説明する。
図2に示すように、生体情報の測定開始前の端末部11の装着状態では、測定部位SBは、端面部12aおよび動作体14との間にそれぞれ隙間を有するなど、端面部12aおよび動作体14に圧着していない非圧着状態となっている。この状態から、動作体制御部41において排気弁44が閉弁して加圧ポンプ43が駆動され、所定量の空気が第2通気管24を介して筐体12の両側の一対の動作体14に送り込まれることによって、それぞれの動作体14が膨張する。このとき、それぞれの動作体14は、固定板13によって測定部位SBから離れる方向への変位が抑制されるので、それぞれの動作体14は湾曲した固定板13の内側方向に膨張して、図中破線で示したように変位する。
【0029】
この結果、測定部位SBは、加圧された空気によって膨張する動作体14によって圧迫され、図中白抜き矢印で示したように筐体12に接近するように変位して、測定部位SBの表面の皮膚が端面部12aに圧着した状態になる。すなわち、端末部11は装着状態から圧着状態に変化する。そして、この端末部11の圧着状態において、圧着した端面部12aによって内包される皮膚と筐体12との間で閉空間VCが形成される。この閉空間VCは端面部12aが皮膚と圧着した状態であるため、測定部位SBにおいて被測定者の皮膚から放出された皮膚ガスは、閉空間VC内から逃げることなく閉空間VC内に集められる。
【0030】
次に、閉空間VCが形成された状態で、閉空間VC内の空気を吸引ポンプ32によって吸引してガス貯蔵部33に貯蔵する。貯蔵された空気には、測定部位SBにおける被測定者の皮膚から閉空間VCに放出された皮膚ガスが含まれる。そこで、貯蔵された空気に含まれる皮膚ガスをガス検知部34によって検知し、さらに検知された皮膚ガスをガス分析部35によって分析することによって、被測定者の生体情報が測定される。
【0031】
次に、皮膚ガスの分析が終了したのち、動作体制御部41において排気弁44が開弁され、測定部位SBの圧迫によって動作体14内において加圧された空気が、その加圧状態が開放されるように第2通気管24を介して排気弁44から排出される。この結果、動作体14は収縮して、膨張する前の元の形状に戻ることによって、端末部11は、測定部位SBに対して圧着状態から非圧着の装着状態に変化する。こうして、生体情報の測定において、本体部30および端末部11の動作が終了する。そして、再び生体情報を測定する場合は、端末部11と本体部30とが上述した動作を繰り返して行う。
【0032】
なお、本実施形態の生体情報測定装置100は、図2において図示しない計時機能および記憶機能を本体部30に備え、皮膚ガスの分析を行ったタイミングを示す時刻データを、分析データとともに記憶し、これらのデータを用いて表示データを生成する。そして、生成した表示データに基づいて、筐体12に取り付けられた表示体15の表示面DPに所定の画像を表示する。
【0033】
ちなみに、本実施形態において表示面DPに表示される画像の一例を図2の右下部分に示す。本実施形態では、生体情報の測定時刻、皮膚ガスの分析結果(例えばアセトン、イソプレン、ノネナールなどの特定ガスの濃度)、および過去の皮膚ガスの分析結果の時系列(時又は日又は月)での変化を示すグラフが表示面DPに表示される。
【0034】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)動作体14を膨張させることによって筐体12(端面部12a)を皮膚に圧着して形成した閉空間VC内に、筐体12(端面部12a)によって内包された皮膚から放出される皮膚ガスを逃がさず収集できる。従って、安定した精度で皮膚ガスの成分を測定することができる。また、生体情報測定装置100を被測定者の測定部位SBに装着したまま動作体14の収縮によって筐体12(端面部12a)を非圧着状態とすることができる。このため、被測定者に不快感を与えることが無いので生体情報測定装置100(端末部11)を被測定者の測定部位SBから取り外さなくても済む。従って、次回の生体情報の測定において、生体情報測定装置100の端末部11を被測定者の測定部位SBに装着する作業が不要となることから、生体情報としての皮膚ガスの成分を短時間で測定することができる。また、生体情報を連続して測定することが可能となる。
【0035】
(2)加圧ポンプ43および排気弁44を用いて第2通気管24を介して空気を流動(出入り)させ、動作体14を膨張あるいは収縮させることによって、容易に筐体12(端面部12a)を皮膚に圧着させたり圧着させなくしたりできる。従って、安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定する生体情報測定装置100を簡単な構成で提供することができる。また、非測定時において被測定者の測定部位SBを圧迫しないので、筐体12(端末部11)を取り外すことなく生体情報を連続して測定することが容易になる。
【0036】
(3)固定板13を変位させることで端末部11を測定部位SBに着脱ができることから、皮膚ガスの成分を測定する時のみ端末部11を装着することができる。この結果、測定の対象とならない無駄な皮膚ガスの採集や、被測定者の測定部位SBへの不必要な圧迫などを行うことが抑制される。また、端末部11が装着状態において被測定者の測定部位SBを圧迫しないので、測定部位SBが安定している状態から皮膚ガスの成分の測定を開始できる。従って、より正確な生体情報の測定が可能となる。
【0037】
(4)筐体12(端末部11)を測定部位SBに装着する際に表示体15(表示面DP)に表示された測定結果を容易に確認することができる。また、例えば、筐体12を取り外すことなく連続して生体情報が測定された場合、過去の生体情報を含めて複数の生体情報を表示体15に連続して表示させることによって、測定された生体情報の変化を視認することが可能となる。また、端末部11は腕時計型で手首への着脱が可能であるので、常時携帯することもできることから、皮膚ガスの成分を測定する場所や測定するタイミングについての制約が少ない。従って、例えば1時間毎など所定の時間間隔で測定して結果を記録し、記録結果の推移をグラフなどで表示させることもできる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の生体情報測定装置100Aは、上記第1実施形態の本体部30に対して血圧測定部45と発汗量測定部61とが更に設けられた本体部30Aを備えている。また、本体部30Aには、吸引ポンプ32によって第1通気管23を介して吸引された皮膚ガスを貯蔵するガス貯蔵部36と、湿度を測定するための湿度センサープローブ64を備えている。
【0039】
本体部30Aでは、筐体12の閉空間VCから吸引された皮膚ガスが一旦ガス貯蔵部36に送り込まれ、その後、ガス測定部31と発汗量測定部61とに分岐して送られるように構成されている。そして、ガス測定部31では、分岐して送られた皮膚ガスがガス貯蔵部33に貯蔵され、上述した第1実施形態と同様に皮膚ガスの成分測定が行われる。
【0040】
さらに、本体部30Aでは、皮膚ガスの成分測定に加えて、血圧測定部45による血圧の測定と、湿度センサープローブ64を用いた発汗量測定部61による発汗量の測定とが行われるようになっている。以下、血圧測定部45と発汗量測定部61とについて、それぞれの構成および作用を順に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態の生体情報測定装置100と同じ構成部品については同符号を付し、その重複説明を省略する。
【0041】
さて、生体情報測定装置100Aは、上記第1実施形態において説明したように、動作体制御部41における加圧ポンプ43から第2通気管24を介して送り込まれた空気によって膨張した動作体14が、測定部位SBを圧迫するように構成されている。すなわち、端末部11は、動作体14が血圧を伝える袋状のベルトであるカフとして機能する。従って、動作体14が膨張した状態となることで圧迫されて阻血された被測定者の測定部位SBに生ずる圧脈波が、動作体14と連通する第2通気管24内の空気圧に伝達されることになる。
【0042】
そこで、図3に示すように、血圧測定部45は、動作体制御部41に加えて、第2通気管24の内圧を測定する圧力センサー46と、圧力センサー46の測定値から血圧を判定する血圧判定部47とを備えている。そして、血圧測定部45は、一例としてオシロメトリック法による血圧測定を行う。この測定動作(作用)を説明する。
【0043】
