説明

生体情報監視システム

【課題】本来の警報出力がなされるべき手段からの警報がなされない場合にも警報に気付かないなどの事態を防止し、安全を確保する。
【解決手段】生体情報の異常や機器又はセンサの異常や機器の操作による異常を示すアラーム信号を発生するアラーム発生手段8と、このアラーム発生手段8により発生されたアラーム信号に基づくアラーム出力を行う第一の出力手段であるスピーカ22と、前記アラーム発生手段8からスピーカ22へ到る経路におけるアラーム信号の有無とスピーカ22によるアラーム出力の状態を検出する検出手段23と、前記アラーム出力とは独立した警報出力を行うための第二の出力手段としてのビープ音発生部13と、検出された前記アラーム出力の状態を判断基準とし、前記第二の出力手段から警報出力を行うように制御する警報制御手段12とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体情報の異常(バイタルアラーム)、機器又はセンサの異常(テクニカルアラーム)、患者自らが異常に気付きナースコールなどの機器の操作により異常を示すアラーム信号に基づく警報出力を行う生体情報監視システムに関するものであり、特に、アラーム信号に基づく警報出力が適切になされない場合に報知して、不測の事態を防止するようにした生体情報監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のシステムとしては、患者の監視者である付添人や看護士などが警報状態に対して確認通知のボタン操作等を行わない場合に、警報を行うスピーカ及びまたはこれと異なるスピーカから大音量等のリマインダートーンを出力するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記のシステムでは、音量を絞るなどの操作により機能を停止させることができる問題点がある。特に、近時において医療現場において警報システムの音量が下げられていたため、警報に気付かないなどの事案が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−510631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また上記従来システムでは、警報出力を行うべきアラーム信号の伝達経路等に障害があり、警報出力がなされないという問題には対応できない。
【0006】
更に、適切な音量を出力されていても監視者の周囲環境がうるさいため、警報を聞き取れない場合も想定される。
【0007】
本発明は上記のような生体情報監視システムの現状に鑑みてなされたもので、その目的は、アラーム出力の状態に応じてアラーム出力とは独立した警報出力を行うことのできる生体情報監視システムを提供することである。具体的には、アラーム信号が生じているにも拘わらず警報出力がなされない場合に警報出力を行い、ボリュームの絞り込みや警報出力のオフ操作があったとしても確実に警報状態であることを出力することのできる生体情報監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る生体情報監視システムは、生体情報の異常や機器又はセンサの異常や機器の操作による異常を示すアラーム信号を発生するアラーム発生手段と、このアラーム発生手段により生成されたアラーム信号に基づくアラーム出力を行う第一の出力手段と、前記第一の出力手段によるアラーム出力を検出する検出手段と、前記アラーム出力とは独立した警報出力を行うための第二の出力手段と、検出された前記アラーム出力を判断基準とし、前記第二の出力手段から警報出力を行うように制御する警報制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る生体情報監視システムでは、前記警報制御手段は、前記アラーム発生手段により生成されたアラーム信号と該アラーム信号に基づくアラーム信号有無の報知信号の少なくとも一方を判断基準とすることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る生体情報監視システムでは、前記検出手段は、さらに前記アラーム発生手段から前記第一の出力手段へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出し、前記警報制御手段は、該アラーム信号の有無をさらに判断基準とすることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第一の出力手段、検出手段は、遠隔に接続される装置に備えられ、アラーム発生手段は、前記遠隔に接続される装置、又は患者の生体情報を測定するモニタ装置のいずれかに備えられることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る生体情報監視システムでは、アラーム発生手段、第一の出力手段、検出手段、第二の出力手段及び警報制御手段は患者の生体情報を測定するモニタ装置に備えられることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る生体情報監視システムでは、表示装置部と、この