生体計測装置、生体計測方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】生体表面の広い領域から受光する分光計測を、より自由に高精度で実現することが可能な、新規かつ改良された生体計測装置、生体計測方法を提供する。
【解決手段】生体Bに対して検査光L1を照射する光源部110と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光L2を空間積分的に集光する集光部120と、上記集光された出力光を受光する受光部130とを含む生体計測装置100を提供する。
【解決手段】生体Bに対して検査光L1を照射する光源部110と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光L2を空間積分的に集光する集光部120と、上記集光された出力光を受光する受光部130とを含む生体計測装置100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体計測装置、生体計測方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばラマン分光法や近赤外分光法、または蛍光分光法などの分光法を用いて、非侵襲的に生体計測を実施する技術が開発されている。こうした技術は、例えば、皮下組織の物質検査や、動脈からの脈波信号の検出に利用されている。かかる生体計測技術において、例えば皮下に存在する量が微量である物質を計測するような場合、計測の精度を確保するために、生体表面の広い領域で放出される光を集める必要がある。この場合、例えば、生体表面から受光部までの距離を大きくとることによって受光可能な領域を広げたり、特許文献1などに記載されているように大型の受光装置を用いたりすることが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−026142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生体表面から受光部までの距離を大きくとる場合、計測結果が周辺環境の光の影響を受ける。また、大型の受光装置を用いる場合、装置構成が大がかりになる上に、受光部の配置や形状に制約が生じる。
【0005】
そこで、本開示では、生体表面の広い領域から受光する分光計測を、より自由に高精度で実現することが可能な、新規かつ改良された生体計測装置、生体計測方法、プログラムおよび記録媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射することと、上記検査光に応じて上記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、上記集光された出力光を受光することとを含む生体計測方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に含まれるコンピュータに、上記光源部を制御する機能と、上記受光部を制御する機能とを実現させるためのプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に含まれるコンピュータに、上記光源部を制御する機能と、上記受光部を制御する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含み、上記集光部は、上記領域を分割した複数のサブ領域ごとに上記出力光を集光するように分割され、上記受光部は、上記分割された集光部によってそれぞれ集光された上記出力光を時分割で受光する生体計測装置が提供される。
【0011】
上記のような本開示の構成によれば、生体表面の所定の領域から放出された出力光が、集光部によって空間積分的に集光されて、受光部によって受光される。それゆえ、生体表面の広い領域から受光することが可能でありながら、例えば生体表面から受光部までの居値を大きくとったり、受光部を大型化したりしなくてよい。また、集光部は、受光部に比べて柔軟な素材で構成されうるため、生体計測装置の配置や形状を自由に設定することも容易である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本開示によれば、生体表面の広い領域から受光する分光計測を、より自由に高精度で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の実施形態の関連技術に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図3】本開示の第1の実施形態においてマイクロプリズムアレイを分割する例を示す図である。
【図4】本開示の第1の実施形態においてさらに光源部を分割する例を示す図である。
【図5】本開示の第1の実施形態において受光部にラインセンサを用いる例を示す図である。
【図6】本開示の第2の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図7】本開示の第3の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図8】マイクロレンズアレイの被写界深度について説明するための図である。
【図9】本開示の第4の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図10】本開示の第4の実施形態において領域を分割する例を示す図である。
【図11】図10の例における受光と照射との切替の例を示す図である。
【図12】本開示の第5の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図13】本開示の第6の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図14】情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.関連技術の説明
2.本開示の実施形態
2−1.第1の実施形態
2−2.第2の実施形態
2−3.第3の実施形態
2−4.第4の実施形態
2−5.第5の実施形態
2−6.第6の実施形態
3.補足
【0016】
(1.関連技術の説明)
まず、図1を参照して、本開示の実施形態に関連する技術について説明する。図1は、本開示の実施形態の関連技術に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0017】
図1を参照すると、生体計測装置10は、光源部11と、受光部13と、解析部14とを含む。生体計測装置10は、分光法を用いて生体計測を実行する生体計測装置である。光源部11は、生体Bの表面の計測対象部分に向けて検査光L1を照射する。生体Bに入射した検査光L1に応じて、生体Bから出力光L2が放出される。受光部13は、出力光L2を受光する。解析部14は、受光部13が受光した出力光L2を解析する。
【0018】
上記の生体計測装置10では、受光部13が生体Bの表面の広い範囲から出力光L2を受光できるように、受光部13と生体Bとの間にはある程度の距離が設定されている。それゆえ、計測結果が周辺環境の光の影響を受ける可能性がある。
【0019】
また、生体Bの表面の広い範囲から出力光L2を受光するための別の例として、大型の受光装置を受光部として用いてもよい。しかしながら、この場合、装置構成が大がかりになる上に、受光部の配置や形状に制約が生じる。また、大型の受光装置は、一般に高価である。
【0020】
以下、本開示の実施形態のいくつかについて説明する。これらの実施形態の利点の一部は、上記の関連技術に係る生体計測装置と比較することによって、より容易に理解されるであろう。
【0021】
(2.本開示の実施形態)
(2−1.第1の実施形態)
まず、図2〜図5を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。図2は、本開示の第1の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図3は、本開示の第1の実施形態において領域を分割する例を示す図である。図4は、本開示の第1の実施形態において領域をさらに分割する例を示す図である。図5は、本開示の第1の実施形態において受光部にラインセンサを用いる例を示す図である。
【0022】
図2を参照すると、生体計測装置100は、光源部110と、遮光体112と、フィルタ114と、マイクロプリズムアレイ120と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。生体計測装置100は、分光法を用いて生体計測を実行する生体計測装置である。
【0023】
光源部110は、生体Bに対して検査光L1を照射する。ここで、検査光L1は、例えば、生体Bの体内物質を励起状態にして、出力光L2として蛍光を放出させるための励起光である。この場合、検査光L1としては、例えば近紫外線や短波長の可視光線が用いられるが、これには限られず、体内物質を励起状態にすることが可能な光であれば任意の波長の光を用いることが可能である。また、検査光L1は、生体Bの内部で散乱および吸収されて出力光L2として放出される近赤外光などの光であってもよい。光源部110としては、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や小型のレーザなどが用いられる。
【0024】
マイクロプリズムアレイ120は、生体Bの表面の領域Rに対向して配置され、検査光L1に応じて領域Rから放出される出力光L2を空間積分的に集光する集光部である。ここで、空間積分的な集光とは、領域Rから放出される出力光L2を、反射させたり屈折させたりすることで領域Rよりも小さい領域に集約することである。図示された例において、マイクロプリズムアレイ120は、断面方向について、領域Rから放出される出力光L2を1点に集約して受光部130に導光する。別の例として、マイクロプリズムアレイ120は、断面方向について、出力光L2を複数の点に集約して受光部130に導光してもよい。
