説明

生分解性樹脂成形物の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法

【課題】生分解性樹脂、より具体的にはポリカプロラクトン(PCL)樹脂について、ラマンスペクトル測定結果から、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測、評価する方法を提供する。
【解決手段】生分解性樹脂を溶融状態から異なる冷却条件で制御することにより、酵素分解性の異なる試料を得ることが可能となる。また、これらの試料について、リパーゼによる酵素分解実験を行い、酵素分解性を評価するとともに、ラマン分光分析による機器分析を行った。その結果、酵素分解性とラマンスペクトルとの間に関連性が認められた。このことから、より効率的な酵素分解性を有する材料制御方法が提供できるとともに、酵素分解性および微生物分解性を事前に評価することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性樹脂、特に、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の酵素分解性について、溶融後の冷却条件を制御することにより得られた酵素分解性の著しく異なる試料に対して、ラマン分光分析法により酵素分解性を予測する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
生分解性高分子材料は、プラスチック廃棄物の環境問題への解決策として注目されており、その製品が廃棄される土壌中で微生物による分解酵素や代謝により、最終的に二酸化炭素と水に無機化される。生分解性高分子材料には、使用時における物性と使用後の分解性の双方がともに要求されるため、材料寿命や分解特性を予測した材料設計が必要となる。
【0003】
生分解性樹脂の生分解機構は、主として、材料表面に対して酵素の基質結合部位が吸着し、酵素の活性部位によるエステル結合の分解が考えられている。また、その分解は非結晶領域において優先的に分解が進行することが知られている。しかしながら、材料中の結晶領域に対する分解機構についての報告はほとんどない。
【0004】
これまで、環境中における生分解性を促進するため、成形品表面に対する加工または分解促進材を使用した報告はあるが、生分解性樹脂の成形条件において、酵素分解性を制御できることを報告した例はない。また、材料の酵素分解性について、機器分析による相関を検討した報告も少ない。
【0005】
従来は、生分解の異なる材料の選択、添加技術により、分解性を制御していたが、本技術によれば、同一材料でも分解性制御が可能となるとともに、分解性予測も可能となる。添加技術では、微生物添加(特許文献1参照)、酵素添加(特許文献2参照)、浸食剤配合(特許文献3参照)があるが、結晶構造制御に関しては関係する特許文献は見当たらない。なお、生分解性と結晶高次構造について論じた論文として、下記の非特許文献1〜4が確認されたが、ラマン分光分析法を用いて本発明と同様な又は、示唆するような議論あるいはデータを提示しているものはなかった。
【特許文献1】特開2002-356623
【特許文献2】特開2004-75905
【特許文献3】特開2006-137917
【非特許文献1】W. J. Cook, J. A. Cameron, J. P. Bell, S.J. Huang, J. Polym. Sci. Polym. Lett. Ed. 19 (1981) 159.
【非特許文献2】P. Jar, S. J. Huang, J. P. Bell, J. A. Cameron, C. Benedict, Org. Coat. Appl. Polym. Sci. Proc 47 (1982) 45.
【非特許文献3】C. V. Benedict, V. J. Cook, P. Jarret, J. A. Cameron, S. J. Huang, J. P. Bell, J. Polym. Sci. 28 (1983) 327.