表示装置部に表示情報を送る本体装置部とを具備し、第一の出力手段と検出手段とが前記表示装置部に設けられ、第二の出力手段と警報制御手段が前記本体装置部に設けられることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る生体情報監視システムでは、前記警報制御手段は独立した別個の装置として設けられることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第一の出力手段は、音と振動、光の少なくとも一方を出力することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第二の出力手段は、音、振動、画像、光の少なくとも一を出力することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る生体情報監視システムでは、前記第一の出力手段による信号と前記第二の出力手段より出力される信号の種類は異なることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第一の出力手段は音を出力し、第二の出力手段は第一の出力手段とは異なる音を出力することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、前記検出手段を第二のドライバの入力側に配置し、アラーム信号を前記第一のドライバの入力側及び出力側から得るようにしたことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る生体情報監視システムでは、第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、前記検出手段を第二のドライバの出力側に配置し、アラーム信号を前記第一のドライバの入力側及び出力側から得るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、生体情報の異常や機器又はセンサの異常や機器の操作による異常(患者自らの操作により異常)を示すアラーム信号を発生するアラーム発生手段と、このアラーム発生手段により生成されたアラーム信号に基づくアラーム出力を行う第一の出力手段と、前記第一の出力手段によるアラーム出力の状態を検出する検出手段と、前記アラーム出力とは独立した警報出力を行うための第二の出力手段と、検出された前記アラーム出力の状態を判断基準とし、前記第二の出力手段から警報出力を行うように制御する警報制御手段とを具備するので、アラーム出力の状態に応じてアラーム出力とは独立した警報出力を行うことが可能である。
【0022】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、警報制御手段がアラーム発生手段により生成されたアラーム信号を判断基準とするので、アラーム信号が生じているにも拘わらず警報出力がなされないなどの場合に、これをバックアップして警報出力を行うことができる。
【0023】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、検出手段がアラーム発生手段から第一の出力手段へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出するので、ケーブル抜けや断線などの機器の故障による場合にも確実に警報状態であることを出力することができる。さらに、アラーム信号の有無より、前記経路上のどこで故障が発生したかをも把握できる。
【0024】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、前記警報制御手段は、前記検出手段により検出されたアラーム信号と検出された前記アラーム出力とを判断基準とするので、ボリュームの絞り込みや警報出力のオフ操作といった人為的操作による場合にも確実に警報状態であることを出力することができる。
【0025】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、第一の出力信号と第二の出力信号とは異なる種類であるため、例えば騒々しい環境下で音による第一の出力信号が適切に出力されなかった場合にも、視覚的な光や表示などによる第二の出力信号により監視者に確実に警報状態であることを出力することができる。
【0026】
警報があまりに頻繁に発生することで監視者の警報への感受性が低下し、警報を見落すとも言われている。本発明に係る生体情報監視システムによれば、第二の出力信号は、通常警報として出力される第一の出力信号と異なる音であるため、監視者の注意を引き付けやすく、確実に警報状態であることを出力することができる。
【0027】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、警報制御手段と前記第二の出力手段は独立した別個の装置であり、既存の装置と外付け可能となるため、既に設置されている装置に対しても適用可能であり汎用性が高い。さらに、既存の装置であっても、最小限の費用で監視者に確実に警報状態であることを出力することができる。
