生活習慣改善支援システム、生活習慣改善支援方法及びプログラム
【課題】生活習慣改善プログラムへの参加率及び継続率の向上に役立つ情報を提供する生活習慣改善支援システムを提供する。
【解決手段】計算機の記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の基本情報と体質情報と生活情報及び履歴情報を予め格納し、第2の参加者の基本情報と体質情報と生活情報を受け付けて、基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件とし、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、記憶部に格納された第1の参加者の基本情報から基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、抽出された第1の参加者の体質情報と体質の検索条件の類似度を第1の類似指標とし、第1の参加者の生活情報と生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、抽出された第1の参加者について第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を出力する。
【解決手段】計算機の記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の基本情報と体質情報と生活情報及び履歴情報を予め格納し、第2の参加者の基本情報と体質情報と生活情報を受け付けて、基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件とし、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、記憶部に格納された第1の参加者の基本情報から基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、抽出された第1の参加者の体質情報と体質の検索条件の類似度を第1の類似指標とし、第1の参加者の生活情報と生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、抽出された第1の参加者について第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理や、健康増進、あるいは生活習慣病の予防、または治療などのために、生活行動の維持や改善を支援する生活習慣改善支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活行動の維持や改善(以下、生活習慣改善と称する)のための手法である生活習慣改善プログラムは、できるだけ多くの人に参加し、さらに継続して取り組んでもらうことが重要である。例えば、生活習慣改善の成果目標として体重に着目し、減量に取り組む生活習慣改善プログラムの場合、 従来では、生活習慣改善プログラムの必要性を理解してもらうために、体重の増加による個人毎の生活習慣病の発症の危険性を定量的に計算、提示する方法やシステムが開発されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
生活習慣改善プログラムは、今までの生活行動をよりよいものに変えていくものであり、それなりの努力が必要になる。このため、より多くの人に参加、継続してもらうには、必要性を理解してもらうだけでなく、自分自身でもこの努力ができる「自信」をもてることが重要になる。この自信を獲得するためには、行動変容のモデルの一つである「社会的認知理論」では、「人間の行動は、個人の要因と環境の相互作用により決定される」とされ、「他人の行動とそれによって生じる結果を観察し学習する(観察学習)」が関連していると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−167959号公報
【特許文献2】特開2005−049960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の背景技術では、生活習慣改善プログラムの参加者が「自信」を得るために、具体的にどのような他の参加者の行動を観察することが重要であるか、あるいはその実現手段について全く考慮されていなかった。具体的には、以下の課題がある。
(1)他人の行動があまりにかけ離れている場合、参加者の行動に与える影響が限定される。特に生活習慣改善の場合、体型や健診時の検査値の異常など、関心の対象である生活習慣以外に参加者の行動に与える様々な要因が存在している。
(2)一般的に生活習慣改善プロフラムには多くの人が参加し、多くの参加者の事例を収集することができるが、これら多くの事例から参加者の自信につながる事例を選択する方法が明確でない。
(3)生活習慣改善プログラムの実施前の段階(参加勧奨時、最初の生活行動の目標設定時)と、実施中の段階(途中での目標見直し時)とでは、提示すべき情報や、事例選択の方法が異なる(後者は健康管理への取組み状況を加味する必要)ことに対応する必要がある。
【0006】
これらの課題は、上記従来の技術では全く考慮されていなかった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、生活習慣改善プログラムへの参加率及び継続率の向上に役立つ情報を提供する生活習慣改善支援方法及びシステムを提供することである。特に、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を提示する生活習慣改善支援方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の生活習慣改善支援システムは、演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有する計算機を備えて、前記記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納して第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援システムにおいて、前記計算機は、前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けて、前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算し、前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する。
【発明の効果】
【0009】
したがって、本発明によれば、健康管理の取組みにより変更可能な項目である生活情報の類似に基づく他の参加者の履歴情報の参照が容易かつ的確に行えるようになり、「できる自信を得ることができるか」という点での過去または現在の参加者の健康管理の事例を提示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態を示し、生活習慣改善支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、生活習慣改善支援システムによる処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態を示し、類似事例提示処理F30の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態を示し、参加候補者管理データベースD5のデータ構造の一例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態を示し、図3の体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で指導者端末装置200等の表示装置に出力される画面の一例を示す画面イメージである。
【図6】本発明の実施の形態を示し、類似事例検索処理ステップ3の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態を示し、検査値から異常指標への変換例を示すグラフを示し、(a)はTG(トリグリセリド:中性脂肪)の検査値から異常指標への変換例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標への変換例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標への変換例を示す。
【図8】本発明の実施の形態を示し、参加者管理データベースD1に格納されている参加者の情報のデータ構造の一例である。
【図9】本発明の実施の形態を示し、減量結果データベースD4に格納されている参加者の減量事例のデータ構造の一例である。
【図10】本発明の実施の形態を示し、経過情報データベースD2に格納されている参加者の生活情報の一例である。
【図11】本発明の実施の形態を示し、体型の差を不一致度に変換するグラフを示し、(a)は参加候補者と参加者の服囲(または体重)の差を不一致度に変換する例を示し、(b)は参加候補者と参加者のBMIの差を不一致度に変換する例を示し、(c)は参加候補者と参加者の服囲(または体重)の差を不一致度に変換する他の例を示し、(d)は参加候補者と参加者のBMIの差を不一致度に変換する他の例を示す。
【図12】本発明の実施の形態を示し、図3の検索結果表示ステップ4にて実現された、指導者端末装置200等のパーソナルコンピュータで表示された画面の一例である。
【図13】本発明の実施の形態を示し、図12のボタン409の「表示」を押下したときに表示する減量事例の詳細を表示する画面の一例である。
【図14】本発明の実施の形態を示し、図12に示したボタン412を押下したときに表示する全ての減量事例をグラフで表示する画面の一例である。
【図15】本発明の実施の形態を示し、検査値から異常指標への変換の変形例を示すグラフであり、(a)はTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標への変換の他の例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標への変換の他の例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標への変換例の他の例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標への変換の他の例を示す。
【図16】本発明の実施の形態を示し、図13に示した参加者の減量メニューと生活イベントの具体的な内容を示す画面イメージである。
【図17】本発明の実施の形態を示し、減量事例の詳細表示の変形例を示す。
【図18】本発明の実施の形態を示し、減量事例のグラフ表示の変形例を示す。
【図19】本発明の実施の形態を示し、図2の類似事例提示処理F3で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態を示し、図19のステップ5で入力される検索事例条件の一例を示す画面イメージである。
【図21】本発明の実施の形態を示し、図19のステップ4の検索結果表示による画面の一例を示す画面イメージである。
【図22】本発明の実施の形態を示し、失敗事例を含む類似例をグラフで表示する画面の一例である。
【図23】本発明の実施の形態を示し、失敗事例の参加者と成功事例の参加者の減量メニューの具体的な内容を示す画面イメージである。
【図24】本発明の実施の形態を示し、図2の類似事例提示処理F80で行われる処理の他の例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施の形態を示し、改善生活習慣検索条件入力ステップ6でサーバ400が実行する詳細な処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の実施の形態を示し、図25のステップ321、323で行われる減量パターンの算出処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態を示し、減量事例の成功事例を示す減量パターンの説明図である。
【図28】本発明の実施の形態を示し、指導対象の参加者の減量パターンの説明図である。
【図29】本発明の実施の形態を示し、減量事例の失敗事例を示す減量パターンの説明図である。
【図30】本発明の実施の形態を示し、減量事例の一例を示し、指導対象の参加者の候補にならない減量パターンの説明図である。
【図31】本発明の実施の形態の個人別プログラムデータベースD3に格納されている情報の一例である。
【図32】本発明の実施の形態の食事カロリーデータベースD6の構成を示す説明図である。
【図33】本発明の実施の形態の運動カロリーデータベースD7の構成を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態の定期イベントデータベースD8の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
本実施形態では、実施の形態を分かりやすく説明するために、減量を目的とした生活習慣改善プログラムへの適用した場合の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムは、管理者端末装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400を備える。管理者端末すく説明するために、保健指導の一例として減量を目的とした生活習慣改善プログラムを提供する生活習慣改善支援システムへ適用した場合の形態について説明する。また、本実施形態では生活習慣改善プログラムに取り組もうとする人を参加候補者、生活習慣改善プログラムに取り組んでいる人を参加者、参加候補者に参加を勧める人、若しくは参加者に生活習慣改善の指導を行う人を指導者と称する。参加候補者は、生活習慣改善プログラムに参加、取り組むことにより参加者に呼び名がかわることに注意されたい。
【0015】
本実施形態で例とする生活習慣改善プログラムは、体重の5%を目標体重として90日間で減量するプログラムである。減量のための生活習慣を変える行動目標は、減量につながる行動が具体的に記載されたカード(減量メニュー=生活習慣改善情報)を選択することにより行う。このカードには、100kcalに相当する運動や食事(食事量を控えることや他のカロリーの低い食品に変更するなど)の行動が記載されている。以下、このカードを100kcalカードと称する。この100kcalカードは、具体的には、「ご飯を茶碗1/3杯減らす」、「オレンジジュースを100ml控える」、「20分歩く」などの行動が記載されている。参加者は、自ら実行可能な100kcalカードを予め選択しておく。このとき、同じ種類のカードを複数選択することも可能である。例えば、ジョギングを約20分実施する場合、「ジョギング10分」という100kcalカード(ジョギングは、体重に依存するが、おおよそ10分で100kcalの消費に相当)を2枚選択する。目標体重までの体重の減少量に応じて日々実施するカードの目標枚数を予め設定し、上述の予め選択した100kcalカードから目標とする枚数を実施することが行動目標となる。
【0016】
生活習慣改善プログラム開始後、参加者は、朝(起床後、トイレに行った後)と夜(夕食をとった後)の体重、実施した全ての100kcalカードの種類と枚数、日々の生活イベント(飲み会、間食、出張、選択外の運動、深夜の食事、体調不良、夜勤)の有無、生活習慣を変えることに関する自分なりのコメント(反省、言い訳、自画自賛など)を記録する。ここで、選択外の運動とは、100kcalで予め選択した運動以外の行った場合に記録する。また、減量開始から10日目、20日目、30日目など、10日毎にチェックポイントが設けられ、目標体重(以下、10日毎の目標体重)が設定されている。10日毎の目標体重とは、開始時の体重から90日後の目標体重までの体重減少量を9等分した減量途中段階での目標体重である。このチェックポイントの日において、その日の朝の体重が10日毎の目標体重以下である場合、このチェックポイントでの減量達成である。最終的に、減量開始から90日目の朝の体重が目標体重以下であった場合、減量に成功したとサーバで判定する。
【0017】
本発明では、生活習慣改善プログラムの複数の参加者の減量事例が事例データベース(DB)に格納されており、この事例DBから参加候補者及び参加者に「できる自信」が得られる生活習慣改善事例を提示する。
装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400は、ネットワーク500を介して接続されている。
【0018】
管理者端末装置100、指導者端末装置200及び参加者端末装置300は、各々、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備える計算機である。なお、これらの端末装置は、アプリケーションプログラム(例えば、ウェブブラウザ)が動作するPDAや携帯電話機等の携帯端末装置であってもよい。
【0019】
サーバ400は、プロセッサ、メモリ、記憶装置及び通信インターフェースを備える計算機である。サーバ400には、参加準備処理手段M1、参加者データ入力・閲覧処理手段M2、介入指導処理手段M3、イベント処理手段M4及び類似事例提示手段M5を備える。これらの各機能は、メモリに格納されたプログラムによって提供される。
【0020】
サーバ400の記憶装置Dには、参加者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量記録データベースD4、参加候補者管理データベースD5、食事カロリーデータベースD6、運動カロリーデータベースD7、定期イベントデータベースD8、指導記録データベースD9が格納される。なお、参加者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量記録データベースD4が事例データベースD100を構成する。事例データベースD100の参加者の記録は、過去の参加者(減量期間)が完了した参加者と、現在生活習慣改善プログラム(減量)を実施中の参加者の全てが含まれる。
【0021】
<データベースの構成>
以下に、各データベース(DB)の構成について説明する。まず、生活習慣改善プログラムに参加する参加者の情報を管理する参加者管理データベースD1は、図8に示すように構成される。
【0022】
また、生活習慣改善プログラムへの勧奨者または参加候補者の情報を管理する参加候補者管理データベースD5は、図4に示すように構成される。
【0023】
図4は、本実施形態の参加候補者管理データベースD5のデータ構造の一例を説明する図である。図4において、基本情報101として参加候補者(または参加勧奨者。以下同様)性別及び年齢を格納し、102は体型を示す情報として、例えば、参加勧奨者の腹囲、BMI(Body Mass Index)、体重を格納し、103は検査値を示す情報として参加候補者の血糖、脂質、血圧及び薬品の服用中の有無を格納する。なお、異常がない場合でも、血糖、脂質、血圧を格納することができる。検査値103の詳細として、血糖のHbA1cはヘモグロビン・エィワンシーを示し、FBSは空腹時血糖値を示す。また、脂質のHDLはHDLコレステロールを示し、TGはトリグリセリド(中性脂肪)を示す。また、血圧の血圧(上)は収縮期血圧(最高血圧)、血圧(下)は拡張期血圧(最低血圧)である。
【0024】
上記基本情報101、体型102、検査値103は当該参加候補者の体質情報である。
【0025】
104は、参加勧奨者の生活情報であって、喫煙、生活習慣、勤務形態、職種に関する情報が格納される。これらは、参加候補者の行動により変えることができる可能性を有するものである。
【0026】
121は、各々のデータ項目の表現形式である。基本情報101の性別は、0が男性、1が女性の2値で表現する。検査値103の薬剤服薬中は、0が服薬なし、1が服薬中の2値で表現する。具体的には、検査値103において血糖の薬剤服用中とは、血糖に影響のある薬を服用しているか否かを示すもので、0が服薬なし、1が服薬中となる。脂質、血圧においても同様である。
【0027】
生活情報104において、喫煙の項目は、0が喫煙していない、1が喫煙中で表現する。生活習慣の項目の間食が多い項目は、0が間食が多くないことを示し、1は間食が多いことを表現する。飲酒が多い、出張が多い、定期的に運動をしている、睡眠時間が不足しているなど、他の生活習慣の項目についても同様である。生活情報104の内、勤務形態の項目は、0が不規則な勤務が多くない、1が不規則な勤務が多いことを表現する。職種の項目は、0が事務作業が多くない、1が事務作業が多いで表現する。また、データ項目121のうち数値と記載されている項目(年齢、腹囲など)は、検査や測定をして得られた数値で表現する項目である。
【0028】
この参加候補者管理データベースD5への入力は、後述するように図3に示すステップ1の体質情報検索条件入力において、基本情報101、体型102及び検査値103が入力される。また、ステップ2の生活情報検索条件入力では、生活情報104が入力される。
【0029】
図8は、事例データベースD100を構成する参加者管理データベースD1に格納されている参加者の情報のデータ構造の一例である。参加者管理データベースD1は、図4で説明した参加候補者管理データベースD5と同様の構成であり、データ構造の項目である基本情報141、体型142、検査値143、生活情報144は、図4の参加候補者管理データベースD5の項目101〜104と同様の項目である。
【0030】
これらの項目に格納された値は、参加者ID140で識別される生活習慣改善プログラムの参加者が、減量を開始する際の直近の健康診断の結果、あるいは、減量開始時点で新たに測定を行ったときの結果が格納されている。なお、参加者ID140は事例データベースD100内でユニークな識別子であり、生活習慣改善プログラムへの登録時にサーバ400により付与されるものである。なお、参加者管理データベースD1への入力については、後述する。
【0031】
図9は、事例データベースD100を構成する減量結果データベースD4に格納されている参加者の減量事例のデータ構造の一例である。減量結果データベースD4は、参加者の減量結果を格納したものである。
【0032】
減量結果データベースD4は、生活習慣改善支援システム上で参加者を特定するための参加者ID151と、生活習慣改善プログラムを開始した日である開始日152と、生活習慣改善プログラムを終了した日である終了日153と、生活習慣改善プログラムを開始した時点での体重を格納する開始時体重154と、開示の腹囲を格納する開始時腹囲156と、開始時のBMIを格納する開始時BMI158と、生活習慣改善プログラムを終了した時点での体重を格納する終了時体重156と、終了時点の腹囲を格納する終了時腹囲157と、終了時点のBMIを格納する終了時BMI159と、減量開始時に設定した体重の目標値を格納する目標体重155と、生活習慣改善プログラムが終了したか否かを示すフラグを格納するプログラム終了フラグ160と、プログラム終了時に目標体重に達したか否かを示すフラグを格納する減量成功フラグ161から一人の参加者の結果が格納されている。なお、参加者が生活習慣改善プログラムを終了していない場合、終了日153は終了予定の日を格納し、減量成功フラグは直近の減量目標(本例では10日毎に設定)を達成したか否かを示す値が格納されている。
【0033】
図10は、事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2に格納されている参加者の生活情報の一例である。経過情報データベースD2は、参加者の日々の生活習慣改善記録を格納したものである。
【0034】
経過情報データベースD2は、生活習慣改善支援システム上で参加者を特定するための参加者ID131と、減量開始からの経過日数を格納する経過日数132と、経過日数の時点におけるバイタル情報(健康情報)133としては、例えば、朝の体重と夜の体重が格納され、行動記録134には参加者が行った行動の記録が格納され、目標管理135には当該経過日数132が、10日毎のチェックポイントに相当する場合には、当該経過日数における減量の目標値が格納されている。
【0035】
行動記録134には、参加者の歩数と、実施した100kcalカードの種類の総数と、実施した100kcalカードのID(実施した100kcalカードの種類を特定するために予め割り当てられた識別子で格納)と、実施した100kcalカードの枚数(実施カードIDで特定された同一の100kcalカードを実施した枚数)、経過日数1132の当日における飲み会の有無と、間食の有無と、出張の有無と、選択外の運動の有無と、深夜の食事の有無と、体調不良の有無と、夜勤の有無と、コメントが格納されている。ここで、実施カードID及び実施カード枚数は、実施した100kcalカードの種類の総数に応じて複数格納されている。
【0036】
目標管理135には、10日毎の目標体重とこの目標体重を達成したか否かを示す10日毎の減量達成フラグが格納されている。また、参加者の日々の生活習慣改善記録を格納する経過情報データベースD2は、経過日数毎に作成される(Day+1、Day+2)。
【0037】
図31は、事例データベースD100を構成する個人別プログラムデータベースD3に格納されている情報の一例である。
【0038】
個人別プログラムデータベースD3は、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導において参加者が設定した減量メニューが登録されるデータベースである。個人別プログラムデータベースD3は、参加者の識別子を格納する参加者ID301と、減量メニューの登録日を格納するプログラム登録日D302と、連番D303と、生活改善項目の食事メニューの識別子D304及び生活改善項目の運動メニューの識別子D305を含んでひとつのレコードが構成される。
【0039】
参加者の識別子ID301には、この生活習慣改善目標を設定した参加者の識別子が登録され、参加者管理データベースD1の参加者ID140、減量結果データベースD4の参加者ID151、経過情報データベースD2の参加者ID131と共通の識別子が使用される。プログラム登録日D302には、この改善項目が登録された年月日が登録される。
【0040】
連番D303には、参加者が選択した減量メニューの参加者毎の連続番号が格納される。参加者が選択した減量メニューは、連番D303によって管理される。例えば、同じ減量メニューが同一参加者によって複数選択された場合は、同じ減量メニューが選択された数の番号が割り当てられる。
【0041】
改善項目の食事メニューの識別子D304には、参加者によって選択された食事の減量メニューを一意に識別するための識別子が登録され、食事カロリーデータベースD6の識別子D601と共通の識別子が使用される。
【0042】
改善項目の運動メニューの識別子D305には、参加者によって選択された運動の減量メニューを一意に識別するための識別子が登録され、運動カロリーデータベースD7の識別子D701と共通の識別子が使用される。
【0043】
上記参加候補者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量結果データベースD4は、生活習慣改善支援システムを実施した参加者の生活習慣改善状況を示す事例データベースD100を構成する。すなわち、事例データベースD100は、参加者IDに基づいて体型や検査値あるいは生活情報と、生活習慣改善プログラムの実施状況と、実施した結果を参照することができる。
【0044】
図32は、本実施の形態の食事カロリーデータベースD6の構成を示す説明図である。
【0045】
食事カロリーデータベースD6は、参加者に減量メニューとして提示される食事メニューが登録されるデータベースである。前述したように、食事カロリーデータベースD6に格納されている食事メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に食事の種類及び食事量(食事を減らす量)が設定されている。
