説明

生体液の分析を行うための装置及び関連する方法

【課題】
【解決手段】生体液内の沈降速度、特に血液サンプルの赤血球沈降速度を測定するための器具又は装置を記載する。装置は、生体液サンプルの入った試験管(P)用ホルダ(3)、試験管を攪拌するための攪拌装置(25)、試験管内側のレベルを読取るための、少なくとも1台の検出器(17、19)を具備する。ホルダはまとまって、それに沿って攪拌装置及び検出器が配置されている閉鎖経路を画定する連続可撓部材(1)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体液を測定するための、特に生体液内の粒子の沈降を測定するための、特には赤血球沈降速度を測定するための装置又は器具に関する。本発明はまた、前述の測定を行うための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
赤血球沈降速度は、血液サンプルに対して行われる通常分析の一部として測定されている。この分析は通常、試験管に沿って軸方向に摺動する送受信手段による光学的読取りに好適な、特別な形状の試験管又はキュベットを用いて行われる。この応用に好適な試験管の例は、EP−B−898700に記載されている。専用の試験管を用いて赤血球沈降速度を測定する器具は、WO−A−9743621及びUS−A−5133208に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
赤血球沈降速度を特殊な試験管ではなく、全血算(CBC)もしくは血液サンプルに対する同様の分析に用いられる標準的な試験管又はキュベットを用いて測定する器具も開発されている。このような器具は、CBC用のキュベット又は試験管内の血液サンプルの一部をキャピラリチューブに吸引することを含む。そして赤血球沈降速度は、そのキャピラリチューブ内で測定される。これらの器具には、赤血球沈降速度(ESR)を含む様々な通常分析に、単一タイプの試験管を用いることができるという利点がある。しかしながらそのような器具には、血液サンプルを試験管からピペット又はキャピラリチューブを用いて採取しなければならず、その後、ある試験管から次の試験管へと洗浄又は交換しなければならないという事実から生じる重大な欠点がある。これは、処理が必要な液体又は固体の廃棄物が生ずること、その結果器具がより複雑化し、それに付随する管理コストが生産コストと同様に上昇することを含む。さらには、連続的に分析されるサンプル間の汚染というリスクも内在する。
【0004】
本発明の目的は、公知の方法の1つ又は複数の欠点を解決又は軽減する、赤血球沈降速度(ESR)を測定するための方法を実現することである。
【0005】
本発明の別の目的は、ESRを測定するための新規な装置を実現することである。
【0006】
具体的には、本発明の目的は、ESR専用試験管又はCBCに一般的に用いられているタイプの標準的な試験管を用いて分析を行える機械又は装置を実現することである。
【0007】
さらには、その実施態様の1つによると、本発明の目的は、血算を行う間に、標準的な試験管を入れるいずれかのタイプのラックを用いて、標準的な試験管の中でESRを測定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実質的には、第1の局面によれば、本発明は、血液サンプルをCBC用試験管に入れ、混合した後、前述のサンプルをあらかじめ決められた沈降時間の間試験管内で保存し(後者は専用ラック内に保存することが望ましい)、その後、前述の試験管及びラック内に保存されたサンプルを、例えばビデオカメラ、又は容量センサ等を用いて自動測定することを特徴とする、赤血球沈降速度分析を行うための方法に関する。本質的には、本発明は、CBC用試験管内において、サンプルを抜取ることなくESRを測定することを含む。試験管をラックに入れると、それらは、ラックから取出さずに器具内部で取り扱うことができる。それゆえに、多様な試験及び分析を行うことができる試験管を、ラックから各試験管を抜取ったり、サンプルの一部を移したりしなくても、ある器具から別の器具(ESR測定機器を含む)へと完全自動で移すことができる。
【0009】
本発明の特に有利な態様によると、赤血球沈降速度を算出する前に、検出システムによって自動的にチェックが行われ、試験を行うべき試験管が専用試験管であるか、又は標準的なCBC用試験管であるかを確定する。これにより、測定結果を自動的に補正又は相関させることができる。
【0010】
実際、当業者には公知であるように、ESR分析の専用試験管には特別な抗凝血剤(クエン酸ナトリウム)が入っており、CBC用試験管に用いられている抗凝血剤(いわゆるK3EDTA)とは異なる。この2つの抗凝血剤は、沈降中の血液サンプルの挙動に対して異なった影響を及ぼす。ESR分析の実施に関するプロトコルは、血液サンプル中の抗凝血剤としてクエン酸ナトリウムを用いて行うものとして微調整されている。サンプルがクエン酸ナトリウムではなくK3EDTAを含む場合には、その挙動が変わるため、ESR測定も影響を受ける。従って、赤血球沈降速度を、抗凝血剤としてK3EDTAを含む試験管から抜取ったサンプルについて測定した場合、測定値を調整する特定のアルゴリズムを採用しなければならなくなる。
【0011】
本発明による方法は、ESR専用試験管及びCBC専用試験管の両方で、試験管からサンプルを抜取ることなく赤血球沈降速度を測定することを含むため、この方法は両タイプの試験管を処理し、両タイプの結果を出す機械で行うことができる。2つの試験管に含まれる抗凝血剤が異なることから、サンプル中に含まれる抗凝血剤の種類を考慮に入れるため、試験管の読取りから得られたデータを処理する手順を自動的に又は手動で設定できなければならない。本発明による方法の好ましい実施態様では、試験管のタイプは自動的に検出されるため、得られたデータについて行う算出のタイプを、使用する試験管のタイプに合わせてオペレータが指定する作業を必要とせずに、測定の全手順を自動化することができる。
【0012】
別の局面によると、本発明は試験管内の血液サンプルについて赤血球沈降速度を測定するための方法を包み、この方法では、サンプルを十分に混合した後、あらかじめ決められた時間試験管内に置いておき、自動検出システムがサンプルの入った試験管のタイプを確認し、続いて赤血球沈降速度を自動読取りシステムが測定し、記録された値をサンプルの入った試験管のタイプに合わせて処理する。
【0013】
本発明による方法のさらなる有利な特徴及び実施態様は、添付の従属請求項に概要が示されている。
【0014】
さらに別の局面によると、本発明は、試験管に入っている血液サンプルを用いて赤血球沈降速度の分析を行うための装置に関し、この装置は、分析対象サンプルの入った試験管を読取るための制御ユニット及びシステムを含む。特徴的には、この読取りシステムは、サンプルの入っている試験管のタイプにかかわらず、試験管からサンプルを抜取ることも、また入れられている特定のラックから前述の試験管を取外すこともなく、各試験管内のサンプルを測定する。
【0015】
本発明の有利な実施態様によると、装置は分析対象サンプルが入っている試験管のタイプを自動的に認識するための検出手段を有する制御ユニットを具備している。例えば、検出手段は、サンプル読取りシステムも構成しているビデオカメラを具備してもよい。好適な画像処理ソフトウェアを用いることにより、一方では、試験管の中身を見て解釈してサンプルの赤血球沈降速度を決定し、また他方では、あるタイプの試験管を他のものと区別するためにビデオカメラを用いることができる。実際、ESR専用試験管は、CBC用試験管とは異なる形状を有することが公知である。ビデオカメラでキャプチャした様々な画像を画像処理によって処理し、あるタイプの試験管を他のものと区別することができる。
【0016】
あるいは、試験管にトランスポンダを取付け、トランスポンダに応答指令を送る分析器の制御ユニットに接続している検出手段を提供する配置を取ることもできる。トランスポンダに入っているデータによって、システムはそれぞれの時間に分析器にロードされた試験管のタイプを認識することができる。
【0017】
本発明の有利な態様では、装置はまた、試験管に貼られたバーコード又はその他の機械読取り可能コード(例えば、OCR文字による表現)を読取るための手段も具備する。バーコード又はその他の機械読取り可能コードは、分析を行うのに有用なデータに加え、試験管内のサンプルが誰のものであるかを識別するためのデータを含む。具体的には、本発明による装置及び方法は、CBC用の試験管を用いてESRを測定できるようにすることから、バーコード(又は同様のコード)に含まれる情報に、その試験管がESR分析にかけられるものであるか否かを装置に知らせる情報が含まれることは有利である。実際、CBC用の試験管には、CBCだけを試験することを求めESRは必要としないサンプルが入っていることもあり、この場合、装置はESR測定を必要としない試験管を飛ばし、次の試験管の分析に進むことができる。
【0018】
サンプル読取りシステムがビデオカメラを使用する場合は、試験管に貼られたバーコード(又は同様のコード)は、前述の器具によって読取ることができる。逆に、別の種類のセンサ、例えば容量センサ、比濁光学、赤外線光学、又は非光学的超音波を用いて、赤血球沈降速度を読取るように配置することもできる。この場合、ESR読取り用センサには、通常のレーザスキャナ又はバーコード読取り用CCDのようなバーコードリーダに関連付けられるだろう。別の種類の機械読取り可能コードには、別の種類の読取り装置、例えば光学読取り装置の代わりに磁気読取り装置さえ用いることができる。
【0019】
CBC試験管を読取れるようにするために、それにラベルを貼り付けて試験管の中身に関する様々な詳細情報を提供できるようにするためには(特に読取りシステムがビデオカメラを具備する場合)、試験管を読取りシステムに対して(それ自体の軸の周りを回転させることによって)正しい方向に向けるために、分析対象サンプルの入った試験管を回転させる機構を器具に備えることが望ましい。前述の方向付けは、サンプル読取り装置に対し試験管のフリーエリアを示すこと、及び/又は、分析を正しく行い、問題の試験管に入っているサンプルの分析結果と患者とを関連付けるために、システムが読取らなければならない情報が含まれるラベルをバーコード読取り用システムに対し示すという通常の目的に役立つ。
【0020】
サンプルを容量センサ、超音波又は赤外線装置によって読取る場合には、試験管の角度方向の調整は、単に読取り装置正面にラベルを示してラベルを読取れるようにすることに役立つが、容量センサはラベルの存在に影響を受けないため、ラベルを通り越して赤血球沈降速度を読取ることもできる。
