説明

生体液体を処理するための装置、及び方法

本発明は、通常、運ばれる際にサンプルが接触させられる表面をコーティングする当該サンプルの能力に関する測定に基づいて、血液サンプルの如き液体サンプルの処理を制御する方法、及び装置を提供する。好ましくは、当該サンプルは、チューブを通って進み、そして、当該チューブ中に残っているサンプル残留物の量が測定され、連続してサンプルに実施されるコーティングプロセス、例えば、顕微鏡用スライド上に血液塗抹標本を製造するプロセスと関連付けられる。好ましい態様において、血液輸送チューブ内のサンプル残留物の量は、自動スライド作成機器における顕微鏡用スライド上の血液滴を延ばすために使用される滴下−薄延部分の運動プロフィール(すなわち、加速度、及び速度)を制御するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、液体−処理工程への液体の移動の間に実施される測定に基づく、血液の如き生体液体を処理するための装置、及び方法における改良に関する。さらに特には、かかる液体のコーティング特性に関する「輸送中の」測定に基づく、顕微鏡スライド上の血液標本などを製造するための手段の如き液体処理手段を調整するための装置、及び方法における改良に関する。
【背景技術】
【0002】
全血サンプルの分析において、様々な自動フローサイトメトリーによる器具(例えば、ヘマトロジー、及び蛍光性フローサイトメトリー器具)が、サンプルの単位体積を含む赤血球、及び白血球の部分母集団を識別し、数え上げるために一般的に使用される。かかる器具は、当該細胞を当該器具の細胞取調べ領域を介して一つずつ通過させることにより当該各サンプル細胞を識別するように、既知の方法で操作する。この領域を通過する間に、各細胞を数え、そして、通常、当該細胞に関して実質的に同時に実施される物理的、電気的、及び/又は光学的測定の組み合わせを介して「型を検査」する。
【0003】
これらの医療器具により提供された測定値、及び計算値が、正常範囲内である場合には、さらなるサンプル分析は通常必要とされず、従って、当該結果を報告する。しかしながら、当該サンプル分析がサンプル中の異常を示した場合、特定の部分母集団の細胞の数、あるいは測定又は計算されたサンプルパラメータの値のいずれかに関して、当該分析を完全なものにするために、当該サンプルの目視検査が必要とされ得る。かかる検査は、通常、顕微鏡スライド上にサンプルの一滴を置き、そして直線端の塗りつけ部分(典型的には他の顕微鏡スライドの端)で、当該滴を当該スライド表面上に延ばし又は「塗りつけ」、顕微鏡上、手動で分析され得る「血液塗抹標本」を作成することにより達成される。
【0004】
理想的には、当該血液塗抹標本は、均一長で、それぞれ、細胞の単層を含む。かかる層において、当該スライド上の全細胞は、不明瞭なものなく顕微鏡下で可視的となる。
【0005】
上述の型の血液塗抹標本は、しばしば手作業で作成されるが、それらは、しばしば、技術者の技術に依存して、その質において劇的に変化する。それ故、様々な自動スライド作成器が、塗抹標本作成工程から多くの「当て推量」を費やすように発明される。あるスライドメーカーは、Beckman Coulter,Inc.,Fullerton,Californiaにより製造され、販売されるModel GenS(登録商標)Slidemakerである。この器具の詳細は、Gao、及びSperberの名により提出された同一出願人による米国特許第5,650,332号に記載される。この特定のスライドメーカーは、実際には、「ホスト」ヘマトロジー器具、すなわちBeckman Coulter,Inc.により製造されるModel GenS(登録商標)Blood Analyzerと一緒に使用されるように予定される付属器具である。
【0006】
血液サンプル中の赤血球、白血球、及び血小板を数えて識別することに加えて、当該ホスト器具は、サンプルのヘマトクリット(HCT)、サンプルの赤血球細胞中のヘモグロビン濃度(Hgb)、赤血球指数(RBCI)、及び赤血球分布幅(RDW)を含むいくつかの他の血液サンプル特性を、測定し又は計算する働きをする。
【0007】
ホスト器具により測定される8つ以下の異なるサンプルパラメータの値に基づき、スライド製造器具は、所望の血液−スメアの厚さと長さを達成するために顕微鏡スライドの上に血液の滴を塗りつけるために使用される滴下−塗り付け部分の加速度、及び速度を制御する「運動プロフィール」を(かかるパラメータを含む比較的複雑なアルゴリズムを使用して)計算するように作用する。
【0008】
当該GenS(登録商標)Slidemakerにより使用されるアルゴリズムは、血液が塗りつけられたときに、どのくらいの血液成分がお互いに相互作用するのか予側を試みる。上述のように、血液塗抹標本の理想的な厚さは、細胞の単層、所望のわずかなスメア長(例えば、標準的顕微鏡スライドとして約1.4インチ)を提供するものである。
【0009】
自動スライド作成に対するこのアプローチは、比較的正確、及び再現的に血液塗抹標本を製造するが、血液塗抹標本が他の器具による事前のサンプル分析なしに製造される単独型スライドメーカーで使用されることには、それ自体役立たないことが理解されるだろう。
【0010】
