説明

生地仕上げ用の酢酸ビニル/エチレン(VAE)コポリマー

(a)酢酸ビニルエチレンエマルジョン、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05〜65重量%を含む、水性仕上げ液を調製するステップと、(b)織物に仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるようにこの液を織物に取り込むステップと、(c)湿潤状態の織物を、仕上げ樹脂が織物の繊維と相互結合するように制御される条件下、昇温して加工するステップとを含み、この仕上げ樹脂は、0.05〜65重量%のレベルで織物の繊維の表面に相互結合し、かつこの織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させる、織物を仕上げる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年4月16日に出願された仮出願第61/202,885号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、織物仕上げに関し;好ましい実施形態では、酢酸ビニル/エチレンエマルジョンなどの酢酸ビニルベースのエマルジョンを使用した織物仕上げに関する。本発明の技法は、圧縮、曲げからの回復などの独自の物理特性、および摩擦特性、ならびに独自の外観および感触を提供する。機能的特徴も、以下に記述されるように提供される。
【背景技術】
【0003】
エマルジョンによる織物仕上げは、当技術分野では公知であり;例えば、柔軟性および撥水性を与えるのにシリコーンエマルジョンが使用される。「Method for the Finishing Treatment of Fabric Materials」という名称の、Ichinoheらの米国特許第4,909,267号;および「Method for Finishing Treatment of a Fabric Material」という名称の、Hiraiらの米国特許第6,001,422号を参照されたい。機能的仕上げは、難燃性、帯電防止特性、および耐汚水性などのために使用される。Functional Finishes、Part B、Handbook of Fiber Science and Technology:Volume II,Chemical Processing of Fibers and Fabrics、Menachem Lewinら、Marcel Dekker,Inc.(New York and Basel 1984年)を参照されたい。シリコーン組成物の主な欠点は、堅牢な品質が不十分であり、黄色になる傾向があることである。
【0004】
一方、酢酸ビニルエマルジョンおよびポリビニルアルコールは、織物用の潜在的な仕上げ剤として大部分が見過ごされており;むしろこれらの生成物は、木材やプラスチックなどの接着剤としてまたは不織布の結合剤としてほとんどが使用されている。
【0005】
Walkerらの米国特許第7,056,847号は、不織布の結合剤として有用な、酢酸ビニル−エチレン自己架橋コポリマーエマルジョンを開示する。典型的には、結合剤は、不織ウェブに自立性を与えるために、強度が得られるよう物品の20重量%程度の含浸量で適用される。ポリマーは、織布の処理剤として有用であることも報告されている。第7欄、第13〜20行を参照されたい。不織布用の酢酸ビニル/エチレン/N−メチロールアクリルアミド結合剤を開示する、Lindemannらの米国特許第3,380,854号も参照されたい。
【0006】
酢酸ビニルエマルジョンは、撥水コーティングで、生地の裏当て材で、生地に感触を復元させるための合成生地のアイロン仕上げ助剤として、および疎水性粒子を織物の表面に与える手段としても、使用されてきた。
【0007】
英国明細書第1427488号は、木綿、ポリエステル、ポリアミド、および木綿/ポリエステルのブレンド用の、撥水コーティングを開示する。コーティングは、アクリルターポリマーおよび酢酸ビニル/エチレン/N−メチロールアクリルアミドターポリマーを、ワックスとの指定された比で含む。付着はブレードコーティングによる。Lindemannらの米国特許第3,440,200号は、生地コーティングとしての酢酸ビニル/エチレン/グリシジルアクリレートラテックスの使用を開示する。ラテックスは、約10%濃度の固形分レベルで、含浸量約18%で付着される。第8欄、第29〜45行を参照されたい。
【0008】
ブルガリア公報第BG51888号は、柔軟性、洗浄特性、および親水性を改善するために、織物に組成物を噴霧し、ブレード塗布し、ロール塗布し、または印刷するための組成物を開示する。組成物は、尿素を含む水分散液またはフォーム、酢酸ビニル−エチレンなどの様々なラテックス、ならびに充填剤などである。一般にラテックスは、水性組成物の約5%以上の量で存在する。
【0009】
Raffertyらの米国特許第3,567,498号は、潤滑剤と、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、ブチルアクリレートおよびアクリルアミドのコポリマー、ポリブチルアクリレートおよびアクリル酸のコポリマーから選択される樹脂3%までとを付着させアイロン仕上げするステップを含む、触覚特性を復元するために生地を処理する方法を開示する。コポリマーは、固形分が0.5〜5%の範囲の濃度で付着される。第3欄、第46〜66行:「液体処理組成物が、濃縮されたまたは希釈された分散液の形に構成されていてもいなくても、この組成物は、樹脂が約0.5から5重量パーセントの固形分範囲で存在しかつその好ましい範囲が約0.5から3パーセントである水分散液から生地に付着させるべきである。最適な範囲は、生地と、液体が付着される方法と、処理された生地に求められる仕上げとに依存することになる。例えば、付着が浸漬によるコットン−Dactron(ポリエステル)ブレンドとなる場合、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマーの2重量パーセント分散液は、満足のいくものになることがわかった。処理後に続けて行われる洗濯は樹脂の一部を除去するが、見たところその全てが除去されるわけではなく、その作用は少量の樹脂を生地に蓄積させるようになる。しかし、この蓄積は非常に僅かであり;処理は、各洗濯後に使用してもよい。しかし処理は定期的にしか使用できない。通常、処理された生地に存在する樹脂の量は、生地の重量に対して約3%よりも高くあるべきではなく、好ましい最少量は0.5〜1重量%である。」を参照されたい。前述の内容から、開示された消費者使用後の処理はかなりの程度まで耐久性がなく、本明細書に記述されるような独自の快適さまたは機能的特性をもたらさないことが明らかである。
【0010】
Mooreらの米国特許出願公開第2008/0040866号は、エマルジョンを含む疎水性粒子で処理した生地を開示する。ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、およびポリ酢酸ビニル/アクリルコポリマー分散液が、ヤーン、生地、リネン、および衣料品を含む、織物を処理するのに使用される。分散液の使用により、表面に付着された個別の個々の疎水性粒子による不連続処理がなされた織物が生成される。
【0011】
ポリビニルアルコール樹脂は、縦糸サイズ剤として有用であることが公知であり;しかしサイズ剤は、仕上げ前に織布から取り除かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明によれば、既製服用生地の仕上げをし、かつ圧縮回復性やより良好な滑り感などの所望の快適さ関連特性、ならびに機能的特性を提供するために、ポリ酢酸ビニルエマルジョンおよびポリビニルアルコール樹脂を使用できることが、予期せず見出された。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一般に、快適さに関連した属性を既製服に与えるのにまたは機能的特徴を高めるのに適切な、酢酸ビニルエマルジョンおよび/またはポリビニルアルコールによる織物仕上げを対象とする。快適さ関連特性には、以下に論じられるように、重量、圧縮、曲げ、表面、剪断、および引張りが含まれる。やはり任意選択で高められる機能的特性には、疎水性、低アレルギー特性、毛羽立ち、耐ピリング効果、吸上性、柔軟性、光沢またはその欠如、色、臭いのマスキング、撥水性、難燃性、クロック堅牢性、色堅牢度、快適さ、強度特性(引張りおよび破裂)、耐引裂き性、障壁特性、ブレンドの新規なクロス染め/色付け、ブレンドの新規なユニオン染めが含まれる。
【0014】
本発明の織物仕上げに対する新規な手法によれば、独自の視覚効果、高い合成繊維の使用、既製服のより効率的な加工および製造が可能になる。例えば、本発明は、数ある利点の中でも、100%合成繊維または100%天然繊維の織布またはブレンドされた織布の改善された機能性を提供し;PVOHおよびエマルジョンのブレンドされた配合物は、新規な視覚効果を発揮し;ポリエステル/木綿がブレンドされた織布におけるより高いパーセンテージのポリエステル成分(>50%ポリエステル)によって、木綿が大部分である(>50%木綿)ブレンド織布の手/感触特性を有することが可能になる。このように本発明は、快適なままのより強力な織布を可能にする。さらに本発明は、新しい着色法を可能にし:例えば、バッチ式染浴で分散性または反応性染料を配合された無極性エマルジョンは、ポリエステルなど、織布ブレンドの無極性部分でのみ消費される。これにより、価値連鎖のパッケージ染色セグメントを省くことが可能になる。現行の製造プロセスは、ヤーン紡糸→ポリエステルのパッケージ/ヤーン染色→製織→ポリ/木綿生地のサーモゾル染色→裁断および縫製→衣類の洗浄であり;しかし本発明では、このプロセスは、ヤーン紡糸→製織→染色→裁断および縫製→衣類の洗浄に単純化することができる。
【0015】
本発明によれば、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、およびポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーなどを含むポリ酢酸ビニルエマルジョンは、仕上げ液中の樹脂の直接性および仕上げ済み織物への染着速度または含浸速度に反映されるように、広く様々な織物繊維に対して驚くほど高い親和性を有することが、予期せず見出された。理論に拘泥するものではないが、本発明の好ましい実施形態では、即ちポリ酢酸ビニルおよび/またはポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールコポリマーは、仕上げ液から繊維表面へと排出され、次いで繊維に浸透し、その後、繊維の本体内に移行し、その後、繊維に化学的または物理的に固着すると考えられる。
【0016】
本発明により付着された水溶性樹脂も、驚くべきことに通常の消費者使用後の洗濯によって除去されにくい。
【0017】
本発明による仕上げ操作は、例えば、そのように望まれる場合は生産プロセスにおいて任意の適切な段階で、例えば織物の染色前、織物の染色中、または織物の染色後、染色後の色付けと同時に実施してもよい。
【0018】
本発明について、様々な図を参照しながら以下に詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による、エマルジョン処理によって与えられた独自の特性を示すチャートである。
【図2】圧縮テスタの図面である。
【図3】曲げテスタの図面である。
【図4】表面テスタの図面である。
【図5】剪断テスタの図面である。
【図6】引張りテスタの図面である。
【図7】本発明による、エマルジョン処理によって与えられた独自の特性を示す、別のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明について、数多くの実施形態を参照しながら以下に記述する。そのような考察は、単なる例示を目的とする。添付される特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲内の、特定の実施例に対する修正例は、当業者に容易に明らかにされよう。
【0021】
本明細書で使用される用語には、以下に記述する例示的な定義と矛盾することのない、その通常の意味が与えられ;%、およびパーセントなどの用語は重量パーセントなどを指す。「含浸量」は、織物に添加された固形分を指し、含浸量%は、乾燥状態をベースとする。
【0022】
1つの例示的な態様では、本発明は、(a)酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分65重量%を含む、水性仕上げ液を調製するステップ;(b)織物に仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるようにこの液を織物に取り込むステップ;(c)湿潤状態の織物を、仕上げ樹脂が織物の繊維と相互結合するように制御される条件下、昇温して加工するステップを含み、仕上げ樹脂が、0.05重量%から65重量%未満の含浸量レベルで織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する、織物を仕上げる方法を含む。
