説明

生体情報登録方法、生体情報登録プログラム、及び記録媒体

【課題】生体情報を新規に登録する際、他人誤認率が高いと判定された生体情報を予め排除する機能を有する生体認証システムを提供する。
【解決手段】被認証者の生体情報である第1の生体情報を読み取る生体情報読取ステップと、読み取った第1の生体情報の中から複数の第1の特徴点を抽出し、第1の特徴点を所定の座標系の各成分の値に変換する生体情報登録ステップと、変換した複数の第1の特徴点の各成分の値と、比較対象となる複数の第2の生体情報のそれぞれが有する複数の第2の特徴点を所定の座標系の各成分の値として生体情報記憶部が記憶する複数の第2の特徴点の各成分の値との間における類似度を成分ごとに求める類似度算出ステップと、算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ成分ごとに設定された閾値を満たさないと判定した場合にのみ、第1の生体情報を生体情報記憶部に登録させる類似度評価ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指紋や指静脈等の生体情報を利用した認証における生体情報登録方法、生体情報登録プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証の精度を評価する指標には大きく他人受入率と本人拒否率がある。前者の他人受入率とは、入力された他人の生体情報と認証装置に登録されている本人の生体情報を照合した結果、一致していると判断され、誤って認証が許可されてしまう割合である。一方、後者の本人拒否率とは、入力された本人の生体情報と認証装置に登録されている本人の生体情報を照合したにも関わらず、不一致と判断され、認証を拒否されてしまう割合である。一般的に他人受入率と本人拒否率はトレードオフの関係にあるため、一方を低くすることにより、他方は高くなる。実運用にあたっては、他人受入率を低くして一定のセキュリティレベルを保ちながら、本人拒否率が許容できる値となるよう照合時の閾値等を設定して利便性を確保する必要がある。
【0003】
他人受入率と本人拒否率のバランスを保つためには、認証に使用する生体情報の品質を向上させたり、本人の生体情報と他人の生体情報が明確に分離可能となるような閾値等を設定するアルゴリズムを採用し、認証の精度を向上させる必要がある。これらに関する従来の技術としては、下記の文献が存在する。
【0004】
認証に使用する生体情報の品質を向上させる技術には、特許文献1及び特許文献2が存在する。特許文献1には、登録済みの指静脈と読み取った指静脈との相違度及び鮮明度を算出し、相違度及び鮮明度の組み合わせをもとに指静脈認証に適しているかどうか適正度を判定し、適正でないと判定された場合にはユーザに再登録を促すものが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、新規に入力された生体情報が予め登録されている生体情報と一致したとき、新規に登録された生体情報の特徴点データの個数が予め登録された生体情報の特徴点データの個数以上である場合、または、新規に登録された生体情報がその登録時点から所定の期間が経過しておりかつ新規に登録された生体情報の特徴点データの個数が基準個数以上であった場合に、予め登録された当該生体情報に代わって新規に入力された生体情報を登録することで生体情報を更新するものが開示されている。
【0006】
さらに、本人の生体情報と他人の生体情報を分離するために最適な閾値を設定するアルゴリズムとしては、特許文献3が存在する。特許文献3には、生体情報の認証時に複数の生体情報が本人候補と判定された場合、他人の生体情報が本人候補と判定されないように類似度の判定に使用する閾値を更新するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−79448号公報
【特許文献2】特開2008−65572号公報
【特許文献3】特開2008−243054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に開示されているいずれの技術においても、本人の生体情報との類似度が非常に高い他人の生体情報が登録された場合には本人の生体情報と他人の生体情報を明確に分離することが困難となるため、他人受入が発生する可能性が高くなるといった課題がある。こうした状況を改善するため、閾値等を厳しくして他人受入率を低く保とうとすると、本人拒否率が高くなり、利用者の利便性が犠牲となる。特に、閾値による分離では本人の生体情報と他人の生体情報の類似度が非常に高い場合、本人と他人を明確に分離できる閾値が存在しないため、最適な閾値の設定が困難となる。こうした課題を解決する構成等について、特許文献1〜3には開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、本人の生体情報と類似度が高い他人の生体情報が登録される可能性がある認証において、他人受入が発生する生体情報を予め除去することで認証精度の向上を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる生体情報登録方法は、被認証者の生体情報である第1の生体情報を読み取る生体情報読取ステップと、前記生体情報読取ステップにおいて読み取った前記第1の生体情報の中から複数の前記第1の特徴点を抽出し、抽出した前記第1の特徴点を前記所定の座標系の各成分の値に変換する生体情報登録ステップと、前記生体情報登録ステップにおいて変換した複数の前記第1の特徴点の各成分の値と、前記第1の生体情報が有する複数の第1の特徴点との間で比較対象となる複数の第2の生体情報のそれぞれが有する複数の第2の特徴点を所定の座標系の各成分の値として生体情報記憶部が記憶する複数の前記第2の特徴点の各成分の値との間における類似度を成分ごとに求める類似度算出ステップと、前記類似度算出ステップにおいて算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ前記成分ごとに設定された閾値を満たさないと判定した場合にのみ、前記第1の生体情報を前記生体情報記憶部に登録させる類似度評価ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記生体情報登録方法をコンピュータに実行させるための生体情報登録プログラム、およびこれを格納した記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予め登録されている生体情報と類似度の高い生体情報が登録されることを防止することができるため、本人の生体情報と他人の生体情報を明確に分離することが可能となる。