【0046】
食事カロリーデータベースD6には、食事メニューの識別子D601、食事メニューカテゴリーD602、食事優先順位D604、食事メニュー名D603、食事メニュー単位D605、食事メニュー単位カロリーD606が格納される。
【0047】
食事メニューの識別子D601には、量を減らすべき食事の種類を一意に識別するための識別子が登録される。食事メニューカテゴリーD602には、量を減らすべき食事の種類が登録される。例えば、食事の種類が主食であれば”1”が、食事の種類が酒であれば”2”が、食事の種類が間食であれば”3”が、食事に関係しない場合には”9”が、カテゴリーD602に登録される。食事メニュー名D603には、この食事メニューで減らすべき食事の種類及び量が登録される。食事優先順位D604は、参加者に食事メニューを提示する優先順位が格納される。この優先順位は、後述の処理M17で設定されるもので、値が小さい方が優先順位が高くなる。食事メニュー単位D605には、食事メニュー名D603の内容について、摂取する単位を格納する。例えば、摂取する食事の重量「g」や個数が格納される。食事メニュー単位カロリーD606には、食事メニュー名D605に設定された食事の熱量が格納される。本実施例では、食事メニュー単位カロリーD606に100kcalが設定される。
【0048】
図33は、本実施の形態の運動カロリーデータベースD7の構成を示す説明図である。
【0049】
運動カロリーデータベースD7は、参加者に減量メニューとして提示される運動メニューが登録されるデータベースである。前述したように、運動カロリーデータベースD7に格納されている運動メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に運動量が設定されている。
【0050】
運動カロリーデータベースD7は、運動メニューの識別子D701、運動メニューカテゴリーD702、運動優先順位D704、運動メニュー名D703、運動メニュー単位D705、運動メニューベース体重(男)D706、100kcal消費時間(男)、運動メニュー100kcal消費時間(男)D707、運動メニューベース体重(女)D708及び100kcal消費時間(女)D709を含む。
【0051】
運動メニューの識別子D701には、参加者が行うべき運動を一意に識別するための識別子が登録される。運動メニューカテゴリーD702には、参加者が行うべき運動の種類が登録される。例えば、運動が歩く又は走るであれば”1”が、運動がスポーツであれば”2”が、運動に関係しない場合には”9”が、カテゴリーD702に登録される。
【0052】
運動優先順位D704には、参加者に運動メニューを提示する優先順位が格納される。この優先順位は、後述の処理M17で設定されるもので、値が小さい方が優先順位が高くなる。
【0053】
運動メニュー名D703には、この運動メニューで行うべき運動の種類が登録される。運動メニューベース体重(男)D706には、運動メニュー100kcal消費時間(男)D707に登録される運動時間の基準となる男性の体重(kg単位)が登録される。運動メニュー100kcal消費時間(男)D707には、男性の基準体重となる運動メニューベース体重(男)D706で、運動メニューD名1003を行ったときに、100kcalを消費するの必要な時間(分単位)が登録される。これは、同じ運動でも、参加者の体重によって消費カロリーが変わることから、運動メニューベース体重(男)D706は、参加者の体重に基づいた適切な運動量を算出するために使用される。具体的には、体重Wkgの人が100kcal消費するためには、下式のように、
運動時間=基準時間×基準体重/W
で計算される時間の運動が必要である。
【0054】
例えば、体重80kgの参加者が100kcalを消費するために30分必要な運動の場合、40kgの参加者が100kcalを消費するためには60分の運動が必要であり、100kgの参加者が100kcalを消費するためには24分の運動が必要である。
【0055】
運動メニューベース体重(女)D708と運動メニュー100kcal消費時間(女)D709は、上記男性の基準体重と基準運動時間である運動メニューベース体重(男)D706と運動メニュー100kcal消費時間(男)D707と同様に、運動メニュー名D703について女性の基準体重と基準運動時間を設定した値が格納される。
【0056】
図34は、本実施の形態の定期イベントデータベースD8の構成を示す説明図である。
【0057】
定期イベントデータベースD8は、参加者の状態(減量メニューの実施状況、体重の変化、参加者の回答状況等)から、指導が必要と判定されるイベントが格納されるデータベースである。定期イベントデータベースD8は、イベントの識別子D801、タイミングD802、条件D803、イベント内容D804、参加者メール文言の識別子D805及び指導者文言の識別子D806を含む。
【0058】
イベントの識別子D801には、イベントを一意に識別するための識別子が登録される。タイミングD802には、イベントであると判定される時間的条件が登録される。なお、時間的条件を規定しないイベント(条件D803を満たせば何時でも発生するイベント)の場合は、タイミングD802に「随時」と登録される。
【0059】
条件D803には、イベントを発行する条件(時間的条件以外)が登録される。条件D803のうち「介入判定OK」とは、介入判定処理手段M48及び図15のフローチャートで「介入判定OK」が出力されると実行するイベントを示す。
【0060】
イベント内容D804には、このイベントに対して行われるアクションが登録される。すなわち、タイミングD802及び条件D803に登録された条件が満たされた場合、イベント内容D804に登録された指導が行われる。
【0061】
参加者メール文言の識別子D805には、定型文言データベース(図示省略)の本文に予め登録されている文言のうち、参加者宛てに送信されるメールの本文として使用される文言の識別子が登録される。指導者文言の識別子D806には、定型文言データベース(図示省略)の本文に登録されている文言のうち、指導者に対してイベントチェックの結果を表示する際に使用される文言の識別子が登録される。
【0062】
条件D803に登録されている条件の中で、X日目目標とは、減量期間終了時に目標を達成するためにX日目に到達すべき体重であり、経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の目標体重であり、下式によって求められる。
開始時体重−((開始時体重−目標体重)×X/減量期間)
例えば、開始時に80kgの体重を90日間で3.5kg減量する目標を有する参加者の10日目の目標体重は、
80−((80−76.5)×10/90)=79.611[kg]
となり、20日目の目標体重は、
80−((80−76.5)×20/90)=79.222[kg]
となる。
【0063】
定期イベントデータベースD8では、減量メニューの実施率を条件D803に設定することができる。これによって、参加者によって選択された減量メニューを実施できているか否か、システムが判断するので、実施できていない場合に減量メニューの変更を提案できる。これによって、指導者による判断のばらつきを抑制しつつ、参加者の減量経過に応じた適切かつ均質な指導を提供することができる。
【0064】
指導記録データベースD9は、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導の履歴の情報が格納される。例えば、指導記録データベースD9には参加者の識別子と体重及び測定日時が格納される。
【0065】
図2は、本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムによる処理の概要を示すフローチャートである。
【0066】
まず、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導の参加者または参加候補者による自己の情報の入力を受け付ける。入力された参加者の情報(基本情報141、体型142、検査値143)は参加者管理データベースD1に登録される。また、参加候補者の情報(基本情報101、体型102、検査値103)は参加候補者管理データベースD5に登録される。また、サーバ400は、参加者に対して参加者ID140を付与して参加者管理データベースD1に登録する(F1)。
【0067】
次に、参加者または参加候補者に対して指導者が生活情報に関する問診を実施したとき、サーバ400は、問診結果を参加者管理データベースD1の生活情報144または参加候補者管理データベースD5の生活情報104に格納する(F2)。
【0068】
次に、サーバ400は、本発明の特徴である、生活習慣改善プログラムへの参加者または参加候補者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F3、F30)。
【0069】
ここで、生活習慣改善プログラムに参加するか否かは分からないが、自分と類似する事例が見たいという参加候補者に対しては、参加候補者に類似する過去の参加者の成功事例を提示する類似事例提示処理F30を行う。
【0070】
一方、生活習慣改善プログラムに参加する参加者に対しては、当該参加者に類似する過去の参加者の成功事例と失敗事例を提示する類似事例提示処理F3を行う。これらの類似事例提示処理F3、F30については、後に詳述する。なお、参加候補者に対する処理は類似事例提示処理F30で終了する。
【0071】
次に、サーバ400は、上記類似事例提示処理F3で提示された情報と、参加者管理データベースD1に登録された参加者の情報、及び、問診結果データベースD7に登録された問診に対する回答を参照して、参加者に適する食事メニューを食事カロリーデータベースD6から選択し、参加者に適する運動メニューを運動カロリーデータベースD7から選択し、選択された食事メニュー及び運動メニューをお勧めメニューとして参加者端末装置300に送信する。
【0072】
これらの食事カロリーデータベースD6に格納されている食事メニュー、及び運動カロリーデータベースD7に格納されている運動メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に、運動量及び食事量(食事を減らす量)が設定されている。なお、同じ運動でも、参加者の身体的特徴、例えば、体重によって消費カロリーが変わることから、参加者管理データベースD1に登録された参加者情報を参照して、所定の消費カロリー毎の運動量が計算される。
【0073】
参加者端末装置300は、送信された食事メニュー及び運動メニューを、減量メニューとして参加者に提示する。参加者端末装置300は、参加者からの目標体重の入力を受け付ける。さらに、参加者端末装置300は、参加者による食事メニュー及び運動メニューの選択を受け付ける。これらの入力された目標体重、選択された食事メニュー及び選択された運動メニューによって、その参加者の減量プログラムが決定される。これらの入力された目標体重は、減量結果データベースD4の目標体重155に登録され、選択された食事メニュー及び運動メニューには、個人別プログラムデータベースD3に登録される(F4)。
【0074】
次に、参加者端末装置300は、参加者の日々のデータ(体重、減量メニューの実行状態や生活情報(行動情報))の入力を受け付ける。入力されたデータは、経過情報データベースD2に登録される(F5)。
【0075】
次に、サーバ400は、所定のタイミングで(例えば、所定の期間毎に繰り返して)、経過情報データベースD2に登録されたデータが、定期イベントデータベースD8に登録されているイベントと合致するかを判定する(F6)。データの判定結果は、減量結果データベースD4、経過情報データベースD2及び指導記録データベースD6に登録される。
【0076】
この定期イベントデータベースD8に登録されているイベントは、本実施の形態の生活習慣改善支援システムの立ち上げ時に予め設定される。イベントとしては、例えば、参加者の生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が所定の日数(例えば、10日毎)になる度に、経過情報データベースD2を参照して、10日毎の目標体重を達成したか否かを判定するイベントや、参加者の生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が所定の満了日に達したときに減量の成功または失敗を判定するイベントなどが予め定期イベントデータベースD8に設定される。
【0077】
上記イベントチェック処理F6の結果、サーバ400は、10日毎の目標体重を達成した場合には、経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の減量成功フラグを「1」に設定し、目標体重を超過した場合には経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の減量成功フラグを「0」に設定する。
【0078】
また、上記イベントチェック処理F6の結果、サーバ400は、生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が終了日153に達した参加者については、経過情報データベースD2の最後のデータを参照し、体重が目標体重以下であれば減量結果データベースD4の減量成功フラグを1に設定し、そうでない場合には減量成功フラグを0に設定し、さらにプログラム終了フラグを1に設定し、経過情報データベースD2の最後の体重を終了時体重156に設定する。
【0079】
次に、サーバ400は、参加者が入力した経過情報データベースD2のデータに対するイベントチェック処理の結果を指導者端末装置200に送信する。指導者端末装置200は、受信した判定結果を表示する(F7)。
【0080】
次に、指導者は、表示された判定結果に基づいて、参加者に対してなすべきと判断した指導を実行する(F8)。この指導の実行は、指導者が本実施の形態の生活習慣改善支援システムを用いて、電子メール等の手段によってなすこともでき、指導者が本実施の形態の生活習慣改善支援システムを用いずに、電話等の手段によってなすこともできる。
【0081】
この指導の際に、本発明の特徴である、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F80)。当該参加者と類似する他の参加者の生活習慣改善状況を事例データベースD100から抽出することで、減量メニューの再考などを行うことができる。
【0082】
そして、指導者端末装置200は、指導者がなすべきと判断した指導の実行の指示を受け付け、入力された指導の実行の指示から、指導の記録を生成する。また、指導者端末装置200は、指導者がなした指導の記録の入力を受け付ける。これらの生成された及び入力された指導の記録は、指導記録データベースD9に登録される(F9)。
【0083】
上記の処理により、サーバ400の事例データベースD100には、生活習慣改善プログラムに参加したときの参加者の体質情報と生活情報104が登録され、生活習慣改善プログラムの実践によって参加者の日々の体重及び行動記録を格納した経過情報データベースD2が蓄積され、また、参加者が選択した減量メニューが個人別プログラムデータベースD3に蓄積され、減量期間が満了すると減量結果データベースD4の減量成功フラグ161が確定される。このように、上記F1〜F9の処理によって、全ての参加者の生活習慣改善プログラムの実施状況が事例データベースD100として蓄積される。
【0084】
<類似事例提示処理F30>
次に、上記図2の参加候補者に対して実施する類似事例提示処理F30の詳細について以下に説明する。本実施形態の類似事例提示処理F30は、生活習慣改善プログラムの実施前の段階で、特にプログラムへの参加勧奨時に、参加候補者へ生活習慣改善プログラムの参加者の事例を提供する場合の例を示す。
【0085】
図3は、本実施形態の類似事例提示処理F30の処理の一例を示すフローチャートである。図3において、ステップ1は体質情報検索条件入力ステップであって、参加候補者の基本情報101、体型102や検査値103などの参加候補者が現時点では直ちに変更できない情報(以降、体質情報と称する)を指導者端末装置200等からサーバ400の参加候補者管理データベースD5へ入力する処理である。
【0086】
ステップ2は、参加候補者の現在の生活習慣と周囲環境などの参加候補者の行動により変えることができる情報(以降、生活情報104と称する)を指導者端末装置200等からサーバ400の参加候補者管理データベースD5へ入力する生活情報検索条件の入力処理である。
【0087】
上記体質情報検索条件入力ステップ1と生活情報検索条件入力ステップ2は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成された指導者端末装置200等の表示装置に表示された画面上に指示や数値を入力することにより実現される。
【0088】
ステップ3は類似事例検索処理ステップであって、上記体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で参加候補者管理データベースD5へ入力された参加候補者の情報に基づいて、事例データベースD100に予め格納された複数の参加者の過去の生活習慣改善の事例から、生活習慣の改善への「できる自信」を得るのに適した事例を検索するものである。本ステップ3は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成された指導者端末装置200等で後述するように処理される。
【0089】
次に、ステップ4は検索結果表示ステップであって、類似事例検索処理ステップ3の処理結果を指導者端末装置200等の表示装置に表示して、参加候補者や指導者が視覚的に確認できる形で表示するものである。本ステップ4は、例えば、パーソナルコンピュータで構成された指導者端末装置200等の表示装置上に処理結果を数値やグラフで描画することで実現される。
【0090】
上記処理により、例えば、生活習慣改善プログラムに参加した過去の参加者のうち、生活習慣改善に成功し、かつ、体質情報と生活情報が参加候補者に類似する参加者がどのような生活習慣改善プログラムを実践したのかを参加候補者に提示できる。
【0091】
参加候補者は、自分の体質や生活情報に近い過去の参加者の生活習慣改善の成功事例を参照することで、自分が生活習慣改善プログラムに参加した場合には、どのようなプログラムを選択すれば成功することができるのかを知ることができ、生活習慣改善プログラムに参加する自信を得ることができる。
【0092】
図5は、上記体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で指導者端末装置200等の表示装置に出力される画面の一例を示す画面イメージである。
【0093】
図5において、画面901は、上記体質情報検索条件入力ステップ1で行う参加候補者の基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況(図中では服薬状況と表記)909及び生活情報907の入力領域が設定され、参加候補者若しくは指導者がそれぞれの情報を指導者端末装置200等から参加候補者管理データベースD5へ入力できる。
【0094】
基本情報903は、年齢、性別の入力項目で構成され、体型902は、胸囲、BMI、体重の入力項目で構成され、検査値情報905は、HbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)、FBS(空腹時血糖値)、HDL(HDLコレステロール)、TG(トリグリセリド)、血圧H(最高血圧)、血圧L(最低血圧)の入力項目で構成され、薬剤の服用状況909は、糖尿病、脂質異常、血圧に関する服用状況のチェックボックスで構成される。
【0095】
基本情報903としての性別はプルダウンメニュー904で、男性または女性を入力できる。生活情報検索条件入力ステップ2で行う生活情報907の入力領域も同一画面901上に設定され、同様に参加候補者若しくは指導者がそれぞれの情報を入力できる。生活情報907は、参加候補者管理データベースD5の生活情報104の喫煙、生活習慣、勤務形態、職種に対応するチェックボックスで構成され、チェックされた項目は参加候補者管理データベースD5の生活情報104の値が「1」として入力され、チェックされない項目は生活情報104の値が「0」として入力される。
【0096】
基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況909及び生活情報907の各項目の入力完了後、検索ボタン908を押下することで、次の処理ステップである類似事例検索処理ステップ3が起動される。
【0097】
なお、基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況909、生活情報907は、参加候補者管理データベースD5の基本情報101、体型102、検査値103、生活情報104にそれぞれ格納される。
【0098】
図6は、本実施形態の類似事例検索処理ステップ3の一例を示すフローチャートである。このフローチャートはサーバ400の類似事例提示手段M5で実行される。
【0099】
図6において、先ず、年齢、性別の検索範囲を決定する(1300)。これは、体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報に含まれる基本情報101(年齢、性別)を基準にして、実際に生活習慣改善プログラムを実施した参加者の減量事例を参加者管理データベースD1から検索する範囲を決定する。この検索範囲は、例えば、性別は完全一致(例えば、参加候補者が男性の場合は男性のみ検索)とし、年齢は参加候補者管理データベースD5の年齢から所定の範囲を検索条件(基本検索条件)とし、例えば、5歳下から5歳上まで(例えば、参加候補者が43歳の場合、37歳から48歳までの参加者の減量事例を検索)と決定する。
【0100】
次に、体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報に含まれる検査値103を異常指標に変換する(1301)。検査値103には多くの健康な人が含まれる正常範囲(基準値)が存在する。異常指標は、この検査値の基準値より増加(高値)の場合を1、減少(低値)の場合が−1として、−1から1の範囲で検査結果の値と異常の有無の内容(高値、低値)、程度を示す指標である。つまり、検査結果である検査値103の各項目の値(検査値)が、予め設定した正常範囲にあれば異常指標を0とし、検査値が予め設定した正常範囲よりも低ければ異常指標を−1とし、検査値が予め設定した正常範囲よりも高ければ異常指標を1とする。
【0101】
図7(a)は、TG(トリグリセリド:中性脂肪)の検査値から異常指標への変換例である。横軸201がTGの値、縦軸202が異常指標202の値である。TGの基準値(正常範囲)は、30から149であるので、基準値の範囲(244)では異常指標202は0、30未満(243)では異常指標は−1、150以上(245)では異常指標は1として検査値103のTGの検査値を異常指標202に変換する。
【0102】
図7(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例である。横軸206がHbA1cの値、縦軸が異常指標207の値である。HbA1cの基準値は、4.3から5.8であるので、基準値の範囲(249)では異常指標は0、4.3未満(248)では異常指標は−1、5.8を越える場合(250)では異常指標207は1として変換する。
【0103】
図7(c)は、男性のHDLから異常指標への変換例である。また、図7(d)は、女性のHDLから異常指標への変換例である。図7(c)、(d)において、横軸211、216がHDLの値、縦軸212が異常指標の値である。HDLの基準値は、男性と女性で異なる。このため、性別に応じて異なる変換を行う。また、HDLコレステロールは、動脈硬化を引き起こすコレステロールを肝臓に戻す働きがあり、値が低いことの方が問題である。このため、HDLの値が低い場合、異常指標を1と設定する。男性の場合(図7(c))、HDLの基準値は、41から80であるので、基準値の範囲(254)では異常指標は0、41未満(255)では異常指標212は1、80を越える場合(253)では異常指標は−1として変換する。女性の場合(図7(d))、HDLの基準値は、41から90であるので、基準値の範囲(259)では異常指標は0、41未満(260)では異常指標は1、90を越える場合(258)では異常指標は−1として変換する。図7(c)と図7(d)のどちらの変換を適用するかの判断は、基本情報101の性別の値を用いて自動的に行う。また、図示していないが、他の検査値(FBS、血圧(上)、血圧(下))に関しても同様に異常指標への変換を行う。
【0104】
次に、図6に戻り、事例データベースD100から参加者の減量事例を読み出す(1302)。事例データベースD100は、上述のように生活習慣改善支援プログラムの参加者の減量事例を格納したもので、図6に示した体質情報、生活情報の参加者管理データベースD1の他、生活習慣改善プログラムに参加中の日々の行動記録(体重、歩数、食事や運動の状況、生活習慣や勤務形態など)を格納した経過情報データベースD2や生活習慣改善プログラムの結果を格納する減量結果データベースD4である。本実施形態では、この事例データベースD100に格納された参加者と、現在類似事例の提示対象となっている参加候補者との類似性を計算するために、後述するステップ1303からステップ1307の処理を行っていない参加者について上記図8〜図10に示した事例データベースD100から減量事例を読み出す。
【0105】
なお、ステップ1302で読み出す減量事例は、ステップ1301で決定された年齢、性別の検索範囲に含まれる減量事例である。この処理は、事例データベースD100の参加者管理データベースD1に格納された基本情報141から、性別が参加候補者と一致し、かつ、年齢が参加候補者の年齢から所定の範囲内の参加者ID140を抽出し、この参加者ID140に対応する減経過情報データベースD2及び量結果データベースD4のデータを読み込む。
【0106】
次に、ステップ1303では、上記ステップ1302で読み出した事例データベースD100の減量結果データベースD4に格納されている減量成功フラグ161の値を確認し、その値が1で減量に成功している事例のみ、以降の処理(ステップ304からステップ307)を行うようにする。
【0107】
これにより、生活習慣改善プログラムを完了した参加者のうち成功者のみを抽出し、参加候補者に対して、減量の失敗事例を不用意に表示することによる「できる自信」の喪失を未然に防ぐことができるようになる。
【0108】
次に、上記ステップ1302で読み出した参加者管理データベースD1の体質情報に含まれる検査値143を異常指標に変換する(1304)。この処理は、先述のステップ1301で説明した内容と同様の処理をステップ1302で読み出し、ステップ1303で抽出した事例データベースD100の値(減量に成功した参加者管理データベースD1の検査値143)に対して行う。具体的には、検査値143に格納されたHbA1c、FBS、HDL、TG、血圧(上)、血圧(下)を図7(a)〜(d)に示した異常指標に変換する。
【0109】
次に、検索条件(体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報)と事例データベースD100から読み出した減量事例の体質情報との不一致度及び絶対不一致度を算出する(1305)。
【0110】
先ず、参加候補者の情報と参加者の情報の不一致度を算出する。この算出は、参加候補者の体型102と、減量に成功した参加者の体型142の不一致度を求める処理と、参加候補者の検査値103と、減量に成功した参加者の検査値143の不一致度を求める処理に分けて行う。以下の説明では、上記ステップ1303で抽出した減量に成功した参加者を減量事例とする。
