説明

生姜抽出物とL−カルニチンとを含有する組成物

【課題】本発明は、生体リズムの調整効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物を提供すること目的とする。具体的には、身体に本来備わっているリズム形成を促し、眠気、憂鬱感及びだるさを低減させる効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物を提供すること目的とする。
【解決手段】生姜又はその抽出物とL−カルニチンとを共に含有する組成物は、生姜又はその抽出物単独或いはL−カルニチンを単独で含有する組成物と比較して生体リズムの調整効果が有意に高い。具体的には、生姜又はその抽出物とL−カルニチンとを共に含有する組成物の摂取により、身体に本来備わっているリズム形成の促進、並びに眠気、憂鬱感及びだるさの低減について相乗効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に本来備わっているリズム形成を促し、眠気、憂鬱感及びだるさを低減させる効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に生姜(Zingiber officinale)には、交感神経刺激作用、及び脂肪分解や消化管刺激による体熱産生作用があることが知られている。
【0003】
特許文献1には、フラボノイド類やテルペノイド類等を含む、概日リズムを調整するための組成物が開示されている。特許文献1には、テルペノイド類やフラボノイド類が時計遺伝子の発現に影響すると記載されている。ここで、セスキテルペノイド類としては、生姜由来のものを使用できることが記載されている。また、フラボノイド類としては、ヘスペレチンを使用できることが記載され、加齢に伴う体温変動幅の低下への影響が示唆されている。
【0004】
L−カルニチンは、肉類に多く含まれるアミノ酸であり、特に脂肪代謝の際に重要な役割を果たすことが知られている。また、憂鬱感を低減させたり、意欲を向上させる作用を有することも知られている。
【0005】
特許文献2には、カルニチンを含有することを特徴とするオレキシン誘導組成物が開示されている。特許文献2には、カルニチンを摂取することにより脳内オレキシンレベルが亢進され、これにより覚醒困難状態又は行動力低下が改善されることが記載されている。
【0006】
しかしながら、生姜とカルニチンの組合せは従来知られておらず、特許文献1及び2からも示唆されていない。さらには、生姜とカルニチンの組合せが、身体に本来備わっているリズム形成の促進、並びに眠気、憂鬱感及びだるさの低減について相乗効果を奏すること、またこのような生体リズムの調整効果を有するために朝型への生活改善のための飲食品又は医薬品に応用可能であることは従来知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−266319公報
【特許文献2】特開2006−137746公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、生体リズムの調整効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物を提供すること目的とする。具体的には、身体に本来備わっているリズム形成を促し、眠気、憂鬱感及びだるさを低減させる効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、生姜又はその抽出物とL−カルニチンとを共に含有する組成物が、生姜又はその抽出物単独或いはL−カルニチンを単独で含有する組成物と比較して生体リズムの調整効果が有意に高いことを見出した。より具体的には、生姜又はその抽出物とL−カルニチンとを共に含有する組成物の摂取により、身体に本来備わっているリズム形成の促進、並びに眠気、憂鬱感及びだるさの低減について相乗効果が得られることを見出した。
【0010】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物と、L−カルニチンとを含有する組成物。
【0011】
(2)経口摂取される組成物であって、一回の経口摂取量当たり、ジンゲロールとショウガオールを総量で0.5mg以上含有する量の生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物と、300mg以上のL−カルニチンとを含有する、上記(1)に記載の組成物。
【0012】
(3)飲食品又は医薬品である、上記(1)又は(2)に記載の組成物。
【0013】
(4)液状組成物である、上記(3)に記載の組成物。
【0014】
(5)生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物とL−カルニチンとを有効成分として含有する、生体リズム調整剤。
【発明の効果】
【0015】
生姜抽出物とL−カルニチンとを含有する本発明の組成物を朝に摂取することで、身体に本来備わっているリズム形成が促され、眠気やだるさが低減されるので、ビジネスに適した朝型への生活改善に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は試験1の試験スケジュールを示す。
【図2】図2は試験1における自律神経活動の評価の結果を示す。
【図3】図3は試験1における舌下体温の測定結果を示す。
【図4】図4は試験1におけるPOMSによる精神状態の評価の結果を示す。
【図5】図5は試験1におけるATMTによる作業効率の評価(R課題)の結果を示す。