血圧測定部45は、まず動作体制御部41における加圧ポンプ43を動作させることによって動作体14に空気を送り込んで動作体14を膨張させ、測定部位SBが動作体14によって一旦強く圧迫されるようにする。その後、動作体制御部41における排気弁44を開弁させ、動作体14に送り込んだ空気を徐々に排出して動作体14を収縮させることで、測定部位SBに対する動作体14の圧迫力を徐々に減少させる。この圧迫力の減少に際して、第2通気管24内の空気圧を圧力センサー46で測定する。
【0044】
血圧判定部47は、測定された空気圧において、圧脈波が急激に大きくなる時の第2通気管24内の空気圧を収縮期血圧(最高血圧)と、また急激に小さくなるときの第2通気管24内の空気圧を拡張期血圧(最低血圧)と、それぞれ判定する。こうして、血圧測定部45は、測定部位SBを用いて、被測定者の最高血圧と最低血圧を測定する。
【0045】
なお、血圧測定部45は、血圧測定を皮膚ガスの成分測定と同時に行ってもよいし、血圧の測定を皮膚ガスの成分測定の開始前あるいは終了後に行うようにしてもよい。また、最高血圧のみを測定するようにしてもよいし、最低血圧のみ測定するようにしてもよい。
【0046】
また、ここでは、血圧を測定する方式としては、動作体14内の減圧中に血圧を測定する減圧方式ではなく、動作体14内の加圧中に血圧を測定する加圧方式であってもよい。
また、本実施形態では、生体情報表示処理部51は、血圧測定部45が測定した血圧データを、表示体15の表示面DPに表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。この結果、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報に加えて血圧情報が表示されるようになっている。
【0047】
次に、発汗量測定部61について説明する。図3に示すように、発汗量測定部61は、筐体湿度センサー62、外気湿度センサー63、および発汗量算出部65を備えている。筐体湿度センサー62は、ガス貯蔵部36に貯蔵された皮膚ガスの湿度を測定する。また、外気湿度センサー63は、湿度センサープローブ64が接触する外気の湿度を測定する。そして、発汗量算出部65は、筐体湿度センサー62の測定値と外気湿度センサー63の測定値とを用いて発汗量を測定する。
【0048】
ここで、本体部30Aでは、筐体12の閉空間VCから吸引された皮膚ガスが一旦ガス貯蔵部36に送り込まれ、その後、ガス測定部31と発汗量測定部61とに分岐して送られるように構成されている。そして、ガス測定部31では、分岐して送られた皮膚ガスがガス貯蔵部33に貯蔵され、上述したように皮膚ガスの分析処理が行われる。
【0049】
一方、発汗量測定部61では、分岐して送られる皮膚ガスに含まれる発汗量を測定する。この測定動作(作用)について説明する。
分岐して送られた皮膚ガスは、筐体湿度センサー62によって皮膚ガス中の湿度が測定される。これと同じタイミングで、外気湿度センサー63によって、測定部位SBの周辺の外気湿度が湿度センサープローブ64を介して測定される。そして、発汗量算出部65は、筐体12内の湿度と同じタイミングで測定される外気の湿度の差分を計算することで、皮膚からの発汗量を算出する。
【0050】
なお、生体情報表示処理部51は、発汗量測定部61が測定した発汗量に関する測定データを、表示体15の表示面DPに表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。そして、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報が表示されるようになっている。
【0051】
ちなみに、本実施形態において表示面DPに表示される画像の一例を図3の右下部分に示す。本実施形態では、生体情報の測定時刻、皮膚ガスの分析結果(例えばアセトン、イソプレン、ノネナールなどの特定ガスの濃度)に加えて、最高血圧と最低血圧、および発汗量が表示面DPに表示される。また、これらの過去のデータ(濃度データ又は血圧データ又は発汗量データ)の時系列(時又は日又は月)での推移を示すグラフが表示面DPに表示される。
【0052】
本実施形態によれば、上記実施形態における効果(1)〜(4)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)動作体14の膨張により皮膚から放出される皮膚ガスを逃がさず収集できるとともに、被測定者の測定部位SBを阻血して血圧測定を行うことができる。従って、例えば、皮膚ガスの成分測定によって得られる生体情報を、血圧測定によって得られる情報と対応させることができる。この結果、被測定者は、最高血圧もしくは最低血圧と皮膚ガスの濃度とを対応させ、その関係を把握することができるので、例えば、測定後にデータ管理を行う際に、記録された血圧値によって平常状態だったか否かを判断することができる。そして、必要に応じて平常でない状態における測定データを生体情報から除外することもできる。
【0053】
(6)皮膚から放出される皮膚ガスを用いて被測定者の発汗量の測定を行うことができる。従って、例えば、皮膚ガスの成分測定によって得られる生体情報を、発汗量の測定によって得られる情報と対応させることができる。この結果、被測定者は、発汗量と皮膚ガスの成分濃度とを対応させ、その関係を把握することができるので、例えば測定後にデータ管理を行う際に、記録された発汗量によって安静だったか否かを判断することができる。そして、必要に応じて安静でない状態での測定データを生体情報から除外することもできる。このように、発汗量を測定することで、皮膚ガスの成分測定開始のタイミングや測定後のデータ管理に役立てることができる。
【0054】
(7)一般的に発汗量を測定することで被測定者の安静状態を定量的に確認することができる。従って、皮膚ガスの成分測定と同時に発汗量を測定することによって、被測定者が安静状態であるか否かを確認し、安静状態であると確認されたときの皮膚ガスの成分の測定データを生体情報として採用することができる。この結果、皮膚ガスの成分の測定条件を整えてデータの信頼性を向上させることができる。また、測定前に発汗量を測定して安静か否かを判断し、緊張状態にある場合は再度時間を置いてから再測定を行うこともできる。なお、安静状態を判断する方法として、予め定めた発汗量の基準値を設け、基準値を超えた場合は緊張状態と判定し、基準値以下である場合は安静状態であると判定する。
【0055】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、装着部22は固定板13と異なる態様であってもよい。固定板13が異なる態様の一例となる端末部11について、図4(a)(b)を参照して説明する。
【0056】
図4(a)に示すように、装着部22は、それぞれの一端が筐体12の両側に固定された一対の動作体14を、測定部位SBにおける筐体12と対向する部位側において連結する固定部材16としてもよい。すなわち、固定部材16によって一対の動作体14が筐体12と測定部位SBに対して反対側において連結されることによって、端末部11は測定部位SBに装着される形態としてもよい。
【0057】
なお、固定部材16は、2つの部材に分離できるように構成され、測定部位SBへの装着時や取り外し時において、分離されることで容易に端末部11を測定部位SBに装着したり測定部位SBから取り外したりできるようになっていることが好ましい。また、固定部材16は、測定部位SBの形に沿った形状(例えば曲面形状)とすることが好ましい。
【0058】
固定部材16の分離構造として、例えば図4(b)に示すように、パイルとフックによる面ファスナーを用いた構造としてもよい。すなわち、一対の動作体14のうち一方の動作体14の端部に、パイルの形成面17aを有する固定部材17を設け、他方の動作体14の端部に、フックの形成面18aを有する固定部材18を設ける。そして、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとを当接させるように固定部材17と固定部材18とを重ねて互いに圧接することで、端末部11が測定部位SBに装着されるように構成してもよい。
【0059】
この構成によれば、上記実施形態における効果(1)〜(7)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(8)測定部位SBの大きさ(太さ)に応じて、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとを重ねる位置を適切に調節することによって、端末部11を測定部位SBに対して容易に非圧着状態で装着することができる。
【0060】