【0023】
本明細書で使用される水性仕上げ液は、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分65重量%を含む水溶性溶液を指す。水性仕上げ液は、セルロース、およびSBRラテックスなどの合成ラテックスから選択される、追加の樹脂をさらに含んでいてもよい。さらに、水性仕上げ液は、外部架橋剤、湿潤剤、消泡剤、柔軟剤、相溶化剤、糊、キレート剤、固着剤、緩衝剤、コーティング剤、結合剤、ラテックス、リリース仕上げ剤、酵素、難燃剤、蛍光増白剤、パーマネントプレス剤、抗菌剤、紫外線安定化剤、およびこれらの組合せをさらに含んでいてもよい。別の実施形態では、仕上げ液は、いくつかの好ましい実施形態において、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分50重量%、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分40重量%、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分30重量%、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分20重量%、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分10重量%、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分5重量%、仕上げ樹脂の固形分0.1重量%から固形分5重量%、仕上げ樹脂の固形分0.1重量%から固形分2.5重量%、仕上げ樹脂の固形分0.1重量%から固形分1重量%を含む。
【0024】
本明細書で使用される仕上げ樹脂は、酢酸ビニルエチレンエマルジョン、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョン、ポリビニルアルコールなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般(即ち、疎水変性された。)、紫外線硬化性組成物;およびこれらの混合物を含む群から選択される材料を指す。
【0025】
「織物」などの用語は、ヤーン、生地、縫糸、および仕上げ済みの衣類などを指す。「ヤーン」は、天然または合成の全てのタイプの繊維のヤーンを含む。天然ヤーンは、木綿、靭皮、ウール、絹、アンゴラやモヘアなどの獣毛を含む。合成ヤーンは、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、レーヨン、アセテート、およびトリアセテートなどを含む。
【0026】
「ヤーン」は、ブレンドされたヤーンならびに100%単一成分ヤーンを含み、例えば絹40%/ウール60%のヤーン、木綿50%/ポリエステル45%/スパンデックス5%、または木綿50%/ポリエステル50%である。本発明は、モノフィラメント合成ヤーン、およびその他の押出しフィラメントヤーンも対象とする。生地は、上述の繊維材料で作製されたメリヤス生地または織布であってもよい。衣類は、既製服および産業用の衣類であってもよい。この衣類は、本明細書に記述されるヤーンおよび生地の、仕上げ済みの裁断および縫製形態である。先に記述された材料で作製された、ラミネート多層成分を含む産業用生地、モジュール式衣類(例えば、胴体領域とは異なるスリーブ材料を有する軍事用衣類など)、ならびにリネン、カーテン、室内装飾品(自動車、ボート、航空機を含む。)などの家庭用品も含まれる。
【0027】
このように、本発明の方法が適用可能な生地材料および/または織物を形成する繊維の種類は、特に限定されるものではなく、木綿、絹、リネン、ウール、アンゴラ、およびモヘアなどの天然繊維だけではなく、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド、アクリル(アクリロニトリル)繊維、スパンデックス、レーヨン、Tencel、およびセルロースアセテート繊維などの合成および半合成繊維も含む。同様に、合成および天然繊維のブレンドも考えられる。ブレンドの形も限定的なものではなく;生地は、100%ポリエステルヤーンなどの合成ヤーン、および100%木綿ヤーンなどの天然ヤーンを含む織布であってもよく、またはヤーンそのものが、ポリエステルおよび木綿ステープル繊維の両方とのブレンドヤーンであってもよい。織物材料の形も限定的なものではなく、織布、メリヤス生地、および不織布、ならびにステープル、フィラメント、詰め綿、トウ、および縫糸が含まれる。
【0028】
本発明によれば、織物は、任意の適切な技法により、エマルジョンコポリマーで処理してもよい。ヤーンは、それぞれの浴飽和後にニップロールで圧搾することにより、飽和液(「パッド浴」と呼ばれる。)で処理することができる。溶液は、任意の連続パッド浴に導入するために、任意選択で水と混合される。ヤーンは、この溶液で、「パッケージ」の形で処理することもできる。織布製品は、連続ステンタ(拡布)フレームで、または後染め、ジェット、ベック、ジガー、もしくはパドル機械などのバッチ式プロセスで、パッド浴仕上げすることができる。メリヤス製品は、全く異なる条件下、織布と同じ機械(連続およびバッチ式の両方)で加工される。衣類の場合、産業用衣類洗濯機を使用してもよい。任意選択の付着方法は、噴霧または手動湿潤含浸技法など、手動でのプロセスを含む。同様に、織物は、染色または洗濯中に処理することができる。染色および生地の洗濯方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSchootsの米国特許第7,201,780号およびSchootsらの第6,663,677号に開示されている。
【0029】
1つの好ましい実施形態では、本発明の織物処理方法は、吸尽加工によって実施してもよく;即ち、希釈水性媒体にバッチ式に浸漬してもよい。別の好ましい実施形態では、織物は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる「Apparatus and Method for Finishing a Traveling Textile Fabric Web」という名称のMetzenの米国特許第4,920,621号に開示されるように、浸漬処理織物用の連続装置で処理される。
【0030】
選択される付着方法とは無関係に、付着および加工条件は、織物の快適さ関連特性および任意選択で1つまたは複数の機能的特性をも十分に修正しまたは高めるのにこの処理が耐久性がありかつ有効となるように、織物が、この織物と密接にかつ永続的に相互結合する仕上げ組成物の均一な分布を有するよう選択されなければならない。典型的には、140°F(60℃)を超える温度が付着中に用いられ、より高い温度での硬化が自己架橋型組成物には好ましい。適切には、付着および加工温度は125°F(50℃)から450°F(232℃)であり、用いられるエマルジョン粒子またはポリビニルアルコールが、被膜の形態をとる繊維表面の形態、例えば繊維表面に相互結合した被膜状構造に一致するよう制御される。140°F(60℃)から400°F(204℃)の加工温度範囲が好ましい。別の実施形態では、150°F(65℃)から400°F(204℃)の加工温度範囲が好ましい。さらに別の実施形態では、212°F(100℃)から400°F(204℃)の加工温度範囲が好ましい。
【0031】
本発明の方法および生成物は、処理した織物の基本的な特徴を変化させず、即ち、既製服の身体順応特性または着易い特徴を根本的に変化させず、むしろこの処理は、既製服に許容されるパラメータ内でこれらの特性を修正しまたは高める。これは、仕上げ樹脂と織物表面とを永続的にかつ均一に相互結合させることによって実現される。このために、仕上げ樹脂(即ち、エマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールなど)の含浸量は、いくつかの好ましい実施形態において、一般に、仕上げ済み織物の0.05重量%から65重量%未満の範囲内にあり、0.05重量%から50重量%、0.05重量%から40重量%、0.05重量%から30重量%、0.05重量%から20重量%、0.05重量%から10重量%、0.05重量%から5重量%、0.1重量%から5重量%、0.1重量%から2.5重量%、または0.1重量%から1重量%の範囲内にある。本明細書で使用される織物の快適さ関連特性は、下記の事項、即ち:重量、圧縮、曲げ、表面、剪断、および引張りを指す。
【0032】
上記方法の一実施形態では、仕上げ樹脂は、洗濯に対する織物の耐久性が改善されるように、織物と相互結合する。上記方法の別の実施形態では、仕上げ樹脂は自己架橋型酢酸ビニルエチレンエマルジョン樹脂であり、織物は、樹脂を硬化するために、250°Fよりも高く450°F未満である温度で加工される。上記方法のさらに別の実施形態では、織物は、仕上げ液の浴への浸漬によって飽和され、その後、この湿潤構造を絞りロールで圧縮することにより仕上げ液を織物から除去する。上記方法のさらに別の実施形態では、織物は、125°F(51℃)から450°F(232℃)の範囲内、140°F(60℃)から450°F(232℃)の範囲内、または200°F(93℃)から450°F(232℃)の範囲内の群から選択される温度の、仕上げ液の浴への浸漬によって飽和される。
【0033】
上述の方法は、生地を赤外線および/またはマイクロ波で処理するステップをさらに含んでいてもよい。別の実施形態では、上述の方法は、紫外線硬化性組成物を含む仕上げ樹脂を含んでいてもよく、湿潤状態の生地を紫外線で照射するステップをさらに含んでいてもよい。
【0034】
上述の方法は請求項1に従ってもよく、仕上げ液は、有害な変色をもたらさず、かつ/または織物のCIE L値を改善し;外観特性を与え、特に織物の光沢を改善し;織物の感触を改善し、特に厚さを改善し;織物に水分輸送特性を与え;織物に手触りを与え、特に滑らかさを与え;織物に、限定するものではないが剪断、破裂、および引張り強度などの強度特性を与え;織物に熱伝達特性を与え;織物の圧縮および圧縮回復特性の改善を通して耐久性および長寿命を与え;織物に曲げ特性を与え;織物の寸法安定性に有害な作用をもたらさず;織物のインク受容性に有害な作用をもたらさずまたは改善をもたらし;またはこの組合せを含めた、様々な仕事を実現するよう作用する。
【0035】
独自の特性をもたらすのに使用されるコポリマーエマルジョンは、本明細書に記述されるような、自己架橋型酢酸ビニルエチレンエマルジョン樹脂、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョン、および酢酸ビニル/ベルサチン酸ビニルエステルなどの、様々な酢酸ビニルエマルジョン樹脂組成物から選択してもよい。本発明では、酢酸ビニルエチレン樹脂と、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ならびにホモポリマーおよびコポリマーとの組合せおよびブレンドが企図される。例示的な組成物は、酢酸ビニルエチレンエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョンを含み、その両方は、自己架橋型、非架橋型であってもよく、Tgは−50℃から+70℃である。いくつかの好ましいモノマーは、酢酸ビニル、エチレン、およびビニルアクリレートを含む。適切な酢酸ビニル/エチレン自己架橋型エマルジョンは、Walkerらの米国特許第7,056,847号に記載されている種類のものであり、一方、適切な自己架橋型酢酸ビニルエマルジョンは、Lunsfordらの米国特許出願公開第2007/0184732号に記載されている種類のものであり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【0036】
本発明に関連して用いられるエマルジョンは、自己架橋型モノマーを含まない種類のものであってもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Ultra High Solids Vinyl Acetate−Ethylene and vinyl Acetate Homopolymer Emulsions」という名称のWalkerらの米国特許第6,001,916号を参照されたい。
【0037】
前述の内容から、酢酸ビニルの他に、アルキルアクリレートまたはα−オレフィンモノマーおよび/またはネオアルカン酸ビニルエステルなどの追加のモノマーも、用いられるポリ酢酸ビニルエマルジョン組成物に提供されることが理解されよう。適切なα−オレフィンモノマーの例には、エチレン、プロピレン、α−ブチレン、α−ペンチレン、α−ヘキシレン、およびα−オクチレンなどが含まれる。ネオアルカン酸のビニルエステルは、下記の一般構造を有する:
【0038】
【化1】


