説明

生体認証装置及び生体検知方法

【課題】簡単なセンサ構造で、指の表面状態や指の表面の個人差に依存しにくい生体検知方法を有した生体認証装置を提供する。
【解決手段】照明手段と、照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する生体認証装置であって、異なる波長での被写体内の散乱光分布情報を取得し、散乱光分布情報を比較する比較手段と、その比較の結果により生体検知を行なう生体検知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証用の画像取得装置及びそれを用いた生体認証装置、特に、照明手段を有し、被写体内部の散乱光を利用した生体認証装置に関する。生体認証装置は、指紋認証、掌紋認証装置等として応用される。
【背景技術】
【0002】
近年、個人情報や機密情報に対するセキュリティを確保するため、指紋認証装置などの生体認証システムが注目され、事務機器や携帯機器への需要も高まっている。こうした指紋や静脈、顔、虹彩、掌紋などを用いた生体認証システムは、画像取得装置において生体の画像を取得して、この取得した画像から特徴抽出を行い、その情報を基に登録済みのデータと照合を行い、本人であることを認証する。
【0003】
ここで、生体認証システムに用いられる画像取得装置の検出方式としては、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子を用いた光学方式や、静電容量方式、圧力検知方式、感熱方式、電界検出方式などがある。光学方式のなかには、反射光学式と散乱光方式が知られている。生体の部分の例として指をあげると、プリズムの上に指を置き、撮像面から光を入射して指表面の反射光を撮影するのが反射光学式である。一方、撮像素子上に設けたプレート状の光学部材に指を置き、撮像面以外の領域から指を照明し、指の内部を散乱して指内部から指表面に出射する光をプレート状の光学部材を介して撮像素子で受光する方式が指内部の散乱光方式である。撮像素子上に設けたプレート状の光学部材に接した指紋の隆線部(凸部)からの光は、プレートを介して撮像素子に達する量が多い。一方、プレート形状をした光学部材に接しない指紋の隆線部以外(凹部)からの光は、指表面とプレートの間の空間で散乱するためプレートを介して撮像素子に入射する量が少ない。このコントラスト差を利用することで、指紋画像を取得する。生体内部(被写体内部)の散乱光を用いた光学方式は、プリズムを用いた反射光学式と比較して生体表面の状態(乾燥や湿潤)に左右されにくい点から、良好な生体認証結果を得られる画像取得方式として知られている。
【0004】
こうした生体認証装置においては認証能力以外に、本来認証すべき生体以外の物、偽生体等を検出する機能が求められている。偽生体とは、例えば指紋認証の場合は、樹脂やプラスチックなどで作られた偽指や写真などで作成された偽指紋画像、あるいは残留した指紋をフィルムに転写した物などがあげられる。
【0005】
特許文献1には、偽生体を識別する機能を有した認証装置の一例が開示されている。ここでは、赤外感度を有するブロックと、赤外感度を有しないブロックを持つ光学イメージセンサを用いて、得られた画像をフーリエ変換等を行い鮮明さの違いにより生体と偽生体を識別する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、ヘモグロビンの吸光係数を利用する構成が開示されている。検査面に接触された指に、プローブ光と参照光とを出射する。指の内部を透過した透過プローブ光を受光し、透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光を受光し、透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力する。出力された両電気信号により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比を求め、透過光強度比から指が生体であるか否かを識別する。
【特許文献1】特開2002−042117号公報
【特許文献2】特開2000−20684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光学方式の生体認証装置において、生体の画像の鮮明性や光強度情報から生体と偽生体を判別する構成においては、次のような制約が懸念される。
【0008】
1つは、個人差や人種差に大きく依存して、識別しにくいケースがある点である。赤外と可視光での強度比や鮮明さのみを図る方法では「皮膚の色や指の表面状態により得られる出力が大きく左右されやすい」課題がある(課題α)。透過率は個人差や人種により大きくばらつく。また、鮮明さも、指の乾燥や湿潤状態や、個人の指の荒れ状態により大きくばらつく。これにより、ばらつきの許容範囲を大きくとれば偽生体も生体と誤認識が多くなり、ばらつきの許容範囲を小さくとれば生体も偽生体と誤認識してしまうトレードオフとなる。さらに、これを悪用された場合、カラー指紋画像を印刷したフィルムのように赤外と可視光の透過率や指の指紋パターンなどの鮮明さを生体にあわせた物を用いる等により、誤検出を起す偽指の作成が可能になってしまう(課題α)。
【0009】
さらに、赤外感度と赤のように近い波長を識別する場合は、高い精度で波長に対する感度を制御する必要や赤外感度に差を持たせた画素ブロックが必要になるなど「複雑なセンサ構造が必要になる」問題があった(課題β)。
【0010】
また、赤外光を多く含んだ西日の入る窓近くで取得した場合と、蛍光灯の下では「外光が入り込むことにより赤外割合が変化することで鮮明性や光強度が変化してしまう」懸念もある(課題γ)。
【0011】
そこで、本発明は、波長による強度比や鮮明性とは異なる方法を用いて、簡単なセンサ構造で、指の表面状態や指の表面の個人差に依存しにくい(課題α、βの解決)生体検知方法を有した生体認証装置を提供することを目的とする。また、外光に強い(課題γの解決)生体検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するため本発明では、指内部の散乱光を利用した生体認証装置において、被写体である指の中心や周囲など場所により散乱光分布に差異が発生することに着目した。特に、認証用の画像取得に用いられる赤外光と比較して可視光では、波長が短くなるほど距離に対して減衰する光量の割合が大きくなるとともに、骨などの構成物により散乱が妨げられやすくなる。この散乱光分布(場所依存性、輝度シェーディング)の波長による変化を利用して、偽指や残留指紋が判別できることを見出した。
【0013】
複数の可視波長を用いて、それぞれの波長での散乱光分布を比較することで、被写体の3次元的な情報が得られるため、容易に偽指や残留指紋を識別できる。光強度の絶対値や割合ではないため、指の表面の色などの個人差に依存しにくい。また、鮮明さのように細かな画像パターンを用いず、指の形状に近い比較的変化の緩やかな場所依存性=シェーディングを用いるため、指の表面状態などの個人差に依存しにくい(課題αが解決される)。
【0014】
また、入手しやすい複数の可視波長を有したLED光源や画素状に設けたカラーフィルタ等で複数の可視波長の画像を取得できるため、センサ構造も複雑にならず、簡単な構成で実現できる(課題βが解決される)。
【0015】
さらに、光源と画像読み取り手段を制御することで、外光の影響を除去したうえで生体検知や認証を行なうことが出来る(課題γが解決される)。
【0016】
このことを利用して、以下の構成とした。
【0017】