【0111】
体型の不一致度を求める処理は、先ず、参加候補者の腹囲に対する減量事例の腹囲の差(腹囲差)を割合(%)で算出する。例えば、参加候補者の腹囲をA(K)、減量事例の腹囲をA(S)とすると、
(A(K)−A(S))/100
を腹囲差(割合)として減量事例毎に算出する。この値を腹囲の不一致度に変換する。この変換は、例えば、図11(a)に示す変換グラフにより行う。
【0112】
図11(a)において横軸が算出した腹囲差、縦軸が不一致度である。腹囲差が−5%以上5%以下の場合、不一致度は0とし、腹囲差が5%より大きく10%以下の場合は不一致度=0.5、腹囲差が10%より大きい場合は不一致度=1、腹囲差が−10%以上−5%未満の場合は不一致度=−0.5、腹囲差が−10未満の場合は不一致度=−1とする。図11(a)により得られた腹囲の不一致度をAとする。
【0113】
体重に関しても腹囲と同様に参加候補者と減量事例の不一致度を算出する。例えば、参加候補者の体重をB(K)、減量事例の体重をB(S)とすると、
(B(K)−B(S))/100
を体重の不一致度として算出し、図11(a)の変換グラフを用いて体重の不一致度Bを算出する。
【0114】
BMIに関しても腹囲、体重と同様に参加候補者と減量事例の不一致度を算出する。但し、BMIの場合は、腹囲、体重とは異なる変換グラフを用いる。参加候補者のBMIをC(K)、減量事例のBMIをC(S)とすると、
(C(K)−C(S))/100
をBMIの不一致度として算出し、図11(b)の変換グラフを用いてBMIの不一致度Cを算出する。BMIの不一致度Cの算出に上記図11(a)の体重と同じ変換グラフを用いると、BMIの算出に体重と身長を用いていることにより、体重に比較してBMIの不一致度が過小評価される問題が生じる。このため、BMIの不一致度Cの算出には、体重の不一致度を求めるグラフとは異なる図11(b)のような変換グラフを用いることで上記の影響を低減することができる効果がある。また、参加候補者と参加者の体型の値の差から不一致度に変換を求めるグラフとしては、図11(c)のように、服囲の差と不一致度が連続的に変化するグラフや、図11(d)のようにBMIの差と不一致度が連続的に変化するグラフを用いてもよい。
【0115】
次に、参加候補者と減量事例の検査値の不一致度を算出する。この検査値の不一致度は、上記ステップ1301で求めた参加候補者のHbA1c、FBS、HDL、TG、血圧(上)、血圧(下)の各々の異常指標と、上記ステップ1304で求めた減量事例の各異常指標に関して、ステップ1301で算出した参加候補者の異常指標から、ステップ1303で算出した減量事例の異常指標を減算することで各検査値の不一致度を算出する。
【0116】
参加候補者のHbA1cの異常指標をD(K)、減量事例のHbA1cの異常指標をD(S)とすると、
D=(D(K)−D(S))/2
を算出し、HbA1cの不一致度Dとする。ここで、参加候補者と減量事例の異常指標の差を2で割るのは、不一致度を−1から+1の範囲に正規化するためである。この処理により、他の算出指標と重み付けを一致させることが可能になる効果がある。同様にFBSの参加候補者の異常指標をE(K)、減量事例の異常指標をE(S)として、
E=(E(K)−E(S))/2
をFBSの不一致度Eとして算出する。
【0117】
さらに、参加候補者のHDLの異常指標をF(K)、減量事例のHDLの異常指標をF(S)とし、
F=(F(K)−F(S))/2
をHDLの不一致度Eとして算出する。
【0118】
また、参加候補者のTGの異常指標をG(K)、減量事例のTGの異常指標をG(S)として、
G=(G(K)−G(S))/2
をTGの不一致度Gとして算出する。
【0119】
また、参加候補者の血圧(上)の異常指標をH(K)とし、減量事例の血圧(上)の異常指標をH(S)とし、
H=H((K)−H(S))/2
を血圧(上)の不一致度Hとして算出する。
【0120】
また、参加候補者の血圧(下)の異常指標をI(K)、減量事例の血圧(下)の異常指標をI(S)とし、
I=I((K)−I(S))/2
を血圧(下)の不一致度Iとして算出する。
【0121】
最後に、上記より算出した全ての体質及び検査値の不一致度の総和、A+B+C+D+E+F+G+H+Iを算出する。この算出した値を体質情報の不一致度Xとする。この体質情報の不一致度Xは、値が正の値になればなるほど、事例データベースD100から読み出した参加者(減量事例)の健康状態がより良好な状態(疾病の発症リスクが低い状態)であることになり、値が負の値になればなるほど、逆に参加候補者に比べて事例データベースD100から読み出した参加者(減量事例)の健康状態がより注意すべき状態(疾病の発症リスクが高い状態)であることになる。このように不一致度Xに正の値と負の値を持たせることにより、単なる不一致の程度のみでなく、減量事例の健康状態が、参加候補者自身を基準にして良好なのか悪い状態なのかを含めて把握できるようになる。
【0122】
次に、各々の体質情報の不一致度の絶対値の和である|A|+|B|+|C|+|D|+|E|+|F|+|G|+|H|+|I|を算出し、この算出した値を体質情報の絶対不一致度XX(第1の類似指標)とする。この体質情報の絶対不一致度XXは、0から5の値をとり、5以上の値の場合は、全て5に設定する。
【0123】
次に、検索条件(体質情報検索条件入力ステップ2で入力された参加候補者の生活情報104)と事例データベースD100から読み出した減量事例の生活情報144との不一致度及び絶対不一致度を算出する(1306)。先ず、参加候補者と減量事例の生活情報の不一致度を算出する。
【0124】
これは、生活情報である喫煙、間食が多い、飲酒が多い、出張が多い、定期的に運動していない、睡眠時間が不足している、不規則な勤務が多い、事務作業が多いという各々の項目に関して、参加候補者の値である参加候補者管理データベースD5に書き込んだ生活情報104の値から減量事例の参加者管理データベースD1の生活情報144の値を減算する。ここで、参加候補者管理データベースD5の生活情報104と、参加者管理データベースD1の生活情報144の各項目の値は、0または1が格納されている。
【0125】
参加候補者の喫煙の項目の値をL(K)、減量事例の喫煙の項目の値をL(S)とすると、
L=(L(K)−L(S))
を算出し、喫煙の不一致度Lとする。同様に参加候補者の間食が多い項目の値をM(K)、減量事例の間食が多い項目の値をM(S)とし、
M=(M(K)−M(S))
を間食が多い項目の不一致度Mとする。
【0126】
また、参加候補者の飲酒が多い項目の値をN(K)、減量事例の飲酒が多い項目の値をN(S)とし、
N=(N(K)−N(S))
を飲酒が多い項目の不一致度Nとする。
【0127】
また、参加候補者の出張が多い項目の値をO(K)、減量事例の出張が多い項目の値をO(S)とし、
O=(O(K)−O(S))
を出張が多い項目の不一致度Oとする。
【0128】
また、参加候補者の定期的に運動していない項目の値をP(K)、減量事例の定期的に運動していない項目の値をP(S)とし、
P=(P(K)−P(S))
を定期的に運動していない項目の不一致度Pとする。
【0129】
また、参加候補者の睡眠時間が不足している項目の値をQ(K)、減量事例の睡眠時間が不足している項目の値をQ(S)とし、
Q=(L(K)−Q(S))
を睡眠時間が不足している項目の不一致度Qとする。
【0130】
また、参加候補者の不規則な勤務が多い項目の値をR(K)、減量事例の不規則な勤務が多い項目の値をR(S)とし、
R=(R(K)−R(S))
を不規則な勤務が多い項目の不一致度Rとする。
【0131】
また、参加候補者の事務作業が多い項目の値をT(K)、減量事例の事務作業が多い項目の値をT(S)とすると、
T=(T(K)−T(S))
を事務作業が多い項目の不一致度Tとする。
【0132】
最後に、上記で算出した全ての生活情報の項目の不一致度の総和、L+M+N+O+P+Q+R+Tを算出する。この算出した値を生活情報の不一致度Yとする。この不一致度Yは、値が正の値になればなるほど、減量事例の生活状況がより良好な状態(体型や検査値の異常につながりにくい状態)であることになり、値が負の値になればなるほど、逆に参加候補者に比べて減量事例の生活状況がより注意すべき状態(体型や検査値の異常につながりやすい状態)であることになる。このように生活情報の不一致度Yに正の値と負の値を持たせることにより、単なる不一致の程度のみでなく、減量事例の生活状況が、参加候補者自身を基準にして良好なのか悪い状態なのかを含めて把握できるようになる。
【0133】
次に、各々の生活情報の不一致度の絶対値の和である|L|+|M|+|N|+|O|+|P|+|Q|+|R|+|T|を算出し、この算出した値を生活情報の絶対不一致度YY(第2の類似指標)とする。この生活情報の絶対不一致度YYは、0から8の値をとり、5以上の値の場合は、全て5に設定する。
【0134】
次に、ステップ1307では、上記ステップ1305で算出された体質情報の絶対不一致度XXと、ステップ1306で算出された生活情報の絶対不一致度YYを用いて、総合不一致度Zを算出する(1307)。総合不一致度Zは、体質情報の絶対不一致度XXと生活情報の絶対不一致度YYの値を足したもので表現される。したがって総合不一致度Zの値は、0から10の値をとる。
【0135】
以上のステップ1303から1307の処理を減量事例(減量に成功した参加者)の全ての事例データベースD100に対して行ったかどうかを判定し(ステップ1308)、行っていない場合は、ステップ1302に戻って、ステップ1303から1307の処理を繰り返す。
【0136】
上記のステップ1303から1307の処理を行い、体質情報の不一致度X及び生活情報の不一致度Yと、体質情報の絶対不一致度XX及び生活情報の絶対不一致度YY、総合不一致度Zが算出された減量事例が、処理の対象となっている参加候補者の類似事例の検索結果となる。
【0137】
図12は、図3の検索結果表示ステップ4にて実現された、指導者端末装置200等のパーソナルコンピュータで表示された画面の一例である。図12において、401が類似事例検索結果の画面、407は類似事例の検索結果の表示領域、402から406と411は、検索結果の表示方法を変更するボタンである。本表示例では、ステップ3で検索された減量事例のうち統合一致度(統合不一致度Zの変換値)が最大から5つの事例のみを表示するようにしている。すなわち、参加者または参加候補者に類似し、かつ、生活習慣改善プログラムに成功した参加者の情報が、類似の指標(統合一致度)の順に表示される。
【0138】
表示領域407の「一致度」は、上記図6の1307に示した統合不一致度Zを変換した総合一致度の値であり、総合一致度=10−総合不一致度Zである。
【0139】
また、表示領域407の「体重・健康状態」は、体質情報の絶対不一致度XXを変換した体質情報の絶対一致度であり、5−体質情報の絶対不一致度XXを示し、「生活環境・周囲環境」は生活情報の絶対不一致度YYを変換した生活情報の絶対一致度であり、5−生活情報の絶対不一致度YYを示し、「年齢」、「性別」、「開始時体重」、「終了時体重」は参加者管理データベースD1及び減量結果データベースD4の値であり、「減少量」は「開始時体重」から「終了時体重」を差し引いた差分である。
【0140】
表示領域407にどの事例を表示するかは、この表示方法を変更するボタン(403、405、411等)により決定される。これにより、表示領域の大きさが限られている場合でも、多くの検索結果から必要な減量事例のみを表示することができる。
【0141】
408は検索結果の一例であり、ステップ3で算出された減量事例の総合不一致度Zを変換した一致度、体質情報の絶対不一致度XXを変換した体型・健康状態、生活情報の絶対不一致度YYを変換した生活習慣・周囲環境、年齢、性別、開始時体重、終了時体重、減少量を表示する。
【0142】
ここで、検索結果408の「一致度」、「体重・健康状態」、「生活習慣・周囲環境」が各不一致度を変換した値である理由は、次の通りである。
【0143】
図6で求めた各不一致度Zは値が小さいほど一致している(参加候補者とよく類似している減量事例、望ましい事例)ことを示す値であり、値が大きいほどよいものと認識する人の感覚と異なる。そこで、各不一致度を上述したように変換をした後に表示する。この変換により、参加候補者や指導者の感覚にあった形で検索結果を表示することができるようになる。
【0144】
ボタン402「全ての一致順」は、統合一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を総合一致度順(または総合不一致度順)に並びかえ、上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0145】
ボタン403の「体型・健康状態の一致順」は、体質情報の絶対一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を体質情報の絶対一致度順(または絶対不一致度順)に並びかえ、その上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0146】
ボタン404「生活習慣・周囲環境の一致順」は、生活情報の絶対一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を生活情報の絶対一致度順(または絶対不一致度順)に並びかえ、その上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0147】
ボタン405の「自分より良い人のみ表示」は、参加候補者より健康状態や生活習慣が良い減量事例のみを表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例の中で、体質情報の不一致度Xと生活情報の不一致度Yが共に0以上の減量事例のみを表示対象とすることで実現する。
【0148】
ボタン405の「自分より悪い人のみ表示」は、逆に、参加候補者より健康状態や生活習慣が悪いと思われる減量事例のみを表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例の中で、体質情報の不一致度Xと生活情報の不一致度Yが共に0以下の減量事例のみを表示対象とすることで実現する。
【0149】
ボタン411の「体重減少量の高い順」は、減量事例を減少量の高い順に並びかえて表示するボタンである。表示領域407に表示されている減量事例を減少量順に並びかえて再表示することで実現する。
【0150】
ボタン409の「表示」は、408の検索結果の減量事例の詳細を後述するように表示するボタンである。
【0151】
図13は、図12のボタン409の「表示」を押下したときに表示する減量事例(減量を実施した参加者)の詳細を表示する画面の一例である。図13は、図12の表示領域407内から選択された参加者について、具体的な生活習慣改善プログラムの経過をグラフにて表示するものである。
【0152】
図13において、減量事例の詳細表示画面601には図、日々記録した朝体重、夜体重、歩数のグラフ602と、100kcalカードの実施状況と生活イベント603を表示する。グラフ602には、体重604を折れ線グラフで、歩数を棒グラフで表示する。
【0153】
図中606は減量開始から10日目の目標体重、607は朝の体重、608は夜の体重、609は歩数、610は20日目の目標体重である。ここでは、10日目のチェックポイントは、朝の体重607が目標体重606を上回っており目標未達成、20日目のチェックポイントは、朝の体重が目標体重610を下回っており目標達成した状態を示している。これらの情報は、ボタン409で選択された参加者IDを参加者管理データベースD1から取得し、参加者IDが一致する経過情報データベースD2のバイタル133を経過日数132毎にサーバ400がデータを読み込んで表示する。
【0154】
611は100kcalカードの実施度を表示する領域で、個人別プログラムデータベースD3に予め登録した日々実施する100Kcalカード(食事メニューまたは運動メニュー)の目標枚数(または登録数)に対して、実際に実施したカードの総枚数の割合(実施率)を求め、この割合を3種類のアイコンで表示する。619は実施率30%未満、620は実施率30%以上70%未満、621は実施率70%以上を示すアイコンである。612から618は、順に、飲み会、間食、出張、選択外の運動、深夜の食事、体調不良、夜勤の生活イベントを表示する領域で、当該イベントが記録された場合は、アイコン624が経過情報データベースD2の経過日数132に対応する位置に表示される。図13では、10日目の100kcalカードの実施率は70%以上(アイコン622)で、選択外の運動(623)を行ったことを示している。
【0155】
このように参加候補者と体質(現時点ので健康状態)や生活習慣が類似した他人の減量事例が実例として詳細に表示されるので、他人の行動とそれによって生じる結果を観察して学習する(観察学習)ことが可能になる。この観察学習により、参加候補者は自分自身でも生活習慣を改善する努力が実行できる「自信」を獲得できるようになる。
【0156】
図12において、ボタン412「グラフ表示」は、表示領域407に表示されている全ての減量事例をグラフで表示するボタンである。
【0157】
図14は、図12に示したボタン412を押下したときに表示する全ての減量事例をグラフで表示する画面の一例である。全ての減量事例のグラフ表示画面501に、散布図502として減量事例を表示する。
【0158】
グラフの中央503は、体質情報の絶対一致度及び生活情報の絶対一致度が共に最大値である5の領域で、換言すれば体質情報の絶対不一致度XX及び生活情報の絶対不一致度YYが0の領域で、参加候補者の体質情報と生活情報が一致する点である。したがって、中央503に近い黒丸のアイコン508、510等が現在対象となっている参加候補者に近い参加者の事例であることが容易に理解できる。
【0159】
横軸(506、507)は生活情報(図中では生活習慣・周囲環境と表記)の絶対一致度(5−生活情報の絶対不一致度YY)であり、縦軸(504、505)は、体質情報(図中では体型・健康状態と表記)の絶対一致度(5−体質情報の絶対不一致度XX)を表す。但し、生活情報の不一致度Yが0以上の場合は横軸506の方向にプロットし、0以下の場合は、横軸507の方向にプロットする。体質情報の不一致度についても同様に、体質情報の不一致度Xが0以上の場合は縦軸504の方向に、体質情報の不一致度Xが0以下(負値)の場合は縦軸505の方向にプロットする。これにより、参加候補者に比較して健康状態が良好な減量事例は縦軸504の方向(グラフの上部)に、注意すべき状態の減量事例は縦軸505の方向(グラフの下部)にプロットされる。また、参加候補者に比較して生活状況が良好な減量事例は横軸506の方向(グラフの右側)に、注意すべき状態の減量事例は横軸507の方向(グラフの左側)にプロットされる。
【0160】
具体的には、図12の408に示した減量事例は、体質情報の絶対一致度が5、生活情報の絶対一致度が4である。この参加者の事例では図示していないが、生活情報の不一致度が1である減量事例である。この場合、生活情報の不一致度が0以上であるので、図14上では、横軸506の方向に、黒丸のアイコン508としてプロットされる。図中509は、この黒丸のアイコンの減量事例の体重の減少量(5.1kg)の表示である。他の例として、図12の410に示した減量事例は、体質情報の絶対一致度が4、生活情報の絶対一致度が4である。図示していないが、体質情報の不一致度が−1、生活情報の不一致度が1である減量事例である。この場合、体質情報の不一致度が0以下、生活情報の不一致度が0以上であるので、図14上では、縦軸505、横軸506の方向に、黒丸のアイコン510がプロットされ、体重の減少量(5.5kg)を表示する。
【0161】
次に、本実施形態における類似事例を検索して表示する一連の手順について説明する。
【0162】
先ず、図3の体質情報検索条件入力ステップ1において、サーバ400は指導者端末装置200等から参加候補者の体型と検査値に関する情報を含む体質情報を取り込む。具体的には、図5に示す入力画面901を参加候補者自身(あるいは参加候補者の状況を確認した指導者)が、参加候補者の現時点での状況に基づいて、基本情報903、体型602、検査値情報905、薬剤の服用状況909を入力する。入力した内容は、サーバ400に予め用意された図4に示した参加候補者管理データベースD5に格納される。
【0163】
次に、図3の生活状況検索条件入力ステップ2において、参加候補者の生活習慣と周囲環境に関する情報を含む生活情報を取り込む。具体的には、図5に示す入力画面901を参加候補者自身(あるいは参加候補者の状況を確認した指導者)が、参加候補者の現時点での状況に基づいて、生活情報907を入力する。入力した内容は、予め用意された図4に示したデータ構造を格納可能なデータ格納領域に格納される。
【0164】
次に、上記の入力が完了した後、図5に示す入力画面901の検索ボタン908を押下すると、図3の類似事例検索処理ステップ3が起動し、体質情報検索条件入力ステップ1及び生活状況検索条件入力ステップ2において参加候補者管理データベースD5に取り込まれた参加候補者の体質情報及び生活情報に類似した減量事例について事例データベースD100を検索し、類似性を示す各指標の算出を行う。具体的には、図6に示した処理手順に従って、図8に示したデータ構造を有する事例データベースD100の参加者管理データベースD1に格納された複数の他の参加者の減量事例から、性別が参加候補者と一致し、年齢が参加候補者の5歳下から5歳上までの範囲、かつ、減量に成功している事例(参加者)に対して、体質情報の不一致度X、絶対不一致度XX、生活情報の不一致度Y、絶対不一致度YY、総合不一致度Zをそれぞれ算出する。
【0165】
最後に、図3の類似事例検索処理ステップ3で検索と指標の算出を行った減量事例を、検索結果表示ステップ4にて表示する。具体的には、上述したように図12、図13、図14に示す形で表示する。
【0166】
図15は、図7に示した検査値を異常指標に変換の変形例を示し、(a)はTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標202への変換例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標212への変換例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標217への変換例を示す。
【0167】
生活習慣改善プログラムが減量を対象とする場合、減量対象となった参加者の検査値は基準の範囲を超える場合が多い。そこで、図15の変形例では、図7のように検査値が基準の範囲から外れたときに1また−1とするのではなく、予め設定した下限値から上限値まで連続的に検査値と異常指標の関係を変化させるようにした。
【0168】
例えば、図15(a)のTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標202への変換は、TGの値が30から400の間で、異常指標が−1から1の間で比例するように変換グラフが設定される。図7(a)の例では、TGの値が30以下で異常指標が−1となり、TGの値が150以上で異常指標が1となる変換グラフを示した。これに対して、図15(a)では、TGの値が400までの間で異常指標が1まで変化するため、TGの値が150以上の参加者または参加候補者の間で異常指標の細かな比較が可能となり、異常指標が相対的に高いまたは低いのかを判定することができる。
【0169】
同様に、図15(b)ではHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値が4.0〜8.0の間で異常指標が−1から1の間で連続的に変化するように設定し、図15(c)では男性のHDLが30〜100の間で異常指標が1〜−1の間で連続的に変化するように設定し、図15(d)では女性のHDLが30〜110の間で異常指標が1〜−1の間で連続的に変化するように設定する。検査値から異常指標への変換を連続的にすることで、異常指標による参加者(または参加候補者)の細かな比較が可能となる。
【0170】
図16は、上記図13に示した参加者が、どのような減量メニューを実施し、また、どのような生活イベントが発生したのかを、減量メニューと生活イベントの項目毎に頻度を示す棒グラフで表示したものである。上記図13の画面から所定のキー入力(例えば、ファンクションキー)等によりサーバ400は、指導者端末装置200等に図16の画面701を表示させる。
【0171】
上記図16の画面701には、図13の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す領域702と、参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を示す領域704と、生活イベントの発生頻度を示す領域706が設定される。
【0172】
領域702には、生活習慣改善プログラムの期間(減量期間)中に参加者が選択した100Kcalカードの実施枚数703が棒グラフにて表示される。カードの実施枚数703は、選択された参加者のIDから経過情報データベースD2の行動記録134の「実施カード枚数」を全ての減量期間についてサーバ400が集計し、この集計した値を棒グラフとして表示する。
【0173】
領域704には、参加者が選択した100Kcalカードの項目709〜718と、各項目の実施枚数が棒グラフにて表示される。サーバ400は、参加者が選択した100Kcalカードの項目709〜718は、個人別プログラムデータベースD3に登録された当該参加者の100Kcalカード(食事メニュー、運動メニュー)のID(D304,D305)を取得し、食事カロリーデータベースD6または運動カロリーデータベースD7からメニュー名(D603、D703)を取得して項目709〜718に表示する。そして、サーバ400は当該参加者の経過情報データベースD2から行動記録134のうち実施カードIDを取得し、減量期間内の実施カードID毎に出現頻度を集計し、集計した値をID毎に対応する項目709〜718の棒グラフとして表示する。
【0174】
領域706には、減量期間中に参加者に発生した生活イベントの項目719〜725と、各項目の発生頻度が棒グラフにて表示される。サーバ400は、選択された参加者のIDから経過情報データベースD2の行動記録134の生活イベントがYESの項目を集計し、この集計した値を各項目719〜725毎に棒グラフとして表示する。
【0175】
参加候補者は、減量に成功した参加者がどのような100Kcalカードを選択して実施したのかを知ることができ、さらに、選択した参加者の生活イベントがどのような状況であったのかを知ることができる。すなわち、参加候補者は図16の画面から、自分と体質情報と生活習慣が類似するとサーバ400が判定した参加者について、具体的な減量メニュー(100Kcalカード)の選択と、生活イベントの状況を棒グラフから取得し、生活習慣改善プログラムへの参加に対する自信をつけることができる。
【0176】
図17は、図13の減量事例の詳細表示の変形例を示す。図13の減量事例の詳細表示では、減量に成功した参加者の生活イベントについて、減量期間の経過日毎に各生活イベントの有無をアイコン624で表示した。このため、生活イベントのうち、出張614や夜勤618等の発生パターンから、個人を特定される可能性がある。そこで、図17に示す減量事例の詳細表示では、生活イベントの発生状況については、減量期間の経過日を10日単位で区切り、10日間の生活イベントの発生頻度をグラフの濃淡で示すことで、個人の特定を難しくしながら、参加候補者に対して生活イベントの発生状況を示唆するようにしたものである。
【0177】
