説明

生物学的有機体の時間関連顕微鏡検査のためのシステムおよび方法

本発明は、液体試料内の個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する少なくとも1つのパラメータについての値を確定するためのシステムおよび方法に関する。個々の生物学的有機体が識別されることができる画像は、生物学的有機体の光学切片を提供するために組合され、光学切片は、各試料容器内の前記個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する前記少なくとも1つのパラメータについての値を確定するために解析される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物学的有機体の時間関連顕微鏡検査のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抗生物質感受性試験は、使用される非常に重要な規律である。多数の異なる化学物質および標準化されたプロシージャならびに毎年実施される膨大な数の試験は、どこででも増殖する微生物の大きな工業的利益のための機会を与える。
【0003】
試験の一部は、間接試験であり、すなわち、微生物活性を直接観察する代わりに、老廃物または酸化還元指示薬などの微生物活性の誘導体の存在を測定するかまたは観察する。
たとえば病院で抗生物質感受性試験を実施するコストは、膨大であり、また、絶えず増大する。さらに、最大6日の長い試験インキュベーション期間は、処置がこうした長い反応時間を待てないため、大きな問題を呈する。結果が準備できたときには患者は死んでいる可能性がある。したがって、医師は、結果が到着する直前に処置を開始するために、広範囲の抗生物質を処方することが多い。よし迅速な(数時間以内の)結果は、疾病の原因に直接的を絞った狭い範囲の抗生物質の使用を可能にし、それにより、一般に抗生物質耐性を生じるリスクを最小にする。
【0004】
実施される最も一般的な感受性試験のうちの1つの試験は、尿路感染症(UTI)について尿を試験することである。尿は、それ自体非常に良好な増殖培地であり、尿試料ハンドリング中に尿を細菌で汚染しないように細心の注意が払われなければならない。さらに、試験結果の信頼性を無影響のままとする場合、1〜2時間以内に検査室で試験を開始する必要がある。医療システムのコストを低減するために、多くの小さな検査室が閉鎖され、病院にあることが多い少数の大きな検査室が残っている。したがって、尿試料は、中央検査室に1〜2時間以内に到着しなければならず、それは、主要な病院では問題ではないが、試料がGPで採取されるときは、検査室までの距離および輸送時間が問題になりうる。こうした場合、尿試料を冷凍し、検査室に到着するまで、それを特別な容器内に取っておくことが必要になる場合がある。たとえ検査室が非常に近くにある病院でも、試料採取直後に感受性試験を開始することが有益である。その理由は、これが、試験結果送出時間を最小にするからである。したがって、看護時点で特定の場所で感受性試験を実施するための小型でかつ使用が容易な装置を有することが望ましい。
【0005】
微生物の感受性試験は、いくつかのレベルの試験を含む。1つのレベルは、試料内に存在する微生物のタイプ、たとえば、細菌、菌類、原虫、藻類、またはウィルスを判定することである。試験の別のレベルは、微生物を除去するためにどのタイプの抗生物質が使用されるかを確立することである。抗生物質のタイプは、狭い範囲の抗生物質および広い範囲の抗生物質ならびにより特別なタイプを含む可能性がある。同様に、試験は、同じタイプであるが、異なる生産者からの試料の薬品を確定することができる。
【0006】
さらに、好気性菌および嫌気性菌など、異なる環境に対する微生物の反応、また場合によっては、さらにリン酸環境内での微生物の反応を試験することが重要である場合がある。一部の状況は、特に特定のタイプの微生物を探索するとき、栄養の異なるレベルおよび組合せの効果を試験することを必要とする可能性がある。
【0007】
微生物を破壊するための最良の抗生物質が確定されると、処方される抗生物質濃度を確定することが重要である。通常、少なくとも5つの異なる濃度が試験され、最大15以上の異なる濃度が、最適濃度を確定するために使用されることができる。濃度試験の結果は
、MIT−最小阻止濃度であり、微生物が増殖することを防止するために必要な抗生物質の濃度を示す。MIT未満の濃度が使用される場合、抗生物質は、微生物の一部を除去するだけであり、その結果、残りの微生物がその抗生物質に対する耐性または感受性を生むというリスクを伴う。
【0008】
通常、試験結果は、抗生物質候補を、耐性、中間、または感受性に分類することによって公式化される。
本試験方法は、多数の異なる化学物質および標準化されたプロシージャの使用を必要とする。米国の規格が、CLSI(臨床検査標準委員会)によって維持される。規格は、接種(濃度)、分離距離、温度、増殖結果の検査、インキュベーション期間を含む、試験を構成する方法などの詳細を述べる。試験インキュベーション期間は、数時間(たとえば、16〜24時間)から数日(たとえば、3〜6日)まで変わる可能性がある。
【0009】
しばしば、3ステップ法が、微生物のインキュベーション中に使用される。第1のステップは、初代培養をインキュベートすることである。十分に高い品質の培養物が得られると、1つまたは複数の単一培養が選択され分離される。単一培養は、その後、最後のステップ−異なるタイプおよび濃度の抗生物質を含むペトリ皿などの中で微生物をインキュベートする−のために十分に大きな量の微生物を得るために再びインキュベートされる。3つのステップは、通常、手で実施され、したがって、人的資源が高価であり、初代培養から感受性試験までの時間は、しばしば、数時間または数日とすることができる。
【0010】
述べた感受性試験の複雑さは、試験時間を、数時間からせいぜい2、3時間またはさらに数分だけまでに減少させる装置の利点を示す。さらに、今日見られるものに比べてより自動化された試験プロシージャを使用することが有利であり、試験室内での手によるハンドリングを最小にすることになる。最後に、1試験当たりのコスト低減は、医療システムの全ての部分にとって明らかに非常に有益になる。
【0011】
上述した問題の一部を少なくとも部分的に克服する異なる解決策が提供された。
1つのこうした可決策は、マツムラ等による微生物抗生物質感受性試験のための特許文献1のデバイスおよび方法である。特許文献1は、使い捨ての複数のチャンバを有する感受性プレートと、自動化プレートハンドラーと、画像採取および処理機器とを含む、微生物抗生物質感受性試験を実施するための方法および装置を提供する。感受性プレートは、微生物を接種され、種々の濃度のまたはある勾配の各抗微生物薬に微生物が暴露されるように、抗微生物薬(複数可)が適用される。プレートは、その後、微生物の増殖を監視し測定する機器内に設置される。このデータは、抗生物質に対する微生物の感受性を判定するために使用される。こうしたシステムは、固体培地およびカービーバウアー標準化結果報告(Kirby-Bauer standardized result reporting)を使用して抗微生物薬感受性試験を
自動化する。システムは、部分的に自動であるが、拡散試験のために寒天ディスクをハンドリングする。
【0012】
別の手法は、ウェルツ等による特許文献2の抗生物質感受性試験に見られる。多くの液体試料を含むマルチウェルトレイの各ウェルを電子的に自動走査するための装置が提供される。光源、好ましくは単一光源の光が、ウェルを通して感光セル(各ウェルについて1つの感光セル)のアレイに通される。光を受取る較正または比較セルも存在する。電子装置は、順に各セルを読取り、どの部分も物理的に移動させることなく、スキャンを迅速に終了する。結果として得られる信号は、比較セルからの信号および他の信号または記憶データと比較され、判定が、行われ、表示されるかまたはプリントアウトされる。それにより、薬物の最小阻止濃度(MIC)のような事項および微生物の識別が達成されることができる。特許文献2による装置は、前記生物学的有機体の光学切片を採取しない。
【0013】
なお別のシステムは、特許文献3に開示されている。顕微鏡システムは、観察物体および透明部材を含む観察試料が設置されるステージと、ステージ上に設置される観察試料に面するように設置される対物レンズと、合焦動作を実施するために、ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を移動させる合焦ユニットと、いわゆるTTLシステムによって合焦用駆動ユニットを制御するオートフォーカスユニットとを有する。オートフォーカスがオートフォーカスユニットによって透明部材について実施された後、合焦用駆動ユニットは、ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を所定の一定量だけ移動させる。特許文献3による装置は、前記生物学的有機体の光学切片を採取しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,153,400号
【特許文献2】米国特許第4,448,534号
【特許文献3】米国特許出願第2005/0068614号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した欠点の一部を克服し、また、知られているシステムおよび方法と比較して、迅速で信頼性があり費用効果的な結果を与える微生物感受性試験を実施するためのシステムおよび方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
方法は、臨床材料に対して直接、または、適した基材による希釈、混合、遠心分離、またはろ過などによる簡単な調製後に臨床材料に対して使用されうる。
システムは、臨床試料内に存在する個々の作用物質を事前に分離することなく、1次臨床試料材料に関して細菌の抗微生物薬耐性の迅速な判定を直接可能にする。
【0017】
そのため、システムは、初代培養をインキュベートし、単一培養および伝播のためにコロニーを選択し、再びインキュベートし、結果として得られる材料を、なお別のインキュベーションのために従来の耐性試験に適用するという通常のステップなしで、たった1つのインキュベーションステップで、感染の処置のために選択されるべき最適抗微生物薬を決定することができる。
【0018】
一実施形態では、システムおよび方法は、異なる抗生物質に対する感受性を判定するために、細菌で感染した尿試料についての迅速でかつ信頼性がある試験のために使用されることができる。本発明のシステムおよび方法が、より迅速かつより費用効果的であり、また、同時に人的資源および手による試料のハンドリングについての必要性を低減するため、医療施設で一般に使用される他のシステムと比較して有益であることがわかった。