【0021】
有利な実施態様では、本発明による装置は、複数の試験管を保持して攪拌するためのマガジン、その中で試験管を垂直又は傾斜状態で放置してサンプルの沈降を可能にする沈降ゾーン、及びその中に読取りシステムが設置されている試験管読取りエリアを具備する。読取りエリアでは、あらかじめ決められた沈降時間後に血液細胞と血漿を分離しているラインの高さが測定され、サンプル全体の高さと比較される。赤血球沈降速度は、ビデオカメラ光学システムによって、又は前述の容量タイプのような他の読取りシステムによって記録することができるこのような情報から、既知の方法で算出される。
【0022】
本発明の実施態様によれば、マガジンは、CBC装置用又はその他装置用の、全ての入手可能な種類のラックに適合している試験管の入ったラックを、係合及び保持するための関連するシートを備えた第1の可撓コンベアを含み有利である。この可撓コンベアは、試験管の入ったラックを保持するためのシートが次の位置、すなわちラック装填位置、ラックを沈降エリアに移動させるための位置、サンプル読取り後に読取りエリアからラックを受取るための位置、及び処理済みラックを押し出すための位置へと連続的に移動するように作られ、また配置されている。
【0023】
有利なことに、マガジンを形成するコンベアは、実質的に垂直面上に置かれた閉鎖経路に沿って移動する。このように構成されたマガジンに保持されている試験管の運動は、サンプルを攪拌し、従って分析装置の中で攪拌が行われることになる。
【0024】
可能な実施態様では、装置は処理対象となる試験管のラックを支持するトレーを備え、後者は、例えば水平の状態にある。プランジャは、マガジン内の単一の試験管ラックを個別に受取るために備えられている。
【0025】
本発明による装置の別の可能な実施態様では、沈降エリア内には、処理する試験管が入ったラックのための複数のシートを備えた第2の可撓コンベアがある。この第2の可撓コンベアは段階的に進み、単一のラックを、マガジンから持ち上げた場所から読取りエリアに運ぶ。この移動にかかる時間は、沈降時間と同一であると有利であり、そうすることでラックが読取りエリアに達すると、試験管を赤血球沈降速度の測定にかけることができる。実行可能であれば、試験管がマガジン内にある場合は、試験管内で沈降時間の一部が経過するようにしてもよい。
【0026】
有利な実施態様によれば、沈降エリア内に備えられた第2のコンベアは、マガジンからラックを受取る位置から読取り位置に至る、実質的に水平な伸長部を有している。この伸長部は、マガジンを形成しているコンベアの、対応する水平部分と実質的に同じ高さに位置している。これにより、試験管の入ったラックを簡単なプランジャによって、あるコンベアから別のコンベアに移すことができる。
【0027】
本発明による装置のさらに有利な特徴及び実施態様は、添付の特許請求の範囲に説明されている。
【0028】
本明細書に記載及び説明されている本発明による装置の構造及び機能上の特徴は、専用試験管でのみESR測定を行う装置で有利に達成できることもある。しかしながら、この場合、読取りのために提示される試験管のタイプを認識できるようにすること、及び/又は試験管のタイプ、及びその中に入っている抗凝血剤の種類に関係するものとして記録されたデータの処理パラメータを特定できるようにすることは必要ない。
【0029】
本発明の別の局面によると、装置は生体液内の沈降速度、特に血液サンプルの赤血球沈降速度を測定するために提供され、これは、生体液のサンプルの入った試験管のためのホルダ、前述の試験管を攪拌するための攪拌装置、前述の試験管内のサンプル及び/又は沈降のレベルを読取るための少なくとも1台の検出器を具備し、ホルダは、閉鎖経路を画定している連続可撓部材内に提供され、それに沿って攪拌装置及び前述の少なくとも1台の検出器が配置されることを特徴とする。
【0030】
以下の記載から明らかになるように、このタイプの器具を用いると、単一の試験管(全血算に用いる一般的な試験管でもよい)を可撓部材の各ホルダに挿入して、試験管をその上で攪拌しながら経路に沿って移動させ、所定位置で停止して沈降させ、1回又は複数回の読取りができる。
【0031】
有利な実施態様では、可撓部材が画定する閉鎖経路に沿って、前述の攪拌装置が装備されている少なくとも1カ所の攪拌エリアと、少なくとも1カ所の沈降エリアと、検出器が装備されている少なくとも1カ所の読取りエリアとがある。実際の問題として、攪拌後にサンプルのレベルを決定するための第1の読取りと、沈降後にサンプルの沈降のレベルを決定するための第2の読取りを行うために、少なくとも2台の検出器が備えられるであろう。可撓部材の前進速度がわかることから、その後数回の読取りがあらかじめ決められた空間距離、従って決定した時間間隔で行われてもよい。試験管のサンプルのレベルは器具の外側で決定してもよく、又は同一の検出器が2つの読取りを行ってもよいが、この場合には測定を行う検出器を1台有するだけでよい。しかしながら、分析工程を自動化するためにも、攪拌エリアの下流に少なくとも1台の検出器を、そして沈降エリアの下流に少なくとも1台の第2の検出器を備えることが有利であり、また好ましい。
【0032】
可撓部材は、実質的な水平面に置かれている経路を画定し、試験管又はキュベットを沈降及び読取り段階の間、実質的な垂直状態にすることが好ましい。しかし、それらは垂直に対し若干傾いていてもよい。
【0033】
実際的及び有利な実施態様では、連続可撓部材により形成されたホルダは、例えば、ある要素が他の要素に対して十分に動くことができ、連続可撓部材が置かれている平面から単一の試験管を取外してサンプルを効果的に攪拌することができるようにする球面関節ジョイントを用いて、可撓鎖部材を形成する連動要素から成る。
【0034】
可撓部材を形成する各種要素はそれぞれ、1つ又は複数の試験管のための1つ又は複数のシートを含む。好ましくは、器具の組立て、及び自動化を容易にするために、各要素は単一試験管用の単一シートを備えるものとする。
【0035】
本発明の有利な実施態様では、攪拌装置は、可撓部材を形成しているホルダを振動させるように設計及び組立てられており、また単一試験管を保持するように設計されている。
【0036】
有利なことに、攪拌装置は、(連続可撓鎖部材を形成している)前述のホルダの振動が可撓部材の置かれている平面の外側で行われるように設計及び配置され、単一試験管の軸が前述の平面に対して直交方向に振動する。
【0037】
本発明の特に有利な実施態様では、攪拌装置は、連続可撓部材を形成しているホルダを係合するガイドを含み、前述のガイドが前述のホルダを振動させる。連続可撓部材を形成するホルダは、前述のガイドにそれを係合するための要素、例えば摺動シューの形をした要素を備える。
【0038】
可能な実施態様では、攪拌装置は、可撓部材によって画定される経路の少なくとも一部に沿って伸びる固定ガイドを具備し、ガイドは、前述のガイドに沿って移動するホルダが、前進時に前述の連続可撓部材が置かれた平面の外側で振動させられるように作られ、配置されている。実際の問題として、これらのガイドは螺旋状であってもよく、可撓部材が前進すると、可撓部材内の各ホルダを、可撓部材が攪拌エリア内に前進する方向と平行な軸、すなわちガイドにより形成された螺旋の軸と平行な軸の周りを360°回転させる。
【0039】
しかしながら、より効果的な攪拌を得るためには、ガイドが、可撓部材を形成しているホルダと、攪拌装置の一部を形成しているホルダとが係合し、可撓部材によって画定された経路の一部に沿って伸びる可動ガイドの形をとることが好ましい。この場合ガイドは、その運動によって、それに接合されたホルダを、連続可撓部材が置かれている平面の外側で振動させるように作られ、配置されることが好ましい。それゆえに、ガイドによって加えられた振動運動(例えば、それ自身のアクチュエータを用いて加えられる)は、試験管を運搬する可撓部材の前送りによる制限を受けず、無関係である。
【0040】
例えば、攪拌装置は、可撓部材がカバーする経路部分と同軸のロータ、及び可撓部材の経路に沿った前述の部分と一直線になるホルダを係合するガイド等の形をした提示要素を具備できる。 ロータは、自軸の周りを回転及び/又は振動運動しており、それによって全要素を振動させ、その結果前述のロータに係合する各シート又はホルダ及び試験管を、それに係合していない可撓部材の残りの部分に対して振動させる。このようにして各試験管をそのホルダに入れたままの状態で、また連続可撓部材によって画定される閉鎖経路全体を満たした状態で振動させ、次に垂直状態で静止して(又は垂直に対し傾斜させることも、固定角度ではあるが可能である)沈降段階を完了させ、前述の試験管内のレベルを読取ることができる。
【0041】
攪拌エリアの外側には、試験管の震動又は偶発的な振動を防止するための固定ガイドを取付けてもよい。
【0042】
装置を確実に制御するために、本発明の改良された実施態様によると、連続可撓部材は、各試験管ホルダに関連付けられたトランスポンダを含む。トランスポンダは任意の試験管に関連する各ホルダを認識可能にするデータを含んでおり、言い換えれば、バーコードの付いたラベル、又は好ましくはその他機械で読取り可能な、例えばOCR読取りシステムを用いて読取ることができるコードを用いて貼られた情報を含んでいる。制御ユニットは、各トランスポンダ内のデータを、各ホルダに挿入された試験管に関連づける。可撓部材の経路に沿った1つ又は複数の好適な場所にトランスポンダをスキャンするシステムを備えれば、各試験管の位置を識別することができる。こうすることで装置は、一時的に停電が起こって、段階式制御システムが可撓部材によりカバーされた経路に沿った様々な試験管の位置を追跡できなくなった場合でも、高い信頼性を獲得し、また誤りをおかさないようになる。
【0043】
試験管は、可撓部材が形成するホルダの中に手動で挿入することも、またそこから引抜くこともできる。しかしながら、可撓部材が画定する閉鎖経路に沿って、ホルダから試験管を取外すための抜取り装置が少なくとも1つはあることが好ましい。本発明の好ましい実施態様では、以下に詳しく説明する目的で、2つの抜取り装置がある。
【0044】
簡単な、完全には自動化されていない装置では、オペレータは、制御ユニットに各試験管に付けられた情報を得させた後で、個々の試験管をホルダ内の様々なシートに入れることができる。
【0045】
しかしながら、試験管に貼られた情報を自動的に読取った後に、ホルダの中に試験管を自動的に挿入するための自動マニピュレータを備えることによって、器具をさらに発展させ、改良することができる。これらのマニピュレータは、例えば、試験管のラックから単一の試験管を受取り、それらを各ホルダに入れるように配置及び設計してもよい。これらマニピュレータは、試験管を準備するためのセットアップユニットの中に配置してもよく、このユニットは連続可撓部材ならびに攪拌及び沈降速度読取りのための手段の上に置くのが有利であり、また好ましい。