Kanamoriらに付与された米国特許第5,209,903号において、他の複数器具の血液分析システムが開示される。かかるシステムの1つの構成は、加工された血液サンプルの「粘度」を測定するための比較的単純な装置を含む「自動血液塗抹標本ジェネレーター」である。ここで、当該粘度の情報は、塗抹標本作成過程を制御するために使用され;この場合、塗抹標本とされる血液滴のサイズ、塗りつける刃の角度、及び/又は当該塗りつける刃の速度を制御するために使用される。当該粘度測定は、血液サンプル部分が、当該サンプルを含む試験管から血液−滴−分配針へチューブを介して移動させられる間に、実施される。特に、シリンジポンプは、当該血液サンプルを移動チューブ内に吸引するために使用される。当該血液がチューブを介して移動するにつれて、チューブ長に沿った分散配置で置かれた一対の光検出器のそれぞれは、当該吸引された血液サンプルの最前表面が通り過ぎるときにタイミングシグナルを発出する。
【0011】
より粘着性のある(粘度の高い)血液サンプルは、与えられたシリンジ力に対して、より粘着性の少ない(粘度の低い)血液サンプルに比べて緩やかな速度でチューブを通って流れるだろうから、2つのタイミングシグナルの発出の間の経過時間は、血液サンプルの粘度を示すだろう。当該タイミングシグナル間の経過時間が長ければ長いほど、当該サンプルの粘度は高く、その逆もまた同様である。高粘度の測定は、所望の血液塗抹標本の厚さと長さを達成するために、塗りつけ刃の動く速度を低減するように働く。反対に、低い粘度の測定は、当該塗りつけ刃をより速い速度で進めさせるだろう。
【0012】
粘度測定に基づいて血液の塗りつけ過程を調節するこのスキームは、血液サンプルのいくつかの型についての血液塗抹標本の均一性を促進し得るが、必ずしも広範囲の血液サンプルについて促進するわけではない。理解され得るであろうが、サンプル液体がチューブを通じて流される際の速さは、必ずしも、かかるサンプルが支持基板上に延ばされた後にその上をいかに良くコーティングするだろうかを示さない。例えば、水銀滴は、その粘度又は塗りつけ刃の速さがどんなものであれ、基板の上に均一に延ばされ得ない。液体水銀の表面張力は、強すぎてかかる塗りつけを達成できない。同様に、もし、液体と表面の間の摩擦力が低すぎるならば、磨き上げた表面又は抗粘着性の表面の上に液体の滴を塗りつけようとすることは失敗しがちである。それ故、血液サンプルの粘度は、血液塗抹標本の質を決定する際の作成中のいくつかの因子の内のたった1つであることが理解されるだろう。
【0013】
血液塗抹標本の作成において均一性を達成するための「理想的な方法」とは、2つの連続する血液塗抹標本を作成することだろう、すなわち、「試験塗抹標本」とその後の「最終的塗抹標本」である。当該試験塗抹標本の塗りつけ長、及び/又は塗りつけ厚みを測定することにより、滴下−薄延部分の運動プロフィールは、実質的に均一な最終塗抹標本を作成するように調整され得る。しかし、このアプローチは、血液の浪費となること、2つのスライドの使用を必要とすること、及び当該スライド作成機器の処理能力を著しく低減することという点で問題となるだろう。
【発明の開示】
【0014】
本発明の説明
上記議論に関して、本発明の目的は、支持基板上にサンプル液体の塗抹標本を自動的に作成するための改良された方法、及び装置を提供することである。
【0015】
本発明のより特異的な目的は、顕微鏡スライドの平面の如き、支持基板上に血液塗抹標本を作成するために、自動スライド作成器において使用される血液滴下−薄延部分の動きを制御するための改良された方法、及び装置を提供することである。
【0016】
さらに、より一般的に、本発明の目的は、当該液体を液体処理工程に進める際に実施される測定に基づいて、例えば基板上でコーティングされるように処理される液体の能力を測定するための改良された方法、及び装置を提供することである。
【0017】
本発明は、(1)例えば血液容器から、スライド上に血液滴を置くために自動スライド作成器において使用される滴下−分配針の先端(など)への移動のために、チューブを通って血液サンプルを進める過程が、当該チューブ内に有用な残留物を残すこと、及び(2)量子化されたとき、この残留物は、当該血液のさらなる加工を制御するため、例えば、様々な異なる血液サンプルから血液塗抹標本を作成するために使用される自動スライド作成器の血液−薄延部分の運動プロフィールを制御するために使用され得ることの認識に基づく。
【0018】
事実上、当該チューブ内の血液残留物は、例えば、自動スライド作成器において塗抹標本の均一性を制御するための上記「理想的な方法」において言及された「最終塗抹標本」の作成を制御するために使用され得る「試験」塗抹標本として役立つ。当然ながら、かかる量子化された残留物は、当該残留物がさらなる工程に関して有用な情報を提供するサンプルのかかる工程を制御するために使用され得た。
【0019】
それ故、本発明のある態様において、改良された方法は、その表面コーティング特性に基づいて、液体サンプルの加工を制御するために提供される。かかる方法は、a)チューブ状部分を通って、液体サンプル量を進め、(b)かかるサンプル量が当該チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ部分内に残っている液体サンプル残留物を検出し、そして(c)当該検出された残留物に基づいて前記液体サンプルのその後の処理を制御することを含む。
【0020】
