説明

生化学分析装置

【課題】微量な体液に対応する複数の試薬反応槽の光学的計測を、的確で迅速にかつより簡単な計測回路を実現し、生活習慣病の診断等より患者、健常人に身近なところに置かれ得るより小型で、簡易な装置を実現する。多項目の検体成分を一つの担体上で計測する場合の正確な基準点を得る。項目の検体成分を一つの担体上で計測する場合の正確な検体位置を得る。
【解決手段】生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記生化学的反応を読み取る為の複数の読み取り部、及び前記担体と前記読み取り部とは互いに可動状態を有し、前記担体上の反応部位間の間隔と前記複数の読み取り部間の間隔が異なるように配置された生化学分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学反応を示す部位を複数有する担体を計測する生化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今般、糖尿病、がん、脳梗塞等生活習慣にかかわる疾病は、食生活、ストレス等、生活上の要件が深くかかわることから、これら疾病の早期発見のためにも、血液、尿等の体液成分を多項目にわたってしかも迅速に計測でき、診断できる環境がより身近なところで実現されることが希求されている。
体液を分析して診断する装置は、特殊な操作をしなくても、体液成分さえ、供給すれば、在宅での利用や、設備がない場所でも、手軽に短時間で診断可能となる事が好ましい。
生体成分計測において、代表される血液、尿、汗等の体液と酵素試薬とを発色反応させた反応槽に光を照射して、反射光又は透過光を受光し、受光した光を計測して、吸光度を求めることで、グルコース、総コレステロール、クレアチニン、低比重リポ蛋白質、総ビリルビン成分濃度を光学的に計測する成分分析装置では、特開平05−209836号公報で示すような受光した光をRGBの三原色光に分離し、個々の光について吸光度を求める手法や、予め3原色に分離した光を上述した反応槽に照射し、透過または反射した3原色の受光光から吸光度を求めるといった手法が用いられている。
【0003】
この様な光学的計測により複数の成分値をもとめて、診断情報として用いる機器に関して、以下の点を考慮する必要があった。
(1)複数の試薬反応槽を配列した一つの担体を回転させながら各反応槽の吸光度が時系列データとして出力されることがある。この場合複数の反応槽を特定するために一周内の基点を正確に検出する必要がある。従来はこの基点を機械的、電気的、光学的に検出するための手段を反応槽の吸光度を測定する手段とは別個に設ける必要があった。
【0004】
(2)生化学分析装置が、より少量の検体で駆動すると共に、検体の供給から、光学的計測までを自動的に行う場合等は、試薬反応槽への気泡の混入により、光学的計測の不安定化等が問題になった。
【0005】
(3)光学的計測は、光路に、乱反射部分がないほうが好ましく、又検体と試薬が反応した部位への有効な光の照射が望まれる。
【0006】
(4) 少量の検体で、多項目の生体成分を計測しようとすると、個々の項目の計測に用いる検体がより少量となり、校正される担体を製造する際の微小な製造誤差、透過光路中に生じるバリ、或いは、担体又は光学計測ヘッドの移動時における移動誤差、材質による光の吸収、乱反射、による誤差の影響は、非常に大きくなる。
【0007】
【特許文献1】特開平05−209836号公報
【特許文献2】特表平10−510362号公報
【特許文献3】特開平3−25351号公報
【特許文献4】特開2003−207454号公報
【特許文献5】特開平5−240869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上指摘した点についてより具体的な説明を次に示す。
一つの反応槽から同時に複数の光を受光したり、受光後、3原色に分光したりした後、個々の光に対し光電変換を行ってパラレルな電気信号を形成すると共にこれらパラレルな信号を、シリアルな信号列へ変換するためのマルチプレクサのような回路構成を必要とした。
一つの反応槽に、複数の光を透過する場合、反応槽の口径が小さくなると、光源の位置、大きさが制限される他、より精密な集光部が必要になり、高価で煩雑さが伴うようになる。
クロック信号を利用する等して得られるタイミング信号を必要とするマルチプレクサの利用は、反応槽の反応が早い場合にたいし、最適な時間での切替ができず、遅延や、波形に歪みが生じる等、同時に必要とする分光信号の全ての正確な信号の検出ができない場合があった。
【0009】
またこの様な処理を施すための回路を付加することは、装置自体の煩雑さを増すことになり、より処理能力の大きいマイコンのような高価な半導体チップを必要とし、装置自体の大きさ、価格にも影響をあたえることとなり、生活習慣病の診断のような、患者に身近なところにある装置を実現するためには不向きである。
【0010】
特表平10−510362号公報には、血液と試薬との反応槽に水等の基準物質をいれて基準槽とし、この基準槽を透過する光の波長に基づいて、試薬反応槽を透過して得られた光の校正をおこなうことが記載されている。
特表平10−510362号公報で示す基準物質の利用は、体液と試薬との発色反応の測定に支障になってはならない範囲で、確実に検出できるものでなければならず、又、保存性にも注意を払わなければならない場合が多い。
【0011】
特開平3−25351号公報には、ノズル管状の試薬反応槽に混入した気泡の検出を透過してきた光を光電変換した後、微分して検出することが記載されているが、より小さな測定面を有する試薬反応槽であって、瞬時に移動してしまう形態における光学的検出において、必要とする測定領域の決定のための手法はなんら開示されていない。
【0012】
特開2003−207454号公報には、透過光計測のため、チップの面を黒く塗ることが記載されている。
又、透過光計測を安定して行うために、吸光性を有する黒色塗料を塗る等の工夫が開示されているが、実際、透過光計測部位と、黒色部位の境界部分での光源からの漏れが問題になる。
【0013】
又、受光信号に含まれる誤差は正確な成分分析を妨げ、装置全体の分析能力を低下させてしまうのである。

【課題を解決するための手段】
【0014】
上記に鑑み本発明は、
(1)生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記生化学的反応を読み取る為の複数の読み取り部、及び前記担体と前記読み取り部とは互いに可動状態を有し、前記担体上の反応部位間の間隔と前記複数の読み取り部間の間隔が異なるような組み合わせ構成とすることで、構成が簡単でしかも、計測処理の向上を実現する。
【0015】
(2)更に本発明は、基点検出手段を別個に設けることなく反応槽の吸光度を測定する手段を用いて担体上の基点を抽出するための特別な識別槽の形状を規定し、それを確実に抽出するためのアルゴリズムを提供する.すなわち生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記生化学的反応を読み取る為の読み取り手段、所定の時間において前記情報を検出する検出手段、前記検出手段で得られた情報を所定時間、所定数だけ演算する演算手段、前記演算手段から出力された信号から基準となる部位を判定する判定手段よりなる組み合わせ構成により、試薬反応槽における光学的情報と混同することなくより確実な基準位置を検出することを可能とする。
【0016】
(3)更に本発明は、生化学的信号を変化量を示す信号に変換する変化量変換手段、前記変化量変換手段で得られた信号から測定範囲を決定する測定範囲決定手段の組み合わせ構成により、複数の試薬反応槽が、所定の速度で移動し、複数個の試薬反応槽が、一定間隔毎に計測される場合、有効な測定領域を、瞬時に判断でき、効率の良い成分測定が可能となる。
【0017】
(4)更に本発明は、試薬反応槽を具えた透光性部材からなる担体、検体を供給した前記試薬反応槽に対し外部から測定光を照射し、試薬反応槽を介して得られた光を受光して検体成分を測定する生化学分析装置において、前記試薬反応槽に対する測定光を照射する照射面方向に、測定窓を設けた光を吸収する吸収部材を配置し、前記測定窓の面積が前記試薬反応槽の測定光照射面の面積より小さくすることで、試薬反応槽以外の部位から光が漏れることを防止し、誤差の少ない計測領域を確保することを可能とする。
【0018】
(5)更に本発明では、試薬反応槽を具えた透光性部材からなる担体、検体を供給した前記試薬反応槽に対し外部から測定光を照射し、試薬反応槽を介して得られた光を受光して検体成分を測定する生化学分析装置において、前記担体に透過計測のための基準部位を設けることにより、受光信号に混入される電気回路に起因する又は、担体の製造むらに起因する信号のドリフトを解消し、正確なデータを得ることを可能とする。

【発明の効果】
【0019】
本発明は、特殊な回路構成を必要とすることなく、分光的に得られる発色信号を混合するだけで、入力電気信号が形成でき、しかも読み取りは、回転数、配列位置からタイミングをとるだけで、個々の分光データを得ることができることから、より簡単な構成でありながら、迅速な信号処理ができる等の効果を有する。
【0020】
本発明は、試薬反応槽の配列中に、特定の形状の貫通孔を設けるだけで、担体上に所定の基準位置を設定することができることから、多項目の体液成分を計測する担体をより簡素化できると共に、正確な基準位置が検出できる。
【0021】
本発明は、複数の試薬反応槽内の発色反応を、経時的に光学的に連続して計測する場合、微分信号に基づいた正確な測定領域の把握により、より迅速に多項目に渡る生化学成分を計測可能とする。
【0022】
本発明は、より小さい試薬反応槽でも安定した光学測定を可能とし、自動的で簡易的な生化学成分測定を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、少なくとも、生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記生化学的反応を読み取る為の複数の読み取り部、及び前記担体と前記読み取り部とは互いに可動状態を有し、前記担体上の反応部位間の間隔と前記複数の読み取り部間の間隔が異なるような組み合わせ構成を有することで、卓上型の装置を容易に実現でき、様々な場所で、手軽に体液成分の測定が可能となる。
本発明における生化学的反応は、血液、尿、汗等の体液と試薬との発色反応、免疫応答を利用した蛍光反応等、光学的に生体に関連する成分を計測する反応が例示される。
血液成分の測定に用いられる試薬としては、例えば、体液成分中、GPT、アルブミン、ALP、尿素窒素(BUN)、総タンパク、総ビリルビン、グルコース、総コレステロール、GOT、アミラーゼ等を計測するための酵素類が示される。
【0024】