【0046】
本発明の可能な実施態様では、セットアップユニットは試験管に貼られたラベルを自動的に読取り、各試験管に対してその中に入っているサンプルについて沈降速度を測定しなければならないか否かを確認するスキャナステーションを含む。さらには、各ラックから単一の試験管を抜取り、それらをその下にある連続可撓部材のホルダに移して挿入するための機構を備えることができる。
【0047】
さらに別の局面によれば、本発明は、前述の生体液のサンプルが入った試験管の攪拌段階と、前述のサンプルの沈降段階と、前述の試験管内の沈降レベルの読取り段階とを含む、生体液内の沈降速度、特に血液サンプル中の赤血球沈降速度を測定する方法であって、連続可撓部材を形成する各ホルダの中に前述の試験管を入れること、前述の連続可撓部材を閉鎖経路に沿って前進させること、及び単一の試験管を、それらが前述の閉鎖経路に沿って動きながら、前述の閉鎖経路に横付けで順番に配置されているエリアにおいて、前述の攪拌、沈降及び読取り段階にかけられることを特徴とする方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明のさらなる特徴及び態様は、以下の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0049】
本発明は、以下の説明及び添付の図面によってより明瞭となるが、図面は本発明の非制限的で実用的な実施態様を示している。
【0050】
次に第1の実施態様を、図1〜18を参照しながら記載する。
【0051】
この第1の態様によれば、装置は2つの区画又はユニット、すなわち、試験官用ホルダを備える可撓部材を具備する、攪拌、沈降及び読取り区画又はユニットと、ならびに以下の本明細書中でセットアップユニットと呼ぶ、その上に装備された区画又はユニットとを具備する。後者は、より経済的であまり自動化されていない装置の場合には、省くことができる。以下のパラグラフでは、攪拌、沈降及び読取り要素を備える下部ユニットについてまず説明し、続いて試験管を移動するための、各手段を備える任意のセットアップユニットについて説明する。
【0052】
まず図1〜11を参照すると、全体を数字2で示した装置内の下部ユニットは、図2〜7を参照しながら詳しく説明する、一続きの単一要素3から形成される鎖から成る可撓部材1を具備する。各要素3は、各試験管Pのためのシート又はホルダを有しており、複数の試験管を可撓性部材1によりカバーされる閉鎖経路に沿って前進させることができる。
【0053】
前述の経路は、7個の駆動ホイール5、6、7、8、9、10及び11により画定されており、そのうちホイール5〜9は空回りし、ホイール10及び11は、中央ユニットにより電気的に制御されている歯車付きモータ13によって電動化されており、そして可撓部材1が置かれている平面の下方には歯付きベルトが置かれている。歯車付きモータ13は可撓部材1を段階的に前送りするが、各ステップは1つの要素3に対応している。以下でさらに説明する目的のために、調節可能な時間間隔で次の段階に進む。
【0054】
可撓部材1の経路沿いの6カ所の位置は、図1では文字A、B、C、D、E、Fにより識別され、以下に説明する機能及び目的を有する。
【0055】
位置Aは、後者が前述の位置を通過する際に、要素3内のホルダの中に単一試験管Pを挿入する位置である。
【0056】
位置Bには、一般的に数字17で示される、容量センサ、ビデオカメラ、発信器及び受信機を備える光学システム、又は位置B内を移動する各試験管Pに入れられたサンプルレベルを決定するのに好適なその他検出器である、第1の検出器がある。
【0057】
位置C及びDには、数字19及び21で示される、検出器17と同種のものか、又は別の種類であってもよい第2及び第3の検出器がそれぞれある。これらは、試験管をあらかじめ決められた時間、沈降に好適な状態に保った後、サンプル内の沈降のレベルを決定する役割を果たす。2つの検出器19及び21は、可撓部材1の経路において異なる位置を占めているため、それらは2種類の時間間隔で同様の読取りを行うことになる。検出器21は省くこともできる。
【0058】
位置E及びFには、2つの抜取り装置(表示せず)があり、それらは試験管をホルダ3の外に取出し、2つの異なる容器の中に入れる。電子制御によって、装置は、検出器17及び19もしくは任意の検出器21が正確に測定した全ての試験管を、2つの抜取り装置のうちの1つによって第1の容器に入れるようにプログラムされている。これとは逆に、エラーを起こしやすい試験管(例えば、中身が入っていない、読取り難い、又は何らかの理由で分析の完了が妨げられているために)は、もう一方の抜取り装置によって第2の容器に入れられる。これにより、オペレータはサンプルを容易に識別でき、従って、再度分析を行わなければならない患者も識別できる。
【0059】
可撓部材1を形成している要素3の形状は、図2〜7に詳しく示している。実際の問題として、各要素3は鎖状につながっており、また前後の要素を結合するために、オス−メスの球状ジョイントを用いて完成されている。ジョイントのオスの球状要素は数字3Aにより示され、メスの球状要素は数字3Bで示されている。
【0060】
要素3の本体は、底部が開放されたシート3C(図5、6)を有し、その中に試験管Pが挿入される。底部が開放されたシート3Cには、二つの可撓保持器があり、数字3Dで示されている。その中にトランスポンダが挿入されているシート3Eは球状ジョイントのメス部分3Bに固着されており、各試験管は以下に説明する目的のために、トランスポンダに関連付けられている。さらに、各要素3の本体は、可撓部材の経路に沿って配置されたガイドに係合して摺動させるための、2つの摺動シュー3Fを含む。前述のガイドは、特にサンプルの沈降のためのエリアで、単一ホルダ3が不要な振動を起こさないようにするために、経路全体に伸びてもよい。これに対し、ガイドの一部を移動可能にしてホルダに振動を与え、その結果、試験管に入っている血液又はその他の生体液サンプルを攪拌することもできる。各ホルダ3は、簡単な合成樹脂成形で作ることができる。
【0061】
図4もまた、数字17で示す容量タイプの検出器を模式的に描いており、これは可撓部材の経路に沿った様々な場所に用いることができる。前述の検出器は、サンプル及び/又は沈降のレベルを読取るために、底からホルダ3の下部エリアまで、試験管の全長にわたって移動するように作られている。読取りが完了すると検出器は、可撓部材1によって前方に運ぶことができるように、再度試験管経路の外側まで下がる。前述したように、これはこのタイプの装置で使用可能な検出器の1つのタイプに過ぎず、唯一のものというわけではない。一般的には、装置には1つ又は複数の、そして装置が目的とする読取りのための情報を提供するのに好適である限りは、異なるタイプであってもよい検出器を備えることができる。
【0062】
アイドルホイール8と電動ホイール10との間の可撓部材1の伸長部には、一般的には数字25で示され、図8〜11により詳しく描かれている攪拌装置が存在する。
【0063】
攪拌装置は、連結バー29(図10では、分かりやすくするために省略されている)によって共につながれている1組のディスク27A、27Bからなるロータを具備する。ディスク27A及び27Bは、前述のディスク27A、27Bを通過し移動する可撓部材1部分にある要素3を連結している球状ジョイントの軸X−Xと一致する軸の周りを回転するように支持されている。
【0064】
各ディスクホルダは、装置の基部34に取付けられ、可撓部材1が置かれている平面と直交方向に伸びる各ベアリングプレート33A、33B上に、空転するように支持されている3個の溝付きホイール31A、31Bのセットから成る。各プレート33A、33Bは、試験管を通すためのスロット35A、35B及び可撓部材1を有し、2枚のディスク27A、27Bには同様の通路37A、37Bが備えられている。2枚のディスク27A、27Bに固着され、前述のディスクが形成するロータの振動軸X−Xと平行に伸びるガイド39は、前述の軸のいずれかの側部に存在する。各ガイドは、2枚のディスク27A、27Bにしっかり取付けられた、1組の平行に分離しているブレードから成る。可撓部材1を形成している単一ホルダ3の摺動シュー3Fは、2組のブレードの間に挿入され、摺動する(図7)。電気モータ45で駆動するピニオン43と係合している歯付きクラウンセクタ41は、ディスク27Aに固着されている。
【0065】
前述の攪拌装置25は、次のように操作する。連続可撓部材1をその経路に沿って、段階的に前進させる。各瞬間、いくつかのホルダ3(図9及び10に描かれた例では6個)が、ディスク27A、27Bが形成するロータのガイド39に係合する。モータから、歯付きクラウンのピニオン43及びセクタ41により、ロータ上のモータ45が加える振動運動には、ガイド39に係合したホルダ3の振動、及びその結果としての前述のホルダ内に挿入された試験管Pの振動も含まれる。図8及び11は、前述の振動中の試験管Pが占める2カ所の端部を示している。要素3の間の球形ジョイントにより、各ホルダは前後のホルダに対し回転でき、可撓部材1が置かれた平面の外側に出ることができる。そうして、可撓部材1を前送りする1つの段階と次の段階の間に、ガイド39によってロータと係合した6つのホルダ3に挿入された試験管は、ディスク27A、27Bから見て(可撓部材1の前進方向F1に対して)すぐ上流及び下流のホルダ3により、前述の振動を妨げられることなく、軸X−Xの周りを自由に振動できる。
【0066】
モータ45により加えられた振動運動は、可撓部材1の段階的前送り運動とは分離されており、試験管Pに必要な攪拌を確保するのに好適な振動数で振動できる。このようにして、可撓部材1に支持され前方に進む各試験管Pは、2枚のディスク27A、27Bの間に留まる時間に一致する時間、すなわち前送り段階にかかる時間の倍数時間攪拌され、前述の倍数は、ディスク27A、27Bの間に同時に進むホルダ3の数に等しく、すなわち示した例では6である。ホルダ3から成る可撓部材が前送り運動している間に、振動が短時間停止することが好ましいが、ある段階と次の段階との間の停止は、各前送り段階を完了するのにかかる時間に比べて本質的に長く続くため、前述の振動の停止は非常に短時間である。
【0067】
攪拌装置25に画定される攪拌エリアのすぐ下流に置かれた検出器17は、沈降段階の前に、各試験管中のサンプルのレベルを読取る。
【0068】