【0019】
本発明の一実施形態では、システムおよび方法は、その有機体についての自然生息地と同様の環境においてある期間にわたって単一検体を監視することによって、異なる種類の顕微鏡的な生物学的有機体の調査のために使用されることができる。伝統的な顕微鏡を使用して顕微鏡的な生物学的有機体を監視するとき、有機体は、非常に薄い層で顕微鏡スライド上に設置されなければなれない。薄い層は、有機体が自然に振る舞う余地を残さず、栄養、酸素レベル、pH値などによって環境を制御することが通常可能でない。本発明は、これらの不都合の少なくとも一部を克服する。
【0020】
顕微鏡的な生物学的有機体は、糞、皮膚、病変、漿膜表面または粘膜表面からのスワップ試料、尿、リンパ液、膿、痰、漏出液、滲出液、母乳、汗、唾液、涙液、皮脂性分泌液、鼻汁または他の粘膜性分泌液などの腺性排斥物、血液、脳脊髄液、腫瘍性組織、任意の
組織からバイオプシ物質、細胞外液、血清、血漿などの臨床材料内に存在するとすることができる。
【0021】
そのため、本発明の一実施形態によれば、液体試料内の個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する少なくとも1つのパラメータについての値を確定するためのシステムが提供される。システムは、個々の生物学的有機体が識別されることができる画像を採取するようになっている少なくとも1つの画像採取デバイスを備える光学検出組立体を備える。システムは、試料を液体形態で保持するための少なくとも1つの試料容器を備える少なくとも1つの試料デバイスと、試料デバイスおよび光学検出組立体を互いに対して移動させるようになっている少なくとも1つの並進ユニットとをさらに備える。システムは、前記液体試料内の生物学的有機体の少なくとも第1の光学切片を形成する画像を採取するように、前記光学検出組立体および前記並進ユニットを制御するための制御ユニットをさらに備える。画像解析デバイスは、第1の光学切片を解析するように配列され、前記画像解析デバイスは、各試料容器内の前記個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する前記少なくとも1つのパラメータについての前記値を確定するようになっているアルゴリズムを含む。
【0022】
一実施形態では、制御ユニットは、前記第1の光学切片および少なくとも第2の光学切片などの光学切片を前記試料から順次採取するようになっている。
本発明の1つの目的は、液体試料内の微生物活性を判定するための方法によって提供される。方法は、前記液体試料の複数の光学切片を順次採取すること、および、前記複数の切片から第1および第2の光学切片を選択することを含む。各光学切片についての少なくとも1つのパラメータの値が計算され、少なくとも1つのパラメータの値の変化が、2つの切片の採取間で起こったかどうかが判定される。方法は、少なくとも1つのパラメータの値の変化から、液体試料内の微生物活性を判定することをさらに含む。
【0023】
本発明の1つの目的は、液体試料内の微生物活性を判定するための方法によって提供され、前記方法は、前記液体試料の少なくとも1つの光学切片を採取すること、および、前記少なくとも1つの光学切片から第1の光学切片を選択することを含む。方法は、前記第1の光学切片についての少なくとも1つのパラメータの値を計算すること、および、前記少なくとも1つのパラメータの前記値から、前記液体試料内の前記微生物活性を判定することをさらに含む。
【0024】
本発明の文脈において、パラメータは、原理上、限定はしないが、細胞分裂速度、細胞生存率、生存/死亡率、ブラウン運動、代謝率、形態、増殖因子、動態、または焦点挙動などの任意の測定可能パラメータとすることができる。
【0025】
本発明の文脈において、「生物学的有機体(biological organisms)」という語句は、単一生物学的有機体と、生物学的有機体の小さな群または大きな群などの生物学的有機体のアンサンブルの両方を指すとすることができる。したがって、本発明による方法およびシステムは、液体試料内の1つの生物学的有機体の微生物活性を記述する少なくとも1つのパラメータの値を確定し、液体試料内の複数の個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する少なくとも1つのパラメータの値を確定するために使用されることができる。
【0026】
微生物活性は、顕微鏡的有機体の母集団の変化、単一有機体または有機体のクラスターのサイズの変化、あるいは有機体の位置または運動の変化を生成する、細胞分裂、細胞運動、環境に対する代謝誘発性変化、細胞死などによって生成される活性であると理解されることができる。したがって、微生物活性は、単一顕微鏡的有機体について、あるいは、顕微鏡的有機体の小さな群においてまたは母集団において検出可能な全ての変化であると、非常に広い文脈で理解されることができる。
【0027】
本発明のシステムは、光学検出組立体を備える。光学検出組立体は、CCDカメラまたはCMOSカメラからなる少なくとも1つの画像採取デバイスを備える。光学検出組立体は、レンズ、プリズム、絞り、口径、および顕微鏡検査で使用される他の一般的な光学構成要素からなるとすることができる。光学検出組立体は、個々の生物学的有機体が識別されることができる画像を採取するようになっているとすることができる。光学検出組立体の1つの実施形態は、米国仮出願第61/146,850号に記載され、試料デバイスに対して配列された試料の複数の画像を得るための装置が提供される。装置は、少なくとも第1の画像採取デバイスを備える少なくとも第1の光学検出組立体を備える。第1の光学検出組立体は、光学軸および物体面を有する。物体面は、第1の画像採取デバイスによって電磁波がそこから画像として検出されることができる画像採取エリアを備える。装置は、試料デバイスおよび第1の光学検出組立体を互いに対して移動させるように配列された少なくとも1つの並進ユニット、および、前記第1の光学検出組立体および前記並進ユニットを支持するように配列されたハウジングをさらに備え、前記第1の光学検出組立体および前記並進ユニットは、前記試料デバイスの少なくとも一部が前記画像採取エリアによって横切られるように配列される。試料デバイスおよび第1の光学検出組立体の互いに対する移動は、光学軸に対して角度θ(θはゼロより大きい)を規定する走査経路に沿う。米国仮出願第61/146,850号はまた、試料の複数の画像を得るための方法を開示する。この方法は、前記試料を試料デバイスに対して配列すること、および、前記試料デバイスを、複数の画像を得るための装置に対して配列することを含む。装置は、少なくとも第1の画像採取デバイスを有する少なくとも第1の光学検出組立体を備える。第1の光学検出組立体は、光学軸および物体面を有し、物体面は、第1の画像採取デバイスによって電磁波がそこから画像として検出されることができる画像採取エリアを有する。画像採取エリアは、前記試料の少なくとも一部を横切る。試料デバイスおよび前記第1の検出組立体は、第1の走査経路に沿う走査長にわたって互いに対して移動する。走査経路および光学軸は共に、ゼロより大きい角度θを規定する。方法は、前記複数の画像を得ることをさらに含む。米国仮出願第61/146,850号において、試料の複数の画像を得るためのシステムがさらに開示される。システムは、試料デバイス、ならびに、少なくとも第1の画像採取デバイスを備える少なくとも第1の光学検出組立体を有する装置を備える。装置の第1の光学検出組立体は、光学軸および物体面を有する。この物体面は、第1の画像採取デバイスによって電磁波がそこから画像として検出されることができる画像採取エリアを備える。本システムの装置は、試料デバイスおよび第1の光学検出組立体を互いに対して移動させるように配列された少なくとも1つの並進ユニット、および、前記第1の光学検出組立体および前記並進ユニットを支持するように配列されたハウジングをさらに備え、前記第1の光学検出組立体および前記並進ユニットは、前記試料デバイスの少なくとも一部が前記画像採取エリアによって横切られるように配列される。試料デバイスおよび第1の光学検出組立体の互いに対する移動は、光学軸に対して角度θ(θはゼロより大きい)を規定する走査経路に沿う。原理上、米国仮出願第61/146,850号の走査経路は、物体面および試料の互いに対する任意の移動を含むとすることができる。特に、走査経路は、走査軸に沿って配列された実質的に真っすぐな走査線を含むことができる。走査経路はまた、実質的に回転運動によって規定され、その場合、θは、前記光学軸と前記回転運動の局所接線との間の角度である。一実施形態では、走査軸は、直線、円運動、渦巻き運動、または任意の他の適した経路などの平面に限定される。
【0028】
一実施形態では、生物学的有機体は、画像採取中、静止状態にある。本出願の文脈において、「実質的に静止している(substantially at stand still)」という語句は、不均質液体試料内の有機体の運動が、試料内の有機体のパラメータなどの試料のパラメータの確定に影響を及ぼさない状況を指す。一実施形態では、実質的に静止しているは、空間的に変位した画像のシーケンスにおいて2つの隣接する画像の採取間で経過した期間における有機体の運動が、これら2つの隣接する画像間の距離より実質的に小さく、たとえばその
距離の10分の1であるべきである状況を指す。一実施形態では、実質的に静止しているは、前記画像の少なくとも一部の採取中に前記液体試料の質量流量が全く存在しない状況を指す。細胞およびその内容物を結像するための一実施形態では、細胞の運動は、細胞についての十分に先鋭な画像が得られ、それにより、たとえば核に関連する詳細が確定されることができる程度に制限されることができる。細胞に関連するパラメータを確定するために適合する実施形態では、「実質的に静止している」という用語は、したがって、画像の採取中に前記細胞の運動が、被写界深度(depth of Field)(DOF)、または、DOFの何分の1、たとえばDOFの千分の1、たとえばDOFの百分の1、たとえばDOFの10分の1、たとえばDOFの5分の1、たとえばDOFの3分の1に制限されることができる。DOFは、0.1マイクロメートル〜200マクロメートルの範囲にあるとすることができる。したがって、静止状態の液体試料内での有機体の運動は、0.001マイクロメートル/秒未満、たとえば0.01マイクロメートル/秒未満、たとえば0.1マイクロメートル/秒未満、たとえば1マイクロメートル/秒未満とすることができる。有機体パラメータは、本実施形態では、核の数およびサイズまたは細胞内の核間の距離とすることができる。有機体を計数する場合などで、有機体の詳細があまり重要でない一実施形態では、有機体運動に対する制限は、有機体の計数が運動によって影響を受けないようなものである。
