説明

生体液試料の採集および選択された成分の処置のための装置および方法

生体試料、特に全血を採集するための採集装置および方法は、全血をその複数の成分に分離するための分離部材と、分離された試料の成分と選択的に相互作用するように配置された少なくとも試薬とを含む。その試薬は、血漿/血清と選択的に相互作用することができ、その全血と接触即ち相互作用しないように妨げられている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料、特に全血試料を、患者から直接採集し、安定化させるための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、生体試料採集時に核酸を安定化させその保存または移送中の分解を防ぐための安定化添加剤がその内部に収容された試料採集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
診断検査では、患者の全血試料を、血漿または血清(すなわちより軽い相の成分)と赤血球(すなわちより重い相の成分)などの成分に分離することが必要となる場合がある。例えば、その病気を診断しそれに対処する目的で、HIV感染患者のHIV RNAウィルス量を監視するために、既知の増幅技術を用いて血漿試料を検査することができる。承認薬、新薬、および複合薬治療に対する患者の反応を、患者のHIV RNAウィルス量を監視することによって評価することができる。HIVウィルスに加え、C型肝炎ウィルスなど、その他多くの感染症がウィルス量を監視することによる恩恵を受ける。
【0003】
現在、血漿ウィルスの監視は、通常注射器または真空の採集管に取り付けられたカニューレまたは針で静脈穿刺を行い、全血試料を抜き出すことによって実施される。注射器または管を遠心分離機内で回転させることにより、血液が血漿とその他の細胞成分に、または、血清と赤血球に分離される。そのような技術では、通常分離された試料の2つの相の間で動く障壁を使用し、それにより、後で各成分を検査するために成分を分離状態に維持する。通常、試料は、次に、作業者が試料に特定の検査を行う実験室など別の場所に移送されなければならない。一般に、試料獲得からその分析までにかなりの時間が経過する。従って、生体試料の分析の前に、操作および/または調製中の不可欠な物質の分解、変質、または破壊を防止するように生体試料を維持することが、一般的な、継続的に発生する問題となる。
【0004】
現在、血液試料は、EDTA管内に採集され血漿を得るために回転される。次いで血漿試料は、さらなる分析のために氷の上または冷蔵状態にある1次または2次管に入れて輸送される。低温輸送により、vRNAの分解が低減される。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,919,085号明細書
【特許文献2】米国特許第6,516,953号明細書
【特許文献3】米国特許第6,406,671号明細書
【特許文献4】米国特許第6,409,528号明細書
【特許文献5】米国特許第6,497,325号明細書
【特許文献6】米国特許第5,906,744号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
増幅技術で使用するための血漿試料を採集、処理、移送するために設計された、標準的な装置が必要とされている。最も好ましくは、この装置は、検体処理の規格化を助け、閉じたシステムを提供し、血漿を細胞成分から隔離させ、血漿の希釈を最低限に抑え、核酸検査との干渉を最低限に抑えることができるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、生体試料を採集するための装置を対象とし、この装置は、試料を受けるためのリザーバ部分を有する容器と、試料をその複数の成分に分離するために容器内に配置された分離部材と、分離された試料のうち少なくとも1つの成分と選択的に相互作用するように容器内に配置された、例えば核酸を安定化させるための安定剤など少なくとも1つの試薬とを含む。一実施例では、この容器は、第1の端部および第2の端部を有する管であり、この管は、部分的に排気することができる。
【0008】
一般に、生体試料は全血である。好ましくは試薬を、全血との相互作用を防ぐように配置する。より好ましくは試薬を、全血のその他の成分から実質的に隔離しながら、血漿または血清成分と選択的に相互作用するように配置することができる。
【0009】
一実施例では、分離部材は機械的分離要素であり、代替実施例では、分離部材はゲルである。また、ゲル分離部材は、試薬から物理的に分離させることができる。
【0010】
また、本発明は、例えば核酸検査など、後に続く検査用の、血漿または血清検体の採集および調製のための方法を対象とする。この方法は、全血試料を受けるための管を設けることを含む。この管は、上端部および下端部と、試料をその複数の成分に分離するために管内に配置された分離部材と、例えば核酸安定剤など少なくとも1つの試薬とを含む。この方法はさらに、全血試料を管内に採集し、全血試料を試薬から分離して維持し、血漿または血清をその他の血液成分から分離し、血漿または血清を管内で試薬と混合させることとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、多くの異なる形態の実施例により適合されるが、本発明の好ましい実施例が本明細書で詳細に説明されるだろう。その結果、本開示は本発明の原理の例示として考えられるべきであり、本発明を図示および説明される実施例に限定することを意図するものではないと理解すべきである。当業者により本発明の精神から逸脱することなく数多くの変形例がなされ得る。本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびその均等物によって判定されるだろう。特に、本発明は、核酸安定剤である試薬に関して述べられるが、安定化以外あるいはそれに加えて、様々な効用をもたらすことができる試薬のようなその他の試薬が可能である。そのような代替物の1つは、タンパク質安定用試薬である。
【0012】
本発明を、核酸を含有するいかなる生体試料と共に使用することは可能であるが、好ましくは、その生体試料は、患者から抜かれた何らかの体液である。最も好ましくは、生体試料は、全血またはその成分である。その他の生体試料の例としては、血漿、血清、尿、骨髄液状物、脳脊髄液、組織、細胞、糞便、唾液および口内分泌物、鼻汁、気管支洗浄用液、頚管液、リンパ液などがある。
【0013】
いくつかの図にわたって同一の符合が同一の部品を指す図面を参照すると、図1は、本発明の一実施例を示し、概ね、血液成分を分離するための分離部材12(例えば機械的分離要素またはゲル)と、生体試料を安定化させるための安定剤14とを有する試料採集容器10を含む。分離部材は、以下により詳細に説明されるように、その技術分野で知られており、分離される複数の成分の密度における中間の密度を有する。遠心分離時、分離部材は、密度関係によりこれらの成分の間で移動する。図示した実施例では、容器10は、開口下端部18から開口上端部20へと延びる側壁17を有するリザーバ即ち内部チャンバ16を形成する中空管を備える。分離部材12は、容器チャンバ16内に設けられ、安定剤14は、チャンバ16内で分離部材12の下方の下端部18付近に設けられる。分離部材12は、例えば遠心分離によって、試料の成分の分離を助けるように役立つ。容器10は、適当な体積の生体液、好ましくは血液を採集するように寸法決めされる。開口端部18、20を覆うための閉塞手段22が、容器10を閉塞するために設けられる。真空排気された採集管では、所要の保存期間中、真空状態を閉じ込めるように締まり嵌めのエラストマーの栓が一般に使用される。好ましくは、閉塞部22は、容器10を効果的に閉塞し、生体試料をチャンバ16内に保持することができるシールを形成する。チャンバ16内の圧力は、好ましくは、所定の体積の生体試料をチャンバ16内に引き込むように選択される。好ましくは、閉塞部22は、大気圧と大気圧未満の圧力との間の内部圧力差を維持することができる弾性材料で作られる。閉塞部22は、その技術分野で知られているように、生体試料を容器10内に導入するために針26または他のカニューレによって穿刺することができるものである。好ましくは、閉塞部22は、再封止することができる。閉塞部22に適した材料としては、例えば、シリコーンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、およびポリクロロプレンなどが挙げられる。
【0014】
