説明

生分解性ポリマー−生物活性部分の複合体

本発明は、複数の放出可能な生物活性部分を含む生分解性ポリマーに関する。前記放出可能な生物活性部分は、前記生分解性ポリマーの主鎖にぶら下がって共有結合されており、前記生分解性ポリマーの主鎖は、それぞれ生分解性部分を介して結合されたモノマー単位から形成されており、前記生物活性部分は、前記ポリマー主鎖の生分解速度と等しい又はそれより速い速度で放出されることが可能である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放出可能な生物活性部分を含む生分解性ポリマーであって、前記放出可能な生物活性部分は、前記生分解性ポリマーの主鎖にぶら下がって共有結合されており、前記生分解性ポリマーの主鎖は、それぞれ生分解性部分を介して結合されたモノマー単位から形成されており、前記生物活性部分は、前記ポリマー主鎖の生分解速度と等しい又はそれより速い速度で放出されることが可能である生分解性ポリマー。
【請求項2】
一般式(I):
【化1】

[式中、
A及びBは、同じ又は異なるが、ポリマー主鎖の残部を表し、(i)式(I)に示されているような一つ又は複数の−X−R(ZD)−Y−を含み、そして(ii)それぞれ生分解性部分を介して結合されたモノマー単位から形成されており、生分解性ポリマーの所定の−X−R(ZD)−Y−部分における各X、Y、R、Z及びDは同じ又は異なり;
X及びYは、それぞれ独立して生分解性部分であり;
Rは、直鎖又は分枝の、置換されていてもよい炭化水素を表し;
Zはスペーサー部分であり;そして
Dは放出可能な生物活性部分である]を有し、
生物活性部分(D)は、ポリマー主鎖の生分解速度と等しい又はそれより速い速度で放出されることが可能である、請求項1に記載の生分解性ポリマー。
【請求項3】
各−X−R(ZD)−Y−部分におけるX及びYは、それぞれ独立してエステル又はカルバメート部分である、請求項2に記載の生分解性ポリマー。
【請求項4】
重合ジオール残基の総モル数に対して25モル%未満のC2−10ジオールから誘導された重合残基を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項5】
ポリマーを形成するために重合されたモノマーの総モル数に対して少なくとも30モル%の放出可能な生物活性剤(D)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項6】
ポリマー主鎖を形成するモノマー単位が、アミド、カルバメート、エステル、無水物及びウレアから選ばれる生分解性部分で結合されている、請求項1又は2に記載の生分解性ポリマー。
【請求項7】
Dが、Zを通してRに、エステル、アミド、チオール、無水物、イミド、カーボネート、ペルオキシド、ペルオキシエステル、リン酸エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルバメート、アゾ又はボロン酸エステル部分によって結合されている、請求項2に記載の生分解性ポリマー。
【請求項8】
Dが、Zを通してRに、エステル、イミド、カーボネート、カルバメート、又はリン酸エステル部分によって結合されている、請求項7に記載の生分解性ポリマー。
【請求項9】
Zが、−O−;−C(O)−;及び置換されていてよい、−OC(O)−C1−18アルキレン−C(O)−;−C(O)O−C1−18アルキレン−C(O)−;−NRC(O)−C1−18アルキレン−C(O)−;−C(O)O−C1−18アルキレン−O−;−O−C1−18アルキレン−O−;−O−C1−18アルキレン−NR−;−OC(O)−C1−18アルキレン−NR−;−C(O)−C1−18アルキレン−NR−;−OC(O)−C1−18アルキレン−O−;−C(O)−C1−18アルキレン−O−;及び−C(O)NR−C1−18アルキレン−NR−から選ばれ、前記Rは、水素、C1−18アルキル、C1−18アルケニル、C1−18アルキニル、C6−18アリール、C3−18カルボサイクリル、C3−18ヘテロアリール、C3−18ヘテロサイクリル、及びC7−18アリールアルキルから選ばれる、請求項2、7及び8のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項10】
Rが、1〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の、置換されていてもよい炭化水素である、請求項2、及び7〜9のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項11】
生物活性部分(D)が、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬、抗アメーバ薬、アミノサリチレート、麻酔薬(全身及び局所)、鎮痛剤、アンギオテンシン阻害薬、食欲抑制剤、制酸剤、抗血管新生薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗関節炎薬、抗生物質、抗菌剤、抗体、抗凝固剤、抗けいれん剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、駆虫薬、抗ヒスタミン、降圧剤、抗高脂血症薬、抗感染薬、抗炎症薬、制吐薬、抗マラリア剤、代謝拮抗剤、抗片頭痛薬、抗有糸分裂薬、抗寄生虫薬、抗パーキンソン薬、抗精神病薬、抗原虫薬、鎮咳薬、抗潰瘍薬、抗ウィルス薬、抗不安薬、気管支拡張薬、充血除去剤及び去痰薬、がん療法及び関連薬剤、心臓血管用薬剤、中枢神経系用薬剤、ベンゾジアゼピン、ベータ−アドレナリン遮断薬、ビスホスホネート、カルシウムチャンネル遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、ケモカイン受容体アンタゴニスト、クマリン及びインダジオン、cox−2阻害薬、避妊薬、細胞毒性薬、利尿薬、糖尿病療法、成長ホルモン、生殖医療用薬剤、造血剤、グルコース調節剤、成長促進剤、H2アンタゴニスト、ヘパリン及びヘパリンアンタゴニスト、ホルモン補充療法、止血剤、免疫抑制剤、免疫刺激剤、強心薬、インターフェロン、ホルモン及び類似体、性的不全治療薬、キナーゼ阻害薬、下剤、ロイコトリエン修飾剤、マクロライド、肥満細胞安定剤、筋弛緩剤/刺激剤、散瞳薬、神経筋遮断薬、肥満治療薬、眼科用薬剤、骨粗鬆症薬、疼痛治療薬、ペプチド及びポリペプチド、末梢血管拡張薬、血小板阻害薬/刺激薬、プロラクチン阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、タンパク質治療薬、プロトンポンプ阻害薬、放射性医薬品、呼吸器用薬剤、鎮静剤、殺精子剤、ステロイド、禁煙用薬、スタチン、興奮剤及び精神安定剤、スルホンアミド、甲状腺剤、尿酸性化薬/アルカリ性化薬、及び血管拡張薬から選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項12】
生物活性部分(D)が、アラトロフロキサシン、バロフロキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ダノフロキサシン、デラフロキサシン、デキストロフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、ガレノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、ペフロキサシン、シタフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トスルフロキサシン、トロバフロキサシン、バルプロ酸、ベンゾカイン及びプロカインから選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項13】
生物活性部分(D)が、デキストロフロキサシン、レボフロキサシン、ベンゾカイン及びプロカインから選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項14】
生物活性部分(D)が、ポリマー主鎖の生分解速度より速い速度で放出可能である、前記請求項のいずれか1項に記載の生分解性ポリマー。
【請求項15】
Dが、Zを通してRに、ポリマー主鎖を形成するモノマー単位を結合している生分解性部分よりも高い加水分解的切断の受けやすさを有している生分解性部分によって結合されている、請求項2に記載の生分解性ポリマー。
【請求項16】
生分解性部分が、それらの加水分解的切断の受けやすさの順に示された、無水物部分>エステル部分>カルバメート>アミドから選ばれる、請求項15に記載の生分解性ポリマー。
【請求項17】
生物活性部分を対象に送達する方法であって、前記方法は、請求項1〜16のいずれか1項に記載の生分解性ポリマーを対象に投与することを含む方法。
【請求項18】
生分解性ポリマーが投与される様式が、埋込み、経口、非経口、吸入、口腔内、肺内、耳内、眼内、鼻腔内、局所、直腸内、膣内及びそれらの組合せから選ばれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
持続性の生物活性部分送達システムであって、請求項1〜16のいずれか1項に記載の生分解性ポリマーを含むシステム。
【請求項20】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の生分解性ポリマーの製造法であって、式(II):
【化2】