その結果、認証精度の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に関する生体情報認証システムの実施の形態を示すシステム構成ブロック図である。
【図2】類似度を評価するために必要なパラメータを利用者が入力する際のインタフェースとなる画面の一例を示す図である。
【図3】生体情報読み取り部から読み取った利用者の生体情報のデータ構造を示す図である。
【図4】生体情報認証システムに既に登録されている利用者の生体情報のデータ構造を示す図である。
【図5】入力された生体情報と、既に登録されている生体情報との類似度を計算して評価する際に使用するパラメータのデータ構造を示す図である。
【図6】外部記憶装置に格納されるデータ及び処理プログラムを示す図である。
【図7】評価用パラメータ情報登録処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】評価用パラメータ情報登録処理から呼び出されるパラメータ情報登録処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】評価用パラメータ情報登録処理から呼び出される画面クリア処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】生体情報登録処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】生体情報登録処理から呼び出される特徴点対応付け処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】生体情報登録処理から呼び出される類似度計算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】類似度計算処理から呼び出される平均値計算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】類似度計算処理から呼び出される分散計算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】生体情報登録処理から呼び出される類似度評価処理の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる生体情報登録方法、生体情報登録プログラム、及び記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に、本実施の形態における生体情報認証システムの構成例を示す。本システムは、生体情報の読み取りを行う生体情報読み取り装置10と、読み取った生体情報の認証を行う生体情報認証装置20を有し、生体情報読み取り装置10と生体情報認証装置20が通信回線30によって接続される。
【0016】
生体情報読み取り装置10は、通信I/F部101と、生体情報読み取り部102と、ステータス表示部103とを備える。通信I/F部101は、生体情報読み取り装置10から生体情報認証装置20へ指紋や指静脈等の生体情報を送信したり、生体情報認証装置20から生体情報読み取り装置10へ送信された情報を受信したりするために使用するインタフェースである。生体情報読み取り部102は、利用者の生体情報を読み取る手段であり、例えば、指紋センサや静脈センサにより構成すれば良い。ステータス表示部103は、利用者に対して各種情報を伝達する手段であり、例えば、液晶表示やLEDランプなどで構成すれば良い。
【0017】
生体情報認証装置20は、通信I/F部201と、入力部202と、出力部103と、CPU204と、メモリ205と、外部記憶部206とを備える。通信I/F部201は、生体情報読み取り装置10が備える通信I/F部101と同様、生体情報読み取り装置10から送信された生体情報を受信したり、生体情報読み取り装置10のステータス表示部103に表示したい情報を送信したりするために使用するインタフェースである。入力部202及び出力部203は、生体情報認証装置20に対する各種情報を入出力に利用する。例えば、入力部202は、キーボードやマウス、出力部203は液晶ディスプレイで構成すれば良い。外部記憶部206には、処理プログラムや既に登録済みの利用者の生体情報などが格納されている。CPU204は、外部記憶部206に格納されている処理プログラムをメモリ205に読み込んで実行する。
【0018】
通信回線30は、生体情報読取装置10と生体情報認証装置20の間で行われる各種情報の送受信に利用する回線である。
【0019】
図2に、生体情報認証装置20の出力部203に表示される評価用パラメータ情報設定画面40の一例を示す。評価用パラメータ情報設定画面40は、利用者の生体情報を登録する際、生体情報読み取り部102から読み取った利用者の生体情報と、外部記憶装置206に格納されている登録済みの生体情報の類似度を計算して評価する場合に必要となる各種パラメータを設定するため画面である。評価用パラメータ情報設定画面40は、評価に必要となる特徴点の総数の下限値を入力及び表示するテキストボックス401と、特徴点分類別分散パラメータを入力及び表示するテキストボックス402と、テキストボックス401及び402に入力された全ての値をクリアするクリアボタン410と、テキストボックスに入力された値を評価用パラメータ情報として登録する登録ボタン411で構成される。特徴点分類別分散パラメータを入力するテキストボックス402は、特徴点の分類(例えば、指紋の場合には三角州や端点、分岐点、中心点などの特徴点の種別)及び座標(X座標、Y座標、θ座標)ごとに設けられる。テキストボックスへの入力やボタンの押下は、図1に示した入力部202によって行われる。