上記の通り、本発明のこの一般的な方法は、記載された型のサンプル塗抹標本の作成において特に有用であることがわかっている。このように、本発明の第2態様に従って、自動スライド作成器における可動式に取り付けられた滴下−薄延部分の運動プロフィール(すなわち、加速度、及び速度)を制御するための改良された方法が提供される。かかる方法は、以下のステップ:(a)サンプル液体量をチューブ状部分を通して進め、ここで、かかる量は前記滴下−薄延部分の動きにより延ばされるサンプルの滴を含み、(b)かかるサンプル量が前記チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ状部分内に残るサンプル残留物の量を検出し、そして(c)前記検出された残留物に基づいて滴下−支持面上のサンプルの滴を延ばすために、前記滴下−薄延部分の運動プロフィールを制御する、を含む。
【0021】
本発明の第3態様において、本発明の方法を実施するための装置が提供される。特に好ましい装置は、(i)処理されるべきサンプル滴を含む液体サンプルが進められる光学的に透明なチューブ状部分を囲むように配置された光積分球、(ii)当該サンプル液体により吸収される波長の放射線を、当該積分球の内部に導入する光送信器、(iii)当該積分球内の光の強度を検出する光センサー、及び(iv)当該サンプル液体がそこを通過する前後の光積分球内の光強度の相違を表す制御シグナルを発出するための、当該光センサーと動作可能なように結合する論理及び制御ユニットを含む。かかる制御シグナルであって、当該サンプル量がチューブ状部分を完全に通過した後、当該チューブ状部分に残るサンプルの光吸収残留物の量を表す当該シグナルは、例えば、スライド作成器の滴下−薄延部分の運動プロフィールを制御するために使用される。
【0022】
例えば、スライド作成器における滴下−分配部分に向かって進むにつれて、チューブを通過するサンプル残留物の量を検出することにより、制御シグナルが、均一に延ばされるサンプルの能力とよく関連するように提供され、それ故、支持基板上のコーティングを提供する。かかるシグナルは、上述の先行技術により提供される運動プロフィール制御シグナルより著しく正確である、というのは、当該滴自体が基板上を進むようなその基礎となる当該基板に粘着する液体滴部分の能力にとって最も重要である液体の特性を考慮するからである。
【0023】
当該液体における表面張力、基礎となる基板に対する当該液体の親和力、及び当該液体と基板の間の静止摩擦及び動摩擦の如き、重要な特性は、一括し、そして残留物依存性シグナルにおいて反映される。当該制御シグナルが基板の上の塗抹標本の作成を制御するために使用される場合、当該サンプル残留物が測定されるチューブ状部分は、基板(スライド)の製造原料と同じ原料から加工されることが好ましい。かかる場合において、上記「理想的な方法」の「2つの塗抹標本」は、一方が曲面、すなわち当該チューブの内壁を形成するものであり、他方が平面の上に形成されるものである。本発明の結果として、自動スライド作成器により製造される塗抹標本の均一性における重要な改良が、理解される。
【0024】
本発明、及びその利点は、次の好ましい態様の説明、その一部を示す参照としての付属の図面の参照からより理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
好ましい態様の詳細な説明
上記のように、本発明の基礎となる発見は、液体の移動により当該液体と接触することになるチューブの内壁又は他の表面に粘着する液体残留物が、当該液体のさらなる加工において有用である試験塗抹標本を作成するのと実質的に同等であることである。このように、例えば、血液サンプルがスライド上に伸ばされるように振る舞う状態は、スライドが作成される前に当該血液サンプルと接触することになる他の表面上に、かかる血液サンプルが伸ばされ、及び粘着することにより予測され得る。
【0026】
結果的に、かかる表面上の血液残留物を測定することにより、制御シグナルが、スライド上にコーティング又は「血液塗抹標本」を形成する当該液体の能力を反映するように形成され得る。次いで、かかる制御シグナルは、例えば自動スライド作成器の血液滴下−薄延部分の運動プロフィールを制御するために使用され得る。あるいは、かかるシグナルは、液体サンプルの他のパラメータと関連付けられ得、そしてそれ故、当該サンプルのその後の加工を制御するために使用され得る。
【0027】
自動スライド作成器の場合、上記発見は、許容される運動プロフィールが上記の型の別の「試験塗抹標本」を作成することを必要とぜず残留物測定から計算されることにおいて、特に有用性を有する。さらに、本明細書中に議論されるように、血液残留物測定は、先行技術の上記スライド作成器において実施される計算よりも、滴下−薄延部分についての実質的により正確な運動プロフィールを提供する。
【0028】
図1を参照すると、平面の基板Sの上に血液塗抹標本を作成するためのスライド作成システム10を図式的に例証し;通常、Sは、慣習的顕微鏡スライド11の2つの対立する平面表面の内の1つである。装置10は、平面基板Sの上に、当該図の左から右へ(矢印により示される方向)、選択的に直線方向に駆動する可動式に取り付けられた滴下−薄延部分SMを含む。参照として本明細書中に援用される上記米国特許第5,650,332号中の記載の通り、滴下−薄延部分SMは、それ自体、当該滴下−薄延部分が当該基板Sと相対的な角度で伸長したまま、その直線端が平面基板Sの上に置かれるように配置される、ガラス状顕微鏡スライドとなり得る。