図17において、生活イベントのうち、例えば、飲み会612の発生頻度では、10日間のうち5日以上飲み会があったときにはグラフ632のパターンで表示を行い、10日間のうち1日以上飲み会があったときにはグラフ634のパターンで表示を行う。他の生活イベントについても、同様に、発生日数に応じて表示するパターンを予め設定しておき、選択した参加者の経過情報データベースD2から行動記録134を集計することで、10日間毎の生活イベントのパターンを表示する。なお、表示するパターンは予め設定したしきい値に応じて模様や色など適宜変更すればよい。
【0178】
以上のように、図17のように生活イベントは、所定の期間(例えば、10日間)内での発生頻度を表示することで、生活習慣改善プログラムの参加者が特定されるのを抑制しながら、参加候補者に生活習慣改善プログラムの成功事例の生活イベントの発生状況を提示することができる。
【0179】
図18は、図14の減量事例のグラフ表示の変形例を示す。図18の減量事例のグラフは、図14のグラフに統合一致度の円グラフ521,522を加え、軸504,506のメモリを統合一致度に置き換えたもので、その他の構成は図14と同様である。
【0180】
図18では、円グラフ521,522により、類似例の検索対象となっている参加候補者の体質情報及び生活情報のアイコン503に近い参加者の事例を容易に識別することができる。
【0181】
<類似事例提示処理F3>
図19は、図2のF3で行われる参加者に対する類似事例提示処理の一例を示すフローチャートである。図2の類似事例提示処理F3では、これから生活習慣改善プログラムを開始する参加者が減量メニューを選択する初期設定(F4)を行う際、あるいは初期設定の直前などに、過去の減量事例から成功した事例と、失敗した事例の双方を参照可能とし、より参加者に適した減量メニューの選択を行うことを推進する。
【0182】
この類似事例提示処理F3では、前記図3の参加候補者に対する類似事例提示処理F30の検索対象に、過去の参加者の成功事例に加えて失敗事例を含み、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)では参加者の情報を用いる点が相違点である。
【0183】
なお、過去の参加者の失敗事例は、減量結果データベースD4のプログラム終了フラグ160が「1」(終了)で、かつ、減量成功フラグが「0」(不成功)の参加者が失敗事例となる。
【0184】
図19の処理は、前記図3に示した図2のF80で行われる類似事例提示処理に、ステップ5の検索事例条件入力を加え、この検索事例条件を含んで新たに指導対象となる参加者に対する類似事例をサーバ400が事例データベース100から抽出する点が図3と相違し、また、ステップ1及びステップ2では、図3の参加候補者に代わって、指導対象になる参加者の体質情報と生活情報を入力する点が相違し、その他は同様の構成である。
【0185】
図20は、図19のステップ5で入力する検索事例条件の一例を示す画面イメージである。図20は、前記図5に示した、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)の入力画面901に、検索事例条件として検索範囲910を加えたものである。
【0186】
図20の検索範囲910は、類似例に失敗した参加者の事例(失敗事例)を含めるか否かのチェックボックスで、当該入力欄をクリックすることなどで成功事例に加えて失敗事例の検索を加える。
【0187】
その他の構成は図5と同様である。本実施形態では、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)の入力画面901に、検索事例条件の入力欄を設ける例を示したが、検索事例条件を他の画面で構成してもよい。
【0188】
図20において、前記図5と同様にして指導対象となる参加者の体質情報及び生活情報を入力してから、失敗事例を類似例に加えるか否かを検索範囲910で設定し、検索ボタン908をクリックすることで類似例の検索が前記図3と同様に行われる。上述したように、検索範囲910で失敗事例が設定されている場合には、サーバ400は事例データベース100から減量の成功者と失敗者の双方から類似例を検索し、失敗事例については後述するように識別する。
【0189】
図21は、図19のステップ4の検索結果表示による画面の一例を示す画面イメージである。図21は、図12の画面イメージと同一の構成であるが、成功事例に加えて失敗した参加者の事例414が含まれている点が相違する。
【0190】
図21の失敗事例414は、上述のようにプログラム終了フラグ160が「1」(終了)で、かつ、減量成功フラグが「0」のデータであり、成功事例とは異なる背景または彩色で表示される。図21の失敗事例では、指導対象となる参加者に対する一致度=9.0、体質情報の一致度=4、生活情報の一致度=4で体重の減少量が4.0のデータである。この失敗事例414を含む類似例について、グラフ表示ボタン412をクリックすると、サーバ400は図22で示すグラフを指導者端末装置200等に出力する。
【0191】
図22は、図14と同様の構成で、上位5つの一致度の類似例を示す図21の事例をグラフ化したものである。
【0192】
図22において、失敗事例は黒い四角形のアイコン520に対応し、成功事例は黒丸のアイコン510、509等で表示される。縦軸504、横軸506などの構成は図14と同様である。
【0193】
図21の失敗事例414は、図22のアイコン520で表示され、体質情報の一致度=4、生活情報の一致度=4で体重の減少量が4.0のデータである。成功事例と失敗事例のアイコンを異なる形状や色で表示することで、成功事例と失敗事例を明確に識別できる。
【0194】
図23は、図16と同様の構成で、上位5つの一致度の類似例を示す図21の事例をグラフ化したものである。この画面は、上記図21の画面から失敗事例414を選択して所定のキー入力(例えば、ファンクションキー)等によりサーバ400は、指導者端末装置200等に図23の画面701を表示させる。
【0195】
サーバ400は、選択された失敗事例414の参加者が選択した減量メニューの詳細を領域730に表示し、図21に表示された成功事例の参加者が選択した減量メニューの詳細を領域731に表示する。なお、失敗事例414と対比する成功事例については、失敗事例414に一致度が近い成功事例等、予め設定した成功事例をサーバ400で選択するように設定すればよい。
【0196】
成功事例の参加者が選択した減量メニューの領域731については、図16と同様で、図21の成功事例の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す棒グラフ703と、成功事例の参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を示す領域704が設定される。
【0197】
一方、失敗事例の減量メニューの領域732については、失敗事例414の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す棒グラフ741と、成功事例の参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を棒グラフで示す領域733が設定される。なお、領域733の棒グラフは、実施回数が少ない減量メニューの順に表示することで、いずれの減量メニューが実施しづらいのかを示唆することができる。また、成功事例の領域704では、実施回数が多い減量メニューの順に表示することで、いずれの減量メニューが実施しやすいのかを示唆することができる。
【0198】
このように、新たに指導対象となる参加者に、過去の生活習慣改善プログラムの事例の内、当該参加者に類似する過去の参加者の成功事例と失敗事例414を提示することで、減量メニューなどの選択に役立てることができる。つまり、指導者及び新たな参加者は、当該参加者と基本情報141が類似する過去の参加者の事のうち、体質情報と生活情報が近い過去の成功事例の参加者が選択した減量メニューを選択することで、新たな参加者に生活習慣改善プログラムを成功させる自信を付けることができる。また、当該参加者に類似する過去の参加者の失敗事例を提示することで、どのような減量メニューが実行しづらいかを理解することが可能となり、生活習慣改善プログラムに失敗するのを抑制することができる。
【0199】
<類似事例提示処理F80>
上記図2のF8では、所定の周期(例えば、10日毎、但し初回は11に目)で指導者が参加者に対して指導を行う。この所定の周期の指導の際に、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F80)。
【0200】
この類似例提示処理F80では、上記類似事例提示処理F3,F30とは異なり、生活習慣改善プログラムが完了した参加者のみならず、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者も類似事例の検索対象とする。
【0201】
これにより、指導対象の参加者と体質情報及び生活情報が類似する全ての参加者の生活習慣改善状況を事例データベースD100から抽出することで、減量メニューの再考などを行うことができる。
【0202】
上記類似事例提示処理F3、F30では、新たな参加者または参加候補者に対して生活習慣改善プログラムの成功事例(または失敗事例)を提示することで、参加者または参加候補者に生活習慣改善プログラムを完遂できることを示唆する。一方、類似事例提示処理F80では、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者に対して、成功した参加者の事例を提示するのに留まらず、生活習慣改善プログラムに失敗した事例や生活習慣改善プログラムの実施中の事例を提示することで、指導対象の参加者に対して減量メニューの再考などを示唆して生活習慣改善プログラムを成功させることが目的となる。
【0203】
図24は、図2のF80で行われる類似事例提示処理の一例を示すフローチャートである。図24の類似事例提示処理F80は、指導者端末装置200または参加者端末装置300からの指令によりサーバ400で起動され、検索結果が前記端末に送信される。
【0204】
図24では、前記図19の類似事例提示処理F3に、指導対象の参加者の減量パターン(生活習慣改善プログラムの改善パターン)と事例データベースD100の他の参加者の減量パターンを設定する改善生活習慣検索条件入力ステップ6を加え、ステップ3の類似例検索処理で、ステップ6で求めた減量パターンが一致する事例から前記第1の実施形態と同様に類似例の抽出を行うようにしたもので、その他の構成は前記図19の類似事例提示処理F3と同様である。
【0205】
なお、ステップ6では、減量パターンによる絞り込みを行わず、図12の検索結果表示画面等に減量パターンの一致または不一致を表示するようにしても良い。
【0206】
図25は、改善生活習慣検索条件入力ステップ6でサーバ400が実行する詳細な処理を示すフローチャートである。
【0207】
ステップ321では、サーバ400が指導対象の参加者IDと指導対象日(10日毎)を指導者端末装置200または参加者端末装置300から受け付ける。そして、サーバ400は参加者ID、指導対象日から事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2を抽出し、当該参加者ID131が一致し、指導対象日と一致する経過日数132のデータで、目標管理135の10日毎の減量達成フラグを参照し、減量パターンIを後述する図26の処理により設定する。
【0208】
次に、他の参加者についても、事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2を読み出して(ステップ322)、参加者毎に指導対象日に経過日数132が一致するデータについて、目標管理135の10日毎の減量達成フラグを参照し、減量パターンJを後述する図26の処理により設定する(ステップ323)。
【0209】
そして、ステップ324では、上記ステップ323で求めた他の参加者の減量パターンJが、指導対象の参加者の減量パターンIと一致するか否かを判定する。減量パターンJが指導対象の参加者の減量パターンIに一致していれば、ステップ325へ進んで類似例の候補として一時的に保存する。類似例の候補はサーバ400の記憶装置に格納しておけばよい。一方、減量パターンJが指導対象の参加者の減量パターンIに一致していなければ、減量パターンJを破棄する。
【0210】
次にステップ326では、事例データベースD100の経過情報データベースD2について全ての参加者について減量パターンJの算出が完了したか否かを判定し、完了していなければステップ322へ戻って上記処理を繰り返す。一方、全ての参加者について減量パターンJの算出が完了すると、ステップ6の処理を完了して次の類似例検索処理(ステップ3)に進む。
【0211】
図26は、上記図25のステップ321、323で行われる減量パターンの算出処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0212】
まず、ステップ351では、着目している参加者について、経過情報データベースD2から指導対象日に一致する経過日数132のデータを検索する。そして、検索した経過情報データベースD2のデータについて、目標管理135の10日毎の減量達成フラグが「1」(達成)であるか否かを判定し、「0」(未達)であればステップ352へ進み、「1」であればステップ352へ進み357へ進む。
【0213】
「0」の場合のステップ352では、現在読み込んだ参加者のN日目(指導対象日)のデータよりも過去のデータの減量達成フラグを集計して目標達成率を求め、目標達成率が30%以下であればステップ353へ進み、目標達成率が30%を超えていればステップ354に進む。例えば、指導対象日N=40で40日目の情報を読み込んだ場合、同一の参加者の10日目、20日目、30日目のデータを読み込んで目標達成率を求める。
【0214】
ステップ353では、N日目が目標未達で、かつ、N日目以前の目標達成率が30%以下であるため減量パターン=0に設定する。
【0215】
ステップ354では、N日目よりも過去のデータの目標達成率が70%以上であるか否かを判定する。目標達成率が70%以上であれば減量パターン=2に設定し、目標達成率が70%未満かつ30%超では減量パターン=1に設定する。
【0216】
上記ステップ351の判定で「1」の場合のステップ357では、現在読み込んだ参加者のN日目のデータよりも過去のデータの減量達成フラグを集計して目標達成率を求め、目標達成率が30%以下であればステップ359へ進み、目標達成率が30%を超えていればステップ358に進む。
【0217】
ステップ358では、N日目が目標達成で、かつ、N日目以前の目標達成率が30%以下であるため減量パターン=3に設定する。
【0218】
ステップ359では、N日目よりも過去のデータの目標達成率が70%以上であるか否かを判定する。目標達成率が70%以上であれば減量パターン=5に設定し、目標達成率が70%未満かつ30%超では減量パターン=4に設定する。
【0219】
上記処理により、減量パターンは0〜5に分類され、減量パターンの値が大きいほど、N日目の目標達成率と過去の目標達成率が良く、生活習慣改善プログラムの進捗状況が良いことを示している。
【0220】
例えば、指導対象の参加者が経過日数132=40日目の指導を受ける際に図28で示すような減量状況であったとする。この場合、N日目が目標未達で、過去の目標達成率が30%超えであるので、図26より減量パターンI=2となる。
【0221】
次に、他の参加者の例として、図27の参加者は、40日目が未達で、過去(10日〜30日)の目標達成率が70%以上のため、減量パターンJ=2となって、指導対象の参加者の類似事例の候補として蓄積される。
【0222】
また、他の参加者の例として、図29の参加者は、40日目が未達で、過去(10日〜30日)の目標達成率が70%以上のため、減量パターンJ=2となって、この参加者の事例も指導対象の参加者の類似事例の候補として蓄積される。
【0223】
さらに、他の参加者の例として、図30の参加者は、40日目が達成で、過去(10日〜30日)の目標達成率が30%〜70%のため、減量パターンJ=4となって、この参加者の事例は指導対象の参加者の類似事例の候補から除外される。
【0224】
こうして、図24のステップ6では、指導対象の指導対象日における指導対象の参加者の減量パターンと一致する事例データベースD100の減量パターンの参加者を事例の候補として抽出する。
【0225】
そして、ステップ3では、上記図19のステップ3と同様に検索した類似事例のうち、ステップ6の事例の候補となった参加者を類似事例として出力する。
【0226】
ステップ4の検索結果では、指導対象の参加者とN日目の減量パターンが一致する減量事例が表示されることになる。減量パターンが一致する類似事例には、図27の参加者(事例)のように、40日目が未達でも最終的に減量に成功した事例と、図29の参加者のように40日目が未達で、それ以降も未達で減量に失敗した事例が含まれる。これらのデータについて、図13のグラフから生活イベントの発生パターンや、図16で示した減量メニューの詳細などを表示することで、指導対象の参加者の今後について、減量メニューの見直しや、生活イベントなどに対する注意を具体的に行うことが可能となる。
【0227】
以上のように、本発明によれば、生活習慣改善プログラムを実施する以前の参加候補者については、生活習慣改善プログラムでは何を実行することで生活習慣の改善に成功することができるのかを、参加候補者の体質情報と生活習慣が類似する成功事例から提示することで、参加候補者に対して生活習慣改善プログラムに参加する自信を付与することができる。
【0228】
また、生活習慣改善プログラムを開始する新たな参加者に対しては、生活習慣改善プログラムで生活習慣の改善に成功するためには、どのような減量メニューを選択し、生活イベントは何を気をつければよいのかを自分と体質情報及び生活情報が類似する過去の事例から知ることができ、さらに、自分と体質情報及び生活情報が類似する過去の事例で、どのような生活イベントまたは減量メニューで失敗したのかを知ることができ、減量メニューの正しい選択や、生活イベントの注意点を示唆することができる。
【0229】
さらに、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者に対しては、自分と体質情報と生活習慣が類似し、かつN日目の減量パターンが一致する事例から、成功事例と失敗事例を提示することにより、生活習慣改善プログラムで生活習慣の改善に成功するためには、どのような減量メニューに変更し、生活イベントは何を気をつければよいのかを高精度で提示することが可能となる。
【0230】
以上の構成により、生活習慣改善プログラムを提供する本発明の生活習慣改善支援システム及び生活習慣改善方法は、健康管理の取組みにより変更可能な項目である生活情報の類似に基づく処理が行えるようになり、参加候補者に対して「自分も同じ改善ができるかどうか」という点での過去の参加者の体重管理事例を提示できるようになる効果がある。また、減量を開始する前の段階(参加勧奨時F30、最初の行動目標設定時F3,F4)と、減量を開始した後の段階(途中での行動目標見直し時F80)とに応じて、適切な健康管理事例を検索して表示できる、という効果がある。
【0231】
なお、上記実施形態では、生活習慣改善支援システムとして体重を管理する生活習慣改善プログラムに適用した例を示したが、生活習慣改善プログラムとしてはこれに限定されるものではなく、血圧や血糖値を管理する生活習慣改善支援システムに適用することができる。この場合、BMI、腹囲、体重の増減は管理する項目に応じて適宜設定すればよい。
【0232】
類似事例の検索処理(ステップ3)では、服薬中の有無を不一致度の算出に加えても良い。あるいは、服薬中の参加者または参加候補者の類似事例検索処理では、検査値を無視して同種の服薬中の参加者を類似事例の候補として検索しても良い。この場合、同種の服薬中の参加者が存在しない場合、当該服薬に係る異常指標が最大値として上記した類似事例の検索処理を行っても良い。
【0233】
また、類似事例の検索処理(ステップ3)では、経過情報データベースD2に正確な情報が記録されている参加者のみを対象としても良く、日々のデータや参加者管理データベースが欠落している参加者は除外することで、類似事例の検索処理の精度を向上させることができる。
【0234】
また、上記不一致度は、参加候補者よりも減量事例の方が値が良い場合と悪い場合を分けて演算し、悪い場合の不一致度が0の場合のみ表示を行うようにしてもよい。
【0235】
絶対不一致度XXの算出は、A×A+B×B+C×C+D×D+E×E+F×F+G×G+H×H+I×Iを算出し、2乗類似度XXとしてもよい。
【0236】
また、上記絶対不一致度YYの算出は、L×L+M×M+N×N+O×O+P×P+Q×Q+R×R+T×Tを算出し、2乗類似度YYとしてもよい。
【0237】
また、検査値に関わる類似指標(不一致度X)は、各々の検査値に対する発症リスクに応じた重み付けを行った検査値の異常指標を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0238】
以上のように、本発明は生活習慣を改善することで健康管理を行う生活習慣改善支援システム及び方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0239】
200 指導者端末装置
300 参加者端末装置
400 サーバ
D100 事例データベース
D1 参加者管理データベース
D2 経過情報データベース
D3 個人別プログラムデータベース
D4 減量結果データベース
M2 参加者データ入力・閲覧処理手段
M5 類似事例提示手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理や、健康増進、あるいは生活習慣病の予防、または治療などのために、生活行動の維持や改善を支援する生活習慣改善支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活行動の維持や改善(以下、生活習慣改善と称する)のための手法である生活習慣改善プログラムは、できるだけ多くの人に参加し、さらに継続して取り組んでもらうことが重要である。例えば、生活習慣改善の成果目標として体重に着目し、減量に取り組む生活習慣改善プログラムの場合、 従来では、生活習慣改善プログラムの必要性を理解してもらうために、体重の増加による個人毎の生活習慣病の発症の危険性を定量的に計算、提示する方法やシステムが開発されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
生活習慣改善プログラムは、今までの生活行動をよりよいものに変えていくものであり、それなりの努力が必要になる。このため、より多くの人に参加、継続してもらうには、必要性を理解してもらうだけでなく、自分自身でもこの努力ができる「自信」をもてることが重要になる。この自信を獲得するためには、行動変容のモデルの一つである「社会的認知理論」では、「人間の行動は、個人の要因と環境の相互作用により決定される」とされ、「他人の行動とそれによって生じる結果を観察し学習する(観察学習)」が関連していると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−167959号公報
【特許文献2】特開2005−049960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の背景技術では、生活習慣改善プログラムの参加者が「自信」を得るために、具体的にどのような他の参加者の行動を観察することが重要であるか、あるいはその実現手段について全く考慮されていなかった。具体的には、以下の課題がある。
(1)他人の行動があまりにかけ離れている場合、参加者の行動に与える影響が限定される。特に生活習慣改善の場合、体型や健診時の検査値の異常など、関心の対象である生活習慣以外に参加者の行動に与える様々な要因が存在している。
(2)一般的に生活習慣改善プロフラムには多くの人が参加し、多くの参加者の事例を収集することができるが、これら多くの事例から参加者の自信につながる事例を選択する方法が明確でない。
(3)生活習慣改善プログラムの実施前の段階(参加勧奨時、最初の生活行動の目標設定時)と、実施中の段階(途中での目標見直し時)とでは、提示すべき情報や、事例選択の方法が異なる(後者は健康管理への取組み状況を加味する必要)ことに対応する必要がある。
【0006】
これらの課題は、上記従来の技術では全く考慮されていなかった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、生活習慣改善プログラムへの参加率及び継続率の向上に役立つ情報を提供する生活習慣改善支援方法及びシステムを提供することである。特に、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を提示する生活習慣改善支援方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の生活習慣改善支援システムは、演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有する計算機を備えて、前記記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納して第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援システムにおいて、前記計算機は、前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けて、前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算し、前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する。
【発明の効果】
【0009】
したがって、本発明によれば、健康管理の取組みにより変更可能な項目である生活情報の類似に基づく他の参加者の履歴情報の参照が容易かつ的確に行えるようになり、「できる自信を得ることができるか」という点での過去または現在の参加者の健康管理の事例を提示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態を示し、生活習慣改善支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、生活習慣改善支援システムによる処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態を示し、類似事例提示処理F30の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態を示し、参加候補者管理データベースD5のデータ構造の一例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態を示し、図3の体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で指導者端末装置200等の表示装置に出力される画面の一例を示す画面イメージである。
【図6】本発明の実施の形態を示し、類似事例検索処理ステップ3の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態を示し、検査値から異常指標への変換例を示すグラフを示し、(a)はTG(トリグリセリド:中性脂肪)の検査値から異常指標への変換例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標への変換例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標への変換例を示す。
【図8】本発明の実施の形態を示し、参加者管理データベースD1に格納されている参加者の情報のデータ構造の一例である。