【0020】
図3に、生体情報読み取り部102から読み取った利用者の生体情報のデータ構造を示す。生体情報読み取り部102から読み取った利用者の生体情報は、特徴点を抽出した後、各座標の成分に変換して数値化する。例えば、本実施例では水平方向の位置を示す座標X205112、垂直方向の位置を示す座標Y205113、隆線方向を示す座標θ205114に変換する。入力特徴点205111は、座標X205112、座標Y205113、座標θ205114の組であり、任意の1つの特徴点を表す。入力特徴点集合20511は、複数の入力特徴点205111を特徴点の分類別でひとまとまりにした集合である。例えば、図3に示すとおり、特徴点の分類がJ個存在する場合、J個の入力特徴点集合20511が存在する。入力生体情報はJ個の入力特徴点集合20511の集合であり、生体情報読み取り部102から読み取った利用者の生体情報に含まれるすべての特徴点の集合を表す。
【0021】
図4に、既に登録されている利用者の生体情報のデータ構造を示す。入力特徴点と同様、任意の1つの特徴点を水平方向の位置を示す座標X2061112、垂直方向の位置を示す座標Y2061113、隆線方向を示す座標θ2061114で表す。特徴点2061111は、水平方向の位置を示す座標X2061112、垂直方向の位置を示す座標Y2061113、隆線方向を示す座標θ2061114の組であり、任意の1つの特徴点を表す。特徴点集合206111は、複数の特徴点2061111を特徴点の分類別でひとまとまりにした集合である。例えば、図4に示すとおり特徴点の分類がJ個存在する場合、J個の特徴点集合206111が存在する。個人生体情報20611はJ個の特徴点集合206111の集合であり、既に登録されている利用者のうち、任意の利用者(個人)の生体情報に含まれるすべての特徴点の集合を表す。生体情報テーブル2061は、個人生体情報20611の集合であり、既に登録されているすべての利用者の生体情報に含まれる特徴点を表す。
【0022】
図5に、入力された生体情報と既に登録されている生体情報との類似度を計算して評価する際に使用するパラメータのデータ構造を示す。当該パラメータは、図2に示した評価用パラメータ情報設定画面にて入力して登録されたデータである。
【0023】
特徴点数評価用パラメータ2062は、類似度の評価にあたって入力された生体情報において最低限必要となる特徴点の数の下限値20621で構成され、図2に示した評価に必要となる特徴点の総数の下限値を入力するテキストボックス401に入力された値が登録される。
【0024】
分散評価用パラメータテーブル2063は、類似度の評価において閾値として使用する分散の値で構成され、特徴点の分類(例えば、指紋の場合には三角州や端点、分岐点、中心点などの特徴点の種別)及び座標(X座標、Y座標、θ座標)ごとに閾値が存在する。特徴点分類別分散パラメータ20631はX座標の閾値である分散σx20632、Y座標の閾値である分散σy20633、θ座標の閾値である分散σθ20634の組であり、任意の特徴点の分類において評価に使用する閾値を表す。分散評価用パラメータテーブル2063は、すべての特徴点分類別分散パラメータ20631の集合である。例えば、図5に示すとおり、特徴点の分類がJ個存在する場合、J個の特徴点分類別分散パラメータ20631の集合となる。
【0025】
図6に、外部記憶部106に格納されるデータ及び処理プログラムを示す。外部記憶部106に格納されるデータは、既に登録されている利用者の生体情報であって、入力された生体情報との間で比較対象となる生体情報である生体情報テーブル2061と、類似度の評価で使用する特徴点数評価用パラメータ2062と、分散評価用パラメータテーブル2063である。外部記憶部106に格納される処理プログラムは、評価用パラメータ情報登録処理部2064と、生体情報登録処理部2065である。
【0026】
図7に、評価用パラメータ情報登録処理2064の詳細についてフローチャートを示す。最初に、CPU204は、生体情報認証装置20の出力部203に評価用パラメータ情報設定画面40を表示する(S101)。
【0027】
次に、CPU204は、生体情報認証装置20の外部記憶部206に格納されている特徴点数評価用パラメータ2062と分散評価用パラメータテーブル2063の値をメモリに読み込み、当該値を評価用パラメータ情報設定画面40の対応するテキストボックス401及び402に表示する(S102)。
【0028】
次に、CPU204は、ユーザによってクリアボタン410または登録ボタン411のクリックが行われたかどうかをチェックする(S103、S104)。いずれのボタンもクリックされていない場合(S103がNo、かつ、S104がNo)、CPU204は、クリアボタン410及び登録ボタン411のクリックが行われたかどうかのチェックを繰り返す。S104において登録ボタンのクリックが検知された場合(S104のYes)、CPU204は、パラメータ情報処理登録処理を行う(S105)。S103においてクリアボタンのクリックが検知された場合(S103のYes)、CPU204は、画面表示クリア処理を行う(S106)。
【0029】
図8に、パラメータ情報登録処理(S105)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は、評価用パラメータ情報設定画面40の評価に必要となる特徴点の総数の下限値を入力及び表示するテキストボックス401に入力されている値を、特徴点数評価用パラメータ2062の評価に必要となる特徴点の総数の下限値10621に設定する(S105−01)。