【非特許文献4】M. Mochizuki, M. Hirano, Y. Kanmuri, K. Kudo, Y. Tokiwa, J. Appl. Polymer Sci. 55 (1995) 289.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、生分解性樹脂、とりわけ化学合成系の脂肪族ポリエステル樹脂であるポリカプロラクトン(以下、PCL)樹脂について、機器分析を用いた酵素分解性および微生物分解性の評価方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、生分解性ポリエステル樹脂、とりわけ化学合成系の脂肪族ポリエステル樹脂であるPCL樹脂について、溶融後に冷却条件の異なる試料を作製し、これらの試料について、酵素(リパーゼ)分解実験により酵素分解性を評価した後、分子振動状態解析のためラマン分光分析を実施した。
【0008】
具体的解決手段として本発明は、次の(1)〜(5)に示される。
(1)生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、ラマン分光分析測定を用いることを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法を提供する。これにより、成形物の生分解性を予測できる。
(2)上記(1)に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、前記生分解性樹脂が成形物作製時の冷却熱履歴が異なるものであり、ラマン分光分析測定によって得られたラマンスペクトルから生分解性樹脂ポリマーの分子振動状態を解析し、生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法を提供する。これにより、成形物作成時の熱履歴が異なる成形物の生分解性を予測できる。
(3)上記(2)に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物に対して、エステル結合由来のラマンシフトバンドの波数位置と波形から生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法を提供する。これにより、成形物の生分解性を予測できる。
(4)請求項2に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物に対して、炭化水素基由来のラマンシフトバンドの波数位置と波形から生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法を提供する。これにより、成形物の生分解性を予測できる。
(5)請求項3に記載の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物において、前記成形物がポリカプロラクトンであり、得られるラマンスペクトルのうち、ラマンシフトピーク位置が1060cm-1から1030cm-1の範囲内に現れるエステル結合由来の結晶性ラマンシフトピークから生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法を提供する。これにより、成形物の生分解性を予測できる。
【発明の効果】
【0009】
生分解性樹脂材料を溶融後、冷却条件の制御により、酵素分解性を制御した材料の作製が可能となる。このことは、成形品に対して分解が促進される処理を施す従来の方法とは異なり、成形加工の段階で酵素分解性の制御が可能であることを意味している。また、ラマン分光分析結果と酵素分解実験結果に相関が認められたことから、ラマン分光分析の結果から事前に酵素分解性を予測することや、分解前における材料評価が可能となる。したがって、本発明による酵素分解性制御により、分解寿命を予測した材料設計が可能となり、使用目的に応じた生分解性高分子材料の利用の拡大につながることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、生分解性ポリエステル樹脂、とりわけ化学合成系の脂肪族ポリエステル樹脂であるPCL樹脂について、結晶化特性の制御により酵素分解制御された樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測するための新たな評価法を提供する。また、この方法により優れた生分解性を付与した生分解性ポリエステル樹脂の作製に関する知見を与える。
【実施例】
【0011】
(フィルム試料作製方法)
生分解性樹脂にはPCL樹脂(平均分子量約40,000)を使用し、熱プレスにより、厚さ約100mmのフィルム試料を多数作製した。熱プレスの条件は、100℃、10MPa、10秒間であった。結晶化特性の異なる試料を作製するため、プレス後、以下のA〜Cの冷却熱履歴の異なる3種の条件でフィルム試料を作製した。
A:0℃に急冷し、1min間保持 B:室温自然冷却(26±1℃) C:Bに対して40℃、24時間保持(以下、A~Cを試料名として使用する。)
ここで、試料Aの冷却温度は、後に実施する酵素(リパーゼ)分解実験において、顕著な分解が進行する温度であればよい。また、試料Aの冷却時間は、フィルムが設定温度まで冷却されるのに要する時間であればよい。
【0012】
(酵素分解実験)
試料A〜Cについて、酵素(リパーゼ)分解実験を実施した。リパーゼには和光純薬工業(株)製 Lipase F-AP15 (Rhizopus oryzae由来)を使用し、0.025Mリン酸緩衝液(pH7.0)で1.0mg/mLのリパーゼ溶液を調製した。試料は10mm×10mmにカットし、重量測定を行った。酵素分解処理実験は、試料1切片とリパーゼ溶液2mlを試験管内に入れ、40℃の水浴中で振とうして行った。所定の時間後に試験管から試料を取り出し、純水で洗浄した。その後、40℃で48時間乾燥し、重量測定を行い、分解前重量に対する重量減少率(Weight Loss(%))を求め、酵素分解性を評価した。