【0028】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、アラーム発生手段から上記第一の出力手段へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出すると共に上記第一の出力手段によるアラーム出力の状態を検出する検出手段を第二のドライバの入力側に配置し、アラーム信号を上記第一のドライバの入力側及び出力側から得るようにしたので、アラーム信号の伝送経路における故障や異常に対応して、確実に警報状態であることを出力することができる。
【0029】
本発明に係る生体情報監視システムによれば、第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、検出手段を第二のドライバの出力側に配置し、アラーム信号を上記第一のドライバの入力側及び出力側から得るようにしたので、アラーム信号の伝送経路における故障や異常に対応して、確実に警報状態であることを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る生体情報監視システムの第1の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る生体情報監視システムの第1の実施例の要部を示す構成図である。
【図3】本発明に係る生体情報監視システムの第1の実施例の要部における表示例を示す図。
【図4】本発明に係る生体情報監視システムの第1の実施例の要部における警報状態の表示例を示す図。
【図5】本発明に係る生体情報監視システムの第2の実施例の要部を示す構成図である。
【図6】本発明に係る生体情報監視システムの第2の実施例の要部における表示例を示す図。
【図7】本発明に係る生体情報監視システムの第3の実施例の要部を示す構成図である。
【図8】本発明に係る生体情報監視システムの第4の実施例の要部を示す構成図である。
【図9】本発明に係る生体情報監視システムの第5の実施例の要部を示す構成図である。
【図10】本発明に係る生体情報監視システムの第6の実施例の要部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下添付図面を参照して、本発明に係る生体情報監視システムの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。図1は、本発明に係る生体情報監視システムの第1の実施例を示す構成図である。この生体情報監視システムは、有線や無線によるネットワーク1を介してセントラルモニタ2と複数のベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nとが接続された構成を有している。
【0032】
各ベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nには、心拍数や血圧や血中酸素飽和度など少なくとも一つ以上のパラメータの生体情報を得るためのセンサ4−1、4−2、4−3、・・・、4−nが接続され、患者5−1、5−2、5−3、・・・、5−nから生体情報を得るように装着されている。なお、図示しないが、一台のベッドサイドモニタから複数のセンサが一人の患者に接続されても良い。
【0033】
センサ4−1、4−2、4−3、・・・、4−nにより得られた生体情報は、ベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nにおいて、例えば予め設定されたそれぞれパラメータの閾値と比較され、閾値を超える(或いは閾値を下回る)とアラーム信号(バイタルアラーム)が生体情報と共にネットワーク1へ送出される。なお、アラーム信号は、電極外れ、センサの装着状態が悪い、ノイズが多い場合などに発生しても良いし(テクニカルアラーム)、患者が例えば痛み等を感じ、異常を監視者に伝えるためいわゆるナースコールなどの機器を操作することで発生しても良い。ベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nには、上記のような異常を示すアラーム信号を発生するアラーム発生手段が備えられている。
【0034】
上記アラーム発生手段は、ベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nではなく、セントラルモニタ2に備えるようにしてもよい。
【0035】
図2には、セントラルモニタ2に要部を備える第1の実施例に係る生体情報監視システムの構成が示されている。セントラルモニタ2は、本体装置部10と表示装置部20とを備えている。本体装置部10は表示装置部20へ表示情報を送るものである。本体装置部10には、生体情報処理部11と警報制御手段12とが備えられており,図示しないが第一の出力手段への出力のためのサウンドドライバが備えられてもよい。また、表示装置部20には、LCDディスプレイ21、第一の出力手段としてのスピーカ22、検出手段23、サウンドドライバ24が備えられている。本体装置部10には、サウンドドライバ25と第二の出力手段としてのビープ音発生部(スピーカ)13が内蔵或いは外付けなどにより設けられている。ビープ音発生部13は、第一の出力手段であるスピーカ22とは異なる音のビープ音による警報出力を行うことが望ましい。
