説明

生体認証に基づく認証情報提供システムおよび情報配信サービス提供システム、生体認証サーバおよび情報配信サーバ、ならびに認証情報提供方法および情報配信方法

【課題】定置端末装置を用いて生体認証のための生体情報を読取り、生体認証サーバが生体認証処理を行って個人識別情報を提供するようにした認証情報提供システムを提供するとともに、これを用いた情報配信サービスを提供する。
【解決手段】認証情報提供システムは定置端末装置10と生体認証サーバ20と情報配信サーバ30を備えている。認証情報提供システムは個人識別情報提供手段26を備え、定置端末装置10は、生体情報読取り手段が読み取った生体情報を生体認証サーバ20に送信し、認証処理手段28は、定置端末装置10から送信された生体情報と認証データベース25に蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、認証データベース25から、対応する個人識別情報を取得し、個人識別情報提供手段26は提供先データで指定された情報配信サーバ30に個人識別情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金預け払い装置など所定の位置に固定的に設置された定置端末装置を生体認証端末として生体認証サーバで登録済の認証情報と照合して本人認証を行い、前記生体認証サーバから本人が登録した個人識別情報を認証情報として当該本人が会員登録している他の情報配信サーバに提供するようにした認証情報提供システムに関するものであり、また、生体認証サーバから認証情報として個人識別情報を提供された情報配信サーバが、該個人識別情報に関連づけて登録している興味対象情報で指定された要求を処理して、その結果を、生体認証処理要求を行った定置端末装置を介して提供するようにした情報配信サービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、のダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路経探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
また近年では、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
【0010】
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して検索要求する。サーバは指定されたカテゴリに該当し、かつ当該地域に存在する店舗やイベントを検索し、その情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
【0011】
このようなPOI(興味対象場所:Point of Interest)の情報提供システムは種々提案されている。例えば、下記の特許文献2(特開2003−150475公報)に「情報提供システムおよび方法」として開示されたシステムも知られている。この特許文献2に開示された情報提供システムは、携帯端末とWebアプリケーションサーバからなるシステムである。
【0012】
この情報提供システムにおいて、携帯端末を利用するユーザは、表示された提供サービスメニューから要求するサービスを選択する。選択されたサービスの情報はWebアプリケーションサーバに送信される。GPS衛星は位置情報を出力する。携帯端末は、位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて現在位置を算出し、その現在位置の情報を、インターネットを介してWebアプリケーションサーバに送信する。Webアプリケーションサーバは、携帯端末から送信された現在位置の情報を受信し、携帯端末を利用するユーザによって選択されたサービスに関する情報であって、その現在位置に関連する情報を携帯端末に送信する。
【0013】
一般的に、目的とするPOIカテゴリに属する特定のPOIが現在位置や所望の位置周辺(例えば、半径2kmの範囲)に複数存在する場合、上記のようなPOI検索システムや経路案内システムにおいて検索された複数のPOIに関する位置情報や関連情報は、現在位置や所望の位置から近い順に並べられて携帯端末に配信される。近い順とは現在位置や所望の位置からの各POIまでの直線距離が短い順である。
【0014】
ところで、上記のようなPOI情報システムは、単に利用者が検索した所望のPOIの場所やPOIまでの経路を案内するものであって、そのPOIに在庫がなく商品が購入できないというケースが生じることがある。そこで本出願人は、POI検索とともに所望の商品在庫の有無を確認できるシステムを提供する目的で既に、特願2005−263012号の発明についての特許出願を行っている。
【0015】
この特願2005−263012号(以下、「先願1」という。)に開示された発明は、現在位置などの所望位置からPOIまでの実際の移動経路の距離または時間を考慮して、前記所望位置から近くに存在し、希望の商品在庫を有するPOIを選択でき、また、情報配信サーバにおけるPOIまでの経路探索を素早く、効率よく行うことができるようにしたナビゲーションシステムである。
【0016】
すなわち、このナビゲーションシステムは、POIデータベースに加え、POIごとの商品在庫の情報を取得する在庫情報取得手段希望商品を指定して現在位置や所望位置から近いPOIの探索要求があった場合、先ず、現在位置や所望位置からユーザが所望する時間または距離で到達できる道路ネットワーク上の範囲(到達圏)を探索し、到達圏内のPOIを抽出し、抽出されたPOIにおける商品在庫を確認して在庫のあるPOIを特定し、現在位置または所望位置からの経路とし、距離(または時間)の短い順に該当POIをソートして案内するように構成したものである。
【0017】
情報配信サーバも機能が充実され、前述のような鉄道路線やバス路線の時刻表の提供や乗り換え案内にとどまらず、従来の車載用ナビゲーションシステムの機能を携帯電話などの携帯端末に提供する情報配信サーバも実現されている。このようなシステムによれば、自動車の運転者のみならず、歩行者に対するナビゲーションサービスを提供することができる。
【0018】
一方、所定の場所(緯度・経度などの位置情報で特定される場所)に固定的に設置され情報提供サーバと通信する定置端末装置と、利用者が所持する移動体端末装置がこの定置端末装置と通信して情報提供サーバから経路案内を受けるようにした定置端末装置を用いたナビゲーションシステムも提案されている。このようなナビゲーションシステムでは、利用者が直接情報提供サーバと通信する必要がなく、定置端末装置に接近した時に定置端末装置と通信できればよいので、利用者が移動体端末装置を所持する必要もなく、定置端末装置が利用者の識別とその接近を識別できればよいので、短距離無線通信により定置端末装置と通信できるICカードを利用者が所持するように構成することもできる。
【0019】
このようなナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献3(特開平10−63986号公報)に「人誘導システム」として開示され、また、下記の特許文献4(特開2006−47274号公報)に「経路誘導システム」として開示されている。これらの誘導システムは、特に視覚障害者を安全に該視覚障害者が目的地とする病院や公共施設まで誘導するシステムであるが、その他、テーマパーク入場者に対してテーマパーク内の各施設への経路を案内するシステムにおいてもこのような定置端末装置を利用した案内システムが採用されている。
【0020】
特許文献3に開示された「人誘導システム」は、市街地、病院、福祉施設、駅構内などの場で、複数の分岐点を経由して目的地まで適切に人、特に視覚障害を持った人などを誘導する人誘導システムである。このシステムは、各分岐点を含む所定のポイントに設置され、誘導すべき人がポイントに来たことを検知する検知手段、各分岐点の配置及び目的地を記憶する第1の記憶手段、目的地までの通過ポイントをその順序と共に記憶する第2の記憶手段、各検知手段が誘導すべき人を検知した場合に、そのポイントを順次記憶する第3の記憶手段、及び方向決定手段を備えて構成されたものである。
【0021】
方向決定手段は、各検知手段が誘導すべき人を検知した場合に、そのポイントを第2の記憶手段から見つけ出し、第2の記憶手段に記憶された上記情報に基づいて、該誘導すべき人が次に進むべき方向を決定する。決定された方向は音声出力手段などの通知手段を介して誘導すべき人に対して通知するものである。
【0022】
また、特許文献4に開示された「経路誘導システム」は、被誘導者を所定の領域内のどの場所からでも直感的に理解できるように目的地に誘導する経路誘導システムである。このシステムは、サーバが所定の領域内の総目的地情報と設置通信端末の位置情報とを予め登録し、被誘導者が識別IDと目的地とを登録して、上記所定の領域内の任意の設置通信端末から上記識別IDと目的地とを入力すると、上記サーバが、現在地から目的地までの経路を算出し、音声、画像のほか上記設置通信端末の方向指示器を誘導すべき方向に指示するように駆動させることで、領域内のどの地点からでも、被誘導者が直感的に理解できるように目的地に誘導することができるようにしたものである。
【0023】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−150475号公報(図1、図2、段落[0013])
【特許文献3】特開平10−63986号公報(図1、図8)
【特許文献4】特開2006−47274号公報(図1、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
一般に、利用者が所望する興味対象に関する情報や所望の場所までの経路案内を希望する場合、移動体通信を利用して利用者が所持する携帯電話などの移動体通信端末装置を用いて、経路案内サーバや情報提供サーバと直接通信して必要とする情報を取得するシステムが利用される。しかしながら、このような通信型のシステムでは、利用者が移動体端末装置を携帯することが前提になる。利用者がこのような移動体端末装置を所持していなくても所望の情報を取得できると便利な場合が多々存在する。
【0025】
また、上記のような通信型のシステムにおいては、利用者が情報を取得するために能動的に経路案内サーバや情報提供サーバにアクセスして情報取得のために必要な条件、例えば、ナビゲーションシステムにおいては、出発地や目的地などの経路探索条件を経路案内サーバに送る必要がある。同様に、利用者が興味対象としている事項に関連する情報を取得しようとする時には、興味対象を特定して情報配信サーバに送る必要がある。利用者が能動的に各種サーバにアクセスすることなく、予め登録してある条件や興味対象に関する情報を、利用者が他の目的である地点に所在している時、その所在位置に基づいて自動的に提供できると利用者には思いがけない情報が提供でき利便性を向上させることもできる。