【0030】
次に、CPU204は、評価用パラメータ情報設定画面40の特徴点分類別分散パラメータを入力及び表示するテキストボックス402に入力されている値のうちX座標に関する分散の値(402[1][1]、402[2][1]、・・・、402[J][1])を、分散評価用パラメータテーブル2063の対応する特徴点分類分散パラメータ20631に含まれる分散σx20632に設定する(S105−02)。
【0031】
次に、CPU204は、評価用パラメータ情報設定画面40の特徴点分類別分散パラメータを入力及び表示するテキストボックス402に入力されている値のうちY座標に関する分散の値(402[1][2]、402[2][2]、・・・、402[J][2])を、分散評価用パラメータテーブル2063の対応する特徴点分類分散パラメータ20631に含まれる分散σy20633に設定する(S105−03)。
【0032】
次に、CPU204は評価用パラメータ情報設定画面40の特徴点分類別分散パラメータを入力及び表示するテキストボックス402に入力されている値のうちθ座標に関する分散の値(402[1][3]、402[2][3]、・・・、402[J][3])を、分散評価用パラメータテーブル2063の対応する特徴点分類分散パラメータ20631に含まれる分散σy20634に設定する(S105−04)。
【0033】
図9に、画面表示クリア処理(S106)の詳細について、フローチャートを示す。CPU204は、評価用パラメータ情報設定画面40の評価に必要となる特徴点の総数の下限値を入力及び表示するテキストボックス401と、特徴点分類別分散パラメータを入力及び表示するテキストボックス402のすべてに空白を設定する(S106−01)。
【0034】
図10に、生体情報登録処理部2065の詳細についてフローチャートを示す。まず最初に、CPU204は生体情報読み取り装置20の生体情報読み取り部201にて利用者の生体情報を読み取る(S201)。
【0035】
次に、CPU204は、読み取った生体情報から特徴点を抽出して座標系の成分の値に変換した後、特徴点の種別毎に入力生体情報2015の対応する要素(座標X、座標Y、座標θ)に格納する(S202)。
【0036】
次に、CPU204は、前記ステップS201で読み取った生体情報の特徴点の総数が、評価に必要な特徴点の総数の下限値20621を超えているかどうかをチェックする(S203)。当該ステップS203において、読み取った生体情報の特徴点の総数が、評価に必要な特徴点の総数の下限値20621を超えていない場合(S203のNo)、CPU204は、ユーザに生体情報の再入力を促すメッセージを、生体情報読み取り装置10のステータス表示部103に表示し(S210)、前記のステップS201に遷移する。
【0037】
一方、前記ステップS203において、読み取った生体情報の特徴点の総数が、評価に必要な特徴点の総数の下限値20621を超えている場合(S203のYes)、CPU204は、生体情報テーブル2061に個人生体情報20611が1件以上登録されているかどうかをチェックする(S204)。当該ステップS204において、生体情報テーブル2061に個人生体情報20611が1件以上登録されていない場合(S204のNo)、CPU204は、読み取った入力生体情報2051を外部記憶部206の生体情報テーブル2061に登録する(S209)。
【0038】
一方、当該ステップS204において、生体情報テーブル2061に個人生体情報20611が1件以上登録されている場合(S204のYes)、CPU204は、入力生体情報2051と、生体情報テーブル2061に登録されているすべての個人生体情報20611について、特徴点対応付け処理(S205)、類似度計算処理(S206)、類似度評価処理(S207)を行う。その後、当該一連の処理によって得た類似度をもとに、CPU204は、生体情報テーブル2061に、入力生体情報2051と類似度の高い生体情報が登録されているかどうかをチェックする(S208)。当該ステップS208において、生体情報テーブル2061に入力生体情報2051と類似度の高い生体情報が登録されていない場合(S208のNo)、CPU204は、読み取った入力生体情報2051を外部記憶部206の生体情報テーブル2061に登録する(S209)。
【0039】
一方、前記ステップS208において、生体情報テーブル2061に入力生体情報2051と類似度の高い生体情報が登録されている場合(S208のYes)、CPU204は、ユーザに生体情報を再入力を促すメッセージを生体情報読み取り装置10のステータス表示部103に表示し(S210)、前記のステップS201に遷移する。
【0040】
前記の特徴点対応付け処理(S205)と、類似度計算処理(S206)と、類似度評価処理(S207)によって、CPU204は、読み取った生体情報と既に登録されている利用者の生体情報の類似度を判定し、類似度が高い場合にはユーザに再入力を促す手段(S210)を有することにより、予め登録されている生体情報と類似度の高い生体情報が登録されることを防止することができるため、本人の生体情報と他人の生体情報を明確に分離することが可能となる。その結果、認証精度の向上を実現できる。
【0041】
図11に、特徴点対応付け処理(S205)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1をセットして初期化する(S205−01)。
【0042】
次に、CPU204は、生体情報テーブル2061のi番目の個人生体情報20611を表すカウンタiに1をセットして初期化する(S205−02)。次に、CPU204は、入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111から、まだ選択されたことのないk番目の特徴点Aを選択する(S205−03)。
