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生活用水の再使用システム
説明

生活用水の再使用システム

【課題】ビジネスホテルのように、人が多く集まる大規模な建築物であっても、一回使用した生活用水をトイレ用水として再使用するのに好適な生活用水の再使用システムを提供する。
【解決手段】多層階建築物の各階、各部屋の風呂、洗面台などで使用された生活用水を分離槽14に集めて不純物を分離し、不純物が分離された処理水をトイレの洗浄用水として再使用するシステムであって、風呂、洗面台などの排水管から分離槽14に接続された集合用配管12と、集められた生活用水から皮脂、油分、毛髪、固形物などの不純物をマイクロバブル発生装置28の泡を用いて浮上させて処理する分離槽14と、不純物が処理された処理水を分離槽14から導出して貯留する受水槽16と、処理水を配送する案内用配管24と、処理水を蓄える高架水槽と、高架水槽に蓄えられた処理水を、各階のトイレに洗浄用水として案内するトイレ導出用配管と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、ホテルなどで使用された生活用水をトイレの洗浄用水として再利用するための再使用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、風呂やトイレ、洗濯などに使用される生活用水には、水道水を使用し、使用後はそのまま排水として下水道に流されるシステムとなっている。しかしながら、水を一回だけの使用でそのまま下水道に流してしまうことは水資源的な観点からも、経済的な観点からも好ましくない。
【0003】
そこで、使用後の生活用水を再利用するシステムが種々提案されている。例えば、特許文献1では、浄化処理した処理水を小型の処理水貯留槽に貯留し、その処理水をトイレ洗浄水及び洗車、散水などの雑用水として使用している。
【0004】
この特許文献1の再使用システムは、小規模の住宅には適していても、人が多く集まる建築物、例えば、ビジネスホテルなどでは適用することが困難である。すなわち、特許文献1では、目孔が1〜2mm程度のスクリーンが用いられており、このスクリーンにより多人数が集まるビジネスホテルなどの商業施設から発生する髪の毛、皮脂などを除去しようとすると、目詰まりが発生し、良好な状態を維持するには頻繁な管理が必要であるとともに、そのための費用を多大に要する。
【0005】
また、ビジネスホテルなどの多層階建築物では、朝夕などの特定の時間帯内に、風呂、洗面台、シャワーなどのために水の使用量が極端に多くなるという事情を有している。
なお、このような多層階建築物から排出される生活用水は、皮脂、髪の毛、シャンプーなど特定の不純物を多く含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−174072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような実情に鑑み、例えば、ビジネスホテルのように、人が多く集まる多層階建築物であっても、一回使用した生活用水をトイレの洗浄用水として経済的コストで再使用するのに好適な生活用水の再使用システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る生活用水の再使用システムは、
多層階建築物の各階、各部屋の風呂、洗面台などで使用された生活用水を分離槽に集めて不純物を分離し、該不純物が分離された処理水をトイレの洗浄用水として再使用するための生活用水の再使用システムであって、
前記多層階建築物の各部屋の風呂、洗面台などの排水管から前記分離槽に接続された集合用配管と、
前記集合用配管を介して集められた生活用水から皮脂、油分、毛髪、固形物などの不純物をマイクロバブル発生装置の泡を用いて浮上させて処理する分離槽と、
前記マイクロバブル発生装置の泡により前記不純物が処理された処理水を前記分離槽から導出して貯留する受水槽と、
前記受水槽に蓄えられた前記処理水を配送する案内用配管と、
前記案内用配管を介して前記受水槽から送られてきた前記処理水を蓄える高架水槽と、
前記高架水槽に蓄えられた前記処理水を、前記各階のトイレに洗浄用水として案内するトイレ導出用配管と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成の再使用システムによれば、生活用水を一回で捨ててしまわずに、繰り返し使用することができ、水資源的に有効であるとともに経済的に安価である。
ここで、前記分離槽と前記受水槽との間に、生物ろ過槽及び/又は活性炭槽を設けることが好ましい。
【0010】
このような構成であれば、生活用水に含まれる臭気、界面活性剤などを効果的に除去することができる。
さらに、本発明では、前記案内用配管に、塩素滅菌液供給管を接続することが好ましい。
【0011】
このような構成であれば、再利用する前の処理水から雑菌を確実に滅菌することができる。
