説明

生分解性樹脂成型体の分解促進剤及びその使用

【課題】本発明の目的は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進することにより、当該生分解性樹脂成型体の自然界での生分解速度を向上させる技術を提供することである。
【解決手段】酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の廃棄処理時に、当該生分解性樹脂成型体と塩化物塩と共存させた状態にすることにより、当該生分解性樹脂成型体の分解速度が顕著に高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進できる、生分解性樹脂成型体の分解促進剤に関する。また、本発明は、優れた生分解性を備えている生分解性製品に関する。更に、本発明は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体を効率的に分解できる、生分解性樹脂成型体の分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の石油系樹脂から成型された樹脂成型体は、繊維製品、包装用フィルム、電化製品、工業資材等の様々な分野で使用されており、現代社会には不可欠なものになっている。一方、これらの樹脂成型品は、大量に使用され、大量に廃棄処分されており、その廃棄処理が大きな問題となっている。例えば、上記樹脂成型体を焼却処理すると有毒ガスが発生するという問題点がある。また、石油系樹脂は耐加水分解性を示すため、上記樹脂成型体を埋め立てや山野に廃棄処理した場合では、土中で生分解されず、環境に悪影響を及ぼすという問題点がある。
【0003】
そこで、近年、石油系樹脂の代替として、ポリ乳酸等の加水分解型生分解性樹脂が注目されている。このような生分解性樹脂は、埋め立てや山野に廃棄処理すると、自然環境を破壊することなく、微生物に分解され、地球環境に優しい材料として認知されている。しかしながら、上記生分解性樹脂は、石油系樹脂に比べて、成型加工が困難であることが知られている。また、上記生分解性樹脂は、加水分解を受けて低分子化され易いため、耐久性、強度、耐熱性の点でも劣るという欠点がある。このため、従来技術では、上記生分解性樹脂による石油系樹脂の代替は、一部の製品分野に限定されているのが現状である。
【0004】
一方、近年、樹脂素材を酸化分解によって低分子化させる酸化分解剤が開発されている(特許文献1)。当該分解剤を配合した生分解性樹脂成型体は、埋め立て処理等に供されると、酸化分解によって低分子化され、その後、微生物分解を経て自然分解される。当該分解剤は、強度が高い石油系樹脂(耐加水分解性素材)にも適用できるため、成型性、耐久性、強度、耐熱性等の石油性樹脂の長所を維持しつつ、生分解性を備えさせることができるため、大きな注目を集めている。但し、埋め立て等で処理される廃棄物は、分解速度を高めて、環境に対する負荷を極力低下することが重要であるが、上記分解剤を配合した生分解性樹脂成型体の分解速度を向上させる技術については十分に検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002−542313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進することにより、当該生分解性樹脂成型体の自然界での生分解速度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の廃棄処理時に、当該生分解性樹脂成型体と塩化物塩と共存させた状態にすることにより、当該生分解性樹脂成型体の分解速度が顕著に高まることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0008】
即ち、本発明は、下記に掲げる技術を提供する。
項1. 塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解促進剤。
項2. 塩化物塩が、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムである、項1に記載の分解促進剤。
項3. 生分解性樹脂成型体を形成する樹脂が、ポリオレフィンである、項1又は2に記載の分解促進剤。
項4. 酸化分解剤が、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸、遷移金属化合物、希土類化合物、及び芳香族ケトンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1乃至3のいずれかに記載の分解促進剤。
項5. 樹脂成型体に配合して使用されるものであって、酸化分解剤及び塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする、樹脂成型体の分解剤。
項6. 酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と、項1乃至4のいずれかに記載の分解促進剤を含有することを特徴とする、生分解性製品。