本発明の方法は、生体試料を取得すること、および試料を容器10に導入することを含む。様々な静脈穿刺装置が、生体試料取得を容易にするために開発されており、こうした装置のひとつの形式は、内部にチャンバを形成するハウジングを有するニードルアッセンブリを組み込み、ノッチを有する単一のカニューレまたは両端部が尖った2つの別々のカニューレがハウジングに固定される。カニューレの静脈側(IV)端部は、患者の静脈を穿通するようになっており、カニューレにおける患者と反対側の端部は、封止可能なスリーブを有し、真空容器内に配置された穿通可能な栓を穿通するようになっている。例えば、図2に示されるように、血液標本試料28が、上端部20を通じて容器10内へと移送可能とされ、分離部材12が検体を下端部18に対して封止し、試料が安定剤14に接触するのを妨げるとき、その検体は、まず、チャンバ16内で分離部材12の上方に保持される。採集後、血液試料は、遠心分離機内で容器10を回転させるなどして、血漿とその他の細胞成分に、または血清と赤血球に分離される。好ましい実施例では、容器10は下端部18を上方に向けて遠心分離機内に配置され、その管が遠心分離にかけられる。遠心分離のとき、分離部材12は、細長く延びてその回りの流れが可能になる。血液の細胞成分はより密度が高いため、これらの成分は、分離部材の回りで下方へと移動し、一方、分離部材は、相対的な密度により上方へと移動する。遠心分離が停止するとき、分離部材は、血漿または血清が安定剤に隣接するように複数の成分相互間にシールを形成する。このようにして安定剤は、以下でより詳述するように、処理全体を通して血液の細胞成分から実質的に分離される。図3を参照すると、遠心分離後、血液30の細胞成分が分離部材12の下方に留まり、血漿または血清32が、分離部材12の上方に留まり安定剤14と接触する。分離後、それから、安定剤が血漿または血清液に溶解しあるいはそれと相互作用し、容器10に収容された核酸(またはその他の成分)の分解が最低限に抑えられるように、容器10を逆さまにするなどして血漿または血清32は、通常、安定剤14と混合される。
【0015】
好ましい実施例において、安定剤は、試料取得直後、保存または移送前に、血漿または血清と混合される。全血試料を採集するときなどに、患者から直接的に生体試料を採集し、血漿または血清を血液細胞成分から直ちに分離させ、次いで安定剤を血漿内に導入することは、試料が安定剤と化合されずに保存または移送される場合、そうでない場合に生じる核酸の分解および/または分断を実質的に低減させ、またはそれを防ぐこともできる可能性があることがわかった。好都合なことに、安定剤が血漿内に導入されたならば、試料を冷蔵状態で保存または移送する必要がない。
【0016】
図1に示される実施例においては、試料採集容器10は、血漿の分離に適した端部が2つある管を含む。容器10は、血液の血漿または血清の処理に適したいかなる採集装置とすることもできる。容器10の適当な例としては、端部が閉じた管、単一壁管、および多層管などを含む。適当な容器10の例が、全体として参照することにより本明細書の一部を構成する、Ayresによる米国特許第3919085号(特許文献1)に開示されている。
【0017】
容器10は、ガラス、プラスチック、またはその他の適当な材料で作ることができる。採集容器10の製造に使用されるいくつかの好ましい材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびセルロース系材料が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレン、およびその他のフッ素化ポリマーなどのようなより高価なプラスチックが使用されてもよい。上記材料に加えて、その他の適当な材料の例としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、シリコーン、ポリウレタン、エポキシ化合物、アクリル樹脂、ポリアクリレート(ポリアクリル酸エステル)、ポリスルホン、ポリメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ならびに、PTFEテフロン(登録商標)、FEPテフロン(登録商標)、テフゼル(登録商標)、poly(ポリフッ化ビニリデン)、PVDF、およびパーフルオロアルコキシ樹脂などのフルオロポリマーなどを含む。石英ガラスを含むガラス製品も、採集装置の製造に使用することができる。ガラス製品の1つの例は、PYLEX(登録商標)(ニューヨーク州コーニング、Corning Glass社から入手可能)である。本発明の実施例に従って、セラミック製の採集装置を使用することもできる。本発明による採集装置を形成するために紙および強化紙などのようなセルロース系材料の容器も、使用可能である。
【0018】
一実施例において、本発明における試薬は、生体試料の保存または移送中に核酸の破壊を阻止することができる何れかの核酸安定用試薬である。これらの試薬は、細胞のタンパク質と共に核酸を塩析させる塩を含む。ほとんどの場合、これらの塩は、脱水剤である傾向がある。その試薬は、血漿または血清試料を安定化させ、核酸の分解および/または分断を阻止するまたは防ぐ安定した組成物を生成する。その技術分野で知られた様々な核酸安定剤が使用されてもよい。適当な例として、硫酸アンモニウム、重硫酸アンモニウム、硫酸セシウム、硫酸カドミウム、硫酸セシウム鉄(II)、硫酸コバルト(II)、硫酸銅(II)、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸亜鉛などのような、硫酸塩を含む。少なくとも1つの適当な安定剤が、RNAlater(商標)の商標名でAmbion社により市販されている。上記のように、細胞成分と試薬との接触を避けようとする場合、いかなる所望の作用をもたらすその他の試薬も可能である。そのような可能な試薬の1つは、タンパク質安定剤である。
【0019】
上述のように、細胞成分と試薬との接触を避けることが望まれる場合、いかなる所望の作用をもたらすその他の試薬も可能である。例えば、試薬が全血中の細胞を破損する場合、血清または血漿が分離されるまで、試薬を全血試料から分離しておくことが望ましい。
【0020】
その試薬は、溶液、懸濁液またはその他の液体、小丸剤、錠剤、カプセル、スプレードライ物質、フリーズドライ物質、粉剤、粒状剤、ゲル剤、結晶または凍結乾燥物質を含むいかなる適当な形式でもよいが、これに限定されない。その試薬は、その試薬と容器内のゲル分離部材などその他の要素との望ましくない相互作用を防ぐためにカプセルに封入され得る。試料採集時、溶解するカプセル物質は、その技術分野でよく知られている。さらに安定剤は、生体試料中におけるその分散および溶解度を高め、および/または最終的な生成物の製造およびその後の処理/移送中の安定性を向上させるように、他の賦形剤と混合され得る。例えば、いくつかのそのような物質としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、アビセル(商標)などの微結晶性セルロースなどを含む。図1に示す実施例においては、錠剤が容器10の下端部18に隣接して配置される状態で錠剤などの固形の試薬を有することが有用である。
【0021】
その採集容器が、好ましくは製造業者により予め安定剤を装填され、すぐ使用できる形式で包装可能である。通常、包装された採集装置は、滅菌されまた無菌包装材料で包装される。その試薬は、好ましくは、容器内に予め装填され、全血またはその他の生体試料が入るところから離して配置され、分離部材が、全血または分離されていない血液との接触を妨げるようにそれらの間に置かれる。例えば、この第1の実施例では、図2から分かるように、安定剤14が、分離部材12より下方で、全血30またはその他の生体試料の取入口の反対側に配置される。
【0022】
血漿または血清用の管内に分離部材を設け、安定剤が全血に接触することを防ぐことは、特に有利である。具体的には、全血が安定剤に接触する場合、安定剤の多くが細胞の溶解を引き起こす傾向がある。そのような溶解は、細胞内に正常に保持されている細胞成分をすべて放出させ、従って、所望の量またはタイプの核酸(DNA、RNA、vRNAなど)の取得に悪影響を及ぼす。分離部材12により、好都合なことには、安定剤が血液試料の細胞成分と接触または相互作用することが防止されると同時に、安定剤が血液試料の血漿または血清成分のみと選択的に接触または相互作用させることが可能になる。安定剤と血漿とが混合されるならば、血漿または血清内の核酸が安定化され、試料を冷蔵された状態で保存または輸送する必要がなくなる。
【0023】
その安定剤は、本実施例の採集装置内に様々な方法によって装填され得る。例示的な一方法として、安定剤の錠剤が遠心力によって動かないようにそれを装置内へと押し込み得る。他の方法は、キャリヤ上に安定剤をコーティングし、そして次に、それを装置内に押し込むことを含み得る。安定剤を備える採集装置を提供するためのさらなる方法もまた可能である。その安定剤の量および位置は、応用例の形態、使用される特定の安定剤、採集装置の内容積および内圧、および容器内に採集される生体試料の体積を含めて、変化する複数の要素によって決まる。
【0024】