【0025】
受光部130は、マイクロプリズムアレイ120によって集光された出力光L2を受光する。受光部130は、光検出器(PD:Photo Detector)などを用いて受光した出力光L2を電気信号に変換し、解析部140に提供する。ここで、受光部130は、例えば2次元分光器を含み、波長軸と視野軸とを有する2次元画像として出力光L2のデータを取得してもよい。
【0026】
本実施形態では、上記のように、マイクロプリズムアレイ120によって出力光L2を空間積分的に集光することによって、受光部130の受光面積を領域Rよりも小さくすることが可能である。それゆえ、例えば領域Rが広い場合にも、受光部130として大型の受光装置を用いなくてよく、装置構成を簡略化できる。マイクロプリズムアレイ120は、例えば樹脂などの軽量かつ柔軟な素材で形成されうるため、配置や形状の自由度が高い。また、生体Bの表面とマイクロプリズムアレイ120との間、およびマイクロプリズムアレイ120と受光部130との間は、いずれも近接または密着させることが可能であるため、計測結果への周辺環境の光の影響を低減することができる。
【0027】
遮光体112は、光源部110とマイクロプリズムアレイ120との間に配置される。遮光体112は、例えば、光源部110から照射された検査光L1が、直接、または生体Bの表面で反射してマイクロプリズムアレイ120側に入射することを防ぐ。これによって、受光部130によって受光されて出力光L2の解析結果に影響を及ぼす検査光L1が減少し、S/N(Signal/Noise)比が向上する結果、出力光L2の解析の精度を向上させることができる。
【0028】
フィルタ114は、生体Bとマイクロプリズムアレイ120との間に配置される光学フィルタである。フィルタ114は、例えば、検査光L1の波長と出力光L2の波長とが異なる場合に設けられる、検査光L1の波長の光は通過させずに出力光L2の波長の光を通過させる狭帯域のバンドパスフィルタである。この場合、例えば、生体Bの内部で散乱した検査光L1がマイクロプリズムアレイ120に到達するのを防ぐことが可能である。これによって、遮光体112の場合と同様に、出力光L2の解析の精度を向上させることができる。
【0029】
解析部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータによって実現される。解析部140は、受光部130から取得した出力光L2のデータを解析する。一例として、解析部140は、蛍光である出力光L2のスペクトルや強度を解析する。これによって、蛍光を放出した生体Bの体内物質を定量化することが可能である。なお、解析部140は、生体計測装置100の一部であってもよいし、また生体計測装置100に接続される外部機器であってもよい。また、受光部130によって生成される出力光L2のデータがリムーバブルの記憶媒体に格納され、この記憶媒体が生体計測装置100から取り外されて解析部140を有する他の装置に接続されることで、出力光L2のデータが解析されてもよい。
【0030】
制御部150は、例えばCPU、RAM、ROMなどを有するコンピュータによって実現される。制御部150は、上記の生体計測装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御部150は、上記の光源部110および受光部130の動作を制御する。
【0031】
図3には、本実施形態において領域Rを分割する例が示されている。図3は、図2に示されるマイクロプリズムアレイ120および受光部130を図の上方から見た平面図にあたる。図では、領域Rが分割されたサブ領域R1〜R3と、サブ領域R1〜R3に対応して分割されたマイクロプリズムアレイ120のセグメント120a〜120cと、セグメント120a〜120cによってそれぞれ集光された出力光L2を個別に受光する受光部130a〜130cとが示されている。
【0032】
ここで、例えば、受光部130a〜130cは、択一的に出力光L2を受光することによって、サブ領域R1〜R3でそれぞれ集光された出力光L2を個別に受光することができる。受光部130a〜130cは、時系列で順次出力光L2を受光してもよい。なお、マイクロプリズムアレイ120は、例えばセグメント120a〜120cに物理的に分割されている。この場合、セグメント120a〜120cの境界には、隣接するセグメントからの光の漏れを防ぐための遮光体が設けられていてもよい。また、マイクロプリズムアレイ120は、機能的に分割されてセグメント120a〜120cとして用いられてもよい。
【0033】
一方、図4には、図3の例において、領域Rをさらに分割する例が示されている。ここで、図3の例において領域Rがサブ領域R1〜R3に分割された方向を第1の方向とすると、図4の例では、第1の方向とは異なる第2の方向に、領域Rがさらに分割される。より具体的には、図4の例において、領域Rは、第1の方向とこれに直交する第2の方向とにそれぞれ分割され、マトリクス状のサブ領域R11〜R33が形成される。ここで、サブ領域R11,R12,R13は、図3の例のサブ領域R1に対応し、サブ領域R21,R22,R23は、同じくサブ領域R2に対応し、サブ領域R31,R32,R33は、同じくサブ領域R3に対応する。
【0034】
ここで、図示された例において、領域Rの第2の方向での分割は、領域Rを第2の方向に分割した複数のサブ照射領域を設定し、各サブ照射領域に対応する光源部110a〜110cを配置することによって実現される。光源部110aに対応するサブ照射領域は、サブ領域R11,R21,R31からなる領域であり、光源部110bに対応するサブ照射領域は、サブ領域R12,R22,R32からなる領域であり、光源部110cに対応するサブ照射領域は、R13,R23,R33からなる領域である。
【0035】
ここで、例えば、受光部130a〜130cは、図3の例と同様に、択一的に出力光L2を受光する。受光部130a〜130cは、時系列で順次出力光L2を受光してもよい。これによって、サブ領域R11,R12,R13からの受光と、サブ領域R21,R22,R23からの受光と、サブ領域R31,R32,R33からの受光とが切り替えられる。
【0036】
さらに、光源部110a〜110cは、択一的に検査光L1を照射する。光源部110a〜110cは、時系列で順次検査光L1を照射してもよい。これによって、サブ領域R11,R21,R31への照射と、サブ領域R12,R22,R32への照射と、R13,R23,R33への照射とが切り替えられる。
【0037】
このように、受光部130の受光と光源部110の照射との切り替えを組み合わせることによって、サブ領域R11〜R33のうちの任意の領域について、検査光L1を照射して出力光L2を受光することが可能である。
【0038】
上記のように、領域を分割して局所的に出力光L2を集光する構成は、例えば、手首(橈骨動脈)の脈拍を計測するような場合に有効である。手首の部位は、医師の診断にも利用されていることからもわかるように、脈拍の検査部位としては有効である。しかし、計測部位が橈骨動脈から離れると、検出が困難な程度まで脈波の振幅が小さくなる。ここで、後述するように生体計測装置の環状筐体にマイクロプリズムアレイを配置し、上記の例のように手首の周りの領域を分割して脈波を計測すれば、たとえユーザが操作に習熟していなくても、最適な脈波の波形が得られる部位を自動的に選定することができる。
【0039】
図5には、本実施形態において、受光部130にラインセンサ132を用いる例が示されている。図5は、図2に示されるマイクロプリズムアレイ120および受光部130を、図の上方から見た平面図にあたる。図示された例において、マイクロプリズムアレイ120は、領域Rを分割したサブ領域のそれぞれについて出力光L2を集光するセグメント120a,120b,・・・に分割されている。また、マイクロプリズムアレイ120は、集光部分122と、接続部分124とを有する。集光部分122は、領域Rに対向し、出力光L2を受ける部分である。接続部分124は、集光部分122で集光された出力光L2を、ラインセンサ132まで導光する部分である。受光部130にラインセンサ132を用いることによって、例えば、生体計測装置100を小型化できる。
【0040】
なお、上記のそれぞれの例における領域Rの分割の数は一例であり、領域Rは、第1の方向、第2の方向ともに、任意の数に分割されうる。
【0041】
(2−2.第2の実施形態)
次に、図6を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。図6は、本開示の第2の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0042】
図6を参照すると、生体計測装置200は、光源部110と、遮光体112と、マイクロプリズムアレイ120と、集光部遮光体226と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、集光部遮光体226以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0043】
集光部遮光体226は、マイクロプリズムアレイ120に入射する光の指向性を限定するための光学部材である。集光部遮光体226は、例えば、生体Bに対して垂直な方向の出力光L2を選択的に通過させて受光部130に入射させる。これによって、例えば、光源部110から漏出した検査光L1がマイクロプリズムアレイ120への入射光に混入することを防ぐことができる。
【0044】
本実施形態のように、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2の指向性を限定する光学部材を設けることによって、例えば蛍光分光法を用いる場合であれば、計測対象の体内物質以外の部分で散乱した励起光や、計測対象ではない体内物質によって放出された蛍光が、計測対象の出力光L2に混入することを防ぎ、出力光L2を用いた計測の精度を向上させることができる。
