説明

生分解性樹脂成形品およびその製造方法

【課題】簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】生分解性樹脂成型品14では、本体21の表面は断熱材22で被覆される。簡単な構造で断熱効果が実現される。しかも、接着剤23は例えば加熱処理で溶融する。本体21の表面から断熱材22は容易に引き剥がされる。加えて、生分解性樹脂材料から形成される本体21は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。その他、例えばサーマルリサイクルにあたって、本体の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。環境の悪化は回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばノートブックパーソナルコンピュータ(ノートパソコン)や携帯電話端末装置といった電子機器の筐体に利用される樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンの筐体は、例えばABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)樹脂やPC(ポリカーボネート)樹脂といった石油系樹脂材料から成型される。筐体の収容空間には例えばハードディスク駆動装置(HDD)やマザーボードといった発熱部品が組み込まれる。発熱部品から放出される熱は筐体に伝達される。
【特許文献1】特開平6−39876号公報
【特許文献2】特開平7−124995号公報
【特許文献3】特開2001−57478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
石油系樹脂材料は熱伝導率が低い。しかしながら、ノートパソコンは例えば使用者の膝の上で使用される。筐体から使用者の人体に熱が伝達されてしまう。使用者は不快感を覚える。しかも、筐体は石油系樹脂材料から成型されることから、例えばサーマルリサイクル時に筐体の焼却で大量の二酸化炭素が排出される。環境の悪化が懸念される。
【0004】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1発明によれば、生分解性樹脂材料から形成される本体と、本体の表面に覆い被さる断熱材と、本体および断熱材の間に挟み込まれる樹脂系の接着剤とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品が提供される。
【0006】
こうした生分解性樹脂成型品では、本体の表面は断熱材で被覆される。簡単な構造で断熱効果が実現される。しかも、接着剤は例えば加熱処理で溶融する。本体の表面から断熱材は容易に引き剥がされる。加えて、生分解性樹脂材料から形成される本体は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。その他、例えばサーマルリサイクルにあたって、本体の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。環境の悪化は回避される。
【0007】
生分解性樹脂成型品の製造にあたって、生分解性樹脂材料で所定の形状に形成された本体の表面を覆う樹脂系の接着剤に基づき本体の表面に断熱材を貼り付ける工程を備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法が提供される。こうした製造方法によれば、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品が提供される。
【0008】
生分解性樹脂成形品は、プライマー塗料から形成されて、前記本体および前記接着剤の間に挟み込まれる塗膜をさらに備えてもよい。こうした生分解性樹脂成型品では、塗膜の働きで接着剤および断熱材の密着強度は一層向上する。
【0009】
こうした生分解性樹脂成型品の製造にあたって、生分解性樹脂材料で所定の形状に形成された本体の表面にプライマー塗料を塗布して本体の表面を覆う塗膜を形成する工程と、塗膜の表面を覆う樹脂系の接着剤に基づき塗膜の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法が提供される。こうした製造方法によれば、前述と同様に、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品が提供される。
【0010】
以上のような生分解性樹脂成形品では、前記接着剤は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびシリコーン系接着剤の少なくともいずれかから構成されればよい。こうした樹脂系接着剤の働きで、断熱材は本体の表面に高い密着強度で貼り付けられる。断熱材の剥離は防止される。断熱材は高い断熱効果を発揮することができる。なお、接着剤には樹脂系接着剤に代えて例えば両面テープが用いられてもよい。
【0011】
第2発明によれば、生分解性樹脂材料から形成される本体と、本体の表面に覆い被さる金属板と、本体および金属板の間に挟み込まれる樹脂系の接着剤と、金属板の表面に貼り付けられる断熱材とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品が提供される。
【0012】
こうした生分解性樹脂成型品では本体および金属板の間に接着剤が挟み込まれる。接着剤の働きで本体および金属板は十分な接合強度で一体化される。金属板の剥離は防止される。さらに、金属板の働きで生分解性樹脂成型品の強度は向上する。しかも、接着剤は例えば加熱処理で溶融する。本体の表面から金属板や断熱材は容易に引き剥がされる。加えて、生分解性樹脂材料から形成される本体は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。その他、例えばサーマルリサイクルにあたって、本体の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。環境の悪化は回避される。なお、接着剤には樹脂系接着剤に代えて例えば両面テープが用いられてもよい。
【0013】