【0036】
生体情報処理部11は、ネットワーク1を介して生体信号を受け取り、これを処理して表示画像情報に変えてLCDディスプレイ21へ送り各患者の生体情報を例えば図3のように表示する。また、生体情報処理部11は、アラーム発生手段8からアラーム信号を受け取り、当該セントラルモニタ2にアラーム出力を行うためのアラーム信号へ変換してサウンドドライバ(図示しない)を経由してサウンドドライバ24へ送る。サウンドドライバ24は生体情報処理部11からアラーム信号を受け取ると、スピーカ22を駆動して警報音を発生する。
【0037】
生体情報処理部11は、更にアラーム信号またはアラーム信号の有無を判別する信号を警報制御手段12へも送出し、アラームが発生したことを警報制御手段12に伝える。
【0038】
また、生体情報処理部11は、ベッドサイドモニタ3−1、3−2、3−3、・・・、3−nから送られる各患者の生体情報に対応する画像を図3に示すように、例えば8分割の小枠に分割してLCDディスプレイ21において表示しており、アラーム発生手段8からアラーム信号を受け取った場合には、該当する患者に対応の小枠の画像をブリンクさせるなどして警報表示を行う。このように、アラーム発生手段8からアラーム信号が送出された場合には、スピーカ22の警報音およびLCDディスプレイ21における警報表示がなされる。
【0039】
表示装置部20に備えられている検出手段23は、スピーカ22によるアラーム出力の状態を検出する。また、検出手段23は、アラーム発生手段8から第一の出力手段であるスピーカ22へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出してもよい。ここで、検出手段23はスピーカの音と振動と光の少なくとも一を検出するセンサを備えており、スピーカ22によってアラーム出力である音や振動が所定レベルより大きく発生しているか否か(アラーム出力が所要レベルであるか否か)を検出している。なお、光を出力するとは、例えば、第一の出力手段が装置に設けられた警告灯(アラームインジケータ)である場合、検出手段は該警告灯から発される光の色や点滅間隔などを検出できれば良い。
【0040】
検出手段23の出力は、警報制御手段12へ送られる。警報制御手段12は、生体情報処理部11からアラーム信号を受信していた際に、検出手段23から送出された信号が、スピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出されことを示す場合に、ビープ音発生部13から警報出力を行うようにサウンドドライバ25を制御する。即ち、アラーム信号の経路やスピーカ22の故障は勿論、スピーカ22が低音量に設定されている場合やミュート設定がなされている場合には、アラーム出力が所要レベルに到らず、検出手段23からアラーム出力が所要レベルにないことに対応する所定出力がなされ、これに対応して警報制御手段12がビープ音発生部13から警報出力を行うようにサウンドドライバ25の制御を行う。
【0041】
さらに、警報制御手段12は、検出手段23がアラーム発生手段8から第一の出力手段であるスピーカ22へ到る経路におけるアラーム信号を受信した(アラーム信号が有の)場合に、検出したスピーカ22によるアラーム出力の出力量が所定レベルにないときは、ビープ音発生部13から警報出力を行うようにサウンドドライバ25の制御を行ってもよい。警報制御手段12は、アラーム発生手段8により生成されたアラーム信号と該アラーム信号に基づくアラーム信号有無の報知信号の少なくとも一方を判断基準とする構成を採用する。
【0042】
また、警報制御手段12が、アラーム発生手段8により生成された所定のアラーム信号又は該アラーム信号に基づくアラーム信号有無の報知信号を受信したにも関わらず、検出手段23から警報制御手段12へ所定の信号が送信されない場合(無信号)や、警報制御手段12が、検出手段23から所定の信号を受信したにも関わらず、アラーム発生手段8により生成された所定のアラーム信号又は該アラーム信号に基づくアラーム信号有無の報知信号が警報制御手段12へ送信されない場合などが挙げられる。これにより、前者の場合、生体情報処理部11から検出手段23を介して警報制御手段12に到達するまでの経路に異常(故障)の原因が考えられ、後者の場合、生体情報処理部11と警報制御手段12との間の異常(故障)の原因が考えられ、異常(故障)の原因箇所の特定が可能となる。
【0043】
なお、受信および送信、送出には、警報制御部12が生体情報処理部11の共有メモリの参照や関数呼出しによる情報の参照などを含んでも良い。
【0044】
上記により、ビープ音発生部13から警報出力がなされ、アラーム信号が生じているにも拘らずスピーカ22から所定レベルの警報出力がなされない場合に、ビープ音発生部13警報出力を行い、ボリュームの絞り込みや警報出力のオフ操作やケーブル抜けや断線といった故障などがあったとしても確実に警報状態であることを報知することができる。また、警報制御手段12は、検出手段23によりアラーム信号有が検出されると共にスピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出された場合に送出される信号を受けて、警報画面要求を生体情報処理部11へ送出する。