【図9】本発明の実施の形態を示し、減量結果データベースD4に格納されている参加者の減量事例のデータ構造の一例である。
【図10】本発明の実施の形態を示し、経過情報データベースD2に格納されている参加者の生活情報の一例である。
【図11】本発明の実施の形態を示し、体型の差を不一致度に変換するグラフを示し、(a)は参加候補者と参加者の服囲(または体重)の差を不一致度に変換する例を示し、(b)は参加候補者と参加者のBMIの差を不一致度に変換する例を示し、(c)は参加候補者と参加者の服囲(または体重)の差を不一致度に変換する他の例を示し、(d)は参加候補者と参加者のBMIの差を不一致度に変換する他の例を示す。
【図12】本発明の実施の形態を示し、図3の検索結果表示ステップ4にて実現された、指導者端末装置200等のパーソナルコンピュータで表示された画面の一例である。
【図13】本発明の実施の形態を示し、図12のボタン409の「表示」を押下したときに表示する減量事例の詳細を表示する画面の一例である。
【図14】本発明の実施の形態を示し、図12に示したボタン412を押下したときに表示する全ての減量事例をグラフで表示する画面の一例である。
【図15】本発明の実施の形態を示し、検査値から異常指標への変換の変形例を示すグラフであり、(a)はTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標への変換の他の例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標への変換の他の例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標への変換例の他の例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標への変換の他の例を示す。
【図16】本発明の実施の形態を示し、図13に示した参加者の減量メニューと生活イベントの具体的な内容を示す画面イメージである。
【図17】本発明の実施の形態を示し、減量事例の詳細表示の変形例を示す。
【図18】本発明の実施の形態を示し、減量事例のグラフ表示の変形例を示す。
【図19】本発明の実施の形態を示し、図2の類似事例提示処理F3で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態を示し、図19のステップ5で入力される検索事例条件の一例を示す画面イメージである。
【図21】本発明の実施の形態を示し、図19のステップ4の検索結果表示による画面の一例を示す画面イメージである。
【図22】本発明の実施の形態を示し、失敗事例を含む類似例をグラフで表示する画面の一例である。
【図23】本発明の実施の形態を示し、失敗事例の参加者と成功事例の参加者の減量メニューの具体的な内容を示す画面イメージである。
【図24】本発明の実施の形態を示し、図2の類似事例提示処理F80で行われる処理の他の例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施の形態を示し、改善生活習慣検索条件入力ステップ6でサーバ400が実行する詳細な処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の実施の形態を示し、図25のステップ321、323で行われる減量パターンの算出処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態を示し、減量事例の成功事例を示す減量パターンの説明図である。
【図28】本発明の実施の形態を示し、指導対象の参加者の減量パターンの説明図である。
【図29】本発明の実施の形態を示し、減量事例の失敗事例を示す減量パターンの説明図である。
【図30】本発明の実施の形態を示し、減量事例の一例を示し、指導対象の参加者の候補にならない減量パターンの説明図である。
【図31】本発明の実施の形態の個人別プログラムデータベースD3に格納されている情報の一例である。
【図32】本発明の実施の形態の食事カロリーデータベースD6の構成を示す説明図である。
【図33】本発明の実施の形態の運動カロリーデータベースD7の構成を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態の定期イベントデータベースD8の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
本実施形態では、実施の形態を分かりやすく説明するために、減量を目的とした生活習慣改善プログラムへの適用した場合の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムは、管理者端末装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400を備える。管理者端末すく説明するために、保健指導の一例として減量を目的とした生活習慣改善プログラムを提供する生活習慣改善支援システムへ適用した場合の形態について説明する。また、本実施形態では生活習慣改善プログラムに取り組もうとする人を参加候補者、生活習慣改善プログラムに取り組んでいる人を参加者、参加候補者に参加を勧める人、若しくは参加者に生活習慣改善の指導を行う人を指導者と称する。参加候補者は、生活習慣改善プログラムに参加、取り組むことにより参加者に呼び名がかわることに注意されたい。
【0015】
本実施形態で例とする生活習慣改善プログラムは、体重の5%を目標体重として90日間で減量するプログラムである。減量のための生活習慣を変える行動目標は、減量につながる行動が具体的に記載されたカード(減量メニュー=生活習慣改善情報)を選択することにより行う。このカードには、100kcalに相当する運動や食事(食事量を控えることや他のカロリーの低い食品に変更するなど)の行動が記載されている。以下、このカードを100kcalカードと称する。この100kcalカードは、具体的には、「ご飯を茶碗1/3杯減らす」、「オレンジジュースを100ml控える」、「20分歩く」などの行動が記載されている。参加者は、自ら実行可能な100kcalカードを予め選択しておく。このとき、同じ種類のカードを複数選択することも可能である。例えば、ジョギングを約20分実施する場合、「ジョギング10分」という100kcalカード(ジョギングは、体重に依存するが、おおよそ10分で100kcalの消費に相当)を2枚選択する。目標体重までの体重の減少量に応じて日々実施するカードの目標枚数を予め設定し、上述の予め選択した100kcalカードから目標とする枚数を実施することが行動目標となる。
【0016】
生活習慣改善プログラム開始後、参加者は、朝(起床後、トイレに行った後)と夜(夕食をとった後)の体重、実施した全ての100kcalカードの種類と枚数、日々の生活イベント(飲み会、間食、出張、選択外の運動、深夜の食事、体調不良、夜勤)の有無、生活習慣を変えることに関する自分なりのコメント(反省、言い訳、自画自賛など)を記録する。ここで、選択外の運動とは、100kcalで予め選択した運動以外の行った場合に記録する。また、減量開始から10日目、20日目、30日目など、10日毎にチェックポイントが設けられ、目標体重(以下、10日毎の目標体重)が設定されている。10日毎の目標体重とは、開始時の体重から90日後の目標体重までの体重減少量を9等分した減量途中段階での目標体重である。このチェックポイントの日において、その日の朝の体重が10日毎の目標体重以下である場合、このチェックポイントでの減量達成である。最終的に、減量開始から90日目の朝の体重が目標体重以下であった場合、減量に成功したとサーバで判定する。
【0017】
本発明では、生活習慣改善プログラムの複数の参加者の減量事例が事例データベース(DB)に格納されており、この事例DBから参加候補者及び参加者に「できる自信」が得られる生活習慣改善事例を提示する。
装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400は、ネットワーク500を介して接続されている。
【0018】
管理者端末装置100、指導者端末装置200及び参加者端末装置300は、各々、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備える計算機である。なお、これらの端末装置は、アプリケーションプログラム(例えば、ウェブブラウザ)が動作するPDAや携帯電話機等の携帯端末装置であってもよい。
【0019】
サーバ400は、プロセッサ、メモリ、記憶装置及び通信インターフェースを備える計算機である。サーバ400には、参加準備処理手段M1、参加者データ入力・閲覧処理手段M2、介入指導処理手段M3、イベント処理手段M4及び類似事例提示手段M5を備える。これらの各機能は、メモリに格納されたプログラムによって提供される。
【0020】
サーバ400の記憶装置Dには、参加者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量記録データベースD4、参加候補者管理データベースD5、食事カロリーデータベースD6、運動カロリーデータベースD7、定期イベントデータベースD8、指導記録データベースD9が格納される。なお、参加者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量記録データベースD4が事例データベースD100を構成する。事例データベースD100の参加者の記録は、過去の参加者(減量期間)が完了した参加者と、現在生活習慣改善プログラム(減量)を実施中の参加者の全てが含まれる。
【0021】
<データベースの構成>
以下に、各データベース(DB)の構成について説明する。まず、生活習慣改善プログラムに参加する参加者の情報を管理する参加者管理データベースD1は、図8に示すように構成される。
【0022】
また、生活習慣改善プログラムへの勧奨者または参加候補者の情報を管理する参加候補者管理データベースD5は、図4に示すように構成される。
【0023】
図4は、本実施形態の参加候補者管理データベースD5のデータ構造の一例を説明する図である。図4において、基本情報101として参加候補者(または参加勧奨者。以下同様)性別及び年齢を格納し、102は体型を示す情報として、例えば、参加勧奨者の腹囲、BMI(Body Mass Index)、体重を格納し、103は検査値を示す情報として参加候補者の血糖、脂質、血圧及び薬品の服用中の有無を格納する。なお、異常がない場合でも、血糖、脂質、血圧を格納することができる。検査値103の詳細として、血糖のHbA1cはヘモグロビン・エィワンシーを示し、FBSは空腹時血糖値を示す。また、脂質のHDLはHDLコレステロールを示し、TGはトリグリセリド(中性脂肪)を示す。また、血圧の血圧(上)は収縮期血圧(最高血圧)、血圧(下)は拡張期血圧(最低血圧)である。
【0024】
上記基本情報101、体型102、検査値103は当該参加候補者の体質情報である。
【0025】
104は、参加勧奨者の生活情報であって、喫煙、生活習慣、勤務形態、職種に関する情報が格納される。これらは、参加候補者の行動により変えることができる可能性を有するものである。
【0026】
121は、各々のデータ項目の表現形式である。基本情報101の性別は、0が男性、1が女性の2値で表現する。検査値103の薬剤服薬中は、0が服薬なし、1が服薬中の2値で表現する。具体的には、検査値103において血糖の薬剤服用中とは、血糖に影響のある薬を服用しているか否かを示すもので、0が服薬なし、1が服薬中となる。脂質、血圧においても同様である。
【0027】
生活情報104において、喫煙の項目は、0が喫煙していない、1が喫煙中で表現する。生活習慣の項目の間食が多い項目は、0が間食が多くないことを示し、1は間食が多いことを表現する。飲酒が多い、出張が多い、定期的に運動をしている、睡眠時間が不足しているなど、他の生活習慣の項目についても同様である。生活情報104の内、勤務形態の項目は、0が不規則な勤務が多くない、1が不規則な勤務が多いことを表現する。職種の項目は、0が事務作業が多くない、1が事務作業が多いで表現する。また、データ項目121のうち数値と記載されている項目(年齢、腹囲など)は、検査や測定をして得られた数値で表現する項目である。
【0028】
この参加候補者管理データベースD5への入力は、後述するように図3に示すステップ1の体質情報検索条件入力において、基本情報101、体型102及び検査値103が入力される。また、ステップ2の生活情報検索条件入力では、生活情報104が入力される。
【0029】
図8は、事例データベースD100を構成する参加者管理データベースD1に格納されている参加者の情報のデータ構造の一例である。参加者管理データベースD1は、図4で説明した参加候補者管理データベースD5と同様の構成であり、データ構造の項目である基本情報141、体型142、検査値143、生活情報144は、図4の参加候補者管理データベースD5の項目101〜104と同様の項目である。
【0030】
これらの項目に格納された値は、参加者ID140で識別される生活習慣改善プログラムの参加者が、減量を開始する際の直近の健康診断の結果、あるいは、減量開始時点で新たに測定を行ったときの結果が格納されている。なお、参加者ID140は事例データベースD100内でユニークな識別子であり、生活習慣改善プログラムへの登録時にサーバ400により付与されるものである。なお、参加者管理データベースD1への入力については、後述する。
【0031】
図9は、事例データベースD100を構成する減量結果データベースD4に格納されている参加者の減量事例のデータ構造の一例である。減量結果データベースD4は、参加者の減量結果を格納したものである。
【0032】
減量結果データベースD4は、生活習慣改善支援システム上で参加者を特定するための参加者ID151と、生活習慣改善プログラムを開始した日である開始日152と、生活習慣改善プログラムを終了した日である終了日153と、生活習慣改善プログラムを開始した時点での体重を格納する開始時体重154と、開示の腹囲を格納する開始時腹囲156と、開始時のBMIを格納する開始時BMI158と、生活習慣改善プログラムを終了した時点での体重を格納する終了時体重156と、終了時点の腹囲を格納する終了時腹囲157と、終了時点のBMIを格納する終了時BMI159と、減量開始時に設定した体重の目標値を格納する目標体重155と、生活習慣改善プログラムが終了したか否かを示すフラグを格納するプログラム終了フラグ160と、プログラム終了時に目標体重に達したか否かを示すフラグを格納する減量成功フラグ161から一人の参加者の結果が格納されている。なお、参加者が生活習慣改善プログラムを終了していない場合、終了日153は終了予定の日を格納し、減量成功フラグは直近の減量目標(本例では10日毎に設定)を達成したか否かを示す値が格納されている。
【0033】
図10は、事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2に格納されている参加者の生活情報の一例である。経過情報データベースD2は、参加者の日々の生活習慣改善記録を格納したものである。
【0034】
経過情報データベースD2は、生活習慣改善支援システム上で参加者を特定するための参加者ID131と、減量開始からの経過日数を格納する経過日数132と、経過日数の時点におけるバイタル情報(健康情報)133としては、例えば、朝の体重と夜の体重が格納され、行動記録134には参加者が行った行動の記録が格納され、目標管理135には当該経過日数132が、10日毎のチェックポイントに相当する場合には、当該経過日数における減量の目標値が格納されている。
【0035】
行動記録134には、参加者の歩数と、実施した100kcalカードの種類の総数と、実施した100kcalカードのID(実施した100kcalカードの種類を特定するために予め割り当てられた識別子で格納)と、実施した100kcalカードの枚数(実施カードIDで特定された同一の100kcalカードを実施した枚数)、経過日数1132の当日における飲み会の有無と、間食の有無と、出張の有無と、選択外の運動の有無と、深夜の食事の有無と、体調不良の有無と、夜勤の有無と、コメントが格納されている。ここで、実施カードID及び実施カード枚数は、実施した100kcalカードの種類の総数に応じて複数格納されている。
【0036】
目標管理135には、10日毎の目標体重とこの目標体重を達成したか否かを示す10日毎の減量達成フラグが格納されている。また、参加者の日々の生活習慣改善記録を格納する経過情報データベースD2は、経過日数毎に作成される(Day+1、Day+2)。
【0037】
図31は、事例データベースD100を構成する個人別プログラムデータベースD3に格納されている情報の一例である。
【0038】
個人別プログラムデータベースD3は、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導において参加者が設定した減量メニューが登録されるデータベースである。個人別プログラムデータベースD3は、参加者の識別子を格納する参加者ID301と、減量メニューの登録日を格納するプログラム登録日D302と、連番D303と、生活改善項目の食事メニューの識別子D304及び生活改善項目の運動メニューの識別子D305を含んでひとつのレコードが構成される。
【0039】
参加者の識別子ID301には、この生活習慣改善目標を設定した参加者の識別子が登録され、参加者管理データベースD1の参加者ID140、減量結果データベースD4の参加者ID151、経過情報データベースD2の参加者ID131と共通の識別子が使用される。プログラム登録日D302には、この改善項目が登録された年月日が登録される。
【0040】
連番D303には、参加者が選択した減量メニューの参加者毎の連続番号が格納される。参加者が選択した減量メニューは、連番D303によって管理される。例えば、同じ減量メニューが同一参加者によって複数選択された場合は、同じ減量メニューが選択された数の番号が割り当てられる。
【0041】
改善項目の食事メニューの識別子D304には、参加者によって選択された食事の減量メニューを一意に識別するための識別子が登録され、食事カロリーデータベースD6の識別子D601と共通の識別子が使用される。
【0042】
改善項目の運動メニューの識別子D305には、参加者によって選択された運動の減量メニューを一意に識別するための識別子が登録され、運動カロリーデータベースD7の識別子D701と共通の識別子が使用される。
【0043】
上記参加候補者管理データベースD1、経過情報データベースD2、個人別プログラムデータベースD3、減量結果データベースD4は、生活習慣改善支援システムを実施した参加者の生活習慣改善状況を示す事例データベースD100を構成する。すなわち、事例データベースD100は、参加者IDに基づいて体型や検査値あるいは生活情報と、生活習慣改善プログラムの実施状況と、実施した結果を参照することができる。
【0044】
図32は、本実施の形態の食事カロリーデータベースD6の構成を示す説明図である。
【0045】
食事カロリーデータベースD6は、参加者に減量メニューとして提示される食事メニューが登録されるデータベースである。前述したように、食事カロリーデータベースD6に格納されている食事メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に食事の種類及び食事量(食事を減らす量)が設定されている。
【0046】
食事カロリーデータベースD6には、食事メニューの識別子D601、食事メニューカテゴリーD602、食事優先順位D604、食事メニュー名D603、食事メニュー単位D605、食事メニュー単位カロリーD606が格納される。
【0047】
食事メニューの識別子D601には、量を減らすべき食事の種類を一意に識別するための識別子が登録される。食事メニューカテゴリーD602には、量を減らすべき食事の種類が登録される。例えば、食事の種類が主食であれば”1”が、食事の種類が酒であれば”2”が、食事の種類が間食であれば”3”が、食事に関係しない場合には”9”が、カテゴリーD602に登録される。食事メニュー名D603には、この食事メニューで減らすべき食事の種類及び量が登録される。食事優先順位D604は、参加者に食事メニューを提示する優先順位が格納される。この優先順位は、後述の処理M17で設定されるもので、値が小さい方が優先順位が高くなる。食事メニュー単位D605には、食事メニュー名D603の内容について、摂取する単位を格納する。例えば、摂取する食事の重量「g」や個数が格納される。食事メニュー単位カロリーD606には、食事メニュー名D605に設定された食事の熱量が格納される。本実施例では、食事メニュー単位カロリーD606に100kcalが設定される。
【0048】
図33は、本実施の形態の運動カロリーデータベースD7の構成を示す説明図である。
【0049】
運動カロリーデータベースD7は、参加者に減量メニューとして提示される運動メニューが登録されるデータベースである。前述したように、運動カロリーデータベースD7に格納されている運動メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に運動量が設定されている。
【0050】
運動カロリーデータベースD7は、運動メニューの識別子D701、運動メニューカテゴリーD702、運動優先順位D704、運動メニュー名D703、運動メニュー単位D705、運動メニューベース体重(男)D706、100kcal消費時間(男)、運動メニュー100kcal消費時間(男)D707、運動メニューベース体重(女)D708及び100kcal消費時間(女)D709を含む。
【0051】
運動メニューの識別子D701には、参加者が行うべき運動を一意に識別するための識別子が登録される。運動メニューカテゴリーD702には、参加者が行うべき運動の種類が登録される。例えば、運動が歩く又は走るであれば”1”が、運動がスポーツであれば”2”が、運動に関係しない場合には”9”が、カテゴリーD702に登録される。
【0052】
運動優先順位D704には、参加者に運動メニューを提示する優先順位が格納される。この優先順位は、後述の処理M17で設定されるもので、値が小さい方が優先順位が高くなる。
【0053】
運動メニュー名D703には、この運動メニューで行うべき運動の種類が登録される。運動メニューベース体重(男)D706には、運動メニュー100kcal消費時間(男)D707に登録される運動時間の基準となる男性の体重(kg単位)が登録される。運動メニュー100kcal消費時間(男)D707には、男性の基準体重となる運動メニューベース体重(男)D706で、運動メニューD名1003を行ったときに、100kcalを消費するの必要な時間(分単位)が登録される。これは、同じ運動でも、参加者の体重によって消費カロリーが変わることから、運動メニューベース体重(男)D706は、参加者の体重に基づいた適切な運動量を算出するために使用される。具体的には、体重Wkgの人が100kcal消費するためには、下式のように、
運動時間=基準時間×基準体重/W
で計算される時間の運動が必要である。
【0054】
例えば、体重80kgの参加者が100kcalを消費するために30分必要な運動の場合、40kgの参加者が100kcalを消費するためには60分の運動が必要であり、100kgの参加者が100kcalを消費するためには24分の運動が必要である。
【0055】
運動メニューベース体重(女)D708と運動メニュー100kcal消費時間(女)D709は、上記男性の基準体重と基準運動時間である運動メニューベース体重(男)D706と運動メニュー100kcal消費時間(男)D707と同様に、運動メニュー名D703について女性の基準体重と基準運動時間を設定した値が格納される。
【0056】
図34は、本実施の形態の定期イベントデータベースD8の構成を示す説明図である。
【0057】
定期イベントデータベースD8は、参加者の状態(減量メニューの実施状況、体重の変化、参加者の回答状況等)から、指導が必要と判定されるイベントが格納されるデータベースである。定期イベントデータベースD8は、イベントの識別子D801、タイミングD802、条件D803、イベント内容D804、参加者メール文言の識別子D805及び指導者文言の識別子D806を含む。
【0058】
イベントの識別子D801には、イベントを一意に識別するための識別子が登録される。タイミングD802には、イベントであると判定される時間的条件が登録される。なお、時間的条件を規定しないイベント(条件D803を満たせば何時でも発生するイベント)の場合は、タイミングD802に「随時」と登録される。
【0059】
条件D803には、イベントを発行する条件(時間的条件以外)が登録される。条件D803のうち「介入判定OK」とは、介入判定処理手段M48及び図15のフローチャートで「介入判定OK」が出力されると実行するイベントを示す。
【0060】
イベント内容D804には、このイベントに対して行われるアクションが登録される。すなわち、タイミングD802及び条件D803に登録された条件が満たされた場合、イベント内容D804に登録された指導が行われる。
【0061】
参加者メール文言の識別子D805には、定型文言データベース(図示省略)の本文に予め登録されている文言のうち、参加者宛てに送信されるメールの本文として使用される文言の識別子が登録される。指導者文言の識別子D806には、定型文言データベース(図示省略)の本文に登録されている文言のうち、指導者に対してイベントチェックの結果を表示する際に使用される文言の識別子が登録される。
【0062】
条件D803に登録されている条件の中で、X日目目標とは、減量期間終了時に目標を達成するためにX日目に到達すべき体重であり、経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の目標体重であり、下式によって求められる。
開始時体重−((開始時体重−目標体重)×X/減量期間)
例えば、開始時に80kgの体重を90日間で3.5kg減量する目標を有する参加者の10日目の目標体重は、
80−((80−76.5)×10/90)=79.611[kg]
となり、20日目の目標体重は、
80−((80−76.5)×20/90)=79.222[kg]
となる。
【0063】
定期イベントデータベースD8では、減量メニューの実施率を条件D803に設定することができる。これによって、参加者によって選択された減量メニューを実施できているか否か、システムが判断するので、実施できていない場合に減量メニューの変更を提案できる。これによって、指導者による判断のばらつきを抑制しつつ、参加者の減量経過に応じた適切かつ均質な指導を提供することができる。
【0064】
指導記録データベースD9は、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導の履歴の情報が格納される。例えば、指導記録データベースD9には参加者の識別子と体重及び測定日時が格納される。
【0065】
図2は、本発明の実施の形態の生活習慣改善支援システムによる処理の概要を示すフローチャートである。
【0066】
まず、本実施の形態の生活習慣改善支援システムによる保健指導の参加者または参加候補者による自己の情報の入力を受け付ける。入力された参加者の情報(基本情報141、体型142、検査値143)は参加者管理データベースD1に登録される。また、参加候補者の情報(基本情報101、体型102、検査値103)は参加候補者管理データベースD5に登録される。また、サーバ400は、参加者に対して参加者ID140を付与して参加者管理データベースD1に登録する(F1)。
【0067】
次に、参加者または参加候補者に対して指導者が生活情報に関する問診を実施したとき、サーバ400は、問診結果を参加者管理データベースD1の生活情報144または参加候補者管理データベースD5の生活情報104に格納する(F2)。
【0068】