【0026】
このような情報配信サービスには、利用者が特別に移動体通信端末を所持する必要がなく、所定の場所に固定的に設置された定置端末装置を活用することが好ましい。例えば、現金預け払い装置は、銀行の支店やATMコーナー、コンビニエンスストア、スーパーマッケートなど、極めて多くの位置に設置されており、利用者が頻繁に利用するものである。従って、このような定置端末装置を利用者が利用した時に、利用者が予め登録してある興味対象に関する情報を提供できると便利なシステムを提供することができるようになる。
【0027】
しかしながら、定置端末装置を用いたシステムに共通する問題点は、利用者をいかに特定するかという点である。上記特許文献2や特許文献3に開示された人誘導システムにおいては、利用者に当該利用者を特定するためのICカードなどの信号発信手段を携行させ、この問題点を解消している。この場合、利用者がICカードの携行を忘れた場合には必要とする案内や情報の取得ができなくなるという問題点がある。
【0028】
そこで、定置端末装置に生体認証のための生体情報読取り手段を設け、利用者を生体認証によって特定するシステムにすることが考慮される。一般にこのような生体認証システムを適用するためには、全ての定置端末装置に生体情報読取り手段を設け、また、情報提供サーバ側に認証に使用する生体情報を保存し、照合、認証処理を行う処理システムを構築する必要があり、これらを、情報提供サービスを行う事業者が単独で用意するには設備投資が膨大になるという問題点がある。また、生体認証のための生体情報は高度な個人情報に属するものであり、その保護を強固にしなければならないという問題点もある。
【0029】
昨今では、銀行に預けられている個人の資産を保護するために、生体情報読取り手段を設けた現金預け払い装置が設置され始めている。このような生体認証システムを適用したシステムを有効に利用できれば、個々の情報提供サービス事業者が個別に生体認証システムを適用したシステムを構築するという無駄を省くことができるようになる。また、利用者は個々のシステムに生体情報を登録する必要がなくなり、個人情報保護の観点からも好ましいシステムを提供することができるようになる。
【0030】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、定置端末装置に生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段を設け、生体情報読取り手段に利用者が読取らせた生体情報を生体認証局(生体認証サーバ)に送り、生体認証サーバは、予め利用者が登録してある生体情報に基づいて個人認証を行った上で、利用者が登録してある個人識別情報、すなわち、利用者を特定する特定情報に変換して、該利用者が予め加入登録してある他の情報提供サーバにその個人識別情報を提供するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0031】
このような認証情報提供システムにすれば、生体認証サーバ運営事業者、定置端末装置運営事業者、情報配信サービス提供事業者が個別に生体認証システムを構築することなく、生体認証済の個人識別情報を提供することにより、個人を特定することができるようになる。また、利用者は異なるシステムごとに認証のための生体情報や個人情報を登録する必要がなく、個人情報の保護、認証情報のセキュリティーの面で優れたシステムを提供できる。
【0032】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、定置端末装置を用いて生体認証のための生体情報を読取り、生体認証サーバが生体認証処理を行い、情報配信サーバに個人識別情報を提供するようにした認証情報提供システムを実現することを第1の目的とするものである。また、生体認証サーバから提供された個人識別情報に基づいて、情報配信サーバが、利用者が操作した(生体情報を読取らせた)定置端末装置を介して前記個人に種々の情報を提供するようにした情報配信サービスシステムを提供することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、所定位置に設置された定置端末装置と、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、認証処理手段と、を有する生体認証サーバと、を備えた認証情報提供システムであって、
前記認証情報提供システムは、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段を備え、
前記定置端末装置は、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信し、
前記認証処理手段は、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得し、
前記個人識別情報提供手段は、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項2にかかる発明は、
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段によって読取った生体情報を、前記通信手段を介して認証サーバに送信する所定位置に設置された定置端末装置とネットワークを介して接続される生体認証サーバであって、
前記生体認証サーバは、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、を備え、
前記認証処理手段は、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記個人識別情報提供手段は、生体認証サーバは、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を読出し、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項3にかかる発明は、
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出し、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信することを特徴とする。
【0036】
本願の請求項4にかかる発明は、
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出して前記定置端末装置に送信する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信し、前記生体認証サーバから、前記生体情報に該当する個人識別情報と提供先データを取得することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項5にかかる発明は、
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、所定位置に設置された定置端末装置と、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、認証処理手段と、を有する生体認証サーバと、を備えた認証情報提供システムにおける認証情報提供方法であって、
前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する生体情報送信ステップと、
前記認証処理手段が、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて肯定的認証結果が得られた場合、前記生体認証サーバが、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得する個人識別情報取得ステップと、
前記個人識別情報提供手段が、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信する個人識別情報提供ステップと、を有することを特徴とする。
【0038】
本願の請求項6にかかる発明は、
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段によって読取った生体情報を、前記通信手段を介して認証サーバに送信する所定位置に設置された定置端末装置とネットワークを介して接続される生体認証サーバにおける認証情報提供方法であって、
前記生体認証サーバは、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、を備え、
前記認証処理手段が、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて肯定的認証結果が得られた場合、前記生体認証サーバが、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得する個人識別情報取得ステップと、
前記個人識別情報提供手段が、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信する個人識別情報提供ステップと、を有することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項7にかかる発明は、
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出し、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置における認証情報提供方法であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する送信ステップを有することを特徴とする。
【0040】
本願の請求項8にかかる発明は、
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出して前記定置端末装置に送信する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置における認証情報提供方法であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する送信ステップと、前記生体認証サーバから、前記生体情報に該当する個人識別情報と提供先データを取得する取得ステップと、を有することを特徴とする。
【0041】
本願の請求項9にかかる発明は、
請求項1にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービス提供システムであって、