本発明による第1の生体認証装置は、照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する生体認証装置であって、異なる波長での前記被写体内の散乱光分布情報を取得し、前記散乱光分布情報を比較する比較手段と、その比較の結果により生体検知を行なう生体検知手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
上記の生体認証装置において、前記照明手段は、生体認証のための赤外波長を有する第1の照明手段と、前記被写体内の散乱光分布情報を比較するための可視光波長を有する第2の照明手段と、を有するようにしてもよい。
【0019】
上記の生体認証装置において、前記第2の照明手段は、相互に近傍に配置した異なる波長を有した2つの光源を有し、前記生体認証装置は、更に前記光源を順々に切り替え出射する手段を有するようにしてもよい。
【0020】
上記の生体認証装置において、前記第2の照明手段は、少なくとも波長が610nmより長い波長帯域(約610〜800nm)の光と、波長が570nmより短い波長帯域(約400〜570nm)の光とを出射するようにしてもよい。
【0021】
上記の生体認証装置において、前記第2の照明手段は、赤色の光と、緑色の光とを出射するようにしてもよい。
【0022】
上記の生体認証装置において、画像読み取り手段を更に有し、前記画像読み取り手段は波長分離手段を有するようにしてもよい。
【0023】
上記の生体認証装置において、前記被写体内の散乱光分布情報として、前記被写体の形状に起因する輝度シェーディングを検知する手段を有するようにしてもよい。
【0024】
上記の生体認証装置において、前記生体認証装置は、前記被写体が密着する光学部材と前記光学部材に密着した撮像素子を有する画像読み取り手段を有し、前記第2の照明手段は、前記被写体画像を取得するために密着させる光学部材の撮像面の他の領域から前記被写体を照明する位置に配置されるようにしてもよい。
【0025】
上記の生体認証装置において、前記第2の照明手段は、前記被写体に対して前記光学部材の撮像面と同じ面に配置され、前記被写体にほぼ接する下部から光を出射する位置に配置されるようにしてもよい。
【0026】
本発明による第2の生体認証装置は、照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する画像読み取り手段を有する生体認証装置であって、前記照明手段が光を出射する場合の画像と光を出射しない場合画像との差分画像を取得する外光除去手段を有することを特徴とする。
【0027】
上記の生体認証装置において、前記画像読み取り手段は、可視光を分離する手段を設けた画素群を有し、前記生体認証装置は、前記画素群を切り替えることで取得した画像の波長帯域を切替える切替手段と、取得した画像を相互に比較する手段を有するようにしてもよい。
【0028】
本発明による第3の生体認証装置は、照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する画像読み取り手段を有する生体認証装置であって、前記画像読み取り手段は、波長分離手段を設けた画素群を有し、前記生体認証装置は、前記画素群を切り替えることで取得した画像の波長帯域を切替える切替手段と、取得した画像を相互に比較する手段を有することを特徴とする。
【0029】
本発明による生体検知方法は、第1の波長成分の被写体画像を取得する第1のステップと、第2の波長成分の被写体画像を取得する第2のステップと、前記第1のステップと第2のステップで得られた被写体画像から波長の異なる複数の被写体面内の散乱光分布情報を比較する第3のステップと、比較の結果により前記被写体が生体か否かを判別する第4のステップと、を有することを特徴とする。
【0030】
上記の生体検知方法において、第1の光量で前記被写体を照明する第5のステップと、第2の光量で前記被写体を照明する第6のステップと、前記第5のステップと、第6のステップで得られた画像から差分を求めることで外光成分を除去する第7のステップと、前記第7のステップから得られた画像を利用して前記被写体の生体検知を行なうステップを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、被写体面内の散乱光分布情報を取得することにより、被写体形状に応じた内部散乱光の波長依存性の差から立体的な情報が取得できるため、簡単な構成や方法で、指の表面状態や指の表面の個人差に影響されずに生体と生体以外を識別することができる。
【0032】
また、外光に強い生体検知方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
次に、本発明を適用した、第1の実施形態の構成について図1〜図4を用いて説明する。
【0035】
ここでは、生体認証装置として、指の内部に散乱光を与えて撮像部に指を密着させることで指紋を読み取る方式の光学式指紋センサを用いた認証装置を示す。
【0036】
図1は、本発明の実施形態1として、指紋認証装置の模式的な構成を示すブロック図である。また図2は、外形的な構成を示す概略図である。
【0037】
本実施の形態における指紋認証装置は画像取得装置としての画像取得部101と認証部102からなる。たとえば、画像取得部101は画像センサを有した撮像ユニットで、また認証部102はパーソナルコンピュータにより実行される機能の組み合わせからなる。あるいは、画像取得部101と認証部102がひとつの指紋認証ユニットとして組み合わされ、不図示のパーソナルコンピュータに接続される独立の装置の場合がある。
【0038】
図1の画像取得部101において、103a、103bは照明手段としてのLED光源である。103aは認証を行なうための被写体画像を取得するための赤外波長の第1の照明手段としての光源1である。103bは生体か生体以外か、偽指などを判別するための被写体画像を取得するための可視光波長の第2の照明手段としての光源2である。ここでは、103bは赤色の波長(第1の波長成分)も緑色の波長(第2の波長成分)も含んだ白色LEDを使用している。108が各LEDの輝度や点灯タイミングを制御する光源制御部であり、112a、112bはその制御信号線である。
【0039】
104が画像読み取り手段としてのCMOS型、あるいはCCD型等の撮像素子である。本実施の形態ではCMOS型の撮像素子を例示する。105は、撮像素子104とADC(アナログ/デジタル変換器)107のサンプリングタイミングを制御する駆動パルス発生部(TG部)である。106は撮像素子104からの二系統のアナログ出力を切り替える信号切替部である。撮像素子104は、後述する波長分離手段としてのカラーフィルタを用いて、異なるカラーフィルタごとの出力を出せる。107が、アナログ/デジタル変換器(ADC)である。110a、110b、110cがアナログの画像データ信号線であり、110aが赤のカラーフィルタのついた画素の出力信号線であり、110bが緑のカラーフィルタのついた画素の出力信号線である。110cがそのいずれかを選択した出力信号線である。113がデジタルの画像データ信号線である。112d、eが駆動パルス発生部から撮像素子104及びアナログ/デジタル変換器(ADC)107に送られる駆動パルスの信号線である。
【0040】
認証部102において、114が後述する波長分離手段としてのカラーフィルタを用いて別々に取得された赤と緑の可視光成分(波長が約610〜800nmの成分と約400〜570nmの成分)の画像を比較する比較手段としての差分生成部である。フレームメモリ117に複数の画像を一時保存しながら、画像同士の差分を生成する。114は、後述する外光成分除去手段としての役割も果たす。115が、生体か偽生体等の生体以外かを識別する生体検知手段としての生体検知部である。生体検知部115は赤と緑の画像で被写体面内の輝度分布の差を用いて判別する。
【0041】