また、本発明では、前記分離槽内に貯留された水量が所定量を超えた場合にその超過分を下水に排出するための余水吐を、前記分離槽内に設けておくとともに、この余水吐の呑み口部よりも高い位置で前記分離槽と前記受水槽とが連通されていることが好ましい。
【0012】
このような構成であれば、朝夕の特定の時間帯など、水の使用量が極端に多くなった場合に、分離槽内に貯留された処理水の内、所定量を超える分の処理水が、下水に通じる余水吐から下水へ排水される。また、分離槽から受水槽に未処理の水が越流することはない。
【0013】
さらに、本発明では、前記高架水槽には、当該高架水槽内に蓄えられた水が所定量以下となった場合に、市水を補給するための供給管が接続されていることが好ましい。
このような構成であれば、高架水槽に蓄えられた処理水が少なくなった場合でも、トイレ洗浄水を確実に補給することができる。
【0014】
さらに、本発明では、前記分離槽および前記受水槽のうち、少なくとも前記分離槽には、前記マイクロバブル発生装置の泡により分離された不純物を外部へ排出するための不純物排出器が具備されていることが好ましい。
【0015】
このような構成であれば、分離槽で取り分けられた不純物を確実に外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る生活用水の再使用システムによれば、例えば、ビジネスホテルに代表される大規模な多層階建築物であっても、各階、各部屋で使用された生活用水をそのまま捨ててしまうのではなく、安価なコストでトイレの洗浄水として再使用することができる。また頻繁な管理が不要であり、維持管理のコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の一実施例による生活用水の再使用システムが構築された多層階建築物の模式図である。
【図2】図2は図1に示した分離槽と受水槽との間に設けたマイクロバブル発生装置近傍の配管経路を示した拡大図である。
【図3】図3は本発明の他実施例による生活用水の再使用システムを示したもので、特に、分離槽と受水槽とを別体で設けた場合の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施例による生活用水の再使用システムが具備された多層階建築物の生活用水の流れを示す模式図で、具体的にはビジネスホテルに適用した場合の模式図である。
【0019】
なお、ビジネスホテルなどの施設では、各階ごとに複数の部屋が存在するのが通常であるが、図1では、説明の簡略化を図るために、地上3階建てのビジネスホテルを例示している。また、各階につき、室は1つとする。
【0020】
ビジネスホテルのような多層階建築物2では、各階、各室において水回りの構造は略同様に形成され、各階の室A,B,Cには、洗面台4、風呂6、トイレ8がそれぞれ具備されている。
【0021】
そして、トイレ8を除くこれら水回りの機器、すなわち洗面台4と風呂6におけるそれらの排水管4a,6aは集合用配管12に接続されている。
集合用配管12は、各階の室A,B,Cで使用された生活用水を一階あるいは地階などに設置された分離槽14に自然落下で導くためのもので、大口径の配管が使用されている。
【0022】
なお、本発明では、各階の室A,B,Cで使用された生活用水を分離槽14に送水するに際して、ポンプにより圧送することも可能であるが、自然落下で送水することが最も好ましい。このように自然落下で送水すれば、ポンプやバルブといった高額な部品の使用を少なくすることができるとともに、メンテナンスに要する費用などを極力抑えることができる。
【0023】
したがって、本実施例において、分離槽14および受水槽16を、地階に設ければ、一階から最上階に至るまで全ての室からの水を自然落下で集めることができる。このように生活用水を極力、自然落下で送水すれば、人が多く集まるビジネスホテルなどであっても、圧送用のポンプ、バルブさらにはこれらに付随するフィルターなどの使用を極力削減することができ、これにより、システム構築のための原価を低く抑えることが可能である。
【0024】
また、これと同時に、送水が自然落下であれば、生活用水に含まれる不純物などが目詰まりする箇所を少なくすることができ、メンテナンス費用の削減にも寄与する。
一方、分離槽14の近傍には、受水槽16が設けられ、この受水槽16には、分離槽14内において不純物が処理された処理水が蓄えられる。なお、これら分離槽14と受水槽16との間は、配管18を介して接続されている。配管18には、図示しない圧送用のポンプが具備されても良い。
【0025】
さらに、本実施例では、受水槽16の下流には必要に応じてポンプ22が設置されている。そして、受水槽16内に貯留された処理水が、ポンプ22により案内用配管24を介して、例えば、建築物2の屋上に案内され、その屋上に配置された高架水槽26内に貯留される。なお、この案内用配管24に、不図示の塩素滅菌液供給管を接続し、塩素滅菌液を供給すれば、処理水中に含まれる雑菌を確実に処理することができる。
【0026】