【0045】
(2−3.第3の実施形態)
次に、図7および図8を参照して、本開示の第3の実施形態について説明する。図7は、本開示の第3の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図8は、マイクロレンズアレイの被写界深度について説明するための図である。
【0046】
図7を参照すると、生体計測装置300は、光源部110と、遮光体112と、マイクロプリズムアレイ120と、集光部遮光体226と、マイクロレンズアレイ328と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、マイクロレンズアレイ328以外については、上記の第2の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
マイクロレンズアレイ328は、所定の被写界深度を有する複数の小さな受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイであり、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2を導光する。図8に示されるように、マイクロレンズアレイ328の被写界深度dは、例えば計測対象部位Tの生体Bの表面からの深さに対応している。計測対象部位Tが生体Bの真皮層にある場合、被写界深度dは生体Bの表面からの距離が1mm程度の範囲に設定されうる。これによって、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2が放出される生体Bの部位を限定し、出力光L2を用いた計測の精度を向上させることができる。
【0048】
(2−4.第4の実施形態)
次に、図9〜図11を参照して、本開示の第4の実施形態について説明する。図9は、本開示の第4の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図10は、本開示の第4の実施形態において領域を分割する例を示す図である。図11は、図10の例における受光と照射との切替の例を示す図である。
【0049】
図9を参照すると、生体計測装置400は、光源部410と、マイクロプリズムアレイ120と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、光源部410以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。また、これらの構成要素は、上記の第2または第3の実施形態と同様の構成とすることも可能である。
【0050】
光源部410は、上記の第1の実施形態の光源部110と同様の光源部であるが、受光部130に対応して配置される点が光源部110とは異なる。つまり、光源部410は、マイクロプリズムアレイ120に対して受光部130と同じ側に設けられ、照射した検査光L1を、マイクロプリズムアレイ120を用いて生体Bに向けて拡散させる。つまり、本実施形態では、マイクロプリズムアレイ120が、集光部であるとともに光拡散部としても機能する。かかる構成によれば、光源部410と受光部130とを集約して配置することによって、装置構成をより簡略化できる。
【0051】
図10には、本実施形態において、上記の図3と同様に領域Rを分割する例が示されている。この例では、サブ領域R1〜R3で集光された出力光L2を個別に受光する受光部130a〜130cとともに、サブ領域R1〜R3に個別に検査光L1を照射する光源部410a〜410cが設けられる。つまり、この例において、マイクロプリズムアレイ120は、領域Rを分割したサブ領域R1〜R3ごとに、検査光L1を拡散し出力光L2を集光するように分割されている。互いに対応する光源部410と受光部130とは、以下の例のように、検査光L1の照射と出力光L2の受光とを択一的に実行する。
【0052】
図11には、図9および図10に示すような生体計測装置400を用いて、生体Bの計測対象部位Tを順次変化させながら計測を実行する例が示されている。図示された例では、分割されたマイクロプリズムアレイ120の各セグメントから、1つの受光セグメントと、その両隣の2つの照射セグメントとが選択される。かかる受光セグメントおよび照射セグメントを、時刻tの進行とともに順次移動させることで、計測対象部位Tを順次変化させることができる。
【0053】
なお、ここで、受光セグメントは、照射セグメントから照射された検査光L1に応じて生体Bから放出される出力光L2を集光することが可能なサブ領域に対応するセグメントである。それゆえ、上記の例のように、受光セグメントの両隣を照射セグメントにすることが必ずしも適切であるとは限らない。例えば、計測対象部位Tの生体Bの表面からの深度が大きくなるほど、検査光L1の照射位置と出力光L2の射出位置とは離れる。従って、計測対象部位Tの生体Bの表面からの深度に応じて、受光セグメントと照射セグメントとの距離を調整することが適切である。
【0054】
(2−5.第5の実施形態)
次に、図12を参照して、本開示の第5の実施形態について説明する。図12は、本開示の第5の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0055】
図12を参照すると、生体計測装置500は、光源部110と、マイクロプリズムアレイ520と、受光部130と、筐体560とを含む。解析部および制御部は、生体計測装置500に含まれるが、図示されていない。なお、上記の構成要素のうちマイクロプリズムアレイ520および筐体560以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。また、これらの構成要素は、上記の第2〜第4の実施形態のいずれかと同様の構成とすることも可能である。
【0056】
筐体560は、生体Bを挿入することが可能な環状の筐体である。ここで、筐体560に挿入される生体Bの部位は、例えば腕や指である。従って、本実施形態に係る生体計測装置500は、例えば腕輪状や指輪状の計測装置でありうる。
【0057】
マイクロプリズムアレイ520は、上記の第1の実施形態のマイクロプリズムアレイ120と同様の集光部であるが、筐体560の内周面に沿って配置される点がマイクロプリズムアレイ120とは異なる。マイクロプリズムアレイは、例えば樹脂などで形成されるため、筐体560の内周面のような曲面に対応した形状に形成することも容易である。
【0058】
本実施形態において、生体Bは、例えば手首の部分である。この場合、生体計測装置500は、生体Bの内部の動脈Vを計測対象としてもよい。生体計測装置500では、図4に示された例と同様に、マイクロプリズムアレイ520を分割してそれぞれに対応する受光部130が配置される。また、光源部110a〜110cが、マイクロプリズムアレイ520の分割方向と直交する方向に領域Rを分割したサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される。これによって、領域Rをマトリクス状に分割した領域のそれぞれについて局所的に出力光L2を受光することが可能である。従って、上述のように、通常は計測部位の選定が困難な動脈Vの脈波の計測でも、最適な波形が得られる部位を自動的に選定することができる。
【0059】
(2−6.第6の実施形態)
次に、図13を参照して、本開示の第6の実施形態について説明する。図13は、本開示の第6の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0060】
図13を参照すると、生体計測装置600は、光源部410と、マイクロプリズムアレイ520と、受光部130と、筐体560とを含む。解析部および制御部は、生体計測装置600に含まれているが、図示されていない。生体計測装置600は、上記の第5の実施形態で説明した生体計測装置500と類似した構成を有するが、光源部410が受光部130に対応して配置される点で、生体計測装置500とは異なる。
【0061】
生体計測装置600は、例えば、腕である生体Bの皮下にあるグルコースや終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End−products)などの物質を計測対象Tとする。この場合、生体計測装置600は、生体Bの表面の広い範囲について、検査光L1として励起光を照射し、出力光L2として蛍光を受光する。これによって、例えば、生体Bの表面の体毛やアザ、ホクロ、または体内の動脈および静脈の血管などの影響で生じる計測上の特異点の影響を軽減し、計測の感度と安定生徒を改善することができる。
【0062】
(3.補足)
以上、本開示の実施形態について説明した。本開示の実施形態に係る生体計測装置では、例えば図1に示した関連技術による生体計測装置のように生体表面と受光部との間に距離をとることなく、また大型の受光装置を用いることもなく、生体表面の広い領域から出力光を受光することが可能である。これによって、例えば、皮下物質の計測において、広い領域からの集光によって体毛やアザ、ホクロ、または血管などの影響で生じる特異点の影響を軽減した計測を、より自由に高精度で実現することができる。
【0063】
また、本開示のある実施形態では、集光部を分割し、付加的に光源部を分散させることによって、計測対象の領域を分割して局所的に出力光を受光することができる。これによって、例えば腕での脈波の計測など、計測に適した部位が局所的な計測でも、容易に計測に適した部位を検出することができる。
【0064】
また、本開示のある実施形態では、マイクロプリズムアレイを集光部として用いることによって、計測装置全体の形状をフラットにすることができる。また、腕輪状や指輪状などの計測装置において、曲面から出力光を集光することも容易になる。なお、集光部として用いられるのはマイクロプリズムアレイには限られず、例えば光ファイバーやホログラムレンズが同様に用いられてもよい。