【0029】
したがって、計数される有機体の運動は、1ミリメートル/秒未満、たとえば100マイクロメートル/秒未満、たとえば10マイクロメートル/秒未満、たとえば1マイクロメートル/秒未満、たとえば0.1マイクロメートル/秒未満とすることができる。
【0030】
被写界深度は、ここでは、物体の画像が、焦点面からの変位によってその中で実質的に影響を受けない、結像光学系からの距離の範囲として規定される。焦点面は、結像の最良分解能が得られる平面として規定される。実質的に影響を受けない、という用語は、物体特徴を特徴付ける被推定パラメータが、並進によって本質的に影響を受けないことを示唆する。一実施形態では、実質的に影響を受けないは、被写界深度内の所与の位置における点光源の強度分布のFWHM(半値幅)と焦点面における点光源の強度分布のFWHMとの間の比が、5未満、たとえば2未満、たとえば1.5未満、たとえば1.25未満、たとえば1.1未満、たとえば1.05未満であることを意味する。
【0031】
本発明のシステムは、試料を液体形態で保持するための少なくとも1つの試料容器を備える少なくとも1つの試料デバイスを備える。試料デバイスは、ガラス材料および/またはプラスチック材料からなるとすることができる。一実施形態では、材料は、光学切片を採取するために使用される電磁放射の波長(複数可)に対して実質的に透明である。試料デバイスは、1回限りの使い捨てユニットであるが、ガラスのような再使用可能な材料からなることができる。試料容器内の液体試料の量は、0.1マイクロリットル〜100マイクロリットルの範囲とすることができる。試料デバイス内の試料容器の数は、用途に応じて変わる可能性がある。1つの試料容器を備えるだけの試料デバイスは、たとえば、1つの単一の生物学的有機体を監視するための実施形態で使用されることができる。20個の容器など、いくつかの試料容器を備える試料デバイスは、感受性試験のために使用されることができる。前記試料デバイス上の試料容器の数Ncountは、2、3、4、5、6、8、9、10、12、14、15、16、18、20、21、22、24、25、26、27、28、30、または31以上に等しいとすることができる。一実施形態では、Ncount個の試料容器は、同じ数の試料容器が各列内にある状態などで、1つまたは複数の列で配列される。試料容器は、試料容器に入る液体によって使用される入口を備えることができ、また、液体の入力中に、過剰の液体または空気を排出するために使用される出口を備えることができる。出口はまた、試料デバイスが、液体試料の新しい試料によって再使用される場合、試料を取出すために使用されることができる。試料容器は、開口した閉じ込めを有する、すなわち、少なくとも一方向が開口することができ、その場合、
容器は、ウェルタイプ容器であると考えられることができる、あるいは、試料容器は、実質的に閉鎖した閉じ込めを有する、すなわち、オプションの入口および出口を除いて、全ての方向が実質的に閉鎖されることができ、その場合、容器は、キュベットタイプ容器であると考えられることができる。
【0032】
試料は、光学切片が採取される間、液体形態にあるとすることができる。本発明の文脈において、試料が、重力によって試料容器内に流れるか、または、毛管力を使用して試料容器内に引き込まれることができる場合、試料は、液体形態にあると考えられる。液体試料は、ゲルとして振る舞うことができる。本発明の文脈において、ゲルは、軟質かつ脆弱から硬質かつ頑丈までの範囲にある特性を有することができる固体材料、ゼリー状材料である。ゲルは、定常状態にあるとき、実質的に流れを示さない。重量によって、ゲルは、主に液体である、しかし、ゲルは、固体のように振る舞う。
【0033】
試料容器内の試料の光学切片は、少なくとも1つの画像を含む。光学切片はまた、いくつかの画像、たとえば10画像、またはさらにそれ以上の画像、たとえば25、40、60の画像、またはさらにそれ以上の画像を含むことができる。
【0034】
本発明のシステムは、試料デバイスおよび光学検出組立体を互いに対して移動させるための並進ユニットを備える。これは、光学検出組立体を静止して保持しながらシステムの残りに対して移動される支持体に対して前記試料デバイスを配列することによって、またはその逆に、試料デバイスの支持体を静止して保持しながら、システムの残りに対して光学検出組立体を移動させることによって達成されることができる。試料デバイスおよび画像採取デバイスは共に、システムの残りに対して同時に移動されることができる。
【0035】
測定が、1つの試料容器内だけで実施される一実施形態では、並進ユニットは、光学切片のために使用される画像を採取しながら、光学検出組立体に対して試料デバイスを小さなステップで移動させるように制御されることができる。ステップのサイズは、約1000マイクロメートル未満、たとえば約100マイクロメートル未満、たとえば約10マイクロメートル未満、たとえば約1マイクロメートル未満、たとえば約0.1マイクロメートル未満とすることができる。
【0036】
小さなステップは、ステップごとに変わる可能性がある。ステップの長さは、DOFまたはDOFの何分の1に等しくなるように決定されることができる、または、ステップの長さは、DOFのk(kは1.0より大きい)倍に等しいとすることができる。
【0037】
測定が、いくつかの試料容器内で順に実施される別の実施形態では、並進ユニットは、1つの容器から次の容器に順に移動するときには、大きなステップで光学検出組立体に対して試料デバイスを移動させ、一方、試料容器内で光学切片用の画像を採取するときには、ステップが小さく維持されるように制御されることができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、画像解析デバイスは、試料容器から採取された画像および光学切片を解析する。
試料の光学切片が与えられると、関連する物体が、それが細胞、細菌、または他の関心物体であれ、第1のアルゴリズムを適用することによって、さらなる解析のために抽出されることができる。第1のアルゴリズムは、
1.光学切片内の各ピクセルに関して決定関数を適用し、各ピクセルを物体かまたは背景として分類することを含み、決定関数は、たとえば、問題のピクセルの周りの局所コントラストに基づきうる。
【0039】
2.個々の物体焦点積重体を形成するために、光学切片の各画像から物体ピクセルを結
合することを含み、物体焦点積重体は、異なる焦点面で結像される物体の1つまたは複数の画像からなる。光学切片が、米国仮出願第61/146,850号に記載される斜め光学システムを使用して採取される場合、物体焦点積重体を構築するときに注意が払われなければならない。
【0040】
3.各物体焦点積重体について、最適焦点の地点が、物体焦点積重体内の各画像に適用された焦点関数を使用して確定されうる。問題の物体が振幅物体である一実施形態では、ピクセル強度の分散が、焦点関数として使用されることができる。最大分散の画像において、物体は、合焦していると言われる。この画像は、さらなる解析のために抽出されることができる。
【0041】
本発明の一実施形態では、画像解析デバイスは、細胞分裂速度を確定うるようになっているアルゴリズムを含む。等しいまたは不等の時間間隔における試料の光学切片のセットが与えられると、細胞分裂速度が、第1のアルゴリズムを使用して関連する細胞を抽出することによって計算される。抽出される各物体について、細胞に関するパラメータが計算されることができる。これは、たとえば、サブ構成要素の数、物体面積、物体周囲長、2値骨格のサイズなどでありうる。光学切片内の全ての物体についてのパラメータ値の平均値が計算されることができる。これは、問題の試料の全ての光学切片について繰り返される。平均値が経時的にどのように変わるかを観察することによって、細胞分裂速度が確立されることができる。中央値、分散、あるいは他の高次および/または非線形統計的尺度などのパラメータ値の平均以外の統計的尺度もまた、考慮されることができる。
【0042】
一実施形態では、画像解析デバイスは、細胞生存率を確定するようになっているアルゴリズムを含む。試料の単一光学切片が与えられると、細胞生存率の程度が、上述した方法を最初に適用して、関連する物体焦点積重体を抽出することによって確立されることができる。各物体焦点積重体について、生存率が、焦点関数挙動、合焦時の物体の強度プロファイル、物体の総合コントラスト、ある生物学的染色の反応などのようなパラメータを考慮することによって計算されることができる。積重体内の全ての検出物体についてこれを適用して、平均などの統計的尺度が、試料内の細胞の総合生存率を判断するために使用されうる。
【0043】
一実施形態では、画像解析デバイスは、生存/死亡率を確定するようになっているアルゴリズムを含む。等しいまたは不等の時間間隔における試料の光学切片のセットが与えられると、生存/死亡率が、第1のアルゴリズムを使用して関連する細胞を抽出することによって計算される。抽出される各物体について、生存/死亡特性に関するパラメータが、計算されることができる。これは、たとえば焦点関数挙動、合焦時の物体の強度プロファイル、物体の総合コントラスト、ある生物学的染色の反応などでありうる。光学切片内の全ての物体についてのパラメータ値の平均値が計算されることができる。これは、問題の試料の全ての光学切片について繰り返される。平均値が経時的にどのように変わるかを観察することによって、生存/死亡率が確立されることができる。中央値、分散、あるいは他の高次および/または非線形統計的尺度などのパラメータ値の平均以外の統計的尺度もまた、考慮されることができる。
【0044】
一実施形態では、画像解析デバイスは、計算することによって確定されるブラウン運動を確定するようになっているアルゴリズムを含む。試料の単一光学切片が与えられると、ブラウン運動の程度が、上述した方法を最初に適用して、関連する物体焦点積重体を抽出することによって確立されることができる。各物体焦点積重体について、運動の程度が、異なる焦点面における物体の重心の運動を考慮することによって計算されることができる。積重体内の全ての検出物体についてこれを適用して、統計的尺度が、運動がブラウン運動であるかどうか、または、たとえば試料内の物体の所望の流れ方向が存在するかどうか
を判断するために使用されうる。
【0045】