【0043】
そして、CPU204は、生体情報テーブル2061のi番目の個人生体情報20611に含まれるj番目の特徴点分類の特徴点集合206111から、まだ選択されたことのないn番目の特徴点Bを選択する(S205−04)。次に、CPU204は、前記ステップS205−03とS205−04で選択した特徴点A及び特徴点Bについて、座標空間でのユークリッド距離を計算する(S205−05)。
【0044】
次に、CPU204は、前記ステップS205−04において、生体情報テーブル2061のi番目の個人生体情報20611に含まれるj番目の特徴点分類の特徴点集合206111に含まれるすべての特徴点206111を特徴点Bとして選択ずみかどうかをチェックする(S205−06)。まだ選択していない特徴点206111が存在する場合(S205−06のNo)、CPU204は、前記ステップS205−04及びS205−06を繰り返す。
【0045】
一方、前記ステップS205−04において、まだ選択していない特徴点206111が存在する場合(S205−06のYes)、CPU204は、i番目の個人生体情報20611を表すカウンタiに1を加算する。また、CPU204は、選択済みのnの値の履歴をクリアする(S205−07)。
【0046】
次に、CPU204は、カウンタiが生体情報テーブル2061に登録されている個人の数をこえているかどうかをチェックする(S205−08)。当該ステップS205−08において、カウンタiが生体情報テーブル2061に登録されている個人の数をこえていない場合(S205−08のNo)、前記ステップS205−03に遷移する。
【0047】
一方、当該ステップS205−08において、カウンタiが生体情報テーブル2061に登録されている個人の数を超えている場合(S205−08のYes)、CPU204は、前記特徴点Aと特徴点Bのユークリッド距離が最小となる特徴点Aと特徴点Bの組み合わせをペアとして対応付けを行い、当該対応付けの結果を生体情報認証装置20のメモリ205などの一次領域に記憶する(S205−09)。
【0048】
例えば、入力生体情報Iに対して、登録済みの生体情報として個人生体情報X、Y、Zが存在し、入力生体情報Iに含まれるある特徴点Aに対して、個人生体情報Xは特徴点B1、個人生体情報Yは特徴点B2、個人生体情報Zは特徴点B3との距離が最小となった場合、特徴点A−特徴点B1、特徴点A−特徴点B2、特徴点A−特徴点B3がペアとして対応付けられる。当該対応付けは特徴点分類ごとに行う。すなわち、上記の例では特徴点A、特徴点B1、特徴点B2、特徴点B3は同一の特徴点分類に分類されている特徴点であることを意味する。
【0049】
次に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1を加算する。また、選択済みのkの値の履歴をクリアする(S205−10)。次に、CPU204は、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを越えているかどうかチェックする(S205−11)。当該ステップS205−11において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを越えていない場合(S205−11のNo)、前記ステップS205−02に遷移する。一方、当該ステップS205−11において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを越えている場合(S205−11のYes)、CPU204は、特徴点対応付け処理(S205)を終了する。
【0050】
図12に、類似度計算処理(S206)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は平均計算処理を行う(S206−01)。当該処理の詳細については後述する。次に、CPU204は分散計算処理を行う(S206−02)。当該処理の詳細については後述する。
【0051】
図13に、平均計算処理(S206−01)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1をセットして初期化する(S206−01−01)。
【0052】
次に、CPU204は、k番目の特徴点を表すカウンタkに1をセットして初期化する(S206−01−02)。次に、CPU204は、入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111から、k番目の特徴点Aを選択する(S206−01−03)。
【0053】
そして、CPU204は、特徴点対応付け処理(S205)で一次領域に格納したペア情報をもとに、前記ステップ(S206−01−04)で選択した入力生体情報の特徴点Aとペアとなる生体情報テーブル2061に含まれる特徴点Bを選択する(S206−01−03)。
【0054】
次に、CPU204は、前記ステップ(S206−01−03)で選択した特徴点Aの各座標系の成分の値と、前記ステップ(S206−01−04)で選択した特徴点Bの各座標の成分の値について、X座標/Y座標/θ座標ごとに差の絶対値を計算し、一次領域AVG[j][1]/AVG[j][2]/AVG[j][3]に値を累積する(S206−01−05)。次に、CPU204はk番目の特徴点を表すカウンタkに1を加算する(S206−01−06)。
【0055】
次に、CPU204は、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えているかどうかをチェックする(S206−01−07)。当該ステップS206−01−07において、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えてない場合(S206−01−07のNo)、前記ステップS206−01−03に遷移する。