(式中、RおよびRは、共に、約6〜8個の炭素原子を典型的にはまとめて含有していてもよいアルキル基である。)。Veo Va(商標)ネオアルカン酸ビニルエステルは、オハイオ州コロンバスのHexion Specialty Chemicalsから入手可能である。VeoVa(商標)9では、RおよびRは共に、約6個の炭素原子を含有する。VeoVa(商標)10では、RおよびRは共に、約7個の炭素原子を含有する。VeoVa(商標)11では、RおよびRは共に、約8個の炭素原子を含有する。ポリマー系にネオアルカン酸ビニルエステルを含むことによって、ポリマーに疎水性が導入され、炭化水素溶解性または低エネルギー表面への接着をもたらすことができ、ポリマーに立体的嵩高さ加えてそれに加水分解安定性をもたらすこともできる。
【0039】
ビニルアクリルで使用してもよいエチレン不飽和カルボン酸のエステルの代表例には、アルキル基が1〜12個の炭素原子を含有するアルキルアクリレートおよびメタクリレートと、ブテン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸などの酸のエステルとが含まれる。エチレン不飽和を有しかつ好ましいその他のエステルの代表例には、ギ酸ビニルおよびビニルバーサテートなどが含まれる。アクリルエステルラテックスエマルジョンを調製するのに使用することができるアルキルアクリレートには、アルキル基中に1から12個、好ましくは1から10個の炭素原子を含有するアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートが含まれる。アクリルエステルラテックスのポリマー主鎖は、親水性または疎水性にすることができ、重合した軟質モノマーおよび/または硬質モノマーを含むことができる。軟質および硬質モノマーは、重合したときに軟質または硬質ポリマーを、またはその間のポリマーを生成するモノマーである。好ましい軟質アクリルエステルモノマーは、アルキル基中に2から8個の炭素原子を含有するアルキルアクリレートから選択され、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートが含まれる。硬質アクリルエステルモノマーは、アルキル基中に3個までの炭素原子を含有するアルキルメタクリレートと、スチレンおよび置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニルなどの非アクリルモノマーとから選択され、一般に、そのホモポリマーが50℃よりも高いTgを有する任意の適合性あるモノマーである。好ましいアクリルエステルモノマーは、アルキル基中に1から12個の炭素原子を含有するアルキルメタクリレートから選択され、特にメチルメタクリレートである。Garrettの米国特許第5,021,529号を参照されたい。
【0040】
ビニルエステルと共重合可能な別のモノマーは、エチレン不飽和イオン性モノマーであり、例えば、2重結合単位に直接隣接しまたはそうでない場合はそこにスペーサを介して結合された、少なくとも1個のカルボン酸、スルホン酸、リン酸、またはホスホン酸基を保持する化合物である。その例には、α,β−不飽和C〜Cモノカルボン酸、α,β−不飽和C〜Cジカルボン酸、およびこれらの無水物と、α,β−不飽和C〜Cジカルボン酸のモノエステルとが含まれる。
【0041】
不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、およびクロトン酸と、これらの無水物;不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびシトラコン酸と、これらおよびモノメチルマレエートやモノn−ブチルマレエートなどのC〜C12アルカノールのモノエステルが好ましい。別の好ましいエチレン不飽和イオン性モノマーは、エチレン不飽和スルホン酸であり、例えば、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシ−および2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシ−および3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、およびビニルベンゼンスルホン酸、およびエチレン不飽和ホスホン酸、例えばビニルホスホン酸である。
【0042】
さらに、上述の酸と同様に、その塩、好ましくはそのアルカリ金属塩またはそのアンモニウム塩、特にそのナトリウム塩、例えばビニルスルホン酸および2−アクリルアミドピロパンスルホン酸のナトリウム塩を使用することも可能である。
【0043】
上述のエチレン不飽和遊離酸は、陰イオンの形をした共役塩基の形で、主にpH11の水性溶液中に存在し、上述の塩のように陰イオンモノマーと呼ぶことができる。
【0044】
好ましいポリマーには、上記にて列挙したエマルジョンインターポリマーが含まれるが、その他のさらに別のコモノマーを任意選択で含めたものまたは置換したものが企図される。その他の潜在的に有用なコモノマーには、1−ヘプタン、ブタジエン、ヘキサジエン、イソプレン、スチレン、メチルスチレン、およびジビニルベンゼンなどが含まれる。さらにその他のエチレン不飽和モノマーの代表例には、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、およびクロロスチレンなどのハロゲン化モノマーが含まれる。
【0045】
後架橋コモノマー(当技術分野では時々、自己架橋型モノマーと呼ぶ。)は、多くの実施形態、即ち自己架橋型樹脂が使用される実施形態に含まれる。これらのモノマーには、アクリルアミドグリコール酸(AGA)、メチルメタクリルアミドグリコレート(MMAG)、N−メチロールアクリルアミド(NMA)、N−メチロールメタクリルアミド(NMMA)、アリル−N−メチロールカルバメート、イソブトキシエーテルなどのアルキルエーテル、またはN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、およびアリルN−メチロールカルバメートのエステルが含まれる。
【0046】
グリシジルメタクリレートおよびグリシジルアクリレートなどのエポキシド官能性コモノマーも適切である。他の例は、アクリルオキシ−プロピルトリ(アルコキシ)シランおよびメタクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シラン、ビニルトリアルコキシシランおよびビニルメチルジアルコキシシランなどのケイ素官能性コモノマーであって、例えばメトキシ、エトキシ、およびエトキシプロピレングリコールエーテル基として存在することができるアルコキシ基を有するものである。ヒドロキシまたはCO基を有する有用なモノマー、例えば、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、またはヒドロキシブチルアクリレートまたはメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレートおよびアクリレートと、ジアセトンアクリルアミドおよびアセチルアセトキシアクリレートまたはメタクリレートなどの化合物も挙げてもよい。Weitzelの米国特許出願公開第2007/0112117号を参照されたい。
【0047】
本発明と併せて使用することができる架橋剤は、やはり多価エチレン不飽和コモノマーなどの後架橋コモノマーであり、例えばジビニルアジペート、ジアリルマレエート、アリルメタクリレート、またはトリアリルシアヌレートなどである。
【0048】
外部架橋剤は、以下に述べる仕上げ液で使用してもよい。
【0049】
使用される酢酸ビニルポリマーまたはコポリマーは、その開示が参照により本明細書に組み込まれるKirk−OthmerのEncyclopedia of Chemical Technology、第4版、第24巻、第954〜963頁(Wiley 1996)に記載されるような、バルク、溶液、懸濁液、およびエマルジョンプロセスを含めた酢酸ビニルポリマーが作製される様々な技法によって作製してもよい。本発明の組成物の調製は、遊離基エマルジョン重合の連続または不連続プロセスを使用して実施することができる。重合は、ループまたは撹拌反応器などの通常の反応容器の助けを借りて実施してもよい。バッチ式、複合型バッチ式/供給流、純供給流プロセス、または供給流プロセスなどの不連続プロセスを、成核粒子に使用することが好ましい。
【0050】
これらのプロセスでは、ペルオキソジサルフェート、アゾ化合物、過酸化水素、有機ヒドロペルオキシド、または過酸化ジベンゾイルなどの水溶性および/または油溶性開始剤系が、用いられる。これらは、それぞれ単独で、または、酸化還元触媒系としてFe(II)塩、ピロ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムジチオナイト、ナトリウムホルムアルデヒド−スルホキシレート、アスコルビン酸などの還元化合物と組み合わせて使用してもよい。乳化剤、および/または適切な場合には保護コロイド、添加剤、および/または助剤を、重合の前、間、または後に添加してもよい。乳化剤の例には、それぞれが好ましくは1分子当たりエチレンオキシド単位を8から50モル有するアルキルアリールポリグリコールエーテルおよびアルキルポリグリコールエーテル、それぞれが好ましくは親油性部分に8から18個の炭素原子を有しかつ親水部分に50個までのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を有する、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、アルキルスルホネートまたはアルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルおよびアリールエーテルサルフェートおよびホスフェートとのブロックコポリマー、それぞれが好ましくはアルキル基中に8から18個の炭素原子を有するスルホコハク酸またはアルキルフェノールのモノエステルまたはジエステルも含まれる。好ましいタイプの乳化剤は、親油性部分に直鎖状アルキルフェノール単位を含有しない。
【0051】
ポリビニルアルコール組成物の場合、10,000〜250,000のMwを有する任意の適切なポリビニルアルコールを使用してもよい。ポリビニルアルコールは、任意の適切な加水分解度およびMwを有していてもよく、ビニルアミンおよびビニルホルムアミドコモノマー、または2−アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸(AMPS)コモノマーなどのコモノマーを任意選択で含んでいてもよい。適切なポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコールビニルアミンコポリマー、およびポリビニルアルコールampsコポリマーの記述は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるPinschmidtらの米国特許第5,300,566号;Bottらの米国特許第5,591,799号;ならびにVicariらの米国特許第6,818,709号に見出される。
【0052】
一般的に言えば、用いられるポリビニルアルコール樹脂は、酢酸ビニルホモポリマー、または酢酸ビニルと任意の適切なコモノマーとのコポリマー、および/またはこれらのブレンドをベースにしてもよい。ポリ酢酸ビニル−ポリビニルアルコールポリマーおよびコポリマーを生成する方法は、当業者に公知である。米国特許第1,676,156号;第1,971,951号;および第2,109,883号、ならびに様々な参考文献は、これらのタイプのポリマーおよびそれらの調製について記述している。これらのポリマーは、適切なコモノマーの適切な組込みにより、当技術分野で公知であるように、官能化されていてもよい。参考文献の中には、Marcel Dekker,Inc.により刊行された(1967年)Hamの「Vinyl Polymerization」、第1巻、第1部、およびInterscience Publishers,Inc.、New Yorkにより刊行された(1961年)SorensonおよびCampbellの「Preparative Methods of Polymer Chemistry」がある。
【0053】
変性ポリビニルアルコールを同様に使用してもよく、例えば:疎水的に変性されたPVOH、即ちVEOVA;PVOH−coPYR(ピリジニル);PVOH−co−COOH(イタコン酸);PVOHメチルメタクリレート;およびPVOH−DAEを使用してもよい。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Poly(Vinyl Alcohol)−Co−Poly(N−Vinyl Formamide)Copolymers」という名称のRenzらの、2007年7月12日に公開された米国特許出願公開第2007/0160780号と、「Poly(Vinyl Alcohol)Blends」という名称の、Amiciらに1996年10月22日に発行された米国特許第5,567,768号を参照されたい。
【0054】
ケトエステル基などの官能基を有する変性ポリ酢酸ビニルまたはポリビニルアルコールを使用してもよい。その開示が参照により本明細書に組み込まれる「Process for Manufacturing Polyvinyl Alcohol Polymers Containing Acetoacetic Ester Groups」という名称の、Familiに1998年2月17日に発行された米国特許第5,719,231号を参照されたい。一般に、本発明に関連して有用なポリビニルアルコールは、下記の構造を有していてもよい:
【0055】
【化2】