116が後段で特徴抽出を行うために、エッジ強調などの画像処理を行う前処理部である。118が、特徴抽出部であり、119が118で抽出された個人の特徴をデータベースに登録あるいは、登録済みのデータと比較照合する登録照合部である。120が個人のデータを保存するデータベースである。123が各部の動作を制御する制御部である。
【0042】
124a、b、c、d、eが画像データを伝送するデータ線である。125がデータベースと登録・照合部間のデータ線及び制御線である。126が光源制御部108の動作を制御する信号線であり、127が駆動パルス部(TG部)の動作を制御する信号線である。128が、その制御を受けて駆動パルス部(TG部)105が信号切替部106を切り替えるための切替信号線である。129a〜eが、制御部123が認証部102の各部を制御するための制御線である。130が、生体検知結果を制御部123に伝える信号線である。
【0043】
図2の概略図において、図2(a)は断面図であり、図2(b)は上面図である。
【0044】
1は、被写体としての指紋認証の対象となる指であり、撮像面に密着して置かれている。2a、2bは、指部を照射する照明手段としてのLED光源である。このうち、2aは、図1の103aであり、認証を行なうための被写体画像を取得するための赤外波長の第1の照明手段としての光源1である。
【0045】
2bは、図1の103bであり、生体か生体以外か、偽指などを判別するための被写体画像を取得するための可視光波長の第2の照明手段としての光源2である。ここでは、2bは赤色の波長も緑色の波長も含んだ白色LEDを使用している。
【0046】
3は、指紋の凹凸パターンの光学的な差を撮像素子4へ導くプレート形状をした光学部材である。
【0047】
プレート形状をした光学部材としては、厚さが数〜数100μm程度の所望の波長に透過率を有した薄膜や、ファイバ、マイクロレンズアレイなどがあげられる。
【0048】
4は画像読み取り手段である撮像素子であり、ここでは二次元のCMOS型の撮像素子である。4aは、画素部分を示し、4bは波長分離手段であるカラーフィルタ部を示す。7は、撮像素子やLEDを実装した基板である。
【0049】
認証を行なうための赤外光源1(2a)は指の周囲に配置され、指をやや離れた距離から広がった赤外光で全体的に照明する。こうすることにより、取得画像に対する赤外光源の位置による依存性が少なくなり、入射した赤外光は、まんべんなく指内部まで広がり、広い範囲の指紋パターンを読み取ることができる。
【0050】
一方、生体か生体以外かを判別する光源2(2b)は、指の根元側の直下に1箇所のみにもうけられている。1箇所の光源は複数の波長の光を発する物であれば、なんでもよいが、ここでは白色光のLEDとしている。白色で照明した指は、カラーフィルタ(4b)で赤と緑で波長ごとに分けて撮像素子で画像化される。
【0051】
5a、5bは、LED2bから指1への光の入射方向であり、5aは赤色の波長成分、5bは緑色の波長成分の光を模式的に示している。5aと5bの光は、実際には白色光として混在して指に入射するが、波長に応じて、指内では異なる散乱、透過をする。6a、6bは、LED2bが発した光が指1内で散乱した後に、指1から光学部材3及び撮像素子4へ向かう光の出射方向である。6aは赤色の波長成分、6bは緑色の波長成分の光を模式的に示している。6aと6bは、カラーフィルタ4bを介して波長分離されて画素部4aで画像化される。
【0052】
図3、図4を用いて本実施形態におけるCMOS型の撮像素子の構成を説明する。
【0053】
図3は、図1の撮像素子104の構成図である。ここでは、一般的なエリアセンサにおける水平走査方向が主走査方向、垂直走査方向が副走査方向に相当する。まず垂直方向の1行(たとえば一番上の行)を選択して、その行の水平方向の一端から同じ行の反対側の端に向かって(たとえば一番左から右に向かって)画素を順次読み出していく。その後、次の垂直方向の1行を選択して、同様に水平方向の一端から同じ行の反対側の端に向かって画素を順次読み出していく。こうして垂直方向に各行の読出しを行い画面全体の画素を取得する。このため、水平方向の走査を主走査、垂直方向の走査を副走査とした。
【0054】
したがって、以下の撮像素子の説明も主走査方向を水平方向、副走査方向を垂直方向と同一の意味として記述している。
【0055】
図3において、41a、41bは撮像素子の1画素を構成する画素部であり、41aは画素の上側に図2の4bのカラーフィルタのうち赤の画素(R)を示しており、41bは画素の上側に図2の4bのカラーフィルタのうち緑の画素(G)を示している。
【0056】
42は画素部41(41a及び41b)における読み出しパルス(φS)の入力端子である。43は画素部41(41a及び41b)におけるリセットパルス(φR)の入力端子である。44は画素部41(41a及び41b)における転送パルス(φT)の入力端子である。45は画素部41(41a及び41b)における信号読み出し端子(P0)である。46は後述するセレクタ部から水平方向の各画素に読み出しパルス(φS)を送る信号線、47はセレクタ部から水平方向の各画素にリセットパルス(φR)を送る信号線、48はセレクタ部から水平方向の各画素に転送パルス(φT)を送る信号線である。49は垂直信号線、40は定電流源、51は垂直信号線49に接続された容量である。52は水平シフトレジスタ56にゲートが接続され、ソース−ドレインに垂直信号線49と出力信号線53a、53bが接続された転送スイッチである。54a、54bは出力信号線53a、53bに接続された出力アンプ、55a、55bは撮像素子6の出力端子である。53a、54a、55aは、赤の画素(R)の読出しに関わる信号系であり、53b、54b、55bは、緑の画素(G)の読出しに関わる信号系である。55aが図1における110aに相当し、55bが図1における110bに相当する。
【0057】
また、56は水平シフトレジスタ(HSR)、57はそのスタートパルス(HST)の入力端子、58はその転送クロック(HCLK)の入力端子である。59は垂直シフトレジスタ(VSR)、60はそのスタートパルス(VST)の入力端子、61はその転送クロック(VCLK)の入力端子である。62は後述するローリングシャッタと呼ばれる方式の電子シャッタ用のシフトレジスタ(ESR)、63はそのスタートパルス(EST)の入力端子である。64は垂直シフトレジスタ(VSR)の出力線、65は電子シャッタ用のシフトレジスタ(ESR)の出力線である。66はセレクタ部、67は転送パルスの元信号TRSの入力端子、68はリセットパルスの元信号RESの入力端子、69は読み出しパルスの元信号SELの入力端子である。
【0058】
図4は、図3の画素部41(41a及び41b)の構成図である。図4において、71は電源電圧(VCC)、72はリセット電圧(VR)、73はフォトダイオード、74〜77はMOSトランジスタからなるスイッチ、78は寄生容量(FD)、79はグラウンドである。
【0059】
ここで、撮像素子104の動作を図4、図5を参照して説明する。まず、リセット用のスイッチ74と、フォトダイオード73に接続されたスイッチ75とをOFFした状態で、フォトダイオード73において入射光による電荷の蓄積が行われる。
【0060】
その後、スイッチ76がOFFした状態で、スイッチ74をONすることにより、寄生容量78がリセットする。つぎに、スイッチ74をOFF、スイッチ76をONすることにより、信号読み出し端子45にリセット状態の電荷を読み出す。
【0061】
つぎに、スイッチ76をOFFした状態で、スイッチ75をONすることにより、寄生容量78に対して、フォトダイオード73に蓄積された電荷を転送する。つぎに、スイッチ75をOFFした状態で、スイッチ76をONすることにより、信号読み出し端子45に信号電荷を読み出す。
【0062】
