説明

生体情報登録システム及び装置

【課題】本発明は窓口担当者が顧客から生体情報の登録を受け付ける際に、本人確認等の必要な手続きを確実かつ容易に行う生体情報登録システムを提供することにある。
【解決手段】生体情報登録システムにおいて、必要な手続きを実施せずに生体情報登録が行えないよう抑止することにより、確実に生体情報登録を行うことができる。特に、特定のキーを押すことで手続き実施状況を判断して適切な画面へ遷移する。また複数の生体情報を各複数回取り込むような煩雑な手続きにおいて登録対象を案内する。これらにより、必須手続きの状況や煩雑な処理を窓口担当者に過度に意識させることなく行うよう誘導でき、操作性が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を登録するシステム及び装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関における口座開設、現金振込みなどの取引時に本人確認を行うための情報として、指紋認証、指静脈認証、手のひら静脈認証などの技術が開発されている。また、近年金融機関において本人特定事項の虚偽告知や名義人のなりすましにより犯罪が増えている。それを受けて、本人確認法が施行されて口座開設の際には本人確認資料による本人確認が必要となった。
【0003】
特許文献1には、指静脈情報を用いた個人認証装置及び方法が記載されている。この技術は装置に習熟していない利用者の挿入や悪意ある利用者の偽造指の挿入などを防止するものである。利用者が登録のために指を提示するたびに、1回目あるいは過去の試行における指静脈パターンとのパターン照合を行い、パターンの変動の度合いを表示し、利用者はこのような履歴情報を見ながら何回も試行し、指の入れ方に応じた指挿入の変動を視覚的に理解する。これにより利用者の習熟度を高めると共に、信頼性の高い登録データを取得できる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−71118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、1本の指に対して画像を何枚も撮っておくことしか考慮されていない。ケガをした時の対処やセキュリティの向上として複数本指の認証が望ましいが、そこまでは考慮されていない。まして、複数本数を登録しようとする場合にはその登録は煩雑になりかねないところ、そのような複数本数の登録を簡便かつ確実にする点まではまったく考慮されていない。
【0006】
また、近年犯罪防止のため金融機関では口座への個人情報登録の際には本人確認資料の提示が義務付けされている。しかし、特許文献1の技術ではその点までの考慮はされていない。まして、本人確認資料などの重要情報の登録漏れを防ぐことまで考慮されておらず、また、オペレータがマウスとキーボードを併用して操作する際の問題点まではまったく考慮されていない。
【0007】
そこで本発明の一つの目的は、セキュリティが要求されるデータの登録を容易にする、または登録漏れを防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のため、例えば、生体情報を登録する生体情報登録システムにおいて、生体情報を取得する生体情報取得部と、操作者への指示を表示する表示部と、操作者からの選択入力を受ける入力部と、生体情報とは異なる必須情報の入力の有無を記憶する記憶部とを有し、入力部は、第1のキーを有し、制御部は、第1のキーが選択入力されたことの検知に基づいて、記憶部で必須情報の入力有が記録されているか否かを判断し、判断に基づいて遷移する画面を決定する、という手段を提供する。
【0009】
また、例えば、生体情報を登録する生体情報登録システムにおいて、生体情報を取得する生体情報取得装置と、生体情報取得装置により取得した生体情報の認証テストが終わった指の本数を数える認証テスト指本数カウンターと、認証テスト指本数カウンターにより数えた認証テスト済の指の本数が第1の本数に達するまで指の認証テストを繰り返す制御部とを有する、という手段を提供する。
【発明の効果】
【0010】
セキュリティが要求されるデータの登録を容易に又はミスなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1〜7によって本発明に好適な実施例を説明する。なお、本発明は本実施例に限られるものではない。
【実施例1】
【0012】
窓口担当者が登録者の生体情報をサーバへ登録する操作を行う実施例を説明する。
【0013】