攪拌装置25からの出口と、位置Cの第2の検出器19との間にある可撓部材によってカバーされている経路とが、沈降エリアを構成する。各試験管は、この経路に沿って、位置Bから位置Cまで通過するのにかかる時間の間、垂直状態に保たれる。沈降時間は、実行する分析に対して適切な標準的勧告により定義される。位置BからCの間の距離と、各段階を完了するのにかかる時間に、ある段階から次の段階に移る間の停止時間を加えた時間は、当然、可撓部材1の経路沿いの各所にある各試験管について必要な全ての作業、例えば位置Aで試験管を挿入するための作業、位置B及びC、ならびにDでも可能な読取り、位置E又はFでの試験管の抜取り及び取外しを完了するのにかかる時間を考慮に入れて、各試験管が位置Bから位置Cに移動するのに必要な沈降時間を実質的に取れるようにするために、あらかじめ決められる。
【0069】
各試験管に入っているサンプルの沈降の高さは、検出器19によって、位置Cで読取られる。2つの検出器によって記録されたデータにより、赤血球沈降速度(ESR)を算出できる。
【0070】
位置Dの第3の検出器21(存在する場合)は、各試験管Pが位置Cから位置Dを通過する任意の時間、各試験管Pが落ち着くのに十分な距離を検出器19からおいて配置する。こうして、この第3の検出器は、第2の時間間隔後に沈降レベルの第2の読取りを行う。
【0071】
次に試験管は、位置Dから位置E又はFに前進して、以下に簡単に説明する方法で作ることができるイジェクタによって取外される。
【0072】
部材1の前送り経路に沿って、固定ガイドを備え(攪拌装置15が占めるエリアを除いて)試験管を一定方向、好ましくは垂直方向に保持してもよい。これらガイドは、攪拌装置25の一部を形成するロータのガイド39とほぼ同様の方法で作ることができる。
【0073】
モータ13及び45、ならびに検出器17、19及び21、さらに位置E及びFにあるイジェクタ(表示せず)は全て、数字47により示され図解されているプログラム可能な制御ユニットに接続している。前述のユニットは、装置の様々な部分の運動を制御及び調整しており、それは検出器が読取ったデータを集め、また、例えばバーコードリーダによって、各試験管に付けられた情報も集める。前述のバーコードリーダ(又はその他好適なインタフェース)は、より直接的な実施態様では、位置Aを通過する様々なホルダの中に各試験管を装填するオペレータが用いるためのハンドピースに備えることができ、それによりプログラム可能なシステムは、装置が行った分析の結果を実質的に関連付けなければならない患者に関する詳細情報を集めることができる。
【0074】
後述するように、これらの作業は、連続可撓部材1の上に装備されたセットアップユニットを用いることにより、自動化できる。
【0075】
可撓部材1の経路に沿って、1つ又は複数の、公知タイプのトランスポンダスキャナ(表示せず)がある。例えば、これらのうちの1つは位置Aに置くことができ、それらの1つ又は複数は、位置B、C、D、E、F又はその間を含む、その他好適位置に置くことができる。このようにすると、ホルダ3が位置Aを通過するたびに、中央ユニット47は前述のホルダ内に挿入されている試験管に付けられた情報を獲得するだけでなく、その任意の試験管と特定のトランスポンダとの関連付けも行う。これによりシステムは、一時的に停電した場合でも、前述の情報についてモータ13が行った前送り段階の数にだけ頼ることなく、いつでも各試験管の位置を知ることができる。
【0076】
上述の装置に関連付けられるセットアップユニットは、12以降の図では前方向に描かれており、全体が数字51で示されている。それは、ホイール55、57の周りを駆動し、互換性があってもよい、試験管Pの入ったハウジングラックRのための一連のシート59が取付けられている第1の連続するコンベア53を含む。ラックRは様々な形状及びタイプでよく、任意の検査室で使用するラックに合わせてシート59を交換する必要があるだろう。
【0077】
コンベア53の運動(矢印f53)は、各シート59を、ラックRに対して装填エリアから図12及び13ではコンベア53によりカバーされている経路の左端部に描かれている収集エリアに運ぶ。ここでは、第1の運搬装置61は、各ラックを矢印f61の方向に押し、それをバーコードリーダ63、又はラック内にある各試験管に(印刷ラベル又はその他手段で)貼られている情報を読取るためのその他装置の正面に運ぶ。運搬装置61はユニット47で制御されたモータによって、ベルト62を用いるか、又はたその他機械式駆動要素によって駆動する。
【0078】
各ラックがバーコードリーダ63の正面に運ばれると、バーコードリーダ63は各試験管について赤血球沈降速度測定を行わなければならないかどうかを決定する。実際、ラックR内の様々な試験管に入っている全てのサンプルが、前述の試験を必要とするわけではない。別の分析、例えば全血算だけを必要とするサンプルもあるだろう。
【0079】
矢印f61方向へのラックの前送りは段階的に行われ、あるところで単一ラベルを読取りながら別の場所で収集を行って、ESR測定のために単一試験管をラックRから可撓部材1の下方に移すことができる。ESR測定を必要としない試験管はラックRに残り、同じ運搬装置61によってラックと一緒に押され、実質的にコンベア53と対称的な第2のコンベア67上にある対応するシート65内に入れられる。
【0080】
この第2のコンベア67は、前述のコンベアのシート65にラックを挿入して処理し、また前述のシートから処理済みのラックを取外すオペレータとの接点として役立つ。前述のシートからシート65にオペレータにより挿入されたラックの第1のコンベア53のシート59への運搬は、運搬装置61と実質的に対称であり、ベルト71及びモータ73により駆動する第2の運搬装置69により行われる(図13)。どのラックを処理し、またどのラックを処理しないかをオペレータに指示する手段は、コンベア67に関連付けることができ、それはハッチ(表示せず)を開けることによりアクセス可能になる。例えば、コンベア67のシート65が占める様々な位置は、2種類の色の(例えば赤と緑)LEDに関連付けることができる。LEDの一つ、又はもう一方の点灯は、中央ユニット47により、実行中の作業に関連付けて制御されている。例えば、全てのラックがまだ処理されていない場合は赤色のLEDが点灯することで識別し、一方全てのラックの処理が終わると緑のLEDが点灯することで識別される。これによりオペレータは、ラックから試験管(又はその一部)が取外されているかどうかチェックしなくても、取外すことができ、また新たに処理するラックと交換できるラックを素早く認識できる。これはまた、ESR測定を行う予定のないサンプルの入った試験管だけのラックを、誤って装置内に残してしまうことを防止する。
【0081】
さらには、運搬装置61のストロークを伸ばすことによって、装置上のカバーの中に設けられたスロットから処理済みラックを取出すことができる、処理済みラックを自動的に取除くための手段を作ることもできる。
【0082】
セットアップユニット51の下にある手段による分析が必要な単一試験管Pの運搬は、図12及び15〜18に詳しく描かれている要素を用いて行われる。これらの要素は、図13及び14については、明確にするために図面から省かれている。
【0083】
単一ラック基部の水準より下方、バーコードリーダ63の下流、図13において数字81で示されている位置には、図15及び16に詳しく描かれている、数字83で全体を示している抜取り装置がある。それは垂直ガイド89に沿って摺動する摺動シュー87に固着されているカーソル85を有する。カーソル85の上端は、試験管Pの底部を受けるための空洞が開けられている。カーソルは制御ユニット47に接続しているモータ93により回転するピニオン91と係合するギア85Aを有する。カーソル85と一列に並んだ試験管Pを装置下方部分に移す必要があるときは、カーソルが図15に示した位置まで上昇し、試験管Pの一部をラックRの外に摺動して、数字93で示され、図17及び18、ならびに図12に描かれているピックアップ及び運搬クランプがその頂部に到達できるようにする。クランプ93の開閉は、ブーム97上のモータ95が制御する。モータ95のシャフトには、クランプを開けるカム99が取付けられており、その閉鎖はスプリング101を圧縮することで行われる。ブーム97は、スレッド付きバー105に係合するスレッド付きブッシュに固着されている可動要素103に載っており、その回転はモータ107によって制御されている。スレッド付きバー105によって、モータ107は、クランプ93の二重矢印f93方向の上下運動を制御する。
【0084】
モータ107及びスレッド付きバー105は、ネジ13及びベアリング109に固着した歯車115のセクタを介して、モータ111により駆動する、垂直軸Y-Yの周りを振動運動できるベアリング109により運ばれる。
【0085】
この配置では、抜取り装置83によってラックRから部分的に取外された各試験管Pは、クランプ93によって持ち上げられ、クランプは試験管をプラグの下でつかむことができ、試験管が誤って開くリスクを回避している。次に上方に動き、軸Y-Yの周りで振動があり、次に下方に動いて試験管Pはクランプ93によって、位置Aにあるホルダ3のシート3Cに挿入される。試験管Pが確かにシート3Cに適切に挿入されるようにするために、クランプが開いて上がり、閉じてから再度下がり、モータ107が加えるトルク方向から試験管がホルダ内に完全に挿入されたと判断するまで、試験管のプラグを押しつける。
【0086】
シート3Cに挿入された試験管は、上述の攪拌、沈降、読取り、及び取出し作業終了までの間、タブ3Dによってその中に抑えられている。可撓部材1の位置E及びFに装備したイジェクタ(図示せず)は、シート3Cから試験管を完全に取出さなければならないカーソル85の長さがより長いことを除いて、図15及び16の抜取り装置83に類似の様式に作ることができる。
【0087】
本発明の別の実施態様を図19〜図27に示し、以下の本明細書にて説明する。
【0088】
図19は、全体が数字201で示される、本発明のこの実施態様による装置の外部軸測投影図である。装置は、分析する試験管のラックを装填するための、数字203で示すトレーを具備する。数字203Aで示す(図20)トレー203の底部にはスロット203Bがあり、これに沿ってカーソル207に固着したプランジャ205は摺動し、二重矢印f205の方向に動いて装置内に単一の試験管ラックを装填する。プランジャ205の運動は、カーソル207に固着したナットネジ215内に係合されたスレッド付きバー213を回転させる一対のギア211を用い、モータ209によって制御される。試験管P が装填された、Rとラベル表示されたラックのスタックをトレー203の上に置くと、カーソル205は図20の左手の位置に来る。モータ209によりカーソル207及びプランジャ205が左から右へ動かされると、スタック上の最下のラックが右に押され、スリット219を通り装置のエリア217内に入る(図19)。