当該担体とは、円盤状、直方状、シート状を有するものであって、その表面に、試薬を収容又は供給した反応槽を一定、不特定間隔毎に配置したものであって、少なくとも外部から測光可能な部位に透光性を具えたものが例示される。
担体上には、その他、血液であれば、不要な血球を分離する分離部、体液を一定量だけ、試薬反応槽へ供給する、定量供給部等が設けられている場合がある。
【0025】
本発明における複数の読み取り部は、前記、試薬反応槽内の発色した試薬の発色情報を計測できればよく、レーザー、発光ダイオード等の可視光、紫外光、赤外光の電磁波等を出力する光源と、光源より出力された各種光が試薬反応槽を通過し又は、反射して得られた光を受光し、光電変換する受光部を具えたものが例示される。
尚、得られた光から吸光度、測色、周波数成分が計測され、どのような濃さの発色がされたか、発色値がどのように変化したかがわかれば良く、信号処理の構成も計測対象によって適宜調整される。
【0026】
当該複数とは、一つでなければ良く、試薬の発色スペクトルの波長に対応した2、3、4またはそれ以上の光源が例示される。
本発明おける前記担体上の反応部位間の間隔と前記複数の読み取り部間の間隔が異なるような組み合わせ構成とは、例えば、一つの読み取り部に一つの光源が光を照射して計測がされているタイミングで、その他の読み取り部は、反応槽内の発色値を読み取れない位置にあることを示すものである。
尚、読み取り部全てが、反応槽の位置に一致していなければよく、例えば、2つの読み取り部が、反応槽内の発色情報を同時に得ている状態で、その他の読み取り部が、発色情報を読み取れない状態であってもよい場合もある。
例えば読み取り部と、担体は、相対的に移動関係にあればよく、静止している読み取り部上を担体が回転又は摺動している状態、又はその逆であって、静止している担体に対し、
読み取り部が回転又は摺動している状態が示される。
【0027】
本発明において、担体が回転体、いわゆるロータの場合、試薬反応槽1φの中心からの配置角度をθ、nは任意の整数(n=1,2,3,4・・・)、mは、光源の数(m=1,2,3・・・)とすると計測ユニットの中心からの配置角度Kは、
K=θ×n − θ/m
で表される。この式によれば、円盤状の担体の大きさと、試薬反応槽の配置位置及び、光測定部の位置を効率よく測定できる。
【0028】
本発明おける、生化学的反応情報とは、体液と試薬との反応して得られる可視又は不可視の発色値、吸光度、周波数特性等が例示され、生化学反応情報取得手段としては、試薬反応槽を透過、又は反射して得られる送光素子と受光素子の組み合わせ、電磁波送信、受信手段の組み合わせ等が例示される。
所定時間において、前記生化学反応情報取得手段から得られた生化学反応情報を検出する検出手段の「所定時間」とは、例えば、中心時間Tnに対し、前後一定間隔の2つの時間を示すものであって、例えば図9(c)で示す様に時間tnに対し、tn1-β、tn1-α、tn1+α、tn1+βの4つの時間間隔を設定する。
また、「前記生化学反応情報取得手段から得られた生化学反応情報」とは、例えば光学的出力を電気的信号に変換した後、所定時間における信号の振幅値、周波数成分等であって、デジタル処理、アナログ処理何れの処理であっても良い。
【0029】
前記検出手段で得られた情報を所定時間、所定数だけ演算する演算手段における「所定時間」とは、例えば図9(c)の場合では、tn1-βからtn1+βまでの時間幅であり、基準部位の大きさに比例する時間幅であって、所定数だけとは、この場合、検出する時間間隔の数4を示すものであるが、これにかぎるものではない。また「演算手段」とは、例えば、前記時間間隔に得られる情報を乗算したり、積分したりすることが例示される。
演算手段は、デジタルであれば、論理ゲート、アナログであれば、アナログ演算器等が例示される。
前記演算手段から出力された信号から基準となる部位を判定する判定手段とは、例えば、所定時間間隔で、演算手段の出力がある場合は、時間tnにおいて、基準位置である旨の出力したり、所定時間間隔で演算手段の出力が一定の閾値を超えている場合等が例示される。
【0030】
本発明における変化量とは、生化学信号を電気信号に変換した後の電気信号の変化量を示すものであって、微分、積分信号、その他2次微分信号等を例示する。
本発明は、少なくとも、試薬反応槽と光学ユニットとの測光位置に到達する時点、測光位置を経過した時点において、高いピークを持つ信号が出力されることから、測光量域を、最初の高いピークの終わりと最後の高いピークの最初の間とし、その間に、所定量の高さのピークが出現した時点が、気泡の混入等の不要な光学的妨害が発生した状態であることから、この部分を除去することで、正確な測定領域を認識できる。
本発明では、試薬反応槽の位置を受光信号から得る事が好ましいが、もし仮に試薬反応の結果、極めて色が濃く、透過光量が小さすぎて試薬反応槽の位置が検出できない場合、少なくとも、前に検出できた試薬反応槽の位置を示す信号と、次に検出できた試薬反応槽の位置から計算によって、検出できなかった試薬反応槽部位を予測し、その部分の情報を検出するものであってもよい。
【0031】
これは、予めチップの試薬反応槽の部位と、担体の回転数がわかっていれば、予測範囲を見当つけることができるが、担体の回転数にばらつきがあるため、全ての部位を予測した場合は、計測できない反応槽が出てきてしまうため、上述のような検出可能な試薬反応槽の位置から、算術的に検出できない試薬反応槽の位置を得る方が確実な試薬反応槽の検出が可能となる。
【0032】
本発明は、担体上に様々な基準部位を設けると共に、当該基準部位を、いわゆる校正情報又は基準情報として使用する。
校正の要因となる要件としては、レーザーダイオード、LED等の光源の発光強度誤差、フォトダイオードの感度誤差、増幅回路等電気回路上の誤差によって生じる直流オフセット電圧、担体を形成する素材むら、試薬反応槽底部の加工むら、担体及び蓋との接合面に介在する接着剤、粘着剤における光の乱反射、屈折、吸収、また、体液成分の個体差、希釈液の成分差、計測成分の誤差等が例示される。
【0033】
この様な誤差要因に対して、
例えば、担体の光学的計測部位に相当する部位に、以下の構成を付加することで、受光信号に対し補正や校正ができる。
1.試薬反応槽と同じかそれ以上の面積の黒色パターンを配置する。
当該黒色パターンを光学的に計測することで、増幅回路等で生じるオフセット情報を計測可能とし、実際得られる試薬反応槽の光学的情報から、このオフセット情報を除する等することで、正確な、成分情報が得られる。
2.試薬反応槽と同じかそれ以上の貫通孔を形成する。
貫通孔を通過した光源から出力される光を受光することで実際の強度、波長等がわかることから、計測される発色値の補正を可能とする。
当該貫通孔は、基準部位として用いても良い場合もある。
【0034】
3.試薬反応槽内を空にしたものを配置する。
空の試薬反応槽においては、槽の底部の加工むらによる計測光の状態が計測され、真の光学情報を得られる計測値の検証的に求めることが可能になる。
4.また、純度の高い水を充填させることで、底面、上面の曇りを取り除き、試薬反応槽底面の加工むら等の正確な校正値が得られる。
5.試薬反応槽内に希釈液を充填したものを配置する。
希釈液の吸光度が得られ、実際の発色値を校正するために利用される。
6.試薬反応槽内に血漿成分を充填しただけのものを配置する。これは、他の試薬反応槽に血漿が供給される時の血漿と同じものが好ましい。
血漿のみの光学的測定により、刻々変化する被験者の体の状態を測ると共に、試薬との発色値の校正に利用できる。
これらの校正を目的とする領域は、それぞれの媒体のみを封入した試薬反応槽に対する透過光による光学的計測結果例えばOD値の大きさで表すと
貫通光(OD値0)<空気(希釈液)<血漿のみ<血漿+試薬反応<黒色(∞)
である。空気(希釈液)または血漿のみの計測値は光源の強度や受光体の感度の偏差を補正すると共に担体自身の吸光度を補正するために用いる.黒色(完全遮光)部は受光体及びその出力を増幅する電気回路のオフセット値(入射光が全くない場合の計測出力値)を補正するために用いる
尚、空の試薬反応槽の計測は、残留する水蒸気による、底部の曇り等があるため、同様のOD値を有する希釈液の利用が実測の場合は好ましい。
【実施例1】
【0035】
図1に本発明の一実施例を示し、本発明について詳細に説明する。
図1(a)は、説明のために測定装置の筐体を省略した状態の担体と、読み取り部分の組み合わせ関係を説明する為の図であり、図1(b)は、担体10を上面から見た図である。
10は、担体であって、ポリエステル、PMMA、PC、PS、PET、PDMS、ガラス等よりなり、表面に流路、反応槽等に相当する凹部が形成され、その上から同材よりなるシート蓋を、粘着剤、接着剤、又は自己吸着能により接合させた形状を有する。
担体10は、回転によって生じる遠心力と流路の毛管力の関係によって、中央に供給された血液を、分離、希釈液等混合、反応槽へ、定量供給する動作を行うような構成が例示される。
当該構成は、血液であれば、血球分離室、希釈混合室、血漿定量部等が含まれているが如何様な構成も取り得るためその詳細な構成は省略した。
11は、読み取り装置との接合用金属板であり、担体10の裏面に好ましくは一部埋入するような状態で表出して配置されている。中心に読み取り装置上の接続軸に挿入固定される為の凹部11’が担体10の裏面方向から接合用金属板11を貫通し、担体10を一部貫通した状態で形成されている。
12は、操作部の一例であり、希釈液等の混合槽等を例示する。操作部12は、担体10が任意に回転制御することで、担体10内の流路、反応槽において生じる毛管力と遠心力を調整し、担体10の外周方向に配置された試薬反応槽列15a〜15hに、血球分離し、定量化した血漿等の調整された検体を供給する。
【0036】
13は、検体供給部であり、外部より血液等の体液を供給する部分であって、凹状の液槽或いは流路よりなり、必要に応じて外部へ検体が漏れないように供給部用蓋が設けられる場合もある。
14は、分配流路であり、個々の試薬反応槽15a〜15h等へ、調整された検体を供給する流路である。18は、供給流路の一つを示すものであり、分配流路14と、それぞれの試薬反応槽15a〜15hとを接続するためのものであり、供給流路は、一つの試薬反応槽に対し、複数設けても良い。又、供給流路18の体積が、加工された検体を定量値である場合もある。
15a〜15hは、試薬反応槽の一例であって、円筒状の凹部内部に目的の試薬が乾燥状、ゲル状、液状で収容されている。大きさは、例えば直径1mm、深さ3mm位であり、
16a〜16cは、それぞれ、3原色を出力する光源であり、例えば光源16aは、赤色Rレーザー、光源16bは、緑色Gレーザー、光源16cは、青色Bレーザーが示される。
17a〜17cは、受光体であり、フォトダイオード、フォトトランジスタ等が用いられる。
【0037】
分配流路14,試薬反応槽15a〜15hは、使用時、ポリアクリル、PET等の透光性シートによる蓋部によって、覆われた状態となっている。