項7. 項5に記載の分解剤を含有することを特徴とする、生分解促進型樹脂成型体。
項8. 酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と、項1乃至4のいずれかに記載の分解促進剤を共存させることによって当該生分解性樹脂成型体を分解処理することを特徴とする、生分解性樹脂成型体の分解方法。
項9. 塩化物塩の、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解促進剤の製造のための使用。
項10. 酸化分解剤及び塩化物塩の、樹脂成型体の分解剤の製造のための使用。
項11. 酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進する方法であって、当該生分解性樹脂成型体を塩化物塩の存在下で処理する工程を含む、分解促進方法。
項12. 酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体を分解する方法であって、当該生分解性樹脂成型体を塩化物塩の存在下で処理する工程を含む、分解方法。
項13. 酸化分解剤及び塩化物塩を含む生分解促進型樹脂成型体の分解方法であって、当該生分解促進型樹脂成型体を屋外環境に放置する工程を含む、分解方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の分解促進剤によれば、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を特異的に促進することができるので、当該生分解性樹脂成型体の使用後に埋め立てや山野への廃棄処理等に供する場合に、環境汚染を生じさせることなく、生分解を加速させることができる。
【0010】
また、本発明の分解剤を樹脂成型体に配合すると、当該樹脂成型体は、廃棄処理した際の分解が促進され、迅速に当該樹脂成型体が微生物に利用可能な程度まで低分子化されるので、環境に悪影響を及ぼすことなく、迅速な自然分解が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】試験例1において、実施例1及び2の生分解性製品(使い捨てカイロ)の生分解性樹脂成型体(内袋)について、分解促進率を測定した結果を示す。
【図2】試験例2において、実施例3及び4の生分解性製品(非発熱性組成物収容製品)の生分解性樹脂成型体(内袋)について、分解促進率を測定した結果を示す。
【図3】比較試験例1において、比較例1−5の生分解性製品(非発熱性組成物収容製品)の生分解性樹脂成型体(内袋)について、分解促進率を測定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.生分解性樹脂成型体の分解促進剤
本発明の分解促進剤は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進するために使用されるものであって、塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする。
【0013】
本発明に使用される塩化物塩としては、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム等のアルカリ金属の塩化物塩;塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩化物塩;塩化アルミニウム、塩化銅、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化タリウム等の金属塩化物が例示される。これらの塩化物塩の中でも、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を一層促進させるという観点から、好ましくはアルカリ金属の塩化物塩、更に好ましくは塩化カリウム、塩化ナトリウム、特に好ましくは塩化カリウムが挙げられる。これらの塩化物塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0014】
本発明の分解促進剤は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進するために使用される。
【0015】
本発明の分解促進剤が適用される生分解性樹脂成型体を形成する樹脂については、酸化分解剤を含む限り特に制限されないが、好適には熱可塑性樹脂が挙げられる。当該熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート等が例示される。これらの熱可塑性合成樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド等の加水分解耐性を備える樹脂;更に好ましくはポリオレフィン;より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独では自然界で分解されないが、酸化分解剤と本発明の分解促進剤との共存下で、一層効率的に酸化分解され、微生物分解が可能な程度にまで低分子化される。