こうした生分解性樹脂成型品の製造にあたって、所定の形状に形成されて表面に樹脂系の接着剤を配置する金属板を成形型のキャビティに配置する工程と、キャビティに溶融した生分解性樹脂材料を注入して生分解性樹脂材料を硬化させて所定の形状に形成された本体を金属板に一体化する工程と、キャビティから取り出し後、本体の反対側で金属板の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法が提供される。こうした製造方法によれば、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品が提供される。
【0014】
生分解性樹脂成形品は、プライマー塗料から形成されて、前記金属板および前記断熱材の間に挟み込まれる塗膜をさらに備えればよい。こうした生分解性樹脂成型品では、塗膜の働きで接着剤および断熱材の密着強度は一層向上する。
【0015】
こういった生分解性樹脂成型品の製造にあたって、所定の形状に形成されて表面に樹脂系の接着剤を配置する金属板を成形型のキャビティに配置する工程と、キャビティに溶融した生分解性樹脂材料を注入して生分解性樹脂材料を硬化させて所定の形状に形成された本体を金属板に一体化する工程と、キャビティから取り出し後、本体の反対側で金属板の表面にプライマー塗料を塗布して金属板の表面を覆う塗膜を形成する工程と、塗膜の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法が提供される。こうした製造方法によれば、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品が提供される。こうした製造方法によれば、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品が提供される。
【0016】
以上のような生分解性樹脂成形品では、前記接着剤は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびシリコーン系接着剤の少なくともいずれかから構成されればよい。こうした樹脂系接着剤の働きで、金属板は本体の表面に高い密着強度で一体化される。金属板の剥離は防止される。なお、接着剤には樹脂系接着剤に代えて例えば両面テープが用いられてもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、簡単な構造で断熱効果を実現しつつ環境の悪化を回避することができる生分解性樹脂成形品およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0019】
図1は電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータ(ノートパソコン)11の外観を概略的に示す。このノートパソコン11は、薄型の本体筐体12と、この本体筐体12に揺動自在に連結されるディスプレイ用筐体13とを備える。本体筐体12は、生分解性樹脂成形品すなわちベース14と、ベース14に着脱自在に結合されるカバー15とを備える。カバー15の表面には例えばキーボード16といった入力装置が組み込まれる。使用者はこういった入力装置16から指示やデータを入力することができる。
【0020】
ディスプレイ用筐体13には例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルモジュール17が組み込まれる。LCDパネルモジュール17の画面は、ディスプレイ用筐体13に区画される窓孔18に臨む。画面にはテキストやグラフィックスが表示される。使用者はそういったテキストやグラフィックスに基づきノートパソコン11の動作を確認することができる。ディスプレイ用筐体13は、本体筐体12に対する揺動を通じて本体筐体12に重ね合わせられる。
【0021】
図2は本発明の第1実施形態に係るベース14の断面構造を概略的に示す。このベース14は、生分解性樹脂材料から形成される本体21を備える。生分解性樹脂材料には、例えばポリ乳酸樹脂や酢酸セルロース樹脂、ポリ酢酸セルロース樹脂、その他の生分解性樹脂材料が利用される。本体21の裏面すなわち内向き面は本体筐体12の収容空間に向き合わせられる。
【0022】
本体21の表面すなわち外向き面には断熱材22が覆い被さる。断熱材22は例えば皮やゴム、エラストマー、布、紙、樹脂といった材料から構成される。こうした材料は例えば石油や油、油脂、鉱物、植物、無機物、有機物、生分解性材料から形成される。断熱材22の厚みは例えば0.1[μm]〜50[μm]程度に設定される。好ましくは、断熱材22の厚みは例えば10[μm]以上に設定されればよい。
【0023】
本体21および断熱材22の間には接着剤23が挟み込まれる。接着剤23は本体21の表面に断熱材22を貼り付ける。接着剤23には、例えばアクリル系やエポキシ系、シリコーン系といった樹脂系接着剤のいずれかが用いられればよい。ここでは、接着剤23は本体21および断熱材22の間に満遍なく挟み込まれる。その結果、断熱材22は本体21の外向き面に高い密着強度で接合される。
【0024】
本体21の内向き面には例えばボス24が区画される。ボス24には例えばマザーボードのプリント基板25が受け止められる。ねじ26はボス24にねじ込まれる。こうしてプリント基板25は本体21に固定される。プリント基板25の表面には例えばCPUチップやグラフィックチップといった電子部品(図示されず)が実装される。こうした電子部品は稼働時に発熱する。
【0025】
以上のようなベース14では、本体21の表面は断熱材22で被覆される。断熱材22の材料や断熱材22の厚みに応じて例えば0.1[℃]〜15[℃]程度の断熱効果が確立される。こうして電子部品から放出される熱は本体筐体12の収容空間に留められる。簡単な構造で断熱効果が確立される。熱は例えばファン(図示されず)の働きで本体筐体12の側面から外部空間に放出される。ノートパソコン11が使用者の膝の上で使用されても、使用者への熱の伝達は抑制される。使用者の不快感は抑制される。
【0026】