図1(b)は、図1(a)で示した試薬反応槽15a〜15gと、各光源16a〜16cの配置関係を上方から見た図である。
個々の試薬反応槽は、担体10の中心Oから試薬反応槽15aを中心として15度間隔で配置されると共に、光源は、光源16aを中心として40度間隔で配置されている。
光源と受光部及び担体の試薬反応槽との関係を図4に示した。図4は、図1(a)のX−X’の部位で切断した断面図である。図4では、図1で省略している読み取り装置の一部も併せて示した。
図1(a)で示した実施例と同一の構成については、同一の番号を付して説明は省略した。図4において、
19は、蓋部であり、担体10の流路等の上に覆うような形で形成される。蓋部19は、図1(a)で示す分配流路14、供給流路18、試薬反応槽15a等の上部を覆い、反射光、透過光による測定の場合の為、透光性を有する部材で形成されている。
20は、遮光部であり、担体10の裏面に形成されたものであり、主に黒色又はそれに近い色で形成されたシートの被覆又は着色状態で形成され、光源と、試薬反応槽間の通過孔を介した光路以外に配置されている。
通過孔25は、光源16aの面積よりも小さい面積として、光源から試薬反応槽へ光を照射する際生じる反射光、散乱光を抑制する場合もある。
【0038】
21は、光源側の電気リード線であり、光源16aと、電源、光源制御回路と電気的に接続するためのものである。電気リード線21は、例えば、図6で示す電気接続線326に接続する。
22は、受光側の電気リード線であり、受光体17aと、信号処理回路を電気的に接続するためのものである。
23は、測定装置蓋部であり、受光素子17a等を装着しており、例えば、担体を外部へ取り出すためのに可動したりする部分である。
24は、測定装置の担体装着部であり、例えば、光源16aを担体の試薬反応槽直下に来るように内接し、担体を置く据置部、チャッキングして回転させるモータ等を収容している。担体装着部24の全体的な形状を、図7に示した。
【0039】
次に図1で示した受光体17a〜17cで受光した信号を処理するための回路構成の一例を図6に示し説明する。
図6において、
310a〜310cは、3原色の光源であり、例えば図1の光源16a〜16cにそれぞれ対応する。
311は、図1で示す担体10上の試薬反応槽を模式的に示している。図1で示す担体10が、回転して、試薬反応槽のそれぞれが、光源と受光部間を通過する状態を示している。
312a〜312cは、受光部であり、個々の3原色光源310a〜310cのそれぞれと光路を形成するような状態を示している。受光部は、受光信号を電気信号に変換する部分でもある。受光部312a〜312cは、図1で示す受光体17a〜17cにそれぞれ対応する。
313a〜313cは、OPアンプ等を用いた増幅回路、フィルタ回路で構成され、個々の受光部312a〜312cとそれぞれ電気的に接続し、受光電気信号を増幅、ろ波等して、電気的に処理可能な状態にしようとするものである。
314は、混合部であり、主に加算回路により構成され、増幅部313a〜313cで個々に増幅された受光電気信号を例えば、一つの信号線に多重的に混合するための部分である。
混合部314は、例えば、オペアンプ等を用いたアナログ加算回路で構成される。
315は、フィルタであり、受光信号中、計測に必要な周波数帯を通過させると共にサンプリングによる折り返しノイズを除去するためのものである。
【0040】
316は、A/D変換器(A/Dコンバータ)であり、サンプリング回路、量子化回路 等を含み、受光電気信号を、デジタル信号に変換するためのものである。
317は、ROMであり、CPU324等を動作させるためのプログラム、パラメータ等が記憶されている。
318は、RAMであり、プログラム実行時における一時的なデータ等を記憶する為の部分である。
319は、表示部であって、プリンタ用インタフェース、RS−232C、モニタ、スピーカ、無線LANインタフェース、赤外線等の無線出力部、モデム等よりなり、得られた血液情報を表示、伝達、するための部分である。
320は、バスであり、CPU、ROM、RAM等で用いられる命令信号、データ信号等の伝達を行うための伝送路である。
321は、回転制御部であり、担体を左右に又は変速的に回転させるための駆動ドライバである。
【0041】
322は、温度制御部であり、血液や試薬が38度前後で、有効に動作するため、担体をハロゲンヒータ等の加温器を制御的に発熱させて加温して、常に一定の温度に保つための回路である。
323は、駆動部であり、光源310a〜310cへ発光させるための電気出力を制御的に行う。例えば、計測が不要な場合は、光源に対して電気出力を停止させるような制御である。
324は、CPUであり、ROM317で記憶したプログラムに基づいて制御信号をバス320を介して回転制御部321、温度制御部322等に伝達して、個々の素子の動作を制御するためのものである。
325は、電気リード線であり、ジャンパー線、基板配線等で形成され、フィルタ315とA/Dコンバータ316とを電気的に接続するような構成を有する。
326は、電気接続線であり、上述と同様、個々の光源310a〜310cと駆動部323と別々に電気的に接続するような構成を有する。
【0042】
次に、図1で示した実施例の動作を他の図面を参照して詳細に説明する。
図1において、
検体供給部13に血液を供給し供給口を閉じるための蓋をする。蓋は、必要に応じて設けられているもので、供給部がより小さい口径の場合は、必要が無い場合もある。
検体を供給した担体10を例えば図7で示す計測装置の担体装着部24に置く。
図17において、
11aは、回転体であり、中心に回転軸11bを設け、同心円状に磁性部材、さらに外側に摩擦部材11dが形成されている。
担体10の凹部11’を回転軸11bに挿入すると、担体10の接合用金属板11と磁性部材11cとが磁力により引きつけ合うが、摩擦部材11dが磁性部材11cよりも多少高く設けられてあるため、非接触状態でありながら、回転体11aと担体10は強く結合する。
図7で示す読み取り装置の大きさは、例えば、パーソナルコンピュータの付属品である外付け又は内蔵タイプのCD-ROM読み取り装置程度が示される。
尚、読み取り装置内に、CPU、ROM、RAM及び液晶デイスプレイを直接組み込み、スタンドアローンタイプにしても良い。
測定装置蓋部23と担体装着部24とを閉めると内部は、図1で示すような状態となる。 図6で示すCPU324は、温度制御部322,回転制御部321、駆動部323に制御信号を出力し、図1で示す担体10の温度を38度前後に保ちながら担体の回転を調整する。
中央に供給された血液は、回転力によって生じる遠心力と、毛管力により制御的に移動し、最初、血球分離部で血球が分離される。
他方、血液が少量な場合、有効な生理食塩水との希釈操作のため、予め密閉されていた希釈液が密閉体から放出される。
更に図1で示す担体10の回転によって生じる遠心力と、流路の微小化によって生じる毛管力の作用によって血球が分離されて得られた血漿と、希釈液が変化する遠心力により混合される。
希釈された血漿は、回転力によって生じる遠心力と毛管力により例えば図1(a)で示す分配流路14、供給流路18を介して個々の試薬反応槽に定量的に供給される。
個々の試薬反応槽では、希釈された血漿液と、試薬とが混ざり、発色反応が生じ、吸光度等の計測が開始される。
尚、試薬に応じて、発色時期が異なるため、発色が速い順に計測する事が好ましい場合もある。
【0043】
最初、図1で示す光源16aと受光体17aで形成される測定光路上に試薬反応槽15aがあり、計測可能な状態を形成している場合から説明を始める。
図6で示すCPU324は、駆動部323を駆動させ、駆動部323の駆動により、光源310a〜310cは、レーザ光を出力する。
図1で示す光源16aと、受光体17aは、試薬反応槽15aの透過部分に一致しているため、光源16aから発せられた光は、試薬反応槽15aを通過し、受光体17aで受光され、例えば図2(a)のR1で示すような、電気信号が図1で示す受光体17aから出力される。
この時、図1で示す光源16b及び16cは、図4で示す遮光部20に光を遮られており、受光体17b、17cは、光を受光していない状態である。
図6で示す光源310aの出力光は、試薬反応槽311を介して受光部312aに受光されると、受光部312aは、受光した光を電気信号に変換して、増幅部313aで増幅され、接続点3aでは、図2(a)で示す信号が出力される。
この時点で、光源310bの出力光は、図4で示す遮光部20によって遮られており、受光部312bは、光源310bからの光を受光せず、接続点3bでは図2(b)で示すように出力が無い状態である。
光源310cの出力光も図4で示す遮光部20で遮られており、図6で示す接続点3cでは、図2(c)で示すように出力がない状態である。
図6で示す混合部314は、個々の増幅部313a〜313cの増幅信号を入力するが、図2(d)で示すように、増幅部313bからの受光信号R1だけが出力される。
【0044】
次に図1(a)で示す担体10が中心点Oを中心として時計回りに回転すると、
図1で示す光源16aから出力した赤色レーザ光は、図4で示す遮光部20で遮られ、図1で示す光源16bから出力した緑色レーザ光が、試薬反応槽15eの内部を通過する。
この透光によって、受光体17bは、反応試薬を介した光を受光し、電気信号に変換した後、図6で示す増幅部313bで増幅され、増幅部313bで増幅された信号が接続点3bを介して図2(b)で示す信号G5として混合部314へ出力される。その他の受光体17a、17cは、光源16a、16cから出力された光が遮られるため、受光部312a、312cに出力がないことから、混合部314の出力は、G5のみの信号となる。
次に図1(a)で示す担体10が中心点Oを中心として時計回りに回転すると、
図1(a)で示す光源16bから出力した緑色レーザ光及び光源16aから出力した赤色レーザー光は、図4で示す遮光部20で遮られ、図1で示す光源16cから出力した青色レーザ光が、試薬反応槽15hの内部を通過する。
【0045】
受光体17cは、反応試薬を介した光を受光し、電気信号に変換した後、図6で示す増幅部313cで増幅され、接続点3cで表れる信号は、図2(c)で示す信号B10となり混合部314へ出力される。図1(a)で示すその他の受光体17b、17aは、光源16b、16aから出力された光が前記と同様に遮られるため、図6で示す受光部312b、312aには出力がなく、図2(d)で示すように混合部314の出力は、B10のみの信号となる。
【0046】
担体は、以上の様な回転を繰り返すことで、接続点3dに表れる混合部314の出力は、図2(d)示すような1本の信号列となる。
図6で示す混合部314の出力は、一つのフィルタ315で、分析に必要な周波数帯のみ抽出され、A/Dコンバータ316に入力される。
A/Dコンバータ316は、バス320を介して伝達されるCPU324からの制御信号により、A/D変換動作を行いデジタル信号化された混合部314の出力信号は、RAM318等に一時的に記憶する。