・上記実施形態において、端末部11は動作体14を1つのみ有する構成であってもよい。この一例となる端末部11について、図5(a)(b)(c)を参照して説明する。
図5(a)に示すように、動作体14は測定部位SBを周回するよう帯状に流体袋が設けられ、その両端が筐体12に固定された態様としてもよい。すなわち、端末部11において動作体14が装着部22としても機能する構成であってもよい。
【0061】
動作体14をこのような構成とした場合、動作体14は、被測定者の測定部位SBにおいて筐体12と対向する部位を含んで装着される。従って、図5(b)に示すように、動作体14は、膨張したときに、筐体12と対向する部位を除く測定部位SBの周囲の帯状の袋内面側が符号14bで示した状態から符号14aで示した状態に変位する。この膨張による動作体14の変位によって、測定部位SBは圧迫され、図中白抜き矢印で示したように測定部位SBを筐体12側に移動させて、筐体12の端面部12aに皮膚を押し付けて圧着させる。こうして、動作体14は端末部11を、測定部位SBに対して装着状態から圧着状態にすることができる。
【0062】
この構成によれば、上記実施形態における効果(1)〜(7)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9)動作体14が膨張したときに、測定部位SBを周囲から圧迫するので、測定部位SBに対する動作体14の位置ずれを防止することができる。また、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に対して測定部位SBにおける皮膚を強固に押し付けることができる。
【0063】
なお、図5(c)に示すように、動作体14が膨張したとき、動作体14において、袋内面側が符号14bで示した状態から符号14aで示した状態に変位することによって測定部位SBを筐体12側に移動させる方向へのみ圧迫するようにしてもよい。例えば、図5(c)において一点鎖線CLよりも筐体12から離れる側に存在する動作体14の袋内面部分、すなわち、皮膚面における法線方向が筐体12に向かう方向成分を含む測定部位SBに対向する動作体14の袋内面部分のみ膨張するようにしてもよい。
【0064】
この構成によれば、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に対して測定部位SBにおける皮膚をさらに強固に押し付けることができる。
・上記実施形態において、分離構造を有する固定部材(装着部22)を、筐体12と隣接する位置に配設するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、パイルの形成面17aを有する固定部材17を、その一端が筐体12に固定されるように配設する。そして、一端が筐体12に固定された動作体14の他端に、フックの形成面18aを有する固定部材18を、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとが対向するように配設する。なお、固定部材17および固定部材18は、上記実施形態においても同様に、測定部位SBの形に沿った形状(ここでは前腕の形状)とすることが好ましい。
【0065】
この構成によれば、端末部11を測定部位SBに対して用意に脱着できるとともに、測定部位SBの大きさ(太さ)に応じて、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとの当接位置を調節することによって、端末部11を適切に非圧着状態で装着できる。また、固定部材17の配設位置には膨張する動作体14が配設されないので、筐体12から測定部位SBを離間させる方向への圧迫力が抑制されることから、動作体14が膨張したときに測定部位SBに対する動作体14の位置ずれを防止することができる。また、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に皮膚をより強固に押し付けるように測定部位SBを圧迫することができる。
【0066】
・上記実施形態において、装着部22を動作体14の膨張による変位と異なる方法によって端末部11が装着状態から圧着状態に状態変化する構造としてもよい。例えば、測定部位SBの周囲に沿った端末部11の長さつまり周長が短くなるように変位することによって、端末部11が装着状態から圧着状態に状態変化する構造であってもよい。この一例について、図7を参照して説明する。
【0067】
図7に示すように、一対の動作体14において、筐体12に固定された側の端部とは反対側の自由端のそれぞれに、ラック歯を有する移動部材19,20をラック歯が互いに対向するようにそれぞれ配設する。さらに、これらのラック歯に噛合うとともに図示しない回転手段によって回転可能なピニオン21を配設する。この移動部材19,20とピニオン21とによって、装着部22を構成する。この構造によれば、ピニオン21の回転によって、それぞれの移動部材19,20の相互の重なり量を変化させることで、端末部11における測定部位SBに沿った動作体14と移動部材19,20との合計長さを、長くしたり短くしたりすることができる。従って、移動部材19,20の相互の重なり量を多くすることで、動作体14と移動部材19,20との合計長さを短くすれば、動作体14が膨張した場合と同様に測定部位SBは動作体14(および移動部材19,20)によって締め付けられる。この結果、端末部11は、装着状態から圧着状態に状態変化する。
【0068】
・上記実施形態において、必ずしも吸引ポンプ32を用いて、皮膚ガスを能動的にガス貯蔵部33(ガス貯蔵部36)に吸引しなくてもよい。例えば、第1通気管23を介して皮膚ガスがガス貯蔵部33(ガス貯蔵部36)に受動的に流入する場合や、短時間で測定する必要がない場合では、吸引ポンプ32によって吸引することなく皮膚ガスの成分測定を行うことが可能である。
【0069】
・上記第2実施形態において、筐体湿度センサー62のみで発汗量を測定する場合は、測定開始前の筐体12内湿度と、筐体12内の湿度が飽和した後の値との差分を取って発汗量を算出してもよい。なお、発汗量を算出できる方法であれば、これ以外の発汗量の算出方法を用いても差し支えない。
【0070】
・上記実施形態において、端末部11と本体部30,30Aとは一体で形成されていてもよい。こうすれば、第1通気管23、第2通気管24、および信号線25を省略もしくは短くすることができるので、生体情報測定装置100を測定部位SBに装着し易くなる。また、生体情報測定装置100において配管や配線が露出しないので、外観的にも好ましい。
【0071】
・上記実施形態において、筐体12は外形が円柱形状以外の形状であってもよい。例えば外形が角柱形状であってもよい。あるいは、外形が球形や垂体など柱状と異なる形状であってもよい。
【0072】
・上記実施形態では前腕(例えば手首)への装着を例示したが、装着の対象となる測定部位は限定しない。すなわち生体情報測定装置100は装着できる部位であれば四肢の任意の部分に取り付けることができる。皮膚ガスは身体の部位によって放出量が違い、目的に応じて部位を選択して設置することができる。また、血圧測定も、腕だけではなく足で行うこともできる。また、体幹に取り付けて、少なくとも腹部や背中などから放出される皮膚ガスの成分測定を行うことができる。
【0073】
・上記実施形態において、表示体15は必ずしも端末部11に備えなくてもよい。例えば本体部30,30Aに備えるようにしてもよい。さらには、生体情報測定装置100において表示体15を必ずしも備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
11…端末部、12…筐体、14…動作体、22…装着部、30,30A…本体部、41…動作体制御部、45…血圧測定部、61…発汗量測定部、100,100A…生体情報測定装置、SB…測定部位、VC…閉空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の生体情報を測定する生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被測定者の健康状態を把握するために、生体サンプル(例えば、尿、汗、呼気、唾液など)を用いた分析が行われている。これらの分析では痛みを伴う採血等をしなくて済む非侵襲で生体サンプルを取得でき、その生体サンプルに含まれる微量成分を分析することにより様々な生体情報を得ることが可能である。そして、近年では、人体の皮膚表面から微量のガス(「皮膚ガス」と称す)が放出していることがわかり、この皮膚ガスを生体サンプルとして採取して成分分析することで、被測定者の健康状態を把握することが行われている。