前記情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、
前記個人識別情報提供手段は、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供し、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段は、前記個人識別情報提供手段から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索し、該提供情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に配信することを特徴とする。
【0042】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記経路探索部は、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索し、該探索した経路を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする。
【0043】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする。
【0044】
本願の請求項12にかかる発明は、
請求項1にかかる発明の認証情報提供システムを用いた情報配信サービス提供システムを構成する情報配信サーバであって、
前記情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、前記個人識別情報提供手段は、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供し、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段は、前記定置端末装置から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索し、該提供情報を前記定置端末装置に配信することを特徴とする。
【0045】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記経路探索手段は、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索し、該探索した経路を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする。
【0046】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理手段は取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする。
【0047】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項5にかかる発明の認証情報提供方法を用いた情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法であって、
情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、
前記個人識別情報提供手段が、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供する個人識別情報提供ステップと、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段が、前記個人識別情報提供手段から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索する要求処理ステップと、前記要求処理手段が探索した前記提供情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に配信する配信ステップと、を有することを特徴とする。
【0048】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる発明において、
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記要求処理ステップは、前記経路探索手段が、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索する処理を含むことを特徴とする。
【0049】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項15にかかる発明において、
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理ステップは、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信する処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0050】
請求項1にかかる発明においては、生体認証サーバは利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースを有する。認証情報提供システムは、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段を備え、定置端末装置は、生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、該生体情報を生体認証サーバに送信し、認証処理手段は、定置端末装置から送信された生体情報と認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得し、個人識別情報提供手段は、提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信する。
【0051】
このような構成によれば、定置端末装置は、生体認証サーバから認証済みの個人識別情報を取得することができるから、利用者は1つの生体認証サーバに生体認証のための生体情報と個人識別情報を登録しておくことにより、任意の定置端末装置を利用して認証を受けて、個人を特定することができるようになる。また、利用者は生体認証を所望する複数のシステムにそれぞれ認証のための生体情報や個人識別情報、住所、電話番号などの個人情報を登録する必要がなく、個人情報保護の点から利用者にとって好ましいシステムを提供することができる。
【0052】
更に、生体認証サーバの運営事業者は、個人識別情報を提供する提供先の情報配信サーバの運営事業者に対して手数料を課金し、情報配信サーバの運営事業者は生体認証を利用し情報提供を所望する登録会員に情報配信の手数料を課金するようにすれば、情報配信サーバの運営事業者は、生体認証のための設備投資をすることなく、実質的に生体認証を行ったと同じ結果を得ることができ、利用者、生体認証サーバの運営事業者、情報配信サーバの運営事業者のそれぞれがメリットを享受できるビジネスモデルを構築することができる。
【0053】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる認証情報提供システムを構成する生体認証サーバを提供することができ、また、請求項3、請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる認証情報提供システムを構成する定置端末装置を提供することができるようになる。
【0054】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかる認証情報提供システムを実現する認証情報提供方法を提供することができるようになる。また、請求項6にかかる発明においては請求項2にかかる生体認証サーバにおける認証情報提供方法を提供することができるようになり、請求項7、請求項8にかかる発明においては、請求項3、請求項4にかかる定置端末装置における認証情報提供方法を提供することができるようになる。
【0055】
請求項9にかかる発明においては、請求項1に記載の認証情報提供システムを用いた情報配信サービス提供システムであって、前記情報配信サービス提供システムは、更に、情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備える。そして、前記個人識別情報提供手段は、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供し、前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段は、前記個人識別情報提供手段から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索し、該提供情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に配信する。
【0056】
請求項10にかかる発明においては、請求項9にかかる発明において、前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記経路探索手段は、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索し、該探索した経路を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信する。
【0057】
請求項11にかかる発明においては、請求項9にかかる発明において、前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信する。
【0058】
このような構成によれば、利用者が予め生体認証サーバに生体認証のための生体情報と個人識別情報を登録するとともに、情報配信サーバに個人識別情報と興味対象情報を登録しておけば、利用者は特別な端末装置や個人識別用のカードを携行することなく、定置端末装置において生体認証を要求するだけで、情報配信サーバに登録した興味対象情報、この場合、目的地までの経路案内のサービスを受け、あるいは、所望のPOIの検索サービスを受けることができるようになる。また、生体認証サーバは、利用者が登録した個人識別情報の提供先に、生体認証済の個人識別情報を提供するサービスを行うことができるようになる。
【0059】
