生体組織処理装置
【課題】何らかの原因によるエラーの発生により工程が停止した場合においても、最終的に取得される生体由来細胞群の健全な細胞数が低下してしまう不都合を防止する。
【解決手段】生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部１３と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部１１と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマー１２と、該タイマー１２により計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部１３とを備える生体組織処理装置を提供する。
【解決手段】生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部１３と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部１１と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマー１２と、該タイマー１２により計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部１３とを備える生体組織処理装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、生体組織処理装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ヒトの脂肪組織を採取して、消化酵素および生理食塩水とともに攪拌することにより脂肪組織内に含まれる脂肪由来細胞群を分離する技術が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
この技術においては、分離された脂肪由来細胞群を含む細胞懸濁液は、遠心分離機によって遠心処理されることにより、遠心分離容器内において脂肪由来細胞群のペレットと上清とに分離される。この状態で、遠心分離容器内にシリンジ等を挿入してペレットを吸引することにより、濃縮された脂肪由来細胞群を得ることができる。
【０００３】
【特許文献１】国際公開第０３／０５３３４６号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の生体処理装置においては、何らかの原因によって脂肪由来細胞群を得る種々の工程が停止した場合に、作業者により行われる復旧作業に時間がかかると、停止した工程によっては消化酵素の作用によって、細胞がダメージを受けてしまう可能性がある。この場合に、最終的に取得される脂肪由来細胞群の内の健全な細胞数が少なくなってしまうという不都合がある。
【０００５】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、何らかの原因によるエラーの発生により工程が停止した場合においても、最終的に取得される生体由来細胞群の健全な細胞数が低下してしまう不都合を防止することができる生体組織処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、該タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置を提供する。
【０００７】
本発明によれば、何らかの原因によって処理中にエラーが発生すると、第１の報知部がエラー内容を判別してそのエラーの発生を報知し作業者に対して復旧作業が促されるとともに、タイマーによりエラー発生からの経過時間の計数が開始される。そして、第２の報知部は、記憶部に記憶されている復旧作業の制限時間とエラー発生からの経過時間とを比較して経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する。これにより、取得された細胞がダメージを受けてその健全性が損なわれた状態で最終的な生体由来細胞群として取得される不都合を防止することができる。
【０００８】
この場合において、記憶部にはエラー内容と経過時間とが対応づけられて記憶されているので、エラー内容毎に適正な復旧作業の制限時間が選択される。これにより、緊急に復旧の必要なエラー内容に対して復旧作業に多くの時間が費やされて、回復できないダメージが与えられたまま生体由来細胞群が取得されてしまったり、十分に復旧作業の時間が確保できるエラー内容に対して、復旧作業を急がされてしまったりする不都合を防止できる。
【０００９】
上記発明においては、生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、前記記憶部に、処理工程と復旧作業の制限時間とが対応づけられて記憶されていてもよい。
このようにすることで、処理工程毎に適正な復旧作業の制限時間が選択される。例えば、生体組織を消化酵素液により分解する工程においては、制限時間が短く設定されることで、生体由来細胞の細胞膜がダメージを受けないようにすることができる。また、消化酵素液を用いない洗浄工程等においては、比較的長い制限時間が設定されることで、十分に余裕を持った復旧作業を行うことができる。