【0017】
また、本発明の分解促進剤が適用される生分解性樹脂成型体の形状についても特に制限されず、シート状、フィルム状、ペレット状、ブロック状、繊維状等のいずれであってもよい。
【0018】
また、本発明において、酸化分解剤とは、樹脂を形成するポリマーを酸化分解して、微生物分解が可能な程度に当該ポリマーを低分子化する物質である。
酸化分解剤は、当該技術分野で公知である(例えば、米国特許第3,840,512号、第3,994,855号、第4,101,720号、第4,156,666号、第4,256,851号、第4,360,60号、第4,461,853号、4,476,255号、第4,517,318号、第4,931,488号、第4,983,645号、第5,096,939号、第5,308,906号、第5,565,503号、第5,854,304号;WO88/09354号、WO92/11298号、WO94/13735号、WO00/59996号等)。本発明の分解促進剤が適用される樹脂成型体に含まれる酸化分解剤については、特に制限されないが、例えば、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸;遷移金属化合物(米国特許第5,308,906号)、希土類化合物、芳香族ケトン等が例示される。また、酸化分解剤として、カルボン酸金属塩とヒドロキシカルボン酸の組合せ(米国特許第5,854,304号)、カルボン酸金属塩と充填剤の組合せ(米国特許第5,565,503号)等を使用してもよい。本発明では、これらの酸化分解剤を1種単独で使用してもよく、又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0019】
酸化分解剤として使用されるカルボン酸金属塩の好適な例としては、例えば、炭素数10〜20の脂肪族カルボン酸の金属塩、好ましくはステアリン酸金属塩が例示される。カルボン酸金属塩を構成する金属原子としては、例えば、コバルト、セリウム、鉄、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ビスマス、カドミウム、クロミウム、銅、ガリウム、ランタン、鉛、リチウム、マグネシウム、水銀、モリブデン、ニッケル、カルシウム、希土類、銀、ナトリウム、ストロンチウム、錫、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、ジルコニウム等が例示される。酸化分解剤として使用されるカルボン酸金属塩として、特に好ましくは、コバルト、セリウム、及び鉄等の金属のステアリン酸塩が挙げられる。
【0020】
酸化分解剤として使用されるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸等のモノヒドロキシトリカルボン酸;トリヒドロキシグルタル酸、サッカリン酸等のポリヒドロキシジカルボン酸;酒石酸等のジヒドロキシジカルボン酸;タルトロン酸、リンゴ酸等のモノヒドロキシジカルボン酸;erythric acid、アラビン酸、mannitic acid等のポリヒドロキシモノカルボン酸;グリオキシル酸、グリセリン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸等が例示される。これらのヒドロキシカルボン酸は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
酸化分解剤の一成分として使用される充填剤としては、例えば、無機炭酸塩、合成カーボネート、霞石閃長岩、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪藻土、天然又は合成シリカ、焼成クレー等が例示される。これらの充填剤は、150メッシュ未満の粒径を備えていることが望ましい。これらの充填剤は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
酸化分解剤として使用される遷移金属化合物としては、具体的には、コバルト又はマグネシウムの塩、好ましくはコバルト又はマグネシウムの脂肪族カルボン酸(炭素数12〜20)塩、更に好ましくはステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウムが挙げられる。これらの遷移金属化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0023】