上記分離槽14には、図2に拡大して示したように、マイクロバブル発生装置28が接続されている。このマイクロバブル発生装置28では、例えば、後述するように、受水槽16内の処理水を利用することにより発生した泡を分離槽14内に導入し、この泡の作用により分離槽14内で主な不純物が取り分けられる。
【0027】
なお、本実施例では、受水槽16内の処理水を利用して分離槽14内に泡を導入しているが、これに代え、分離槽14内の貯留水の一部をマイクロバブル発生装置28に供給し、マイクロバブル発生装置28に供給した水を再度、分離槽14に戻しても良い。
【0028】
このマイクロバブル発生装置28で発生する泡の径は、例えば、10μm〜100μmの範囲である。このような径の泡を分離槽14内に供給すれば、マイナスに帯電した泡が、その泡の吸着作用により、生活用水に含まれる皮脂、毛髪などの不純物に吸着する。これにより、ビジネスホテルで多く発生する皮脂、毛髪などの不純物を、その泡の浮力によって速やかに浮上分離させることができる。なお、ビジネスホテルで発生する不純物のうち、髪の毛が最も浮上し難い不純物であるが、髪の毛の平均径は、略70〜80μmである。しかしながら、マイクロバブル発生装置28で発生する泡を利用すれば、このような大きさの最も浮上し難い髪の毛であっても効果的に浮上させることができる。
【0029】
また、分離槽14内で分離浮上した不純物は、フロート30により水面に沿って上下移動可能に配置された不純物排出器32を介して外部に排出される。
なお、受水槽16内においても分離槽14の場合と同様に、水面に沿って上下移動可能な不純物排出器32が設置されていることが好ましい。しかしながら、受水槽16内の不純物排出器32は、必須なものではなく、省略することもできる。
【0030】
また、本実施例では、受水槽16と分離槽14とが隔壁17で仕切られて一体的に形成されている。そして、分離槽14内では、分離槽14の隔壁17の天端17aの高さよりも低いレベルに、下水に通じる余水吐34が設けられている。この隔壁17の天端17aの高さは、受水槽16を構成するその他の壁の天端高よりも低くなっている。
【0031】
したがって、受水槽16と分離槽14とは、余水吐34の呑み口部34aよりも高い位置で連通している。受水槽16と分離槽14とが、このような高さで互いに連通していることから、例えば、朝晩の時間帯などに、受水槽16の水位が通常より大幅に上昇した場合であっても、受水槽16から処理水が溢水することなく、隔壁17の天端17aを越流して、分離槽14へ処理水が流入するため、処理水を無駄にすることなく、有効利用を図ることができる。
【0032】
また、分離槽14には、隔壁17の天端17aの高よりも低いレベルに、下水に通じる余水吐34が設けられていることから、分離槽14の水位が所定量を超えて上昇した場合であっても、分離槽14の水位が隔壁17の天端17aの高さを越える前に、余水吐34の呑口部34aから下水へ排水される。したがって、分離槽14から未処理の水が受水槽16に越流することはない。
【0033】
一方、分離槽14から受水槽16に処理水を送るための配管18には、生物ろ過装置36と活性炭ろ過装置38とを設置することが好ましい。生物ろ過装置36を介在させることにより、例えば、分離槽14内で処理された処理水内に含まれる有機物などの臭いが除去される。また、活性炭ろ過装置38を介在させることにより、処理水に濁りを発生させる界面活性剤などが取り除かれる。
【0034】
なお、上記実施例では、生物ろ過装置36と活性炭ろ過装置38の両方を設けているが、これらの能力を改善すれば、いずれか一方だけを設ければ、両方の機能を持たせることも可能である。
【0035】
受水槽16の槽底部には、受水槽16内に供給された処理水を、マイクロバブル発生装置28を介して分離槽14内に一定量供給するための配管40が接続されている。この戻し配管40の途中には、フィルター42、ポンプ44が介在され、この配管40からポンプ44により送られる処理水によって、マイクロバブル発生装置28で発生させた微細な泡を分離槽14に供給している。なお、前述したように、マイクロバブル発生装置28に受水槽16からではなく、分離槽14からの水を使用する場合には、配管40を分離槽14の下部などに接続すればよい。
【0036】
しかしながら、受水槽16内の処理水をマイクロバブル発生装置28に使用すれば、不純物が少ないためフィルター42を省くことも可能である。さらには、ポンプ44が目詰まりなどを発生させる虞が少なくなるので、ポンプ44の清掃および点検などの回数を少なくすることもできる利点がある。
【0037】
さらに、本実施例では、図1に示したように、例えば、屋上に設置された高架水槽26内に貯留された処理水が所定量以下になった場合のために、高架水槽26には、市水46の供給管49が接続されている。この市水46は、高架水槽26内の水位が所定値以下になった場合に、水量自動バックアップシステム47の始動により自動供給される。
【0038】
また、屋上に配置された高架水槽26から各階のトイレ8までの間は、それぞれトイレ導出用配管48により接続されている。