【0003】
ところで、皮膚ガスは呼気ガスに比べて微量であるため、その採取は非常に困難である。そのため、皮膚ガスを生体サンプルとした成分分析に際しては、一般的に行われるガス分析のように、一旦皮膚ガスを袋のような採取容器に集め、それをガスクロマトグラフィーで分析して行う方法が考えられるが、これは簡便な方法ではない。
【0004】
そこで、簡便な分析方法として、特許文献1には、皮膚ガスからアンモニアを検出する測定装置が開示されている。また、特許文献2には、皮膚からの発汗量を測定する構成として、蔽体をゴムバンドによって皮膚に固定して蔽体内を外気と遮断する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−230353号公報
【特許文献2】実開昭61−142009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の測定装置の構成は、ガスを採取する部分を被測定者の皮膚に密着させるための手段についての具体的な構成が開示されていない。従って、ガスを採取する部分が皮膚から離れることによって、採取した皮膚ガスを逃がす可能性がある。一方、特許文献2には、固定手段としてゴムバンドを用いる構成が開示されているが、蔽体を皮膚に固定して取り付けた状態では、被測定者がゴムバンドによって腕が締め付けられた状態になっている。従って、このゴムバンドによる締め付けを回避するためには測定終了後において蔽体を取り外す必要があり、再び測定を行うときには蔽体を被測定者の腕に改めて取り付ける必要がある。この結果、測定の都度、蔽体を被測定者に取りつける時間を要するために測定が終了するまで時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、皮膚ガスを逃がさず集め、短時間にかつ安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定することができる生体情報測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の生体情報測定装置は、一部分が開放され、前記開放された一部分が被測定者の測定部位における皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間を形成する筐体と、前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体と、前記筐体と前記動作体とを、前記被測定者の前記測定部位に装着するための装着部と、前記装着部によって装着された状態にある前記動作体の動作を制御して前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部と、前記動作体の動作によって前記圧着状態となった前記筐体に内包された前記皮膚から前記閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定するガス測定部と、を備える。
【0009】
また、上記生体情報測定装置において、前記動作体は、流体の出入りによって膨張および収縮のいずれかの動作をする流体袋で構成され、前記動作体制御部の制御により、膨張させられることによって前記筐体を前記圧着状態にする一方、収縮させられることによって前記筐体を前記非圧着状態にすることが好ましい。
【0010】
また、上記生体情報測定装置は、前記流体袋と流路を介して接続され、前記流体袋が膨張させられた状態であるとき前記被測定者の前記測定部位における血圧を測定する血圧測定部を備えることが好ましい。
【0011】
また、上記生体情報測定装置は、前記筐体が形成する前記閉空間と流路を介して接続され、該流路が連通する前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定する発汗量測定部を備えることが好ましい。
【0012】
また、上記生体情報測定装置において、前記発汗量測定部は、前記ガス測定部が前記皮膚から前記閉空間内に放出される前記ガスの成分を測定すると同時に、前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定することが好ましい。
【0013】
また、上記生体情報測定装置において、前記動作体は、前記被測定者の前記測定部位において、前記筐体と対向する部位を含んでいることが好ましい。
また、上記生体情報測定装置において、前記装着部は、前記被測定者の測定部位に対して前記筐体と前記動作体とを着脱可能に装着させることが好ましい。
【0014】
また、上記生体情報測定装置において、前記筐体には、前記ガス測定部の測定結果を前記被測定者の生体情報として表示する表示部が備えられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、皮膚ガスを逃がさず集め、短時間にかつ安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の生体情報測定装置の使用態様を示す模式図。
【図2】同実施形態の生体情報測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施形態の生体情報測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】(a)(b)は、第1および第2実施形態の生体情報測定装置における装着部の変形例を示す模式図。
【図5】(a)(b)(c)は、第1および第2実施形態の生体情報測定装置における動作体の変形例を示す模式図。
【図6】第1および第2実施形態の生体情報測定装置における装着部の他の変形例を示す模式図。
【図7】第1および第2実施形態の生体情報測定装置における動作体の他の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態の生体情報測定装置100は、生体情報の測定の際に被測定者の測定部位SBに装着される端末部11と、端末部11と別体で形成された本体部30とを備えている。そして端末部11と本体部30との間は、流体の一例としての空気の流路となる第1通気管23および第2通気管24によって接続されている。また端末部11には生体情報を表示する表示部の一例としての表示体15が備えられ、この表示体15と本体部30との間が信号線25によって接続されている。
【0018】
端末部11は、外形が円柱形の筐体12と、この筐体12の外周壁に一端が固定されるとともに他端が自由端とされて測定部位SBを取り囲むように湾曲した一対の帯状をなす固定板13とを備えている。筐体12は、図2に示すように、測定部位SBと対向する側においてその一部分が開放され、開放された一部分から内側に窪んだ空間部が形成されるように、円筒形状の一端が平面部で塞がれ、他端が開放された略円形の端面部12aを有する容器形状となっている。また、固定板13の湾曲した帯状部分の内面に沿って、筐体12の両側に一対の動作体14が配設されている。
【0019】
本実施形態では、測定部位SBは手首近傍の前腕部を対象としており、端末部11は図1に示すように所謂腕時計のように測定部位SBに着脱可能に装着できるようになっている。このため、一対の固定板13は、筐体12に固定された側の端部とは反対側の自由端間に形成された間隔Gが広がることで曲率が大きくなるように変位可能であるとともに、変位後には変位前の状態に復帰させることが可能な弾性を有する所定幅の樹脂部材(あるいは金属部材)によって形成されている。そして、被測定者は間隔Gが広がるように一対の固定板13をそれぞれ変位させ、変位して広がった帯状部分の内側の空間領域に前腕を挿入するようになっている。なお、挿入後は、各固定板13の変位が弾性によって戻ることによって、筐体12と動作体14とが測定部位SBの近傍となる位置であって、測定部位SBを圧着しない位置に保持される。こうして、本実施形態では、固定板13は、筐体12および動作体14が測定部位SBに圧着されない非圧着の状態で保持された装着状態となるように、端末部11を測定部位SBに装着する装着部22として機能するようになっている。
【0020】
なお、固定板13は、装着状態において、筐体12の端面部12aおよび動作体14が皮膚と当接しない状態、もしくは皮膚を圧着しない状態となる位置に保持されるように、その変位前の湾曲形状が設定されている。
【0021】