【0029】
装置10は、表面Sの上に正確な量の血液滴BDを、既知の方法で分配するために役立つ滴下−分配針Nをさらに含む。滴下−薄延部分と動作可能なように連結される駆動装置12は、適切にプログラムされた理論及び制御ユニットLCUからの命令で操作し、基板Sの上の血液滴と接触する滴下−薄延部分をゆっくり動かす。塗り付け部分の両側に向かって滴を運ぶことを可能とする短い一時停止の後、当該塗り付け部分は、所望の速度に達するまで、反対方向(図中の右から左)に所定の比で加速され、その時に、当該塗りつけ部位は、血液塗抹標本が完成するまで、かかる速度を維持する。当該SM部分が右から左に動くにつれて、当該血液滴は同じ方向に塗りつけられ、その結果、基板S上に所望の血液塗抹標本を作成する。
【0030】
理想的には、上記のように、全ての血液塗抹標本が、均一の長さ(例えば1.4インチ)、及び均一の厚さ(好ましくは細胞の単層)となる。かかる均一性は、例えば、そのように作成された血液塗抹標本をその後に分析するのに役立つ自動光学機器により必要とされる。滴下−薄延部分の加速度、及び速度(すなわち、「運動プロフィール」)は、血液塗抹標本における所望の均一性を達成する方法で塗りつけられるその能力に影響を与える血液サンプル中のばらつきを明らかにするために、正確に制御されなけらばならない。基板に対する粘性、表面張力、摩擦、及び親和力を含む、血液サンプルの様々な特性は、血液塗抹標本の作成に影響を与え、そして、理想的には、かかる特性の全ては、当該滴下−薄延部分の運動プロフィールを決定する際に明らかにされるべきである。
【0031】
さらに図1に関して、血液塗抹標本を作成するための血液サンプルBSは、その開口末端にパンクチャーシール(puncturable seal)14を有する試験管内又は容器Cにより、最初、収容される。可動式に取り付けられたカニューレ16は、シール14に穴を開け、当該容器中のサンプルを吸引するように命令で操作する。吸引(ネガティブ)力が、シリンジポンプ18により当該カニューレに対して選択的に適用され、ここで、当該ポンプ18は、当該容器から当該カニューレと連結するフレキシブルチューブFT(点線として略して示される)における所定の量の血液(塗りつけられる滴を含む)をくみ出すために役立つものである。
【0032】
この所定の量又は吸引された血液サンプルの「スラグ」(図中のABS)は、慣習的なせん断バルブSVを含む一対の並列プレート20、22中に形成される一対の一直線に並んだポートP1、P2を通して、その全量が汲み出される。せん断バルブを通過したら、当該汲み出された血液サンプルは、当該せん断バルブのP2ポートとシリンジポンプPとの間に連結される第2フレキシブルチューブFT’中に一時的に保存される。その後、バルブプレート22が軸Aを中心に回転され、プレート20においても形成されるポートP3を、バルブプレート22のポートP2と一直線に合わせ、それにより、当該汲み出された血液サンプルは、当該シリンジポンプにより適用される陽圧を経由して滴下−分配針Nへ進ませられ得る。
【0033】
本発明のある態様に従って、装置は、サンプル容器Cから滴下−分配針Nへ移動させるにつれて、チューブ状パイプの一部に、汲み出された血液サンプルABSにより痕跡を残した残留物の量を検出するために提供される。上記のように、この残留物の量は、汲み出された血液サンプルABSの表面コーティング特性と直接的に関連する。血液塗抹標本が基板の上に作成される前にこの残留物の量を測定することにより、血液−塗りつけ過程は、広範囲の血液サンプルについての均一な血液塗抹標本を作成するように制御され得る。
【0034】
好ましい態様において、かかる装置は、残留物センサーRS(下記)、及びフレキシブルチューブFTと直列に連結する光学的に透明なチューブ状部分30を、好ましくは汲み出しカニューレ16とせん断バルブSVとの間に含む。
【0035】
好ましくは、当該チューブ状部分は、フレキシブルチューブFTと同じ内径(約0.015〜0.025インチ)を有するが、基板Sと同じ材料、好ましくはガラス材料で製造される。しかしながら、以下の記載から理解されるように、当該基板及びチューブ状部分は、当該基板上でコーティングを形成するサンプルの能力に影響を与える特性において似ている限り、異なる材料から作られ得る。例えば、当該チューブ状部分は透明な医療グレードのポリビニルクロライド(PVC)材料から作られ得、一方当該基板はガラスから作られ得る。かかる場合、当該フレキシブルチューブFTとチューブ状部分30は、かかる透明なチューブの連続部分から形成し得る。
【0036】
それ故、操作において、容器Cから汲み出された血液サンプルABSは、せん断バルブSVへ向かって移動するにつれて、チューブ状部分30を通過するだろう。チューブ状部分30を通過したら、汲み出された血液サンプルの一部は、部分30の内壁に塗りつけられ、それ故、当該チューブ状部分内に血液の検出可能な残留物を残すだろう。この残留物の量は、基板S上の血液塗抹標本を形成するためのその能力に影響を与える全血の特性と非常に関連することがわかっている。
【0037】