【図6】図6は試験2の試験スケジュールを示す。
【図7】図7は試験2における、実施例及び比較例1〜3の自律神経活動の評価及び舌下体温の測定の結果を示す。
【図8】図8は試験2における、実施例及び比較例4の自律神経活動の評価及び舌下体温の測定の結果を示す。
【図9】図9は試験3における、各配合の飲料についてのVAS法による自覚症状の評価結果(効果実感の有無)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.生姜又は生姜抽出物
本発明に用いる生姜としては、学名Zingiber officinaleの地下茎部分を用いる。生姜の地下茎部分には、典型的には、ジンゲロールとショウガオールが総量で11〜27mg/g(地下茎部分乾燥重量)程度含有される。
【0018】
本発明に用いる生姜抽出物はジンゲロール及びショウガオールを含むものであり、生姜の地下茎部分を有機溶媒、水又は超臨界流体若しくは亜臨界流体である溶媒で抽出することにより得ることができる。生姜抽出物には、辛味受容体であるTRV1受容体に作用して辛味を感じさせるジンゲロール及びショウガオールが含まれる。生姜抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することができ、また抽出液を濃縮または希釈したものを使用することもできる。また、抽出液からジンゲロール及びショウガオールを精製または粗精製したもの、精製されたジンゲロール及びショウガオールを乳化して可溶化した製剤を使用することもできる。抽出溶媒としては、ジンゲロール、ショウガオールを抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、二酸化炭素等の超臨界流体が好ましい。
【0019】
なお、生姜抽出物中のジンゲロール及びショウガオールの濃度は、高速液体クロマトグラフィー(Agilent technology社製Agilent1100)を用いて測定することにより求めることができる。一般に、生姜抽出物中にはジンゲロールが約1.9重量%、ショウガオールが約0.6重量%含有される。
【0020】
生姜又は生姜抽出物は、本発明の組成物又は生体リズム調整剤中に、辛味を感じさせ、その結果体熱産生作用が生じる量で配合される。このような量として、辛み成分であるジンゲロールとショウガオールの総量が、一回の経口摂取量当たり、好ましくは0.5mg以上、より好ましくは0.75〜2.5mgとなる量の生姜又は生姜抽出物が本発明の組成物又は生体リズム調整剤中に配合される。ここで、ジンゲロールとショウガオールは同様の生理作用を示すものであり、また、加熱等によってジンゲロールからショウガオールへの変換が生じることから、両者は区別することなく総量で規定される。
【0021】
「一回の経口摂取量」とは、本発明の組成物又は生体リズム調整剤が一度に経口摂取される量、或いは短い時間間隔(例えば10分以下、好ましくは5分以下の時間)をおいて連続的に複数回で経口摂取される総量を指し、本発明の組成物又は生体リズム調整剤が液状組成物の形態である場合には例えば50〜500ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml又は500ml)がその量であり、半固形状(ゼリー状等)、固形状等の他の形態である場合には例えば50〜500g(典型的には50g、100g、150g、200g、250g、300g、350g、400g、450g又は500g)がその量である。以下でも「一回の経口摂取量」をこの意味で用いる。
【0022】
2.L−カルニチン
本発明に用いるL−カルニチンとしては、市販のL−カルニチン製剤又はその塩を使用することができる。また、肉類やその抽出物、又はこれらの加工品等を使用することもできる。
【0023】
L−カルニチンの摂取は、米国では許容一日摂取量(ADI)が20mg/kg(体重)/日と評価されており、スイスでは1000mg/日が摂取の条件とされている。
【0024】
L−カルニチンは、眠気や憂鬱感の低下についての効果実感及び1日の安全摂取量の観点から、本発明の組成物又は生体リズム調整剤中に、一回の経口摂取量当たり、好ましくは300mg以上、より好ましくは300mg〜1000mg配合される。
【0025】
なお、L−カルニチンの濃度は、高速液体クロマトグラフィー(Agilent technology社製Agilent1100)を用いて測定することにより求めることができる。
【0026】
3.他の成分
本発明の組成物は少なくとも上記の生姜又は生姜抽出物とL−カルニチンとを含有するが、他の成分を更に含んでいても構わない。他の成分は飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分である限り特に限定されない。
【0027】
特に、液状組成物は、水中に、上記の生姜又は生姜抽出物とL−カルニチン以外に更に、果糖ブドウ糖液糖、環状オリゴ糖、酸味料、増粘剤、イノシトール、香料、ナイアシン、酸化防止剤、ビタミン類、甘味料等を添加することにより調製することができる。
【0028】
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、或いはこれらの塩等が挙げられる。
【0029】
増粘剤としては、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。
【0030】
甘味料としては、果糖、ブドウ糖、液糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム等の高甘味度甘味料が挙げられる。