各MOSトランジスタの駆動パルスφS、φR、φTは、後述するように垂直シフトレジスタ59、62とセレクタ部66とにより作成され、各信号線46〜48により、画素の入力端子42〜44に供給される。入力端子60から入力されるクロック信号1パルスに対して、信号TRS、RES、SELが入力端子67〜69にそれぞれ1パルス入力される。このため、駆動パルスφS、φR、φTがそれぞれ信号TRS、RES、SELに同期して出力される。この結果、入力端子42〜44に、駆動パルスφS、φR、φTが供給される。
【0063】
また、信号読み出し端子45は、垂直信号線49により定電流源40に接続されると共に、垂直信号線容量51及び転送スイッチ52に接続されている。垂直信号線49を介して電荷信号が垂直信号線容量51に転送される。その後水平シフトレジスタ56の出力に従い、転送スイッチ52が順次走査されて、垂直信号線容量51の信号が出力信号線53(53a及び53b)に順次読み出される。読み出された信号は、出力アンプ54(54a及び54b)を介して出力端子55(55a及び55b)から出力される。ここで、垂直シフトレジスタ(VSR)59は、スタートパルス(VST)60で走査が開始される。転送クロック(VCLK)61が出力線64を介してVS1、VS2、…VSnと順次転送されていく。また電子シャッタ用垂直シフトレジスタ(ESR)62は、入力端子63から入力されるスタートパルス(EST)で走査が開始され、入力端子61から入力される転送クロック(VCLK)が出力線65に順次転送されていく。
【0064】
各画素部41(41a及び41b)の読み出し順序は、まず垂直方向の上1行目を選択し、水平シフトレジスタ56の走査に伴い左から右へ各列に接続した画素部41(41a及び41b)を選択出力する。1行目の出力が終わると、2行目を選択し、再び水平シフトレジスタ56の走査に伴い左から右へ各列に接続した画素部41(41a及び41b)を選択出力する。
【0065】
以下、同様に垂直シフトレジスタ59の順次走査に従い、1、2、3、4、5…行目と上から下まで走査を行い、1画面の画像出力を行う。
【0066】
ところで、撮像素子の露光期間は、撮像画素が光の電荷を蓄積する蓄積期間と、撮像画素に被写体からの光が入射する期間により決まる。
【0067】
ここで、CMOS型の撮像素子は、IT(interline transfer)型やFIT(frame-interline transfer)型のCCD素子と異なり、遮光されたバッファメモリ部を備えていない。そのため画素部41(41a及び41b)から得られた信号を順次読み出している期間も、まだ読み出されていない画素部41(41a及び41b)は露光され続ける。したがって、連続的に画面出力を読み出すと、その露光時間は画面の読み出し時間にほぼ等しくなる。
【0068】
しかし、光源としてLEDを用いて、外光の入射を遮光部材などで入射しない場合などでは、点灯している期間のみを露光期間と考えることが可能になる。
【0069】
また、別の露光時間を制御するひとつの方法として、CMOS型の撮像素子においては、電子シャッタ(フォーカルプレインシャッター)として、蓄積の開始と終了の垂直走査を並行して行うローリングシャッタとばれる駆動方法をとることができる。これにより、蓄積の開始と終了の垂直走査線数単位で露光時間を設定可能にしている。図3においては、ESR62が画素をリセットして蓄積を開始する垂直走査用のシフトレジスタであり、VSR59が、電荷を転送して蓄積を終了する垂直走査用のシフトレジスタである。電子シャッタ機能を用いる場合は、ESR62をVSR59に先行して走査し、その間隔に相当する期間が露光期間になる。
【0070】
次に、本実施形態における動作を図5〜図9を用いて説明する。図5は、図1の生体認証装置における制御部123が実行する画像取得ルーチンを説明するフローチャートである。また、図6は外光除去を行なうステップを説明する図である。また、図7〜9は被写体内部の散乱光分布として輝度シェーディングを赤と緑の波長帯でわけて、分布を比較することで生体検知を行なう説明図である。
【0071】
図5において、ステップ80でルーチンが開始されると、ステップ81で全光源を消灯する。ステップ82で、赤のカラーフィルタ(R)の画素出力を得るように、図1の信号切替部l06を選択する。ステップ83でアナログ/デジタル変換器(ADC)107を介して一画面を取得する。取得された画像は差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積する。この時、光源はついていないため、外光成分のうち主として赤色の波長成分による画像が得られる。外光成分のどの帯域の画像が取得されるかは、カラーフィルタの特性に依存し、赤のみが選択される場合もあるが、赤外光まで含む場合もある。ここでは、赤外光まで含むものとする。
【0072】
次に制御部123は、ステップ84で白色光源を点灯し、ステップ85でアナログ/デジタル変換器(ADC)を介して一画面を取得する。この取得した画像も差分生成部を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積する。この時、白色LED光源はついているため、外光成分のうち主として赤色の波長成分に加えて、白色LED光源中の赤色波長成分が指内部を散乱した成分の画像が得られる。
【0073】
ステップ86で、差分生成部114においてステップ83の画像とステップ85の差分画像を求める。
【0074】
これにより、外光成分がキャンセルされるため、白色LED光源中の赤色波長成分が指内部を散乱した成分のみが得られる。
【0075】
次に、ステップ87で、緑のカラーフィルタ(G)の画素出力を得るように、図1の信号切替部106を選択する。ステップ88で画像を取得する。取得された画像は差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積される。この時、白色LED光源はついているため、外光成分のうち主として緑色の波長成分に加えて、白色LED光源中の緑色波長成分が指内部を散乱した成分の画像が得られる。次に、ステップ89で白色光源を消灯する。ステップ90で一画面を取得する。この時、光源はついていないため、外光成分のうち主として緑色の波長成分による画像が得られる。この取得された画像も差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積される。ステップ91で、差分生成部114においてステップ88の画像とステップ90の差分画像を求める。これにより、外光成分がキャンセルされるため、白色LED光源中の緑色波長成分が指内部を散乱した成分のみが得られる。
【0076】
次に、ステップ92で図1の差分生成部114においてステップ86の画像とステップ91の画像の差分画像を生成し、生体検知部115で差分を解析して生体かどうかを検出する。
【0077】
ステップ93において、生体検知部115の検出結果の信号を受けて制御部123が生体と判断した場合は、ステップ94で生体判定フラグを出して、ステップ95に進む。ステップ95では、図1の赤外光源である光源1(103a)を点灯する。ステップ96で、認証用の画像を取得する。カラーフィルタは緑のままであるが、緑のフィルタも赤外光を透過するため、問題はない。次にステップ97で赤外光源である光源1(103a)を消灯する。ステップ98で、ステップ96で得られた画像とステップ90で得られた画像の差分を取ることで、光源1の赤外光成分のみの画像が得られる。その後、ステップ100でルーチンを終了する。
【0078】
ステップ93において、生体検知部115の検出結果の信号を受けて制御部123が偽生体(生体ではない。)と判断した場合は、ステップ99で偽生体判定フラグを出して、ステップ100でルーチンを終了する。
【0079】
