説明

生分解性複合材料系およびその使用ならびに生分解性ブロックコポリエステルウレタンの製造方法

本発明は、少なくとも1種類の生分解性ブロックコポリエステルウレタン、多糖類および/またはその誘導体を含む少なくとも1種類の充填材を含み、さらに生体適合性添加剤を含むことができる、複合材料系に関する。このタイプの複合材料系は、成形品、成形部品または押出品の製造に使用される。本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートジオール、ジカルボン酸モノエステルのポリエステルジオール、および二官能性イソシアネートの重付加による、生分解性ブロックコポリエステルウレタンの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類の生分解性ブロックコポリエステルウレタン、多糖類および/またはその誘導体を含む少なくとも1種類の充填材を含み、さらに生体適合性添加剤を含むことができる、複合材料系に関する。このタイプの複合材料系は、成形品、成形部品または押出品の製造に使用される。さらに本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートジオール、ジカルボン酸モノエステルのポリエステルジオール、および二官能性イソシアネートの重付加による、生分解性ブロックコポリエステルウレタンの製造方法に関する。
【0002】
ポリ-(R)-3-ヒドロキシブチレート(R-PHB)は、環境上の立場および耐久性の観点から、実質上理想的なポリマー材料である。それは製糖産業廃棄物から、すなわち再利用原料から、商業的規模での細菌発酵により製造される。それはプラスチック材料が普通使用される条件下では安定であるが、埋立地または堆肥化法で数週間ないし数カ月以内に生分解可能である。R-PHBは熱可塑性プラスチック加工が可能であり、熱可塑性プラスチックとして容易にリサイクルできる。それは生体適合性であり、インプラント材料の部材および細胞増殖のための良好な基質として使用できる。R-PHBの分解により立体規則有機合成成分を得ることができた。
【0003】
しかし、細菌により得られるR-PHBは多くの用途にとって好ましくない材料特性をもつ。それは脆く、非弾性であり、透明なフィルムは製造できない。融点177℃が高いので、熱可塑性プラスチック加工のための温度範囲は約210℃の初期分解までの比較的狭いもののみとなる。これらの欠点はすべて、R-PHBの高い結晶性から生じる。最終的に、しばしば生物材料の加工からの細胞断片が残留し、これが加工中に分解し、このため悪臭が発生する。
【0004】
熱可塑性プラスチック加工の難点を除くために、特に2つの経路が適用された。たとえば、一方では物理的手法で、特に結晶化を遅らせることにより、低い加工温度の設定が試みられた。他方では、コポリマー、特にポリ-3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシ-バレレートの製造を可能にする細菌培養法および基質が用いられた。しかし、最初の例ではエージングにより二次結晶化が起き、すなわち脆くなる。後者の例では実際に融解温度の降下および弾性の増大が達成されるが、細菌共重合による特性制御の可能性は狭い限界内で得られるにすぎない。
【0005】
これらから出発して、本発明の目的は、前記の従来技術の欠点が避けられるポリマー系を提供すること、およびその弾性を制御でき、完全に生分解性であるポリマー材料を提供することであった。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を備えた包括的複合材料系、および請求項18の特徴を備えた生分解性ブロックコポリエステルウレタンを製造するための包括的方法により達成される。この目的は、本発明に従って製造された請求項21による成形品、成形部品および押出品によっても達成される。請求項22には、本発明による複合材料系の使用を記載する。他の従属項に、有利な展開を示す。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1種類の生分解性ブロックコポリエステルウレタン、多糖類および/またはその誘導体を含む少なくとも1種類の充填材を含み、さらに生体適合性添加剤を含むことができる、複合材料系が提供される。本発明の複合材料系は、ブロックコポリエステルウレタンがポリヒドロキシアルカノエートジオールを含む硬質セグメントおよびポリエステルジオール性軟質セグメントから形成され、ジオール、ならびに共成分としてのジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸およびその誘導体から出発して、二官能性イソシアネートで架橋することにより形成されることが必須である。
【0008】
好ましくは、ブロックコポリエステルウレタンと充填材の量比により複合材料系の弾性、強度および引張伸びを厳密に調整する。
硬質セグメントとして用いられるポリヒドロキシアルカノエートジオールは、好ましくはポリ-3-ヒドロキシブチレート-ジオール(PHB-ジオール)およびポリ-3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシ-バレレート-ジオール(PHB-co-HV-ジオール)の群から選択される。