【0045】
警報画面要求を受けた生体情報処理部11は、LCDディスプレイ21において現在表示されている図3の如き画面について、警報状態であることを報知する「警報発生中」などのメッセージを例えば図4に示すように画像の最上部枠Uや(図示しないが)該当する患者の小枠内に表示してもよい。その際、ブリンク表示して警報状態であることを報知してもよい。斯して、音による警報と表示による警報とを行うことにより、本来の警報出力がなされるべきスピーカ22からの警報がなくとも警報に気付かないなどの事態を防止し、安全を確保することができる。
【0046】
図5は、ベッドサイドモニタ3(3−1、3−2、3−3、・・・、3−n)に要部を備える第2の実施例に係る生体情報監視システムの構成である。この生体情報監視システムにあっては、ベッドサイドモニタ3に、生体情報処理部11A、警報制御手段12、LCDディスプレイ31、第一の出力手段としてのスピーカ22、検出手段23、サウンドドライバ24、25が備えられ、更に、第二の出力手段としてのビープ音発生部(スピーカ)13が内蔵或いは外付けなどにより設けられている。生体情報処理部11Aには、アラーム発生手段8が備えられている。センサ4(4−1、4−2、4−3、・・・、4−n)により得られた生体信号は、生体情報処理部11Aにより収集される。
【0047】
生体情報処理部11Aにより収集された生体信号は例えばディジタル化により生体情報とされて、アラーム発生手段8により、それぞれの閾値と比較され、閾値を超える(或いは閾値を下回る)とアラーム信号がサウンドドライバ24へ送られる。また、生体情報処理部11Aは、上記生体情報を処理して表示画像情報に変えてLCDディスプレイ31へ送りセンサ4が装着された患者の生体情報を例えば図6のように表示する。
【0048】
本実施例においても、検出手段23は、スピーカ22によるアラーム出力の状態を検出する。勿論アラーム発生手段8からスピーカ22へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出してもよい。そして、検出手段23の出力は、警報制御手段12へ送られる。警報制御手段12は、生体情報処理部11Aからアラーム信号を受信していた際に、検出手段23から送出された信号が、スピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出されことを示す場合に、サウンドドライバ25に対しビープ音発生部13から警報出力を行うように制御する。
【0049】
警報制御手段12は、生体情報処理部11Aからアラーム信号を受信していた際に、スピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出された場合に送られる上記信号を検出手段23から受け取った場合に、警報画面要求を生体情報処理部11Aへ送出する。警報画面要求を受けた生体情報処理部11Aは、LCDディスプレイ31において現在表示されている図6の如き画面について、警報状態であることを報知する「警報発生中」などのメッセージを画像の最上部枠UBに図4を用いて説明した場合と同様に表示すると共に、この最上部枠UBをブリンク表示して警報状態であることを報知する。斯して、音による警報状態の報知と表示による警報状態の報知とが行われるので、本来の警報出力がなされるべきスピーカ22からの警報がなされない場合にも警報に気付かないなどの事態を防止し、安全を確保することができる。
【0050】
図7は、第1の実施例に係る生体情報監視システムの構成を変更した第3の実施例に係る生体情報監視システムの構成である。この実施例では、図2に示した生体情報監視システムの構成に対して外付けのスピーカ装置40を設け、このスピーカ装置40にスピーカ22、検出手段23、サウンドドライバ24を設けたもので、これ以外の構成は第1の実施例に係る生体情報監視システムと同一である。
【0051】
上記第3の実施例に係る生体情報監視システムによっても、警報制御手段12は、生体情報処理部11からアラーム信号を受信していた際に、検出手段23から送出された信号が、スピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出されことを示す場合に、サウンドドライバ25に対しビープ音発生部13から警報出力を行うように制御する。また、警報状態であることを報知する「警報発生中」などのメッセージが図4に示すように画像の最上部枠Uや(図示しないが)該当する患者の小枠内に表示してもよい。その際、ブリンク表示して警報状態であることの報知がなされる。なお第3の実施例の係る構成は、セントラルモニタに限定されることなく、ベッドサイドモニタ等に適用されても良い。
【0052】