再び図1を参照すると、分離部材12は、機械的分離装置を含むことができる。その機械的分離装置は、浮力分離装置として働くことにより、容器10内で、血液試料の細胞/血餅から血漿/血清を所望のように分離する。有用な機械的分離部材が、例えば、米国特許第6516953号(特許文献2)、第6406671号(特許文献3)、第6409528号(特許文献4)、及び、第6497325号(特許文献5)に見られ、その内容は、全体として参照することにより本明細書の一部を構成する。採集の間、その機械的分離部材は、リザーバ内の2つの部分の相互間に物理的な封止をもたらし、それによって、全血が安定剤と相互作用しないよう妨げる。遠心分離中、遠心力によって分離部材が引き伸ばされて、分離部材のシールの外径が縮小し、これにより、分離部材が血漿または血清とその他の成分との間のある位置に(密度に基づいて)移動可能とされ、血液成分がそれに関連して分離部材の外部の回りを流れることが可能になる。遠心分離が停止するとき、分離部材は、再び内側管壁を封止し、それによって血液成分を分離する。
【0025】
図4を参照すると、分離部材がゲル34を含む代替実施例が、示されている。そのゲルは、望ましくは、チキソトロピーポリマーゲルの調合物である。そのゲルは、ホモポリマーまたはコポリマーとすることができ、例えば、ポリシロキサンなどのシリコーンを基材にしたゲル、または、例えば、ポリアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、酸化されたシスポリブタジエン、ポリブテン、エポキシ化大豆油と塩化炭化水素の混合物、二酸およびプロパンジオールのコポリマー、水素化されたシクロペンタジエン、およびマレイン酸ジアルキルを含むαオレフィンのコポリマーなどの有機炭化水素を基礎にしたゲルを含むことができる。そのゲルは、望ましくは、その技術分野で知られた密度分離媒体として働くことにより、管内で血漿および/血清を、血液試料の細胞/血餅から分離する。ゲルを利用する、単一の端部を有する血漿処理用管の例が、Carrolらの米国特許第5906744号(特許文献6)に開示されており、その内容は、全体として参照することにより本明細書の一部を構成する。ゲルの分離材料の場合、安定剤とゲルとの間に、物理的または化学的分離部を設けることも望ましい。例えば、その安定剤の一部がゲルに混和するまたはゲルと反応するならば、その安定剤の効力が低減されるおそれがある。図4に示されるように、安定剤14をゲル34から分離するために、血漿によって可溶な障壁36が使用され得る。上述したように、カプセルが、その安定剤とゲルの間に化学的な障壁を設けるように代替的に使用され得る。採集の間、そのゲル分離部材は、障壁と共にリザーバ内の2つの部分の相互間に物理的なシールを形成し、それにより、全血が安定剤と相互作用することが妨げられる。その他の分離部材、例えば、フィルタまたは手動の分離要素がその技術分野で知られており、本発明にも適当であり得る。
【0026】
一般に、分離部材は、そのリザーバを第1および第2の部分に区切り、第1および第2の部分のうち一方が試薬を含む。他方の部分(すなわち、試薬を含んでいない方)は、例えば、凝固阻害または凝固活性化のための他の試薬を含み得る。凝固活性化剤(clot activating agent)は、シリカを基剤とされ得る。代替的に、凝固活性化剤は、カオリンまたはトロンビンとすることができる。凝固阻害剤(clot inhibiting agent)は、ヒルジン、ヒルジン誘導体、キレート剤、またはキレート剤の誘導体を含み得る。特定の血液凝固阻害剤としては、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸、ヘパリン、CPAD、CTAD、CPDA−1、CP2D、シュウ酸カリウム、フッ化ナトリウム、またはACDなどが挙げられる。
【0027】
図5から図15は、開口上端部および閉じた下端部を有する管を有する本発明の様々な実施例を示す。このような実施例では、通常、処理された血漿または血清試料が回収されるのと同じ端部内へと、血液が引込まれる。これには、試薬を開口端部、またはその付近に配置すること、および、試薬を血液試料の所望の部分に接触させるために試薬解放機構(好都合には、受動試薬解放機構)を使用することが必要となる。従って、その試薬解放機構は、血液採集および分離中に試薬を全血試料と接触させないようにするが、分離された(例えば遠心分離後の)試料の所望の成分と試薬が混合することを可能にする。試薬を血漿または血清試料と接触させるために(閉塞部をねじるまたはボタンを押すなど)特別な手動の工程を必要とする手動で作動される試薬解放機構とは対照的に、受動試薬解放機構は、分離処理によって作動される。
【0028】
図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、開口上端部および閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図5Aおよび図5Bは、管閉塞部102に対して封止するカップ104内に収容された試薬108を示す。予め圧縮されたばね105が、カップ104と充填管106との間に配置され、閉塞部102の存在によってその状態に保持される。そのカップは、充填管106上のフランジ109を用いて封止される。全血試料は、閉塞部102から充填管106を通り管100内に導入される。図5Cは、遠心分離中に、試薬アセンブリ111全体が閉塞部からY方向に離れ、血漿/血液107の表面に浮くことを示す。しかしながら、試薬カップ104は、浮力の差を利用して、または遠心分離中に部分的に巻かれたままとなるばねを選択することによって、封止されたままとなる。図5Dは、遠心分離の完了後、ばね105が試薬カップ104をX方向に持ち上げ、それにより、分離された血漿112に試薬108が入り、混合されることが可能になることを示す。(112は、また、図5D、図6D、図8Fからはっきりと分かるように、互いに混合された分離された血漿および試薬を表すことに留意されたい。)
図6Aから図6Eは、開口上端部および閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図6Aおよび図6Bは、遠心分離前に管閉塞部121の下面に懸架された伸縮式カップ120内に収容された試薬108を示す。図6Cは、試薬カップの上部即ち摺動カバー122が、遠心分離中に、Z方向に引き降ろされ圧縮ばね123によりかけられる力に打ち勝つことを示す。図6Dおよび図6Eは、遠心分離が完了する場合、2つのカップ部分120と122との間の摩擦により、ばね123がカップ120および122の両部分をA方向に押し上げることが可能になり、それによって、試薬108のための通路を開き、逃がし、分離された血漿112と混合することを示す。
【0029】
図7Aから図7Fは、開口上端部および閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図7Aおよび図7Bは、管閉塞部142に係合され充填管143に対し封止されたカップ140内に収容された試薬141を示す。アクセス管144が、充填管143内に配置され、ばね145が、充填管およびアクセス管における相補形のウインドー147とウインドー148とが揃えられる基準位置に配置される。図7Cは、遠心分離中、アクセス管144がX方向下方に、圧縮ばね145に抗して押し下げられ、それによって、ウインドーを閉じることを示す。次いで、図7Dは、遠心分離中のこの時点で、試薬カップ140がY方向に管閉塞部142から離れ、充填管におけるウインドー147のところに位置することを示す。図7Eおよび図7Fは、遠心分離後、アクセス管144が圧縮ばね145によってその基準状態に戻り、ウインドー147および148が再び揃い、試薬141が分離された血漿112中へ出ることが可能になることを示す。
【0030】
図8Aから図8Fは、開口上端部と閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図8Aおよび図8Bは、中空のボール152内に収容された試薬151を示す。中空のボール152の内部には、軽量のばね154によって管閉塞部に向けて付勢されたバラストウエイト153がある。図8Cは、バラストウエイト153が、ボール152の底部へとX方向に引かれた結果、遠心分離中、中空のボール152がシール155から解放され、中空のボール152の浮力により、血漿/血液156の表面に浮くことを示す。バラストウエイト153を動かすことによって重心が中空のボール152の底部へと移されることにより、ボール152が、試薬アクセス孔157を流体表面156より上にして安定して浮く。遠心分離後、図8Dは、ばね154が浮力の中心より上の元の休止位置へと戻った結果として、バラストウエイト153が再びY方向に上昇するであろうことを示す。これにより、中空のボール152が不安定になり、図8Eおよび図8Fに示されるように、Z方向に回転し、分離された血漿112中に試薬151を解放するだろう。
【0031】