動作体14は、本実施形態では流体の一例としての空気が流入および流出することによって、それぞれ膨張および収縮の動作を行う流体袋となっている。そして、この流体袋と連通するように第2通気管24が接続され、この第2通気管24を通して、本体部30から空気が流体袋に送られることによって動作体14が膨張するようになっている。逆に、流体袋から第2通気管24を介して本体部30へ空気が排出されることによって動作体14が収縮するようになっている。
【0022】
筐体12は、開放部分である端面部12aが、後述するように測定部位SBにおける皮膚に押し付けられて圧着状態となったとき、皮膚との間で閉空間VCが形成されるようになっている(図2参照)。そして、この閉空間VCと連通するように第1通気管23が接続され、この第1通気管23を通して閉空間VC内の空気が本体部30へ吸引されるようになっている。
【0023】
また、筐体12には、端面部12aと反対側の円形の平面部において、表示面DPを有する表示体15が取り付けられている。表示体15は、例えば液晶パネルやELパネルなどを備え、信号線25を介して本体部30から出力される画像信号によって、生体情報に関する画像を表示面DPに表示する表示部として機能するようになっている。
【0024】
次に、本体部30の構成について、図2を参照して詳しく説明する。図2に示すように、本体部30は、本実施形態では略直方体形状を呈するケース内に、ガス測定部31、動作体制御部41、生体情報表示処理部51、および吸引ポンプ32を、備えている。
【0025】
ガス測定部31は、吸引ポンプ32によって第1通気管23を介して吸引された皮膚ガスを貯蔵するガス貯蔵部33と、このガス貯蔵部33に貯蔵された皮膚ガスを検知するガス検知部34と、検知された皮膚ガスの濃度を求めるガス分析部35と、を備えている。
【0026】
動作体制御部41は、加圧ポンプ43と、排気弁44と、制御回路42とを備えている。そして制御回路42によって加圧ポンプ43を駆動することで第2通気管24を介して空気を動作体14に送り込む制御と、排気弁44を開閉する制御とを行うようになっている。具体的には、動作体制御部41は、排気弁44を閉じるとともに加圧ポンプ43を駆動して第2通気管24を介して動作体14に空気を送り込むことによって、動作体14を膨張させる。あるいは、加圧ポンプ43の駆動を停止するとともに排気弁44を開けて、膨張した動作体14から第2通気管24を介して空気を排出することによって、動作体14を収縮させる。なお、排気弁44としては、例えば電磁弁が採用可能である。
【0027】
生体情報表示処理部51は、ガス測定部31が分析した皮膚ガスに関する測定データを、表示体15の表示面DPに生体情報として表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。そして、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報が表示されるようになっている。
【0028】
次に、生体情報の測定において、このように構成された本体部30および端末部11の作用すなわち動作について説明する。
図2に示すように、生体情報の測定開始前の端末部11の装着状態では、測定部位SBは、端面部12aおよび動作体14との間にそれぞれ隙間を有するなど、端面部12aおよび動作体14に圧着していない非圧着状態となっている。この状態から、動作体制御部41において排気弁44が閉弁して加圧ポンプ43が駆動され、所定量の空気が第2通気管24を介して筐体12の両側の一対の動作体14に送り込まれることによって、それぞれの動作体14が膨張する。このとき、それぞれの動作体14は、固定板13によって測定部位SBから離れる方向への変位が抑制されるので、それぞれの動作体14は湾曲した固定板13の内側方向に膨張して、図中破線で示したように変位する。
【0029】
この結果、測定部位SBは、加圧された空気によって膨張する動作体14によって圧迫され、図中白抜き矢印で示したように筐体12に接近するように変位して、測定部位SBの表面の皮膚が端面部12aに圧着した状態になる。すなわち、端末部11は装着状態から圧着状態に変化する。そして、この端末部11の圧着状態において、圧着した端面部12aによって内包される皮膚と筐体12との間で閉空間VCが形成される。この閉空間VCは端面部12aが皮膚と圧着した状態であるため、測定部位SBにおいて被測定者の皮膚から放出された皮膚ガスは、閉空間VC内から逃げることなく閉空間VC内に集められる。
【0030】
次に、閉空間VCが形成された状態で、閉空間VC内の空気を吸引ポンプ32によって吸引してガス貯蔵部33に貯蔵する。貯蔵された空気には、測定部位SBにおける被測定者の皮膚から閉空間VCに放出された皮膚ガスが含まれる。そこで、貯蔵された空気に含まれる皮膚ガスをガス検知部34によって検知し、さらに検知された皮膚ガスをガス分析部35によって分析することによって、被測定者の生体情報が測定される。
【0031】
次に、皮膚ガスの分析が終了したのち、動作体制御部41において排気弁44が開弁され、測定部位SBの圧迫によって動作体14内において加圧された空気が、その加圧状態が開放されるように第2通気管24を介して排気弁44から排出される。この結果、動作体14は収縮して、膨張する前の元の形状に戻ることによって、端末部11は、測定部位SBに対して圧着状態から非圧着の装着状態に変化する。こうして、生体情報の測定において、本体部30および端末部11の動作が終了する。そして、再び生体情報を測定する場合は、端末部11と本体部30とが上述した動作を繰り返して行う。
【0032】
なお、本実施形態の生体情報測定装置100は、図2において図示しない計時機能および記憶機能を本体部30に備え、皮膚ガスの分析を行ったタイミングを示す時刻データを、分析データとともに記憶し、これらのデータを用いて表示データを生成する。そして、生成した表示データに基づいて、筐体12に取り付けられた表示体15の表示面DPに所定の画像を表示する。
【0033】
ちなみに、本実施形態において表示面DPに表示される画像の一例を図2の右下部分に示す。本実施形態では、生体情報の測定時刻、皮膚ガスの分析結果(例えばアセトン、イソプレン、ノネナールなどの特定ガスの濃度)、および過去の皮膚ガスの分析結果の時系列(時又は日又は月)での変化を示すグラフが表示面DPに表示される。
【0034】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)動作体14を膨張させることによって筐体12(端面部12a)を皮膚に圧着して形成した閉空間VC内に、筐体12(端面部12a)によって内包された皮膚から放出される皮膚ガスを逃がさず収集できる。従って、安定した精度で皮膚ガスの成分を測定することができる。また、生体情報測定装置100を被測定者の測定部位SBに装着したまま動作体14の収縮によって筐体12(端面部12a)を非圧着状態とすることができる。このため、被測定者に不快感を与えることが無いので生体情報測定装置100(端末部11)を被測定者の測定部位SBから取り外さなくても済む。従って、次回の生体情報の測定において、生体情報測定装置100の端末部11を被測定者の測定部位SBに装着する作業が不要となることから、生体情報としての皮膚ガスの成分を短時間で測定することができる。また、生体情報を連続して測定することが可能となる。
【0035】
(2)加圧ポンプ43および排気弁44を用いて第2通気管24を介して空気を流動(出入り)させ、動作体14を膨張あるいは収縮させることによって、容易に筐体12(端面部12a)を皮膚に圧着させたり圧着させなくしたりできる。従って、安定した精度で皮膚ガスの成分を生体情報として測定する生体情報測定装置100を簡単な構成で提供することができる。また、非測定時において被測定者の測定部位SBを圧迫しないので、筐体12(端末部11)を取り外すことなく生体情報を連続して測定することが容易になる。
【0036】
(3)固定板13を変位させることで端末部11を測定部位SBに着脱ができることから、皮膚ガスの成分を測定する時のみ端末部11を装着することができる。この結果、測定の対象とならない無駄な皮膚ガスの採集や、被測定者の測定部位SBへの不必要な圧迫などを行うことが抑制される。また、端末部11が装着状態において被測定者の測定部位SBを圧迫しないので、測定部位SBが安定している状態から皮膚ガスの成分の測定を開始できる。従って、より正確な生体情報の測定が可能となる。
【0037】