酸化分解剤として使用される希土類化合物としては、例えば、周期率表3A族に属する希土類、又はその酸化物が挙げられ、より具体的には、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、希土類の酸化物、水酸化物、希土類の硫酸塩、希土類の硝酸塩、希土類の酢酸塩、希土類の塩化物、希土類のカルボン酸塩等が例示され、具体的には、酸化セリウム、硫酸第二セリウム、硫酸第二セリウムアンモニウム、硝酸第二セリウムアンモニウム、酢酸セリウム、硝酸ランタン、塩化セリウム、硝酸セリウム、水酸化セリウム、オクチル酸セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム等が挙げられる。これらの希土類化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0024】
酸化分解剤として使用される芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、アセチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフェノン等が例示される。これらの芳香族ケトンは、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0025】
本発明の分解促進剤によって生分解性樹脂成型体の分解をより一層促進させるとの観点から、適用対象となる生分解性樹脂成型体は、酸化分解剤としてカルボン酸塩及び希土類化合物を組合せて含むのもが好適である。このような酸化分解剤の好適な一例として、商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製)が挙げられる。
【0026】
酸化分解剤として、カルボン酸塩及び希土類化合物を組み合わせて使用する場合、これらの比率としては、例えば、カルボン酸塩100質量部当たり、希土類化合物が5〜70量部、好ましくは7〜60質量部、更に好ましくは10〜50質量部が例示される。
【0027】
酸化分解剤は、一般的に、光、熱、空気等の作用下で、樹脂成型体を形成するポリマーを酸化分解して、微生物分解が可能な程度に当該ポリマーを低分子化するが、本発明では、酸化分解剤の中でも、光(紫外線)曝露によってポリマーの酸化分解作用を発揮する酸化分解剤(以下、光要求性酸化分解剤)が好適に使用される。光要求性酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体は、遮光条件下では分解されないため、製造時、流通値、保存時等の使用前段階では遮光雰囲気(遮光空間、遮光容器、遮光袋等)で保管することにより、使用時まで耐久性の劣化を招くことなく、所望の機能を保持させることが可能になる。このような光要求性酸化分解剤としては、例えば、希土類化合物を含む酸化分解剤が挙げられ、より具体的には商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製)が例示される。
【0028】
本発明の適用対象となる生分解性樹脂成型体における酸化分解剤の配合割合については、使用する酸化分解剤の種類、生分解性樹脂成型体を形成する樹脂の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、生分解性樹脂成型体の総質量に対して、0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3.5質量%、更に好ましくは0.1〜2.4質量%が例示される。
【0029】
より具体的には、生分解性樹脂成型体が、織布や不織布等の繊維状である場合には、酸化分解剤の配合割合は、生分解性樹脂成型体の総質量に対して、0.08〜0.8質量%、好ましくは0.12〜0.6質量%、更に好ましくは0.16〜0.4質量%が例示される。また、生分解性樹脂成型体が、フィルム又はシート状である場合には、酸化分解剤の配合割合は、生分解性樹脂成型体の総質量に対して、0.4〜3質量%、好ましくは0.6〜2.5質量%、更に好ましくは0.8〜2質量%が例示される。
【0030】
本発明の適用対象となる生分解性樹脂成型体は、公知の方法で製造できる。例えば、以下の点順の製造方法が例示される:(1)生分解性樹脂成型体を形成する樹脂の溶融液に所定量の酸化分解剤を添加し、当該溶解液をペレット状に成型する、(2)次いで、必要に応じて、ペレット状成型体を溶融して、所望の形状に成型する。
【0031】
本発明の分解促進剤は、上記生分解性樹脂成型体の廃棄処理時に、上記生分解性樹脂成型体と接触するように適用される限り、その適用方法については特に制限されない。例えば、上記生分解性樹脂成型体の廃棄処理時に、本発明の分解促進剤の有効成分をそのまま、又は必要に応じて水等に希釈媒体で希釈して、上記生分解性樹脂成型体に添加する方法(以下、実施態様1と表記することもある);上記生分解性樹脂成型体を含む製品の製造時に、本発明の分解促進剤の有効成分を予め当該製品に添加することにより、当該生分解性樹脂成型体と当該有効成分とを接触させておく方法(以下、実施態様2と表記することもある)等が例示される。
【0032】
上記実施態様1の適用方法は、長期間の耐久性が要求される製品に生分解性樹脂成型体を使用している場合、本発明の分解促進剤の有効成分を予め配合できない製品に生分解性樹脂成型体を使用している場合等において、好適である。
【0033】