図6(a)〜(b)はこの外光除去を説明する模式図である。横軸は位置を表し、A及びA’は図1のA−A’間に対応する。縦軸は出力レベルを示す。
【0080】
図6(a)の601はステップ83で取得される外光成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。ここで、指紋の隆線パターンに起因する細かい画像変化成分は説明のため省略している。今回説明する外光除去や生体判別等の処理においても、このような高い周波数成分の画像変化は情報として不要なため、実際にはこれら処理の前にLPF(ローパスフィルタ)等で高い周波数成分の画像変化を除去してから処理を行なう場合がある。図6(b)のうち、602はステップ85で、光源を点灯して取得される画像のA−A’間の出力レベルである。603は、602から601を減算したA−A’間の信号レベルである。この演算により、外光成分が除去されて、光源に起因する成分603のみが取得される。
【0081】
図7から9の各(a)〜(c)はこの波長による取得画像の輝度シェーディングの差を利用して生体と生体外(偽生体)を区別する原理を説明する模式図である。図6同様、横軸は位置を表し、A及びA’は図1のA−A’間に対応する。縦軸は出力レベルを示す。
【0082】
図7は被写体(指)が生体の場合を説明する図であり、図7(a)の701は、ステップ86で取得される赤色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。図7(b)のうち、702はステップ91で取得される緑色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。また、703は、702のピーク値を701のピーク値に規格化した値を示している。704で示される斜線部は、ステップ92の差分解析のために701と703の差分から作成される波長成分による散乱光分布差である。
【0083】
図8は被写体として樹脂やプラスチックなどで作成された偽指を用いた場合を説明する図であり、図8(a)の801は、ステップ86で取得される赤色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。図8(b)のうち、802はステップ91で取得される緑色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。また、803は、802のピーク値を801のピーク値に規格化した値を示している。804で示される横線部は、ステップ92の差分解析のために801と803の差分から作成される波長成分による散乱光分布差である。
【0084】
図9は被写体として、光の透過率を生体にあわせたカラー指紋画像を印刷したフィルムを偽指として用いた場合を説明する図である。図9(a)の901は、ステップ86で取得される赤色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。図9(b)のうち、902はステップ91で取得される緑色波長成分が指内部を散乱した成分のみによる画像のA−A’間の出力レベルである。また、903は、902のピーク値を901のピーク値に規格化した値を示している。904で示される斜線部は、ステップ92の差分解析のために901と903の差分から作成される波長成分による散乱光分布差である。
【0085】
このように、生体の場合は、生体の内部構造により内部散乱光分布が波長に依存するため、波長の異なる画像同士の差分がAからA’の範囲の斜線(横線)部に示すように位置に依存して大きく変化する。
【0086】
これは、指の中心部が骨などの存在など構成的に指の周囲と違う点と、指の中心部と周囲で生体の厚みの違う点が、色素などの透過率を決める要因とからんで、生体特有の入射した光の波長ごとの内部の散乱分布の違いを与えるためである。これにより、特に赤色などの波長が610nmより長い波長帯域では、指全体に内部散乱光が広がるため、指の中心部(M点)と指の周囲部(P点)での出力レベル差が比較的少ない。緑色などの波長が570nmより短い波長帯域では、指中心に内部散乱光が広がらないため、指の中心部(M’点)と指の周囲部(P’点)での出力レベル差が大きい。位置に依存した出力レベルの変化カーブを輝度シェーディングと定義する。長い波長での指の中心部(M点)と指の周囲部(P点)の間の輝度シェーディングと、短い波長での指の中心部(M’点)と指の周囲部(P’点)の間の輝度シェーディングではその量やカーブ形状が波長により大きく変化する。
【0087】
一方、樹脂やプラスチックなどで作成された偽指の場合には、中心部と周囲部の変化の波長依存性が少ない。いいかえると、規格化後の輝度シェーディングの量やシェーディングカーブ形状が波長によりあまり変化していない。これは、生体と異なり同じ成分の材料で作られているため、厚さ成分の影響が主因になるためである。
【0088】
また、カラー指紋画像を印刷したフィルムを偽指として用いた場合は、中心部と周囲部の変化量自体が少ない。また、中心部と周囲部の変化の波長依存性が少ない。いいかえると、規格化後の輝度シェーディングの量やシェーディングカーブ形状が波長によりあまり変化していない。これは、生体と異なりフィルムに印刷されているため、厚さ成分の影響が少なく、また印刷された色成分に依存して透過する光の量が決まるためである。
【0089】
このようにして、輝度シェーディングの変化量の波長による差を、生体検知部115にあらかじめ設定された閾値で判定することで、生体と偽生体を識別する。
【0090】
このように、1箇所のみからの光で照明することで、入射した光が指内部でどのように散乱されているか位置による依存性が発生する。撮像した画像から、指の取得画像面内のこの依存性は、輝度分布(輝度シェーディング)として読み取ることが出来る。波長により被写体内部の散乱状態が変わるため、この輝度分布(輝度シェーディング)の波長による差をみることで、被写体が生体かどうかを見分けることが出来る。
【0091】
指紋認証用の画像を取得する光源については、複数の箇所からなるべく均一に照明する必要があるが、本発明の生体を検知する光源については、「ほぼ一箇所から異なる波長で照明する」ことが重要である。白色LEDは、こうした構成に適した物であるが、白色に限らずフィルタ手段と組み合わせて、分離可能な複数の波長帯を有した物は同様に用いることが出来る。
【0092】
被写体面内の散乱光分布情報を取得することにより、被写体形状に応じた内部散乱光の波長依存性差から立体的な情報が取得できる。皮膚の色や指の表面状態により得られる出力が左右されにくく、精度が高い生体識別方法を提供する。また、カラー指紋画像を印刷したフィルムのように光の透過率は生体にあわせた物であっても、偽指であることを見抜くことが出来る(課題αの解決)。
【0093】
生体認証のための照明手段は、被写体の内部を均一に散乱光を広げるため最適な赤外光を選択すると共に、生体を識別するために設けた第2の照明手段は、被写体面内の散乱光分布に差異の出やすい可視光を使用することで、識別を効率よく行なうことができる。
【0094】
可視光を利用することにより、簡単な構成や方法による識別方法を提供できる(課題αとβの解決)。
【0095】
特に、可視光である赤の帯域と緑〜青の帯域の差を比較することで、可視光の分離が効率的に行なわれる、分離が容易な可視光の2波長帯を利用することにより、簡単な構成や方法による識別方法を提供できる(課題βの解決)。
【0096】
可視光の分離のために、従来赤外光を用いてきた散乱光を利用した生体認証装置においてもカラーフィルタを設けることで、簡単かつ低コストな方法で可視光による被写体面内の散乱光分布情報の差を取得可能とした(課題βの解決)。
【0097】