図1は生体情報登録システムの一実施例形態の構成を示すブロック図である。本実施例の生体情報登録システムは、指静脈情報を読み取る指静脈登録装置11、生体情報の登録認証処理を制御する制御部22を備えた端末装置21、様々な情報を記憶しておくサーバ31の3つを通信部でつなぎ、一つのシステムを構成する。指静脈登録装置11は、指静脈情報を読み取る指静脈リーダー12と、データの送受信を行う通信部13とを備えている。端末装置21(下位装置)は、登録や認証など様々な処理を制御する制御部22と、登録処理を実行するのに用いる登録処理プログラム23と、認証処理を実行するのに用いる認証処理プログラム24と、情報を記憶するHDDや半導体メモリなどの記憶部25と、窓口担当者の入力を受け付ける入力部26と、窓口担当者へのガイダンスや入力された内容を表示する表示部27、データの送受信を行う通信部28とを備えている。サーバ31(上位装置)は、情報検索など様々な処理を制御する制御部32と、情報を記憶するHDDや半導体メモリなどの記憶部33と、データの送受信を行う通信部34とを備えている。入力部26は、テンキーを含むキーボード、マウス、タッチパネルなどであり、本実施例ではマウスとテンキーにより操作する。指静脈登録装置11で得られた生体情報を通信部13、28、34を介してサーバ31に記憶しておく。主な記憶部はサーバ31に設けるので、店舗に設置する指静脈登録装置11や端末装置21に生体情報を記憶しておく必要がなく指静脈登録装置11や端末装置21が盗難にあっても生体情報は盗まれないのでセキュリテキィ面で利点がある上に、店舗に設置する装置の小型化が可能である。なお、この生体情報登録システムは指静脈以外に、指紋、手のひら静脈、顔、虹彩、など様々な生体情報の登録に対応可能である。
【0014】
図2はサーバ31の記憶部33に記憶している登録者情報テーブル35の例である。本実施例の生体情報登録システムでは、図2ように口座番号、人物区分、人物番号、氏名、印鑑の有無、運転免許証の有無、パスポートの有無、保険証の有無、その他について登録者情報テーブル35として、サーバ31の記憶部33に情報を記憶している。なお、一口座につき複数人の登録(本人及び代理人)が可能で、人物区分は本人と代理人との区別のために用いられる。他にも後見人など任意の区分を追加できる。人物番号は代理人が複数いる場合に個人ごとに番号を付けるために用いられる。例を挙げると、本人の1番、代理人の1番、代理人の2番、・・・のように代理人に対して異なる番号を割り振っている。このようなテーブル構成にしておけば、口座に生体情報を登録している本人(口座保有者)以外の人物が認証を行う際に、人物区分・人物番号が細かく設定されるので照合時に照合すべきデータ数をより抑える(一つにする)ことができる。
【0015】
図3はサーバ31の記憶部33に記憶している生体情報テーブル36の例である。本実施例の生体情報システムでは、図3のように口座番号、人物区分、人物番号、登録指本数、生体データについて生体情報テーブル36として、サーバ31の記憶部33に情報を記憶している。登録できる指は左右の手の人差し指、中指、薬指の計6本である。よって、生体データは1人に対して6個まで登録可能である。指1本だけの情報では、ケガなどによりその情報を読み取れない事態が起こることも考えられる。左右それぞれ複数の指の情報を登録しておけば、そのリスクを回避できる。
【0016】
図7は、端末装置21の表示部27に表示される画面例でG01からG10が順に表示される。また、図4〜6は端末装置21の制御部22が登録処理プログラム23を実行する際のフローチャート例である。以下、図4〜6と共に図7を説明する。
【0017】
端末装置21は表示部27にメニュー画面(認証、登録、変更、終了などの処理の選択を案内する画面)を表示し、窓口担当者の操作を入力部26により受け付ける。登録処理の実行が選択されると、登録処理プログラム23を起動し、表示部27に状況照会画面(図7のG01)を表示する(ステップ101)。画面は、記憶部25(又は33)に記憶されている。状況照会画面(図7のG01)は、口座番号と氏名との照合を行う画面である。画面内には、金融機関で用いられる口座番号を入出力する口座番号欄、口座の保有者本人とその代理人などの氏名を入出力する氏名欄、図2で説明した本人と代理人とを区別する人物区分を入出力する人物区分欄、図2で説明した本人と代理人とに個別につける人物番号を出力する人物番号欄、「入力完了」ボタン、「キャンセル」ボタンがある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「入力完了」ボタンと同じ操作とみなされる。画面内のボタンは、マウスクリックを検知して選択され、この操作を押下という。「Enter」キー押下は文字通り、テンキーの「Enter」キー押下を指す。ただし、「Enter」に限られるものではなくキーボードの所定のキー又は画面上の所定のキー(ボタン)であってもよい。また、押下に言い換えて選択入力ともいう。なお、この画面では人物区分欄、人物番号欄に入力することはできない。これは、サーバ21の制御部32が記憶部33の登録者テーブル35に対し、口座番号以外に人物区分と人物番号を加えてキーワードとして氏名検索を行うと、指定した人物区分と人物番号とは異なる(本人しか登録していないなど)口座番号の氏名が検索にかからなくなるのを避けるためである。ここでは、口座番号に対応する氏名を全て表示し、後の画面で人物区分の入力を受け付ける。