図9Aから図9Dは、開口上端部と閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図9Aおよび図9Bは、遠心分離前の一体となったスプリングフィンガー163を備えるキャップ162の下に収容された試薬161を示す。試薬ハウジングは、管の底部側の半分まである内部リブ165によって支持された支持プレート164上に取り付けられる。スプリングフィンガー163は、ロッキングリング166によって固定位置に保持される。図9Cは、遠心分離中、ロッキングリング166がX方向に動き、スプリングフィンガー163を外れ、フィンガを開かせ、試薬キャップ161を解放することを示す。ただし、試薬161は、依然、キャップ161に作用している重力により遠心分離中もその解放が妨げられるので分離されたままとなる。図9Dは、遠心分離後、重力の低減により内部ばね167が試薬キャップ162をY方向に外すことが可能になり、その結果、試薬161を分離された血漿112と混合可能となることを示す。
【0032】
図10Aから図10Dは、開口上端部と閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図10Aおよび図10Bは、試薬171がツウーピースのカプセル172内に収容された遠心分離前の実施例を示す。カプセル172は、キャップ173および下側ハウジング174を備え、キャップ173は、下側ハウジング174におけるカムトラック176に係合する2つの歯175を有する。図10Cは、遠心分離中、カプセル172がX方向に試料を通過し、管の内面上の支持リブ177に接触するまで沈み、下側ハウジング174がそこで移動を停止することを示す。ただし、キャップ173は、ヘリカルカムトラック176に続いて進み続け、進むにつれてZ方向にねじれる。図10Dは、遠心分離後、キャップ173における歯175が、下側ハウジング174内の出口トラック178内に配置されることを示す。次いで、ばね179が、キャップ173および試薬171を分離された血漿112中に放出する。
【0033】
図11Aから図11Fは、開口上端部および閉じた下端部を有し、ゲル分離部材101を収容する管100を示す。図11A、図11B、図11Cは、遠心分離前の実施例を示し、試薬181が、カップ184、シールパッド185、およびカバー186からなり、2つのプラスチックカップが互いにパチンと嵌められることにより形成される封止されたチャンバアセンブリ182内に収容される。2つのフィンガ183が、スナップ構成189からチャンバの底部の外側に延びる。管の内面上の一体リブ188が、固定カムリング187を支持する。遠心分離状態で、図11Dおよび図11Eは、いかにして封止されたチャンバアセンブリ182が固定カムリング187内へと押し込まれるまで管内を下に移動し、次いで固定カムリング187が2つのフィンガ183を撓ませ、それによってチャンバアセンブリ182上のスナップ189を解放するかを示す。遠心分離が完了する場合、図11Fは、チャンバアセンブリ内の小さいばね190が、試薬錠剤181、チャンバのカバー186、およびシールパッド185を分離された血漿112中へ放出することを示す。
【0034】
図12Aから図12Eは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図12Aおよび図12Bは、遠心分離前の実施例を示し、試薬201が、試薬カップ203、シール204、キャリヤ205、およびエラストマーワッシャ206からなる封止されたチャンバアセンブリ202内に収容される。試薬カップ203は、キャリヤ205から解放され持ち上がるように、ばね207による負荷がかけられているが、線細工または板状のばね210によって保持されている。遠心分離状態で、図12Cは、試薬カップ203が、いかにしてR方向にエラストマーワッシャ206に抗して押し下げられ、それによって板ばね210を解放し、それをその基準位置へと戻すかを示す。遠心分離が完了する場合、図12Dおよび図12Eは、チャンバアセンブリ202内のばね207が試薬カップ203を持ち上げ、試薬201が、エラストマーワッシャ206の中央を通り出て、分離された血漿112中へ入ることが可能になることを示す。
【0035】
図13Aから図13Eは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図13Aおよび図13Bは、遠心分離前の実施例を示し、ペレット形の試薬221が2つのプラスチックの円筒、外側円筒223および貫通管224によって囲まれる環状チャンバアセンブリ222内に収容され、エラストマーワッシャ225がその両方に固定されチャンバの上部を取り囲み、ベルビルワッシャ227が、外側円筒223の下部に固定され、貫通管224に対し封止される。図13Cは、環状チャンバアセンブリ222がいかにしてその外側円筒の周縁部に沿って管の内面上のリブ226によって支持されるかを示す。遠心分離中、貫通管224の質量により、ベルビルワッシャ227が、P方向に恒久的に反転するように押される。これにより、エラストマーワッシャ225が引き伸ばされる。それから、図13Dおよび図13Eは、遠心分離が完了する場合、エラストマーワッシャ225がばねの復元力Qを貫通管224に対しもたらし、血漿中に入るように試薬221のための通路が開く。
【0036】
図14Aから図14Eは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図14Aおよび図14Bは、遠心分離前の実施例を示し、試薬231が開口下端部でカバープレート233およびシール234によって封止され、その上部で一体丁番238によって支持プレート237に取り付けられる転倒カップ232内に収容されている。バラストウエイト235がカップ232の片側に取り付けられ、一体成型されたプラスチック板ばね236が、反対側に配置される。図14Cは、遠心分離中、偏心バラストウエイト235により、いかにして、カップ232が一体丁番238の回りで、管100の内壁に接触し板ばね236を圧縮するまで回転するかを示す。カバープレート233は、遠心分離による重力が増大した状態で離れ、試薬錠剤231が滑り落ちる。図14Dは、試薬錠剤231がいかにして、管壁との接触によりカップから完全に出ないように妨げられるかを示す。図14Eは、遠心分離が完了する場合、板ばねがカップをその基準位置へ戻し、試薬錠剤231が分離された血漿112中に入ることが可能になることを示す。
【0037】
図15Aから図15Eは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図15Aおよび図15Bは、遠心分離前の実施例を示し、試薬錠剤241が転倒カップ246、カバー243、およびシールパッド244からなり、その上部で支持プレート245に取り付けられ、ばねの形で所定位置に保持されるチャンバアセンブリ242内に収容される。カバー243は、ばねアーム247およびシール244を支持プレート245に対して止める。図15Cは、遠心分離状態で、いかにしてばねアーム247がP方向に変形し、それによりカバー243が転倒カップ246から外れ、ゲル層101へと移動し、しかし、試薬錠剤241が、重力が増大するためたわみ位置にとどまるばねアーム247との接触により、完全にカップを出ることが妨げられるかを示す。図15Dおよび図15Eは、遠心分離が完了する場合、ばねアーム247がY方向に開き、試薬錠剤241が分離された血漿112中に入ることが可能になることを示す。
【0038】
図16Aから図16Dは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図16Aおよび図16Bは、遠心分離前の実施例を示し、試薬錠剤251が、穿孔された支持プレート254から懸架されたエラストマー管253からなるエラストマー管アセンブリ252内に収容され、また、バラストウエイト255および保護カバー256がエラストマー管253の底部に取り付けられる。図16Cは、遠心分離状態で、バラストウエイト255により、いかにしてエラストマー管253がP方向に引き伸ばされ、それによってその直径が小さくなり試薬錠剤251を半径方向に把持するかを示す。その結果、保護カバー256がエラストマー管253から外れ、ゲル層101へと移動するが、しかし、試薬錠剤251は、重力が増大した結果生じる半径方向の把持力によって、エラストマー管253から完全に出ないように妨げられる。図16Dは、遠心分離が完了する場合、エラストマー管253がその初期状態に戻り、それにより半径方向の把持力を減少させ、分離された血漿112中に試薬251を放出することを示す。
【0039】
図17Aから図17Dは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図17Aおよび図17Bは、遠心分離前の実施例を示し、試薬錠剤261が、周縁部にシールリング264を有するプレート263によって下側が封止された転倒カップ262内に収容される。プレート263は、転倒カップ262上の移動止め265によって所定位置に保持される。図17Cは、遠心分離中、いかにして転倒カップ262が、管100内の支持リブ267と接触するまで管100から引きおろされるかを示す。重力が増大することにより、プレート263は管内を下降し続け、移動止め265から開放されるが、転倒カップ262を出ることは妨げられる。図14Dは、遠心分離が完了する場合、重力が減少することにより、小さい圧縮ばね268によって転倒カップ262および試薬錠剤261が、プレートから分離された血漿112中へ解放されることが可能になることを示す。