【0056】
一方、当該ステップS206−01−07において、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えている場合(S206−01−07のYes)、X座標/Y座標/θ座標ごとに平均値を計算するため、CPU204は、一次領域AVG[j][1]/AVG[j][2]/AVG[j][3]に累積されている値を、入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kで除算し、除算した結果を一次領域AVG[j][1]/AVG[j][2]/AVG[j][3]に格納する(S206−01−08)。次に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1を加算する(S206−01−09)。
【0057】
次に、CPU204は、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えているかどうかチェックする(S206−01−10)。当該ステップS206−01−10において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えていない場合(S206−01−10のNo)、前記ステップS206−01−02へ遷移する。一方、当該ステップS206−01−10において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えている場合(S206−01−10のYes)、CPU204、は平均計算処理(S206−01)を終了する。
【0058】
図14に、分散計算処理(S206−02)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1をセットして初期化する(S206−02−01)。
【0059】
次に、CPU204は、k番目の特徴点を表すカウンタkに1をセットして初期化する(S206−02−02)。次に、CPU204は、入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111から、k番目の特徴点Aを選択する(S206−02−03)。
【0060】
そして、CPU204は、特徴点対応付け処理(S205)で一次領域に格納したペア情報をもとに、前記ステップ(S206−02−03)で選択した入力生体情報の特徴点Aとペアとなる、生体情報テーブル2061に含まれる特徴点Bを選択する(S206−02−04)。
【0061】
次に、CPU204は、前記ステップ(S206−02−03)で選択した特徴点Aの各座標系の成分の値と、前記ステップ(S206−02−04)で選択した特徴点Bの各座標の成分の値について、X座標/Y座標/θ座標ごとに、差の絶対値と平均値との差の二乗を計算し、一次領域DIST[j][1]/DIST[j][2]/DIST[j][3]に値を累積する(S206−02−05)。次に、CPU204は、k番目の特徴点を表すカウンタkに1を加算する(S206−02−06)。
【0062】
そして、CPU204は、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えているかどうかをチェックする(S206−02−07)。当該ステップS206−02−07において、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えてない場合(S206−02−07のNo)、前記ステップS206−02−03に遷移する。
【0063】
一方、当該ステップS206−02−07において、カウンタkの値が入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kを超えている場合(S206−02−07のYes)、X座標/Y座標/θ座標ごとに分散を計算するため、CPU204は、一次領域DIST [j][1]/DIST[j][2]/DIST[j][3]に累積されている値を、入力生体情報2051のj番目の特徴点分類の入力特徴点集合20511に含まれる入力特徴点205111の個数Kでそれぞれ除算し、除算した結果を一次領域DIST[j][1]/AVG[j][2]/AVG[j][3]に格納する(S206−02−08)。次に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1を加算する(S206−02−09)。
【0064】
次に、CPU204は、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えているかどうかチェックする(S206−02−10)。当該ステップS206−01−10において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えていない場合(S206−02−10のNo)、前記ステップS206−02−02へ遷移する。 一方、当該ステップS206−02−10において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えている場合(S206−02−10のYes)、CPU204は、分散計算処理(S206−02)を終了する。
【0065】
図15に、類似度評価処理(S207)の詳細について、フローチャートを示す。最初に、CPU204は、j番目の特徴点分類を表すカウンタjに1をセットして初期化する(S207−01)。
【0066】
次に、CPU204は、分散評価用パラメータテーブル(2063)からj番目の特徴点分類のX座標/Y座標/θ座標の特徴点分類別分散パラメータPARAM2[j][1]/PARAM2[j][2]/PARAM2[j][3]をメモリに読み込む(S207−02)。次に、CPU204は図14のステップS206−02−08で一次領域DIST[j][1]/DIST[j][2]/DIST[j][3]に格納したj番目の特徴点分類のX座標/Y座標/θ座標の分散をメモリに読み込む(S207−03)。