【0018】
次に、状況照会画面(図7のG01)の口座番号入力欄への口座番号の入力を入力部26により受け付ける(ステップ102)。ここで、「キャンセル」ボタンが押下されると(ステップ103)、メニュー画面に戻る(ステップ104)。一方、「入力完了」ボタンが押下されると(ステップ105)、口座番号が通信部28、34を介して端末装置21からサーバ31に送信される。
【0019】
サーバ31の制御部32は記憶部33に記憶している登録者情報テーブル35に送信された口座番号に対応する登録者氏名があるどうかを検索し(ステップ106)、登録者氏名がある場合は端末装置21に口座番号に対応する人物区分、人物番号、氏名の登録者情報を通信部28、34を介して送信する(ステップ107)。端末装置21は登録者情報を通信部28、34を介して受信して、当該口座番号に対応する一つ又は複数の氏名を状況照会画面(図7のG02)の氏名欄に出力する(ステップ108)。例えば、登録者情報テーブル35に口座番号に口座保有者本人のみしか登録されていない場合には一つの氏名を表示し、口座保有者本人と代理人など2人以上が登録されている場合には複数の氏名を表示する。状況照会画面(図7のGO2)は、サーバ31が検索した結果得られた口座番号に対応する氏名を表示し、人物番号区分の入力を受け付ける画面である。画面内には、口座番号欄、氏名欄、人物区分欄、人物番号欄、「入力完了」ボタン、「キャンセル」ボタンがある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「入力完了」ボタンと同じ操作とみなされる。なお、この画面では人物番号欄に入力することはできない。これは、登録時には人物番号は自動採番され、認証時に人物を指定するために初めて用いられるものだからである。
【0020】
次に、状況照会画面(図7のGO2)の人物区分欄に口座保有者との関係に応じた人物区分の入力を入力部26により受け付ける(ステップ109)。端末装置21の制御部22は、口座番号に対応する氏名の中から入力された人物区分に一致する氏名を選び出し、状況照会画面(図7のGO2)の人物区分欄に表示する(ステップ110)。ここで、「キャンセル」ボタンが押下されると、メニュー画面に戻る(ステップ111)。一方、「入力完了」ボタンが押下されると(ステップ112)、登録者入力画面(図7のG03)を表示部27に表示する(ステップ113)。登録者入力画面(図7のG03)は、登録する指の選択を受け付ける画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、指を選択する旨の操作ガイダンス表示欄(図7では「指を選択してください。」と表示している)、「情報入力」ボタン、「入力完了」ボタン、「メニューへ戻る」ボタン、本人確認資料の未入力・入力済表示(図7では未入力表示)がある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能であるが、この画面表示中の「Enter」キー押下は後述するように他の画面とは違い、条件によって操作が異なってくる。なお、口座番号欄には状況照会画面(図7のG02)の入力値が引き継がれている。なお、本人確認資料を例示して説明するが、それ以外の情報(例えば、生体情報や個人情報の登録や取り扱いに関する覚書確認入力等)を入力する画面でもよい。このような情報と本人確認資料入力の情報を総称して必須情報ともいう。
【0021】
しかし、ステップ105の検索の結果、登録者情報テーブルに送信された口座番号に対応する登録者がいなかった場合、口座に登録者氏名がない旨のメッセージを表示する(ステップ114)。その後、本人以外には登録させないため入力区分を1として(ステップ115)、本人確認資料情報入力画面(図7のG04)を表示し、本人のみの生体情報登録を受け付ける(ステップ116)。本人確認資料情報入力画面(図7のG04)は、本人確認資料情報提示の有無の入力を受け付ける画面である。画面内には、氏名欄、印鑑の有無欄、運転免許証の有無欄、その他欄、登録本数欄、エラー/確認内容欄、「入力完了」ボタン、「キャンセル」ボタンがある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「入力完了」ボタンと同じ操作とみなされる。なおG04をG03とは別で重ねて表示されるウインドウとして例示したが、これに限られるものではなく、例えばG03と並んで表示されるものでもよいしウインドウでなくともよい。またG03と一体となって表示されるものでもよい。