低周波数であり、指の断面形状に応じた輝度シェーディング成分を認識することで、一次元あるいは二次元情報を取得して、簡便でありながら1点の透過率差では得られない被写体の立体的情報が得られ、生体検知精度が向上する(課題αの解決)。
【0098】
生体画像を取得するために密着させる撮像面以外から光を入射することで、被写体表面からの反射像を除き、内部の散乱光分布情報のみを取得できる。これにより、生体検知精度が向上する(課題αの解決)。
【0099】
生体に対して撮像面と同じ面に配置され、生体にほぼ接する下部から光を照射する。これにより、被写体内部に透過しにくい可視光を効率的に散乱させることができ、生体検知しやすい被写体の散乱光分布の輝度シェーディング形状が得やすくなり、簡単かつ低コストな検知手段が実現される(課題βの解決)。
【0100】
被写体照明手段の照明光量を変化させた差分画像を取得する外光除去手段を設けた。これにより、簡単な構成でありながら、被写体内部の散乱光から外光に起因する成分を排除でき、使用する光源の波長成分のみを抽出して精度の高い生体認証や生体検知を行なうことが出来る(課題βとγの解決)。
【0101】
従来、赤外光を用いてきた散乱光を利用した生体認証装置においてもカラーフィルタを設けることで、簡単かつ低コストな方法で被写体面内の散乱光分布情報の可視光成分による差を取得する。この波長成分の差を利用して生体が擬似生体かを容易に識別可能となる(課題αとβの解決)。
【0102】
これにより、被写体内部の散乱光から外光に起因する成分を排除したうえで、被写体面内の散乱光分布情報の可視光成分による差を取得し、この波長成分の差を利用して生体が擬似生体かを容易に識別可能な装置が簡単な構成で実現できる(課題γの解決)。
【0103】
また、個々の偽生体識別生体検知方法に対しては、それに対抗する様々な偽の生体の作成方法が考えられるため、それに対抗する偽生体識別生体検知方法としても、異なるアプローチの手法を複数用意して組み合わせることが望まれている。こういった意味では、従来の生体検知方法との併用も有用な本発明の利用形態のひとつである。
【0104】
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用した、第2の実施形態の構成について図10、図11を用いて説明する。
【0105】
ここでは、生体認証装置として、指の内部に散乱光を与えて撮像部に指を密着させることで指紋を読み取る方式の光学式指紋センサを用いた認証装置を示す。
【0106】
実施形態1では、白色ダイオードを利用し、フィルタにより赤色の光と緑色の光とを分離していたが、実施形態2では、赤色ダイオードと緑色ダイオードを利用し、色フィルタを不要とする。
【0107】
図10は、本発明の実施形態2として、指紋認証装置の模式的な構成を示すブロック図である。また図11は、外形的な構成を示す概略図である。
【0108】
本実施の形態における指紋認証装置は画像取得装置としての画像取得部101と認証部102からなる。
【0109】
図10の画像取得部101において、103a、103b、103cは照明手段としてのLED光源である。103aは認証を行なうための被写体画像を取得するための赤外波長の第1の照明手段としての光源1である。103b、103cは生体か生体以外か、偽指などを判別するための被写体画像を取得するための可視光波長の第2の照明手段としての光源2及び光源3である。ここでは、103bは赤色の波長のLED、103cは緑色の波長のLEDを使用している。108が各LEDの輝度や点灯タイミングを制御する光源制御部であり、112a、112b、112cはその制御信号線である。本実施形態では、この光源制御部108が波長分離手段としての役割を果たし、103bの赤色の波長のLEDと、103cの緑色の波長のLEDのいずれかを点灯させることにより、時分割でそれぞれの波長に対する画像を取得する。
【0110】
104が画像読み取り手段としてのCMOS型、あるいはCCD型等の撮像素子である。本実施の形態ではCMOS型の撮像素子を例示する。105は、撮像素子とADC107のサンプリングタイミングを制御する駆動パルス発生部(TG部)である。107が、アナログ/デジタル変換器(ADC)である。110がアナログの画像データ信号線である。113がデジタルの画像データ信号線である。112d、eが駆動パルス発生部から撮像素子及びアナログ/デジタル変換器(ADC)に送られる駆動パルスの信号線である。
【0111】
認証部102において、114が光源制御部108を切り替えることで別々に取得された赤と緑の可視光成分の画像を比較する比較手段としての差分生成部である。フレームメモリ117に複数の画像を一時保存しながら、画像同士の差分を生成する。114は、後述する外光成分除去手段としての役割も果たす。115が、生体か偽生体等の生体以外かを識別する生体検知手段としての生体検知部である。生体検知は赤と緑の画像で被写体面内の輝度分布の差を用いて判別する。
【0112】
116が後段で特徴抽出を行うために、エッジ強調などの画像処理を行う前処理部である。118が、特徴抽出部であり、119が118で抽出された個人の特徴をデータベースに登録あるいは、登録済みのデータと比較照合する登録照合部である。120が個人のデータを保存するデータベースである。123が各部の動作を制御する制御部である。
【0113】
124a、b、c、d、eが画像データを伝送するデータ線である。125がデータベースと登録・照合部間のデータ線及び制御線である。126が光源制御部108の動作を制御する信号線であり、127が駆動パルス部(TG部)105の動作を制御する信号線である。129a〜eは認証部102の各部への制御線である。130が、生体検知結果を伝える信号線である。
【0114】
図11の概略図において、図11(a)は断面図であり、図11(b)は上面図である。
【0115】
1は、被写体としての指紋認証の対象となる指であり、撮像面に密着して置かれている。2a、2b、2cは、指部を照射する照明手段としてのLED光源である。このうち、2aは、図10の103aであり、認証を行なうための被写体画像を取得するための赤外波長の第1の照明手段としての光源1である。
【0116】
2b、2cは、図10の103b、103cであり、生体か生体以外か、偽指などを判別するための被写体画像を取得するための可視光波長の第2の照明手段としての光源2、光源3である。ここでは、2bは赤色の波長のLED、2cは緑色の波長のLEDである。
【0117】
3は、指紋の凹凸パターンの光学的な差を撮像素子4へ導くプレート形状をした光学部材である。
【0118】
プレート形状をした光学部材としては、厚さが数〜数100μm程度の所望の波長に透過率を有した薄膜や、ファイバ、マイクロレンズアレイなどがあげられる。
【0119】
4は画像読み取り手段である撮像素子であり、ここでは二次元のCMOS型の撮像素子である。4aは、画素部分を示す。7は、撮像素子やLEDを実装した基板である。
【0120】
認証を行なうための赤外光源1(2a)は指の周囲に配置され、指をやや離れた距離から広がった赤外光で全体的に照明する。こうすることで取得画像に対する赤外光源の位置による依存性が少なくなり、入射した赤外光は、まんべんなく指内部まで広がり、広い範囲の指紋パターンを読み取ることができる。
【0121】
一方、生体か生体以外かを判別する光源2(2b)と光源3(2c)は、指の根元側の直下の1箇所のみに近接して配置されている。近接配置された光源は複数の波長の光を発する物であれば、何でもよいが、ここでは赤LEDと緑LEDの2つを並べて実現している。赤LEDを照明して撮像した画像と緑LEDを照明して撮像した画像は、別々のタイミングで撮像素子により画像取得される。1箇所のみからの光で照明することで、入射した光が指内部でどのように散乱されているか位置による依存性が発生する。撮像した画像から、面内のこの依存性は、輝度分布(輝度シェーディング)として読み取ることが出来る。波長により被写体内部の散乱状態が変わるため、この輝度分布(輝度シェーディング)の波長による差をみることで、被写体が生体かどうかを見分けることが出来る。5a、5bは、LED2b及びLED2cから指1への光の入射方向であり、5aは赤色の波長成分、5bは緑色の波長成分の光を模式的に示している。5aと5bの光は、実際には異なるタイミングで指に入射される。