【0009】
これに関して、硬質セグメントの製造は、好ましくは脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族ジオールによる再エステル化により行われる。好ましくは、1,4-ブタンジオールがジオールとして用いられる。
【0010】
軟質セグメントは、ジオールによるジカルボン酸の再エステル化により製造される。これに関して、ジカルボン酸は、好ましくは脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族である。脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族ジオールが、この再エステル化のために好ましい。これに関して、1,4-ブタンジオールが特に好ましい。
【0011】
好ましくは、ポリ-ブチレングリコール-アジペート-ジオール(PBA-ジオール)が軟質セグメントとして用いられる。
さらにブロックコポリエステルウレタンは、架橋員子としての二官能性イソシアネートから構築され、これは好ましくは脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族である。二官能性イソシアネートは、特に好ましくはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの群から選択される。
【0012】
生分解性充填材としては、多糖類をベースとする充填材、好ましくはデンプンおよびその誘導体、シクロデキストリンおよび化学パルプ、紙粉末およびセルロース誘導体、たとえば酢酸セルロース類またはセルロースエーテル類の群からのものが用いられる。これに関してセルロース誘導体として特に好ましいものは、メチルセルロース、エチルセルロース、ジヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、メチルヒドロキシブチルセルロース、エチルヒドロキシブチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースおよびシアノエチルセルロースの群からの化合物である。
【0013】
充填材は、好ましくは天然物であり、好ましくは繊維状で用いられる。
上記の主成分のほかに、さらに添加剤を複合材料系に含有させることができる。これには、好ましくは生体適合性接着剤、有色顔料、または離型剤、たとえばタルクが含まれる。さらに他の添加剤としてカーボンブラックを含有させることができる。添加剤として特に好ましいものは、生体適合性接着剤としてのポリエチレングリコールおよび/またはポリビニルアルコールである。
【0014】
複合材料系は各成分の量比に関して限定されない。複合材料系は、好ましくは1〜90重量%、特に好ましくは1〜70重量%の充填材を含有する。これらの量データは、複合材料系全体に対するものである。
【0015】
好ましい態様において、複合材料系は層状に構築され、多糖類をベースとする充填材層の一方および/または両方の面の少なくともある領域が生分解性ブロックコポリエステルウレタンでコーティングされている。
【0016】
他の好ましい態様において、複合材料系はポリマーブレンドまたはポリマーアロイとして存在する。
本発明によれば、ポリヒドロキシアルカノエートジオール、ジカルボン酸のジオール、および二官能性イソシアネートの重付加による、生分解性ブロックコポリエステルウレタンの製造方法も提供される。この方法の格別な特徴は、金属アセチルアセトネートを触媒として使用することである。好ましくは元素の周期表の第3主族または第4および第7亜族の金属が用いられる。
【0017】
意外にも、このタイプの生体適合性触媒の添加により、毒性のため著しい危険性を示す先行技術で用いられる有機スズ触媒と対比して、相対的に高い生成物収率の達成が可能であることを証明できた。
【0018】
好ましくは、アルミニウム、マンガンおよび/またはジルコニウムのアセチルアセトネートを触媒として用いる。
これに関して、重付加に際しての反応温度は100℃を超えず、特に80℃を超えない。
【0019】
本発明によれば、請求項1〜17のいずれか1項による複合材料系から製造された、成形品、成形部品および押出品も提供される。
請求項1〜17により製造された複合材料系は、コーティング材料、箔、フィルム、積層品、成形品、成形部品、押出品、容器、包装材料、コーティング材料および薬物投与剤形の製造に使用される。このタイプの材料の利用分野はきわめて広く、たとえば自動車産業におけるドアの側面被覆および内装の付属部品、家具の座部(seat shell)および背もたれ、スクリューラッチ、園芸における水中ライト、ゴルフティー、玩具分野の電池ホルダー、包装分野の保護素材、建築部門の使い捨て部品、またはさらにたとえばクリスマス装飾品に関する。
【0020】
意外にも、本発明による生分解性ブロックコポリエステルウレタンは卓越した接着特性をもつことも証明できた。したがって、ガラス表面を本発明のブロックコポリエステルウレタンのクロロホルム溶液またはジオキサン溶液で塗装した。これにより、こうしてガラス表面に生成したフィルムは破壊せずに取り除くことができず、ガラス面を互いに分離することはもはや不可能であることが確認された。同じ現象がアルミニウムおよびエナメルの表面についてもみられた。