【0022】
図5は、端末装置21の制御部22が登録処理を実行する際のフローチャート例である。これに基づいて、本人確認資料情報入力操作について説明する。本実施例の生体情報登録システムでは、指の読込みの前に本人確認資料情報を入力させている。指の読込みを先に行ってしまい本人確認資料がないとわかった場合、登録者から「登録できないのに生体情報だけを採られた」と不満がでる可能性があり、個人情報保護の面で問題がある。また、指の読込みにかかる時間が無駄になってしまいかねない懸念もある。本実施例のようなシステムにすれば、そのような問題を未然に防ぐことができる。登録者入力画面(図7のG03)において、次の操作として窓口担当者には、「情報入力」ボタン押下、「入力完了」ボタン押下、「Enter」キー押下、「メニューへ戻る」ボタン押下の4つの選択肢がある。テンキーの中に含まれている「Enter」キー押下操作は、選びたいボタン領域までマウスを動かしクリックする画面内の各種ボタン押下操作よりも素早く行うことができる。
【0023】
(ア)登録者入力画面(図7のG03)において、「情報入力」ボタンが押下された場合は、新たに本人確認資料情報入力画面(図7のG04)を表示する(ステップ201)。窓口担当者は顧客が持参した本人確認資料に基づき、印鑑の有無、運転免許証の有無、パスポートの有無、保険証の有無などの入力を入力部26により受け付ける(ステップ202)。このように生体情報登録時に本人確認資料の提示を求めることにより、セキュリティを高めることができる。入力部26により入力された本人確認資料情報は通信部28、34を介して図2で示したサーバ31の登録者情報テーブル35に記憶される(記憶部25に一時的に記憶してもよい)。ここで、「キャンセル」ボタンが押下されると、本人確認資料情報入力画面(図7のG04)に戻る(ステップ203)。一方、「入力完了」ボタンが押下されると(ステップ204)、制御部22は本人確認資料情報入力が全て入力されているか登録者情報テーブル35又は記憶部25をチェックし(ステップ205)、入力されていなければ本人確認資料情報が未入力である旨のメッセージを表示部27に表示し、再び本人確認資料情報の入力を受け付ける(ステップ206)。ここで、本人確認資料情報が全て入力されていれば、登録条件入力画面の「情報入力」ボタン横の表示を「未入力」から「入力済」に変更し、登録条件入力画面(図7のG05)を表示する(ステップ207)。この未入力・入力済表示により、本人確認資料の入力状況を確認できるので、窓口担当者にとって便利である。登録条件入力画面(図7のG05)は、指の読込みを受け付ける画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、操作ガイダンス表示欄(図7では「右手の中指をセットしてください。」と表示している)、指の読込み回数表示欄(図7では「読込みは1/3回目です。」と表示している)、「情報入力」ボタン、「読込み開始」ボタン、「中断」ボタン、本人確認資料の未入力・入力済表示(図7では入力済表示)がある。ただし、最初にG05が表示されたときには、操作ガイダンス表示欄には「指を選択して下さい。」と表示されており、読込み回数表示欄はブランクである。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「認証テスト」ボタンと同じ操作とみなされる。操作ガイダンスを表示することにより、複数の指を登録しようとすると煩雑になる操作を容易に行えるようすることが可能である。なお、口座番号欄、指選択欄には登録条件入力画面(図7のG03)の入力値が引き継がれている。
【0024】
(イ)登録者入力画面(図7のG03)において、「入力完了」ボタンが押下された場合は、本人確認資料情報が全て入力されているか(登録者情報テーブル35や記憶部25に本人確認資料情報「有」が記憶されているか)を確認し、入力されていない場合は再び登録条件入力画面(図7のG03)を表示する(ステップ209)。ここで本人確認資料情報が入力されていない又は本人確認資料の入力を促す旨の警告メッセージも表示するようにするとよい。またG04を表示するようにしてもよい。一方、入力されている場合は指の読込み処理へ進み、表示部27に登録条件入力画面(図7のG05)を表示する(ステップ210)。なおボタンやキーが押下された後表示される画面を遷移する画面という(G03でボタンが押下された後に表示されるG05はもちろん、再び表示されるG03も遷移する画面と呼ぶ)。
【0025】