【0031】
酸化防止剤としては、ビタミンC、酵素処理ルチン等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンE等が挙げられる。
【0032】
4.組成物及びその用途
本発明の組成物は、生体リズムを調整するための飲食品組成物又は医薬品組成物として使用することができる。
【0033】
本発明の組成物の形態は特に限定されないが、経口摂取に適した液状、固形状または半固形状の組成物が好ましく、液状の組成物であることが特に好ましい。液状組成物は、水を基調とする組成物であり、例えば水を90重量%以上含有する。液状組成物は、液状食品(飲料)として提供されてもよいし、液状の経口投与用の医薬品として提供されてもよいが、好ましくは飲料である。かかる液状組成物は、瓶やアルミ製やスチール製の容器、或いはペットボトル等の容器に充填して製品とすることができる。また、本発明の組成物を顆粒状に形成したり、打錠したものを適宜容器に収容して製品としてもよい。
【実施例】
【0034】
本試験では、生姜抽出物とL−カルニチンとを含有する本発明の組成物の生体リズムの調整効果を確認した。
【0035】
試験1.プラセボ飲料との比較試験
試料の調製
下記の配合で、生姜抽出物とL−カルニチンとを含む飲料(実施例)を調製した。
【0036】
【表1】

【0037】
使用した生姜抽出物は、インド産とナイジェリア産のショウガ混合物を二酸化炭素を溶媒として超臨界抽出することにより得られた抽出物を精製・乳化した香辛料抽出物製剤(高砂香料工業株式会社製)である。この生姜抽出物中のジンゲロール含量は約1.9重量%、ショウガオール含量は約0.6重量%である。
【0038】
L−カルニチンは、微生物発酵法により単離精製したロンザジャパン(株)製のL−カルニチン(L−カルニチン結晶性粉末)を使用した。
【0039】
比較対照としては、実施例の上記配合から生姜抽出物及びL−カルニチンを除いたプラセボ飲料(比較例1)を用いた。
【0040】
試験方法
20〜30代で朝が弱く、朝食をほとんど食べない健康な男性10名を対象として、起床後に飲料100mlを摂取し、その後17時まで、経時的に下記の項目について試験した(図1)。
【0041】
試験項目
(1)自律神経活動の評価
自律神経活動の評価は以下の手順で行った。
【0042】
まず、加速度脈波測定システム(株式会社ユメディカ社製 アルテット)を用いて脈拍を計測し、脈波の時間変動を用いて心拍変動を算出した。これを周波数解析することにより、心拍変動の高周波成分(HF)及び低周波成分(LF)を得た。
【0043】
そして、自律神経活動度指標として、副交感神経活動指標を表す高周波成分(HF)、及び交感神経活動指標を表す低周波成分/高周波成分(LH/HF)を算出した。
被験食摂取後1.5時間、8時間に測定した。
【0044】
(2)舌下体温の測定
口中専用電子体温計(オムロン社製 MC−672L)を舌下に挟み、実測値にて評価した。
被験食摂取直前と摂取後0.5時間、1.5時間、4.5時間、8時間、10時間に測定した。
【0045】
(3)精神状態の評価(POMS)
POMS(Profile of Mood States)とは、65の検査項目からなる“気分プロフィール検査”である。被験者の置かれた条件によって変化する一時的な気分・感情の状態を「緊張」、「抑うつ」、「怒り」、「活気」、「疲労」、「混乱」の6つの気分尺度で評価することができる。働く人のメンタルヘルスケア(心の健康診断)、スポーツ選手の疲労度チェックやコンディションづくり、医療現場で身体疾患のある方の気分の状態の測定などに、幅広く使われている。
被験食摂取後1.5時間に測定した。
【0046】
(4)作業効率の評価
ATMT(Advanced Trail Making Test)とは、総合医科学研究所(株)が開発した精神疲労に関する定量化システムのことである。1から順にポイントされる25個のターゲットをタッチパネル画面上にランダムに配置して表示し、被験者に1から順に各ターゲットを押させて、各ターゲットの探索に要した時間(探索反応時間)を測定する。
【0047】
ATMTによる作業反応時間の合計を作業効率(パフォーマンス)と捉えて評価した。1〜25までの数字を全て消すのに要した探索反応時間の合計を作業効率と捉えた。固定(F)課題においては出現する数字の配置が固定されており、ランダム(R)課題においては反応毎に全ての数字配置が変わる。
固定(F)課題とランダム(R)課題を被験食摂取後1.5時間と摂取後8時間に実施した。
【0048】
(5)自覚症状の評価
VAS(Visual Analog Scale)法とは、自覚的症状の程度を数値化して評価する検査である。直線状に、考えられうる最高の状態を右端、最低を左端としてその線分上に自分の状態の程度を示してもらう方法である。主観的な評価のために臨床医学でも広く用いられており、特に同被験者間の投与前後の状態の比較などに使われる。VAS法により「眠気」、「憂鬱感」、「だるさ」について評価した。
【0049】
被験食摂取直前と摂取後0.5時間、1.5時間、4.5時間、8時間、10時間に測定した。
【0050】
試験結果
(1)自律神経活動の評価
自律神経活動の評価の結果を図2に示す。
【0051】
摂取後1.5時間において、プラセボ飲料(比較例1)では交感神経活動が活発化しないのに対し、生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)ではプラセボ飲料(比較例1)に対して交感神経活動が有意に活発化することが確認できた。また、生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)ではプラセボ飲料(比較例1)に対して副交感神経活動が有意に低いことが確認できた。