(4)筐体12(端末部11)を測定部位SBに装着する際に表示体15(表示面DP)に表示された測定結果を容易に確認することができる。また、例えば、筐体12を取り外すことなく連続して生体情報が測定された場合、過去の生体情報を含めて複数の生体情報を表示体15に連続して表示させることによって、測定された生体情報の変化を視認することが可能となる。また、端末部11は腕時計型で手首への着脱が可能であるので、常時携帯することもできることから、皮膚ガスの成分を測定する場所や測定するタイミングについての制約が少ない。従って、例えば1時間毎など所定の時間間隔で測定して結果を記録し、記録結果の推移をグラフなどで表示させることもできる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の生体情報測定装置100Aは、上記第1実施形態の本体部30に対して血圧測定部45と発汗量測定部61とが更に設けられた本体部30Aを備えている。また、本体部30Aには、吸引ポンプ32によって第1通気管23を介して吸引された皮膚ガスを貯蔵するガス貯蔵部36と、湿度を測定するための湿度センサープローブ64を備えている。
【0039】
本体部30Aでは、筐体12の閉空間VCから吸引された皮膚ガスが一旦ガス貯蔵部36に送り込まれ、その後、ガス測定部31と発汗量測定部61とに分岐して送られるように構成されている。そして、ガス測定部31では、分岐して送られた皮膚ガスがガス貯蔵部33に貯蔵され、上述した第1実施形態と同様に皮膚ガスの成分測定が行われる。
【0040】
さらに、本体部30Aでは、皮膚ガスの成分測定に加えて、血圧測定部45による血圧の測定と、湿度センサープローブ64を用いた発汗量測定部61による発汗量の測定とが行われるようになっている。以下、血圧測定部45と発汗量測定部61とについて、それぞれの構成および作用を順に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態の生体情報測定装置100と同じ構成部品については同符号を付し、その重複説明を省略する。
【0041】
さて、生体情報測定装置100Aは、上記第1実施形態において説明したように、動作体制御部41における加圧ポンプ43から第2通気管24を介して送り込まれた空気によって膨張した動作体14が、測定部位SBを圧迫するように構成されている。すなわち、端末部11は、動作体14が血圧を伝える袋状のベルトであるカフとして機能する。従って、動作体14が膨張した状態となることで圧迫されて阻血された被測定者の測定部位SBに生ずる圧脈波が、動作体14と連通する第2通気管24内の空気圧に伝達されることになる。
【0042】
そこで、図3に示すように、血圧測定部45は、動作体制御部41に加えて、第2通気管24の内圧を測定する圧力センサー46と、圧力センサー46の測定値から血圧を判定する血圧判定部47とを備えている。そして、血圧測定部45は、一例としてオシロメトリック法による血圧測定を行う。この測定動作(作用)を説明する。
【0043】
血圧測定部45は、まず動作体制御部41における加圧ポンプ43を動作させることによって動作体14に空気を送り込んで動作体14を膨張させ、測定部位SBが動作体14によって一旦強く圧迫されるようにする。その後、動作体制御部41における排気弁44を開弁させ、動作体14に送り込んだ空気を徐々に排出して動作体14を収縮させることで、測定部位SBに対する動作体14の圧迫力を徐々に減少させる。この圧迫力の減少に際して、第2通気管24内の空気圧を圧力センサー46で測定する。
【0044】
血圧判定部47は、測定された空気圧において、圧脈波が急激に大きくなる時の第2通気管24内の空気圧を収縮期血圧(最高血圧)と、また急激に小さくなるときの第2通気管24内の空気圧を拡張期血圧(最低血圧)と、それぞれ判定する。こうして、血圧測定部45は、測定部位SBを用いて、被測定者の最高血圧と最低血圧を測定する。
【0045】
なお、血圧測定部45は、血圧測定を皮膚ガスの成分測定と同時に行ってもよいし、血圧の測定を皮膚ガスの成分測定の開始前あるいは終了後に行うようにしてもよい。また、最高血圧のみを測定するようにしてもよいし、最低血圧のみ測定するようにしてもよい。
【0046】
また、ここでは、血圧を測定する方式としては、動作体14内の減圧中に血圧を測定する減圧方式ではなく、動作体14内の加圧中に血圧を測定する加圧方式であってもよい。
また、本実施形態では、生体情報表示処理部51は、血圧測定部45が測定した血圧データを、表示体15の表示面DPに表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。この結果、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報に加えて血圧情報が表示されるようになっている。
【0047】
次に、発汗量測定部61について説明する。図3に示すように、発汗量測定部61は、筐体湿度センサー62、外気湿度センサー63、および発汗量算出部65を備えている。筐体湿度センサー62は、ガス貯蔵部36に貯蔵された皮膚ガスの湿度を測定する。また、外気湿度センサー63は、湿度センサープローブ64が接触する外気の湿度を測定する。そして、発汗量算出部65は、筐体湿度センサー62の測定値と外気湿度センサー63の測定値とを用いて発汗量を測定する。
【0048】
ここで、本体部30Aでは、筐体12の閉空間VCから吸引された皮膚ガスが一旦ガス貯蔵部36に送り込まれ、その後、ガス測定部31と発汗量測定部61とに分岐して送られるように構成されている。そして、ガス測定部31では、分岐して送られた皮膚ガスがガス貯蔵部33に貯蔵され、上述したように皮膚ガスの分析処理が行われる。
【0049】
一方、発汗量測定部61では、分岐して送られる皮膚ガスに含まれる発汗量を測定する。この測定動作(作用)について説明する。
分岐して送られた皮膚ガスは、筐体湿度センサー62によって皮膚ガス中の湿度が測定される。これと同じタイミングで、外気湿度センサー63によって、測定部位SBの周辺の外気湿度が湿度センサープローブ64を介して測定される。そして、発汗量算出部65は、筐体12内の湿度と同じタイミングで測定される外気の湿度の差分を計算することで、皮膚からの発汗量を算出する。
【0050】
なお、生体情報表示処理部51は、発汗量測定部61が測定した発汗量に関する測定データを、表示体15の表示面DPに表示させるための表示データへ変換処理し、信号線25を通して表示体15に送る。そして、信号線25を介して送られた表示データによって、表示面DPには生体情報が表示されるようになっている。
【0051】
ちなみに、本実施形態において表示面DPに表示される画像の一例を図3の右下部分に示す。本実施形態では、生体情報の測定時刻、皮膚ガスの分析結果(例えばアセトン、イソプレン、ノネナールなどの特定ガスの濃度)に加えて、最高血圧と最低血圧、および発汗量が表示面DPに表示される。また、これらの過去のデータ(濃度データ又は血圧データ又は発汗量データ)の時系列(時又は日又は月)での推移を示すグラフが表示面DPに表示される。
【0052】
本実施形態によれば、上記実施形態における効果(1)〜(4)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)動作体14の膨張により皮膚から放出される皮膚ガスを逃がさず収集できるとともに、被測定者の測定部位SBを阻血して血圧測定を行うことができる。従って、例えば、皮膚ガスの成分測定によって得られる生体情報を、血圧測定によって得られる情報と対応させることができる。この結果、被測定者は、最高血圧もしくは最低血圧と皮膚ガスの濃度とを対応させ、その関係を把握することができるので、例えば、測定後にデータ管理を行う際に、記録された血圧値によって平常状態だったか否かを判断することができる。そして、必要に応じて平常でない状態における測定データを生体情報から除外することもできる。
【0053】
(6)皮膚から放出される皮膚ガスを用いて被測定者の発汗量の測定を行うことができる。従って、例えば、皮膚ガスの成分測定によって得られる生体情報を、発汗量の測定によって得られる情報と対応させることができる。この結果、被測定者は、発汗量と皮膚ガスの成分濃度とを対応させ、その関係を把握することができるので、例えば測定後にデータ管理を行う際に、記録された発汗量によって安静だったか否かを判断することができる。そして、必要に応じて安静でない状態での測定データを生体情報から除外することもできる。このように、発汗量を測定することで、皮膚ガスの成分測定開始のタイミングや測定後のデータ管理に役立てることができる。
【0054】