請求項12〜請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項9〜請求項11にかかる発明を構成する情報配信サーバを提供することができるようになり、請求項15〜請求項17にかかる発明においては、それぞれ請求項9〜請求項11にかかる発明の情報配信システムを実現するための情報配信方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための認証情報提供システム、情報配信サービスシステムを例示するものであって、本発明をこの認証情報提供システム、情報配信サービスシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の認証情報提供システム、情報配信サービスシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0061】
図1は、本発明の実施例1にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービスシステム1の概念を示すシステム構成図である。認証情報提供システムは、それぞれ所定の位置に設置された複数の定置端末装置10と、利用者が登録した生体認証のための生体情報を蓄積した認証データベース25を有する生体認証サーバ20とを備えて構成されている。
【0062】
生体認証を利用する利用者は予め生体認証のための生体情報と個人識別情報などの認証用データと認証結果を提供する提供先情報、例えば、所望の情報配信サーバ30の接続先の情報を生体認証サーバ20に登録し、それらの認証用データを認証データベース25に蓄積しておく。図1において、利用者端末装置40は、上記の登録を行うパーソナルコンピュータなどである。生体情報は別途定められた方法によって生体認証サーバ20に登録する。
【0063】
定置端末装置10は、図2に示すように生体情報読取り手段を持ち、利用者が定置端末装置10を用いて認証を受けたい場合には、生体情報読取り手段で読取った認証用の生体情報を生体認証サーバ20に送信する。生体認証サーバ20は定置端末装置10から受信した生体情報と認証データベース25に蓄積された生体情報とを照合して個人認証を行う。認証の結果として肯定的な結果(生体情報が一致して正しい利用者であることが認証された結果)が得られると、生体認証サーバ20は該生体情報に対応して認証データベース25に登録されている個人識別情報を認証済みのデータとして予め利用者が登録した提供先の情報配信サーバ30に送信する。
【0064】
これにより、利用者は定置端末装置10により生体認証サーバ20に生体認証を要求し、生体認証サーバ20において、利用者が正当な利用者であるとの認証がなされると、生体認証サーバ20は、利用者が予め設定してある所定の情報配信サーバ30に個人識別情報を送信して、該情報配信サーバ30が個人を特定することができるようになる。
【0065】
生体認証の方法は、指紋、静脈など種々提案されている方法を採用することができる。定置端末装置10において、生体情報読取り手段が読み取る生体情報そのものは、外部のシステムとの共用は出来ない。読取りのフォーマットが異なればデータ自体に意味がなく、またセキュリティー上、外部のシステムと生体情報を共有することは許されないからである。本発明においては、定置端末装置10と専用回線で接続される生体認証サーバ20でのみ生体認証のための情報を扱い、本人認証が得られた場合、認証情報を、利用者個人を特定する特定情報、すなわち、利用者が生体情報とともに登録した個人識別情報に変換して、他のシステムに提供するように構成している。
【0066】
すなわち、生体認証サーバ20に認証のための生体情報、個人識別情報、提供先情報を登録した利用者が、所望の情報配信サーバ30に所望の情報提供を希望する場合、利用者は該情報配信サーバ30にも生体認証サーバ20に登録した個人識別情報を登録し、情報提供を所望するための興味対象情報を登録しておく。登録された個人識別情報、興味対象情報は、個人登録情報データベース37に登録される。利用者は、予め利用者端末装置40を用いて情報配信サーバ30にこの登録処理を行っておく。これにより、生体認証サーバ20から提供される個人識別情報と情報配信サーバ30に登録された個人識別情報とが関連付けできるから、情報配信サーバ30に登録された利用者のアカウント、ID、パスワードが特定でき、情報配信サーバ30にログインすることができるようになる。
【0067】
従って、情報配信サーバ30は、生体認証サーバ20から個人識別情報を受信すると、個人登録情報データベース37を参照して、個人識別情報に対応して登録されている興味対象情報に従って、当該興味対象情報に関する検索を行い、利用者が所望している該当情報があれば、その該当情報を定置端末装置10に配信する。定置端末装置10は情報配信サーバ30から配信された情報を表示手段に表示して利用者に提供することができる。
【0068】
ここで、生体認証サーバ20は各定置端末装置10の設置位置情報を緯度・経度の位置情報として生成する位置情報生成手段を備え、情報配信サーバ30に個人識別情報を送信する際に、この位置情報も送信する。情報配信サーバ30は興味対象情報に基づく処理を行う場合にこの位置情報と関連付けて処理する。例えば、定置端末装置10の位置(利用者が定置端末装置10を操作した時点で位置する利用者の位置を意味する)を出発地として経路を探索したり、この位置を中心として所定の範囲内(距離範囲内)に存在する興味対象場所(POI)を検索したりする。また、位置情報には緯度、経度だけでなく、高さ情報や建物内の階数情報を含んでも良い。また特定の施設内の区画情報であっても良い。
【0069】
定置端末装置10は、例えば、銀行の支店、キャッシュコーナー、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置された現金預け払い装置などであり、生体認証サーバ20は銀行の認証サーバである。従って、生体認証サーバ20は、各定置端末装置10の設置位置を生成することができる。また、情報配信サーバ30は、例えば、所望の地点から地点までの経路を探索して案内したり、所望のPOI(興味対象場所:Point of Interest)を検索して案内したりするナビゲーションサーバである。
【0070】
利用者は定置端末装置10である現金預け払い装置を利用して預金の預け払いを行う際に、生体認証を利用すると、生体認証サーバ20を介して、予め個人識別情報の提供先として登録してある情報配信サーバ30に興味対象情報に従った処理を要求し、その結果を、生体認証サーバ20を介して得ることができる。この時、定置端末装置10の設置位置に関連した処理が情報配信サーバ30によって行われるから、利用者がたまたま立ち寄った定置端末装置10の位置を起点とした情報を得ることができ、利用者が積極的に意図していなくても、情報配信サーバ30に予め登録しておいた興味対象情報に該当する情報を得ることができるようになる。このような具体例の詳細については後に詳しく説明する。
【0071】
また、定置端末装置10は航空会社のチケット発行機や自動チェックイン装置とすることができ、情報配信サーバ30を航空会社が運営することで本人認証を行ってチケット発行や自動チェックインする際に、出発空港の搭乗ゲートや、到着空港の周辺案内などを提供するシステムとすることができる。
【0072】
また更に、定置端末装置10を所定の交差点などに設置した通信端末とし、情報提供サーバ30を、視覚障害などの障害を持つ利用者が登録した目的地と定置端末装置10(利用者が生体情報を読み取らせた定置端末装置)の位置との間の経路案内の情報を提供する経路探索サーバとすることができる。このような具体例の詳細については後に実施例に基づいて詳しく説明する。
【0073】
このように、生体認証サーバ20を用いて生体認証を行い、その結果として本人認証が正しく行われた利用者の個人識別情報を、予め利用者が登録した提供先に提供するようなシステムによれば、利用者は生体認証を所望する複数のシステムにそれぞれ認証のための生体情報や個人識別情報、住所、電話番号などの個人情報を登録する必要がなく、個人情報保護の点から利用者にとって好ましいシステムを提供することができる。
【0074】
このようなシステムにおいて、生体認証サーバ20の運営事業者は、個人識別情報を提供する提供先の情報配信サーバ30の運営事業者に対して手数料を課金し、情報配信サーバ30の運営事業者は生体認証を利用し、情報提供を所望する登録会員に情報配信の手数料を課金するようにすれば、情報配信サーバの運営事業者は、生体認証のための設備投資をすることなく、実質的に生体認証を行ったと同じ結果を得ることができ、利用者、生体認証サーバの運営事業者、情報配信サーバの運営事業者のそれぞれがメリットを享受できるビジネスモデルを構築することができる。
【0075】
なお、図1において情報配信サーバ30はナビゲーションシステムにおける経路探索サーバやPOI検索サーバなど種々のサーバであってもよいし、これら各種のサーバへのログインを管理する案内管理サーバを置き、各種サーバへの情報配信要求、各種サーバからの情報配信をこの案内管理サーバが経由するシステム構成としてもよい。その場合、案内管理サーバは、WEBページを用いて、利用者が事前にログインし、興味対象情報(目的地やPOIの検索要求の情報)を登録できるようにしておく。目的地への到着時刻まで興味対象情報に指定すれば、情報配信サーバ30からの案内の提供はその時刻に達するまでの間に行われる。このように、利用者が興味対象を案内管理サーバに登録して、機会あるごとに定置端末装置10を介して案内を受けることができるようになる。
【0076】
図2は、定置端末装置10の概略構成を示すブロック図である。定置端末装置10は制御手段12、通信手段13、表示手段14、操作・入力手段15、生体情報読取り手段16などを備えて構成されている。制御手段12は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段13は、ネットワークを介して生体認証サーバ20と通信するための通信インタフェースである。
【0077】
表示手段14は、液晶表示ユニットなどで構成され、定置端末装置10におけるメニューや定置端末装置10の処理結果を表示するものである。また、操作・入力手段15はキーや表示手段14に表示されるソフトキーやタッチパネルからなり、定置端末装置10に所望の入力を行ったり、所望のメニューや選択項目を選択して定置端末装置10に処理を要求したりするものである。
【0078】
また、生体認証サーバ20は、生体認証を所望する利用者から予め登録された生体認証のための生体情報などを蓄積する認証データベース25を備えている。認証に用いる生体情報は代表的には指紋データであるが、その他個人を特定できる生体の情報であってもよい。登録データは図3に示すように登録利用者、氏名、住所、電話番号等の個人情報と、パスワードPW、生体情報(以下の説明では生体情報として指紋を用いる)、利用者個人を示す個人識別情報などから構成される。個人識別情報は、図3に示すように所定桁数の英数字、記号の組み合わせであってよく、利用者が任意の組み合わせを登録しておく。