【0052】
(2)舌下体温の測定
舌下体温の測定結果を図3に示す。
生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)の摂取により朝食摂取者と同様の生体リズムへと変化していることが確認できた。
【0053】
(3)精神状態の評価(POMS)
POMSによる精神状態の評価の結果を図4に示す。
生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)の摂取により、プラセボ飲料(比較例1)と比較して有意に出社時の活気が向上し、また疲労が低下していることが確認できた。
【0054】
(4)作業効率の評価
ATMTによる作業効率の評価(R課題)においての結果を図5に示す。
生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)の摂取により、プラセボ飲料(比較例1)と比較して有意に朝からアクティブになっていることが確認できた。このように、複雑なR課題では、生姜+カルニチン摂取による作業効率の改善傾向が認められた。
【0055】
なお、単純作業のF課題では差は認められなかった(図示せず)。
【0056】
(5)自覚症状の評価
VAS法による自覚症状の評価において、生姜抽出物+L−カルニチン含有飲料(実施例)の摂取による憂鬱感や眠気の低下が確認された。
【0057】
試験2.生姜抽出物又はL−カルニチン単独との比較試験
試料の調製
実施例の上記配合からL−カルニチンを除いた生姜抽出物含有飲料(比較例2)、生姜抽出物を除いたL−カルニチン含有飲料(比較例3)、生姜抽出物及びL−カルニチンを除いてヘスペリジン(0.5%)を配合したヘスペリジン含有飲料(比較例4)をそれぞれ調製した。なお、ヘスペリジンはヘスペレチンの配糖体である。ヘスペリジンは(株)林原商事の林原ヘスペリジンSを使用した。
【0058】
試験方法及び試験項目
20〜30代で朝が弱く、朝食をいつも食べない健康な男性4名を対象として、出社後(朝9時)に飲料100mlを摂取し、その後12時まで経時的に、自律神経活動、舌下体温及び自覚症状について上に記載した方法と同様に試験した。各試験項目において、被験食摂取直前と摂取後0.5時間、1.0時間、3.0時間に測定を行った(図6)。
【0059】
試験結果
(1)生姜抽出物又はL−カルニチン単独に対する優位性
実施例及び比較例1〜3の自律神経活動の評価及び舌下体温の測定の結果を図7に示す。
【0060】
生姜抽出物単独(比較例2)では生体リズムへの影響が認められず、L−カルニチン単独(比較例3)では、眠気や憂鬱感の主観的評価(VAS法)による効果実感は認められなかった。
【0061】
(2)ヘスペリジンに対する優位性
実施例及び比較例4の自律神経活動の評価及び舌下体温の測定の結果を図8に示す。
ヘスペリジン(比較例4)は朝食欠食者の体温には影響しなかった。また、比較例4では眠気や憂鬱感の主観的評価(VAS法)による効果実感も認められなかった。
【0062】
実施例及び比較例1〜4の結果を表2にまとめる。
【0063】
【表2】

【0064】
試験3.生姜抽出物及びL−カルニチンの好適な配合量の検討
試料の調製
実施例1の配合において、L−カルニチンと生姜抽出物飲料の配合量を種々調整した飲料を調製した(図9)。
【0065】
試験方法及び試験項目
20〜30代で朝が弱く、朝食をいつも食べない健康な男性3名を対象として、出社後(朝9時)に飲料100mlを摂取し、その後12時まで、経時的に試験2と同様の試験スケジュールで自覚症状について試験し、眠気や憂鬱感の主観的評価による効果実感の有無を確認した。
【0066】
試験結果
プラセボ飲料(比較例1)に対する効果実感の有無を図9に示す。
ジンゲロール+ショウガオールとして0.5〜5mg、好ましくは0.75〜2.5mg、L−カルニチンとして300〜1000mgを配合することにより、眠気や憂鬱感の低下が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物と、L−カルニチンとを含有する組成物。
【請求項2】
経口摂取される組成物であって、一回の経口摂取量当たり、ジンゲロールとショウガオールを総量で0.5mg以上含有する量の生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物と、300mg以上のL−カルニチンとを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
飲食品又は医薬品である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
液状組成物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
生姜(Zingiber officinale)又はその抽出物とL−カルニチンとを有効成分として含有する、生体リズム調整剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−162487(P2011−162487A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27889(P2010−27889)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】