説明

生体通信システム、通信装置および生体通信システムの通信方法

【課題】生体を介して確実に通信を行う。
【解決手段】2つの電極1、2と、電極1、2に導線で接続され、各導線と電極1、2とその近傍に位置する生体(ユーザUの人体)とを含むループ状の電流経路100に電流を流すことにより信号を送信するとともに電流経路100を流れる電流により信号を受信する通信装置3と、電流経路100に磁気結合するように配置されるループアンテナ4ならびにループアンテナ4に電流を流すことにより信号を送信するとともにループアンテナ4を流れる電流により信号を受信する通信装置5とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体通信システム、通信装置および生体通信システムの通信方法
に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、生体を介して通信を行う生体通信システムとしては、図10に示すようなものがある。
【0003】
通信装置3A、5Aは、それぞれ電極1、501を介して、大地に容量結合され、それぞれ電極2、502を介して、ユーザUの人体に容量結合される。通信装置3A、5Aは、容量結合により形成された信号経路100Aを介して、通信を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"RedTacton"、[online]、日本電信電話株式会社、[平成23年3月18日検索]、インターネット<URL:http://www.redtacton.com/>
【非特許文献2】門 勇一、品川 満、”人体近傍電界通信技術「レッドタクトン」とその応用”、NTT技術ジャーナル、2010.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、通信装置5Aと人体間の静電容量は、通信装置5Aの位置や向き、人体周辺の電磁環境により変動し、且つ、その値は小さい。小さな静電容量は、回路内では大きな交流インピーダンスとなり、信号を小さくしてしまう。そのため、通信が不安定または行えない可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生体を介して確実に通信を行える生体通信システムおよびその通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備えることを特徴とする生体通信システムをもって解決手段とする。
【0008】
第2の本発明は、2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に流れるループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備える生体通信システムで使用される通信装置であって、前記ループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信することを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0009】
第3の本発明は、2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナとを備える生体通信システムで使用される通信装置であって、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信することを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0010】
第4の本発明は、2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備える生体通信システムの通信方法であって、前記通信方法は、前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置が、前記電流経路に電流を流すことにより信号を送信する工程と、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する工程とを備える、または、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信する工程と、前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置が、前記電流経路を流れる電流により信号を受信する工程とを備えることを特徴とする生体通信システムの通信方法をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電極と電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともにループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備えるので、通信不安定や通信不能の原因となる結合容量が通信経路に含まれず、もって、生体を介して確実に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る生体通信システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における通信装置3、5の接続状態を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の通信装置3、5の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る生体通信システムの通信方法の一例を示すシーケンス図である。
【図5】第1の実施の形態に係る生体通信システムの利用形態の例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る生体通信システムの利用形態の別な例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の通信装置3、5の構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態における通信装置3、5の無線通信での接続状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る生体通信システムの通信方法の一例を示すシーケンス図である。
【図10】従来の生体通信システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る生体通信システムの構成を示す図である。
【0015】