一実施形態では、画像解析デバイスは、形態パラメータを確定するようになっているアルゴリズムを含む。試料の単一光学切片が与えられると、試料内の物体の形態パラメータが、上述した方法を最初に適用して、合焦している関連物体を抽出することによって確立されることができる。合焦している各物体について、種々の形態パラメータ、たとえばサブ構成要素の数、フォームファクタ、物体周囲長、真円度、粒状性、円分散が確定されることができる。光学切片内の全ての検出物体についてこれを適用して、統計的尺度が、試料内の物体の総合形態パラメータを計算するために使用されうる。
【0046】
一実施形態では、画像解析デバイスは、経時的な形態変化を確定するようになっているアルゴリズムを含む。等しいまたは不等の時間間隔における試料の光学切片のセットが与えられると、細胞分裂速度が、前記第1のアルゴリズムを使用して関連する細胞を抽出することによって計算される。抽出される各物体について、細胞に関するパラメータが計算されることができる。これは、たとえばサブ構成要素の数、フォームファクタ、物体周囲長、真円度、粒状性、円分散でありうる。光学切片内の全ての物体についてのパラメータ値の平均値が計算されることができる。これは、問題の試料の全ての光学切片について繰り返される。平均値が経時的にどのように変わるかを観察することによって、経時的な形態変化が確立されることができる。中央値、分散、あるいは他の高次および/または非線形統計的尺度などのパラメータ値の平均以外の統計的尺度もまた、考慮されることができる。
【0047】
システムおよび方法は、生物学的有機体の増殖因子を確定するようになっていることができる。増殖因子は、たとえば、生物学的有機体の増殖が、試料環境、および/または、生物学的有機体と相互作用する1つまたは複数の作用物質の導入などの増殖条件によってどのように影響を受けるかに関する情報を抽出するために確定されることができる。
一実施形態では、画像解析デバイスは、増殖因子を確定するようになっているアルゴリズムを含む。等しいまたは不等の時間間隔における試料の光学切片のセットが与えられると、細胞分裂速度が、前記第1のアルゴリズムを使用して関連する細胞を抽出することによって計算される。抽出される各物体について、細胞に関するパラメータが計算されることができる。これは、たとえばサブ構成要素の数、物体面積、物体周囲長、2値骨格のサイズ、形状特徴などでありうる。光学切片内の全ての物体についてのパラメータ値の平均値が計算されることができる。これは、問題の試料の全ての光学切片について繰り返される。平均値が経時的にどのように変わるかを観察することによって、増殖曲線が確立されることができる。中央値、分散、あるいは他の高次および/または非線形統計的尺度などのパラメータ値の平均以外の統計的尺度もまた、考慮されることができる。
一実施形態では、画像解析デバイスは、動態を確定するようになっているアルゴリズムを含む。試料の単一光学切片が与えられると、試料内の物体の動態が、上述した方法を最初に適用して、関連する物体焦点積重体を抽出することによって確立されることができる。各物体焦点積重体について、運動の程度が、異なる焦点面における物体の重心の運動を追跡して計算されることができる。これは、単純な2D画像相関を適用することによって行われることができる。以降で、運動方向、速度などのような種々の動態パラメータが抽出されうる。光学切片内の全ての検出物体についてこれを適用して、統計的尺度が、試料内の物体の総合動態特性を計算するために使用されうる。
【0048】
一実施形態では、画像解析デバイスは、焦点挙動を確定するようになっているアルゴリズムを含む。単一物体画像積重体が与えられると、焦点挙動が、焦点関数を考慮することによって解析されうる。種々の尺度が確定されることができる。たとえば、焦点曲線のモダリティは、物体が振幅物体であるか位相物体であるかなどの光学特性を示しうる。焦点曲線の幅などの他の尺度も適用されることができうる。
【0049】
システムは、制御ユニット、たとえばコンピューティングデバイス、たとえばPCなどをさらに備える。制御ユニットは、プロセッサ、RAM、USB接続デバイスなどの外部接続デバイスを備える特別なコンピューティングデバイスとすることができる。制御ユニットは、たとえば本発明に従って構築される顕微鏡のハウンジングの外側に位置する外部ユニットとすることができる。
【0050】
本発明の一実施形態では、光学検出組立体は、画像照明デバイスをさらに備える。照明デバイスは、レーザ、ダイオードレーザ、LED、白熱電球、白色光源、または偏光光源からなるとすることができるが、同様に他の光源が、本発明の範囲内にあると考えられるべきである。画像照明デバイスは、画像採取中に試料容器を照明するために制御ユニットによって制御されることができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、外部刺激が、液体試料に加えられる。システムは、試料容器内の液体試料に刺激を提供するための刺激デバイスを備えることができる。刺激は、たとえば、試料に電磁界を提供すること、試料に磁界または電界を提供することとすることができ、または、刺激は、試料に音響波を適用することとすることができる。顕微鏡的な生物学的有機体は、一実施形態では、有機体の特定の挙動を確定するために刺激中に結像されることができ、特定の挙動は、有機体の種および性質を識別するのに役立つ可能性がある。刺激デバイスは、画像採取中に試料容器を刺激するために制御ユニットによって制御されることができる、または、刺激デバイスは、有機体の挙動のより永久的な変化を誘発するために、長い期間、試料容器を刺激することができる。
【0052】
本発明の一実施形態では、システムは、液体試料環境制御デバイスをさらに備える。液体試料環境制御デバイスは、前記液体試料の温度などの、前記液体試料内の前記生物学的有機体の物理的環境を制御するようになっているとすることができる。液体試料環境制御デバイスはまた、pH値、栄養のレベル、酸素、窒素、および二酸化炭素などのガスの分圧、塩分、Li、Na、およびKaなどのアルカリ金属イオンのレベル、Mg2+およびCa2+などのアルカリ土類金属のレベルなどの、前記液体試料の化学的環境を制御するようになっているとすることができる。
【0053】
本発明は、原理上、任意の生物学的有機体の微生物活性に関連するパラメータを確定するために使用されうる。本システムおよび方法の一実施形態では、生物学的有機体は、細菌、古細菌、酵母、真菌、花粉、ウィルス、顆粒状白血球、単核白血球などの白血球、赤血球、血小板、卵母細胞、精子、接合子、または幹細胞の群から選択される。
生物学的有機体は、糞、皮膚、病変、漿膜表面または粘膜表面からのスワップ試料、尿、リンパ液、膿、痰、漏出液、滲出液、母乳、汗、唾液、涙液、皮脂性分泌液、鼻汁または他の粘膜性分泌液などの腺性排斥物、血液、脳脊髄液、腫瘍性組織、任意の組織からバイオプシ物質、細胞外液、血清、血漿の群から選択される臨床材料内に含まれるとすることができる。
【0054】
原理上、生物学的有機体は、牛乳、ビール、炭酸飲料、フルーツジュース、発酵プロセスで利用される液体、オイル、地方自治体用水または工業用水および排水の処理施設の種々の処理ステージから抜き取られる水などの水試料、びん詰め水、湖、川、または海などの自然環境から抜き取られる水、検査室設定または生産施設からの水などの任意の種類の液体試料内に含まれるとすることができる。
【0055】
本発明はまた、生物学的有機体と非生物学的粒子とを区別するため、また、生きている生物学的有機体と死んだ生物学的有機体とを区別するために使用されることができる。
微生物活性は、抗生物質に対する前記生物学的有機体の微生物感受性を含む。
【0056】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの試料容器が、少なくとも第1の作用物質を接種される。接種は、前記液体試料が前記試料容器内に導入される前に行われることができる、または、接種は、試料容器に液体試料を導入した後に、すなわち、前記液体試料が前記試料容器内にある間に追加されることができる。作用物質は、容器内の生物学的有機体を破壊することを意図された抗生物質とすることができる、または、作用物質は、生物学的有機体の増殖を補助することを意図された栄養剤とすることができる。作用物質は、さらに、生物学的有機体を破壊するために設計された清掃用洗浄剤とすることができる。
【0057】
一実施形態では、試料容器の少なくとも一部は、Nagent個の異なる作用物質を接種され、ここで、Nagentは、2、3、4、5、6、8、10、20、または21以上とすることができる。異なる作用物質の数は、着手する測定タスクに依存する可能性があることが当業者によって理解されるであろう。たとえば、異なる種類の細菌に対して細菌の感受性が確定される場合、多数の作用物質を使用して試験することが必要である可能性がある。場合によっては、考えられる細菌の数は制限される可能性があり、異なる作用物質の数が、相応して制限される可能性がある。一実施形態では、前記試料容器は、試料容器の群に分割され、各群の資料容器は同じ作用物質を接種され、異なる群の資料容器は異なる作用物質を接種され、たとえば、前記試料容器の第1の群は前記第1の作用物質を接種され、前記試料容器の第2の群は第2の作用物質を接種され、前記試料容器の第3の群は第3の作用物質を接種され、前記試料容器の第4の群は第4の作用物質を接種される。
【0058】
試料容器はまた、たとえば、作用物質の組合せなどのいくつかの作用物質に対する1つの生物学的有機体の感受性を調べるために調製されることができる。一実施形態では、少なくとも1つの試料容器は、いくつかの異なる作用物質を接種される。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1つの試料容器は、実質的に作用物質がない。実質的にない、によって、容器内に存在する作用物質の量が、容器内の有機体に影響を及ぼすために必要な作用物質の量より少ないことが意味される。
【0060】
一実施形態では、第1の作用物質は、少なくとも2つの異なる試料容器内で異なる濃度で接種される。微生物が増殖することを防止するために必要な抗生物質の濃度を示す最小阻止濃度(MIT)を確定するとき、異なる容器内でいくつかの異なる濃度を同時に使用することが有利である。これは、測定をスピードアップし、測定は、同じ条件および環境を使用して採取されているため、比較されることができる。ある場合には、MITを確定するときに、少なくとも5または10の異なる濃度の作用物質が使用されることが好ましい場合がある。他の場合には、4以下の濃度または11以上の濃度など、異なる数の異なる濃度の作用物質が好ましい。
【0061】