図8は、第1乃至3の実施例に係る生体情報監視システムの構成を変更した第4の実施例に係る生体情報監視システムの構成である。この実施例では、振動及び音を検出するセンサ28を設けて検出を行い、センサ28の出力信号を検出手段23Aに送出する構成を採用する。検出手段23Aがサウンドドライバ24の入力側及び出力側からアラーム信号を得るように構成したものである。この構成によっても第1乃至3の実施例に係る生体情報監視システムと同様に、音による警報と表示による警報とが行われ、本来の警報出力がなされるべきスピーカ22からの警報がなされない場合にも警報に気付かないなどの事態を防止し、安全を確保することができる。特に、サウンドドライバ24以降において故障が生じた場合にも警報がなされ、確実に警報状態であることを出力することができる利点がある。
【0053】
図9は、第4の実施例に係る生体情報監視システムの構成を変更した第5の実施例に係る生体情報監視システムの構成である。第4の実施例に係る生体情報監視システムにおいては、検出手段23Aがサウンドドライバ25の入力側に設けられているが、本実施例においては、検出手段23Aをサウンドドライバ25の出力側に設けている。その他の構成は第4の実施例に係る生体情報監視システムの構成と変わらない。この構成によっても第4の実施例に係る生体情報監視システムと同様の作用と効果を得ることができる。なお第4の実施例の係る構成も、セントラルモニタに限定されることなく、ベッドサイドモニタ等に適用されても良い。
【0054】
なお、上記各実施例において、第一の出力手段としてスピーカ22を用い、第二の出力手段としてビープ音発生部13及びLCDディスプレイ21を用いたが、第一の出力手段は、音と振動と光の少なくとも一を出力するものであればよく、また、第二の出力手段は、音、振動、画像、光の少なくとも一を出力するものであればよい。
【0055】
図10は、第6の実施例に係る生体情報監視システムの構成である。第6の実施例に係る生体情報監視システムは、セントラルモニタ2、スピーカ装置40及び警報装置50を備える。セントラルモニタ2には、本体装置部10とモニタ装置部20とが含まれており、また、生体情報処理部11及びLCDディスプレイ21が備えられている。
【0056】
スピーカ装置40には、サウンドドライバ24、スピーカ22及び検出手段23が備えられている。警報装置50には、警報制御手段12、サウンドドライバ25、ビープ音発生部13及びLCDなどの表示画面部及び表示制御部を備える表示器51が具備されている。セントラルモニタ2と警報装置50との間は有線や無線のネットワークにより接続され、また、スピーカ装置40と警報装置50との間も有線や無線のネットワークにより接続されているので、警報装置50を遠隔地に配置することが可能である。
【0057】
生体情報処理部11は、ネットワーク1を介して生体信号を受け取り、これを処理して表示画像情報に変えてLCDディスプレイ21へ送り各患者の生体情報を例えば図3のように表示する。また、生体情報処理部11は、アラーム発生手段8からアラーム信号を受け取り、スピーカ装置40にアラーム出力を行うためのアラーム信号へ変換してサウンドドライバ24へ送る。更に、生体情報処理部11はアラーム信号を警報制御手段12へも送出している。
【0058】
検出手段23は、スピーカ22によるアラーム出力の状態を検出する。また、アラーム発生手段8から第一の出力手段であるスピーカ22へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出してもよい。検出手段23の出力は、警報制御手段12へ送られる。
【0059】
警報制御手段12は、生体情報処理部11からアラーム信号を受信していた際に、検出手段23から送出された信号が、スピーカ22によるアラーム出力が所要レベルにないと検出されことを示す場合に、サウンドドライバ25に対しビープ音発生部13から警報出力を行うように制御する。
【0060】
上記により、ビープ音発生部13から警報出力がなされ、アラーム信号が生じているにも拘らずスピーカ22から警報出力がなされない場合に、ビープ音発生部13から警報出力を行い、ボリュームの絞り込みや警報出力のオフ操作やケーブル抜けや断線といった故障などがあったとしても確実に警報状態であることを報知することができる。また、表示器51には、実際にはアラーム出力がなされていることを文字や光点滅などにより知らせる表示がなされ、警報状態であることの報知を目から実行することができる。
【0061】
なお、いずれの実施例でも生体情報処理部11はアラーム信号を警報制御手段12へ送出しているが、生体情報処理部11はアラーム信号を警報制御手段12へ送出しない構成を採用してもよい。これによっても、検出手段23により検出された前記アラーム出力の状態を判断基準とし、第二の出力手段であるビープ音発生部13から警報出力を行うように制御することができる。これによっても、アラーム信号が生じているにも拘らずスピーカ22から警報出力がなされない場合に、ビープ音発生部13から警報出力を行い、ボリュームの絞り込みや警報出力のオフ操作やケーブル抜けや断線といった故障などがあったとしても確実に警報状態であることを報知することができる。また、表示器51には、実際にはアラーム出力がなされていることを文字や光点滅などにより知らせる表示がなされ、警報状態であることの報知を目から実行することができる。また、生体情報の異常(バイタルアラーム)を示すアラーム信号、機器又はセンサの異常(テクニカルアラーム)を示すアラーム信号、患者自らが異常に気付きナースコールなどの機器の操作により異常を示すアラーム信号の内、少なくとも一種類のアラーム信号に基づく警報出力を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 ネットワーク 2 セントラルモニタ