【００１０】
また、上記発明においては、エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、該作業入力部への入力時点で前記制限時間から前記経過時間を減算して新たな制限時間を算出する制限時間算出部と、前記作業入力部への入力後、同一の内容のエラーが発生したときには、前記第２の報知部は、前記経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知することとしてもよい。
【００１１】
このようにすることで、作業者が作業入力部において復旧作業の終了を入力すると、制限時間算出部において新たな制限時間が算出される。その後、同一のエラー内容が発生したときは新たな制限時間を経過時間が越えた場合に、第２の報知部により処理の中止が作業者に報知される。例えば、生体組織を消化酵素液により分解する工程において２回のエラーが発生した場合に、その合計の経過時間が最初に設定されている経過時間を越えた場合に処理を中止することにより、生体由来細胞の細胞膜が大きなダメージを受けないようにすることができる。
【００１２】
また、上記発明においては、前記制限時間から前記経過時間を減算した残り時間を報知する第３の報知部を備えていてもよい。
このようにすることで、作業者は、第３の報知部により報知される制限時間までの残り時間を参照して、制限時間内に復旧作業を終わらせることができ、それによって、生体由来細胞が深刻なダメージを受ける不都合の発生を防止することができる。
【００１３】
また、本発明は、生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、処理工程と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、該作業入力部への入力時点の前記経過時間を前記記憶部に記憶されている当該処理工程における制限時間から減算した残り時間の当該処理工程の制限時間に対する比率を、前記記憶部に記憶されているその後の処理工程の制限時間に乗算して新たな制限時間とし、その後の処理工程において、前記タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置を提供する。
【００１４】
前の処理工程においてエラーが発生した場合に、その復旧処理に要した経過時間が、当該前の処理工程に対して記憶されている制限時間の範囲内であっても、生体由来細胞はその経過時間に応じたダメージを受けるので、それを考慮する必要がある。本発明によれば、前の処理工程における残り時間の制限時間に対する比率をその後の処理工程における制限時間に乗算して新たな制限時間を算出することにより、それまでの処理工程で生体由来細胞に与えられたダメージを考慮して、処理の中止を判断することができ、回復できないダメージが与えられたまま生体由来細胞群が取得されてしまう不都合を防止できる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、何らかの原因によるエラーの発生により工程が停止した場合においても、最終的に取得される生体由来細胞群の健全な細胞数が低下してしまう不都合を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
本発明の一実施形態に係る生体組織処理装置１について、図１および図２を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織処理装置１は、図１に示されるように、生体組織、例えば、脂肪組織を洗浄液で洗浄した後、消化酵素液とともに攪拌することで分解し、単離された生体由来細胞を含む細胞懸濁液を取得する分解処理槽（分解処理部）２と、該分解処理槽２において取得された細胞懸濁液を遠心処理することにより、生体由来細胞を分離する細胞分離部（遠心分離機）３と、これらを制御する制御部４と、分解処理槽２および細胞分離部３において発生したエラーを処理するエラー処理部５とを備えている。
【００１７】
分解処理槽２と細胞分離部３とは配管系６で接続され、分解処理槽２から出力された細胞懸濁液は配管系６に設けられた送給ポンプ７およびバルブ８が駆動されることにより、細胞分離部３に送られるようになっている。また、分離処理槽２および細胞分離部３において発生した廃液は送給ポンプ７の駆動およびバルブ８の切替により廃液容器９に排出されるようになっている。
制御部４は、分解処理槽２、細胞分離部３および配管系６を制御する一方、何らかの原因によって処理が中断した場合に、その中断を検出して、エラーの発生と、処理工程におけるどの段階でのエラーなのかをエラー処理部５に通知するようになっている。
【００１８】
エラー処理部５は、図２に示されるように、制御部４からエラーの段階が通知された場合に、そのエラー内容を判定する判定部１０と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部１１と、エラーの発生からの経過時間を計数するタイマー１２と、エラーの発生および復旧作業の中止を報知する報知部１３と、復旧作業が終了した時点で作業者が作業終了を入力する作業入力部１４とを備えている。