(式中、R1〜R6は、下記のもの、即ち:水素;C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;アセテート;ヒドロキシル;炭素環;複素環;およびこれらの混合物のいずれかを組み合わせまたは集合させたもの(同じであり、異なっており、またはこれらの組合せである。)にすることができる。X、Yは、同じにしまたは異ならせることができ、ヒドロキシル;アセテート;アミン;アミド;スルホネート;カルボキシレート;複素環、およびこれらの混合物を含む群から選択されてもよい)。
【0056】
外部架橋剤は、仕上げ液でも任意選択で使用され、例えば、エポキシシラン、重亜硫酸塩、アンモニウム塩、ジルコニウム塩、グリオキサール、DMDHEU、およびホウ酸である。「DMDHEU」は、ジメチロールジヒドロキシエチレンウレアを指す。
【0057】
仕上げ液に添加してもよい適切な架橋剤には、フェノールホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシメチル置換イミダゾリジノンまたはチオイミダゾリジノン、ヒドロキシメチル置換ピリミジノンまたはヒドロキシメチル置換トリアジノン、またはグリコールウリルも含まれ、またはこれらの自己縮合生成物が適切であり、または上述の化合物の2種以上から得られた混合型縮合物、もしくは上述の化合物の2種以上から得られた混合物も含まれる。これに関しては、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メトキシ−4,5,5−トリメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’ジメチロール−4−メトキシ−5,5ジメチルプロピレンウレア、N,N<I>,N”,N<I>”−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、4,5−ジヒドロキシ1−3−ビス(メトキシメチル)−2−イミダゾリジノン、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−イミダゾリジン−2−オン、テトラヒドロ−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メトキシ−5,5−ジメチルピリミジン−2(1H)−オン、4,5−ジヒドロキシ1,3−ジメチロール−2−イミダゾリジノン、4,5−ジヒドロキシ1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラヒドロ−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4−ヒドロキシ−5,5ジメチル(1H)−ピリミジン−2オン、テトラヒドロ−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4−アルコキシ−5,5−ジメチル(1H)−ピリミジン−2オン、およびN,N’,N”,N’”−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリルも例示される。好ましい架橋剤は、同様に、EP−A 1,505,085(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。)に開示されており、即ち、メチロール化エチルウレア、プロピレンウレア、グリオキサールジウレア、マロンジアルデヒドウレア、またはこれらの組合せをベースにした部分または完全エーテル化樹脂である。その他のポリアルデヒドは、2から6個のアルデヒド基を有する芳香族炭化水素、ジアルデヒドデンプン、またはその他の水溶性ポリアルデヒドのような外部架橋剤の、別の優れた適切な基を表し、同様に、その開示が参照により本明細書に組み込まれるEP−A−686,682に記載される少なくとも部分的にマスクされたポリアルデヒドである。
【0058】
適切な触媒および促進剤には、<2.5のpK値を有するブレンステッド酸が含まれ、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン酸であり、特にリン酸である。ルイス酸が使用される場合、適切なものは、特に、錯化可能な金属イオンの酸性塩であり、特に塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ジルコンオキシクロリド、および硫酸チタン、塩化マグネシウム、またはこれらの混合物であり、特に、多価の錯化可能な陽イオンとの酸塩であり、これらは例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるDE−B 2261402、DEK 2620738、およびDE−A 3942628に列挙されているものである。
【0059】
本発明は、天然および合成繊維のブレンドである織物を、同時に染色しまたは色付けしかつ仕上げる方法も開示し、この方法は、(a)酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物からなる群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分40重量%、ならびに第1の染料である少なくとも1種の染料を含む、水性仕上げ液を調製するステップと;(b)ブレンドした織物に仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるようにこの液を織物に取り込むステップと;(c)湿潤状態の織物を、仕上げ樹脂が織物の繊維と相互結合するようにかつ染料が織物に固着するように制御される条件下、昇温して加工するステップとを含み、仕上げ樹脂は、0.05重量%から40重量%未満の含浸量レベルで織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する。
【0060】
上記方法の一実施形態では、生地は、ポリエステルヤーンと木綿ヤーンとのブレンドである。上記方法の別の実施形態では、仕上げ液が第2の染料を含有する。上記方法のさらに別の実施形態では、第1の染料は天然繊維に選択的に付着され、第2の染料は合成繊維に選択的に付着され、またはその逆も同様である。
【0061】
本発明は、酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、その含浸量レベルが0.05重量%から65重量%未満である仕上げ樹脂であって、織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する仕上げ樹脂で仕上げた織物も開示する。
【0062】
上記仕上げ済み織物の一実施形態では、仕上げ樹脂が、1,000から1,000,000のMwを有するポリビニルアルコールを含む。上記仕上げ済み織物の別の実施形態では、仕上げ樹脂は、10,000から500,000のMwを有するポリビニルアルコールを含む。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、織物は木綿を含み、仕上げ樹脂は、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマーまたはポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含む。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、仕上げ済み織物はさらに、ラテックスまたはセルロース樹脂を含む。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、仕上げ樹脂は、被膜形態で繊維と永続的にかつ均一に相互結合する。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、仕上げ樹脂は、0.1重量%から55重量%、0.05重量%から50重量%未満、0.1重量%から45重量%、0.05重量%から40重量%未満、0.05重量%から30重量%未満、0.05重量%から20重量%未満、または0.05重量%から15重量%未満の含浸量レベルで、織物の表面に永続的にかつ均一に相互結合する。
【0063】
上記仕上げ済み織物の別の実施形態では、織物は、仕上げ樹脂の含浸量が10重量%から50重量%である追従性のある生地であり、この生地は、着用したときに身体構造的詳細を隠すのに適切である。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、織物は、さらなる機械加工なしにブラッシングまたはサンダー仕上げすることによってスエード加工され/テクスチャ加工された表面を提供することが可能な、5重量%から50重量%という含浸量が提供された合成/天然繊維の生地である。
【0064】
本発明は、酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物から選択される、その含浸量レベルが0.05重量%から10重量%未満である仕上げ樹脂であって、織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する仕上げ樹脂で仕上げた織物も開示する。上記仕上げ済み織物の別の実施形態では、仕上げ樹脂は、0.1重量%から5重量%の含浸量レベルで、織物表面に永続的にかつ均一に相互結合する。上記仕上げ済み織物のさらに別の実施形態では、仕上げ樹脂は、0.1重量%から2.5重量%の含浸量レベルで、織物表面に永続的にかつ均一に相互結合する。さらに別の実施形態では、仕上げ樹脂は、0.1重量%から1重量%の含浸量レベルで、織物表面に永続的にかつ均一に相互結合する。さらに別の実施形態では、仕上げ樹脂はポリ酢酸ビニルを含む。さらに別の実施形態では、仕上げ樹脂がポリビニルアルコールを含む。
【0065】
本発明の一実施形態は、インティメイトアパレルの生地仕上げに焦点を当てる。インティメイトアパレルの1つのタイプは、着用者の乳房を覆い、支え、かつ/または成形するようにデザインされたブラジャー(ブラ)である。本発明は、ブラの全ての部分に適用してもよいが、この実施形態の焦点は、カップ、ウィング、およびブラのその他の生地ベースの部分になる。一般に、ブラのカップは、内層を取り囲む外層を含んだ多層化ラミネート材料である。外層は、合成(ポリエステル、ナイロン、レーヨン、およびエラスタンのブレンド)または天然(木綿、ウール、絹)ヤーンから作製されたメリヤス生地を含む。内層は、最も頻繁にはフォーム(即ち、脂肪族または芳香族ポリウレタンフォーム)であるが、これに限定するものではない。内層および外層は、一般に高い温度および圧力を使用して組み合わされ、所望の形状(カップ)に成型される。成型プロセスの条件は、多数回の洗濯後に快適さの低下をもたらす製品統合性の損失も含め、ブラに関する多くの品質課題の源であることが公知である。高熱およびブレンド操作の組合せは、ヤーンおよびその他の材料に損傷を与え、外層内に弱点を生成し、最終的には多数回の洗濯後に毛玉、皺、および着用者への不快感をもたらす。