【0013】
その結果得られた、試料重量減少率と酵素分解処理時間との関係を図1に示す。試料B、Cでは、酵素分解処理時間18分までは、試料重量減少がほとんど認められなかったのに対して、試料Aでは顕著な重量減少が認められた。このことから、試料Aは、試料B、Cと比較して、明確な酵素分解性を有することが認められた。PCL樹脂フィルム作製において、冷却条件を制御することにより、酵素分解性の大きく異なる試料を得ることができた。
【0014】
(DSC測定による熱融解特性評価)
試料A〜Cについて、DSC(Differential Scanning Calorimeter: 示差走査熱量計) 測定を実施した。分析には、Perkin Elmer製DSC7を用い、昇温速度5℃/min、N2雰囲気下で、40〜70℃の温度範囲で測定を行い、DSCサーモグラムを求めた。その結果を図2に示す。補外融解開始温度Ti(℃)は、DSCサーモグラムにおいて、融解前の低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大となる点で引いた接線の交点の温度として求めた。融解ピーク温度Tp(℃)は、融解ピークの頂点の温度とした。また、得られたDSCサーモグラムの融解曲線から融解熱量(Area(mJ))を求め、これより単位試料重量あたりの融解熱量(ΔHm(J/g))および結晶化度(Crystallinity(%))を算出した結果を図3に示す。ここで、結晶化度は、本測定から求めた単位重量あたりの融解熱量(ΔHm)を、文献(Tsuji H, Ono T, Saeki T, Daimon H, Fujie K. Polymer Degradation and Stability 89 (2005) 336.)において報告されている100%結晶における単位重量あたりの融解熱量(142J/g)で割った値として求めた。
【0015】
各試料の融解ピーク温度は、試料A、B、Cの順に低く、試料Aは試料B、Cに比べ、補外融解開始温度が顕著に低く、各試料は異なる融解曲線を示した。しかしながら、各試料において、融解熱量および結晶化度には顕著な差異は認められなかった。
【0016】
今回、試料AのDSCサーモグラムから、熱融解特性と酵素分解性との関連性が示唆された。また、酵素分解性が高かった試料Aの結晶化度が、試料B、Cと顕著には異なっていないことから、結晶化度のみでは酵素分解性を評価できないと考えられる。そこで、分子振動状態の観点から高分子鎖の高次構造を評価することのできるラマン分光分析による評価を実施した。
【0017】
(ラマン分光分析による分子振動状態解析)
本発明において実施した、フィルム試料をラマン分光分析法により測定する方法を説明する。まず、フィルム試料に対して可視レーザ光を照射し、照射光に対して波長のずれた散乱光を検出し、そのシフト量を波数(cm-1)表示する。通常、有機化合物などの共有結合性物質では、分子振動状態が量子化されており、基底状態から分子振動励起状態への状態遷移間エネルギーは赤外線領域のエネルギー(概ね4000〜100cm-1)に相当する。このエネルギー差間の光吸収遷移を利用した分光分析法が赤外分光分析法であるが、通常のラマン分光分析法では、可視光励起により分子状態を赤外線相当エネルギーよりも大きく励起する。励起した後に散乱する光の多くは基底状態に戻り、励起光と同じエネルギーを有する同波長の光であるが、励起光の一部は、分子振動励起状態に遷移する場合がある。この散乱光がストークスラマン光であり、励起光とのエネルギー差(ラマンシフト)を波数表示したものが、通常のラマンスペクトルである。本実験においてもこの手法でラマンスペクトルを求めた。
【0018】
ラマンスペクトルによる分子振動解析ついて、以下の通り説明する。ラマン散乱過程は、励起光による分子励起過程と散乱光による発光過程からなる2光子遷移過程であり、1光子過程である赤外吸収過程とは状態遷移の選択則が異なる。すなわち、赤外吸収過程では、分子の双極子モーメントが変化する分子振動に感度があり、ラマン散乱過程では、双極子モーメントの変化が少なく分極率の変化が大きい同種原子の振動や対称振動に感度がある。そのため、ラマン散乱過程は分子の結晶状態に大きく影響を受ける。
【0019】
本明細書においては、Renishaw社製顕微ラマン分光分析装置(Ramascope System 2000)を用いて、アルゴンガスレーザが発する514.5nmの可視光励起によりストークスラマン散乱光を波数高分解能モードにより測定し、ラマンシフトを求め、ラマンスペクトルとした。
【0020】
試料A、B、Cより得られたラマンスペクトルを図4、図5に示す。図4、図5から解るように、酵素分解実験において明確な酵素分解性が認められなかった試料BとCでは、ほぼ同様のラマンスペクトルが得られたのに対し、明確な酵素分解性が認められた試料Aでは、試料B、Cのスペクトルと異なったラマンスペクトルが得られた。図4に示されるスペクトルにおいて、1730cm-1付近のスペクトルは、PCL樹脂エステル基のC=O伸縮振動に由来するものであるが、試料Aのスペクトルでは、試料B、Cのスペクトルと比較して、その波形が異なっていた。
【0021】
さらに、炭化水素基であるメチレン基の夾振動に由来する1445cm-1付近のラマンスペクトルでは、試料Aのスペクトルは、試料B、Cのスペクトルに比べ、約3cm-1ほど高波数側にシフトしていた。また、メチレン基の撚振動に由来する1308cm-1付近のラマンスペクトルでは、試料Aのスペクトルは、試料B、Cのスペクトルに比べ、そのピーク強度が明確に低かった。
【0022】
また、試料B、Cでは、1045cm-1付近に明確なピークが認められたものの、試料Aのスペクトルでは、明確には認められなかった。この領域のラマンスペクトルは、エステル基のC−O−C対称伸縮振動であることが考えられ、結晶化度の高い試料B、Cにおいて特徴的に認められることから、結晶性に関与したスペクトルであることが予想される。