図3は、発色試薬の種類を12種類とした場合の信号出力図である。図2は、図3の信号列の一部を拡大して示したものである。
図6の出力端3aで表れる増幅器313aの出力波形は、例えば、図3(a)で示され、赤色レーザ受光信号列を示し、数字は、試薬反応槽に付した番号である。
図3(a)は 、接続点3aに表れる信号であって、試薬反応槽の任意に決めた最初の1番から赤色レーザにより測光して得られる信号列である。
図6の接続点3bで表れる増幅器313bの出力波形は、図3(b)で示す緑色レーザ受光信号列を示し、図中の数字は試薬反応槽に付した番号である。
【0047】
図3(b)は、例えば、試薬反応槽の5番から緑色レーザにより測光している事が示される。
図6で示す接続点3cで表れる増幅器313cの出力波形は、図3(c)で示され、青色レーザ受光信号列を示し、図中の数字は試薬反応槽に付した番号である。
図3(c)は 試薬反応槽の5番から緑色レーザにより測光している事が示される。
図6で示す接続点3dに表れる混合部314の出力は、図3(d)で示すような複合的な信号列となる。図中の符号R、G、Bは、赤色、緑色、青色をそれぞれ示し、番号は、試薬反応槽に付された番号を示している。
最初のに測定する試薬反応槽の吸光度は、パルス状の信号R1、G1、B1を信号列から所定のタイミングをとってピックアップしてこれを重ね合わせる等の電気的処理を施して得られる。
担体の回転が一定であるため、一定のタイミングで、R1を検出できることから、その他の試薬反応槽の赤色による受光データR2、R3も、一定のタイミングでピックアップができる。
緑色レーザ受光信号の場合は、例えば図1(b)の場合、最初から4番目の試薬反応槽であり、この最初の信号を基準に一定の時間間隔で、その他の試薬反応槽の緑色レーザに対する受光データを得ることができる。
青色レーザの受光信号の場合、例えば図1(b)の場合は、最初から7番目の試薬反応槽から始まり、この最初の信号を基準として一定の時間間隔で、データをピックアップすることで、その他の試薬反応槽の青色レーザに対する受光データを得ることができる。
この様に図6で示すCPU324は、図3(d)で示す1本の信号列を処理すればよく、図3(a)、(b)、(c)で示すように、パルス間隔は、試薬反応槽間の距離に対応することから一定で同一であるため、図3(d)において、個々の受光部から得られた最初のパルスを基準として、所定間隔毎のパルスをピックアップすれば、再び、図3(a)、(b)、(c)で示す分光光源毎の受光パルスを得ることが容易にできる。
尚、試薬反応槽の列に特異な受光パルスが得られる基準槽を設け、この基準槽を示す受光パルスを最初のパルスとしてもよい。
図3で示す信号列の処理は、一回転毎或いは数回転毎にデータをメモリ、ハート゛テ゛イスク等の記憶媒体に一時的に蓄えておき、処理に必要なタイミングで読み出してデータを処理しても良いし、逐次処理を行っても良い。
【実施例2】
【0048】
その他の実施例を図5に示して説明する。
図1が円盤状の担体であって、これを回転させて検体を混合、定量等の操作をし、成分計測するのに対し、図5は、計測装置と、担体を相対的に摺動させて計測する構成を示す。摺動は、左右に繰り返し行ってもよい。
担体210は、上述と同様、光透過性を有するポリアクリル、PET等で形成され、棒状、直方体状であり、読み取り装置側も、担体210の形状に合わせた形状及び駆動構成を有する。
219は、蓋部であり、透光性を有するものであって、担体210と粘着剤、接着剤、自己吸着能等により結合される。
215a〜215hは、試薬反応槽であり、内部に予め試薬が封入され、外部より血液等の検体が定量供給されると発色反応を行う。
220は遮光部であり、黒色の着色、シートが賦され、個々の試薬反応槽の底に位置する部分だけ透光用孔225a〜225hが形成されている。
221a〜221cは、電気接続線であり、例えば、図6の電気接続線326に相当する。
222a〜222cは、電気接続線であり、例えば図6の受光部312aと増幅部313aを電気的に接続する部分に相当する。
216a〜216cは、光源であり、例えば、RGBの個々の色の発光を行うレーザ、LED等である。
217a〜217cは、受光体であり、例えば、フォトトランジスタ、CDS等により構成される。
【0049】
本実施例は、担体210を、担体装着部224に置き、読取り装置蓋部223を閉じた状態を形成する。
最初の試薬反応槽215aを基準として、光源216aと、受光体217aが配置されると、光源216bと受光体217b及び光源216cと受光体217cは、それぞれ試薬反応槽の直下からずれた位置関係となり、図1(a)で示す状態と同じ様な状態となる。
担体210を一定の速度で摺動させることで、図3(d)で示す一本の信号列を形成可能とする。
一回の摺動で測定が可能な場合は、回転構成よりも、より構成が簡単になる場合がある。
【実施例3】
【0050】
本発明の他の実施例を図8等を参照して詳細に説明する。
図8において、
101は、光電変換手段であり、レーザ光源と、受光半導体の組み合わせ等よりなり、試薬類と検体とが混合発色した発色値を透過光、反射光を受光し、電気信号に変換する手段である。
102は、増幅手段であり、光電変換して得られた、電気信号から、雑音をろ波し、必要な周波数帯を増幅する為の、増幅回路、フィルタ等の組み合わせよりなる。
103は、A/D変換部であり、得られた電気信号をデイジタル処理するために、デジタル信号に変換するための回路であって、主にA/Dコンバータより構成される。
【0051】
104は、制御部であり、記憶部105、読出信号出力部106等その他の構成の出力信号を制御したりするものであって、CPU等で構成される。
105は、記憶部であり、主にRAM、DVD−R、RW、CD−R、RW、SDカード等記憶媒体で構成され、一時的に記憶する場合が多いことからRAMが好適である。
106は、読出信号出力部であり、クロック発振部、その他時間調整されたパルス出力部よりなり、前記記憶部に記憶されたデータを順次読み出すための信号出力部であるほか、基準部位であるかどうか判定する為の時間幅を設定する為に必要な信号である。
107aは、第1検出部であり、読み取り時間tnに対し、−β時間のタイミングの光学データをデジタル信号又は量子化信号的に検出する。
107bは、第2検出部であり、読み取り時間tnに対し、−α時間のタイミングの光学データを所定の時間幅のデジタル信号又は所定時間幅の量子化信号として検出する。
【0052】
107cは、第3検出部であり、読み取り時間tnに対し、+α時間のタイミングの光学データをデジタル信号又は量子化信号的に検出する。
107dは、第4検出部であり、読み取り時間tnに対し、+β時間のタイミングの光学データをデジタル信号又は量子化信号的に検出する。
108は、乗算部であり、前段の第1検出部107aから第4検出部107dで得られた信号に乗算を施すための部分であり、例えば、第1検出部107aから第4検出部107dで出力された信号がデジタル信号の場合は、ANDゲート等のロジックの組み合わせで良い場合もある。
109は、時間幅設定部であり、読出信号出力部106から出力された信号tnに対し+βから−βまでの時間幅信号を例えば図9(e)で示す様な波形を形成して出力するための部分である。
110は、判定部であり、前段の乗算部108で得られた乗算信号と、前段の時間幅設定部109とから、基準信号を判定し、判定信号を出力する為の部分である。
出力端10gに表れる判定部110の出力信号は、試薬反応槽の認識等に利用される。
以上の構成は、説明の為に形成したものであり、制御部104がこれら構成の全部又は一部を包含する場合もある。記憶部105は、光学計測と同時にリアルタイムで処理をする場合は、不要な場合もあり得る。
【0053】
本実施例では、基準部位を検出するための動作だけ説明する為、試薬反応槽が、10個以上円周上に等間隔に配列した状態の担体を例示するが、その一部を図9(a)に示した。
図9(a)は、担体の一部を示し、長方形状を示しているが、図1(a)で示す様なロータ形状を有している場合は、円弧状に形成され、試薬反応槽の列の一部として形成されている。
図9(b)は、図9(a)の断面を示している。図9(a)では、蓋部117を省略した状態で示した。
【0054】
図9(a)において、111a、111bは、試薬反応槽であり、ポリカーボネート等の基材116上に凹部を形成することで形成され、内部に試薬が収容されている。試薬反応槽は、外部からの検体供給用の流路、毛管等の供給路112a、112bと接続している。供給路は、検体又は試薬の種類、供給形態により不要とする場合もある。
113は、スリットであり、少なくとも非透光性部材より形成されている。スリット113の厚みは、特に限定されることなく、非透光部が形成されればよい。スリット113は、基材116と一体的に形成されてもよく、別途接合しても良い。
114は、空隙部であり、スリット113を挟んで、両側に同じ大きさだけ形成されている。空隙部114は、試薬反応槽111a、111bより一回りから二回り程度大きく設定されているほう計測上目立つ点で好ましいが、少なくとも、2つのパルスがスリットの距離をおいて検出される程度の大きさであれば良い。
【0055】
図9(a)では、スリット113及び空隙部114を併せて基準部115が形成されている。
図9(b)で示す117は、蓋部であり、基材116と同様の材料で形成され、全体的に透光性を有しているものであってもよい。蓋部117と、基材116の接合は、例えば、接着剤、粘着剤、自己吸着能により行われることが好ましい。
118は、非透光性部材であり、黒色又はそれに相当する配色がなされ、光を透過しないような部材である。非透光性部材118は、例えばシール状、薄板状で、粘着剤、接着剤、自己吸着能で接合されることが好ましい。
【0056】
次に図8で示した実施例の動作について図9を参照して詳細に説明する。
図9において、供給路112a、112bを介して、試薬反応槽111a、111bに供給された定量検体は、試薬反応槽に予め収容されていた試薬と混合し発色反応を生じさせる。反応が安定した時点で個々の試薬反応槽に対してレーザ光、その他可視光等を照射する。試薬反応槽内の反応液を反射又は透過た光信号は、図8で示す光電変換手段101に受光される。光電変換手段101は、受信した光信号を、電気信号に変換した後、増幅手段102で増幅及びろ波し、増幅及びろ波された信号をA/D変換部103へ供給する。図8の接続点10aに出力される信号は例えば図9(c)で示すような出力となる。
図8で示すA/D変換部103は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換した後、このデジタル信号を、記憶部105に出力する。
記憶部105は、図9(a)で示す試薬反応槽列の軌道を一巡したデータを一時的に又は継続的に記録する。
制御部104は、読出信号出力部106に読出信号の出力を開始させる。
【0057】