【0040】
図18Aおよび図18Bは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材を収容する管100を示す。図18Aは、遠心分離前の実施例を示し、試薬錠剤271が、試薬カップ272内に収容され、管の開口端部に隣接する管100の内径および/または管閉塞部273の下面に固定されている。図18Bは、遠心分離中、いかにして試薬カップ272が管100内をP方向に管100の底部へと移動し、ゲル層101より下方に配置されるのに対して、試薬錠剤271が、管の開口端部に隣接する管100の内径、および/または管閉塞部273の下面に固定されたままとなるかを示す。次いで、露出した試薬271は、管を単に逆さまにすることによって、分離された血漿112と混合される。
【0041】
図19Aおよび図19Bは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材を収容する管100を示す。図19Aは、遠心分離前の実施例を示し、試薬錠剤281およびプラスチック矢じり282が、管100内の固定位置にあるカプセル283内に収容される。フォイル障壁284がカプセル283の基部を封止する間、遠心分離後、試料にアクセスするためのセプタム285がその上部に配置される。図19Bは、遠心分離中、いかにしてプラスチック矢じり282がフォイル障壁284を穿刺し、管100の底部へと降下し、ゲル層101より下方に配置され、次いで試薬錠剤281が落下し、部分的にカプセル283から外に出て、カプセル283と一体でありフォイル障壁284の下方に突出した3つの保持用フィンガ286によって血漿の液面287より上方に保持されるかを示す。次いで、露出された試薬281は、単に管100を逆さまにすることによって、分離された血漿112と混合される。
【0042】
図20Aから図20Dは、開口上端部と閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図20Aは、遠心分離前の実施例を示し、試薬291が、管閉塞部293の下面と嵌め合わされ、それによって封止される試薬カップ292内に収容される。図20Bは、遠心分離中に、いかにして試薬カップ292が管閉塞部293から離れ、血漿112の表面上に浮くかを示す。図20Cは、遠心分離が完了する場合、管100を逆さまにすることにより、試薬カップ292がゲル層101に向かって浮き、分離された血漿112中に試薬291を出すことを示す。図20Dは、遠心分離前において、試薬カップ295の設計における代替実施例を示す。
【0043】
図21Aおよび図21Bは、開口上端部および閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図21Aは、遠心分離前の実施例を示し、試薬301が、管閉塞部303の下面によって封止された試薬カップ302内に収容されている。図21Bは、遠心分離中、いかにして試薬カップ302が管閉塞部303から外れ、管の内壁内のトラック304をP方向に滑り落ちるかを示す。トラック304は、試薬カップ302と締り嵌めを形成するようにわずかに先細になっており、変位した位置306に試薬カップ302を保持する。次いで、露出した試薬錠剤301は、単に管100を逆さまにすることによって、分離された血漿112と混合される。
【0044】
図22Aから図22Cは、開口上端部および閉じた下端部を有しゲル分離部材101を収容する管100を示す。図22Aおよび図22Bは、遠心分離前の実施例を示し、管100の内壁およびキャップ313に取り付けられた薄い剥ぎ取り式のシール312の背後に試薬311が収容される。図22Cは、遠心分離が完了する場合、キャップ313がZ方向に回転され、シール312を剥がし、試薬311が分離された血漿112を混合可能になることを示す。
【0045】
上述の実施例にあるように、試薬解放機構は概ね、以下の要素によって機能する(それに限定されない)。
(a)試薬解放機構を閉じた状態に保持する(ばね、または、ベルビルワッシャなどの)バイアス要素。分離プロセス(例えば遠心分離)が付勢力に打ち勝ち、分離後に試薬との接触が可能になる(受動式)。
(b)分離後に手動で開くことができる、破断可能または穿刺可能な小袋/仕切り(手動式)。
(c)管閉塞部に取り付けられ、この閉塞部に取り付けられたことにより、試薬解放機構が閉じた状態で保持される容器。分離プロセス(例えば遠心分離)が取付力に打ち勝ち、容器を解放し、分離後、試薬との接触が可能になる(受動式)。または、
(d)カバーに取り付けられた容器であって、そのカバーが試薬との接触を防ぐ。分離プロセス(例えば遠心分離)が取付力に打ち勝ち、カバーを解放し、分離後、試薬との接触が可能になる。
例えば、分離プロセスがロック機構を解放するが、容器または通路を開くように手動工程が必要とされる場合など、受動式と手動式のいくつかの組合せが可能であることに留意されたい。
【0046】
上述実施例にあるように、試薬解放機構は、概ね以下のように配される(それに限定されない)。
(a)管閉塞部に直接的に取り付けられる。
(b)例えば、閉塞部付近に配置された構造部材上に載るように管閉塞部に隣接する。
(c)管の内壁と一体のリブなどの構造部材上に載っている分離部材の最終位置に隣接するがそれより上方の管の位置。
【0047】
本発明の装置は、様々なチューブコーティング(tube coatings)、または安定剤に添加するその他の化合物を含んでもよい。代替の一実施例においては、スプレードライされた抗凝固剤調合物が、全血試料と相互作用させるように、容器の内側に被覆されてもよい。本発明の装置に血液が採集された後、血液を凝固させるカスケード反応が生じる場合がある。抗凝血剤は、凝固を引き起こすカスケード機構を阻止することによって、血液凝固を防ぐために使用される物質である。血漿試料を全血から採集するために、通常、抗凝血剤が、試料の完全無欠性を維持するために直ちに加えられる。クエン酸ナトリウム、ヘパリン、EDTAカリウムなどの多くのタイプの抗凝血剤を含む血漿採集用の管が市販されている。使用する抗凝血剤のタイプの選択は、bDNA法、PCR法、または核酸検査で使用されるその他の増幅技術との干渉を避けるように選択され得る。血漿/血清の採集に適した市販の採血管としては、以下のものが挙げられる。すべてニュージャージー州Franklin LakesのBecton,Dickinson and Company社から、Becton,Dickinson and Company社に属する登録商標および商標として販売されている、VACUTAINER(登録商標)血液用チューブ(hematology tubes)、カタログ番号367650−1、367661、6405、6385、6564、367653、367665、367658、367669、6450−8、6535−37および367662;VACUTAINER(登録商標),KEDTAチューブ、カタログ番号367841−2、367856、および367861;VACUTAINER(登録商標)PSTチューブ、カタログ番号367793−4、6698、6595、および6672;VACUTAINER(登録商標)CPTチューブ、カタログ番号362753、および362760−1;VACUTAINER(登録商標)SSTチューブ、カタログ番号367782−89、6509−17、および6590−92;ならびに、VACUTAINER(登録商標)ACDチューブ、カタログ番号367756、364012、および4816。
【0048】
本発明の装置は、核酸検査用の検体を採集および調製するために使用され得る。まず、管内に配置された安定剤から全血試料を隔離したまま、全血試料または前処理された血液の細胞分画などの検体が、準備された管内に採集される。次に、管を遠心分離機にかけて、赤血球、白血球、および血小板から血漿を分離させ、より高密度の白血球、赤血球、および血小板と、より低密度の血液試料の血漿分画との中間点に分離部材が移動するようにし、それによって、血漿の隔離およびそれに続く取出しを促進する。その管内の血漿は、例えば、管を手で逆さまにすることによって、核酸安定剤と接触しそれと混合される。
【0049】
本発明は、製薬会社、生物工学会社、臨床試験受託機関、大学の研究者、研究病院、および核酸の研究への関心を有するいかなる機関または個人によって使用され得る。本発明により、研究者は、冷蔵状態での保存または輸送の必要なしに、後続の分析用の血漿試料を簡便かつ容易に保護および処理することが可能になる。さらに、本発明は、選択された血液成分にのみ接触させることが望まれる、いかなる試剤と共に使用することもできる。
【0050】
さらに、本発明のアセンブリは、開業医によるいかなる追加工程または処理も必要とせず、血液または流体試料を、標準的なやり方で標準的な試料採集機器を使用して採集することができる。