次に、サーバ400は、本発明の特徴である、生活習慣改善プログラムへの参加者または参加候補者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F3、F30)。
【0069】
ここで、生活習慣改善プログラムに参加するか否かは分からないが、自分と類似する事例が見たいという参加候補者に対しては、参加候補者に類似する過去の参加者の成功事例を提示する類似事例提示処理F30を行う。
【0070】
一方、生活習慣改善プログラムに参加する参加者に対しては、当該参加者に類似する過去の参加者の成功事例と失敗事例を提示する類似事例提示処理F3を行う。これらの類似事例提示処理F3、F30については、後に詳述する。なお、参加候補者に対する処理は類似事例提示処理F30で終了する。
【0071】
次に、サーバ400は、上記類似事例提示処理F3で提示された情報と、参加者管理データベースD1に登録された参加者の情報、及び、問診結果データベースD7に登録された問診に対する回答を参照して、参加者に適する食事メニューを食事カロリーデータベースD6から選択し、参加者に適する運動メニューを運動カロリーデータベースD7から選択し、選択された食事メニュー及び運動メニューをお勧めメニューとして参加者端末装置300に送信する。
【0072】
これらの食事カロリーデータベースD6に格納されている食事メニュー、及び運動カロリーデータベースD7に格納されている運動メニューは所定のカロリー(例えば、100kcal)毎に、運動量及び食事量(食事を減らす量)が設定されている。なお、同じ運動でも、参加者の身体的特徴、例えば、体重によって消費カロリーが変わることから、参加者管理データベースD1に登録された参加者情報を参照して、所定の消費カロリー毎の運動量が計算される。
【0073】
参加者端末装置300は、送信された食事メニュー及び運動メニューを、減量メニューとして参加者に提示する。参加者端末装置300は、参加者からの目標体重の入力を受け付ける。さらに、参加者端末装置300は、参加者による食事メニュー及び運動メニューの選択を受け付ける。これらの入力された目標体重、選択された食事メニュー及び選択された運動メニューによって、その参加者の減量プログラムが決定される。これらの入力された目標体重は、減量結果データベースD4の目標体重155に登録され、選択された食事メニュー及び運動メニューには、個人別プログラムデータベースD3に登録される(F4)。
【0074】
次に、参加者端末装置300は、参加者の日々のデータ(体重、減量メニューの実行状態や生活情報(行動情報))の入力を受け付ける。入力されたデータは、経過情報データベースD2に登録される(F5)。
【0075】
次に、サーバ400は、所定のタイミングで(例えば、所定の期間毎に繰り返して)、経過情報データベースD2に登録されたデータが、定期イベントデータベースD8に登録されているイベントと合致するかを判定する(F6)。データの判定結果は、減量結果データベースD4、経過情報データベースD2及び指導記録データベースD6に登録される。
【0076】
この定期イベントデータベースD8に登録されているイベントは、本実施の形態の生活習慣改善支援システムの立ち上げ時に予め設定される。イベントとしては、例えば、参加者の生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が所定の日数(例えば、10日毎)になる度に、経過情報データベースD2を参照して、10日毎の目標体重を達成したか否かを判定するイベントや、参加者の生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が所定の満了日に達したときに減量の成功または失敗を判定するイベントなどが予め定期イベントデータベースD8に設定される。
【0077】
上記イベントチェック処理F6の結果、サーバ400は、10日毎の目標体重を達成した場合には、経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の減量成功フラグを「1」に設定し、目標体重を超過した場合には経過情報データベースD2の目標管理135の10日毎の減量成功フラグを「0」に設定する。
【0078】
また、上記イベントチェック処理F6の結果、サーバ400は、生活習慣改善プログラム開始からの経過日数が終了日153に達した参加者については、経過情報データベースD2の最後のデータを参照し、体重が目標体重以下であれば減量結果データベースD4の減量成功フラグを1に設定し、そうでない場合には減量成功フラグを0に設定し、さらにプログラム終了フラグを1に設定し、経過情報データベースD2の最後の体重を終了時体重156に設定する。
【0079】
次に、サーバ400は、参加者が入力した経過情報データベースD2のデータに対するイベントチェック処理の結果を指導者端末装置200に送信する。指導者端末装置200は、受信した判定結果を表示する(F7)。
【0080】
次に、指導者は、表示された判定結果に基づいて、参加者に対してなすべきと判断した指導を実行する(F8)。この指導の実行は、指導者が本実施の形態の生活習慣改善支援システムを用いて、電子メール等の手段によってなすこともでき、指導者が本実施の形態の生活習慣改善支援システムを用いずに、電話等の手段によってなすこともできる。
【0081】
この指導の際に、本発明の特徴である、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F80)。当該参加者と類似する他の参加者の生活習慣改善状況を事例データベースD100から抽出することで、減量メニューの再考などを行うことができる。
【0082】
そして、指導者端末装置200は、指導者がなすべきと判断した指導の実行の指示を受け付け、入力された指導の実行の指示から、指導の記録を生成する。また、指導者端末装置200は、指導者がなした指導の記録の入力を受け付ける。これらの生成された及び入力された指導の記録は、指導記録データベースD9に登録される(F9)。
【0083】
上記の処理により、サーバ400の事例データベースD100には、生活習慣改善プログラムに参加したときの参加者の体質情報と生活情報104が登録され、生活習慣改善プログラムの実践によって参加者の日々の体重及び行動記録を格納した経過情報データベースD2が蓄積され、また、参加者が選択した減量メニューが個人別プログラムデータベースD3に蓄積され、減量期間が満了すると減量結果データベースD4の減量成功フラグ161が確定される。このように、上記F1〜F9の処理によって、全ての参加者の生活習慣改善プログラムの実施状況が事例データベースD100として蓄積される。
【0084】
<類似事例提示処理F30>
次に、上記図2の参加候補者に対して実施する類似事例提示処理F30の詳細について以下に説明する。本実施形態の類似事例提示処理F30は、生活習慣改善プログラムの実施前の段階で、特にプログラムへの参加勧奨時に、参加候補者へ生活習慣改善プログラムの参加者の事例を提供する場合の例を示す。
【0085】
図3は、本実施形態の類似事例提示処理F30の処理の一例を示すフローチャートである。図3において、ステップ1は体質情報検索条件入力ステップであって、参加候補者の基本情報101、体型102や検査値103などの参加候補者が現時点では直ちに変更できない情報(以降、体質情報と称する)を指導者端末装置200等からサーバ400の参加候補者管理データベースD5へ入力する処理である。
【0086】
ステップ2は、参加候補者の現在の生活習慣と周囲環境などの参加候補者の行動により変えることができる情報(以降、生活情報104と称する)を指導者端末装置200等からサーバ400の参加候補者管理データベースD5へ入力する生活情報検索条件の入力処理である。
【0087】
上記体質情報検索条件入力ステップ1と生活情報検索条件入力ステップ2は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成された指導者端末装置200等の表示装置に表示された画面上に指示や数値を入力することにより実現される。
【0088】
ステップ3は類似事例検索処理ステップであって、上記体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で参加候補者管理データベースD5へ入力された参加候補者の情報に基づいて、事例データベースD100に予め格納された複数の参加者の過去の生活習慣改善の事例から、生活習慣の改善への「できる自信」を得るのに適した事例を検索するものである。本ステップ3は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成された指導者端末装置200等で後述するように処理される。
【0089】
次に、ステップ4は検索結果表示ステップであって、類似事例検索処理ステップ3の処理結果を指導者端末装置200等の表示装置に表示して、参加候補者や指導者が視覚的に確認できる形で表示するものである。本ステップ4は、例えば、パーソナルコンピュータで構成された指導者端末装置200等の表示装置上に処理結果を数値やグラフで描画することで実現される。
【0090】
上記処理により、例えば、生活習慣改善プログラムに参加した過去の参加者のうち、生活習慣改善に成功し、かつ、体質情報と生活情報が参加候補者に類似する参加者がどのような生活習慣改善プログラムを実践したのかを参加候補者に提示できる。
【0091】
参加候補者は、自分の体質や生活情報に近い過去の参加者の生活習慣改善の成功事例を参照することで、自分が生活習慣改善プログラムに参加した場合には、どのようなプログラムを選択すれば成功することができるのかを知ることができ、生活習慣改善プログラムに参加する自信を得ることができる。
【0092】
図5は、上記体質情報検索条件入力ステップ1及び生活情報検索条件入力ステップ2で指導者端末装置200等の表示装置に出力される画面の一例を示す画面イメージである。
【0093】
図5において、画面901は、上記体質情報検索条件入力ステップ1で行う参加候補者の基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況(図中では服薬状況と表記)909及び生活情報907の入力領域が設定され、参加候補者若しくは指導者がそれぞれの情報を指導者端末装置200等から参加候補者管理データベースD5へ入力できる。
【0094】
基本情報903は、年齢、性別の入力項目で構成され、体型902は、胸囲、BMI、体重の入力項目で構成され、検査値情報905は、HbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)、FBS(空腹時血糖値)、HDL(HDLコレステロール)、TG(トリグリセリド)、血圧H(最高血圧)、血圧L(最低血圧)の入力項目で構成され、薬剤の服用状況909は、糖尿病、脂質異常、血圧に関する服用状況のチェックボックスで構成される。
【0095】
基本情報903としての性別はプルダウンメニュー904で、男性または女性を入力できる。生活情報検索条件入力ステップ2で行う生活情報907の入力領域も同一画面901上に設定され、同様に参加候補者若しくは指導者がそれぞれの情報を入力できる。生活情報907は、参加候補者管理データベースD5の生活情報104の喫煙、生活習慣、勤務形態、職種に対応するチェックボックスで構成され、チェックされた項目は参加候補者管理データベースD5の生活情報104の値が「1」として入力され、チェックされない項目は生活情報104の値が「0」として入力される。
【0096】
基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況909及び生活情報907の各項目の入力完了後、検索ボタン908を押下することで、次の処理ステップである類似事例検索処理ステップ3が起動される。
【0097】
なお、基本情報903、体型902、検査値情報905、薬剤の服用状況909、生活情報907は、参加候補者管理データベースD5の基本情報101、体型102、検査値103、生活情報104にそれぞれ格納される。
【0098】
図6は、本実施形態の類似事例検索処理ステップ3の一例を示すフローチャートである。このフローチャートはサーバ400の類似事例提示手段M5で実行される。
【0099】
図6において、先ず、年齢、性別の検索範囲を決定する(1300)。これは、体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報に含まれる基本情報101(年齢、性別)を基準にして、実際に生活習慣改善プログラムを実施した参加者の減量事例を参加者管理データベースD1から検索する範囲を決定する。この検索範囲は、例えば、性別は完全一致(例えば、参加候補者が男性の場合は男性のみ検索)とし、年齢は参加候補者管理データベースD5の年齢から所定の範囲を検索条件(基本検索条件)とし、例えば、5歳下から5歳上まで(例えば、参加候補者が43歳の場合、37歳から48歳までの参加者の減量事例を検索)と決定する。
【0100】
次に、体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報に含まれる検査値103を異常指標に変換する(1301)。検査値103には多くの健康な人が含まれる正常範囲(基準値)が存在する。異常指標は、この検査値の基準値より増加(高値)の場合を1、減少(低値)の場合が−1として、−1から1の範囲で検査結果の値と異常の有無の内容(高値、低値)、程度を示す指標である。つまり、検査結果である検査値103の各項目の値(検査値)が、予め設定した正常範囲にあれば異常指標を0とし、検査値が予め設定した正常範囲よりも低ければ異常指標を−1とし、検査値が予め設定した正常範囲よりも高ければ異常指標を1とする。
【0101】
図7(a)は、TG(トリグリセリド:中性脂肪)の検査値から異常指標への変換例である。横軸201がTGの値、縦軸202が異常指標202の値である。TGの基準値(正常範囲)は、30から149であるので、基準値の範囲(244)では異常指標202は0、30未満(243)では異常指標は−1、150以上(245)では異常指標は1として検査値103のTGの検査値を異常指標202に変換する。
【0102】
図7(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例である。横軸206がHbA1cの値、縦軸が異常指標207の値である。HbA1cの基準値は、4.3から5.8であるので、基準値の範囲(249)では異常指標は0、4.3未満(248)では異常指標は−1、5.8を越える場合(250)では異常指標207は1として変換する。
【0103】
図7(c)は、男性のHDLから異常指標への変換例である。また、図7(d)は、女性のHDLから異常指標への変換例である。図7(c)、(d)において、横軸211、216がHDLの値、縦軸212が異常指標の値である。HDLの基準値は、男性と女性で異なる。このため、性別に応じて異なる変換を行う。また、HDLコレステロールは、動脈硬化を引き起こすコレステロールを肝臓に戻す働きがあり、値が低いことの方が問題である。このため、HDLの値が低い場合、異常指標を1と設定する。男性の場合(図7(c))、HDLの基準値は、41から80であるので、基準値の範囲(254)では異常指標は0、41未満(255)では異常指標212は1、80を越える場合(253)では異常指標は−1として変換する。女性の場合(図7(d))、HDLの基準値は、41から90であるので、基準値の範囲(259)では異常指標は0、41未満(260)では異常指標は1、90を越える場合(258)では異常指標は−1として変換する。図7(c)と図7(d)のどちらの変換を適用するかの判断は、基本情報101の性別の値を用いて自動的に行う。また、図示していないが、他の検査値(FBS、血圧(上)、血圧(下))に関しても同様に異常指標への変換を行う。
【0104】
次に、図6に戻り、事例データベースD100から参加者の減量事例を読み出す(1302)。事例データベースD100は、上述のように生活習慣改善支援プログラムの参加者の減量事例を格納したもので、図6に示した体質情報、生活情報の参加者管理データベースD1の他、生活習慣改善プログラムに参加中の日々の行動記録(体重、歩数、食事や運動の状況、生活習慣や勤務形態など)を格納した経過情報データベースD2や生活習慣改善プログラムの結果を格納する減量結果データベースD4である。本実施形態では、この事例データベースD100に格納された参加者と、現在類似事例の提示対象となっている参加候補者との類似性を計算するために、後述するステップ1303からステップ1307の処理を行っていない参加者について上記図8〜図10に示した事例データベースD100から減量事例を読み出す。
【0105】
なお、ステップ1302で読み出す減量事例は、ステップ1301で決定された年齢、性別の検索範囲に含まれる減量事例である。この処理は、事例データベースD100の参加者管理データベースD1に格納された基本情報141から、性別が参加候補者と一致し、かつ、年齢が参加候補者の年齢から所定の範囲内の参加者ID140を抽出し、この参加者ID140に対応する減経過情報データベースD2及び量結果データベースD4のデータを読み込む。
【0106】
次に、ステップ1303では、上記ステップ1302で読み出した事例データベースD100の減量結果データベースD4に格納されている減量成功フラグ161の値を確認し、その値が1で減量に成功している事例のみ、以降の処理(ステップ304からステップ307)を行うようにする。
【0107】
これにより、生活習慣改善プログラムを完了した参加者のうち成功者のみを抽出し、参加候補者に対して、減量の失敗事例を不用意に表示することによる「できる自信」の喪失を未然に防ぐことができるようになる。
【0108】
次に、上記ステップ1302で読み出した参加者管理データベースD1の体質情報に含まれる検査値143を異常指標に変換する(1304)。この処理は、先述のステップ1301で説明した内容と同様の処理をステップ1302で読み出し、ステップ1303で抽出した事例データベースD100の値(減量に成功した参加者管理データベースD1の検査値143)に対して行う。具体的には、検査値143に格納されたHbA1c、FBS、HDL、TG、血圧(上)、血圧(下)を図7(a)〜(d)に示した異常指標に変換する。
【0109】
次に、検索条件(体質情報検索条件入力ステップ1で入力された参加候補者の体質情報)と事例データベースD100から読み出した減量事例の体質情報との不一致度及び絶対不一致度を算出する(1305)。
【0110】
先ず、参加候補者の情報と参加者の情報の不一致度を算出する。この算出は、参加候補者の体型102と、減量に成功した参加者の体型142の不一致度を求める処理と、参加候補者の検査値103と、減量に成功した参加者の検査値143の不一致度を求める処理に分けて行う。以下の説明では、上記ステップ1303で抽出した減量に成功した参加者を減量事例とする。
【0111】
体型の不一致度を求める処理は、先ず、参加候補者の腹囲に対する減量事例の腹囲の差(腹囲差)を割合(%)で算出する。例えば、参加候補者の腹囲をA(K)、減量事例の腹囲をA(S)とすると、
(A(K)−A(S))/100
を腹囲差(割合)として減量事例毎に算出する。この値を腹囲の不一致度に変換する。この変換は、例えば、図11(a)に示す変換グラフにより行う。
【0112】
図11(a)において横軸が算出した腹囲差、縦軸が不一致度である。腹囲差が−5%以上5%以下の場合、不一致度は0とし、腹囲差が5%より大きく10%以下の場合は不一致度=0.5、腹囲差が10%より大きい場合は不一致度=1、腹囲差が−10%以上−5%未満の場合は不一致度=−0.5、腹囲差が−10未満の場合は不一致度=−1とする。図11(a)により得られた腹囲の不一致度をAとする。
【0113】
体重に関しても腹囲と同様に参加候補者と減量事例の不一致度を算出する。例えば、参加候補者の体重をB(K)、減量事例の体重をB(S)とすると、
(B(K)−B(S))/100
を体重の不一致度として算出し、図11(a)の変換グラフを用いて体重の不一致度Bを算出する。
【0114】
BMIに関しても腹囲、体重と同様に参加候補者と減量事例の不一致度を算出する。但し、BMIの場合は、腹囲、体重とは異なる変換グラフを用いる。参加候補者のBMIをC(K)、減量事例のBMIをC(S)とすると、
(C(K)−C(S))/100
をBMIの不一致度として算出し、図11(b)の変換グラフを用いてBMIの不一致度Cを算出する。BMIの不一致度Cの算出に上記図11(a)の体重と同じ変換グラフを用いると、BMIの算出に体重と身長を用いていることにより、体重に比較してBMIの不一致度が過小評価される問題が生じる。このため、BMIの不一致度Cの算出には、体重の不一致度を求めるグラフとは異なる図11(b)のような変換グラフを用いることで上記の影響を低減することができる効果がある。また、参加候補者と参加者の体型の値の差から不一致度に変換を求めるグラフとしては、図11(c)のように、服囲の差と不一致度が連続的に変化するグラフや、図11(d)のようにBMIの差と不一致度が連続的に変化するグラフを用いてもよい。
【0115】
次に、参加候補者と減量事例の検査値の不一致度を算出する。この検査値の不一致度は、上記ステップ1301で求めた参加候補者のHbA1c、FBS、HDL、TG、血圧(上)、血圧(下)の各々の異常指標と、上記ステップ1304で求めた減量事例の各異常指標に関して、ステップ1301で算出した参加候補者の異常指標から、ステップ1303で算出した減量事例の異常指標を減算することで各検査値の不一致度を算出する。
【0116】
参加候補者のHbA1cの異常指標をD(K)、減量事例のHbA1cの異常指標をD(S)とすると、
D=(D(K)−D(S))/2
を算出し、HbA1cの不一致度Dとする。ここで、参加候補者と減量事例の異常指標の差を2で割るのは、不一致度を−1から+1の範囲に正規化するためである。この処理により、他の算出指標と重み付けを一致させることが可能になる効果がある。同様にFBSの参加候補者の異常指標をE(K)、減量事例の異常指標をE(S)として、
E=(E(K)−E(S))/2
をFBSの不一致度Eとして算出する。
【0117】
さらに、参加候補者のHDLの異常指標をF(K)、減量事例のHDLの異常指標をF(S)とし、
F=(F(K)−F(S))/2
をHDLの不一致度Eとして算出する。
【0118】
また、参加候補者のTGの異常指標をG(K)、減量事例のTGの異常指標をG(S)として、
G=(G(K)−G(S))/2
をTGの不一致度Gとして算出する。
【0119】
また、参加候補者の血圧(上)の異常指標をH(K)とし、減量事例の血圧(上)の異常指標をH(S)とし、
H=H((K)−H(S))/2
を血圧(上)の不一致度Hとして算出する。
【0120】
また、参加候補者の血圧(下)の異常指標をI(K)、減量事例の血圧(下)の異常指標をI(S)とし、
I=I((K)−I(S))/2
を血圧(下)の不一致度Iとして算出する。
【0121】
最後に、上記より算出した全ての体質及び検査値の不一致度の総和、A+B+C+D+E+F+G+H+Iを算出する。この算出した値を体質情報の不一致度Xとする。この体質情報の不一致度Xは、値が正の値になればなるほど、事例データベースD100から読み出した参加者(減量事例)の健康状態がより良好な状態(疾病の発症リスクが低い状態)であることになり、値が負の値になればなるほど、逆に参加候補者に比べて事例データベースD100から読み出した参加者(減量事例)の健康状態がより注意すべき状態(疾病の発症リスクが高い状態)であることになる。このように不一致度Xに正の値と負の値を持たせることにより、単なる不一致の程度のみでなく、減量事例の健康状態が、参加候補者自身を基準にして良好なのか悪い状態なのかを含めて把握できるようになる。
【0122】
次に、各々の体質情報の不一致度の絶対値の和である|A|+|B|+|C|+|D|+|E|+|F|+|G|+|H|+|I|を算出し、この算出した値を体質情報の絶対不一致度XX(第1の類似指標)とする。この体質情報の絶対不一致度XXは、0から5の値をとり、5以上の値の場合は、全て5に設定する。
【0123】
次に、検索条件(体質情報検索条件入力ステップ2で入力された参加候補者の生活情報104)と事例データベースD100から読み出した減量事例の生活情報144との不一致度及び絶対不一致度を算出する(1306)。先ず、参加候補者と減量事例の生活情報の不一致度を算出する。
【0124】
これは、生活情報である喫煙、間食が多い、飲酒が多い、出張が多い、定期的に運動していない、睡眠時間が不足している、不規則な勤務が多い、事務作業が多いという各々の項目に関して、参加候補者の値である参加候補者管理データベースD5に書き込んだ生活情報104の値から減量事例の参加者管理データベースD1の生活情報144の値を減算する。ここで、参加候補者管理データベースD5の生活情報104と、参加者管理データベースD1の生活情報144の各項目の値は、0または1が格納されている。
【0125】
参加候補者の喫煙の項目の値をL(K)、減量事例の喫煙の項目の値をL(S)とすると、
L=(L(K)−L(S))
を算出し、喫煙の不一致度Lとする。同様に参加候補者の間食が多い項目の値をM(K)、減量事例の間食が多い項目の値をM(S)とし、
M=(M(K)−M(S))
を間食が多い項目の不一致度Mとする。
【0126】
また、参加候補者の飲酒が多い項目の値をN(K)、減量事例の飲酒が多い項目の値をN(S)とし、
N=(N(K)−N(S))
を飲酒が多い項目の不一致度Nとする。
【0127】
また、参加候補者の出張が多い項目の値をO(K)、減量事例の出張が多い項目の値をO(S)とし、
O=(O(K)−O(S))
を出張が多い項目の不一致度Oとする。
【0128】
また、参加候補者の定期的に運動していない項目の値をP(K)、減量事例の定期的に運動していない項目の値をP(S)とし、
P=(P(K)−P(S))
を定期的に運動していない項目の不一致度Pとする。
【0129】
また、参加候補者の睡眠時間が不足している項目の値をQ(K)、減量事例の睡眠時間が不足している項目の値をQ(S)とし、
Q=(L(K)−Q(S))
を睡眠時間が不足している項目の不一致度Qとする。
【0130】
また、参加候補者の不規則な勤務が多い項目の値をR(K)、減量事例の不規則な勤務が多い項目の値をR(S)とし、
R=(R(K)−R(S))
を不規則な勤務が多い項目の不一致度Rとする。
【0131】
また、参加候補者の事務作業が多い項目の値をT(K)、減量事例の事務作業が多い項目の値をT(S)とすると、
T=(T(K)−T(S))
を事務作業が多い項目の不一致度Tとする。
【0132】
最後に、上記で算出した全ての生活情報の項目の不一致度の総和、L+M+N+O+P+Q+R+Tを算出する。この算出した値を生活情報の不一致度Yとする。この不一致度Yは、値が正の値になればなるほど、減量事例の生活状況がより良好な状態(体型や検査値の異常につながりにくい状態)であることになり、値が負の値になればなるほど、逆に参加候補者に比べて減量事例の生活状況がより注意すべき状態(体型や検査値の異常につながりやすい状態)であることになる。このように生活情報の不一致度Yに正の値と負の値を持たせることにより、単なる不一致の程度のみでなく、減量事例の生活状況が、参加候補者自身を基準にして良好なのか悪い状態なのかを含めて把握できるようになる。
【0133】
次に、各々の生活情報の不一致度の絶対値の和である|L|+|M|+|N|+|O|+|P|+|Q|+|R|+|T|を算出し、この算出した値を生活情報の絶対不一致度YY(第2の類似指標)とする。この生活情報の絶対不一致度YYは、0から8の値をとり、5以上の値の場合は、全て5に設定する。
【0134】
次に、ステップ1307では、上記ステップ1305で算出された体質情報の絶対不一致度XXと、ステップ1306で算出された生活情報の絶対不一致度YYを用いて、総合不一致度Zを算出する(1307)。総合不一致度Zは、体質情報の絶対不一致度XXと生活情報の絶対不一致度YYの値を足したもので表現される。したがって総合不一致度Zの値は、0から10の値をとる。