本発明のシステムの一実施形態では、制御ユニットは、ある期間にわたって少なくとも1つの試料容器から光学切片を採取するようになっている。光学切片は、少なくとも1つの画像、また多くの場合、いくつかの画像を含む。ある用途である生物学的有機体の場合、光学切片(複数可)を採取するために使用される期間は、数日または数時間など、比較的長いとすることができる。他の用途で他の生物学的有機体の場合、光学切片を採取するための期間は、かなり短いとすることができる。一実施形態では、前記期間は、約144時間未満、たとえば約72時間未満、たとえば約48時間未満、たとえば約36時間未満、たとえば約24時間未満、たとえば約18時間未満、たとえば約12時間未満、たとえば約8時間未満、たとえば約5時間未満、たとえば約4時間未満、たとえば約3時間未満、たとえば約2時間未満、たとえば約1.5時間未満、たとえば約1時間未満、たとえば約2700秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約6
00秒未満、たとえば約480秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満である。述べた期間は例として与えられること、および、期間は、実施される測定に応じて変わる可能性があり、また、期間は、異なる試料容器について個々に変更されるなど、測定中に確定されたパラメータの値に応じて変更される可能性があることが当業者によって認識されるであろう。
【0062】
本発明によるシステムおよび方法は、複数の試料容器内に位置する生物学的有機体の微生物活性を判定するために使用されることができる。システムにおいて、制御ユニットは、少なくとも2つの異なる試料容器から光学切片を順次採取するようになっていることができる。一実施形態では、光学切片は、引き続く2つの光学切片の採取間に第1の時間間隔を持って、少なくとも2つの異なる試料容器からを採取される。第1の時間間隔は、約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満とすることができる。
【0063】
本発明によるシステムおよび方法は、複数の光学切片から、試料容器内に位置する1つまたは複数の生物学的有機体の微生物活性を判定することができる。システムにおいて、制御ユニットは、光学切片を順次採取するようになっている。一実施形態では、前記光学切片は、試料容器からの2つの続いて起こる光学切片間に第2の時間間隔を持って、試料容器から順次採取される。間隔は、実施される測定に応じて変わる可能性がある。第2の時間間隔は、約3600秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満とすることができる。試料の微生物活性が高い場合、短い間隔を使用することが有利である可能性があり、一方、低い微生物活性は、重要な情報を失うことなく、長い間隔を要求する可能性がある。間隔は、異なる試料容器について個々に変更されるなど、パラメータの確定された値に応じて測定中に変更される可能性がある。
【0064】
一実施形態では、制御ユニットは、パラメータの値が所定の条件を満たすと、画像採取を停止するようになっている。所定の条件は、前記生物学的有機体の抗生物質感受性の判定に関連する可能性がある、または、所定の条件は、最小阻止濃度(MIT)の判定に関連する可能性がある。
【0065】
本発明は、1つの実施形態に関連して、また、図面を参照して以下でより完全に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】細菌を含む液体および抗生物質を含むタブレットを接種された寒天プレートを示す写真。
【図2】標準的な光学顕微鏡の概略を示す側面図。
【図3】本発明の一実施形態で使用されることができる測定機構の概略を示す側面図。
【図4】試料流体を通して画像が垂直に採取される光学走査型顕微鏡の概略を示す断面図。
【図5】8個の試料容器を備える試料デバイスの一実施形態を示す斜視図。
【図6】光学顕微鏡および試料デバイスを備えるシステムを示す斜視図。
【図7a】走査間隔および期間を示すグラフ。
【図7b】走査間隔および期間を示すグラフ。
【図8】k個の別個の時点320、321、および322における単一試料の測定プロセスを示す図。
【図9】単一時点における単一試料の測定プロセスを示す図。
【図10】単一物体が監視される単一試料の測定プロセスを示す図。
【図11】細菌、結晶、および白血球を含む第1の尿試料の画像。
【図12】先の画像と同じ画像であるが、細菌は、各細菌について円を使用してマーキングした画像。
【図13】細菌を含む第2の尿試料の画像(細菌を約20秒間監視する)。
【図14】パン酵母を含む流体試料の画像。
【図15】図14の場合と同じ流体試料の画像であるが、19時間後の画像。
【図16】細胞分裂を監視するために1140分の間続く単一酵母細胞の拡大図。
【図17】酵母試料についての2つの増殖曲線(片方の曲線は栄養剤を含み場合を示し、他方は含まない場合を示している)。
【図18】生細胞と死細胞を区別するためのパラメータを確定することから得られる結果を示す図。
【図19】染色したラテックス粒子の光学切片を示す写真およびグラフ。
【図20】アシドフィルス菌の光学切片を示す写真およびグラフ。
【図21】調製直後のアシドフィルス菌を含む試料を示す図。
【図22】図21の場合と同じ試料を示す図であるが、約13時間後の図。
【図23】図21の場合と同じ試料を示す図であるが、約20時間後の図。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図は、概略的であり、明確にするために簡略化されることができる。全体を通して、同じ参照数字は、同一のまたは対応する部分のために使用される。
本発明の適用可能性のさらなる範囲は、以降で行われる詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の趣旨および範囲内の種々の変更および修正が詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明および特定の例は、本発明に種々の実施形態を示しながら、単に例証として示されることが理解されるべきである。
【0068】
本発明は、独立請求項(複数可)の特徴によって規定される。特許請求項内の任意の参照数字は、その範囲について非制限的であることを意図される。
いくつかの実施形態が先に示されたが、本発明は、これらに限定されるのではなく、添付特許請求の範囲に規定される主題内で他の方法で具現化されることができることが強調されるべきである。
【0069】
図1では、寒天を含むペトリ皿が、微生物抗生物質感受性試験のために使用される。細菌が、プレート上の寒天に添加され、異なる抗生物質を含む12個の異なるタブレットがプレート上に均等に分配された。プレートは、その後、ある期間インキュベートされ、感受性が、タブレットの周りの異なるサイズの変色を見ることによって判定されることができる。ペトリ皿内の細菌は、細菌分離プロセスの第3のステップからのものであり、第1のステップは、試験下の臨床材料をインキュベートすることであり、第2のステップは、単一培養を分離し、インキュベートすることであり、第3のステップは、インキュベートされた単一培養が1つまたは複数のペトリ皿に設置されることである。
【0070】
見てわかるように、変色したリングのサイズは、タブレットno.1の非常に小さいから、タブレットno.2の非常に大きいまで異なる。使用されるタブレットの残りは、タブレットno.1のサイズとタブレットno.2のサイズとの間の異なるサイズの変色し
たリングを有する。したがって、タブレットno.1からの抗生物質は、寒天基材内の細菌に及ぼす影響が非常に小さく、一方、タブレットno.2からの抗生物質は、細菌に及ぼす影響が最も良いと判定されることができる。患者に対する薬品を処方するために試験結果が使用される場合、処方は、したがって、タブレットno.2であることになる。インキュベーション期間は、数時間であったが、これは、最良の抗生物質についての正確な判定のために必要であった。より短いインキュベーション期間が使用された場合、タブレットの周りのリングのサイズは、ずっと小さくなっていることになり、最良の抗生物質についての正確な判定を難しくする。
【0071】
図2では、標準的な光学顕微鏡の図が示される。顕微鏡は、観察される試料を備えるスライドを保持するためのホルダ115を備える。顕微鏡は、拡大光学系120、照明110、および照明光学系135、ならびに接眼レンズ130をさらに備える。この特定の光学顕微鏡はまた、スライド上の基材の画像を取込むためのカメラ140を付加するための光学系125を備える。顕微鏡的粒子を観察することができるために、観察される基材は、注意深く調製されなければならない。調製は、試料内の粒子を染色する染色剤を添加することを含むことができ、また、ろ過などの他の方法も適用されることができる。試料は、準備できると、スライドに塗布されなければならず、また、カバーガラスが付加されなければならない。カバーガラスは、試料が、蒸発しないかまたはスライドから流出しないことを保証し、また、カバーガラスは、光学顕微鏡が適切に働くために必要な試料の非常に薄い層を作る。この光学顕微鏡を使用して、その種およびその種の性質を確定するために、細菌および他の顕微鏡的粒子を観察することが可能である。残念ながら、原位置でまたは自然生息地と同様の環境で、長い期間にわたって細菌を追従することは可能でない。これは、細菌の研究における主要な欠点である。たとえば、試料に抗生物質を添加しながら細菌を観察することは可能でない。すなわち、抗生物質の添加後の特定の時間における結果だけが観察されることができる。たとえ光学顕微鏡が細菌のある神像(god image)を
与えても、それは、通常、微生物抗生物質感受性試験に使用されない。
【0072】
図3には、微生物抗生物質感受性試験を行うのに適した光学顕微鏡の略図が示される。光学顕微鏡は、米国仮出願第61/146,850号に詳細に述べられる。
シャインプルーフ(Scheimpflug)の原理は、レンズ面が像面に平行でないときの、光学
系の焦点面の配向を記述する幾何学的規則である。図4には、シャインプルーフの原理が顕微鏡の設計中に適用された光学顕微鏡の略図が示される。この光学機構のより詳細な説明は、米国仮出願第61/146,850号に見出されることができる。
【0073】
図5には、8個の試料容器210を備える試料デバイス200の例が示される。試料容器210は、試料が液滴として添加されることができる開口した閉じ込めタイプである。