これらトイレ導出用配管48により、各トイレ8では、高架水槽26内に貯留された処理水により洗浄用水がまかなわれることになる。
【0039】
本発明の一実施例による生活用水を再利用するための再生システムは、上記のように構成されているが、以下に、作用について説明する。
今、各階の部屋A,B,Cにおける洗面台4、風呂6などでは、市水すなわち水道水がそのまま使用されている。一方、本実施例では、トイレ8で使用される洗浄用水は、本実施例の再使用システムにより処理された生活用水が使用される。
【0040】
すなわち、各階の洗面台4、風呂6などで使用された生活用水は排出管4a,6aを経て集合用配管12に自然落下により送水され、分離槽14内に導入される。
この分離槽14内に集合用配管12を介して各部屋A,B,Cから集合されてくる生活用水には、特に皮脂、油分、髪の毛、固形物などの不純物が入り混じっているが、自然落下の送水に伴って分離槽14内に導入される。一方、分離槽14では、図2に示したように、マイクロバブル発生装置28により、所定の大きさの泡が連続的に供給されている。これにより、分離槽14内では、皮脂、油分、髪の毛などの主な不純物が泡とともに浮上し、水面近くに集められる。そして、水面近くに集められた不純物は、分離槽14内の不純物排出器32を介して外部に排出される。
【0041】
一方、分離槽14内で不純物が分離除去された後の処理水は、下流側の生物ろ過装置36、活性炭ろ過装置38を介して、さらに臭いや界面活性剤などが除去され、配管18を介して受水槽16に集められる。
【0042】
この受水槽16内では、配管18を通って順次供給されてくる処理水により水位が徐々に上昇していく。このとき、受水槽16内に、分離槽14の場合と同様に、予め不純物排出器32を設けておけば、処理水に伴って受水槽16内に混在されてきた不純物を不純物排出器32を介して外部に排出することもできる。しかしながら、この受水槽16内では、不純物の混入が少ないため、上述したように不純物排出器32を省くこともできる。
【0043】
高架水槽26内の水位や受水槽16内の水位などが所定のレベルに達したことが、センサなどで検知されると、ポンプ22の駆動が開始され、受水槽16内に蓄えられた処理水が、ポンプ22の出力により案内用配管24を介して屋上の高架水槽26に供給される。これにより、屋上の高架水槽26内に徐々に処理水が蓄えられていく。
【0044】
この状態で各階のトイレ8からの洗浄用水の需要があると、高架水槽26内に貯留された生活用水が自然落下でトイレ8に放出される。
なお、受水槽16内に蓄えられた水が一定量を超えて、受水槽16で溢れる虞がある場合には、分離槽14内に具備された余水吐34の呑み口部34aを介して下水に戻される。すなわち、受水槽16内の水位が隔壁17の最上位のレベルを超えた場合に、その余剰分が分離槽14内に流れ、余水吐34の呑口部34aを介して下水に排水される。
【0045】
本実施例では、上記のような水の流れ及び循環を行なうことにより、多層階建築物2において使用された生活用水がトイレの洗浄用水として再使用することができる。
上記実施例で説明したように、本発明では、多層階建築物であることを利用して生活用水を自然落下で送水ことができるので、ポンプなどの圧送手段の使用を極力制限することができる。また、これに加えてフィルターなど付随する部材も少なくすることができ、ひいてはメンテナンスに要する費用も少なくすることができる。
【0046】
また、各地に立設されるビジネスホテルなどでは、どの建築物であるとしても生活用水に含まれる不純物は略一定で、皮脂、髪の毛、シャンプーなどであるため、本発明の再使用システムを有効に適用することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、分離槽14と受水槽16とを一体に設け、隔壁17により槽間を仕切るようにしているが、図3に示した他の実施例のように、分離槽14と受水槽16とを予め、別体に設けることもできる。
【0048】
分離槽14と受水槽16とを別体で設ける場合には、分離槽14内の余水吐34の呑み口部34aよりも高い位置で分離槽14と受水槽16との間を連通管50を介して連通させておけばよい。
【0049】
このような構造であっても分離槽14内に貯留された水量が所定量を超えた場合に、その超過分を余水吐34を介して下水に排出することができる。また、受水槽16内の処理水が所定量を超えて連通管50のレベルに達すれば、その増大した量の処理水を分離槽14に再び戻すことができる。
【0050】
また、ポンプ22、ポンプ44の出力、分離槽14、受水槽16、高架水槽26の容量などは適宜調整可能である。また、処理水の循環の開始、ポンプ22,44の駆動の制御などは、特に限定されるものではない。また、ポンプ22,44などの設置位置は実施例に何ら限定されない。さらに、ポンプ22,44などはタイマーなどで所定時間継続させたり、水の動きがない場合は停止させてもよい。
【0051】
また、上記実施例では、多層階建築物2としてビジネスホテルを例示したが、これに限定されず、マンションなどにも適用可能である。