【0066】
衣類の着心地の良さを改善する1つの方法は、数多くの洗濯後であっても皺の寄り難さを与えるために、ブラのカップを処理することである。本発明は、最終的に成型された衣類の皺を低減させる、カップの外部ブラライナー層の仕上げを開示する。メリヤス製品は、ステンタフレームで加工され、前段でのパッド浴飽和の後、高温乾燥および/または硬化ステップが行われる。本明細書で使用されるステンタフレーム(またはテンタフレーム)は、緊張下で、指定された幅まで生地を乾燥させる機械を指す。この機械は、本質的に、水平トラック上の1対のエンドレスチェーンからなる。生地は、2本のチェーン上にピンまたはクリップによってエッジにしっかり保持され、これらのチェーンは加熱されたチャンバ内を前進するにつれて拡がるので、生地は所望の幅に調節される。
【0067】
製品統合性に対応するために、過酷な成型条件は可能な限り最小限に抑えられるが、多くの場合、性能およびファッション要件が機能的特性を凌ぎ、成型の結果、損傷を受けた繊維が得られる。仕上げに対する競合的代替例が過去に試みられてきたが、成型段階中に失敗する結果となった。本発明に関するもの以外の仕上げの最も一般的な欠点は、成型後の黄ばみとざらついた手触りである。本発明に開示されたVAEポリマーの低含浸量レベルとこれらポリマーの特性は、インティメイトアパレル業界のリーダが満足のいくように、先の不具合を克服した。
【0068】
本発明の一実施形態は、皺防止仕上げを、インティメイトガーメントに沈着させるプロセスであって、a.織物をステンタフレームに投入するステップ;b.酢酸ビニルエチレンエマルジョン、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分65重量%を含む水性仕上げ液を織物上にパディングして、この液を織物に取み込みかつ湿潤状態の織物を提供するステップ;c.湿潤状態の織物を、仕上げ樹脂と織物の繊維とが相互結合しかつ過剰な仕上げ液が湿潤状態の織物から除去される速度および圧力でニップローラに通すステップであって、この仕上げ樹脂は0.05重量%から65重量%未満の含浸量レベルで織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合しているステップ;d.湿潤状態の織物を、仕上げ済み織物が得られる時間にわたりある温度で乾燥するステップ;e.仕上げ済み織物を裁断して、インティメイトガーメントの内部ライニングおよび外部ライニングを生成するステップ;f.内側および外側を有する内層を覆うステップであって、内部ライニングが内層の内側を覆いかつ外部ライニングが外側を覆うステップ;g.インティメイトガーメントを提供する時間にわたってある温度で内層へ内部ライニングおよび外部ライニングを成型するステップを含む、プロセスについて記述する。
【0069】
上記プロセスの一実施形態では、湿潤状態の織物が、15から25メートル/分の範囲、より好ましくは17〜22メートル/分、さらにより好ましくは1分当たり20メートルの速度で、かつ0.8から1.2バールの範囲、より好ましくは0.9から1.1バール、さらにより好ましくは1.0バールの圧力で、ニップローラを通過する。上記プロセスの別の実施形態では、湿潤状態の織物は、10から60秒、より好ましくは25から45秒、さらにより好ましくは30から35秒に及ぶ時間にわたり、125から200℃の範囲、より好ましくは150から195℃、さらにより好ましくは190℃の温度で乾燥される。上記プロセスのさらに別の実施形態では、成型は、60から180秒、より好ましくは90から140秒、さらにより好ましくは120秒に及ぶ時間にわたり、140から200℃の範囲、より好ましくは150から180℃、さらにより好ましくは160℃の温度で行われる。
【0070】
上記プロセスは、0.5%固溶体である酢酸ビニルエマルジョン樹脂である仕上げ樹脂を含有していてもよい。仕上げ樹脂は、35重量%から40重量%未満の含浸量レベルで、織物の繊維の表面と永続的にかつ均一に相互結合する。上記プロセスの一実施形態では、織物は、ポリエステル繊維であってもよい合成繊維を含むメリヤス生地である。白い生地を加工する場合、補助的な化学薬品を添加して、乾燥による黄ばみを低減させてもよい(酸化防止剤)。黒い生地は、色堅牢度を改善するために、酢酸ビニルエマルジョン樹脂と共に、パッド浴で化学固着剤を含んでいてもよい。
【0071】
上記プロセスでの仕上げ液は、湿潤剤、消泡剤、軟化剤、相溶化剤、糊、キレート剤、固着剤、緩衝剤、コーティング剤、結合剤、ラテックス、リリース仕上げ剤、酵素、難燃剤、蛍光増白剤、パーマネントプレス剤、抗菌剤、紫外線安定化剤、およびこれらの組合せを含んでいてもよい。
【0072】
本発明は、ブラの成型カップなど、成型既製服製品の艶/光沢に適用してもよい。メリヤスブラライナー生地をカップ/衣類形状に成型する場合、メリヤス構造の開口によって、成型後に艶および光沢の損失が生じる。ブラライナーの初期の艶の50%が、成型中に失われると推測される。メリヤス生地に既に存在する艶を維持するのを助けることは重要であるが、当初の艶のレベルを増大することができることも、非常に望まれている。上記プロセスの一実施形態では、VAE樹脂の処理によって、成型後のポリエステル/スパンデックスニットの全体的な艶が400%上昇した。これは、5%固体VAE(TruModa 731−Celanese Emulsion Polymers−Dallas、TXから入手可能)(同上)のパディングプロセスの後、165Fで30から40秒間のステンタフレームでの乾燥/硬化ステージによって実現された。VAEは、当初のメリヤス構造の寸法安定性を維持するよう作用する。この安定性は、圧縮回復率%(RC%)の値で測定され、RC%が上昇すると、メリヤス構造ヤーン間の隙間の体積が最小限に抑えられた成型ブラライナーが得られる。
【0073】
(実施例1〜10)
一連の織布ポリエステル/木綿生地を、調製し試験をした。以下の記述において、試験片を、G1、G2、P1、P2、Y1、Y2、T1、T2、O1、およびO2と定める。サンプルの識別標示は、生地の色(灰色、ピンク、黄色、黄褐色、橙色)に対応し、本発明のサンプル(#2)に対して対照サンプル(#1)と指定する。材料Oの1つの試験片を、異なる部位に関して試験した。
【0074】
O1対照サンプルは、未仕上げのミル製品であり、それに対してその他の対照サンプルは、商用の織物仕上げ組成物で仕上げたものである。本発明の試験片は、下記の通り調製した:
・未処理の生地サンプルを、圧力1バール、ウェブ速度3メートル/分で、低濃度に希釈された水性エマルジョンを用い、連続付着プロセスで処理した。
・用いたエマルジョンは、酢酸ビニル/エチレンエマルジョン樹脂、安定化されたポリビニルアルコール(固形分54%)であり、浴中の固形分濃度が約0.5%のエマルジョン固形分含量になるように、10g/lで液に添加した。使用したエマルジョンは、典型的な粘度2300cps、pH4.5、密度約9 lb/gal、およびTg 0℃を有していた。
・試験をしたサンプルを、180℃で30秒間硬化し、次いでタンブル乾燥した。
【0075】
全ての生地をコンディショニングし、70±3°F(21℃)、65±5%RHの標準気圧実験室条件で試験を行った。
【0076】
川端評価システム(KES)を使用して、手触り特性の客観的測定を行う。小さな力を加えることにより、KES機器は、手作業における生地の基本的変形に対応した機械的特性を測定する。5つの異なる種類の試験を、KESを使用して行ったが、その主な機械的特性を以下に示す。
【0077】
サンプルをコンディショニングし、測定を、20×20cm(折り曲げると10×10cm)の標準試験片サイズを使用して行い、これを3回繰り返した。全ての測定は、圧縮以外は指向的に行われ、サンプルの縦方向および横方向の両方で行う。適切な機器設定を、試験がなされる材料に合わせて使用する。
【0078】
重量は、ASTM D 3776小見本オプションにより測定する。3つの試験片(20×20cm)を分析用天秤で計量し、その重量を、単位面積当たりの質量(oz/yd)で計算した。
【0079】
2cmの面積の圧縮特性を、KES−FB3圧縮テスタ(図2)を用い、0から50gf/cmで、全ての材料に関して測定した。
【0080】
EMC=圧縮率、パーセント−初期厚さの測定値を、最大限の力が加えられたときのサンプルの厚さと比較した。より高い値は、より大きな圧縮率を示す。
【0081】
RC=圧縮レジリエンス、パーセント−力を除去したときの、回復の程度または厚さの復帰。より高いRC値は、圧縮状態からの、より高い回復パーセントを示す。
【0082】
厚さ=2cm面積を0.5gf/cmで測定し、ミリメートルを単位として報告した。
【0083】
KES−FB2曲げテスタ(図3)で測定した曲げは、生地を約150°曲げるのに必要な力の尺度である。
【0084】
B=単位生地幅当たりの曲げ剛性、gf−cm/cm−より高いB値は、堅さ/曲げ運動抵抗がより大きいことを示す。
【0085】
摩擦(抵抗/ドラッグ)および表面の凹凸(粗さ)といった表面特性は、KES−FB4表面テスタ(図4)を使用して決定した。引張り荷重20gf/cmを、標準試験においてサンプルに加える。
【0086】
MIU=摩擦係数、0から1の値−より高いMIU値は、より大きな摩擦または抵抗およびドラッグに該当する。
【0087】
SMD=幾何学的粗さ、ミクロン−より高いSMDは、幾何学的により粗い表面に該当する。
【0088】
剪断=剪断試験において、KES−FB1引張り−剪断テスタ(図5)は、最大オフセット角8°に到達するまで、対向する平行力を生地に加える。プリテンション荷重10gf/cmを、試験片に加える。
【0089】
G=剪断剛性、gf/cm・度−剪断剛性は、繊維同士が互いに対して滑動する結果、軟質/柔軟から硬質/剛性構造をもたらすことの容易さである。より低い値は、剪断運動に対する抵抗力が低いことを示し、より良好なドレープを有するより軟質な材料に該当するものである。
【0090】
引張り=KES−FB1(図6)引張り−剪断テスタで行った引張り試験は、これら材料で使用された最大荷重250gf/cmでの応力/歪みパラメータを測定する。
【0091】
EMT=最大付加力での伸び率または延伸、歪みパーセント。100%=完全に弾性であり;0%=完全に非弾性である。より高い値は、より延伸し易い材料を示す。
【0092】
RT=引張りレジリエンス%−加えた力を除去したときの、歪みからの変形の回復率、または延伸から回復することができないことを示す。より高い値は、延伸された状態からの回復がより大きいことを示す。
【0093】
表1は、表2〜7に示される詳細なデータと共に、試験結果の概要を含有する。
【0094】
結果は、生地の様々な快適さに関連した特徴を示すチャートである、図1にもまとめられている。
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】