[式中、
X’及びY’は、それぞれ独立して、(a)適合性のある化学官能基を有するモノマーとの重合を受けることができ、(b)適合性のある化学官能基と反応して生分解性部分をもたらす官能基であり;
R、Z及びZは、前記請求項のいずれか1項に定義の通りである]のモノマー−生物活性部分の複合体を、適合性のある化学官能基を含む少なくとも一つのモノマーと重合させるステップを含む方法。
【請求項21】
X’及びY’が、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アミン、カルボン酸、イソシアネート、及びカルボン酸ハロゲン化物から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
X’及びY’がどちらもヒドロキシルであり、モノマー−生物活性剤の複合体が、ポリイソシアネート、ポリ酸及びそれらの組合せから選ばれるモノマーと重合される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ポリイソシアネートが、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−トルエンジイソシアネート及びその異性体、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、2,4,6−トルエントリイソシアネート、及び4,4’−ジメチル−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートから選ばれる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ポリ酸が、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデシルコハク酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、マロン酸、及びメサコン酸から選ばれる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
モノマー−生物活性部分の複合体が、生物活性部分(D)がそのように形成されたポリマー主鎖の生分解速度より速い速度で放出可能であるように選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
Dが、Zを通してRに、X’及びY’と適合性のある化学官能基を含むモノマーとの反応で形成された生分解性部分よりも高い加水分解的切断の受けやすさを有する生分解性部分によって結合されている、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
生分解性部分が、それらの加水分解的切断の受けやすさの順に示された、無水物部分>エステル部分>カルバメート>アミドから選ばれる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の生分解性ポリマーを含む縫合糸、歯科用品、整形外科用固定具、経皮パッチ、結紮クリップ、血管移植片、眼科用インプラント、ステント、デバイスコーティング又は再生医療用スキャッフォールド。
【請求項29】
生分解性ポリマーの製造に使用するのに適切なモノマー−生物活性部分の複合体であって、一般式(II):
【化3】

[式中、
X’及びY’は、それぞれ独立して、(a)生分解性ポリマーを形成するために、適合性のある化学官能基を有するモノマーとの重合を受けることができ、(b)適合性のある化学官能基と反応して生分解性部分もたらす官能基であり;
Rは、直鎖又は分枝の、置換されていてもよい炭化水素を表し;
Zはスペーサー部分であり;そして
Dは放出可能な生物活性部分である]の構造を有するモノマー−生物活性部分の複合体。
【請求項30】
X’及びY’が、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アミン、カルボン酸、イソシアネート、及びカルボン酸ハロゲン化物から選ばれる、請求項29に記載のモノマー−生物活性部分の複合体。
【請求項31】
Dが、Zを通してRに、エステル、イミド、カーボネート、カルバメート、又はリン酸エステル部分によって結合されている、請求項29又は30に記載のモノマー−生物活性部分の複合体。
【請求項32】
生物活性剤(D)が、アラトロフロキサシン、バロフロキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ダノフロキサシン、デラフロキサシン、デキストロフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、ガレノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、ペフロキサシン、シタフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トスルフロキサシン、トロバフロキサシン、バルプロ酸、ベンゾカイン及びプロカインから選ばれる、請求項29、30又は31に記載のモノマー−生物活性部分の複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−505161(P2012−505161A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530332(P2011−530332)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/AU2009/001342
【国際公開番号】WO2010/040188
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(502077988)ザ バイオニック イヤ インスティテュート (3)
【Fターム(参考)】