図6には、光学顕微鏡250が示され、図6に示すように試料ホルダ220および試料デバイス200を備える。試料ホルダは、試料の画像を採取するため、光学結像システム240に対して試料容器210を位置決めするために並進されることができる。試料の照明は、照明デバイス230によって行われる。
【0074】
図7は、走査間隔および期間を示す図である。図7aでは、試料容器C1は、l2の間隔でP1で示す期間に走査される。各期間は、試料の少なくとも1つの光学切片を採取するために十分に長い。各期間の間の間隔は、非常に短いとすることができる−すなわち、光学切片化は実質的に連続して行われる、または、その間隔は、採取されるデータの量を低減するために長いとすることができる。図7bでは、試料容器C1、C2、およびC3は、P1で示す期間で走査される。各期間は、試料の少なくとも1つの光学切片を採取するのに十分に長い。C1の走査とC2の走査と後続の容器の走査との間の間隔は、l2で示される。l2は、次の容器における走査のために正しい位置に試料デバイスを並進デバイスが位置決めするようにさせるのに十分に長くあるべきである。間隔l1は、同じ容器
Cnの2つの続いて起こる走査間の間隔を示す。間隔l1は、システムに全ての容器を走査させるのに十分に長くあるべきである。
【0075】
図8は、k個の別個の時点320、321、および322における単一試料の測定プロセスを示す。ある時刻t320について、試料の光学切片が採取される、300。アルゴリズム301が、光学切片に適用され、光学切片302に含まれるN個全ての物体について物体焦点積重体を出力する。各物体焦点積重体は、物体焦点積重体の物体画像を含む長方形で図に示される。別のアルゴリズム303が、物体焦点積重体に適用され、各物体焦点積重体についてあるパラメータの値304を出力する。なお別のアルゴリズム305が、パラメータ値304に適用され、時刻tにおける光学切片内の物体を記述する単一値306を出力する。この値は、X(t)306で示される。このプロセスは、k個全ての時点について繰り返され、時間の関数としてグラフで示される値X(t)、t=t,t,…,tのベクトルをもたらす。点は、直線308あるいは任意の他の線形または非線形補間法によって接続されることができる。
【0076】
図9は、単一時点における単一試料の測定プロセスを示す。試料の光学切片が採取される、300。アルゴリズム301が、光学切片に適用され、光学切片302に含まれるN個全ての物体について物体焦点積重体を出力する。各物体焦点積重体は、物体焦点積重体の物体画像を含む長方形で図に示される。別のアルゴリズム303が、物体焦点積重体に適用され、各物体焦点積重体についてあるパラメータの値304を出力する。なお別のアルゴリズム305が、パラメータ値304に適用され、試料内の物体の状態を記述する単一値309を出力する。これは、たとえば、生きている物体と死んだ物体との比、平均面積などでありうる。
【0077】
図10は、単一物体が、k個の別個の時点320、321、および322で監視される単一試料の測定プロセスを示す。ある時点t320について、試料の光学切片が採取される、310。関心物体を識別するアルゴリズム311が適用され、その物体焦点積重体312を抽出する。別のアルゴリズム313が、物体焦点積重体312に適用され、物体を記述するあるパラメータの値を計算する。パラメータの値は、X(t)314に記憶される。このプロセスは、k個全ての時点について繰り返され、時間の関数としてグラフで示される値X(t)、t=t,t,…,tのベクトルをもたらす。点は、直線316あるいは任意の他の線形または非線形補間法によって接続されることができる。
【0078】
図11では、明視野顕微鏡を使用して結像された第1の尿試料の画像が示される。試料は、細菌、赤血球および白血球、ならびに他の未確認細胞を含む。この画像および後続の画像は、図3に示すのと同様の光学機構を使用して採取される。画像のほぼ中央の4分の1だけが、光学系の被写界深度内にあると考えられることができる。画像において、細菌として識別される可能性がある多数の小さな黒い粒子が見られることができる。さらに、いくつかの白血球ならびに識別するのが難しい少数の物体が見られることができる。正常な尿は、身体からのある老廃物を含み、これらの老廃物の一部は、物体に似た結晶を形成する可能性がある。
【0079】
図12において、図10の場合と同じ画像が示されるが、細菌は、各細菌について円を使用してマーキングされる。細菌は、検出ステップであって、画像内の各ピクセルが、局所コントラスト尺度に基づく決定関数を使用して細菌または背景として分類される、検出ステップ、および、識別ステップであって、接続された細菌ピクセルが、ピクセルの接続成分(各成分は単一細菌を表す)にグループ化される、識別ステップを含むアルゴリズムを使用して識別される。以降で、細菌は、計数されるかまたはさらに解析されることができる。
【0080】
図13において、第2の尿試料の画像が示される。試料は、病理学的尿からなり、また、細菌および上皮細胞を含む、ある大きな物体を含む。示す画像は、尿試料の光学切片の投影である。試料の光学切片は2個の画像を含む。細菌の運動は、20秒間追跡され、白い痕跡は、各細菌の経路を示す。追跡は、光学切片のそれぞれの個々の画像に対して、図10で述べたのと同じアルゴリズムを適用することによって行われる。光学切片を通して物体を追跡するために、各画像間で、物体が1対1で照合される。各物体の座標が、記憶され、さらに解析されうる。この特定の試料の運動経路は、ブラウン運動(ランダム運動)と流体の流れによって生じる集合的対角線運動(collective diagonal movement)の組合せであることが見てわかる。この場合、全ての個々の細菌は、同じ運動特性を示す。複数の細菌培養を含む他の試料において、活性固体と不活性(休眠状態のまたは死んだ)固体とを区別することが可能である場合がある。この特定の画像において、2D情報だけが使用される。細菌の運動経路についての3D情報に関する、光学切片化中に得られる情報を使用して、3D追跡が確定されることができ、単一細菌に関するさらに多くの情報を与え、細菌の異なる種の区別を可能にする。
【0081】
図14には、水で希釈され、栄養剤と混合された酵母の画像が示される。酵母は、発酵において一般に使用され、この場合、パン酵母が、扱うのが非常に容易であるため使用されてきた。酵母の試料は、約22℃の温度に維持され、栄養剤は、酵母が過剰に増殖することを回避するために低密度に添加されただけであった。図11および図12の場合と同様に、光学系の被写界深度(DOF)内にあると考えられることができるのは、画像のほぼ中央の4分の1だけである。その画像において、多数の酵母細胞が見られることができる。細胞の一部は、DOFの下に位置決めされ、一方、他の細胞は、DOFの上に位置決めされる。大多数の細胞は、DOFの外側にあるが、計数のためにそれらを適格とすることができる品質で結像され、また、同じ試料のものであるが、光学切片化を行うためにわずかに並進されたDOFエリアを用いた他の画像と組合せて使用されることができる。物体移動度および増殖動態について画像を使用することも可能である。
【0082】
図15において、酵母を含む同じ試料が、約19時間後に結像される。温度が比較的低く維持され、栄養剤の濃度が最小に維持されたが、酵母細胞の数は、19時間の間に著しく増加した。
【0083】
図16aにおいて、酵母細胞が、監視するために選抜された。図16b〜16fにおいて、後のステージの同じ酵母細胞が示される。19時間の間に、ほぼ3つのさらなる世代の酵母細胞が、第1の単一細胞から生成し、小さなクラスターを形成する。近傍のクラスターからの少数の他の細胞も、画像内で検出されることができる。
【0084】
図17において、2つの増殖曲線が表示される。両方の増殖曲線は、パン酵母を含む試料を使用して確定される。曲線は、酵母細胞を含む画像の全エリアを表示する。下側の曲線は、栄養剤を添加しない状態の酵母の試料を表示する。酵母細胞の数が変化せず、酵母細胞が、新しい細胞のクラスターを生成するために分裂しないことが見てわかる。上側の曲線は、下側の曲線の酵母と同様の酵母の試料を表示するが、クラスターを形成するために酵母細胞を増殖/分裂させるために試料に栄養剤が添加された。非常に早期のステージにおいて、2つの曲線は明らかに分離しており、環境条件のうちのどの環境条件が、酵母細胞に最も適するかを決定するために、19時間、酵母を増殖させることは必要ないことになる。
【0085】
図18において、酵母のなお別の画像が示される。試料は、生きている細胞と死んだ細胞の両方を含む。試料は、酵母の2つの試料−生きている細胞を含む1つの試料、および、生きている全ての細胞が殺されるレベルまで試料の温度を上げることによって酵母細胞が殺された1つの試料を混合することによって調製された。酵母細胞は、その後、トリパ
ン青を使用して染色された。それは、生きている細胞と死んだ細胞を区別するためのよく知られている方法である。生きている細胞は、トリパン青が細胞膜を通過することを許可せず、一方、死んだ細胞は、その能力を維持しない。結果として、死んだ細胞は染色され、生きている細胞は染色されない。
【0086】
酵母細胞の試料は、光学的に切片化され、細胞が合焦して結像される画像の断面を抽出することによって光学切片の投影が提供された。一般に拡張被写界深度(EDOF)画像と表示されるこの投影は、したがって、合焦して結像された細胞の画像を全て含む。画像の研究は、2つの異なるタイプの細胞を明らかにする。すなわち、1つのタイプは、暗い円で囲まれる明るい中心を有し、一方、他のタイプは、(第1のタイプと比較して)暗い円で囲まれる小さくかつ暗い中心を有する。図18において、各タイプの3つの例が選択され、細胞を通る線に沿うピクセル強度値が、選択された各細胞について示される。左側の選択された3つの画像は、明るい中心を有し、細胞が染色されなかったことを示し、一方、右側の3つの細胞は、ある程度暗い中心を有し、細胞が染色されたことを示す。細胞が混合される前に、染色済みの生きている細胞と死んだ細胞についての他の測定と比較することは、明るい中心を有する細胞が生きている細胞であり、一方、暗い中心を有する細胞が死んだ細胞であることを明らかにする。
【0087】
図19において、染色済みのラテックス粒子の光学切片が、右に示される。光学切片は、ラテックス粒子の68個の異なる画像からなる。ラテックス粒子は径が5μmである。こうしたラテックス粒子は、一般に、光学顕微鏡検査の分野における較正標準として使用される。光学切片の各画像について、焦点関数が適用され、68個の画像のそれぞれについて焦点値がもたらされる。この場合、焦点関数は、その画像のピクセル強度値の分散である。焦点値は、画像番号の関数として図の左部分にグラフで示される。染色されたラテックス粒子は、真の振幅物体である。すなわち、光の振幅は、物体の厚さおよび密度に応じて減衰する。見てわかるように、焦点値は、ラテックス粒子が焦点により近づいて結像されればされるほど高くなる。焦点関数の形状は、明らかかに単峰性である。すなわち、その形状は、1つの明確に規定された最大を有する。