【0099】
【表5】


【0100】
【表6】


【0101】
【表7】


【0102】
図1は、本発明により処理され生地と従来の仕上げとの間の相違をまとめる。
【0103】
基本重量に関し、標準的なミル仕上げで仕上げた生地は、本発明の仕上げよりも重くなかったことがわかる。ここで重要なポイントは、標準的な仕上げが最大4種の生成物で構成されるのに対し、本発明の仕上げは1つの主要構成要素しか持たないことである。標準配合物中の4種の生成物は、Celanese仕上げよりも多くの固形分を有するので、これら2つの仕上げが同様の含浸量を提供するときに、使用においてそれほど効率的でないことは明らかである。このように、本発明で用いられた仕上げは、驚くほどの直接性および染着速度を有することがわかる。
【0104】
圧縮に関し、EMC%は、1本の指または多数の指で触れた点で、生地が圧縮される(より薄くなる)能力を表す。これは、想定される快適さで「より低い」と本発明者らがランク付けた、1つの変数である。これは、本発明者らがそれほど快適ではないことを意味するものではないとする、2つの理由がある。1つは、この生地が織布材料であり、通常EMCは、メリヤス編みされた既製服用生地により関連付けられ、この生地は、織布母材よりも大きく圧縮力に順応することが予測される。2つめは、本発明のポリマーがこの場合、より強力な母材を生成し、生地の強度を増大させることであり、このため圧縮は防止されるが(完全ではなく、ただ標準と比較しただけにすぎない。)強度特性が高められる。
【0105】
圧縮が限られる場合、圧縮の「回復」は、標準よりも良好である。これは、織布の全体的な耐久性および「新しさ」の感触を増大させる。
【0106】
厚さは、一般に本発明の仕上げの場合に薄い。快適さにおけるこの変数は、顧客固有のものであり、一部ではより厚い生地が求められる可能性があるが(フリースまたは上着/セーターなどの場合において)、このタイプの軽い織布製品は、快適さのために、より厚い手触りを必要としない可能性もある。さらに、それほど厚くしないことによる本発明の仕上げは、代わりのドレープ効果を可能にする。
【0107】
曲げに関し、曲げは、標準仕上げに比べて本発明の使用の場合に制限される。本発明の仕上げは、織布母材の強度を増大させる。本発明者らの曲げは、標準仕上げよりも少ないが、生地生産者からの快適さに関する仕様の範囲内である。曲げ抵抗は、生地の寿命も延ばす。
【0108】
表面に関し、表面変数、MIUおよびSMUの両方は、本発明の仕上げで+を示す。これは、生地の滑らかさ、ならびに低い抵抗性、ドラッグ、および摩擦を表面に備えることを指す。本発明の仕上げは、標準仕上げに比べ、高級感のある手触りを織布にもたらす。
【0109】
剪断および引張り強度に関しては、圧縮および曲げの場合と同様に、強度特性が、織布の強度特性を増大させるという本発明の仕上げの傾向を裏付ける。延伸状態からの回復は、本発明の仕上げにより改善され、より長い衣類の寿命がもたらされる(洗濯および使用に対する耐久性を介して)。また、剪断特性も改善される。
【0110】
具体的には、一般に実施例1〜10に関連して、本発明の処理により、150°の曲げの値B、gf−cm/cmは、未処理の同様の生地よりも0%から40%高くなることがわかる。いくつかの好ましいケースでは、150°の曲げの値は、同様の未処理の生地よりも5%〜20%高い。
【0111】
表面の滑らかさに関し、一般に本発明は、より滑らかな表面であることを示すより低いSMD値を提供することがわかり、多くの場合、同様の未処理の生地よりも0%または5%から15%の任意の値だけ低いSMDを提供する。
【0112】
強度または延伸抵抗は、EMT値により示されるように増大し、未処理の同様の生地と比べて0%〜30%または5〜20%の任意の値だけ低く;より低い延伸回復は、より高いRT値によって示されるように増大し、同様の未処理の生地よりも0%〜30%または5%〜15%の任意の値だけ高い。
【0113】
剪断抵抗も、より高いG値によって示されるように一般に増大し、同様の未処理の生地に比べて0%〜50%または5%〜20%の任意の値だけ増大する。
【0114】
(実施例11〜13)
メリヤスポリエステル生地を調製し、一般に上述のように試験をした。実施例11および12の試験片は、そのままの材料約20g/lを有する実施例1〜10に関連した上述のポリ酢酸ビニル/エチレンPVOH安定化エマルジョンで処理した。実施例11の材料は、柔軟剤、20g/lのシリコーンベースの陽イオン性柔軟剤(固形分25%)でも処理した。実施例13は、本発明の仕上げで処理しなかった。
【0115】
結果を表8から13までに示す。
【0116】
【表8】