制御部104は、読出信号出力部106から出力された時間信号tnに対し、±α、±β時間経過時のデジタルデータをそれぞれの検出部107a〜107dで検出させる様な制御を行う。
時間信号tnは、クロックに従って連続して出力されるものであり、第1検出部107aは、時間信号tn−β時のデジタル受光波形を検出し、第2検出部107bは、時間信号tn−α時のデジタル受光波形を検出し、第3検出部107cは、時間信号tn+α時のデジタル受光波形を検出し、第4検出部107dは、時間信号tn+β時のデジタル受光波形を検出する。
受光した波形は、デジタルデータであって、これを一度量子化したものを図9(d)に示す。個々の検出部は、量子化まで復元する必要は必ずしも無く、乗算部で乗算可能な信号であって、その信号が、雑音ではなく、実際の受光信号であれば、符号信号であっても良い。
【0058】
例えば、個々の検出部は、図8で示す記憶部105から出力されたデジタル値を換算し、所定の閾値を越えた場合、受光信号であるとして、パルスを出力しても良い。
図9(c)の時間軸で示すtn1、tn2、tn3は、説明上、サンプル的に付したもので、実際の時間tnは、時間軸方向に、経時的に連続して移動し、その移動に併せて±α、±βの時間毎に検出部は、記憶部に記憶された受光信号を検出する。
例えば、図8で示す読出信号出力部106が時間tn1信号を記憶部105に出力すると、 図8で示す第1検出部107aは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の120aの時間の受光信号値を検出し、図8の接続点10bに図9(d)で示す出力を行う。図8でしめす第1検出部107bは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の120bの時間の受光信号値を検出し、図8の接続点10cに図9(d)で示す出力を行う。図8で示す第1検出部107cは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の120cの時間の受光信号値を検出し、図8の接続点10dに図9(d)で示す出力を行う。図8で示す第1検出部107dは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の120dの時間の受光信号値を検出し、図8の接続点10eに図9(d)で示す出力を行う。
【0059】
この4つの信号は、図8で示す乗算部108に入力され、乗算部108は論理乗算を行う。図9(c)の最初に到来する受光パルスの場合、図8で示す第3検出部107cと第4検出部107dの出力が0であることから、乗算部108の出力は、0となる。
時間幅設定部109は、読出信号検出部106の出力信号から、図9(c)で示すようなtn±βをパルス幅とする時間幅信号を図8で示す接続点10fを介して判定部110に出力する。
【0060】
判定部110は、時間幅設定部109からの時間幅信号に基づいて乗算部108からの出力の有無を調べるが、時間tn1の場合の乗算部108の出力が0であるため、判定部110は、これが基準部でないことを判定し、その旨の信号を出力端10gへ出力する。
次に図8で示す読出信号出力部106から順次出力された時間信号の内tn2の時、第1検出部107aは、記憶部105から読み出された受光信号の内121aで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10bに出力する。
第1検出部107bは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の121bで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10cに出力する
第1検出部107cは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の121cで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10dに出力する。 第1検出部107dは、記憶部105から読み出された受光信号の内図9(c)の121dで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す端子10eに出力する。
接続点10b〜10eで示された出力信号は、乗算部108に入力され、乗算されるが、この時全てが1に相当するので、出力は1となる。
乗算部108の出力1が判定部に入力されると、判定部110は、時間幅設定部109から入力された時間幅信号からtn2を検出し、図9(f)で示すように、その位置に基準位置である旨のパルスを出力する。
【0061】
次に、図8で示す読出信号出力部106から出力する時間信号tnの内、図9(c)で示す時間tn3の場合、図8で示す第1検出部107aは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の122aで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10bに出力する。
第1検出部107bは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の122bで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10cに出力する
第1検出部107cは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の122cで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10dに出力する。
第1検出部107dは、記憶部105から読み出された受光信号の内、図9(c)の122dで示す時間位置の受光信号を検出し、図8で示す接続点10eに出力する。
接続点10b〜10eで示された出力信号は、乗算部108に入力され、乗算されるが、この時、図9(d)で示すように第1検出部107aと、第2検出部107bの出力が0であるため、図8で示す乗算部108は、乗算の結果0となる信号を出力する。
判定部110は、乗算部108から入力した信号が、所定時間幅で0であるため、判定部は、基準部で無い旨の信号を図9(f)で示すように出力する。
以上の説明の様に、基準部位を演算的に検出することから、正確な基準部位を電気的に確認できる。
【実施例4】
【0062】
本発明における試薬反応槽を通過した通過光から成分計測をする際、有効な計測地点を得る為の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本発明の一実施例を示すブロック図である。
1301は、増幅手段であって、光電変換された生化学信号を入力端1aから入力し、増幅、ろ波する手段である。
1302は、微分手段であり、増幅された生化学信号を微分する手段である。
微分手段1302の出力端は、少なくとも2つ設けられ、一つは、測定領域を決定するための手段と接続され、もう一つは、平均化手段により、加算平均、積分復元等がされる手段と接続される。
【0063】
1303は、全波整流手段であり、微分信号のピークを+−いずれかの極性とするための回路である。
1304は、測定領域検出手段であり、測定幅決定手段1306で決定された測定幅を示す信号を入力し、当該測定幅に基づいた、測定領域を検出し、出力する為のものである。
1305は、ピーク検出手段であり、入力する信号のピーク値を検出するものであって、シュミットトリガ回路のようなある一定の閾値を超えた分をピークパルスとして検出するような回路であってもよい。
1306は、測定幅決定手段であり、前段のピーク検出手段1305から入力されてくるピークパルスのパルス幅、パルス間隔から、測定領域を検出するものであっても良い。
尚、気泡等の異物の混入によるピークの発生を検出するため、所定の高さの閾値を更に設定しても良い。
【0064】
1307は、平均化手段であり、測定領域検出手段1304から出力した微分信号を加算平均化した信号として出力する手段である。
尚、平均化手段1307は、その他、積分信号に変換する平均化手段であっても良い。
【0065】
また当該分析回路と接続される担体の構成の一例を、図11(a)に示す。図11(a)は、図4と同一の部位についての他の一構成例を示すものでもある。
401は、担体であり、PET、ポリアクリル等の透光性プラスチック材、ガラス材等よりなり、1乃至複数の試薬槽が形成された円盤状、シート状を有する。
402は、蓋部であり、例えば担体と同一材よりなり、接着剤、粘着材、自己吸着性により、担体と接合する。
403は、吸光部材であり、黒色、あるいは黒色に近い灰色のシートで形成され、試薬反応槽405の直下は、円状の貫通孔よりなる測定窓404が形成されている。
【0066】
吸光部材403は、少なくとも、試薬反応槽405の直下近傍に配置されていればよい。404は、測定窓であり、測定窓404の面積は、例えば、試薬反応槽405の測定面積より多少小さい面積のものが好適である。これは、試薬反応槽405の測定面の面積と同じ面積にすると、試薬反応槽の側面に漏れた光が受光素子に、到達する場合があるからである。
405は、試薬反応槽であり、内部に固形、液状の試薬が予め封入された状態でおかれ、供給流路等、外部から供給された体液と接触反応し発色する部分である。
406は、光源であり、レーザ光源、LED、UV光源等よりなる。407は、第1レンズ体であり、通常のレンズ、球状で形成され、主に、試薬反応槽405内で、集光するような配置形状を有する他、平行光線を形成する様な形状、配置がされている。
408は、第2レンズ体であり、拡散した光線を、集光させたり、平行化させたりして、受光素子409の受光に適した光線に変換するためのものである。
第1レンズ体407、第2レンズ体408は、光源406,受光素子409の性能、形状に応じ、その一方又は両方が不要な場合もある。
【0067】
409は、受光素子であり、光信号を電気信号に変換するものであって、CDS、フォトトランジスタ、ダイオード等の半導体によりなる。
410は、供給流路口であり、試薬反応槽405に液状の検体を好ましくは定量的に供給するための流路との接続部である。
411は、光源用電気リード線であり、光源406を駆動するための電気エネルギーを供給するための供給路である。
412は、受光側電気リード線であり、受光素子で、光電変換された信号を図10の入力端1aに供給するためのものである。
担体401は、例えば、図15で示すような円盤状の担体の外周に等間隔で配列されても良い。
【0068】
次に、図10、図11(a)で示す実施例の動作を図12を参照して詳細に説明する。