【0051】
なお、各実施例において、ゲル分離部材を示す部分に代わりに機械的分離部材が使用可能であり、またその逆も可能であることに留意されたい。また、血漿という用語について述べる部分に、血清などいかなる分離された血液成分を当てはめることもでき、またその逆も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例に従う血液採集装置の断面図である。
【図2】試料の装置内への導入中であるが遠心分離前の、図1の血液採集装置の断面図である。
【図3】180°まで回転され、複数の成分に遠心促進分離した後の図2の試料の断面図である。
【図4】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図5A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図5B】図5Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図5C】遠心分離の初期段階で全試料を収容した図5Aの血液採集装置の断面図である。
【図5D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図5Aの血液採集装置の断面図である。
【図6A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図6B】遠心分離前における図6Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図6C】遠心分離中における図6Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図6D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図6Aの血液採集装置を示す断面図である。
【図6E】遠心分離後における図6Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図7A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図7B】遠心分離前における図7Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図7C】遠心分離の初期段階で図7Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図7D】遠心分離の最終段階で図7Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す断面図である。
【図7E】遠心分離後における図7Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す断面図である。
【図7F】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図7Aの血液採集装置の断面図である。
【図8A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図8B】遠心分離前における図8Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図8C】遠心分離中における図8Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図8D】遠心分離直後における図8Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図8E】遠心分離後における図8Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図8F】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図8Aの血液採集装置を示す断面図である。
【図9A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図9B】遠心分離前における図9Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図9C】遠心分離中における図9Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図9D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図9Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す断面図である。
【図10A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図10B】遠心分離前における図10Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図10C】遠心分離中における図10Aの血液採集装置の断面図である。
【図10D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図10Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す断面図である。
【図11A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図11B】遠心分離前における図11Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図11C】平面M−Mから見た図11Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す断面図である。
【図11D】遠心分離中における図11Aの血液採集装置の断面図である。
【図11E】遠心分離中における図11Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図11F】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図11Aの血液採集装置を示す断面図である。
【図12A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図12B】遠心分離前における図12Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図12C】遠心分離中における図6Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図12D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図6Aの血液採集装置の断面図である。
【図12E】遠心分離後における図12Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図13A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図13B】遠心分離前における図13Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図13C】遠心分離中における図13Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図13D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図13Aの血液採集装置の断面図である。
【図13E】遠心分離後における図13Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図14A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図14B】遠心分離前における図14Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図14C】遠心分離の初期段階で図14Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図14D】遠心分離の最終段階で図14Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図14E】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図14Aの血液採集装置の断面図である。
【図15A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図15B】遠心分離前における図15Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図15C】遠心分離中における図15Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図15D】遠心分離後における図15Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図15E】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図15Aの血液採集装置の断面図である。