(7)一般的に発汗量を測定することで被測定者の安静状態を定量的に確認することができる。従って、皮膚ガスの成分測定と同時に発汗量を測定することによって、被測定者が安静状態であるか否かを確認し、安静状態であると確認されたときの皮膚ガスの成分の測定データを生体情報として採用することができる。この結果、皮膚ガスの成分の測定条件を整えてデータの信頼性を向上させることができる。また、測定前に発汗量を測定して安静か否かを判断し、緊張状態にある場合は再度時間を置いてから再測定を行うこともできる。なお、安静状態を判断する方法として、予め定めた発汗量の基準値を設け、基準値を超えた場合は緊張状態と判定し、基準値以下である場合は安静状態であると判定する。
【0055】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、装着部22は固定板13と異なる態様であってもよい。固定板13が異なる態様の一例となる端末部11について、図4(a)(b)を参照して説明する。
【0056】
図4(a)に示すように、装着部22は、それぞれの一端が筐体12の両側に固定された一対の動作体14を、測定部位SBにおける筐体12と対向する部位側において連結する固定部材16としてもよい。すなわち、固定部材16によって一対の動作体14が筐体12と測定部位SBに対して反対側において連結されることによって、端末部11は測定部位SBに装着される形態としてもよい。
【0057】
なお、固定部材16は、2つの部材に分離できるように構成され、測定部位SBへの装着時や取り外し時において、分離されることで容易に端末部11を測定部位SBに装着したり測定部位SBから取り外したりできるようになっていることが好ましい。また、固定部材16は、測定部位SBの形に沿った形状(例えば曲面形状)とすることが好ましい。
【0058】
固定部材16の分離構造として、例えば図4(b)に示すように、パイルとフックによる面ファスナーを用いた構造としてもよい。すなわち、一対の動作体14のうち一方の動作体14の端部に、パイルの形成面17aを有する固定部材17を設け、他方の動作体14の端部に、フックの形成面18aを有する固定部材18を設ける。そして、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとを当接させるように固定部材17と固定部材18とを重ねて互いに圧接することで、端末部11が測定部位SBに装着されるように構成してもよい。
【0059】
この構成によれば、上記実施形態における効果(1)〜(7)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(8)測定部位SBの大きさ(太さ)に応じて、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとを重ねる位置を適切に調節することによって、端末部11を測定部位SBに対して容易に非圧着状態で装着することができる。
【0060】
・上記実施形態において、端末部11は動作体14を1つのみ有する構成であってもよい。この一例となる端末部11について、図5(a)(b)(c)を参照して説明する。
図5(a)に示すように、動作体14は測定部位SBを周回するよう帯状に流体袋が設けられ、その両端が筐体12に固定された態様としてもよい。すなわち、端末部11において動作体14が装着部22としても機能する構成であってもよい。
【0061】
動作体14をこのような構成とした場合、動作体14は、被測定者の測定部位SBにおいて筐体12と対向する部位を含んで装着される。従って、図5(b)に示すように、動作体14は、膨張したときに、筐体12と対向する部位を除く測定部位SBの周囲の帯状の袋内面側が符号14bで示した状態から符号14aで示した状態に変位する。この膨張による動作体14の変位によって、測定部位SBは圧迫され、図中白抜き矢印で示したように測定部位SBを筐体12側に移動させて、筐体12の端面部12aに皮膚を押し付けて圧着させる。こうして、動作体14は端末部11を、測定部位SBに対して装着状態から圧着状態にすることができる。
【0062】
この構成によれば、上記実施形態における効果(1)〜(7)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9)動作体14が膨張したときに、測定部位SBを周囲から圧迫するので、測定部位SBに対する動作体14の位置ずれを防止することができる。また、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に対して測定部位SBにおける皮膚を強固に押し付けることができる。
【0063】
なお、図5(c)に示すように、動作体14が膨張したとき、動作体14において、袋内面側が符号14bで示した状態から符号14aで示した状態に変位することによって測定部位SBを筐体12側に移動させる方向へのみ圧迫するようにしてもよい。例えば、図5(c)において一点鎖線CLよりも筐体12から離れる側に存在する動作体14の袋内面部分、すなわち、皮膚面における法線方向が筐体12に向かう方向成分を含む測定部位SBに対向する動作体14の袋内面部分のみ膨張するようにしてもよい。
【0064】
この構成によれば、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に対して測定部位SBにおける皮膚をさらに強固に押し付けることができる。
・上記実施形態において、分離構造を有する固定部材(装着部22)を、筐体12と隣接する位置に配設するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、パイルの形成面17aを有する固定部材17を、その一端が筐体12に固定されるように配設する。そして、一端が筐体12に固定された動作体14の他端に、フックの形成面18aを有する固定部材18を、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとが対向するように配設する。なお、固定部材17および固定部材18は、上記実施形態においても同様に、測定部位SBの形に沿った形状(ここでは前腕の形状)とすることが好ましい。
【0065】
この構成によれば、端末部11を測定部位SBに対して用意に脱着できるとともに、測定部位SBの大きさ(太さ)に応じて、パイルの形成面17aとフックの形成面18aとの当接位置を調節することによって、端末部11を適切に非圧着状態で装着できる。また、固定部材17の配設位置には膨張する動作体14が配設されないので、筐体12から測定部位SBを離間させる方向への圧迫力が抑制されることから、動作体14が膨張したときに測定部位SBに対する動作体14の位置ずれを防止することができる。また、動作体14が膨張した時には、筐体12(端面部12a)に皮膚をより強固に押し付けるように測定部位SBを圧迫することができる。
【0066】
・上記実施形態において、装着部22を動作体14の膨張による変位と異なる方法によって端末部11が装着状態から圧着状態に状態変化する構造としてもよい。例えば、測定部位SBの周囲に沿った端末部11の長さつまり周長が短くなるように変位することによって、端末部11が装着状態から圧着状態に状態変化する構造であってもよい。この一例について、図7を参照して説明する。
【0067】
図7に示すように、一対の動作体14において、筐体12に固定された側の端部とは反対側の自由端のそれぞれに、ラック歯を有する移動部材19,20をラック歯が互いに対向するようにそれぞれ配設する。さらに、これらのラック歯に噛合うとともに図示しない回転手段によって回転可能なピニオン21を配設する。この移動部材19,20とピニオン21とによって、装着部22を構成する。この構造によれば、ピニオン21の回転によって、それぞれの移動部材19,20の相互の重なり量を変化させることで、端末部11における測定部位SBに沿った動作体14と移動部材19,20との合計長さを、長くしたり短くしたりすることができる。従って、移動部材19,20の相互の重なり量を多くすることで、動作体14と移動部材19,20との合計長さを短くすれば、動作体14が膨張した場合と同様に測定部位SBは動作体14(および移動部材19,20)によって締め付けられる。この結果、端末部11は、装着状態から圧着状態に状態変化する。
【0068】
・上記実施形態において、必ずしも吸引ポンプ32を用いて、皮膚ガスを能動的にガス貯蔵部33(ガス貯蔵部36)に吸引しなくてもよい。例えば、第1通気管23を介して皮膚ガスがガス貯蔵部33(ガス貯蔵部36)に受動的に流入する場合や、短時間で測定する必要がない場合では、吸引ポンプ32によって吸引することなく皮膚ガスの成分測定を行うことが可能である。
【0069】