【0135】
以上のステップ1303から1307の処理を減量事例(減量に成功した参加者)の全ての事例データベースD100に対して行ったかどうかを判定し(ステップ1308)、行っていない場合は、ステップ1302に戻って、ステップ1303から1307の処理を繰り返す。
【0136】
上記のステップ1303から1307の処理を行い、体質情報の不一致度X及び生活情報の不一致度Yと、体質情報の絶対不一致度XX及び生活情報の絶対不一致度YY、総合不一致度Zが算出された減量事例が、処理の対象となっている参加候補者の類似事例の検索結果となる。
【0137】
図12は、図3の検索結果表示ステップ4にて実現された、指導者端末装置200等のパーソナルコンピュータで表示された画面の一例である。図12において、401が類似事例検索結果の画面、407は類似事例の検索結果の表示領域、402から406と411は、検索結果の表示方法を変更するボタンである。本表示例では、ステップ3で検索された減量事例のうち統合一致度(統合不一致度Zの変換値)が最大から5つの事例のみを表示するようにしている。すなわち、参加者または参加候補者に類似し、かつ、生活習慣改善プログラムに成功した参加者の情報が、類似の指標(統合一致度)の順に表示される。
【0138】
表示領域407の「一致度」は、上記図6の1307に示した統合不一致度Zを変換した総合一致度の値であり、総合一致度=10−総合不一致度Zである。
【0139】
また、表示領域407の「体重・健康状態」は、体質情報の絶対不一致度XXを変換した体質情報の絶対一致度であり、5−体質情報の絶対不一致度XXを示し、「生活環境・周囲環境」は生活情報の絶対不一致度YYを変換した生活情報の絶対一致度であり、5−生活情報の絶対不一致度YYを示し、「年齢」、「性別」、「開始時体重」、「終了時体重」は参加者管理データベースD1及び減量結果データベースD4の値であり、「減少量」は「開始時体重」から「終了時体重」を差し引いた差分である。
【0140】
表示領域407にどの事例を表示するかは、この表示方法を変更するボタン(403、405、411等)により決定される。これにより、表示領域の大きさが限られている場合でも、多くの検索結果から必要な減量事例のみを表示することができる。
【0141】
408は検索結果の一例であり、ステップ3で算出された減量事例の総合不一致度Zを変換した一致度、体質情報の絶対不一致度XXを変換した体型・健康状態、生活情報の絶対不一致度YYを変換した生活習慣・周囲環境、年齢、性別、開始時体重、終了時体重、減少量を表示する。
【0142】
ここで、検索結果408の「一致度」、「体重・健康状態」、「生活習慣・周囲環境」が各不一致度を変換した値である理由は、次の通りである。
【0143】
図6で求めた各不一致度Zは値が小さいほど一致している(参加候補者とよく類似している減量事例、望ましい事例)ことを示す値であり、値が大きいほどよいものと認識する人の感覚と異なる。そこで、各不一致度を上述したように変換をした後に表示する。この変換により、参加候補者や指導者の感覚にあった形で検索結果を表示することができるようになる。
【0144】
ボタン402「全ての一致順」は、統合一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を総合一致度順(または総合不一致度順)に並びかえ、上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0145】
ボタン403の「体型・健康状態の一致順」は、体質情報の絶対一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を体質情報の絶対一致度順(または絶対不一致度順)に並びかえ、その上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0146】
ボタン404「生活習慣・周囲環境の一致順」は、生活情報の絶対一致度の高い順に上位5つの減量事例を表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例を生活情報の絶対一致度順(または絶対不一致度順)に並びかえ、その上位(または下位)から5つを選択して表示することにより実現する。
【0147】
ボタン405の「自分より良い人のみ表示」は、参加候補者より健康状態や生活習慣が良い減量事例のみを表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例の中で、体質情報の不一致度Xと生活情報の不一致度Yが共に0以上の減量事例のみを表示対象とすることで実現する。
【0148】
ボタン405の「自分より悪い人のみ表示」は、逆に、参加候補者より健康状態や生活習慣が悪いと思われる減量事例のみを表示させるボタンである。ステップ3で得られた全ての減量事例の中で、体質情報の不一致度Xと生活情報の不一致度Yが共に0以下の減量事例のみを表示対象とすることで実現する。
【0149】
ボタン411の「体重減少量の高い順」は、減量事例を減少量の高い順に並びかえて表示するボタンである。表示領域407に表示されている減量事例を減少量順に並びかえて再表示することで実現する。
【0150】
ボタン409の「表示」は、408の検索結果の減量事例の詳細を後述するように表示するボタンである。
【0151】
図13は、図12のボタン409の「表示」を押下したときに表示する減量事例(減量を実施した参加者)の詳細を表示する画面の一例である。図13は、図12の表示領域407内から選択された参加者について、具体的な生活習慣改善プログラムの経過をグラフにて表示するものである。
【0152】
図13において、減量事例の詳細表示画面601には図、日々記録した朝体重、夜体重、歩数のグラフ602と、100kcalカードの実施状況と生活イベント603を表示する。グラフ602には、体重604を折れ線グラフで、歩数を棒グラフで表示する。
【0153】
図中606は減量開始から10日目の目標体重、607は朝の体重、608は夜の体重、609は歩数、610は20日目の目標体重である。ここでは、10日目のチェックポイントは、朝の体重607が目標体重606を上回っており目標未達成、20日目のチェックポイントは、朝の体重が目標体重610を下回っており目標達成した状態を示している。これらの情報は、ボタン409で選択された参加者IDを参加者管理データベースD1から取得し、参加者IDが一致する経過情報データベースD2のバイタル133を経過日数132毎にサーバ400がデータを読み込んで表示する。
【0154】
611は100kcalカードの実施度を表示する領域で、個人別プログラムデータベースD3に予め登録した日々実施する100Kcalカード(食事メニューまたは運動メニュー)の目標枚数(または登録数)に対して、実際に実施したカードの総枚数の割合(実施率)を求め、この割合を3種類のアイコンで表示する。619は実施率30%未満、620は実施率30%以上70%未満、621は実施率70%以上を示すアイコンである。612から618は、順に、飲み会、間食、出張、選択外の運動、深夜の食事、体調不良、夜勤の生活イベントを表示する領域で、当該イベントが記録された場合は、アイコン624が経過情報データベースD2の経過日数132に対応する位置に表示される。図13では、10日目の100kcalカードの実施率は70%以上(アイコン622)で、選択外の運動(623)を行ったことを示している。
【0155】
このように参加候補者と体質(現時点ので健康状態)や生活習慣が類似した他人の減量事例が実例として詳細に表示されるので、他人の行動とそれによって生じる結果を観察して学習する(観察学習)ことが可能になる。この観察学習により、参加候補者は自分自身でも生活習慣を改善する努力が実行できる「自信」を獲得できるようになる。
【0156】
図12において、ボタン412「グラフ表示」は、表示領域407に表示されている全ての減量事例をグラフで表示するボタンである。
【0157】
図14は、図12に示したボタン412を押下したときに表示する全ての減量事例をグラフで表示する画面の一例である。全ての減量事例のグラフ表示画面501に、散布図502として減量事例を表示する。
【0158】
グラフの中央503は、体質情報の絶対一致度及び生活情報の絶対一致度が共に最大値である5の領域で、換言すれば体質情報の絶対不一致度XX及び生活情報の絶対不一致度YYが0の領域で、参加候補者の体質情報と生活情報が一致する点である。したがって、中央503に近い黒丸のアイコン508、510等が現在対象となっている参加候補者に近い参加者の事例であることが容易に理解できる。
【0159】
横軸(506、507)は生活情報(図中では生活習慣・周囲環境と表記)の絶対一致度(5−生活情報の絶対不一致度YY)であり、縦軸(504、505)は、体質情報(図中では体型・健康状態と表記)の絶対一致度(5−体質情報の絶対不一致度XX)を表す。但し、生活情報の不一致度Yが0以上の場合は横軸506の方向にプロットし、0以下の場合は、横軸507の方向にプロットする。体質情報の不一致度についても同様に、体質情報の不一致度Xが0以上の場合は縦軸504の方向に、体質情報の不一致度Xが0以下(負値)の場合は縦軸505の方向にプロットする。これにより、参加候補者に比較して健康状態が良好な減量事例は縦軸504の方向(グラフの上部)に、注意すべき状態の減量事例は縦軸505の方向(グラフの下部)にプロットされる。また、参加候補者に比較して生活状況が良好な減量事例は横軸506の方向(グラフの右側)に、注意すべき状態の減量事例は横軸507の方向(グラフの左側)にプロットされる。
【0160】
具体的には、図12の408に示した減量事例は、体質情報の絶対一致度が5、生活情報の絶対一致度が4である。この参加者の事例では図示していないが、生活情報の不一致度が1である減量事例である。この場合、生活情報の不一致度が0以上であるので、図14上では、横軸506の方向に、黒丸のアイコン508としてプロットされる。図中509は、この黒丸のアイコンの減量事例の体重の減少量(5.1kg)の表示である。他の例として、図12の410に示した減量事例は、体質情報の絶対一致度が4、生活情報の絶対一致度が4である。図示していないが、体質情報の不一致度が−1、生活情報の不一致度が1である減量事例である。この場合、体質情報の不一致度が0以下、生活情報の不一致度が0以上であるので、図14上では、縦軸505、横軸506の方向に、黒丸のアイコン510がプロットされ、体重の減少量(5.5kg)を表示する。
【0161】
次に、本実施形態における類似事例を検索して表示する一連の手順について説明する。
【0162】
先ず、図3の体質情報検索条件入力ステップ1において、サーバ400は指導者端末装置200等から参加候補者の体型と検査値に関する情報を含む体質情報を取り込む。具体的には、図5に示す入力画面901を参加候補者自身(あるいは参加候補者の状況を確認した指導者)が、参加候補者の現時点での状況に基づいて、基本情報903、体型602、検査値情報905、薬剤の服用状況909を入力する。入力した内容は、サーバ400に予め用意された図4に示した参加候補者管理データベースD5に格納される。
【0163】
次に、図3の生活状況検索条件入力ステップ2において、参加候補者の生活習慣と周囲環境に関する情報を含む生活情報を取り込む。具体的には、図5に示す入力画面901を参加候補者自身(あるいは参加候補者の状況を確認した指導者)が、参加候補者の現時点での状況に基づいて、生活情報907を入力する。入力した内容は、予め用意された図4に示したデータ構造を格納可能なデータ格納領域に格納される。
【0164】
次に、上記の入力が完了した後、図5に示す入力画面901の検索ボタン908を押下すると、図3の類似事例検索処理ステップ3が起動し、体質情報検索条件入力ステップ1及び生活状況検索条件入力ステップ2において参加候補者管理データベースD5に取り込まれた参加候補者の体質情報及び生活情報に類似した減量事例について事例データベースD100を検索し、類似性を示す各指標の算出を行う。具体的には、図6に示した処理手順に従って、図8に示したデータ構造を有する事例データベースD100の参加者管理データベースD1に格納された複数の他の参加者の減量事例から、性別が参加候補者と一致し、年齢が参加候補者の5歳下から5歳上までの範囲、かつ、減量に成功している事例(参加者)に対して、体質情報の不一致度X、絶対不一致度XX、生活情報の不一致度Y、絶対不一致度YY、総合不一致度Zをそれぞれ算出する。
【0165】
最後に、図3の類似事例検索処理ステップ3で検索と指標の算出を行った減量事例を、検索結果表示ステップ4にて表示する。具体的には、上述したように図12、図13、図14に示す形で表示する。
【0166】
図15は、図7に示した検査値を異常指標に変換の変形例を示し、(a)はTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標202への変換例を示し、(b)はHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値から異常指標207への変換例を示し、(c)は男性のHDLから異常指標212への変換例を示し、(d)は、女性のHDLから異常指標217への変換例を示す。
【0167】
生活習慣改善プログラムが減量を対象とする場合、減量対象となった参加者の検査値は基準の範囲を超える場合が多い。そこで、図15の変形例では、図7のように検査値が基準の範囲から外れたときに1また−1とするのではなく、予め設定した下限値から上限値まで連続的に検査値と異常指標の関係を変化させるようにした。
【0168】
例えば、図15(a)のTG(トリグリセリド)の検査値から異常指標202への変換は、TGの値が30から400の間で、異常指標が−1から1の間で比例するように変換グラフが設定される。図7(a)の例では、TGの値が30以下で異常指標が−1となり、TGの値が150以上で異常指標が1となる変換グラフを示した。これに対して、図15(a)では、TGの値が400までの間で異常指標が1まで変化するため、TGの値が150以上の参加者または参加候補者の間で異常指標の細かな比較が可能となり、異常指標が相対的に高いまたは低いのかを判定することができる。
【0169】
同様に、図15(b)ではHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)の検査値が4.0〜8.0の間で異常指標が−1から1の間で連続的に変化するように設定し、図15(c)では男性のHDLが30〜100の間で異常指標が1〜−1の間で連続的に変化するように設定し、図15(d)では女性のHDLが30〜110の間で異常指標が1〜−1の間で連続的に変化するように設定する。検査値から異常指標への変換を連続的にすることで、異常指標による参加者(または参加候補者)の細かな比較が可能となる。
【0170】
図16は、上記図13に示した参加者が、どのような減量メニューを実施し、また、どのような生活イベントが発生したのかを、減量メニューと生活イベントの項目毎に頻度を示す棒グラフで表示したものである。上記図13の画面から所定のキー入力(例えば、ファンクションキー)等によりサーバ400は、指導者端末装置200等に図16の画面701を表示させる。
【0171】
上記図16の画面701には、図13の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す領域702と、参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を示す領域704と、生活イベントの発生頻度を示す領域706が設定される。
【0172】
領域702には、生活習慣改善プログラムの期間(減量期間)中に参加者が選択した100Kcalカードの実施枚数703が棒グラフにて表示される。カードの実施枚数703は、選択された参加者のIDから経過情報データベースD2の行動記録134の「実施カード枚数」を全ての減量期間についてサーバ400が集計し、この集計した値を棒グラフとして表示する。
【0173】
領域704には、参加者が選択した100Kcalカードの項目709〜718と、各項目の実施枚数が棒グラフにて表示される。サーバ400は、参加者が選択した100Kcalカードの項目709〜718は、個人別プログラムデータベースD3に登録された当該参加者の100Kcalカード(食事メニュー、運動メニュー)のID(D304,D305)を取得し、食事カロリーデータベースD6または運動カロリーデータベースD7からメニュー名(D603、D703)を取得して項目709〜718に表示する。そして、サーバ400は当該参加者の経過情報データベースD2から行動記録134のうち実施カードIDを取得し、減量期間内の実施カードID毎に出現頻度を集計し、集計した値をID毎に対応する項目709〜718の棒グラフとして表示する。
【0174】
領域706には、減量期間中に参加者に発生した生活イベントの項目719〜725と、各項目の発生頻度が棒グラフにて表示される。サーバ400は、選択された参加者のIDから経過情報データベースD2の行動記録134の生活イベントがYESの項目を集計し、この集計した値を各項目719〜725毎に棒グラフとして表示する。
【0175】
参加候補者は、減量に成功した参加者がどのような100Kcalカードを選択して実施したのかを知ることができ、さらに、選択した参加者の生活イベントがどのような状況であったのかを知ることができる。すなわち、参加候補者は図16の画面から、自分と体質情報と生活習慣が類似するとサーバ400が判定した参加者について、具体的な減量メニュー(100Kcalカード)の選択と、生活イベントの状況を棒グラフから取得し、生活習慣改善プログラムへの参加に対する自信をつけることができる。
【0176】
図17は、図13の減量事例の詳細表示の変形例を示す。図13の減量事例の詳細表示では、減量に成功した参加者の生活イベントについて、減量期間の経過日毎に各生活イベントの有無をアイコン624で表示した。このため、生活イベントのうち、出張614や夜勤618等の発生パターンから、個人を特定される可能性がある。そこで、図17に示す減量事例の詳細表示では、生活イベントの発生状況については、減量期間の経過日を10日単位で区切り、10日間の生活イベントの発生頻度をグラフの濃淡で示すことで、個人の特定を難しくしながら、参加候補者に対して生活イベントの発生状況を示唆するようにしたものである。
【0177】
図17において、生活イベントのうち、例えば、飲み会612の発生頻度では、10日間のうち5日以上飲み会があったときにはグラフ632のパターンで表示を行い、10日間のうち1日以上飲み会があったときにはグラフ634のパターンで表示を行う。他の生活イベントについても、同様に、発生日数に応じて表示するパターンを予め設定しておき、選択した参加者の経過情報データベースD2から行動記録134を集計することで、10日間毎の生活イベントのパターンを表示する。なお、表示するパターンは予め設定したしきい値に応じて模様や色など適宜変更すればよい。
【0178】
以上のように、図17のように生活イベントは、所定の期間(例えば、10日間)内での発生頻度を表示することで、生活習慣改善プログラムの参加者が特定されるのを抑制しながら、参加候補者に生活習慣改善プログラムの成功事例の生活イベントの発生状況を提示することができる。
【0179】
図18は、図14の減量事例のグラフ表示の変形例を示す。図18の減量事例のグラフは、図14のグラフに統合一致度の円グラフ521,522を加え、軸504,506のメモリを統合一致度に置き換えたもので、その他の構成は図14と同様である。
【0180】
図18では、円グラフ521,522により、類似例の検索対象となっている参加候補者の体質情報及び生活情報のアイコン503に近い参加者の事例を容易に識別することができる。
【0181】
<類似事例提示処理F3>
図19は、図2のF3で行われる参加者に対する類似事例提示処理の一例を示すフローチャートである。図2の類似事例提示処理F3では、これから生活習慣改善プログラムを開始する参加者が減量メニューを選択する初期設定(F4)を行う際、あるいは初期設定の直前などに、過去の減量事例から成功した事例と、失敗した事例の双方を参照可能とし、より参加者に適した減量メニューの選択を行うことを推進する。
【0182】
この類似事例提示処理F3では、前記図3の参加候補者に対する類似事例提示処理F30の検索対象に、過去の参加者の成功事例に加えて失敗事例を含み、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)では参加者の情報を用いる点が相違点である。
【0183】
なお、過去の参加者の失敗事例は、減量結果データベースD4のプログラム終了フラグ160が「1」(終了)で、かつ、減量成功フラグが「0」(不成功)の参加者が失敗事例となる。
【0184】
図19の処理は、前記図3に示した図2のF80で行われる類似事例提示処理に、ステップ5の検索事例条件入力を加え、この検索事例条件を含んで新たに指導対象となる参加者に対する類似事例をサーバ400が事例データベース100から抽出する点が図3と相違し、また、ステップ1及びステップ2では、図3の参加候補者に代わって、指導対象になる参加者の体質情報と生活情報を入力する点が相違し、その他は同様の構成である。
【0185】
図20は、図19のステップ5で入力する検索事例条件の一例を示す画面イメージである。図20は、前記図5に示した、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)の入力画面901に、検索事例条件として検索範囲910を加えたものである。
【0186】
図20の検索範囲910は、類似例に失敗した参加者の事例(失敗事例)を含めるか否かのチェックボックスで、当該入力欄をクリックすることなどで成功事例に加えて失敗事例の検索を加える。
【0187】
その他の構成は図5と同様である。本実施形態では、体質情報検索条件入力(ステップ1)と生活情報検索条件入力(ステップ2)の入力画面901に、検索事例条件の入力欄を設ける例を示したが、検索事例条件を他の画面で構成してもよい。
【0188】
図20において、前記図5と同様にして指導対象となる参加者の体質情報及び生活情報を入力してから、失敗事例を類似例に加えるか否かを検索範囲910で設定し、検索ボタン908をクリックすることで類似例の検索が前記図3と同様に行われる。上述したように、検索範囲910で失敗事例が設定されている場合には、サーバ400は事例データベース100から減量の成功者と失敗者の双方から類似例を検索し、失敗事例については後述するように識別する。
【0189】
図21は、図19のステップ4の検索結果表示による画面の一例を示す画面イメージである。図21は、図12の画面イメージと同一の構成であるが、成功事例に加えて失敗した参加者の事例414が含まれている点が相違する。
【0190】
図21の失敗事例414は、上述のようにプログラム終了フラグ160が「1」(終了)で、かつ、減量成功フラグが「0」のデータであり、成功事例とは異なる背景または彩色で表示される。図21の失敗事例では、指導対象となる参加者に対する一致度=9.0、体質情報の一致度=4、生活情報の一致度=4で体重の減少量が4.0のデータである。この失敗事例414を含む類似例について、グラフ表示ボタン412をクリックすると、サーバ400は図22で示すグラフを指導者端末装置200等に出力する。
【0191】
図22は、図14と同様の構成で、上位5つの一致度の類似例を示す図21の事例をグラフ化したものである。
【0192】
図22において、失敗事例は黒い四角形のアイコン520に対応し、成功事例は黒丸のアイコン510、509等で表示される。縦軸504、横軸506などの構成は図14と同様である。
【0193】
図21の失敗事例414は、図22のアイコン520で表示され、体質情報の一致度=4、生活情報の一致度=4で体重の減少量が4.0のデータである。成功事例と失敗事例のアイコンを異なる形状や色で表示することで、成功事例と失敗事例を明確に識別できる。
【0194】
図23は、図16と同様の構成で、上位5つの一致度の類似例を示す図21の事例をグラフ化したものである。この画面は、上記図21の画面から失敗事例414を選択して所定のキー入力(例えば、ファンクションキー)等によりサーバ400は、指導者端末装置200等に図23の画面701を表示させる。
【0195】
サーバ400は、選択された失敗事例414の参加者が選択した減量メニューの詳細を領域730に表示し、図21に表示された成功事例の参加者が選択した減量メニューの詳細を領域731に表示する。なお、失敗事例414と対比する成功事例については、失敗事例414に一致度が近い成功事例等、予め設定した成功事例をサーバ400で選択するように設定すればよい。
【0196】
成功事例の参加者が選択した減量メニューの領域731については、図16と同様で、図21の成功事例の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す棒グラフ703と、成功事例の参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を示す領域704が設定される。
【0197】
一方、失敗事例の減量メニューの領域732については、失敗事例414の参加者が選択した100kcalカードの実施状況を示す棒グラフ741と、成功事例の参加者が選択した100kcalカードの種類と実施状況を棒グラフで示す領域733が設定される。なお、領域733の棒グラフは、実施回数が少ない減量メニューの順に表示することで、いずれの減量メニューが実施しづらいのかを示唆することができる。また、成功事例の領域704では、実施回数が多い減量メニューの順に表示することで、いずれの減量メニューが実施しやすいのかを示唆することができる。
【0198】
このように、新たに指導対象となる参加者に、過去の生活習慣改善プログラムの事例の内、当該参加者に類似する過去の参加者の成功事例と失敗事例414を提示することで、減量メニューなどの選択に役立てることができる。つまり、指導者及び新たな参加者は、当該参加者と基本情報141が類似する過去の参加者の事のうち、体質情報と生活情報が近い過去の成功事例の参加者が選択した減量メニューを選択することで、新たな参加者に生活習慣改善プログラムを成功させる自信を付けることができる。また、当該参加者に類似する過去の参加者の失敗事例を提示することで、どのような減量メニューが実行しづらいかを理解することが可能となり、生活習慣改善プログラムに失敗するのを抑制することができる。
【0199】
<類似事例提示処理F80>
上記図2のF8では、所定の周期(例えば、10日毎、但し初回は11に目)で指導者が参加者に対して指導を行う。この所定の周期の指導の際に、生活習慣改善プログラムの参加者と健康状態や生活習慣が同じような過去の参加者の生活習慣改善事例を事例データベースD100から抽出して提示する(F80)。
【0200】
この類似例提示処理F80では、上記類似事例提示処理F3,F30とは異なり、生活習慣改善プログラムが完了した参加者のみならず、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者も類似事例の検索対象とする。
【0201】
これにより、指導対象の参加者と体質情報及び生活情報が類似する全ての参加者の生活習慣改善状況を事例データベースD100から抽出することで、減量メニューの再考などを行うことができる。
【0202】
上記類似事例提示処理F3、F30では、新たな参加者または参加候補者に対して生活習慣改善プログラムの成功事例(または失敗事例)を提示することで、参加者または参加候補者に生活習慣改善プログラムを完遂できることを示唆する。一方、類似事例提示処理F80では、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者に対して、成功した参加者の事例を提示するのに留まらず、生活習慣改善プログラムに失敗した事例や生活習慣改善プログラムの実施中の事例を提示することで、指導対象の参加者に対して減量メニューの再考などを示唆して生活習慣改善プログラムを成功させることが目的となる。