【0089】
装置のエリア217内には、一般的には数字221で示されるマガジンがあり、図21に分かりやすく示されている。
【0090】
マガジンは可撓要素、例では、連続するコンベアを形成し、4つの歯車225、227、229及び231の周りを動く一本のチェーン223又は一対のチェーン223を含み、歯車225はモータ233によって駆動する。コンベア223の全長にわたって、二重シェルの形をしたシート235が存在する(図21A)。各シート235の大きさは、試験管のラックRを入れられる大きさである。各シート235は、その中に挿入された各ラックを包む、又は取囲むことができ、そのためラックRはコンベア223の全域にあって、下部域にある場合でも落下することはない。図21により詳しく示されるように、コンベア223によりカバーされるシート235の経路は、前述の図面では数字235Aで示される第1の装填位置を通過する。この位置にあるシート235はスリット219と一直線に並んでおり、プランジャ205が駆動するラックを受け取る。
【0091】
コンベア223がその経路に沿って進む方向に対して、位置235Aから下流には、数字225Bで示される第2の位置があり、ここからは、例示されていない、概念的にプランジャ205に類似したタイプのプランジャによって、前述の位置にあるシートに入れられたラックが後述する沈降エリアに押し出される。コンベア223の経路に沿った位置235Bから下流には、数字235Cで示される第3の位置があり、ここで処理済みのラック、すなわち既に読取り終わっているラックは、前述の位置を占めているシートに再挿入される。前述の再挿入の動きは、上述のプランジャ205などのようなプランジャにより達成される。
【0092】
最後に、位置235Aから上流には、そこから処理済みラックが装置から取出される位置235Dがある。位置235Dはスリット237(図19)と一直線に並んでおり、ここから処理済みラックは装置201の外に出される。前述の取出しの動きは、例示していないが、概念的にはプランジャ205とほぼ同じプランジャにより達成される。
【0093】
装置の位置239(図19)には、ラックがマガジン221から移され、そこから(既に読取りが行われた)処理済みラックが取出され、マガジン221に再挿入される沈降エリアが存在する。
【0094】
沈降及びサンプル読取りエリアは、第1の実施態様の、図22及び23に詳しく示されている。
【0095】
全体が数字240で示される沈降エリアには、第2の可撓コンベア241があり、これも1本又は複数のチェーンを具備し、2個の歯車243と245の間を駆動し、そのうちの1個の歯車はモータを備える。
【0096】
マガジン221から送られる単一ラックRを入れるためのシート247には、チェーン241が取付けられている。前述のマガジン内のシート235とは異なり、シート247はラックを取り囲んでおらず、ラックを支持しているだけである。以下の説明から明らかになるように、ラックは、マガジン221のチェーン223の上部域223Sと実質的に同じ高さにある、図23において数字241Sで示されるコンベアの上部水平域では、コンベア241の上に保持されているにすぎない。これら2つの領域241S及び223Sは、実質的に互いに平行である。この配置は、数字205により示され、装置内へのラックの挿入について例示されているプランジャに類似のプランジャを用いることで、ラックをコンベア223及び241の一つからもう一方に直接移すことを可能にする。コンベア223と241間のラック移動のためのこれら追加プランジャは、単純化のために図面には描かれていない。
【0097】
コンベア241の各シート247に挿入された各ラックは、挿入位置247A(図23参照)から、一般的に数字248で示される読取りエリア内の読取り位置247Bまで運ばれる。コンベア241の上部域241Sによって実際的に示されている沈降エリアでの試験管滞在時間は、ESR測定のためのプロトコルが指定する沈降時間に等しい。コンベア241の領域241Sに入るシート247の数及び単一ラックを位置247Aから位置247Bまで運ぶのにかかる時間もまた、各ラックに入れられる試験管の数に左右されるが、それは前述の数が、任意のラック内にある全ての試験管の読取りを完了するのにかかる時間を決定するからである。
【0098】
読取りエリア248には、サンプルを読取る各種装置を、装置の設計に応じて備えることができる。添付の図面は、これら読取り手段の、二つの異なる可能な構成を示している。
【0099】
まず、第1の実施態様の図26及び27を参照すると、読取りエリア251には、固定された水平ガイド257に沿って二重矢印f255の方向に動くことができるスライド255に取付けられたビデオカメラ253が存在する。前述のガイド257は、沈降及び読取りエリア内にあるラックRと平行に伸びている。ガイド257に沿ってスライド255が段階的に移動することで、ビデオカメラ253を位置247BにあるラックRの中に入れられた各試験管Pの正面に運ぶことができる。
【0100】
垂直ガイドバー259はスライド255に固着されており、それに沿って可動サドル261は二重矢印f261の方向に摺動する。サドル261はモータ263を載せており、モータは、ベルト265及びプーリ267、269を用いて、プラグ内の空洞に嵌め込むことができる成形スタッド271を回転させる。スタッド271の回転は、サドル261の二重矢印f261の方向への運動によってプラグTのシートと係合し、また分離することができ、ESR測定の各種段階を実行できるよう各試験管Pを正しい向きにする。
【0101】
各種駆動装置及びビデオカメラ253により代表される読取りシステムは、概略的にのみ描かれている制御ユニット275と接続している。
【0102】
上述の装置は次のように作動する。ラックRのスタックがトレー203の表面203Aの上に置かれる(図20)。各種ラックRが、プランジャ205の連続ストロークによってマガジン221の中に装填される。プランジャ205が、その上のラックに妨害されることなくその戻りストロークを完了できるように、組立て全体205〜213は、二重矢印f214の方向に垂直運動する可動要素214の上に載っており(図20)、そのため、単一ラックをマガジン221の位置235Aにある、それぞれのシート235に押し入れた後に戻らなければならない場合、プランジャ205は表面203Aから引抜くことができる。
【0103】
装填作業が成功すると、マガジン221のシート235の全て、又はいくつかは、それらがスリット219に一致する装填位置235Aの正面に移動すると、徐々に装填される(図19)。分析しなければならないラック全てが装填されると、マガジン221は各ラックの中の単一試験管Pに入っているサンプルを攪拌するのに好適な速度で動く。マガジンの動きは、モータ付きホイール225が動かすチェーン223によってもたらされており、一部又は全てのサンプル、すなわち最初に沈降エリアに移されるラックに入れられたサンプルが十分攪拌されるのに必要な時間続けられる。前述のエリアにラックを移動させなければならない場合は、プランジャ(図示せず)が位置235Bにあるラックを持ち上げ、それを沈降エリア内の位置247Aにあるシート247に運ぶ。コンベア223及びコンベア241の連続段階によって、コンベア241の上部域241Sにあるシート247は全てラックでうめられる。すると位置247BにあるラックRの、すなわち最初に装填されたラック内の試験管Pの読取りを始めることができる。沈降エリアでのラックの装填から、そのラックが読取りエリア内に運ばれるまでの時間差が沈降に必要な時間に一致しない場合は、装置は容器241を、サンプルの沈降が完了する時間停止させることができる。
【0104】
読取りは、2カ所の末端位置の一方、又は他方にビデオカメラ253を移動させて始まる。示した例では(図26)、ビデオカメラは左位置にあり、従って試験管の読取りは位置247BのラックRに入れられた最も左側の試験管から始められる。試験管Pは、ESR分析専用試験管でも、一般的な試験管、すなわちCBC用試験管でもよい。通常、任意のラック内にある全ての試験管Pは同一のタイプであり、同時に処理するバッチのラックには全て同一タイプの試験管が入っていることが好ましい。これは、装置に入れられた試験管は全て、一般的にはESR測定用の特別なタイプか、又はCBC用のタイプであることを意味する。ユニット275に常駐するデータ処理ソフトウェアを用いることで、ビデオカメラ253は、いずれの場合も、その正面にある試験管Pのタイプを全て認識できる。従って一般的には、装置はビデオカメラの正面の試験管をそのつど認識できることから、異なるタイプの試験管を同じラック内に混在させることができる。
【0105】
試験管のタイプの認識は、(一般的なことだが)CBC用試験管に用いられている抗凝血剤がESR用試験管に用いられているものと同一でない場合に重要になるだろう。制御ユニット275及びビデオカメラ253を用いて、装置は試験管のタイプを認識でき、それによって、K3EDTAタイプの抗凝血剤を使用する場合のように、ESR測定に補正アルゴリズムを適用しなければならないか、又は補正アルゴリズムを適用せずに測定を記録できるか確定できる。器具のセットアップは、特に処理対象である任意のバッチの試験管が全て同じである場合には、ユーザインタフェースを用いて手動で行うこともできる。
【0106】
画像処理を用いる代わりに、試験管Pのタイプは、例えば読取りエリア内に運ばれる任意のラックRに関連付けられたトランスポンダに含まれる情報を読取ることで認識することもできる。この場合、ラック内側のトランスポンダの内容を読取るための読取りエリアには、アンテナが存在することもある。
【0107】
試験管に貼られたバーコード又はその他の機械読取り可能コードの付いたラベルは、ビデオカメラ253の正面にある任意の試験管PについてESR読取りが行われる前に、読取られなければならない。図27では前述のラベルは文字Eで示されており、一方CBは前述のラベルに印刷されたバーコードを識別する。ラベルEは、試験管本体(CBC用試験管の場合に一般的)又はプラグTの近くにある前述の試験管のネックに(特にESR測定用試験管の場合に多い)、あるいは特に前述の目的のために提供された付属物に貼ることができる。
【0108】