【0065】
(ハードウェア構成)
次に、図14を参照しながら、本開示の実施形態に係る生体計測装置を実現可能な情報処理装置900のハードウェア構成について、詳細に説明する。図14は、本開示の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0066】
情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、センサ914、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923および通信装置925を備える。
【0067】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0068】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0069】
センサ914は、例えば、ユーザに固有の生体情報、または、かかる生体情報を取得するために用いられる各種情報を検出する検出手段である。このセンサ914として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の各種の撮像素子を挙げることができる。また、センサ914は、生体部位を撮像するために用いられるレンズ等の光学系や光源等を更に有していてもよい。また、センサ914は、音声等を取得するためのマイクロフォン等であってもよい。なお、センサ914は、上述のもの以外にも、温度計、照度計、湿度計、速度計、加速度計などの様々な測定機器を備えていてもよい。
【0070】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0071】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0072】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
【0073】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0074】
接続ポート923は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
【0075】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0076】
以上、本開示の実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備える生体計測装置。
(2)前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記各サブ領域で集光された前記出力光を個別に受光する、前記(1)に記載の生体計測装置。
(3)前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する、前記(2)に記載の生体計測装置。
(4)前記集光部は、第1の方向に分割され、
前記光源部は、前記領域を前記第1の方向とは異なる第2の方向に分割した複数のサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される、前記(2)または(3)に記載の生体計測装置。
(5)前記光源部は、前記各サブ照射領域について時分割で前記検査光を照射する、前記(4)に記載の生体計測装置。
(6)前記光源部は、前記受光部に対応して配置され、
前記集光部は、前記光源部が照射する前記検査光を前記生体に向けて拡散させる光拡散部としても機能する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(7)前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記検査光を拡散し前記出力光を集光するように分割され、
前記光源部と前記受光部とは、前記各サブ領域について、前記検査光の照射と前記出力光の受光とを択一的に実行する、前記(6)に記載の生体計測装置。
(8)前記集光部に入射する光の指向性を制御する光学部材をさらに備える、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(9)計測対象の体内物質の前記生体の表面からの深さに対応した被写界深度を有する複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイをさらに備え、
前記集光部に入射する前記出力光は前記レンズアレイによって導光される、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(10)前記生体を挿入可能な環状の筐体をさらに備え、
前記集光部は、前記筐体の内周面に沿って配置される、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(11)前記集光部としてマイクロプリズムアレイが用いられる、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(12)生体に対して検査光を照射することと、
前記検査光に応じて前記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、
前記集光された出力光を受光することと
を含む生体計測方法。
(13)生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
(14)生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(15)生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備え、
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する生体計測装置。
【符号の説明】
【0079】
100 生体計測装置
110 光源部
120 マイクロプリズムアレイ(集光部)
130 受光部
140 解析部
150 制御部
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体計測装置、生体計測方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばラマン分光法や近赤外分光法、または蛍光分光法などの分光法を用いて、非侵襲的に生体計測を実施する技術が開発されている。こうした技術は、例えば、皮下組織の物質検査や、動脈からの脈波信号の検出に利用されている。かかる生体計測技術において、例えば皮下に存在する量が微量である物質を計測するような場合、計測の精度を確保するために、生体表面の広い領域で放出される光を集める必要がある。この場合、例えば、生体表面から受光部までの距離を大きくとることによって受光可能な領域を広げたり、特許文献1などに記載されているように大型の受光装置を用いたりすることが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−026142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生体表面から受光部までの距離を大きくとる場合、計測結果が周辺環境の光の影響を受ける。また、大型の受光装置を用いる場合、装置構成が大がかりになる上に、受光部の配置や形状に制約が生じる。
【0005】
そこで、本開示では、生体表面の広い領域から受光する分光計測を、より自由に高精度で実現することが可能な、新規かつ改良された生体計測装置、生体計測方法、プログラムおよび記録媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射することと、上記検査光に応じて上記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、上記集光された出力光を受光することとを含む生体計測方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に含まれるコンピュータに、上記光源部を制御する機能と、上記受光部を制御する機能とを実現させるためのプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に含まれるコンピュータに、上記光源部を制御する機能と、上記受光部を制御する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、生体に対して検査光を照射する光源部と、上記生体の表面の領域に対向して配置され、上記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、上記集光された出力光を受光する受光部とを含み、上記集光部は、上記領域を分割した複数のサブ領域ごとに上記出力光を集光するように分割され、上記受光部は、上記分割された集光部によってそれぞれ集光された上記出力光を時分割で受光する生体計測装置が提供される。
【0011】
上記のような本開示の構成によれば、生体表面の所定の領域から放出された出力光が、集光部によって空間積分的に集光されて、受光部によって受光される。それゆえ、生体表面の広い領域から受光することが可能でありながら、例えば生体表面から受光部までの居値を大きくとったり、受光部を大型化したりしなくてよい。また、集光部は、受光部に比べて柔軟な素材で構成されうるため、生体計測装置の配置や形状を自由に設定することも容易である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本開示によれば、生体表面の広い領域から受光する分光計測を、より自由に高精度で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の実施形態の関連技術に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図3】本開示の第1の実施形態においてマイクロプリズムアレイを分割する例を示す図である。