【0203】
図24は、図2のF80で行われる類似事例提示処理の一例を示すフローチャートである。図24の類似事例提示処理F80は、指導者端末装置200または参加者端末装置300からの指令によりサーバ400で起動され、検索結果が前記端末に送信される。
【0204】
図24では、前記図19の類似事例提示処理F3に、指導対象の参加者の減量パターン(生活習慣改善プログラムの改善パターン)と事例データベースD100の他の参加者の減量パターンを設定する改善生活習慣検索条件入力ステップ6を加え、ステップ3の類似例検索処理で、ステップ6で求めた減量パターンが一致する事例から前記第1の実施形態と同様に類似例の抽出を行うようにしたもので、その他の構成は前記図19の類似事例提示処理F3と同様である。
【0205】
なお、ステップ6では、減量パターンによる絞り込みを行わず、図12の検索結果表示画面等に減量パターンの一致または不一致を表示するようにしても良い。
【0206】
図25は、改善生活習慣検索条件入力ステップ6でサーバ400が実行する詳細な処理を示すフローチャートである。
【0207】
ステップ321では、サーバ400が指導対象の参加者IDと指導対象日(10日毎)を指導者端末装置200または参加者端末装置300から受け付ける。そして、サーバ400は参加者ID、指導対象日から事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2を抽出し、当該参加者ID131が一致し、指導対象日と一致する経過日数132のデータで、目標管理135の10日毎の減量達成フラグを参照し、減量パターンIを後述する図26の処理により設定する。
【0208】
次に、他の参加者についても、事例データベースD100を構成する経過情報データベースD2を読み出して(ステップ322)、参加者毎に指導対象日に経過日数132が一致するデータについて、目標管理135の10日毎の減量達成フラグを参照し、減量パターンJを後述する図26の処理により設定する(ステップ323)。
【0209】
そして、ステップ324では、上記ステップ323で求めた他の参加者の減量パターンJが、指導対象の参加者の減量パターンIと一致するか否かを判定する。減量パターンJが指導対象の参加者の減量パターンIに一致していれば、ステップ325へ進んで類似例の候補として一時的に保存する。類似例の候補はサーバ400の記憶装置に格納しておけばよい。一方、減量パターンJが指導対象の参加者の減量パターンIに一致していなければ、減量パターンJを破棄する。
【0210】
次にステップ326では、事例データベースD100の経過情報データベースD2について全ての参加者について減量パターンJの算出が完了したか否かを判定し、完了していなければステップ322へ戻って上記処理を繰り返す。一方、全ての参加者について減量パターンJの算出が完了すると、ステップ6の処理を完了して次の類似例検索処理(ステップ3)に進む。
【0211】
図26は、上記図25のステップ321、323で行われる減量パターンの算出処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0212】
まず、ステップ351では、着目している参加者について、経過情報データベースD2から指導対象日に一致する経過日数132のデータを検索する。そして、検索した経過情報データベースD2のデータについて、目標管理135の10日毎の減量達成フラグが「1」(達成)であるか否かを判定し、「0」(未達)であればステップ352へ進み、「1」であればステップ352へ進み357へ進む。
【0213】
「0」の場合のステップ352では、現在読み込んだ参加者のN日目(指導対象日)のデータよりも過去のデータの減量達成フラグを集計して目標達成率を求め、目標達成率が30%以下であればステップ353へ進み、目標達成率が30%を超えていればステップ354に進む。例えば、指導対象日N=40で40日目の情報を読み込んだ場合、同一の参加者の10日目、20日目、30日目のデータを読み込んで目標達成率を求める。
【0214】
ステップ353では、N日目が目標未達で、かつ、N日目以前の目標達成率が30%以下であるため減量パターン=0に設定する。
【0215】
ステップ354では、N日目よりも過去のデータの目標達成率が70%以上であるか否かを判定する。目標達成率が70%以上であれば減量パターン=2に設定し、目標達成率が70%未満かつ30%超では減量パターン=1に設定する。
【0216】
上記ステップ351の判定で「1」の場合のステップ357では、現在読み込んだ参加者のN日目のデータよりも過去のデータの減量達成フラグを集計して目標達成率を求め、目標達成率が30%以下であればステップ359へ進み、目標達成率が30%を超えていればステップ358に進む。
【0217】
ステップ358では、N日目が目標達成で、かつ、N日目以前の目標達成率が30%以下であるため減量パターン=3に設定する。
【0218】
ステップ359では、N日目よりも過去のデータの目標達成率が70%以上であるか否かを判定する。目標達成率が70%以上であれば減量パターン=5に設定し、目標達成率が70%未満かつ30%超では減量パターン=4に設定する。
【0219】
上記処理により、減量パターンは0〜5に分類され、減量パターンの値が大きいほど、N日目の目標達成率と過去の目標達成率が良く、生活習慣改善プログラムの進捗状況が良いことを示している。
【0220】
例えば、指導対象の参加者が経過日数132=40日目の指導を受ける際に図28で示すような減量状況であったとする。この場合、N日目が目標未達で、過去の目標達成率が30%超えであるので、図26より減量パターンI=2となる。
【0221】
次に、他の参加者の例として、図27の参加者は、40日目が未達で、過去(10日〜30日)の目標達成率が70%以上のため、減量パターンJ=2となって、指導対象の参加者の類似事例の候補として蓄積される。
【0222】
また、他の参加者の例として、図29の参加者は、40日目が未達で、過去(10日〜30日)の目標達成率が70%以上のため、減量パターンJ=2となって、この参加者の事例も指導対象の参加者の類似事例の候補として蓄積される。
【0223】
さらに、他の参加者の例として、図30の参加者は、40日目が達成で、過去(10日〜30日)の目標達成率が30%〜70%のため、減量パターンJ=4となって、この参加者の事例は指導対象の参加者の類似事例の候補から除外される。
【0224】
こうして、図24のステップ6では、指導対象の指導対象日における指導対象の参加者の減量パターンと一致する事例データベースD100の減量パターンの参加者を事例の候補として抽出する。
【0225】
そして、ステップ3では、上記図19のステップ3と同様に検索した類似事例のうち、ステップ6の事例の候補となった参加者を類似事例として出力する。
【0226】
ステップ4の検索結果では、指導対象の参加者とN日目の減量パターンが一致する減量事例が表示されることになる。減量パターンが一致する類似事例には、図27の参加者(事例)のように、40日目が未達でも最終的に減量に成功した事例と、図29の参加者のように40日目が未達で、それ以降も未達で減量に失敗した事例が含まれる。これらのデータについて、図13のグラフから生活イベントの発生パターンや、図16で示した減量メニューの詳細などを表示することで、指導対象の参加者の今後について、減量メニューの見直しや、生活イベントなどに対する注意を具体的に行うことが可能となる。
【0227】
以上のように、本発明によれば、生活習慣改善プログラムを実施する以前の参加候補者については、生活習慣改善プログラムでは何を実行することで生活習慣の改善に成功することができるのかを、参加候補者の体質情報と生活習慣が類似する成功事例から提示することで、参加候補者に対して生活習慣改善プログラムに参加する自信を付与することができる。
【0228】
また、生活習慣改善プログラムを開始する新たな参加者に対しては、生活習慣改善プログラムで生活習慣の改善に成功するためには、どのような減量メニューを選択し、生活イベントは何を気をつければよいのかを自分と体質情報及び生活情報が類似する過去の事例から知ることができ、さらに、自分と体質情報及び生活情報が類似する過去の事例で、どのような生活イベントまたは減量メニューで失敗したのかを知ることができ、減量メニューの正しい選択や、生活イベントの注意点を示唆することができる。
【0229】
さらに、生活習慣改善プログラムを実施中の参加者に対しては、自分と体質情報と生活習慣が類似し、かつN日目の減量パターンが一致する事例から、成功事例と失敗事例を提示することにより、生活習慣改善プログラムで生活習慣の改善に成功するためには、どのような減量メニューに変更し、生活イベントは何を気をつければよいのかを高精度で提示することが可能となる。
【0230】
以上の構成により、生活習慣改善プログラムを提供する本発明の生活習慣改善支援システム及び生活習慣改善方法は、健康管理の取組みにより変更可能な項目である生活情報の類似に基づく処理が行えるようになり、参加候補者に対して「自分も同じ改善ができるかどうか」という点での過去の参加者の体重管理事例を提示できるようになる効果がある。また、減量を開始する前の段階(参加勧奨時F30、最初の行動目標設定時F3,F4)と、減量を開始した後の段階(途中での行動目標見直し時F80)とに応じて、適切な健康管理事例を検索して表示できる、という効果がある。
【0231】
なお、上記実施形態では、生活習慣改善支援システムとして体重を管理する生活習慣改善プログラムに適用した例を示したが、生活習慣改善プログラムとしてはこれに限定されるものではなく、血圧や血糖値を管理する生活習慣改善支援システムに適用することができる。この場合、BMI、腹囲、体重の増減は管理する項目に応じて適宜設定すればよい。
【0232】
類似事例の検索処理(ステップ3)では、服薬中の有無を不一致度の算出に加えても良い。あるいは、服薬中の参加者または参加候補者の類似事例検索処理では、検査値を無視して同種の服薬中の参加者を類似事例の候補として検索しても良い。この場合、同種の服薬中の参加者が存在しない場合、当該服薬に係る異常指標が最大値として上記した類似事例の検索処理を行っても良い。
【0233】
また、類似事例の検索処理(ステップ3)では、経過情報データベースD2に正確な情報が記録されている参加者のみを対象としても良く、日々のデータや参加者管理データベースが欠落している参加者は除外することで、類似事例の検索処理の精度を向上させることができる。
【0234】
また、上記不一致度は、参加候補者よりも減量事例の方が値が良い場合と悪い場合を分けて演算し、悪い場合の不一致度が0の場合のみ表示を行うようにしてもよい。
【0235】
絶対不一致度XXの算出は、A×A+B×B+C×C+D×D+E×E+F×F+G×G+H×H+I×Iを算出し、2乗類似度XXとしてもよい。
【0236】
また、上記絶対不一致度YYの算出は、L×L+M×M+N×N+O×O+P×P+Q×Q+R×R+T×Tを算出し、2乗類似度YYとしてもよい。
【0237】
また、検査値に関わる類似指標(不一致度X)は、各々の検査値に対する発症リスクに応じた重み付けを行った検査値の異常指標を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0238】
以上のように、本発明は生活習慣を改善することで健康管理を行う生活習慣改善支援システム及び方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0239】
200 指導者端末装置
300 参加者端末装置
400 サーバ
D100 事例データベース
D1 参加者管理データベース
D2 経過情報データベース
D3 個人別プログラムデータベース
D4 減量結果データベース
M2 参加者データ入力・閲覧処理手段
M5 類似事例提示手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有する計算機を備えて、前記記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納して第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援システムにおいて、
前記計算機は、
前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けて、
前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算し、
前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、前記第1の参加者の保健指導が完了したか否かを示す情報と、前記第1の参加者が保健指導に成功したか否かを示す情報とを含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際に、前記第1の参加者の履歴情報を参照して、前記保健指導が完了し、かつ、前記保健指導に成功した第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、前記第1の参加者の保健指導が完了したか否かを示す情報と、前記第1の参加者が保健指導に成功したか否かを示す情報とを含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際に、前記第1の参加者の履歴情報を参照して、前記保健指導が完了した第1の参加者を抽出し、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記保健指導に成功しなかった第1の参加者に所定の識別子を付与することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、第1の参加者及び第2の参加者の体質情報の変化の履歴を保持し、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際には、
前記履歴情報から第2の参加者の体質情報の変化のパターンを演算し、前記履歴情報から第1の参加者の体質情報の変化のパターンを演算し、
前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当し、かつ、前記第1の参加者の体質情報の変化のパターンが前記第2の参加者の体質情報の変化のパターンに一致する第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項5】
請求項2に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第2の参加者は、前記保健指導に参加していない参加候補者であることを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記第2の参加者の体質の検索条件及び生活の検索条件と前記第1の類似指標及び第2の類似指標の相対的な位置関係を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記抽出された第1の参加者の履歴情報を前記記憶部から取得し、当該履歴情報を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の類似指標は、前記第2の参加者の体質の検索条件と前記抽出された第1の参加者の体質情報の不一致度を含み、
前記第2の類似指標は、前記第2の参加者の生活の検索条件と前記抽出された第1の参加者の生活情報の不一致度を含むことを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の参加者の体質情報は、前記第1の参加者の検査値を含み、
前記第2の参加者の体質情報は、前記第2の参加者の検査値を含み、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算する際には、
前記第1の参加者の検査値を予め設定した基準で第1の異常指標に変換し、前記第2の参加者の検査値を予め設定した基準で第2の異常指標に変換し、前記第1の異常指標と第2の異常指標を予め設定した基準で比較した結果を前記第1の類似指標として演算することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項10】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の参加者の体質に関する体質情報は、前記第1の参加者の第1の服薬状況を含み、
前記第2の参加者の体質に関する体質情報は、前記第2の参加者の第2の服薬状況を含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際には、
前記第2の参加者の第2服薬状況に一致する前記第1の服薬状況を有する第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項11】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有し、前記記憶部には保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納した計算機を備えた生活習慣改善支援システムで第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援方法であって、
前記計算機が、前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けるステップと、
前記計算機が、前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件をとして設定するステップと、
前記計算機が、前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力するステップと、
を含むことを特徴とする生活習慣改善支援方法。
【請求項12】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有し、前記記憶部には保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納した計算機を制御するプログラムであって、
第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付ける手順と、
前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定する手順と、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する手順と、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算する手順と、
前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算する手順と、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する手順と、
を前記計算機に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有する計算機を備えて、前記記憶部に保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納して第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援システムにおいて、
前記計算機は、
前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けて、
前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定し、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出し、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算し、
前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算し、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、前記第1の参加者の保健指導が完了したか否かを示す情報と、前記第1の参加者が保健指導に成功したか否かを示す情報とを含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際に、前記第1の参加者の履歴情報を参照して、前記保健指導が完了し、かつ、前記保健指導に成功した第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、前記第1の参加者の保健指導が完了したか否かを示す情報と、前記第1の参加者が保健指導に成功したか否かを示す情報とを含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際に、前記第1の参加者の履歴情報を参照して、前記保健指導が完了した第1の参加者を抽出し、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記保健指導に成功しなかった第1の参加者に所定の識別子を付与することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記履歴情報は、第1の参加者及び第2の参加者の体質情報の変化の履歴を保持し、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際には、
前記履歴情報から第2の参加者の体質情報の変化のパターンを演算し、前記履歴情報から第1の参加者の体質情報の変化のパターンを演算し、
前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当し、かつ、前記第1の参加者の体質情報の変化のパターンが前記第2の参加者の体質情報の変化のパターンに一致する第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項5】
請求項2に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第2の参加者は、前記保健指導に参加していない参加候補者であることを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記第2の参加者の体質の検索条件及び生活の検索条件と前記第1の類似指標及び第2の類似指標の相対的な位置関係を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する際に、前記抽出された第1の参加者の履歴情報を前記記憶部から取得し、当該履歴情報を前記インターフェースに出力することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の類似指標は、前記第2の参加者の体質の検索条件と前記抽出された第1の参加者の体質情報の不一致度を含み、
前記第2の類似指標は、前記第2の参加者の生活の検索条件と前記抽出された第1の参加者の生活情報の不一致度を含むことを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の参加者の体質情報は、前記第1の参加者の検査値を含み、
前記第2の参加者の体質情報は、前記第2の参加者の検査値を含み、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算する際には、
前記第1の参加者の検査値を予め設定した基準で第1の異常指標に変換し、前記第2の参加者の検査値を予め設定した基準で第2の異常指標に変換し、前記第1の異常指標と第2の異常指標を予め設定した基準で比較した結果を前記第1の類似指標として演算することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項10】
請求項1に記載の生活習慣改善支援システムであって、
前記第1の参加者の体質に関する体質情報は、前記第1の参加者の第1の服薬状況を含み、
前記第2の参加者の体質に関する体質情報は、前記第2の参加者の第2の服薬状況を含み、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する際には、
前記第2の参加者の第2服薬状況に一致する前記第1の服薬状況を有する第1の参加者を抽出することを特徴とする生活習慣改善支援システム。
【請求項11】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有し、前記記憶部には保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納した計算機を備えた生活習慣改善支援システムで第2の参加者の保健指導を支援する生活習慣改善支援方法であって、
前記計算機が、前記第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付けるステップと、
前記計算機が、前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件をとして設定するステップと、
前記計算機が、前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算するステップと、
前記計算機が、前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力するステップと、
を含むことを特徴とする生活習慣改善支援方法。
【請求項12】
演算処理を行うプロセッサと、前記プロセッサにより読み書き可能な記憶部と、前記プロセッサに接続されたインターフェースとを有し、前記記憶部には保健指導に参加した第1の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第1の参加者の体質に関する体質情報と、前記第1の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報及び前記第1の参加者の履歴情報を予め格納した計算機を制御するプログラムであって、
第2の参加者の年齢及び性別を含む基本情報と、前記第2の参加者の体質に関する体質情報と、前記第2の参加者の生活環境及び生活習慣に関する生活情報を受け付ける手順と、
前記基本情報から基本の検索条件を生成し、前記体質情報を体質の検索条件として設定し、前記生活情報を生活の検索条件として設定する手順と、
前記記憶部に格納された前記第1の参加者の基本情報のうち前記基本の検索条件に該当する第1の参加者を抽出する手順と、
前記抽出された第1の参加者の体質情報と、前記体質の検索条件の類似度を第1の類似指標として演算する手順と、
前記抽出された第1の参加者の生活情報と、前記生活の検索条件の類似度を第2の類似指標として演算する手順と、
前記抽出された第1の参加者について前記第2の参加者との前記第1の類似指標及び第2の類似指標を前記インターフェースに出力する手順と、
を前記計算機に実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−164670(P2011−164670A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23027(P2010−23027)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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