【図16A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図16B】図16Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図16C】遠心分離中における全試料を収容した図16Aの血液採集装置の断面図である。
【図16D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図16Aの血液採集装置の断面図である。
【図17A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図17B】図17Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図17C】遠心分離中における図17Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図17D】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図17Aの血液採集装置の断面図である。
【図18A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図18B】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図18Aの血液採集装置の断面図である。
【図19A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図19B】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図19Aの血液採集装置の断面図である。
【図20A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図20B】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図20Aの血液採集装置の断面図である。
【図20C】遠心分離後、180°まで反転され、所望の別々の成分と試薬との混合を促進する図20Aの血液採集装置を示す断面図である。
【図20D】ゲル分離部材を有する図20Aの血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図21A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図21B】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図21Aの血液採集装置の断面図である。
【図22A】ゲル分離部材を有する本発明の血液採集装置の代替実施例を示す断面図である。
【図22B】図22Aの血液採集装置の試薬解放機構を示す拡大断面図である。
【図22C】複数の成分に遠心促進分離後、試薬解放機構が作動した図22Aの血液採集装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を採集するための装置であって、
第1の開口端部および第2の開口端部を有する容器と、
前記容器内で前記第1の開口端部と前記第2の開口端部との間に配され、前記試料を別々の成分に分離することができる分離部材と、
前記第1の開口端部と前記部材との間の空間によって形成されたリザーバ部と、
前記部材と前記第2の開口端部との間に配置された少なくとも1つの試薬と、
を含む装置。
【請求項2】
前記容器は、前記第1の開口端部内および前記第2の開口端部内に閉塞部を有する管である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記管は、大気圧より低い圧力に排気される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記核酸安定剤は、全血試料から分離された血漿または血清成分と選択的に接触するように配置される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記分離部材は、機械的分離要素である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記分離部材は、ゲルである請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ゲルの分離部材は、前記試薬から物理的に分離される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記分離部材は、血漿と残存する細胞成分との中間、または血清と赤血球との中間の密度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記分離部材は、フィルタである請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記試薬は、溶液、懸濁液またはその他の液体、小丸剤、錠剤、カプセル、スプレードライ物質、フリーズドライ物質、粉剤、粒状剤、ゲル剤、結晶および凍結乾燥物質からなる群から選択される形式である請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記試薬は、タンパク質安定剤である請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記リザーバ部分は、血液凝固阻害または血液凝固活性化のための試剤を含む請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記血液凝固活性化剤は、シリカを基剤としたものである請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記管は、さらに抗凝血剤を含む請求項1に記載の装置。
【請求項16】
検体採集および調製のための方法であって、
閉塞部を有する開口上端部および閉塞部を有する開口下端部と、前記上端部と前記下端部との間に配置され、それによって前記上端部と部材の間にリザーバ部分を形成し、前記試料を別々の成分に分離することができる分離部材と、前記部材と前記下端部との間に配置された少なくとも1つの試薬とを含む管を設け、
前記採集された試料は前記試薬から分離されたまま、前記リザーバ部分に試料を採集し、
前記管を、前記試料を別々の成分に分離させる処理にかけ、
分離を引き起こす前記処理が混合を引き起こすことによって、または別個の混合工程によって、前記試料の前記所望の別々の成分を前記試薬と混合させることを含む方法。
【請求項17】
前記試料は、全血である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記管を、前記試料を分離させる処理にかける前記工程、および前記試料の前記所望の別々の成分を前記試薬と混合させる前記工程は、
前記下端部を上に向けて前記管を遠心分離機内に配置し、
血漿または血清を前記残存する血液成分から分離させるために前記管を遠心分離機に配置し、
前記血漿または血清を前記試薬に接触させることを可能にし、または前記試薬との接触を開始させるために前記管を逆さまにすることを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記試薬と接触する前記別々の成分は、血漿である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記混合する工程は、前記管を逆さまにすることを含む請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記試料を分離させる前記処理は、遠心分離である請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記分離部材は、機械的分離要素である請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記分離部材は、ゲルである請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記ゲル分離部材は、前記試薬から物理的に分離される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記分離部材は、フィルタである請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記試薬は、溶液、懸濁液またはその他の液体、小丸剤、錠剤、カプセル、スプレードライ材料、フリーズドライ材料、粉剤、粒状剤、ゲル剤、結晶および凍結乾燥材料からなる群から選択される形式である請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記混合する工程は、前記管を逆さまにすることを含む請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記試薬は、タンパク質安定剤である請求項16に記載の方法。