(ウ)登録者入力画面(図7のG03)において、「Enter」キーが押下された場合は、端末装置21の制御部22は記憶部25又は登録者情報テーブル35に本人確認資料情報「有」が記憶されているか、つまり本人確認資料情報入力が終わっているかどうかを確認し、入力が終わっていない場合は本人確認資料情報入力画面を表示する(ステップ208)。ここで本人確認資料情報が入力されていない又は本人確認資料の入力を促す旨の警告メッセージも表示するようにするとよい。これにより、登録者入力画面(図7のG03)で窓口担当者が誤って「Enter」キーを押下してしまっても、登録条件画面(図7のG05)へは進ませない。つまり、窓口担当者の意図せずに誤って「Enter」キーを押下してしまったミスや、本人確認資料情報の入力は終わっていないのに本人確認資料情報を入力したと勘違いして「Enter」キーを押下してしまったミスを防ぐことができる。一方、入力が終わっている場合は指読込み画面を表示する(ステップ210)。これにより、カーソルを「入力完了」ボタンまで動かし押下する手間をかけることなく、テンキーの「Enter」キー押下という簡単な操作で素早く次の操作画面に進むことができる。
【0026】
(エ)登録者入力画面(図7のG03)において、「メニューへ戻る」ボタンが押下された場合は、メニュー画面を表示する。(ステップ104)。
【0027】
指の読込み処理について説明する。登録条件入力画面(図7のG05)では、表示された選択可能な複数の候補の中から1本の指の選択を受け付ける(ステップ211)。入力された情報は図3で示した生体情報テーブル36記憶される(記憶部25に一時的に記憶してもよい)。なお、上記の登録条件入力画面(図7のG05)の説明では、登録する指の指選択欄に「1」と入力されることにより指の選択を受け付けるとしている。ただし、このようなテンキーによる入力形式ではなく、ラジオボタンを用いたマウスによる入力形式にしても良い。そして、例えば、右手の中指の選択を受け付けると、「右手の中指をセットして下さい。」との表示(操作ガイダンス表示欄)と共に、「読込みは1/3回目です。」との表示(指の読込み回数表示欄)をする。読込み回数表示欄には、セットさせる指に対して何回目の読込みであるかを示している。登録する指が指静脈リーダー12にセットされた後、「読込み開始」ボタンが押下されると(ステップ212)、指静脈リーダー12により指静脈情報を読込み、登録条件入力画面(図7のG06)を表示する(ステップ213)。登録条件入力画面(図7のG06)は、指静脈情報の読込み実施中を示す画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、現在の状況表示欄(図7では「読込み中です。」と表示している)、「キャンセル」ボタンがある。
【0028】
指静脈登録装置11は、読込んだ指静脈情報を通信部13、28を介して端末装置21に送信する。端末装置21は、通信部13、28を介して指静脈情報を受信し、記憶部25に記憶する。次に、制御部22の指読込みカウンター(制御部22で実行するプログラムにより制御部22の内部メモリや記憶部25で回数を計数(カウントアップ/ダウン等)することを示す、他のカウンターも同様)により指の読込み回数をカウントし(ステップ214)、規定回数の指の読込みが終わっていなければ、表示部27に指の読込みが規定回数を満たしていない旨のメッセージを表示する。さらにもう一度「読込み開始」ボタンが押下されると、再び指静脈リーダー12により指静脈情報を読込む(ステップ215)。そして、規定回数に達するまで指の読込みを繰り返し、規定回数分の指の読込みが終わっていれば、指読込みカウンターのカウントを0に戻し(ステップ216)、指の認証テストへ進み、登録条件入力画面(図7のG07)を表示する(ステップ217)。制御部22は読込んだ規定回数分の指静脈情報の中から最も認証に適した指静脈情報を選び出し、その指静脈情報を通信部28、34を介してサーバ31に送信する。サーバ31は通信部28、34を介して指静脈情報を受信し、記憶部33の生体情報テーブル36に記憶する(記憶部25に一時的に記憶してもよい)。また、指の読込み回数表示欄を更新する(例えば、「読込みは1/3回目です。」の次は「読込みは2/3回目です。」)。これら211〜216のステップにより、規定回数の指の読込み終了前に読込み完了と判断してしまう窓口担当者のミスを防止できる。なお、指の読込み回数は任意に変更可能であり、図7では3回にしている。登録条件入力画面(図7のG07)は、認証テスト開始の指示を受け付ける画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、現在の状況表示欄(図7では「認証テストを行います。」と表示している)、認証テスト回数表示欄(図7では「認証テストは1/1回目です。」と表示している)、「認証テスト」ボタン、「中断」ボタンがある。
【0029】