【0067】
そして、CPU204は、「DIST[j][1]の値がPARAM2[j][1]の値以下である」「DIST[j][2]の値がPARAM2[j][2]の値以下である」「DIST[j][3]の値がPARAM2[j][3]の値以下である」をすべて満たすかどうかをチェックする(S207−04)。当該ステップS207−04において、前記の3つの条件を1つでも満足しない場合(S207−04のNo)、後述のステップS207−08に遷移する。一方、ステップS207−04において、前記の3つの条件をすべて満足する場合(S207−04のYes)、CPU204はj番目の特徴点分類を表すカウンタjに1を加算する(S207−05)。
【0068】
次に、CPU204は、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えているかどうかチェックする(S207−06)。当該ステップS207−06において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えていない場合(S207−06のNo)、前記ステップS207−02へ遷移する。
【0069】
一方、当該ステップS207−06において、カウンタjの値が特徴点分類の最大数Jを超えている場合(S207−06のYes)、CPU204は、入力された生体情報と類似度の高い生体情報が生体情報テーブル(2061)に既に登録されていると判定し(S207−07)、類似度判定処理(S207)を終了する。
【0070】
ステップS207−04において、前記の3つの条件を1つでも満足しない場合(S207−04のNo)、CPU204は、入力された生体情報と類似度の高い生体情報が生体情報テーブル(2061)に登録されていないと判定し(S207−08)、類似度判定処理(S207)を終了する。
【0071】
なお、ステップS207−07において、入力された生体情報と類似度の高い生体情報が生体情報テーブル(2061)に既に登録されていると判定された場合には、CPU204は、生体情報読み取り部102が読み取った部位とは異なる部位による生体情報の登録を利用者に対して促す。
【0072】
このように、生体情報読み取り部102が、被認証者である利用者の生体情報である第1の生体情報を読み取り、CPU204(生体情報登録部)が、生体情報読み取り部102が読み取った第1の生体情報の中から複数の第1の特徴点を抽出し、抽出した第1の特徴点を所定の座標系の各成分の値に変換し、CPU204(類似度算出部)が、生体情報登録部が変換した複数の第1の特徴点の各成分の値と、第1の生体情報が有する複数の第1の特徴点との間で比較対象となる複数の第2の生体情報のそれぞれが有する複数の第2の特徴点を所定の座標系の各成分の値として生体情報テーブル2061が記憶する複数の第2の特徴点の各成分の値との間における類似度を成分ごとに求め、CPU204(類似度評価部)が、類似度算出部が算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ成分ごとに設定された閾値を満たさないと判定した場合にのみ、第1の生体情報を生体情報テーブル2061に登録させるので、他人受入が発生する生体情報を予め除去することができる。すなわち、予め登録されている生体情報と類似度の高い生体情報が登録されることを防止することができるため、本人の生体情報と他人の生体情報を明確に分離することが可能となる。その結果、認証精度の向上を実現できる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。例えば、生体情報読み取り装置10と生体情報認証装置20とを物理的に1つの装置として構成する等、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を変更したり、構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0074】
また、上述した各処理は、生体情報読み取り部102、CPU204(生体情報登録部)、CPU204(類似度算出部)、およびCPU204(類似度評価部)の各機能を実現するためのプログラムにより実行される。これらのプログラムは、例えば、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、CPU204が外部記憶部206からこれらのプログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされ、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0075】
上述したプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供することも可能である。さらに、これらのプログラムを、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供し、または配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 生体情報読み取り装置
101 通信I/F部(生体情報読み取り装置)
102 生体情報読み取り部
103 ステータス表示部
20 生体認証装置
201 通信I/F部(生体認証装置)
202 入力部
203 出力部
204 CPU
205 メモリ
206 外部記憶部
30 通信回路
40 評価用パラメータ情報設定画面
401 評価に必要となる特徴点の総数の下限値
402 特徴点分類別分散パラメータ
410 クリアボタン
411 登録ボタン
2051 入力生体情報
20511 入力特徴点集合