【0079】
また、利用者は生体認証サーバ20に生体情報、個人識別情報を登録するとともに、所望の情報配信サーバ30から生体認証に基づいて情報配信を希望する場合には、当該所望の情報配信サーバ30にも個人識別情報を登録する。すなわち、利用者は生体認証サーバ20に登録した個人識別情報を情報配信サーバ30に登録するとともに、情報配信を希望する興味対象情報を設定しておく。そして、生体認証サーバ20には、情報配信サーバ30を個人識別情報の提供先として登録する。
【0080】
図4は、この提供先を示すデータの構成を示すデータ構成図である。図4に示すように提供先データは利用者が個人識別情報の提供先を登録したサーバ、すなわち、情報配信サーバ30、および個人識別情報の送信先アドレスやURLなどから構成される。この提供先データは、認証データベース25に記憶される。なお、認証データベースに提供先データを記憶することなく、提供先データ登録手段を別途設けてもよい。
【0081】
生体認証サーバ20は、定置端末装置10から生体情報読取り手段で読取った生体情報を受信すると、認証処理手段が、定置端末装置10から受信した生体情報と認証データベース25に登録されている生体情報とを照合して認証処理を行う。両方の生体情報が一致すれば正当な本人である認証が行われ(肯定的な認証結果が得られ)、生体認証サーバ20は、認証した生体情報に対応する個人識別情報を認証データベース25から読出す。読出された個人識別情報は、提供先データ登録手段に登録された提供先(ここでは、情報配信サーバ30)に送信される。
【0082】
生体認証サーバ20から個人識別情報を受信した情報配信サーバ30は、個人識別情報によって生体認証を利用した個人を特定することができ、当該特定した個人により登録されている興味対象情報に従った情報配信サービスを定置端末装置10に対して提供することができる。
【0083】
図5は、本発明にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービスシステム1の構成を示すブロック図である。この情報配信サービスシステム1は、ネットワークを介して接続される生体認証サーバ20と情報配信サーバ30とを備えて構成されている。先に述べたように生体認証サーバ20は定置端末装置10から受信した生体情報に基づいて生体認証を行い、認証結果が肯定的な結果であれば、該当する利用者の個人識別情報を読出して、提供先データで示される情報配信サーバ30に個人識別情報を送信するものである。
【0084】
この生体認証サーバ20は、制御手段21、通信手段22、表示手段23、操作・入力手段24、認証データベース25、個人識別情報提供手段26、提供先データ登録手段27、認証処理手段28、位置情報生成手段29などを備えて構成されている。制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0085】
通信手段22は、ネットワークを介して定置端末装置10、情報配信サーバ30と通信するためのインタフェースである。操作・入力手段24は、キー、ダイヤル等からなり、生体認証サーバ20を操作するための入力に用いられる。また、表示手段23は液晶表示パネル等からなり生体認証サーバ20の動作等をモニタするものである。
【0086】
また、生体認証サーバ20において、認証処理手段28は定置端末装置10から利用者の生体情報が送信されると、認証データベース25に登録されている生体情報と照合して利用者が正しい登録者であるか否かを認証する。個人認証が正しく行われる(肯定的ない認証結果が得られる)と、個人識別情報提供手段26は、認証データベース25に生体情報とともに登録されている個人識別情報を読出して、提供先データ登録手段27に登録されている提供先データで特定される情報配信サーバ30に、該個人識別情報を送信する。ここで、提供先データ登録手段27に登録される提供先データは、個人識別情報を提供する情報配信サーバ30(利用者が生体認証サーバに登録した提供先)の個人識別情報の送信先アドレス、URLなどである。
【0087】
位置情報生成手段29は生体情報を送信してきた定置端末装置10が設置された位置情報を緯度・経度で生成するものである。個人識別情報提供手段26は、情報配信サーバ30に個人識別情報を送信する際、この位置情報を合わせて送信する。位置情報は、例えば、銀行が各所に設置する現金預け払い装置が定置端末装置10であり、銀行が運営する管理サーバが生体認証サーバ20である場合、生体認証サーバ20は各定置端末装置10の設置位置を全て把握しており、生体情報を送信してきた定置端末装置10の位置情報を生成することができる。なお、この位置情報は、定置端末装置10を設置する際に各定置端末装置10内のメモリに位置情報を記録しておき、生体情報とともに位置情報を生体認証サーバ20に送信するように構成することもできる。
【0088】
個人識別情報提供手段26が情報配信サーバ30に個人識別情報を個人識別情報と位置情報を送信する処理は、具体的には情報配信サーバ30に処理要求を行うことを意味する。すなわち、この処理要求は、情報配信サーバ30に個人識別情報を送信して、情報配信サーバ30に利用者が登録した興味対象情報に関する提供情報があるか、問い合わせ、該当する情報がある場合には、これを生体認証サーバ20に配信する処理を要求するものである。情報配信サーバ30は、後述するように、興味対象情報に基づく処理を行う際に、生体認証サーバ20から受信した定置端末装置10の位置情報に関連付けて処理を行う。
【0089】
一方、情報配信サーバ30は、制御手段31、通信手段32、個人識別情報比較手段33、要求生成手段34、案内情報生成手段35、要求処理手段36、個人登録情報データベース37を備えて構成されている。個人登録情報データベース37には、予め利用者が登録した個人識別情報371、興味対象情報372が蓄積されている。この例では、情報配信サーバ30は交差点や駅などに設置された定置端末装置10を介して視覚障害を持つ利用者に所望の目的地への経路を探索して案内するナビゲーションサービスを提供する情報配信サーバ30である。このため、要求処理手段36は経路探索部361を有しており、経路探索部361は経路探索用の道路ネットワークデータと、経路探索処理手段とから構成されている。
【0090】
制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段32は、ネットワークを介して生体認証手段20と通信するためのインタフェースである。
【0091】
利用者は、生体認証サーバ20に登録した個人識別情報を情報配信サーバ30に登録するとともに、興味対象情報を登録する。図6は、個人登録情報データベース37に蓄積される個人登録情報のデータ構成を示す図である。個人登録情報データベース37には図6に示すように、登録利用者ごとに氏名、住所、電話番号などの個人情報と、個人識別情報371と興味対象情報372が蓄積される。
【0092】
個人識別情報比較手段33は生体認証サーバ20から送信されてきた個人識別情報と、個人登録情報データベース37に蓄積された個人識別情報371とを比較して、一致する個人識別情報を抽出し定置端末装置10に生体認証処理を依頼した個人を特定する。個人が特定されると、要求生成手段34は個人登録情報データベース37に個人識別情報とともに対応して蓄積されている興味対象情報372を抽出し、興味対象情報372から要求処理手段36に対する処理要求を生成する。この処理要求は要求処理手段36に送られ、興味対象情報に登録してあった情報に基づく処理が行われる。要求処理手段36による処理結果は、案内情報生成手段35によって編集され、生体認証サーバ20に送られる。
【0093】
ここで、興味対象情報は利用者が経路案内を所望する任意の目的地を含む経路探索要求であり、生体情報を読み取らせた定置端末装置10から送信される位置情報により特定される場所を出発地とする経路探索、経路案内を要求する経路探索要求データである。すなわち、利用者は、定置端末装置10に指紋認証させることにより個人を特定するための個人識別情報と現在位置情報を情報配信サーバに提供する。
【0094】
情報配信サーバ30は定置端末装置10の設置位置を利用者の現在位置とし、登録された目的地(興味対象情報に含まれる目的地)までの経路を探索する。情報配信サーバ30が探索した案内経路の情報は生体認証サーバ20に送られ、生体認証サーバ20はこの案内経路の情報を定置端末装置10に送信し、定置端末装置10は利用者に対する経路案内を表示手段14などの出力手段に出力する。
【0095】
例えば、視覚障害者を対象とする案内(ガイダンス)は定置端末装置10において音声ガイダンスとして出力する。この場合、交差点や駅などの各ノード、病院や公共施設構内の経路分岐点の各ノードに定置端末装置10をそれぞれ設置しておき、利用者が定置端末装置10ごとに情報配信サーバ30から目的地までの経路案内サービスを音声等によって受けることができるようになる。生体認証サーバ20は、自治体等が設置運用するサーバであってもよく、生体認証サービスを提供する事業者が運営する生体認証サーバであってもよい。また、このようなシステムの場合、定置端末装置10の設置位置は定置端末装置10自体に記憶させておき、生体情報とともに定置端末装置10の位置情報を生体認証サーバ20に送信するように構成すればよい。
【0096】
このため、要求処理手段36は通常のナビゲーションサーバと同様に、道路ネットワークデータを用いて所望の2点間の経路を探索して、推奨経路を案内する。この経路探索において、通常の経路探索と異なる点は道路ネットワークデータが、定置端末装置10が設置された位置をノードとして構成される点であり、その他の構成や経路探索方法は一般のナビゲーションサーバと同様であり、道路ネットワークデータは以下のように構成される。
【0097】
例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0098】
すなわち、図7において、Nn、Nmがノードを示し、Nmは道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0099】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0100】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際には、そのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0101】