【００１９】
判定部１０は、制御部４から通知されたエラーの段階が、分解処理槽２における洗浄工程および分解工程、細胞分離部３における遠心処理工程のいずれかの処理中に発生したエラーであるかを判別し、その工程をエラーの内容として特定するようになっている。
記憶部１１は、エラーの内容、すなわち、処理工程毎に復旧作業の制限時間を記憶している。
【００２０】
例えば、分解処理槽２における洗浄工程では、洗浄液として使用される生理食塩水やリンゲル液内にはタンパク質分解酵素のような消化酵素が含まれていないので、比較的長時間にわたって生体組織が洗浄液に浸漬されていても細胞がダメージを受ける危険性が低い。したがって、洗浄工程において処理が中断した場合には、復旧作業のための制限時間としては比較的長い時間が設定されている。
【００２１】
また、分解処理槽２における分解工程では、生体組織が消化酵素液に浸漬されて加温され、生体組織の分解が促進されるので、処理が中断して長時間浸漬されたままの状態に報知されると細胞がダメージを受ける危険性が高い。したがって、分解工程において処理が中断した場合には、復旧作業のための制限時間としては比較的短い時間が設定されている。
【００２２】
また、細胞分離部３における遠心処理工程では、生体組織から分解された生体由来細胞群が消化酵素液とともに細胞懸濁液として送られてきた初期において、処理が中断すると、細胞がダメージを受ける危険性が高いが、複数回にわたる遠心処理と洗浄液による洗浄とが繰り返された終期において処理が中断した場合には細胞がダメージを受ける危険性が低い。したがって、遠心処理工程において処理が中断した場合には、処理の経過に応じて段階的に復旧作業の制限時間が長くなるように設定されている。
【００２３】
また、記憶部１１は、報知部１３から残り時間が送られてきた場合には、その残り時間とエラー内容とを対応づけて記憶するようになっている。そして、同一の段階で同一のエラー内容が通知されてきたときには、記憶部１１は、記憶している残り時間を制限時間として報知部１３に出力するようになっている。
【００２４】
エラー処理部５は、制御部４からエラーの段階が通知された時点で、報知部１３を介してエラーの発生を作業者に報知し、それによって、作業者に、復旧作業を促すようになっている。また、エラー処理部５は、制御部４からエラーの段階が通知された時点で、タイマー１２を作動させ、エラーの発生からの経過時間の計数を開始させるようになっている。
【００２５】
また、報知部１３は、タイマー１２により計数された経過時間が、設定された復旧作業の制限時間を超えか否かを判定し、越えた場合に、復旧作業の中止を作業者に報知するようになっている。
さらに、報知部１３は、設定された復旧作業の制限時間からタイマー１２により計数された経過時間を減算して得られた残り時間を作業者に報知するようになっている。
また、報知部１３は、作業者が作業入力部１４に復旧作業の作業終了を入力すると、その時点での残り時間を記憶部１１に出力するようになっている。
【００２６】
このように構成された本実施形態に係る生体組織処理装置１によれば、生体組織の処理中に何らかの原因で処理が中断した場合には、報知部１３によりエラーの発生が報知されるので、作業者はこれを確認することで、復旧作業を開始することができる。また、エラーが発生するとタイマー１２が作動して経過時間が計数され、中断された処理工程に応じた制限時間を超えた場合に処理の中止が作業者に報知されるので、細胞が深刻なダメージを受けて健全性が失われてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
【００２７】
すなわち、細胞が消化酵素液に接触している場合のように、長時間放置されたのでは細胞が深刻なダメージを受けるような場合には、比較的短い制限時間が設定されることにより、早期に復旧作業を終了できないときには処理を強制的に中止して、ダメージを受けたままの生体由来細胞群が取得されてしまう不都合の発生を防止することができる。
一方、細胞が消化酵素液に接触していない場合のように、長時間放置されても細胞に深刻なダメージを受けない場合には。比較的長い声援時間が設定されることにより、十分に余裕を持って復旧作業を行うことができるという利点がある。
【００２８】
また、本実施形態によれば、エラー処理部５は、制限時間から経過時間を減算した残り時間を作業者に報知するので、作業者は、制限時間内に終えるように復旧作業を行うことができる。
また、本実施形態によれば、復旧作業の終了により作業者が作業入力部１４から作業終了を入力した後に、制御部４から再度同一のエラーの段階が通知された場合には、制限時間がリセットされるのではなく、それまでの復旧作業にかかった作業時間が差し引かれた残り時間が新たな制限時間となるので、エラーが複数回にわたっても細胞が深刻なダメージを受けないようにすることができる。
【００２９】