【0088】
図20において、未染色アシドフィルス菌の光学切片が、右に示される。光学切片は、細菌の42個の異なる画像からなる。細菌は、真の位相物体である。すなわち、従来の明視野顕微鏡を使用して、合焦して細菌を見ることは可能でない。しかし、顕微鏡が、細菌の焦点の周りに正または負にデフォーカスされる場合、細菌の画像が現れることになる。光学切片内の42個の画像のそれぞれについて、焦点値が計算され、その値は、図20の右に画像番号の関数としてグラフで表示される。グラフは、明らかに、2峰性である。すなわち、グラフは、2つの明確に規定された最大(最適焦点位置の両側に1つ)を有する。これは、位相物体についての典型的な挙動である。ある状況下で、位相物体と振幅物体を区別することが重要である場合がある。焦点曲線の形状を解析することによって、これは明らかにされうる。
【0089】
図21〜23は、アシドフィルス菌を含む試料の生成を示す。細菌は、栄養剤を含む試料内に最初に設置される。図21〜23は、それぞれの副図を含む。最も左の副図は、明視野顕微鏡を使用した細菌試料の画像である。画像の拡大部分が、細菌の視認性を改善するために画像の上部に表示される。その部分は、明るい長方形で示される。最も右の副図は、時間の関数としての細菌質量の量、すなわち増殖曲線を示す。細菌質量の量は、細菌によって占められる総画像面積として計算される。図21は、調製直後の試料を示す。小さな円の細菌に留意されたい。図22は、約13時間後の同じ試料を示す。急激な増殖によって細菌がどのように形状を変えるかに留意されたい。図23は、20時間後の試料を示す。増殖曲線に留意されたい。これは、指数関数的増殖の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料内の個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する少なくとも1つのパラメータについての値を確定するためのシステムにおいて、
−個々の生物学的有機体が識別されることができる画像を採取するようになっている少なくとも1つの画像採取デバイスを備える光学検出組立体と、
−試料を液体形態で保持するための少なくとも1つの試料容器を備える少なくとも1つの試料デバイスと、
−前記試料デバイスおよび前記光学検出組立体を互いに対して移動させるようになっている少なくとも1つの並進ユニットと、
−前記液体試料内の生物学的有機体の少なくとも第1の光学切片を形成する画像を採取するように、前記光学検出組立体および前記並進ユニットを制御するための制御ユニットと、
−前記第1の光学切片を解析するための画像解析デバイスとを備え、前記画像解析デバイスは、各試料容器内の前記個々の生物学的有機体の微生物活性を記述する前記少なくとも1つのパラメータについての前記値を確定するようになっているアルゴリズムを含むシステム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記第1の光学切片および少なくとも第2の光学切片などの光学切片を前記試料から順次採取するようになっている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光学検出組立体は、画像照明デバイスをさらに備え、前記画像照明デバイスは、好ましくは、レーザ、ダイオードレーザ、LED、白熱電球、白色光源、または偏光光源の群から選択される光源を備える請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記試料デバイス内で前記試料に刺激を提供するための刺激デバイスをさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記刺激は、電磁界の印加、磁界の印加、電界の印加、または音響波の印加の群から選択される請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの試料容器は、開口した閉じ込めを備える請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの試料容器は、閉鎖した閉じ込めを備える請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの試料容器は、入口および/または出口を備える請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
液体試料環境制御デバイスをさらに備える請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記液体試料環境制御デバイスは、前記液体試料の温度などの、前記液体試料内の前記生物学的有機体の物理的環境を制御するようになっている請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記液体試料環境制御デバイスは、pH値、栄養のレベル、酸素、窒素、および二酸化炭素などのガスの分圧、塩分、Li、Na、およびKaなどのアルカリ金属イオンのレベル、Mg2+およびCa2+などのアルカリ土類金属のレベルなどの、前記液体試料の化学的環境を制御するようになっている請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記パラメータは、細胞分裂速度、細胞生存率、生存/死亡率、ブラウン運動、代謝率、形態、増殖因子、動態、および焦点挙動の群から選択される請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記生物学的有機体は、細菌、古細菌、酵母、真菌、花粉、ウィルス、顆粒状白血球、単核白血球などの白血球、赤血球、血小板、卵母細胞、精子、接合子、または幹細胞の群から選択される、かつ/または、前記生物学的有機体は、糞、皮膚、病変、漿膜表面または粘膜表面からのスワップ試料、尿、リンパ液、膿、痰、漏出液、滲出液、母乳、汗、唾液、涙液、皮脂性分泌液、鼻汁または他の粘膜性分泌液などの腺性排斥物、血液、脳脊髄液、腫瘍性組織、任意の組織からバイオプシ物質、細胞外液、血清、血漿の群から選択される臨床材料内に含まれる請求項1から12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記微生物活性は、抗生物質に対する前記生物学的有機体の微生物感受性を含む請求項1から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記試料デバイス上の試料容器の数Ncountは、2、3、4、5、6、8、9、10、12、14、15、16、18、20、21、22、24、25、26、27、28、30、または31以上に等しい請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記Ncount個の試料容器は、同じ数の試料容器が各列内にある状態などで、1つまたは複数の列で配列される請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記試料容器の少なくとも一部は、第1の作用物質を接種される請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記試料容器の少なくとも一部は、Nagent個の異なる作用物質を接種され、ここで、Nagentは、好ましくは2、3、4、5、6、8、10、20、または21以上である請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記試料容器は、試料容器の群に分割され、各群の資料容器は同じ作用物質を接種され、異なる群の資料容器は異なる作用物質を接種され、たとえば、前記試料容器の第1の群は前記第1の作用物質を接種され、前記試料容器の第2の群は第2の作用物質を接種され、前記試料容器の第3の群は第3の作用物質を接種され、前記試料容器の第4の群は第4の作用物質を接種される請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの試料容器は、いくつかの異なる作用物質を接種される請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つの試料容器は、実質的に作用物質がない請求項17から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の作用物質は、抗生物質、栄養素、消毒薬、清掃用洗浄剤、またはその組合せの群から選択される請求項17から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記作用物質のうちの少なくとも1つの作用物質は、少なくとも2つの異なる試料容器内で異なる濃度で接種される請求項17から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御ユニットは、ある期間にわたって各試料容器から光学切片を採取するようになっている請求項1から23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記期間は、約144時間未満、たとえば約72時間未満、たとえば約48時間未満、たとえば約36時間未満、たとえば約24時間未満、たとえば約18時間未満、たとえば約12時間未満、たとえば約8時間未満、たとえば約5時間未満、たとえば約4時間未満、たとえば約3時間未満、たとえば約2時間未満、たとえば約1.5時間未満、たとえば約1時間未満である請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記期間は、約2700秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約480秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満である請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記期間は、異なる試料容器について個々に変更されるなど、前記パラメータの前記確定された値に応じて変更されることができる請求項22から24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御