・上記第2実施形態において、筐体湿度センサー62のみで発汗量を測定する場合は、測定開始前の筐体12内湿度と、筐体12内の湿度が飽和した後の値との差分を取って発汗量を算出してもよい。なお、発汗量を算出できる方法であれば、これ以外の発汗量の算出方法を用いても差し支えない。
【0070】
・上記実施形態において、端末部11と本体部30,30Aとは一体で形成されていてもよい。こうすれば、第1通気管23、第2通気管24、および信号線25を省略もしくは短くすることができるので、生体情報測定装置100を測定部位SBに装着し易くなる。また、生体情報測定装置100において配管や配線が露出しないので、外観的にも好ましい。
【0071】
・上記実施形態において、筐体12は外形が円柱形状以外の形状であってもよい。例えば外形が角柱形状であってもよい。あるいは、外形が球形や垂体など柱状と異なる形状であってもよい。
【0072】
・上記実施形態では前腕(例えば手首)への装着を例示したが、装着の対象となる測定部位は限定しない。すなわち生体情報測定装置100は装着できる部位であれば四肢の任意の部分に取り付けることができる。皮膚ガスは身体の部位によって放出量が違い、目的に応じて部位を選択して設置することができる。また、血圧測定も、腕だけではなく足で行うこともできる。また、体幹に取り付けて、少なくとも腹部や背中などから放出される皮膚ガスの成分測定を行うことができる。
【0073】
・上記実施形態において、表示体15は必ずしも端末部11に備えなくてもよい。例えば本体部30,30Aに備えるようにしてもよい。さらには、生体情報測定装置100において表示体15を必ずしも備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
11…端末部、12…筐体、14…動作体、22…装着部、30,30A…本体部、41…動作体制御部、45…血圧測定部、61…発汗量測定部、100,100A…生体情報測定装置、SB…測定部位、VC…閉空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部分が開放され、前記開放された一部分が被測定者の測定部位における皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間を形成する筐体と、
前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体と、
前記筐体と前記動作体とを、前記被測定者の前記測定部位に装着するための装着部と、
前記装着部によって装着された状態にある前記動作体の動作を制御して前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部と、
前記動作体の動作によって前記圧着状態となった前記筐体に内包された前記皮膚から前記閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定する測定部と、
を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報測定装置において、
前記動作体は、
流体の出入りによって膨張および収縮のいずれかの動作をする流体袋で構成され、
前記動作体制御部の制御により、膨張させられることによって前記筐体を前記圧着状態にする一方、収縮させられることによって前記筐体を前記非圧着状態にすることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生体情報測定装置において、
前記流体袋と流路を介して接続され、前記流体袋が膨張させられた状態であるとき前記被測定者の前記測定部位における血圧を測定する血圧測定部を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記筐体が形成する前記閉空間と流路を介して接続され、該流路が連通する前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定する発汗量測定部を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生体情報測定装置において、
前記発汗量測定部は、前記測定部が前記皮膚から前記閉空間内に放出される前記ガスの成分を測定すると同時に、前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の生体情報測定装置であって、
前記動作体は、前記被測定者の前記測定部位において、前記筐体と対向する部位を含んでいることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記装着部は、前記被測定者の測定部位に対して前記筐体と前記動作体とを着脱可能に装着させることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記筐体には、前記測定部の測定結果を前記被測定者の生体情報として表示する表示部が備えられていることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項1】
一部分が開放され、前記開放された一部分が被測定者の測定部位における皮膚に対して圧着されていない非圧着状態から圧着された圧着状態となることによって、前記皮膚との間で閉空間を形成する筐体と、
前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態の間で状態変化させるために動作する動作体と、
前記筐体と前記動作体とを、前記被測定者の前記測定部位に装着するための装着部と、
前記装着部によって装着された状態にある前記動作体の動作を制御して前記筐体を前記非圧着状態および前記圧着状態のいずれかの状態にさせる動作体制御部と、
前記動作体の動作によって前記圧着状態となった前記筐体に内包された前記皮膚から前記閉空間に放出されるガスの成分を生体情報として測定する測定部と、
を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報測定装置において、
前記動作体は、
流体の出入りによって膨張および収縮のいずれかの動作をする流体袋で構成され、
前記動作体制御部の制御により、膨張させられることによって前記筐体を前記圧着状態にする一方、収縮させられることによって前記筐体を前記非圧着状態にすることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生体情報測定装置において、
前記流体袋と流路を介して接続され、前記流体袋が膨張させられた状態であるとき前記被測定者の前記測定部位における血圧を測定する血圧測定部を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記筐体が形成する前記閉空間と流路を介して接続され、該流路が連通する前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定する発汗量測定部を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生体情報測定装置において、
前記発汗量測定部は、前記測定部が前記皮膚から前記閉空間内に放出される前記ガスの成分を測定すると同時に、前記閉空間内における前記皮膚からの発汗量を測定することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の生体情報測定装置であって、
前記動作体は、前記被測定者の前記測定部位において、前記筐体と対向する部位を含んでいることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記装着部は、前記被測定者の測定部位に対して前記筐体と前記動作体とを着脱可能に装着させることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記筐体には、前記測定部の測定結果を前記被測定者の生体情報として表示する表示部が備えられていることを特徴とする生体情報測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−239810(P2012−239810A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115855(P2011−115855)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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