そこを通る血液サンプルの通過により生じるチューブ状部分30内の血液残留物の量を検出するために様々なスキーム(例えば、光学的、超音波、容積測定スキーム)が使用されるが、特に好ましい残留物センサーRSは、いわゆる「光積分球」32(図1に示される)を含む。かかる装置が好まれる理由は、サンプル運搬チューブFTと「直列に」機能するように適合されること、及び血液残留物における小さな相違を識別する固有の能力である。好ましい型の光積分球は、Labsphere,Inc.,North Sutton,New Hampshireから商業的に入手可能である。かかる装置の技術的詳細は、例えば、米国特許第US5,537,203号に記載され、その全内容を本願明細書中に援用する。
【0038】
図1に示されるように、光積分球32は、通常、実質上球形状の内部チャンバー35を特徴とするハウジング34を含む。本発明に従い実施される測定の型について、チャンバー35の直径は、約15〜30mmであることが好ましい。ハウジング34のチャンバー定義壁34Aは、チャンバー内部を均一に通って外部源からチャンバー内へ導入される光を分散するために役立つ高い反射性であるが光を拡散する材料で、コーティングされる。壁34Aのコーティング特性により、かかる壁への入射光線は、多様な乱反射を受ける。これらの多様な乱反射のそれぞれにより、チャンバー35の内部球面は、たくさんの非常に小さく、及び一様の仮想の光源として作用し;それ故、積分球32特性を平均化し又は一体化する。当該チャンバー壁の高反射特性の結果として、チャンバー35に入る光の光子は、熱として吸収され消散される前に、多くの反射光を残すだろう。最初の光子が消散する前に他の光子がチャンバー35に入ってくるとき、それに関するエネルギーは、複雑な様式で他の光子のものに加わる。この過程が、入ってくる光子と吸収される光子との間で平衡に達するまで、つまり安定状態が達成されるときまで続く。
【0039】
10ナノ秒とほぼ同程度の時定数は、この安定状態に到達するまでの典型的である。この過程は、「球乗数」を生じさせる。当該安定状態の光源レベルが達成された後のいかなる時点においても、当該積分球内に含まれるエネルギーは、球乗数により、入力フラックスのエネルギー量よりも多いことが示され得る。この球乗数に起因し、例えば部分30内の血液残留物により引き起こされる当該球の平均内部反射におけるわずかな比率の滴は、光検出器40により検出される出力フラックス内の比較的大きな変化をもたらす。光源レベルにおけるこの変化が検出され得、そして、対象の光吸収特性を特徴付けるように使用され得る。それ故、チャンバー35内にチューブ状部分30を配置することにより、当該チューブ状部分(及びその内容)により吸収される光の量が量子化され得る。
【0040】
当該チャンバー内に導入される光に対して透明なチューブ状部分を選択することにより、そのときの当該チャンバー内の光源レベルにおけるいかなる変化は、当該チューブの内容だけに起因すると考えられ得る。当該チューブの内容物が血液残留物であると仮定した際、当該チャンバーを照らすために使用される光の波長は、当該血液残留物により高く吸収されるべきである。好ましい波長は、約465nm(青色光)、及び520nm(緑色光)、適した発光ダイオード(LED)により波長が放射され得るもののいずれかである。特定の好ましいLEDは、NichiaのNSPB500Sであり、それは、約6ミリワットの電力レベル、及び465nmの波長で放射する。
【0041】
図2及び3の断面図に関して、図1の光積分球32が、より詳細に示される。示されるように、チューブ状部分30は、ハウジング34における適した開口部を通して挿入され、球状チャンバー35の直径に沿って部分30を配置する。ハウジング34は、ハウジング34に装着される光源37(例えば上記の型のLED)により放出される光が当該球状チャンバーに入り得る光入力チャネル36をさらに示す。ハウジング34は、当該積分球に入り、そしてその中で乱反射を受けた光が出され、その結果、光検出器40により測定される出力チャネル38をさらに示す。適した光検出器は、青色強化光ダイオード(例えば、UDT Sensor Inc.PIN−5DP/SB、TO−5パッケージ)である。
【0042】
好ましくは、この光ダイオードは、増大された感度のための光電池モードにおいて使用される。当業者にとって明らかであろうが、多くの可能な光源、及び検出器の組み合わせ方が、光積分球32と共に使用され得る。さらに、本明細書中に使用される用語「光」が、可視電磁放射線だけでなく、紫外線、及び赤外線の如き近可視放射線についても言及されるように、その通常の意味において使用される。
【0043】
操作において、光検出器40は、出力として、チューブ状部分30内の血液残留物の量とは逆に増大するアナログ電圧シグナルを産生する、すなわち、検出器40の出力は、部分30内に血液残留物が残っていないときに最も高くなり、当該残留物の増大につれて徐々に減少するだろう。それ故、この出力電圧シグナルの振幅は、部分30内の残留物の量の定量化であり、部分30の内壁をコーティングするための血液サンプルの能力を反映する。出力電圧が低ければ低いほど、部分30内の残留物(コーティング)は多い。
【0044】
この出力電圧シグナルは、当該検出器のアナログ出力を残留物測定のデジタル版を示すデジタルシグナルに転換するLCUのアナログ−デジタル変換器(ADC)50に提供される。このデジタルシグナルは、LCUにより、滴下−塗り付け部分SMの加速度と速度を制御するためのドライバー12に適用される制御シグナルCSを産生するようにさらに加工される。この適用において、光検出器40のデジタル出力電圧(残留物測定)とスライドメーカーのための運動プロフィールとの間の相関を提供する数学的アルゴリズムは、当該LCUの慣習的読み出し専用メモリ(ROM)内に記憶される。