【0122】
波長に応じて、指内では異なる散乱、透過をする。6a、6bは、LED2bとLED2cそれぞれが発した光が指1内で散乱した後に、指1から光学部材3及び撮像素子4へ向かう光の出射方向である。6aは赤色の波長成分、6bは緑色の波長成分の光を模式的に示している。6aと6bは、画素部4aで画像化される。
【0123】
次に、本実施形態における動作を図12を用いて説明する。図12は、図10の生体認証装置における制御部123が実行する画像取得ルーチンを説明するフローチャートである。外光除去を行なうステップ及び被写体内部の散乱光分布として輝度シェーディングを赤と緑の波長帯でわけて、分布を比較することで生体検知を行なうステップの基本的な考えは実施形態1と共通である。
【0124】
図12において、ステップ1200でルーチンが開始されると、ステップ1201で全光源を消灯したうえで、R光源(赤色LED光源)を点灯する。ステップ1202でアナログ/デジタル変換器(ADC)を介して一画面を取得する。取得された画像は差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積される。この時、赤色LED光源がついているため、外光成分に加えて、赤色LEDの波長成分が指内部を散乱した成分の画像が得られる。
【0125】
次に、ステップ1203でR光源を消灯する。ステップ1204でアナログ/デジタル変換器(ADC)107を介して一画面を取得する。取得された画像は差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積する。この時、光源はついていないため、外光成分のみによる画像が得られる。ステップ1205で、差分生成部114においてステップ1202の画像とステップ1204の差分画像を求める。
【0126】
これにより、外光成分がキャンセルされるため、赤色LED光源の波長成分が指内部を散乱した成分のみの画像が得られる。
【0127】
次にステップ1206でG光源(緑色LED光源)を点灯する。ステップ1207でアナログ/デジタル変換器(ADC)107を介して一画面を取得する。取得された画像は差分生成部114を介してフレームメモリ117に一時的に蓄積する。この時、緑色LED光源がついているため、外光成分に加えて、緑色LEDの波長成分が指内部を散乱した成分の画像が得られる。
【0128】
次に、ステップ1208でG光源を消灯する。ステップ1209で、差分生成部114においてステップ1207の画像とステップ1204の差分画像を求める。
【0129】
これにより、外光成分がキャンセルされるため、緑色LED光源の波長成分が指内部を散乱した成分のみの画像が得られる。
【0130】
次に、ステップ1210で図10の差分生成部114においてステップ1205の画像とステップ1209の差分画像を生成する。生体検知部115で差分を解析して生体かどうかを検出する。
【0131】
ステップ1211において、生体検知部の検出結果の信号を受けて制御部123が生体と判断した場合は、ステップ1212で生体判定フラグを出して、ステップ1215に進む。ステップ1215では、図10の赤外光源である光源1(103a)を点灯する。ステップ1216で、認証用の画像を取得する。次にステップ1217で赤外光源である光源1(103a)を消灯する。ステップ1218で、ステップ1216で得られた画像とステップ1204で得られた画像の差分を取ることで、光源1の赤外光成分のみの画像が得られる。その後、ステップ1219でルーチンを終了する。
【0132】
ステップ1211において、生体検知部の検出結果の信号を受けて制御部が偽生体(生体ではない。)と判断した場合は、ステップ1220で偽生体判定フラグを出して、ステップ1219でルーチンを終了する。
【0133】
このようにして、指内部の散乱光分布で生じる輝度シェーディングの波長による差を、生体検知部115で判定することで、生体と偽生体を識別する。
【0134】
このように、1箇所のみからの光で照明することで、入射した光が指内部でどのように散乱されているか位置による依存性が発生する。撮像した画像から、指の取得画像面内のこの依存性は、輝度分布(輝度シェーディング)として読み取ることが出来る。波長により被写体内部の散乱状態が変わるため、この輝度分布(輝度シェーディング)の波長による差をみることで、被写体が生体かどうかを見分けることが出来る。
【0135】
指紋認証用の画像を取得する光源については、複数の箇所からなるべく均一に照明する必要があるが、本発明の生体を検知する光源については、「ほぼ一箇所から異なる波長で照明する」ことが重要である。1パッケージ内に緑と赤など2色のLED素子を納めた物などは、こうした構成に適した物であるが、異なるパッケージの緑のLEDと赤のLEDの2個を近接配置しても同様の効果が得られる。
【0136】
比較手段が、被写体面内の散乱光分布情報を取得することにより、被写体形状に応じた内部散乱光の波長依存性差から立体的な情報が取得できる。皮膚の色や指の表面状態により得られる出力が左右されにくく、精度が高い生体識別方法を提供する。また、カラー指紋画像を印刷したフィルムのように光の透過率は生体にあわせた物であっても、偽指であることを見抜くことが出来る(課題αの解決)。
【0137】
生体認証のための照明手段は、被写体の内部を均一に散乱光を広げるため最適な赤外光を選択すると共に、生体を識別するために設けた第2の照明手段は、被写体面内の散乱光分布に差異の出やすい可視光を使用することで、識別を効率よく行なうことができる。可視光を利用することにより、簡単な構成や方法による識別方法を提供できる(課題αとβの解決)。
【0138】
複数の異なる波長を有した光源を近傍に配置する。これにより、波長を変えた際の光源位置の差をなくして、ほぼ同位置の箇所から被写体内部に向けて光を入射した場合の被写体面内の散乱光分布が複数取得できる。従って、簡単な構成で生体検知精度が向上される(課題αとβの解決)。
【0139】
特に、可視光である赤の帯域と緑〜青の帯域の差を比較することで、可視光の分離が効率的に行なわれる(課題βの解決)。
【0140】
低周波数であり、指の断面形状に応じた輝度シェーディング成分を認識することで、一次元あるいは二次元情報(複数の断面についての一次元情報を集めることにより得られる。)を取得して、簡便でありながら1点の透過率差では得られない被写体の立体的情報が得られ、簡単な構成や方法で生体検知精度が向上する(課題αとβの解決)。
【0141】
生体画像を取得するために密着させる撮像面以外から光を入射することで、被写体表面からの反射像を除き、簡単な構成や方法で内部の散乱光分布情報のみを取得できる(課題αとβの解決)。
【0142】
生体に対して撮像面と同じ面に配置され、生体にほぼ接する下部から光を照射する。これにより、被写体内部に透過しにくい可視光を効率的に散乱させることが出来、生体検知しやすい被写体の散乱光分布の輝度シェーディング形状を簡単な構成や方法で得ることが出来る(課題αとβの解決)。
【0143】