【0021】
したがって、本発明によるブロックコポリエステルウレタンは、接着剤、粘着テープまたは他の接着助剤としてきわめて適切である。
本発明の対象をより詳細に以下の図面および例により説明するが、本発明は本明細書に示す特定の態様に限定されない。
【0022】
実施例1
ブロックコポリエステルウレタンの製造
G. R. Saad(G. R. Saad, Y. J. Lee, H. Seliger, J. Appl. Poly. Sci. 83 (2002) 703-718)が作成した、W. Hirt et al.(7,8)に基づく変法に従って、ポリエステルウレタンを製造した。この合成は2段階で行われる。まず細菌性ポリ-3-ヒドロキシブチレート(Biomerから)を、ジラウリン酸ジブチルスズ触媒の存在下に1,4-ブタンジオールで変換する。洗浄後、得られた短鎖ポリ(ブチレン-R-3-ヒドロキシブチレート)-ジオール(PHB-ジオール)と、ポリ(ブチレンアジペート)-ジオール(PBA-ジオール)(共成分)およびヘキサメチレンジシソシアネートを、同様に触媒により重付加してポリエステルウレタンにする。
【0023】
ポリエステルウレタンの製造のための合成図を図1に示す。
1.1.ポリ(アルキレン-(R)-3-ヒドロキシブチレート)-ジオールの製造
ポリ(ブチレン-(R)-3-ヒドロキシブチレート)-ジオールを種々のバッチで製造した。それに関して、細菌性PHBをクロロホルムに溶解し、61℃で1,4-ブタンジオールによりエステル交換した。p-トルエンスルホン酸を触媒として用いた。次いで沈殿および再洗浄により生成物が固体状で得られた。
【0024】
個々の試験に際して、種々のパラメーター、たとえばPHBの形態、溶媒量、触媒量、撹拌時間、処理法を変更した。
粉砕PHBおよび繊維状PHBを用いた。選択した条件下で、PHBを完全に溶解させることはできなかった。したがってフラスコ内容物は1,4-ブタンジオールおよびp-トルエンスルホン酸の添加前にはスラリー様であったが、加熱しながら撹拌することはなお容易にできた。反応時間の経過に伴って、反応物は流動性が増したが、混濁したままであった。さらに、触媒量に対するほぼ直線的な反応時間の依存性が確認された。
【0025】
メタノール、ジエチルエーテル、トルエンおよびシクロヘキサン中におけるクロロホルム溶液の沈殿性には大きな相異があった。メタノール、トルエンおよびシクロヘキサンを用いるときわめて微細な結晶性沈殿が生成し、これを吸引分離および洗浄するのは困難であったが、ジエチルエーテルはきわめて清浄な粗い結晶性物質を生成した。これに対し、分子量にはほとんど相異がなかった。シクロヘキサンについてさらに詳細な実験を行った。これによれば、沈殿溶媒の濃度に関係なく微細な結晶性生成物が生成したにすぎない。反応液をその場に置いてシクロヘキサンを滴加すると、沈殿は全く異なる挙動を示す。最初に混濁した後、生成物はきわめて粗い粉末状で存在し、ジエチルエーテルからの固体と同じく良好に濾過することができた。すべての固体がほぼ白色の粉末として存在した。
【0026】
収率は理論値の60〜94%であった。
分子量Muは1500〜5500 g/molであった。
生成物を1H核磁気共鳴分光法により調べた(図2参照)。
【0027】
さらに他の試験により、クロロホルムの代わりにジオキサンを用いても支障がないことが示された。
特に、ジオキサンの沸点がより高く、かつジオール成分の溶解度がより高いことにより、同一の収率および分子量で反応時間が著しく短縮された。
【0028】
用いる溶媒に応じた反応制御の本質的な相異を下記の表1に挙げる(ジアルコールとしてエチレングリコールを使用)。
【0029】
【表1】

【0030】
1.2.ポリエステルウレタンの製造
1,2-ジクロロエタンを部分共沸蒸留した後、ポリ(R-3-ヒドロキシブチレート)-ジオールとポリ(ブチレンアジペート)-ジオールを1,6-ヘキサメチレンジシソシアネートで重付加することにより、ポリエステルウレタンを合成した(G. R. Saadに従う)。ジラウリン酸ジブチルスズを触媒として用いた。ポリマーを沈殿させ、洗浄し、乾燥させた。GPCおよび1H-NMR分光法により再び分析を行った。これに関して、析出剤(educt)の混合比、共沸物の留出量、触媒量、反応時間、1,6-ヘキサメチレンジシソシアネートの量、および溶媒濃度の関数として、生成物の組成を調べた。
【0031】
図3は、例示としてポリエステルウレタン50:50の1H-NMRスペクトル(400 MHz)を示す。
さらに他の試験において、G. R. Saadの指示と比較してさらに改善できることが示された。
【0032】
一方では、1,2-ジクロロエタンの代わりに1,4-ジオキサンを用いても不都合はない。他方では、有機スズ触媒の代わりに種々の金属アセチルアセトネートを用いた。特にジルコニウム(IV)-アセチルアセトネート触媒は、高い活性(反応時間の短縮)および高い選択性(低いアロファネート形成)において格別に優れていた。
【0033】