【0045】
残留物センサー32の他の適用において、当該LCUにより計算される運動プロフィールの代わりに、電圧シグナルは、ただ単に血液サンプルのコーティング特性の測定として使用され、及び表示される。かかる血液パラメータは、バックグラウンド部分において記載される当該血液サンプルパラメータを増大させるために使用され得ることが企図される。
【0046】
好ましい方法は、上記発明のスライドメーカー適用における運動プロフィールについてのアルゴリズムを計算するために記載されるだろう。この手順は、3つのステージを有する。第1に、残留物センサーRSを、慣習的なGenS Slidemaker(上記)において、3つの全血サンプルを第1運転することにより特徴付けた、ここで、第1サンプルは高HCT値を有し、第2サンプルは中HCT値を有し、及び第3サンプルは低HCT値を有する。塗りつけ速度、及び加速度を、これらのサンプルのこれらのサンプル各々について所望の1.400インチ長の塗りつけを作成するように、操作者により手動で調整した。速度と加速度との調和を、試行錯誤により得た。これらの新しい速度値、及び加速度値(各運動プロフィール)を記録した。
【0047】
次に、同じ3つのサンプルについての残留物センサーRSの電圧出力を得て、記録した。図4において、残留物センサー32の当該3つの電圧出力をX軸上にプロットし、当該GenS Slidemakerからの手動で得られた速度値をY軸上にプロットする。結果として、図4は、一次方程式:y=16.0x−2.9により示される、出力電圧に対する残留物センサーの速度曲線である。同様に、図5において、当該3つの速度値をX軸上にプロットし、当該GenS Slidemakerからの手動で得られた加速値をY軸上にプロットする。結果として、図5は、一次方程式:y=11.0x−30.00により示される、速度に対する残留物センサーの加速度曲線である。これらの値は、似たような機構、及び光学特性の全センサーにあてはまるだろう。
【0048】
第2に、図1に関して、シリンジポンプ18は、Isoton(登録商標)の如き標準液体を含む容器(示されていない)からかかる標準液体をくみ上げることにより、チューブ状部分30を、当該標準液体で満たすために使用される。部分30中の標準液体と共に、残留物センサー32からの電圧は、ハードウェア又はソフトウェアいずれかを1に標準化される。当該標準液体は、光源37からの光の選択された波長でエネルギーを吸収しないように選択される。それ故、球乗数に関するごくわずかな影響となるだろう。
【0049】
次いで、当該標準液体は、シリンジポンプ18から除去され、そして、空気により追われた血液部分がチューブ状部分30を通って移動する。当然ながら、当該血液部分は積分球32のチャンバー35から完全に出ることが重要である。さもなければ、検出器40の出力は、完全な残留物読み取りとはならないだろう。チューブ30の内壁上に残る残留物は、球状チャンバー35中の光を吸収し、そして積分球の全体的反射力を低下する。これは、同様に、球乗数に変化を起こし、そしてそれ故、前記Isoton測定についての検出フラックスとの比較として光検出器40により測定される検出フラックスを低減する。
【0050】
図6に示されるように、高HCTから低HCT(図6における第4列)までの範囲の7つの血液サンプル(「サンプル」の欄)を、このように残留物センサーRSより処理した。各サンプルについて、積分球32は、それから運動プロフィールが計算され得る両残留物電圧出力(「残留物センサー出力」に分類される欄)を、図4、及び図5に示される曲線から産生した。
【0051】
第3に、図6に示されるように、図1の残留物センサーRSにより産生される運動プロフィールの正確さを、GenS Slidemakerより産生された運動プロフィ−ルの正確さと比較した。7つのサンプルのそれぞれについて2つの連続した血液塗抹標本を、GenS Slidemakerを使用して産生した。各サンプルの第1塗抹標本を、GenS Slidemakerにより計算される加速度、及び速度(「GenS SM 速度」及び「GenS SM 加速度」)に基づいて、産生した。各サンプルの第2塗抹標本を、図4及び5に示される曲線より測定された加速度、及び速度の値(「図4 速度」、及び「図5 加速度」の欄)に基づいて、産生した。
【0052】
その運動プロフィールが残留物センサーRSからの測定に基づき調整されるスライド塗抹標本は、GenS調整塗抹標本よりも長さについてより一貫していた。さらに、当該GenSに基づく塗抹標本は、低HCTサンプルについて、より長い塗抹標本に対する偏向を有した。これは、もし血液サンプルが低白血球数でもあれば問題となり得る、というのは、当該細胞はより長い塗抹標本において広範囲に広がりがちであり、そのことが白血球を見つけることをさらに困難とするからである。このように、当該残留物センサーRSは、GenS Sidemakerにより産生される運動プロフィールを使用することに対する、実行可能な、及び好ましい代替案である。
【0053】