【0023】
図5には、メチレン基の伸縮振動波数領域のラマンスペクトルが示されているが、試料Aの逆対称伸縮振動に由来するスペクトル(2913.9cm-1)は、試料B、Cのスペクトル(2920.6cm-1)に比べ、ピーク位置が、約7cm-1ほど低波数側にシフトしていた。
【0024】
このように、明確な酵素分解性を示した試料Aは、明確な酵素分解性を示さなかった試料B、Cに比べ、エステル基およびメチレン由来のラマンスペクトルに明確な差異が認められた。このことは、PCL樹脂のラマンスペクトルを測定することにより、樹脂の結晶性に関与した高次構造を評価でき、樹脂成形品の酵素分解性などの生分解性特性を評価できる。
【0025】
生分解性樹脂には、化学合成系のポリカプロラクトン(PCL)の他、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート/サクシネート(PBSA)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリエステルカーボネート(PEC)、微生物産生系のポリヒドロキシブチレート(PHB)をはじめとするポリヒドロキシアルカン酸(PHA)が挙げられる。また、これらの共重合品やブレンド品も含まれる。これら、生分解性ポリエステル樹脂においても、これら高次構造の特徴は、ラマン分光分析により評価できるものである。
【0026】
なお、生分解評価に有効な酵素には、リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、クチナーゼが挙げられる。本発明においては、Rhizopus oryzae由来リパーゼ(Lipase F-AP15)が望ましい。生分解性樹脂の分解能を有する微生物として、例えばRizopus属、Aspergillus属、Amycolatopsis属、Burkholderia属、Candida属、Penicillium属、Pseudomonas属、Mucor属、Bacillus属、Saccharothrix属、Lentzea属、Kibdelosporangium属、Streptmyces属等が挙げられ、これら微生物によっても同様に生分解性を評価することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
生分解性ポリエステル樹脂を成形加工する際に、酵素分解性を予測したうえでの材料設計が可能となる。今回実施した条件において、ラマン分光分析により得られた結果は、酵素分解性に対する関連性を示唆しており、酵素分解性の事前評価法として有効である。本発明により得られた知見により、生分解性プラスチックの適正使用と分解予測技術の確立へ寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】酵素(リパーゼ)分解実験によるPCL樹脂フィルム(A、B、C)の試料重量減少率(Weight Loss(%))と酵素分解処理時間(Time(h))との関係を示す図である。
【図2】PCL樹脂フィルム(A、B、C)の融解挙動を示すDSCサーモグラム(Heat FlowとTemperature(℃)との関係図)である。
【図3】PCL樹脂フィルム(A、B、C)について、DSC測定結果から求めた融解エンタルピーおよび結晶化度を示す図表である。
【図4】PCL樹脂フィルム(A、B、C)について、ラマン分光分析によって得られた波数領域1770cm-1から870cm-1におけるラマンスペクトルを示す図である。
【図5】PCL樹脂フィルム(A、B、C)について、ラマン分光分析によって得られた波数領域3050cm-1から2750cm-1におけるラマンスペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、ラマン分光分析測定を用いることを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、前記生分解性樹脂が成形物作製時の冷却熱履歴が異なるものであり、ラマン分光分析測定によって得られたラマンスペクトルから生分解性樹脂ポリマーの分子振動状態を解析し、生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物に対して、エステル結合由来のラマンシフトバンドの波数位置と波形から生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法。
【請求項4】
請求項2に記載の生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法において、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物に対して、炭化水素基由来のラマンシフトバンドの波数位置と波形から生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法。
【請求項5】
請求項3に記載の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂成形物において、前記成形物がポリカプロラクトンであり、得られるラマンスペクトルのうち、ラマンシフトピーク位置が1060cm-1から1030cm-1の範囲内に現れるエステル結合由来の結晶性ラマンシフトピークから生分解性の良否を判断することを特徴とする、生分解性樹脂の酵素分解性および微生物分解性を予測する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−114245(P2009−114245A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286050(P2007−286050)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【Fターム(参考)】