なお、報知部１３による報知の方法としては、モニタに文字または記号として表示する場合の他、スピーカから音声や警報音により報知したり、ランプの点灯あるいは点滅によって報知したりする等、任意の方法を採用することができる。また、記憶部１１には復旧作業の内容を併せて記憶していて、エラーの発生の報知に際して復旧作業の内容を同時に報知することにしてもよい。
【００３０】
また、本実施形態においては、報知部１３が、エラーの発生、復旧作業の中止および残り時間を報知し、かつ、記憶部１１に記憶されている制限時間とタイマー１２から送られてきた経過時間とから残り時間を算出することとしたが、これに代えて、これらを機能別に分離してもよい。
【００３１】
また、図３に示されるように、各処理工程毎にエラー処理の制限時間Ｔ０を記憶部１１に記憶しておき、いずれかの処理工程においてエラーが発生し、制限時間Ｔ０内に復旧作業が終了した場合には、タイマー１２により計数された経過時間ｔを制限時間Ｔ０から減算した残り時間（Ｔ０−ｔ）の制限時間Ｔ０に対する比率α＝（Ｔ０−ｔ）／Ｔ０を、その後の処理工程に対して記憶部１１に記憶されている制限時間に乗算して新たな制限時間としてもよい。
【００３２】
具体的には、Ｎ番目の処理工程で最初のエラーが発生し、制限時間ＴＮ０内に復旧作業が終了した場合には、経過時間ｔＮを制限時間ＴＮ０から減算した残り時間（ＴＮ０−ｔＮ）の制限時間ＴＮ０に対する比率αＮ＝（ＴＮ０−ｔＮ）／ＴＮ０を、２回目のエラーが発生したＭ番目（Ｍ≧Ｎ）の処理工程に対して記憶されている制限時間ＴＭ０に乗算して新たな制限時間ＴＭ＝αＮＴＭ０を設定する。３回目のエラーが発生したＰ番目（Ｐ≧Ｍ）の処理工程においても同様である。
【００３３】
これにより、各処理工程において制限時間が異なっても、前のエラー発生時において細胞に与えられたダメージを考慮して復旧作業を行わせることができ、細胞の健全性を保持することができる。
すなわち、一の処理工程で制限時間の半分を復旧作業に費やした場合には、その復旧作業により、細胞には制限時間分の作業時間が費やされた場合の５０％のダメージが与えられたと考えることができる。したがって、次のエラーが発生した処理工程（同じ処理工程またはその後の処理工程）での制限時間を、残りの５０％のダメージを許容できる制限時間とすることにより、処理工程毎に異なる制限時間に適応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の一実施形態に係る生体組織処理装置を示すブロック図である。
【図２】図１の生体組織処理装置のエラー処理部を示すブロック図である。
【図３】図１の生体組織処理装置の変形例における制限時間の一例を示す図表である。
【符号の説明】
【００３５】
１ 生体組織処理装置
１１ 記憶部
１２ タイマー
１３ 報知部（第１の報知部、第２の報知部、第３の報知部、制限時間算出部）
１４ 作業入力部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、生体組織処理装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ヒトの脂肪組織を採取して、消化酵素および生理食塩水とともに攪拌することにより脂肪組織内に含まれる脂肪由来細胞群を分離する技術が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
この技術においては、分離された脂肪由来細胞群を含む細胞懸濁液は、遠心分離機によって遠心処理されることにより、遠心分離容器内において脂肪由来細胞群のペレットと上清とに分離される。この状態で、遠心分離容器内にシリンジ等を挿入してペレットを吸引することにより、濃縮された脂肪由来細胞群を得ることができる。
【０００３】
【特許文献１】国際公開第０３／０５３３４６号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の生体処理装置においては、何らかの原因によって脂肪由来細胞群を得る種々の工程が停止した場合に、作業者により行われる復旧作業に時間がかかると、停止した工程によっては消化酵素の作用によって、細胞がダメージを受けてしまう可能性がある。この場合に、最終的に取得される脂肪由来細胞群の内の健全な細胞数が少なくなってしまうという不都合がある。
【０００５】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、何らかの原因によるエラーの発生により工程が停止した場合においても、最終的に取得される生体由来細胞群の健全な細胞数が低下してしまう不都合を防止することができる生体組織処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、該タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置を提供する。
【０００７】
本発明によれば、何らかの原因によって処理中にエラーが発生すると、第１の報知部がエラー内容を判別してそのエラーの発生を報知し作業者に対して復旧作業が促されるとともに、タイマーによりエラー発生からの経過時間の計数が開始される。そして、第２の報知部は、記憶部に記憶されている復旧作業の制限時間とエラー発生からの経過時間とを比較して経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する。これにより、取得された細胞がダメージを受けてその健全性が損なわれた状態で最終的な生体由来細胞群として取得される不都合を防止することができる。