一般的に、製造者により製造される各残留物センサーについて図4及び5のアルゴリズムを測定することが望まれる、というのは、センサー間に変動の可能性があるからである。さらに、時々、当該残留センサーの使用者は、図4及び5を作成する手順を繰り返し(方程式を再計算する)、ドリフトに起因する、処理手段のメモリー(ROM)中のアップデート、又は自動スライドメーカーについての運動プロフィールを手動で調べる場合の曲線を使用するアップデートを正当化するのに十分な変化が当該方程式中にあるのかどうか測定すべきである。
【0054】
ガラスキャピラリーチューブ(チューブ状部分30のようなもの)は、図4及び5に示されるように一次方程式を作成するけれども、プラスチックキャピラリーチューブは、非線形方程式を作成する傾向にあることに留意すべきである。プラスチックキャピラリーチューブ、及びさらに他の好適な材料で作られたチューブの使用は、本発明の範囲内であるけれども、当該キャピラリーチューブのためのガラス(例えば、BK7ガラス)が、特にスライド11はガラス製であるとき、好ましい材料である。
【0055】
上述のように、血液残留物を測定する方法は、光学検波器、超音波探傷機又は容積分析器を非制限的に含み得る。本発明の好ましい態様において、積分球32が選択され、それは血液残留物中の小さな違いを区別するために必要とされる検出感度を有することに基づいた。他の光学的測定スキームは、当該残留物と共にキャピラリーチューブ30を取り出し、当該チューブを規定量の透明な希釈剤で一掃し、次いで得られた希釈物を回収した。次いで、回収された液体(血液誘導体、すなわち希釈された血液)の配色を、慣習的な測色測定装置を使用して測定できた。この希釈された血液の測色測定は、当該チューブ中の血液残留物と相互に関連するだろう。
【0056】
本発明について、それらの好ましい態様に特に関連して詳細に記載してきたが、本発明の本質を逸脱せず変化や変更を実施し得ることが理解され、そして、かかる変化や変更は、添付の本発明の請求の範囲内であると意図されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の好ましい態様を含む、スライド作成装置の略図である。
【図2】図2は、図3に示される切断線2−2に沿った、好ましい残留物検出器の断面図である。
【図3】図3は、図2に示される切断線3−3に沿った、好ましい残留物検出器の断面図である。
【図4】図4は、血液残留物検出器の出力と、血液の滴から血液塗抹標本を作成するために使用される滴下−薄延部分についての所望の速度との相関を示すグラフである。
【図5】図5は、滴下−薄延部分の速度と、かかる部分の所望の初期加速度との相関を示すグラフである。
【図6】図6は、慣習的スライド作成器により産生される運動プロフィールと、本発明の装置により産生される運動プロフィールとの結果の比較チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルの表面コーティング特性に基づき当該液体サンプルの処理を制御するための方法であって、以下のステップ:
(a)チューブ状部分を通って、液体サンプル量を進め、
(b)かかるサンプル量が前記チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ部分内に残っている液体サンプル残留物を検出し、そして
(c)前記検出された残留物に基づき、前記液体サンプルのその後の処理を制御する、
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記残留物が、光電測光で検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出ステップが、前記液体サンプルにより実質的に吸収される波長の電磁波で、実質的に前記電磁波を通す前記チューブ状部分を照射すること、そして、液体残留物がそこに存在する場合と存在しない場合の前記チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出することにより達成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記チューブ状部分が、前記電磁波を取り込み、及び検出し得る光積分球内に配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チューブ状部分が、当該チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出するステップに先立ち、前記電磁波を実質的に通す液体で洗浄される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
基板の上にサンプル液体の滴を延ばすための自動スライド作成機器において使用される、可動式に取り付けられた滴下−薄延部分の運動プロフィールを制御する方法であって、以下のステップ:
(a)サンプル液体量をチューブ状部分を通して進め、ここで、かかる量は前記滴下−薄延部分の動きにより延ばされるサンプルの滴を含み;
(b)かかるサンプル量が前記チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ状部分内に残るサンプル残留物の量を検出し;そして
(c)前記検出された残留物に基づいて滴下−支持面上のサンプルの滴を延ばすために、前記滴下−薄延部分の運動プロフィールを制御する、
を含む、上記方法。
【請求項7】