また、上記実施態様2の適用方法は、本発明の分解促進剤の有効成分を予め配合できる製品であって、長期間の耐久性が要求されない製品に生分解性樹脂成型体を使用している場合において、好適である。このように実施態様2を適用できる製品としては、例えば、機能性組成物を、シート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲又は生分解性樹脂成型体上に積層させている製品が挙げられる。本明細書において、機能性組成物とは、保冷作用、冷却作用、薬理作用、発熱作用等の特定の作用を有している組成物である。機能性組成物の組成は、当業者であれば、求められる作用等に応じて適宜設定できる。
【0034】
上記実施態様2では、具体的には、機能性組成物に対して本発明の分解促進剤の有効成分を添加し、これをシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲又は生分解性樹脂成型体上に積層させることにより、製品を提供すればよい。実施態様2を適用できる製品として、具体的には、保冷剤(保冷剤組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲した製品)、身体用冷却剤(冷却剤組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲又は生分解性樹脂成型体上に積層させた製品)、医療用湿布剤(湿布用ゲル状組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体上に積層させた製品)、身体用保温剤(発熱性組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲した製品)、等が例示される。
【0035】
また、本発明の分解促進剤の適用量については、生分解性樹脂成型体の形状や種類等に応じて異なるが、例えば、適用対象となる生分解性樹脂成型体100質量部当たり、本発明の分解促進剤の有効成分が1〜100質量部、好ましくは2.5〜50質量部、更に好ましくは5〜30質量部を充足する範囲が例示される。
【0036】
上記生分解性樹脂成型体を本発明の分解促進剤と共存させた状態で屋外環境に放置して処理(例えば、埋め立てや山野に廃棄処理)することにより、上記生分解性樹脂成型体が酸化分解を経て微生物分解される。本発明の分解促進剤との共存下で上記生分解性樹脂成型体が最終的に分解されるまでの期間は、上記生分解性樹脂成型体の形状や構成樹脂の種類、廃棄された環境等によって異なるが、1g程度のフィルム又はシート状の生分解性樹脂成型体であれば、通常0.5〜3年程度で、樹脂成型体が視認できなくなる程度にまで分解される。
【0037】
2.樹脂成型体の分解剤
本発明の分解剤は、樹脂成型体に配合して使用されるものであって、酸化分解剤及び塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする、樹脂成型体の分解剤である。このように酸化分解剤と塩化物塩を併用して、樹脂成型体中に配合しておくことにより、当該樹脂成型体の分解を促進して、迅速に樹脂成型体を微生物に利用可能な程度まで低分子化することが可能になる。
【0038】
本発明の分解剤に使用される酸化分解剤及び塩化物塩は、上記「1.分解促進剤」に記載の通りである。
【0039】
また、本発明の分解剤において、酸化分解剤と塩化物塩の比率については、特に制限されるものではないが、例えば、酸化分解剤の総量100質量部当たり、塩化物塩が総量で4〜2800質量部程度、好ましくは10〜2600質量部程度、更に好ましくは50〜24000質量部程度が挙げられる。
【0040】
本発明の分解剤は、樹脂成型体に配合して使用される。樹脂成型体の構成樹脂や形状等については、上記「1.分解促進剤」に記載の生分解性樹脂成型体の場合と同様である。
【0041】
本発明の分解剤を樹脂成型体に配合する方法についても、公知の方法に従って行うことができる。例えば、以下の点順の製造方法が例示される:(1)樹脂成型体を形成する樹脂の溶融液に所定量の本発明の分解剤を添加し、当該溶解液をペレット状に成型する、(2)次いで、必要に応じて、ペレット状成型体を溶融して、所望の形状に成型する。
【0042】
本発明の分解剤を樹脂成型体に配合する量については、分解剤中の酸化分解剤や塩化物塩の種類、樹脂成型体の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、樹脂成型体の総質量100質量部当たり、本発明の分解剤の総質量が0.1〜7質量部、好ましくは0.15〜5質量部、更に好ましくは0.2〜3質量部が例示される。
【0043】
本発明の分解剤が配合された樹脂成型体は、屋外環境に放置して処理(例えば、埋め立てや山野に廃棄処理)することにより、当該樹脂成型体は酸化分解により迅速に低分子化され、その後微生物分解される。本発明の分解剤が配合された樹脂成型体が最終的に分解されるまでの期間の目安は、上記「1.分解促進剤」に記載の生分解性樹脂成型体が分解されるまでの期間と同様である。