指の認証テストについて説明する。図6は、端末装置21の制御部22が登録処理を実行する際のフローチャート例である。登録する指が指静脈リーダー12にセットされた後、「認証テスト」ボタンが押下されると(ステップ301)、端末装置21は認証処理プログラム24を起動する。認証テストを開始し、再び指静脈リーダー12により認証テストのための指静脈情報を読込む。指静脈登録装置11は、読込んだ指静脈情報を通信部13、28を介して端末装置21に送信する。端末装置21は、通信部13、28を介して指静脈情報を受信し、記憶部25に記憶する。さらに登録条件入力画面(図7のG08)のように、認証テストを行っている旨を表示する(ステップ302)。制御部22は記憶部25に記憶した認証テストのための指静脈情報と、生体情報テーブル36に記憶した指静脈情報(指の読込み時に記憶部25に一時的に記憶していた場合は、記憶部25に記憶した指静脈情報)との認証テスト(照合)を行う。登録条件入力画面(図7のG08)は認証テスト実施中の画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、現在の状況表示欄(図7では「認証中です。」と表示している)、認証テスト回数表示欄(図7では「認証テストは1/1回目です。」と表示している)、「キャンセル」ボタンがある。
【0030】
次に、端末装置21は制御部22の認証テストカウンターにより、認証テストの回数をカウントし(ステップ303)、規定回数の認証テストが終わっていなければ、表示部27に認証テストが規定回数を満たしていない旨のメッセージを表示する。そして、もう一度「認証テスト」ボタンが押下されると、再び認証テストを行う(ステップ304)。そして、規定回数に達するまで認証テストを繰り返し、規定回数の認証テストが終われば、認証テストカウンターのカウントを0に戻す(ステップ305)。これら301〜305のステップにより、規定回数の認証テスト終了前に認証テスト完了と判断してしまう窓口担当者のミスを防止できる。なお、指の認証テストの回数は任意に変更可能であり、図7では1回にしている。
【0031】
ステップ305に続いて、端末装置21の制御部22の認証テスト指本数カウンターにより、認証テストが終わった指の本数をカウントし(ステップ306)、規定本数分の認証テストが終わっていなければ、登録者入力画面(図7のG03)を表示し、未だ認証テストが終わっていない指の中から登録する指の選択を受け付ける(ステップ307)。一方、規定本数分の認証テストが終わっていれば、認証テスト指本数カウンターのカウントを0に戻し(ステップ308)、登録条件入力画面(図7のG09)を表示する。これら306〜308のステップにより、規定本数分の指認証テスト終了前に規定本数分の指認証テスト完了と判断してしまう窓口担当者のミスを防止できる。なお、登録する指の本数は任意に変更可能で、図7では2本にしている。登録条件入力画面(図7のG09)は、規定本数分の認証テスト終了後に最終的な登録確認を行う画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、現在の状況表示欄(図7では「生体情報サーバへの登録を行います。」と表示している)、認証テスト結果表示欄(図7では「認証テストに成功しました。」と表示している)、「登録」ボタン、「中断」ボタンがある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「登録」ボタンと同じ操作とみなされる。
【0032】
次に、「登録」ボタンが押下されると(ステップ309)、記憶部33に記憶している登録者情報テーブル35に登録者情報、生体情報テーブル36に生体情報の書込みを行い(ステップ310)、登録履歴を出力し、登録条件入力画面(図7のG10)を表示する(登録者情報又は生体情報を記憶部25に一時記憶していた場合、端末装置21は記憶部25に記憶している登録者情報と生体情報を通信部28、34を介してサーバ31に送信する。サーバ31は通信部28、34を介して登録者情報と生体情報を受信し、記憶部33に記憶している登録者情報テーブル35に登録者情報、生体情報テーブル36に生体情報の書込みを行う)。この登録履歴は出力後、管理者からのサインをもらい、管理者に提出するためのものである。登録条件入力画面(図7のG10)は、登録操作を終了しメニュー画面に戻る画面である。画面内には、口座番号欄、指選択欄、操作ガイダンス表示欄(図7では「登録終了ボタンを押下して下さい。」と表示している)、「登録終了」ボタンがある。また、この画面が表示されている状態で「Enter」キー押下を受け付けることも可能で、この画面表示中の「Enter」キー押下は「登録終了」ボタンと同じ操作とみなされる。
【0033】
「登録終了」ボタンが押下されると(ステップ311)、生体情報登録は終了する。
【0034】