金属アセチルアセトネートを触媒として用いる場合、一部は発癌性をもつ有機スズ触媒と対比して、これらは生体適合性触媒であることを強調すべきである。こうして、意外にも生体適合性成分のみ、たとえば析出剤、溶媒および触媒に基づく反応系が利用可能になった。
【0034】
等モル量の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(PEU 50:50)を用いた75℃でのPHB-ジオールおよびPBA-ジオール(重量比1:1)の変換について、下記の結果が達成された(表2)。
【0035】
【表2】

【0036】
1.3.ポリエステルウレタンとリサイクリング材料のブレンドの調製
企業EFKA Works, Trossingenからの酢酸セルロース含有廃棄物をリサイクリング材料として用いた。この廃棄物は、主にトリ酢酸セルロース(約83%)、紙(約10%)および添加剤(グルー、結合剤、約7%)(重量)からなる。下記に示すように、出発物質は一方ではきわめて不均質であり、他方ではきわめて嵩高い。したがって、繊維工業において普通行われるように、微粉砕(切断機)および細断(分離機)により処理を行った。
【0037】
この材料のブレンドを少量(最高100g)、加熱プレート上で混合した。表3にブレンド(少量)の組成を示す。
【0038】
【表3】

【0039】
きわめて不均質なブレンドが得られ、これを射出成形のために粉砕した(粒径、最高3mmの直径)。
多量(kg規模)については、カードで繊維を平行にしてウェブを作製した。
【0040】
この繊維ウェブを、温度120℃(PEU 50:50)ないし140℃(PEU 40:60)の加熱ローラーによりポリ(エステルウレタン)メルトに取り込ませた。
下記のブレンドをkg規模で調製した(表4を参照)。
【0041】
【表4】

【0042】
さらに25×12 cmのサイズ、3 mmの層厚、および約115gの重量の複合材料パネルを、PEUフィルム(クロロホルム溶液から)および繊維ウェブから、160℃の加熱式プラテンプレスにより加工した。表5にブレンド(成形用配合物)の組成を示す。
【0043】
【表5】

【0044】
1.4.射出成形による試料の加工
ポリエステルウレタンと酢酸セルロースリサイクリング材料のブレンドを、50gバッチで、プランジャー式射出成形機により、それらの加工適性について試験した。
【0045】
繊維割合25〜40%のブレンドは130〜170℃で加工できたが、繊維含量50%ではもはや加工できなかった。PEU 40:60を含有する試料の場合、冷却した型から成形部品を取り出すのがさらに困難であった。他方、純粋なPEU試料はこの現象をほとんど示さなかった。したがって、加工温度を80〜100℃(ブレンドの軟化点)に下げた。
【0046】
1 kg規模で、短繊維粗粒をコンベアスクリューで射出成形機に注入した。種々の温度で、離型剤(タルク)を添加して、または添加せずに、試験片を製造した。
表6は、射出成形により製造した本発明の複合材料系のリストを示す。
【0047】
【表6】

【0048】
1.5.機械的特性
引張り、伸び、曲げおよび衝撃強さの測定を行った。表7はそれらの機械的特性を示す。
【0049】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明によるポリエステルウレタンの製造のための合成図を示す。
【図2】PHB-ジオールの1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz)を示す。
【図3】ポリエステルウレタン50:50の1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の生分解性ブロックコポリエステルウレタン、多糖および/またはその誘導体を含む少なくとも1種類の充填材を含み、さらに生体適合性添加剤を含むことができる複合材料系であって、ブロックコポリエステルウレタンがポリヒドロキシアルカノエートジオールを含む硬質セグメントおよびポリエステルジオール性軟質セグメントから形成され、ジオール、ならびに共成分としてのジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸およびその誘導体から出発して、二官能性イソシアネートで架橋することにより形成されたものであることを特徴とする、前記複合材料系。
【請求項2】
ブロックコポリエステルウレタンと充填材の量比により複合材料系の弾性、強度および引張伸びを厳密に調整できることを特徴とする、請求項1に記載の複合材料系。
【請求項3】
ポリヒドロキシアルカノエートジオールが、ポリ-3-ヒドロキシブチレート-ジオール(PHB-ジオール)またはポリ-3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシ-バレレート-ジオール(PHB-co-HV-ジオール)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の複合材料系。
【請求項4】
ジオールが脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項5】
ジオールが1,4-ブタンジオールであることを特徴とする、請求項4に記載の複合材料系。
【請求項6】