205111 入力特徴点
205112 入力特徴点の座標X
205113 入力特徴点の座標Y
205114 入力特徴点の隆線方向θ
2061 生体情報テーブル
20611 個人生体情報
206111 特徴点集合
2061111 特徴点
2061112 特徴点の座標X
2061113 特徴点の座標Y
2061114 特徴点の座標θ
2062 特徴点数評価用パラメータ
20621 評価に必要となる特徴点の総数の下限値
2063 分散評価用パラメータテーブル
20631 特徴点分類別分散パラメータ
20632 特徴点分類別分散パラメータの座標Xの分散σx
20633 特徴点分類別分散パラメータの座標Yの分散σy
20634 特徴点分類別分散パラメータの座標θの分散σθ
2064 評価用パラメータ情報登録処理部
2065 生体情報登録処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証者の生体情報である第1の生体情報を読み取る生体情報読取ステップと、
前記生体情報読取ステップにおいて読み取った前記第1の生体情報の中から複数の前記第1の特徴点を抽出し、抽出した前記第1の特徴点を前記所定の座標系の各成分の値に変換する生体情報登録ステップと、
前記生体情報登録ステップにおいて変換した複数の前記第1の特徴点の各成分の値と、前記第1の生体情報が有する複数の第1の特徴点との間で比較対象となる複数の第2の生体情報のそれぞれが有する複数の第2の特徴点を所定の座標系の各成分の値として生体情報記憶部が記憶する複数の前記第2の特徴点の各成分の値との間における類似度を成分ごとに求める類似度算出ステップと、
前記類似度算出ステップにおいて算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ前記成分ごとに設定された閾値を満たさないと判定した場合にのみ、前記第1の生体情報を前記生体情報記憶部に登録させる類似度評価ステップと、
を含むことを特徴とする生体情報登録方法。
【請求項2】
前記第1の特徴点および前記第2の特徴点は複数の種別によって分類され、
前記類似度算出ステップでは、複数の種別に分類された前記第1の特徴点および前記第2の特徴点のそれぞれについて、各成分の値の類似度を成分ごとに求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報登録方法。
【請求項3】
前記生体情報登録ステップにおいて変換した複数の前記第1の特徴点の各成分の値を有した第1の組と、前記生体情報記憶部が記憶する複数の前記第2の特徴点の各成分の値を有した第2の組とを比較し、両者の距離が最小となる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける特徴点対応ステップをさらに含み、
前記類似度算出ステップでは、前記特徴点対応ステップにおいて対応付けた前記第1の特徴点と前記第2の特徴点との差の分散を前記類似度として算出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報登録方法。
【請求項4】
前記類似度評価ステップでは、前記類似度算出ステップにおいて算出した前記差の分散が、すべての成分について前記閾値以下ではないと判定した場合にのみ、前記第1の生体情報を前記生体情報記憶部に登録させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の生体情報登録方法。
【請求項5】
前記類似度評価ステップでは、前記類似度算出ステップにおいて算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ前記成分ごとに設定された閾値を満たすと判定した場合には、前記生体情報読取ステップにおいて読み取った部位とは異なる部位による前記第1の生体情報の登録を前記被認証者に対して促す、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の生体情報登録方法。
【請求項6】
前記生体情報は指紋であり、前記種別には三角州、端点、分岐点、中心点のいずれかが含まれる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報登録方法。
【請求項7】
コンピュータに、
被認証者の生体情報である第1の生体情報を読み取る生体情報読取ステップと、
前記生体情報読取ステップにおいて読み取った前記第1の生体情報の中から複数の前記第1の特徴点を抽出し、抽出した前記第1の特徴点を前記所定の座標系の各成分の値に変換する生体情報登録ステップと、
前記生体情報登録ステップにおいて変換した複数の前記第1の特徴点の各成分の値と、前記第1の生体情報が有する複数の第1の特徴点との間で比較対象となる複数の第2の生体情報のそれぞれが有する複数の第2の特徴点を所定の座標系の各成分の値として生体情報記憶部が記憶する複数の前記第2の特徴点の各成分の値との間における類似度を成分ごとに求める類似度算出ステップと、
前記類似度算出ステップにおいて算出した成分ごとの類似度が、あらかじめ前記成分ごとに設定された閾値を満たさないと判定した場合にのみ、前記第1の生体情報を前記生体情報記憶部に登録させる類似度評価ステップと、
を実行させることを特徴とする生体情報登録プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載された生体情報登録プログラムを格納したコンピュータの読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−3957(P2013−3957A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136169(P2011−136169)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】