なお、指静脈情報の読込みは登録者にやり直しを求めることもあり時間がかかるので、操作ガイダンス表示欄に登録完了までの標準時間や現在の進行状況を利用者に伝えることで、利用者への心理的負担を減らすことができる。例えば「登録完了にはステップ1から5まで、標準で10分ほどかかります。現在はステップ2(標準所要時間2分)です。」という表示である。
【0035】
また、登録について説明してきたが更新や削除でも利用することができる。特に、口座保有者(生体情報登録者)本人の死亡、行方不明などにより、口座の名義人を変更したい事態が生じた場合は、本人以外でも削除や名義人の変更(人物区分・人物番号の変更)を可能とするため、更新や削除入力がされたことに基づいて、本人確認資料の一部または代わりとして続柄証明書の提示があったか否かを入力/チェックするようにする。
【0036】
また、以上では、1本目の指の読込み、認証テストが終わってから2本目の指の読込み、認証テストを行った例を説明したが、このような指ごとに読込みから認証テストまで行う構成ではなく、例えば1本目の読込み、2本目の読込み終了後に1本目の認証テスト、2本目の認証テストを行うような、登録する本数分の読込み終了後に本数分の認証テストを行う構成にしても良い。
【実施例2】
【0037】
実施例1では生体情報登録システム・装置を金融機関の窓口受付で用いること想定して、生体情報をサーバに記憶していたが、ICカード内に記憶するシステムにしても良い。ICカード内に記憶するシステムならば、登録者情報テーブルや生体情報テーブルを記憶するサーバが必要なくなる。サーバとデータを送受信する必要がなくなれば、データ通信間に情報が傍受される恐れがなくなるし、サーバ自体から情報が漏洩する恐れもなくなる。
【0038】
装置としては、図1において、指静脈登録装置11と端末装置21と図示しないICカードリーダとで構成する。ICカードリーダは、指静脈登録装置11又は端末装置21と一体でもよい。ICカード内の情報は指静脈登録装置11で処理することが端末装置21まで送って処理することよりも情報漏洩等の防止の点で好ましい。サーバ31に生体情報テーブル36の生体データ等を記憶することは不要になるが、登録者情報テーブル35の情報の一部などをサーバ31や図示しない他のサーバやホストに記憶することが管理上望ましい。
【0039】
実施例1で説明したフローチャートとしては、ICカード内の情報を読み取ることで口座番号がわかり、また、カード内には複数人のデータは記憶しないため人物番号による特定は行わないので、図4のステップ113(図7の登録条件入力画面G03)から始まる、図4のステップ310でカードに記録を行う等の変更がある。
【0040】
なお、生体情報をサーバあるいはICカード内のどちらに記憶するかを操作者(金融機関)が決めても良いし、登録者(顧客)に決めさせても良い。
【0041】
また、実施例1では端末装置で生体情報の認証を行っていたが、指静脈登録装置、サーバ、ICカード内、のいずれかで生体情報の認証を行っても良い。指静脈登録装置やICカード内で認証を行えば、通信部を用いて装置間でデータを送受信する必要がなくなるので、情報漏洩を防ぐことができる。構成としては、認証プログラム24を指静脈登録装置11又はサーバ31又はICカード内に設けることになる。
【実施例3】
【0042】
実施例1と2では、登録者が顧客で操作者が銀行の係員(テラー)である例、つまり端末装置21を銀行営業店の窓口端末である場合に特に好適な例を説明したが、ATM等の顧客操作型の装置にも適用できる。この場合、画面デザインや画面フローなどを顧客操作向け変更することが好ましい。またATMでは、係員が常駐せず登録者自らが装置の操作を行うことを鑑みて、登録者が誤った指の挿入を続ける場合には、犯罪目的で登録を行っている可能性があるため例えば当該登録者の口座の利用を全て停止させる(登録者情報テーブルで口座利用不可のフラグを立てるなどする)ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】生体情報登録システムの構成の例。
【図2】登録者情報テーブル35の例。
【図3】生体情報テーブル36の例。
【図4】制御部22が登録処理プログラム23を実行する際のフローチャートAの例。
【図5】制御部22が登録処理プログラム23を実行する際のフローチャートBの例。
【図6】制御部22が登録処理プログラム23を実行する際のフローチャートCの例。
【図7】端末装置の表示部に表示される画面表示フローの例。
【符号の説明】
【0044】