さらに、上記実施例による生活用水の再使用システムでは、分離槽14および受水槽16を一階に設置しているため、例えば、1階の室Aから出た生活用水を分離槽14に自然落下で導入することが困難になる場合も生じ得る。その場合には、一階の室Aからの出た生活用水は、分離槽14を介さずにそのまま下水に排出すれば良い。
【0052】
このように1階の室Aなど、一部の部屋からでる生活用水を回収することが困難である場合には、新規にポンプを設けて回収するよりは、そのまま下水に排出する方が経済的な場合もある。よって、システムを経済的に運営、管理することは、立地の条件などに対応して適宜変更が可能である。
【0053】
また、上記実施例では、集合用配管12を分離槽14の上部に接続させて、集合用配管12を介して集められた生活用水の全量を直接分離槽14に注水しているが、本発明の集合用配管12の接続位置は、分離槽14の上部には限定されない。例えば、図2に仮想線で示したように、マイクロバブル発生装置28から分離槽14の下部に至る配管52の途中に集合用配管12(または、分離槽14の上部に接続する集合用配管12から分岐する分岐管12')を接続して、集合用配管12を介して集められた生活用水の全量(またはその一部)を、配管52を介して分離槽14に注水しても良く、立地条件などに対応して適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
2 多層階建築物
4 洗面台
6 風呂
8 トイレ
12 集合用配管
12' 分岐管
14 分離槽
16 受水槽
18 配管
22 ポンプ
24 案内用配管
26 高架水槽
28 マイクロバブル発生装置
32 不純物排出器
34 余水吐
34a 呑口部
36 生物ろ過装置
38 活性炭ろ過装置
40 戻し配管
49 供給管
50 連通管
52 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層階建築物の各階、各部屋の風呂、洗面台などで使用された生活用水を分離槽に集めて不純物を分離し、該不純物が分離された処理水をトイレの洗浄用水として再使用するための生活用水の再使用システムであって、
前記多層階建築物の各部屋の風呂、洗面台などの排水管から前記分離槽に接続された集合用配管と、
前記集合用配管を介して集められた生活用水から皮脂、油分、毛髪、固形物などの不純物をマイクロバブル発生装置の泡を用いて浮上させて処理する分離槽と、
前記マイクロバブル発生装置の泡により前記不純物が処理された処理水を前記分離槽から導出して貯留する受水槽と、
前記受水槽に蓄えられた前記処理水を配送する案内用配管と、
前記案内用配管を介して前記受水槽から送られてきた前記処理水を蓄える高架水槽と、
前記高架水槽に蓄えられた前記処理水を、前記各階のトイレに洗浄用水として案内するトイレ導出用配管と、を備えたことを特徴とする生活用水の再使用システム。
【請求項2】
前記分離槽と前記受水槽との間に、生物ろ過槽及び/又は活性炭槽を設けたことを特徴とする請求項1に記載の生活用水の再使用システム。
【請求項3】
前記案内用配管に、塩素滅菌液供給管を接続したことを特徴とする請求項1または2に記載の生活用水の再使用システム。
【請求項4】
前記分離槽内に貯留された水量が所定量を超えた場合にその超過分を下水に排出するための余水吐を、前記分離槽内に設けておくとともに、この余水吐の呑み口部よりも高い位置で前記分離槽と前記受水槽とが連通されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生活用水の再使用システム。
【請求項5】
前記高架水槽には、当該高架水槽内に蓄えられた水が所定量以下となった場合に、市水を補給するための供給管が接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生活用水の再使用システム。
【請求項6】
前記分離槽および前記受水槽のうち、少なくとも前記分離槽には、前記マイクロバブル発生装置の泡により分離された不純物を外部へ排出するための不純物排出器が具備されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生活用水の再使用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−117184(P2011−117184A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275385(P2009−275385)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【特許番号】特許第4598143号(P4598143)
【特許公報発行日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(509334169)株式会社東横イン環境エネルギー研究所 (1)
【Fターム(参考)】