【0117】
【表9】

【0118】
【表10】

【0119】
【表11】

【0120】
【表12】

【0121】
【表13】

【0122】
【表14】

(実施例14)
【0123】
「皺防止」仕上げの場合、米国繊維化学者色彩技術者協会(AATCC)による一般的な試験方法を使用することができる。AATCC試験方法124−2006「家庭で繰り返される洗濯の後の生地の外観(Appearance of Fabrics after Repeated Home Laundering)」を、成型後および洗濯後のブラのカップに使用した。この試験方法は、平らな生地のパーマネントプレス(DP)仕上げを評価するのに一般に使用されるが、ブラカップの洗濯後の外観を判断するのに使用することもできる。正しく定義すると、ブラカップの「皺」は、洗濯皺または「洗浄しまたは乾燥した試験片で任意の方向に走る鮮明な折り目または線」...と呼ぶことができる。洗濯皺は、洗浄器または乾燥器における試験片の、制約された運動による意図しない結果である。ブラカップの特殊なケースでは、皺は、ポリウレタンフォームインナーカップ構成要素の弱いポイントから始まる。洗濯機の機械的動作、ならびに乾燥器での水の不均一な乾燥は共に、チャネル、即ちフォーム密度が低く、より弱い強度を有する縦長の領域をもたらす。これらのチャネルは、最終的には洗濯プロセスで折り目をもたらすことになる。折り目は、次々と、より多くのチャネルをもたらし続ける。結局、現れた皺の量は、製品の外観、ファッション、および最終的には消費者の身体的快適さに影響を及ぼす。ブラライナーにおけるTruModa 711仕上げ(Celanese Emulsion Polymers−Dallas、TXから入手可能な酢酸ビニルエマルジョンポリマー)の0.05%から0.5%の範囲が、選択皺を低減させることが見出された。ブラカップライナーの圧縮回復%およびより高い引張り強度特性は、家庭での洗濯の湿潤(洗濯)および乾燥段階中に、フォームの寸法安定性を補助する助けをする。皺防止生成の例:
【0124】
【表15】