本実施例ではこのようなネットワークデータのノードを定置端末装置10が設置された位置としてネットワークデータを作成しておけばよい。また、視覚障害者が安全に目的地まで移動できる経路を探索するように構成することもできる。この場合、各リンクのコストに歩行の安全係数を乗じてデータを作成しておき、安全係数の高いリンクのリンクコストが小さくなるようにしておけばよい。
【0102】
以上のような構成によれば、利用者が予め生体認証サーバ20に生体認証のための生体情報と個人識別情報を登録するとともに、情報配信サーバ30に個人識別情報と興味対象情報を登録しておけば、利用者は特別な端末装置や個人識別用のカードを携行することなく、定置端末装置10において生体認証を要求するだけで、情報配信サーバ30に登録した興味対象情報、この場合、目的地までの経路案内のサービスを受けることができるようになる。また、生体認証サーバ20は、利用者が登録した個人識別情報の提供先に、生体認証済の個人識別情報を提供するサービスを行うことができるようになる。
【実施例2】
【0103】
上記の実施例1にかかる情報配信サービス提供システムは興味対象情報として目的地を登録しておき、定置端末装置の位置から目的地までの経路を案内するサービスを提供するものであったが、興味対象情報として所望の興味対象場所を登録しておき、情報配信サーバに定置端末装置の位置に関連した検索処理を要求し、案内を受けるように構成することができる。
【0104】
図8は、このような情報配信サービスを提供する本発明の実施例2にかかる情報配信サービスシステム1の構成を示す図である。このシステムの構成は、基本的に図5に示す実施例1のシステムと同様の構成であるが、情報配信サーバ30がネットワークを介してPOI検索サーバ40にPOI検索処理を要求し、その結果を受信して生体認証サーバ20を介して生体認証を要求した定置端末装置10に配信する点が実施例1と異なる。説明の重複を避けるため、図8において図5と同一の構成要素には図5と同一の参照符号を付してある。
【0105】
また、以下の説明は、定置端末装置10は、銀行や郵便局、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される現金預け払い装置を用いた場合を具体例として進めるものとする。生体認証サーバ20は定置端末装置10を設置する銀行や郵便局の認証サーバであってもよく、あるいは、銀行や郵便局などから生体認証処理を委託された認証事業者が生体認証サービスを提供するために設置する生体認証サーバであってもよい。
【0106】
本実施例2においても、実施例1と同様に利用者は予め生体認証サーバ20に生体情報、個人識別情報、提供先データ等を登録し、情報配信サーバ30に個人登録情報として、前記個人識別情報と、興味対象情報を登録しておくものとする。ここでは、興味対象情報として、所望のPOIを検索要求する情報、例えば、本屋および本屋で購入したい本の名前(書籍名)であるものとする。
【0107】
また、POI検索サーバは通常のWEB検索サイトと同様の構成で要求されたPOIを検索して、地図や店舗、サービスの案内を提供するサーバであってよい。本実施例2においては、POI検索サーバ40は、各POIにおける商品在庫のデータベースを参照して、POIのカテゴリと購入希望商品名に基づいてその商品の在庫が存在するPOIを検索する機能を有しているものとする。商品在庫を加味したPOI検索システムについては前述の先願1の技術を用いることができる。
【0108】
ある利用者が買い物途中でそれぞれ所定の場所に設置されている現金預け払い装置である定置端末装置10を用いて預金の引出し操作をしたものとする。利用者は生体認証登録をしており、先ず、定置端末装置10(現金預け払い装置)に銀行カードを挿入し、生体情報読取り手段16で指紋など、生体認証サーバ20に登録してある生体情報を読み取らせる。
【0109】
定置端末装置10は、生体情報読取り手段16で読取った生体情報と銀行カードから読取った情報を生体認証サーバ20に送信する。生体認証サーバ20はこれに基づいて、認証データベース25に登録されている生体情報と比較して個人認証処理を行う。認証の結果、本人であることを確認すると、生体認証サーバ20は該当する利用者の個人識別情報と定置端末装置10の位置情報を提供先データで指定されている情報配信サーバ30に送信する。
【0110】
すなわち、個人識別情報提供手段26(生体認証サーバ20参照)は提供先の情報配信サーバ30に個人識別情報を送信するとともに、位置情報生成手段29で生成した定置端末装置10の位置情報(緯度・経度)を送信する。一方、銀行のトランザクションサーバ(図示せず)にも生体認証の結果が送信され、サーバは、利用者が定置端末装置10を操作して入力した処理要求(例えば、預金の引出し)を受け付け、預金の払い出し処理を定置端末装置10に指示する。
【0111】
生体認証サーバ20から個人識別情報と位置情報を受信した情報配信サーバ30は、個人識別情報比較手段33が個人登録情報データベース37から該当する個人識別情報を調べ、要求生成手段34が個人識別情報に対応して登録されている興味対象情報を抽出して要求処理手段36に対する処理要求を生成する。この例では、POIのカテゴリを本屋、購入希望の書籍名を特定したPOI検索要求である。また、POI検索範囲は定置端末装置10の位置を中心とする所定の距離範囲である。例えば、移動手段が徒歩の場合は半径500mあるいは1Kmなどと設定しておけばよい。
【0112】
要求処理手段36は、このPOI検索要求を受取ると、通信手段32を介してPOI検索サーバ40にアクセスして該当するPOIを検索する。すなわち、POI検索サーバ40は、位置情報に基づいて上記の距離範囲内の本屋を検索し、更に、在庫情報データベースを参照して利用者が登録してある購入希望の書籍の在庫の有無を調べる。POI検索サーバ40は、在庫の存在するPOIが検索できれば当該POIの名前や位置情報を情報配信サーバ30に送信し、該当するPOIが検索されなければ該当POIなしの旨を情報配信サーバ30に送信する。
【0113】
情報配信サーバ30は、POI検索サーバ40からPOI検索の結果を受信すると、案内情報生成手段35がPOI検索結果を生体認証サーバ20に配信するデータに編集し、通信手段32を介して該生体認証サーバ20に配信する。該当するPOIが検索されなかった場合は、その旨が生体認証サーバ20に通知される。生体認証サーバ20に送信されたPOI検索の結果は定置端末装置10に送信され、定置端末装置10は表示手段14などの出力手段にPOI検索の結果を出力する。該当するPOIが検索されなかった場合、定置端末装置10は利用者に何も案内しない。
【0114】
例えば、該当するPOIが検索された場合、定置端末装置10は情報配信サーバ30か生体認証サーバ20からPOI検索結果を受信すると、現金預け払いの処理結果を表示する表示画面に、「お探しの書籍はこの近所の「###書店」にあります」というメッセージを表示する。これにより利用者は、書籍を探す目的でなく、現金預け払い装置で預金を引き出す処理を行っただけであるが、予め情報配信サーバ30に登録してあった興味対象情報に基づく案内を受けることができるようになる。
【0115】
そして、POI検索は、利用者が操作した定置端末装置10の設置位置に関連して所定の距離範囲内について行われるものであるから、利用者に時間的な余裕があれば、案内された書店を訪ね、希望していた書籍を購入することもできるようになる。なお、定置端末装置10に表示する「###書店」の文字に、情報配信サーバ30に対して案内地図を要求するハイパーリンクを付加しておくと、定置端末装置10から情報配信サーバ30に自動的に該当する地図情報を要求するように構成することもできる。
【0116】
情報配信サーバ30はこの地図要求があると、経路探索部361が定置端末装置10の位置から検索されたPOIまでの経路を探索し、案内経路のデータを地図情報とともに定置端末装置10に配信する。利用者は情報配信サーバ30から定置端末装置10に配信された地図情報を印刷することによって目的の書店までの経路や地図上の位置を確認することもできるようになる。
【0117】
図9は、定置端末装置10に表示される表示画面の構成と画面遷移を示す図である。すなわち、利用者が定置端末装置10である現金預け払い装置を操作して預金の引出し処理を要求すると画面901で「お手続きをしております」というメッセージが表示され、この間に生体認証サーバ20による生体認証処理、情報配信サーバ30への処理要求が行われ、POI検索が実行される。POIが検索されると、画面902に画面遷移し、POIの情報が表示される。
【0118】
そして預金の払い出し処理が終了すると、画面903に画面遷移し「現金取り出し」のメッセージが表示される。この時、情報配信サーバ30から書籍の価格の情報が配信されていれば、「お探しの書籍は###円です」という書店の宣伝表示をするように構成してもよい。
【0119】
図10、図11は、以上の処理手順を示すフローチャートであり、図10は定置端末装置10から生体認証要求を受信した生体認証サーバ20が情報配信サーバ30に個人識別情報などを送信する処理手順を示すフローチャート、図11は情報配信サーバ30から処理結果を受信した後の処理手順を示すフローチャートである。
【0120】
先ず、利用者が定置端末装置10において生体情報読取り手段16により生体情報を読取らせ、定置端末装置10が生体認証サーバ20に生体情報を送信したものとする。
生体認証サーバ20は、ステップS101の処理において定置端末装置10から生体情報を受信し、ステップS102の処理において、認証処理手段28は認証データベース25を参照して生体認証を行う。ついで、生体認証サーバ20はステップS103の処理において認証結果を取得する。認証結果が肯定的な結果であれば、ステップS105の処理に進む。
【0121】
ステップS104で肯定的な認証結果が得られなかった場合にはステップS110の処理に進み、警告情報を定置端末装置10に送信して処理を終了する。認証結果が肯定的な結果であれば、ステップS105の処理において定置端末装置に対する処理要求(例えば、預金の払い出し処理の要求)があるかを判別する。何ら処理要求がなければステップS110の処理に進み、警告情報を定置端末装置10に送信して処理を終了する。
【0122】
ステップS105の判別処理において、定置端末装置10に対する処理要求がなされたことを判別すると、ステップS106の処理においてサーバ(銀行のトランザクションサーバ)に処理要求を送信する。そして、ステップS107の処理において認証データベース25から個人識別情報等を取得したかを判別する。個人識別情報を取得していなければトランザクションからの処理結果の受信待ち状態に移行する。
【0123】