【０００８】
この場合において、記憶部にはエラー内容と経過時間とが対応づけられて記憶されているので、エラー内容毎に適正な復旧作業の制限時間が選択される。これにより、緊急に復旧の必要なエラー内容に対して復旧作業に多くの時間が費やされて、回復できないダメージが与えられたまま生体由来細胞群が取得されてしまったり、十分に復旧作業の時間が確保できるエラー内容に対して、復旧作業を急がされてしまったりする不都合を防止できる。
【０００９】
上記発明においては、生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、前記記憶部に、処理工程と復旧作業の制限時間とが対応づけられて記憶されていてもよい。
このようにすることで、処理工程毎に適正な復旧作業の制限時間が選択される。例えば、生体組織を消化酵素液により分解する工程においては、制限時間が短く設定されることで、生体由来細胞の細胞膜がダメージを受けないようにすることができる。また、消化酵素液を用いない洗浄工程等においては、比較的長い制限時間が設定されることで、十分に余裕を持った復旧作業を行うことができる。
【００１０】
また、上記発明においては、エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、該作業入力部への入力時点で前記制限時間から前記経過時間を減算して新たな制限時間を算出する制限時間算出部と、前記作業入力部への入力後、同一の内容のエラーが発生したときには、前記第２の報知部は、前記経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知することとしてもよい。
【００１１】
このようにすることで、作業者が作業入力部において復旧作業の終了を入力すると、制限時間算出部において新たな制限時間が算出される。その後、同一のエラー内容が発生したときは新たな制限時間を経過時間が越えた場合に、第２の報知部により処理の中止が作業者に報知される。例えば、生体組織を消化酵素液により分解する工程において２回のエラーが発生した場合に、その合計の経過時間が最初に設定されている経過時間を越えた場合に処理を中止することにより、生体由来細胞の細胞膜が大きなダメージを受けないようにすることができる。
【００１２】
また、上記発明においては、前記制限時間から前記経過時間を減算した残り時間を報知する第３の報知部を備えていてもよい。
このようにすることで、作業者は、第３の報知部により報知される制限時間までの残り時間を参照して、制限時間内に復旧作業を終わらせることができ、それによって、生体由来細胞が深刻なダメージを受ける不都合の発生を防止することができる。
【００１３】
また、本発明は、生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、処理工程と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、該作業入力部への入力時点の前記経過時間を前記記憶部に記憶されている当該処理工程における制限時間から減算した残り時間の当該処理工程の制限時間に対する比率を、前記記憶部に記憶されているその後の処理工程の制限時間に乗算して新たな制限時間とし、その後の処理工程において、前記タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置を提供する。
【００１４】
前の処理工程においてエラーが発生した場合に、その復旧処理に要した経過時間が、当該前の処理工程に対して記憶されている制限時間の範囲内であっても、生体由来細胞はその経過時間に応じたダメージを受けるので、それを考慮する必要がある。本発明によれば、前の処理工程における残り時間の制限時間に対する比率をその後の処理工程における制限時間に乗算して新たな制限時間を算出することにより、それまでの処理工程で生体由来細胞に与えられたダメージを考慮して、処理の中止を判断することができ、回復できないダメージが与えられたまま生体由来細胞群が取得されてしまう不都合を防止できる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、何らかの原因によるエラーの発生により工程が停止した場合においても、最終的に取得される生体由来細胞群の健全な細胞数が低下してしまう不都合を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
本発明の一実施形態に係る生体組織処理装置１について、図１および図２を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織処理装置１は、図１に示されるように、生体組織、例えば、脂肪組織を洗浄液で洗浄した後、消化酵素液とともに攪拌することで分解し、単離された生体由来細胞を含む細胞懸濁液を取得する分解処理槽（分解処理部）２と、該分解処理槽２において取得された細胞懸濁液を遠心処理することにより、生体由来細胞を分離する細胞分離部（遠心分離機）３と、これらを制御する制御部４と、分解処理槽２および細胞分離部３において発生したエラーを処理するエラー処理部５とを備えている。