しかも、接着剤23は例えば加熱処理で溶融する。本体21の外向き面から断熱材22は容易に引き剥がされる。加熱処理は例えばドライヤーやオーブンで実現される。加えて、生分解性樹脂材料から形成される本体21は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。その他、例えばサーマルリサイクルにあたって、本体21の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。環境の悪化は回避される。
【0027】
また、断熱材22の貼り付けにあたって例えばアクリル系やエポキシ系、シリコーン系といった樹脂系接着剤が用いられる。こうした樹脂系接着剤の働きで、断熱材22は本体21の外向き面に高い密着強度で貼り付けられる。断熱材22の剥離は防止される。断熱材22は高い断熱効果を発揮することができる。なお、接着剤23には樹脂系接着剤に代えて例えば両面テープが用いられてもよい。
【0028】
次に、ベース14の製造方法を説明する。まず、本体21の形成にあたって成形型すなわち金型が用意される。金型内には例えば粒状のペレットから溶融した生分解性樹脂材料が流し込まれる。金型内で生分解性樹脂材料は冷却される。生分解性樹脂材料は硬化する。硬化後、生分解性樹脂材料が金型から取り出される。本体21の外向き面に接着剤23が塗布される。その後、本体21の外向き面に断熱材22が貼り付けられる。こうしてベース14は製造される。
【0029】
図3は本発明の第2実施形態に係るベース14aの断面構造を概略的に示す。このベース14aは、本体21および接着剤23の間に塗膜27が挟み込まれる。塗膜27には、例えばアクリル系やウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系のプライマー塗料が用いられる。塗膜27の厚みは例えば0.1[μm]〜50[μm]程度に設定される。好ましくは、塗膜27の厚みは例えば10[μm]以上に設定されればよい。その他、前述のベース14と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0030】
こうしたベース14aでは、塗膜27の働きで接着剤23および断熱材22の密着強度は一層向上する。しかも、前述と同様に、本体21の外向き面から断熱材22は容易に引き剥がされる。加えて、断熱材22の働きで使用者への熱の伝達は抑制される。また、本体21は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。本体21の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。こうして環境の悪化は回避される。
【0031】
次に、ベース14aの製造方法を説明する。前述と同様に、本体21が成型される。本体21の外向き面にはプライマー塗料が塗布される。塗布にあたって例えばスプレー法が用いられればよい。本体21の外向き面にはプライマー塗料が吹き付けられる。こうして本体21の外向き面には塗膜27が形成される。その後、塗膜27の表面に接着剤23が塗布される。その結果、塗膜27の表面に断熱材22が貼り付けられる。こうしてベース14aは製造される。
【0032】
図4は本発明の第3実施形態に係るベース14bの断面構造を概略的に示す。このベース14bは、本体21の外向き面に貼り合わせられる金属板28を備える。金属板28には、例えばアルミニウム、銅、ニッケル、クロム、コバルト、亜鉛、チタン、マグネシウム、錫、金、銀、白金、白金族金属およびこれらの金属合金の少なくともいずれかから構成されればよい。金属板28の板厚は例えば5[mm]以下に設定される。
【0033】
ここでは、金属板28の輪郭は例えば本体21の輪郭よりも小さく設定される。本体21および金属板28の貼り付けにあたって前述の接着剤23が用いられる。金属板28の表面すなわち外向き面には前述の断熱材22が貼り合わせられる。断熱材22は金属板28の輪郭の外側で本体21の外向き面に貼り付けられる。貼り付けにあたって接着剤29が用いられる。接着剤29は接着剤23と同様に構成される。その他、前述のベース14と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0034】
こうしたベース14bによれば、本体21、金属板28および断熱材22は接着剤23、29で貼り合わせられる。接着剤23、29の働きで本体21、金属板28および断熱材22は十分な接合強度で一体化される。金属板28や断熱材22の剥離は防止される。その結果、断熱材22は高い断熱効果を発揮することができる。さらに、金属板28の働きでベース14bの強度は向上する。なお、接着剤23や接着剤29には樹脂系接着剤に代えて例えば両面テープが用いられてもよい。
【0035】
しかも、金属板28の輪郭は本体21の輪郭よりも小さく設定される。ベース14bは金属板28で部分的に補強される。こうして金属板28の輪郭の外側で本体21には例えば貫通孔や切り欠きが容易に形成される。その結果、ベース14bは様々な形状に設計されることができる。その他、貫通孔や切り欠きは金属板28に形成されてもよい。こうしてベース14bの形状は一層自由に設計されることができる。
【0036】
加えて、加熱処理に基づきベース14bの表面から金属板28や断熱材22は容易に引き剥がされる。加熱処理は例えばドライヤーやオーブンで実現される。さらに、断熱材22の働きで使用者への熱の伝達は抑制される。また、本体21は例えば土の中で容易に分解される。廃棄物の発生は防止される。本体21の焼却時に石油系樹脂材料の焼却時に比べて二酸化炭素の排出量は半分程度に抑制される。環境の悪化は回避される。
【0037】
次に、ベース14bの製造方法を説明する。図5に示されるように、金型31が用意される。金型31のキャビティ32内には予め金属板28が配置される。金属板28の裏面すなわち内向き面には接着剤23が塗布される。その後、キャビティ32には溶融した生分解性樹脂材料が流し込まれる。金型31内で生分解性樹脂材料は冷却される。生分解性樹脂材料は硬化する。硬化後、生分解性樹脂材料が金型から取り出される。本体21の外向き面および金属板28の外向き面に接着剤29が塗布される。本体21の外向き面および金属板28の外向き面に断熱材22が貼り付けられる。こうしてベース14bは製造される。
【0038】