【図4】本開示の第1の実施形態においてさらに光源部を分割する例を示す図である。
【図5】本開示の第1の実施形態において受光部にラインセンサを用いる例を示す図である。
【図6】本開示の第2の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図7】本開示の第3の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図8】マイクロレンズアレイの被写界深度について説明するための図である。
【図9】本開示の第4の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図10】本開示の第4の実施形態において領域を分割する例を示す図である。
【図11】図10の例における受光と照射との切替の例を示す図である。
【図12】本開示の第5の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図13】本開示の第6の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【図14】情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.関連技術の説明
2.本開示の実施形態
2−1.第1の実施形態
2−2.第2の実施形態
2−3.第3の実施形態
2−4.第4の実施形態
2−5.第5の実施形態
2−6.第6の実施形態
3.補足
【0016】
(1.関連技術の説明)
まず、図1を参照して、本開示の実施形態に関連する技術について説明する。図1は、本開示の実施形態の関連技術に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0017】
図1を参照すると、生体計測装置10は、光源部11と、受光部13と、解析部14とを含む。生体計測装置10は、分光法を用いて生体計測を実行する生体計測装置である。光源部11は、生体Bの表面の計測対象部分に向けて検査光L1を照射する。生体Bに入射した検査光L1に応じて、生体Bから出力光L2が放出される。受光部13は、出力光L2を受光する。解析部14は、受光部13が受光した出力光L2を解析する。
【0018】
上記の生体計測装置10では、受光部13が生体Bの表面の広い範囲から出力光L2を受光できるように、受光部13と生体Bとの間にはある程度の距離が設定されている。それゆえ、計測結果が周辺環境の光の影響を受ける可能性がある。
【0019】
また、生体Bの表面の広い範囲から出力光L2を受光するための別の例として、大型の受光装置を受光部として用いてもよい。しかしながら、この場合、装置構成が大がかりになる上に、受光部の配置や形状に制約が生じる。また、大型の受光装置は、一般に高価である。
【0020】
以下、本開示の実施形態のいくつかについて説明する。これらの実施形態の利点の一部は、上記の関連技術に係る生体計測装置と比較することによって、より容易に理解されるであろう。
【0021】
(2.本開示の実施形態)
(2−1.第1の実施形態)
まず、図2〜図5を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。図2は、本開示の第1の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図3は、本開示の第1の実施形態において領域を分割する例を示す図である。図4は、本開示の第1の実施形態において領域をさらに分割する例を示す図である。図5は、本開示の第1の実施形態において受光部にラインセンサを用いる例を示す図である。
【0022】
図2を参照すると、生体計測装置100は、光源部110と、遮光体112と、フィルタ114と、マイクロプリズムアレイ120と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。生体計測装置100は、分光法を用いて生体計測を実行する生体計測装置である。
【0023】
光源部110は、生体Bに対して検査光L1を照射する。ここで、検査光L1は、例えば、生体Bの体内物質を励起状態にして、出力光L2として蛍光を放出させるための励起光である。この場合、検査光L1としては、例えば近紫外線や短波長の可視光線が用いられるが、これには限られず、体内物質を励起状態にすることが可能な光であれば任意の波長の光を用いることが可能である。また、検査光L1は、生体Bの内部で散乱および吸収されて出力光L2として放出される近赤外光などの光であってもよい。光源部110としては、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や小型のレーザなどが用いられる。
【0024】
マイクロプリズムアレイ120は、生体Bの表面の領域Rに対向して配置され、検査光L1に応じて領域Rから放出される出力光L2を空間積分的に集光する集光部である。ここで、空間積分的な集光とは、領域Rから放出される出力光L2を、反射させたり屈折させたりすることで領域Rよりも小さい領域に集約することである。図示された例において、マイクロプリズムアレイ120は、断面方向について、領域Rから放出される出力光L2を1点に集約して受光部130に導光する。別の例として、マイクロプリズムアレイ120は、断面方向について、出力光L2を複数の点に集約して受光部130に導光してもよい。
【0025】
受光部130は、マイクロプリズムアレイ120によって集光された出力光L2を受光する。受光部130は、光検出器(PD:Photo Detector)などを用いて受光した出力光L2を電気信号に変換し、解析部140に提供する。ここで、受光部130は、例えば2次元分光器を含み、波長軸と視野軸とを有する2次元画像として出力光L2のデータを取得してもよい。
【0026】
本実施形態では、上記のように、マイクロプリズムアレイ120によって出力光L2を空間積分的に集光することによって、受光部130の受光面積を領域Rよりも小さくすることが可能である。それゆえ、例えば領域Rが広い場合にも、受光部130として大型の受光装置を用いなくてよく、装置構成を簡略化できる。マイクロプリズムアレイ120は、例えば樹脂などの軽量かつ柔軟な素材で形成されうるため、配置や形状の自由度が高い。また、生体Bの表面とマイクロプリズムアレイ120との間、およびマイクロプリズムアレイ120と受光部130との間は、いずれも近接または密着させることが可能であるため、計測結果への周辺環境の光の影響を低減することができる。
【0027】
遮光体112は、光源部110とマイクロプリズムアレイ120との間に配置される。遮光体112は、例えば、光源部110から照射された検査光L1が、直接、または生体Bの表面で反射してマイクロプリズムアレイ120側に入射することを防ぐ。これによって、受光部130によって受光されて出力光L2の解析結果に影響を及ぼす検査光L1が減少し、S/N(Signal/Noise)比が向上する結果、出力光L2の解析の精度を向上させることができる。
【0028】
フィルタ114は、生体Bとマイクロプリズムアレイ120との間に配置される光学フィルタである。フィルタ114は、例えば、検査光L1の波長と出力光L2の波長とが異なる場合に設けられる、検査光L1の波長の光は通過させずに出力光L2の波長の光を通過させる狭帯域のバンドパスフィルタである。この場合、例えば、生体Bの内部で散乱した検査光L1がマイクロプリズムアレイ120に到達するのを防ぐことが可能である。これによって、遮光体112の場合と同様に、出力光L2の解析の精度を向上させることができる。
【0029】
解析部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータによって実現される。解析部140は、受光部130から取得した出力光L2のデータを解析する。一例として、解析部140は、蛍光である出力光L2のスペクトルや強度を解析する。これによって、蛍光を放出した生体Bの体内物質を定量化することが可能である。なお、解析部140は、生体計測装置100の一部であってもよいし、また生体計測装置100に接続される外部機器であってもよい。また、受光部130によって生成される出力光L2のデータがリムーバブルの記憶媒体に格納され、この記憶媒体が生体計測装置100から取り外されて解析部140を有する他の装置に接続されることで、出力光L2のデータが解析されてもよい。
【0030】
制御部150は、例えばCPU、RAM、ROMなどを有するコンピュータによって実現される。制御部150は、上記の生体計測装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御部150は、上記の光源部110および受光部130の動作を制御する。
【0031】
図3には、本実施形態において領域Rを分割する例が示されている。図3は、図2に示されるマイクロプリズムアレイ120および受光部130を図の上方から見た平面図にあたる。図では、領域Rが分割されたサブ領域R1〜R3と、サブ領域R1〜R3に対応して分割されたマイクロプリズムアレイ120のセグメント120a〜120cと、セグメント120a〜120cによってそれぞれ集光された出力光L2を個別に受光する受光部130a〜130cとが示されている。
【0032】