図11(a)で示す担体401は、回転体であり、定量検体が、供給用流路410から、試薬反応槽405に供給され、撹拌混合動作後、発色しながら例えば600rpm位の速度で回転している。 試薬反応槽405が光源406の直下に来たとき、光源406から出力された測定光は、第1レンズ体407を通過して、測定窓404から、担体401、試薬反応槽405、蓋部402を通過して、第2レンズ体408で、受光素子409用に、平行光、集光光化されて、受光素子409に受光される。413は、光路の一例を示す。
受光素子409は、光電変換した信号を、受光用電気リード線412を介して図10で示す入力端1aに入力する。
図10において、
この入力端に入力された電気信号は、増幅手段1301で、増幅及びろ波され、接続点1bに図12(a)で示す信号として、微分手段1302に入力される。
図12(a)で示す31aは、試薬反応槽内に、気泡が介在した場合に生じるピークの一例である。
微分手段1302は、図12(b)で示す微分信号を出力し、この微分信号は図10で示す全波整流手段1303及び測定領域検出手段1304に入力される。
【0069】
全波整流手段1303で、微分信号は、全波整流された後、図12(c)で示す全波整流信号として接続点1dを介して、ピーク検出手段1305に供給される。
ピーク検出手段1305は、閾値REF1を設定し、これを越えた部分を図12(d)で示すような一定振幅のパルスに変換して、図10で示す接続点1eを介して測定幅決定手段1306に出力する。
測定幅決定手段1306は、このパルスの内最初のパルスの立ち下がりから、次のパルスの立ち上がりを、測定分析上安定した領域幅として図12(e)で示すパルスを接続点1fに出力する。
尚、この測定領域幅を決定する際、パルスの立ち下がりからパルスの立ち上がりまでの検出の範囲は、担体の回転数と、試薬反応槽の所定のタイミングに基づいて決定される仮の範囲を予め算出してその範囲に含まれる場合であることが好ましい。
【0070】
測定領域検出手段1304は、図12(e)で示す測定幅決定手段で得られた測定幅パルス間で、微分手段の出力を通過させ、平均化手段1307にその通過分を入力させる。
平均化手段1307は、この通過分を積分、加算平均等して、図12(f)で示すような、真の測定領域(31b、31c)を出力端1gに出力する。
【0071】
図11(b)は、取り扱い上、光路に該当する部位を保護し、光学的計測状態をより改良した実施例を示す。
図11(b)中、図11(a)と同一の構成については、同一の番号を付して説明を省略する。
414は、担体401の底面であって、試薬反応槽405の直下に相当する部位に形成された凹部である。凹部414の面積は、少なくとも光源406、第1レンズ体407を介して通過する光の幅に相当する事が好ましい。
凹部414の高さは、凹部414が、担体401を利用者が取り扱う際、指紋の付着を阻止する程度であれば良く、その範囲で適宜選択されるが、例えば0.5mm乃至1mm程度が例示される。
415は、遮光印刷面であり、スクリーン印刷手法等により形成されている。
遮光印刷面415は、黒色印刷の他、少なくとも光を透過させない濃度を持った他の色であってもよい。
416は、接着テープであり、片面に粘着剤が形成された透明テープ、両面接着テープであって、片面のみ粘着剤が露出した透光性テープによって形成されている。
417は、嵌合蓋であり、担体401と同じ部材よりなり、厚みが1mm程度で 透光性を有していてもいなくても良い。
418は、孔部であり、試薬反応槽405を通過した光を通過させるに十分な面積を有する程度の貫通孔によって形成されている。
419は、嵌合用孔であり、担体401に形成され、下方部の直径が上方部よりもやや大きく形成することで嵌合部が抜けにくいように成している。尚、成型で作る場合は、貫通穴とする場合もある。
420は、嵌合突起であり、嵌合蓋415に一体的に形成されており、先端部は、横に収縮可能な嵌合先端部421を形成している。
【0072】
図11(b)で示す実施例は、担体401上に接着テープ416を貼り付け、更にその上から、嵌合蓋417を覆い、担体401上の嵌合用孔419に嵌合突起420を挿入して、嵌合先端部421が、嵌合用孔419の先端部で、外側方向に開くことで、嵌合蓋417と、担体401は、機械的に結合する。
試薬反応槽405の上下方向であって、光路に相当する部分は、凹部414及び孔部418によって、利用者の指先が、光学的通路面に触れることが無く、汚れや指紋による透過光の損失は低減される。
光源406から出力した光は、第1レンズ体407で集光されて、凹部414から、試薬反応槽405を通過して、孔部418、第2レンズ体408を介して受光素子409に受光される。第2レンズ体は必要とされるものではなく、なくても良い場合がある。
遮光印刷面415は、薄膜でありながら、光を通過させないため、透過光に乱反射光等の混入を防ぐことができる。
【0073】
次に他の実施例を図13に示し説明する。
図13は、図10で示した構成に更に、試薬反応槽での反応結果が濃すぎることから、光の透過が不十分となり電気信号の振幅も小さくなる場合等、受光量が少ない時でも、光学的情報の検出を可能とするための構成を付加した実施例である。
1327は、ピーク間隔検出手段であり、前段のピーク検出手段1305から出力されるピーク信号の間隔時間を検出する為の手段である。
1328は、比較手段であり、前記ピーク間隔検出手段1327で出力されたピーク間隔信号に対し、予め設定された間隔信号とを比較し、おおよそ一致しない場合、不一致信号を出力する。
1306は、測定幅決定手段であり、図10で説明した機能の他、比較回路1328からの出力信号において、ピーク間隔検出手段1327から出力したピーク間隔信号が、予め設定された間隔信号より長い場合の不一致信号のとき、その長さを予め設定された間隔信号で除した値を−1した値n(但しn≧1)だけ、予め設定されたピーク間隔と予め設定した測定幅の信号を組み合わせて出力するものである。
これらの動作は、ワンチップマイコン等の制御素子によって実現可能としても良い。
【0074】
次に図13の動作を図14を用いて詳細に説明する。
図13で示す増幅手段1301に入力された透過光信号は、増幅ろ波されて、図14(a)で示す信号を出力する。
30a、30bは、反応槽内部を透過せず周辺を透過してきて生じた透過光であり雑音である。
30cは、試薬反応槽内部に生じた気泡によって生じた雑音である。
増幅手段1301から出力された信号は、微分手段で微分され、接続点1cには、図14(b)でしめす微分波形が出力される。
その後全波整流手段1303で全波整流され、接続点1dに図14(c)で示すような波形が出力される。
図13で示すピーク検出手段1305は、図14で示す閾値REF2より越えた部分でパルスを出力する。
図13で示すピーク間隔検出手段1327は、このパルスを記憶し、次のピークが入力された時、例えばパルスの立ち上がりを基準として、図14で示すピーク間隔l1を検出し、図13で示す比較手段1328に出力する。
図13で示す比較手段1328は、図14で示すピーク間隔l1と予め予測される試薬反応槽の間隔l2とを比較し、n=l1/l2-1が、0≦n<1の場合は、正しい試薬反応槽間隔であるとし、1以上の場合、試薬反応槽に未検出部分があるとする信号を出力する。
【0075】
測定幅決定手段1306は、比較手段1328から出力された信号を入力し、nの値の数だけ、予め設定された間隔l2毎に、予め設定された幅l3を出力する。
図14で示す場合は、n=1であるため、予め設定された間隔l2後に予め担体の移動速度と、試薬反応槽の測定面の直径から得られる所定の時間幅l3を測定幅とした信号を出力する(図14(f))。
例えばnが2の場合は、所定の時間間隔l2後、測定領域l3を設定し、その後、更に所定時間間隔l2後、測定領域l3を設定する。
測定領域検出手段1304は、この予め設定された時間幅l3の間隔だけ、微分信号を通過させ、平均化手段1307で、その他の部位よりはより感度を上げた平均化を行う。
図14に、測定範囲となる部分を点線の四角形で示した。 以上の操作により、たとえ、試薬反応槽の反応濃度が大きく、透過光が得られない場合でも、安定した濃度測定範囲が実現できる。
【実施例5】
【0076】
次に試薬反応槽に光を照射する際、散乱光等により生じる雑音を除去する為の実施例を図15、図16を参照して詳細に説明する。図15のX−X’断面が図16である。
401は、担体であり、PET、ポリアクリル等の透光性プラスチック材、ガラス材等よりなり、1乃至複数の試薬槽が形成された円盤状、シート状を有する。
402は、蓋部であり、例えば担体と同一材よりなり、接着剤、粘着材、自己吸着性により、担体と接合する。
403は、吸光部材であり、黒色、あるいは黒色に近い灰色のシートで形成され、試薬反応槽405の直下は、円状の貫通孔よりなる測定窓404が形成されている。
405は、試薬反応槽であり、担体401に円柱状として形成されている。
410は、供給流路であり、担体401上に凹状の形成され、検体を定量分外部から供給するためのものである。
422は、分配流路であり、個々の試薬反応槽に検体を供給するためのものである。
【0077】
図16で示す試薬反応槽の、底面30gの直径は約1.5mmであるのに対し、測定窓は404の直径30fは、約1mmである。
この様な状態で、上述した試薬反応槽への下からの測定光の透過の際、図14(a)で示すひげ30a、30bが生じず、安定した波形が得られるのである。
【実施例6】
【0078】
次に、回路、担体の形状、加工状態によって生じる不要な信号を除去する為の本発明の他の実施例につき図17以降用いて詳細に説明する。
501は、光電変換手段であり、レーザ、LED光源と、受光素子の組み合わせにより、試薬反応槽を透過した透過光を電気信号に変換して出力するためのものである。
502は、増幅手段であり、例えば、入力された光電変換信号をアナログ的に増幅し、ろ波して出力するためのものである。
503は、オフセット値補正手段であり、試薬反応槽を透過した透過光に係る信号に対し、入力されるオフセット信号等を除する等の演算をして、校正された信号を接続点5cに出力する手段である。
校正のための演算は、例えば、一度デジタル信号にした後、演算する手法や、アナログ演算的な手法が示されるが、装置の大きさ、スピード等に応じて適宜選択される。
504は、オフセット値決定手段であり、担体の校正領域から得られる受光信号を弁別的に選択して、オフセット信号を形成し、オフセット値補正手段503に出力するためのものである。
505は、タイミング信号形成手段であり、担体と計測部が相対的に移動している状態に同期し、計測部と試薬反応槽が一致するタイミングを検出して、一致信号を出力するためのものである。
【0079】
506は、基準データ形成手段であり、例えば、希釈液、純水等が入った試薬反応槽に対し、透過光による光学的測定を行った結果を一次的記憶する手段である。
尚、同様の計測を複数回行って加算平均した値を記憶する事が好ましい場合もある。
その他、血漿のみの光学的計測結果の値等を記憶する場合もある。
この様な記憶は、OD値として記憶し、その数値をOD=0の基準値とする.