ステップS107の判別処理において個人識別情報等を取得すると、位置情報生成手段29から定置端末装置10(生体情報を受信した定置端末装置10)の位置情報(緯度・経度)を生成し、提供先データ登録手段27に登録された取得先データで指定された情報配信サーバ30に、ステップS109の処理において個人識別情報と位置情報を送信して、情報配信サーバ30からの情報配信の受信待ち状態に移行する。
【0124】
この受信待ち状態から生体認証サーバ20は、図11のフローチャートの処理に進む。先ず、ステップS201の処理においてサーバ(銀行の預金処理のトランザクションサーバ)から処理結果を受信すると、ステップS202の処理に進み、情報配信サーバ30に処理要求したか、すなわち、個人識別情報、位置情報を送信したかを判別する。情報配信サーバ30に処理要求をしていなければ、ステップS206の処理に進み、定置端末装置10に処理結果(トランザクションサーバの処理結果:この例では、預金の払い出し処理)の回答を送信して処理を終了する。
【0125】
情報配信サーバ30に処理要求している場合、ステップS203の処理に進み情報配信サーバ30から処理結果を受信したか否かを判別する。処理結果を受信していなければステップS203の判別処理を繰り返す。ステップS203の判別処理において情報配信サーバ30から処理結果(回答情報)を受信していると判別されると、ステップS204の処理に進み、表示すべき回答か否かを判別する。
【0126】
情報配信サーバ30からの処理結果が、興味対象情報として登録してあったPOIが検索されなかったという結果であれば、利用者にこれを案内するまでもないので、ステップS204の判別処理では案内すべき回答ではないと判別され、ステップS206の回答送信処理に進む。この場合、ステップS206の処理において定置端末装置10に送信される処理結果は銀行のトランザクションサーバの処理結果である。
【0127】
ステップS204の判別処理において、情報配信サーバ30からの処理結果が利用者に案内すべきものであると判別されると、ステップS205の処理に進み、定置端末装置10に回答する案内する回答画面(図9、画面902を参照)が編集され、ステップS206の送信処理において定置端末装置10に送信して処理を終了する。これにより定置端末装置10の表示手段14にはこの回答画面が表示される。その後、図9の画面903の画面に遷移して預金の払い出し処理の表示が行われ、利用者が定置端末装置10から現金等の受け取り処理を完了させると定置端末装置10の処理が終了する。
【0128】
以上、説明した例は、現金預け払い装置を定置端末装置10とし、POI検索を興味対象情報として情報配信サーバ30に登録し、定置端末装置10を操作した際に、該当するPOI情報が検索された場合にその情報を利用者に案内する例を説明したが、興味対象情報として利用者が登録した目的地への経路案内をすることもできる。
【0129】
例えば、定置端末装置10が空港内に設置された現金預け払い装置であり、情報配信サーバが航空会社の案内サーバである場合、利用者が搭乗する航空機の便名などの搭乗券情報を興味対象情報として登録しておき、空港に設置された現金預け払い装置(定置端末装置)を利用して預金の払い出し処理をした際に、案内サーバに登録してある搭乗予定の航空機の搭乗口までの案内経路を定置端末装置10に表示して、定置端末装置10の設置位置から搭乗口までの経路を案内するように構成することもできる。
【0130】
図12は、上記の場合に空港内に設置された定置端末装置に表示される表示画面の遷移を示す表示画面構成図である。すなわち、利用者が定置端末装置10である現金預け払い装置を操作して預金の引出し処理を要求すると、画面121で「お手続きをしております」というメッセージが表示され、この間に生体認証サーバ20による生体認証処理、情報配信サーバ30である案内サーバへの処理要求が行われ、案内サーバは定置端末装置10の位置から利用者が登録した搭乗便の当日の搭乗口までの経路探索が実行する。
【0131】
定置端末装置10は、経路探索の結果を案内サーバから生体認証サーバ経由で受信すると、その表示手段14の表示画面には画面122に画面遷移し搭乗口までの案内経路が表示される。そして預金の払い出し処理が終了すると、画面123に画面遷移し「現金取り出し」のメッセージが表示される。
【0132】
なお、このような空港内に設置された定置端末装置10としては、現金預け払い装置だけでなく、航空会社が設置する搭乗券発券装置や自動搭乗手続き装置を利用することができ、生体認証により本人認証して搭乗券を発行したり、チェックインを受け付けたりした際に、該当する便の搭乗口を案内するように構成することもできる。
【0133】
なお、上記の各実施例において、個人識別情報、定置端末の位置情報を生体認証サーバ20から提供先の情報配信サーバ30に送信する例を説明したが、本発明はこのような構成だけでなく、定置端末装置10が生体認証サーバ20から生体認証の結果とともに個人識別情報、提供先データを受信して、個人識別情報と位置情報(定置端末装置の設置位置の情報)を提供先データで指定された情報配信サーバ30に送信(処理要求)するように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明にかかるシステムは、サービス提供手段の本来の機能(現金預け払い装置など)に付加価値を与えるものであるから、サービス提供手段の運営者が費用負担し、利用者は無料で使う形態のシステムを構築することが可能である。また、情報配信サーバで提供する情報の中にも広告費が期待できるものがあるので、無料利用は十分可能である。十分な収益が上がれば、本発明専用の定置端末装置を設置することも可能で、さらに利用を促進することが出来る。
【0135】
また本発明の最大の特徴は、サービス提供手段の中に利用者情報(個人識別情報)の取得手段を設けたので、セキュリティーが守られた複数のシステムからの接続を可能とし、利用者が行動中に、各所に設置された現金預け払い装置など多くの遭遇機会を与え、興味対象情報に関連した情報を提供することができる。更に、個人認証として、生体認証を使っているので、目的地や興味対象が他人に知られることも無く、個人情報が入ったICカードなどを紛失する心配も無いので、非常に安全である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービスシステムの概念を示すシステム構成図である。
【図2】図1のシステムにおける定置端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】生体認証サーバに登録される認証データの構成を示すデータ構成図である。
【図4】生体認証サーバに登録される個人識別情報の提供先データの構成を示すデータ構成図である。
【図5】本発明にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービスシステムの実施例1の構成を示すブロック図である。
【図6】情報配信サーバの個人登録情報データベースに蓄積される個人登録情報のデータ構成を示す図である。
【図7】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図8】本発明にかかる認証情報提供システムを用いた情報配信サービスシステムの実施例2の構成を示すブロック図である。
【図9】図8の情報配信サービス提供システムにおいて、定置端末装置に表示される表示画像の遷移を示す表示画面構成図である。
【図10】本発明の実施例2の生体認証サーバの処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図10の処理手順に続く処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例2の情報配信サービス提供システムにおいて、定置端末装置に表示される他の表示画像の遷移を示す表示画面構成図である。
【符号の説明】
【0137】
1・・・・・情報配信サービスシステム
10・・・・定置端末装置
16・・・・生体情報読取り手段
20・・・・生体認証サーバ
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・表示手段
24・・・・操作・入力手段
25・・・・認証データベース
26・・・・個人識別情報提供手段
27・・・・提供先データ登録手段
28・・・・認証処理手段
29・・・・位置情報生成手段
30・・・・情報配信サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・通信手段
33・・・・個人識別情報比較手段
34・・・・要求生成手段
35・・・・案内情報生成手段
36・・・・要求処理手段
361・・・経路探索部
37・・・・個人登録情報データベース
371・・・個人識別情報
372・・・興味対象情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、所定位置に設置された定置端末装置と、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、認証処理手段と、を有する生体認証サーバと、を備えた認証情報提供システムであって、
前記認証情報提供システムは、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段を備え、
前記定置端末装置は、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信し、
前記認証処理手段は、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得し、
前記個人識別情報提供手段は、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信することを特徴とする認証情報提供システム。
【請求項2】
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段によって読取った生体情報を、前記通信手段を介して認証サーバに送信する所定位置に設置された定置端末装置とネットワークを介して接続される生体認証サーバであって、
前記生体認証サーバは、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、を備え、
前記認証処理手段は、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記個人識別情報提供手段は、生体認証サーバは、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を読出し、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信することを特徴とする生体認証サーバ。