生体通信システムは、2つの電極1、2と、電極1、2に導線で接続され、各導線と電極1、2とその近傍に位置する生体(ユーザUの人体)とを含むループ状の電流経路100に電流を流すことにより信号を送信するとともに電流経路100を流れる電流により信号を受信する通信装置3と、電流経路100に磁気結合するように配置されるループアンテナ4ならびにループアンテナ4に電流を流すことにより信号を送信するとともにループアンテナ4を流れる電流により信号を受信する通信装置5とを備える。
【0016】
例えば、電極1、2は、それぞれ床上、支持台の上に設けられる。
【0017】
ユーザUは、生体通信システムの利用に際して、電極1に乗り且つ電極2に触れ、こうして、電流経路100が形成される。
【0018】
ループアンテナ4は、通信装置5に組み込まれ、例えば、ユーザUは、通信装置5を携帯する。
【0019】
通信装置3は、通信装置5に対して送信すべき信号に応じた交流電流を電流経路100に流し、これにより、電流経路100を貫通する方向の磁束が生じる。
【0020】
通信装置5はユーザUに携帯されるので、磁束は、ループアンテナ4を貫通する。つまり、電流経路100にループアンテナ4が磁気結合される。
【0021】
一方、通信装置5は、通信装置3に対して送信すべき信号に応じた交流電流をループアンテナ4に流し、これにより、ループアンテナ4を貫通する方向の磁束が生じる。
【0022】
通信装置5はユーザUに携帯されるので、磁束は、電流経路100を貫通する。つまり、ループアンテナ4に電流経路100が磁気結合される。
【0023】
なお、電流経路100は、模式的に図示しており、また、ループアンテナ4の向きについても、図1の電流経路100に適した向きで図示しているが、通信装置5がユーザUに携帯されていれば、図1の向きでなくても、電流経路100とループアンテナ4は磁気結合される。
【0024】
図2は、第1の実施の形態における通信装置3、5の接続状態を示す図である。
【0025】
ここでは、電流経路100にあわせて、ユーザUの人体をループ状に図示している。電流経路100は、通信装置3、電極1、2、ユーザUの人体により形成され、電流経路400は、通信装置5、ループアンテナ4により形成される。電流経路100、400は、互いに磁気結合されるように配置される。これにより、通信装置3、5の接続状態が形成される。
【0026】
図3は、第1の実施の形態の通信装置3、5の構成を示すブロック図である。
【0027】
図3(a)に示すように、通信装置3は、電源部31、トランシーバ32、復調器33、変調器34、制御部35、コンピュータ36を備える。制御部35は、電極1、2とトランシーバ32の接続を受信及び送信の2状態で切り替え、送受信動作を時分割で行う。
【0028】
送信時においては、制御部35は、コンピュータ36からの指令もしくは内部要因により送信すべきメッセージを作成し、デジタル化して変調器34に出力する。
【0029】
変調器34は、メッセージに対し、ASK(Amplide shift Keying),PSK(Phase ShiftKeying) またはFSK(Frequency Shift Keying) などの変調を行い、トランシーバ32に出力する。
【0030】
トランシーバ32は、変調器34から出力されるデジタル変調信号を、所定のキャリア周波数近傍に集中した電力を持つアナログ信号に変換し、電極1、2間に出力する。
【0031】
受信時においては、制御部35は、コンピュータ36からの指令もしくは内部要因により受信タイミングを検出したなら、トランシーバ32に受信を指令する。
【0032】
トランシーバ32は、電極1、2から入力されるアナログ信号を取得し、これを所定の中間周波数(DCも含む)近傍に集中した電力をもつデジタル信号に変換し、復調器33に出力する。
【0033】
復調器33は、トランシーバ32から入力されるデジタル信号を復調し、ベースバンドデジタルデータに復調(変換)して制御部35に出力する。
【0034】
制御部35は、復調器33から入力されるベースバンドデジタルデータからメッセージを復元し、コンピュータ36に送信する。
【0035】
図3(b)に示すように、通信装置5は、電源部51、トランシーバ52、復調器53、変調器54、制御部55、コンピュータ56を備える。制御部55は、ループアンテナ4とトランシーバ52の接続を受信及び送信の2状態で切り替え、送受信動作を時分割で行う。
【0036】
送信時においては、制御部55は、コンピュータ56からの指令もしくは内部要因により送信すべきメッセージを作成し、デジタル化して変調器54に出力する。
【0037】
変調器54は、メッセージに対し、ASK(Amplide shift Keying),PSK(Phase ShiftKeying) またはFSK(Frequency Shift Keying) などの変調を行い、トランシーバ52に出力する。
【0038】
トランシーバ52は、変調器54から出力されるデジタル変調信号を、所定のキャリア周波数近傍に集中した電力を持つアナログ信号に変換し、ループアンテナ4に出力する。
【0039】
受信時においては、制御部55は、コンピュータ56からの指令もしくは内部要因により受信タイミングを検出したなら、トランシーバ52に受信を指令する。
【0040】
トランシーバ52は、ループアンテナ4から入力されるアナログ信号を取得し、これを所定の中間周波数(DCも含む)近傍に集中した電力をもつデジタル信号に変換し、復調器53に出力する。
【0041】
復調器53は、トランシーバ52から入力されるデジタル信号を復調し、ベースバンドデジタルデータに復調(変換)して制御部55に出力する。
【0042】
制御部55は、復調器から入力されるベースバンドデジタルデータからメッセージを復元し、コンピュータ56に送信する。
【0043】
図4は、第1の実施の形態に係る生体通信システムの通信方法の一例を示すシーケンス図である。
【0044】
まず、ユーザUは電極1に乗り(S1)、電極2に触れる(S2)、これにより、電流経路100が形成される。
【0045】
一方、通信装置3は、電流経路100の有無によらず、呼び出しメッセージを交流のアナログ信号に変調し、これを常に電極1、2に送信している(S31)。
【0046】
このため、電流経路100が形成されると、アナログ信号(交流電流)が電流経路100に流れる。
【0047】
交流電流により生じた交流磁束はループアンテナ4を貫通し、ループアンテナ4には誘導起電力が生じ、交流電流が流れる。
【0048】
通信装置5は、呼び出しメッセージを所定の時間間隔で検出するキャリアセンス状態になっており(S51)、交流電流(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタル信号から呼び出しメッセージを復元する(S11)。
【0049】