前記サンプルが、血液サンプルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記血液サンプルの残留物が、光電測光で検出される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記検出ステップが、実質的に前記電磁波を通す前記チューブ状部分を、前記血液サンプルにより実質的に吸収される波長の電磁波で照射すること、そして、そこに液体残留物の存在する場合と存在しない場合の前記チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出することにより達成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チューブ状部分が、前記電磁波を取り込み、及び検出し得る光積分球内に配置される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記チューブ状部分が、当該チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出するステップに先立ち、前記電磁波を実質的に通す液体で洗浄される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
液体サンプルの表面コーティング特性に基づき当該液体サンプルの処理を制御するための装置であって、以下の:
(a)チューブ状部分を通って、液体サンプル量を進めるポンプ、
(b)かかるサンプル量が前記チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ部分内に残っているサンプル残留物を検出するための検出器、及び
(c)前記検出器により検出された残留物に基づき、前記液体サンプルのその後の処理を制御するための制御器、
を含む、上記装置。
【請求項13】
前記検出器が、(i)処理されるべきサンプル滴を含む前記液体サンプルが進められる前記チューブ状部分の光学的に透明な部分を囲むように配置された光積分球、(ii)前記サンプル液体により吸収される波長の放射線を、前記積分球の内部に導入する光送信器、(iii)前記積分球内の光の強度を検出する光センサー、及び(iv)前記サンプル液体がそこを通過する前後の光積分球内の光強度の相違を表す制御シグナルを発出するための、前記光センサーと動作可能なように結合する論理及び制御ユニットを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
視覚的に分析されるように適合されたサンプル標本を作成するために基板の上に液体サンプルの滴を延ばす型の自動スライド作成機器における、滴下−薄延部分の動作を制御するための装置であって、以下の:
(a)チューブ状部分を通してサンプル液体の量を進めるためのポンプ、ここで、かかる量は、前記滴下−拡散部分の動きにより延ばされるサンプル液体の滴を含む;
(b)かかる量のサンプルが前記チューブ状部分を通って進んだ後、当該チューブ状部分内に残るサンプル残留物の量を検出するための検出器;及び
(c)前記検出されたサンプル残留物に基づいて滴下−支持面上のサンプルの滴を延ばすために、前記滴下−薄延部分の運動を制御するための、前記検出器と光学的に結合する論理及び制御ユニット、
を含む、上記装置。
【請求項15】
前記サンプル液体が、血液サンプルを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記血液サンプルの残留物が、光電測光で検出される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記検出ステップが、前記血液サンプルにより実質的に吸収される波長の電磁波で、実質的に前記電磁波を通す前記チューブ状部分を照射すること、そして、そこに血液サンプル残留物の存在する場合と存在しない場合の前記チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出することにより達成される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記チューブ状部分が、前記電磁波を取り込み、及び検出し得る光積分球内に配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記チューブ状部分が、当該チューブ状部分により吸収される電磁波の各値を検出するステップに先立ち、前記電磁波を実質的に通す液体で洗浄される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記電磁波が、青又は緑の光学的放射である、請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−520971(P2008−520971A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541176(P2007−541176)
【出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/034230
【国際公開番号】WO2006/055096
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(505275295)ベックマン コールター,インコーポレイティド (25)
【Fターム(参考)】