【請求項3】
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出し、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信することを特徴とする定置端末装置。
【請求項4】
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出して前記定置端末装置に送信する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信し、前記生体認証サーバから、前記生体情報に該当する個人識別情報と提供先データを取得することを特徴とする定置端末装置。
【請求項5】
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、所定位置に設置された定置端末装置と、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、認証処理手段と、を有する生体認証サーバと、を備えた認証情報提供システムにおける認証情報提供方法であって、
前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する生体情報送信ステップと、
前記認証処理手段が、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて肯定的認証結果が得られた場合、前記生体認証サーバが、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得する個人識別情報取得ステップと、
前記個人識別情報提供手段が、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信する個人識別情報提供ステップと、
を有することを特徴とする認証情報提供方法。
【請求項6】
ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段によって読取った生体情報を、前記通信手段を介して認証サーバに送信する所定位置に設置された定置端末装置とネットワークを介して接続される生体認証サーバにおける認証情報提供方法であって、
前記生体認証サーバは、利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、を備え、
前記認証処理手段が、前記定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して個人認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて肯定的認証結果が得られた場合、前記生体認証サーバが、前記認証データベースから該当する生体情報に対応する個人識別情報を取得する個人識別情報取得ステップと、
前記個人識別情報提供手段が、前記提供先データで指定された情報配信サーバに個人識別情報を送信する個人識別情報提供ステップと、
を有することを特徴とする認証情報提供方法。
【請求項7】
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出し、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置における認証情報提供方法であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する送信ステップを有することを特徴とする認証情報提供方法。
【請求項8】
利用者が登録した生体認証のための生体情報と個人識別情報と該個人識別情報の提供先を示す提供先データを蓄積した認証データベースと、所定位置に設置された定置端末装置から送信された生体情報と前記認証データベースに蓄積された生体情報とを比較して認証処理を行う認証処理手段と、を備え、前記定置端末装置から送信された生体情報に基づいて、前記認証処理手段によって個人認証を行い、肯定的認証結果が得られた場合、前記認証データベースから、該当する生体情報に対応する個人識別情報と提供先データとを読出して前記定置端末装置に送信する生体認証サーバにネットワークを介して接続される定置端末装置における認証情報提供方法であって、
前記定置端末装置は、ネットワークを介して生体認証サーバとデータ通信する通信手段と、前記提供先データに従って前記個人識別情報を提供する個人識別情報提供手段と、生体認証のための生体情報を読取る生体情報読取り手段と、を備え、前記生体情報読取り手段が生体情報を読取った場合、前記生体情報を前記生体認証サーバに送信する送信ステップと、前記生体認証サーバから、前記生体情報に該当する個人識別情報と提供先データを取得する取得ステップと、を有することを特徴とする認証情報提供方法。
【請求項9】
請求項1に記載の認証情報提供システムを用いた情報配信サービス提供システムであって、
前記情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、
前記個人識別情報提供手段は、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供し、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段は、前記個人識別情報提供手段から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索し、該提供情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に配信することを特徴とする情報配信サービス提供システム。
【請求項10】
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記経路探索部は、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索し、該探索した経路を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする請求項9に記載の情報配信サービス提供システム。
【請求項11】
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする請求項9に記載の情報配信サービス提供システム。
【請求項12】
請求項1に記載の認証情報提供システムを用いた情報配信サービス提供システムを構成する情報配信サーバであって、
前記情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、前記個人識別情報提供手段は、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供し、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段は、前記定置端末装置から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索し、該提供情報を前記定置端末装置に配信することを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項13】
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記経路探索手段は、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索し、該探索した経路を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする請求項12に記載の情報配信サーバ。
【請求項14】
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信することを特徴とする請求項12に記載の情報配信サーバ。
【請求項15】
請求項5に記載の認証情報提供方法を用いた情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法であって、
情報配信サービス提供システムは、前記生体認証サーバまたは定置端末装置とネットワークを介して接続される情報配信サーバと、生体認証のための生体情報を送信した定置端末装置の設置位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段を備え、
前記個人識別情報提供手段が、該情報配信サーバに個人識別情報を提供する際、前記位置情報生成手段が生成した位置情報を提供する個人識別情報提供ステップと、
前記情報配信サーバは、利用者が登録した前記個人識別情報と興味対象情報とを該個人識別情報ごとに蓄積した個人登録情報データベースと、要求処理手段と、を備え、前記要求処理手段が、前記個人識別情報提供手段から送信された位置情報と個人識別情報とに基づいて前記興味対象情報を参照し前記位置情報に関連付けて提供情報を探索する要求処理ステップと、前記要求処理手段が探索した前記提供情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に配信する配信ステップと、を有することを特徴とする情報配信方法。
【請求項16】
前記興味対象情報は、経路探索を要求することを示す経路探索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、経路探索のための経路探索用ネットワークデータと経路探索部を含む要求処理手段を備え、前記要求処理ステップは、前記経路探索手段が、前記位置情報により特定される位置を出発地とし、前記定置端末装置に入力され、または、前記経路探索要求情報に登録された所望の位置を目的地とした経路を探索する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の情報配信方法。
【請求項17】
前記興味対象情報は、POIを検索するPOI検索要求情報であり、
前記情報配信サーバは、前記位置情報により特定される位置を中心として、前記POIに関するPOI情報を取得する要求処理手段を備え、前記要求処理ステップは、前記要求処理手段が取得したPOI情報を、前記生体認証サーバを介して定置端末装置に、または、前記定置端末装置に、案内情報として配信する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−15926(P2008−15926A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188350(P2006−188350)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】