【0125】
集合2〜4の試験片を、10g/LのTrumoda 0.5%で処理し、1分当たり23.8メートルの速度で加工し、170℃の温度で29秒間乾燥した。滑らかさの外観の評点スケールは1〜5に及び、1は不十分な結果であり、5は良好な結果である。
【0126】
前述の内容から、本発明の方法および生成物は、既製服全般が意図されることが明らかである。多様性と、質感および強度を生地に与える能力により、本発明の方法および生成物は、特殊な下着にも適切である。下着または肌着は、その他の服の下に着用する服であり、しばしば皮膚に隣接する。肌着は様々な理由で着用される。肌着は、外側の服が発汗によって汚れないようにする。女性用のブラジャーは女性の乳房を支え、男性用のブリーフは、男性性器に対して同じ機能を発揮し;コルセットは、女性の体形を変化させる補強衣類として着用することができる。スポーツをするときのさらなる支えおよび保護のため、男性はしばしば、サポーターおよびトランクスを含めたよりタイトにフィットした肌着を着用する。女性は、より大きな支えをもたらすスポーツブラを着用することができ、したがって快適さが増し、ジョギングなどの衝撃の高い運動中に胸部の靭帯が損傷する機会を低下させる。肌着は、着用者の慎み深さを保つのに使用することができ−例えば一部の女性は、薄地のまたはタイトなフィッティングである服の下にキャミソールおよびスリップ(ペチコート)などを着用する。物理特性の独自の集合により、本発明の生成物は、皮膚に隣接して着用するのに十分快適であり、支えを行いかつ/または生地の変形を過度に明らかにさせないよう十分な質感および引張り強度をさらに提供する。
【0127】
全体として、本発明の仕上げによる生地は、独自の快適さ関連特性プロファイルを有することがわかる。織物表面には、光沢、艶、艶消し、および明るさなど、独自の外観属性も提供される。
【0128】
本発明について詳細に記述してきたが、本発明の精神および範囲内の修正例が当業者に容易に明らかにされよう。前述の考察、当技術分野での関連ある知見、およびその開示が参照により本明細書に全て組み込まれる、背景および詳細な説明に関連して上記にて論じられた参考文献を考慮すれば、さらなる記述は不要であるように考えられる。さらに、本発明の態様および様々な実施形態の部分は、全体的にまたは部分的に組み合わせることができまたは交換することができることを理解すべきである。さらに、当業者なら、先の記述は単なる例示であり、本発明を限定するものではないことが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.酢酸ビニルエチレンエマルジョン、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分65重量%を含む、水性仕上げ液を調製するステップと;
b.織物に前記仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるように前記液を前記織物に取り込むステップと;
c.前記湿潤状態の織物を、前記仕上げ樹脂が前記織物の繊維と相互結合するように制御される条件下、昇温して加工するステップとを含み;前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から65重量%未満の含浸量レベルで前記織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、前記織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する、
織物を仕上げる方法。
【請求項2】
前記仕上げ樹脂が、酢酸ビニルエマルジョン樹脂である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仕上げ樹脂が、酢酸ビニル/エチレンコポリマーエマルジョンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記仕上げ樹脂が、自己架橋型酢酸ビニルエチレンエマルジョン樹脂である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仕上げ樹脂が、ポリビニルアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記仕上げ樹脂が、疎水変性ポリビニルアルコール樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から5重量%の含浸量レベルで前記織物の表面に永続的にかつ均一に相互結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記仕上げ樹脂が、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー;ビニルアミンコポリマー;スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される樹脂である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記織物が木綿を含み、前記仕上げ樹脂が、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマーまたはポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記仕上げ液が、セルロース、およびSBRラテックスなどの合成ラテックスから選択される追加の樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記仕上げ液が、湿潤剤、消泡剤、柔軟剤、相溶化剤、糊、キレート剤、固着剤、緩衝剤、コーティング剤、結合剤、ラテックス、リリース仕上げ剤、酵素、難燃剤、蛍光増白剤、パーマネントプレス剤、抗菌剤、紫外線安定化剤、およびこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記仕上げ樹脂が、洗濯に対する前記織物の耐久性を改善するように前記織物と相互結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から2.5重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から1重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記仕上げ樹脂が、被膜の形で前記繊維と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記織物が織布である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記織物がメリヤス生地である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記織物が、天然繊維のブレンド、合成繊維のブレンド、またはその両方のブレンドを含む生地である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記織物が、木綿繊維およびポリエステル繊維のブレンドを含む生地である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
処理した前記織物が、仕上げ済みの衣類である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記水性仕上げが、外部架橋剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記湿潤状態の織物が、125°F(50℃)よりも高く450°F(232℃)未満の温度で加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記湿潤状態の織物が、140°F(60℃)よりも高く450°F(232℃)未満の温度で加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記湿潤状態の織物が、150°F(65℃)よりも高く450°F(232℃)未満の温度で加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記湿潤状態の織物が、212°F(100℃)よりも高く450°F(232℃)未満の温度で加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記仕上げ樹脂が、自己架橋型酢酸ビニルエチレンエマルジョン樹脂であり、前記織物が、前記樹脂を硬化するために250°F(121℃)よりも高く450°F(232℃)未満の温度で加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記織物が、前記仕上げ液の浴への浸漬によって飽和され、前記仕上げ液は、前記湿潤状態の構造を絞りロールで圧縮することにより前記織物から部分的に除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記織物が、125°F(50℃)から450°F(232℃)の範囲の温度で前記仕上げ液の浴に浸漬することにより飽和される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記織物が、140°F(60℃)から450°F(232℃)の範囲の温度で前記仕上げ液の浴に浸漬することにより飽和される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記織物が、200°F(93℃)から450°F(232℃)の範囲の温度で前記仕上げ液の浴に浸漬することにより飽和される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分50重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分40重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分30重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分20重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分10重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分5重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記生地を、赤外線および/またはマイクロ波で処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記仕上げ樹脂が紫外線硬化性組成物を含み、前記湿潤状態の生地に紫外線を照射するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記仕上げ液が、有害な変色を与えないようにかつ/または織物のCIEL値を改善するように作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記仕上げ液が、外観特性を与えるように、特に織物の光沢を改善するように作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記仕上げ液が、前記織物の感触を改善するように、特に厚さを改善するように作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記仕上げ液が、前記織物に水分輸送特性を与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記仕上げ液が、前記織物に手触りを与えるように、特に滑らかさを与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記仕上げ液が、前記織物に、剪断、破裂、および引張り強度などであるがこれらに限定されない強度特性を与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記仕上げ液が、前記織物に熱伝達特性を与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記仕上げ液が、前記織物の圧縮および圧縮からの回復の特性の改善を通して耐久性および長寿命を与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記仕上げ液が、前記織物に曲げ特性を与えるよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記仕上げ液が、前記織物の寸法安定性に悪影響を与えないよう作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記仕上げ液が、前記織物のインク受容性に悪影響を与えないよう作用し、または前記織物のインク受容性を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
a.酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物からなる群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分5重量%を含む、水性仕上げ液を調製するステップと;
b.織物に前記仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるように前記液を前記織物に取り込むステップと;
c.前記湿潤状態の織物を、前記仕上げ樹脂が前記織物の繊維と相互結合するように制御される条件下、昇温して加工するステップとを含み;前記仕上げ樹脂は、0.05重量%から10重量%未満の含浸量レベルで前記織物の繊維の表面と永続的にかつ均一に相互結合し、前記織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるよう作用する、
織物を仕上げる方法。
【請求項51】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.1重量%から固形分2.5重量%を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記仕上げ液が、前記仕上げ樹脂の固形分0.1重量%から固形分1重量%を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
a.酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物からなる群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分40重量%、ならびに第1の染料である少なくとも1種の染料を含む、水性仕上げ液を調製するステップと;
b.天然および合成繊維のブレンドである織物に前記仕上げ液を飽和させて、湿潤状態の織物が得られるように前記液を前記織物に取り込むステップと;
c.前記湿潤状態の織物を、前記仕上げ樹脂が前記織物の繊維と相互結合するようにかつ前記染料が前記織物に固着するように制御される条件下、昇温して加工するステップとを含み;前記仕上げ樹脂は、0.05重量%から40重量%未満の含浸量レベルで前記織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、前記織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する、
天然および合成繊維のブレンドである織物を同時に染色しまたは色付けしかつ仕上げる方法。
【請求項54】
前記生地が、ポリエステルヤーンおよび木綿ヤーンのブレンドである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記仕上げ液が、第2の染料を含有する、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記第1の染料が前記天然繊維に選択的に付着され、前記第2の染料が前記合成繊維に選択的に付着され、またはその逆も同様である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
酢酸ビニルエチレンエマルジョンまたは酢酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物から選択される、その含浸量レベルが0.05重量%から65重量%未満である仕上げ樹脂であって、前記織物の繊維の表面に永続的にかつ均一に相互結合し、かつ前記織物の少なくとも1つの快適さ関連特性を変化させるように作用する仕上げ樹脂で仕上げられた織物。
【請求項58】
前記仕上げ樹脂が酢酸ビニルエマルジョン樹脂である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項59】
前記仕上げ樹脂が酢酸ビニル/エチレンコポリマーエマルジョンである、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項60】
前記仕上げ樹脂が自己架橋型酢酸ビニルエチレンエマルジョン樹脂である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項61】
前記仕上げ樹脂が、1,000から1,000,000の分子量(Mw)を有するポリビニルアルコールを含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項62】
前記仕上げ樹脂が、10,000から500,000の分子量(Mw)を有するポリビニルアルコールを含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項63】
前記仕上げ樹脂が、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー;ビニルアミンコポリマー;スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される樹脂である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項64】
前記織物が木綿を含み、前記仕上げ樹脂が、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマーまたはポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項65】
ラテックスまたはセルロース樹脂をさらに含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項66】
前記仕上げ樹脂が、被膜の形態で前記繊維と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項67】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から55重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項68】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から45重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項69】
前記織物が織布である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項70】
前記織物がメリヤス生地である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項71】
前記織物が、天然および合成繊維のブレンドを含む生地である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項72】
前記織物が、木綿ヤーンおよびポリエステルヤーンのブレンドを含む生地である、請求項71に記載の仕上げ済み織物。
【請求項73】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から50重量%未満の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項74】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から40重量%未満の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項75】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から30重量%未満の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項76】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から20重量%未満の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項77】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から15重量%未満の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項78】
前記織物が、10重量%から50重量%の仕上げ樹脂の含浸量を有する追従性のある生地であり、前記生地は、着用したときに身体構造的特徴を隠すのに適している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項79】
前記織物が、さらなる機械加工なしにブラッシングまたはサンダー仕上げすることによってスエード加工され/テクスチャ加工された表面を提供することが可能な、5重量%から50重量%の含浸量が提供された合成/天然繊維の生地である、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項80】
前記仕上げ樹脂が、0.05重量%から10重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項81】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から5重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項82】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から2.5重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項83】
前記仕上げ樹脂が、0.1重量%から1重量%の含浸量レベルで前記織物の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項84】
前記仕上げ樹脂がポリ酢酸ビニルを含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項85】
前記仕上げ樹脂がポリビニルアルコールを含む、請求項57に記載の仕上げ済み織物。
【請求項86】
a.織物をステンタフレームに投入するステップ;
b.酢酸ビニルエチレンエマルジョン、酢酸ビニルアクリル、アクリルエマルジョンなどのコポリマーを含む酢酸ビニルエマルジョン樹脂、ポリビニルアルコールビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコールビニルアミンコポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂、スルホン酸官能化ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂全般;およびこれらの混合物を含む群から選択される、仕上げ樹脂の固形分0.05重量%から固形分65重量%を含む水性仕上げ液を前記織物上にパディングして、前記液を前記織物に取み込みかつ湿潤状態の織物を提供するステップ;
c.前記湿潤状態の織物を、前記仕上げ樹脂と前記織物の繊維とが相互結合しかつ過剰な仕上げ液が前記湿潤状態の織物から除去される速度および圧力でニップローラに通すステップであって、前記仕上げ樹脂は0.05重量%から65重量%未満の含浸量レベルで前記織物の繊維の表面と永続的にかつ均一に相互結合しているステップ;
d.前記湿潤状態の織物を、仕上げ済み織物が得られる時間にわたりある温度で乾燥するステップ;
e.前記仕上げ済み織物を裁断して、インティメイトガーメントの内部ライニングおよび外部ライニングを生成するステップ;
f.内側および外側を有する内層を覆うステップであって、前記内部ライニングが前記内層の前記内側を覆いかつ前記外部ライニングが前記外側を覆うステップ;
g.インティメイトガーメントを提供する時間にわたりある温度で前記内層へ前記内部ライニングおよび前記外部ライニングを成型するステップ
を含む、皺防止仕上げをインティメイトガーメントに沈着させるプロセス。
【請求項87】
前記湿潤状態の織物を、15から25メートル/分の範囲の速度および0.8から1.2バールの範囲の圧力で前記ニップローラに通す、請求項86に記載のプロセス。
【請求項88】
前記湿潤状態の織物を、10から60秒に及ぶ時間にわたって125から200℃の範囲の温度で乾燥する、請求項86に記載のプロセス。
【請求項89】
前記成型が、60から180秒に及ぶ時間にわたって140から200℃の範囲の温度で行われる、請求項86に記載のプロセス。
【請求項90】
前記仕上げ樹脂が酢酸ビニルエマルジョン樹脂である、請求項86に記載のプロセス。
【請求項91】
前記酢酸ビニルエマルジョン樹脂が0.5%固溶体である、請求項90に記載のプロセス。
【請求項92】
前記仕上げ樹脂が、35重量%から40重量%未満の含浸量レベルで前記織物の繊維の表面と永続的にかつ均一に相互結合している、請求項86に記載のプロセス。
【請求項93】
前記織物が、合成繊維を含むメリヤス生地である、請求項86に記載のプロセス。
【請求項94】
前記合成繊維がポリエステル繊維である、請求項91に記載のプロセス。
【請求項95】
前記仕上げ液が、湿潤剤、消泡剤、柔軟剤、相溶化剤、糊、キレート剤、固着剤、緩衝剤、コーティング剤、結合剤、ラテックス、リリース仕上げ剤、酵素、難燃剤、蛍光増白剤、パーマネントプレス剤、抗菌剤、紫外線安定化剤、およびこれらの組合せを含む、請求項86に記載のプロセス。
【請求項96】
前記仕上げ液が、外観特性を与えるように、特に織物の光沢を改善するように作用する、請求項86に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−524178(P2012−524178A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505949(P2012−505949)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031333
【国際公開番号】WO2010/121090
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(500270974)セラニーズ・インターナショナル・コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】