【００１７】
分解処理槽２と細胞分離部３とは配管系６で接続され、分解処理槽２から出力された細胞懸濁液は配管系６に設けられた送給ポンプ７およびバルブ８が駆動されることにより、細胞分離部３に送られるようになっている。また、分離処理槽２および細胞分離部３において発生した廃液は送給ポンプ７の駆動およびバルブ８の切替により廃液容器９に排出されるようになっている。
制御部４は、分解処理槽２、細胞分離部３および配管系６を制御する一方、何らかの原因によって処理が中断した場合に、その中断を検出して、エラーの発生と、処理工程におけるどの段階でのエラーなのかをエラー処理部５に通知するようになっている。
【００１８】
エラー処理部５は、図２に示されるように、制御部４からエラーの段階が通知された場合に、そのエラー内容を判定する判定部１０と、エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部１１と、エラーの発生からの経過時間を計数するタイマー１２と、エラーの発生および復旧作業の中止を報知する報知部１３と、復旧作業が終了した時点で作業者が作業終了を入力する作業入力部１４とを備えている。
【００１９】
判定部１０は、制御部４から通知されたエラーの段階が、分解処理槽２における洗浄工程および分解工程、細胞分離部３における遠心処理工程のいずれかの処理中に発生したエラーであるかを判別し、その工程をエラーの内容として特定するようになっている。
記憶部１１は、エラーの内容、すなわち、処理工程毎に復旧作業の制限時間を記憶している。
【００２０】
例えば、分解処理槽２における洗浄工程では、洗浄液として使用される生理食塩水やリンゲル液内にはタンパク質分解酵素のような消化酵素が含まれていないので、比較的長時間にわたって生体組織が洗浄液に浸漬されていても細胞がダメージを受ける危険性が低い。したがって、洗浄工程において処理が中断した場合には、復旧作業のための制限時間としては比較的長い時間が設定されている。
【００２１】
また、分解処理槽２における分解工程では、生体組織が消化酵素液に浸漬されて加温され、生体組織の分解が促進されるので、処理が中断して長時間浸漬されたままの状態に報知されると細胞がダメージを受ける危険性が高い。したがって、分解工程において処理が中断した場合には、復旧作業のための制限時間としては比較的短い時間が設定されている。
【００２２】
また、細胞分離部３における遠心処理工程では、生体組織から分解された生体由来細胞群が消化酵素液とともに細胞懸濁液として送られてきた初期において、処理が中断すると、細胞がダメージを受ける危険性が高いが、複数回にわたる遠心処理と洗浄液による洗浄とが繰り返された終期において処理が中断した場合には細胞がダメージを受ける危険性が低い。したがって、遠心処理工程において処理が中断した場合には、処理の経過に応じて段階的に復旧作業の制限時間が長くなるように設定されている。
【００２３】
また、記憶部１１は、報知部１３から残り時間が送られてきた場合には、その残り時間とエラー内容とを対応づけて記憶するようになっている。そして、同一の段階で同一のエラー内容が通知されてきたときには、記憶部１１は、記憶している残り時間を制限時間として報知部１３に出力するようになっている。
【００２４】
エラー処理部５は、制御部４からエラーの段階が通知された時点で、報知部１３を介してエラーの発生を作業者に報知し、それによって、作業者に、復旧作業を促すようになっている。また、エラー処理部５は、制御部４からエラーの段階が通知された時点で、タイマー１２を作動させ、エラーの発生からの経過時間の計数を開始させるようになっている。
【００２５】
また、報知部１３は、タイマー１２により計数された経過時間が、設定された復旧作業の制限時間を超えか否かを判定し、越えた場合に、復旧作業の中止を作業者に報知するようになっている。
さらに、報知部１３は、設定された復旧作業の制限時間からタイマー１２により計数された経過時間を減算して得られた残り時間を作業者に報知するようになっている。
また、報知部１３は、作業者が作業入力部１４に復旧作業の作業終了を入力すると、その時点での残り時間を記憶部１１に出力するようになっている。
【００２６】
このように構成された本実施形態に係る生体組織処理装置１によれば、生体組織の処理中に何らかの原因で処理が中断した場合には、報知部１３によりエラーの発生が報知されるので、作業者はこれを確認することで、復旧作業を開始することができる。また、エラーが発生するとタイマー１２が作動して経過時間が計数され、中断された処理工程に応じた制限時間を超えた場合に処理の中止が作業者に報知されるので、細胞が深刻なダメージを受けて健全性が失われてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
【００２７】