バーコードCBは、試験管内の単一サンプルと、サンプルが属する任意の患者とを関係付けることができる情報を含んでいる。これにより、装置は分析から得た分析データを、患者データと一緒に、装置に接続しているデータ処理装置に送ることができる。バーコードは、試験管の中のサンプルに行わなければならない分析のタイプに関する情報も含む。実際には、任意の試験管について、隣接する試験管とは異なる試験を行わなければならいこともある。また特定の試験管PはESR測定を行う必要がないこともあり、この場合装置201はESR測定を必要としないサンプルの入った試験管の読取りを省くことができる。
【0109】
バーコードCBの中の情報を読取るためには、ラベルEをビデオカメラ253の正面にくるように試験管Pを方向付けなければならない。前述の目的に合った正しい試験管の方向付けは検査担当者が行うことができるが、本明細書に例示した本発明によるこの装置の好ましい実施態様によれば、読取りエリア251は、試験管を自軸の周りに角回転させてラベルEを読取り位置に持っていくためのシステム261〜271を収容している。このようにして、読取り位置にあるラックRの最初の試験管Pの正面にビデオカメラが来ると、サドル261は、スタッド271が試験管PのプラグTにある各シートの内側に係合するまで下がる。モータ263がスタッド271を、ビデオカメラ253がその視野にラベルEを「捕らえる」まで回転させる。次に回転が停止し、ビデオカメラは画像処理ソフトウェアに助けられながら、バーコードCBに含まれる情報を読取る。
【0110】
検査対象の試験管がESR測定を必要とするサンプルを含む場合、ビデオカメラは試験管の中身を読取る。そのためには、まず、ビデオカメラ正面に運ばれてきているラベルEの障害物を取除かなければならない。このために、モータ263が再度作動し、試験管Pが自軸の周りを再び回転し、試験管の側面に貼られたラベルEを、ビデオカメラ253の反対側に持っていく。こうすることでビデオカメラは(ラベルEの読取りも可能である、ラックRに設けられたスロットを通して)試験管の中身を見ることができ、試験管内の沈殿物と血清とが分離している高さをチェックできる。公知のように、この高さは、沈降時間(全てのサンプルについて固定)及びサンプル全体の高さに対する上述の分離の起こった高さから導かれる赤血球沈降速度の測定値を与える。
【0111】
ビデオカメラ253が捕らえた試験管Pの内側の画像に基づいて、ユニット275に常駐する画像処理ソフトウェアは、単一サンプルPについて赤血球沈降速度を決定する。試験管PがCBC用試験管の場合は、抗凝血剤の性質を考慮して算出され、ユニット275は相関アルゴリズムを適用して算出を実施する。
【0112】
これらの作業が完了すると、サドル261はまず上昇して、スタッド271を試験管PのプラグTから離し、スライド255は段階的に移動してビデオカメラ253を隣接する試験管の正面に運び、こうして次の試験管について上述の作業を繰り返す。
【0113】
ビデオカメラ253が処理対象ラック中の最後の試験管に到達するまでに、位置247BにあるラックRに入れられた全ての試験管について、これらの作業は完了する。
【0114】
位置247BにあるラックR中の試験管の読取りが完了すると、前述のラックは位置253Cにあるコンベア223上のシート235に(図示していないプランジャによって)再び押し込まれる(図21参照)。
【0115】
次に、コンベア241は次のラックを読取り位置に運ぶ段階に進み、位置247Aにある空のシート247には、マガジン221の位置235Bから運ばれてきた次のラック(ある場合)が、備えられているプランジャ(図示せず)により挿入される。
【0116】
処理済みラックが位置235Bに入ると、それは直ちに特定のプランジャにより前述のスロット237から取出される。
【0117】
上記は、単一試験管に貼られたラベルに含まれる情報及び各試験管内部の沈降レベルの両方について、ビデオカメラ及び画像処理ソフトウェアを用いて全ての読取りを行う装置の説明である。この実施態様では、(前述したように)ビデオカメラはサンプルを入れるのに用いる試験管のタイプの認識にも用いることができる。
【0118】
しかしながらこれは実行可能な唯一の解決策ではない。ラベルに関する情報及び試験管内容物の両方を読取るためのシステムは、別種のものでもよい。
【0119】
図22〜25には別の解決策が描かれており、ここでは図26及び27の実施態様でも用いることができる駆動モータが詳細に示されているが、後者の図では、表示の単純化からこれらは省略されている。
【0120】
図22〜25の実施態様では、ビデオカメラ253は数字281で示されるバーコードリーダ及び数字283で示される容量センサに置き換えられている。バーコードリーダ281は、これも数字255で示されるスライド又はサドルに取付けられており、ビデオカメラ253を載せた水平ガイド257に沿って動くスライド255に同等である。バーコードリーダ281を備えたスライド255は、図示していないスレッド付きバー制御装置によって、二重矢印f255の方向に、ガイド257に沿って動かされる。容量センサ283は、二重矢印f283の方向に上下運動でき、前述の運動はスライド255に載せられたモータ285によって制御される。運動は、それらの間に、モータ285で回転し、その上に容量センサ283に固着しているナットネジ290が嵌め込まれるスレッド付きバー288を備える垂直ガイドバー286により導かれる。ガイドバー286、スレッド付きバー288及びモータ285は、スライド255の一部を形成している成形プロフィール292に載っているか、又はそれに固着されている。
【0121】
これまでの実施態様と同様に、本実施態様でも、垂直バー又はガイド259は、トランスミッション265、267、269を介してスタッド271を回転させるモータ263と共にサドル261を載せたスライド255に固着されている。サドル261の上下運動は、スライド255に固着しているナットネジに嵌め込まれるスレッド付きバー294によって制御されている。スレッド付きバー294は、サドル261が支持するモータ298によって回転する(図24も参照)。
【0122】
図22〜25に描かれている読取りシステムを装備した装置の運転は、図26及び27を参照して前述した実施態様と、試験管PのラベルEの情報及びコードを読取るための方法が異なることを除いて、ほぼ同じである。この例では、実際、バーコードリーダ281は、試験管P又はプラグTに貼られたラベルEに、バーコード形式で印刷された情報を読取るためだけに用いられる。回転スタッド271は、この場合も、試験管Pを自軸の周りに角回転させて、読取ることができるように正しい方向に向けるのに用いられる。バーコードリーダ281の高さは、その位置が試験管P及びそのプラグTの長さの範囲内にある限り、ラベルを読取るのに十分な範囲内にある。
【0123】
ラベルEの内容を読取った後、容量センサ283は矢印f283の方向に、上から下に向かって、又はその逆に底から上に向かって垂直に摺動し、試験管の中身を読取り、前述の試験管内の血漿が占めている部分とサンプルの沈殿物が占める部分との間の分離ゾーンを識別する。容量センサの性質により、試験管を再度回転させて、ラベルEを前述のセンサの読取りエリアから外す必要はないが、ビデオカメラを用いた場合には、前述の回転は必須である。
【0124】
この場合、ビデオカメラ及び対応する画像処理ソフトウェアがないため、赤血球沈降速度の算出に用いる方法を確定するためには、試験管Pのタイプの認識は、図26及び27を参照し記載された状況とは別の形で行わなければならない。この目的には、ラック及び読取りエリア内に配置された各読取り装置に関連付けられたトランスポンダを用いることができる。この場合も、既に述べたように、任意のバッチの各種ラックに入れられている試験管が全て同一タイプであるならば、オペレータは使用する試験管を手動で指定することもできる。
【0125】
試験管のコード、例えばバーコードを解釈することで、使用している容器のタイプもシステムに伝えられる。
【0126】
上記の説明より、いずれのタイプの試験管、たとえCBCに用いられるタイプの試験管であっても、問題の試験管からサンプルを取出さないで、またその試験管が入っているラックからサンプルを取外すことなく、ESRを読取れるようにすることによって、本発明が従来の方法及び装置の欠点を克服することができることは明らかである。
【0127】
図面は、本発明の実際を例示するためだけに示された一例を示しているに過ぎず、その形及び配置は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変えることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】可撓部材の図12のラインI−Iに沿った平面を、その経路及び前述の経路に沿って配置された要素及び装置と共に示した図である。
【図2】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図3】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図4】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図5】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図6】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図7】可撓部材を具備するホルダの1つ、及びその中に試験管を挿入し、保持する方法の詳細を示した図である。
【図8】攪拌装置の、図1のVIII−VIIIの断面図である。
【図9】図8のIX−IXの断面図である。
【図10】図8のラインX−Xに沿った平面を示す図である。
【図11】図8の1つに類似するが、攪拌装置が係合する試験管の角度位置が異なる断面図である。
【図12】連続可撓部材の上方に装備された完全セットアップユニットの垂直面の断面図である。
【図13】完全セットアップユニットの平面を示す図である。
【図14】図12及び13のラインXIV−XIVに沿った背面図である。
【図15】試験管をラックから取外すための抜取り装置の側面図である。
【図16】図15のラインXVI−XVIに沿った図である。
【図17】セットアップユニットから試験管を下方の可撓部材に移すための装置の詳細を示す図である。
【図18】図17のラインXVIII−XVIIIに沿った図である。
【図19】本発明による装置の外部軸測投影図である。
【図20】図19のラインXX−XXに沿った、装置の正面断面図である。
【図21】垂直面にあるマガジンのラインXXI−XXIに沿った図である。
【図21A】マガジン内のシートを示す図である。
【図22】本発明の第1の実施態様における、沈降エリア及び読取りエリアのマガジン(部品を取外した状態)の平面図である。
【図23】図22のラインXXIII−XXIIIに沿った側面図である。