ここで、例えば、受光部130a〜130cは、択一的に出力光L2を受光することによって、サブ領域R1〜R3でそれぞれ集光された出力光L2を個別に受光することができる。受光部130a〜130cは、時系列で順次出力光L2を受光してもよい。なお、マイクロプリズムアレイ120は、例えばセグメント120a〜120cに物理的に分割されている。この場合、セグメント120a〜120cの境界には、隣接するセグメントからの光の漏れを防ぐための遮光体が設けられていてもよい。また、マイクロプリズムアレイ120は、機能的に分割されてセグメント120a〜120cとして用いられてもよい。
【0033】
一方、図4には、図3の例において、領域Rをさらに分割する例が示されている。ここで、図3の例において領域Rがサブ領域R1〜R3に分割された方向を第1の方向とすると、図4の例では、第1の方向とは異なる第2の方向に、領域Rがさらに分割される。より具体的には、図4の例において、領域Rは、第1の方向とこれに直交する第2の方向とにそれぞれ分割され、マトリクス状のサブ領域R11〜R33が形成される。ここで、サブ領域R11,R12,R13は、図3の例のサブ領域R1に対応し、サブ領域R21,R22,R23は、同じくサブ領域R2に対応し、サブ領域R31,R32,R33は、同じくサブ領域R3に対応する。
【0034】
ここで、図示された例において、領域Rの第2の方向での分割は、領域Rを第2の方向に分割した複数のサブ照射領域を設定し、各サブ照射領域に対応する光源部110a〜110cを配置することによって実現される。光源部110aに対応するサブ照射領域は、サブ領域R11,R21,R31からなる領域であり、光源部110bに対応するサブ照射領域は、サブ領域R12,R22,R32からなる領域であり、光源部110cに対応するサブ照射領域は、R13,R23,R33からなる領域である。
【0035】
ここで、例えば、受光部130a〜130cは、図3の例と同様に、択一的に出力光L2を受光する。受光部130a〜130cは、時系列で順次出力光L2を受光してもよい。これによって、サブ領域R11,R12,R13からの受光と、サブ領域R21,R22,R23からの受光と、サブ領域R31,R32,R33からの受光とが切り替えられる。
【0036】
さらに、光源部110a〜110cは、択一的に検査光L1を照射する。光源部110a〜110cは、時系列で順次検査光L1を照射してもよい。これによって、サブ領域R11,R21,R31への照射と、サブ領域R12,R22,R32への照射と、R13,R23,R33への照射とが切り替えられる。
【0037】
このように、受光部130の受光と光源部110の照射との切り替えを組み合わせることによって、サブ領域R11〜R33のうちの任意の領域について、検査光L1を照射して出力光L2を受光することが可能である。
【0038】
上記のように、領域を分割して局所的に出力光L2を集光する構成は、例えば、手首(橈骨動脈)の脈拍を計測するような場合に有効である。手首の部位は、医師の診断にも利用されていることからもわかるように、脈拍の検査部位としては有効である。しかし、計測部位が橈骨動脈から離れると、検出が困難な程度まで脈波の振幅が小さくなる。ここで、後述するように生体計測装置の環状筐体にマイクロプリズムアレイを配置し、上記の例のように手首の周りの領域を分割して脈波を計測すれば、たとえユーザが操作に習熟していなくても、最適な脈波の波形が得られる部位を自動的に選定することができる。
【0039】
図5には、本実施形態において、受光部130にラインセンサ132を用いる例が示されている。図5は、図2に示されるマイクロプリズムアレイ120および受光部130を、図の上方から見た平面図にあたる。図示された例において、マイクロプリズムアレイ120は、領域Rを分割したサブ領域のそれぞれについて出力光L2を集光するセグメント120a,120b,・・・に分割されている。また、マイクロプリズムアレイ120は、集光部分122と、接続部分124とを有する。集光部分122は、領域Rに対向し、出力光L2を受ける部分である。接続部分124は、集光部分122で集光された出力光L2を、ラインセンサ132まで導光する部分である。受光部130にラインセンサ132を用いることによって、例えば、生体計測装置100を小型化できる。
【0040】
なお、上記のそれぞれの例における領域Rの分割の数は一例であり、領域Rは、第1の方向、第2の方向ともに、任意の数に分割されうる。
【0041】
(2−2.第2の実施形態)
次に、図6を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。図6は、本開示の第2の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0042】
図6を参照すると、生体計測装置200は、光源部110と、遮光体112と、マイクロプリズムアレイ120と、集光部遮光体226と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、集光部遮光体226以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0043】
集光部遮光体226は、マイクロプリズムアレイ120に入射する光の指向性を限定するための光学部材である。集光部遮光体226は、例えば、生体Bに対して垂直な方向の出力光L2を選択的に通過させて受光部130に入射させる。これによって、例えば、光源部110から漏出した検査光L1がマイクロプリズムアレイ120への入射光に混入することを防ぐことができる。
【0044】
本実施形態のように、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2の指向性を限定する光学部材を設けることによって、例えば蛍光分光法を用いる場合であれば、計測対象の体内物質以外の部分で散乱した励起光や、計測対象ではない体内物質によって放出された蛍光が、計測対象の出力光L2に混入することを防ぎ、出力光L2を用いた計測の精度を向上させることができる。
【0045】
(2−3.第3の実施形態)
次に、図7および図8を参照して、本開示の第3の実施形態について説明する。図7は、本開示の第3の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図8は、マイクロレンズアレイの被写界深度について説明するための図である。
【0046】
図7を参照すると、生体計測装置300は、光源部110と、遮光体112と、マイクロプリズムアレイ120と、集光部遮光体226と、マイクロレンズアレイ328と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、マイクロレンズアレイ328以外については、上記の第2の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
マイクロレンズアレイ328は、所定の被写界深度を有する複数の小さな受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイであり、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2を導光する。図8に示されるように、マイクロレンズアレイ328の被写界深度dは、例えば計測対象部位Tの生体Bの表面からの深さに対応している。計測対象部位Tが生体Bの真皮層にある場合、被写界深度dは生体Bの表面からの距離が1mm程度の範囲に設定されうる。これによって、マイクロプリズムアレイ120に入射する出力光L2が放出される生体Bの部位を限定し、出力光L2を用いた計測の精度を向上させることができる。
【0048】
(2−4.第4の実施形態)
次に、図9〜図11を参照して、本開示の第4の実施形態について説明する。図9は、本開示の第4の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。図10は、本開示の第4の実施形態において領域を分割する例を示す図である。図11は、図10の例における受光と照射との切替の例を示す図である。
【0049】
図9を参照すると、生体計測装置400は、光源部410と、マイクロプリズムアレイ120と、受光部130と、解析部140と、制御部150とを含む。なお、上記の構成要素のうち、光源部410以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。また、これらの構成要素は、上記の第2または第3の実施形態と同様の構成とすることも可能である。
【0050】
光源部410は、上記の第1の実施形態の光源部110と同様の光源部であるが、受光部130に対応して配置される点が光源部110とは異なる。つまり、光源部410は、マイクロプリズムアレイ120に対して受光部130と同じ側に設けられ、照射した検査光L1を、マイクロプリズムアレイ120を用いて生体Bに向けて拡散させる。つまり、本実施形態では、マイクロプリズムアレイ120が、集光部であるとともに光拡散部としても機能する。かかる構成によれば、光源部410と受光部130とを集約して配置することによって、装置構成をより簡略化できる。
【0051】
図10には、本実施形態において、上記の図3と同様に領域Rを分割する例が示されている。この例では、サブ領域R1〜R3で集光された出力光L2を個別に受光する受光部130a〜130cとともに、サブ領域R1〜R3に個別に検査光L1を照射する光源部410a〜410cが設けられる。つまり、この例において、マイクロプリズムアレイ120は、領域Rを分割したサブ領域R1〜R3ごとに、検査光L1を拡散し出力光L2を集光するように分割されている。互いに対応する光源部410と受光部130とは、以下の例のように、検査光L1の照射と出力光L2の受光とを択一的に実行する。
【0052】
図11には、図9および図10に示すような生体計測装置400を用いて、生体Bの計測対象部位Tを順次変化させながら計測を実行する例が示されている。図示された例では、分割されたマイクロプリズムアレイ120の各セグメントから、1つの受光セグメントと、その両隣の2つの照射セグメントとが選択される。かかる受光セグメントおよび照射セグメントを、時刻tの進行とともに順次移動させることで、計測対象部位Tを順次変化させることができる。