ジカルボン酸が脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項7】
ジカルボン酸のジオールが、ポリ-ブチレングリコール-アジペート-ジオール(PBA-ジオール)であることを特徴とする、請求項6に記載の複合材料系。
【請求項8】
二官能性イソシアネートが脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項9】
二官能性イソシアネートが、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の複合材料系。
【請求項10】
充填剤が、酢酸セルロース類のようなセルロース誘導体、デンプンおよびその誘導体、化学パルプ、およびペーパーパウダー(paper powder)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合材料系。
【請求項11】
セルロース誘導体が、酢酸セルロース類および/またはセルロースエーテル類であり、特にメチルセルロース、エチルセルロース、ジヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、メチルヒドロキシブチルセルロース、エチルヒドロキシブチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースおよびシアノエチルセルロースの群から選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項12】
充填剤が繊維状で使用されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合材料系。
【請求項13】
添加剤として、生体適合性接着剤、有色顔料、離型剤、たとえばタルクおよび/またはカーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項14】
添加剤として、ポリエチレングリコールおよび/またはポリビニルアルコールを含有することを特徴とする、請求項13に記載の複合材料系。
【請求項15】
複合材料系が、複合材料系全体に対して1〜90重量%、特に1〜70重量%の充填材を含有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項16】
複合材料系が、生分解性ブロックコポリエステルウレタンでコーティングされた充填材層を含む層状に構築されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項17】
複合材料系がポリマーブレンドまたはポリマーアロイであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合材料系。
【請求項18】
ポリヒドロキシアルカノエートジオール、ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のポリエステルジオール、および二官能性イソシアネートの重付加による、請求項1〜17のいずれか1項に記載の生分解性複合材料ブロックコポリエステルウレタンの製造方法であって、金属アセチルアセトネートを触媒として使用することを特徴とする、前記方法。
【請求項19】
第3主族または第4もしくは第7亜族の金属、特にAl、Mnおよび/またはZrのアセチルアセトネートを使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
重付加の反応温度が100℃を超えず、特に80℃を超えないことを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合材料系から形成された、成形品、成形部品および押出品。
【請求項22】
コーティング材料、箔、フィルム、積層品、成形品、容器、包装材料、成形部品、押出品、コーティング材料および薬物投与剤形の製造のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合材料系の使用。
【請求項23】
紙またはデンプンのコーティング材料、および強化接着剤層の材料としての、請求項22に記載の複合材料系の使用。
【請求項24】
食品の包装材料としての、請求項22に記載の複合材料系の使用。
【請求項25】
バッグ、キャリヤーバッグおよびカバーの形の、請求項22に記載の複合材料系の使用。
【請求項26】
医療用インプラントのための、または製剤における錠剤、カプセル剤もしくは坐剤の形の、請求項22に記載の複合材料系の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−501832(P2008−501832A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526275(P2007−526275)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006103
【国際公開番号】WO2005/121216
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506407062)
【Fターム(参考)】