507は、校正手段であり、各反応槽の光学的測定結果から上記記憶値を減ずることによって補正がなされる。 尚、校正は、補正、修正等の意味を含むものである。
尚、タイミング信号は、担体の基準部を検出した後、回転速度と、試薬反応槽の一定の配置角度から予測的に発振させるものであっても良いが、光電変換手段501から得られる信号の振幅値等から試薬反応槽の位置を検出していき、途中発色濃度が高く抜ける場合は、検出された試薬反応槽の位置信号を予め決定されている試薬反応槽の口径と、配置距離(角度)に基づいて、予測的に得るものであってもよい。
又、増幅手段より後段をデジタル処理の為の手段とする場合は、A/D変換器等を新たに追加し、プログラムを記憶した一つのマイコンにより実行しても良い場合もある。
【0080】
担体の一例を図19に示す。図19は、説明上、必要と思われる部分だけ示しており、その他、血液と希釈液が混合する部分、定量化する部分、血液投入口等は省略した。
担体500は、ポリアクリル、PET等の透光性部材で形成され、
50aは、赤色受光体であり、50bは、赤色光源である。51aは、緑色受光体であり、51bは、緑色光源である。52aは青色受光体であり、52bは、青色光源である。
光源は、レーザ、LED等が例示され、受光体としては、CDs、フォトトランジスタ等が例示される。
53a〜53hは試薬反応槽の一部であり、例えば直径1mmくらいの円筒状体のものが、等間隔で配列されている。個々の試薬反応槽には、それぞれ異なる試薬が液状又は固形状で封入されている。
尚、これらの試薬反応槽は、一部であり、その他にも、光学的軌道上には、他の試薬を封入した同じ大きさの試薬反応槽が、等間隔に配置されている。
54は、校正や修正のために設けられた校正領域を示す。
校正領域54において、 54a、54bは、校正用媒体収容部であり、例えば希釈液のみ、血漿のみ、純水、空の状態の試薬反応槽が設けられている。これら校正用媒体収容部は、2つ示しているが、必要な校正情報の数だけ増やしても良い。校正用媒体収容部も、一例であり、その他の校正媒体を収容したものが、等間隔に配列されている場合もある。
【0081】
54cは、黒色領域であり、試薬反応槽と同程度以上の面積の黒色が付されている。
54dは,基準領域であり、上下貫通した孔部であって、直径方向にスリットが施されている。基準領域54dは、試薬反応槽内の計測の為の出発点、終了点、位置の認識点等様々な基準となる部位であるとともに、貫通光である点を利用し、光源と受光体間の最大受光光量を計測する為の、基準値を得るものであっても良い。
55aは、分配用の流路であり、55bは、定量性を有する供給用流路である。
56は、読み取り装置と結合するための例えば2つのチャッキング用孔を示すものである。57は、体液供給口であり、外部より体液を供給する為にもちいられる孔部である。
当該体液供給口57への体液の供給は、マイクロピペット、スポイト等の簡易な注入具を利用して行われることが好ましい。
体液供給口57から、各種試薬反応槽迄の構成は、体液と希釈液との混合、体液から不要な血球を分離する部位等が形成されているが、この部分は省略した。
【0082】
回転体である担体500に体液が中央の血液投入口から供給され、血球等の不要な成分が遠心分離除去されると共に、希釈液との混合が行われ、各試薬反応槽へ、定量的に希釈混合血漿液が供給され混合される。これらの行為は、回転と毛管力によって行われる事が好ましい。
定量的な混合体液が各試薬反応槽53a〜53hその他、希釈液、計測のための体液が必要な校正領域54のいずれかに分配流路55a、供給用流路55bを介して供給され、試薬反応槽内の液状、粒子状の試薬と混合し、発色反応を生じさせる。
担体500は、回転し、各光源と受光体との間を、試薬反応槽、校正媒体収容部、基準部が移動していく状態が形成される。
図18(a)は、図19におけるX−X’の断面図である。図18(a)は、実際担体500を読み取り装置内に装着した状態であって、試薬反応槽53aの上下方向に受光体50a及び光源50bが到達した状態の配置を示しており、例えば図4と同様の構成を示す。
図18(a)において、501aは、読み取り装置上部であり、受光体50aが装着されている。受光体50aには、外部へ電気信号を送信するための電気リード線50cが接続されている。501bは、読み取り装置下部であり、受光体50aの直下に相当する部分に光源50bが配置されている。
光源50bには電気エネルギーを供給するための電気リード線50dが接続されている。
試薬反応槽53a内には、血漿成分と試薬の混合溶液501cが充填されている。
担体500は、各種流路を試薬反応槽を凹部で形成し、蓋部500bを、接着剤、粘着剤、自己吸着能により接続する。
また、透過光を効率よく得るため、試薬反応槽を通過する光路以外には、吸光部材500cが塗布、接続されている。
図18(b)は、担体500が更に回転し、校正媒体収容部54aが、赤色の光源50bと、赤色受光体50aの間に置かれた状態を示す。内部には希釈液52aが入っている。尚、予め注入しておいた状態であるため、供給流路等は接続されていないが、血液を供給し、希釈液を展開する際、校正媒体収容部54aに希釈液のみを供給しても良い。
図18(c)は、黒色領域54cが、赤色の光源50bと、赤色受光体50aの間に置かれた状態を示す。
黒色領域54cは、試薬反応槽を持つ必要は必ずしもなく、図18(c)で示すように、担体500の底部に吸光部材500cを配置したものとすることが好ましい。
【0083】
次に上述した構成を具えた実施例の動作を説明する。
図19で示す担体500上の試薬が含まれた試薬反応槽に血漿成分が供給用流路を介して定量供給される。
定量検体は、試薬反応槽内で回転の変化等で撹拌され、試薬と反応する。
発色測定が可能なタイミングにおいて、担体500を600rpm前後の回転数で回転させ、担体500上の基準領域54dが、赤色の光源50bと赤色受光体50aの光路上、緑色光源51bと緑色受光体51aの光路上及び青色光源52bと青色受光体52aの光路上を通過した際、それぞれ受光計測を行う。図21は、3つの受光ユニットのうちの一つの受光波形を示す。
図21において510Sは、図19で示す基準領域54dを受光した時の波形であって、中央のスリットにより2双状の信号を示している。
基準信号510Sは、図17で示す光電変換手段501で電気信号に変換された後、タイミング信号形成手段505に入力される。図17の接続点5aには、例えば、図20で示す様な信号列が出力される。尚、図20の信号列は、図19で示す赤色の光源50bと赤色受光体50aの組み合わせ、緑色光源51bと緑色受光体51aの組み合わせ、青色光源52bと青色受光体52aの組み合わせのうち、一つの組み合わせから得られた電気信号列を示している。Voffがオフセット電圧であり、素子の特性等から生じる電圧である。
タイミング信号形成手段505は、図21(a)で示す510Sを基準に、例えば(b)で示すような自走パルス出力を接続点5bに行う。
このパルス間隔は、等間隔に配列された試薬反応槽の距離に相当し、パルス幅は、試薬反応槽に代表される光路中の面積に相当している。
【0084】
図21(a)は、510Sを基準部位として、一定時間間隔で、試薬反応槽511a〜511eを計測していった場合の出力信号列である。図21(a)で示す信号列の内511a〜511eは、実際試薬が入った試薬反応槽内で発色した状態を透過した透過光を受光して、光電変換後の信号列である。
更に図19で示す黒色領域54cに光源と受光体のユニットが到達すると、図20で示すオフセット電圧Voff信号のみを受光する。
このオフセット電圧は、例えば、受光体として構成されるフォトトランジスタ、増幅回路、等電子回路固有の電圧であり、その他、電気回路上で生じる電圧を示す。
図17において光電変換手段511は、黒色領域を受光して電気信号に変換した後、増幅手段502で増幅、ろ波する。増幅手段502の出力信号は、図21の512a、512b、512cに示す。
これらの出力信号電圧値は、オフセット値決定手段504で 加算平均され、一つのオフセット電圧値として、一時的に記憶又は設定される。
次に図19で示す試薬反応槽53aが、図17で示す光電変換手段501(例えば、図19の光源50b、受光素子50a間)を通過する際、受光素子50aで得られる発色反応データが増幅手段502で増幅等がされて、オフセット値補正手段503に入力される。
オフセット値補正手段503は、この増幅等された発色反応データに対しオフセット値決定手段504から入力されたオフセット電圧Voffを減じることで、より誤差の小さいデータ(例えば図21で示すV511)が得られ、接続点5cに出力されると共に、補正手段507及び基準データ形成手段506に出力される。
尚、個々の原色に係る受光体毎に、オフセット電圧値を得る必要はなく、各受光体出力電圧の総和を記憶すればよい場合もある。
【0085】
図17において、基準データ形成手段506は、タイミング信号形成手段505からのタイミング信号により、水、希釈液のみ充填された試薬反応槽が、光電変換手段501を通過して、オフセット値補正手段503で校正された校正データとして接続点5cに出力されたことを検出し、その値を一時的に記憶する(例えば図21で示す513a〜513cの全部)。
更に1回転毎に又は、隣接したその希釈液のみの光学的データを記憶し、加算平均して、担体で生じる反射、散乱光による減衰データを記憶する、その際加算平均後OD値(例えば図21で示すVt)に変換して、記憶する事が好ましい。