【0053】
なお、ここで、受光セグメントは、照射セグメントから照射された検査光L1に応じて生体Bから放出される出力光L2を集光することが可能なサブ領域に対応するセグメントである。それゆえ、上記の例のように、受光セグメントの両隣を照射セグメントにすることが必ずしも適切であるとは限らない。例えば、計測対象部位Tの生体Bの表面からの深度が大きくなるほど、検査光L1の照射位置と出力光L2の射出位置とは離れる。従って、計測対象部位Tの生体Bの表面からの深度に応じて、受光セグメントと照射セグメントとの距離を調整することが適切である。
【0054】
(2−5.第5の実施形態)
次に、図12を参照して、本開示の第5の実施形態について説明する。図12は、本開示の第5の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0055】
図12を参照すると、生体計測装置500は、光源部110と、マイクロプリズムアレイ520と、受光部130と、筐体560とを含む。解析部および制御部は、生体計測装置500に含まれるが、図示されていない。なお、上記の構成要素のうちマイクロプリズムアレイ520および筐体560以外については、上記の第1の実施形態と同様の構成とすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。また、これらの構成要素は、上記の第2〜第4の実施形態のいずれかと同様の構成とすることも可能である。
【0056】
筐体560は、生体Bを挿入することが可能な環状の筐体である。ここで、筐体560に挿入される生体Bの部位は、例えば腕や指である。従って、本実施形態に係る生体計測装置500は、例えば腕輪状や指輪状の計測装置でありうる。
【0057】
マイクロプリズムアレイ520は、上記の第1の実施形態のマイクロプリズムアレイ120と同様の集光部であるが、筐体560の内周面に沿って配置される点がマイクロプリズムアレイ120とは異なる。マイクロプリズムアレイは、例えば樹脂などで形成されるため、筐体560の内周面のような曲面に対応した形状に形成することも容易である。
【0058】
本実施形態において、生体Bは、例えば手首の部分である。この場合、生体計測装置500は、生体Bの内部の動脈Vを計測対象としてもよい。生体計測装置500では、図4に示された例と同様に、マイクロプリズムアレイ520を分割してそれぞれに対応する受光部130が配置される。また、光源部110a〜110cが、マイクロプリズムアレイ520の分割方向と直交する方向に領域Rを分割したサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される。これによって、領域Rをマトリクス状に分割した領域のそれぞれについて局所的に出力光L2を受光することが可能である。従って、上述のように、通常は計測部位の選定が困難な動脈Vの脈波の計測でも、最適な波形が得られる部位を自動的に選定することができる。
【0059】
(2−6.第6の実施形態)
次に、図13を参照して、本開示の第6の実施形態について説明する。図13は、本開示の第6の実施形態に係る生体計測装置の構成を示す図である。
【0060】
図13を参照すると、生体計測装置600は、光源部410と、マイクロプリズムアレイ520と、受光部130と、筐体560とを含む。解析部および制御部は、生体計測装置600に含まれているが、図示されていない。生体計測装置600は、上記の第5の実施形態で説明した生体計測装置500と類似した構成を有するが、光源部410が受光部130に対応して配置される点で、生体計測装置500とは異なる。
【0061】
生体計測装置600は、例えば、腕である生体Bの皮下にあるグルコースや終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End−products)などの物質を計測対象Tとする。この場合、生体計測装置600は、生体Bの表面の広い範囲について、検査光L1として励起光を照射し、出力光L2として蛍光を受光する。これによって、例えば、生体Bの表面の体毛やアザ、ホクロ、または体内の動脈および静脈の血管などの影響で生じる計測上の特異点の影響を軽減し、計測の感度と安定生徒を改善することができる。
【0062】
(3.補足)
以上、本開示の実施形態について説明した。本開示の実施形態に係る生体計測装置では、例えば図1に示した関連技術による生体計測装置のように生体表面と受光部との間に距離をとることなく、また大型の受光装置を用いることもなく、生体表面の広い領域から出力光を受光することが可能である。これによって、例えば、皮下物質の計測において、広い領域からの集光によって体毛やアザ、ホクロ、または血管などの影響で生じる特異点の影響を軽減した計測を、より自由に高精度で実現することができる。
【0063】
また、本開示のある実施形態では、集光部を分割し、付加的に光源部を分散させることによって、計測対象の領域を分割して局所的に出力光を受光することができる。これによって、例えば腕での脈波の計測など、計測に適した部位が局所的な計測でも、容易に計測に適した部位を検出することができる。
【0064】
また、本開示のある実施形態では、マイクロプリズムアレイを集光部として用いることによって、計測装置全体の形状をフラットにすることができる。また、腕輪状や指輪状などの計測装置において、曲面から出力光を集光することも容易になる。なお、集光部として用いられるのはマイクロプリズムアレイには限られず、例えば光ファイバーやホログラムレンズが同様に用いられてもよい。
【0065】
(ハードウェア構成)
次に、図14を参照しながら、本開示の実施形態に係る生体計測装置を実現可能な情報処理装置900のハードウェア構成について、詳細に説明する。図14は、本開示の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0066】
情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、センサ914、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923および通信装置925を備える。
【0067】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0068】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0069】
センサ914は、例えば、ユーザに固有の生体情報、または、かかる生体情報を取得するために用いられる各種情報を検出する検出手段である。このセンサ914として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の各種の撮像素子を挙げることができる。また、センサ914は、生体部位を撮像するために用いられるレンズ等の光学系や光源等を更に有していてもよい。また、センサ914は、音声等を取得するためのマイクロフォン等であってもよい。なお、センサ914は、上述のもの以外にも、温度計、照度計、湿度計、速度計、加速度計などの様々な測定機器を備えていてもよい。
【0070】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0071】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0072】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
【0073】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0074】
接続ポート923は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
【0075】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0076】
以上、本開示の実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備える生体計測装置。
(2)前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記各サブ領域で集光された前記出力光を個別に受光する、前記(1)に記載の生体計測装置。
(3)前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する、前記(2)に記載の生体計測装置。
(4)前記集光部は、第1の方向に分割され、
前記光源部は、前記領域を前記第1の方向とは異なる第2の方向に分割した複数のサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される、前記(2)または(3)に記載の生体計測装置。
(5)前記光源部は、前記各サブ照射領域について時分割で前記検査光を照射する、前記(4)に記載の生体計測装置。
(6)前記光源部は、前記受光部に対応して配置され、
前記集光部は、前記光源部が照射する前記検査光を前記生体に向けて拡散させる光拡散部としても機能する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(7)前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記検査光を拡散し前記出力光を集光するように分割され、
前記光源部と前記受光部とは、前記各サブ領域について、前記検査光の照射と前記出力光の受光とを択一的に実行する、前記(6)に記載の生体計測装置。