すなわち、細胞が消化酵素液に接触している場合のように、長時間放置されたのでは細胞が深刻なダメージを受けるような場合には、比較的短い制限時間が設定されることにより、早期に復旧作業を終了できないときには処理を強制的に中止して、ダメージを受けたままの生体由来細胞群が取得されてしまう不都合の発生を防止することができる。
一方、細胞が消化酵素液に接触していない場合のように、長時間放置されても細胞に深刻なダメージを受けない場合には。比較的長い声援時間が設定されることにより、十分に余裕を持って復旧作業を行うことができるという利点がある。
【００２８】
また、本実施形態によれば、エラー処理部５は、制限時間から経過時間を減算した残り時間を作業者に報知するので、作業者は、制限時間内に終えるように復旧作業を行うことができる。
また、本実施形態によれば、復旧作業の終了により作業者が作業入力部１４から作業終了を入力した後に、制御部４から再度同一のエラーの段階が通知された場合には、制限時間がリセットされるのではなく、それまでの復旧作業にかかった作業時間が差し引かれた残り時間が新たな制限時間となるので、エラーが複数回にわたっても細胞が深刻なダメージを受けないようにすることができる。
【００２９】
なお、報知部１３による報知の方法としては、モニタに文字または記号として表示する場合の他、スピーカから音声や警報音により報知したり、ランプの点灯あるいは点滅によって報知したりする等、任意の方法を採用することができる。また、記憶部１１には復旧作業の内容を併せて記憶していて、エラーの発生の報知に際して復旧作業の内容を同時に報知することにしてもよい。
【００３０】
また、本実施形態においては、報知部１３が、エラーの発生、復旧作業の中止および残り時間を報知し、かつ、記憶部１１に記憶されている制限時間とタイマー１２から送られてきた経過時間とから残り時間を算出することとしたが、これに代えて、これらを機能別に分離してもよい。
【００３１】
また、図３に示されるように、各処理工程毎にエラー処理の制限時間Ｔ０を記憶部１１に記憶しておき、いずれかの処理工程においてエラーが発生し、制限時間Ｔ０内に復旧作業が終了した場合には、タイマー１２により計数された経過時間ｔを制限時間Ｔ０から減算した残り時間（Ｔ０−ｔ）の制限時間Ｔ０に対する比率α＝（Ｔ０−ｔ）／Ｔ０を、その後の処理工程に対して記憶部１１に記憶されている制限時間に乗算して新たな制限時間としてもよい。
【００３２】
具体的には、Ｎ番目の処理工程で最初のエラーが発生し、制限時間ＴＮ０内に復旧作業が終了した場合には、経過時間ｔＮを制限時間ＴＮ０から減算した残り時間（ＴＮ０−ｔＮ）の制限時間ＴＮ０に対する比率αＮ＝（ＴＮ０−ｔＮ）／ＴＮ０を、２回目のエラーが発生したＭ番目（Ｍ≧Ｎ）の処理工程に対して記憶されている制限時間ＴＭ０に乗算して新たな制限時間ＴＭ＝αＮＴＭ０を設定する。３回目のエラーが発生したＰ番目（Ｐ≧Ｍ）の処理工程においても同様である。
【００３３】
これにより、各処理工程において制限時間が異なっても、前のエラー発生時において細胞に与えられたダメージを考慮して復旧作業を行わせることができ、細胞の健全性を保持することができる。
すなわち、一の処理工程で制限時間の半分を復旧作業に費やした場合には、その復旧作業により、細胞には制限時間分の作業時間が費やされた場合の５０％のダメージが与えられたと考えることができる。したがって、次のエラーが発生した処理工程（同じ処理工程またはその後の処理工程）での制限時間を、残りの５０％のダメージを許容できる制限時間とすることにより、処理工程毎に異なる制限時間に適応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の一実施形態に係る生体組織処理装置を示すブロック図である。
【図２】図１の生体組織処理装置のエラー処理部を示すブロック図である。
【図３】図１の生体組織処理装置の変形例における制限時間の一例を示す図表である。
【符号の説明】
【００３５】
１ 生体組織処理装置
１１ 記憶部
１２ タイマー
１３ 報知部（第１の報知部、第２の報知部、第３の報知部、制限時間算出部）
１４ 作業入力部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、
エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、
エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、
該タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置。
【請求項２】
生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
前記記憶部に、処理工程と復旧作業の制限時間とが対応づけられて記憶されている請求項１に記載の生体組織処理装置。
【請求項３】
エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、
該作業入力部への入力時点で前記制限時間から前記経過時間を減算して新たな制限時間を算出する制限時間算出部とを備え、