【図24】図23のラインXXIV−XXIVに沿った局部平面図である。
【図25】図24のラインXXV−XXVに沿った局部図である。
【図26】別の実施態様における、図22の図に類似の平面図(部品を取外した状態)である。
【図27】図26のラインXXVII−XXVIIに沿った図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液内の沈降速度、特に血液サンプルの赤血球沈降の速度を測定する装置であって、生体液のサンプルが入った試験管のホルダと、前記試験管を攪拌する攪拌装置と、前記試験管内側のレベルを検出する少なくとも1つの検出器を具備し、前記ホルダが閉鎖経路を画定している連続可撓部材で形成され、それに沿って前記攪拌装置及び前記少なくとも1つの検出器が配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記閉鎖経路に沿って、前記攪拌装置が備えられている少なくとも1カ所の攪拌エリアと、少なくとも1カ所の沈降エリアと、前記検出器が設置されている少なくとも1カ所の読取りエリアとが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可撓部材は実質的に水平な平面上に載っている経路を画定していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ホルダは、互いに連結する要素から成り、可撓鎖部材を形成していることを特徴とする、請求項1又は2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記要素のそれぞれが、それぞれの試験管のための単一シートを具備することを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記可撓部材を形成している要素は、連続する要素が互いに対し回転でき、それにより単一要素を可撓部材が載っている平面から離れることを可能にしているカップリングによって共に連結されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記カップリングは球状ジョイントから成ることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記攪拌装置は、前記ホルダを振動させるように配置され、作られていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記攪拌装置は、可撓鎖部材を形成する前記要素を、可撓部材が載っている平面外で振動させるように作られ、配置されていることを特徴とする、請求項4又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記攪拌装置は、前記連続可撓鎖部材を形成する要素が係合するガイドを含み、それにより前記要素に振動をもたらすことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記要素は、前記ガイドに係合する摺動シューを有することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記攪拌装置は、前記可撓部材によりカバーされる経路部分に沿って伸びる固定ガイドを含み、それに沿って動く要素が前記連続可撓部材が載っている平面外で振動させられることを特徴とする、請求項9、10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記攪拌装置は、前記可撓部材によりカバーされる経路部分に沿って伸びる、そこに可撓部材を形成する前記要素が係合する可動ガイドを含み、前記ガイドが、それらが動くことによって、それに取付けられた要素を、連続可撓部材が載っている平面外で振動させるように作られ、配置されていることを特徴とする、請求項9、10又は11に記載の装置。
【請求項14】
前記攪拌装置は、前記可撓部材の経路の伸長部に対し同軸のロータを具備し、可撓部材の経路に沿った前記伸長部に沿って運ばれてくるホルダを係合するための要素を備え、前記ロータが自軸の周りを回転又は振動運動できることを特徴とする、請求項9、10、11及び13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記係合要素は、その中に連続可撓部材を形成する前記ホルダが摺動式に係合しているガイドの形態であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1検出器が、前記閉鎖経路に沿って攪拌装置から下流に配置され、また少なくとも1つの第2の検出器がさらに前記経路に沿って第1の沈降エリアを画定している経路部分から下流に配置されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記経路に沿って、第2の沈降エリアを画定する別の経路部分から下流に配置された第3の検出器を特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記連続可撓部材が、各試験管ホルダと関連するトランスポンダを具備することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記要素のそれぞれに、それぞれのトランスポンダが関連付けられていることを特徴とする、請求項4又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記経路に沿って、前記トランスポンダをスキャンするためのステーションが1つ又は複数存在することを特徴とする、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記閉鎖経路に沿って、前記ホルダから試験管を取外すための、少なくとも1台の抜取り装置が存在することを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記閉鎖経路に沿って、前記ホルダから試験管を取外し、各容器にそれらを分配するための2台の抜取り装置が存することを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ホルダに試験管を自動的に挿入するための自動マニピュレータを具備することを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記マニピュレータが、試験管のラックから単一の試験管を集め、前記ホルダに前記試験管を挿入するように配置され、作られていることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記ホルダへの挿入のために試験管を準備するためのセットアップユニットを含むことを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記セットアップユニットが前記連続可撓部材の上方に設置されていることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記セットアップユニットが、前記試験管に貼られたラベルを自動的に読取るための読取りステーションを具備し、それぞれの場合について、試験管内のサンプルの沈降速度を測定しなければならないかを確認することを特徴とする、請求項25又は26に記載の装置。
【請求項28】
前記マニピュレータが、各試験管について前記読取りステーションが提供する情報の機能として中央ユニットにより制御及び操作され、沈降速度を測定しなければならない試験管をラックから対応するホルダに移すことを特徴する、請求項24又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記セットアップユニットが、分析対象となる生体液のサンプルを有する試験管の入った複数のラックを運搬するための第1のコンベアを少なくとも1つ具備することを特徴とする、請求項25〜28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記セットアップユニットが、前記第1のコンベアから単一のラックを取外し、それらを前記読取りステーションに移すための第1の移送ユニットを具備することを特徴とする、請求項27又は29に記載の装置。
【請求項31】
前記マニピュレータが、前記ラックから前記試験管の一部を摺動させるため、ラック内の試験管を圧迫する下部プッシュバーと、各ラックから試験管を取外し、そしてそれらを連続可撓部材の対応するホルダに挿入するための可動クランプとを含むことを特徴とする、請求項24〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
セットアップユニットが、複数のラックを動かすための第2のコンベアと、前記第2のコンベアから第1のコンベアにラックを移すための第2の移送装置とを含むことを特徴とする、少なくとも請求項29に記載の装置。
【請求項33】
第1移送装置が、第1のコンベアからラックを読取りステーションに、さらにそこから第2のコンベアに移すことを特徴とする、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
各ラックの状態を識別するための手段が、セットアップユニットの前記第1及び/又は第2のコンベアの少なくとも1つと関連することを特徴とする、請求項29〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
生体液での沈降速度、特に血液サンプルでの赤血球沈降の速度を測定するための方法であって、試験管内の生体液を攪拌する段階と、サンプル沈降段階と、前記試験管内側の沈降のレベルを読取る段階とを具備し、前記試験管を、連続可撓部材を形成している各ホルダの中に入れること、前記連続可撓部材が閉鎖経路に沿って進むこと、及び単一の試験管が、前記閉鎖経路に沿って連続的に配置されているエリアにおいて前記攪拌、沈降及び読取り段階を通過することを特徴とする方法。
【請求項36】
前記ホルダを実質的に水平な軸の周りを互いに回転させることによって、前記試験管が攪拌されることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記経路に沿って、各試験管内の生体サンプルに2回読取りが行われ、第1の読取りはそれが攪拌エリアを去る時に行われ、第2は沈降エリアの最後で行われることを特徴とする、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