ユニットは、引き続く2つの光学切片の採取間に第1の時間間隔を持って、少なくとも2つの異なる試料容器から光学切片を順次採取するようになっている請求項1から27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の時間間隔は、約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満である請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御ユニットは、試料容器からの2つの続いて起こる光学切片間に第2の時間間隔を持って、前記試料容器から光学切片を順次採取するようになっている請求項1から29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記第2の時間間隔は、約3600秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満である請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の時間間隔および/または前記第2の時間間隔は、異なる試料容器について個々に変更されるなど、前記パラメータの前記確定された値に応じて変更されることができる請求項28から31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記制御ユニットは、前記パラメータの前記値が所定の条件を満たすと、画像採取を停止するようになっている請求項1から32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
前記所定の条件は、前記生物学的有機体の抗生物質感受性の判定に関連する請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記所定の条件は、最小阻止濃度(MIT)の判定に関連する請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
液体試料内の微生物活性を判定する方法において、
前記液体試料の複数の光学切片を順次採取する工程と、
前記複数の切片から第1および第2の光学切片を選択する工程と、
各光学切片について少なくとも1つのパラメータの値を計算する工程と、
前記少なくとも1つのパラメータの前記値の変化が、前記第1の切片と前記第2の切片との間で起こったかどうかを判定する工程と、
前記少なくとも1つのパラメータの前記値の前記変化から、前記液体試料内の前記微生物活性を判定する工程とを備える方法。
【請求項37】
前記微生物活性は、細菌、古細菌、酵母、真菌、花粉、ウィルス、顆粒状白血球、単核白血球などの白血球、赤血球、血小板、卵母細胞、精子、接合子、または幹細胞の群から選択される生物学的有機体に関連する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記パラメータは、細胞分裂速度、細胞生存率、生存/死亡率、ブラウン運動、代謝率、形態、増殖因子、動態、および焦点挙動の群から選択される請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記液体試料は、Ncount個の試料容器などの少なくとも1つの試料容器内に含まれ、ここで、Ncountは、1、2、3、4、5、6、8、9、10、12、14、15、16、18、20、21、22、24、25、26、27、28、30、または31以上に等しい請求項36から38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
光学切片は、2つの異なる試料容器から採取され、前記光学切片を採取する前記シーケンスは、2つの引き続く光学切片を採取する間に所定の第1の時間間隔を待つことを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の間隔は、約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満である請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記光学切片を採取する前記シーケンスは、同じ試料容器から光学切片を採取する間に所定の第2の時間間隔を待つことを含む請求項36〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の間隔は、約3600秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約30秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満、たとえば約0.5秒未満、たとえば約0.2秒未満、たとえば約0.1秒未満、たとえば約0.01秒未満、たとえば約0.001秒未満である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
1つの試料容器からの光学切片は、ある期間にわたって採取される請求項36〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記期間は、約72時間未満、たとえば約48時間未満、たとえば約36時間未満、たとえば約24時間未満、たとえば約18時間未満、たとえば約12時間未満、たとえば約8時間未満、たとえば約5時間未満、たとえば約4時間未満、たとえば約3時間未満、た
とえば約2時間未満、たとえば約1.5時間未満、たとえば約1時間未満である請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記期間は、約2700秒未満、たとえば約1800秒未満、たとえば約900秒未満、たとえば約600秒未満、たとえば約480秒未満、たとえば約300秒未満、たとえば約120秒未満、たとえば約60秒未満、たとえば約10秒未満、たとえば約5秒未満、たとえば約2秒未満、たとえば約1秒未満である請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記期間は、異なる試料容器について個々に変更されるなど、前記パラメータの前記確定された値に応じて変更されることができる請求項36〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記液体試料に外部刺激を加えることをさらに含み、前記刺激は、磁界の印加、電界の印加、電磁界の印加、または音響波の印加の群から選択される請求項36〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つの試料容器は、前記液体試料が前記試料容器内に導入される前に少なくとも第1の作用物質を接種される請求項36〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの試料容器は、前記液体試料が前記試料容器内にある間に少なくとも第1の作用物質を接種される請求項36〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記試料容器の少なくとも一部は、Nagent個の異なる作用物質を接種され、Nagentは、好ましくは2、3、4、5、6、8、10、20、または21以上である請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つの試料容器は、実質的に作用物質がない請求項49〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記作用物質は、抗生物質、栄養素、消毒薬、清掃用洗浄剤、またはその組合せの群から選択される請求項49〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記作用物質は、少なくとも2つの試料容器内で異なる濃度で接種される請求項49〜53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記液体試料環境制御デバイスは、pH値、栄養のレベル、酸素、窒素、および二酸化炭素などのガスの分圧、塩分、Li、Na、およびKaなどのアルカリ金属イオンのレベル、Mg2+およびCa2+などのアルカリ土類金属のレベルなどの、前記液体試料内の前記生物学的有機体の化学的環境が制御される請求項36〜54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記液体試料の温度などの、前記液体試料内の前記生物学的有機体の物理的環境が制御される請求項36〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記画像採取は、前記パラメータの前記値が所定の条件を満たすと停止される請求項36〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記所定の条件は、前記生物学的有機体の抗生物質感受性の判定に関連する請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記所定の条件は、最小阻止濃度(MIT)の判定に関連する請求項57に記載の方法

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16a】
image rotate

【図16b】
image rotate

【図16c】
image rotate

【図16d】
image rotate

【図16e】
image rotate

【図16f】
image rotate

【図18】
image rotate

【図20】
image rotate

【図11】
image rotate

【図17】
image rotate

【図19】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公表番号】特表2013−513087(P2013−513087A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541322(P2012−541322)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/DK2010/050327
【国際公開番号】WO2011/066837
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512145022)
【氏名又は名称原語表記】UNISENSOR A/S
【Fターム(参考)】