通信装置5は、呼び出しメッセージが得られると、応答メッセージを交流のアナログ信号に変調し、これをループアンテナ4に送信する。
【0050】
この交流電流により生じた交流磁束は、電流経路100を貫通し、電流経路100には誘導起電力が生じ、交流電流が流れる。
【0051】
通信装置3は、交流電流(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタル信号から応答メッセージを復元する(S13)。
【0052】
呼び出しメッセージ、応答メッセージの送受信が終わると、同様に、目的の1以上のメッセージが送受信される(S15)。
【0053】
目的のメッセージの送受信が終わると、通信装置3は通信装置5に終了要求メッセージを送信し(S21)、これに対し、通信装置5は通信装置3に応答メッセージとして終了応答を送信する(S23)。
【0054】
通信装置3は、終了応答を受信すると、上記のように、呼び出しメッセージを送信する(S31)。
【0055】
通信装置5は、終了応答を送信すると、呼び出しメッセージを所定の時間間隔で検出するキャリアセンス状態に移行する(S51)。
【0056】
一方、ユーザUは電極2から手を離し(S4)、これにより、電流経路100が消滅し、ユーザUは電極1から降りる(S5)。
【0057】
図5、図6は、第1の実施の形態に係る生体通信システムの利用形態の例を示す図である。
【0058】
生体通信システムは、図5(a)のように、電極1を床に、電極2を机の上に設置した利用形態を採用してもよい。また、図5(b)のように、電極1を椅子の座面に、電極2を机の上に設置してもよい。また、図5(c)のように、電極1を椅子の背もたれに、電極2を机の上に設置してもよい。また、図5(d)のように、電極1を椅子のヘッドレストに、電極2を机の上に設置してもよい。
【0059】
また、図6(a)のように、電極1をフットレストに、電極2を机の上に設置してもよい。また、図6(b)のように、電極1を自動車の座面に、電極2をステアリングに設置してもよい。また、図6(c)のように、電極1を床に、電極2をドアノブに設置してもよい。また、図6(d)のように、電極1を床に、電極2を壁に設置してもよい。
【0060】
したがって、第1の実施の形態に係る生体通信システムによれば、2つの電極1、2と、電極1、2と電極1、2の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路100に電流を流すことにより信号を送信するとともに電流経路100を流れる電流により信号を受信する通信装置3と、ループ状の電流経路100に磁気結合するように配置されるループアンテナ4と、ループアンテナ4に電流を流すことにより信号を送信するとともにループアンテナ4を流れる電流により信号を受信する通信装置5とを備えるので、通信不安定や通信不能の原因となる結合容量が通信経路に含まれず、もって、生体を介して確実に通信を行うことができる。
【0061】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る生体通信システムについて説明する。
【0062】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の構成要素と同一または類似の要素に対し同一の符号を付与して重複説明を省略するとともに、第1の実施の形態との差異を中心に説明を行う。
【0063】
図7は、第2の実施の形態の通信装置3、5の構成を示すブロック図である。
【0064】
図7(a)に示すように、通信装置3は、電源部31、トランシーバ32、復調器33、変調器34、制御部35、コンピュータ36、無線通信部37、アンテナ38を備える。
【0065】
無線通信部37は、アンテナ38を介して、通信装置5と無線通信を行い、無線通信で送受信する情報を、制御部35を介して、コンピュータ36との間で送受する。
【0066】
図7(b)に示すように、通信装置5は、電源部51、トランシーバ52、復調器53、変調器54、制御部55、コンピュータ56、無線通信部57、アンテナ58を備える。
【0067】
無線通信部57は、アンテナ58を介して、通信装置3と無線通信を行い、無線通信で送受信する情報を、制御部55を介して、コンピュータ56との間で送受する。
【0068】
無線通信部37、57は、例えば、アクティブタグ等で使用されるUHF帯の無線通信方式により通信する。
【0069】
図8は、第2の実施の形態における通信装置3、5の無線通信での接続状態を示す図である。
【0070】
第2の実施の形態では、図2に示すような電流経路100とループアンテナ4による接続状態のみでなく、図8に示すように、アンテナ38、58が無線通信可能な状態となり、これにより、通信装置3、5の無線通信での接続状態が形成される。
【0071】
図9は、第2の実施の形態に係る生体通信システムの通信方法の一例を示すシーケンス図である。
【0072】
第2の実施の形態においては、ステップS15において、相互認証メッセージが送受信される。
【0073】
つまり、通信装置3は、通信装置5を認証したことを示す情報IDAを通信装置5に送信し、通信装置5は、情報IDAを記憶する。
【0074】
また、通信装置5は、通信装置3を認証したことを示す情報IDBを通信装置3に送信し、通信装置3は、情報IDBを記憶する。
【0075】
そして、通信装置3が、終了応答を受信し(S23)、呼び出しメッセージの送信処理に移行し(S31)、通信装置5が、終了応答を送信し(S23)、キャリアセンス状態に移行する(S51)と、通信装置3の無線通信部37と通信装置5の無線通信部57は、情報IDA、IDBを用いた無線通信を行う(S101)。
【0076】
例えば、通信装置3は、通信装置5に送信すべきメッセージに情報IDBを含ませ、無線通信部37が、これをアンテナ38から通信装置5に無線送信する。通信装置5の無線通信部57は、アンテナ58を介してメッセージを受信する。
【0077】
通信装置5は、メッセージに情報IDBが含まれるので、通信装置3に送信すべきメッセージに情報IDAを含ませ、無線通信部が、これをアンテナから通信装置3に無線送信する。通信装置3は、メッセージを受信する。
【0078】
通信装置3は、メッセージに情報IDAが含まれるので、以降、同様に通信装置5に対して、無線によりメッセージを送信する。
【0079】
通信装置5も、以降、同様に通信装置3に対して、無線によりメッセージを送信する。
【0080】
つまり、通信装置3、5は、無線により、セキュリティーを確保したメッセージの送受信を行うことができる。なお、かかるメッセージの送受信は、情報IDA、IDBを送受信した後であれば、任意のタイミングで行うことができる。
【0081】