沈降レベルの読取りの後で、前記サンプルが第2の沈降段階を行い、前記第2の沈降段階後に沈降レベルをさらに読取ることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記試験管が全血算用の試験管であることを特徴とする、請求項35〜38の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項40】
前記試験管を、前記試験管に貼られたラベルを読取るためのステーションに連続的に送り、各試験管について、その中のサンプルが沈降速度を測定するものであるかを確認し、沈降速度を測定しなければならない試験管を前記ホルダに移すことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
赤血球沈降速度(ESR)を測定するための方法であって、血液サンプルがCBC用試験管等の一般的な試験管の中にある場合の、前記サンプルが前記試験内にあらかじめ決められた時間保持されること、及び赤血球沈降速度が前記試験管内側の血液サンプルを直接読取る自動読取りシステムによって記録されることを特徴とする方法。
【請求項42】
複数の試験管がラックに挿入され、試験管を収納しているラックから試験管を取外すことなしに1本又は複数の試験管について前記読取りを行う、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
検出システムを用いて、前記試験管に赤血球沈降速度の分析を必要とするサンプルが入っているかを確認し、そして前記チェックの結果が肯定である場合にはESRを測定し、否定であれば次の試験管の処理を認める、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記検出システムが赤血球沈降速度読取りシステムと同一である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記検出システムが、赤血球沈降速度読取りシステムと分離されている、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
試験管内の血液サンプルの赤血球沈降速度を分析する方法であって、前記サンプルを攪拌し、続いてあらかじめ決められた時間前記試験管の中に保持され、前記サンプルの入っている試験管のタイプが自動検出システムによって記録され、赤血球沈降速度が自動読取りシステムによって測定され、検出された値がサンプルの入っている試験管のタイプの関数として処理される方法。
【請求項47】
前記試験管が赤血球沈降速度分析専用の試験管でない場合には、検出された値が相関アルゴリズムによって修正される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記自動読取りシステムが、前記サンプルが入っている試験管のタイプを識別する、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
検出システムを用いて、前記試験管に赤血球沈降速度を測定しなければならないサンプルが入っているかを確認する、請求項46、47又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記検出システムが前記赤血球沈降速度読取りシステムと同一である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記検出システムが前記赤血球沈降速度読取りシステムと分離されている、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
複数の試験管をラックに挿入し、ラックから試験管を抜取らずに赤血球沈降速度を測定する、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
複数の試験管をラックに挿入して連続的に分析する、請求項41〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
試験管内の血液サンプルの赤血球沈降速度(ESR)を測定する装置であって、制御ユニット及び前記分析を行う血液サンプルの入った試験管を読取るためのシステムを具備し、前記読取りシステムが、サンプルの入っている試験管のタイプに関わらず、前記試験管からサンプルを抜取らずに各試験管内側のサンプルを読取ることを特徴とする装置。
【請求項55】
赤血球沈降速度測定対象の試験管の入ったラックを動かす手段を具備し、前記読取りシステム及び前記運動手段が、赤血球沈降速度の読取りをラックから試験管を抜取らずに行うことができるように作られ、そして配置されている、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記制御ユニットが、サンプルの入っている試験管のタイプを自動的に認識する検出手段を含む、請求項54又は55に記載の装置。
【請求項57】
前記制御ユニットが、前記読取りシステムが行った測定をサンプルの入った試験管のタイプの関数として補正する、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記検出手段が読取りシステム又はその一部を具備する、請求項56又は57に記載の装置。
【請求項59】
前記検出手段が、サンプルの入った試験管に関連付けられたトランスポンダに呼びかけを行うためのシステムを具備する、請求項56又は57に記載の装置。
【請求項60】
前記読取りシステムがビデオカメラを具備している、請求項54から59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記ビデオカメラが、前記試験管に関連付けられた機械読取り可能コード及び試験管の中身の両方を読取り、赤血球沈降速度を決定する、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記読取りシステムが容量センサを具備している、請求項54〜59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記読取りシステムが超音波センサを具備している、請求項54〜59のいずれか一項に記載の装置。
前記読取りシステムが赤外線センサを具備している、請求項54a59の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項64】
前記読取りシステムは、機械読取り可能コードの読取り器を具備する、請求項54〜63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
分析対象のサンプルの入った試験管を回転させる機構を、前記試験管を読取りシステムに対し正しい方向に向けるために具備している、請求項54〜64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記制御ユニットが前記回転機構と接続しており、前記回転機構を制御して、試験管をそれに貼られた機械読取り可能コードを読取ることができる方向に向け、続いて赤血球沈降速度の分析ができるようにする、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
複数の試験管を保持して攪拌するマガジンと、沈降エリアと、試験管読取りエリアとを具備し、前記読取りシステムが装備されている、請求項54〜65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記マガジンが、その中に試験管の入った各種タイプのラックを保持するための手段を具備している、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記マガジンが、前記試験管の入った異なるタイプのラックを係合し、保持するためのシートに関連付けられている第1の可撓コンベアを具備している、請求項67又は68に記載の装置。
【請求項70】
前記第1のコンベアが、前記シートを、ラックを装填するための位置、ラックを沈降エリアに移送するための位置、ラックを読取りエリアから受取るための位置及びラックを抜取るための位置に連続的に輸送するように具現化及び配置されている、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記第1のコンベアが実質的な垂直面に置かれている閉鎖経路に沿って動く、請求項69又は70に記載の装置。
【請求項72】
前記マガジンに、試験管のラックを支持するためのトレー及び前記マガジン内に試験管のラックを個別に挿入するためのプランジャが関連付けられている、請求項67〜71のいずれか一項に記載の装置。
【請求項73】
前記沈降エリアに前記ラックのための複数のシートを備えた第2の可撓コンベアが存在する、請求項67〜72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記第2のコンベアが、前記マガジンからラックを受取るための位置から試験管を読取るための位置に至る、真っ直ぐな、実質的に水平である伸長部を有している、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記第2のコンベアの、真っ直ぐな、実質的に水平である伸長部に沿って、前記ラック用シートが多数存在し、ラック当たりの試験管の数と各試験管の読取りにかかる時間を乗じて、赤血球沈降速度を検出する前の、サンプルが必要な沈降時間を延ばす、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記マガジンが前記沈降エリア及び前記読取りエリアと平行に配置され、スラスト手段によりラックがマガジンから沈降エリアに、そして読取りエリアからマガジンに直接移される、請求項67〜75のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図23A】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2007−510898(P2007−510898A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537562(P2006−537562)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000575
【国際公開番号】WO2005/039767
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(502093656)デイエセ デイアーノステイカ セネセ ソチエタ ペル アチオーニ (2)
【Fターム(参考)】