【請求項31】
生体試料を採集するための装置であって、
第1の開口端部および閉じた下端部を有する容器と、
前記容器内に配置され、前記試料を別々の成分に分離させることができる分離部材と、
前記分離部材より上方に配置された少なくとも1つの試薬解放機構と、
前記試薬解放機構内に配置された少なくとも1つの試薬とを備え、
前記試薬解放機構は、前記生体試料が別々の成分に分離される後まで、前記試薬と前記生体試料との接触を防ぐ装置。
【請求項32】
前記分離部材は、前記閉じた下端部に配置される請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記分離部材は、前記上端部と前記下端部との中間に配置される請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記試薬解放機構は、前記第1の開口端部に配置される請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記容器は、前記第1の開口端部内に閉塞部を有する管である請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記試薬解放機構は、前記閉塞部に固定されている請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記試薬解放機構は、前記管の前記内壁上の一体の構造部材によって支持される請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記構造部材は、一体的なリブを含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記管は、大気圧より低い圧力に排気される請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項31に記載の装置。
【請求項41】
前記核酸安定剤は、前記全血から分離された血漿または血清成分と選択的に接触するように配置される請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記分離部材は、機械的分離要素である請求項31に記載の装置。
【請求項43】
前記分離部材は、ゲルである請求項31に記載の装置。
【請求項44】
前記ゲル分離部材は、前記試薬から物理的に分離される請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記分離部材は、血漿と残存する細胞成分との中間、または血清と赤血球との中間の密度を有する請求項31に記載の装置。
【請求項46】
前記分離部材は、フィルタである請求項31に記載の装置。
【請求項47】
前記試薬は、溶液、懸濁液またはその他の液体、小丸剤、錠剤、カプセル、スプレードライ材料、フリーズドライ材料、粉剤、粒状剤、ゲル剤、結晶または凍結乾燥材料からなる群から選択される形式である請求項31に記載の装置。
【請求項48】
前記試薬は、タンパク質安定剤である請求項31に記載の装置。
【請求項49】
前記試薬解放機構を作動させることにより、前記試薬が望ましくない成分と接触せずに、前記分離された生体試料の前記所望の別々の成分と接触することが可能になる請求項31に記載の装置。
【請求項50】
前記試薬解放機構は、受動式作動システムを含む請求項31に記載の装置。
【請求項51】
前記試薬解放機構により、前記試薬解放機構アセンブリからカバーを外すことによって、前記試薬が前記別々の成分と接触可能となる請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記試薬解放機構により、前記解放機構アセンブリ内の試薬出口を開くことによって、前記試薬が前記別々の成分と接触可能となる請求項50に記載の装置。
【請求項53】
前記試薬解放機構は、前記生体試料の遠心分離によって作動される請求項31に記載の装置。
【請求項54】
前記試薬解放機構は、前記生体試料の分離後、手動の動作によって作動される請求項31に記載の装置。
【請求項55】
前記容器はさらに、抗凝血剤を含む請求項31に記載の装置。
【請求項56】
検体の採集および調製のための方法であって、
閉塞部を有する上端部および閉じた下端部と、前記容器内に配置され試料を別々の成分に分離することができる分離部材と、前記分離部材より上方に配置された試薬を含む少なくとも1つの試薬解放機構とを含む管を設け、
前記試料が前記試薬から分離されるように前記管内に前記試料を採集し、
前記管を、前記試料を別々の成分に分離させる処理にかけ、
前記試薬を前記別々の成分と接触させることが可能になるように、手動で、または分離を引き起こす処理の作用によって、前記試薬解放機構を作動させ、
分離を引き起こす前記処理で前記混合を引き起こすことを可能にすることによって、または別個の混合工程によって、前記試料の前記望ましい別々の成分と前記試薬を混合することを含む方法。
【請求項57】
前記試料は、全血である請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記管を、前記試料を分離させる処理にかける前記工程、および前記試薬解放機構を作動させる前記工程は、
前記管を、前記上端部を上に向けて遠心分離機内に配置し、
血漿または血清を残りの血液成分から分離させるために前記管を遠心分離機にかけ、
前記試薬解放機構を手動で作動させること、または前記機構が前記遠心分離時に作動することを可能にすることを含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記試薬と接触する前記別々の成分は、血漿である請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項58に記載の方法。
【請求項61】
混合する工程は、前記管を手動で逆さまにすることを含む請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記試料を分離させる前記処理は、遠心分離である請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記分離部材は、機械的分離要素である請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記分離部材は、ゲルである請求項56に記載の方法。
【請求項65】
前記ゲル分離部材は、前記試薬と物理的に分離される請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記分離部材は、フィルタである請求項56に記載の方法。
【請求項67】
前記試薬は、溶液、懸濁液またはその他の液体、小丸剤、錠剤、カプセル、スプレードライ材料、フリーズドライ材料、粉剤、粒状剤、ゲル剤、結晶または凍結乾燥材料からなる群から選択される形式である請求項56に記載の方法。
【請求項68】
前記試薬解放機構は、受動式作動システムを含む請求項56に記載の方法。
【請求項69】
前記試薬解放機構により、前記試薬解放機構アセンブリからカバーを外すことによって、前記試薬が前記別々の成分と接触可能になる請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記試薬解放機構により、前記解放機構アセンブリ内の試薬出口を開くことによって、前記試薬が前記別々の成分と接触可能になる請求項68に記載の装置。
【請求項71】
前記試薬解放機構は、前記生体試料の遠心分離によって作動される請求項56に記載の方法。
【請求項72】
前記試薬解放機構は、前記生体試料の前記分離処理後、手動で作動される請求項56に記載の方法。
【請求項73】
前記試薬は、核酸安定剤である請求項56に記載の方法。
【請求項74】
前記試薬は、タンパク質安定剤である請求項56に記載の方法。
【請求項75】
前記試薬解放機構は、分離前、前記閉塞部に固定される請求項56に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【公表番号】特表2007−501398(P2007−501398A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522733(P2006−522733)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/025355
【国際公開番号】WO2005/014173
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】