【0044】
3.生分解性製品
本発明の生分解性製品は、上記分解促進剤と、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体とを含有することを特徴とする。即ち、本発明の生分解性製品は、上記分解促進剤が、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と組み合わされて含まれており、使用後にそのまま埋め立てや山野に廃棄処理することにより、環境汚染を生じさせることなく、当該樹生分解性脂成型体が迅速に分解される。
【0045】
本発明の生分解性製品に含まれる分解促進剤は、上記「1.分解促進剤」に記載の通りである。
【0046】
また、本発明の生分解性製品に含まれる生分解性樹脂成型体を形成する樹脂の種類、当該樹脂成型体の形状、当該生分解性樹脂成型体に含まれる酸化分解剤の種類や配合割合等については、上記「1.分解促進剤」の適用対象となる生分解性樹脂成型体と同様である。
【0047】
本発明の生分解性製品に含まれる上記分解促進剤と上記生分解性樹脂成型体の比率については、生分解性樹脂成型体の形状や種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、上記生分解性樹脂成型体100質量部当たり、上記分解促進剤の有効成分(塩化物塩)が5〜55質量部、好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは15〜45質量部が例示される。
【0048】
本発明の生分解性製品は、上記分解促進剤と上記生分解性樹脂成型体を含有し、廃棄処理時に当該分解促進剤と当該生分解性樹脂成型体が接触する形態である限り、その製品形態については、特に制限されない。本発明の生分解性製品として、具体的には、上記分解促進剤を含む組成物と、上記生分解性樹脂成型体とを含有する製品;好ましくは、上記分解促進剤を含む機能性組成物が、シート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲又は生分解性樹脂成型体上に積層させている製品が例示される。本発明の生分解性製品の具体例としては、保冷剤(上記分解促進剤を含む保冷剤組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲した製品)、身体用冷却剤(上記分解促進剤を含む冷却剤組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲又は樹脂成型体上に積層させた製品)、医療用湿布剤(上記分解促進剤を含む湿布用ゲル状組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体上に積層させた製品)、身体用保温剤(上記分解促進剤を含む発熱性組成物をシート状又はフィルム状の生分解性樹脂成型体で包囲した製品)等が例示される。
【0049】
本発明の生分解性製品は、屋外環境に放置して処理(例えば、埋め立てや山野に廃棄処理)することにより、上記生分解性樹脂成型体は酸化分解により迅速に低分子化され、その後微生物分解される。本発明の生分解性製品中の生分解性樹脂成型体が最終的に分解されるまでの期間の目安は、上記「1.分解促進剤」に記載の生分解性樹脂成型体が分解されるまでの期間と同様である。
【0050】
4.生分解促進型樹脂成型体
本発明の生分解促進型樹脂成型体は、樹脂成型体中に塩化物塩及び酸化分解剤を含有することを特徴とする。即ち、本発明の生分解促進型樹脂成型体は、上記「2.分解剤」に記載の分解剤が配合されている樹脂成型体である。
【0051】
5.樹脂成型体の分解方法
本発明の分解方法は、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と、上記分解促進剤を共存させて、当該生分解性樹脂成型体を分解処理することを特徴とする。即ち、本発明の分解方法は、上記分解促進剤を用いた、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解方法である。
【0052】
本発明の分解方法に使用される分解促進剤、分解対象となる生分解性樹脂成型体、当該生分解性樹脂成型体に含まれる酸化分解剤、当該分解促進剤と当該生分解性樹脂成型体の比率、これらを共存させる方法等については、上記「1.分解促進剤」に記載の通りである。
【0053】
また、本発明の分解方法において、上記生分解性樹脂成型体の分解処理は、上記分解促進剤と上記生分解性樹脂成型体が共存した状態で、屋内又は屋外に放置することによって行われ、好ましくは微生物が存在する屋外環境に放置(例えば、埋め立て、山野への廃棄)することによって行われる。本発明の分解方法によって、上記樹脂成型体が分解される期間についても、上記「1.分解促進剤」に記載の生分解性樹脂成型体が分解されるまでの期間と同様である。
【実施例】