前記作業入力部への入力後、同一の内容のエラーが発生したときには、前記第２の報知部は、前記経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する請求項１または請求項２に記載の生体組織処理装置。
【請求項４】
前記制限時間から前記経過時間を減算した残り時間を報知する第３の報知部を備える請求項１から請求項３のいずれかに記載の生体組織処理装置。
【請求項５】
生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、
処理工程と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、
エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、
エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、
該作業入力部への入力時点の前記経過時間を前記記憶部に記憶されている当該処理工程における制限時間から減算した残り時間の当該処理工程の制限時間に対する比率を、前記記憶部に記憶されているその後の処理工程の制限時間に乗算して新たな制限時間とし、その後の処理工程において、前記タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置。
【請求項１】
生体組織を処理して生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、
エラーの内容と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、
エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、
該タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置。
【請求項２】
生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
前記記憶部に、処理工程と復旧作業の制限時間とが対応づけられて記憶されている請求項１に記載の生体組織処理装置。
【請求項３】
エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、
該作業入力部への入力時点で前記制限時間から前記経過時間を減算して新たな制限時間を算出する制限時間算出部とを備え、
前記作業入力部への入力後、同一の内容のエラーが発生したときには、前記第２の報知部は、前記経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する請求項１または請求項２に記載の生体組織処理装置。
【請求項４】
前記制限時間から前記経過時間を減算した残り時間を報知する第３の報知部を備える請求項１から請求項３のいずれかに記載の生体組織処理装置。
【請求項５】
生体組織から複数の処理工程を経て生体由来細胞を取得する生体組織処理装置であって、
処理中におけるエラーの発生を報知して、作業者に復旧作業を促す第１の報知部と、
処理工程と復旧作業の制限時間とを対応づけて記憶する記憶部と、
エラー発生からの経過時間を計数するタイマーと、
エラーの復旧処理が終了したことを作業者が入力する作業入力部と、
該作業入力部への入力時点の前記経過時間を前記記憶部に記憶されている当該処理工程における制限時間から減算した残り時間の当該処理工程の制限時間に対する比率を、前記記憶部に記憶されているその後の処理工程の制限時間に乗算して新たな制限時間とし、その後の処理工程において、前記タイマーにより計数されたエラー発生からの経過時間が新たな制限時間を超えたときに処理の中止を作業者に報知する第２の報知部とを備える生体組織処理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１０−３２４４４（Ｐ２０１０−３２４４４Ａ）
【公開日】平成２２年２月１２日（２０１０．２．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１９７０４１（Ｐ２００８−１９７０４１）
【出願日】平成２０年７月３０日（２００８．７．３０）
【出願人】（００００００３７６）オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】（５０３０７７８７７）サイトリ セラピューティクス インコーポレイテッド (32)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年２月１２日（２０１０．２．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年７月３０日（２００８．７．３０）
【出願人】（００００００３７６）オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】（５０３０７７８７７）サイトリ セラピューティクス インコーポレイテッド (32)
【Ｆターム（参考）】
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