(8)前記集光部に入射する光の指向性を制御する光学部材をさらに備える、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(9)計測対象の体内物質の前記生体の表面からの深さに対応した被写界深度を有する複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイをさらに備え、
前記集光部に入射する前記出力光は前記レンズアレイによって導光される、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(10)前記生体を挿入可能な環状の筐体をさらに備え、
前記集光部は、前記筐体の内周面に沿って配置される、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(11)前記集光部としてマイクロプリズムアレイが用いられる、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の生体計測装置。
(12)生体に対して検査光を照射することと、
前記検査光に応じて前記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、
前記集光された出力光を受光することと
を含む生体計測方法。
(13)生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
(14)生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(15)生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備え、
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する生体計測装置。
【符号の説明】
【0079】
100 生体計測装置
110 光源部
120 マイクロプリズムアレイ(集光部)
130 受光部
140 解析部
150 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備える生体計測装置。
【請求項2】
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記各サブ領域で集光された前記出力光を個別に受光する、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項3】
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する、請求項2に記載の生体計測装置。
【請求項4】
前記集光部は、第1の方向に分割され、
前記光源部は、前記領域を前記第1の方向とは異なる第2の方向に分割した複数のサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される、請求項2に記載の生体計測装置。
【請求項5】
前記光源部は、前記各サブ照射領域について時分割で前記検査光を照射する、請求項4に記載の生体計測装置。
【請求項6】
前記光源部は、前記受光部に対応して配置され、
前記集光部は、前記光源部が照射する前記検査光を前記生体に向けて拡散させる光拡散部としても機能する、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項7】
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記検査光を拡散し前記出力光を集光するように分割され、
前記光源部と前記受光部とは、前記各サブ領域について、前記検査光の照射と前記出力光の受光とを択一的に実行する、請求項6に記載の生体計測装置。
【請求項8】
前記集光部に入射する光の指向性を制御する光学部材をさらに備える、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項9】
計測対象の体内物質の前記生体の表面からの深さに対応した被写界深度を有する複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイをさらに備え、
前記集光部に入射する前記出力光は前記レンズアレイによって導光される、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項10】
前記生体を挿入可能な環状の筐体をさらに備え、
前記集光部は、前記筐体の内周面に沿って配置される、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項11】
前記集光部としてマイクロプリズムアレイが用いられる、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項12】
生体に対して検査光を照射することと、
前記検査光に応じて前記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、
前記集光された出力光を受光することと
を含む生体計測方法。
【請求項13】
生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備え、
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する生体計測装置。
【請求項1】
生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備える生体計測装置。
【請求項2】
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記各サブ領域で集光された前記出力光を個別に受光する、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項3】
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する、請求項2に記載の生体計測装置。
【請求項4】
前記集光部は、第1の方向に分割され、
前記光源部は、前記領域を前記第1の方向とは異なる第2の方向に分割した複数のサブ照射領域のそれぞれに対応して配置される、請求項2に記載の生体計測装置。
【請求項5】
前記光源部は、前記各サブ照射領域について時分割で前記検査光を照射する、請求項4に記載の生体計測装置。
【請求項6】
前記光源部は、前記受光部に対応して配置され、
前記集光部は、前記光源部が照射する前記検査光を前記生体に向けて拡散させる光拡散部としても機能する、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項7】
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記検査光を拡散し前記出力光を集光するように分割され、
前記光源部と前記受光部とは、前記各サブ領域について、前記検査光の照射と前記出力光の受光とを択一的に実行する、請求項6に記載の生体計測装置。
【請求項8】
前記集光部に入射する光の指向性を制御する光学部材をさらに備える、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項9】
計測対象の体内物質の前記生体の表面からの深さに対応した被写界深度を有する複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイをさらに備え、
前記集光部に入射する前記出力光は前記レンズアレイによって導光される、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項10】
前記生体を挿入可能な環状の筐体をさらに備え、
前記集光部は、前記筐体の内周面に沿って配置される、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項11】
前記集光部としてマイクロプリズムアレイが用いられる、請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項12】
生体に対して検査光を照射することと、
前記検査光に応じて前記生体の表面の領域から放出される出力光を空間積分的に集光することと、
前記集光された出力光を受光することと
を含む生体計測方法。
【請求項13】
生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
生体に対して検査光を照射する光源部と、前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、前記集光された出力光を受光する受光部とを含む生体計測装置に備えられるコンピュータに、
前記光源部を制御する機能と、
前記受光部を制御する機能と
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
生体に対して検査光を照射する光源部と、
前記生体の表面の領域に対向して配置され、前記検査光に応じて該領域から放出される出力光を空間積分的に集光する集光部と、
前記集光された出力光を受光する受光部と
を備え、
前記集光部は、前記領域を分割した複数のサブ領域ごとに前記出力光を集光するように分割され、
前記受光部は、前記分割された集光部によってそれぞれ集光された前記出力光を時分割で受光する生体計測装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−104850(P2013−104850A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250996(P2011−250996)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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