【0054】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した酸化分解剤含有物(酸化分解剤を80〜90%含有)は、商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製;脂肪族モノカルボン酸50〜70重量%、希土類化合物10〜20重量%、潤滑剤10〜20%含有)である。
【0055】
実施例1:生分解性製品(使い捨てカイロ)
1.機能性組成物(発熱性組成物)の調製
塩化カリウム1質量%、平均粒径50μmの鉄粉55質量%、平均粒径200μmの活性炭13質量%、水26質量%、粒径100μmのヒル石3質量%、及び粒径380μmのアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物2質量%を混合することにより発熱性組成物を調製した。
【0056】
2.樹脂成型体(使い捨てカイロの内袋素材)の調製
ポリエチレン98質量%及び酸化分解剤含有物2質量%を含む樹脂シートを円盤状の工具網の円周上に刃を設けた回転刃を並べたロールに通し、JIS P 8117-1998「紙及び板紙-透気度試験方法-ガーレー試験機法」に従って測定された値が13.5〜14.5秒/100ccとなる程度の細孔が形成された通気性生分解性樹脂フィルム(厚み40μm)を調製した。また、別途、ポリプロピレン99.75質量%及び酸化分解剤含有物0.25質量%を含む合成繊維を用いて、スパンボンド法にて生分解性不織布(目付け25g/m2)を調製した。
【0057】
上記通気性生分解性樹脂フィルムに、上記生分解性不織布をラミネートすることにより、縦9.5cm、横120cmの積層体(内袋;通気性生分解性樹脂フィルム0.7gと生分解性不織布0.3gの積層体)1gを調製した。
【0058】
3.生分解性製品(使い捨てカイロ)の調製
上記で調製した積層体に上記で調製した発熱性組成物を3方シールにて封入した。具体的には、上記で調製した積層体を2枚に折り、その外側から約7mmの部分を130℃で熱圧着して接着させた。また、上下開いている1端を同様に外側から約7mmの部分を130℃で熱圧着して接着させた。次いで、接着されていない1辺の内袋部分から、上記で調製した発熱性組成物20gを入れた後、接着されていない1辺を外側から約7mmの部分で130℃で熱圧着して接着することにより、発熱性組成物を内袋に収容し、生分解性製品(使い捨てカイロ)を調製した。次いで、調製された生分解性製品を素早く、ポリ塩化ビニリデンコートフィルムからなる外袋(空気非透過性且つ遮光性)に入れて、外袋を密封した。以下の試験例では、試験開始時に、外袋から使い捨てカイロを取り出して使用した。
【0059】
実施例2:生分解性製品(使い捨てカイロ)
塩化カリウム1質量%の代わりに塩化ナトリウム1質量%を使用すること以外は、上記実施例1と同じ条件で、使い捨てカイロを調製した。
【0060】
試験例1:生分解性製品(使い捨てカイロ)の分解性の評価
実施例1及び2の使い捨てカイロを外袋から取り出し、発熱が終了するまで、室温で24時間放置した。その後、発熱が終了した使い捨てカイロを50℃の恒温槽に入れて、12日間保存した。
【0061】
発熱終了直後、50℃で3日後、6日後、及び12日保存後に、使い捨てカイロを解体して、発熱性組成物を取り出し、穿孔していない内袋部分を2×7cmにカットして、引張試験機(AGS-H、島津製作所製)にてMD方向に引っ張り、引張強度を測定した。また、コントロールとして、発熱性組成物を収容していない内袋のみを用いて、上記と同条件で保存を行った後に、引張強度の測定を行った。次いで、下記の算出式に従って、実施例1及び2で使用された内袋の分解促進率を測定した。なお、内袋の分解率が高くなる程、引張強度が低下するため、当該技術分野で引張強度は、内袋の分解の程度を評価するために一般的に用いられている指標である。
【0062】
【数1】

【0063】
実施例1及び2の使い捨てカイロの内袋について、分解促進率を測定した結果を図1に示す。図1から明らかなように、実施例1及び2の使い捨てカイロ(生分解性製品)では、内袋(生分解性樹脂成型体)の分解速度が、コントロールとして評価した内袋に比べて、格段に早まっていた。更に、発熱性組成物(機能性組成物)中に塩化カリウムを含む使い捨てカイロ(実施例1)は、塩化ナトリウムを含む場合(実施例2)に比べて、内袋の分解促進率が顕著に高く、優れた生分解性を備えていることが確認された。なお、実施例1及び2の使い捨てカイロの内袋は、発熱終了後でも、脆さ、発熱性組成物の漏出等、使用上の問題を来す強度の低下は認められず、カイロに備えられるべき物理的特性は維持できていた。
【0064】
実施例3−4:生分解性製品(非発熱性組成物収容製品)
塩化カリウム2.2質量%、平均粒径200μmの活性炭28.9質量%、水57.8質量%、粒径100μmのヒル石6.7質量%、及び粒径380μmのアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物4.4質量%を混合することにより非発熱性組成物(機能性組成物)を調製した。得られた非発熱性組成物20gを、上記実施例1で使用した内袋(生分解性樹脂成型体)に収容することにより、非発熱性組成物収容製品(実施例3)を調製した。