3−1〜3−n ベッドサイドモニタ 4−1〜4−n センサ
5−1〜5−n 患者 8 アラーム発生手段
10 本体装置部 11、11A 生体情報処理部
12 警報制御手段 13 ビープ音発生部
20 表示装置部 21、31 LCDディスプレイ
22 スピーカ 23、23A 検出手段
40 スピーカ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報の異常や機器又はセンサの異常や機器の操作による異常を示すアラーム信号を発生するアラーム発生手段と、
このアラーム発生手段により生成されたアラーム信号に基づくアラーム出力を行う第一の出力手段と、
前記第一の出力手段によるアラーム出力を検出する検出手段と、
前記アラーム出力とは独立した警報出力を行うための第二の出力手段と、
検出された前記アラーム出力を判断基準とし、前記第二の出力手段から警報出力を行うように制御する警報制御手段と
を具備することを特徴とする生体情報監視システム。
【請求項2】
前記警報制御手段は、前記アラーム発生手段により生成されたアラーム信号と該アラーム信号に基づくアラーム信号有無の報知信号の少なくとも一方を判断基準とする
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報監視システム。
【請求項3】
前記検出手段は、さらに前記アラーム発生手段から前記第一の出力手段へ到る経路におけるアラーム信号の有無を検出し、
前記警報制御手段は、該アラーム信号の有無をさらに判断基準とする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報監視システム。
【請求項4】
第一の出力手段、検出手段は、遠隔に接続される装置に備えられ、
アラーム発生手段は、前記遠隔に接続される装置、又は患者の生体情報を測定するモニタ装置のいずれかに備えられる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項5】
アラーム発生手段、第一の出力手段、検出手段、第二の出力手段及び警報制御手段は患者の生体情報を測定するモニタ装置に備えられる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項6】
表示装置部と、この表示装置部に表示情報を送る本体装置部とを具備し、
第一の出力手段と検出手段とが前記表示装置部に設けられ、
第二の出力手段と警報制御手段が前記本体装置部に設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項7】
前記警報制御手段は独立した別個の装置として設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項8】
第一の出力手段は、音と振動と光の少なくとも一を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項9】
第二の出力手段は、音、振動、画像、光の少なくとも一を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項10】
前記第一の出力手段による信号と前記第二の出力手段より出力される信号の種類は異なる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項11】
第一の出力手段は音を出力し、第二の出力手段は第一の出力手段とは異なる音を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項12】
第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、
前記検出手段を第二のドライバの入力側に配置し、アラーム信号を前記第一のドライバの入力側と出力側の少なくともいずれかから得るようにした
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。
【請求項13】
第一の出力手段を駆動する第一のドライバと、第二の出力手段を駆動する第二のドライバとを具備し、
前記検出手段を第二のドライバの出力側に配置し、アラーム信号を前記第一のドライバの入力側と出力側の少なくともいずれかから得るようにした
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体情報監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−41769(P2011−41769A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193696(P2009−193696)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】