図6は本発明の第4実施形態に係るベース14cの断面構造を概略的に示す。このベース14cでは、前述のベース14bの金属板28および接着剤29の間に塗膜33が挟み込まれる。塗膜33は金属板28の輪郭の外側で本体21の外向き面および接着剤29の間に挟み込まれる。塗膜33は前述の塗膜27と同様の構成を有すればよい。その他、前述のベース14bと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0039】
こういったベース14cでは本体21および金属板28と断熱材22との密着強度は一層向上する。その他、前述と同様の作用効果が実現されることができる。こうしたベース14cの製造にあたって、本体21および金属板28にプライマー塗料が塗布されればよい。こうして前述の塗膜27と同様に塗膜33が形成されればよい。その後、塗膜33の表面に接着剤29が塗布される。その結果、断熱材22が貼り付けられる。こうしてベース14cは製造される。
【0040】
なお、本発明の生分解性樹脂成形品は例えばカバー15やディスプレイ用筐体13に適用されてもよい。その他、本発明は、例えば携帯電話端末装置や情報処理端末(PDA)といった電子機器の筐体、自動車の部品、建築材、家電製品の部品、燃料電池の電極、触媒といった様々な用途に利用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータの外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る成型品の構造を概略的に示す拡大部分断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る成型品の構造を概略的に示す拡大部分断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る成型品の構造を概略的に示す拡大部分断面図である。
【図5】金型内に金属板を配置した様子を概略的に示す部分拡大断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る成型品の構造を概略的に示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
【0042】
14〜14c 生分解性樹脂成形品、21 本体、22 断熱材、23 接着剤、27 塗膜、28 金属板、29 接着剤、31 成形型、32 キャビティ、33 塗膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性樹脂材料から形成される本体と、本体の表面に覆い被さる断熱材と、本体および断熱材の間に挟み込まれる樹脂系の接着剤とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項2】
請求項1に記載の生分解性樹脂成形品において、プライマー塗料から形成されて、前記本体および前記接着剤の間に挟み込まれる塗膜をさらに備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項3】
請求項1に記載の生分解性樹脂成形品において、前記接着剤は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびシリコーン系接着剤の少なくともいずれかから構成されることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項4】
生分解性樹脂材料から形成される本体と、本体の表面に覆い被さる金属板と、本体および金属板の間に挟み込まれる樹脂系の接着剤と、金属板の表面に貼り付けられる断熱材とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項5】
請求項4に記載の生分解性樹脂成形品において、プライマー塗料から形成されて、前記金属板および前記断熱材の間に挟み込まれる塗膜をさらに備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項6】
請求項4に記載の生分解性樹脂成形品において、前記接着剤は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびシリコーン系接着剤の少なくともいずれかから構成されることを特徴とする生分解性樹脂成形品。
【請求項7】
生分解性樹脂材料で所定の形状に形成された本体の表面を覆う樹脂系の接着剤に基づき本体の表面に断熱材を貼り付ける工程を備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法。
【請求項8】
生分解性樹脂材料で所定の形状に形成された本体の表面にプライマー塗料を塗布して本体の表面を覆う塗膜を形成する工程と、塗膜の表面を覆う樹脂系の接着剤に基づき塗膜の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法。
【請求項9】
所定の形状に形成されて表面に樹脂系の接着剤を配置する金属板を成形型のキャビティに配置する工程と、キャビティに溶融した生分解性樹脂材料を注入して生分解性樹脂材料を硬化させて所定の形状に形成された本体を金属板に一体化する工程と、キャビティから取り出し後、本体の反対側で金属板の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法。
【請求項10】
所定の形状に形成されて表面に樹脂系の接着剤を配置する金属板を成形型のキャビティに配置する工程と、キャビティに溶融した生分解性樹脂材料を注入して生分解性樹脂材料を硬化させて所定の形状に形成された本体を金属板に一体化する工程と、キャビティから取り出し後、本体の反対側で金属板の表面にプライマー塗料を塗布して金属板の表面を覆う塗膜を形成する工程と、塗膜の表面に断熱材を貼り付ける工程とを備えることを特徴とする生分解性樹脂成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−119672(P2009−119672A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294889(P2007−294889)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】