【0065】
また、別途、塩化カリウム2.2質量%の代わりに塩化ナトリウム2.2質量%を使用すること以外は、上記実施例3と同じ条件で、非発熱性組成物収容製品(実施例4)を調製した。
【0066】
試験例2:生分解性製品(非発熱性組成物収容製品)の分解性の評価
実施例3及び4の非発熱性組成物収容製品を50℃の恒温槽内で3日間保存し、保存1日後と保存3日後に、上記試験例1と同じ方法で、内袋の分解促進率を測定した。
【0067】
得られた結果を図2に示す。この結果から、上記試験例1と同様に、塩化カリウム又は塩化ナトリウムを含む製品(実施例3及び4)では、内袋(生分解性樹脂成型体)の分解速度が格段に早まっていた。特に、塩化カリウムを含む製品(実施例3)では、塩化ナトリウムを含む場合(実施例4)に比べて、内袋の分解促進率が顕著に高い値を示した。本試験に供した非発熱性組成物収容製品は、鉄粉を含んでいないため、空気と接触しても発熱することはないことを考慮すると、酸化分解剤を含む内袋の分解が、塩化カリウム又は塩化ナトリウムとの共存によって促進される事象は、温度には大きく影響されないことが確認された。
【0068】
比較試験例1:非発熱性組成物収容製品の分解性の評価−2
塩化カリウム2.2質量%の代わりに、リン酸二水素カリウム2.2質量%(比較例1)、硫酸マグネシウム2.2質量%(比較例2)、硫酸マンガン2.2質量%(比較例3)、硫酸カリウム2.2質量%(比較例4)、又は硫酸ナトリウム2.2質量%(比較例5)を使用すること以外は、上記実施例3と同じ条件で、非発熱性組成物収容製品を調製した。
【0069】
上記比較例1−5の非発熱性組成物収容製品を50℃の恒温槽内で1日間保存した後に、上記試験例1と同じ方法で、内袋(樹脂成型体)の分解促進率を測定した。
【0070】
得られた結果を図3に示す。この結果から、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸カリウム、又は硫酸ナトリウムを含む製品(比較例1−5)では、内袋(樹脂成型体)の分解は全く促進できていなかった。この結果から、上記実施例1−4で認められた生分解性樹脂成型体の分解促進効果は、金属塩の中でも、塩化物塩を配合し、これを酸化分解剤と組み合わせた場合に認められる特有のものであることが明らかとなった。
【0071】
総合考察
以上の結果から、塩化物塩には、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解を促進させる作用があり、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解促進剤として使用できることが明らかとなった。更に、塩化物塩と酸化分解剤の組合せは、樹脂成型体に対して分解特性を付与するための分解剤としても有効であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする、酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体の分解促進剤。
【請求項2】
塩化物塩が、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムである、請求項1に記載の分解促進剤。
【請求項3】
生分解性樹脂成型体を形成する樹脂が、ポリオレフィンである、請求項1又は2に記載の分解促進剤。
【請求項4】
酸化分解剤が、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸、遷移金属化合物、希土類化合物、及び芳香族ケトンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれかに記載の分解促進剤。
【請求項5】
樹脂成型体に配合して使用されるものであって、酸化分解剤及び塩化物塩を有効成分とすることを特徴とする、樹脂成型体の分解剤。
【請求項6】
酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と、請求項1乃至4のいずれかに記載の分解促進剤を含有することを特徴とする、生分解性製品。
【請求項7】
請求項5に記載の分解剤を含有することを特徴とする、生分解促進型樹脂成型体。
【請求項8】
酸化分解剤を含む生分解性樹脂成型体と、請求項1乃至4のいずれかに記載の分解促進剤を共存させることによって当該生分解性樹脂成型体を分解処理することを特徴とする、生分解性樹脂成型体の分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−213836(P2011−213836A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82451(P2010−82451)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】