したがって、第2の実施の形態に係る生体通信システムによれば、ループ状の電流経路100を使用して信号を送受信する通信装置3は、ループアンテナ4を使用して信号を送受信する通信装置5に対し電流経路100を使用しないで通信を行うための無線通信部37を備え、ループアンテナ4を使用して信号を送受信する通信装置5は、ループ状の電流経路100を使用して信号を送受信する通信装置3に対しループアンテナ4を使用しないで通信を行うための無線通信部57を備えることで、ループ状の電流経路100とループアンテナ4による通信と、無線通信部37、57による通信を適宜使い分けることができる。
【0082】
例えば、一方の通信の消費電力が大きい場合は、その通信の使用を必要最小限にし、消費電力を低下させることができる。これにより、例えば、通信装置を電池駆動する場合は、電池寿命を長くできる。また、低電力化により、発熱を抑え、これにより、通信装置の省スペース化や低コスト化に寄与することができる。
【符号の説明】
【0083】
1、2…電極
3、3A、5、5A…通信装置
4…ループアンテナ
31、51…電源部
32、52…トランシーバ
33、53…復調器
34、54…変調器
35、55…制御部
36、56…コンピュータ
37、57…無線通信部
38、58…アンテナ
100、400…電流経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電極と、
前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、
前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、
前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置と
を備えることを特徴とする生体通信システム。
【請求項2】
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置に対し前記電流経路を使用しないで通信を行うための無線通信部を備え、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置に対し前記ループアンテナを使用しないで通信を行うための無線通信部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の生体通信システム。
【請求項3】
2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に流れるループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備える生体通信システムで使用される通信装置であって、
前記ループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置に対し前記ループアンテナを使用しないで通信を行うための無線通信部を備え、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置に対し前記電流経路を使用しないで通信を行うための無線通信部を備える
ことを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナとを備える生体通信システムで使用される通信装置であって、
前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置に対し前記電流経路を使用しないで通信を行うための無線通信部を備え、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置は、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置に対し前記ループアンテナを使用しないで通信を行うための無線通信部を備える
ことを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備える生体通信システムの通信方法であって、
前記通信方法は、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置が、前記電流経路に電流を流すことにより信号を送信する工程と、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する工程と
を備える、または、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信する工程と、前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置が、前記電流経路を流れる電流により信号を受信する工程と
を備えることを特徴とする生体通信システムの通信方法。
【請求項8】
2つの電極と、前記電極と前記電極の近傍に位置する生体とを含むループ状の電流経路に電流を流すことにより信号を送信するとともに前記電流経路を流れる電流により信号を受信する通信装置と、前記ループ状の電流経路に磁気結合するように配置されるループアンテナと、前記ループアンテナに電流を流すことにより信号を送信するとともに前記ループアンテナを流れる電流により信号を受信する通信装置とを備える生体通信システムの通信方法であって、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置は、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置に対し前記電流経路を使用しないで通信を行うための無線通信部を備え、
前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置は、前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置に対し前記ループアンテナを使用しないで通信を行うための無線通信部を備え、
前記通信方法は、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記ループ状の電流経路と前記ループアンテナを使用して通信を行う工程と、
前記ループ状の電流経路を使用して信号を送受信する通信装置、前記ループアンテナを使用して信号を送受信する通信装置が、前記通信により得た情報に基づくメッセージを、前記各無線通信部を使用して送受信する工程と
を備えることを特徴とする生体通信システムの通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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