11・・・指静脈登録装置、12・・・指静脈リーダー、13・・・通信部、21・・・端末装置、22・・・制御部、23・・・登録処理プログラム、24・・・認証処理プログラム、25・・・記憶部、26・・・入力部、27・・・表示部、28・・・通信部、31・・・サーバ、32・・・制御部、33・・・記憶部、34・・・通信部、35・・・登録者情報テーブル、36・・・生体情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を登録する生体情報登録システムにおいて、
生体情報を取得する生体情報取得部と、
操作者への指示を表示する表示部と、
操作者からの選択入力を受ける入力部と、
生体情報とは異なる必須情報の入力の有無を記憶する記憶部とを有し、
前記入力部は、第1のキーを有し、
前記制御部は、前記第1のキーが選択入力されたことの検知に基づいて、前記記憶部で前記必須情報の入力有が記録されているか否かを判断し、判断に基づいて遷移する画面を決定する。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報登録システムであって、
前記必須情報は、生体情報登録者の本人確認資料の提示を含む。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生体情報登録システムにおいて、
前記記憶部は、前記生体情報取得部で取得した生体情報を記憶する。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の生体情報登録システムにおいて、
前記制御部は、必須情報の入力有と前記記憶部が記憶していると判断すると前記生体情報取得部での生体情報の取得を案内する画面を前記遷移する画面として決定し、必須情報の入力無と前記記憶部が記憶していると判断すると前記必須情報の入力の確認を案内する画面を前記遷移する画面として決定する。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の生体情報登録システムにおいて、
前記表示部は、情報入力を指示する入力ボタンと情報入力の完了を指示する完了ボタンとを表示し、
前記入力部は前記入力ボタン及び完了ボタンへの選択入力を、前記第1のキーの選択入力の検知とは別に検知し、
前記制御部は、前記入力部で検知した選択入力に基づいて、前記遷移する画面を決定し前記表示部に表示する。
【請求項6】
請求項2に記載の生体情報登録システムにおいて、
前記表示部は本人確認資料提示有無の入力を指示する入力ボタンと完了を指示する完了ボタンとを表示し、
前記入力部は、前記入力ボタン及び完了ボタンへの選択入力を検知し、
前記制御部は、
前記第1キー又は前記完了ボタンの選択入力を前記入力部で検知したことに応じて本人確認資料情報提示の有と前記記憶部が記憶していると判断したとき、前記生体情報取得部での生体情報の取得を案内する画面を遷移する画面として決定し、
前記第1キーの選択入力を前記入力部で検知したことに応じて本人確認資料情報提示の無と前記記憶部が記憶していると判断したとき及び前記入力ボタンの選択入力を前記入力部で検知したとき、本人確認資料情報の確認を案内する画面を遷移する画面として決定する。
【請求項7】
生体情報を登録する生体情報登録システムにおいて、
生体情報を取得する生体情報取得部と、
操作者への指示を表示する表示部と、
操作者からの入力を受ける入力部と、
生体情報登録者の本人確認資料の情報入力を案内する画面を表示し、当該画面で案内された情報入力を前記入力部で受けたことに基づいて、前記生体情報取得部による生体情報の読込みを案内する画面を表示するよう前記表示部を制御する制御部とを有する。
【請求項8】
生体情報を登録する生体情報登録システムにおいて、
生体情報を取得する生体情報取得装置と、
前記生体情報取得装置により取得した生体情報の認証テストが終わった指の本数を数える認証テスト指本数カウンターと、
前記認証テスト指本数カウンターにより数えた認証テスト済の指の本数が第1の本数に達するまで前記認証テストを繰り返す制御部とを有する。
【請求項9】
請求項8に記載の生体情報登録システムであって、
操作者からの選択入力を受ける入力部と、
操作者への案内を表示する表示部と、
前記生体情報取得装置により取得した生体情報の前記認証テストの実行回数を数える認証テスト実行回数カウンターと、
前記入力部により選択入力された登録する指の種類を記憶する記憶部とを有し、
前記制御部は、前記記憶部により記憶した登録する指の種類及び、前記認証テスト実行回数カウンターにより数えた認証テスト実行回数を前記表示部に表示するよう制御する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−52680(P2007−52680A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238107(P2005−238107)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】