被写体照明手段の照明光量を変化させた差分画像を取得する外光除去手段を設けた。これにより、簡単な構成でありながら、被写体内部の散乱光から外光に起因する成分を排除でき、使用する光源の波長成分のみを抽出して精度の高い生体認証や生体検知を行なうことが出来る(課題βとγの解決)。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施形態1における、指紋認証装置の模式的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1における、指紋認証装置の模式的な構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態における撮像素子の回路図である。
【図4】本発明の実施形態における撮像素子の画素部の回路図である。
【図5】本発明の実施形態1における、画像取得ルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における外光除去の工程を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態における生体検知の工程を説明する第1の図である。
【図8】本発明の実施形態における生体検知の工程を説明する第2の図である。
【図9】本発明の実施形態における生体検知の工程を説明する第3の図である。
【図10】本発明の実施形態2における、指紋認証装置の模式的な構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態2における、指紋認証装置の模式的な構成を示す概略図である。
【図12】本発明の実施形態2における、画像取得ルーチンを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
101 画像取得部
102 認証部
103a、103b、103c 光源
104 撮像素子
105 駆動パルス発生部(TG部)
106 信号切替部
107 ADC(アナログ/デジタル変換器)
108 光源制御部
110a、110b、110c アナログの画像データ信号線
112a、112b、112c 制御信号線
113 デジタルの画像データ信号線
114 差分生成部
115 生体検知部
116 前処理部
117 フレームメモリ
118 特徴抽出部
119 登録・照合部
120 データベース
123 制御部
124a、124b、124c、124d、124e データ線
125 データ線及び制御線
126、127 制御信号線
128 切替信号線
129a、129b、129c、129d、129e 制御線
130 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する生体認証装置であって、
異なる波長での前記被写体内の散乱光分布情報を取得し、前記散乱光分布情報を比較する比較手段と、
その比較の結果により生体検知を行なう生体検知手段と、
を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体認証装置であって、
前記照明手段は、
生体認証のための赤外波長を有する第1の照明手段と、
前記被写体内の散乱光分布情報を比較するための可視光波長を有する第2の照明手段と、
を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生体認証装置であって、
前記第2の照明手段は、相互に近傍に配置した異なる波長を有した2つの光源を有し、
前記生体認証装置は、更に前記光源を順々に切り替え出射する手段を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記第2の照明手段は、少なくとも波長が610nmより長い波長帯域(約610〜800nm)の光と、波長が570nmより短い波長帯域(約400〜570nm)の光とを出射することを特徴とする生体認証装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記第2の照明手段は、赤色の光と、緑色の光とを出射することを特徴とする生体認証装置。
【請求項6】
請求項1、2、4又は5に記載の生体認証装置であって、
画像読み取り手段を更に有し、前記画像読み取り手段は波長分離手段を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記被写体内の散乱光分布情報として、前記被写体の形状に起因する輝度シェーディングを検知する手段を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記生体認証装置は、前記被写体が密着する光学部材と前記光学部材に密着した撮像素子を有する画像読み取り手段を有し、
前記第2の照明手段は、前記被写体画像を取得するために密着させる光学部材の撮像面の他の領域から前記被写体を照明する位置に配置されることを特徴とする生体認証装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生体認証装置であって、前記第2の照明手段は、前記被写体に対して前記光学部材の撮像面と同じ面に配置され、前記被写体にほぼ接する下部から光を出射する位置に配置されることを特徴とする生体認証装置。
【請求項10】
照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する画像読み取り手段を有する生体認証装置であって、
前記照明手段が光を出射する場合の画像と光を出射しない場合の画像との差分画像を取得する外光除去手段を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項11】
請求項10に記載の生体認証装置であって、
前記画像読み取り手段は、可視光を分離する手段を設けた画素群を有し、
前記生体認証装置は、前記画素群を切り替えることで取得した画像の波長帯域を切替える切替手段と、取得した画像を相互に比較する手段を有することを特徴とする認証装置。
【請求項12】
照明手段と、前記照明手段により発生する被写体内部の散乱光を利用して、生体認証のための画像を取得する画像読み取り手段を有する生体認証装置であって、
前記画像読み取り手段は、波長分離手段を設けた画素群を有し、
前記生体認証装置は、前記画素群を切り替えることで取得した画像の波長帯域を切替える切替手段と、取得した画像を相互に比較する手段を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項13】
第1の波長成分の被写体画像を取得するステップと、
第2の波長成分の被写体画像を取得するステップと、
第1の波長成分の被写体画像を取得するステップと第2の波長成分の被写体画像を取得するステップで得られた被写体画像から波長の異なる複数の被写体面内の散乱光分布情報を比較するステップと、
比較の結果により前記被写体が生体か否かを判別するステップと、
を有することを特徴とする生体検知方法。
【請求項14】
請求項13に記載の生体検知方法であって、
第1の光量で前記被写体を照明するステップと、
第2の光量で前記被写体を照明するステップと、
第1の光量で前記被写体を照明するステップと、第2の光量で前記被写体を照明するステップで得られた画像から差分を求めることで外光成分を除去するステップと、
第1の光量で前記被写体を照明するステップと、第2の光量で前記被写体を照明するステップで得られた画像から差分を求めることで外光成分を除去するステップから得られた画像を利用して前記被写体の生体検知を行なうことを特徴とする生体検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−9403(P2009−9403A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170825(P2007−170825)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】