又、図17で示す基準データ形成手段506は、図19で示す基準領域54dから、貫通光の光学的データOD値を上述と同様に記憶して、基準記憶OD値(例えば図21で示すVmaxに係る値)を得る。
OD値は、例えば、log10(Vin/Vout)で示される。
貫通光に関する光学的データ(図21で示す510S)(OD値Vmax)に対し、希釈液のみの光学的データ(OD値Vt)を引くことで、担体減衰OD値Vg(Vmax−Vt)が得られこれを一時的に記憶する。
図19で示す試薬反応槽53aの透過光に係る図21で示す受光信号V511が図17で示す光電変換手段501及びオフセット値補正手段503を介して、補正手段507に入力された時、基準データ形成手段506は、図21で示す担体減衰データVgを、図17で示す補正手段507へ出力する。
補正手段507は、試薬に関する光学的データをOD値化し、図21で示す担体減衰データVgを加算することで、担体の損失によって生じている値V511+Vgを補いより真の発色データを得ることが可能となる。
【0086】
尚、希釈液データだけでなく、試薬を含まない反応槽に充填された検体だけのデータ(例えば血漿のみ)の光学的データをOD値化して基準データ(担体減衰値Vgを加算する)とし、演算することで、より正確な発色反応値を得ることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、より簡易で、迅速な信号処理を施すことができる装置を可能とするため、生活習慣病等、より生活に身近なところで、患者或いは健常者が、容易に自らの診断ができる装置を実現し、現代社会で問題になっている生活習慣病の診断の普及を可能とする。
【0088】
又、本発明は、例えば体液の多項目にわたる成分を自動的に計測する際、基準となる部位を正確に認識できる構成を提案できることから、様々な複数成分を計測する場合であっても、電気的処理が正確にでき、小型で簡易で在宅用可能な体液成分の自動計測用の装置の実現化に大きく貢献する。
【0089】
又、本発明は、複数の生体成分を一枚の担体上で測定する場合、光学測定を簡易に安定的に行えることから、自動化した体液成分測定装置を小型簡素化可能であり、より身近なところで、生活習慣病等の各種疾病の傾向を測定できる装置を可能とする。
【0090】
又、本発明は、血液検査、感染検査等の生化学分析装置において、信号のドリフト、その他の誤差を解消しより正確な生化学情報を迅速に得ることができることから、よりスピーデイな生化学分析装置が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の動作を説明するための波形を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の動作を説明するための波形を示す図である。
【図4】本発明の一実施例を説明する為の図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の動作を説明するための回路図である。
【図7】本発明の全体の一例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例の動作を説明するための波形を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す図である。
【図12】本発明の図10で示す実施例の動作を説明するための波形を示す図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す図である。
【図14】本発明の図14で示す実施例の動作を説明するための波形を示す図である。
【図15】本発明の他の実施例を説明するための図。
【図16】本発明の他の実施例を説明するための図。
【図17】本発明の他の実施例を示す図。
【図18】本発明の他の実施例を説明するための図。
【図19】本発明の他の実施例を説明するための図。
【図20】本発明の他の実施例を説明するための図。
【図21】本発明の他の実施例を説明するための図。
【符号の説明】
【0092】
10 担体
11 接合用孔
12 操作部
13 検体供給部
14 分配流路
15a〜15h 試薬反応槽
16a〜16c (R、G、B)光源
17a〜17c 受光体
18 供給流路
101 光電変換手段
102 増幅手段
103 A/D変換部
104 制御部
105 記憶部
106 読出信号出力部
107a〜107d 第1検出部〜第4検出部
108 乗算部
109 時間幅設定部
110 判定部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記生化学的反応を読み取る為の複数の読み取り部、及び前記担体と前記読み取り部とは互いに可動状態を有し、前記担体上の反応部位間の間隔と前記複数の読み取り部間の間隔が異なるように配置された生化学分析装置。
【請求項2】
前記読み取り部間の間隔は、前記担体上の反応部位間の間隔の整数倍した間隔と異なる請求項1に記載の生化学分析装置。
【請求項3】
前記反応部位が、血液、尿等の体液を成分に応じて発色反応させる部位である請求項1に記載の生化学分析装置。
【請求項4】
前記担体は円盤状であって、前記反応部位が外周に等間隔に配置されている請求項1に記載の生化学分析装置。
【請求項5】
生化学的反応を示す反応部位を複数有する担体、前記担体の複数の反応部位から生化学的反応情報を得る為の生化学反応情報取得手段、所定の時間において前記生化学反応情報取得手段から得られた生化学反応情報を検出する検出手段、前記検出手段で得られた情報を所定時間、所定数だけ演算する演算手段、前記演算手段から出力された信号から基準となる部位を判定する判定手段よりなる生化学分析装置。
【請求項6】
前記生化学反応情報取得手段で得られた情報を一時的に記憶する記憶部を具え、基準となる部位を判定する際、前記記憶部から、データを読み取り判定する請求項5に記載の生化学分析装置。
【請求項7】
前記反応部位は、軌道を有した状態で配列され、その一部にスリットを含む、非吸光性領域を基準領域とする請求項5に記載の生化学分析装置。
【請求項8】
前記所定の時間が、中心時間に対し、先後所定の時間である請求項5に記載の生化学分析装置。
【請求項9】
前記読み取られた情報が、試薬と体液の発色反応に係る電気信号である請求項5に記載の生化学分析装置。
【請求項10】
生化学的信号を変化量を示す信号に変換する変化量変換手段、前記変化量変換手段で得られた信号から測定範囲を決定する測定範囲決定手段を有する生化学分析装置。
【請求項11】
前記変化量を示す信号が微分信号である請求項10に記載の生化学分析装置。
【請求項12】
前記測定範囲が、前記変化量を示す信号のピーク間である請求項10に記載の生化学分析手段。
【請求項13】
前記生化学的信号が、試薬と検体の発色反応を行う試薬反応槽を等間隔で、複数配列した担体であって、試薬反応槽に、外部から測定光を照射し、反射乃至透過した光を計測して生化学成分を計測する請求項10に記載の生化学分析装置。
【請求項14】
複数の試薬反応槽が同一軌道上に配列された担体、前記試薬反応槽に対し光学的に成分計測する計測ユニットを具え、前記計測ユニットと担体が相対的に移動することで、個々の前記試薬反応槽内の成分を計測する生化学分析装置である請求項10に記載の生化学分析装置。
【請求項15】
試薬反応槽の部位を検出する試薬反応槽検出手段、前記試薬反応槽検出手段で検出された部位の間隔が、所定以上の間隔である場合、前記間隔を予測間隔で除した値−1が1以上の場合、所定間隔を試薬反応槽の部位と決定する試薬反応槽部位決定手段を更に有する請求項14に記載の生化学分析装置。
【請求項16】
試薬反応槽を具えた透光性部材からなる担体、検体を供給した前記試薬反応槽に対し外部から測定光を照射し、試薬反応槽を介して得られた光を受光して検体成分を測定する生化学分析装置において、前記試薬反応槽に対する測定光を照射する照射面方向に、測定窓を設けた光を吸収する膜、印刷面、塗装面等の吸光部材を配置し、前記測定窓の面積が前記試薬反応槽の測定光照射面の面積より小さい生化学分析装置。
【請求項17】
前記測定窓の面積は、試薬反応槽の照射面の面積より小さくして上記反応層の中心部分のみを測定光が通過するようにした請求項16に記載の生化学分析装置。
【請求項18】
前記測定窓が凹状に形成されている請求項16に記載の生化学分析装置。
【請求項19】
複数の試薬反応槽を具えた透光性部材からなる担体、検体を供給した前記試薬反応槽に対し外部から相対的移動によって測定光を照射し、測定光の軌道上に配列した試薬反応槽を介して得られた光を受光して検体成分を測定する生化学分析装置において、前記担体に透過計測のための基準部位を設ける生化学分析装置。
【請求項20】
前記基準部位が、黒色面、貫通孔、基準液体槽、空の試薬反応槽、希釈液槽、測定検体(血漿等)のみ、封入された槽の何れか1又は複数である請求項19に記載の生化学分析装置。
【請求項21】
前記基準部位が黒色であって、前記黒色の際の受光信号に基づいて、オフセット校正を行う校正手段を更に設ける請求項19に記載の生化学分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−10319(P2007−10319A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187592(P2005−187592)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000126757)株式会社アドバンス (60)
【Fターム(参考)】